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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】肌洗浄装置及び肌洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   A47K 7/00 20060101AFI20230822BHJP
   B05B 7/06 20060101ALI20230822BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20230822BHJP
   B05B 7/14 20060101ALI20230822BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20230822BHJP
   A61H 33/02 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A47K7/00 Z
B05B7/06
B05B7/08
B05B7/14
A47K3/28
A61H33/02 D
A61H33/02 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019213598
(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公開番号】P2021083589
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】徳重 麻呂
(72)【発明者】
【氏名】土居 亮介
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-540925(JP,A)
【文献】特開2013-236777(JP,A)
【文献】国際公開第2017/212802(WO,A1)
【文献】実開平3-128439(JP,U)
【文献】特開平10-57266(JP,A)
【文献】特開2018-198817(JP,A)
【文献】特開2015-146829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 7/00
B05B 7/06
B05B 7/08
B05B 7/14
A47K 3/28
A61H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体中に粒体が混合された粒体混合気体を噴射する気体噴射口と、
液体を噴出する液体噴出口と、を有するシャワーヘッドを備え、
前記粒体混合気体と前記液体を同時に肌に向けることにより肌を洗浄する、
肌洗浄装置。
【請求項2】
前記液体噴出口は、前記気体噴射口を囲むように設けられている、
請求項1に記載の肌洗浄装置。
【請求項3】
圧縮気体を供給する圧縮気体供給部と、
前記圧縮気体を導入して、導入された前記圧縮気体に前記粒体を混入して、前記粒体混合気体を導出する粒体混合部と、を備える、
請求項1又は請求項2に記載の肌洗浄装置。
【請求項4】
前記圧縮気体供給部は、前記圧縮気体を貯蔵したボンベである、
請求項3に記載の肌洗浄装置。
【請求項5】
前記粒体は、前記液体に可溶性のある粒体である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の肌洗浄装置。
【請求項6】
前記液体は、水である、
請求項5に記載の肌洗浄装置。
【請求項7】
粒体を含む粒体混合気体を噴射する気体噴射口と、
液体をシャワー状に噴射する液体噴出口と、を有するシャワーヘッドを備える肌洗浄装置を用いた肌洗浄方法であって、
前記粒体混合気体と前記液体を同時に肌に向けて噴射することにより肌を洗浄する、
肌洗浄方法。
【請求項8】
前記肌は、頭皮である、
請求項7に記載の肌洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌洗浄装置及び肌洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
頭皮の毛穴洗浄(毛穴の皮脂、角栓、塵芥物等の汚れ除去)等の用途に用いられる美容装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1の美容装置では、アルカリ液を肌に吐出する。アルカリ液によって、肌の毛穴に付着した皮脂、角栓等のタンパク質の加水分解が促進される。それによって、肌の毛穴に付着した汚れを軟化させることができる。そして、軟化された汚れを除去することによって、毛穴等に固着した汚れを除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-099419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の美容装置を毛穴洗浄に用いる場合、肌の毛穴の入口の汚れによりアルカリ液が毛穴の奥まで浸透せずに、毛穴の奥まで洗浄することは困難であった。
【0006】
本発明の一実施形態は、毛穴の汚れを毛穴の奥まで除去する肌洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の肌洗浄装置は、気体中に粒体が混合された粒体混合気体を噴射する気体噴射口と、液体を噴出する液体噴出口と、を有するシャワーヘッドを備え、前記粒体混合気体と前記液体を同時に肌に向けることにより肌を洗浄する。
【発明の効果】
【0008】
毛穴の汚れを毛穴の奥まで除去する肌洗浄装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る肌洗浄装置の全体構成図である。
図2】本実施形態に係る肌洗浄装置のシャワーヘッドの正面図である。
図3】本実施形態に係る肌洗浄装置のシャワーヘッドの側面図である。
図4】本実施形態に係る肌洗浄装置のシャワーヘッドの分解斜視図である。
図5】本実施形態に係る肌洗浄装置のパウダーフィーダの正面図である。
図6】本実施形態に係る肌洗浄装置のパウダーフィーダの断面図である。
図7】毛穴の汚れとそれを除去する方法について説明するための図である。
図8】本実施形態に係る肌洗浄装置により洗浄した結果について説明するための図である。
図9】比較例として洗浄した結果について説明するための図である。
図10】本実施形態に係る肌洗浄装置のパウダーフィーダの変形例の正面図である。
図11】本実施形態に係る肌洗浄装置のパウダーフィーダの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
<<肌洗浄装置1>>
本実施形態に係る肌洗浄装置1は、粒体混合気体を噴射し、液体を噴出して、粒体が混合された(粒体を含む)粒体混合気体と液体を同時に肌に向けることにより肌を洗浄する装置である。肌として、例えば、頭、腕、腹、背中、脚等の肌である。特に、洗浄する肌としては、頭皮が好ましい。
【0012】
粒体混合気体は、ベースとなる気体中に粒体が混合された流体である。本実施形態の肌洗浄装置1では、気体として圧縮空気を用いる。なお、気体としては、空気に限らず、例えば、窒素、酸素、二酸化炭素等やそれらの混合気体でもよい。また、本実施形態の肌洗浄装置1では、混合させる粒体として、液体に可溶性のある粒体を用いる。本実施形態の肌洗浄装置1では、液体として水を用いる。そこで、混合させる粒体として、水に可溶性のある粒体、すなわち、水溶性粒体を用いる。より具体的には、混合させる粒体として、水に可溶性のある粒体(水溶性粒体)である、重曹(炭酸水素ナトリウム)、尿素、グルタミン酸、グリシン、クエン酸等を用いる。また、混合させる粒体の粒径は、直径0.01~0.5mmであることが好ましく、直径0.02~0.2mmが特に好ましく、直径0.03~0.1mmである。粒体の硬度については、モース硬度1~3程度である。なお、液体としては、水に限らず、例えば、石けんやシャンプーを薄めた液、炭酸水等やそれらの混合液でもよい。また、粒体についても、それらの液体に可溶性の粒体であればよい。
【0013】
次に、本実施形態に係る肌洗浄装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る肌洗浄装置1の全体構成図である。本実施形態に係る肌洗浄装置1は、シャワーヘッド100、本体部200を備える。シャワーヘッド100と本体部200とは、粒体混合気体用パイプ310と液体用パイプ350で接続されている。
【0014】
<シャワーヘッド100>
最初に、シャワーヘッド100について説明する。
【0015】
図2は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のシャワーヘッド100の正面図である。図3は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のシャワーヘッド100の側面図である。図4は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のシャワーヘッド100の分解斜視図である。
【0016】
本実施形態に係る肌洗浄装置1のシャワーヘッド100は、ケース110、パイプ120、散水板130、カバー140、ナット150を備える。シャワーヘッド100は、本体部200から供給された後述する粒体混合気体を噴射すると共に、水(液体)を噴出する。
【0017】
[ケース110]
ケース110は、シャワーヘッド100の各部材を保持する部材である。また、ケース110は、その内部が水(液体)の流路となる部材である。ケース110は、ケース本体部111、突出部112を有する。ケース本体部111は、円筒状の側面部111aを有する。側面部111aの一方の端部には開口部111b(図4を参照)を有する。側面部111aの他方の端部には背面板111cを有する。すなわち、ケース本体部111は、背面に背面板を有する円筒形となっている。
【0018】
開口部111bには、散水板130、カバー140が取り付けられる。散水板130は、ケース本体部111との間にガスケット170を介してカバー140により取り付けられる。背面板111cには、開口が形成されている。当該開口には、後述するパイプ120が外側から挿入される。また、開口の回りには、後述するパイプ120のフランジ123が挿入される凹部が設けられている。
【0019】
側面部111aには、突出部112を有する。突出部112は、円筒形である。突出部112の端部112aには、アダプタ160が取り付けられる。アダプタ160のネジ部161には、液体用パイプ350が接続される。
【0020】
本体部200から液体用パイプ350を介して供給された水(液体)は、突出部112とケース本体部111の内部を経由して、散水板130からシャワーヘッド100の外部に噴出する。
【0021】
[パイプ120]
パイプ120は、シャワーヘッド100に供給された粒体混合気体を噴射するための部材である。パイプ120は、粒体混合気体導入部122、フランジ123、粒体混合気体噴射口125を有する。パイプ120は、背面板111cに形成された開口に外側から挿入される。また、パイプ120のフランジ123は、背面板111cに形成された開口に形成された凹部にはめられることにより挿入方向に位置決めされる。
【0022】
粒体混合気体導入部122は、本体部200から粒体混合気体用パイプ310を介して供給された粒体混合気体をパイプ120内部の流路に導入する。粒体混合気体噴射口125は、パイプ120内部の流路に導入された粒体混合気体を、シャワーヘッド100の外部に噴射する。
【0023】
本実施形態のパイプ120の粒体混合気体噴射口125は、円形の開口である。また、当該粒体混合気体噴射口125の直径は、0.5~5mmであることが好ましく、0.5~3mmであることがより好ましく、1~2mmであることが特に好ましい。粒体混合気体噴射口125が形成されているパイプ120の先端部分には、螺着部121が形成されている。螺着部121は後述するナット150と螺着される。
【0024】
[散水板130]
散水板130は、シャワーヘッド100に供給された水(液体)を噴出するための部材である。散水板130は、円板状の部材に、複数の液体噴出口135が形成されている。散水板130は、複数の液体噴出口135からシャワーヘッド100に供給された水(液体)を噴出することにより、シャワー状に水(液体)を噴出する。
【0025】
パイプ120は、散水板130の中心に形成された貫通口132に挿入される。そしてパイプ120は粒体混合気体噴射口125が露出するように、ナット150がパイプ120の螺着部121と螺着することにより散水板130に固定される。このように固定されることにより、パイプ120の粒体混合気体噴射口125が、散水板130の複数の液体噴出口135に取り囲まれるようになっている。また、散水板130は、カバー140がケース本体部111に螺着することにより固定されている。
【0026】
パイプ120の粒体混合気体噴射口125が、複数の液体噴出口135に取り囲まれることにより、粒体混合気体を噴射しても、粒体混合気体中の粒体が外に飛び散ることを防止することができる。
【0027】
<本体部200>
図1に戻って、本体部200について説明する。
【0028】
本体部200は、シャワーヘッド100に、粒体混合気体と液体を供給する。本体部200は、コンプレッサ210、パウダーフィーダ220、タンク250、ポンプ260を備える。コンプレッサ210から供給された圧縮空気がパウダーフィーダ220を経由することにより粒体混合気体がシャワーヘッド100に供給される。また、タンク250に貯蔵された水(液体)がポンプ260により加圧されることによりシャワーヘッド100に供給される。
【0029】
[コンプレッサ210]
コンプレッサ210は、空気を圧縮して圧縮空気をパウダーフィーダ220に供給する機器である。コンプレッサ210は、パイプ320を介して、パウダーフィーダ220に圧縮空気を供給する。本実施形態のコンプレッサ210は、空気を0.1~0.2MPaGまで圧縮して、パウダーフィーダ220に供給する。また、本実施形態のコンプレッサ210は、流量20~40L/minの圧縮空気を、パウダーフィーダ220に供給する。なお、コンプレッサ210は、圧縮気体供給部の一例である。
【0030】
本実施形態の肌洗浄装置1は、コンプレッサ210を備えているが、気体を供給するのに別の機器を用いてもよい。例えば、加圧された気体や気体を加圧して液化した液体を貯蔵したボンベ(容器)を備えるようにしてもよい。当該ボンベから加圧気体を供給することにより、肌洗浄装置1を小型化することができる。
【0031】
なお、気体の圧力や流量を調整するために、圧力調整弁、圧力調整装置や流量調整弁、流量調整装置を備えるようにしてもよい。
【0032】
[パウダーフィーダ220]
パウダーフィーダ220は、コンプレッサ210から供給された圧縮空気に粒体を混入させる装置である。図5は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のパウダーフィーダ220の側面図である。図6は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のパウダーフィーダ220の断面図である。
【0033】
本実施形態のパウダーフィーダ220は、供給された圧縮空気に粒体を混入させる直圧落下型のパウダーフィーダである。パウダーフィーダ220は、蓋部221、本体部222を備える。蓋部221と本体部222とは、螺合等により着脱可能に取り付けられている。蓋部221と本体部222の内部には、粒体Pが貯蔵されている。
【0034】
本体部222の下部には、パイプ320によりコンプレッサ210から供給された圧縮空気が通過する空気流路223が形成されている。空気流路223は、その端部に導入口223aと導出口223bを有する。また、空気流路223の中央部に粒体導入口224が形成されている。パイプ320から供給された圧縮空気が導入口223aから空気流路223に導入される。粒体導入口224から粒体Pが空気流路223に導入される。このように空気流路223に粒体Pが導入されることにより、導入口223aから導入された圧縮空気に粒体が混入し混合される。圧縮空気に粒体が混合された粒体混合気体は、導出口223bから、粒体混合気体用パイプ310に供給される。なお、本体部222の上部には、パイプ320から分岐した分岐パイプ320aから、圧縮空気が導入される。
【0035】
パウダーフィーダ220は、粒体混合部の一例である。
【0036】
[タンク250、ポンプ260]
タンク250とポンプ260は、液体用パイプ350を介してシャワーヘッド100に液体を供給するための機器である。タンク250は、液体(水)を貯蔵するための機器である。ポンプ260は、タンク250に貯蔵された液体(水)を加圧して、シャワーヘッド100に供給する機器である。
【0037】
なお、本実施形態においては、液体(水)を供給するのに、本体部200のタンク250とポンプ260を用いているが、例えば、水道の蛇口から液体(水)を供給するようにしてもよい。
【0038】
また、液体の圧力を調整するために、液体の圧力調整弁(例えば、水圧調整弁等。)を用いてもよい。また、液体の圧力や流量は、一定に限らず、例えば、脈動するようにしてもよい。
【0039】
<肌洗浄装置1の動作>
肌洗浄装置1の動作について説明する。
【0040】
図7は、毛穴の汚れとそれを除去する方法について説明するための図である。なお、図の縮尺については、説明のために一部の縮尺を、実際の縮尺から変更している。
【0041】
図7(a)は、毛穴付近の汚れについて説明する図である。図7(a)のように、毛Hの毛穴Poの入口に脂Gが詰まっている。当該脂Gを除去するために、例えば、図7(b)のように、指Fで手洗いしようとしても、毛穴Poの奥まで指が入らずに、脂Gを除去することができない。本実施形態の肌洗浄装置1では、図7(c)のように、粒体Pを毛穴Po付近に噴射する。このように粒体Pを噴射して、毛穴Poの入口の脂Gを粒体Pと一緒にはじき飛ばすことにより除去する。
【0042】
本実施形態に係る肌洗浄装置1の洗浄性能について評価を行った。評価は、毛穴プレートに塗布した人工汚垢がどれくらい落ちるかどうかで評価を行った。毛穴プレートは、ガラスプレートに、人の毛穴を摸擬した径が400μm、深さが1.5mmの穴を30個形成したプレートである。人工汚垢は、人の皮脂を摸擬する物質である。図8は、本実施形態に係る肌洗浄装置1により洗浄した結果について説明するための図である。図9は、比較例として洗浄した結果について説明するための図である。図8図9はそれぞれ、上の段は洗浄前の状態、下の段は洗浄後の状態である。また、左の写真は、毛穴プレートを上から見た写真、右の写真は、毛穴プレートを斜めから見た写真である。
【0043】
本実施形態の肌洗浄装置1は、粒体として重曹、液体として水を用いた。また、粒体が混合される気体として圧縮気体(圧力:0.2MPaG)を用いた。本実施形態の肌洗浄装置1を用いて20秒間洗浄を行った。
【0044】
比較例では、シャンプーと手で泡立て指で手洗いした。比較例では20秒間手洗いを行った。
【0045】
図8の評価結果より、本実施形態に係る肌洗浄装置1では、プレートの表面から穴の内部まで洗浄することができた。それに対して、図9の比較例では、穴の内部まで洗浄できなかった。さらに、比較例では、穴の表面から横方向に人工汚垢が引き延ばされていた。
【0046】
このように、本実施形態に係る肌洗浄装置1を用いることによって、毛穴の皮脂等の汚れを効果的に洗浄することができる。
【0047】
<作用・効果>
本実施形態に係る肌洗浄装置1により、粒体混合気体によって毛穴等に固着した汚れを物理的に除去することにより、肌を洗浄することができる。このように、肌洗浄装置1を用いた肌洗浄方法では、汚れを物理的に除去することから、例えば、アルカリ液等の肌や髪(毛)に刺激を与える液体を用いる必要がなく、肌に優しく肌を洗浄することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る肌洗浄装置1は、粒体混合気体と液体(水)とを同時に肌に向けることにより、流体混合気体により除去された汚れや粒体を洗い流すことができる。
【0049】
<<変形例>>
本実施形態に係る肌洗浄装置1のパウダーフィーダ220の変形例であるパウダーフィーダ220Aについて説明する。
【0050】
図10は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のパウダーフィーダ220の変形例であるパウダーフィーダ220Aの正面図である。図11は、本実施形態に係る肌洗浄装置1のパウダーフィーダ220の変形例であるパウダーフィーダ220Aの断面図である。
【0051】
パウダーフィーダ220Aは、供給された圧縮空気に粒体を混入させる吹き上げ型のパウダーフィーダである。パウダーフィーダ220Aは、蓋部221A、本体部222Aを備える。蓋部221Aと本体部222Aとは、螺合等により着脱可能に取り付けられている。蓋部221Aと本体部222Aの内部には、粒体Pが貯蔵されている。
【0052】
蓋部221Aには、パイプ320によりコンプレッサ210から供給された圧縮空気が導入される導入パイプ225Aが取り付けられている。導入パイプ225Aにより導入された圧縮空気により、蓋部221Aと本体部222Aの内部に貯蔵された粒体Pが、吹き上げられ粒体Pと圧縮空気が混合した状態(粒体混合気体P')となる。その粒体混合気体P'は、蓋部221Aと本体部222Aの内部で循環すると共に、一部が導出パイプ226Aから粒体混合気体用パイプ310に供給される。これにより、粒体混合気体をシャワーヘッド100に供給することができる。
【0053】
本実施形態の肌洗浄装置は、人の肌に限らず、例えば、ペットや家畜等の肌の洗浄に用いてもよい。また、本実施形態の肌洗浄装置は、肌の洗浄に限らず、例えば、カーペットや家具、床、壁等の洗浄に用いてもよい。
【0054】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 肌洗浄装置
100 シャワーヘッド
125 粒体混合気体噴射口
130 散水板
135 液体噴出口
210 コンプレッサ
220 パウダーフィーダ
220A パウダーフィーダ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11