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特許7335220発注書発行管理装置、発注書発行管理方法、および、発注書発行管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】発注書発行管理装置、発注書発行管理方法、および、発注書発行管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20230822BHJP
   G06Q 50/16 20120101ALI20230822BHJP
【FI】
G06Q30/0601 310
G06Q50/16 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020185346
(22)【出願日】2020-11-05
(65)【公開番号】P2022074915
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 駿
(72)【発明者】
【氏名】山住 慎平
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-138750(JP,A)
【文献】特開2004-227349(JP,A)
【文献】特開2010-267219(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置であって、
前記記憶部は、
元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成手段と、
前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成手段と、
前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定手段と、
前記未決事項判定手段により前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行手段と、
を備えたことを特徴とする発注書発行管理装置。
【請求項2】
前記未決事項判定手段は、
前記作業予定データにおいて前記対象期間の前記発注先による前記作業予定日が未決か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の発注書発行管理装置。
【請求項3】
前記未決事項判定手段は、
前記債務データにおいて前記対象期間の前記発注先に対する前記発注額が未決か否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の発注書発行管理装置。
【請求項4】
前記発注書発行手段は、
前記未決事項判定手段により前記未決事項があると判定された場合、仮発注書の仮発注書データを発行することを特徴とする請求項1に記載の発注書発行管理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記未決事項に対する進捗データが入力された場合、前記進捗データに基づいて、前記作業予定データおよび/または前記債務データを更新する進捗手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の発注書発行管理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記未決事項判定手段により前記未決事項がないと判定された場合、前記仮発注書に対する補充書面の補充書面データを発行する補充書面発行手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の発注書発行管理装置。
【請求項7】
前記契約データは、
契約期間が設定され、
前記対象期間は、
前記契約期間内の対象月度であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の発注書発行管理装置。
【請求項8】
前記作業予定作成手段は、
前記契約データから、前記発注先毎の対象期間契約データを抽出し、前記対象期間契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先による前記作業予定日を設定可能な前記作業予定データを作成することを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の発注書発行管理装置。
【請求項9】
前記元請業者は、
ビルメンテナンス会社であり、
前記発注は、
ビルメンテナンス業務の発注であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の発注書発行管理装置。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置に実行させるための発注書発行管理方法であって、
前記記憶部は、
元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成ステップと、
前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成ステップと、
前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定ステップと、
前記未決事項判定ステップにて前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行ステップと、
を含むことを特徴とする発注書発行管理方法。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置に実行させるための発注書発行管理プログラムであって、
前記記憶部は、
元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成ステップと、
前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成ステップと、
前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定ステップと、
前記未決事項判定ステップにて前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行ステップと、
を実行させるための発注書発行管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発注書発行管理装置、発注書発行管理方法、および、発注書発行管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施工業者の決定後から施工にかかるまでの期間を短縮させるために、設計工程中等の施工工程前に、設計に基づいて、校舎の補強・改修工事に必要な部材の仮発注を行い、仮発注と同時または後に本発注を行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-138750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、仮発注工程を設計者、設計者20に関わりのある他の者または業者の判断で行う方法であって、発注書または仮発注書の発行を自動判定することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、契約データ、実績データおよび作業管理データを結びつけることで、発注書または仮発注書の発行を自動判定することができる発注書発行管理装置、発注書発行管理方法、および、発注書発行管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る発注書発行管理装置は、記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置であって、前記記憶部は、元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、を備え、前記制御部は、前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成手段と、前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成手段と、前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定手段と、前記未決事項判定手段により前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記未決事項判定手段は、前記作業予定データにおいて前記対象期間の前記発注先による前記作業予定日が未決か否かを判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記未決事項判定手段は、前記債務データにおいて前記対象期間の前記発注先に対する前記発注額が未決か否かを判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記発注書発行手段は、前記未決事項判定手段により前記未決事項があると判定された場合、仮発注書の仮発注書データを発行することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記制御部は、前記未決事項に対する進捗データが入力された場合、前記進捗データに基づいて、前記作業予定データおよび/または前記債務データを更新する進捗手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記制御部は、前記未決事項判定手段により前記未決事項がないと判定された場合、前記仮発注書に対する補充書面の補充書面データを発行する補充書面発行手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記契約データは、契約期間が設定され、前記対象期間は、前記契約期間内の対象月度であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記作業予定作成手段は、前記契約データから、前記発注先毎の対象期間契約データを抽出し、前記対象期間契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先による前記作業予定日を設定可能な前記作業予定データを作成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る発注書発行管理装置において、前記元請業者は、ビルメンテナンス会社であり、前記発注は、ビルメンテナンス業務の発注であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る発注書発行管理方法は、記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置に実行させるための発注書発行管理方法であって、前記記憶部は、元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、を備え、前記制御部で実行させる、前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成ステップと、前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成ステップと、前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定ステップと、前記未決事項判定ステップにて前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行ステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る発注書発行管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた発注書発行管理装置に実行させるための発注書発行管理プログラムであって、前記記憶部は、元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶する契約記憶手段、を備え、前記制御部において、前記契約データに基づいて、対象期間の前記発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成する作業予定作成ステップと、前記契約データに基づいて、前記対象期間の前記発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成する債務作成ステップと、前記作業予定データおよび/または前記債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定する未決事項判定ステップと、前記未決事項判定ステップにて前記未決事項がないと判定された場合、前記発注書の発注書データを発行する発注書発行ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、下請法(下請代金支払遅延等防止法)を遵守した発注書発行業務を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、協力会社に対する適法な手配業務を効率的に実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態における発注書発行管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における発注書発行管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図4図4は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図5図5は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図6図6は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図7図7は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図8図8は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図9図9は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
図10図10は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0021】
ビルメンテナンス業務において、ビルメンテナンス会社は、外注先である下請会社に発注を行う際、下請法を遵守する必要がある。具体的には、ビルメンテナンス会社は、発注額または作業日が未確定の状態において、正式な発注書を取り交わすことができず、仮発注書の発行しなければならない。また、ビルメンテナンス会社は、仮発注書を発行した場合、その発注額または作業日が確定した後に、補充書面を発行する必要がある。
【0022】
ここで、従来、ビルメンテナンス業務において、ビルメンテナンス会社は、顧客からの突発的な作業依頼に関して、速やかに下請業者の選定を行いたいが、作業日のやり取りを作業依頼後に顧客と行うために、発注を先に行いたいケースが非常に多かった。また、従来、ホテルの客室清掃作業等のビルメンテナンス業務においては、直前まで発注額が決まらないケースが多かった。また、従来、一般的なビルメンテナンスシステムでは、金額または作業日が決まった後の発注書発行機能を保持しているものはあるが、出来高の未入力、または、作業予定日管理の機能まで連動して、仮発注書発行を判定できるシステムはほとんどなかった。
【0023】
そこで、本実施形態において、契約データ、実績データ、および、作業管理データの3点を結びつけることで、発注書および仮発注書の発行を自動判定し、補充書面発行時に、仮発注書発行時の未決事項が満たされているか自動判定することができる仕組みを提供している。なお、本実施形態においては、ビルメンテナンス業務を一例に説明しているが、下請業者への発注書・仮発注書発行業務を行う全ての業界において適用可能である。
【0024】
[2.構成]
本実施形態に係る発注書発行管理装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態における発注書発行管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、発注書発行管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、発注書発行管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0026】
発注書発行管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。発注書発行管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0027】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、発注書発行管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、発注書発行管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0028】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、契約データベース106aと取引データベース106bとを備えている。
【0029】
契約データベース106aは、契約データを記憶する。ここで、契約データベース106aは、元請業者から発注先である下請業者への発注に関する契約データを記憶していてもよい。また、契約データは、契約期間が設定されていてもよい。また、元請業者は、ビルメンテナンス会社であってもよい。また、発注は、ビルメンテナンス業務の発注であってもよい。ここで、契約データは、契約基本データデータ、契約売上明細データ、契約売上詳細データ、契約原価明細データ、および/または、契約原価詳細データ等を含んでいてもよい。ここで、契約基本データデータは、契約識別子(例えば、契約番号等)、プロジェクト名、契約先識別子(例えば、契約先コードおよび/または契約先名等)、物件識別子(例えば、物件コードおよび/または物件名等)、契約開始日、および/または、契約終了日等が設定されていてもよい。また、契約売上明細データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、売上明細行番号、業務内容、単価、数量、単位、および/または、請求額(月額)等が設定されていてもよい。また、契約売上詳細データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、売上明細行番号、作業月、および/または、請求額等が設定されていてもよい。また、契約原価明細データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、売上明細行番号、原価明細行番号、発注先識別子(例えば、発注先コードおよび/または発注先名等)、業務内容、単価、数量、単位、および/または、発注額(月額)等が設定されていてもよい。また、契約原価詳細データは、契約識別子(例えば、契約番号等)、売上明細行番号、原価明細行番号、作業月、および/または、発注額等が設定されていてもよい。
【0030】
取引データベース106bは、取引データを記憶する。ここで、取引データは、対象期間の発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データ、対象期間の発注先毎の発注額を設定可能な債務データ、仮発注書の仮発注書データ、未決事項に対する進捗データ、仮発注書に対する補充書面の補充書面データ、発注先毎の対象期間契約データ、発注データ、仕入データ、請求データ、入金データ、仕訳データ、および/または、在庫データ等を含んでいてもよい。ここで、作業予定データは、作業進捗番号、枝契約番号、売上明細行番号、原価明細行番号、発注先識別子(例えば、発注先コードおよび/または発注先名等)、業務内容、作業予定日、および/または、作業実施日等が設定されていてもよい。また、債務データは、発注番号、契約番号、売上明細行番号、原価明細行番号、発注先識別子(例えば、発注先コードおよび/または発注先名等)、業務内容、作業月、発注額、発注書番号、仮発注書番号、および/または、未決事項等が設定されていてもよい。
【0031】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0032】
制御部102は、発注書発行管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、契約取得部102aと作業予定作成部102bと債務作成部102cと未決事項判定部102dと進捗部102eと発注書発行部102fと補充書面発行部102gとを備えている。
【0033】
契約取得部102aは、契約データを取得する。ここで、契約取得部102aは、契約データを契約データベース106aに登録してもよい。
【0034】
作業予定作成部102bは、対象期間の発注先による作業予定データを作成する。ここで、作業予定作成部102bは、契約データに基づいて、対象期間の発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成してもよい。また、対象期間は、契約期間内の対象月度、または、対象月等であってもよい。また、作業予定作成部102bは、契約データから、発注先毎の対象期間契約データを抽出し、対象期間契約データに基づいて、対象期間の発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成してもよい。また、作業予定作成部102bは、作業予定データを取引データベース106bに登録してもよい。
【0035】
債務作成部102cは、対象期間の発注先毎の債務データを作成する。ここで、債務作成部102cは、契約データに基づいて、対象期間の発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成してもよい。また、債務作成部102cは、債務データを取引データベース106bに登録してもよい。
【0036】
未決事項判定部102dは、発注書の未決事項があるか否かを判定する。ここで、未決事項判定部102dは、作業予定データおよび/または債務データに基づいて、発注書の未決事項があるか否かを判定してもよい。また、未決事項判定部102dは、作業予定データにおいて対象期間の発注先による作業予定日が未決か否かを判定してもよい。また、未決事項判定部102dは、債務データにおいて対象期間の発注先に対する発注額が未決か否かを判定してもよい。
【0037】
進捗部102eは、未決事項に対する進捗データに基づいて、作業予定データおよび/または債務データを更新する。ここで、進捗部102eは、未決事項に対する進捗データが入力された場合、進捗データに基づいて、作業予定データおよび/または債務データを更新してもよい。
【0038】
発注書発行部102fは、発注書の発注書データを発行する。ここで、発注書発行部102fは、未決事項判定部102dにより未決事項がないと判定された場合、発注書の発注書データを発行してもよい。また、発注書発行部102fは、未決事項判定部102dにより未決事項があると判定された場合、仮発注書の仮発注書データを発行してもよい。また、発注書発行部102fは、発注書データ、または、仮発注書データを取引データベース106bに登録してもよい。
【0039】
補充書面発行部102gは、仮発注書に対する補充書面の補充書面データを発行する。ここで、補充書面発行部102gは、未決事項判定部102dにより未決事項がないと判定された場合、仮発注書に対する補充書面の補充書面データを発行してもよい。また、補充書面発行部102gは、補充書面データを取引データベース106bに登録してもよい。
【0040】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図2から図10を参照して説明する。
【0041】
[発注書発行管理処理]
ここで、図2を参照して、本実施形態における発注書発行管理処理の一例について説明する。図2は、本実施形態における発注書発行管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
図2に示すように、契約取得部102aは、ユーザにより入力装置112を介して契約データが入力された場合、契約データを取得して契約データベース106aに登録する(ステップSA-1)。
【0043】
そして、作業予定作成部102bは、契約データから、当月度における発注先毎の対象期間契約データを抽出し、対象期間契約データに基づいて、当月度の発注先による作業予定日を設定可能な作業予定データを作成して取引データベース106bに登録する(ステップSA-2)。
【0044】
そして、債務作成部102cは、契約データに基づいて、当月度の発注先毎の発注額を設定可能な債務データを作成して取引データベース106bに登録する(ステップSA-3)。
【0045】
そして、未決事項判定部102dは、取引データベース106bに記憶された作業予定データにおいて当月度の発注先による作業予定日が未決か否か、および、取引データベース106bに記憶された債務データにおいて当月度の発注先に対する発注額が未決か否かを判定することで、発注書の未決事項があるか否かを判定する(ステップSA-4)。
【0046】
そして、未決事項判定部102dは、発注書の未決事項があると判定した場合(ステップSA-4:Yes)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0047】
そして、発注書発行部102fは、仮発注書の仮発注書データを発行する(ステップSA-5)。
【0048】
そして、進捗部102eは、ユーザにより入力装置112を介して未決事項である作業予定日および/または発注額に対する進捗データが入力された場合、進捗データに基づいて、作業予定データおよび/または債務データを更新し(ステップSA-6)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0049】
一方、未決事項判定部102dは、発注書の未決事項がないと判定した場合(ステップSA-4:No)、処理をステップSA-7に移行させる。
【0050】
そして、発注書発行部102fは、仮発注書を発行済みであるか否かを判定する(ステップSA-7)。
【0051】
そして、発注書発行部102fは、仮発注書を発行済ではないと判定した場合(ステップSA-7:No)、処理をステップSA-8に移行させる。
【0052】
そして、発注書発行部102fは、発注書の発注書データを発行し(ステップSA-8)、処理を終了する。
【0053】
一方、発注書発行部102fは、仮発注書を発行済であると判定した場合(ステップSA-7:Yes)、処理をステップSA-9に移行させる。
【0054】
そして、補充書面発行部102gは、仮発注書に対する補充書面の補充書面データを発行し(ステップSA-9)、処理を終了する。
【0055】
ここで、図3から図10を参照して、本実施形態における発注書発行管理処理の一例について説明する。図3から図10は、本実施形態における発注書発行管理処理の一例を示すフロー図である。
【0056】
本実施形態においては、図3および図4に示すように、ユーザにより2020/04/01から2021/03/31までの契約期間における契約基本データデータ、契約売上明細データ、契約売上詳細データ、契約原価明細データおよび契約原価詳細データを含む契約データが入力された場合、契約データが登録される。
【0057】
そして、本実施形態においては、図5に示すように、スケジュール進捗入力として、契約原価明細データおよび契約原価詳細データを元に、6月度契約原価明細データおよび6月度契約原価詳細データが抽出され、図6に示すように、6月度分の作業予定データが作成される。
【0058】
そして、本実施形態においては、図7に示すように、債務データ作成処理にて6月度の債務データ(発注データ)が作成される。
【0059】
そして、本実施形態においては、図8に示すように、未決事項がない場合、自動的に発注書が発行され、未決事項がある場合、自動的に仮発注書が発行される。
【0060】
そして、本実施形態においては、図9に示すように、仮発注書発行後に作業予定日が決定され、スケジュール進捗入力により作業予定データに作業予定日が設定された場合、図10に示すように、未決事項がなくなった分の補充書面が発行される。ここで、本実施形態においては、図10に示すように、未決事項が解決していない場合、ユーザが補充書面発行を所望したとしても、対象のチェックボックスにチェックをつけることができないようになっている。
【0061】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0062】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0063】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0064】
また、発注書発行管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0065】
例えば、発注書発行管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて発注書発行管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0066】
また、このコンピュータプログラムは、発注書発行管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0067】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0068】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0069】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0070】
また、発注書発行管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、発注書発行管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0071】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、ビルメンテナンス業界等を含む下請業者への発注書・仮発注書発行業務を行う全ての業界において有用である。
【符号の説明】
【0073】
100 発注書発行管理装置
102 制御部
102a 契約取得部
102b 作業予定作成部
102c 債務作成部
102d 未決事項判定部
102e 進捗部
102f 発注書発行部
102g 補充書面発行部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 契約データベース
106b 取引データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10