(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】加工作業の間に容器をクランプするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B21D 51/26 20060101AFI20230822BHJP
【FI】
B21D51/26 A
(21)【出願番号】P 2020567454
(86)(22)【出願日】2019-02-25
(86)【国際出願番号】 US2019019446
(87)【国際公開番号】W WO2019168797
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2021-12-01
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514117427
【氏名又は名称】ベルヴァック・プロダクション・マシーナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BELVAC PRODUCTION MACHINERY,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハロルド・ジェームズ・マーシャル
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05473855(US,A)
【文献】実開昭64-042738(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0227320(US,A1)
【文献】特開2017-070990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 51/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動シャフトと、
それぞれの容器を保持するように構成された複数のポケットを備えたスターホイールであって、前記複数のポケットは、第1の端部においてそれぞれの押圧プレートを備え、且つ全体的に反対側の端部である第2の端部において回転可能な加工デバイスを備え、前記押圧プレートの各々は、物品の閉鎖端部に接触するように構成され
ており、前記回転可能な加工デバイスはトリマヘッドである、スターホイールと、
前記回転可能な加工デバイスの各々に全体的に隣接して配置された圧力プレートアセンブリであって、少なくとも2つのガイドピンのそれぞれの上に配置された、少なくとも2つの弾性デバイスを含んだ圧力プレートアセンブリと、
を備えた加工タレットであって、
該加工タレットが第1の位置にある場合、前記少なくとも2つの弾性デバイスは圧縮されており、前記加工タレットが第2の位置にある場合、前記少なくとも2つの弾性デバイスは全体的に圧縮されておらず、
前記押圧プレートと前記回転可能な加工デバイスとの間の距離は、前記第1の位置にある場合よりも前記第2の位置にある場合のほうが大きい、加工タレット。
【請求項2】
前記加工タレットが前記第1の位置にある場合、前記加工タレットは、前記物品の回転を抑制または防止するように構成されている、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項3】
前記物品は、前記加工タレットが前記第1の位置にある場合に、前記加工デバイスにより加工されるように構成されている、請求項2に記載の加工タレット。
【請求項4】
前記少なくとも2つの弾性デバイスは、コイルばね、波形バネ、ポリウレタンバネ、圧縮可能なガスバネ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいる、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項5】
前記少なくとも2つのガイドピンおよび前記少なくとも2つの弾性デバイスは、前記駆動シャフトと全体的に同軸の方向に、全体的にリング形状のガイドアセンブリから伸びている、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項6】
前記物品の閉鎖端部に接触した前記押圧プレートの表面は、前記物品の回転を抑制するように構成されたインサートまたは研磨被覆を含んでいる、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項7】
前記インサートは、ゴム製弾性表面を含んでいる、請求項
6に記載の加工タレット。
【請求項8】
前記押圧プレートと前記物品の閉鎖端部との間に真空を提供するための、真空マニフォールドをさらに備えている、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項9】
前記押圧プレートの各々は、前記駆動シャフトと全体的に同軸の方向に移動可能な、それぞれのラムアセンブリに配置されている、請求項1に記載の加工タレット。
【請求項10】
加工される物品の回転動作を抑制するためのデバイスであって、該デバイスは、
全体的にリング形状のガイドアセンブリを含んだ圧力プレートアセンブリであって、前記ガイドアセンブリは、該ガイドアセンブリの第1の側部から横方向に伸びた少なくとも2つのガイドピンを備え、前記ガイドアセンブリは、前記少なくとも2つのガイドピンのそれぞれ1つの上に配置された、少なくとも2つの弾性デバイスをさらに含んだ、圧力プレートアセンブリと、
第1の方向に移動する容器の開放端部を受け入れ、且つ前記容器の開放端部を加工デバイスと整列させるための開口部を備えた容器ガイドであって、前記圧力プレートアセンブリの第1の側部に隣接して配置された容器ガイドと、
を備え、
前記少なくとも2つの弾性デバイスは、第1の方向における前記容器ガイドの移動に応じて圧縮されるように構成されており、前記少なくとも2つの弾性デバイスは、全体的に反対方向の第2の方向における前記容器ガイドの移動に応じて圧力が減らされるように構成されている、デバイス。
【請求項11】
前記ガイドアセンブリの内径は、前記容器ガイド開口部の内径よりも大きい、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ガイドアセンブリを受け入れるように構成された装着プレートをさらに備え、該装着プレートは開口部をさらに含み、該開口部を通じて前記加工デバイスの少なくとも一部を受け入れる、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項13】
前記加工デバイスは、トリミングデバイス、ねじ切りデバイス、カーリングデバイス、または回転成形デバイスである、請求項
12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記少なくとも2つの弾性デバイスは、コイルバネ、鋼製波形バネ、ポリウレタンバネ、圧縮可能なガスバネ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいる、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項15】
物品を加工する方法であって、該方法は、
複数のポケットを含んだスターホイールであって、前記複数のポケットの各々は、第1の端部において前記物品の閉鎖端部に接触する押圧プレートを含み、および全体的に反対側の端部である第2の端部において回転加工デバイスを含んだスターホイール、を提供するステップと、
物品ガイドであって、自身の内部に容器の反対側の開放端部を受け入れるための開口部と、前記回転加工デバイスと前記物品ガイドとの間に配置された全体的にリング形状のガイドアセンブリと、を備え、該ガイドアセンブリは、前記ガイドアセンブリの第1の側部から全体的に横方向に伸びた少なくとも2つのガイドピンと、該少なくとも2つのガイドピンのそれぞれの1つの上に配置された少なくとも2つの弾性デバイスと、を含んだ物品ガイド、を提供するステップと、
前記押圧プレートまたは前記回転加工デバイスの一方を、第1の距離だけ第1の方向において前記押圧プレートまたは前記回転加工デバイスの他方に向かって移動させ、これにより前記物品の開放端部が、前記物品ガイドを通じて前記回転加工デバイスに向かって移動されるステップと、
前記押圧プレートまたは前記回転加工デバイスを、第2の距離だけ前記第1の方向においてさらに移動させ、これにより前記物品の
一部が前記物品ガイ
ドに接触して、それにより前記物品ガイドを前記加工デバイスに向かって前記回転加工デバイスとは無関係に移動させるステップであって、前記物品の第2の部分は、容器ガイドの開口部の直径よりも大きい直径を有する、移動させるステップと、
前記回転加工デバイスとは無関係な、前記物品ガイドの移動に応じて、少なくとも2つの弾性デバイスを圧縮し、これにより前記物品の開放端部が前記回転加工デバイスにより加工される場合、前記物品の回転動作を抑制または阻止するステップと、
を含んでいる方法。
【請求項16】
前記押圧プレートまたは前記回転加工デバイスの、全体的に反対側の方向である第2の方向における移動に応じて、前記少なくとも2つの弾性デバイスの圧力を減らすステップをさらに含んでいる、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも2つの弾性デバイスは、コイルバネ、鋼製波形バネ、ポリウレタンバネ、圧縮可能なガスバネ、またはそれらの任意の組み合わせを含んでいる、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
前記加工デバイスは、トリミングデバイス、ねじ切りデバイス、カーリングデバイス、または回転成形デバイスである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記押圧プレートは、接触して前記物品の回転を抑制するように構成されたインサートまたは研磨仕上げもしくは被覆を含んでいる、請求項
15に記載の方法。
【請求項20】
前記押圧プレートは前記第1の方向に移動し、前記
回転加工デバイスは全体的に静止したままである、請求項
15に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも2つのガイドピンは3つ以上のガイドピンである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項22】
前記加工デバイスは、全体的に前記圧力プレートの隣に配置されたトリマヘッドである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項23】
前記容器の閉鎖端部に接触して、前記容器ガイドを通じて前記容器の移動を補助するように構成された押圧プレートをさらに備え、
押圧に応じて、前記圧力プレートおよび前記押圧プレートは、前記容器に把持力を加え、それにより前記物品の回転動作を抑制または防止するように構成されている、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記回転加工デバイスはトリマヘッドである、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年2月27日に出願された米国仮特許出願第62/635,782号に対する優先権および利得を主張するものであり、その全体が参照によりここに統合されている。
【0002】
本開示は、全体的に製造品を形成または加工するためのシステム、方法、およびデバイスに関する。より具体的には、本開示の態様は、加工作業の間に、瓶および缶等の物品または容器に加えられる回転力を減少または排除するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
容器製造産業において、瓶、缶、ジャー、もしくはそれらに類似したものを含んだ、異なった容器構造を製造および加工するための多様なアプローチが存在している。
【0004】
容器(例えば缶)の製造の工程において、複数の作業が缶本体に軸方向に加えられる回転力を生じさせ得る。特にそのような力は、例えばトリミング、ねじ切り、カーリング、回転成形、およびそれらに類似したもの等の、缶の開放端部の仕上げにおいて用いられる加工の間に、望ましくなく加えられ得る。これらの望ましくない力は、例えば不完全なトリミング、奇形のネジもしくはカール、またはそれらに類似したもの等の、容器に対する欠陥に帰結し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、加工作業の間に容器に加えられる回転力を減少または排除するための装置および方法を創出することが、望まれ得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示された一実施形態によれば、加工タレットは、駆動シャフトと、個々の容器を保持するように構成された複数のポケットを備えたスターホイールと、を備えている。複数のポケットは、第1の端部において個々の押圧プレートを備え、且つ全体的に反対側の端部である第2の端部において回転可能な加工デバイスを備えている。押圧プレートの各々は、物品の閉鎖端部に接触するように構成されている。加工タレットは、回転可能な加工デバイスの各々に全体的に隣接して配置された圧力プレートアセンブリをさらに含んでいる。圧力プレートアセンブリは、少なくとも2つのガイドピンのそれぞれの上に配置された、少なくとも2つの弾性デバイスを含んでいる。加工タレットが第1の位置にある場合、少なくとも2つの弾性デバイスは圧縮されており、記加工タレットが第2の位置にある場合、少なくとも2つの弾性デバイスは全体的に圧縮されていない。押圧プレートと回転可能な加工デバイスとの間の距離は、第1の位置にある場合よりも第2の位置にある場合のほうが大きい。
【0007】
ここに開示された別の実施形態によれば、加工される物品の回転動作を抑制するためのデバイスは、全体的にリング形状のガイドアセンブリを含んだ圧力プレートアセンブリを備えている。ガイドアセンブリは、ガイドアセンブリの第1の側部から横方向に伸びた少なくとも2つのガイドピンを備えている。ガイドアセンブリは、少なくとも2つのガイドピンのそれぞれの1つの上に配置された少なくとも2つの弾性デバイスをさらに含んでいる。そのデバイスは、第1の方向に移動した容器の開放端部を受け入れるための、および容器の開放端部を加工デバイスと位置決めするための開口部を備えた、容器ガイドをさらに含んでいる。容器ガイドは、圧力プレートアセンブリの第1の側部に隣接して配置されている。少なくとも2つの弾性デバイスは、第1の方向における容器ガイドの移動に応じて圧縮されるように構成されている。少なくとも2つの弾性デバイスは、全体的に反対方向である第2の方向における容器ガイドの移動に応じて圧力を減少するように構成されている。
【0008】
ここに開示された1つの方法によれば、物品を加工する方法は、複数のポケットを含んだスターホイールを設けるステップを含んでいる。複数のポケットの各々は、第1の端部において物品の閉鎖端部に接触し、且つ全体的に反対側の端部である第2の端部において回転加工デバイスに接触する押圧プレートを含んでいる。その方法は、自身の内部に容器の反対側の開放端部を受け入れるための開口部と、回転加工デバイスと物品ガイドとの間に配置された全体的にリング形状のガイドアセンブリと、を設けるステップをさらに含んでいる。ガイドアセンブリは、ガイドアセンブリの第1の側部から全体的に横方向に伸びた少なくとも2つのガイドピンと、少なくとも1つのガイドピンのそれぞれの1つの上に配置された少なくとも2つの弾性デバイスと、を含んでいる。その方法は、押圧プレートまたは回転加工デバイスの一方を押圧プレートまたは回転加工デバイスの他方に向かって、第1の距離だけ第1の方向に移動させ、これにより物品の開放端部が、物品ガイドを通じて回転加工デバイスに向かって移動されるステップをさらに含んでいる。その方法は、押圧プレートまたは回転加工デバイスを第2の距離だけ第1の方向にさらに移動させて、これにより物品の第2の部分が物品ガイドの外側面に突き当たり、それにより物品ガイドを回転加工デバイスとは無関係に加工デバイスに向かって移動させるステップをさらに含んでいる。物品の第2の部分は、容器ガイドの開口部の直径よりも大きい直径を有する。その方法は、第2ラムアセンブリとは無関係な、物品ガイドの移動に応じて、少なくとも2つの弾性デバイスを圧縮し、これにより物品の開放端部が回転加工デバイスにより加工される場合、物品の回転動作を抑制または阻止するステップをさらに含んでいる。
【0009】
前述の要約は、本開示のあらゆる実施形態またはあらゆる態様を現していない。むしろ、前述の要約は、ここに説明された新規な態様および特徴の幾つかの例を単に提供している。本開示の前述の特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、単独でまたは任意の組み合わせにおいて進歩的であると考えられ、図示された例の以下の詳細な説明、ならびに添付された図および添付された請求項に関連した本発明を実施するためのモードから明確になるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】容器が成形装置に入る前の、容器を示した側面図である。
【
図1B】容器が成形装置から出た後の、
図1Aの容器を示した正面図である。
【
図2】一実施形態による回転可能な成形装置の部分を示した斜視図である。
【
図3】
図2の回転可能な成形装置を示した別の斜視図である。
【
図4】一実施形態によるクランプデバイスの断面を示した図である。
【
図5A】一実施形態による、緩んでいない位置における
図4のクランプデバイスの一部の断面を示した図である。
【
図5B】
図5Aのクランプデバイスのバネアセンブリを示した拡大図である。
【
図6】一実施形態による、クランプ位置における
図4のクランプデバイスの断面を示した図である。
【
図7】
図4から
図6のクランプデバイスに使用するためのバネガイドアセンブリを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、多様な修正形態および代替形態が可能であり、いくつかの代表的な実施形態が、例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明の態様は、図面に示されている特定の形態に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の精神および範囲内にあるすべての修正、等価物、および代替物を網羅するものである。
【0012】
本開示は、多くの異なった型式における実施形態の影響を受けやすい。代表的な実施形態が図示され、且つここに詳細に記載されており、本開示は、本開示の原理の例示として考えられるべきであり、本開示の広範な態様を、例示された実施形態に限定することを意図するものではないことが理解される。その範囲において、例えば要約、概略、および詳細な記載のセクションに開示されているが、請求項に明示的に記載されていない要素および限定は、暗黙的または推論等により、単独または集合的に請求項に組み込まれるべきではない。この詳細な説明を提供する目的のために、特に放棄または論理的に禁止されない限り、単数形は複数形を含み、その逆も同様であり、「含む」、「備える」または「有する」という用語は「限定なしに含む」ことを意味している。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「おおよそ」などのような近似語は、本明細書では、例えば、「おいて」、「近くで」、もしくは「近傍で」、または「3から5%以内」、または「許容できる製造公差内」、またはそれらの論理的な組み合わせの意味で使用することができる。図面は、例示の目的で提供されており、そこに示される特徴は、必ずしも縮尺通りではない。
【0013】
ここに記載された把持デバイスは、個別の機械、または機械ライン内の1つ(以上)の機械の一部とし得る。本開示により意図された把持デバイスの仕様を論じる前に、一実施形態による機械および機械ラインの概要的な記載が、概略的に説明される。
【0014】
機械は、容器1(
図1Aおよび
図1B参照)を成形、加工、または容器1に他の動作を実行するために使用され得、これにより容器1の形状は、
図1Aに示されたような第1の形状から
図1Bに示されたような第2の形状へと変形される。複数ステージラインにおいて、容器1は最初に第1のステージへと供給され、タレット/スターホイール(例えば
図2および
図3参照)等の回転可能な成形装置のポケットに進入する。各スターホイールは任意の数のポケットを備え、加工および搬送のために容器を保持し得る。第1のステージを出た後、容器1は第2のステージに進入し、さらに加工/成形される。
【0015】
複数ステージラインに供給された場合、容器1は例えばネック付けステージ、カーリングステージ、トリミングステージ、ねじ切りステージ、回転成形ステージ、拡張ステージ、および/もしくは任意の他の適切な加工もしくは成形ステージ、またはそれらの組み合わせ等の、任意の数のステージを通じて加工される。容器がすべての加工/成形ステージを通過した場合、容器は機械から排出される。ある実施形態では、複数ステージラインは再循環システムまたはインラインシステムとし得る。
【0016】
容器1の形状を変形させるために使用され得る、回転可能な成形装置の一例は、
図2および
図3、ならびに参照によりここに統合された特許文献1に示されている。
【0017】
図2および
図3の非限定的な実施形態を参照すると、回転可能な成形装置または加工タレット100は、駆動シャフト101およびタレットスターホイール102を含み得る。スターホイール102は複数のポケット103を含み、それぞれのポケットは、一端に押圧プレート112を、他端に回転可能な加工デバイス(加工スピンドル108)を備えている。押圧プレート112は容器1の底部、すなわち閉鎖された端部に接触するように構成されている。図示された実施形態においては、押圧プレート112は、容器1を加工スピンドル108に向かって移動させるための、それぞれの押圧ラムアセンブリ106に配置されている。スターホイール102は、容器1の保持を補助するために押圧プレート112に真空を提供するための真空マニフォールド113、1つ以上の押圧ラムアセンブリ106を作動させるためのカム(例えばカム110)、加工スピンドル108を回転させるための駆動ギア、および/または加工の間に容器を加圧するための空気マニフォールド115、等をさらに含んでいる。
図2および
図3の押圧ラムアセンブリ106は、タレットスターホイール102の外周面の周囲に広がって、その外周面に接続されている。タレット100の回転、およびカムフォロアとカム110との間の相互作用により、押圧ラムアセンブリ106は、駆動シャフト101に対してスライドする。
【0018】
タレットスターホイール102は駆動シャフト101と同軸であり、送り込みスターホイールまたは搬送スターホイールから容器1を受け入れるように構成されている。搬送スターホイールは、第1のステージの加工タレット(例えば成形タレットアセンブリ)から容器を受け入れ、次のステージの加工タレットへと容器を供給するように構成されている。タレットスターホイール102は、押圧ラムアセンブリ106の数に対応した、任意の適切な数の部品またはポケット103を備え得る。
【0019】
押圧ラムアセンブリ106は、駆動シャフト101と同軸の方向に移動可能である。押圧ラムアセンブリ106は、容器1の外見/形状を変化させるために、容器1を保持し、容器1をその上のそれぞれの加工スピンドル108に押し込む。加工スピンドル108は、例えばダイまたは拡張機を含み得る。ダイは容器の首部成形のために使用され得、一方で拡張機は、容器の形状を拡張するために使用され得る。他の実施形態(図示略)においては、加工スピンドルは、移動可能な押圧ラムアセンブリに連結されてもよく、加工スピンドルは、容器が保持されて全体的に静止して保持されている間に、容器上に移動/押圧されてもよい。また別の実施形態においては、容器および加工スピンドルの両方は、それぞれの押圧ラムアセンブリに連結されて、互いに向かって移動する。
【0020】
ここに記載された把持デバイスおよびこの把持デバイスを使用する方法は、回転力が存在し且つ容器の回転が所望されないような、任意の適切な用途に使用され得るが、この装置および方法は、トリミングデバイスに関してここに記載される。
【0021】
図4から
図7を参照すると、ここに記載された把持デバイス201は容器1を把持し、容器は、(全体的に加工デバイスに隣接して配置された)圧力プレートアセンブリ214と、容器1の回転が抑制または防止される押圧プレート112の一方と、の間に挟まれるように構成されている。把持デバイス201は、非限定的な一実施形態によるトリマヘッド200と共に使用され且つトリマヘッドに隣接して配置されるように示された圧力プレートアセンブリ214を含んでいる。
図5Aおよび
図7に示されたように、圧力プレートアセンブリ214は装着プレート301、ガイドアセンブリ300、バネホルダ303、および容器または缶ガイド203を含んでいる。装着プレート301は、第1の端部にガイドアセンブリ(例えばバネガイドアセンブリ300)を受け入れ、反対側の第2の端部に開口部をさらに含み、加工デバイス(例えばトリマヘッド200)の少なくとも一部をその開口部を通じて受け入れるように構成されている。バネガイドアセンブリ300は、回転加工ヘッドと容器または缶ガイド203との間に配置されている。容器または缶ガイド203は、全体的に装着プレート301に隣接して配置されている。
【0022】
図7に示されたように、バネガイドアセンブリ300は、全体的にリング形状のガイドプレート302を含んでいる。図示された実施形態においては、ガイドプレート302は全体的にリング形状であるが、ガイドプレートは、任意の他の適切な形状を有し得ることが意図されている。ガイドプレート302は、少なくとも2つの弾性デバイス(例えばバネ218)を備え、これらの弾性デバイスのそれぞれは、駆動シャフト101と全体的に同軸の横方向においてバネガイドアセンブリ300の第1の側部から伸びた、少なくとも2つのガイドピン304上に配置されている。
【0023】
複数のガイドピン304は、バネガイドアセンブリ300に沿って全体的に均一に離間されている。個々のバネ218は、各々のガイドピン304の上に且つその周りに配置されている。バネ218の内径はガイドピン304の外径よりもわずかに大きく、これによりバネ218は、後述のように、容易に圧縮および伸長し得る。任意の適切な数のガイドピンおよび対応した数のバネが使用され得ることが、意図されている。バネ218の数およびサイズは、容器1に加えられるクランプ力を決定することを補助している。いくつかの実施形態においては、バネの数を増やすこと、ならびにバネをより少なくたわませて、全体的に均一なクランプ力およびより長い「バネ寿命」を達成すること、が望まれ得る。ガイドピン304およびバネ218は、
図4から
図6に示されたように、装着プレート301およびバネホルダ303の開口部を通過している。
【0024】
非限定的な一実施形態による把持デバイス201の使用が、ここに記載される。
図4は、トリミングされる容器1の開放端部3と相互作用するトリマヘッド200を備えた、押圧ラムアセンブリ106を示している。図示された実施形態のトリマヘッド200は、常に自転/回転しており、これにより事前の成形加工に起因した容器1の開放端部3の波形イヤリングは、整えられることが可能である。いくつかの実施形態においては、トリマヘッド200は、比較的高速の回転速度で自転する。
【0025】
図4および
図5に示されたように、把持デバイス201が非把持位置にある場合、押圧ラムラムアセンブリ106に装着された真空押圧プレート112は、容器1の保持を補助している。「押圧ストローク」またはトリミング加工の負荷サイクルの間に、容器1の本体は制御された速度および距離において第1の方向(例えば
図4に示された矢印Aの方向)に、第1の位置から圧力プレートアセンブリ214および回転するトリマヘッド200に向かって/内へと軸方向に移動され、これにより容器1の開放端部は、容器または缶ガイド203を通じて回転するトリマヘッド200に向かって第2の位置へと移動させられる。容器または缶ガイド203は、容器1の開放端部3をトリマヘッド200と位置合わせさせることを補助する。
【0026】
矢印Aの方向における押圧ラムアセンブリ106の第2の距離のさらなる移動は、容器1の開放端部3よりも大きい直径を有する、容器のショルダ202を容器または缶ガイド203の外側面に接触させ、それにより容器または缶ガイド203を第2の位置からトリマヘッド200に向かって移動させる。容器または缶ガイド203のこの移動に応じて、バネ218は圧縮され、それにより圧力プレートアセンブリ214と押圧プレート112との間の容器1にクランプ力を加える。押圧ラムアセンブリ106のフルストロークにおいて、タレット100は第1の位置にあり、この位置において、バネ218は圧縮されて、最大クランプ力が得られ得る。結果として生じるクランプ力は、容器1が回転することを抑制または防止し、容器1は加工(例えばトリム)され得る。加工の間の容器1の回転の抑制または防止は、そのことが潜在的に欠陥を減少するために望ましい。押圧プレートと回転可能な加工デバイスとの間の距離は、第1の(「フルストローク」)位置にある場合よりも第2の位置にある場合のほうが大きい。
【0027】
容器1の開放端部3が加工(例えばトリミング)された後、押圧ラムアセンブリ106は、次に押圧ラムアセンブリ106に連結された真空押圧プレート112による移動によって、トリマヘッド200から第2の位置内に後退し、この第2の位置において、容器1は、圧力プレートアセンブリ214から離れるように移動される。第2の位置において、バネ218は圧縮されていないか、または圧力を減らされた状態となり、容器1は、圧力プレートアセンブリ214と押圧プレート112との間にもはや「クランプ」されていない。
【0028】
図4から
図7に図示された実施形態においては、複数のコイルバネ218が、クランプ力を発生させるために使用されている。しかしながら、クランプ力は、限定されるものではないが、波形バネ(例えば鋼製波形バネ)、ポリウレタンバネ、圧縮可能なガスバネ、他の弾性デバイス、それらの任意の組み合わせ、またはそれに類似したものを含む、他の方法および装置を使用して発生されられ得る。
【0029】
いくつかの非限定的な実施形態においては、押圧プレート112は鋼、または他の適切な金属もしくは材料から形成されている。押圧プレート112は、同じくまたは代替的にゴム製弾性表面もしくはインサートを備え、この部分は容器1の底端部に接触して、トリミング加工の間に容器1の回転に抵抗することを補助する。押圧プレート112は、同じくまたは代替的に、同じ目的を達成するために、接触面に研磨仕上げまたは被覆を備え得る。
【0030】
ここに記載された実施形態は、トリミングデバイスに関して論じられているが、クランプデバイスは、回転力が存在し且つ容器の回転が望まれていない他の用途に使用されてもよい。そのような用途は、限定されるものではないが、ねじ切り、カーリング、回転成形、およびそれらに類似したものを含んでいる。
【0031】
本発明は、ここに開示された正確な構成および構造に限定されるものではなく、これまでの記載から明らかになった任意のおよびすべての改造、変形、およびバリエーションが、添付の請求項により決定された本発明の思想および範囲内にある。さらに、本概念は、前述の特徴および態様の任意のおよびすべての組み合わせおよび副結合を含んでいる。
【符号の説明】
【0032】
1 ・・・容器
3 ・・・開放端部
100 ・・・加工タレット
101 ・・・駆動シャフト
102 ・・・タレットスターホイール
103 ・・・ポケット
106 ・・・押圧ラムアセンブリ
108 ・・・加工スピンドル
110 ・・・カム
112 ・・・押圧プレート
113 ・・・真空マニフォールド
115 ・・・空気マニフォールド
200 ・・・トリマヘッド
201 ・・・把持デバイス
202 ・・・ショルダ
203 ・・・容器または缶ガイド
214 ・・・圧力プレートアセンブリ
218 ・・・バネ
300 ・・・ガイドアセンブリ
301 ・・・装着プレート
302 ・・・ガイドプレート
303 ・・・バネホルダ
304 ・・・ガイドピン