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▶ オーバスネイチ・メディカル・プライベート・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】可変柔軟性カテーテル支持フレーム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20230822BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20230822BHJP
   A61M 25/088 20060101ALI20230822BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
A61M25/00 632
A61M25/00 610
A61M25/00 624
A61M25/06 550
A61M25/088
A61M25/092
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2021512863
(86)(22)【出願日】2019-01-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019013219
(87)【国際公開番号】W WO2020055448
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】62/729,282
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518440682
【氏名又は名称】オーバスネイチ・メディカル・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】コットーネ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ジュマン,モハメド・アイク
【審査官】田中 玲子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-523186(JP,A)
【文献】特表2017-533012(JP,A)
【文献】特表2015-524737(JP,A)
【文献】特表2012-531270(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
A61M 25/06
A61M 25/088
A61M 25/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドカテーテル伸長部であって、
近位領域および遠位領域を有する押し部材と、チューブフレームと、
を備え、
前記チューブフレームは、
長手方向軸;
介入的心臓デバイスを受け入れるのに十分な直径を有するルーメン;
前記長手方向軸に対して実質的に垂直である、前記ルーメンの近位開口部;及び
舌片要素であって、前記チューブフレームの近位セグメントから延在し、前記押し部材の前記遠位領域に直接連結されている、舌片要素;
を画定しており、
前記舌片要素は、前記ルーメンの前記近位開口部の遠位方向に延在しており、前記チューブフレームは、前記舌片要素の遠位領域に隣接する切込みを含み、前記切込みは、前記舌片要素の側部と前記チューブフレームとの間に空間を形成し;及び
前記チューブフレームは、複数の切込みパターンを含む、
該ガイドカテーテル伸長部。
【請求項2】
前記チューブフレームが、その実質的な長さに沿って0.03N/mm~0.10N/mmの平均剛性を有する、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項3】
前記チューブフレームが、キンクすることなく、2.5mmの半径を有する曲線を通して押し込むことが可能である、請求項2に記載のガイドカテーテル伸長部
【請求項4】
前記チューブフレームが、0.0254mm~0.254mmの壁厚を有する、請求項3に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項5】
前記複数の切込みパターンが、複数の断続的な螺旋状切込みパターンを備える、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項6】
前記断続的な螺旋状切込みパターンが、0.002~0.004N/mmの平均剛性を有する前記チューブフレームの長さに沿って延在する、請求項5に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項7】
前記押し部材が、ルーメンを含む、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項8】
前記複数の切込みパターンが、連続的な螺旋状切込みパターンを備える、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項9】
前記連続的な螺旋状切込みパターンが、0.001~0.003N/mmの平均剛性を有する前記チューブフレームの長さに沿って延在する、請求項8に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項10】
前記複数の切込みパターンが、複数の支柱によって一緒に連結された複数のリングを備える、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項11】
前記複数の支柱が、軸方向に整列されている、請求項10に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項12】
前記複数の支柱が、5度~180度の範囲の半径方向角度で互いに角度オフセットされている、請求項10に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項13】
前記支柱が、螺旋状パターンを形成する、請求項12に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項14】
前記複数のリングが、0.005~0.016N/mmの平均剛性を有する前記チューブフレームの長さに沿って延在する、請求項10に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項15】
前記複数のリングの少なくとも一部を覆う外側ポリマージャケットをさらに備え、前記外側ポリマージャケットが、前記複数のリングのいかなる部分にも融合されていない、請求項10に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項16】
前記複数の切込みパターンが、連続的な螺旋状、断続的な螺旋状、相互接続されたリングおよびゾーン、またはそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも2つの切込みパターンを備える、請求項1に記載のガイドカテーテル。
【請求項17】
前記ルーメン内に配置されたポリマーライナをさらに備える、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項18】
前記ポリマーライナが、少なくとも2つのポリマー層を備え、各ポリマー層が、異なるガラス転移温度を有し、前記チューブフレームの内壁に隣接する前記ポリマー層が、前記ルーメンに隣接する前記ポリマー層よりも低いガラス転移温度(溶融温度)を有する、請求項17に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項19】
前記切込みが前記舌片要素の遠位領域と実質的に平行であり、及び、前記チューブフレームの前記長手方向軸に実質的に平行である、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項20】
前記ルーメンの前記近位開口部を取り囲むポリマー製フレアをさらに備え、前記ポリマー製フレアが前記チューブフレームの外径よりも大きい径を有する、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項21】
前記舌片要素の遠位セグメントの長手方向軸が、前記チューブフレームの前記長手方向軸と平行ではない、請求項1に記載のガイドカテーテル伸長部。
【請求項22】
前記舌片要素が、前記ポリマー製フレアにより画定される開口部を通して延在する、請求項20に記載のガイドカテーテル伸長部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月10日に出願された米国仮出願第62/729,282号の優先権を主張し、この開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
冠動脈疾患では、冠動脈は、動脈硬化性プラークまたは他の病変によって狭窄するか、閉塞される場合がある。これらの病変は、動脈の内腔を完全に閉塞し得るか、動脈の内腔を劇的に狭窄し得る。閉塞性冠動脈疾患を診断および治療するために、一般に、冠動脈の閉塞または狭窄を貫通し、かつそれを越えてガイドワイヤまたは他の介入器具を通すことが必要である。
【0003】
冠動脈形成術としても知られる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、冠動脈の病変または閉塞による心臓の冠動脈の狭窄部分を治療するために使用される治療手技である。PCIではガイドカテーテルを使用して、別のカテーテルまたは介入的デバイス、例えば、マイクロカテーテル、ステントまたはバルーンが標的部位にアクセスするためのさらに容易な通過を支援することができる。例えば、ガイドカテーテルは、大動脈を通して冠動脈の小孔に挿入され得る。冠動脈の開口部または小孔に配置した後、ガイドワイヤまたは他の器具をガイドカテーテルのルーメンに通し、次いで、閉塞または狭窄に遠位の動脈に挿入することができる。ガイドカテーテルの使用の別の例は、ガイドカテーテルによるラディアルアクセスまたはペダルアクセスを使用して大腿動脈介入を効果的に行うことができる大腿膝窩動脈介入に見られる。Ruza et al.JAAC 11:1062(2018)。
【0004】
ただし、ガイドカテーテルは特定の問題に遭遇する可能性がある。配置のための領域、例えば、冠状血管系では、解剖学的構造が蛇行している場合があり、病変自体が比較的順応性を欠く場合がある。さらに、比較的順応性を欠く病変を横断する場合、治療されている動脈の小孔からガイドカテーテルを取り除くのに十分な後方に向けた力が生成され得る。補助支援を改善するために、米国特許RE45,830号は、ガイドカテーテル内を通過可能であるように適合された同軸ガイドカテーテルを開示している。同軸ガイドカテーテルの遠位部分は、ガイドカテーテルの遠位端から遠位に伸長することができる。同軸ガイドカテーテルは、ステントおよびバルーンなどの介入的心臓デバイスを挿入することができるルーメンを有する管状構造を画定する可撓性の先端部分を含む。
【0005】
開示されているか利用可能なガイドカテーテル伸長デバイスでは、異なる特性の異なるチューブ部分を構築し、これらのチューブ部分を一緒に結合することが必要である。例えば、米国特許RE45,830号に開示されているように、カテーテル伸長部は、カテーテルチューブ部分を含み、カテーテルチューブ部分は、軟らかい先端と、インナーライナ構成要素と、インナーライナ(フラットワイヤもしくはラウンドワイヤ編組組成物またはフラット金属コイルもしくはラウンド金属コイル)の上に編まれるか巻かれる、カテーテル本体の補強部分と、補強されたカテーテルセクションの上に溶融されるか、それを再度覆うポリマーカバーセクション(例えば、Pebax、ナイロンまたは他のポリマー材料)と、ステンレス鋼またはニチノールチューブから作製され得る実質的に剛性の部分とを含み得る。RE46,116号、RE45,760号。
【0006】
ガイドカテーテル設計の別の例は、カラー移行部を有するガイドカテーテルが、管状部分とは異なる材料から作製されることを示している。ここで、管状部分は、ポリマーセクションを補強するために、マルチフィラメント編組ワイヤから形成されている。例えば、米国特許第8,048,032号、米国特許第8,996,095号、米国特許第9,352,123号、米国特許第9,687,634号、米国特許第9,764,118号および米国特許第9,993,613号を参照されたい。ただし、これらの多成分設計および製造要件は、機械的性質を制限し、製造を複雑にする可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許RE45,830号
【文献】RE46,116号
【文献】RE45,760号
【文献】米国特許第8,048,032号
【文献】米国特許第8,996,095号
【文献】米国特許第9,352,123号
【文献】米国特許第9,687,634号
【文献】米国特許第9,764,118号
【文献】米国特許第9,993,613号
【非特許文献】
【0008】
【文献】Ruza et al.JAAC 11:1062(2018)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、カテーテル本体およびカテーテルセグメント、例えば、ガイドカテーテル伸長部のための改善された設計、ならびにさらに一般的には、製造を容易にするだけでなく、チューブの様々な特性、例えば、軸方向トルク伝達、操縦性、作動長さに沿った可変屈曲柔軟性、押し込み性、圧潰または耐キンク性などの制御をチューブに沿った任意の点で可能にする、カテーテルチューブのための代替的な設計の必要性が依然として存在する。医師が、冠動脈系、末梢系または神経血管系に見られることが多い様々な複雑かつ多くの場合蛇行した解剖学的血管系を通してアクセスすることを可能にするために、カテーテルの長さに沿った重要な点で、トルク性および柔軟性を制御することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、ルーメン、近位端および遠位端を有する押し部材と、その中にルーメン、長手方向軸、ならびに近位セグメントおよび遠位セグメントを画定するチューブフレームであって、その中に複数の切込みパターンを備えるチューブフレームと、チューブフレームの近位セグメントから延在する舌片要素であって、押し部材に連結されている舌片要素とを含むガイドカテーテル伸長部を提供する。押し部材は、その中に複数の切込みパターンを含み得る。押し部材は、複数の断続的な螺旋状切込みパターンを含み得る。
【0011】
チューブフレームの切込みパターンは、複数の断続的な螺旋状切込みパターンを含み得る。複数の断続的な螺旋状切込みパターンは、0.002~0.004N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。複数の断続的な螺旋状切込みパターンは、0.003N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。
【0012】
チューブフレームの切込みパターンは、連続的な螺旋状切込みパターンを含み得る。連続的な螺旋状切込みパターンは、0.001~0.003N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。連続的な螺旋状切込みパターンは、0.002N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。
【0013】
チューブフレームの切込みパターンは、複数の支柱によって一緒に連結された複数のリングを含み得、リングは、切込み幅によって互いに離隔され、各リングは幅を有し、各支柱は幅および長さを有する。複数のリングは、0.005~0.016N/mm N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。リングは、チューブフレームの長手方向軸に垂直に配向され得る。リングは、チューブフレームの遠位セグメントに配置され得る。複数の支柱は、チューブフレームの遠位セグメントに少なくとも1つの螺旋状パターンを形成することができる。複数の支柱は、チューブフレームの長手方向軸に実質的に平行に走る少なくとも1つの線に整列されていてもよい。支柱は、リング一対おきに配置され得る。隣接するリング内の支柱は、約5度~約180度の範囲の半径方向角度で互いに角度オフセットされていてもよい。チューブフレームの近位端でチューブフレームを二等分することによって形成される仮想平面は、チューブフレームの長手方向軸に垂直であり得る。
【0014】
チューブフレームは、チューブフレームの近位端から延在する複数の突起を含み得る。突起は、チューブフレームの長手方向軸に垂直な仮想平面上にある複数の点で終端し得る。突起はフレアに連結され得る。
【0015】
チューブフレームの切込みパターンは、チューブの長さの一部に沿って少なくとも1つのゾーンと、ここで、ゾーンは、複数のユニットを備え、ゾーンのユニットは、少なくとも1つの第1のバンド内でチューブの周りに円周方向に分布し、ゾーンの各ユニットは、対称中心の周りに配向された少なくとも1つの切欠きセグメントを備え、バンド内の各ユニットの対称中心は、同じバンド内の隣接するユニットの対称中心から等しく配置され、各ユニットの対称中心は、第1のバンドから1つのバンドだけ離れた第3のバンド内の第2のユニットの対称中心と同じ、チューブの円周上の点に配置され;チューブに隣接して配置された削られたカラー移行セクションと、ここで、移行セクションは、先細縁部、短い端部および長い端部を有し;移行セクションの長い端部に取り付けられた押し部材とを含み得る。少なくとも1つのゾーンは、0.002~0.004N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在することができる。少なくとも1つのゾーンは、0.003N/mmの平均剛性を有するチューブフレームの長さに沿って延在し得る。各ユニットは、ユニットの対称中心から半径方向に延在する3つの切欠きセグメントを備え、ユニットの各切欠きセグメントは、バンド内のユニット内の他の切欠きセグメントから120°の角度で配置される。
【0016】
ガイドカテーテル伸長部は、7つのゾーン、すなわち、第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン、第6のゾーンおよび第7のゾーンをさらに含み得、各ゾーンは、複数のユニットから形成され、切欠き表面積および切込みパターン周囲長の序列は、第1のゾーンのユニット<第2のゾーンのユニット<第3のゾーンのユニット<第4のゾーンのユニット<第5のゾーンのユニット<第6のゾーンのユニット<第7のゾーンのユニットである。ゾーンは、第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン、第6のゾーンおよび第7のゾーンとして順次配置され得る。
【0017】
チューブフレームの切込みパターンは、単一の切込みパターンを含み得る。チューブフレームの切込みパターンは、連続的な螺旋状、断続的な螺旋状、相互接続されたリングおよびゾーン、またはそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも2つの切込みパターンを含み得る。チューブフレームの少なくとも1つの非切込みセグメントは、2つの切込みパターンの間に配置され得る。少なくとも1つの非切込みセグメントは、チューブフレームに沿って配置され得る。
【0018】
チューブフレームのルーメンの少なくとも一部は、チューブの長さに沿ってポリマーライナと内壁との間の少なくとも1つの接触領域によってチューブフレームの内壁に結合されたポリマーライナを含み得る。ポリマーライナはチューブを形成することができ、チューブは、チューブフレームのルーメン内に同軸に配置され得る。ポリマーライナは、少なくとも2つのポリマー層を含み得、各ポリマー層は、異なるガラス転移温度を有する。チューブフレームの内壁に隣接するポリマー層は、チューブフレームのルーメンに隣接するポリマー層よりも低いガラス転移温度(溶融温度)を有し得る。ポリマーライナは、チューブの長さに沿ってポリマーライナと内壁との間の複数の接触領域でチューブの内壁に結合され得る。ポリマーライナは、チューブの長さに沿ってチューブフレームの内壁に連続的に結合され得る。接触領域は、チューブの長手方向軸に沿って、約1mm~約2.5cmの範囲の距離だけ互いに離隔され得る。ポリマーライナは、チューブフレームの長さの少なくとも一部に沿って走る連続的な螺旋状パターンでチューブフレームの内壁に結合され得る。ポリマーライナは、選択された接触領域でチューブにポリマーを溶融することによって、チューブフレームの内壁に結合され得る。ポリマーライナは、接着剤によってチューブフレームの内壁に結合され得る。チューブの内壁に隣接するポリマー層は、ポリエーテルブロックアミドであり得、チューブフレームのルーメンに隣接するポリマー層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり得る。チューブフレームのルーメンに隣接するポリマー層は、潤滑性材料によって被覆され得る。
【0019】
チューブフレームは外側ジャケットによって覆われ得、外側ジャケットは潤滑性材料によって被覆され得る。
【0020】
チューブフレームの近位セグメントは、チューブフレームの遠位セグメントよりも低い軸方向柔軟性を有し得る。
【0021】
押し部材は、約0.25mm~約2.5mmの範囲の断面幅を有することができる。押し部材は、約0.25mm~約0.76mmの範囲の断面幅を有し得る。押し部材は、内側ルーメンを有するハイポチューブから構築され得る。押し部材は、ある長さに沿って実質的に長方形の断面を画定することができる。チューブフレームの長さは、約5cm~約150cm、あるいは約50cm~100cmの範囲であり得る。
【0022】
チューブフレームは、チューブフレームの近位端から延在する複数の突起および/またはチューブフレームの遠位端から延在する複数の突起を含み得る。ガイドカテーテル伸長部は、チューブフレームの近位端上の突起に連結されたフレアを含み得、フレアは、ポリマーから構築される。カテーテル先端は、チューブフレームの遠位端上の突起に連結され得、カテーテル先端は、ポリマーから構築される。ポリマーに、放射線不透過性材料を含浸させることができる。
【0023】
チューブフレームは、ニチノールまたはバネ鋼から構築され得る。
【0024】
舌片要素の両側で、2つの切込みがチューブフレーム内に配置され得、各切込みは、チューブの長手方向軸と実質的に平行に走る。切込みのそれぞれは、鍵穴でチューブフレームの近位セグメント内で終端し得る。
【0025】
本開示は、近位端および遠位端を有する押し部材と、押し部材の遠位端に連結されたチューブフレームであって、それを通して介入的血管デバイスを受け入れるのに十分な直径を有するルーメン、内壁を画定するチューブフレームとを備えるガイドカテーテル伸長部であって、チューブフレームが、複数のリングを有する遠位セグメントを含み、リングのそれぞれが、複数の接続部と、チューブの近位セグメントから延在する舌片とによって互いに連結され、舌片が、押し部材に連結されているガイドカテーテル伸長部を提供する。
【0026】
複数の接続部の隣接するリング間の接続部は、軸方向に整列されていてもよい。複数の接続部の隣接するリング間の接続部は、約5度~約180度の範囲の角度で互いに角度オフセットされていてもよい。複数の接続部は、チューブフレームの遠位セグメントに沿って螺旋状パターンを形成し得る。
【0027】
ポリマーライナは、ルーメン内に配置され、複数の相互接続されたリングを通って延在し得る。ポリマーライナは、少なくとも2つのポリマー層を含むことができ、各ポリマー層は、異なるガラス転移温度を有し、チューブフレームの内壁に隣接するポリマー層は、ルーメンに隣接するポリマー層よりも低いガラス転移温度(溶融温度)を有する。
【0028】
ガイドカテーテル伸長部は、複数のリングの少なくとも一部を覆う外側ポリマージャケットを含むことができ、外側ポリマージャケットは、複数のリングのいかなる部分にも融合されていない。
【0029】
本開示は、近位領域および遠位領域を有する押し部材と、押し部材の遠位端に連結されたチューブフレームとを備えるガイドカテーテル伸長部であって、チューブフレームが、それを通して介入的心臓デバイスを受け入れるのに十分な直径を有するルーメンをそれを通して画定するチューブフレームを備え、チューブフレームが、その実質的な長さに沿って約0.03N/mm~約0.10N/mmの平均剛性を有するガイドカテーテル伸長部を提供する。チューブフレームは、キンクすることなく、約2.5mmの半径を有する曲線を通して押し込むことが可能である。チューブフレームは、約0.0254mm~約0.254mmの壁厚を有し得る。チューブフレームは、約0.0635mm~約0.1143mmの壁厚を有し得る。
【0030】
ガイドカテーテル伸長部は、チューブフレームのルーメン内に少なくとも部分的に配置されたポリマーライナを含み得、ポリマーライナは、チューブフレームに部分的に結合されている。ポリマーライナは、約0.00635mm~約0.127mmの壁厚を有し得る。ポリマーライナは、チューブの長さに沿って複数の別個の位置でチューブフレームに結合され得、各別個の位置での各結合の幅は、約1mm~約2mmである。
【0031】
ガイドカテーテル伸長部は、チューブフレームの遠位領域に配置された複数のリングを含むことができ、各リングの幅は、約50ミクロン~約200ミクロンである。各リングは、隣接するリングから約10ミクロン~約300ミクロン離隔され得る。
【0032】
ガイドカテーテル伸長部は、複数の相互接続されたリングの少なくとも一部を覆う外側ポリマージャケットを含み得、外側ポリマージャケットは、複数の相互接続されたリングのいかなる部分にも融合されておらず、外側ポリマージャケットは、約5ミクロン~約10ミクロンの壁厚を有する。
【0033】
ガイドカテーテル伸長部は、チューブフレームの近位セグメントから延在する舌片要素を含み得、舌片は、押し部材に連結されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの一例の斜視図である。
図1B図1aのカテーテルの側面図である。
図1C図1aのカテーテルのチューブフレームの拡大側面図である。
図2A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2D】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2E】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2F】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2G】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図2H】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの様々な切込みパターンの例である。
図3】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの別の例である。
図4A】本開示の原理に従って構築された相互接続されたリングセグメントの例を示している。
図4B】本開示の原理に従って構築された相互接続されたリングセグメントの例を示している。
図5】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位領域の例を示している。
図6A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位領域の例を示している。
図6B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの柔軟性特性の例を示している。
図6C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの柔軟性特性の例を示している。
図7】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位領域の例を示している。
図8A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの例を示している。
図8B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの例を示している。
図8C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの例を示している。
図9A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの例を示している。
図9B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの切込みパターンの例を示している。
図10A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームの一例の斜視図である。
図10B図10aの遠位チューブの代替的な斜視図である。
図11A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームの代替例を示している。
図11B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームの代替例を示している。
図12】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの一例の側面図である。
図13A】本開示の原理に従って構築されたプッシュロッド連結の一例の斜視図である。
図13B】本開示の原理に従って構築されたプッシュロッド連結の一例の斜視図である。
図14】本開示の原理に従って構築された押し部材連結の代替例の斜視図である。
図15】本開示の原理に従って構築された押し部材連結の別の代替例の斜視図である。
図16】本開示の原理に従って構築された押し部材連結のさらに別の代替例の斜視図である。
図17】本開示の原理に従って構築された押し部材連結のなお別の代替例の斜視図である。
図18】本開示の原理に従って構築された押し部材の一例の斜視図である。
図19A】本開示の原理に従って構築された押し部材連結の別の代替例の上面斜視図である。
図19B図19aの押し部材連結の下側斜視図である。
図19C図19aの押し部材連結の側面図である。
図20A】本開示の原理に従って構築された押し部材連結の別の代替例の上面斜視図である。
図20B図20aの押し部材連結の下側斜視図である。
図21A】本開示の原理に従って構築された押し部材連結の別の代替例の上面斜視組立て図である。
図21B図21aの押し部材連結の組立て図である。
図21C】本開示の原理に従って構築された柔軟性パターンの例である。
図21D】本開示の原理に従って構築された柔軟性パターンの例である。
図22A】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図22B】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図22C】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図22D】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図22E】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図22F】本開示の原理に従って構築された軸方向突起構成の例を示している。
図23A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームフレアの例を示している。
図23B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームフレアの例を示している。
図23C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのチューブフレームフレアの例を示している。
図24】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの例を示している。
図25A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの別の例を示している。
図25B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの例を示している。
図25C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの例を示している。
図26A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの別の例を示している。
図26B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアの別の例を示している。
図27A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアのさらに別の例を示している。
図27B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアのさらに別の例を示している。
図27C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアのさらに別の例を示している。
図28A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアのさらに別の例を示している。
図28B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルのフレアのさらに別の例を示している。
図29A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位組立体に入るガイドワイヤを示している。
図29B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位組立体に入るガイドワイヤを示している。
図29C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位組立体に入るガイドワイヤを示している。
図29D】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位組立体に入るガイドワイヤを示している。
図30図1a~cのカテーテルの横断面図の一例である。
図31】様々なカテーテル構成要素および組立体の柔軟性試験を示すチャートである。
図32】柔軟性を測定するための曲げ試験構成を示している。
図33A】本開示の原理に従って構築された遠位組立体のインナーライナの融合パターンの例を示している。
図33B】本開示の原理に従って構築された遠位組立体のインナーライナの融合パターンの例を示している。
図33C】本開示の原理に従って構築された遠位組立体のインナーライナの融合パターンの例を示している。
図33D】本開示の原理に従って構築された遠位組立体のインナーライナの融合パターンの別の例を示している。
図34】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位領域の縦断面図である。
図35】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの遠位先端の例の縦断面図である。
図36A】本開示の原理に従って構築された外側ジャケットの例を示している。
図36B】本開示の原理に従って構築された外側ジャケットの例を示している。
図36C】本開示の原理に従って構築された外側ジャケットの例を示している。
図36D】本開示の原理に従って構築された外側ジャケットの例を示している。
図37】半径が減少する曲線を移動する様々なカテーテルの写真である。
図38A】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの使用例を示している。
図38B】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの使用例を示している。
図38C】本開示の原理に従って構築されたカテーテルの使用例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示は、ガイドカテーテル伸長デバイスの例を提供する。ここで図1a~cを参照すると、ガイドカテーテル伸長部1000の例が示されている。ガイドカテーテル伸長部1000は、本明細書に記載されているように、ガイドカテーテルを通過し、ガイドカテーテルから遠位に伸長するようにサイズ設定および構成されている。ガイドカテーテル伸長部1000は、一般に、遠位チューブフレーム1005に連結された押し部材1001を含み、使用中、ガイドカテーテル伸長部1000の近位領域が患者の外部にアクセス可能であるか配置される(例えば、別個のガイドカテーテルの近位端またはハブで)のに対して、ガイドカテーテル伸長部1000の遠位領域が、患者の解剖学的構造内に配置されたガイドカテーテルの端部から遠位方向外側に伸長するように、十分な長さを有し得る。
【0036】
ガイドカテーテル伸長部1000の全長は、行われる特定の手技または用途および/または利用される血管系アクセスポイント(例えば、橈骨動脈、大腿動脈、対側アクセスなどを介して導入されるかどうか)に応じて変化し得る。例えば、ガイドカテーテル伸長部1000が、左右の冠動脈などの冠血管にアクセスするために使用されている場合、ガイドカテーテル伸長部1000の全長は、約110cm(43.30インチ)~約175cm(68.89インチ)であり得る。末梢血管へのアクセスを伴う手技では、ガイドカテーテル伸長部1000の全長は、約45cm(17.72インチ)~約300cm(118.11インチ)であり得、伸長された長さは、上腕動脈または橈骨動脈アクセスポイントを含む手技に有用である。
【0037】
押し部材1001は、ユーザが、押し部材1001を大きく曲げるか、キンクさせるか、他の方法で変形させ、ガイドカテーテルを潜在的に閉塞または損傷させることなく、ガイドカテーテルの内部を通してガイドカテーテル伸長部1000を移動させることを可能にするのに十分な軸方向の負荷または押し込み性を提供するのと同時に、ガイドカテーテル伸長部1000がガイドカテーテル内に配置されている間に血管系の様々な曲線および屈曲部を移動することを可能にするのに十分な柔軟性を提供する1つ以上の金属材料(ステンレス鋼など)、ポリマー、セラミックおよび/またはそれらの複合材料から作製され得る。
【0038】
押し部材1001は、例えば、ハイポチューブ、螺旋状切込みハイポチューブ、多条ケーブル、断続的な螺旋状切込みチューブ、他の切込み形状/構成、または他の細長い(1または複数の)部材の1つ以上のセグメントを含み得、1つ以上のワイヤ、デバイス、流体送達および/または吸引機能などをその中におよび/またはそれを通して通過させるための1つ以上のルーメン1002を含み得る。あるいは、押し部材1001は、その中にまたはそれを通るルーメンを有することなく構築され得る。
【0039】
押し部材1001は、ガイドカテーテルの内径またはクリアランスに対して小さな直径または断面輪郭を含み、押し部材1001が占めるガイドカテーテル内の空間の量を低減し、それによって、1つ以上の他のデバイス、器具または他のものが、最小限の干渉または閉塞を伴ってガイドカテーテルを通過することを可能にし得る。例えば、押し部材1001は、1.1016~30.48mm(0.04~1.20インチ)の内径を有するガイドカテーテルに使用するために、約0.254mm(0.010インチ)~約2.54mm(0.100インチ)の直径または断面幅を有し得る。好ましい例では、押し部材1001は、約0.254mm(0.010インチ)~約0.762mm(0.030インチ)の直径または断面幅を有し得る。押し部材1001は、その長さに沿って、限定するものではないが、円形、半円形、正方形、長方形、三角形および/または楕円形の形状または輪郭を含む1つ以上の断面形状または輪郭を有し得る。さらに、および/または代替的に、押し部材1001は、その1つ以上のセクションに複数の切込みパターンを備えることができる。
【0040】
押し部材1001は、近位端1003および遠位端1004を画定し得、ガイドカテーテル伸長部1000の長さの大部分を構成する全長を有し得る。押し部材1001の長さは、切開または患者アクセスポイント(例えば、ハブ、止血弁などを含み得る)に入り、患者の血管系を通過し、押し部材1001の一部が患者の外側に留まり、医師によってアクセス可能/操作可能である間、所望の治療部位に近接してチューブフレーム1005を配置するのに十分であり得る。長さは、行われる特定の手技または用途および/または利用される血管系アクセスポイント(例えば、橈骨動脈、大腿動脈、対側アクセスなどを介して導入されるかどうか)に応じて変化し得る。ガイドカテーテル伸長部1000の押し部材および/または他の近位部分は、医師が伸長部1000をガイドカテーテルに挿入しすぎるのを防ぐ停止機能を含み得る。例えば、ガイドカテーテル伸長部1000は、ガイドカテーテル伸長部1000の過剰挿入を機械的に防止するために、ガイドカテーテル、止血弁および/または近位デバイスハブの直径またはサイズを超える隆起した突起、溶接部または他の質量を含み得る。
【0041】
チューブフレーム1005は、ルーメン1008、長手方向軸LA1009、近位セグメント1010および遠位セグメント1011を囲む外壁1007および内壁1006を含むか、そうでなければ画定する。チューブフレーム1005は、近位端1012および遠位端1013、ならびに長さL1014を有する。チューブフレーム1005は、複数の切込みパターン1015、1016を有する(注、1015および1016は、チューブフレームに存在し得る様々な切込みパターンのうち2つの可能な実施形態のみを表す)。チューブフレーム1005は、チューブフレーム1005の近位セグメント1010から延在する舌片要素1017を有し、舌片要素1017は、押し部材1001に連結されている。特定の実施形態では、舌片要素1017は、近位セグメント1010の近位端1012から延在する。
【0042】
チューブフレーム1005の近位端1012および遠位端1013の両方は、それぞれ、突起1019および1021を有することができる。フレアまたはキャップが突起に取り付けられてもよい。この実施形態は、近位端1012の突起1019と、近位端上のフレア1018と、遠位端1013の突起1021とを有し、先端1023が突起1021に取り付けられている図1a~cに示されている。
【0043】
チューブフレーム1005の一部は、ポリマーライナ1022を有することができ、および/またはチューブフレーム1005の外壁1007は、外側ジャケット1020によって(完全に、部分的に、および/または断続的に)覆われ得る(例えば、図30を参照)。チューブフレーム1005の近位端1012と、チューブフレーム1005の近位端1012の突起1019の端部と、フレア1018とはそれぞれ、チューブフレーム1005を二等分する仮想平面の長手方向軸LA1009に垂直に配向されている。
【0044】
チューブフレーム1005は、ニチノールまたはステンレス鋼から構築され得る。例えば、チューブフレームは、金属、ポリマー、またはポリマーと金属との組合せから作製され得る。使用され得る材料の例には、ステンレス鋼(SST)、ニッケルチタン(ニチノール)またはポリマーが挙げられる。使用され得る他の金属の好ましい例には、超弾性ニッケルチタン、形状記憶ニッケルチタン、Ti-Ni、ニッケルチタン、約55~60重量%のNi、Ni-Ti-Hf、Ni-Ti-Pd、Ni-Mn-Ga、300~400シリーズ、例えば304、316、402、440のSAEグレードのステンレス鋼(SST)、MP35Nおよび17-7析出硬化系(PH)ステンレス鋼、他のバネ鋼もしくは他の高張力材料または他の生体適合性金属材料が挙げられる。好ましい一実施形態では、材料は超弾性または形状記憶(例えば、ニッケルチタン)であり、別の好ましい実施形態では、材料はステンレス鋼である。
【0045】
チューブフレーム1005は、その全体として、またはその選択されたセクションのみに、超弾性合金(一般に「形状記憶合金」と呼ばれる)を含むことができる。そのような超弾性合金の例には、Elgiloy(登録商標)およびPhynox(登録商標)バネ合金(Elgiloy(登録商標)合金は、ペンシルベニア州レディングのCarpenter Technology Corporationから入手可能、Phynox(登録商標)合金は、フランス、アンフィーのMetal Imphyから入手可能)、Carpenter Technology corporationおよびペンシルベニア州ラットローブのLatrobe Steel Companyから入手可能なSAEグレード316ステンレス鋼およびMP35N(ニッケルコバルト)合金、ならびにカリフォルニア州サンタ・クララのShape Memory Applicationsから入手可能な超弾性ニチノールが挙げられる。米国特許第5,891,191号。
【0046】
あるいは、チューブフレームは、ポリマーから形成され得、例えば、ポリイミド、PEEK、ナイロン、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ラテックス、HDHMWPE(高密度高分子量ポリエチレン)および熱可塑性エラストマー、または同様の機械的性質を有する他のポリマーを含む。
【0047】
チューブフレーム1005は、超弾性金属のパイプを形成し、次いで、ノッチまたは穴が形成されることになっているパイプの部分を除去することによって作製されてもよい。レーザ(例えば、ソリッドステート、フェムト秒レーザまたはYAGレーザ)、放電(放電加工(EDM))、化学エッチング、フォトエッチング機械的切断によって、またはこれらの技術のいずれかを組み合わせて使用することによって、ノッチ、穴または切込みをパイプに形成することができる。米国特許第5,879,381号。
【0048】
チューブフレーム1005の全長は、行われる特定の手技または用途および/または利用される血管系アクセスポイント(例えば、橈骨動脈、大腿動脈、対側アクセスなどを介して導入されるかどうか)に応じて変化し得る。例えば、ガイドカテーテル伸長部1000が、橈骨動脈または大腿動脈などの冠血管にアクセスするために使用されている場合、チューブフレーム1005の全長は、約10.16cm(4インチ)~約33.02cm(13インチ)であり得る。末梢血管へのアクセスを伴う手技では、チューブフレーム1005の全長は、約20.23cm(8インチ)~約91.44cm(36インチ)であり得る。
【0049】
チューブフレーム1005は、それを通して介入的心臓デバイスおよび/または器具(例えば、治療カテーテル、ステント送達および/または回収デバイス、吸引または閉塞治療デバイスなど)を受け入れるのと同時に、チューブフレーム1005がガイドカテーテルの内径を貫通するのを可能にするのに十分にサイズ設定され得る。
【0050】
チューブフレーム1005は、ガイド伸長カテーテルの機能、操作性および性能に寄与する特徴の組合せを提供する。例えば、チューブフレーム1005は、チューブフレーム1005のルーメン1008が使用中に崩壊するのを防ぐために、所望の程度の構造的完全性を提供するべきである。チューブフレーム1005はまた、軸方向荷重下での軸方向の伸長または圧縮に対する押し込み性および抵抗性の両方に寄与するのと同時に、ガイドカテーテルの内側および外側の両方で、解剖学的構造の輪郭を移動するのに十分な柔軟性を提供する。そのような特徴を提供するために、チューブフレーム1005は、1つ以上の金属、ポリマーおよび/またはそれらの複合材料から構築され得る。一実施形態では、チューブフレーム1005は、ニチノールまたはバネ鋼から構築され得、約0.0254mm(0.001インチ)~約0.254mm(0.010インチ)の範囲の壁厚を有し得る。好ましい例では、チューブフレーム1005は、約0.0635mm(0.0025インチ)~約0.1143mm(0.0045インチ)の範囲の壁厚を有し得る。
【0051】
一実施形態では、チューブフレーム1005の切込みパターンは、一連のまたは複数の断続的な螺旋状切込みパターン15~18を形成することができる。図2a~h。チューブフレーム1005の長さに沿って、任意の点に様々な切込みパターンを分布させることができる。別の実施形態では、螺旋状切込み経路幅は、開放部分または切込み部分と非切込み部分2005~2007とを交互に含む。螺旋状経路幅は、切込みセクションと非切込みセクションとから交互に構成され、管状部分の円周に対して角度が付けられている(言い換えれば、図3に示すピッチ角φは90°未満である)。そのような切込みパターンはまた、押し部材1001に実装されて、ガイドカテーテル伸長部1000の様々な程度の押し込み性、柔軟性および全体的な操作性を提供し得る。
【0052】
図3に示すように、螺旋状に配向された非切込み部分はそれぞれ弧状の範囲「α」を有し、螺旋状に配向された切込み部分はそれぞれ弧状の範囲「β」を有する。角度αおよびβは、度で表すことができる(各完全な螺旋状の旋回は360°である)。非切込み部分は、隣接する非切込み部分が、長手方向軸LA3009に平行な方向に沿って互いに軸方向に整列しない(または「千鳥状」にならない)ように分布させることができる。断続的な螺旋状切込み幅の一旋回おきの非切込み部分3005は、軸方向に整列させることができる。切込み部分は3003および3004として示され、螺旋状パターンは3001および3002と標識されている。図3。ピッチ角φと、連続的または断続的な螺旋状切込みパターンの分布とは、チューブフレーム1005の長さL1014にわたって変化し得る。チューブフレーム1005の螺旋状切込みパターンは、連続的な螺旋状切込みセクション、断続的な螺旋状切込みセクション、または両方のタイプの螺旋状切込みパターンの混成から形成され得、様々なパターンが任意の順序でチューブフレーム1005上に配置され得る。
【0053】
螺旋状切込みセクションは、押し込み性、耐キンク性、回転応答性のための軸方向トルク伝達、および/または破損までのトルクによって測定した場合、屈曲柔軟性の段階的な移行をもたらす。例えば、螺旋状切込みパターンは、チューブフレーム1005の1つ以上の領域の柔軟性を増加させるように変化するピッチを有してもよい。螺旋状切込みのピッチは、2つの隣接するスレッドの同じ半径方向位置にある点の間の距離によって測定することができる。一実施形態では、螺旋状切込みがカテーテルの近位位置から遠位端へと進むにつれてピッチが増大してもよい。別の実施形態では、螺旋状切込みがカテーテル上の近位位置からカテーテルの遠位端へと進むにつれてピッチが減少してもよい。この場合、カテーテルの遠位端の方が柔軟であり得る。螺旋状切込みのピッチおよび切込みならびに非切込み経路を調整することによって、チューブフレームの押し込み性、耐キンク性、トルク、柔軟性および耐圧縮性が、ユーザの必要性を満たすように制御されてもよい。
【0054】
チューブフレーム1005の螺旋状切込みパターンは、連続的な螺旋状切込みセクション、断続的な螺旋状切込みセクション、または両方のタイプの螺旋状切込みパターンの混成から形成され得、様々なパターンが任意の順序でチューブフレーム1005上に配置され得る。断続的な切込み螺旋状モジュールは、屈曲構成にある間、小さな半径の鋭い屈曲であっても、同心のルーメン領域を維持する能力を有する。チューブフレーム1005の同心のルーメンを維持する能力により、ルーメンを変形させることなく、管状ルーメン内のいずれの方向でも滑らかなワイヤ移動が可能になる。さらに、螺旋状切込みセグメントにニチノールなどの超弾性材料を使用することにより、ルーメンを永久変形させることなく、様々な血管経路を通してセグメントが急な曲線で屈曲することが可能になる。
【0055】
チューブフレーム1005の長さにわたる柔軟性/剛性の調整は、いくつかの方法で達成することができる。例えば、螺旋状切込みパターン変数(ピッチ、断続)を変化させ、螺旋状切込みパターン間で推移させることによって、チューブの柔軟性/剛性を制御してもよい。さらに、螺旋状切込みパターンは、チューブフレーム1005が屈曲または湾曲している際に、ルーメンの断面径を維持することを可能にする。異なる切込みパターンを有する螺旋状切込みセクションが、チューブの長さに沿って分布されてもよい。螺旋状切込みパターンは、モジュールの長さに沿って連続的または不連続的であってよい。例えば、チューブフレームの長さに沿って1、2、3、4、5、6、7~n個の螺旋状切込みセクションがあってもよい。螺旋状切込みセクションは連続的でも断続的でもよい。各セクション内に一定の切込みパターンが存在してもよいが、チューブフレーム内の様々なセクションにわたって、例えばピッチに関して、切込みパターンが変化してもよい。各セクションはまた、特定のセクション内に可変ピッチパターンを含んでもよい。各螺旋状切込みセクションは、例えば、約0.05mm~約10mmの範囲内、例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、1.5mm、2.0mm、2.5mm、3.0mm、3.5mm、4.0mmなどの一定のピッチを有してもよい。ピッチはまた、各セクション内で変化してもよい。異なる螺旋状切込みセクションのピッチは同じでも異なっていてもよい。螺旋状切込みセクションの向きまたは巻き方もまた、その螺旋状切込みセクション内で変化してもよい。螺旋状切込みの幅は、例えば、約1ミクロンから約100ミクロンまで変化することができる。
【0056】
断続的な螺旋状切込みセクションでは、螺旋の各旋回または回転が特定の切込み数(Nc)(例えば、1.5、2.5、3.5、4.5、5.5など)を含むように、断続的な螺旋状パターンを設計することができる。Ncは、2、3、4、5~nなどの整数、ならびに2.2、2.4、2.7、3.1、3.3などの他の実数にすることもできる。所与のNcでは、各回転が、範囲αの非切込み部分に隣接する範囲βの切込み部分をそれぞれ備えるNc個の反復パターンを有するように、非切込み範囲αおよび切込み範囲βをα=(360-(β×Nc))/Ncとして選択することができる。例えば、Nc=1.5、2.5および3.5では、以下の表がαおよびβについて様々な実施形態の選択例を示す。
【表1】
【0057】

別の実施形態では、チューブフレーム1005の切込みパターンは、複数の接続部4018~4024によって一緒に連結された複数のリング4001~4016を備え、リング4001~4017は、切込み幅4025~4030だけ互いに離隔される(説明のためにのみ標識している)。図4a。リングは「相互接続されたリング」とも呼ばれる。相互接続されたリングは、1つ以上の放射線不透過性マーカー4050、または手技(例えば、蛍光透視法、X線撮影など)中に1つ以上の医用撮像様式を通して見ることができる他の視覚化機能を含み得る。複数のリングおよび/またはチューブフレーム1005の長さに沿ったそのような放射線不透過性点は、1つ以上の放射線不透過性マーカードットまたはリベットを挿入することによって;指定された位置での金または白金のめっきまたは蒸着などのマスクコーティングを介して;本明細書に記載されるように同軸に固定され得る、チューブフレーム1005の周りの1つ以上のマーカーリング、または材料のバンドの配置によって、適用され得る。さらに、および/または代替的に、放射線不透過性材料および/またはセグメントが埋め込まれた複数のリングおよび/またはチューブフレーム1005の部分に、1つ以上のポリマー層が適用されてもよい。
【0058】
リングの寸法は以下のように示される。各リングは幅4031を有する。各リングは、隣接するリングから切込み幅4033だけ離隔される。各接続部4018~4024または支柱は、長さ4035および幅4037を有する。図4b。これらのパラメータのそれぞれは、複数のリングにわたって変化し得る。任意の2対のリングの間のチューブフレーム1005の周りの経路、例えば、4001/4002、4002/4003、4003/4004、4004/4005などは、それぞれ設定された円弧長を有する、交互の切込みセクション4027および非切込みセクション4019(本明細書では接続部または支柱とも呼ばれる)から形成される。図4b。切込み幅、リングの高さ、支柱の幅および長さの寸法は、チューブフレーム1005の任意の所望の柔軟性または剛性を達成するように調整することができる。
【0059】
リング5001~5007(本明細書では説明のためにのみ標識された選択されたリング)は、チューブフレーム5009の長手方向軸LA5008に対して垂直(または実質的に垂直)に配向することができ、好ましい実施形態では、複数のリング5001~5007は、チューブフレーム1005の遠位セグメント1011に配置することができる。図5。ただし、リングは、チューブフレーム1005の長さL(1014)に沿ってどこにでも配置することができる。
【0060】
特定の実施形態では、支柱5014~5016は、リングを有するチューブフレームのセクションの長さにわたって螺旋状パターンを形成することができる。図5。この実施形態では、支柱5014~5016は、あらゆる隣接するリング、例えば、5020/5021、5021/5022および5022/5023に分布されている。隣接するリングの支柱、例えば、5020/5021、5021/5022および5022/5023は、約5度~約180度の範囲の角度(5、10、15、30、45、60、90および180度)で互いに角度オフセットされ得る。
【0061】
あるいは、支柱6008~6011(図6a)は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA6013に平行に直線的に整列させることができる。図6に示す実施形態では、支柱6008~6011は、リング一対おきに間隔を置いて配置されている。例えば、リング6002および6003は支柱6008によって接続され、リング6004および6005は支柱6009によって接続されるが、リング6003と6004との間の同じ半径方向位置に支柱は存在しない。
【0062】
複数のリング6001(図6b)は、柔軟性を向上させ、リング6001を含むチューブフレーム1005の遠位セグメント1011が、約2.54mm(0.1インチ)という小さな半径を有する曲線を移動することを可能にする。例えば、リング6001を含む遠位セグメントは、リング6001またはチューブフレーム1005のルーメン1008を損なうか崩壊させることなく90度の角度で屈曲し、その結果、ますます小さくなる解剖学的構造または血管内での使用中にガイドカテーテル伸長部がキンクするのを回避することができる。図6c。ここに示すように、リングは、チューブフレーム1005の一部のみにわたって分布しているが、他の実施形態では、リングは、チューブフレーム1005の実質的な大部分または全長にわたって分布させることができる。
【0063】
任意の2つのリング間の支柱の数は、1から10まで変化し得、1または2が接続部の好ましい数である。他の例では、支柱の数は2を超えてもよいが、支柱の寸法は、ガイドカテーテル伸長部の所望の程度の柔軟性を維持するように変更され得る。支柱の角度オフセット、リングの間隔、および/または各リングの高さは、比較的小さな血管を通してガイドカテーテル伸長部の所望の程度の柔軟性および押し込み性を提供するために、複数のリングの全長と併せて変化し得る。
【0064】
チューブフレーム1005の近位セグメント1010、または遠位セグメント1011の他の部分のいずれかの柔軟性と比較してリングの柔軟性が増加するため、遠位セグメント1011は、複数のリング6001につながる中間柔軟性7001の移行ゾーンを画定するか、そうでなければ含み得る(図7)。例えば、移行ゾーン7001は、遠位セグメントの近位領域の平均剛性とリングの平均剛性との間にある柔軟性または平均剛性を提供するために、遠位セグメント1011の比較的近位のセクションのものと比較して、切込みパターンの変化(例えば、切込み幅、角度配向、ピッチ角など)を含み得る。移行的柔軟性により、ガイドカテーテル伸長部の遠位セクションにわたる剛性の急激な顕著な変化によって通常なら生じ得る、内部ルーメンの障害またはキンクを伴うことなく、蛇行した解剖学的構造を移動するガイドカテーテル伸長部の能力が改善される。
【0065】
本開示のチューブフレーム1005切込みパターンの別の実施形態が、図8a~cに示されている。ゾーンは、チューブフレームの任意の部分に沿って、例えば、近位セグメント1010または遠位セグメント1011内に、単一または複数のセグメント内に存在し得、チューブフレーム1005全体の切込みパターンを備え得る。各ゾーンは、バンドまたは行でチューブの円周の周りに分布する、半径方向に対称な切欠きセグメントの複数のユニット(またはグループ)を含む。バンドまたは行は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000からn個のユニットを有し得る。図8aには、7つのゾーン、すなわち、ゾーン1~7が示されている。7つのゾーンのそれぞれからのユニットは、以下のように識別される:(i)ゾーン1、8001;(ii)ゾーン2、8002;(iii)ゾーン3、8003;(iv)ゾーン4、8004;(v)ゾーン5、8005;(vi)ゾーン6、8006;および(vii)ゾーン7、8007。切欠き部分の各ユニットは、各セグメントが中心点または対称中心から半径方向に延在する3つの切欠きセグメントを含むことができる。切欠きセグメントは3回の回転対称性を有し、各切欠きセグメントは、対称中心を中心に、隣接する切欠きセグメントから120度回転する。各ゾーン内では、切欠きセグメントのユニットはいずれも、等しい開放表面積(すなわち、開放表面積は、連続した様式でセグメントの輪郭によって囲まれた領域である)と、等しい切込みパターン周囲長とを有し得、連続線の長さは、切欠きセグメントの形状をたどる。異なるゾーンにわたって、切欠きセグメントのユニットは、図中で大きくなるゾーン番号によって標識された場合、ゾーン内で表面積が大きくなり、かつ切込みパターン周囲長が増大し得、例えば、開放表面積の順位は、ゾーン1のユニット<ゾーン2のユニット<ゾーン3のユニット<ゾーン4のユニット<ゾーン5のユニット<ゾーン6のユニット<ゾーン7のユニットであり、切込みパターン周囲長の順位は、ゾーン1のユニット<ゾーン2のユニット<ゾーン3のユニット<ゾーン4のユニット<ゾーン5のユニット<ゾーン6のユニット<ゾーン7のユニットである。示されるように、対称の中心点(対称中心)の周りに3回の回転対称性を有する切欠き部分のパターンは、一般に、本明細書では「三つ組」パターンまたは「三つ組」切込みと呼ばれ得る。
【0066】
示される構成は、ゾーン1からゾーン7までチューブの長さに沿って徐々に減少する非切込み表面積範囲を提供し、これにより、この実施形態に示されるチューブのセグメントが徐々に増加する屈曲柔軟性を有することが可能になる。図8aの7つのゾーンは、説明のためにのみ、順番に、すなわち、1から7に配置されて示されている。他の実施形態では、ユニットを含むゾーンを長手方向軸に沿って任意の順序で配置して、長手方向軸に沿って任意の点またはセクションに屈曲柔軟性の任意の所望の変化を提供することができる。チューブには、さらに少ない、1、2、3、4、5もしくは6個、またはさらに多くのゾーン、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15個を設けることができる(さらに多くの数、例えば、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000からn個の異なるゾーンも可能である)。異なる切欠き表面積および異なる切込みパターン周囲長を有するゾーン、例えば、ゾーン1、ゾーン6、ゾーン7、ゾーン4、ゾーン5、ゾーン3、ゾーン2もまた、任意の順序で配置して、チューブの長さに沿って任意の点でチューブの柔軟性を制御することができる。
【0067】
バンド内のユニット間の間隔は図8bに示され、dcとして表され、dcは、同じバンド内の2つの隣接するユニットの対称中心Cs間の距離である。間隔dcは、単一のバンド内では等しく、異なるゾーン内のチューブの長さにわたって一定であり得る。ゾーン内のバンド間の間隔、例えば、ゾーン1、ゾーン2およびゾーン3は、d1、d2およびd3として示され、d1=d2=d3であり、間隔は、各ゾーン内のバンドの対称中心Csを通る線の間で測定される。ゾーン間の間隔、例えば、ゾーン1-ゾーン2はd12、ゾーン2-ゾーン3はd23およびゾーン3-ゾーン4はd34として示され、d12=d23=d34であり、間隔は線81~86の間で測定される。一実施形態では、ゾーン内のバンド間の間隔は、2つの異なるゾーン間の2つのバンドの間隔に等しくてもよく、例えば、d1=d2=d3=d12=d23=d34である。他の実施形態では、ゾーン内のバンド間の間隔は、2つの異なるゾーン内のバンド間の間隔よりも大きくても小さくてもよく、例えば、d1=d2=d3>d12=d23=d34またはd1=d2=d3<d12=d23=d34である。
【0068】
ゾーン内のユニットのあらゆる切欠きセグメントが、同じ方向を有し得るか、各行の対称中心を通る線に対して同相である。ゾーン内の隣接するバンドまたは行内の切欠きセグメントも、同じ方向を有し得るか、各行の対称中心を通る線に対して同相である。言い換えれば、ゾーン内の1つのユニット内の対応する切欠きセグメントは、隣接するユニット内の切欠きセグメントと平行である。同じゾーン内であるが隣接するバンド内のユニットの対称中心Csは、に示すように1ユニットだけ推移する
ゾーン1からゾーン7にわたるユニットの移行の概要を図8cに示す。以下の特性は、ゾーン全体の寸法に適用される。ゾーン1<ゾーン2<ゾーン3<ゾーン4<ゾーン5<ゾーン6<ゾーン7のような、異なるゾーン序列にわたる切欠き領域の開放表面積。複数のゾーンにわたる開放表面積または切込みパターン周囲長の変化は、線形、指数関数的であり、段階的または方形波関数であり、増加するか、減少するか、一定であるか、連続であるか、不連続であり得る。
【0069】
任意の1つのゾーン内で、ユニットを形成する切欠きセグメントは、対称中心Csに関して任意の対称形状をとり得る。ユニットには、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはn個の切欠きセグメントが存在し得る。切欠きセグメントは、連続的または別個であり得る。例えば、切欠きセグメントは、円、または六角形もしくは八角形などの対称的なn面の多角形を形成し得る。異なるゾーンは、同じまたは異なる対称形状を有し得る。これらの実施形態では、ゾーン内およびゾーンにわたる幾何学的規則は、上記の三つ組切欠きセグメントの場合と同じままである。具体的には、ユニットはバンド内に配置される。バンドまたは行は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000からn個のユニットを有し得る。バンド内のユニット間の間隔はdcとして表され、dcは、バンド内の2つの隣接するユニットの対称中心Cs間の距離dcであり、単一のバンド内で等しく、異なるゾーン内のチューブの長さにわたって一定であり得る。ゾーン内およびゾーンにわたるバンド間の間隔も同様に等しくてよい。ゾーン内のユニットのあらゆる切欠きセグメントが、同じ方向を有し得るか、各行またはバンドの対称中心を通る線に対して同相である。ゾーン内の隣接するバンドまたは行内の切欠きセグメントも、同じ方向を有し得るか、各行の対称中心を通る線に対して同相である。同じゾーン内であるが隣接するバンド内のユニットの対称中心Csは推移する。ユニットは、2つの隣接するゾーン間で、隣接するゾーン内のユニットの対称中心間に直線を引くことができるように、バンドの円周を中心に推移する。異なるバンド内の対称中心Csは、1つのバンドおきに同じ線に沿っている。言い換えれば、各ユニットの対称中心は、第1のバンドから1つのバンドだけ分離された第3、第3、第5などのバンド内の第2のユニットの対称中心と同じ、チューブフレームの円周上の点に配置される。
【0070】
1つのチューブフレーム1005は、複数の異なるゾーンを含み得る。例えば、チューブには1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15個を設けることができる(さらに多くの数、例えば、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000からn個の異なるゾーンも可能である)。チューブフレーム5が複数のゾーンを含む場合、異なるゾーンにわたって、開放表面積および切込みパターン周囲長に変化が生じ得る。例えば、切欠きセグメントが六角形の形状に形成され、7つのゾーン、すなわち、第1のゾーン、第2のゾーン、第3のゾーン、第4のゾーン、第5のゾーン、第6のゾーンおよび第7のゾーンが存在する場合、開放表面積および切込みパターン周囲長の序列は、第1のゾーンのユニット<第2のゾーンのユニット<第3のゾーンのユニット<第4のゾーンのユニット<第5のゾーンのユニット<第6のゾーンのユニットである。1ゾーン当たりのユニット数が等しい場合、序列はゾーンにも同様に適用される。複数の異なるゾーンにわたる開放表面積または切込みパターン周囲長の変化は、線形、指数関数的であるか、段階的または方形波関数であり、増加するか、減少するか、一定であるか、連続であるか、不連続であり得る。
【0071】
他の切欠きセグメント、例えば、円、またはn面の多角形から形成された実施形態では、任意の非切込み部分にわたる幅は変化し得、すなわち、幅は減少し得る。幅のこの減少は、開放表面積1004の増加をもたらす。任意の1つのゾーン内のユニット内の開放表面積、非切込み表面積を増加させることにより、切欠きセグメントの開放表面積が増加したそのようなユニットから構成されるその部分の柔軟性が増加する。
【0072】
チューブフレーム1005の柔軟性は、チューブの長さに沿って様々な位置で1つ以上のゾーンを組み合わせることによって、チューブフレーム1005に沿って任意の位置で制御され得る。チューブフレーム1005の柔軟性は、開放表面積と正に相関する。言い換えれば、切欠きセグメントの開放表面積が増加するにつれて、切欠きセグメントが大きくなったユニットから構成されるゾーンの柔軟性が増加する。逆に、柔軟性は非切込み領域と逆相関し、非切込み表面積が増加すると、柔軟性が低下する。
【0073】
チューブフレーム1005上の任意の1点での総非切込み領域は、各ゾーン内のバンドの数と、切欠きセグメントの寸法(特定のユニットの開放表面積)とを含む多くの要因に応じて決まる。各ゾーン内のバンド数が一定の場合、非切込み表面積に関する序列は、ゾーン1のユニット>ゾーン2のユニット>ゾーン3のユニット>ゾーン4のユニット>ゾーン5のユニット>ゾーン6のユニット>ゾーン7のユニットであり(言い換えれば、ゾーンにわたって非切込み領域が消滅する)、チューブの柔軟性の序列は、ゾーン1<ゾーン2<ゾーン3<ゾーン4<ゾーン5<ゾーン6<7ゾーンである(柔軟性は、開放表面積と正に相関し、非切込み領域と逆相関する)。複数の異なるゾーンにわたる柔軟性の変化は、線形、指数関数的であるか、段階的または方形波関数であり、増加するか、減少するか、一定であるか、不連続であるか、連続であり得る。
【0074】
シャフトの長さに沿って異なるゾーンパターンを使用することにより、シャフトの長さに沿って柔軟性を増減させることができるのとともに、チューブの他の特性、例えば、トルク、柔軟性、押し込み性、軸方向の圧縮および伸長に対する抵抗性、ルーメン直径の維持、ならびに耐キンク性を増減させることができる。
【0075】
本開示の実施形態によれば、チューブフレーム1005は、様々な程度の剛性を提供する、その長さに沿った複数の異なる切込みパターンを含むことができる。例えば、図9aに示すように、チューブフレーム1005は、非切込みセクションが点在する断続的または不連続な螺旋状切込みを有する第1のセクション9001であって、0.002~0.004N/mmのそのセクションの平均剛性を提供し、好ましい実施形態では0.003N/mmの剛性を有する第1のセクション9001と、上記の連続的な螺旋状パターンを含む第2のセクション9002であって、0.001~0.003N/mmのそのセクションの平均剛性を提供し、好ましい実施形態では0.002N/mmの剛性を有する第2のセクション9002と、図8a~8cに示される上記の1つ以上のゾーンおよびパターンを含む第3のセクション9003であって、0.002~0.004N/mmのそのセクションの平均剛性を提供し、好ましい実施形態では0.003N/mmの剛性を有する第3のセクション9003とを含む。チューブフレーム1005は、セクション9004をさらに含み得、セクション9004は、本明細書に記載の複数の相互接続されたリングを含み得、これにより、0.005~0.016N/mmのそのセクションの平均剛性を提供し得る。螺旋状切込みセクションは、螺旋状切込みセクションに沿った屈曲柔軟性が所望により長手方向に変化し得るように、切込み幅、間隙、ピッチなどの異なる螺旋状パラメータを有し得るいくつかのサブセクションを含み得る。チューブフレーム1005では、本明細書に記載の切込みパターンの任意の組合せが使用され得る。
【0076】
ここで、図9bに示す例を参照すると、チューブフレーム1005はまた、チューブフレーム1005の長さに及ぶ1つ以上の中実の非切込みセクション9005a、9005bを含み得る。非切込みセクション9005a、9005bは、断続的な螺旋状切込みセクション9001a~cを含む2つの異なる(または同じ)切込みパターンの間に配置され得、および/または螺旋状切込み、相互接続されたリングまたは他のパターン、例えば、図9aに示されているもの、または本明細書に記載されているものを有する1つ以上のセグメントの間に点在し得る。
【0077】
チューブフレーム1005は、様々な異なる方法で押し部材1001に連結され得る。例えば、図10a~bに示すように、チューブフレーム1005は、チューブフレーム1005の近位セグメントから近位に延在する舌片要素1017を画定するか含み得る。舌片1017は、チューブフレーム1005と一体であり、同じ材料組成から形成され得る。舌片1103の遠位端または遠位領域が、チューブフレーム1005/ルーメン1008の近位開口部に対して遠位に配置され得るのに対して、舌片要素1005の近位端または近位領域1105は、チューブフレーム1005の近位開口部を越えて近位に延在する。図10b。舌片要素1017は、ルーメン1008の近位開口部に対してチューブフレーム1005に沿って長手方向に凹んでいるか、オフセットされ得る。チューブフレーム1005の舌片要素1017および/または近位セグメント1010は、舌片要素1005がチューブフレーム1005の残りの部分に対してある程度まで旋回する、および/または片持ち支持されることを可能にするために、舌片要素1005に隣接する1つ以上の切込みまたは空間1101を含み得る。図10a~b。切込みまたは空間1101は、そのような片持ち支持の動きを容易にし、舌片の偏向点での材料破損のリスクを低減するために、1つ以上の鍵穴1102に接続するか、そうでなければそれを含み得る。図10b。したがって、そのような片持ち支持または旋回の動きが、本明細書に記載の他の構成要素によって支持され得る舌片要素1017の凹んだ遠位端の周りに配向され、ガイドカテーテル伸長部の使用中の舌片要素1017の材料疲労および/または周期的な負荷破損の可能性を低減する。
【0078】
舌片要素1017上の遠位領域1103は、様々な異なる形状をとり得る。一実施形態では、遠位領域1103は略台形状をとる。図11a。この実施形態では、切込みまたは空間1101は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA1009に対して角度オフセットされている。遠位領域1003が略長方形である実施形態が、図10bに示されている。この実施形態では、切込み1101は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA1009に概ね平行であるように示されている。第3の実施形態では、舌片要素1017の遠位領域1103は、チューブフレーム1005の近位端1012と同一平面上にある。図11b。
【0079】
舌片要素1017は、長手方向軸LA1009に対して角度が付けられていてもよい。図12。例えば、図12に示すように、舌片14は、周囲のガイドカテーテル「GC」(1201)の内壁103に向かって延在し、それにより、追加のデバイス、器具などが配置され得るチューブフレーム1017のさらに近位の領域に対して舌片要素1017が課し得るいずれかの閉塞または断面障害物を減少させる。舌片要素1017の偏向角θ1202は、特定の用途および/またはガイドカテーテルの寸法に対応するように変化し得る。一例では、舌片要素1017と長手方向軸LA1009との間の角度は、約10度であり得る。偏向角の他の実施形態は、約5度~35度の範囲であり得る。
【0080】
舌片要素1017は、押し部材1001の一部と嵌合可能に連結するようなサイズおよび/または形状であり得る。例えば、図13a~bに示すように、舌片要素1017は、押し部材1001の対応する形状のスロット内に配置された実質的に長方形の断面1301を有し得る。押し部材1001のスロットは、例えば、押し部材1001の一部を構成する、通常なら実質的に丸みを帯びたチューブ1302の部分1301を平坦化することによって形成され得る。押し部材1001にチューブフレーム1005を連結するために他の形状および断面輪郭が実装されてもよく、連結は、圧着、かしめ、ステーキング、接着剤結合、溶接、ろう付けおよび/またははんだ付けを含む任意の結合方法によって達成および/または固定され得る。
【0081】
ここで図14を参照すると、チューブフレーム1055と押し部材1001との間の相互接続の別の例が示されている。この例では、ワイヤ、シム、ロッドなどの中間連結部材1401が、チューブフレーム1005の舌片要素1402に連結し、近位に延在して、押し部材1001に連結する。この例では、中間連結部材1401は、舌片要素1017の例よりも短い長さを有し得る舌片1402上を滑るか、そうでなければそれに取り付けられ得る。中間連結部材1401は、反対側の端部で押し部材1001に嵌合可能に接続される(1403)。
【0082】
別の例では、中間連結部材1401は、チューブフレーム1005によって画定されるアパーチャまたは開口部1501に連結するか、その中に配置され得る。例えば、図15に示すように、チューブフレーム1005は、舌片要素1017の代わりに鍵穴開口部1501を画定し、中間連結部材1401は、鍵穴開口部1501内に配置される。チューブフレーム1005内の鍵穴開口部1501は、中間連結部材1401を収容し、それに対する連結を容易にするように、様々な形状およびサイズを有し得る。例えば、図16は、実質的に長方形の開口部1603の例を示している。中間連結部材1401は、接着剤、溶接、融合または他の結合様式1601、1602を適用して所定の位置に固定され得る。ここで図17を参照すると、そのような連結に加えて、および/またはその代わりに、キャップ1702、中間連結部材1401およびチューブフレーム1005の間に接着剤、溶接、融合または他の結合様式の1つ以上の適用を再び使用して、中間連結部材1401の一部の上にキャップ1702を配置して、チューブフレーム1005に中間連結部材1401を封入し固定してもよい。
【0083】
別の例では、押し部材1001は、図16図17に示されるもののような、チューブフレーム5によって画定されるアパーチャまたは開口部に直接連結され得る。別の実施形態では、押し部材1001は、チューブフレーム1005によって画定されるアパーチャまたは開口部に直接連結する細長い部分またはセグメント1801を画定し得る。次いで、押し部材1001は、接着剤、溶接、融合または他の結合様式の1つ以上の適用を使用することによって、チューブフレーム1005に直接固定され得る。
【0084】
別の例では、図19a~bに示すように、押し部材1001の長さが、舌片要素1017および/または中間連結部材1401の長さと重なって、結合または他の取付けのための2つの構成要素間の表面積を増加させてもよい。押し部材1001は、舌片要素1017および/または中間連結部材1401の先細部分または切込み部分1902を受け入れるそぎ部分1901をさらに画定するか含み得る。代替例では、図1aおよび図23aに示すように、押し部材1001は、舌片要素1017と重なり、接着剤または溶接1050を介して結合されて、構成要素を一緒に固定する。
【0085】
ここで図20a~bを参照すると、ワイヤ2100が、押し部材1001および舌片要素1017および/または中間連結部材1401のそれぞれに連結され、重なって、取り付けられた組立体の安定性および強度を高めてもよい。ワイヤ2100は、溶接、接着剤または他の製造プロセスによって、押し部材1001および舌片要素1017および/または中間連結部材1401のそれぞれに結合されるか、そうでなければ連結され得る。舌片要素1017および/または中間連結部材1401はまた、内部空洞、または押し部材の開口部内に延在する切込みまたは先細セクション2101を含み得る。図20c。
【0086】
チューブフレーム1005と押し部材1001との間の相互接続の別の例が、図21a~dに示されている。この例では、押し部材1001は鍵穴2102を含み、鍵穴2102は、舌片要素1017および/または中間連結部材1401の対応する相補的な鍵穴切込み領域2103を受け入れるようなサイズまたは形状であるとともに、押し部材1001の長さを舌片要素1017および/または中間連結部材1401の長さと重ねて、結合または他の取付けのための構成要素間の表面積を増加させる。
【0087】
舌片要素1017、中間連結部材1401、および/またはチューブフレーム1005に連結された押し部材1001の部分は、運動の1つ以上の平面内での柔軟性を容易にして、それによって、ガイド伸長カテーテルの全体的な柔軟性を改善し、および/またはそれに貢献するために、1つ以上の特徴、寸法、形状および/または輪郭を含み得る。左右および/または上下方向に撓みまたは屈曲を提供するための1つ以上の切欠き、スロットまたは湾曲部分を含むそのような特徴の例は、図21c~dに示されている。そのような特徴の他の実装または組合せを使用して、所望の程度または範囲の屈曲を提供してもよい。
【0088】
チューブフレーム1005は、本明細書にさらに記載するように、1つ以上の構成要素または層状材料の取付けを提供するか容易にすることができる、チューブフレーム1005の遠位端1013および/または近位端1012から延在する1つ以上の軸方向に配向された突起1019を含み得る。図22a~f。特定の実施形態では、突起1019は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA1009と概ね平行であり得る。あるいは、チューブフレーム1005の遠位端1012および/または近位端1013は、同一平面上にあるか平坦であり、すなわち、長手方向軸1009に対して垂直であり得る。図22a。例えば、突起1019は、正弦波形状または概して波形(蛇行)形状とすることができる複数の閉じた曲線状要素から作製されてもよい。図22a。
【0089】
突起1019は、チューブフレーム1005の壁から直接レーザ切断されるか他の方法で製造されるか、突起1019がチューブフレーム1005と実質的に同じ内径2201および外径2202の寸法(ルーメン1008の内側寸法2203およびチューブフレーム1005の外側寸法2204)を共有するようにチューブフレーム1005に組み立てられるか連結され得る。例えば、図22a~bに示すように、突起1019は、チューブフレーム1005のルーメンへの端部または開口部を実質的に取り囲むクラウン状構成の複数の曲線状凸部を含み得る。曲線状突起はそれぞれ、その中に内部アパーチャまたは開口部2205を含む。図22a~b。
【0090】
別の例では、突起1019はそれぞれ、図22c~dに示すように、実質的に鍵穴状の形状を含み得る。鍵穴突起1019は、一般に、その端部で実質的に円形または曲線状の部分に連結された実質的に長方形の部分を含み得、実質的に円形または曲線状の部分は、実質的に長方形の部分の幅よりも大きい直径を有する。
【0091】
別の例では、突起1019はそれぞれ、図22e~fに示すように、実質的に丸みを帯びた長方形の形状を含み得る。突起1019は、一般に、その端部で実質的に半円形または曲線状の部分に連結された実質的に長方形の部分を含み得、実質的に半円形または曲線状の部分は、実質的に長方形の部分の幅と実質的に同じ直径を有する。
【0092】
チューブフレーム1005の近位端1012は、フレアまたはフランジ1018を含み得る(図1b)。フレアまたはフランジ1019を使用して、ガイドカテーテル1201のチューブフレーム1005間の間隙を閉じるか減らすことができる。図23a。ガイドカテーテル(GC)1201は、ガイドカテーテル伸長部を囲むとともに、ガイドカテーテル伸長部(治療カテーテルまたはステント送達デバイスなど)を通して、近位開口部2302に、およびチューブフレーム1005のルーメン1008に挿入および経路選択されるワイヤ、器具および/または他のデバイスを導くためのガイド用の傾斜面を提供する。したがって、フレア1019は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA1009、およびそれを通るルーメン1008と実質的に同軸であり得、チューブフレーム1005の近位端1012から遠位端1013まで近位に延在し得る。示される実施形態では、フレアまたはフランジ1018は、チューブフレーム1005の近位開口部2302およびルーメン1008から半径方向外向きに延在し、チューブフレーム1005の外径よりも大きい外径を有する。フレアまたはフランジ1019は、ガイドカテーテル1201とチューブフレーム1005との間に形成された任意の間隙2301を実質的に閉じるか密封することができる。フレアまたはフランジ1018の断面積は、軸方向突起1021に取り付けられていないフレア2303上の点で先細になるか、薄くなり得る。機能的には、フレアまたはフランジ2305のこのセクションは、ガイドカテーテル1201と接触することができる「ワイパーブレード」として機能することができる。軸方向突起と接触している領域から接触していない領域までの、フレアまたはフランジ1018を横切る断面積のこの減少は、軸方向突起と接触していない領域またはセクション2305でフレアまたはフランジ1018を曲げる柔軟性または能力を増加させる。この柔軟性により、フレアまたはフランジ1018は、ガイドカテーテル1201とチューブフレーム1005との間の密封を維持しながら、異なる直径のカテーテルを収容することができる。例えば、このタイプの構造は、ガイドカテーテル伸長部を使用して、造影剤をガイドカテーテル伸長部の遠位端から漏らすことなく患者の血管系の標的部位に注入するとともに、チューブフレーム1005とガイドカテーテル1201との間の隙間間隔または間隙を介するのではなく、チューブフレーム1005のルーメン1008を介して効率的な吸引を容易にするのを可能にする。
【0093】
フレアまたはフランジ1018は、1つ以上の弾性ポリマー材料、好ましくは、良好な潤滑性を有するゴム材、例えば、PEBA、PTFE、シリコーンまたは他のフルオロポリマーから作製することができる。フレアまたはフランジ1018はまた、放射線不透過性であり得、これは、PBAX(登録商標)などのタングステン充填ポリマーまたはビスマス充填ポリマーを利用することによって達成され得る。フレアまたはフランジ1018の厚さは、フレアまたはフランジ1018が、その操作性を著しく妨げることなく、ガイドカテーテル伸長部がガイドカテーテル1201内で軸方向に移動することを可能にするのに十分な撓み性を有することを保証するように選択することができる。例えば、フレア120の厚さは、約0.05mm(0.0019インチ)~約1mm(0.039インチ)または約0.2mm(0.0078インチ)~約0.5mm(0.0196インチ)であり得る。
【0094】
フレアまたはフランジ1018は、別個の部品として作製され、突起1019へのフレアまたはフランジ1018の接着または連結を含めて、チューブフレーム1005の近位端1012に接着され得る(図1a~cに示すように)。そのような例では、フレアまたはフランジ1018は、突起1019上に融合または溶融され得、突起1019は、突起1019の形状および/またはアパーチャ/開口部特徴を介したフレアまたはフランジ1018の軸方向の分離に抵抗し得る。代替例では、フレアまたはフランジ1018は、ガイドカテーテル1201の内側ライニングまたは外側ジャケットの伸長部として構築または形成され得る。フレアまたはフランジ1018の端部は、チューブフレーム1005の長手方向軸LA1008に対して、実質的に垂直または垂直であり得、すなわち、削られた構成ではない。例えば、図1bを参照されたい。
【0095】
フレアまたはフランジ1018は、舌片要素1017および/または中間連結部材1401に部分的に融合されることによって、および/またはフレアまたはフランジの一部が舌片要素1017および/または中間連結部材1401の下側に対して配置されることによって、舌片要素1017および/または中間連結部材1401に構造的支持をさらに提供することができる。したがって、フレアまたはフランジ1018は、ガイドカテーテルが使用されている際に、舌片要素1017および/または中間連結部材1401の過度の撓みおよび/または材料破損に対抗して支持するか、それを抑制することができる。
【0096】
フレアまたはフランジ1018は、実質的に均一な円周方向輪郭を含み得る。フレアまたはフランジ1018の代替的な形状および輪郭を利用して、外部ガイドカテーテルの内壁にカテーテルを密封すること、および遠位チューブのルーメンにガイドワイヤを受け入れるのを支援することの両方を容易にしてもよい。例えば、図24に示すように、フレアまたはフランジ1018は、フレアまたはフランジ1018の残りの部分からさらに外向きに延在する非対称の突出セクション2501を有し得る。突出セクションは、デバイスの「上部」に(例えば、舌片要素1017または中間連結部材1401に実質的に対向して配置され得る。図24図25a~cには、2つの突出セクション2601が互いに対向して配置されているフレアまたはフランジ1018の別の例が示されている。図26a~bには、4つの突出セクション2701がフレアの円周の周りに互いにほぼ等距離に配置されているフレアまたはフランジ1018の別の例が示されている。図27a~cには、複数の突出セクション2801がフレアまたはフランジ1018の円周の周りに配置されているフレアまたはフランジ1018の別の例が示されている。
【0097】
一実施形態では、これらの突出セクション2801は、複数の突出セクション2901を切断することによって、チューブフレーム1005と同じ材料から形成される。次いで、フレアまたはフランジ1018は、複数の突出セクション2901を囲むことができる。図28a~b。
【0098】
上記のように、フレアまたはフランジ1018は、外部ガイディングカテーテルを通過したガイドワイヤ3001および/または他の器具またはデバイスをチューブフレーム1005のルーメン1008に導くのを支援する。例えば、図29a~cに示すように、ガイドワイヤ(GW)3001は、ガイドカテーテル(GC)3001の近位部分を通って、ガイドカテーテル伸長部のチューブフレーム1005に向かって前進され得る。ガイドワイヤ122がフレアまたはフランジ1018と接触した際にガイドワイヤ122が中心から外れているか、そうでなければガイドカテーテル(GC)1201のルーメン1008を通って蛇行している場合、フレアまたはフランジ1018の形状および撓み性は、図29a~dに示すように、ガイドワイヤ3001を損傷することなく、チューブフレーム1005のルーメン1008内にガイドワイヤ(GW)3001を導く。ガイドワイヤ(GW)3001は、ルーメン1008の出発点を通過すると、チューブフレーム1005の残りの部分を通って、チューブフレーム1005の遠位端1013に向かって押され、通過するべき解剖学的構造に向かって押し出される。図29a~d。
【0099】
ガイドワイヤは典型的には比較的細く、約0.254mm~0.457mmほどの直径を有する。ガイドワイヤ(GW)は、ガイドワイヤの近位端からガイドワイヤの遠位端へ回転を伝達することができる。この伝達により、医師が、患者の動脈の分岐部を通してガイドワイヤを制御可能に操縦し、冠動脈内の目的の標的部位までカテーテルを操作することが可能になる。さらに、ガイドワイヤの遠位端は、ガイドワイヤの遠位部分が、鋭く湾曲し蛇行した冠状の解剖学的構造を通過することを可能にするのに十分に柔軟であるべきである。
【0100】
ガイドワイヤは当技術分野で周知であり、本開示のカテーテルを使用するためのガイドワイヤの適切な選択は、介入的心臓病専門医または介入的放射線科医などの医療専門家によって行われ得る。血管形成術に使用される一般的なガイドワイヤ(GW)構成の中には、米国特許第4,545,390号に示されているタイプのガイドワイヤがある。そのようなワイヤは、先細の遠位部分と、先細の遠位部分の周りに取り付けられた螺旋状コイルとを有する、典型的にはステンレス鋼から形成された細長い可撓性シャフトを含む。シャフトの略先細の遠位部分は、コイルのためのコアとして作用し、医師が患者の血管を通してガイドワイヤ(GW)を制御可能に操縦することができるように、血管の解剖学的構造の輪郭に追従しながら、ガイドワイヤの近位端から遠位端まで依然として回転を伝達することができるように適合された、遠位部分の柔軟性が増大したガイドワイヤ(GW)をもたらす。ガイドワイヤの特性は、ガイドワイヤの遠位先端としての構造の詳細の影響を著しく受ける。例えば、あるタイプの先端構造では、先細コアワイヤは、螺旋状コイルを通ってコイルの遠位先端まで完全に延在し、コイルの遠位先端で滑らかに丸みを帯びた先端溶接部に直接取り付けられ得る。そのような構造は、典型的には、狭窄の狭い領域を通してガイドワイヤを押し込もうと試みる際に使用するのに特に適した比較的堅い先端をもたらす。高度なカラム強度に加えて、そのような先端はまた優れたねじり特性を示す。
【0101】
ライナ3101は、チューブを形成するために層状に配置された1つ以上のポリマーを含み得る。例えば、ライナ3101は、それぞれが異なる結晶溶融物または溶融温度を有する2つの異なる材料3102、3103を含むチューブを形成し得る。ライナ3101は、1つ以上のポリマーから構築され得る。好適なポリマーのいくつかの例には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN)、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL)、エーテルまたはエステル系のコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/または他のポリエステルエラストマー、例えば、DuPontから入手可能なHYTREL)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHANまたはElf Atochemから入手可能なCRISTAMID.)、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、商品名PEBAXの下に入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(例えば、REXELL)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、硫化ポリフェニレン(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR)、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMIDなど)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBSおよび/またはSIBS 50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、他の好適な材料、またはそれらの混合物、組合せ、コポリマー、ポリマー/金属複合材料などが挙げられ得る。いくつかの例では、ライナ3101は、液晶ポリマー(LCP)とブレンドされ得る。
【0102】
例えば、図30に示すように、ライナ3101は、チューブフレーム1005のルーメン1008内に配置され、チューブフレーム1005の近位端1012から延在し、フレア1018および/または軸方向突起1019に隣接し、および/または連結され、チューブフレーム1005の遠位端1013まで降下し、および/またはそれを通過し得る。ライナ3101は、図示されるように、ライナ3101の一部がチューブフレーム5の遠位端を超えて、かつチューブフレーム5の遠位端から延在するように、チューブフレーム1005の長さよりも長い全長を有し得る。ライナは、チューブフレーム1005内にチューブ3103を形成することができる。
【0103】
ライナ3101は、曲率半径が減少した蛇行した解剖学的構造を移動するためのチューブフレーム1005およびガイドカテーテル1201全体の操作性に寄与するのと同時に(および/またはそうでなければそれらを顕著に妨げず)、ガイドカテーテル1201の内部および部分的に外部の両方でガイドカテーテル伸長部の押し込み性を補完する。そのような性能を達成するために、ライナ3101は、上記の材料から構築され得、約0.00635mm(0.00025インチ)~約0.127mm(0.005インチ)の壁厚を含み得る。好ましい例では、ライナ3101は、上記の材料から構築され得、約0.00635mm(0.00025インチ)~約0.0127mm(0.0005インチ)の壁厚を含み得る。
【0104】
ライナ3103は、チューブフレーム5に部分的および/または断続的にのみ融合されるか、結合されるか、他の方法で接着されて、ガイドカテーテルの全体的な柔軟性および押し込み性にさらに寄与し得る。チューブの内壁に対するライナ3103の取付けは、例えば、熱融着/溶融、接着剤の使用、または他の製造プロセスを含み得る。結合/取付プロセスは、ライナ3103とチューブフレーム1005との間の取付けを容易にするか実施するための1つ以上の中間化合物または材料を含み得る。例えば、PTFEから構築されたライナを利用するデバイスでは、PEBAX(登録商標)粉体塗装が、PTFEライナと遠位チューブとの間に適用され得る。次いで、PEBAX(登録商標)を溶融するのに十分な温度であるが、PTFEを溶融するのに必要な温度よりも低い温度で、チューブフレーム1005組立体に熱が加えられ得る。したがって、溶融されたPEBAX(登録商標)は、PTFEライナをチューブフレーム1005に結合して、それを所定の位置に固定する。PEBAX(登録商標)の融合セグメントは、リングまたはポイントとして取り付けることができる。
【0105】
ポリマーライナがチューブフレーム1005に完全に結合されると、融合組立体の剛性が大幅に増加し、結合プロセスから生じる融合ライナの硬度の変化に少なくとも部分的に起因して、柔軟性が低下する。例えば、図31は、チューブフレーム5およびライナ3103組立体の構成要素および組合せに適用される一連の曲げ試験から得られた測定値を提供する。グラフのY軸は、対象の組立体または構成要素を曲げるのに必要な曲げ力を示し、X軸は、力が加えられ測定された対象の組立体または構成要素の長さに沿って位置を示す。ライナが完全に融合している場合、チューブフレーム1005は、3点曲げ試験によって測定されるように最も柔軟性が低い。曲げ試験は、図32に示されるものと同様の設定を使用して、例えば、2点でチューブフレーム1005の長さLを支持し、次いで、その長さの中間部に力Fを加え、結果として生じる撓みを測定し、結果として生じる剛性値を計算し、計算することによって行った。測定を行うのに使用した試験治具は、Chatillon(登録商標)LTCM-6デジタル電動フォーステスタであった。
【0106】
図31のグラフに示すように、その中またはその上にライナが配置されていないチューブフレーム1005は、曲げるのに約0.22N~0.35Nを必要とする。結合されていない、融合されていないライナがその中に配置されたチューブフレーム1005は、曲げるのに約0.335N~0.469Nを必要とする。部分的に結合されたライナがその中に配置されたチューブフレーム1005は、結合/融合が位置する場所への曲げ力の近接性に応じて、曲げるのに約0.469N~1.088Nを必要とする(例えば、融合点の近くでは比較的高い曲げ力が必要とされるが、融合点からの距離が遠くなるほど、必要とされる力は顕著に低くなる)。ライナがチューブフレームに完全に融合されたチューブフレーム1005は、組立体を曲げるのに約1.1N~1.405Nを必要とし、これは、部分的に融合された組立体に必要な曲げ力の下端と比較して3倍近い曲げ力である。その結果、部分的に融合したライナ構築物は、従来の完全に融合したライナ構築物よりも数倍高い柔軟性と操作可能な性能とを提供することができる。
【0107】
例えば、ライナ3203は、チューブフレーム1005にライナ3203を結合する融合点またはセグメントの様々なパターン、間隔および/または(1または複数の)形状を使用して、チューブフレーム5に断続的または部分的に融合、結合および/または他の方法で接着され得る。そのようなパターン、間隔、寸法および/または形状は、遠位組立体の他の可変機能(例えば、材料選択、壁厚、切込みパターンなど)と併せて変化して、ガイドカテーテル伸長部の全体的な所望の押し込み性および柔軟性を提供し得る。
【0108】
例えば、チューブフレーム1005に対するライナ3203の連結は、図33aに示すように、それぞれが実質的にリング状輪郭または円周方向輪郭を有する1つ以上の融合セグメント3301の作成または実装を含み得る。各実質的に円周方向に融合したセグメント3203は、約1mm(0.0393インチ)~約2.54cm(1インチ)の幅を有し得る。遠位組立体の長さに沿って、複数の実質的に円周方向に融合したセグメントを使用してもよく、ここで、連続する実質的に円周方向に融合したセグメントは、約1mm(0.0393インチ)~約2.54cm(1インチ)離隔される。図33b~c。別の例では、ライナ3203は、3つの位置、すなわち、チューブフレーム5の近位端10および遠位端11またはそれらの近く、ならびにチューブフレーム5のほぼ中間点またはその近くで、チューブフレーム5に連結され得る。
【0109】
好ましい例では、各融合セグメント3301は、約1mm(0.0393インチ)~約2mm(0.0787インチ)の幅を有し得、連続する融合セグメントは、約12.7mm(0.5インチ)以上離隔され得る。
【0110】
別の例では、連続的、実質的に連続的および/または断続的な螺旋状パターンが、(1または複数の)融合セグメント3301に対して実装され得る。図33d。そのような融合パターンは、例えば、加熱点を越えてチューブフレーム1005を回転させ引っ張ることによって達成され、したがって、螺旋状パターンを提供することができる。螺旋状パターンの幅、ピッチおよび/または間隔は、上記で提供された寸法および例と同様であり得る。破線または断続的な螺旋状結合点などの融合パターンが使用され得る
あるいは、ライナ3203は、リングの近位および/または遠位の1つ以上のセグメントに融合され得るが、そうでなければ、リングを貫通するルーメン1008の長さ内で結合されず「浮く」。以下で説明される外側ジャケット1020は、同様に、リングの近位および/または遠位の1つ以上のセグメントに融合され得るが、そうでなければ、リングの長さの外側を越えて「浮く」。
【0111】
チューブフレーム1005の長さは変化し得る。チューブフレームの長さは、約15cm~約35cm、約10cm~約25cm、約20cm~約45cm、約30cm~約50cm、約5cm~約15cmまたは約1~5cmの範囲であってよい。
【0112】
材料、および柔軟性に関する構造的要件に応じて、任意の点でのチューブフレーム5の壁厚は、例えば、約0.05mm~2mm、例えば、0.05mm~約1mm、約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mmなど、変化し得る。チューブの内径は、例えば、約0.1mm~約2mm、または約0.25mm~約1mm、例えば、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約2mm、約2.5mm、約3mmの厚さなど、変化し得る。チューブフレーム5の外径もまた、例えば、約0.2mm~約3mm、例えば、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.5mm、約3mmの厚さを含め、変化し得る。チューブフレーム5の壁の壁厚、内径および外径はそれぞれ、チューブフレーム5の長さにわたって一定であるか、チューブフレーム5の長さに沿って変化し得る。
【0113】
さらに、チューブの内壁、すなわちルーメンは、チューブフレーム1005を保護し、ガイドワイヤおよびバルーンなどの追加の器具デバイスをカテーテルのチューブを通して遠位位置まで輸送するのを容易にするライナ3201によって被覆することができる。ライナ3201は、チューブの一部に沿って延在することができるか、チューブの全長にわたって延在することができる。ライナ3201は、部分的または完全なチューブを形成することができる。
【0114】
チューブフレーム1005の遠位端1013は、外部ガイドカテーテルの内側と、ガイドカテーテル伸長部によってアクセスされる解剖学的構造とを移動するのを支援するために、カテーテル先端1023をさらに含み得る。カテーテル先端1023は、丸みを帯びたおよび/または先細の非外傷性輪郭を有し、カテーテル先端1023がチューブフレーム1005の長手方向軸LA、およびそれを通るルーメン1008と実質的に同軸になるように、チューブフレーム5の遠位端に連結され得る。カテーテル先端1023は、内壁1006、外側ジャケット3401、ライナ3201、および/またはチューブフレーム1005の遠位端1013から延在する軸方向突起1021とカテーテル先端1023を融合することによって、チューブフレーム1005に固定され得る。図34図34に示す例では、カテーテル先端1023は、ライナ3201の部分と外側ジャケット3401との間に「挟まれ」、軸方向突起1021の部分にさらに融合されている。
【0115】
カテーテル先端1023は、PEBAX(登録商標)などの比較的柔らかいまたは順応性に富む材料から構築され得る。先端は放射線不透過性であり得、これは、先端材料にタングステン、ビスマスおよび/または硫酸バリウムを含めるか注入することによって、または本明細書に別の方法で記載されるように達成され得る。
【0116】
あるいは、チューブフレーム1005に沿って、チューブフレーム1005を実質的または完全に囲むバンドなどの少なくとも2つの放射線不透過性マーカーを配置して、放射線撮影の視覚化を支援することができる。マーカーは、放射線不透過性材料、例えば、ワイヤコイルまたはバンドの形態の金属白金、白金-イリジウム、Ta、金など、蒸着堆積物、および放射線不透過性粉末または充填剤、例えば、ポリマーマトリックス中に包埋または封入された硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマスなどを含むことができる。あるいは、マーカーは、放射線不透過性ポリウレタンなどの放射線不透過性ポリマーから作製することができる。
【0117】
別の実施形態では、カテーテル先端は、近位端3501および遠位端3502を有し、遠位端3502は、チューブフレーム1005のルーメン1008の直径よりも小さい直径Dtを有する開口部を形成する内向きに曲がる曲線を形成する。遠位端3502の近くのカテーテル先端3501は、遠位先端をさらに曲げやすくするためのいくつかの切込み、すなわち、遠位先端が患者の血管系内に前進している際の血管壁の外傷を最小限に抑えるための比較的小さな「ノーズコーン」状の端部を含むことができる。
【0118】
別のタイプのカテーテル先端構造では、先細コアワイヤは先端溶接部の手前で終端する。そのような構造では、一方の(近位)端でコアワイヤに、他方の(遠位)端で先端溶接部に、非常に薄い金属リボンを取り付けるのが一般的である。リボンは、コイルが破損した場合に、コアワイヤと遠位先端溶接部との間の接続を維持するための安全要素として機能する。リボンはまた、ガイドワイヤを操作し操縦する際に望ましいように、リボンに形成された屈曲部を保持して、先端を屈曲構成に維持するように機能する。さらに、先端溶接部の手前でコアワイヤを終端させることによって、コアワイヤの遠位端と先端溶接部との間の螺旋状コイルのセグメントが極めて柔軟かつ可撓性に富むものとなる。可撓性先端は、血管系が高度に蛇行し、ガイドワイヤが血管への外傷を最小限に抑えながら蛇行した解剖学的構造に順応し追従することができなければならない状況に望ましい。別のタイプの先端構造では、成形リボンと同じ機能を果たすがコアワイヤと一体の単一片として機能するように、コアワイヤの最も遠位のセグメントが平らに打ち伸ばされる(平らに落とし込まれる)。平らに落とし込まれたセグメントの先端は先端溶接部に取り付けられる。
【0119】
外側ジャケット1020は、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド、PTFE、FEP、PFA、PET、PEEKなど、および/またはそれらの組合せまたは複合材料から構築され得る。外側ジャケット125は、チューブフレーム1005の外径と比較してガイドカテーテル102の外径のいかなる増加も最小限に抑えるために、約0.00508mm(0.00020インチ)~約0.127mm(0.0050インチ)の壁厚を有し得る。好ましい例では、外側ジャケット1020は、約5ミクロン(0.00020インチ)~約10ミクロン(0.00040インチ)の壁厚を有し得る。外側ジャケット1020は、チューブフレーム1005の長さ1014に及び得る。外側ジャケット1020は、リングが輪郭に対して曲がり、曲線状解剖学的構造を通って移動する際に、周囲の組織のいかなる外傷または挟み込みも排除するか大幅に低減するために、リングを覆う非外傷性の保護カバーを提供する。
【0120】
図30図34に示される外側ジャケット1020は、実質的に滑らかな円筒形の構成を有するが、外側ジャケット1020は、遠位組立体の全体的な柔軟性を容易にし、補完し、および/またはそれに寄与するために、1つ以上の切込みパターンまたは他の幾何学的特徴を含み得る。例えば、外側ジャケット1020は、図36aに示すように、その中に断続的な螺旋状切込みパターンを含み得る。あるいは、外側ジャケット1020は、図36bに示すように、その中に一連の離隔された実質的に線形の切込みまたは穴を含み得る。別の例では、外側ジャケット1020は、図36cに示すように、実質的に蛇腹状の構成を有し得る。図36dは、別の例を示しており、ここで、外側ジャケット1020は、巻かれた螺旋状構成を含み得る。
【0121】
外側ジャケット1020は、例えば、多層の単一の共押出ポリマー管状構造によってチューブ壁を囲み、管状構造を熱収縮させるか、浸漬塗布プロセスを介してチューブフレーム1005を被覆することによって、ポリマーから作製することができる。ポリマージャケットの材料は、ナイロン、ポリエーテルブロックアミド、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(フッ化エチレンプロピレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)であってよい。さらに、チューブフレーム5の一部(またはガイドカテーテルを含むガイドカテーテル伸長部の全長)は、潤滑性および追従性を高めるために親水性ポリマーコーティングによって被覆され得る。親水性ポリマーコーティングは、限定するものではないが、高分子電解質ポリマーおよび/または非イオン性親水性ポリマーを含むことができ、高分子電解質ポリマーは、ポリ(アクリルアミド-コ-アクリル酸)塩、ポリ(メタクリルアミド-コ-アクリル酸)塩、ポリ(アクリルアミド-コ-メタクリル酸)塩などを含むことができ、非イオン性親水性ポリマーは、ポリ(ラクタム)、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリウレタン、アクリル酸およびメタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、シナピン酸無水物系コポリマー(snapic anhydride based copolymer)、ポリエステル、ヒドロキシプロピルセルロース、ヘパリン、デキストラン、ポリペプチドなどであってよい。例えば、米国特許第6,458,867号および米国特許第8,871,869号を参照されたい。浸漬塗布プロセスによって、またはチューブの外面および内面にコーティングをスプレーすることによって、コーティングを施すことができる。
【0122】
外側ジャケットの上に潤滑性コーティングまたはフィルムを追加して、血管を通るカテーテルの移動を容易にしてもよい。潤滑性コーティングは、例えば、シリコーンまたはヒドロゲルポリマーなど、例えば、ビニルポリマー、ポリアルキレングリコール、アルコキシポリエチレングリコールまたは未架橋ヒドロゲル、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)のポリマーネットワークから構成することができる。
【0123】
ガイドカテーテル伸長部の1つ以上の表面は、潤滑性コーティング、親水性コーティング、保護コーティングまたは他のタイプのコーティングを含み得る。フルオロポリマーなどの疎水性コーティングは、ガイドワイヤの取扱いとデバイス交換とを改善する乾燥した潤滑性をもたらす。潤滑性コーティングは、操縦性を改善し、病変横断能力を改善する。好適な潤滑性ポリマーには、シリコーンなど、親水性ポリマー、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアリーレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシアルキルセルロース、アルギン、サッカライド、カプロラクトン、本明細書に開示される他の化合物、ならびにそれらの混合物および組合せが含まれ得る。親水性ポリマーを、それらの間でブレンドするか、配合量の水不溶性化合物(いくつかのポリマーを含む)とブレンドして、好適な潤滑性、結合性および溶解性を有するコーティングを生成してもよい。
【0124】
チューブフレーム1005(またはその一部)は、その全長にわたって直径が実質的に均一であり得る。あるいは、チューブフレーム1005は、その長さ全体にわたって様々な直径、例えば、先細構成を有することができる。
【0125】
チューブフレーム1005は、可変柔軟性、キンク性(kinkability)、破損までのトルク、トルク性、追従性、押し込み性、通過性および回転応答性を有することができる。柔軟性、キンク性、破損までのトルク、トルク性、追従性、押し込み性、通過性および回転応答性を試験するための様々な異なる試験が利用可能である。当技術分野で公知のこれらの性質に関する様々な標準試験が、例えば、http://www.protomedlabs.com/medical-device-testing/catheter-testing-functional-performance(2018年10月8日に検索)に開示されている。
【0126】
柔軟性とは、破損せずに曲がる性質である。チューブの柔軟性は、使用される材料、断続的な螺旋状パターン、壁厚、内径および外径ならびに他の変数に依存する。柔軟性は、以下の試験方法のうちの1つによって決定することができる。柔軟性を試験する1つの方法では、近位ロードセルを使用して、特定の屈曲角度にわたって、機能を喪失することなく、または蛇行した解剖学的構造を損傷することなく、前進および後退するデバイスの能力を測定する。あるいは、ローラシステムを使用して、デバイスがキンクせずに耐えることができる最小の曲率半径を決定することができる。さらに、片持ち梁を用いて試験を実施して、50°の傾斜度でF=[M×(%SR)]/(S×100)(式中、F=柔軟性、M=総曲げモーメント、%SR=スケール読取平均およびS=スパン長さ)を計算することによって、力および曲げ角度を測定することができる。柔軟性を試験するもう1つの方法は、1点および4点曲げ試験を使用して、力Fおよび曲げ変位fを検出するZWICK005試験機を使用して変位制御下で柔軟性を評価することである(https://www.zwick.com/en/universal-testing-machines/zwickiline、2018年10月29日に検索)。最も高い測定データは、方程式E×I=(F×L)/(3×f)(Nmm)(式中、I=慣性モーメント、E=ヤング率、L=屈曲長、f=曲げ変位、ならびにF=点力およびE×I=柔軟性)によって決定される柔軟性を表す。
【0127】
破損または制動までのトルクとは、カテーテル構成要素の塑性変形、破壊または破断が生じる前に管状部材が耐えることができるねじり力または回転力の量である。破損までのトルクを試験する1つの方法は、デバイスを比較的近位の位置で回転させ、デバイスが蛇行した解剖学的構造を通して導かれる間に遠位端を固定することによって、デバイスの破損までのトルク量および回転数を測定する近位および遠位トルクセンサの使用によるものである。破損までのトルクを計算する別の試験方法は、37±2℃の水中に設定した時間浸漬した直後のトルク強度を試験することによる。ガイドワイヤを定位置に配置した状態で、二次元形状に拘束されている適合するガイディングカテーテルにデバイスを挿入して、カテーテルの最遠位10cmがガイド先端を越えて露出され、トルクゲージに取り付けられて回転を防止するまでの冠動脈の解剖学的構造へのアクセスを再現することができる。カテーテル本体の残りの部分は、歪み、破損、破断、破壊、キンクもしくは他の損傷がカテーテルに沿ってもしくはカテーテル先端に生じるまで、または設定された回転数の間、360°ずつ回転させる。
【0128】
トルク性とは、回転力が一端に加えられた際に、チューブの一端からチューブの他端までに失われるトルクまたは回転の量である。トルク性を試験する1つの方法は、近位および遠位トルクセンサを使用して、デバイスを比較的近位の位置で回転させ、デバイスが蛇行した解剖学的構造を通して導かれる間に遠位端を固定することによって、デバイスを通して伝達されるトルクの量を測定することによる。トルク性を試験する別の方法は、臨床的な蛇行した経路をシミュレートする、医学博士Shinsuke Nantoによって設計されたPTCAトレーナー、T/N:T001821-2などのPTCAトレーニング用の動脈シミュレートデバイスを使用することによる。カテーテル先端に取り付けられ、ダイヤルの穴を通して挿入されたインジケータ。カテーテル本体を回転子、例えばT/N:T001923に接続し、時計回りに90°ずつ約1080°まで回転させる。カテーテル先端のインジケータに取り付けられたダイヤルによって測定された角度を使用して、本体の回転角と先端の回転角との比を計算する。これは、回転中に失われるトルクの量に相当する。
【0129】
追従性を試験する1つの方法は、近位ロードセルを使用して、ガイド付属品に支持されてまたは支持されることなく、蛇行した解剖学的構造を通してデバイスを前進させる力を測定することである。
【0130】
押し込み性を試験する1つの方法は、近位および遠位ロードセルを使用して、既知の力が近位端に加えられている際にデバイスの遠位先端が受ける力の量を測定することである。
【0131】
通過性を試験する方法には、近位ロードセルを使用して、機能を喪失することなく、または蛇行した解剖学的構造を損傷することなく、特定の病変部位を前進および後退するカテーテルデバイスの能力を測定することがある。さらに、ローラシステムは、デバイスが損傷なく耐えることができる最悪の病変を決定することができる。
【0132】
回転応答性を試験する1つの方法は、近位および遠位回転エンコーダを使用して、デバイスを比較的近位の位置で回転させ、デバイスが蛇行した解剖学的構造を通して導かれる間に遠位端を自由に保つことによって、デバイスを通して伝達される回転量を測定することによる。
【0133】
本明細書に開示および記載されるガイドカテーテル伸長部の特徴は、既存のカテーテルと比較して著しく改善された性能を提供する。本明細書に記載の特徴を組み込んだ遠位組立体は、その実質的な長さに沿って約0.03N/mm~約0.10N/mmの平均剛性を提供することができ、これは、既存の従来技術のデバイスと比較して改善された能力を提供する。本明細書に記載の様々な仕様(例えば、断続的なライナ結合、チューブフレーム1005の切込みパターン、壁厚、および他の特徴)の組合せから生じる、ガイドカテーテル伸長部全体の予想外の改善された能力は、他のデバイスが通過することができない狭い湾曲を通過する伸長カテーテル1000の能力によって示される。さらに、チューブフレーム内の切込みパターンは、従来技術の従来の編組またはコイル強化カテーテルと比較して、改善された柔軟性を提供するのと同時に、改善されたルーメン完全性(例えば、大幅な屈曲、および蛇行した解剖学的構造の移動中にルーメン直径を維持する能力)を提供する。
【0134】
例えば、図37は、ガイドワイヤGWを介して、半径が左から右に減少する同一の曲線状経路を通して押し込まれている3つの異なる従来技術のデバイス(「PA1」、「PA2」、「PA3」)の写真である。従来技術のデバイスのそれぞれが停止し、軸方向の負荷の下で(すなわち、キンク、変形またはその他のために)経路をそれ以上進まない停止点SPは、円で囲まれている。比較すると、ガイドカテーテル伸長部の例は、ガイドワイヤを介して、同じ曲線状経路を通して押し込まれて、従来技術のデバイスよりもはるかに小さい半径(約2.54mmという小さな半径)で、キンクまたは材料変形を伴わず停止点SPに首尾よく到達した。これは、ガイドカテーテル伸長部が、既存のデバイスよりも小さく、大きく蛇行した解剖学的構造および血管系を通過し、それによって、治療選択肢および位置のさらに広範囲な適用を可能にする能力を示している。
【0135】
チューブフレームのセクションの可変柔軟性はまた、側枝アクセスが必要とされるか、中枢神経系などで蛇行した血管系に遭遇する外科的処置を容易にする。基体チューブの材料の機械的性質、チューブの寸法(OD/ID)、壁厚、チューブに沿った切込みパターンから生じる切込みチューブの機械的性質(材料組成、UTS、伸び率、弾性率)からの多種多様な組合せと、材料と機械的性質との他の組合せ(UTS、切込みピッチ角、切込み幅、螺旋状切込み円弧長、および次の螺旋状円弧切込みとの間の非切込み螺旋状間隔を定義する式)とを使用する能力を考慮すると、これらはいずれも、設計者が、切込みチューブの走行長にわたって規定された様々な機械的性質を調整することを可能にする。剛性、柔軟性、および形状記憶性の使用などの結果として得られるそのような性質は、予め設定された曲線形状を画定し、プログラム可能かつ変更可能である。
【0136】
さらに、そのような誘導された形状記憶形態は、チューブの形状設定部分を直線状の同心同軸構成に戻るように配向させるために、遠位管状セグメントの切込みおよび形状処理部分に沿って抵抗負荷力を介して真っ直ぐにするか縮小し、維持するのにさらに大きな力を必要とし、これにより、カテーテルを血管標的まで前進させることが可能になる。
【0137】
チューブの多種多様な構造的形状の組合せを作り出すために一緒に組み合わされたそのような変数。これらの構造的形状は、曲線形状のバネ定数を超える機械的変形特性を示すワイヤ追従、例えばガイドワイヤを介してチューブを前進させることによって、容易に一時的に直列に縮小させることができる。この一時的な変形は、ガイドワイヤを介して、血管の解剖学的構造を通してカテーテル(チューブ)を前進させることを可能にする。簡単に言えば、成形曲線部分のバネ定数は、それが追従しているワイヤセグメントのバネ定数よりも小さい。保持ガイドワイヤセグメントのバネ定数が、設定された曲線形状のバネ定数よりも小さくなると、追加の他の外力または血管の閉じ込めによる影響を受けない限り、切込み形状のチューブセグメントはその所定の形状に戻る。
【0138】
そのような方法は、アクセスが最小限であるか困難な末梢、心血管および神経(例えば、中枢神経系)を含む解剖学的領域内で、無数の様々な症状および/または疾患にアクセスし、それを治療するために行われ得る。例えば、大動脈弓、肝動脈構成、胃動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、腎動脈、大腿動脈および腋窩動脈では、血管の複雑な解剖学的多様性がよく見られる。Kahn et al.Complex arterial patterning in an anatomical donor.Translational Research in Anatomy.12:11-19(2018)。特定の血管系の解剖学的構造は、特に侵襲的診断および外科的処置の間、直接的な臨床的関連性を有する。血管部位の解剖学的構造が大幅に異なる可能性があるだけでなく、手技では、ワイヤ、バルーンおよびガイドカテーテルなどの複数のデバイスの使用が必要になる場合がある。本明細書に開示されるデバイスなどのガイドカテーテル伸長デバイスは、そのような解剖学的構造への複数の介入的デバイスの改善された送達を提供することができる。
【0139】
使用の一例では、ガイドカテーテル伸長部1000を使用して、典型的なガイドカテーテルの到達範囲を補足および拡大して、最終的に解剖学的位置に到達し、および/またはそれを治療し得る。例えば、図38~cに示すように、典型的なガイドカテーテルGC1201は、ガイドワイヤGW3001を介して、大動脈弓を通って、治療のための狭窄病変を有し得る冠動脈の小孔に通され得る。ガイドカテーテルGC1201の遠位端が冠動脈の小孔に配置されると、ガイドカテーテル伸長部1000は、ガイドカテーテルGC1201の内部を通過し、さらに深く冠動脈内までガイドカテーテルGC1201の遠位端を遠位に伸長させる。
【0140】
次いで、ガイドワイヤGW3001が、狭窄病変または他の閉塞を越えて押し込まれ得る。場合によっては、ガイドワイヤGW3001に力を加えると、硬い狭窄病変または閉塞性病変の場合、ガイドカテーテルGC1201が冠動脈の小孔から脱落する可能性がある。しかし、ガイドカテーテルGC1201と小孔に挿入された伸長しているガイドカテーテル伸長部1000との組合せは、デバイスの遠位固定を改善し、また、外部ガイドカテーテルGC1201単独よりも堅い補助支援を提供し、それにより、ガイドワイヤGW3001が病変を貫通する際の脱落に抵抗し、さらに、補助支援を改善して、ステントまたはバルーンを含み得る後続の治療用カテーテルの位置決めを支援する。
【0141】
狭窄病変または閉塞性病変を越えてガイドワイヤGW3001を押し込むと、ステント、バルーンおよび/または他の治療用または診断用構成要素を含む治療用カテーテル(図示せず)をガイドワイヤに沿って通過させて病変を治療することができる。
【0142】
そのような方法は、アクセスが最小限であるか困難な解剖学的領域内で無数の様々な症状および/または疾患にアクセスし、それを治療するために行われ得る。例えば、大動脈弓、肝動脈構成、胃動脈、腹腔動脈、上腸間膜動脈、腎動脈、大腿動脈および腋窩動脈では、血管の複雑な解剖学的多様性がよく見られる。Kahn et al.Complex arterial patterning in an anatomical donor.Translational Research in Anatomy.12:11-19(2018)。特定の血管系の解剖学的構造は、特に侵襲的診断および外科的処置の間、直接的な臨床的関連性を有する。血管部位の解剖学的構造が大幅に異なる可能性があるだけでなく、手技では、ワイヤ、バルーンおよびガイドカテーテルなどの複数のデバイスの使用が必要になる場合がある。本明細書に開示されるデバイスなどのガイドカテーテル伸長デバイスは、そのような解剖学的構造への複数の介入的デバイスの改善された送達を提供することができる。
【0143】
本開示の範囲は、上記に具体的に示され記載されたものによって限定されない。当業者であれば、構成、構造および寸法ならびに材料の図示された例に対する好適な代替物があることを認識するであろう。さらに、本明細書に記載の特定の実施形態または図は、他の図または実施形態に明示的に示されていない特徴を示し得るが、本明細書に開示された例の特徴および構成要素は、必ずしも互いに排他的ではなく、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な異なる組合せまたは構成に含まれ得ることを理解されたい。本出願における任意の参考文献の引用および考察は、単に本開示の説明を明確にするために提供されており、いかなる参考文献も本明細書に記載の本開示に対する先行技術であることを承認するものではない。本明細書において引用され考察された参考文献はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示の特定の実施形態を示し説明してきたが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく変更および修正を加えることができることが当業者には明らかであろう。前述の説明および添付の図面に記載された事項は、例示としてのみ提供され、限定としては提供されない。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図23A
図23B
図23C
図24
図25A
図25B
図25C
図26A
図26B
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図29A
図29B
図29C
図29D
図30
図31
図32
図33A
図33B
図33C
図33D
図34
図35
図36A
図36B
図36C
図36D
図37
図38A
図38B
図38C