(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】表示装置および車両
(51)【国際特許分類】
G01M 17/007 20060101AFI20230822BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
G01M17/007 Z
B60R11/02 C
(21)【出願番号】P 2020567598
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2019069470
(87)【国際公開番号】W WO2020020763
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】102018212604.6
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】ブリュグル・ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォクリーネク・ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ラートヴェーゼン・ハーラルト
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-182049(JP,A)
【文献】特開2015-098317(JP,A)
【文献】特開2007-171922(JP,A)
【文献】特開2000-159197(JP,A)
【文献】特開2004-149057(JP,A)
【文献】特開2015-134573(JP,A)
【文献】特開2005-329760(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1267355(KR,B1)
【文献】特開2006-282100(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 11/00 -11/06
G01M 17/00 -17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)の室内(3)のための表示装置(10)であって、
この表示装置が、
-情報の視覚的な表示のために設備されている、表示ユニット(20)と、
-前記表示ユニット(20)を
、前記車両(1)のルーフライナ(5)に対して平行な不使用位置(N)と
、前記車両(1)の前記ルーフライナ(5)から旋回離脱された使用位置(G)との間で、移行するため、および
、前記不使用位置(N)及び/または前記使用位置(G)において保持するために設備されている、移動装置(50)と、
を備えており、
前記表示装置において、
前記移動装置(50)が、
(i)少なくとも前記不使用位置(N)と前記使用位置(G)との間での、前記表示ユニット(20)の旋回のための旋回軸線(61)の規定のための第1の案内要素(51)によって、前記表示ユニット(20)に装着されており、
(ii
)前記表示装置の連結レバー(53)を介して、機械的な作用結合において前記表示ユニット(20)と連結されているまたは連結可能である、第2の案内要素(52)を有し、且つ、
(iii)前記案内要素(51、52)の収容のため、および、その案内軌道内におけるこの案内軌道(56)に沿っての、前記案内要素の移動のための該案内軌道(56)を備える、前記ルーフライナ(5)における装着のための案内レール(55)を有して、
形成されていること、
-
連結レバー(53)においてまたはこの連結レバー内において、目標屈曲力としての予め規定された破断力を有する目標屈曲位置(53-3)は、
前記連結レバー(53)のこの目標屈曲力の超過の際に、この目標屈曲位置(53-3)において折れ曲がり、且つ、その際、屈曲されていない標準形状から、屈曲された安全保護形状に移行するように形成されており、
-
第1の案内要素(51)におけるまたはこの第1の案内要素内における、または、第1の案内要素(51)と所属する案内レール(55)との間における、逆戻り阻止装置を有する、および、目標保持力としての予め定められた保持力を有する、滑りクラッチ(71)及び/またはブレーキが、
この目標保持力の超過の際に、第1の案内要素(51)が、所属する案内レール内において作用する力に従って移動するように形成されており、
-この目標屈曲力及び/またはこの目標保持力が、重力加速度の少なくとも5倍に相応する加速度の値を有する、
ことを特徴とする表示装置(10)。
【請求項2】
前記表示装置において、
前記連結レバー(53)が、
-対体として、
-互いに同じ、または、基本的に同じに、
-同じ長さを有して、
-直線状、または、基本的に直線状に、
-互いに平行に整向され、
-互いに同一平面上で整向され、及び/または、
-第1の端部(53-1)と第2の端部(53-2)とを有して、
形成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置(10)。
【請求項3】
前記表示装置(10)において、
-連結レバー(53)
の第1の端部(53-1)は、回転可能に支承されて、前記表示ユニット(20)に装着されており、及び/または、
-連結レバー(53)
の第2の端部(53-2)が、回転可能に支承されて、所属す
る第2の案内要素(52)に装着されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置(10)。
【請求項4】
前記表示装置(10)において、
前記表示ユニット(20)における
、連結レバー(53)
の第1の端部(53-1)の組み付け部位の位置は
、
-所属す
る第1の案内要素(51)
の組み付け部位の位置から、空間的に離間されている、及び/または、
-前記表示ユニット(20)
の長手方向エッジ部(22)において、またはこの長手方向エッジ部の領域内において配置されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置(10)。
【請求項5】
前記表示装置(10)において、
前記第1の案内要素(51)及び/または前記第2の案内要素(52)は、
-相互間でまたは総じて同じ、または、基本的に同じに、
-スライダーとして、
-案内レール(55)内でのスライド移動のために設備されて、
形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
【請求項6】
前記表示装置(10)において、
-前記第1の案内要素(51)は、
前記表示ユニット(20)の
、第1の横方向エッジ部(21)及び/また
は長手方向エッジ部(22)において、または、この第1の横方向エッジ部及び/またはこの長手方向エッジ部の領域内において装着されている、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記横方向エッジ部(21)が
、前記車両(1)の横延在方向(Y)に対して平行に整向されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
【請求項7】
前記表示装置(10)において、前記表示ユニット(20)は、
-基本的に、矩形の形状を有し、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記車両(1)の横延在方向(Y)に対して平行に整向された横方向エッジ部(21)を有し、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、所属する前記車両(1)の長手延在方向(X)に対して平行に整向された長手方向エッジ部(22)を有して、
形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
【請求項8】
前記表示装置(10)において、前記案内レール(55)は、
-対体として、
-互いに同じ、または、基本的に同じに、
-直線状、または、基本的に直線状に、
-互いに平行に整向され、
-
当該案内レール
の第1および第2の端部(55-1、55-2)に関して、互いに同一平面上で整向され、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、1つのルーフライナ(5)において、または、このルーフライナの領域内において装着され、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記車両(1)の長手延在方向(X)に対して平行に整向されて、
形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一つに記載の表示装置(10)であって、
この表示装置(10)が、駆動ユニット(80)を有して形成されており、
-この駆動ユニットが、
前記第1の案内要素(51)及び/または前記第2の案内要素(52)の駆動のため、および
、
案内レール(55)内における、これら第1の案内要素(51)およびこれら第2の案内要素(52)の、別個の、及び/または、共通
の移動のために設備されており、及び/または、
-この駆動ユニットが、
1つまたは複数の制御可能な駆動装置(81、82)と、
前記駆動装置と機械的に連結されたまたは連結可能な、且つ
、前記案内要素(51、52)に所属す
る駆動手段(83、84)とを有しており、
これら駆動手段が、
それら案内要素の移動のための
、第1及び/または第2の案内要素(51、52)による係合のために設備されている、
ことを特徴とする表示装置(10)。
【請求項10】
車両(1)であって、この車両が、
-車体(2)と、
-この車体(2)によって形成された、ルーフライナ(5)を有する室内(3)と、並びに、
-このルーフライナ(5)においてまたは内において装着された、請求項1から
9のいずれか一つによる表示装置(10)と、
を有することを特徴とする車両(1)。
【請求項11】
前記車両(1)において、
-前記表示装置(10)の2つの案内レール(55)は、
前記ルーフライナ(5)においてまたはこのルーフライナ内において、これら案内レールが、同じ長さを有して、同一平面上に、且つ、互いに平行に、この車両(1)の長手延在方向(X)に
、このルーフライナ(5)の外側に位置する領域においてまたは内において、延在するように装着されており、
-前記表示装置(10)の2つの第1の案内要素(51)は、
その第1の横方向エッジ部の領域において前記案内要素(51)が装着されている表示装置(10)の前記表示ユニット(20)の相応する該第1の横方向エッジ部(21)が、前記車両(1)の前記横延在方向(Y)に対して平行に、および、前記車両(1)の前記長手延在方向(X)に関して前記車両(1)の後部の方に向けられ側への方向に配置され得るように、
これら案内レール(55)内において収容されており、および、
-前記表示装置(10)の2つの第2の案内要素(52)は、
前記表示装置(10)の前記表示ユニット(20)の、前記第1の横方向エッジ部(21)と向かい合って位置する第2の横方向エッジ部(21)が、前記車両(1)の後部と反対の側への方向に配置されているように、前記案内レール(55)内において収容されている、
ことを特徴とする請求項
10に記載の車両(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内のための表示装置、並びに、車両それ自体に関する。
【背景技術】
【0002】
車両内において、および、特に一般的な自動車または乗用車内において、情報の視覚的な表示のための表示装置が、座席に所属して、車両ルーフの内側において、例えばルーフ内張りにおいて組み付けることは公知である。
【0003】
車両の後部領域内における、この様式の表示装置を、運転者座席または助手座席の裏面側に、例えば、ヘッドレストの領域内において統合することは、同様に公知である。
【0004】
一方では、この様式の公知の表示装置は、比較的に小さな、空間的な大きさであり、その際、このことは、同様により大きな表示と関連する質量、特にルーフ内側組み付けの際に、信頼性の高い方法で取り扱われ得ないことの事情のせいでもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の根底をなす課題は、簡単な手段でもって、同様に大きな且つ重い表示ユニットの、信頼性の高い、且つ、容易な取り扱いが可能である、車両の室内のための表示装置、並びに、車両それ自体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の根底にある課題は、表示装置において、本発明に従い、請求項1の特徴によって、および、車両において、本発明に従い、請求項11の特徴によって解決される。有利な更なる構成は、それぞれに、従属請求項の対象である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の第1の観点に従い、車両および特に自動車または乗用車の、室内のための表示装置が提供され、この表示装置が、
情報の視覚的な表示のために設備されている、表示ユニットと、
前記表示ユニットを、特に制御可能に、前記車両のルーフライナに対して平行な不使用位置と、特に前記車両の前記ルーフライナから旋回離脱された使用位置との間で、移行するため、および、特に制御可能に、前記不使用位置及び/または前記使用位置において保持するために設備されている、移動装置と、
を備えている。
【0008】
その際、前記移動装置は、
(i)少なくとも前記不使用位置と前記使用位置との間での、前記表示ユニットの旋回のための旋回軸線の規定のための第1の案内要素によって、前記表示ユニットに装着されており、
(ii)それぞれに、前記表示装置の連結レバーを介して、機械的な作用結合において前記表示ユニットと連結されているまたは連結可能である、第2の案内要素を有し、且つ、
(iii)前記案内要素の収容のため、および、その案内軌道内におけるこの案内軌道に沿っての、前記案内要素の移動のための該案内軌道を備える、前記ルーフライナにおける装着のための案内レールを有して、
形成されている。
【0009】
これら構成、および、特に案内レール内における連結レバーとの、第1の案内要素および第2の案内要素の協働により、
表示装置のより大きな質量に基づいて、より大きな且つこれに伴って重い表示ユニットを有する、従来、困難に取り扱われるべき表示装置を、簡単な方法で、且つ、高い信頼性で、車両の室内において取り扱うことの可能性が与えられ、
その際、例えば、表示装置の慣性が、連結レバーとの協働における、案内レール内における案内要素に基づいての運動可能性との関連において、受動的な、および、この慣性によって駆動される表示ユニットの、客室からの回避運動のために利用され得る。
【0010】
本発明に従う表示装置の有利な実施形態において、これら連結レバーは、分離または組み合わされて、
対体として、互いに同じ、または、基本的に同じに、同じ長さを有して、直線状、または、基本的に直線状に、互いに平行に整向され、互いに同一平面上で整向され、及び/または、それぞれに、第1の端部と第2の端部とを有して、形成されている。
これら構成により、個々に、または、組み合わせにおいて、同様に幾何学的形状および重量に関する、具体的な表示ユニットのそれぞれの実施形態との比較においても、車両室内におけるそれぞれの幾何学的な状況に対する適合可能性により、自在性の高い程度が与えられる。
【0011】
その際、本発明に従う表示装置の有利な更なる構成に従い、
1つの連結レバーのそれぞれの1つの第1の端部が、回転可能に支承されて、表示ユニットに装着されていること、及び/または、
1つの連結レバーのそれぞれの1つの第2の端部が、回転可能に支承されて、所属する1つの第2の案内要素に装着されていることが意図されていることは可能である。
これら構成により、案内レール内における移動可能性および係合を介しての、連結レバーとの、第1の案内要素と第2の案内要素の協働において、信頼性の高い且つ安定的な構造およびやり方で、不使用位置と使用位置との間の、表示ユニットの-特に連続的な-旋回のための旋回機構は、実現可能である。
【0012】
その際、更に、本発明に従う表示装置の他の実施形態に従い、表示ユニットにおける、1つの連結レバーの1つの第1の端部の組み付け部位の位置が、それぞれに、
所属する1つの第1の案内要素の1つの組み付け部位の位置から、空間的に離間されている、及び/または、
表示ユニットの1つの長手方向エッジ部において、またはこの長手方向エッジ部の領域内において配置されている場合、有利である。
これらの構成でもって、信頼性の高い構造およびやり方で、同様により大きな表示ユニットのバランス保持も達成可能である。
【0013】
第1および第2の案内要素の構成を考慮して、車両室内及び/または表示装置の、所与の要件に対する適合のために、多様な可能性が与えられる。
【0014】
従って、選択的にまたは適宜の組み合わせにおいて、第1の案内要素及び/または第2の案内要素が、
-相互間でまたは総じて同じ、または、基本的に同じに、
-スライダーとして、
-それぞれの1つの案内レール(55)内でのスライド移動のために設備されて、形成されていることは考慮可能である。
【0015】
更に、選択的または付加的に、第1の案内要素が、
表示ユニットの、1つの第1の横方向エッジ部及び/または1つの長手方向エッジ部において、または、この第1の横方向エッジ部及び/またはこの長手方向エッジ部の領域内において装着されていることは、考慮可能である。
【0016】
その際、表示装置の、所属する車両に組み付けられた状態において、横方向エッジ部が、特に旋回軸線と共に、車両の横延在方向に対して平行に整向されていることは可能である。
この構造およびやり方で、車両室内において、例えば、全後部領域のために適当な、表示装置の表示ユニットの共通の整向は、容易に形成可能である。
【0017】
基本的に、表示装置の基礎である表示ユニットは、幾何学的に適宜に構成可能である。
【0018】
しかしながら、本発明に従う表示装置の他の有利な実施形態に従い、表示ユニットが、基本的に、矩形の形状を有し、表示装置の、所属する車両に組み付けられた状態において、車両の横延在方向に対して平行に整向された横方向エッジ部を有し、及び/または、表示装置の、所属する車両に組み付けられた状態において、所属する車両の長手延在方向に対して平行に整向された長手方向エッジ部を有して形成されている場合、特に容易な状況は与えられる。
同様にこのことによっても、後部領域のために有利な、表示装置の表示ユニットの整向状態は支援される。
【0019】
同様に使用される案内レールのためにも、多様な変形の可能性が与えられる。
【0020】
従って、
表示装置の基礎である案内レールが、
-対体として、
-互いに同じ、または、基本的に同じに、
-直線状、または、基本的に直線状に、
-湾曲され、または、部分的に湾曲されて、
-互いに平行に整向され、
-特にこれら案内レールのそれぞれの第1および第2の端部に関して、互いに同一平面上で整向され、
-表示装置の、所属する車両に組み付けられた状態において、1つのルーフライナにおいて、または、このルーフライナの領域内において装着され、及び/または、
-表示装置の、所属する車両に組み付けられた状態において、車両の長手延在方向に対して平行に整向されて、
形成されていることは考慮可能である。
【0021】
使用位置を占めることによって車両の室内の客室内へと突出する、まさに表示装置の使用において、特に大きなまたは質量の大きな表示ユニットの使用の際に、より容易な操作可能性と移動可能性との観点は、特別の意義がある。
【0022】
このことを達成するために、本発明の更に別の観点に従い、所定の機構が、本発明に従う表示装置内へと装着され得、これら機構が、表示ユニットの受動的な移動可能性のより高い程度を生起する。
【0023】
従って、本発明に従う表示装置の有利な更なる構成に従い、
それぞれの1つの連結レバーにおいてまたはこの連結レバー内において、目標屈曲力としての予め規定された破断力を有する目標屈曲位置を、
連結レバーのこの目標屈曲力の超過の際に、この目標屈曲位置において折れ曲がり、且つ、その際、屈曲されていない標準形状から、屈曲された安全保護形状に移行するように形成することは、考慮可能である。
連結レバーの屈曲された安全保護形状と、例えばこの表示ユニットの使用位置から不使用位置の方向に向けての、および特にルーフライナに対して平行な方向に向けての、車両の室内の内側での表示ユニットの相応する旋回は、関連させられており、このことによって、車両の室内が解放される。
目標屈曲力としての、相応して必要な破断力は、例えば、運動の減速の際の表示ユニットの質量の慣性に基づいて、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に生成する。
【0024】
その際、連結レバーと、表示ユニットにおけるこの連結レバーの組み付け点と、第2の案内要素の位置とに対する関係における、それぞれの旋回軸線及び/またはこの旋回軸線を規定する第1の案内要素の整向状態に応じて、この表示ユニットの慣性移動的な回避運動は、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に利用され得る。
【0025】
選択的または付加的に、構成として、
特に1つの第1の案内要素におけるまたはこの第1の案内要素内における、または、1つの第1の案内要素と所属する1つの案内レールとの間における、特にそれぞれに、逆戻り阻止装置を有する、および、目標保持力としての予め定められた保持力を有する、滑りクラッチ及び/またはブレーキを、
この目標保持力の超過の際に、それぞれの1つの第1の案内要素が、それぞれに所属する1つの案内レール内において-作用する力に従って-移動するように形成することは、考慮可能である。
このことは、予め与えられた最小分量を超過した減速でもっての状況において、
慣性に基づいて、クラッチまたはブレーキの、最大の保持力または制動力が超過され、従って、第1の案内要素が解除され、且つ、案内レールの案内軌道に沿って移動し、且つ、これに伴って、表示ユニットとの機械的な連結を介して、この表示ユニットが、客室、即ち車両の室内から、使用位置から不使用位置に回避運動し、且つ、このことによって、この車両の室内が解放することを生起することを意味する。
【0026】
その際、目標屈曲力及び/または目標保持力が、5gまたはそれ以上の範囲内における相応する加速度の範囲内にある値を有することは可能である。
【0027】
基本的に、案内要素、連結レバーおよび案内レールを、
相応する制動を介して、本発明に従う表示装置の表示ユニットの開き出しおよび折り畳み、及び/または、位置決めが、手動で行われ得るように、形成することは考慮可能である。
【0028】
しかしながら、本発明に従う表示装置の特に有利な実施形態により、駆動ユニットが形成されており、この駆動ユニットが、
第1の案内要素及び/または第2の案内要素の駆動のため、および、
それぞれの1つの案内レール内における、これら第1の案内要素およびこれら第2の案内要素の、別個の、及び/または、共通の、および、特に同じ、移動のために設備されている。
【0029】
付加的または選択的に、駆動ユニットが、
1つまたは複数の制御可能な駆動装置と、
この駆動装置と機械的に連結されたまたは連結可能な、且つ、それぞれの案内要素に所属する、特にブラシケーブルまたはヘリックスケーブル(Buerstenkabels oder Helixkabels)の様式の、駆動手段とを有しており、
これら駆動手段が、
それら案内要素の移動のための、特に噛み合っての、第1及び/または第2の案内要素による係合のために設備されていることは、考慮可能である。
【0030】
その際、相応するルーフ要素を相応するフレーム内において駆動するために、即ち、特に同様にスライディングルーフにおいても使用され得るような、駆動装置が使用され得る。
【0031】
これら案内要素の、相互に依存しないまたは共通の移動によって、表示装置の表示ユニットの異なる運動モードは、実現可能である。
【0032】
案内軌道に沿っての案内レール内における、これら案内要素の、即ち同じ方向への同じ速度を有する、共通のおよび同じ運動は、
案内レールの案内軌道に沿っての、および、例えば車両の室内におけるこの車両の長手延在方向に対して平行な、しかも表示ユニットの傾斜の変化の無い、表示ユニットの摺動を生起する。
【0033】
それに対して、それら案内要素および連結レバーの相応する配置の際の、第1の案内要素と第2の案内要素との間の相対的な運動は、
相互に関して、および、表示ユニットと案内レールに対する関係において、
しかも、それら第1の案内要素が移動された場合に、例えばこれら第1の案内要素によって規定される旋回軸線の並進でもっての、および、
これら第1の案内要素が移動されず、且つ、ただ第2の案内要素だけが移動する場合に、固定されている旋回軸線でもっての、旋回運動を提供する。
【0034】
第1および第2の案内要素の移動の相応する適合によって、即ち、制御されたまたは調節された方法において、表示ユニットの摺動、この表示ユニットの旋回、または、これら運動様式の組み合わせは、基礎となる車両の室内において可能である。
【0035】
本発明の他の観点に従い、相応して同様に1つの車両も提供される。
この車両は、車体と、この車体によって形成された、ルーフライナを有する室内と、並びに、このルーフライナにおいてまたは内において装着された、本発明に従い構成された表示装置とを有している。
【0036】
本発明に従う車両の特に有利な実施形態において、
表示装置の2つの案内レールは、
ルーフライナにおいてまたはこのルーフライナ内において、これら案内レールが、同じ長さを有して、同一平面上に、且つ、互いに平行に、この車両の長手延在方向に、-特にこの車両の横延在方向に関して-このルーフライナの外側に位置する領域においてまたは内において、延在するように装着されている。
【0037】
更に、付加的または選択的に、表示装置の2つの第1の案内要素は、その第1の横方向エッジ部の領域において案内要素が装着されている表示装置の表示ユニットの相応する該第1の横方向エッジ部が、車両の横延在方向に対して平行に、および、車両の長手延在方向に関して車両の後部の方に向けられ側への方向に配置され得るように、これら案内レール内において、または、これら案内レール内へと収容されている。
【0038】
更に、付加的または選択的に、表示装置の2つの第2の案内要素が、
表示装置の表示ユニットの、第1の横方向エッジ部と向かい合って位置する第2の横方向エッジ部が、車両の後部と反対の側への方向に配置されているように、案内レール内において収容されていることは意図されている。
【0039】
本発明の更なる詳細、特徴および利点は、以下の説明および図から与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】概略的且つ透視的な側方眺望において、本発明に従う車両の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図2】概略的且つ透視的な側方眺望において、本発明に従う車両の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図3】概略的且つ透視的な側方眺望において、本発明に従う車両の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図4】概略的且つ透視的な側方眺望において、本発明に従う車両の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図5】分離された、概略的且つ透視的な側方眺望において、異なる位置における、本発明に従う表示装置の、他の実施形態を示している図である。
【
図6】分離された、概略的且つ透視的な側方眺望において、異なる位置における、本発明に従う表示装置の、他の実施形態を示している図である。
【
図7】分離された、概略的且つ透視的な側方眺望において、異なる位置における、本発明に従う表示装置の、他の実施形態を示している図である。
【
図8】概略的且つ透視的な平面眺望において、本発明に従う車両の更に別の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図9】概略的且つ透視的な平面眺望において、本発明に従う車両の更に別の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図10】概略的且つ透視的な平面眺望において、本発明に従う車両の更に別の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図11】概略的且つ透視的な平面眺望において、本発明に従う車両の更に別の1つの実施形態を示している図であり、この車両が、本発明に従う表示装置の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニットが、異なる位置において、この車両の室内に配置されている。
【
図12】概略的且つ透視的な側方眺望において、使用位置Gにおける、滑りクラッチを有する、本発明に従う表示ユニットの他の実施形態を示している図である。
【
図13】概略的な側方眺望において、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置での、本発明に従う表示装置の、
図12内において図示された実施形態を示している図である。
【
図14】概略的な側方眺望において、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置での、本発明に従う表示装置の、
図12内において図示された実施形態を示している図である。
【
図15】概略的な側方眺望において、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置での、本発明に従う表示装置の、
図12内において図示された実施形態を示している図である。
【
図16】概略的な側方眺望において、本発明に従う表示ユニットの他の実施形態を示している図であり、この表示ユニットにおいて、連結レバーが、目標屈曲位置を、しかも、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置において有している。
【
図17】概略的な側方眺望において、本発明に従う表示ユニットの他の実施形態を示している図であり、この表示ユニットにおいて、連結レバーが、目標屈曲位置を、しかも、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置において有している。
【
図18】概略的な側方眺望において、本発明に従う表示ユニットの他の実施形態を示している図であり、この表示ユニットにおいて、連結レバーが、目標屈曲位置を、しかも、本発明に従う車両の室内における、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に占める異なる位置において有している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下で、
図1から18までとの関連のもとで、本発明の実施例および背景を詳細に説明する。同じおよび同等の、並びに、同じまたは同等に作用する、要素およびコンポーネントは、同じ参照符号でもって示されている。これら要素およびコンポーネントの出現の如何なる場合においても、示された要素およびコンポーネントの詳細説明がそれぞれ与えられるわけではない。
【0042】
本発明の核心から離れること無しに、図示された特徴および更なる特性は、適宜の様式において相互に分離され得、且つ、適宜に互いに組み合わせされ得る。
【0043】
図1から4までは、概略的且つ透視的な側方眺望において、本発明に従う車両1の1つの実施形態を示しており、この車両が、本発明に従う表示装置10の1つの実施形態を設備されており、その際、この表示装置10の表示ユニット20が、異なる位置N、Gにおいて、この車両1の室内3に配置されている。
【0044】
全ての図内において、および、同様に
図1から4まで内において、本発明に従う車両1は、車体2のコンポーネントによって概略的に図示されており、これらコンポーネントが、この車両1の室内3を囲繞し、且つ、ルーフライナ5を規定している。
【0045】
それぞれの車両1は、長手延在方向Xにおいてx方向に対して平行に、横延在方向Yにおいてy方向に対して平行に、並びに、高さ方向Zにおいてz方向に対して平行に延在し、これらが、それぞれに配置された三次元矢印(Dreibeine)によって規定されている。
【0046】
それぞれに図示された1つの表示装置10は、
図1から4までの図示内において、例えば担持体30を有する本来の表示ユニット20によって形成されており、そのことが
図2から4までから読み取れるように、この担持体が、表示エレメント40、例えばモニターまたはディスプレイを担持している。
表示ユニット20は、ここで、基本的に矩形の形態によって、より長い横方向エッジ部21でもって、車両1の横延在方向Yに対して平行であり、且つ、より短い長手方向エッジ部22でもって、この車両1の長手延在方向Xに対して平行である。
【0047】
更に、本発明に従う表示装置の構成要素は、移動ユニット50である。この移動ユニットは、
図1から4まで内において図示された実施形態において、2つの案内レール55と、2つの第1の案内要素51と、2つの第2の案内要素52と、2つの連結レバー53とによって形成されている。
【0048】
これら案内レール55は、この実施形態において、同一に形成されており、同じ長さを有する直線状の形態を備えており、互いに平行に、且つ、ルーフライナ5において同一平面上に配置されており、且つ、それぞれに案内軌道56を形成している。
基本的に、同様に湾曲された案内レール55も考慮可能である。
これら案内レール55は、
図1から4までの実施形態において、車両1の長手延在方向Xに延在している。これら案内レール55は、横延在方向Yにおいて、相互に離間して、ルーフライナ5の側面において、即ち、特に車両側面へのルーフの移行部内において位置している。
【0049】
第1および第2の案内要素51もしくは52は、第1もしくは第2のスライダーとして形成されており、および、それぞれの案内レール55内において収容され且つこの案内レール内において移動されるため、または、この案内レール内において、それぞれの案内軌道56に沿って移動するために設備されている。
【0050】
表示ユニット20の第1の横方向エッジ部21の領域内において、第1の案内要素51は、そのことによってこの表示ユニット20の旋回軸線または回転軸線61が規定されるように、回転可能に支承されてこの表示ユニット20に装着されている。
組み付けは、特に、
車両1の後部に所属し且つこの車両1におけるこの表示ユニット20の組み付けの際にこの車両1の後部の側面の方に向けられている、1つの側に位置する、
表示ユニット20の横方向エッジ部21において行われる。
これら第1の案内要素51の組み付けは、有利には、表示ユニット20の、向かい合って位置する長手方向エッジ部22に対しての近辺において、特に従って、いわば、長手方向エッジ部22と横方向エッジ部21との交差領域内において行われる。
【0051】
表示ユニット20における、第1の案内要素51のそれぞれの組み付け部位に対して離間されて、且つ、これに伴って、旋回軸線61に対して離間されて、回転可能に支承されて、それぞれに、連結レバー53の第1の端部53-1が、表示ユニット20に、特に長手方向軸線(長手方向エッジ部)22の領域内において装着されている。
このことは、それぞれの長手方向軸線22において、1つの連結レバー53が、この連結レバーの第1の端部でもって、回転可能に、表示ユニット20におけるこの長手方向軸線22の領域内において装着されており、その際、旋回軸線61からのこれら組み付け部位のこれら間隔が、特に同じであることを意味する。
【0052】
それぞれの1つの連結レバー53の第2の端部53-2は、回転可能に支承されて、第2の案内要素52に装着されている。
【0053】
第1の案内要素51と、第2の案内要素52と、連結レバー53と、および、案内軌道56を有する案内レール55とから成る、そのように選択された配置によって、案内レール55内における案内要素51、52の移動の際に、表示ユニット20の不使用位置Nと、1つまたは複数の使用位置Gとの間で交番することの可能性が与えられ、
その際、ルーフライナ5に対する異なる傾斜角度、及び/または、案内レール55に沿って、および、これに伴って、車両1内における組み付けの際のこの車両1の長手延在方向Xに沿って、異なる側方の位置を占めることは可能である。
【0054】
図1内において、表示ユニット20は、不使用位置Nにおいて、即ちこの表示ユニットが基本的にルーフライナ5に対して平行に整向されている状態において位置している。
【0055】
図2内において示された中間状態への移行において、第1の使用位置Gを占めるために、表示ユニット20は、案内レール55内における第1および第2の案内要素51、52の相応する移動によって、ルーフライナ5から室内3へと旋回される。
【0056】
図3内において図示された中間状態への移行において、表示ユニット20は、ルーフライナ5に対してより大きな角度へと旋回離脱され、且つ、より強度に垂直に整向された、更に別の使用位置Gへと移行される。
【0057】
図4内において図示された中間状態への移行において、次いで、第1および第2の案内要素51もしくは52の同時の移動によって、および、特に同じ速度と同じ道程を有する移動によって、
純粋な摺動が、傾斜角度の変化無しに生起され、従って、車両の後ろに座っている乗客6の視距離が、適合、特に拡大され得る。この場合、
図4内において示された中間状態への移行において、表示ユニットは、車両1の前方の領域内へと移動される。
【0058】
同様に更に別の
図5から18までに基づいて、表示ユニット20と移動装置50とを有する、表示装置10の先に記載された構造は、更に明瞭に示される。
【0059】
図5から7までは、分離された、概略的且つ透視的な側方眺望において、異なる位置N、Gにおける、本発明に従う表示装置の、他の実施形態を示している。
【0060】
その状況は
図1から4まで内において図示されているのと類似した状況であり、その際、ここで、しかしながら、焦点は、表示装置10の個々の要素に対して、および、
図5に従い不使用位置Nに対して、および、
図6および7に従い、両方の使用位置に対して向けられている。
【0061】
横方向エッジ部21および長手方向エッジ部22と、担持体30と、および、本来の表示エレメント40とを有する表示ユニット20の構造は、再び認識され得る。
それぞれの連結レバー53は、相応して同じ位置における第1の端部53-1でもって、これら長手方向エッジ部22に、回転可能に装着されている。連結レバーの第2の端部53-2は、回転可能に、案内レール55内において走行可能である、第2の案内要素52において固定されている。
第1の案内要素51は、回転可能に、後部に所属する横方向エッジ部21と、長手方向エッジ部22との間の交差領域内において装着されており、従って、表示ユニット20の回転軸線または旋回軸線61を規定する。
【0062】
概略的に、駆動ユニット80が示唆されており、この駆動ユニットでもって、例えば第1および第2のスライダー51および52としての、第1および第2の案内要素51および52は、表示ユニット20の、制御された及び/または調節された旋回及び/または摺動を生起するために、案内軌道56に沿って移動され得る。
【0063】
駆動ユニット80は、例えば、第1の案内要素51のための第1の駆動装置81、例えば第1のモーターから成り、その際、このモーターに対する連結が、例えばブラシケーブルまたはヘリックスケーブルの様式の、第1の駆動手段83を介して行われる。相応して、この駆動ユニット80は、本発明に従い、第2の案内要素52のための第2の駆動装置82、例えば第2のモーターを有しており、その際、このモーターに対する連結が、相応して、例えば同様にブラシケーブルまたはヘリックスケーブルの様式の、第2の駆動手段84を介して行われる。
このようにして、車両1内における表示ユニット20の間隔および傾斜を自由に選択するために、第1および第2の案内要素51もしくは52は、自律的に、即ち互いに依存せずに、しかしながら同様に一緒にも、移動され得る。
【0064】
図8から11までは、概略的且つ透視的な平面眺望において、本発明に従う車両1の更に別の1つの実施形態を示しており、この車両が、本発明に従う表示装置10の1つの実施形態を設備されており、その際、表示ユニット20が、異なる位置N、および、Gにおいて、この車両1の室内3に配置されている。
【0065】
事故の状況において、および、特に正面衝突の際に、および、追突事故の際に、
予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に、表示ユニット20が、車両1の室内3を、容易な方法で解放するために、
本発明に従う表示装置10が、使用位置Gにおいて、外へと旋回された表示ユニット20が、折り返して、不使用位置Nへと戻し旋回されるように形成されていることは、重要である。
【0066】
この目的のために、本発明の更に別の観点に従い、表示装置10における種々の安全保護装置70が形成される。
【0067】
相応して、
図12は、概略的且つ透視的な側方眺望において、使用位置Gにおける、安全保護装置70としての滑りクラッチ71を有する、本発明に従う表示ユニット20の他の実施形態を示している。
【0068】
この場合、滑りクラッチ71は、構成要素として、回転軸線61を規定する第1の案内要素51と、案内レール55との間で、形成されている。
【0069】
図13から15までは、概略的な側方眺望において、本発明に従う車両1の室内3における、事故の状況において占める異なる位置NおよびGでの、本発明に従う表示装置10の、
図12内において図示された実施形態を示している。
【0070】
安全保護ユニット70の一部としての滑りクラッチ71を有する、この第1の案内要素51の構成に基づいて、連結レバー53と遮断された第2の案内要素52との連結を介して、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に、第1の案内要素51に対して力伝達が行われ、
従って、例えば5gまたはそれ以上の値を有する限界減速度または限界加速度と関連させられ得る限界力の超過の際に、第1の案内要素51が動き出し、且つ、案内レール55内において車両1の後部への方向に移動し、
従って、表示ユニット20が、
図13から15まで内において図示されているように、回避運動して、不使用位置Nへと前方傾倒し、従って、車両1の室内3が、容易な方法で、且つ、迅速に解放される。
【0071】
図16から18までは、概略的な側方眺望において、本発明に従う表示ユニットの他の実施形態を示しており、この表示ユニットが、安全保護ユニット70としての、連結レバー53におけるまたはこの連結レバー内における目標屈曲位置53-3を、
しかも、本発明に従う車両1の室内3における、事故の状況において占める異なる位置において、有している。
【0072】
目標屈曲位置53-3は、これに伴って、決定された機械的な弱化位置としての機能を果たし、この弱化位置が、破断力の超過の際に撓み、
従って、連結レバーが、この連結レバーの直線状の当初の形状を逸脱し、折り曲がり、且つ、従って、遮断または制動された第1の案内要素51において、および、特に同様に車両1の後部から外への第2の案内要素52の移動の際にも、表示ユニット20の前方傾倒が可能であり、
従って、この表示ユニット20がルーフライナ5への方向に、および、これに伴って、不使用位置Nに前方旋回し、従って、車両1の室内3が直ちに解放される。
【0073】
本発明のこれら特徴および更に別の特徴、および、特性を、以下の記載に基づいて、更に説明する:
【0074】
ルーフ領域内における折畳みモニターは、既に、周知の近距離交通、および、各種の他の車両から公知である。
これら折畳みモニターは、モニターの前方縁部におけるシングルジョイントヒンジを介して、このモニターを、ルーフから旋回された位置、例えば垂直の位置に傾倒する。長手方向位置調節可能性は、意図されていない。
【0075】
折畳み運動は、モニターを導いて、その際、鑑賞者の頭部の傍らを密接して擦過させる。
長手方向位置における欠如している調節可能性によって、このモニターは、モニターと鑑賞者の目との間の最大の間隔を有する映写位置との比較において、例えば接触による操作のための使用に対して調節され得ない。
【0076】
車両1内において、本発明に従い、ルーフライナ5の領域内において、側方で、左側と同様に右側にも、案内レール55を有するレールシステムが組み付けられ、その際、これら案内レール55が、基本的に、車両1の長手延在方向Xに延在する。
それぞれの側で、図内において示された本発明の実施形態において、第1および第2の案内要素51もしくは52としての、2つのスライダーは、駆動装置81、82としての、相応する電気モーターによって、駆動可能である。
【0077】
車両内において後方のスライダー、即ち、特に第1のスライダー51は、表示ユニット20としてのモニターの回転軸線61を収容し、及び/または、この回転軸線61を規定する。
【0078】
本発明の趣旨における第2の案内要素52としての、それぞれ前方のスライダーは、1つの連結レバー53に対する回転可能な連結部を収容または形成する。後方または第1のスライダー51の動作または移動は、前方または第2のスライダー52の静止状態の際に、-これに伴って静止している第2のスライダー52における-これらスライダー51、52の相対的な移動を介して、展開もしくは傾斜調節を誘起する。
【0079】
連結レバー53によって、表示ユニット20としてのモニターは、乗客の頭部と反対側に降下し、従って、乗客の頭部と表示ユニット20としてのモニターとの間の最大の自由空間が保持される。
【0080】
即ち、同一の移動範囲を有して、および、本発明の趣旨における第1および第2の案内要素51および52としてのこれらスライダーの間で相対的な移動無しに、前方および後方のスライダー51および52が、同期して走行する場合、
表示ユニット20としてのモニターの傾斜が変化することの無い、即ち、特に車両1の長手延在方向Xに対して平行な、純粋な長手方向位置調節の状態になる。
【0081】
第1および第2の案内要素またはスライダー51、52と、案内軌道56を有する案内レール55と、連結レバー53との協働により、説明された構造およびやり方において形成された本発明に従う運動学的状況は、折畳みおよび展開、即ち使用位置または不使用位置の占拠、傾斜の調節、及び/または、車両1の長手延在方向Xにおける表示ユニット20の位置の調節可能性を可能にする。
【0082】
表示ユニット20としてのモニターの降下または下方への旋回は、乗客の頭部と表示ユニット20としてのモニターとの間の、最大に可能な自由性または自由空間を有して行われる。このことによって、傷害の危険は低下する。
【0083】
従来の方法で、表示ユニットとしてのモニターは、ただ定角軌道分析の自由な領域内においてだけ、位置決めされ得る。
従って、従来の方法で、ただ比較的に、空間的により狭く拡張された、即ち小さなモニターだけが可能であり、これらモニターが、更に、場合によっては、同様に人間工学的にというよりは、むしろ不都合に組み付けられねばならない。
【0084】
表示ユニット20としてのモニターのための、本発明に従い提案された折畳み運動学的状況において、例えば、予め定められ得るまたは調節可能な力レベルを有する、例えば目標屈曲位置の趣旨における、目標機能不全位置が意図されることは可能である。
【0085】
更に、表示ユニット20としてのモニターの重心の幾何学的な位置、運動学的状況、目標機能不全位置は、表示装置10が、予め与えられた最小分量を超過した減速の発生の際に、モニターを、このモニターの慣性質量によって、車両1の室内3から除去するように、装着可能である。
なお、本発明は、以下の態様も包含し得る:
1.車両(1)の室内(3)のための表示装置(10)であって、
この表示装置が、
-情報の視覚的な表示のために設備されている、表示ユニット(20)と、
-前記表示ユニット(20)を、特に制御可能に、前記車両(1)のルーフライナ(5)に対して平行な不使用位置(N)と、特に前記車両(1)の前記ルーフライナ(5)から旋回離脱された使用位置(G)との間で、移行するため、および、特に制御可能に、前記不使用位置(N)及び/または前記使用位置(G)において保持するために設備されている、移動装置(50)と、
を備えており、
前記表示装置において、
前記移動装置(50)が、
(i)少なくとも前記不使用位置(N)と前記使用位置(G)との間での、前記表示ユニット(20)の旋回のための旋回軸線(61)の規定のための第1の案内要素(51)によって、前記表示ユニット(20)に装着されており、
(ii)それぞれに、前記表示装置の連結レバー(53)を介して、機械的な作用結合において前記表示ユニット(20)と連結されているまたは連結可能である、第2の案内要素(52)を有し、且つ、
(iii)前記案内要素(51、52)の収容のため、および、その案内軌道内におけるこの案内軌道(56)に沿っての、前記案内要素の移動のための該案内軌道(56)を備える、前記ルーフライナ(5)における装着のための案内レール(55)を有して、
形成されていることを特徴とする表示装置(10)。
2.前記表示装置において、
前記連結レバー(53)が、
-対体として、
-互いに同じ、または、基本的に同じに、
-同じ長さを有して、
-直線状、または、基本的に直線状に、
-互いに平行に整向され、
-互いに同一平面上で整向され、及び/または、
-それぞれに、第1の端部(53-1)と第2の端部(53-2)とを有して、
形成されていることを特徴とする上記1.に記載の表示装置(10)。
3.前記表示装置(10)において、
-1つの連結レバー(53)のそれぞれの1つの第1の端部(53-1)は、回転可能に支承されて、前記表示ユニット(20)に装着されており、及び/または、
-1つの連結レバー(53)のそれぞれの1つの第2の端部(53-2)が、回転可能に支承されて、所属する1つの第2の案内要素(52)に装着されている、
ことを特徴とする上記2.に記載の表示装置(10)。
4.前記表示装置(10)において、
前記表示ユニット(20)における、1つの連結レバー(53)の1つの第1の端部(53-1)の組み付け部位の位置は、それぞれに、
-所属する1つの第1の案内要素(51)の1つの組み付け部位の位置から、空間的に離間されている、及び/または、
-前記表示ユニット(20)の1つの長手方向エッジ部(22)において、またはこの長手方向エッジ部の領域内において配置されている、
ことを特徴とする上記3.に記載の表示装置(10)。
5.前記表示装置(10)において、
前記第1の案内要素(51)及び/または前記第2の案内要素(52)は、
-相互間でまたは総じて同じ、または、基本的に同じに、
-スライダーとして、
-それぞれの1つの案内レール(55)内でのスライド移動のために設備されて、
形成されていることを特徴とする上記1.から4.のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
6.前記表示装置(10)において、
-前記第1の案内要素(51)は、
前記表示ユニット(20)の、1つの第1の横方向エッジ部(21)及び/または1つの長手方向エッジ部(22)において、または、この第1の横方向エッジ部及び/またはこの長手方向エッジ部の領域内において装着されている、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記横方向エッジ部(21)が、特に前記旋回軸線(61)と共に、前記車両(1)の横延在方向(Y)に対して平行に整向されている、
ことを特徴とする上記1.から5.のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
7.前記表示装置(10)において、前記表示ユニット(20)は、
-基本的に、矩形の形状を有し、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記車両(1)の横延在方向(Y)に対して平行に整向された横方向エッジ部(21)を有し、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、所属する前記車両(1)の長手延在方向(X)に対して平行に整向された長手方向エッジ部(22)を有して、
形成されていることを特徴とする上記1.から6.のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
8.前記表示装置(10)において、前記案内レール(55)は、
-対体として、
-互いに同じ、または、基本的に同じに、
-直線状、または、基本的に直線状に、
-互いに平行に整向され、
-特にこれら案内レールのそれぞれの第1および第2の端部(55-1、55-2)に関して、互いに同一平面上で整向され、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、1つのルーフライナ(5)において、または、このルーフライナの領域内において装着され、及び/または、
-前記表示装置(10)の、所属する前記車両(1)に組み付けられた状態において、前記車両(1)の長手延在方向(X)に対して平行に整向されて、
形成されていることを特徴とする上記1.から7.のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
9.前記表示装置(10)において、
-それぞれの1つの連結レバー(53)においてまたはこの連結レバー内において、目標屈曲力としての予め規定された破断力を有する目標屈曲位置(53-3)は、
前記連結レバー(53)のこの目標屈曲力の超過の際に、この目標屈曲位置(53-3)において折れ曲がり、且つ、その際、屈曲されていない標準形状から、屈曲された安全保護形状に移行するように形成されており、
-特に1つの第1の案内要素(51)におけるまたはこの第1の案内要素内における、または、1つの第1の案内要素(51)と所属する1つの案内レール(55)との間における、特に逆戻り阻止装置を有する、および、目標保持力としての予め定められた保持力を有する、滑りクラッチ(71)及び/またはブレーキが、
この目標保持力の超過の際に、それぞれの1つの第1の案内要素(51)が、それぞれに所属する1つの案内レール(開口部50)内において作用する力に従って移動するように形成されており、
-この目標屈曲力及び/またはこの目標保持力が、5gまたはそれ以上の範囲内における相応する加速度の範囲内にある値を有する、
ことを特徴とする上記1.から8.のいずれか一つに記載の表示装置(10)。
10.上記1.から9.のいずれか一つに記載の表示装置(10)であって、
この表示装置(10)が、駆動ユニット(80)を有して形成されており、
-この駆動ユニットが、
前記第1の案内要素(51)及び/または前記第2の案内要素(52)の駆動のため、および、
それぞれの1つの案内レール(55)内における、これら第1の案内要素(51)およびこれら第2の案内要素(52)の、別個の、及び/または、共通の、および、特に同じ、移動のために設備されており、及び/または、
-この駆動ユニットが、
1つまたは複数の制御可能な駆動装置(81、82)と、
前記駆動装置と機械的に連結されたまたは連結可能な、且つ、それぞれの前記案内要素(51、52)に所属する、特にブラシケーブルまたはヘリックスケーブルの様式の、駆動手段(83、84)とを有しており、
これら駆動手段が、
それら案内要素の移動のための、特に噛み合っての、第1及び/または第2の案内要素(51、52)による係合のために設備されている、
ことを特徴とする表示装置(10)。
11.車両(1)であって、この車両が、
-車体(2)と、
-この車体(2)によって形成された、ルーフライナ(5)を有する室内(3)と、並びに、
-このルーフライナ(5)においてまたは内において装着された、上記1.から10.のいずれか一つによる表示装置(10)と、
を有することを特徴とする車両(1)。
12.前記車両(1)において、
-前記表示装置(10)の2つの案内レール(55)は、
前記ルーフライナ(5)においてまたはこのルーフライナ内において、これら案内レールが、同じ長さを有して、同一平面上に、且つ、互いに平行に、この車両(1)の長手延在方向(X)に、-特にこの車両(1)の横延在方向(Y)に関して-このルーフライナ(5)の外側に位置する領域においてまたは内において、延在するように装着されており、 -前記表示装置(10)の2つの第1の案内要素(51)は、
その第1の横方向エッジ部の領域において前記案内要素(51)が装着されている表示装置(10)の前記表示ユニット(20)の相応する該第1の横方向エッジ部(21)が、前記車両(1)の前記横延在方向(Y)に対して平行に、および、前記車両(1)の前記長手延在方向(X)に関して前記車両(1)の後部の方に向けられ側への方向に配置され得るように、
これら案内レール(55)内において収容されており、および、
-前記表示装置(10)の2つの第2の案内要素(52)は、
前記表示装置(10)の前記表示ユニット(20)の、前記第1の横方向エッジ部(21)と向かい合って位置する第2の横方向エッジ部(21)が、前記車両(1)の後部と反対の側への方向に配置されているように、前記案内レール(55)内において収容されている、
ことを特徴とする上記11.に記載の車両(1)。
【符号の説明】
【0086】
1 車両
2 車体
3 室内
5 ルーフライナ
6 後ろの乗客
10 表示装置
20 表示ユニット
21 横方向エッジ部
22 長手方向エッジ部
30 担持体
40 表示エレメント/モニター/ディスプレイ
50 移動ユニット
51 (第1の)案内要素、(第1の)スライダー
52 (第2の)案内要素、(第2の)スライダー
53 連結レバー
53-1 連結レバー53の(第1の)端部(表示ユニット20における)
53-2 連結レバー53の(第2の)端部(第2の案内要素52における)
55-3 目標屈曲位置
55 案内レール
56 案内軌道
60 旋回ユニット
61 旋回軸線
70 安全保護装置
71 滑りクラッチ
80 駆動ユニット
81 第1の案内要素51のための(第1の)駆動装置/モーター
82 第2の案内要素52のための(第2の)駆動装置/モーター
83 第1の案内要素51のための(第1の)駆動手段/ブラシケーブル・ヘリックスケーブル
84 第2の案内要素52のための(第2の)駆動手段/ブラシケーブル・ヘリックスケーブル
G 使用位置
N 不使用位置
x 空間方向
X 車両1の長手延在方向
y 空間方向
Y 車両1の横延在方向
z 空間方向
Z 車両1の高さ方向