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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】内視鏡用スネア
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
A61B17/32 528
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020546308
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 US2018062679
(87)【国際公開番号】W WO2019104355
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-26
(31)【優先権主張番号】62/591,114
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514017770
【氏名又は名称】サーレハ,ラフィック
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】サレハ,ラフィック
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-137260(JP,A)
【文献】特表2014-527849(JP,A)
【文献】米国特許第05190542(US,A)
【文献】米国特許第6277138(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3205 - A61B 17/3207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡用スネア装置であって、
弓形状の復原力を伴い近位端で共に固定された、湾曲して弾性的に変形する1対のスネアワイヤであって、前記スネアワイヤは、1対の湾曲したスネアワイヤの間にスネアワイヤ面を確定するように、互いから径方向に張り出す関係で前記近位端からスネア延長(L)で遠位端へ延び、スネアワイヤの中間部を互いに幅(W)だけ離隔するための弾性的な付勢を有する、1対のスネアワイヤと、
メッシュであって、メッシュの近位縁端部が、1対の前記スネアワイヤのうちの一方の中間部に対して滑らないように装着された部分から、1対の前記スネアワイヤのうちの他方の中間部に対して滑らないように装着された部分まで伸びるように、前記スネア延長(L)未満のメッシュ延長(A)だけ、滑らない方法で、前記スネアワイヤの中間部及び遠位部に装着されたメッシュであって、湾曲した1対の前記スネアワイヤの中間部の間の前記幅(W)よりも長い長さの前記近位縁端部によって、湾曲した1対の前記スネアワイヤと前記メッシュとで、前記スネアワイヤ面上の内部空間を部分的に囲う籠を形成し、前記籠は、1対の前記スネアワイヤ間のスネアワイヤ面に前記内部空間への遮るものがない開口であって、前記開口の下には障害物がない開口を有し、前記スネアワイヤ面の上を通る籠の口を形成する、前記メッシュの前記近位縁端部を有する、メッシュと
開口部コードであって、前記メッシュの開口縁端部に装着され、かつ、1対の前記スネアワイヤのうちの一方の中間部に対して滑らないように装着された部分から、1対の前記スネアワイヤのうちの他方の中間部に対して滑らないように装着された部分まで伸びる、開口部コードと、を備え、
前記籠の口の前記近位縁端部は前記開口部コードによって強化され且つ支持される、内視鏡用スネア装置。
【請求項2】
前記メッシュ延長(A)は、前記スネア延長(L)の1/4~3/4の範囲である、請求項1に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項3】
前記内視鏡用スネア装置は、前記スネアワイヤ面から出て延び、湾曲して弾性的に変形する支持ワイヤを含む、請求項1に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項4】
湾曲して弾性的に変形する前記支持ワイヤは電気絶縁される、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項5】
湾曲して弾性的に変形する前記支持ワイヤは、撚り合わされて電気絶縁コーティングされる、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項6】
前記メッシュは前記支持ワイヤの上に延びる、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項7】
前記メッシュは前記支持ワイヤに装着される、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項8】
湾曲して弾性的に変形する1対の前記スネアワイヤのそれぞれに横並びで位置付けられ、弓形状の復原力を伴い固定された、湾曲して弾性的に変形する1対の切開ワイヤを含み、前記切開ワイヤは各々遠位端及び近位端を有し、前記切開ワイヤの前記遠位端は、前記スネアワイヤの前記遠位端に共に装着され、前記切開ワイヤの前記近位端は、前記スネアワイヤの前記近位端に共に装着される、請求項1に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項9】
前記切開ワイヤの中間部は、それぞれの前記スネアワイヤに装着される、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【請求項10】
前記支持ワイヤは、前記スネアワイヤ面に対して実質的に垂直である支持ワイヤ面内で、前記スネアワイヤ面から出て延びる、請求項に記載の内視鏡用スネア装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡下で接近される臓器の内側または体の内腔から、例えば結腸からのポリープを含む組織片を取得及び除去するための、内視鏡手術用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡下で、人の臓器の内側から、ポリープ及び他の多くの組織を発見、切開、取得、及び除去または回収するための、内視鏡ツールまたは先端部は無数にあり、公知である。特に目標組織に病気の生検(例えば切開した癌のポリープの生検)を行う場合、理想的には、各切開した目標組織は人の体から迅速に取得及び除去される。しかし、多くの切開ツール及び回収ツールは別個であり、そのため組織は初めに1つのツールによって切開され、別のツールによって取得及び回収される。組織を切開した後、手術医は、切開した組織(ポリープなど)がどこに位置するかを確認することができないことが多く、それらを探すために多くの時間を費やす。時として、切開した組織は紛失して二度と見つからない。それは、切開した組織が生検されず、病気であっても病気が発見されないことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、このような紛失で組織が回収できないことは、重大な結果になりかねない。例えば、癌性ポリープを紛失して生検されない場合、癌は発見されないことがあり、数年後に別の結腸鏡検査を受けるまで、癌が広がって結腸癌は次の段階に進行しかねない。
【0004】
関連技術の前述の例、及びそれに関する制限は例示であり、排他的ではないよう意図される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付の図は、唯一または排他的ではない、いくつかの実施形態の例または特徴を示す。本明細書で開示する実施形態及び図は、限定ではなく例示であるよう意図される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】スネアの第1の例の投影等角図である。
図2図1におけるスネアの例を実装できる例示的な内視鏡装置の遠位端に取り付けられた、図1のスネアの例の側面図である。
図3図2における内視鏡装置の例の遠位端に取り付けられた、図1のスネアの例の拡大上面図である。
図4図2における内視鏡装置の例の遠位端に取り付けられた、図1のスネアの例の拡大側面図である。
図5図1のスネアの例におけるスネアワイヤへの、開口部コードまたはワイヤ及びメッシュの取り付け部の、拡大図である。
図6】スネアの第2の例の投影等角図である。
図7図6におけるスネアの第2の例の、拡大側面図である。
図8図6におけるスネアの第2の例の、拡大上面図である。
図9図6におけるスネアの第2の例の、拡大近位端図である。
図10図6におけるスネアの第2の例の、拡大遠位端図である。
図11図6のスネアの例における支持ワイヤへの、開口部コードまたはワイヤ及びメッシュの取り付け部の例の、拡大斜視図である。
図12図6のスネアの例におけるスネアワイヤへの、開口部コードまたはワイヤ及びメッシュの取り付け部の、拡大斜視図である。
図13】スネアの別の例の投影等角図である。
図14図13のスネアの例におけるスネアワイヤへの、開口部コードまたはワイヤ及びメッシュの取り付け部の、拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
臓器または体の内腔(図示せず)から組織片及び他の物質を、内視鏡によるスネアリング、切開、取得、及び除去で使用するための、回転可能なスネア10の例が、図1図5に示される。これらの図におけるスネア10の例は、それらの中間部16、18を互いに幅Wだけ離隔するための弾性的な付勢を有する、1対のスネアワイヤ12、14を備え、スネアワイヤ12、14は、スネアワイヤ12、14を通って延びるスネアワイヤ面115を画定する。メッシュ20が、中間部16、18、及び遠位部を含むそれぞれのスネアワイヤ12、14に装着されるが、スネアワイヤ12、14の近位部17、19には装着されないスネアワイヤ12、14は、それらの近位端において、例えば嵌め輪30によって、制御ワイヤ32に共に装着される。図1に最もよく示されるように、一対のスネアワイヤ12、14とメッシュ20とで、スネアワイヤ面上に内部空間117を有し、スネアワイヤ面115上に内部空間への遮るものがない開口119を有する籠を形成する。図1、3、および4にも示されているように、メッシュ20の近位縁端部56は、籠の口を形成している。図2に示されるように、制御ワイヤ32は、内視鏡装置40の制御機構34から、内視鏡装置34の管42(カニューレまたはカテーテルと呼ばれることもある)を通して、管42の遠位端または遠位端近くの嵌め輪30まで延びる。開口部コード46(またはワイヤ)は、メッシュ20の近位端56(開口端部)を強化または支持するために提供される場合があり、スネアワイヤ12、14によって切開された組織片を捕捉するための籠として機能するか、または以下でより詳細に説明するように、遊離した組織片を取得するための柄杓として機能する。このようなコードまたはワイヤ46が、メッシュ20で形成された籠の開口端部56に設けられた場合、この開口部コードまたはワイヤ46を、それぞれの端部52、54で安定かつ滑らない任意の方法で、スネアワイヤ12、14の対向する中間部16、18において装着させることができる。この装着は、例えば図5に示されるように、端部52、54を、スネアワイヤ12、14の撚り線53に通して延ばし、結節47、49を結ぶことによって成される。または別の例で、2015年8月11日にRafic Salehに対して発行され、その全体が参照として本明細書に組み込まれた、米国特許第9101342号明細書に示されたスネアワイヤにおける目穴を通して成される(例えば米国特許第9101342号明細書の図17及び図18における目穴64を参照)。メッシュ20は、図5にも示されるように、メッシュ20の横方向縁端部55を通し、かつスネアワイヤ12、14の撚り線53を通して締められた締め紐51を用いて、スネアワイヤ12、14に装着することができる。または、例えば米国特許第9101342号明細書におけるスネアワイヤへの周辺材料の任意の装着に類似した方法で装着することができる(米国特許第9101342号明細書の図21図26における、スネアワイヤへの周辺材料の装着を参照)。同様に、開口部コードまたはワイヤ46が、図1図5に示されるように設けられた場合、メッシュ20の近位端56は、図5に示されるように、例えばメッシュ20の近位縁端部56を通してコードまたはワイヤ46を編むことによって、コードまたはワイヤ46に装着することができる。または、例えば米国特許第9101342号明細書におけるスネアワイヤへの周辺材料の任意の装着に類似した方法で、コードもしくはワイヤ46の周り、またはコードもしくはワイヤ46を通し、かつメッシュ20の近位端部56においてメッシュ20の縁端部を通して、紐もしくは締め紐の撚り線を用いることで、装着することができる。
【0008】
スネア10は、米国特許第9101343号明細書に記載されている手術用回収装置と類似の方法で、制御ワイヤ32によってカニューレ42の中に引っ張り、制御ワイヤ32によってカニューレ42の外に押し出すことができる(例えば米国特許第9101342号明細書の図9及び図10を参照)。スネア10がカニューレ42の中に引っ張られる際に、カニューレ42の遠位端は、スネアワイヤ12、14が共にスネア10を強制的に潰す。スネア10がカニューレ42の42から押し出される際に、弾性的なスネアワイヤ12、14は互いから分離し、図1図4に示される、スネア延長L及びスネア幅Wの構成になる。
【0009】
図1図5におけるスネア10の例は、2本のスネアワイヤ12、14の間の距離よりも広いメッシュ20を伴うスネア10を示しており、そのためメッシュ20は2本のスネアワイヤ12、14に隣接したポケットまたは籠を形成し、臓器から切開した組織(例えば結腸から切開したポリープなど)を捕捉する。図1図5に示されるコードまたはワイヤ46は、スネアの幅Wよりも長く、開口部の拡張した形状を保持するために、いくらかの弾性を伴い曲げることができる。または必要に応じて、ほとんどもしくは全く弾性のない柔軟なものとすることができる。メッシュ20は、必要に応じて、拡張した形状を保つために、いくらかの剛性を有することができる。または柔軟な材料で作ることができ、それによってメッシュ20は緩く吊るされ、臓器から切開した組織片をメッシュ20が囲み、かつ保持する機能を促進させる。スネア10の幅Wよりも長く、かつ弾性的な半剛性もしくは堅いコードまたはワイヤ46を用いて、回転及び逆さにされたときでさえ、メッシュ20を拡げて保持し、いくらか伸ばすことができる。それによって、柄杓としてのメッシュの使用を向上させ、例えば組織が初めにスネアワイヤ12、14によって切開されたときに、捕捉されずに遊離した組織片を、メッシュ20によって捕捉して回収する。スネアワイヤ12、14の遠位端61、63は、図5に示されるような嵌め輪31によって、または任意の他の簡便なデバイスまたは方法によって、スネア10の遠位端64において共に装着することができる。スネアワイヤ12、14の近位端65、67は、スネア10の近位端66において共に、嵌め輪30によって制御ワイヤ32に堅く装着させることができ、それによって、制御ワイヤ32の回転がスネア10の回転も生じさせる。したがって、制御ワイヤ32は、制御機構34によってカニューレ42内で回転可能であり、内視鏡装置40及びスネア10を使用する手術医によって、必要または所望な任意の向きに、展開したスネア10を回転させることができる。
【0010】
図1及び図5で最も良好に示されるように、スネア10の例におけるスネアワイヤ12、14は、いくらかの弾性、及び図1図4に示される拡張された形状に復原する力を有する、撚り合わせたワイヤである。図1図5のスネア10の例におけるスネアワイヤ12、14は、組織を切除するために高温または低温にすることができる。例えば、スネアワイヤ12、14は、導電性金属などのオーミック材料を用いて、当技術分野で公知の電気抵抗によって加熱する方法で作ることができる。例えば、単極回路が使用される場合、電気を制御ワイヤに加えることができ、それによってスネアワイヤ12、14に電気を通し、リターン電極を、当技術分野で公知のように患者に接触させることができる。スネアワイヤ12、14が高温になるよう作られる場合、メッシュ20及び開口部コードまたはワイヤ46はそれぞれ、スネアワイヤ12、14の加熱に耐えられる材料で作ることができる。
【0011】
内視鏡装置40及び管またはカニューレ42などの内視鏡装置には、図1に概ね示すようなカニューレ42の遠位端44を通して、展開したスネア10及び周囲の組織を手術医が確認できるよう、光学ルーメン70及び光学要素72が装備されるのが一般的である。基本的に、手術医は、カニューレ42内のこのような光学ルーメン70を通して目標組織(例えば人の結腸のポリープなど)を探し、このような目標組織が発見されると、手術医はスネアを所定の位置に操作して、目標組織を切開する。手術医によって使用されるスネアが、切開した組織を取得及び回収するものを有さない場合、例えば米国特許第9101342号明細書に示されるような手術用回収籠が手術医によって使用され、切開した目標組織を取得及び回収し、人の体内から除去する。特に目標組織に病気の生検(例えば切開した癌のポリープの生検)を行う場合、理想的には、切開した各目標組織は人の体から迅速に取得及び除去される。しかし実際には、手術医は、切開した組織(ポリープなど)がどこに位置するかを確認できないことが多く、それらを探すために多くの時間を費やす。時として、切開した組織は紛失して二度と見つからない。それは、切開した組織が生検されず、病気であっても病気が発見されないことを意味する。したがって、このような紛失で組織が回収できないことは、重大な結果になりかねない。例えば、癌性ポリープが紛失して生検されない場合、癌は発見されない場合があり、数年後に別の結腸鏡検査を受けるまで、癌が広がって結腸癌は次の段階に進行しかねない。
【0012】
対照的に、図1図5に示されるスネア10を用いた目標組織の切除が、スネア10の遠位端64で成され、メッシュ20は、切開した組織が切除部位から離れる直前に、切開した組織を取得及び保持する。上述のように、メッシュ20は、スネアワイヤ12、14それぞれの中間部16、18、及び遠位部22、24に装着され、それによってスネアワイヤ12、14の遠位部22、24によって切開された目標組織を、メッシュ20によって直ちに捕捉することができる。メッシュ20は、スネア10の全延長L、すなわちスネア10の遠位端64から近位端66までのスネアワイヤ12、14の全延長には、拡張しない。したがってメッシュ20は、手術医がカニューレ42の遠位端44を通して切開する組織を観察する際に、手術医の視界を遮らない。図1図3、及び図4に示されるように、メッシュ20の延長Aは、スネア10の延長の1/4~3/4の範囲であり、それは、メッシュ補足能力及び保持能力を僅かに犠牲にして良好な視野を得るか、または視野を犠牲にして良好なメッシュ補足能力及び保持能力を得るかの、手術医の好みに依拠する。スネア10の延長Lの約半分、または半分より僅かに短い、メッシュ20の延長Aは、好適かつ最良の視野及び保持能力を提供し、多くの手術医に満足となり得るが、スネア延長Lに対して、メッシュ延長Aの異なる比率を伴う様々なスネア10が、異なる状況のために提供され得る。
【0013】
いくつかの用途または手術医の好みに合わせ、いくつかの追加の構造的支持が、メッシュ20を拡げて拡張させた形状に保持するために望ましい場合がある。そのため、スネア100の別の例が図6図1に示され、それは、組織(例えばポリープまたは他の組織)が切開される際に、メッシュ20及び開口部コード46を拡げたままにして、メッシュ20の横方向縁端部のためのさらなる防護をもたらすための、さらなる支持を提供する。図1図5のスネア10の例における構成要素と同じである、図6図1におけるスネア100の例の構成要素及び特徴は、同じ番号が付けられているので、スネア100の例の理解のために、それらの構成要素及び特徴の説明を繰り返す必要はない。
【0014】
スネア100の例において、基本的にスネアワイヤ12、14と同じ物である切開ワイヤ112、114のそれぞれは、スネアワイヤ12、14と横並びに設けられる。メッシュ20の横方向縁端部55は、上述のように、やはりスネアワイヤ12、14に装着される。しかし切開ワイヤ112、114は、組織を切開するための接触及び力のうちの多くの部分を担い、それによって、メッシュ20の横方向縁端部55と、上述のようにスネアワイヤ12、14にメッシュの横方向縁端部55を装着する締め紐51との接触及び力に対する、いくらかの保護及び防護をもたらす。さらに、支持ワイヤ116が設けられ、開口部コードまたはワイヤ46、及びメッシュを拡げて、拡張された形状に支持する。図6図10に示されるように、支持ワイヤ116は、スネアワイヤ12、14を通って延びるスネアワイヤ115に対して実質的に垂直な支持ワイヤ面内で、アーチ形状である。メッシュ20は、支持ワイヤ116の上(外側)を延びるか、または装着され、それによって支持ワイヤ116は、スネアワイヤ12、14を通って延びるスネアワイヤ115から離れるように延びる方向、すなわち拡げて拡張された形状で、メッシュ20を支持する。支持ワイヤ116の遠位端118は、スネアワイヤ12、14の遠位端に、遠位の嵌め輪31によって堅く接続され、支持ワイヤ116の近位端120は、スネアワイヤ12、14の近位端に、近位の嵌め輪30によって堅く接続される。したがって、図6に最もよく見られるように、スネアワイヤ12、14、支持ワイヤ116、およびメッシュ20は、スネアワイヤ面115と支持ワイヤ116との間の内部空間117を部分的に覆うことによって共に籠を形成し、前記籠は、スネアワイヤ面115上に前記内部空間117への遮るものがない開口119を有し、前記開口119の下に障害物がない。メッシュ20の近位縁端部56は、上述のように、及び、図3,4に示されるように、スネア延長Lよりも短いメッシュ延長Aで前記籠の口を形成する。支持ワイヤ116は、制御ワイヤ32がスネア10を管(カニューレ)42の中に引っ張ると、スネアワイヤ12、14のように曲がって潰れ、制御ワイヤ32が、スネア10を管(カニューレ)4から押し出すと、その拡張された形状に拡がる。
【0015】
支持ワイヤ116は、スネアワイヤ12、14のように、弾性的で曲げられる撚り合わせたワイヤ122で作ることができる。しかし、スネアワイヤ12、14及び切開ワイヤ112、114が、組織を高温切除するために加熱される場合、支持ワイヤ116は、図11に最も良好に見えるように、電気絶縁体124によって絶縁され、それによって支持ワイヤ116の撚り合わせたワイヤ122は組織に触れず、したがってスネアワイヤを加熱する電気回路の一部を形成しない。したがって、支持ワイヤ116は電気回路によって加熱されず、組織が切開ワイヤ112、114及びスネアワイヤ12、14によって切開される間、開口部ワイヤ46及びメッシュ20を拡げて拡張させるためのみに機能する。
【0016】
図11で最も良好に見えるように、開口部コードまたはワイヤ46は、電気絶縁体124及び撚り合わせたワイヤ122を(例えば針または錐を用いて)突き通し、開口部コードまたはワイヤ46を、支持ワイヤ116にしっかりと滑らずに装着する。同様に、締め紐130を使用してメッシュ120を支持ワイヤ166に固定することができる。締め紐130を所定の位置に留めるよう、締め紐130の端部を結節132に結ぶことができる。
【0017】
スネア10の例で上述したように、開口部コードまたはワイヤ46の端部52、54を、撚り合わせたスネアワイヤ12、14に押し通して結節47、49に結ぶことができる。しかし、図12で最も良好に見えるように、端部52、54(図12で52は見えない)をスネアワイヤ12、14の周り、及び切開ワイヤ112、114の周りにも結び、切開ワイヤ112をスネアワイヤ12の中間部に、かつ切開ワイヤ114をスネアワイヤ14の中間部に縛って、特にスネア100が管42の中に引っ張られる際に、スネア100に対するさらなる構造的一体性を提供できる。しかし上述のように、スネア10の例と同様スネア100の例において、締め紐51はメッシュ20を、切開ワイヤ112、114ではなくスネアワイヤ12、14に装着する。図7に図で示されるように、例えば紐及び結節134などの他の装着を、上記の説明、及び例えば米国特許第9101342号明細書に示されたように、メッシュ20をスネアワイヤ12、14及び支持ワイヤ116に装着させるために使用することもできる。
【0018】
図13、及び図14に示される、スネア100’の別の例は、切開ワイヤ112’及び114’が撚り線ではなく中実であること以外、図6図12のスネア100の例と実質的に同じである。
【0019】
前述の説明は、本発明の原理を示す例を提供し、以下の特徴によって定義される。多くの僅かな変更及び変化が、当業者が一旦本発明を理解すると容易に見出されるため、上記で示し説明した例の正確な構成及びプロセスに限定するのは望ましくない。したがって、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある、全ての好適な組み合せ、部分組み合せ、変更、及び同等物に対して、手段が講じられ得る。用語「備える(comprise、comprises、comprising)、含む(include、including、及びincludes)は、特徴を含む本明細書で使用される場合、記載した特徴、整数、構成要素、またはステップの存在を特定することが意図されるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、またはそれらのグループの存在、または追加を除外しない。用語「上部」、「上方へ」、「下部」、「底部」、「下」、「下方へ」、「垂直の」、「水平の」、及び他の方向を表わす用語は、本明細書において、図に示された図的な向きを指し、別途示さない限り、便宜上及び明確のためにのみ本説明で使用される。それらは、実際の使用用途において任意の特定の向きにスネアを限定することを意図せず、実際にはスネアを、任意の所望の向きに位置付け、回転させ、かつ使用することができる。
【0020】
排他的な特性及び恩恵が主張された本発明の実施形態は、以下で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14