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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】提案装置、提案方法及び提案プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q50/30
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019182930
(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公開番号】P2021060659
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-09-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 照彦
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(72)【発明者】
【氏名】丸山 三喜也
(72)【発明者】
【氏名】山本 拓巳
【審査官】橋沼 和樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/030835(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/026180(WO,A1)
【文献】特開2018-120596(JP,A)
【文献】特開2015-035044(JP,A)
【文献】特開2013-214167(JP,A)
【文献】特開2018-055538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する特定部と、
前記共通する移動経路を前記複数の利用者のそれぞれが個別にバス又は列車で移動した際の第1の移動料金と、前記共通する移動経路を前記複数の利用者が同一のタクシーにより移動した場合の第2の移動料金とを算出する算出部と、
前記第1の移動料金と前記第2の移動料金の比較結果が所定の条件を満たす場合は、前記複数の利用者に対し、前記共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する提案部と
を有することを特徴とする提案装置。
【請求項2】
移動経路を検索するために複数の利用者がそれぞれ個別に入力した出発地と目的地とを示す検索情報を取得する取得部
を有し、
前記特定部は、前記検索情報が示す出発地と目的地との情報に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の提案装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記出発地から前記目的地へと至る移動経路のうち一部の移動経路が共通する複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項2に記載の提案装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記検索情報として、前記複数の利用者が前記出発地から前記目的地まで移動する日時をさらに示す情報を取得し、
前記特定部は、前記検索情報に基づいて、複数の利用者が同じ時間帯に移動する移動経路を特定し、特定した移動経路を前記共通する移動経路として特定する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の提案装置。
【請求項5】
前記取得部は、現在時刻から所定の期間が経過するまでの間に移動を開始する利用者の検索情報を取得する
ことを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項6】
前記取得部は、現在時刻から所定の期間が経過したよりも後に移動を開始する利用者の検索情報を取得する
ことを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項7】
前記特定部は、前記経路検索の内容と、前記利用者の属性とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項8】
前記特定部は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の性別が所定の条件を満たす複数の利用者を前記共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の提案装置。
【請求項9】
前記特定部は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の所属する企業の業種が互いに異なる複数の利用者を前記共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の提案装置。
【請求項10】
前記特定部は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、前記第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を前記共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する
ことを特徴とする請求項7に記載の提案装置。
【請求項11】
前記特定部は、前記経路検索の内容と、移動経路が共通する他の利用者と同一の移動体で移動した際の履歴とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項12】
前記特定部は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者が同一の移動体で移動した他の利用者の属性の組み合わせと類似する属性の組み合わせを有する複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項11に記載の提案装置。
【請求項13】
前記特定部は、前記経路検索の内容と、前記利用者の現在位置とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項14】
前記特定部は、移動状況が所定の条件を満たす移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する
ことを特徴とする請求項1~13のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項15】
前記特定部は、複数の利用者が共通して移動する移動経路であって、属性が所定の条件を満たす移動経路を前記共通する移動経路とする
ことを特徴とする請求項1~14のうちいずれか1つに記載の提案装置。
【請求項16】
提案装置が実行する提案方法であって、
利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する特定工程と、
前記共通する移動経路を前記複数の利用者のそれぞれが個別にバス又は列車で移動した際の第1の移動料金と、前記共通する移動経路を前記複数の利用者が同一のタクシーにより移動した場合の第2の移動料金とを算出する算出工程と、
前記第1の移動料金と前記第2の移動料金の比較結果が所定の条件を満たす場合は、前記複数の利用者に対し、前記共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する提案工程と
を含むことを特徴とする提案方法。
【請求項17】
利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する特定工程と、
前記共通する移動経路を前記複数の利用者のそれぞれが個別にバス又は列車で移動した際の第1の移動料金と、前記共通する移動経路を前記複数の利用者が同一のタクシーにより移動した場合の第2の移動料金とを算出する算出工程と、
前記第1の移動料金と前記第2の移動料金の比較結果が所定の条件を満たす場合は、前記複数の利用者に対し、前記共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する提案工程と
をコンピュータに実行させるための提案プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提案装置、提案方法及び提案プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バスやタクシー等の移動体を用いて、利用者の移動を実現するMaaS(Mobility as a service)の技術が議論されている。このような移動体を用いた利用者の移動を効率化するため、例えば、移動体に設置された車載センサ情報に基づいて、乗客が存在する可能性が高い領域を推定する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-81957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者の移動を効率化させているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した従来技術では、乗客が存在する可能性が高い領域を推定するに過ぎない。このため、各利用者が個別に移動体を利用した場合は、移動体を用いたサービスの効率が悪化してしまう。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者の移動を効率化させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る提案装置は、利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する特定部と、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する提案部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者の移動を効率化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る提案装置が実行する提案処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る提案装置の構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る提案装置が実行する提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提案装置、提案方法及び提案プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提案装置、提案方法及び提案プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
[実施形態]
〔1-1.提案装置の一例〕
まず、図1を用いて、提案装置が実行する提案処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る提案装置が実行する提案処理の一例を示す図である。
【0012】
図1では、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、図2参照)を介して、各利用者U1、U2、U3(以下、「利用者U」と総称する場合がある。)が使用する端末装置101、102、103(以下、「端末装置100」と総称する場合がある。)及び提案装置10は、相互に通信可能である。また、提案装置10は、図示しない外部サーバ等とも相互に通信可能であってもよい。
【0013】
端末装置100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の4G、又は5G等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
また、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、現在位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を出力する機能を有するものとする。ここで、端末装置100は、インターネットを利用した経路検索を実行可能であるものとする。また、端末装置100は、経路検索の他にも、Webサイトの検索及び閲覧、電子商店街における購買、ネットオークションの利用、音楽コンテンツや動画コンテンツの再生等、一般的なモバイルデバイスが実行可能な各種の処理を実行可能であってもよい。
【0015】
提案装置10は、出発地から目的地までの経路及び乗り合いを利用者Uに対して提案する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、提案装置10は、端末装置100からのリクエストに応じて、経路検索及び乗り合いが可能な利用者の特定を行う。そして、提案装置10は、特定した複数の利用者に対し、共通の移動経路を乗り合いにより移動するよう提案する。ここで、乗り合いとは、複数の利用者が1つの乗り物に乗って移動することである。また、乗り合いが可能な利用者とは、利用者と共通する移動経路を採用可能な複数の利用者である。
【0016】
例えば、乗り合いには、複数の利用者が1台のタクシーに乗って移動することが含まれる。一般的に、タクシーの料金は乗客数に対しては変動しないため、乗り合いをする利用者は、タクシーの料金を折半し、移動にかかる費用を抑えることができる。
【0017】
〔1-2.経路検索〕
まず、提案装置10による経路検索について説明する。提案装置10は、任意の出発地から任意の目的地までの経路検索を行うことができる。ここで、提案装置10は、移動経路のみならず、交通手段(列車、バス、タクシー、徒歩等)、所要時間、到着予測時刻等を検索することができる。
【0018】
また、例えば、提案装置10は、バス停や駅等の公共交通機関の要所のみならず、ホテルや各種施設等のランドマークや住所、地図コンテンツで選択された場所等を出発地や目的地として採用することができる。また、提案装置10は、例えば、端末装置100がGPSを用いて取得した現在位置を出発地として採用してもよい。
【0019】
さらに、提案装置10は、出発日時や到着日時の指定を受け付けることができる。例えば、提案装置10は、出発日時とともに出発地と目的地との指定を受け付けた場合は、指定された出発日時よりも後に、指定された出発地から目的地に向けて出発した場合における移動経路や、到着予測時刻等を検索する。また、提案装置10は、到着日時とともに出発地と目的地との指定を受け付けた場合は、指定された到着日時よりも前に指定された目的地に到着するように、移動経路や出発日時を検索する。
【0020】
なお、上述した処理以外にも、提案装置10は、任意の経路検索を実現可能である。また、提案装置10は、利用者Uによる経路検索の履歴をログとして保持しているものとする。例えば、提案装置10は、端末装置100から受け付けた出発地、目的地、出発日時或いは到着日時等といった検索クエリと、その検索クエリに対する経路検索の結果とを対応付けたログを保持する。
【0021】
また、提案装置10は、移動経路を検索するために複数の利用者がそれぞれ個別に入力した出発地と目的地とを示す検索情報を取得する。そして、提案装置10は、取得した検索情報のそれぞれについて経路検索を実行する。このため、提案装置10は、一定の期間内に、複数の経路検索の結果を得ることができる。
【0022】
〔1-3.乗り合いが可能な利用者の特定〕
次に、提案装置10による、乗り合いが可能な利用者の特定について説明する。上述の通り、提案装置10は、複数の経路検索の結果を得ることができる。そこで、提案装置10は、複数の経路検索の結果を用いて乗り合いが可能な利用者の特定を行う。
【0023】
提案装置10は、検索情報が示す出発地と目的地との情報に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。具体的には、提案装置10は、出発地から目的地へと至る移動経路のうち一部の移動経路が共通する複数の利用者を特定する。
【0024】
例えば、移動経路のデータ構造は、出発地、目的地及び経由地を含む各地点を頂点とする有向グラフであってもよい。この場合、移動経路における各地点間の移動方向は、辺の向きによって表される。そして、提案装置10は、有向グラフのパスの少なくとも一部が共通する2つ以上の移動経路を、共通する移動経路として特定する。さらに、提案装置10は、特定した移動経路に対応する複数の利用者を特定する。
【0025】
また、提案装置10は、利用者が実際に移動する日時を考慮して乗り合いが可能な利用者の特定を行うことができる。そのような場合、提案装置10は、検索情報として、複数の利用者が出発地から目的地まで移動する日時をさらに示す情報を取得する。そして、提案装置10は、検索情報に基づいて、複数の利用者が同じ時間帯に移動する移動経路を特定し、特定した移動経路を共通する移動経路として特定する。
【0026】
例えば、提案装置10は、検索情報として、利用者が指定した出発日時及び到着日時を取得する。ここで、提案装置10は、移動経路を検索するとともに、検索した移動経路が採用された場合の、出発地、目的地及び経由地を含む各地点へ到達する時間帯を、出発日時及び到着日時に基づいて推定する。そして、提案装置10は、一部の移動経路が共通し、かつ当該一部の移動経路に含まれる各地点について推定した時間帯が重複する2つ以上の移動経路を特定する。
【0027】
提案装置10は、現在地から速やかに出発することを希望する利用者に乗り合いを提案することができる。そのような場合、提案装置10は、現在時刻から所定の期間が経過するまでの間に移動を開始する利用者の検索情報を取得する。例えば、提案装置10は、出発地が同一、かつ、出発日時に、現在時刻を含む例えば5分以内の期間を指定した利用者の中から乗り合いをする利用者を特定することで、各利用者の速やかな出発を促すことができる。
【0028】
なお、検索情報に出発日時が指定されていない場合、提案装置10は、当該検索情報を、現在時刻が出発日時として指定された検索情報とみなすことができる。そのような場合、提案装置10は、提案装置10は、現在時刻から所定の期間が経過するまでの間に移動を開始する利用者の検索情報に加え、出発日時が未指定の検索情報を取得する。
【0029】
また、提案装置10は、現在の日時からある程度期間が経過した後に出発することを希望する利用者に乗り合いを提案することができる。そのような場合、提案装置10は、現在時刻から所定の期間が経過したよりも後に移動を開始する利用者の検索情報を取得する。例えば、提案装置10は、出発地が同一、かつ、出発日時に、例えば翌日の近い時間帯を指定した利用者の中から乗り合いをする利用者を特定することで、各利用者の計画的な出発を促すことができる。また、提案装置10は、乗り合いをする利用者が特定できた場合に、端末装置100へのプッシュ通知を行うことができる。
【0030】
提案装置10は、経路検索の内容と、利用者の属性とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。ここで、利用者が、特定の属性の利用者との乗り合いを不快に感じる場合があり得る。例えば、タクシーの3人乗りの後部座席に、大柄な利用者が3人で乗ると、各利用者は窮屈に感じることが考えられる。このため、例えば、提案装置10は、大柄な利用者に対しては、小柄な利用者との乗り合いを提案する。なお、大柄であるか小柄であるかは、属性の一例である。また、利用者の属性に関する情報は、登録手続き等により事前に提供されているものとする。
【0031】
また、提案装置10は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の性別が所定の条件を満たす複数の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定してもよい。例えば、異性の利用者との乗り合いを不快に感じる利用者を考慮して、提案装置10は、同性の利用者を特定するようにすることができる。
【0032】
また、提案装置10は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の所属する企業の業種が互いに異なる複数の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定してもよい。例えば、提案装置10は、所属している企業の業種が同一である利用者以外との乗り合いを提案する。これにより、提案装置10は、所属している企業がライバル関係にある利用者を除外して乗り合いを提案することができる。この場合の属性は、利用者が所属している企業の業種である。
【0033】
また、提案装置10は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定することができる。例えば、提案装置10は、各利用者から、乗り合いを希望しない利用者を特定する情報を受け付けておき、当該乗り合いを希望しない利用者との乗り合いを提案しないようにしてもよい。この場合、利用者は、例えば断絶関係にある利用者等の利用者IDをあらかじめ登録しておく。
【0034】
さらに、提案装置10は、複数の属性及び登録情報から、乗り合いを提案するか否かを総合的に判断するようにしてもよい。例えば、提案装置10は、各属性及び登録情報を基に乗り合いを提案する優先度を計算し、優先度が高い利用者との乗り合いを優先的に提案する。具体的には、提案装置10は、利用者同士が同性であれば優先度を大きくし、利用者同士の所属する企業が同業種であれば優先度を小さくする。また、一方の利用者が、他方の利用者の利用者IDを、乗り合いを希望しない利用者として登録している場合、提案装置10は、優先度にかかわらず乗り合いを提案しないようにしてもよい。
【0035】
提案装置10は、経路検索の内容と、移動経路が共通する他の利用者と同一の移動体で移動した際の履歴とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。例えば、提案装置10は、提案した経路及び乗り合いを、利用者が実際に利用したか否かを履歴として記憶しておく。そして、提案装置10は、乗り合いが可能な利用者の数が限られている場合等には、履歴に基づき、過去に乗り合いをしたことがある利用者に対して優先的に乗り合いを提案する。
【0036】
さらに、提案装置10は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者が同一の移動体で移動した他の利用者の属性の組み合わせと類似する属性の組み合わせを有する複数の利用者を特定してもよい。例えば、提案装置10は、履歴に基づき、過去に乗り合いをしたことがある利用者に対し、特定の属性の利用者との乗り合いを提案する。
【0037】
これまでに説明した通り、提案装置10は、属性に関する条件に基づいて乗り合いをする利用者を特定することができる。ここでの条件は、利用者からあらかじめ登録を受け付けたものであってもよいし、履歴等に基づいて提案装置10が推定したものであってもよい。
【0038】
例えば、提案装置10は、利用者の乗り合いの履歴、利用者に乗り合いを提案した際の利用者による諾否、提案しようとしている乗り合いの距離等に基づいて条件を推定することができる。例えば、過去にある利用者が、同乗者の大半又は全てが男性であるような乗り合いの提案を受け、当該提案を拒否している場合、提案装置10は、当該利用者の属性指定の条件を「男性不可」として記憶しておく。そして、提案装置10は、その利用者に対しては、同乗者が男性である場合は乗り合いを提案しないようにする。
【0039】
また、提案装置10は、条件を基に乗り合いが可能な利用者の組又はグループの候補を作成しておき、候補の中から乗り合いをする利用者を選択し、提案を行ってもよい。
【0040】
また、提案装置10は、経路検索の内容と、利用者の現在位置とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。例えば、提案装置10は、端末装置100から利用者の現在位置を取得する。そして、提案装置10は、現在時刻を出発時刻として指定した利用者に対しては、当該利用者の現在位置の近くにいる利用者との乗り合いを優先的に提案する。
【0041】
また、提案装置10は、出発時刻や到着時刻を変更することで、乗り合いする利用者の候補を提案することもできる。例えば、提案装置10は、利用者の属性を考慮して、以前利用した人と同じ人と乗り合えるように提案する、あるいは女性同士で乗り合えるように提案することができる。この場合、出発時刻や到着時刻を変更するので、料金が通常より安くなるなどの提案が可能となる。
【0042】
また、例えば、複数の出入口を有する鉄道のターミナル駅においては、出入口間を実際に移動する距離が、地図上の距離に比べて非常に長い場合がある。そのような場合、提案装置10は、提案装置10は、利用者の現在位置に最も近い駅の出入口、又は利用者が指定した駅の所定の出入口の近くにいる利用者との乗り合いを優先的に提案することができる。
【0043】
提案装置10は、移動状況が所定の条件を満たす移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。例えば、車両の故障等により鉄道が利用できない区間がある場合、提案装置10は、当該区間におけるタクシーの乗り合いを提案することができる。
【0044】
提案装置10は、複数の利用者が共通して移動する移動経路であって、属性が所定の条件を満たす移動経路を共通する移動経路とする。例えば、提案装置10は、事故や犯罪等による危険が予想される経路については、優先的に乗り合いを提案する。この場合、提案装置10は、街灯が少ない、人通りが少ない、交通事故が多い等の条件を満たす場所の情報をあらかじめ取得しておき、そのような場所を通る経路を、危険が予想される経路と判定する。
【0045】
ここで、乗り合いにおいては、一部の利用者が途中の経由地で乗り物を降り、残った利用者が当該経由地の先にある目的地まで乗り物に乗ったまま移動する場合があり得る。この場合、提案装置10は、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金を算出し、複数の利用者に対し、算出した移動料金を示す情報をさらに提案することができる。
【0046】
例えば、提案装置10は、乗り合いをした各利用者が乗り物に乗った地点及び降りた地点を基に、各利用者の移動距離を算出し、料金の総額を移動距離に応じて按分した金額を各利用者の利用料金とする。そして、提案装置10は、各利用者の端末装置100に利用料金を表示させる。
【0047】
ここで、MaaSの技術を利用することで、バスやタクシーといった各種の車両や地下鉄等の各種列車、自転車等の各種移動体による移動サービスを利用者に提供し、利用者から月単位や年単位の料金を徴収するサブスクリプション形式のサービスを提供することができる。そこで、乗り合いの利用者が、このようなサブスクリプション形式のサービスの利用者でもある場合、提案装置10は、上記のような料金計算を行わなくてもよい。
【0048】
提案装置10は、複数の利用者のそれぞれが個別に移動した際の移動料金と、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金との比較結果が所定の条件を満たす場合は、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する。
【0049】
例えば、出発地から目的地まで電車で移動する場合の料金がx円であるとする。一方、同じ出発地から目的地までタクシーで移動する場合の料金がy円であるとする。また、タクシーは最大N人乗りであり、乗客数に対して料金は変動しないものとする。このとき、N×x>yという条件が満たされれば、提案装置10は、4人の利用者の乗り合いでタクシーを利用することを提案する。上記の条件が満たされる場合、4人の利用者がタクシーを乗り合いで利用する方が、各利用者が別々に電車を利用するのに比べて移動にかかる料金が抑えられることになる。
【0050】
〔1-4.提案処理の一例〕
図1を用いて、提案装置10が実行する提案処理の一例について説明する。まず、提案装置10は、端末装置100から、経路検索における検索クエリとして、出発地と目的地を示す情報を受け付ける(ステップS1)。次に、提案装置10は、各利用者の移動経路から、共通する移動経路を特定する(ステップS2)。なお、提案装置10は、検索クエリを基に移動経路を検索済みであるものとする。
【0051】
図1の例では、提案装置10は、出発地#1→経由地#1→経由地#2→目的地#1という第1の移動経路、出発地#2→経由地#1→経由地#2→目的地#2という第2の移動経路、出発地#3→経由地#1→経由地#2→目的地#3という第3の移動経路を検索済みである。ここで、第1の経路、第2の経路及び第3の経路は、いずれも経由地#1→経由地#2という移動経路CLを一部に含んでいる。このため、提案装置10は、第1の経路、第2の経路及び第3の経路を、共通する移動経路として特定する。
【0052】
さらに、提案装置10は、共通する移動経路を移動する各利用者の属性、移動経路の属性、もしくは料金が条件を満たすように、同一の移動体を用いる複数の利用者を特定する(ステップS3)。図1の例では、U1は男性であり、乗り合いをする利用者の性別を指定していない。また、U2は男性であり、乗り合いをする利用者の性別を男性のみに指定している。また、U3は女性であり、乗り合いをする利用者の性別を女性のみに指定している。このため、提案装置10は、U1及びU2を、同一の移動体を用いる複数の利用者として特定する。
【0053】
さらに、図1の例では、2人で乗り合いで移動する場合、1人あたり1500円の料金がかかる。一方、各利用者が別々に移動する場合、1人あたり3000円の料金がかかる。これより、乗り合いの方が各利用者は料金を抑えることができるため、提案装置10は、乗り合いを推奨する。さらに、移動経路を鉄道又はタクシーで移動可能であり、列車が遅延しているものとする。この場合、提案装置10は、タクシーでの移動を推奨する。
【0054】
最終的に、提案装置10は、利用者U1と利用者U2に対し、乗り合いでタクシーを利用することを提案する(ステップS4)。一方、提案装置10は、利用者U3に対しては、乗り合いなしの移動経路を提案する(ステップS5)。
【0055】
〔2.提案装置の構成〕
以下、上記した提案処理を実現する提案装置10が有する機能構成の一例について説明する。図2は、実施形態に係る提案装置の構成例を示す図である。図2に示すように、提案装置10は、通信部20、記憶部30、及び制御部40を有する。
【0056】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、端末装置100との間で情報の送受信を行う。
【0057】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、利用者データベース31及び移動経路データベース32を記憶する。
【0058】
図3を用いて、利用者データベース31に登録される情報の一例について説明する。図3は、実施形態に係る利用者データベースに登録される情報の一例を示す図である。図3に示すように、利用者データベース31には、「利用者ID」、「属性情報」、「乗り合い履歴」、及び「指定条件」といった項目を有する情報が登録される。
【0059】
ここで、「利用者ID」とは、利用者Uを識別するための識別子である。また、「属性情報」とは、利用者Uの名前、性別、年齢、体格、趣味趣向、居住地等といった各種属性を示す情報である。また、「乗り合い履歴」とは、利用者Uが過去に利用した乗り合いの履歴である。「乗り合い履歴」には、「日時」、「移動経路」、「他者属性」、「経路状況」等の小項目が含まれる。「日時」は、利用者Uが乗り合いを利用した日時である。「移動経路」は、利用者Uが乗り合いを利用して移動した移動経路である。「他者属性」は、利用者Uが乗り合いを利用した際の、他の利用者の属性である。「指定条件」は、利用者Uがあらかじめ指定した、乗り合いの利用者の属性である。例えば、「指定条件」には、性別の指定が含まれる。
【0060】
例えば、図1の例で、利用者U1及び利用者U2が、ステップS4で提案された乗り合いを利用した場合、提案装置10は、利用者U1及び利用者U2のそれぞれに対応するレコードを、履歴として利用者データベース31に格納する。このとき、各レコードの「利用者ID」は、「U1」及び「U2」である。また、各レコードの「日時」は、いずれもユーザU1とユーザU2が実際に乗り合いを利用して移動した日時である。また、「移動経路」は、いずれも「経由地#1→経由地#2」である。また、各レコードの「他者属性」は、いずれも「男性」である。また、各レコードの「経路状況」は、いずれも「列車遅延あり」である。また、ユーザU1のレコードの「指定条件」は、「性別指定:無し」である。また、ユーザU2のレコードの「指定条件」は、「性別指定:男性」である。
【0061】
図2に戻り、説明を続ける。移動経路データベース32には、経路検索を行う際に用いる各種のデータが登録される。例えば、移動経路データベース32には、一般道路や高速道路等の車道等、車両が通行可能な経路を示す移動経路情報や列車やバス等の各種公共交通手段の経路や出発時間及び到着時間が登録されている。なお、移動経路データベース32には、上述した各種の情報を示す情報として、グラフ構造を構成するデータ、すなわち、ポリラインの集合を含むデータや、地図データ、音声データ等が格納されていてもよい。なお、移動経路データベース32に登録されるデータは、公知の経路検索処理に用いられる各種のデータが採用可能であるものとする。
【0062】
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、提案装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0063】
図2に示すように、制御部40は、取得部41、検索部42、特定部43、算出部44及び提案部45を有する。取得部41は、移動経路を検索するために複数の利用者がそれぞれ個別に入力した出発地と目的地とを示す検索情報を取得する。検索部42は、受け取った検索クエリを基に移動経路を検索する。特定部43は、利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。例えば、特定部43は、検索情報が示す出発地と目的地との情報に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。算出部44は、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金を算出する。提案部45は、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する。
【0064】
また、特定部43は、出発地から目的地へと至る移動経路のうち一部の移動経路が共通する複数の利用者を特定してもよい。
【0065】
また、取得部41は、検索情報として、複数の利用者が出発地から目的地まで移動する日時をさらに示す情報を取得することができる。その場合、特定部43は、検索情報に基づいて、複数の利用者が同じ時間帯に移動する移動経路を特定し、特定した移動経路を共通する移動経路として特定してもよい。
【0066】
また、取得部41は、現在時刻から所定の期間が経過するまでの間に移動を開始する利用者の検索情報を取得してもよい。また、取得部41は、現在時刻から所定の期間が経過したよりも後に移動を開始する利用者の検索情報を取得してもよい。
【0067】
また、特定部43は、経路検索の内容と、利用者の属性とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。また、特定部43は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の性別が所定の条件を満たす複数の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定してもよい。さらに、特定部43は、経路検索の内容と、移動経路が共通する他の利用者と同一の移動体で移動した際の履歴とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。
【0068】
特定部43は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定してもよい。また、特定部43は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定してもよい。
【0069】
また、特定部43は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者が同一の移動体で移動した他の利用者の属性の組み合わせと類似する属性の組み合わせを有する複数の利用者を特定してもよい。
【0070】
また、特定部43は、経路検索の内容と、利用者の現在位置とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。また、特定部43は、移動状況が所定の条件を満たす移動経路を採用可能な複数の利用者を特定してもよい。また、特定部43は、複数の利用者が共通して移動する移動経路であって、属性が所定の条件を満たす移動経路を共通する移動経路としてもよい。
【0071】
また、提案部45は、複数の利用者に対し、算出部44により算出された移動料金を示す情報をさらに提案してもよい。さらに、提案部45は、複数の利用者のそれぞれが個別に移動した際の移動料金と、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金との比較結果が所定の条件を満たす場合は、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案してもよい。
【0072】
〔3.提案装置の処理フロー〕
次に、図4を用いて、提案装置10が実行する提案処理の手順の一例について説明する。図4は、実施形態に係る提案装置が実行する提案処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、図4に示すように、提案装置10は、所定期間内に受け付けた経路検索のクエリから、複数の利用者が共通して移動する移動経路を特定する(ステップS101)。次に、提案装置10は、各利用者の属性や移動経路の属性等に基づいて、共通して移動する移動経路を同一の移動体で移動可能な複数の利用者を特定する(ステップS102)。そして、提案装置10は、特定した利用者に対して、同一の移動体での移動を提案するとともに、他の利用者に対し、通常の経路検索の結果を提供する(ステップS103)。
【0074】
〔4.変形例〕
上記では、提案装置10による提案処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、提案装置10が実行する提案処理のバリエーションについて説明する。
【0075】
〔4-1.共通する移動経路について〕
上述した例では、提案装置10は、一部の移動経路が共通する複数の利用者を乗り合いを提案する利用者として特定する。このとき、さらに、提案装置10は、移動経路の共通部分が長い利用者を優先して乗り合いを提案してもよい。また、提案装置10は、移動経路の共通部分が存在していたとしても、共通部分の長さが閾値以下であれば、乗り合いを提案しないようにしてもよい。
【0076】
〔4-2.提案の態様について〕
提案装置10が利用者Uに対して乗り合いを提案する態様は、いかなるものであってもよい。例えば、提案装置10は、移動経路、乗り合いが利用可能である旨のメッセージ、及び乗り合いが利用可能な利用者の属性等の情報が記載されたHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルを生成し、当該HTMLファイルを端末装置100に送信してもよい。この場合、端末装置100は、ブラウザ又は専用のアプリケーションを用いて、HTMLファイルの内容を画面に表示する。また、提案装置10は、乗り合いを提案するメッセージを、メールや、SNS(Social Networking Service)等により提供されるメッセージ送信サービスを利用して送信するようにしてもよい。
【0077】
〔4-3.他のサービスとの連携〕
上述した例では、提案装置10は、利用者Uに対して乗り合いを提案する。一方で、提案装置10は、情報提供の許可を利用者から得た上で、タクシー会社に情報を提供するようにしてもよい。例えば、提案装置10は、乗り合いを利用可能な利用者の現在地や目的地及び人数をタクシー会社の配車システムに送信する。そして、配車システムは、受信した情報を基に、利用者の現在地の付近のタクシーに対し、利用者を迎えにいくように指示をする。もしくは、配車システムは、利用者の端末装置100に、タクシーの利用を提案するメッセージを送信する。これにより、利用者は、タクシー会社との連絡を省略し、速やかに移動を開始することができる。
【0078】
〔4-4.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0079】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0080】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0081】
〔4-5.プログラム〕
また、上述した実施形態に係る提案装置10は、例えば図5に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図5は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0082】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0083】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0084】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0085】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0086】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0087】
例えば、コンピュータ1000が提案装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム又はデータ(例えば、処理モデルM1)を実行することにより、制御部40の機能を実現する。コンピュータ1000の演算装置1030は、これらのプログラム又はデータ(例えば、処理モデルM1)を一次記憶装置1040から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0088】
〔5.効果〕
上述したように、提案装置10は、利用者による経路検索の内容に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。そして、提案装置10は、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する。この結果、提案装置10は、複数の利用者による乗り合いを促すことになるため、利用者の移動を効率化させることができる。
【0089】
また、提案装置10は、移動経路を検索するために複数の利用者がそれぞれ個別に入力した出発地と目的地とを示す検索情報を取得する。そして、提案装置10は、検索情報が示す出発地と目的地との情報に基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、移動経路が完全に一致していなくても乗り合いを提案することになるため、より多くの乗り合いの機会を提供し、利用者の移動を効率化させることができる。
【0090】
また、提案装置10は、出発地から目的地へと至る移動経路のうち一部の移動経路が共通する複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、移動経路の一部が共通していれば乗り合いを提案することになるため、より多くの乗り合いの機会を提供し、利用者の移動を効率化させることができる。
【0091】
また、提案装置10は、検索情報として、複数の利用者が出発地から目的地まで移動する日時をさらに示す情報を取得する。そして、提案装置10は、検索情報に基づいて、複数の利用者が同じ時間帯に移動する移動経路を特定し、特定した移動経路を共通する移動経路として特定する。この結果、提案装置10は、利用者の移動日時に関する希望を反映した乗り合いを提案することになるため、利用者の移動を効率化させることができる。
【0092】
また、提案装置10は、現在時刻から所定の期間が経過するまでの間に移動を開始する利用者の検索情報を取得する。この結果、提案装置10は、利用者の速やかな出発を促すことになるため、利用者の移動を効率化させることができる。
【0093】
提案装置10は、現在時刻から所定の期間が経過したよりも後に移動を開始する利用者の検索情報を取得する。この結果、提案装置10は、利用者の計画的な出発を促すことになるため、利用者の移動を効率化させることができる。
【0094】
また、提案装置10は、経路検索の内容と、利用者の属性とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、料金や時間だけでなく、快適さ等を考慮した乗り合いの提案をすることになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0095】
また、提案装置10は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者の性別が所定の条件を満たす複数の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する。この結果、提案装置10は、同乗者の性別に関する希望を反映した乗り合いの提案をすることになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0096】
特定部43は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する。この結果、提案装置10は、ライバル企業に所属する利用者同士の乗り合いを回避することになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0097】
また、特定部43は、共通する移動経路を移動する第1の利用者と、第1の利用者があらかじめ指定した第2の利用者以外の利用者を共通する移動経路を採用可能な複数の利用者として特定する。この結果、提案装置10は、希望しない利用者同士の乗り合いを回避することになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0098】
また、提案装置10は、経路検索の内容と、移動経路が共通する他の利用者と同一の移動体で移動した際の履歴とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、履歴を基に利用者の希望を自動的に推定することになるため、処理を効率化させることができる。
【0099】
また、提案装置10は、共通する移動経路を移動する複数の利用者であって、各利用者が同一の移動体で移動した他の利用者の属性の組み合わせと類似する属性の組み合わせを有する複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、利用者が過去に利用した乗り合いと同様の乗り合いを提案することになるため、利用者の満足度を低下させないようにすることができる。
【0100】
また、提案装置10は、経路検索の内容と、利用者の現在位置とに基づいて、共通する移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、利用者が出発地を指定しない場合であっても乗り合いを提案することが可能になるため、処理を効率化させることができる。
【0101】
また、提案装置10は、移動状況が所定の条件を満たす移動経路を採用可能な複数の利用者を特定する。この結果、提案装置10は、運休や遅延といった交通機関の状況に対応した乗り合いを提案することになるため、利用者の移動を効率化させることができる。
【0102】
また、提案装置10は、複数の利用者が共通して移動する移動経路であって、属性が所定の条件を満たす移動経路を共通する移動経路とする。この結果、提案装置10は、移動経路ごとの安全性等を考慮した乗り合いを提案することになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0103】
また、提案装置10は、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金を算出する。そして、提案装置10は、複数の利用者に対し、算出した移動料金を示す情報をさらに提案する。この結果、提案装置10は、料金を計算し利用者に提示することになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0104】
また、提案装置10は、複数の利用者のそれぞれが個別に移動した際の移動料金と、共通する移動経路を同一の移動体により移動した場合の移動料金との比較結果が所定の条件を満たす場合は、複数の利用者に対し、共通の移動経路を同一の移動体により移動するよう提案する。この結果、提案装置10は、各利用者の移動距離に応じて料金を計算し利用者に提示することになるため、利用者の満足度を向上させることができる。
【0105】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0106】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」等に読み替えることができる。例えば、推定部は、推定手段や推定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0107】
10 提案装置
20 通信部
30 記憶部
31 利用者データベース
32 移動経路データベース
40 制御部
41 取得部
42 検索部
43 特定部
44 算出部
45 提案部
100 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5