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特許7335042支援装置、支援システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】支援装置、支援システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230822BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/01 570
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021029843
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131096
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2022-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】桂 啓介
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-204751(JP,A)
【文献】特開2015-201188(JP,A)
【文献】特開2019-212311(JP,A)
【文献】特開2019-141378(JP,A)
【文献】特開2007-268021(JP,A)
【文献】特開2020-107069(JP,A)
【文献】特開2013-017098(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示する表示部と、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識する認識部と、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選択部と、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する通信部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記通信部は、前記支援指示を前記所定の支援端末に送信すると共に前記所定の支援端末を振動させる、
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記所定の支援者が選択された場合、前記呼出場所に紐づけられた前記識別番号の表示を消す、
請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記認識部は、前記呼出者を認識し、
前記選択部は、前記認識部が認識した複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出者の位置とに基づいて前記距離が最も短い位置に居る前記所定の支援者を選択する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項5】
前記呼出者を認識する別の認識部をさらに備え、
前記選択部は、前記認識部が認識した複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記別の認識部が認識した前記呼出者の位置とに基づいて前記距離が最も短い位置に居る前記所定の支援者を選択する、
請求項1から3のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項6】
前記呼出者が所有する前記呼出端末は、GPS(Global Positioning System)を有し、
前記支援者が所有する支援端末は、前記GPSを有し、
複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所は、前記GPSを使用して求められる、
請求項1から5のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項7】
前記選択部は、
前記動作に基づいて前記呼出場所ごとに複数の前記支援者をグループに分け、
前記グループごとに前記距離が最も短い位置に居る前記所定の支援者を選択する、
請求項1から6のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項8】
呼出者が所有する呼出端末と、
前記呼出者を支援する支援者が所有する支援端末と、
前記呼出端末との間で情報を送受信し、前記支援端末との間で情報を送受信する支援装置と、
を備え、
前記支援装置は、
前記呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示する表示部と、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した前記支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識する認識部と、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選択部と、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する通信部と、を有し、
前記呼出端末は、
前記支援の要求を送信する呼出端末通信部を有し、
前記支援端末のうちの前記所定の支援端末は、
前記支援指示を受信する支援端末通信部と、
前記支援指示を表示する支援端末表示部と、を有する、
支援システム。
【請求項9】
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示することと、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識することと、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択することと、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信することと、
を備える方法。
【請求項10】
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示することと、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識することと、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択することと、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信することと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支援装置、支援システム、方法、及びプログラムに関するものであり、特に、呼出者から支援の要求が有った場合、適切な支援者を呼出者の居る呼出場所に向かわせることが可能な支援装置、支援システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
緊急の際などに、呼出者が自身を支援してくれる支援者を呼び出す支援システムが知られている。このような支援システムにおいては、呼出者が居る呼出場所と紐づけられた複数の識別番号を複数の支援者(対応者)が確認し、だれがどの呼出場所に行くかを支援者同士が会話等による協議で決め、呼出場所にだれが行くのかが決まった場合、呼出場所に対応する識別番号をクリアし、その後に支援者が呼出場所に行く。
【0003】
特許文献1の0006段落には「本発明の一態様である順番管理システムは、施設における顧客の順番待ちを管理する順番管理システムであって、顧客から順番待ちの入力操作を受け付ける受付端末と、前記施設における順番待ち状況に対する変更操作を受け付ける順番管理端末と、前記施設における顧客の順番待ち状況を表示する表示端末と、前記受付端末、前記順番管理端末および前記表示端末の各々と通信ネットワークを介して接続され、前記受付端末が受け付けた前記入力操作と、前記順番管理端末が受け付けた前記変更操作とに基づいて、前記施設における順番待ち状況を管理し、前記表示端末に前記順番待ち状況を表示させる順番管理サーバと、前記順番管理サーバと通信ネットワークを介して接続される通知手段であって、順番が到来した顧客の携帯端末が、当該通知手段から所定の範囲内にあるとき、前記顧客の順番が到来した旨を音声で通知する通知手段と、を備えるものである。」と記載されている。
【0004】
特許文献2の0007段落には「実施形態の注文受付装置は、呼び出し操作があったテーブルを識別する識別番号を表示する表示器に接続されるサーバと通信可能に接続される注文受付装置において、少なくとも注文に係る注文情報の受け付けを含む顧客対応処理にかかるデータを生成して前記サーバに送信するデータ送信手段と、前記表示器における前記識別番号の表示を消去する消去信号を送信する消去信号送信手段と、を備える。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6055944号公報
【文献】特開2017-33112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような支援システムにおいて、だれがどの呼出場所に行くかを決める協議が成立しない場合、複数の支援者が同じ呼出場所に向かってしまったり、それにより他の呼出場所に支援者が行かずに呼出者が待たされたりするという課題があった。また、複数の支援者が同じ呼出場所に行くことが無いようにするため、呼出場所に行くことが決まった支援者が支援システムの表示部に表示された呼出場所に紐づけられた識別番号をクリアし、その後に呼出場所に向かう方法を採用していた。しかしながら、該方法は、支援者が識別番号をクリアするために表示部に行くので、その分だけ時間がかかるという課題があった。
【0007】
本開示の目的は、上述した課題のいずれかを解決する支援装置、支援システム、方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る支援装置は、
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示する表示部と、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識する認識部と、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選択部と、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する通信部と、
を備える。
【0009】
本開示に係る支援システムは、
呼出者が所有する呼出端末と、
前記呼出者を支援する支援者が所有する支援端末と、
前記呼出端末との間で情報を送受信し、前記支援端末との間で情報を送受信する支援装置と、
を備え、
前記支援装置は、
前記呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示する表示部と、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した前記支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識する認識部と、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選択部と、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する通信部と、を有し、
前記呼出端末は、
前記支援の要求を送信する呼出端末通信部を有し、
前記支援端末のうちの前記所定の支援端末は、
前記支援指示を受信する支援端末通信部と、
前記支援指示を表示する支援端末表示部と、を有する。
【0010】
本開示に係る方法は、
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示することと、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識することと、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選ことと、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信することと、
を備える。
【0011】
本開示に係るプログラムは、
呼出者が所有する呼出端末から支援の要求が有った場合、前記呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示することと、
前記識別番号が示す前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援することが可能であると判断した支援者が行う動作であって前記識別番号に紐づけられた前記動作を認識することと、
前記動作を行った複数の前記支援者のそれぞれの位置と前記呼出場所との間の距離を比較し、前記距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する選ことと、
前記所定の支援者が所有する所定の支援端末に対して前記呼出場所に駆け付けて前記呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信することと、
をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、呼出者から支援の要求が有った場合、適切な支援者を呼出者の居る呼出場所に向かわせることが可能な支援装置、支援システム、方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る支援装置を例示するブロック図である。
図2】実施の形態に係る支援システムを例示するブロック図である。
図3】実施の形態に係る支援システムの例示するブロック図である。
図4】実施の形態に係る支援システムの動作を例示するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明を省略する。
【0015】
[実施の形態]
<支援装置及び支援システムの構成>
図1は、実施の形態に係る支援装置を例示するブロック図である。
図2は、実施の形態に係る支援システムを例示するブロック図である。
図3は、実施の形態に係る支援システムを例示するブロック図である。
図2及び図3に示す呼出端末12a、呼出端末12b、及び呼出端末12cをまとめて呼出端末12と称する。図2に示す支援端末13a、支援端末13b、及び支援端末13cをまとめて支援端末13と称する。
【0016】
図1に示すように、支援装置11は、表示部111と認識部112と選択部113と通信部114とを備える。
【0017】
図2に示すように、支援システム10は、呼出端末12と支援端末13と支援装置11とを備える。呼出者が所有する端末を呼出端末12と称する。呼出者を支援する支援者が所有する端末を支援端末13と称する。支援装置11は、呼出端末12との間で情報を送受信し、支援端末13との間でも情報を送受信する。尚、支援者を対応者と称することもある。
【0018】
呼出者は、呼出端末12を使用して支援を要求する。呼出端末12は、支援の要求を送信する呼出端末通信部(図示せず)を有する。
【0019】
支援装置11の表示部111は、呼出者が呼出端末12を使用し、呼出端末12から支援の要求が有った場合、呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を表示する。具体的には、表示部111は、呼出者Ca1が呼出場所P1から呼出端末12aを使用して支援の要求をした場合、呼出者Ca1が居る呼出場所P1を示す識別番号Nо.1を表示する。また、表示部111は、呼出者Ca3が呼出場所P3から呼出端末12cを使用して支援の要求をした場合、呼出者Ca3が居る呼出場所P3を示す識別番号Nо.3を表示する。
【0020】
支援者は、表示部111に表示された識別番号を見て、識別番号が示す呼出場所に駆け付けて呼出者を支援することが可能であると判断した場合、認識部112に向かって支援者が自身の体を使った動作を行う。支援者の動作は、識別番号に紐づけられている。支援者の体を使った動作とは、例えば、支援者が行うジェスチャである。
【0021】
支援者は、自身の意図通りに動かせる身体の器官を用いてジェスチャを行い、自身の意図を認識部112に視覚的に認識(伝達)させる。ジェスチャは、身振り手振りに加えて、例えば、ウインク、目の瞬き、舌出し等の動作でもよい。
【0022】
認識部112は、例えば、カメラである。認識部112は、カメラを使用して支援者のジェスチャを認識するので、認識部をジェスチャ認識部と称することもある。尚、簡単のため、、以降の説明では支援者が認識部112に向かって行う動作をジェスチャとして説明する。
【0023】
図2に戻って説明すると、支援者Su1は、表示部111に表示された識別番号No.1とNo.3を見て、識別番号No.1が示す呼出場所P1に駆け付けて呼出者Ca1を支援することが可能であると判断した場合、認識部112に向かって識別番号No.1に紐づけられたジェスチャGt1を行う。同様に、支援者Su3は、表示部111に表示された識別番号No.1とNo.3を見て、識別番号No.1が示す呼出場所P1に駆け付けて呼出者Ca1を支援することが可能であると判断した場合、認識部112に向かって識別番号No.1に紐づけられたジェスチャGt1を行う。
【0024】
認識部112は、支援者が行う動作を認識する。具体的には、認識部112は、支援者Su1が行うジェスチャGt1と支援者Su3が行うジェスチャGt1を認識する。
【0025】
選択部113は、ジェスチャ(動作)を行った複数の支援者のそれぞれの位置と呼出場所との間の距離を比較する。選択部113は、比較結果に基づいて、距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択する。具体的には、選択部113は、支援者Su1の位置と呼出場所P1との間の距離、例えば3メートルと、支援者Su3の位置と呼出場所P1との間の距離、例えば10メートルとを比較する。選択部113は、比較結果に基づいて、距離が最も短い位置に居る支援者Su1を所定の支援者として選択する。
【0026】
選択部113は、ジェスチャ(動作)に基づいて、呼出場所ごとに複数の支援者をグループに分け、グループごとに距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択してもよい。
【0027】
尚、認識部112は、支援者とともに呼出者をも認識してもよい。すなわち、認識部112は、支援者の行うジェスチャ(動作)とともに呼出者の居る呼出場所をも認識してもよい。そして、選択部113は、認識部112が認識した複数の支援者のそれぞれの位置と、呼出者の位置と、に基づいて、距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択してもよい。
【0028】
また、支援装置11は、呼出者のみを認識するための別の認識部112aをさらに備えてもよい。そして、選択部113は、認識部112が認識した複数の支援者のそれぞれの位置と、別の認識部112aが認識した呼出者の位置と、に基づいて、距離が最も短い位置に居る所定の支援者を選択してもよい。
【0029】
また、呼出者が所有する呼出端末12は、GPS(Global Positioning System)を有し、支援者が所有する支援端末13は、同様にGPSを有してもよい。そして、複数の支援者のそれぞれの位置と、呼出場所は、GPSを使用して求めてもよい。認識部112が支援者と呼出者の位置を認識できない場合でも、GPSを使用することにより、支援者と呼出者の位置を認識することができる。
【0030】
通信部114は、選択部113が選択した所定の支援者が所有する所定の支援端末13pに対して、呼出場所に駆け付けて呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する。具体的には、選択部113が支援者Su1を選択した場合、通信部114は、支援者Su1が所有する支援端末13aに対して、呼出場所P1に駆け付けて呼出者Ca1を支援する旨を示す支援指示を送信する。支援指示を対応指示と称することもある。
【0031】
通信部114は、支援指示を所定の支援端末13pに送信すると共に所定の支援端末13pを振動させてもよい。所定の支援端末13pを振動させることにより、支援者に支援指示の命令が有ることを知らせることができる。
【0032】
表示部111は、選択部113により所定の支援者が選択された場合、呼出場所に紐づけられた識別番号の表示を消す(クリアする)。表示部111の表示を消すことを、クリアすると表現することもある。
【0033】
支援端末13のうちの所定の支援端末13pは、支援指示を受信する支援端末通信部(図示せず)と、支援指示を表示する支援端末表示部(図示せず)とを有する。
【0034】
支援者Su1は、自身が所有する支援端末13a(所定の支援端末13p)の支援端末表示部に表示された「呼出場所P1に駆け付けて呼出者Ca1を支援する」との支援指示を確認する。支援者Su1は、支援指示に従い、呼出者Ca1を支援するために呼出場所P1に行く。
【0035】
実施の形態に係る支援装置11は、認識部112に向かってジェスチャを行った複数の支援者のそれぞれの位置と呼出場所との間の距離を比較し、距離が最も短い位置に居る所定の支援者が所有する所定の支援端末13pに対して呼出場所に駆け付けて呼出者を支援する旨を示す支援指示を送信する。これにより、どの支援者がどの呼出場所に行くかを支援者同士の会話等による協議で決める必要が無くなり、支援者を決定するまでの時間を短くすることができる。
【0036】
その結果、実施の形態によれば、呼出者から支援の要求が有った場合、適切な支援者を呼出者の居る呼出場所に向かわせることが可能な支援装置、支援システム、方法、及びプログラムを提供することができる。
【0037】
尚、実施の形態では、支援装置11が呼出場所に行く支援者を決定するので、複数の支援者が同じ呼出場所に向かってしまうことが無い。また、呼出場所に支援者が行かずに呼出者が待たされることも無い。
【0038】
また、実施の形態では、複数の支援者が呼出者を支援できる状態にある場合、距離に基づいて適切な所定の支援者を決定するので、即座に最適な支援者を決定することができる。このため、誰が支援に行くのかという判断をするための協議を行わなくてもよいので、その分の時間や手間を省略することができる。
【0039】
また、実施の形態では、支援者が決定された場合、表示部111に表示された識別番号を、支援装置11がクリアする。これにより、支援者が表示部111に触れて識別番号をクリアする必用が無いので、支援者が呼出場所に行く移動時間を短くすることができる。さらに、実施の形態では、支援者が表示部111に触れてクリアすることが無いので、公衆衛生的に清潔である。
【0040】
また、実施の形態では、複数の支援装置11を複数の場所に設置してもよい。1つの認識部112で対象とする空間全体をカバーできない場合、認識部112を増設し、例えば、図3に示すように、建物の1階に認識部1121を設置し、建物の2階に認識部1122を設置し、建物の3階に認識部1123を設置して建物全体(空間全体)をカバーしてもよい。すなわち、支援装置11が複数の認識部112(認識部1121から認識部1123)を備え、複数の場所のそれぞれに認識部112を設置してもよい。
【0041】
このように、複数の場所に認識部112を設置する方法では、支援者は、自身に最も近い位置に設置された認識部112に向かってジェスチャを行う。これにより、認識部112は、1つの認識部112が全ての支援者からのジェスチャを認識する場合(図2参照)と比べて、ジェスチャの認識間違いを起こしにくい。また、複数の場所に認識部112を設置する方法は、死角を少なくするので、支援者同士がそれぞれの位置を把握しにくく支援者同士の意思の疎通が難しい状況下でも、各支援者からのジェスチャを確実に認識することができる。
【0042】
また、複数の認識部112に代わりに、例えば、各支援者が所有する支援端末13(支援者Su1が所有する支援端末13a、支援者Su2が所有する支援端末13b、支援者Su3が所有する支援端末13c)を使用してもよい。具体的には、各支援端末13にそれぞれの支援者のジェスチャを認識させ、支援端末13から支援装置11にジェスチャを送信してもよい。支援端末13が、例えば、スマートグラスなどの所謂「ウェアラブルデバイス」の場合、ジェスチャを認識して送信する機能を有するので実現可能である。
【0043】
また、実施の形態において、呼出者を顧客に置き換え、支援者を店員に置き換えて、レストランやホームセンタに適用してもよい。また、実施の形態において、呼出者を患者に置き換え、支援者を看護師に置き換えて、病院の入院病棟に適用してもよい。
【0044】
<支援システムの動作>
図4は、実施の形態に係る支援システムの動作を例示するシーケンス図である。
図4に示すように、先ず、呼出者が呼出場所から呼出端末12を使用して支援要求を行う(ステップS101)。
【0045】
支援装置11は、呼出者から支援要求(呼び出し要求)が有った場合、呼出者が居る呼出場所を示す識別番号を受信し表示する(ステップS102)。
【0046】
支援装置11は、支援要求(呼び出し要求)の有った呼出場所を示す識別番号を支援端末13に送信する(ステップS103)。
【0047】
支援端末13は、呼出場所を示す識別番号を受信する(ステップS104)。支援者は、支援装置11の表示部111に表示された呼出場所を示す識別番号を確認する。
【0048】
支援者は、識別番号が示す呼出場所に駆け付けて呼出者を支援することが可能であると判断した場合、自身が支援することを他の支援者に知らせるため、識別番号と紐づけられたジェスチャを認識部112に向けて行う(ステップS105)。
【0049】
支援装置11の認識部112は、呼出場所とジェスチャを認識する(ステップS106)。
【0050】
支援装置11は、ジェスチャを行った複数の支援者の位置と呼出場所との間の距離を比較する。支援装置11は、呼出場所に最も近いジェスチャを行った支援者の支援端末13に支援指示(対応指示)を送信する(ステップS107)。
【0051】
支援装置11は、支援指示を支援端末13に送信すると共に支援端末13を振動させる。支援端末13を振動させることにより、支援者に支援指示を伝えることで、支援者は支援端末13の支援端末表示部の画面を見る必要がない。
【0052】
支援装置11は、支援端末13に接続したヘッドセットを介し、音で支援者に対して支援指示を送信してもよい。
【0053】
ステップS107の後、支援装置11は、支援者が決定された場合、識別番号(呼出場所)を表示させておく必要が無いので、表示部111に表示された呼出場所を示す識別番号をクリアする(ステップS108)。
【0054】
また、ステップS107の後、支援端末13は、支援装置11から支援指示を受信する(ステップS109)。
【0055】
支援者は、自身が所有する支援端末13を介して支援指示を確認し、自身が呼出場所(対応場所)に最も近い支援者であることを認識する。支援者は、支援端末13を介して、自身(支援者)が呼出場所に向かい支援を行う旨を送信する(ステップS110)。
【0056】
呼出端末12は、支援者が呼出場所に向かい呼出者を支援する旨を、支援端末13から受信する(ステップS111)。
【0057】
支援装置11は、ステップS101において、複数の呼出者がそれぞれの呼出場所から同時に支援要求の呼び出しを行い、それに対して複数の支援者が異なるジェスチャを行った場合でも、異なるジェスチャのそれぞれを認識することができるものとする。
【0058】
尚、上記の実施の形態では、支援者が行うジェスチャは、支援者が支援可能な呼出場所を示すが、これには限定されない。実施の形態では、ジェスチャは、呼出場所に関係なく、支援可能という情報だけを示してもよい。そして、支援装置11は、複数の呼出場所ごとに、ジェスチャを行った複数の支援者のそれぞれの位置と該呼出場所との間の距離を比較し、距離が最も短い位置に居る所定の支援者に支援指示を出してもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、各構成要素の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0060】
上記の実施の形態において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実態のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(具体的にはフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(具体的には光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(具体的には、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM))、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0061】
さらに、動作は特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序または連続した順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。同様に、いくつかの特定の実施の形態の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは本開示の範囲に対する制限としてではなく、特定の実施の形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施の形態の文脈で説明される特定の特徴は、単一の実施の形態に組み合わせて実装されてもよい。逆に、単一の実施の形態の文脈で説明される様々な特徴は、複数の実施の形態で別々にまたは任意の適切な組み合わせで実装されてもよい。
【0062】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0063】
尚、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
10:支援システム
11:支援装置
111:表示部
112、1121、1122、1123:認識部
112a:別の認識部
113:選択部
114:通信部
12、12a、12b、12c:呼出端末
13、13a、13b、13c:支援端末
13p:所定の支援端末
Su1、Su2、Su3:支援者
Ca1、Ca2、Ca3:呼出者
P1、P2、P3:呼出場所
図1
図2
図3
図4