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特許7335374PD-1に特異的に結合する抗体及びその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】PD-1に特異的に結合する抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230822BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230822BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230822BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230822BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230822BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230822BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230822BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230822BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230822BHJP
   C07K 16/42 20060101ALI20230822BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230822BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20230822BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/28 ZNA
C07K16/46
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
C07K16/42
A61K39/395 N
A61K45/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P35/04
A61P37/04
A61P31/12
A61P43/00 121
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022022000
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2018543006の分割
【原出願日】2016-11-01
(65)【公開番号】P2022078101
(43)【公開日】2022-05-24
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】62/250,095
(32)【優先日】2015-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヴェロナ,ラルカ
(72)【発明者】
【氏名】パワーズ,ゴードン
(72)【発明者】
【氏名】サビンス,ニーナ チ
(72)【発明者】
【氏名】デンジェリス,ニッキ エー.
(72)【発明者】
【氏名】サントゥリ-マロット,サンドラ
(72)【発明者】
【氏名】ウィハーゲン,カーラ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ウー,シェン-ジュン
(72)【発明者】
【氏名】フェランテ,カトリーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ウバニ,エンリケ ズデール
【審査官】太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-503984(JP,A)
【文献】国際公開第2014/179664(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 16/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腫瘍細胞の成長を阻害する方法で用いるための、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分を含む組成物であって、
前記抗体又はその抗原結合部分は、それぞれ配列番号10、14及び17の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号23、26及び32の軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3と、を含む、組成物。
【請求項2】
サンプル中のPD-1を検出する方法で用いるための、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分を含む組成物であって、
前記抗体又はその抗原結合部分は、それぞれ配列番号10、14及び17の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号23、26及び32の軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3と、を含む、組成物。
【請求項3】
癌のin vivoの診断方法で用いるための、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分を含む組成物であって、
前記抗体又はその抗原結合部分は、それぞれ配列番号10、14及び17の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号23、26及び32の軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3と、を含む、組成物。
【請求項4】
癌を診断する方法で用いるための、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分を含む組成物であって、
前記抗体又はその抗原結合部分は、それぞれ配列番号10、14及び17の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号23、26及び32の軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3と、を含む、組成物。
【請求項5】
前記抗体又はその抗原結合部分が、配列番号48の重鎖可変領域(VH)及び配列番号56の軽鎖可変領域(VL)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記抗体がヒト又はヒト化である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗体が、
a)IgG1アイソタイプ、
a’)Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を含む、IgG1アイソタイプ、
b)IgG2アイソタイプ、
b’)Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を含む、IgG2アイソタイプ、
c)IgG3アイソタイプ、
c’)Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を含む、IgG3アイソタイプ、
d)IgG4アイソタイプ、
d’)Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を含む、IgG4アイソタイプ、
e)L234A、L235A、G237A、P238S、H268A、A330S及びP331S置換を含む、IgG1アイソタイプ、
f)V234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2アイソタイプ、
g)F234A、L235A、G237A、P238S及びQ268A置換を含む、IgG4アイソタイプ、
h)L234A、L235A又はL234A及びL235A置換を含む、IgG1アイソタイプ、
i)F234A、L235A又はF234A及びL235A置換を含む、IgG4アイソタイプ、
j)V234A置換を含む、IgG2アイソタイプ、
k)S228P置換を含む、IgG4アイソタイプ、又は
l)S228P、F234A及びL235A置換を含む、IgG4アイソタイプであり、残基付番がEUインデックスに準拠する、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗体又はその抗原結合部分が、配列番号72の重鎖(HC)及び配列番号73の軽鎖(LC)を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗体が、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、LAG-3(配列番号293)、TIM-3(配列番号138)、CEACAM-1(配列番号296)、CEACAM-5(配列番号307)、OX-40(配列番号279)、GITR(配列番号271)、CD27(配列番号280)、VISTA(配列番号286)、CD137(配列番号281)、TIGIT(配列番号301)又はCTLA-4(配列番号292)に結合する二重特異性抗体である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、第2の治療薬/第2の治療と併用して投与される、請求項1および5~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記第2の治療薬/第2の治療が、
a)ゲムシタビン、
b)固形腫瘍又は血液悪性疾患を治療するための標準治療薬、
c)T細胞活性化分子のアゴニスト、
d)CD86(配列番号264)、CD80(配列番号265)、CD28(配列番号266)、ICOS(配列番号267)、ICOSリガンド(配列番号268)、TMIGD2(配列番号269)、CD40(配列番号270)、GITR(配列番号271)、4-1BBリガンド(配列番号271)、OX40リガンド(配列番号272)、CD70(配列番号274)、CD40L(配列番号275)、TNFRSF25(配列番号264)、LIGHT(配列番号277)、GITRリガンド(配列番号278)、OX-40(配列番号279)、CD27(配列番号280)、CD137(配列番号281)、NKG2D(配列番号282)、CD48(配列番号283)、CD226(配列番号284)、又はMICA(配列番号285)のアゴニスト、
e)T細胞阻害性分子の阻害剤、
f)PD-1(配列番号1)、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、VISTA(配列番号286)、BTNL2(配列番号287)、B7-H3(配列番号288)、B7-H4(配列番号289)、HVEM(配列番号290)、HHLA2(配列番号291)、CTLA-4(配列番号292)、LAG-3(配列番号293)、TIM-3(配列番号138)、BTLA(配列番号294)、CD160(配列番号295)、CEACAM-1(配列番号296)、LAIR1(配列番号297)、TGFβ(配列番号298)、IL-10(配列番号299)、CD96(配列番号300)、TIGIT(配列番号301)、NKG2A(配列番号302)、CD112(配列番号303)、CD47(配列番号304)、SIRPA(配列番号305)又はCD244(配列番号306)の阻害剤、
g)TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
h)
i)それぞれ、配列番号145及び155、
ii)それぞれ、配列番号146及び156、
iii)それぞれ、配列番号148及び157、
iv)それぞれ、配列番号147及び155、
v)それぞれ、配列番号149及び158、
vi)それぞれ、配列番号150及び159、
vii)それぞれ、配列番号151及び160、
viii)それぞれ、配列番号152及び161、
ix)それぞれ、配列番号153及び162、
x)それぞれ、配列番号154及び163、又は
xi)それぞれ、配列番号172及び173、のVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
i)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤、
j)ワクチン、
k)GITRに特異的に結合するアゴニスト抗体、
l)OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
m)それぞれ配列番号309及び310のVH及びVLを含む、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
n)それぞれ配列番号311及び312のVH及びVLを含む、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
o)CD137に特異的に結合するアゴニスト抗体、
p)放射線療法、又は
q)手術
である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、前記第2の治療薬/第2の治療と同時に、順次、又は別々に投与される、請求項10又は11に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(配列表)
本出願は、EFS-Webから提出した配列表を含み、その配列表の全体を参照により
本明細書に援用するものである。2016年10月28日に作成されたASCIIテキス
トファイルは、ファイル名がJBI5071WOPCT_ST25.txtであり、サイ
ズが418キロバイトである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、PD-1に特異的に結合する抗体、かかる抗体又は断片をコードしているポ
リヌクレオチド、並びに前述のものを作製及び使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫系は、共刺激性かつ共抑制性のリガンド及び受容体のネットワークによって厳重に
管理されている。これらの分子は、T細胞活性化に対する二次シグナルを出し、正及び負
のシグナルのバランスが取れているネットワークをもたらして、感染及び腫瘍に対する免
疫応答を最大化する一方で、自己に対する免疫性を制限する(Wang et al.,
(Epub Mar.7,2011)J Exp Med 208(3):577~92
、Lepenies et al.,(2008)Endocr Metab Immu
ne Disord Drug Targets 8:279~288)。
【0004】
免疫チェックポイント療法は、抗腫瘍性免疫応答を促進するT細胞中の共抑制経路を標
的としており、癌患者の臨床ケアの進歩につながっている。
【0005】
PD-1は、腫瘍微小環境(TME)中でCD4及びCD8T細胞の機能を抑制す
る、負の免疫チェックポイント分子である。PD-1がそのリガンド(PD-L1及びP
D-L2)と結合すると、T細胞受容体シグナル伝達の下流にある複数の経路を阻害する
ことによって、腫瘍中でT細胞アネルギーと消耗が引き起こされ、その結果、T細胞の生
存、成長及び増殖の低下、エフェクター機能の不全化、並びに、代謝の変化につながる。
前臨床試験では、PD-1経路の阻害が、T細胞の消耗を回復させ、抗腫瘍免疫を刺激で
きることが示されている。
【0006】
したがって、PD-1経路は、(TME)中におけるT細胞機能の下方制御、及び、免
疫破壊による腫瘍の回避に寄与している。TMEでは、T細胞の消耗によって、高レベル
のPD-1発現に加え、CTLA-4、TIM-3、LAG-3、CD244、TIGI
T及びCD160などの他の抑制性受容体が発現される(例えば、Pauken & W
herry;2015,Trends in Immunology 36(4):26
5~276参照)。
【0007】
TIM-3は、Th1(Tヘルパー1)CD4細胞及びIFN-γを分泌する細胞傷
害性CD8T細胞上に発現する、膜貫通受容体である。TIM-3は、一般に、ナイー
ブT細胞ではなく、活性化によって上方制御されたエフェクターT細胞に発現する。TI
M-3は、in vivoでの免疫及び寛容の制御に関与している(Hastings
et al.,(2009)Eur J Immunol 39(9):2492~50
1参照)。
【0008】
PD-1抗体は、例えば、米国特許第5,897,862号、及び同第7,488,8
02号、並びに、国際公開第2004/004771号、同第2004/056875号
、同第2006/121168号、同第2008/156712号、同第2010/02
9435号、同第2010/036959号、同第2011/110604号、同第20
12/145493号、同第2014/194302号、同第2014/206107号
、同第2015/036394号、同第2015/035606号、同第2015/08
5847号、同第2015/112900号、及び同第2015/112805号に記載
されている。
【0009】
TIM-3抗体は、例えば、Monney et al.,Nature(2002)
415(6871):536~41、並びに、国際公開第2011/155607号、同
第2013/006490号、及び同第2015/117002号に記載されている。
【0010】
TIM-3抗体及びPD-L1抗体の組み合わせは、例えば、国際公開第2011/1
59877号で評価されている。
【0011】
抗PD-1/PD-L1抗体は、複数の固形腫瘍を有する患者における良好な臨床反応
が明らかになっているが、その奏効率は依然として相当低く、予め治療を受けた患者にお
いて約15%~20%である(Swaika et al.,(2015)Mol Im
munol doi:10.1016/j.molimm.2015.02.009)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、癌免疫療法、及び免疫応答増強の恩恵を受ける別の状態、例えば慢性感染
の治療に使用される、PD-1及びTIM-3などのチェックポイント阻害剤の免疫抑制
活性を阻害する、新たな治療法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、それぞれ配列番号82、83及び84、又はそれぞれ配列番号82、83及
び85の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含む、P
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体を提供する。
【0014】
本発明は、それぞれ配列番号82、83及び84の重鎖相補性決定領域1(HCDR1
)、HCDR2、及びHCDR3、並びに、それぞれ配列番号86、87及び88の軽鎖
相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、PD-1に特異
的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体も提供する。
【0015】
本発明は、それぞれ配列番号82、83及び85の重鎖相補性決定領域1(HCDR1
)、HCDR2、及びHCDR3、並びに、それぞれ配列番号86、87及び88の軽鎖
相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2、及びLCDR3を含む、PD-1に特異
的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体も提供する。
【0016】
本発明は、本明細書に記載される特定のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCD
R1、LCDR2及びLCDR3のアミノ酸配列を含む、PD-1に特異的に結合する単
離されたアンタゴニスト抗体も提供する。
【0017】
本発明は、本明細書に記載される特定のVH及びVLのアミノ酸配列を含む、PD-1
に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体も提供する。
【0018】
本発明は、治療薬又は造影剤に結合させた本発明の抗体又はその抗原結合部分を含む、
免疫複合体も提供する。
【0019】
本発明は、本発明の抗体と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物も提供す
る。
【0020】
本発明は、本発明の抗体VH、抗体VL、又は抗体VHと抗体VLとをコードしている
ポリヌクレオチドも提供する。
【0021】
本発明は、本発明の抗体VH、抗体VL、又は抗体VHとVLとをコードしているポリ
ヌクレオチドを含む、ベクターも提供する。
【0022】
本発明は、本発明のベクターを含む宿主細胞も提供する。
【0023】
本発明は、抗体が発現される条件下で本発明の宿主細胞を培養することと、かかる宿主
細胞より産生された抗体を回収することと、を含む、本発明の抗体の産生方法も提供する
【0024】
本発明は、治療有効量の本発明の単離された抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって
、治療を必要とする対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供する。
【0025】
本発明は、治療有効量の本発明の単離された抗体を、免疫応答の増強に十分な期間にわ
たって、増強を必要とする対象に投与することを含む、対象における免疫応答の増強方法
も提供する。
【0026】
本発明は、本発明の抗体に結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【0027】
本発明は、本発明の抗体を含むキットも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1A】抗PD-1抗体による治療後、TIM-3の細胞表面発現が腫瘍中で増加していることを示す。CT26結腸癌腫瘍を成立させたBalb/cマウスを、2週間毎に抗PD-1抗体又は溶媒で処理した。腫瘍を22日目に回収し、TIM-3発現を、フローサイトメトリーを用いて腫瘍浸潤T細胞において評価した。MFI:平均蛍光強度。PBS:対照
図1B】抗PD-1抗体による治療後、TIM-3の細胞表面発現が腫瘍浸潤リンパ球(TIL)上で増加していることを示す。MC38結腸癌腫瘍を成立させたBalb/cマウスを、2週間毎に抗PD-1抗体又は溶媒で処理した。溶媒処理(PBS)又は抗PD-1抗体処理(PD-1)動物における、総CD8 TIL集団上のTIM-3発現の幾何平均蛍光強度(gMFI)を示す。p=0.003、溶媒対抗PD-1抗体処理群。
図1C】溶媒(PBS)又は抗PD-1抗体(PD-1)で処理したマウスから回収した、MC38腫瘍におけるTIM-3 CD8細胞の総CD8 TILに対する相対頻度を示す。p=0.045、溶媒対抗PD-1抗体処理群。
図2A】CD137の細胞表面発現(gMFI)が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中のTIL上で増加していることを示す。p=0.005、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図2B】CD137 CD8細胞の総CD8+ TILに対する相対頻度が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中で増加していることを示す。p=0.0475、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図3A】OX40の細胞表面発現(gMFI)が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中のTIL上で増加していることを示す。p=0.0013、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図3B】OX40 CD8細胞の総CD8 TILに対する相対頻度が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中で増加していることを示す。p=0.03、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図4A】GITRの細胞表面発現(gMFI)が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中のTIL上で増加していることを示す。p=0.0004、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図4B】GITR CD8細胞の総CD8 TILに対する相対頻度が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗PD-1抗体(PD-1群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中で増加していることを示す。p=0.0015、溶媒対抗PD-1抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図5】抗PD-1抗体処理後に抗TIM-3抗体で処理すると、抗原特異的免疫応答が更に誘導されることを示す。CMV陽性ドナー由来のPBMCを用いて、抗体をCMVアッセイで検査し、このとき抗原特異的免疫応答はpp65ペプチドプールで誘導した。細胞を、抗PD-1抗体であるPD1B244で5日間処理し、抗TIM-3抗体であるTM3B105で24時間処理して再刺激した。免疫応答は、IFN-γ分泌の増加を測定することによって判定した。IgG2s Iso:IgG2シグマアイソタイプ対照。CMV:抗体の非存在下でサイトメガロウイルスのp65ペプチドで処理したサンプル。
図6】選択した抗PD-1抗体のHCDR1配列及びHCDR1属配列を示す。
図7】選択した抗PD-1抗体のHCDR2配列及びHCDR2属配列を示す。
図8】選択した抗PD-1抗体のHCDR3配列及び第1のHCDR3属配列を示す。
図9】選択した抗PD-1抗体のHCDR3配列及び第2のHCDR3属配列を示す。
図10】選択した抗PD-1抗体のLCDR1配列及びLCDR1属配列を示す。
図11】選択した抗PD-1抗体のLCDR2配列及びLCDR2属配列を示す。
図12】選択した抗PD-1抗体のLCDR3配列及びLCDR3属配列を示す。
図13】選択した抗TIM-3抗体のHCDR1配列及びHCDR1属配列を示す。属配列は、MOE(CCG、Montreal)で、抗体モデリングにおける標準的プロトコルを用いて全てのFv(VH/VL対)に対する分子モデルを作成することによって決定した。異なる長さを有するCDRについては、これらの構造モデルを構造的に保存された領域に基づいて整列させ、構造的に同等のCDR位置を同定した。
図14】選択した抗TIM-3抗体のHCDR2配列及びHCDR2属配列を示す。HCDR2属配列は、図10に記載されるように作成した。
図15】選択した抗TIM-3抗体のHCDR3配列及び第1のHCDR3属配列を示す。HCDR3属配列は、図10に記載されるように作成した。
図16】選択した抗TIM-3抗体のLCDR1配列及びLCDR1属配列を示す。LCDR1属配列は、図10に記載されるように作成した。
図17】選択した抗TIM-3抗体のLCDR2配列及びLCDR2属配列を示す。LCDR2属配列は、図10に記載されるように作成した。
図18】選択した抗TIM-3抗体のLCDR3配列及びLCDR3属配列を示す。LCDR3属配列は、図10に記載されるように作成した。
図19A】TIGIT細胞表面発現(gMFI)が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗TIM-3抗体(TIM-3群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中のTIL上で増加していることを示す。p=0.0181、溶媒対抗TIM-3抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図19B】TIGIT+CD8細胞の総CD8+TILに対する相対頻度が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗TIM-3抗体(TIM-3群)で処理した動物のMC38結腸癌腫瘍中で増加していることを示す。p=0.0475、溶媒対抗TIM-3抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図20A】TIGIT細胞表面発現(gMFI)が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗TIM-3抗体(TIM-3群)で処理した動物のCT26結腸癌腫瘍中のTIL上で増加していることを示す。p<0.001溶媒対抗TIM-3抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図20B】TIGIT+CD8細胞の総CD8+TILに対する相対頻度が、溶媒処理(PBS)群と比較して、抗TIM-3抗体(TIM-3群)で処理した動物のCT26結腸癌腫瘍中で増加していることを示す。p=0.0105、溶媒対抗TIM-3抗体処理群。各ポイントは、1例のマウスを表す。データは、少なくとも2回の独立した実験を代表するものである。
図21】抗PD-1又は抗TIM-3機能阻害抗体の存在下又は非存在下における、黒色腫抗原ペプチドプール(NY-ESO、gp100、MART-1)で刺激した治療未経験の黒色腫患者由来の、黒色腫患者PBMC中末梢T細胞上のTIM-3発現の上方制御を示す。TIM-3の発現は、6日目に再刺激した細胞において、フローサイトメトリーによって判定した。
図22A】TM3B403処理により、IL-2で刺激したヒトPBMC中の活性化NK細胞の発生頻度が増加していることを示す。IgG2s:アイソタイプ対照。NK細胞の活性化は、刺激されたPBMC中のCD69発現細胞の割合(%)として評価した。
図22B】TM3B403処理により、IL-2で刺激したヒトPBMC中の活性化NK細胞の発生頻度が増加していることを示す。IgG2s:アイソタイプ対照。NK細胞の活性化は、刺激されたPBMC中のCD25発現細胞の割合(%)として評価した。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書に引用される特許及び特許出願を含む(ただしそれらに限定されない)全ての
刊行物は、参照によりそれらの全体が記載されているのと同様に、本明細書に援用される
【0030】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載する目的でのみ使用され、限定を
意図するものではないと理解すべきである。特に断らない限り、本明細書において使用さ
れる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一
般的に理解されているものと同じ意味を有する。
【0031】
本明細書に記載されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料を、本発明の試験
を実施するために使用できるが、例示となる材料及び方法を本明細書に記載する。本発明
を説明及び特許請求する上で以下の用語が用いられる。
【0032】
本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用されるとき、単数形「a」、「a
n」及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象
を包含する。したがって、例えば、「細胞(a cell)」という言及には、2つ以上の細胞
の組み合わせ、及びこれに類するものなどを含む。
【0033】
「特異的結合」又は「特異的に結合する」又は「結合する」とは、他の抗原よりも高い
親和性で抗原又は抗原内のエピトープに結合する抗体を指す。典型的には、抗体は、平衡
解離定数(K)が約1×10-8M以下、例えば約1×10-9M以下、約1×10
10M以下、約1×10-11M以下、又は約1×10-12M以下で抗原又は抗原内の
エピトープに結合すし、典型的にはこのKは、非特異性抗原(例えば、BSA、カゼイ
ン)への結合に対するKよりも少なくとも100倍小さい。解離定数は標準的手法を用
いて測定することができる。しかし、抗原又は抗原内部のエピトープと特異的に結合する
抗体は、他の関連抗原、例えばヒト又はサル、例えばカニクイザル(Macaca fasciculari
s)又はチンパンジー(Pan troglodytes)、又はコモンマーモセット(Callithrix jacch
us)などの他の種由来の同様の抗原(ホモログ)に対して交差反応性を有する可能性があ
る。単一特異性の抗体は、1つの抗原又は1つのエピトープに特異的に結合するのに対し
、二重特異性抗体は、2つの異なるエピトープに特異的に結合する。
【0034】
「抗体」は、広義が意図され、マウス、ヒト、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗体
を含むモノクローナル抗体、抗体結合断片、二重特異性抗体又は多重特異性抗体、二量体
、四量体、又は多量体の抗体、一本鎖抗体、ドメイン抗体、及び必要とされる特異性の抗
原結合部位を含む免疫グロブリン分子のいずれの他の修飾された構成も含む、免疫グロブ
リン分子を含む。「完全長抗体」は、複数のジスルフィド結合により分子間が連結されて
いる2本の重(H)鎖及び2本の軽(L)鎖、並びにそれらの多量体(例えば、IgM)
から構成される。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域(ドメインCH1、
ヒンジCH2、及びCH3からなる)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)
及び軽鎖定常領域(CL)から構成される。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領
域(FR)が散在しており相補性決定領域(CDR)と呼称される超可変領域位に更に分
類され得る。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって次の順:FR
1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、そしてFR4、と並ぶ3つのCD
Rと4つのFR断片とからなる。
【0035】
「相補性決定領域(CDR)」は、抗体における「抗原結合部位」である。CDRは、
様々な用語を用いて定義され得る。(i)VH内に3つ(HCDR1、HCDR2、HC
DR3)及びVL内に3つ(LCDR1、LCDR2、LCDR3)存在する配列多様性
に基づく相補性決定領域(CDR)(Wu and Kabat,(1970)J Ex
p Med 132:211~50;Kabat et al.,Sequences
of Proteins of Immunological Interest,5t
h Ed.Public Health Service,National Inst
itutes of Health,Bethesda,Md.,1991)。(ii)
VH内に3つ(H1、H2、H3)及びVL内に3つ(L1、L2、L3)ある、「超可
変領域」、「HVR」、又は「HV」は、Chothia and Lesk(Chot
hia and Lesk,(1987)Mol Biol 196:901~17)に
より定義される構造において超可変性である抗体可変ドメインの領域を指す。Inter
national ImMunoGeneTics(IMGT)データベース(http
://www_imgt_org)は、抗原結合部位についての標準化付番及び定義を提
供する。CDR、HV、及びIMGTの表記間の対応関係については、Lefrance
t al.,(2003)Dev Comparat Immunol 27:55~7
7に記載されている。本明細書で使用するとき、用語「CDR」、「HCDR1」、「H
CDR2」、「HCDR3」、「LCDR1」、「LCDR2」及び「LCDR3」は、
本明細書において別途記載のない限り、上掲のKabat、Chothia、又はIMG
Tにより記載される方法のいずれかにより定義されるCDRを含む。
【0036】
免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて、5つの主要なクラス、
すなわちIgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及び
IgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIg
G4へと更に細分類される。どのような脊椎動物種の抗体軽鎖も、その定常ドメインのア
ミノ酸配列に基づいて、2つの明確に異なるタイプ、すなわち、カッパ(κ)及びラムダ
(λ)のうちの一方に割り当てることができる。
【0037】
「抗体断片」又は「抗原結合部分」は、親である完全長抗体の抗原結合能を保持してい
る、免疫グロブリン分子の部分を指す。代表的な抗原結合部分は、重鎖相補性決定領域(
HCDR)1、2及び3、軽鎖相補性決定領域(LCDR)1、2及び3、重鎖可変領域
(VH)、軽鎖可変領域(VL)、Fab、F(ab’)2、Fd及びFv断片、並びに
、VH又はVLドメインのどちらか一方からなるドメイン抗体(dAb)である。VHド
メイン及びVLドメインは、合成リンカーを介して1つに連結されることにより様々な種
類の一本鎖抗体の設計を形成可能であり、ここでVH/VLドメインは、分子内で対形成
するか、又はVHドメイン及びVLドメインが別々の一本鎖抗体構築物によって発現され
る場合には分子間で対形成して、一本鎖Fv(scFv)などの一価の抗原結合部位又は
二重特異性抗体を形成する。これらは、例えば、国際公開第1998/44001号、同
第1988/01649号、同第1994/13804号、及び同第1992/0104
7号に記載されている。
【0038】
「モノクローナル抗体」は、抗体重鎖からのC末端リシンの除去などの潜在的なよく知
られた代替物を除き、それぞれの重鎖及びそれぞれの軽鎖において単一のアミノ酸組成を
有する抗体集団を指す。モノクローナル抗体は、2つ以上の異なる抗原又はエピトープに
結合する多重特異性のモノクローナル抗体以外は、典型的には1つの抗原エピトープに結
合する。二重特異性モノクローナル抗体は、2つの異なる抗原エピトープに結合する。モ
ノクローナル抗体は、抗体集団内に不均一なグリコシル化を有し得る。モノクローナル抗
体は、単一特異性若しくは多重特異性、又は一価、二価、若しくは多価であり得る。二重
特異性抗体又は三重特異性抗体などの多重特異性抗体は、用語、モノクローナル抗体中に
含まれる。
【0039】
「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体又
は抗体断片を指す(例えば、PD-1に特異的に結合する単離された抗体は、PD-1以
外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。TIM-3に特異的に結合する
単離された抗体は、TIM-3以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない。
二重特異性PD-1/TIM-3抗体の場合、二重特異性抗体は、PD-1及びTIM-
3の両方に特異的に結合し、PD-1及びTIM-3以外の抗原に特異的に結合する抗体
を実質的に含まない。「単離された抗体」は、純度80%、81%、82%、83%、8
4%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、9
4%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%などといった高純度に単
離された抗体を包含する。
【0040】
「ヒト化抗体」は、少なくとも1つのCDRが非ヒト種由来であり、かつ、可変領域フ
レームワークがヒト免疫グロブリン配列由来である、抗体を指す。ヒト化抗体はフレーム
ワーク領域内に意図的に導入された変異を含む場合があることから、かかるフレームワー
クは、発現したヒト免疫グロブリン又は生殖細胞系列遺伝子配列の完全な複製物でなくて
もよい。
【0041】
「ヒト抗体」は、フレームワーク及び6つ全てのCDRの両方がヒト起源の配列に由来
する重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する抗体を指す。抗体が定常領域又は定常領域の
一部を含む場合、定常領域もヒト起源の配列に由来する。
【0042】
ヒト抗体は、抗体の可変領域がヒト生殖系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グロ
ブリン遺伝子を使用する系から得られた場合のヒト起源の配列に「由来する」重鎖可変領
域又は軽鎖可変領域を含む。そのような系の代表的なものには、ファージ上に提示された
ヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリ、及び本明細書に記載されるヒト免疫グロブリン遺
伝子座を保有するマウス又はラットなどといったヒト以外の遺伝子導入動物を含む。「ヒ
ト抗体」は、例えば天然に存在する体細胞突然変異、又はフレームワーク若しくは抗原結
合部位内への意図的な置換の導入、又はその両方により、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリ
ン又は再編成された免疫グロブリン遺伝子と比較したとき、アミノ酸の相違を含み得る。
典型的には、「ヒト抗体」は、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン又は再編成された免疫グ
ロブリン遺伝子によってコードされるアミノ酸配列と、アミノ酸配列において少なくとも
約80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%
、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%
又は100%同一である。一部の場合では、「ヒト抗体」は、例えばKnappik e
t al.,(2000)J Mol Biol 296:57~86に記載されるヒト
フレームワーク配列分析から得られたコンセンサスフレームワーク配列、又は例えばSh
i et al.,(2010)J MolBiol 397:385~96及び国際公
開第2009/085462号に記載される、ファージ上に提示されたヒト免疫グロブリ
ン遺伝子ライブラリに組み込まれた合成HCDR3を含有し得る。
【0043】
ヒト免疫グロブリン配列に由来するヒト抗体は、ファージディスプレイ組み込み合成C
DR及び/若しくは合成フレームワークなどの系を用いて作製され得るものであり、又は
in vitro変異導入により抗体特性を向上させることで、in vivoでのヒト
抗体生殖細胞系列レパートリーでは発現されない抗体を得ることもできる。
【0044】
「組み換え体」は、組換え法によって調製、発現、作製、又は単離される抗体及びその
他のタンパク質を指す。
【0045】
本明細書で使用するところの「エピトープ」とは、抗体が特異的に結合する抗原の部分
を指す。エピトープは典型的には、アミノ酸又は多糖類側鎖のような部位の化学的に活性
な(極性、非極性又は疎水性など)表面基からなり、特定の三次元構造特性及び特定の電
荷特性を有し得る。エピトープは、立体配座の空間単位を形成する連続した及び/又は連
続していないアミノ酸からなり得る。非連続的なエピトープでは、抗原の直鎖配列の異な
る部分のアミノ酸が、タンパク質分子の折り畳みにより三次元空間で近接する。抗体「エ
ピトープ」は、エピトープの同定に用いた方法に依存する。
【0046】
「多重特異性」は、少なくとも2種の異なる抗原、又はその抗原内の2種の異なるエピ
トープ、例えば3種、4種、又は5種の異なる抗原又はエピトープに特異的に結合する抗
体を指す。
【0047】
「二重特異性」とは、2種の異なる抗原と特異的に結合する抗体、又は同じ抗原内の2
箇所の異なるエピトープと結合する抗体を指す。二重特異性抗体は、別の関連する抗原、
例えばヒト若しくはサル、例えばMacaca fascicularis(カニクイザ
ル、cyno)、Pan troglodytes(チンパンジー、chimp)若しく
はCallithrix jacchus(コモンマーモセット、marmoset)な
どの別の種由来の同じ抗原(ホモログ)に対して交差反応性を有する場合があり、又は、
2種以上の異なる抗原間で共有されるエピトープに結合する場合がある。
【0048】
「変異体」とは、例えば、置換、挿入、又は欠失のような1以上の改変において参照ポ
リペプチド又は参照ポリヌクレオチドと異なるポリペプチド又はポリヌクレオチドを指す
【0049】
「ベクター」は、生物システム内で複製可能な、又はこうした系間を移動することがで
きるポリヌクレオチドを指す。ベクターポリヌクレオチドは、典型的には、生物システム
内でこれらのポリヌクレオチドの複製又は維持を促進するように機能する複製起点、ポリ
アデニル化シグナル又は選択マーカーなどの要素を含んでいる。そのような生物システム
の例としては、細胞、ウイルス、動物、植物、及びベクターの複製を可能にする生物学的
要素を利用して再構成された生物システムを挙げることができる。ベクターを構成するポ
リヌクレオチドは、DNA若しくはRNA分子又はこれらのハイブリッド分子であっても
よい。
【0050】
「発現ベクター」は、発現ベクター中に存在するポリヌクレオチド配列によってコード
されるポリペプチドの翻訳を指示するために、生物システム又は再構成された生物システ
ムにおいて利用可能なベクターを指す。
【0051】
「ポリヌクレオチド」は、糖-リン酸骨格鎖又は他の同等の共有結合化学を介して共有
結合されたヌクレオチド鎖を含む合成分子を指す。cDNAは、ポリヌクレオチドの典型
例である。
【0052】
「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合により連結されてポリペプチド
を形成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を指す。50個未満のアミノ酸から
なる小分子ポリペプチドを「ペプチド」と呼称する場合もある。
【0053】
PD-1は、ヒトプログラム細胞死タンパク質1であるPD-1を指す。PD-1は、
CD279又はPDCD1としても知られている。成熟ヒトPD-1(シグナル配列を含
まない)のアミノ酸配列を、配列番号1に示す。配列番号1のうち、細胞外ドメインは残
基1~150に広がり、膜貫通ドメインは残基151~171に広がり、細胞質ドメイン
は残基172~268に広がる。本明細書全体を通して、「ヒトPD-1の細胞外ドメイ
ン、「huPD1-ECD」は、配列番号1の残基1~149のアミノ酸配列を有するタ
ンパク質を指し、配列番号2に示される。本明細書において「PD-1」は、そうではな
いことが明確に示されない限り、ヒト成熟PD-1を指す。
【0054】
TIM-3は、ヒトA型肝炎ウイルス細胞受容体2を指し、HAVCR2とも呼ばれる
。成熟ヒトTIM-3(シグナル配列を含まない)のアミノ酸配列を、配列番号138に
示す。配列番号138のうち、細胞外ドメインは残基1~181に広がり、膜貫通ドメイ
ンは残基182~202に広がり、細胞質ドメインは残基203~280に広がる。本明
細書全体を通して、「ヒトTIM-3の細胞外ドメイン、「huTIM-3-ECD」は
、配列番号138の残基1~179のアミノ酸配列を有するタンパク質を指し、配列番号
89に示される。本明細書において「TIM-3」は、そうではないことが明確に示され
ない限り、ヒト成熟TIM-3を指す。
【0055】
「~と併用して」は、2つ又は3つ以上の治療薬が、対象に混合物の状態で一緒に、そ
れぞれ単独の薬剤として同時に、又はそれぞれ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与
することを意味する。
【0056】
「過剰発現する」、「過剰発現した」及び「過剰発現している」は互換的に使用され、
参照サンプルと比較したとき、PD-1、TIM-3、PD-L1、PD-L2又はTI
M-3リガンドのレベルが測定可能に高いサンプル、例えば癌細胞、悪性細胞又は癌組織
を指す。過剰発現は、遺伝子増幅、又は転写若しくは翻訳の増大によって引き起こされ得
る。サンプル中のタンパク質の発現及び過剰発現は、例えば生細胞又は溶解した細胞でE
LISA、免疫蛍光法、フローサイトメトリー、又は放射免疫測定を用いた周知のアッセ
イを用いて測定することができる。サンプル中のポリヌクレオチドの発現及び過剰発現は
、例えば、蛍光in situハイブリダイゼーション、サザンブロッティング、又はP
CR方を用いて測定することができる。参照サンプルと比較し、サンプル中のタンパク質
又はポリヌクレオチドのレベルが少なくとも1.5倍高い、又は、統計学的に有意である
とき、タンパク質又はポリヌクレオチドは過剰発現している。参照サンプルの選択は既知
である。
【0057】
「サンプル」は、対象から単離された類似する液体、細胞、又は組織の集合体、並びに
、対象内に存在する液体、細胞、又は組織を指す。代表的なサンプルは、血液、血清及び
漿膜液、血漿、リンパ液、尿、唾液、嚢胞液、涙液、糞便、痰、分泌組織及び器官の粘膜
分泌物、膣分泌物、腹水、例えば、非固形腫瘍と関連するもの、胸膜、心膜、腹膜、腹部
及びその他体腔内の液、気管支洗浄によって回収された液、対象又は生物源と接触した液
体、例えば、細胞又は器官馴化培地、洗浄液などを含む細胞及び器官用培地、組織生検、
微小針吸引又は外科的に切除された腫瘍組織などの、体液である。
【0058】
「癌細胞」又は「腫瘍細胞」は、in vivo、ex vivo、又は組織培養のい
ずれかにおいて、自発的又は人為的な表現型の変化を有する癌性、前癌性、又は形質転換
細胞を指す。これらの変化は、新しい遺伝材料の取り込みを必ずしも伴わない。形質転換
は、形質転換ウイルスの感染及び新たなゲノム核酸の取り込み、外因性の核酸の取り込み
により発生し得るが、あるいは、自然に又は発癌物質に対する暴露後にも発生して、それ
によって内因性の遺伝子を変異させ得る。形質転換/癌は、in vitro、in v
ivo、及びex vivoにおける、形態学的変化、細胞の不死化、異常な増殖制御、
病巣の形成、増殖、悪性度、腫瘍特異的マーカーレベルの変化、浸潤性、ヌードマウスな
どの適した動物宿主における腫瘍の増殖などによって例示される(Freshney,C
ulture of Animal Cells:A Manual of Basic
Technique(3rd ed.1994))。
【0059】
「約」は、当業者によって判断されるとき、特定の値に対する許容可能な誤差範囲内で
あることを意味し、その値がどのように測定又は判定されたか、すなわち、測定系の限界
に一部依存する。本明細書の実施例又は他の場所において別途記載のない限り、特定のア
ッセイ、結果、又は実施形態の文脈において、「約」は、当該技術分野における行為に対
して1×標準偏差内、又は、最大5%の範囲内のどちらか大きい方を意味する。
【0060】
「二重特異性PD-1/TIM-3抗体」、「PD-1/TIM-3抗体」、「二重特
異性抗PD-1/TIM-3抗体」又は「抗PD-1/TIM-3抗体」は、PD-1に
特異的に結合する少なくとも1つの結合ドメインと、TIM-3に特異的に結合する少な
くとも1つの結合ドメインと、を含む、分子を指す。PD-1及びTIM-3に特異的に
結合するドメインは、典型的にはVH/VL対である。二重特異性抗PD-1/TIM-
3抗体は、PD-1又はTIM-3のいずれかに結合するという意味で一価であり得る。
【0061】
「価数」は、分子中の抗原に対して特異的な結合部位が明記された数存在することを指
す。そのため、「1価」、「2価」、「4価」、及び「6価」なる用語はそれぞれ、抗原
に対して特異的な結合部位が分子中に1個、2個、4個、及び6個存在することを指す。
【0062】
「抗原特異的CD4又はCD8 T細胞」は、特異的抗原又はその免疫刺激性エピ
トープによって活性化された、CD4又はCD8 T細胞を指す。
【0063】
「CD137」(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9、TNFRSF9
、4-1BBLとも呼ばれる)は、配列番号281に示されるアミノ酸配列を有するヒト
CD137分子を指す。
【0064】
配列番号281
MGNSCYNIVATLLLVLNFERTRSLQDPCSNCPAGTFCDN
NRNQICSPCPPNSFSSAGGQRTCDICRQCKGVFRTRKECS
STSNAECDCTPGFHCLGAGCSMCEQDCKQGQELTKKGCKD
CCFGTFNDQKRGICRPWTNCSLDGKSVLVNGTKERDVVCG
PSPADLSPGASSVTPPAPAREPGHSPQIISFFLALTSTAL
LFLLFFLTLRFSVVKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEED
GCSCRFPEEEEGGCEL
【0065】
「TIGIT」(Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体とも呼ばれる)
は、配列番号301に示されるアミノ酸配列を有するヒトTIGIT分子を指す。
【0066】
配列番号301
MMTGTIETTGNISAEKGGSIILQCHLSSTTAQVTQVNWE
QQDQLLAICNADLGWHISPSFKDRVAPGPGLGLTLQSLTV
NDTGEYFCIYHTYPDGTYTGRIFLEVLESSVAEHGARFQI
PLLGAMAATLVVICTAVIVVVALTRKKKALRIHSVEGDLR
RKSAGQEEWSPSAPSPPGSCVQAEAAPAGLCGEQRGEDCA
ELHDYFNVLSYRSLGNCSFFTETG
【0067】
「アゴニスト」は、細胞タンパク質に結合すると、そのタンパク質の天然リガンドによ
って誘導される少なくとも1つの反応又は活性を誘導する分子を指す。少なくとも1つの
反応若しくは活性が、アゴニスト非存在下(例えば、陰性対照)で誘導される少なくとも
1つの反応若しくは活性よりも、少なくとも約30%、40%、45%、50%、55%
、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しくは100
%誘導されるとき、又は、アゴニスト非存在下での誘導と比較してその誘導が統計学的に
有意であるとき、分子はアゴニストである。アゴニストは、抗体、可溶性リガンド、又は
小分子であってよい。代表的なアゴニストは、T細胞活性化分子に特異的に結合するアゴ
ニスト抗体である。
【0068】
「アンタゴニスト」は、細胞タンパク質に結合すると、そのタンパク質の天然リガンド
によって誘導される少なくとも1つの反応又は活性を抑制する分子を指す。少なくとも1
つの反応若しくは活性が、アンタゴニスト非存在下(例えば、陰性対照)で抑制される少
なくとも1つの反応若しくは活性よりも、少なくとも約30%、40%、45%、50%
、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、若しく
は100%阻害されるとき、又は、アンタゴニスト非存在下での抑制と比較してその抑制
が統計的に有意であるとき、分子はアンタゴニストである。アンタゴニストは、抗体、可
溶性リガンド、小分子、DNA又は、siRNAなどのRNAであってよい。代表的なア
ンタゴニストは、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、TIM-3に特異的
に結合するアンタゴニスト抗体、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体、
又はT細胞阻害分子に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である。PD-1によって誘
導される典型的な反応又は活性は、その受容体であるPD-L1又はPD-L2への結合
により、抗原特異的CD4若しくはCD8細胞増殖が減少し得る、又は、T細胞によ
るインターフェロン-γ(IFN-γ)産生が減少し得ることであり、例えば腫瘍に対す
る免疫応答の抑制をもたらす。TIM-3によって誘導される典型的な反応又は活性は、
その受容体、例えばガレクチン-9への結合により、抗原特異的CD4若しくはCD8
細胞増殖が減少し得る、T細胞によるIFN-γ産生が減少し得る、又は、CD137
の表面発現(CD4若しくはCD8細胞上の)が減少し得ることであり、例えば腫瘍
に対する免疫応答の抑制をもたらす。同様に、T細胞阻害分子によって誘導される典型的
な反応又は活性は、免疫抑制である。このように、PD-1に特異的に結合するアンタゴ
ニストPD-1抗体、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体、又はT細胞阻害分子に特異的に結合するアンタ
ゴニスト抗体は、阻害経路を阻害することによって、免疫応答を誘導する。
【0069】
「対象」には、あらゆるヒト又は非ヒト動物が含まれる。「非ヒト動物」は、全ての脊
椎動物、例えば、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、
爬虫類などの哺乳類及び非哺乳類を含む。記載される場合を除いて、用語「患者」又は「
対象」は、互換的に使用される。
【0070】
本明細書全体を通して、抗体定常領域内のアミノ酸残基の付番は、別途記載のない限り
、Kabat et al.,Sequences of Proteins of I
mmunological Interest,5th Ed.Public Heal
th Service,National Institutes of Health
,Bethesda,MD.(1991)に記載されるEUインデックスに準拠する。
【0071】
本明細書では、表1に示すような従来の1文字及び3文字のアミノ酸コードを使用する
【0072】
【表1】
【0073】
組成物
本発明は、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、TIM-3に特異的に結
合するアンタゴニスト抗体、及び二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体を
提供する。本発明は、本発明の抗体をコードするポリペプチド及びポリヌクレオチド、又
はその相補的核酸、ベクター、宿主細胞、並びにそれらの作製及び使用方法を提供する。
【0074】
PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
PD-1は、リガンドと結合すると、複数の機構によってT細胞の機能を抑制する(P
auken & Wherry(2015)Trends in Immunology
36(4):265~276)。PD-1の結合は、TCRと共局在することによるT
細胞受容体(TCR)シグナル伝達と、後続のTCR近位シグナル伝達分子の脱リンの誘
導、細胞周期の進行及びT細胞増殖の阻害につながるRas/MEK/ERK経路の阻害
、BATF転写因子の上方制御につながる、PI3K/AKT経路の阻害による細胞成長
及び生存、及び、T細胞代謝の再プログラム化の阻害、並びに、制御性T細胞の成長、維
持、及び機能の調節を直接的に阻害する。PD-1はまた、T細胞の運動性を増加させて
、T細胞と標的細胞との間の相互作用時間を制限することによって、T細胞の活性化の程
度を減らすことも提唱されている(Honda et al.,(2014)Immun
ity 40(2):235~47)。
【0075】
腫瘍は、PD-1経路を利用して、腫瘍微小環境(TME)内のT細胞機能を下方制御
し、免疫破壊を逃れている。持続的抗原かつ炎症条件下であるTMEでは、T細胞は消耗
され、又は機能不全となり、だんだんとそのエフェクター機能と増殖能を失う。消耗した
T細胞は、高レベルのPD-1を発現し、別の抑制性受容体、例えばTIM-3又はLA
G-3を伴うことが多い(Pauken & Wherry(2015)Trends
in Immunology 36(4):265~276)。PD-1リガンドの1つ
であるPD-L1も、様々な腫瘍中で上方制御されている。PD-L1発現は、癌細胞自
身、並びに/又は、浸潤した、腫瘍関連マクロファージ、樹状細胞、線維芽細胞及び活性
化T細胞などの免疫細胞において起こる(Chen et al.,2012 Clin
Cancer Res 18(24):6580~7)。この状況では、PD-1結合
は、抗腫瘍性T細胞応答を制限し、免疫回避の原因となると仮定されている。最近の研究
では、複数の固形腫瘍において、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)上でPD-1発現がより高
頻度で発生し、より高レベルであることが示されている。重要なことには、増殖及びエフ
ェクター機能が下がっていることから分かるように、これらのPD-1TILが機能的
に損なわれていることである(Pauken & Wherry;2015,Trend
s in Immunology 36(4):265~276)。これらのデータは、
PD-1がTMEにおける免疫抑制に介在するという仮説を支持している。
【0076】
腫瘍中のT細胞の消耗は、PD-1経路の阻害によって、少なくとも部分的に回復でき
る。抗PD-1/PD-L1抗体は、多くの前臨床腫瘍モデルにおいて、T細胞機能を強
化し、抗腫瘍免疫の改善に至ることが示されている。PD-1/PD-L1抗体は更に、
複数の固形腫瘍において良好な臨床反応も示されており、その全奏効率(ORR)は、黒
色腫では20~40%、非小細胞肺癌(NSCLC)では10~24%、腎細胞癌(RC
C)では12~31%、膀胱癌では24~52%、頭頸部癌では20%である(Swai
ka et al.,(2015)Mol Immunol 67(2 Pt A):4
~17)。
【0077】
本発明は、それぞれ配列番号82、83及び84、又はそれぞれ配列番号82、83及
び85の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2、及びHCDR3を含む、P
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分を提供す
る。
【0078】
本発明はまた、それぞれ配列番号86、87及び88の軽鎖相補性決定領域1(LCD
R1)、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアン
タゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0079】
本発明はまた、それぞれ配列番号82、83及び84のHCDR1、HCDR2、及び
HCDR3と、それぞれ配列番号86、87及び88のLCDR1、LCDR2、及びL
CDR3と、を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はそ
の抗原結合部分も提供する。
【0080】
本発明はまた、それぞれ配列番号82、83及び85のHCDR1、HCDR2、及び
HCDR3と、それぞれ配列番号86、87及び88のLCDR1、LCDR2、及びL
CDR3と、を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はそ
の抗原結合部分も提供する。
【0081】
配列番号82、83、84、85、86、87及び88は、類似するHCDR1、HC
DR2、LCDR1、LCDR2及びLCDR3配列と、2つの類似するHCDR3群の
配列を有する、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体の、親和性成熟変異体の
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3の属配
列を表す。この属内の抗体は、Kが、約1×10-7M未満、例えば約1×10-8
未満、例えば約1×10-9M未満、又は例えば約1×10-10M未満でPD-1に結
合する。代表的なかかる抗体は、本明細書に記載される抗体PD1B114、PD1B1
49、PD1B160、PD1B162、PD1B164、PD1B11、PD1B18
3、PD1B184、PD1B185、PD1B187、PD1B71、PD1B177
、PD1B70、PD1B175、PD1B194、PD1B195、PD1B196、
PD1B197、PD1B198、PD1B199、PD1B200、PD1B201及
びPD1B244の、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、
及びLCDR3のアミノ酸配列を有する抗体である。
【0082】
配列番号82
YXIX
式中、
は、S又はDであり、
は、V又はAであり、
は、H又はSである。
【0083】
配列番号83
GIIPIXTANYAQKFQG、
式中、
は、Y又はFであり、
は、G又はDである。
【0084】
配列番号84
PGLAAAYDTGXLDY、
式中、
は、N又はSである。
【0085】
配列番号85
GX10TGX11LDY、
式中、
は、T又はYであり、
は、L又はVであり、
は、D又はRであり、
10は、R又はAであり、
11は、H又はMである。
【0086】
配列番号86
RASQSVX1213YLA、
式中、
12は、S、R又はDであり、
13は、S又はNである。
【0087】
配列番号87
DASX14RAT、
式中、
14は、N、D、Y、S又はTである。
【0088】
配列番号88
QQRX1516WPLT、
式中、
15は、S、N、G、E、D、W又はAであり、
16は、N、Y、E又はAである。
【0089】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、次の特性のうちの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つを有する。
a)抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存的に増強し、このと
き活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CMV
アッセイ)を用いて測定される、
b)ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときK
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
c)ヒトPD-1に約1nM未満のKで結合し、このときKは、ProteOn
XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
d)カニクイザルPD-1に約100nM未満のKで結合し、このときKは、Pr
oteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
e)カニクイザルPD-1に約1nM未満のKで結合し、
このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される
【0090】
代表的なかかる抗体は、本明細書に記載されるPD-1抗体である、PD1B114、
PD1B149、PD1B160、PD1B162、PD1B164、PD1B11、P
D1B183、PD1B184、PD1B185、PD1B187、PD1B71、PD
1B177、PD1B70、PD1B175、PD1B194、PD1B195、PD1
B196、PD1B197、PD1B198、PD1B199、PD1B200、PD1
B201及びPD1B244である。
【0091】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存
的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコー
ルアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約100nM未
満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR36シス
テムを用いて+25℃で測定される。
【0092】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存
的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコー
ルアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約10nM未満
の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR36システ
ムを用いて+25℃で測定される。
【0093】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存
的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコー
ルアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、カニクイザルPD-1に約10
0nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR
36システムを用いて+25℃で測定される。
【0094】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存
的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコー
ルアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、カニクイザルPD-1に約10
nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR3
6システムを用いて+25℃で測定される。
【0095】
抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化は、既知のプロトコル及び実施例1
に記載されるものを用いる、混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおけるT細胞増殖の
増加、MLRアッセイにおけるインターフェロン-γ(IFN-γ)分泌の増加、MLR
アッセイにおけるTNF-α分泌の増加、サイトメガロウイルス抗原アッセイ(CMVア
ッセイ)におけるIFN-γ分泌の増加、又は、CMVアッセイにおけるTNF-α分泌
の増加を測定することによって評価できる。本発明の抗体は、測定されるT細胞機能が本
発明の抗体によって用量依存的に増加するとき、抗原特異的CD4又はCD8 Tの
活性化を増強する。
【0096】
ヒト又はカニクイザルPD-1に対する抗体の親和性は、任意の好適な方法を用いて実
験的に測定できる。こうした方法では、ProteOn XPR36、Biacore
3000又はKinExA装置、ELISA、若しくは当業者には周知である競合的結合
アッセイを使用することができる。特定の抗体/PD-1相互作用について測定される親
和性は、異なる条件下(例えば、浸透圧、pH)で測定した場合には異なり得る。したが
って、親和性及び他の結合パラメータ(例えば、K、Kon、Koff)の測定は、典
型的には、標準的な条件及び本明細書に記載される緩衝液などの標準化緩衝液を用いて行
われる。例えばBiacore 3000又はProteOnを用いた親和性測定での内
部誤差(標準偏差(SD)として測定されるもの)は典型的に、典型的な検出範囲内で測
定した場合、5~33%の範囲内であり得ることが当業者には分かるであろう。したがっ
て、Kに関して用語「約」は、アッセイにおける一般的な標準偏差を反映する。例えば
、Kが1×10-9Mの場合の典型的なSDは、+0.33×10-9M以下である。
【0097】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分は、重鎖可変領域(VH)である配列番号41、42、43、44、45、4
6、47又は48内に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、このとき
、HCDR1、HCDR2及びHCDR3は、Chothia、Kabat、又はIMG
Tによって定義される。
【0098】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、軽鎖可変領域(VL)である配列番号49、50、51、52、
53、54、55、56、57、58、59、60、61又は62内に含まれるLCDR
1、LCDR2及びLCDR3を含み、このときLCDR1、LCDR2及びLCDRは
、Chothia、Kabat、又はIMGTによって定義される。
【0099】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、
配列番号10、11又は12のHCDR1と、
配列番号13、14又は15のHCDR2と、
配列番号16、17、18又は19のHCDR3と、を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、
配列番号20、21、22、23、24又は25のLCDR1と、
配列番号26、27、28、29又は30のLCDR2と、
配列番号31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40のLCD
R3と、を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、
配列番号10、11又は12のHCDR1と、
配列番号13、14又は15のHCDR2と、
配列番号16、17、18又は19のHCDR3と、
配列番号20、21、22、23、24又は25のLCDR1と、
配列番号26、27、28、29又は30のLCDR2と、
配列番号31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40のLCDR
3と、を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、
それぞれ、配列番号10、13及び16、
それぞれ、配列番号10、14及び16、
それぞれ、配列番号10、13及び17、
それぞれ、配列番号10、13及び18、
それぞれ、配列番号11、15及び18、
それぞれ、配列番号10、13及び19、
それぞれ、配列番号10、14及び17、又は
それぞれ、配列番号12、13及び19の、HCDR1、HCDR2及びHCDR3を
含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分は、
それぞれ、配列番号20、26及び31、
それぞれ、配列番号21、26及び32、
それぞれ、配列番号22、27及び33、
それぞれ、配列番号22、26及び34、
それぞれ、配列番号23、28及び35、
それぞれ、配列番号20、26及び36、
それぞれ、配列番号21、27及び37、
それぞれ、配列番号23、26及び32、
それぞれ、配列番号22、26及び32、
それぞれ、配列番号24、26及び38、
それぞれ、配列番号20、29及び39、
それぞれ、配列番号20、30及び32、
それぞれ、配列番号25、26及び40、又は
それぞれ、配列番号24、26及び32の、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を
含む。
【0104】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、23、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0105】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、ヒトPD-1に、約100n
M、任意に約10nM未満、例えば約1nM未満、例えば約500pM未満の平衡解離定
数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+
25℃で測定される。
【0106】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、カニクイザルPD-1に、約
100nM、任意に約10nM未満、例えば約1nM未満、例えば約500pM未満の平
衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR36システムを
用いて+25℃で測定される。
【0107】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号48のVHと、配列
番号56のVLと、を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号196及び197である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0109】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意選択的に(任意追加的に(optionally))含む、IgG4アイソタイプである。
【0110】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4/κアイソタイプである。
【0111】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を
含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追加的に含む、IgG4アイソタ
イプである。
【0112】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を
含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、IgG4/κアイソタイプであ
る。
【0113】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号72の重鎖(HC)と、配列番号73の軽
鎖(LC)と、を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0115】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2/κアイソタイプである。
【0116】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を
含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H268
A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に含む、IgG2/κアイ
ソタイプである。
【0117】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を
含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H268
A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2/κアイソタイプであ
る。
【0118】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0119】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0120】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0121】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0122】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0123】
抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療に使用するのに適している。
【0124】
抗体は、治療、例えば、肺癌の治療に使用するのに適している。
【0125】
抗体は、治療、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用するのに適している
【0126】
抗体は、治療、例えば、扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0127】
抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0128】
抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療に使用するのに適している。
【0129】
抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)の治療に使用するのに適している。
【0130】
抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療に使用するのに適している。
【0131】
抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療に使用するのに適している。
【0132】
抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療に使用するのに適している。
【0133】
抗体は、治療、例えば、前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0134】
抗体は、治療、例えば、去勢抵抗性前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0135】
抗体は、治療、例えば、胃癌(stomach cancer)の治療に使用するのに適している。
【0136】
抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療に使用するのに適している。
【0137】
抗体は、治療、例えば、胃部癌(gastric cancer)の治療に使用するのに適している。
【0138】
抗体は、治療、例えば、肝癌の治療に使用するのに適している。
【0139】
抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療に使用するのに適している。
【0140】
抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療に使用するのに適している。
【0141】
抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌の治療に使用するのに適している。
【0142】
抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療に使用するのに適している。
【0143】
抗体は、治療、例えば、乳癌の治療に使用するのに適している。
【0144】
抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療に使用するのに適している。
【0145】
抗体は、治療、例えば、脳癌の治療に使用するのに適している。
【0146】
抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療に使用するのに適している。
【0147】
抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療に使用するのに適している。
【0148】
抗体は、治療、例えば、子宮頸癌(cervical cancer)の治療に使用するのに適してい
る。
【0149】
抗体は、治療、例えば、癌の転移巣の治療に使用するのに適している。
【0150】
抗体は、治療、例えば、血液悪性疾患の治療に使用するのに適している。
【0151】
抗体は、治療、例えば、非ホジキンリンパ腫の治療に使用するのに適している。
【0152】
抗体は、治療、例えば、慢性リンパ性白血病の治療に使用するのに適している。
【0153】
抗体は、治療、例えば、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して
癌の治療に使用するのに適している。
【0154】
抗体は、治療、例えば、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0155】
抗体は、治療、例えば、配列番号145のVHと、配列番号155のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0156】
抗体は、治療、例えば、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0157】
抗体は、治療、例えば、FGFR阻害剤と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用する
のに適している。
【0158】
抗体は、治療、例えば、ワクチンと併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適
している。
【0159】
抗体は、治療、例えば、GITR(配列番号271)に特異的に結合するアゴニスト抗
体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0160】
抗体は、治療、例えば、CD137(配列番号281)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0161】
抗体は、治療、例えば、OX-40(配列番号279)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0162】
本発明はまた、それぞれ配列番号66、67、68、69、70及び71の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0163】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を
含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号198及び199である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0165】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号63のVHと、配列番号65のVLと、を
含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、ヒトPD-1に、約100n
M、任意に約10nM未満、例えば約1nM未満、例えば約100pM未満の平衡解離定
数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+
25℃で測定される。
【0167】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0168】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4/κアイソタイプである。
【0169】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を
含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追加的に含む、IgG4アイソタ
イプである。
【0170】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を
含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、IgG4/κアイソタイプであ
る。
【0171】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号74のHCと、配列番号75のLCと、を
含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0173】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2/κアイソタイプである。
【0174】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を
含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H268
A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に含む、IgG2/κアイ
ソタイプである。
【0175】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を
含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H268
A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2/κアイソタイプであ
る。
【0176】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0177】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0178】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0179】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0180】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0181】
抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療に使用するのに適している。
【0182】
抗体は、治療、例えば、肺癌の治療に使用するのに適している。
【0183】
抗体は、治療、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用するのに適している
【0184】
抗体は、治療、例えば、扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0185】
抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0186】
抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療に使用するのに適している。
【0187】
抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)の治療に使用するのに適している。
【0188】
抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療に使用するのに適している。
【0189】
抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療に使用するのに適している。
【0190】
抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療に使用するのに適している。
【0191】
抗体は、治療、例えば、前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0192】
抗体は、治療、例えば、去勢抵抗性前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0193】
抗体は、治療、例えば、胃癌の治療に使用するのに適している。
【0194】
抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療に使用するのに適している。
【0195】
抗体は、治療、例えば、胃部癌の治療に使用するのに適している。
【0196】
抗体は、治療、例えば、肝癌の治療に使用するのに適している。
【0197】
抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療に使用するのに適している。
【0198】
抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療に使用するのに適している。
【0199】
抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌の治療に使用するのに適している。
【0200】
抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療に使用するのに適している。
【0201】
抗体は、治療、例えば、乳癌の治療に使用するのに適している。
【0202】
抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療に使用するのに適している。
【0203】
抗体は、治療、例えば、脳癌の治療に使用するのに適している。
【0204】
抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療に使用するのに適している。
【0205】
抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療に使用するのに適している。
【0206】
抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療に使用するのに適している。
【0207】
抗体は、治療、例えば、癌の転移巣の治療に使用するのに適している。
【0208】
抗体は、治療、例えば、血液悪性疾患の治療に使用するのに適している。
【0209】
抗体は、治療、例えば、非ホジキンリンパ腫の治療に使用するのに適している。
【0210】
抗体は、治療、例えば、慢性リンパ性白血病の治療に使用するのに適している。
【0211】
抗体は、治療、例えば、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して
癌の治療に使用するのに適している。
【0212】
抗体は、治療、例えば、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0213】
抗体は、治療、例えば、配列番号145のVHと、配列番号155のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0214】
抗体は、治療、例えば、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適
している。
【0215】
抗体は、治療、例えば、FGFR阻害剤と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用する
のに適している。
【0216】
抗体は、治療、例えば、ワクチンと併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適
している。
【0217】
抗体は、治療、例えば、GITR(配列番号271)に特異的に結合するアゴニスト抗
体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0218】
抗体は、治療、例えば、CD137(配列番号281)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0219】
抗体は、治療、例えば、OX-40(配列番号279)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0220】
本発明はまた、それぞれ配列番号12、13、19、24、26及び38の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0221】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号47のVHと、配列
番号58のVLと、を含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0223】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0224】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0225】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0226】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0227】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0228】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0229】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0230】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0231】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、15、18、20、30及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0232】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のVHと、配列
番号60のVLと、を含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号202及び203である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0234】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0235】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0236】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0237】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0238】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0239】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0240】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号76のHCと、配列番号77のLCと、を
含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0242】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0243】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0244】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、16、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0245】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号41のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0247】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0248】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0249】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0250】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0251】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0252】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号212のHCと、配列番号213のLCと
、を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0254】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0255】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0256】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、16、21、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0257】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号41のVHと、配列
番号50のVLと、を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0259】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0260】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0261】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0262】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0263】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0264】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号214のHCと、配列番号215のLCと
、を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0266】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0267】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0268】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、16、22、27及び33の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0269】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号42のVHと、配列
番号51のVLと、を含む。
【0270】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0271】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0272】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0273】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0274】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0275】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0276】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号216のHCと、配列番号217のLCと
、を含む。
【0277】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0278】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0279】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0280】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、16、22、26及び34の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0281】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号42のVHと、配列
番号52のVLと、を含む。
【0282】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0283】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0284】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0285】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0286】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0287】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0288】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号218のHCと、配列番号219のLCと
、を含む。
【0289】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0290】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0291】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0292】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、16、23、28及び35の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0293】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号42のVHと、配列
番号53のVLと、を含む。
【0294】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0295】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0296】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0297】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0298】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0299】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0300】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号220のHCと、配列番号221のLCと
、を含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0302】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0303】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0304】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0305】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号43のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0307】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0308】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0309】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0310】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0311】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0312】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0313】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0314】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0315】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、20、26及び36の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0316】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号43のVHと、配列
番号54のVLと、を含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0318】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0319】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0320】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0321】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0322】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0323】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号222のHCと、配列番号223のLCと
、を含む。
【0324】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0325】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0326】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0327】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、21、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0328】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号43のVHと、配列
番号50のVLと、を含む。
【0329】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0330】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0331】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0332】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0333】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0334】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0335】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号224のHCと、配列番号225のLCと
、を含む。
【0336】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0337】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0338】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0339】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、21、27及び37の、HCDR
1、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含
む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0340】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号43のVHと、配列
番号55のVLと、を含む。
【0341】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0342】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0343】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0344】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0345】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0346】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0347】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号226のHCと、配列番号227のLCと
、を含む。
【0348】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0349】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0350】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0351】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、23、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0352】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号43のVHと、配列
番号56のVLと、を含む。
【0353】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0354】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0355】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0356】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0357】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0358】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0359】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0360】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0361】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0362】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、17、22、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0363】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号43のVHと、配列番号57のVLと、を
含む。
【0364】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0365】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0366】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0367】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0368】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0369】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0370】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号228のHCと、配列番号229のLCと
、を含む。
【0371】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0372】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0373】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0374】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、18、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0375】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号44のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0377】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0378】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0379】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0380】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0381】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0382】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0383】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0384】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0385】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、15、18、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0386】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0388】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0389】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0390】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0391】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0392】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0393】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0394】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0395】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0396】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、13、19、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0397】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号46のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0398】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0399】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0400】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0401】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0402】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0403】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0404】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0405】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0406】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0407】
本発明はまた、それぞれ配列番号12、13、19、20、26及び31の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0408】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号47のVHと、配列
番号49のVLと、を含む。
【0409】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0410】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0411】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0412】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0413】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0414】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0415】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0416】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0417】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0418】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、23、28及び35の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0419】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号48のVHと、配列番号53のVLと、を
含む。
【0420】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0421】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0422】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0423】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0424】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0425】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0426】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0427】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0428】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0429】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、22、26及び34の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0430】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号48のVHと、配列
番号52のVLと、を含む。
【0431】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0432】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0433】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0434】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0435】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0436】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0437】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0438】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0439】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0440】
本発明はまた、それぞれ配列番号12、13、19、20、29及び39の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0441】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号47のVHと、配列
番号59のVLと、を含む。
【0442】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0443】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0444】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0445】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0446】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0447】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0448】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0449】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0450】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0451】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、15、18、25、26及び40の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0452】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のVHと、配列
番号61のVLと、を含む。
【0453】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0454】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0455】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0456】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0457】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0458】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0459】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0460】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0461】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0462】
本発明はまた、それぞれ配列番号11、15、18、24、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0463】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号45のVHと、配列
番号62のVLと、を含む。
【0464】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0465】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0466】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG
2アイソタイプである。
【0467】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0468】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG4アイソタイプである。
【0469】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、
IgG4アイソタイプである。
【0470】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0471】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0472】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0473】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、63又は
64のVHを含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部
分も提供する。
【0474】
本発明はまた、配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、5
8、59、60、61、62又は65のVLを含む、PD-1に特異的に結合するアンタ
ゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0475】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、63又は
64のVHと、配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、58
、59、60、61、62又は65のVLと、を含む、PD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0476】
代表的な本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体のVH、VL、HC
DR及びLCDR配列を、表2に示す。
【0477】
実施例で説明する実施形態は、1つが重鎖に由来し、1つが軽鎖に由来する1対の可変
領域を有しているが、当業者であれば代替的な実施形態は、1つの重鎖又は軽鎖の可変領
域を有してもよいということを認識するであろう。1つの可変領域を用いることで、例え
ばヒトPD-1に結合することが可能な2ドメイン特異的抗原結合断片を形成することが
可能な可変ドメインについて、スクリーニングすることができる。スクリーニングは、例
えば、国際公開第1992/01047号に開示される階層的2重コンビナトリアルアプ
ローチを用いたファージ提示スクリーニング法によって実現することが可能である。この
アプローチでは、VH鎖又はVL鎖のいずれかのクローンを含む個別のコロニーを用いて
、他方の鎖(VL又はVH)をコードするクローンの完全なライブラリに感染させ、得ら
れた2鎖特異的抗原結合ドメインを、既知の方法及び本明細書に記載されるものを用いて
ファージ提示法に基づいて選択する。したがって、個別のVH及びVLポリペプチド鎖は
、国際公開第1992/01047号に開示される方法を用いて、ヒトPD-1に特異的
に結合する追加の抗体を特定するのに有用である。
【0478】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、多重特
異性抗体である。
【0479】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、二重特
異性抗体である。
【0480】
いくつかの実施形態では、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト二重特異性抗体
は、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、LAG-3(配列番号29
3)、TIM-3(配列番号138)、CEACAM-1(配列番号296)、CEAC
AM-5(配列番号307)、OX-40(配列番号279)、GITR(配列番号27
1)、CD27(配列番号280)、VISTA(配列番号286)、CD137(配列
番号281)、TIGIT(配列番号301)又はCTLA-4(配列番号292)に結
合する。二重特異性抗体及び多重特異性抗体は、本明細書に記載される方法を用いて産生
することができる。
【0481】
【表2】
【0482】
同種抗体
表2、表21及び表22に示すVH、VL、又はVH及びVLアミノ酸配列を含む本発
明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分の変異体は、
本発明の範囲内である。例えば、同種抗体が、親抗体と比較してその機能特性を維持して
いる、又は向上している限り、変異体は、VH及び/又はVL中に1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含み得る
。いくつかの実施形態では、配列同一性は、本発明のVH又はVLアミノ酸配列に対して
約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は9
9%であり得る。任意追加的に、親抗体に対する変異体の任意の変化例は、変異体のCD
Rの範囲内ではない。
【0483】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、63又は
64のVHを含み、そのVHが任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を有する、PD-1に特異的に結
合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置換
はCDRの範囲内ではない。
【0484】
本発明はまた、配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、5
8、59、60、61、62又は65のVLを含み、そのVLが任意追加的に1、2、3
、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換
を有する、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供
する。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲内ではない。
【0485】
本発明はまた、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を含み、VH、VL、
又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、PD-1に特異的に結合す
るアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置換はC
DRの範囲内ではない。
【0486】
本発明はまた、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を含み、VH、VL、
又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、
11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、PD-1に特異的に結合す
るアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置換はC
DRの範囲内ではない。
【0487】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分
も含み、それらは、
配列番号41のVHと、配列番号49のVL、
配列番号41のVHと、配列番号50のVL、
配列番号42のVHと、配列番号51のVL、
配列番号42のVHと、配列番号52のVL、
配列番号42のVHと、配列番号53のVL、
配列番号43のVHと、配列番号49のVL、
配列番号43のVHと、配列番号54のVL、
配列番号43のVHと、配列番号50のVL、
配列番号43のVHと、配列番号55のVL、
配列番号43のVHと、配列番号56のVL、
配列番号43のVHと、配列番号57のVL、
配列番号44のVHと、配列番号49のVL、
配列番号45のVHと、配列番号49のVL、
配列番号46のVHと、配列番号49のVL、
配列番号47のVHと、配列番号49のVL、
配列番号48のVHと、配列番号53のVL、
配列番号48のVHと、配列番号52のVL、
配列番号47のVHと、配列番号58のVL、
配列番号47のVHと、配列番号59のVL、
配列番号45のVHと、配列番号60のVL、
配列番号45のVHと、配列番号61のVL、
配列番号45のVHと、配列番号62のVL、又は
配列番号63のVHと、配列番号65のVLと、を含み、VH、VL、又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、又は15個のアミノ酸置換を含む。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲
内ではない。
【0488】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、64又は
65のVHに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、
97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するVHを含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も含む。任意追加的に、配列番号
の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0489】
本発明はまた、配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、5
8、59、60、61、62又は65のVLに、少なくとも90%、91%、92%、9
3%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有
するVLを含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分
も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内では
ない。
【0490】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、63又は
64のVHに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、
97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するVHと、配列番号49、50
、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62又は65
のVLに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97
%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列
番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0491】
本発明はまた、配列番号48のVH及び配列番号56のVLに、少なくとも90%、9
1%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である
アミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト
抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化
例は、CDRの範囲内ではない。
【0492】
本発明はまた、配列番号64のVH及び配列番号65のVLに、少なくとも90%、9
1%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一である
アミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト
抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化
例は、CDRの範囲内ではない。
【0493】
本発明はまた、配列番号が、
それぞれ、41及び49、
それぞれ、41及び50、
それぞれ、42及び51、
それぞれ、42及び52、
それぞれ、42及び53、
それぞれ、43及び49、
それぞれ、43及び54、
それぞれ、43及び50、
それぞれ、43及び55、
それぞれ、43及び56、
それぞれ、43及び57、
それぞれ、44及び49、
それぞれ、45及び49、
それぞれ、46及び49、
それぞれ、47及び49、
それぞれ、48及び53、
それぞれ、48及び52、
それぞれ、47及び58、
それぞれ、47及び59、
それぞれ、45及び60、
それぞれ、45及び61、
それぞれ、45及び62、又は
それぞれ、63及び65のVH及びVLに、少なくとも90%、91%、92%、93
%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有す
るVH及びVLを含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結
合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲
内ではない。
【0494】
本発明のPD-1に特異的に結合する同種アンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分は
、次の特性のうちの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つを有する。
a)抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存的に増強し、このと
き活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CMV
アッセイ)を用いて測定される、
b)ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときK
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
c)ヒトPD-1に約1nM未満のKで結合し、このときKは、ProteOn
XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
d)配列番号3のカニクイザルPD-1に約100nM未満のKで結合し、このとき
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
e)配列番号3のカニクイザルPD-1に約1nM未満のKで結合し、
このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される
【0495】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化
を用量依存的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス
抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約1
00nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XP
R36システムを用いて+25℃で測定される。
【0496】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化
を用量依存的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス
抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約1
0nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR
36システムを用いて+25℃で測定される。
【0497】
2つの配列間の同一性パーセントは、ギャップ数及び各ギャップの長さを考慮して、配
列により共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、相同性の割合(%)=同一
位置数/位置の総数×100)。同一性パーセントは、2つの配列の最適なアライメント
を導くのに必要である。
【0498】
2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、E.Meyers and W.Mil
ler(Comput Appl Biosci 4:11~17(1988))のアル
ゴリズムを使用して決定されてもよい。同アルゴリズムは、ALIGNプログラム(バー
ジョン2.0)に組み込まれており、PAM120重み付け残基テーブル、ギャップ長ペ
ナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用する。更に、2つのアミノ酸配列間の同
一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(http://_www_gcg_
comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman及びWu
nschのアルゴリズム(J Mol Biol 48:444~453(1970))
を、Blossum 62マトリックス又はPAM250マトリックスのいずれかで、ギ
ャップ重み付け16、14、12、10、8、6、又は4、長さ重み付け1、2、3、4
、5、又は6で用い、求めることができる。
【0499】
保存的改変を有する抗体
本発明はまた、HCDR1配列と、HCDR2配列と、HCDR3配列と、を含むVH
と、LCDR1配列と、LCDR2配列と、LCDR3配列と、を含むVLと、を含み、
CDR配列のうち1つ又は2つ以上が、本明細書に記載される抗体(例えば、表2、表2
1及び表22に示される抗体、又は、その保存的改変体)に基づく特定のアミノ酸配列を
含み、抗体が、本発明のPD-1に特異的に結合する親アンタゴニスト抗体の所望の機能
特性を維持している、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合
部分も提供する。
【0500】
保存的改変を有する抗体は、次の特性のうちの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つを有す
る。
a)抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存的に増強し、このと
き活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CMV
アッセイ)を用いて測定される、
b)ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときK
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
c)ヒトPD-1に約1nM未満のKで結合し、このときKは、ProteOn
XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
d)配列番号3のカニクイザルPD-1に約100nM未満のKで結合し、このとき
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
e)配列番号3のカニクイザルPD-1に約1nM未満のKで結合し、
このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される
【0501】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化
を用量依存的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス
抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約1
00nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XP
R36システムを用いて+25℃で測定される。
【0502】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化
を用量依存的に増強し、このとき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス
抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定され、かつ、ヒトPD-1に約1
0nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、ProteOn XPR
36システムを用いて+25℃で測定される。
【0503】
本発明はまた、それぞれ配列番号10、14、17、23、26及び32の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びにその保存
的改変を含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も
提供する。
【0504】
本発明はまた、それぞれ配列番号66、67、68、69、70及び71の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びにその保存
的改変を含む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も
提供する。
【0505】
本発明はまた、
それぞれ、配列番号10、13、16、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、16、21、26及び32、
それぞれ、配列番号10、14、16、22、27及び33、
それぞれ、配列番号10、14、16、22、26及び34、
それぞれ、配列番号10、14、16、23、28及び35、
それぞれ、配列番号10、13、17、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、17、20、26及び36、
それぞれ、配列番号10、13、17、21、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、17、21、27及び37、
それぞれ、配列番号10、13、17、23、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、17、22、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、18、20、26及び31、
それぞれ、配列番号11、15、18、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、19、20、26及び31、
それぞれ、配列番号12、13、19、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、14、17、23、28及び35、
それぞれ、配列番号10、14、17、22、26及び34、
それぞれ、配列番号12、13、19、24、26及び38、
それぞれ、配列番号12、13、19、20、29及び39、
それぞれ、配列番号11、15、18、20、30及び32、
それぞれ、配列番号11、15、18、25、26及び40、
それぞれ、配列番号11、15、18、24、26及び32の、HCDR1、HCDR
2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びにその保存的改変を含む
、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0506】
「保存的改変」は、アミノ酸配列を含む抗体の結合特性に有意に影響しない又はかかる
結合特性を変更しないアミノ酸改変を指す。保存的改変は、アミノ酸置換、付加、及び欠
失を含む。保存的置換は、アミノ酸が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えられ
る置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、明確に定義されており
、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、塩基性側鎖(例えば、リシン、
アルギニン、ヒスチジン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロ
イシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシ
ン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セリン、スレオニン、チロシン、トリプト
ファン)、芳香族側鎖(例えば、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、チロ
シン)、脂肪族側鎖(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、
セリン、スレオニン)、アミド(例えば、アスパラギン、グルタミン)、β分岐側鎖(例
えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、及び含硫黄側鎖(システイン、メチオニン
)を有する、アミノ酸を含む。更に、アラニン・スキャニング変異導入法についてこれま
でに述べられているように(MacLennan et al.,Acta Physi
ol.Scand.Suppl.643:55~67,1998;Sasaki et
al.,Adv.Biophys.35:1~24,1998)、ポリペプチド内の任意
の天然残基をアラニンで置換することもできる。本発明の抗体へのアミノ酸置換は、例え
ば、PCRによる変異導入(米国特許第4,683,195号)によるものなどの、よく
知られている方法によって行われ得る。あるいは、変異体のライブラリは、例えば、ラン
ダムコドン(NNK)又は非ランダムコドン、例えば11個のアミノ酸(Ala、Cys
、Asp、Glu、Gly、Lys、Asn、Arg、Ser、Tyr、Trp)をコー
ドするDVKコドンを用いる既知の手法を用い作製することができる。結果として生じる
抗体変異体は、それらの特性に関して、本明細書に記載のアッセイを用いて試験すること
ができる。
【0507】
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
T細胞免疫グロブリンドメイン及びムチンドメイン3(TIM-3、A型肝炎ウイルス
細胞受容体2(HAVCR2)としても知られる)は、適応免疫応答及び自然免疫応答の
両方を負に調節することが提唱されている、共抑制性免疫チェックポイント受容体である
。TIM-3は、CD4及びCD8 T細胞の特定のサブセット上に発現し、T細胞
応答の時間及び程度を制限するように機能する。
【0508】
複数の証拠により、T細胞応答の調節におけるTIM-3の阻害的役割が支持されてい
る。Tim-3欠損マウスは、抗原特異的免疫寛容及び移植免疫寛容の両方の誘導の欠損
を呈し、TIM-3が、正常な免疫応答中にエフェクターT細胞を阻害することと一致す
る(Sabatos et al.,(2003)Nat Immunol 4(11)
:1102~1110、Sanchez-Fueyo et al.,(2003)Na
t Immunol 4(11):1093~1101)。抗TIM-3抗体は、動物モ
デルにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎を増悪する(EAE)(Monney et a
l.,(2002)Nature 415(6871):536~541)。TIM-3
は、慢性感染及び癌で見られる、T細胞の機能不全又は消耗した状態に導く重要な因子で
あることが示されている。(Sakuishi,K.and A.C.Anderson
(2014).Tim-3 Regulation of Cancer Immuni
ty.Tumor-Induced Immune Suppression.D.I.
Gabrilovich and A.A.Hurwitz,Springer New
York:239~261)。
【0509】
TIM-3の阻害により、エフェクター細胞の活性が復活する、例えば、サイトカイン
分泌及び増殖が見られている。ウイルスにより消耗した細胞集団、例えば、HCV感染細
胞では、TIM-3発現細胞(TIM-3細胞)は、TNF-α及びIFN-γサイト
カインを、両方のエフェクター細胞集団であるCD4及びCD8 T細胞において、
TIM-3陰性細胞より少なく発現する(Golden-Mason et al.,(
2009)J Virol 83:9122)。TIM-3の阻害により、HIV患者由
来のCD8 T細胞、若しくは、ウイルス性消耗を繰り返した細胞(Jones et
al.,(2008)J Exp Med 205:2763)における増殖、又は、
転移性患者のPBMC由来のNY-ESO-1特異的T細胞における増殖及びIFN-γ
及び/若しくはTNF-α分泌(Fourcade et al.,(2010)J E
xp Med 207:2175)が回復した。TIM-3 T細胞は、腫瘍中に集中
して見られ、免疫抑制性腫瘍環境に寄与している(Sakuishi et al.,(
2013)Oncoimmunology,2:e23849)。
【0510】
TIM-3の阻害(単独で部分的に、及び、PD-1経路阻害と組み合わせて追加的又
は相乗的に)は、CT26結腸癌(Sakuishi et al.,(2010)J
Exp Med 207(10):2187~94)、WT3肉腫及びTRAMP-C1
前立腺癌(Ngiow et al.,(2011)Cancer Res 71(10
):3540~3551)などのいくつかの前臨床癌モデルにおいて、抗腫瘍効果を示し
ている。
【0511】
TIM-3がT細胞応答を阻害する機構は完全に理解されていない。TIM-3の細胞
質側末端は、複数のチロシン残基を含む(Ferris et al.,(2014)J
Immunol 193(4):1525~1530)が、PD-1細胞内側末端に見
られるITIM又はITSMなどの抑制シグナル伝達モチーフを欠いている。Srcファ
ミリーチロシンキナーゼであるFyn及びLckは、TIM-3に結合することが示され
ているが、これらの相互作用がもたらす正確な結果は、まだin vivoで確認されて
いない。TIM-3によるT細胞シグナル伝達の方法には、2つの相対するモデルが提唱
されている。一方では、TIM-3は、免疫シナプスにホスファターゼを補充し、Lck
を脱リン酸化することによって、TCRシグナル伝達を負に制御すると仮定されている(
Clayton,et al.,(2014)J Immunol 192(2):78
2~791)。対称的に、TIM-3は、NFAT活性及びNFκBシグナル伝達の活性
化を増加させて、TCRシグナル伝達を増強し、逆説的にT細胞をより消耗した状態に促
進することも提唱されている。
【0512】
エフェクターT細胞上の発現に加え、TIM-3は、制御性T細胞(T-reg)上で
も発現しており、腫瘍中の抑制性T-regサブセットを特徴付けると示されている。初
代ヒト細胞及びマウス前臨床モデルの両方を用いた解析で、TIM-3 T-regが
、Tヘルパー1(Th1)及びTヘルパー17(Th17)T細胞応答の阻害において、
TIM-3 T-regよりも効果があると示されている(Gautron et a
l.,(2014)Eur J Immunol 44(9):2703~2711;S
akuishi et al.,(2013)Oncoimmunology,2:e2
3849)。TIM-3は、高抑制性Treg上で発現しているため、CD4及びCD
T細胞応答を直接的に阻害できる。加えて、TIM-3Tregは、高レベルの
IL-10を発現しており、抗腫瘍免疫応答を抑制する追加の間接的機構として、TME
中のエフェクターT細胞の消耗を促進すると提唱されている(Sakuishi et
al.,(2013)Oncoimmunology,2:e23849)。
【0513】
TIM-3は、単球/マクロファージ、樹状細胞、及びNK細胞などの、いくつかの自
然免疫細胞種上で発現している。既存のデータは、これら異なる細胞種における、TIM
-3の抑制的役割と一致する。
【0514】
TIM-3は、健康ドナーの循環血液中のCD14単球によって構成的に発現してお
り、その末梢単球上の発現は、慢性炎症及び癌患者において、顕著に上昇している(Ro
ng et al.,(2014)Tissue Antigens 83(2):76
~81)。TIM-3レベルは、隣接組織由来のマクロファージと比較して、浸潤肝細胞
癌(HCC)腫瘍に浸潤するマクロファージ上でも上方制御されており、M2腫瘍促進性
表現型へのマクロファージの極性化を促進する役割が提唱される。
【0515】
最近、TIM-3は、マウス腫瘍に浸潤する樹状細胞上で発現していることが報告され
た。この状況では、TIM-3のHMBG1との相互作用により、免疫刺激性核酸の認識
及び応答を妨げることによって自然免疫を抑制すると提唱された(Chiba et a
l.,(2012)Immunol 13(9):832~842)。TIM-3は、末
梢血液中のNK細胞上でも構成的に発現している。最近の研究において、進行性黒色腫患
者由来のNK細胞が、末梢NK細胞上で高レベルにTIM-3を発現していることが示さ
れた。重要なことには、TIM-3 NK細胞は、機能的に消耗しており、抗TIM-
3の阻害によって、消耗を回復し、NK細胞の機能を増強できた(da Silvaet
al.,(2014)Cancer Immunol Res 2(5):410~4
22)。
【0516】
TIM-3は、リガンドであるガレクチン-9(Gal-9)、ホスファチジルセリン
(PtdSer)、HMGB1及びCEACAM-1に結合する。S型レクチンであるガ
レクチン-9は、TIM-3関連Th1エフェクター機能を阻害でき、マウスモデルにお
いてTIM-3発現T細胞のアポトーシスを誘導できる。PtdSerは通常、細胞膜の
細胞内側に存在するが、アポトーシス中に細胞外側に反転する。PtdSerは、3種類
全てのヒトTIMファミリーメンバー(TIM-1、3、4)の保存された溝に結合する
。PtdSerのTIM-3への結合を阻害すると、T細胞応答が活性化される場合があ
る。ガレクチン-9は、腫瘍細胞によって分泌され、抗腫瘍免疫の回避に寄与し得る。D
NAアラーミンであるHMGB1は、TIM-3が「シンク」として働き、自然免疫を刺
激するHMGB1/RAGE相互作用を阻害できる。CEACAM-1は、T細胞上のヘ
テロ二量体としてシス、リガンドとしてトランスの両方で、TIM-3と相互作用できる
。CEACAM-1とTIM-3との間の相互作用は、免疫応答シグナル伝達の仲介的阻
害を助けることができる。CT26結腸癌においてTIM-3及びCEACAM-1を共
阻害すると、PD-L1及びTIM-3の共阻害で見られるものと類似の効果を示した。
【0517】
したがって、TIM-3機能を阻害する本明細書に記載される本発明の抗体を用いるT
IM-3の阻害により、感染及び抗腫瘍免疫に対する免疫応答を改善できる。
【0518】
本発明はまた、TIM-3に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分も提供し、このとき抗体は、TIM-3のガレクチン-9への結合を阻害す
る。
【0519】
本発明の抗体によるTIM-3のガレクチン-9への結合の阻害は、競合ELISAを
用いて評価できる。代表的なアッセイでは、1μg/mLの組み換えヒトFc-TIM-
3を、マイクロタイタープレートのウェルに結合させ、ウェルを洗浄してブロッキングし
、10μg/mLの試験抗体を加える。洗浄せずに、7.5μg/mLのガレクチン-9
をウェル内に加えて30分間インキュベートし、その後、0.5μg/mLの抗ガレクチ
ン-9-ビオチン抗体を加えて30分間インキュベートする。プレートを洗浄して、0.
5μg/mLのニュートラアビジン-HRP複合体ポリクローナル抗体を加え、30分間
インキュベートする。プレートを洗浄して、POD化学発光基質を発光シグナルを読み取
る直前に加える。本発明の抗体は、ガレクチン-9の結合が、本明細書及び実施例1に記
載されるアッセイを用いて、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、7
5%、80%、85%、90%、95%又は100%低下するとき、TIM-3のガレク
チン-9への結合を阻害する。TIM-3のガレクチン-9への結合を阻害する代表的な
抗体は、抗体TM3B103、TM3B105、TM3B107、TM3B108、TM
3B109、TM3B113、TM3B189、TM3B190及びTM3B196であ
る。
【0520】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8T細胞の活性化を増強する。
【0521】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、このとき
抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化は、実施例14に記載される方法によ
って、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学的に有意なCD137細胞表
面発現の増強を測定することによって評価される。
【0522】
CMV抗原刺激に応答して増殖する抗原特異的CD8及びCD4 T細胞のマーカ
ーとしてCD137を使用することで、本発明のアンタゴニストTIM-3抗体の機能的
効果の検出を可能にした。
【0523】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配
列番号261)内でTIM-3に結合する。
【0524】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配
列番号261)及び残基50~56(DERDVNY)(配列番号262)内でTIM-
3に結合する。
【0525】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番
号263)内でTIM-3に結合する。
【0526】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番
号263)及び残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合
する。
【0527】
「~内」は、抗体が結合する80%以上のエピトープ残基が、列挙されたアミノ酸列内
に存在し、抗体が結合する最大20%のエピトープ残基が、列挙されたアミノ酸列外に存
在することを意味する。
【0528】
抗体が結合するTim-3エピトープは、例えば、水素/重水素交換(H/D交換)を
用いて、又は、TIM-3と複合した抗体の結晶構造を解析することによって分割できる
。エピトープ残基は、H/D交換による重水素化度の少なくとも5%の違いによって、抗
体により保護されるもの、又は、抗体及びTIM-3の複合体の結晶構造において、抗体
に結合すると判定されるアミノ酸残基が表面に露出しているものである。抗体及びTIM
-3の複合体の結晶構造において、エピトープ残基は、抗体のCDR残基の任意のものか
ら4Å以下の距離内に存在するTIM-3残基である。
【0529】
H/D交換アッセイにおいて、TIM-3タンパク質を、重水中、抗体の存在下又は非
存在下で所定の時間インキュベートし、その結果、抗体によって保護されていない交換可
能な水素原子において重水素を取り込ませ、続いて、タンパク質をプロテアーゼ消化し、
LC-MSを用いてペプチド断片を分析する。代表的なアッセイでは、5μLの試験抗体
(10μg)又は5μLのTIM-3及び試験抗体の複合体(それぞれ、10μg及び7
.35μg)を、120μLの酸化重水素標識化バッファー(50mMリン酸、100m
M塩化ナトリウム、pH7.4)と共に、0秒、60秒、300秒、1800秒、720
0秒、及び14400秒間インキュベートする。重水素交換は、63μLの5M塩酸グア
ニジンを加えることでクエンチし、最終pHは2.5である。クエンチしたサンプルを、
オンカラムペプシン/プロテアーゼXIII型消化にかけ、LC-MS分析を行う。ペプ
シン/プロテアーゼXIII型消化では、125μLの対照バッファー(50mMリン酸
、100mM塩化ナトリウム、pH7.4)中の5μgのサンプルを、63μLの5M塩
酸グアニジン(最終pHは2.5)を加えることによって変性させ、その混合物を3分間
インキュベートする。続いて、混合物をオンカラムペプシン/プロテアーゼXIII型消
化にかけ、得られたペプチドを、Q Exactive(商標)Hybrid Quad
rupole-Orbitrap質量分析計(Thermo)に連結したWaters
Acquity UPLCからなる、UPLC-MSシステムを用いて分析する。未加工
のMSデータを、H/D交換MSデータの解析用ソフトウェアである、HDX Work
Benchを用いて処理する。重水素レベルを、重水素化ペプチドとその天然型(t
との間の平均質量差を用いて計算する。ペプチド同定は、Mascotを用いてTIM-
3配列に対してMS/MSデータを検索することによって実施する。前駆体イオン及び生
成物イオンの質量許容誤差は、それぞれ20ppm及び0.05Daである。
【0530】
X線結晶解析では、TIM-3及び試験抗体を発現させ、標準的手法を用いて精製する
。TIM-3/試験抗体複合体を、4℃にて一晩インキュベートし、濃縮して、サイズ排
除クロマトグラフィーを用いて複合体を形成していない分析種から分離した。複合体を、
様々な既知の試験溶液、例えば、PEG3350、クエン酸アンモニウム及び2-(N-
モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)を含む溶液からの蒸気拡散法によって結晶化す
る。
【0531】
Tim-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号261)
、90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)及び/又は50~5
6(DERDVNY)(配列番号262)内に結合している抗体は、ファージディスプレ
イライブラリを用いてTIM-3に結合する抗体を単離し、TIM-3への結合について
、参照抗体であるTM3B105(配列番号146のVH及び配列番号156のVL)又
はTM3B291(配列番号172のVH及び配列番号173のVL)と100%競合す
る抗体を選択し、かつ、抗体/TIM-3複合体の結晶構造を解析して得られた抗体のエ
ピトープを確認することによって、作製できる。あるいは、マウス、ラット、又はウサギ
を、TIM-3の残基32~47、90~102及び/又は50~56を包含するペプチ
ドを用いて免疫化してよく、得られた抗体の列挙された領域内の結合について評価してよ
い。
【0532】
本発明はまた、それぞれ配列番号164、165及び166の重鎖相補性決定領域1(
HCDR1)、HCDR2及びHCDR3を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタ
ゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0533】
本発明はまた、それぞれ配列番号167、168及び169の軽鎖相補性決定領域1(
LCDR1)、LCDR2及びLCDR3を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタ
ゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0534】
本発明はまた、それぞれ配列番号164、165及び166のHCDR1、HCDR2
、及びHCDR3と、それぞれ配列番号167、168及び169のLCDR1、LCD
R2、及びLCDR3と、を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分も提供する。
【0535】
配列番号164、165、166、167、168及び169は、ファージディスプレ
イライブラリに由来するTIM-3アンタゴニストである、HCDR1、HCDR2、H
CDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3の属配列を表す。属配列は、図13
図14図15図16図17及び図18に示される配列アライメントの結果の構造モ
デルに基づいて得られたもので、本明細書にまとめた。
【0536】
配列番号164
17YX18MX19
式中、
17は、N、S、G又はDであり、
18は、W又はAであり、
19は、S又はHである。
【0537】
配列番号165
20IX2122SGGSX23YYADSVKG、
式中、
20は、A又はVであり、
21は、S、又はKであり、
22は、G又はYであり、
23は、T又はKである。
【0538】
配列番号166
2425262728293031DY、
式中、
24は、D、S、N、G又はEであり、
25は、H、P、E、T又はLであり、
26は、W、E、N又は欠失であり、
27は、D、P又は欠失であり、
28は、P、Y、D又は欠失であり、
29は、N、A、D、G又は欠失であり、
30は、F、P、R、W又はVであり、
31は、L又はFである。
【0539】
配列番号167
3233SQSVX343536373839404142LA

式中、
32は、R又はKであり、
33は、A又はSであり、
34は、S、N又はLであり、
35は、S、A、N又は欠失であり、
36は、S又は欠失であり、
37は、S又は欠失であり、
38は、N又は欠失であり、
39は、N又は欠失であり、
40は、K又は欠失であり、
41は、S、D又はNであり、
42は、Y又はTである。
【0540】
配列番号168
43ASX44RX4546
式中、
43は、G、D、W又はTであり、
44は、S、N又はTであり、
45は、A又はEであり、
46は、T又はSである。
【0541】
配列番号169
QQX47484950PX51T(配列番号169)、
式中、
47は、Y、G又はSであり、
48は、G又はYであり、
49は、S、H又はTであり、
50は、S、A又はTであり、
51は、L、I又はWである。
【0542】
本発明はまた、重鎖可変領域(VH)である配列番号145、146、147、148
又は149内に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含む、TIM-3に特
異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供し、このとき、HCDR
1、HCDR2及びHCDR3は、Chothia、Kabat、又はIMGTによって
定義される。
【0543】
本発明はまた、軽鎖可変領域(VL)である配列番号155、156、157又は15
8内に含まれるLCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、TIM-3に特異的に結
合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供し、このとき、LCDR1、LC
DR2及びLCDR3は、Chothia、Kabat、又はIMGTによって定義され
る。
【0544】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、
配列番号90、91、92又は93のHCDR1と、
配列番号99、100又は101のHCDR2と、
配列番号107、108、109、110又は111のHCDR3と、を含む。
【0545】
いくつかの実施形態では、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
又はその抗原結合部分は、
配列番号117、118、119又は120のLCDR1と、
配列番号126、127、128又は129のLCDR2と、
配列番号135、136、137又は139のLCDR3と、を含む。
【0546】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、
配列番号90、91、92又は93のHCDR1と、
配列番号99、100又は101のHCDR2と、
配列番号107、108、109、110又は111のHCDR3と、
配列番号117、118、119又は120のLCDR1と、
配列番号126、127、128又は129のLCDR2と、又は
配列番号135、136、137又は139のLCDR3と、を含む。
【0547】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、
それぞれ、配列番号90、99及び107、
それぞれ、配列番号91、99及び108、
それぞれ、配列番号91、99及び109、
それぞれ、配列番号92、100及び110、又は
それぞれ、配列番号93、101及び111の、HCDR1、HCDR2及びHCDR
3を含む。
【0548】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、
それぞれ、配列番号117、126及び135、
それぞれ、配列番号118、127及び136、
それぞれ、配列番号119、128及び137、又は
それぞれ、配列番号120、129及び139の、LCDR1、LCDR2及びLCD
R3を含む。
【0549】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその
抗原結合部分は、
それぞれ、配列番号90、99、107、117、126及び135、
それぞれ、配列番号91、99、108、118、127及び136、
それぞれ、配列番号91、99、109、119、128及び137、
それぞれ、配列番号92、100、110、117、126及び135、又は
それぞれ、配列番号93、101、111、120、129及び139の、HCDR1
、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
【0550】
本発明はまた、それぞれ配列番号164、165及び108のHCDR1、HCDR2
、及びHCDR3と、それぞれ配列番号118、168及び169のLCDR1、LCD
R2、及びLCDR3と、を含む、TIM-3に特異的に結合する単離されたアンタゴニ
スト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0551】
本発明はまた、それぞれ配列番号91、99、108、118、127及び136の、
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0552】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号261)
内でTIM-3に結合する。
【0553】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号261)
及び残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0554】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3のガレクチン-9への結合を阻害する。
【0555】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV3-23(配列番号
174)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV3-11(配列番号171)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0556】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号146のVHと、配
列番号156のVLと、を含む。
【0557】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号204及び205である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0558】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD
T細胞の活性化を増強し、このとき抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活
性化は、実施例14に記載される方法によって、抗原特異的CD4又はCD8 T細
胞上の統計学的に有意なCD137細胞表面発現の増強を測定することによって評価され
る。
【0559】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0560】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0561】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0562】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4/κアイソタイプである。
【0563】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと
、を含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追加的に含む、IgG4アイ
ソタイプである。
【0564】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと
、を含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、IgG4/κアイソタイプ
である。
【0565】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0566】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2/κアイソタイプである。
【0567】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと
、を含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H2
68A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に含む、IgG2/κ
アイソタイプである。
【0568】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと
、を含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H2
68A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2/κアイソタイプ
である。
【0569】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号78のHCと、配列番号79のLCと、を
含む。
【0570】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号240のHCと、配列番号79のLCと、
を含む。
【0571】
配列番号78
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【0572】
配列番号79
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVNDYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQGGHAPITFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【0573】
配列番号240
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【0574】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0575】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0576】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0577】
抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療に使用するのに適している。
【0578】
抗体は、治療、例えば、肺癌の治療に使用するのに適している。
【0579】
抗体は、治療、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用するのに適している
【0580】
抗体は、治療、例えば、扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0581】
抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0582】
抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療に使用するのに適している。
【0583】
抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)の治療に使用するのに適している。
【0584】
抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療に使用するのに適している。
【0585】
抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療に使用するのに適している。
【0586】
抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療に使用するのに適している。
【0587】
抗体は、治療、例えば、前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0588】
抗体は、治療、例えば、去勢抵抗性前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0589】
抗体は、治療、例えば、胃癌の治療に使用するのに適している。
【0590】
抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療に使用するのに適している。
【0591】
抗体は、治療、例えば、胃部癌の治療に使用するのに適している。
【0592】
抗体は、治療、例えば、肝癌の治療に使用するのに適している。
【0593】
抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療に使用するのに適している。
【0594】
抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療に使用するのに適している。
【0595】
抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌の治療に使用するのに適している。
【0596】
抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療に使用するのに適している。
【0597】
抗体は、治療、例えば、乳癌の治療に使用するのに適している。
【0598】
抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療に使用するのに適している。
【0599】
抗体は、治療、例えば、脳癌の治療に使用するのに適している。
【0600】
抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療に使用するのに適している。
【0601】
抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療に使用するのに適している。
【0602】
抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療に使用するのに適している。
【0603】
抗体は、治療、例えば、癌の転移巣の治療に使用するのに適している。
【0604】
抗体は、治療、例えば、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌
の治療に使用するのに適している。
【0605】
抗体は、治療、例えば、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0606】
抗体は、治療、例えば、配列番号47のVHと、配列番号58のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0607】
抗体は、治療、例えば、配列番号45のVHと、配列番号60のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0608】
抗体は、治療、例えば、配列番号64のVHと、配列番号65のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0609】
抗体は、治療、例えば、TIGIT(配列番号301)に特異的に結合するアンタゴニ
スト抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0610】
抗体は、治療、例えば、FGFR阻害剤と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用する
のに適している。
【0611】
抗体は、治療、例えば、ワクチンと併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適
している。
【0612】
抗体は、治療、例えば、GITR(配列番号271)に特異的に結合するアゴニスト抗
体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0613】
抗体は、治療、例えば、CD137(配列番号281)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0614】
抗体は、治療、例えば、OX-40(配列番号279)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0615】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))で治療される、又は、治療されたことがある対象において、治療に使用するの
に適している。
【0616】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
で治療される、又は、治療されたことがある対象において、治療に使用するのに適してい
る。
【0617】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))での治療に不応性(refractory)である対象において、治療に使用するのに適
している。
【0618】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
での治療に不応性である対象において、治療に使用するのに適している。
【0619】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))での治療後に再発した腫瘍を有する対象において、治療に使用するのに適して
いる。
【0620】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
での治療後に再発した腫瘍を有する対象において、治療に使用するのに適している。
【0621】
本発明はまた、それぞれ配列番号97、105、115、124、133及び143の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0622】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV5-51(配列番号
179)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV1-39(配列番号182)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0623】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと
、を含む。
【0624】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号206及び207である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0625】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD
T細胞の活性化を増強し、このとき抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活
性化は、実施例14に記載される方法によって、抗原特異的CD4又はCD8 T細
胞上の統計学的に有意なCD137細胞表面発現の増強を測定することによって評価され
る。
【0626】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)内で
TIM-3に結合する。
【0627】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)及び
残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0628】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合する抗体又はその抗原結合部分は
、TIM-3のガレクチン-9への結合を阻害する。
【0629】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0630】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0631】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0632】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4/κアイソタイプである。
【0633】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと
、を含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追加的に含む、IgG4アイ
ソタイプである。
【0634】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと
、を含み、野生型IgG4と比較してS228P置換を含む、IgG4/κアイソタイプ
である。
【0635】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0636】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2/κアイソタイプである。
【0637】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと
、を含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H2
68A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に含む、IgG2/κ
アイソタイプである。
【0638】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと
、を含み、かつ、野生型IgG2と比較してV234A、G237A、P238S、H2
68A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2/κアイソタイプ
である。
【0639】
いくつかの実施形態では、抗体は、配列番号80のHCと、配列番号81のLCと、を
含む。
【配列表1】
【0640】
【0641】
配列番号81
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASENVGTFVSWYQQK
PGKAPKLLIYGASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQ
PEDFATYYCGQSYSYPTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQG
LSSPVTKSFNRGEC
【0642】
いくつかの実施形態では、抗体は、二重特異性PD-1/TIM-3抗体などの二重特
異性抗体である。
【0643】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0644】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0645】
抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療に使用するのに適している。
【0646】
抗体は、治療、例えば、肺癌の治療に使用するのに適している。
【0647】
抗体は、治療、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用するのに適している
【0648】
抗体は、治療、例えば、扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0649】
抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0650】
抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療に使用するのに適している。
【0651】
抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)の治療に使用するのに適している。
【0652】
抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療に使用するのに適している。
【0653】
抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療に使用するのに適している。
【0654】
抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療に使用するのに適している。
【0655】
抗体は、治療、例えば、前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0656】
抗体は、治療、例えば、去勢抵抗性前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0657】
抗体は、治療、例えば、胃癌の治療に使用するのに適している。
【0658】
抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療に使用するのに適している。
【0659】
抗体は、治療、例えば、胃部癌の治療に使用するのに適している。
【0660】
抗体は、治療、例えば、肝癌の治療に使用するのに適している。
【0661】
抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療に使用するのに適している。
【0662】
抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療に使用するのに適している。
【0663】
抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌の治療に使用するのに適している。
【0664】
抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療に使用するのに適している。
【0665】
抗体は、治療、例えば、乳癌の治療に使用するのに適している。
【0666】
抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療に使用するのに適している。
【0667】
抗体は、治療、例えば、脳癌の治療に使用するのに適している。
【0668】
抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療に使用するのに適している。
【0669】
抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療に使用するのに適している。
【0670】
抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療に使用するのに適している。
【0671】
抗体は、治療、例えば、癌の転移巣の治療に使用するのに適している。
【0672】
抗体は、治療、例えば、血液悪性疾患の治療に使用するのに適している。
【0673】
抗体は、治療、例えば、急性リンパ性白血病(ALL)の治療に使用するのに適してい
る。
【0674】
抗体は、治療、例えば、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌
の治療に使用するのに適している。
【0675】
抗体は、治療、例えば、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0676】
抗体は、治療、例えば、配列番号47のVHと、配列番号58のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0677】
抗体は、治療、例えば、配列番号45のVHと、配列番号60のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0678】
抗体は、治療、例えば、配列番号65のVHと、配列番号65のVLと、を含む、PD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体と併用して癌の治療に使用するのに適してい
る。
【0679】
抗体は、治療、例えば、TIGIT(配列番号301)に特異的に結合するアンタゴニ
スト抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0680】
抗体は、治療、例えば、FGFR阻害剤と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用する
のに適している。
【0681】
抗体は、治療、例えば、ワクチンと併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適
している。
【0682】
抗体は、治療、例えば、GITR(配列番号271)に特異的に結合するアゴニスト抗
体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0683】
抗体は、治療、例えば、CD137(配列番号281)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0684】
抗体は、治療、例えば、OX-40(配列番号279)に特異的に結合するアゴニスト
抗体と併用して固形腫瘍などの癌の治療に使用するのに適している。
【0685】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))で治療される、又は、治療されたことがある対象において、治療に使用するの
に適している。
【0686】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
で治療される、又は、治療されたことがある対象において、治療に使用するのに適してい
る。
【0687】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))での治療に不応性である対象において、治療に使用するのに適している。
【0688】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
での治療に不応性である対象において、治療に使用するのに適している。
【0689】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリ
ズマブ))での治療後に再発した腫瘍を有する対象において、治療に使用するのに適して
いる。
【0690】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、PD-1に特異
的に結合するアンタゴニスト抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))
での治療後に再発した腫瘍を有する対象において、治療に使用するのに適している。
【0691】
本発明はまた、それぞれ配列番号90、99、107、117、126及び135の、
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0692】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV3-23(配列番号
174)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV3-20(配列番号180)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0693】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号145のVHと、配
列番号155のVLと、を含む。
【0694】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号208及び209である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0695】
本発明はまた、配列番号91、99、109、119、128及び137の、HCDR
1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、TIM-
3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0696】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV3-23(配列番号
174)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV4-1(配列番号181)に由来す
る軽鎖フレームワークと、を含む。
【0697】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号148のVHと、配
列番号157のVLと、を含む。
【0698】
本発明はまた、それぞれ配列番号92、100、110、117、126及び135の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0699】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV3-23(配列番号
174)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV3-20(配列番号180)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0700】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号147のVHと、配
列番号155のVLと、を含む。
【0701】
本発明はまた、それぞれ配列番号93、101、111、120、129及び139の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0702】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV3-23(配列番号
174)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV3-20(配列番号180)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0703】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号149のVHと、配
列番号158のVLと、を含む。
【0704】
いくつかの実施形態では、VH及びVLは、それぞれ配列番号201及び211である
ポリヌクレオチド配列によってコードされている。
【0705】
本発明はまた、それぞれ配列番号94、102、112、121、130及び140の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0706】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV1-02(配列番号
175)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV4-1(配列番号181)に由来す
る軽鎖フレームワークと、を含む。
【0707】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号150のVHと、配
列番号159のVLと、を含む。
【0708】
本発明はまた、それぞれ配列番号95、103、113、122、131及び141の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0709】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV4-30-4(配列
番号176)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV1-39(配列番号182)に
由来する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0710】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号151のVHと、配
列番号160のVLと、を含む。
【0711】
本発明はまた、それぞれ配列番号96、104、114、123、132及び142の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0712】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV1-03(配列番号
177)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV1-33(配列番号183)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0713】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号152のVHと、配
列番号161のVLと、を含む。
【0714】
本発明はまた、それぞれ配列番号97、105、115、124、133及び143の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0715】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV1-03(配列番号
177)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV1-39(配列番号182)に由来
する軽鎖フレームワークと、を含む。
【0716】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号153のVHと、配
列番号162のVLと、を含む。
【0717】
本発明はまた、それぞれ配列番号98、106、116、125、134及び144の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0718】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、IGHV2-26(配列番号
178)に由来する重鎖フレームワークと、IGKV4-1(配列番号181)に由来す
る軽鎖フレームワークと、を含む。
【0719】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、配列番号154のVHと、配
列番号163のVLと、を含む。
【0720】
いくつかの実施形態では、抗体又はその抗原結合部分は、抗原特異的CD4又はCD
T細胞の活性化を増強し、このとき抗原特異的CD4又はCD8T細胞の活性化
は、実施例14に記載される方法によって、抗原特異的CD4又はCD8T細胞上の
統計学的に有意なCD137細胞表面発現の増強を測定することによって評価される。
【0721】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0722】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0723】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0724】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0725】
代表的な本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体のVH、VL、H
CDR及びLCDR配列を、表3に示す。
【0726】
実施例で説明する実施形態は、1つが重鎖に由来し、1つが軽鎖に由来する1対の可変
領域を有しているが、当業者であれば代替的な実施形態は、1つの重鎖又は軽鎖の可変領
域を有してもよいということを認識するであろう。1つの可変領域を用いることで、例え
ばヒトTIM-3に結合することが可能な2ドメイン特異的抗原結合断片を形成すること
が可能な可変ドメインについて、スクリーニングすることができる。スクリーニングは、
本明細書に記載されるものと同様のファージディスプレイスクリーニング法によって達成
できる。
【0727】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、多重
特異性抗体である。
【0728】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、二重
特異性抗体である。
【0729】
いくつかの実施形態では、二重特異性又は多重特異性抗体は、PD-1(配列番号1)
、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、LAG-3(配列番号293
)、CEACAM-1(配列番号296)、CEACAM-5(配列番号307)、NK
G2D(配列番号282)、又はTIGITI(配列番号301)に結合する。二重特異
性抗体及び多重特異性抗体は、本明細書に記載される方法を用いて産生することができる
【0730】
【表3】
【0731】
同種抗体
表3、表36及び表37示すVH又はVLアミノ酸配列を含む本発明のTIM-3に特
異的に結合するアンタゴニスト抗体の変異体は、本発明の範囲内である。例えば、同種抗
体が、親抗体と比較してその機能特性を維持している、又は向上している限り、変異体は
、VH及び/又はVL中に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
3、14、又は15個のアミノ酸置換を含み得る。いくつかの実施形態では、配列同一性
は、本発明のVH又はVLアミノ酸配列に対して約90%、91%、92%、93%、9
4%、95%、96%、97%、98%、又は99%であり得る。
【0732】
本発明はまた、配列番号145のVHと、配列番号155のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0733】
本発明はまた、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0734】
本発明はまた、配列番号148のVHと、配列番号157のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0735】
本発明はまた、配列番号147のVHと、配列番号155のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0736】
本発明はまた、配列番号149のVHと、配列番号158のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0737】
本発明はまた、配列番号150のVHと、配列番号159のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0738】
本発明はまた、配列番号151のVHと、配列番号160のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0739】
本発明はまた、配列番号152のVHと、配列番号161のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0740】
本発明はまた、配列番号153のVHと、配列番号162のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0741】
本発明はまた、配列番号154のVHと、配列番号163のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0742】
本発明はまた、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと、を含み、VH、V
L、又はVH及びVLの両方が、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、TIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、任意の置
換はCDRの範囲内ではない。
【0743】
本発明はまた、配列番号145、146、147、148、149、150、151、
152、153、154又は172のVHに、少なくとも90%、91%、92%、93
%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有す
るVHを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分
も含む。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内ではない
【0744】
本発明はまた、配列番号155、156、157、158、159、160、161、
162、163又は173のVLに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94
%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するVHを
含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も含む。
任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0745】
本発明はまた、配列番号145、146、147、148、149、150、151、
152、153、154又は172のVHに、少なくとも90%、91%、92%、93
%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有す
るVHと、配列番号155、156、157、158、159、160、161、162
、163又は173のVLに、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、9
5%、96%、97%、98%又は99%同一であるアミノ酸配列を有するVLと、を含
む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する
。任意追加的に、配列番号の配列からの任意の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0746】
本発明はまた、配列番号145のVH及び配列番号155のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0747】
本発明はまた、配列番号146のVH及び配列番号156のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0748】
本発明はまた、配列番号148のVH及び配列番号157のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0749】
本発明はまた、配列番号147のVH及び配列番号155のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0750】
本発明はまた、配列番号149のVH及び配列番号158のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0751】
本発明はまた、配列番号150のVH及び配列番号159のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0752】
本発明はまた、配列番号151のVH及び配列番号160のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0753】
本発明はまた、配列番号152のVH及び配列番号161のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0754】
本発明はまた、配列番号153のVH及び配列番号162のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0755】
本発明はまた、配列番号154のVH及び配列番号163のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0756】
本発明はまた、配列番号172のVH及び配列番号173のVLに、少なくとも90%
、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%同一で
あるアミノ酸配列を有するVH及びVLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。任意追加的に、配列番号の配列からの任意
の変化例は、CDRの範囲内ではない。
【0757】
本明細書に記載される本発明の同種抗体は、親TIM-3抗体と比較するとき、実質的
に類似の機能を有する。
【0758】
保存的改変を有する本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
本発明はまた、HCDR1配列と、HCDR2配列と、HCDR3配列と、を含むVH
と、LCDR1配列と、LCDR2配列と、LCDR3配列と、を含むVLと、を含み、
CDR配列のうち1つ又は2つ以上が、本明細書に記載される抗体(例えば、表3、表3
6又は表37に示される抗体、又は、その保存的改変体)に基づく特定のアミノ酸配列を
含み、抗体が、本発明のTIM-3に特異的に結合する親アンタゴニスト抗体の所望の機
能特性を維持している、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原
結合部分も提供する。
【0759】
本発明はまた、それぞれ配列番号90、99、107、117、126及び135の、
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びに
その保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原
結合部分も提供する。
【0760】
本発明はまた、それぞれ配列番号91、99、108、118、127及び136の、
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びに
その保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原
結合部分も提供する。
【0761】
本発明はまた、それぞれ配列番号91、99、109、119、128及び137の、
HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並びに
その保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原
結合部分も提供する。
【0762】
本発明はまた、それぞれ配列番号92、100、110、117、126及び135の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0763】
本発明はまた、それぞれ配列番号93、101、111、120、129及び139の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0764】
本発明はまた、それぞれ配列番号94、102、112、121、130及び140の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0765】
本発明はまた、それぞれ配列番号95、103、113、122、131及び141の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0766】
本発明はまた、それぞれ配列番号96、104、114、123、132及び142の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0767】
本発明はまた、それぞれ配列番号97、105、115、124、133及び143の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0768】
本発明はまた、それぞれ配列番号98、106、116、125、134及び144の
、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3、並び
にその保存的改変を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗
原結合部分も提供する。
【0769】
「保存的改変」とは、本明細書に記載される改変を指す。
【0770】
特定のフレームワーク配列を有する本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニ
スト抗体
本発明はまた、特定のヒト生殖細胞系列免疫グロブリン配列に由来するVH及びVLを
含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供す
る。
【0771】
本発明はまた、IGHV3-23(配列番号174)、IGHV1-02(配列番号1
75)、IGHV4-30-4(配列番号176)、IGHV1-03(配列番号177
)、IGHV2-26(配列番号178)又はIGHV5-51(配列番号179)に由
来するVHフレームワークを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
はその抗原結合部分も提供する。
【0772】
本発明はまた、IGKV3-20(A27)(配列番号180)、IGKV3-11(
L6)(配列番号171)、IGKV4-1(B3)(配列番号181)、IGKV1-
39)(O12)(配列番号182)又はIGKV1-33(O18)(配列番号183
)に由来するVLフレームワークを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト
抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0773】
本発明はまた、IGHV3-23(配列番号174)に由来するVHフレームワークと
、IGKV3-20(配列番号180)に由来するVLフレームワークと、を含む、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0774】
本発明はまた、IGHV3-23(配列番号174)に由来するVHフレームワークと
、IGKV3-11(配列番号171)に由来するVLフレームワークと、を含む、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0775】
本発明はまた、IGHV3-23(配列番号174)に由来するVHフレームワークと
、IGKV4-1(配列番号181)に由来するVLフレームワークと、を含む、TIM
-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0776】
本発明はまた、IGHV1-02(配列番号175)に由来するVHフレームワークと
、IGKV4-1(配列番号181)に由来するVLフレームワークと、を含む、TIM
-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0777】
本発明はまた、IGHV4-30-4(配列番号176)に由来するVHフレームワー
クと、IGKV1-39(配列番号182)に由来するVLフレームワークと、を含む、
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0778】
本発明はまた、IGHV1-03(配列番号177)に由来するVHフレームワークと
、IGKV1-33(配列番号183)に由来するVLフレームワークと、を含む、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0779】
本発明はまた、IGHV1-03(配列番号177)に由来するVHフレームワークと
、IGKV1-39(配列番号182)に由来するVLフレームワークと、を含む、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0780】
本発明はまた、IGHV2-26(配列番号178)に由来するVHフレームワークと
、IGKV4-1(配列番号181)に由来するVLフレームワークと、を含む、TIM
-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0781】
本発明はまた、IGHV5-51(配列番号179)に由来するVHフレームワークと
、IGKV1-39(配列番号182)に由来するVLフレームワークと、を含む、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分も提供する。
【0782】
本発明の、特定のフレームワーク又は生殖細胞系列配列「に由来する」重鎖可変領域又
は軽鎖可変領域を含む抗体とは、ヒト生殖細胞系列免疫グロブリン遺伝子を用いた系から
、例えば本明細書に記載されるトランスジェニックマウス又はファージディスプレイライ
ブラリから得られる抗体を指す。特定のフレームワーク又は生殖細胞系列配列「に由来す
る」抗体は、その起源となる配列と比べると、例えば自然発生の体細胞変異又は意図的な
置換が原因のアミノ酸の相違を含む可能性がある。
【0783】
特定のVH及びVLフレームワーク配列を有する代表的なTIM-3に特異的に結合す
るアンタゴニスト抗体を、表38に示す。
【0784】
二重特異性抗PD-1/TIM-3抗体
本発明はまた、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体も提供する。
【0785】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結
合する第2ドメインと、を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニ
スト抗体も提供する。
【0786】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強する。
【0787】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、抗原特異的CD4
又はCD8 T細胞の増強された活性化は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞
上の統計学的に有意なCD137細胞表面発現の上昇を測定することによって評価される
【0788】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、ガレクチン-9へのTIM-3の結合を阻害する。
【0789】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、
ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、
ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
ヒトPD-1に約1nM未満のKで結合し、このときKは、ProteOn XP
R36システムを用いて+25℃で測定される、
カニクイザルPD-1に約100nM未満のKで結合し、このときKは、Prot
eOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、又は
カニクイザルPD-1に約1nM未満のKで結合し、
このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される
【0790】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、抗原特異的CD4
又はCD8 T細胞の活性化は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学
的に有意なCD137細胞表面発現の上昇を測定することによって評価され、活性化によ
って、ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときK
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される。
【0791】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、抗原特異的CD4
又はCD8 T細胞の活性化は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学
的に有意なCD137細胞表面発現の上昇を測定することによって評価され、活性化によ
って、ヒトPD-1に約1nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときKは、
ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される。
【0792】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、抗原特異的CD4
又はCD8 T細胞の活性化は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学
的に有意なCD137細胞表面発現の上昇を測定することによって評価され、活性化によ
って、カニクイザルPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、この
ときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される。
【0793】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を増強し、抗原特異的CD4
又はCD8 T細胞の活性化は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学
的に有意なCD137細胞表面発現の上昇を測定することによって評価され、活性化によ
って、カニクイザルPD-1に約1nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このとき
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される。
【0794】
本発明のアンタゴニスト二重特異性PD-1/TIM-3本明細書に記載される抗体は
、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化の増強能、ガレクチン-9へのTI
M-3結合の阻害能について評価でき、ヒト又はカニクイザルPD-1又はTIM-3へ
の結合反応速度は、本明細書に記載される方法を用いて評価できる。
【0795】
例えば、CD137は、抗原特異的CD4又はCD8T細胞の活性化のマーカーと
して使用できる。CD137の細胞表面発現は、試験抗体、例えば二重特異性PD-1/
TIM-3抗体の存在下又は非存在下で培養したT細胞上において、抗CD137抗体及
び、例えば蛍光染料と複合体化した二次抗体を用いて測定できる。試験抗体の存在下又は
非存在下で培養したT細胞上で得られたシグナルの、統計学的有意差を評価する。
【0796】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号26
1)内でTIM-3に結合する。
【0797】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、TIM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号26
1)及び残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0798】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)
内でTIM-3に結合する。
【0799】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体は、TIM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)
及び残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0800】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、それぞれ配列番号82、83及び84の重
鎖相補性決定領域(HCDR)1、HCDR2及びHCDR3を含む。
【0801】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、それぞれ配列番号82、83及び85のH
CDR1、HCDR2及びHCDR3を含む。
【0802】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、それぞれ配列番号86、87及び88の軽
鎖相補性決定領域(LCDR)1、LCDR2及びLCDR3を含む。
【0803】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、それぞれ配列番号82、83及び84のH
CDR1、HCDR2、及びHCDR3と、それぞれ配列番号86、87及び88のLC
DR1、LCDR2、及びLCDR3と、を含む。
【0804】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、それぞれ配列番号82、83及び85のH
CDR1、HCDR2、及びHCDR3と、それぞれ配列番号86、87及び88のLC
DR1、LCDR2、及びLCDR3と、を含む。
【0805】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、それぞれ配列番号164、165及び16
6のHCDR1、HCDR2及びHCDR3アミノ酸配列を含む。
【0806】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、それぞれ配列番号167、168及び16
9のLCDR1、LCDR2及びLCDR3アミノ酸配列を含む。
【0807】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、それぞれ配列番号164、165及び16
6のHCDR1、HCDR2及びHCDR3アミノ酸配列と、それぞれ配列番号167、
168及び169のLCDR1、LCDR2及びLCDR3アミノ酸配列と、を含む。
【0808】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、
それぞれ、配列番号10、13、16、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、16、21、26及び32、
それぞれ、配列番号10、14、16、22、27及び33、
それぞれ、配列番号10、14、16、22、26及び34、
それぞれ、配列番号10、14、16、23、28及び35、
それぞれ、配列番号10、13、17、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、17、20、26及び36、
それぞれ、配列番号10、13、17、21、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、17、21、27及び37、
それぞれ、配列番号10、13、17、23、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、17、22、26及び32、
それぞれ、配列番号10、13、18、20、26及び31、
それぞれ、配列番号11、15、18、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、13、19、20、26及び31、
それぞれ、配列番号12、13、19、20、26及び31、
それぞれ、配列番号10、14、17、23、28及び35、
それぞれ、配列番号10、14、17、22、26及び34、
それぞれ、配列番号10、14、17、23、26及び32、
それぞれ、配列番号12、13、19、24、26及び38、
それぞれ、配列番号12、13、19、20、29及び39、
それぞれ、配列番号11、15、18、20、30及び32、
それぞれ、配列番号11、15、18、25、26及び40、
それぞれ、配列番号11、15、18、24、26及び32、又は
それぞれ、配列番号66、67、68、69、70及び71の、HCDR1、HCDR
2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
【0809】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、
それぞれ、配列番号90、99、107、117、126及び135、
それぞれ、配列番号91、99、108、118、127及び136、
それぞれ、配列番号91、99、109、119、128及び137、
それぞれ、配列番号92、100、110、117、126及び135、
それぞれ、配列番号93、101、111、120、129及び139、
それぞれ、配列番号94、102、112、121、130及び140、
それぞれ、配列番号95、103、113、122、131及び141、
それぞれ、配列番号96、104、114、123、132及び142、
それぞれ、配列番号97、105、115、124、133及び143、又は
それぞれ、配列番号98、106、116、125、134及び144の、HCDR1
、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。
【0810】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号41、42、43、44、45、
46、47、48、63又は64のVHを含み、VHは、任意追加的に1、2、3、4、
5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個の保存的アミノ酸置換
を有する。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲内ではない。
【0811】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号49、50、51、52、53、
54、55、56、57、58、59、60、61、62又は65のVLを含み、VLは
、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、
又は15個の保存的アミノ酸置換を有する。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲内
ではない。
【0812】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号41、42、43、44、45、
46、47、48、63又は64のVHと、配列番号49、50、51、52、53、5
4、55、56、57、58、59、60、61、62及び65のVLと、を含み、VH
、VL、又はVH及びVLは、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10
、11、12、13、14、又は15個の保存的アミノ酸置換を有する。任意追加的に、
任意の置換はCDRの範囲内ではない。
【0813】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号145、146、147、148
、149、150、151、152、153、154又は172のVHを含み、VHは、
任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又
は15個の保存的アミノ酸置換を有する。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲内で
はない。
【0814】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号155、156、157、158
、159、160、161、162、163又は173のVLを含み、VLは、任意追加
的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個
の保存的アミノ酸置換を有する。任意追加的に、任意の置換はCDRの範囲内ではない。
【0815】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号145、146、147、148
、149、150、151、152、153、154又は172のVHと、配列番号15
5、156、157、158、159、160、161、162、163又は173のV
Lと、を含み、VH及びVLは、任意追加的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、又は15個の保存的アミノ酸置換を有する。任意追加的に
、任意の置換はCDRの範囲内ではない。
【0816】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号41のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0817】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号41のVHと、配列番号50のV
Lと、を含む。
【0818】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号42のVHと、配列番号51のV
Lと、を含む。
【0819】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号42のVHと、配列番号52のV
Lと、を含む。
【0820】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号42のVHと、配列番号53のV
Lと、を含む。
【0821】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0822】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号54のV
Lと、を含む。
【0823】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号50のV
Lと、を含む。
【0824】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号55のV
Lと、を含む。
【0825】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号56のV
Lと、を含む。
【0826】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号43のVHと、配列番号57のV
Lと、を含む。
【0827】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号44のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0828】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号45のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0829】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号46のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0830】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号47のVHと、配列番号49のV
Lと、を含む。
【0831】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号53のV
Lと、を含む。
【0832】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号52のV
Lと、を含む。
【0833】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号56のV
Lと、を含む。
【0834】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号47のVHと、配列番号58のV
Lと、を含む。
【0835】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号47のVHと、配列番号59のV
Lと、を含む。
【0836】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号45のVHと、配列番号60のV
Lと、を含む。
【0837】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号45のVHと、配列番号61のV
Lと、を含む。
【0838】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号45のVHと、配列番号62のV
Lと、を含む。
【0839】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号63のVHと、配列番号65のV
Lと、を含む。
【0840】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号64のVHと、配列番号65のV
Lと、を含む。
【0841】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号145のVHと、配列番号155
のVLと、を含む。
【0842】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号146のVHと、配列番号156
のVLと、を含む。
【0843】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号148のVHと、配列番号157
のVLと、を含む。
【0844】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号147のVHと、配列番号155
のVLと、を含む。
【0845】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号149のVHと、配列番号158
のVLと、を含む。
【0846】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号150のVHと、配列番号159
のVLと、を含む。
【0847】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号151のVHと、配列番号160
のVLと、を含む。
【0848】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号152のVHと、配列番号161
のVLと、を含む。
【0849】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号153のVHと、配列番号162
のVLと、を含む。
【0850】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号154のVHと、配列番号163
のVLと、を含む。
【0851】
いくつかの実施形態では、第2ドメインは、配列番号172のVHと、配列番号173
のVLと、を含む。
【0852】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結
合する第2ドメインと、を含み、第1ドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、
23、26及び32のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含み、第2ドメインが、それぞれ配列番号91、99、108、118、
127及び136のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及び
LCDR3を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体も提
供する。
【0853】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、T
IM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号261)内で
TIM-3に結合する。
【0854】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、T
IM-3残基32~47(WGKGACPVFECGNVVL)(配列番号261)及び
残基50~56(DERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0855】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、ガ
レクチン-9へのTIM-3の結合を阻害する。
【0856】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号56のV
Lと、を含み、第2ドメインは、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を
含む。
【0857】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0858】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0859】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及び/又はK409R置換を含む、Ig
G2アイソタイプである。
【0860】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0861】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0862】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0863】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及びK409R置換を含む、IgG4ア
イソタイプである。
【0864】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較して重鎖置換S228Pを含
む、IgG4アイソタイプである。
【0865】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号241、188、245又は194である第1重鎖(HC1)
、第1軽鎖(LC1)、第2重鎖(HC2)及び第2軽鎖(LC2)を含む。
【0866】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号186、188、191又は194のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0867】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号186、188、248又は194のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0868】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号243、188、246又は194のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0869】
抗体は、治療、例えば、癌の治療に使用するのに適している。
【0870】
抗体は、治療、例えば、固形腫瘍の治療に使用するのに適している。
【0871】
抗体は、治療、例えば、黒色腫の治療に使用するのに適している。
【0872】
抗体は、治療、例えば、肺癌の治療に使用するのに適している。
【0873】
抗体は、治療、例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)の治療に使用するのに適している
【0874】
抗体は、治療、例えば、扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0875】
抗体は、治療、例えば、非扁平上皮NSCLCの治療に使用するのに適している。
【0876】
抗体は、治療、例えば、肺腺癌の治療に使用するのに適している。
【0877】
抗体は、治療、例えば、腎細胞癌(RCC)の治療に使用するのに適している。
【0878】
抗体は、治療、例えば、中皮腫の治療に使用するのに適している。
【0879】
抗体は、治療、例えば、上咽頭癌(NPC)の治療に使用するのに適している。
【0880】
抗体は、治療、例えば、結腸直腸癌の治療に使用するのに適している。
【0881】
抗体は、治療、例えば、前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0882】
抗体は、治療、例えば、去勢抵抗性前立腺癌の治療に使用するのに適している。
【0883】
抗体は、治療、例えば、胃癌の治療に使用するのに適している。
【0884】
抗体は、治療、例えば、卵巣癌の治療に使用するのに適している。
【0885】
抗体は、治療、例えば、胃部癌の治療に使用するのに適している。
【0886】
抗体は、治療、例えば、肝癌の治療に使用するのに適している。
【0887】
抗体は、治療、例えば、膵臓癌の治療に使用するのに適している。
【0888】
抗体は、治療、例えば、甲状腺癌の治療に使用するのに適している。
【0889】
抗体は、治療、例えば、頭頸部の扁平上皮癌の治療に使用するのに適している。
【0890】
抗体は、治療、例えば、食道又は胃腸管の癌腫の治療に使用するのに適している。
【0891】
抗体は、治療、例えば、乳癌の治療に使用するのに適している。
【0892】
抗体は、治療、例えば、卵管癌の治療に使用するのに適している。
【0893】
抗体は、治療、例えば、脳癌の治療に使用するのに適している。
【0894】
抗体は、治療、例えば、尿道癌の治療に使用するのに適している。
【0895】
抗体は、治療、例えば、子宮内膜症の治療に使用するのに適している。
【0896】
抗体は、治療、例えば、子宮頸癌の治療に使用するのに適している。
【0897】
抗体は、治療、例えば、癌の転移巣の治療に使用するのに適している。
【0898】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))で治療される、又は、
治療されたことがある対象において、治療に使用するのに適している。
【0899】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))で治療される、又は、治療された
ことがある対象において、治療に使用するのに適している。
【0900】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))での治療に不応性であ
る対象において、治療に使用するのに適している。
【0901】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))での治療に不応性である対象にお
いて、治療に使用するのに適している。
【0902】
抗体は、配列番号230のVHと、配列番号231のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))での治療後に再発した
腫瘍を有する対象において、治療に使用するのに適している。
【0903】
抗体は、配列番号232のVHと、配列番号233のVLと、を含む、抗PD-1抗体
(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))での治療後に再発した腫瘍を有す
る対象において、治療に使用するのに適している。
【0904】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結
合する第2ドメインと、を含み、第1ドメインが、それぞれ配列番号66、67、68、
69、70及び71のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含み、第2ドメインが、それぞれ配列番号97、105、115、124
、133及び143のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体も
提供する。
【0905】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、T
IM-3残基90~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)内でTI
M-3に結合する。
【0906】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、TIM-3残基9
0~102(RIQIPGIMNDEKF)(配列番号263)及び残基50~56(D
ERDVNY)配列番号262内でTIM-3に結合する。
【0907】
いくつかの実施形態では、二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、ガレクチン-9へ
のTIM-3の結合を阻害する。
【0908】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号64のVHと、配列番号65のV
Lと、を含み、第2ドメインは、配列番号153のVHと、配列番号162のVLと、を
含む。
【0909】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0910】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0911】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及び/又はK409R置換を含む、Ig
G2アイソタイプである。
【0912】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0913】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0914】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0915】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及びK409R置換を含む、IgG4ア
イソタイプである。
【0916】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較して重鎖置換S228Pを含
む、IgG4アイソタイプである。
【0917】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、それぞ
れ配列番号187、189、190及び193のHC1、LC1、HC2及びLC2を含
む。
【0918】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結
合する第2ドメインと、を含み、第1ドメインが、それぞれ配列番号66、67、68、
69、70及び71のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含み、第2ドメインが、それぞれ配列番号91、99、108、118、
127及び136のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及び
LCDR3を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体も提
供する。
【0919】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号64のVHと、配列番号65のV
Lと、を含み、第2ドメインは、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を
含む。
【0920】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0921】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0922】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及び/又はK409R置換を含む、Ig
G2アイソタイプである。
【0923】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0924】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0925】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0926】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及びK409R置換を含む、IgG4ア
イソタイプである。
【0927】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較して重鎖置換S228Pを含
む、IgG4アイソタイプである。
【0928】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号187、189、191及び194のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0929】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、それぞ
れ配列番号242、189、246及び194のHC1、LC1、HC2及びLC2を含
む。本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に
結合する第2ドメインと、を含み、第1ドメインが、それぞれ配列番号10、14、17
、23、26及び32のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2
及びLCDR3を含み、第2ドメインが、それぞれ配列番号97、105、115、12
4、133及び143のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2
及びLCDR3を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体
も提供する。
【0930】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号56のV
Lと、を含み、第2ドメインは、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと、を
含む。
【0931】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0932】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0933】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及び/又はK409R置換を含む、Ig
G2アイソタイプである。
【0934】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0935】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0936】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0937】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及びK409R置換を含む、IgG4ア
イソタイプである。
【0938】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較して重鎖置換S228Pを含
む、IgG4アイソタイプである。
【0939】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号186、188、192及び195のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0940】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号241、188、244及び195のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0941】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体は、それぞれ配列番号243、188、247及び195のHC1、LC1、HC2
及びLC2を含む。
【0942】
いくつかの実施形態では、抗体は、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化
を増強し、このとき抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化は、実施例14に
記載される方法によって、抗原特異的CD4又はCD8 T細胞上の統計学的に有意
なCD137細胞表面発現の増強を測定することによって評価される。
【0943】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結
合する第2ドメインと、を含み、第1ドメインが、それぞれ配列番号10、14、17、
23、26及び32のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含み、第2ドメインが、それぞれ配列番号97、105、115、124
、133及び143のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及
びLCDR3を含む、単離された二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体も
提供する。
【0944】
いくつかの実施形態では、第1ドメインは、配列番号48のVHと、配列番号56のV
Lと、を含み、第2ドメインは、配列番号153のVHと、配列番号156のVLと、を
含む。
【0945】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG1アイソタイプである。
【0946】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG2アイソタイプである。
【0947】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及び/又はK409R置換を含む、Ig
G2アイソタイプである。
【0948】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG2と比較してV234A、G237A
、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を任意追加的に
含む、IgG2アイソタイプである。
【0949】
いくつかの実施形態では、抗体は、IgG3アイソタイプである。
【0950】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較してS228P置換を任意追
加的に含む、IgG4アイソタイプである。
【0951】
いくつかの実施形態では、抗体は、F405L及びK409R置換を含む、IgG4ア
イソタイプである。
【0952】
いくつかの実施形態では、抗体は、野生型IgG4と比較して重鎖置換S228Pを含
む、IgG4アイソタイプである。
【0953】
いくつかの実施形態では、単離された二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、それぞ
れ配列番号186、188、190及び193のHC1、LC1、HC2及びLC2を含
む。
【0954】
特定のVH、VL、HCDR及びLCDR配列を有する代表的な本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体を、表4及び表5に示す。
【0955】
【表4】
【0956】
【表5】
【0957】
遺伝子操作及び改変された抗体
本発明の抗体を更に改変して、親抗体と比較して特性が類似している又は変更されてい
る改変抗体を作製することもできる。本発明の抗体では、VH、VL、VH及びVL、定
常領域、VHフレームワーク、VLフレームワーク、又は6つのうち任意の若しくは全て
のCDRを改変することもできる。
【0958】
本明細書で使用するとき、「本発明の抗体」は、本明細書に記載される、PD-1に特
異的に結合する第1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインと(例えば
、二重特異性PD-1/TIM-3抗体)、を含む、PD-1に特異的に結合するアンタ
ゴニスト抗体、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、及び二重特異性PD
-1/TIM-3アンタゴニスト抗体を指す。
【0959】
本発明の抗体は、CDRグラフトにより改変することもできる。本明細書に記載される
本発明の抗体の1つ又は2つ以上のCDR配列を、異なるフレームワーク配列にグラフト
してもよい。CDRグラフトは、既知の方法及び本明細書に記載される方法を用いて行う
こともできる。
【0960】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又
は二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、配列番号10、11又は12であるHDCR
1、配列番号13、14又は15のHCDR2、配列番号16、17、18又は19のH
CDR3を含む、VHと、配列番号20、21、22、23、24又は25のLCDR1
、配列番号26、27、28、29又は30のLCDR2、及び/又は配列番号31、3
2、33、34、35、36、37、38、39又は40のLCDR3を含む、VLと、
を含み、VHフレームワークは、VH1-69(配列番号170)以外のVHフレームワ
ークに由来し、VLフレームワークは、IGKV3-11(配列番号171)以外のVL
フレームワークに由来する。
【0961】
いくつかの実施形態では、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
又は二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、配列番号90、91、92、93、94、
95、96、97又は98のHDCR1、配列番号99、100、101、102、10
、104、105又は106のHCDR2、配列番号107、108、109、110、
111、112、113、114、115又は116のHCDR3、並びに、配列番号1
17、118、119、120、121、122、123、124又は125のLCDR
1、配列番号126、127、128、129、130、131、132、133又は1
34のLCDR2、及び/又は配列番号135、136、137、139、140、14
1、142、143又は144のLCDR3を含む、VLを含み、VHフレームワークは
、IGHV3-23(配列番号174)、IGHV1-02(配列番号175)、IGH
V4-30-4(配列番号176)、IGHV1-03(配列番号177)、IGHV2
-26(配列番号178)又はIGHV5-51(配列番号179)以外のヒトVH生殖
細胞系列遺伝子配列に由来し、VLフレームワークは、IGKV3-20(A27)(配
列番号180)、IGKV3-11(L6)(配列番号171)、IGKV4-1(B3
)(配列番号181)、IGKV1-39(O12)(配列番号182)又はIGKV1
-33(O18)(配列番号183)以外のヒトVL生殖細胞系列遺伝子配列に由来する
【0962】
使用するフレームワーク配列は、生殖系列の抗体遺伝子配列を含む公的なDNAデータ
ベース又は公開されているレファレンスから得ることもできる。例えば、ヒト重鎖及び軽
鎖可変領域遺伝子の生殖細胞系列DNA及びコードされるタンパク質配列は、IMGT(
登録商標)、international ImMunoGeneTics infor
mation system(登録商標)(http://_www-imgt_org
)で見つけることができる。本発明の抗体において既存のフレームワーク配列と置き換え
て使用できるフレームワーク配列は、VH又はVLの全長にわたり、又は、FR1、FR
2、FR3及びFR4の長さにわたり、親フレームワークに対する最大同一性パーセント
を示すものであり得る。加えて、好適なフレームワークは、VH及びVLのCDR1及び
CDR2の長さ、又は、同一のLCDR1、LCDR2、LCDR3、HCDR1及びH
CDR2標準構造に基づいて更に選択できる。好適なフレームワークは、既知の方法、例
えば、米国特許第8,748,356号に記載されるヒトフレームワーク適合、又は、米
国特許第7,709,226号に記載される超ヒト化を用いて選択できる。
【0963】
親抗体及び遺伝子操作抗体のフレームワーク配列は、例えば、米国特許第6,180,
370号に記載のとおり、得られた抗体の抗原への結合を回復及び/又は向上させる復帰
変異により更に改変され得る。親抗体又は遺伝子操作抗体のフレームワーク配列は、フレ
ームワーク領域内の1つ又は2つ以上の残基又は1つ又は2つ以上のCDR領域内に変異
を導入することにより更に改変し、T細胞エピトープを除去することで、抗体のもつ潜在
的な免疫原性を除去することもできる。このアプローチは「脱免疫」とも呼ばれ、米国特
許出願公開第20070014796号に更に詳述されている。
【0964】
本発明の抗体のCDR残基を変異させ、抗体のPD-1、TIM-3、又はPD-1及
びTIM-3への親和性を向上してよい。
【0965】
本発明の抗体のCDR残基を、例えば、翻訳後修飾の危険性を最小化するため、変異さ
せてよい。脱アミノ化(NS)、酸触媒加水分解(DP)、異性化(DS)、又は酸化(
W)の推定モチーフのアミノ酸残基を、自然発生アミノ酸のうち任意のものと置換して変
異を誘発でき、そのモチーフ、及び得られた抗体を、本明細書に記載される方法を用いて
、その機能性及び安定性について試験できる。
【0966】
本発明の抗体にFc置換を行い、抗体エフェクター機能及び薬物動態特性を調節できる
。従来の免疫機能では、抗体-抗原複合体の免疫システム細胞との相互作用は、抗体依存
性細胞傷害、肥満細胞脱顆粒、及び貪食作用などのエフェクター機能から、制御性リンパ
球増殖及び抗体分泌などの免疫調節性シグナルに至る、多様な応答の要因となる。これら
の相互作用の全ては、抗体又は免疫複合体のFcドメインが、造血細胞上の特殊化した細
胞表面受容体に結合することによって開始される。抗体及び免疫複合体がきっかけとなる
細胞応答の違いは、3つのFc受容体、FcγRI(CD64)、FcγRII(CD3
2)、及びFcγRIII(CD16)の構造多様性に由来する。FcγRI(CD64
)、FcγRIIA(CD32A)及びFcγRIII(CD16)は、「活性化型Fc
γ受容体」(すなわち、免疫システム増強)であり、FcγRIIB(CD32B)は、
抑制型Fcγ受容体」(すなわち、免疫システム減弱)である。FcRn受容体に結合す
ることによって、抗体の半減期が調節される。
【0967】
いくつかの実施形態では、本発明のアンタゴニスト抗体は、Fc領域内に少なくとも1
つの置換を含む。
【0968】
いくつかの実施形態では、本発明のアンタゴニスト抗体は、1、2、3、4、5、6、
7、8、9、10、11、12、13、14又は
抗体の半減期を調節するために置換され得るFc位置は、例えば、Dall’Acqu
a et al.,(2006)J Biol Chem 281:23514~240
、Zalevsky et al.,(2010)Nat Biotechnol 28
:157~159、Hinton et al.,(2004)J Biol Chem
279(8):6213~6216、Hinton et al.,(2006)J
Immunol 176:346~356、Shields et al.(2001)
J Biol Chem 276:6591~6607、Petkova et al.
,(2006)Int Immunol 18:1759~1769、Datta-Ma
nnan et al.,(2007)Drug Metab Dispos,35:8
6~94、2007、Vaccaro et al.,(2005)Nat Biote
chnol 23:1283~1288、Yeung et al.,(2010)Ca
ncer Res,70:3269~3277及びKim et al.,(1999)
Eur J Immunol 29:2819に記載されるものであり、位置250、2
52、253、254、256、257、307、376、380、428、434及び
435が挙げられる。単独又は組み合わせてなされ得る代表的な置換は、置換T250Q
、M252Y、I253A、S254T、T256E、P257I、T307A、D37
6V、E380A、M428L、H433K、N434S、N434A、N434H、N
434F、H435A及びH435Rである。抗体の半減期を延長するためになされ得る
代表的な単独又は組み合わせ置換は、置換M428L/N434S、M252Y/S25
4T/T256E、T250Q/M428L、N434A及びT307A/E380A/
N434Aである。抗体の半減期を短縮するためになされ得る代表的な単独又は組み合わ
せ置換は、置換H435A、P257I/N434H、D376V/N434H、M25
2Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/N434A及び
H435Rである。
【0969】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、アミノ酸位置250、252、253、2
54、256、257、307、376、380、428、434又は435において、
抗体Fc中に少なくとも1つの置換を含む。
【0970】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、T250Q、M252Y、
I253A、S254T、T256E、P257I、T307A、D376V、E380
A、M428L、H433K、N434S、N434A、N434H、N434F、H4
35A及びH435Rからなる群から選択される、少なくとも1つの置換を含む。
【0971】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、M428L/N434S、
M252Y/S254T/T256E、T250Q/M428L、N434A、T307
A/E380A/N434A、H435A、P257I/N434H、D376V/N4
34H、M252Y/S254T/T256E/H433K/N434F、T308P/
N434A及びH435Rからなる群から選択される、少なくとも1つの置換を含む。
【0972】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、活性化Fcγ受容体(Fc
γR)への抗体の結合を低下する、及び/又は、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CD
C)、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)若しくは貪食作用(ADCP)などの
Fcエフェクター機能を低下する、少なくとも1つの置換を含む。
【0973】
活性化FcγRへの抗体の結合を低下させ、その後エフェクター機能を低下するために
置換され得るFc位置は、例えば、Shields et al.,(2001)J B
iol Chem 276:6591~6604、国際公開第2011/066501号
、米国特許第6,737,056号及び同第5,624,821号、Xu et al.
,(2000)Cell Immunol,200:16~26、Alegre et
al.,(1994)Transplantation 57:1537~1543、B
olt et al.,(1993)Eur J Immunol 23:403~41
1、Cole et al.,(1999)Transplantation,68:5
63~571、Rother et al.,(2007)Nat Biotechno
l 25:1256~1264、Ghevaert et al.,(2008)J C
lin Invest 118:2929~2938、An et al.,(2009
)mAbs,1:572~579)に記載されるものであり、214、233、234、
235、236、237、238、265、267、268、270、295、297、
309、327、328、329、330、331及び365の位置を含む。単独又は組
み合わせてなされ得る代表的な置換は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4中の
置換K214T、E233P、L234V、L234A、G236の欠失、V234A、
F234A、L235A、G237A、P238A、P238S、D265A、S267
E、H268A、H268Q、Q268A、N297A、A327Q、P329A、D2
70A、Q295A、V309L、A327S、L328F、A330S及びP331S
である。ADCCが低下した抗体をもたらす代表的な組み合わせ置換は、IgG1中の置
換L234A/L235A、IgG2中のV234A/G237A/P238S/H26
8A/V309L/A330S/P331S、IgG4中のF234A/L235A、I
gG4中のS228P/F234A/L235A、全Igアイソタイプ中のN297A、
IgG2中のV234A/G237A、IgG1中のK214T/E233P/L234
V/L235A/G236欠失/A327G/P331A/D365E/L358M、I
gG2中のH268Q/V309L/A330S/P331S、IgG1中のS267E
/L328F、IgG1中のL234F/L235E/D265A、IgG1中のL23
4A/L235A/G237A/P238S/H268A/A330S/P331S、I
gG4中のS228P/F234A/L235A/G237A/P238S、及びIgG
4中のS228P/F234A/L235A/G236欠失/G237A/P238Sで
ある。IgG2由来の残基117~260及びIgG4由来の残基261~447を有す
るFcなど、ハイブリッドIgG2/4Fcドメインも使用できる。
【0974】
IgG4の安定性を向上するため、周知のS228P置換をIgG4抗体内に構成して
もよい。
【0975】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、少なくとも1つの残基位置214、233
、234、235、236、237、238、265、267、268、270、295
、297、309、327、328、329、330、331又は365内に置換を含み
、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0976】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、K214T、E233P、L234V、L
234A、G236の欠失、V234A、F234A、L235A、G237A、P23
8A、P238S、D265A、S267E、H268A、H268Q、Q268A、N
297A、A327Q、P329A、D270A、Q295A、V309L、A327S
、L328F、A330S及びP331Sからなる群から選択される少なくとも1つの置
換を含み、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0977】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、少なくとも1つの残基位置228、234
、235、237、238、268、330又は331中に置換を含み、このとき残基付
番はEUインデックスに準拠する。
【0978】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はS228P置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0979】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はV234A置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0980】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はF234A置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0981】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はG237A置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0982】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はP238S置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0983】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はH268A置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0984】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はQ268A置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0985】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はA330S置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0986】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はP331S置換を含み、このとき残基付番は
EUインデックスに準拠する。
【0987】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、L234A、L235A、G237A、P
238S、H268A、A330S及びP331S置換を含み、このとき残基付番はEU
インデックスに準拠する。
【0988】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はV234A、G237A、P238S、H2
68A、V309L、A330S及びP331S置換を含み、このとき残基付番はEUイ
ンデックスに準拠する。
【0989】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はF234A、L235A、G237A、P2
38S及びQ268A置換を含み、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0990】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はL234A、L235A又はL234A及び
L235A置換を含み、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0991】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はF234A、L235A又はF234A及び
L235A置換を含み、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0992】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はS228P、F234A及びL235A置換
を含み、このとき残基付番はEUインデックスに準拠する。
【0993】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、Fcγ受容体(FcγR)
への抗体の結合を増強する、及び/又は、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、
抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)若しくは貪食作用(ADCP)などのFcエ
フェクター機能を増強する、少なくとも1つの置換を含む。
【0994】
その免疫調節性活性に加えて、本発明のPD-1又はTIM-3抗体は、抗体媒介性エ
フェクター機能、例えばADCC、ADCP又はCDCによって、PD-1及び/又はT
IM-3を発現している腫瘍細胞を直接的に殺滅することができる。
【0995】
活性化Fcγへの抗体の結合を増加する、及び/又は、抗体エフェクター機能を増強す
るために置換され得るFc位置は、例えば、米国特許第6,737,056号、米国特許
出願公開第2015/0259434号、Shields et al.,(2001)
J Biol Chem 276:6591~6604、Lazar et al.,(
2006)Proc Natal Acad Sci,103:4005~4010、S
tavenhagen et al.,(2007)Cancer Res 67:88
82~8890、Richards et al.,(2008)Mol Cancer
Ther 7:2517~2527、Diebolder et al.,Scien
ce;2014年3月13日オンライン公開;doi:10.1126/science
.1248943に記載されるものであり、236、239、243、256、290、
292、298、300、305、312、326、330、332、333、334、
345、360、339、378、396又は430の位置を含む(残基付番はEUイン
デックス準拠)。単独又は組み合わせてなされ得る代表的な置換は、G236A、S23
9D、F243L、T256A、K290A、R292P、S298A、Y300L、V
305L、K326A、A330K、I332E、E333A、K334A、A339T
及びP396Lである。ADCC又はADCPが増加した抗体をもたらす代表的な組み合
わせ置換は、IgG1中の置換S239D/I332E、S298A/E333A/K3
34A、F243L/R292P/Y300L、F243L/R292P/Y300L/
P396L、F243L/R292P/Y300L/V305I/P396L及びG23
6A/S239D/I332Eである。
【0996】
抗体のCDCを増強するために置換され得るFc位置は、例えば、国際公開第2014
/108198号、Idusogie et al.,(2001)J Immunol
166:2571~2575及びMoore et al.,(2010)Mabs,
2:181~189に記載されるものであり、位置267、268、324、326、3
33、345及び430を含む。単独又は組み合わせてなされ得る代表的な置換は、置換
S267E、H268F、S324T、K326A、K326W、E333A、E345
K、E345Q、E345R、E345Y、E430S、E430F及びE430Tであ
る。CDCが増加した抗体をもたらす代表的な組み合わせ置換は、IgG1中の置換K3
26A/E333A、K326W/E333A、H268F/S324T、S267E/
H268F、S267E/S324T及びS267E/H268F/S324Tである。
【0997】
「抗体依存性細胞傷害」、「抗体依存性細胞介在性細胞傷害」、又は「ADCC」は、
エフェクター細胞で発現されるFcγ受容体(FcγR)を介し、抗体被覆標的細胞の、
ナチュラルキラー細胞、単球、マクロファージ、及び好中球などの溶解活性を有するエフ
ェクター細胞との相互作用に基づき、細胞死を誘導する機構である。例えば、NK細胞は
FcγRIIIaを発現し、一方単球はFcγRI、FcγRII、及びFcγRIII
aを発現する。PD-1又はTIM-3発現細胞などの抗体被覆標的細胞の死滅は、膜孔
形成タンパク質及びプロテアーゼの分泌を通してのエフェクター細胞活性の結果として生
じる。本明細書に記載される本発明の抗体のADCC活性を評価するため、抗体を免疫エ
フェクター細胞と組み合わせてTIM-3又はPD-1発現細胞に添加することもでき、
免疫エフェクター細胞が抗原抗体複合体により活性化されることで、標的細胞の細胞溶解
が生じ得る。細胞溶解は、溶解した細胞からの標識(例えば、放射性基質、蛍光染料、又
は天然細胞内タンパク質)の放出によって検出することができる。そのようなアッセイ用
のエフェクター細胞の例としては、末梢血単核球(PBMC)及びNK細胞が挙げられる
。代表的な標的細胞として、内因的又は組み換え的のいずれかでTIM-3又はPD-1
を発現する細胞が挙げられる。代表的なアッセイでは、標的細胞を、標的細胞1対エフェ
クター細胞50の比率で使用する。標的細胞をBATDA(PerkinElmer)に
より37℃で20分間前標識し、2回洗浄し、DMEM、10%熱不活性化FBS、2m
M L-グルタミン(全てInvitrogenより)中に再懸濁する。標的(1×10
細胞)及びエフェクター細胞(0.5×10細胞)を合わせ、100μLの細胞を9
6ウェルU底プレートのウェルに加える。試験抗体の存在下又は非存在下で、更に100
μLを加える。プレートを200gで3分間遠心分離し、37℃で2時間培養し、次に、
200gで3分間再度遠心分離する。1ウェル当たり合計20μLの上清を除去し、細胞
溶解を、200μLのDELPHIA Europium系試薬(PerkinElme
r)を添加することによって測定する。データを、0.67% Triton X-10
0(Sigma Aldrich)を用いて最大細胞傷害に対して正規化し、またいかな
る抗体の非存在下において、標的細胞からのBATDAの自然放出によって最小対照を決
定する。本発明の抗体は、ADCCを約20%、25%、30%、35%、40%、45
%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95
%又は100%誘導することができる。
【0998】
「抗体依存性細胞貪食作用」(「ADCP」)とは、例えばマクロファージ又は樹状細
胞などの貪食細胞による取り込みを通じ、抗体により被覆された標的細胞を排除する機構
を指す。エフェクター細胞としての単球由来マクロファージ、及び、GFP又は他の標識
分子を発現するように遺伝子操作された標的細胞としての、TIM-3又はPD-1を発
現している、Daudi細胞(ATCC(登録商標)CCL-213(商標))、又は、
B細胞性白血病若しくはリンパ腫若しくは腫瘍細胞を用いることによって、ADCPを評
価できる。エフェクター:標的細胞比は、例えば4:1とすることができる。本発明の抗
体の存在下又は非存在下で、エフェクター細胞を標的細胞と4時間インキュベートされ得
る。インキュベーション後、細胞は、Accutaseを用い剥離できる。マクロファー
ジは、蛍光標識に結合した抗CD11b抗体及び抗CD14抗体により識別され得るが、
貪食作用の割合(%)は、標準的な方法を用いて、CD11CD14マクロファージ
におけるGFP蛍光の割合(%)に基づいて決定され得る。本発明の抗体は、ADCPを
約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%
、70%、75%、80%、85%、90%、95%又は100%誘導することができる
【0999】
「補体依存性細胞傷害」又は「CDC」は、標的結合抗体のFcエフェクタードメイン
が補体成分C1qに結合してこれを活性化し、かかる補体成分C1qが次に補体カスケー
ドを活性化して標的細胞の細胞死を導く、細胞死を誘導する機構を指す。補体の活性化は
また、標的細胞表面に対する補体成分の沈着を生じさせて、白血球への補体受容体(例え
ば、CR3)の結合によって、ADCCを容易にする。TIM-3又はPD-1発現細胞
のCDCは、例えば、次のようにして測定し得る:Daudi細胞を、RPMI-B(1
%のBSAを補給されたRPMI)に1ウェルにつき1×10個の細胞(50μL/ウ
ェル)にて蒔き、次に50μLの試験抗体をウェルに、0~100μg/mLの最終的な
濃度にて添加し、反応物を室温で15分間インキュベートし、11μLのプールしたヒト
血清をウェルに添加し、更に反応物を37℃で45分間インキュベートする。溶解した細
胞の割合(%)は、標準の方法を使用して、FACSアッセイ内のヨウ化プロピジウム染
色細胞の%として検出され得る。本発明の抗体は、CDCを約20%、25%、30%、
35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、
85%、90%、95%又は100%誘導することができる。
【1000】
ADCCを誘導するために本明細書に記載される本発明の抗体が有する能力は、そのオ
リゴ糖成分を遺伝子操作することによって増強させることができる。ヒトIgG1又はI
gG3は、Asn297において、N-グリコシル化される。ここで、グリカンの大部分
は、周知の二分岐G0、G0F、G1、G1F、G2、又はG2Fの形態にある。遺伝子
操作されていないCHO細胞により生成される抗体は、典型的には、少なくとも約85%
のグリカンフコース含量を有する。Fc領域に結合した二分岐の複合体型オリゴ糖からの
コアフコースの除去は、抗原結合又はCDC活性を変更することなく、改善されたFcγ
RIIIa結合を介して抗体のADCCを増強する。このようなmAbは、培地のオスモ
ル濃度の制御(Konno et al.,(2012)Cytotechnology
64:249~65)、変異体CHO系Lec13の宿主細胞系としての適用(Shi
elds et al.,(2002)J Biol Chem 277:26733~
26740)、変異体CHO系EB66の宿主細胞系としての適用(Olivier e
t al.,MAbs;2(4),2010;印刷に先立って電子公開;PMID:20
562582)、ラットハイブリドーマ細胞株YB2/0の宿主細胞株としての適用(S
hinkawa et al.,(2003)J Biol Chem 278:346
6~3473)、α1,6-フコシルトランスフェラーゼ(FUT8)遺伝子に対して特
異的な低分子干渉RNAの導入(Mori et al.,(2004)Biotech
nol Bioeng 88:901~908)、あるいはβ-1,4-Nアセチルグル
コサミニルトランスフェラーゼIII及びゴルジα-マンノシダーゼII又は強力なα-
マンノシダーゼI阻害物質であるキフネンシンの共発現(Ferrara et al.
,(2006)J Biol Chem 281:5032~5036、Ferrara
et al.,(2006)Biotechnol Bioeng 93:851~8
61;Xhou et al.,(2008)Biotechnol Bioeng 9
9:652~65)などの、Fcオリゴ糖の二分岐複合型を有する比較的高度に脱フコシ
ル化された抗体の効果的な発現につながることが報告されている様々な方法を用いて得る
ことができる。
【1001】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体のエフェクター機能を増強する抗体F
c中に、少なくとも1つの置換を含む。
【1002】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、アミノ酸位置236、239、243、2
56、267、268、290、292、298、300、305、312、324、3
26、330、332、333、334、345、360、339、378、396又は
430において、抗体Fc中に少なくとも1つの置換を含む。
【1003】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、G236A、S239D、
F243L、T256A、K290A、R292P、S298A、Y300L、V305
L、K326A、A330K、I332E、E333A、K334A、A339T、P3
96L、S267E、H268F、S324T、K326A、K326W、E333A、
E345K、E345Q、E345R、E345Y、E430S、E430F及びE43
0Tからなる群から選択される、少なくとも1つの置換を含む。
【1004】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗体Fc中に、S239D/I332E、
S298A/E333A/K334A、F243L/R292P/Y300L、F243
L/R292P/Y300L/P396L、F243L/R292P/Y300L/V3
05I/P396L、G236A/S239D/I332E、K326A/E333A、
K326W/E333A、H268F/S324T、S267E/H268F、S267
E/S324T及びS267E/H268F/S324Tからなる群から選択される、少
なくとも1つの置換を含む。
【1005】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、フコース含量が約0%~約15%、例えば
15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4
%、3%、2%、1%又は0%である、二分枝グリカン構造を有する。
【1006】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、フコース含量が約50%、40%、45%
、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%
、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%又は0%である、二
分枝グリカン構造を有する。
【1007】
Fc中の置換及び減少したフコース含量は、本発明のTIM-3又はPD-1に特異的
に結合するアンタゴニスト抗体のADCC活性を増強することができる。ADCC、AD
CP及び/又はCDC活性が増強したTIM-3又はPD-1抗体は、血液悪性疾患など
のTIM-3及び/又はPD-1発現腫瘍の患者の治療に有用であり得る。
【1008】
「フコース含量」とは、Asn297における糖鎖内のフコース単糖類の量を意味する
。フコースの相対量は、全糖構造に対するフコース含有構造の割合である。これらの糖構
造は、複数の方法、例えば、1)国際公開第2008/077546号に記載されるよう
に、N-グリコシダーゼF処理サンプルのMALDI-TOF(例えば、複合体、ハイブ
リッド、及びオリゴ-並びに高マンノース構造)の使用、2)Asn297グリカンの酵
素放出、その後の誘導体化、及び蛍光検出を備えたHPLC(UPLC)及び/又はHP
LC-MS(UPLC-MS)による検出/定量、3)第1のGlcNAc単糖類と第2
のGlcNAc単糖類との間を切断し、フコースを第1のGlcNAcに結合させる、E
ndo S又は他の酵素によるAsn297のグリカンの処理を伴うか又はこの処理なし
での、天然又は還元mAbのインタクトプロテイン分析、4)酵素を用いた消化(例えば
、トリプシン又はエンドペプチダーゼLys-C)による、mAbの成分ペプチドへの消
化後、HPLC-MS(UPLC-MC)による分離、検出、及び定量化、又は5)As
n297で、PNGase Fを用いた酵素による特異的脱グリコシル化を通じた、mA
bオリゴ糖のmAbタンパク質からの分離、により特徴付けられ、定量化され得る。放出
されるオリゴ糖は、フルオロフォアで標識化され、グリカン構造の細かな特性評価を可能
にする様々な補足的技術によって分離かつ特定することが可能であり、これらは、実験的
質量の理論的質量との比較によるマトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI)質
量分析、イオン交換HPLC(GlycoSep C)によるシアル化の程度の決定、順
相HPLC(GlycoSep N)による親水性の基準に準拠するオリゴ糖型の分離及
び定量、並びに高性能キャピラリー電気泳動-レーザ誘起蛍光(HPCE-LIF)によ
るオリゴ糖の分離及び定量による。
【1009】
「低フコース」又は「低フコース含量」は、抗体が約0%~15%のフコース含量を有
することを指す。
【1010】
「正常なフコース」又は「正常なフコース含有量」とは、抗体が約50%を超える、通
常約60%、70%、80%を超える、又は85%を超えるフコース含有量を有すること
を指す。
【1011】
本発明の抗体を、グリコシル化、異性化、脱グリコシル化などの反応によって、あるい
はポリエチレングリコール部分の付加(PEG化)及び脂質化などの自然界では生じない
共有結合修飾などの反応によって翻訳後修飾してもよい。こうした修飾はインビボあるい
はインビトロで行われ得る。例えば、本明細書に記載される本発明の抗体は、ポリエチレ
ングリコールと融合(ペグ化)させることによって薬物動態的なプロファイルを改善する
ことができる。融合は当業者に既知の方法によって行われ得る。治療用抗体をPEGと融
合させると、機能は干渉されずに薬物動態が強化されることが示されている(Knigh
et al.,(2004)Platelets 15:409~18;Leong
et al.,(2001)Cytokine 16:106~19;Yang et
al.,(2003)Protein Eng 16:761~70)。
【1012】
安定性、選択性、交差反応性、親和性、免疫原性、又は他の望ましい生物学的若しくは
生物物理学的特性を向上するように修飾され得る、本発明の抗体は発明の範囲内である。
抗体の安定性は、分子内力及び分子間力の中でも特に(1)固有の安定性に影響を及ぼす
個々のドメインのコアパッキング、(2)HCとLCとのペアリングに影響するタンパク
質/タンパク質の界面相互作用、(3)極性及び荷電残基の埋め込み、(4)極性及び荷
電残基の水素(H)結合ネットワーク、並びに(5)表面電荷及び極性残基の分布、など
の多くの因子によって影響される(Worn et al.,(2001)J Mol
Biol 305:989~1010)。ある場合においては、構造を不安定化させる可
能性のある残基は、抗体の結晶構造に基づいて、あるいは場合によっては分子モデリング
によって特定することが可能であり、また、抗体の安定性に対するこれらの残基の作用は
、特定された残基に変異を含む変異体を作製及び評価することにより試験することができ
る。示差走査熱量測定法(DSC)で測定する場合、抗体の安定性を高める方法の1つは
、変性の中点温度(T)を高くすることである。一般に、タンパク質のTは、その安
定性と相関し、溶液中でのアンフォールディングし易さ及び変性し易さ、並びにそのタン
パク質のアンフォールディングし易さに応じた分解プロセスとは逆相関する(Remme
le et al.,(2000)Biopharm 13:36~46)。多数の研究
では、DSCで熱安定性として測定された配合物の物理的安定性のランク付けと他の方法
で測定された物理的安定性との間に相関があることが発見されている(Gupta et
al.,(2003)AAPS PharmSci 5E8;Zhang et al
.,(2004)J Pharm Sci 93:3076~89;Maa et al
.,(1996)Int J Pharm 140:155~68;Bedu-Addo
et al.,(2004)Pharm Res 21:1353~61;Remme
le et al.,(1997)Pharm Res 15:200~8)。配合研究
では、FabのTが、対応するmAbの長期物理的安定性と密接な関係があることを示
唆している。
【1013】
血流中にある内因性の循環血中カルボキシペプチダーゼによって、注入された抗体から
C末端リシン(CTL)が除去され得る(Cai et al.,(2011)Biot
echnol Bioeng 108:404~412)。製造中、CTLの除去は、米
国特許出願公開第20140273092号に記載されるように、細胞外Zn2+、ED
TA又はEDTA-Fe3+の濃度を制御することによって、最大レベルより低く制御で
きる。抗体中のCTL含量は、既知の方法を用いて測定できる。
【1014】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、約10%~約90%、約20%~約80%
、約40%~約70%、約55%~約70%、又は約60%のC末端リシン含量を有する
【1015】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、約0%、5%、10%、20%、30%、
40%、50%、60%、70%、80%、90%又は100%のC末端リシン含量を有
する。
【1016】
同種抗体、保存的改変を有する抗体、及び遺伝子操作され改変された抗体の作製方法
親抗体と比較して変更されたアミノ酸配列を有する本発明の抗体は、標準的なクローニ
ング及び発現手法を用いて作製できる。例えば、部位特異的突然変異誘発又はPCR介在
性突然変異誘発を実施して、突然変異を導入することもでき、抗体の結合、又は他の対象
とする機能特性に対する影響は、周知の方法及び本明細書の実施例に記載される方法を用
いて評価できる。
【1017】
抗体アロタイプ
本発明の抗体は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプであってよ
い。
【1018】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はIgG1アイソタイプである。
【1019】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はIgG2アイソタイプである。
【1020】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はIgG3アイソタイプである。
【1021】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はIgG4アイソタイプである。
【1022】
治療用抗体の免疫原性は、急性輸液反応のリスク増加、及び、治療応答の期間短縮に関
与する(Baert et al.,(2003)N Engl J Med 348:
602~08)。宿主中で治療用抗体が免疫応答を誘導する程度は、一部は抗体のアロタ
イプによって決定され得る(Stickler et al.,(2011)Genes
and Immunity 12:213~21)。抗体アロタイプは、抗体の定常領
域配列中の特定位置における、アミノ酸配列の変化に関連する。
【1023】
表6は、選択したIgG1、IgG2及びIgG4アロタイプを示す。
【1024】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は
、G2m(n)、G2m(n-)、G2m(n)/(n-)、nG4m(a)、G1m(
17)又はG1m(17,1)アロタイプである。
【1025】
いくつかの実施形態では、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
は、G2m(n)、G2m(n-)、G2m(n)/(n-)、nG4m(a)、G1m
(17)又はG1m(17,1)アロタイプである。
【1026】
いくつかの実施形態では、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3抗体は、G2m(
n)、G2m(n-)、G2m(n)/(n-)、nG4m(a)、G1m(17)又は
G1m(17,1)アロタイプである。
【1027】
【表6】
【1028】
抗イディオタイプ抗体
本発明は、本発明の抗体に結合する抗イディオタイプ抗体を提供する。
【1029】
本発明は、本発明の抗PD-1抗体に特異的に結合する抗イディオタイプ抗体も提供す
る。
【1030】
本発明は、配列番号41のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1031】
本発明は、配列番号41のVHと、配列番号50のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1032】
本発明は、配列番号42のVHと、配列番号51のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1033】
本発明は、配列番号42のVHと、配列番号52のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1034】
本発明は、配列番号42のVHと、配列番号53のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1035】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1036】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号54のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1037】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号50のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1038】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号55のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1039】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号56のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1040】
本発明は、配列番号43のVHと、配列番号57のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1041】
本発明は、配列番号44のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1042】
本発明は、配列番号45のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1043】
本発明は、配列番号46のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1044】
本発明は、配列番号47のVHと、配列番号49のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1045】
本発明は、配列番号48のVHと、配列番号53のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1046】
本発明は、配列番号48のVHと、配列番号52のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1047】
本発明は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1048】
本発明は、配列番号47のVHと、配列番号58のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1049】
本発明は、配列番号47のVHと、配列番号59のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1050】
本発明は、配列番号45のVHと、配列番号60のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1051】
本発明は、配列番号45のVHと、配列番号61のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1052】
本発明は、配列番号45のVHと、配列番号62のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1053】
本発明は、配列番号63のVHと、配列番号65のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1054】
本発明は、配列番号64のVHと、配列番号65のVLとを含む、抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1055】
本発明は、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体に特異的に結合
する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1056】
本発明は、配列番号145のVHと、配列番号155のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1057】
本発明は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1058】
本発明は、配列番号148のVHと、配列番号157のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1059】
本発明は、配列番号147のVHと、配列番号155のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1060】
本発明は、配列番号149のVHと、配列番号158のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1061】
本発明は、配列番号150のVHと、配列番号159のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1062】
本発明は、配列番号151のVHと、配列番号160のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1063】
本発明は、配列番号152のVHと、配列番号161のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1064】
本発明は、配列番号153のVHと、配列番号162のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1065】
本発明は、配列番号154のVHと、配列番号163のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1066】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含
む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1067】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号64のVHと配列番号65のVLとを含
む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1068】
本発明は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLとを含む、抗体に特異的に
結合する抗イディオタイプ抗体も提供する。
【1069】
いくつかの実施形態では、抗イディオタイプ抗体は、サンプル中の治療用抗体(例えば
、本明細書に記載される本発明の抗PD-1、抗TIM-3又は二重特異性PD-1/T
IM-3抗体)の濃度を検出するために使用される。
【1070】
抗イディオタイプ(Id)抗体は、抗体の抗原決定基(例えば、パラトープ又はCDR
)を認識する抗体である。Id抗体は、抗原をブロッキングするものであっても、しない
ものであってもよい。抗原をブロッキングするIdを使用して、サンプル中の遊離抗体(
例えば、本明細書に記載される本発明の抗PD-1、抗TIM-3又は二重特異性PD-
1/TIM-3抗体)を検出することもできる。ブロッキングしないIdを使用して、サ
ンプル中の全ての抗体(未結合のもの、抗原に一部結合しているもの、又は抗原に完全に
結合しているもの)を検出することもできる。Id抗体は、抗Idが調製されるよう、か
かる抗体で動物を免疫することにより調製することができる。
【1071】
抗Id抗体を、更に別の動物で免疫応答を誘導する免疫原として使用して、いわゆる抗
-抗Id抗体を産生させてもよい。抗-抗Idは、抗Idを誘導する元のmAbとエピト
ープが同一であってもよい。したがって、mAbのイディオタイプ決定基に対する抗体を
使用することによって、同じ特異性の抗体を発現する他のクローンを同定することが可能
である。抗Id抗体は様々であってよく(これにより抗Id抗体変異体が産生される)、
及び/又は、PD-1若しくはTIM-3に特異的に結合する抗体、若しくは二重特異性
PD-1/TIM-3抗体を本明細書の他の箇所に記載のものなどの任意の好適な手法に
より誘導体化してもよい。
【1072】
免疫複合体(Immunoconjugates)
「免疫複合体」は、1つ以上の異種分子(複数可)と融合させた本発明の抗体を指す。
【1073】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体を、1つ又は2つ以上の細胞毒性剤又は造影剤
と融合させる。
【1074】
代表的な細胞毒性剤として、化学療法剤又は薬剤、増殖阻害剤、毒素(例えば、タンパ
ク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物由来の酵素活性を有する毒素、又はそれらの
断片)、及び放射性核種が挙げられる。
【1075】
細胞毒性剤は、マイタンシノイド(mayatansinoid)(例えば、米国特許第5,208
,020号、同第5,416,06号参照)、モノメチルオーリスタチン薬剤部分DE及
びDF(MMAE及びMMAF)などのオーリスタチン(例えば、米国特許第5,635
,483号、及び同第5,780,588号、及び同第7,498,298号参照)、ド
ラスタチン、カリチアマイシン、又はこれらの誘導体(例えば、米国特許第5,712,
374号、同第5,714,586号、同第5,739,116号、同第5,767,2
85号、同第5,770,701号、同第5,770,710号、同第5,773,00
1号、及び同第5,877,296号;Hinman et al.,(1993)Ca
ncer Res 53:3336~3342;及びLode et al.,(199
8)Cancer Res 58:2925~2928参照);ダウノマイシン又はドキ
ソルビシンなどのアントラサイクリン(例えば、Kratz et al.,(2006
)Current Med.Chem 13:477~523;Jeffrey et
al.,(2006)Bioorganic & Med Chem Letters
16:358~362;Torgov et al.,(2005)Bioconj C
hem 16:717~721;Nagy et al.,(2000)Proc Na
tl Acad Sci USA 97:829~834;Dubowchik et
al,Bioorg.& Med.Chem.Letters 12:1529~153
2(2002);King et al.,(2002)J Med Chem 45:
4336~4343;並びに米国特許第6,630,579号参照)、メトトレキサート
、ビンデシン、タキサン、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセ
タキセル、及びオルタタキセルなどの1つ又は2つ以上の薬剤であってよい。
【1076】
細胞毒性剤は、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の未結合活性断片、エキソトキシンA
鎖(緑膿菌)、リシンA鎖、モデシンA鎖、α-サルシン、シナアブラギリタンパク質、
ジアンチン、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PA
PII、及びPAP-S)、ニガウリ阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaon
aria officinalis)阻害剤、ゲロニン、マイトジェリン(mitogellin)、レストリクトシ
ン、フェノマイシン、エノマイシン、並びにトリコテシン(tricothecenes)などといっ
た酵素活性を有する毒素又はそれらの断片であってよい。
【1077】
細胞毒性剤又は造影剤は、放射性核種であってもよい。代表的な放射性核種として、A
c-225、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-186、Re-
188、Sm-153、Bi-212、P-32、Pb-212及びLuの放射性同位体
が挙げられる。検出に放射性複合体を使用する場合、シンチグラフ検査のため、例えばT
c-99m若しくはI-123の放射性原子、又は例えば、I-123、I-131、I
n-111、F-19、C-13、N-15又はO-17などといった、核磁気共鳴(N
MR)イメージング(磁気共鳴画像mriとしても既知)用のスピン標識を含み得る。
【1078】
本発明の抗体と異種分子との複合体は、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピ
リジルジチオ)プロピオナート(SPDP)、スクシンイミジル-4-(N-マレイミド
メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)
、イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミダートHQなど)、活性エステル
(例えば、ジスクシンイミジル基質)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-
アジド化合物(例えば、ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス-ジア
ゾニウム誘導体(例えば、ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)エチレンジアミン)、
ジイソシアネート(例えば、トルエン-2,6-ジイソシアネート)、及びビス活性(bi
s-active)フッ素化合物(例えば、1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン)な
どの様々な二官能性タンパク質カップリング剤を用い作製することができる。例えば、リ
シン免疫毒素は、Vitetta et al.,(1987)Science 238
:1098に記載のとおりに調製できる。炭素14で標識した1-イソチオシアナトベン
ジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は放射性核種を抗体に
融合させるにあたり代表的なキレート剤である。例えば、国際公開第94/11026号
を参照されたい。リンカーは、細胞中で細胞毒性剤を放出するのを促進する「分解可能な
リンカー(cleavable linker)」とすることができる。例えば、酸不安定性リンカー、ペ
プチダーゼ感受性リンカー、光不安定性リンカー、ジメチルリンカー、又はジスルフィド
含有リンカー(Chari et al.,(1992)Cancer Res 52:
127~131;米国特許第5,208,020号)を使用することができる。
【1079】
本発明の抗体と異種分子との複合体は、市販(例えば、Pierce Biotech
nology,Inc.,(Rockford,IL.,U.S.A))のBMPS、E
MCS、GMBS、HBVS、LC-SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、
SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スル
ホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC、及びスルホ-S
MPB、並びにSVSB(スクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)ベンゾアート)な
どの架橋剤により調製することができる。
【1080】
本発明は、治療薬又は造影剤に結合させた、本発明のPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体を含む、免疫複合体も提供する。
【1081】
本発明は、治療薬又は造影剤に結合させた、本発明のTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体を含む、免疫複合体も提供する。
【1082】
本発明は、治療薬又は造影剤に結合させた、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3
抗体を含む、免疫複合体も提供する。
【1083】
本発明の単一特異性抗体の作製
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はヒトである。
【1084】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体はヒト化されている。
【1085】
本明細書に記載される本発明の単一特異性抗体(例えば、PD-1又はTIM-3に特
異的に結合する抗体)は、様々な手法を用いて作製できる。例えばKohler and
Milstein,Nature 256:495,1975のハイブリドーマ法を用
いモノクローナル抗体を作製することができる。ハイブリドーマ法では、マウス又はハム
スター、ラット若しくはサルなどの他の宿主動物を、ヒト又はcynoPD-1若しくは
TIM-3、又はPD-1若しくはTIM-3の断片、例えばPD-1又はTIM-3の
細胞外ドメインで免疫し、続いて標準的な方法を用いて免疫した動物由来の脾臓細胞を骨
髄腫細胞と融合させてハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monoclon
al Antibodies:Principles and Practice,pp
.59~103(Academic Press,1986))。1個の不死化したハイ
ブリドーマ細胞から発生したコロニーを、結合特異性、交差反応性又はその欠如、及び抗
原の親和性などの所望の特性を有する抗体の生成についてスクリーニングする。
【1086】
様々な宿主動物を使用して、本発明の抗体を生成することができる。例えば、Balb
/cマウスを用いて、マウス抗ヒトPD-1又はTIM-3抗体を作製できる。Balb
/cマウス及び他のヒト以外の動物において作製された抗体を、様々な技術を用いてヒト
化して、よりヒトに近い配列を作製することもできる。
【1087】
ヒト受容体フレームワークの選択を含む代表的なヒト化技術は既知であり、CDR移植
(米国特許第5,225,539号)、SDR移植(米国特許第6,818,749号)
、リサーフェシング(Padlan,(1991)Mol Immunol 28:48
9~499)、特異性決定残基リサーフェシング(米国特許出願公開第2010/026
1620号)、ヒトフレームワーク適合(米国特許第8,748,356号)又は超ヒト
化(米国特許第7,709,226号)が挙げられる。これらの方法では、親抗体のCD
Rが、CDRの長さの類似性、若しくは標準構造の同一性、又はこれらの組み合わせに基
づいた、親フレームワークに対する総合的な相同性をもとに選択され得る、ヒトフレーム
ワーク上に移植される。
【1088】
ヒト化抗体は、国際公開第1090/007861号及び同第1992/22653号
に記載されるものなどの技術により、結合親和性を保存するよう改変した、フレームワー
ク支持残基を組み込むことによって(復帰変異)、所望の抗原に対するそれらの選択性若
しくは親和性を向上させるように更に最適化させることもでき、又は任意のCDRに変異
を導入して例えば抗体の親和性を向上させることにより、更に最適化させることもできる
【1089】
それらのゲノムにヒト免疫グロブリン(Ig)遺伝子座を保有するマウス又はラットな
どのトランスジェニック動物を使用して、標的タンパク質に対するヒト抗体を作製するこ
とができ、例えば米国特許第6,150,584号、国際公開第99/45962号、同
第2002/066630号、同第2002/43478号、同第2002/04347
8号、及び同第1990/04036号、Lonberg et al(1994)Na
ture 368:856~9;Green et al(1994)Nature G
enet.7:13~21;Green & Jakobovits(1998)Exp
.Med.188:483~95;Lonberg and Huszar(1995)
Int Rev Immunol 13:65~93;Bruggemann et a
l.,(1991)Eur J Immunol 21:1323~1326;Fish
wild et al.,(1996)Nat Biotechnol 14:845~
851;Mendez et al.,(1997)Nat Genet 15:146
~156;Green(1999)J Immunol Methods 231:11
~23;Yang et al.,(1999)Cancer Res 59:1236
~1243;Bruggemann and Taussig(1997)Curr O
pin Biotechnol 8:455~458に記載されている。そのような動物
における内因性免疫グロブリン遺伝子座は、破壊又は欠失されてよく、相同又は非相同組
換え、導入染色体、又はミニ遺伝子を使用して、少なくとも1つの完全な又は部分的なヒ
ト免疫グロブリン遺伝子座を動物のゲノム内に挿入することができる。Regenero
n(http://_www_regeneron_com)、Harbour Ant
ibodies(http://_www_harbourantibodies_co
m)、Open Monoclonal Technology,Inc.(OMT)(
http://_www_omtinc_net)、KyMab(http://_ww
w_kymab_com)、Trianni(http://_www.trianni
_com)、及びAblexis(http://_www_ablexis_com)
などの企業は、上記の技術を用い、選択抗原を標的としたヒト抗体を提供するべく取り組
んでいる。
【1090】
ヒト抗体は、ファージがヒト免疫グロブリン又はその一部(Fab、一本鎖抗体(sc
Fv)、又は非対合若しくは対合抗体可変領域など)を発現するように操作されるファー
ジ提示ライブラリから選択され得る(Knappik et al.,(2000)J
Mol Biol 296:57~86;Krebs et al.,(2001)J
Immunol Meth 254:67~84;Vaughan et al.,(1
996)Nature Biotechnology 14:309~314;Shee
ts et al.,(1998)PITAS(USA)95:6157~6162;H
oogenboom and Winter(1991)J Mol Biol 227
:381;Marks et al.,(1991)J Mol Biol 222:5
81)。本発明の抗体は、例えば、Shi et al.,(2010)J Mol B
iol 397:385~96、及び国際公開第09/085462号)に記載されるバ
クテリオファージpIX被覆タンパク質との融合タンパク質として抗体の重鎖及び軽鎖可
変領域を発現するファージディスプレイライブラリから単離され得る。ライブラリを、ヒ
ト及び/又はcynoPD-1又はTIM-3へのファージ結合についてスクリーニング
して、得られた陽性クローンの特性評価を更に行い、Fabをクローンの溶解物から単離
し、完全長のIgGとして発現させることができる。ヒト抗体を単離するためのそのよう
なファージディスプレイ法は、例えば、米国特許第5,223,409号、同第5,40
3,484号、同第5,571,698号、同第5,427,908号、同第5、580
,717号、同第5,969,108号、同第6,172,197号、同第5,885,
793号、同第6,521,404号、同第6,544,731号、同第6,555,3
13号、同第6,582,915号、及び同第6,593,081号に記載されている。
【1091】
免疫原性抗原の調製及びモノクローナル抗体の産生は、組換えタンパク質産生などの任
意の好適な技術を用いて実施することができる。免疫原性抗原は、精製タンパク質の形態
、又は全細胞又は細胞若しくは組織抽出物を含むタンパク質混合物の形態で動物に投与さ
れるか、あるいは抗原は、動物の身体内で、当該抗原又はその一部をコードする核酸から
新規に形成されてよい。
【1092】
本発明の二重特異性PD-1/TIM-3抗体の作製
本発明の二重特異性PD-1/TIM-3抗体(例えば、PD-1に特異的に結合する
第1ドメインとTIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性抗体)
は、本明細書で単離され、特徴付けされるPD-1結合VH/VLドメインを、TIM-
3結合VH/VLドメインと組み合わせることによって作製できる。あるいは、二重特異
性PD-1/TIM-3抗体は、公開されている単一特異性抗PD-1及び抗TIM-3
抗体由来のVH/VLドメインを用いて、及び/又は、本明細書で同定されるPD-1又
はTIM-3に結合するVH/VLドメインを、公開されているPD-1又はTIM-3
に結合するVH/VLドメインと組み合わせることによって、遺伝子操作されてよい。
【1093】
二重特異性PD-1/TIM-3分子の遺伝子操作に使用され得る代表的な抗PD-1
抗体は、例えば、米国特許第5,897,862号及び同第7,488,802号、並び
に、国際公開第2004/004771号、同第2004/056875号、同第200
6/121168号、同第2008/156712号、同第2010/029435号、
同第2010/036959号、同第2011/110604号、同第2012/145
493号、同第2014/194302号、同第2014/206107号、同第201
5/036394号、同第2015/035606号、同第2015/085847号、
同第2015/112900号、及び同第2015/112805号に記載されるもので
ある。例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ)及びOPDIVO(
登録商標)(ニボルマブ)のVH/VLドメインを使用してよい。これらのPD-1VH
/VLドメインを、本明細書及び表3に記載されるTIM-3に結合するVH/VLドメ
インを含む、二重特異性抗体内に組み合わせてよい。例えば、本明細書に記載されるTI
M-3抗体であるTM3B103、TM3B105、TM3B107、TM3B108、
TM3B109、TM3B113、TM3B189、TM3B190及びTM3B196
のVH/VLドメインを用いて、二重特異性PD-1/TIM-3抗体を作製してもよい
【1094】
同様に、二重特異性PD-1/TIM-3分子の遺伝子操作に使用され得る代表的な抗
TIM-3抗体は、例えば、国際公開第2011/155607号、同第2013/00
6490号、及び同第2015/117002号に記載されるものである。これらのTI
M-3VH/VLドメインを、本明細書及び表2に記載されるPD-1に結合するVH/
VLドメインを含む、二重特異性抗体内に組み合わせてよい。例えば、本明細書に記載さ
れるPD-1抗体であるPD1B114、PD1B149、PD1B160、PD1B1
62、PD1B164、PD1B11、PD1B183、PD1B184、PD1B18
5、PD1B187、PD1B192、PD1B71、PD1B177、PD1B70、
PD1B175、PD1B194、PD1B195、PD1B196、PD1B197、
PD1B198、PD1B199、PD1B200、PD1B201、PD1B131及
びPD1B132のVH/VLドメインを用いて、二重特異性PD-1/TIM-3抗体
を作製してもよい。
【1095】
本明細書に記載される方法を用いて、作製した二重特異性PD-1/TIM-3抗体を
、PD-1及びTIM-3への結合、並びに、所望の機能的特徴、例えば抗原特異的CD
及びCD4 T細胞の活性化の増強について、試験してもよい。
【1096】
本発明の二重特異性抗体は、完全長抗体構造を有する抗体を含む。
【1097】
完全長二重特異性抗体は、例えば、2つの単一特異性二価抗体間でのFabアーム交換
(例えば、重鎖-軽鎖対で交換する半分子交換)使用して、in vitroでのセルフ
リー環境において又は共発現を使用するかのいずれかにおいて、異なる特異性を有する2
つの抗体半分子の好ましいヘテロ二量体形成のために、各半分子における重鎖CH3界面
に突然変異を導入することにより作製されてよい。Fabアーム交換反応は、ジスルフィ
ド結合異性化反応及びCH3ドメインの解離-会合の結果である。親単一特異性抗体のヒ
ンジ領域における重鎖ジスルフィド結合は減少する。親単一特異性抗体のうち1つの得ら
れた遊離システインは、第2の親単一特異性抗体分子のシステイン残基と重鎖内ジスルフ
ィド結合を形成し、同時に、親抗体のCH3ドメインは、解離-会合により開放及び再形
成する。FabアームのCH3ドメインは、ホモ二量体化より好ましいヘテロ二量体化に
操作されてもよい。得られた生成物は、それぞれ異なるエピトープに結合する、2つのF
abアーム又は半分子を有する二重特異性抗体である。IgG1抗体の場合、1つの重鎖
へのF405L、及び別の重鎖へのK409Rの突然変異を使用できる。IgG2抗体で
は、野生型IgG2、並びに、F405L及びR409K置換を有するIgG2抗体を使
用できる。二重特異性抗体を作製するため、第1の単一特異性二価抗体及び第2の単一特
異性二価抗体を、Fc領域内にF405L又はK409R突然変異を有するように遺伝子
操作し、この抗体を、ヒンジ領域内のシステインが十分にジスルフィド結合を異性化でき
る還元条件下で共にインキュベートすることによって、Fabアーム交換による二重特異
性抗体が作製される。インキュベート条件は、最適には、非還元条件に戻されてもよい。
使用できる代表的な還元剤は、2-メルカプトエチルアミン(2-MEA)、ジチオスレ
イトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、グルタチオン、トリス(2カル
ボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、L-システイン及びβ-メルカプトエタノール
である。例えば、少なくとも20℃の温度において、少なくとも25mMの2-MEAの
存在下又は少なくとも0.5mMのジチオスレイトールの存在下で、pH5~8、例えば
、pH7.0又はpH7.4において、少なくとも90分のインキュベートを用いること
ができる。
【1098】
二重特異性抗体は、ノブ-in-ホール(Genentech)、CrossMAbs
(Roche)及び静電的マッチ(Chugai、Amgen、NovoNordisk
、Oncomed)、LUZ-Y(Genentech)、ストランド交換操作ドメイン
ボディ(SEEDbody)(EMD Serono)、及びBiclonic(Mer
us)などのデザインを用いて作製することもできる。
【1099】
「ノブ-in-ホール」戦略(例えば、国際公開第2006/028936号参照)を
、本発明の完全長二重特異性抗体の作製に使用してもよい。簡潔に、ヒトIgGにおける
CH3ドメインの界面を形成する選択されたアミノ酸は、ヘテロ二量体形成を促進するた
めに、CH3ドメイン相互作用に影響を及ぼす位置において変異され得る。小さな側鎖を
有するアミノ酸(ホール)が、第1の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に導入され、
大きな側鎖を有するアミノ酸(ノブ)が、第2の抗原に特異的に結合する抗体の重鎖内に
導入される。2つの抗体の共発現後に、ヘテロ二量体が、「ホール」を有する重鎖と「ノ
ブ」を有する重鎖との優先的な相互作用の結果として形成される。ノブ及びホールを形成
する例示的なCH3置換ペアは、T366Y/F405A、T366W/F405W、F
405W/Y407A、T394W/Y407T、T394S/Y407A、T366W
/T394S、F405W/T394S、及びT366W/T366S_L368A_Y
407Vである(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第
2のCH3ドメインにおける改変位置として表現)。
【1100】
CrossMAb技術を、本発明の完全長二重特異性抗体の作製に使用できる。Cro
ssMAbsは、Fabアーム交換を促進する「ノブ-in-ホール」戦略の利用に加え
、得られる二重特異性抗体の正しい軽鎖対形成を確実にするために、交換したCH1及び
CLドメインの半アームの一方を有する(例えば、米国特許第8,242,247号参照
)。
【1101】
その他クロスオーバー戦略を使用して、一方又は両方のアームにおいて、二重特異性抗
体中の重鎖及び軽鎖間又は重鎖内の可変又は定常又は両方のドメインを交換することによ
って、本発明の完全長二重特異性抗体を作製できる。これらの交換には、国際公開第20
09/080254号、同第2009/080251号、同第2009/018386号
、及び同第2009/080252号に記載されるように、例えばVH-CH1とVL-
CL、VHとVL、CH3とCL、及びCH3とCH1が含まれる。
【1102】
他の戦略、例えば、あるCH3表面における正に荷電した残基及び第2のCH3表面に
おける負に荷電した残基を置換することによる静電的相互作用を使用する重鎖ヘテロ二量
体化の促進が、米国特許出願公開第2010/0015133号、同第2009/018
2127号、同第2010/028637号、又は同第2011/0123532号に記
載されたように使用されてもよい。他の戦略では、ヘテロ二量体化は、米国特許出願公開
第2012/0149876号又は同第2013/0195849号に記載されたように
、下記置換:L351Y_F405A_Y407V/T394W、T366I_K392
M_T394W/F405A_Y407V、T366L_K392M_T394W/F4
05A_Y407V、L351Y_Y407A/T366A_K409F、L351Y_
Y407A/T366V_K409F、Y407A/T366A_K409F、又はT3
50V_L351Y_F405A_Y407V/T350V_T366L_K392L_
T394W(第1の重鎖の第1のCH3ドメインにおける改変位置/第2の重鎖の第2の
CH3ドメインにおける改変位置として表現)により促進されてもよい。
【1103】
LUZ-Y技術を、本発明の二重特異性抗体の作製に利用できる。Wranik et
al.,(2012)J Biol Chem 287(52):42221~9に記
載されるように、この技術では、ロイシンジッパーをCH3ドメインのC末端内に加え、
精製後に除去される親mAbからヘテロ二量体の会合を促進する。
【1104】
SEEDbody技術を、本発明の二重特異性抗体の作製に利用できる。米国特許出願
公開第20070287170号に記載される様に、SEEDbodyは、その定常ドメ
イン中にIgA残基で置換された選択したIgG残基を有し、ヘテロ二量体化を促進する
【1105】
突然変異は、典型的には、標準的な方法を用いて、抗体の定常ドメインなどの分子に対
して、DNAレベルでなされる。
【1106】
本発明の抗体を遺伝子操作し、様々な周知の抗体型にできる。
【1107】
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体として、組み換えIgG様二重標的分子(分
子の2つの部分が、それぞれ少なくとも2つの異なる抗体のFab断片又はFab断片の
一部を含む)、IgG融合分子(完全長IgG抗体が、別のFab断片又はFab断片の
一部に融合する)、Fc融合分子(一本鎖Fv分子又は安定化二重特異性抗体が、重鎖定
常ドメイン、Fc領域、又はこれらの一部に融合する)、Fab融合分子(異なるFab
断片が互いに融合する)、ScFv及び二重特異性抗体系、並びに、重鎖抗体(例えば、
ドメイン抗体、ナノボディ)(異なる一本鎖Fv分子又は異なる二重特異性抗体又は異な
る重鎖抗体(例えば、ドメイン抗体、ナノボディ)が、互いに又は別のタンパク質若しく
は担体分子と融合する)が挙げられる。
【1108】
ポリヌクレオチド、ベクター及び宿主細胞
本発明はまた、特定のVH配列及びVL配列を有するPD-1、TIM-3又はPD-
1及びTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体も提供し、このとき、抗体VH
は第1のポリヌクレオチドによりコードされ、抗体VLは第2の合成ポリヌクレオチドに
よりコードされる。ポリヌクレオチドは相補的デオキシ核酸(complementary deoxynucle
ic acid)(cDNA)であってよく、好適な宿主における発現のためコドン最適化する
ことができる。コドン最適化はよく知られている技術である。
【1109】
本発明はまた、本発明の抗体のVH、本発明の抗体のVL、本発明の抗体の重鎖、又は
本発明の抗体の軽鎖をコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1110】
本発明はまた、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体のVH、VL
、又はVH及びVLをコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1111】
本発明はまた、配列番号41、42、43、44、45、46、47、48、63又は
64のVHをコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1112】
本発明はまた、配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、5
8、59、60、61、62又は65のVLをコードする、単離されたポリヌクレオチド
も提供する。
【1113】
本発明はまた、配列番号196、197、198、199、200、201、202又
は203のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1114】
本発明はまた、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体のVH、V
L、又はVH及びVLをコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1115】
本発明はまた、配列番号145、146、147、148、149、150、151、
152、153、154又は172のVHをコードする、単離されたポリヌクレオチドも
提供する。
【1116】
本発明はまた、配列番号155、156、157、158、159、160、161、
162、163又は173のVLをコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する
【1117】
本発明はまた、配列番号204、205、206、207、208、209、210又
は211のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1118】
本発明はまた、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体のHC1
、LC1、HC2又はLC2をコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1119】
本発明はまた、配列番号186、187、241、242又は243のHC1をコード
する、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1120】
本発明はまた、配列番号188又は189のLC1をコードする、単離されたポリヌク
レオチドも提供する。
【1121】
本発明はまた、配列番号190、191、192、244、245、246、247又
は248のHC2をコードする、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1122】
本発明はまた、配列番号193、194又は195のLC2をコードする、単離された
ポリヌクレオチドも提供する。
【1123】
本発明はまた、配列番号253、254、255、256、257、258、259及
び260のポリヌクレオチド配列を含む、単離されたポリヌクレオチドも提供する。
【1124】
配列番号196(PD1H170)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAA
CCGGGCAGCAGCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCG
GCACCTTTAGCAGCTATGCGATTAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCCAGGGCCTGGAATGGATGGGCGGCATTATTCCG
ATTTTTGACACCGCGAACTATGCGCAGAAATTTCAGGGCC
GCGTGACCATTACCGCGGATGAAAGCACCAGCACCGCGTA
TATGGAACTGAGCAGCCTGCGCAGCGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGCGCCCTGGTCTCGCTGCGGCTTATGATA
CTGGTTCCTTGGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGAC
CGTGAGCAGC
【1125】
配列番号197(PD1L148)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGCGACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTCGCTCCTACCTGGCGTGGTATCAGCAGAAACC
GGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATCTACGACGCGAGCAAT
CGTGCGACCGGCATTCCGGCGCGCTTTAGCGGCTCCGGTA
GCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGGAACC
GGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAACGTAATTAT
TGGCCGCTGACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTA
AA
【1126】
配列番号198(PD1H129)
GAAGTGCAGCTGGTGGAATCTGGCGGCGGACTGGTGCAG
CCTGGCGGATCTCTGAGACTGAGCTGTGCCGCCAGCGGCT
TCGCCTTCAGCAGATACGACATGAGCTGGGTGCGCCAGGC
CCCTGGCAAAGGACTGGAAAGCGTGGCCTACATCTCTGGC
GGAGGCGCCAACACCTACTACCTGGACAACGTGAAGGGCC
GGTTCACCATCAGCCGGGACAACGCCAAGAACAGCCTGTA
CCTGCAGATGAACTCCCTGCGGGCCGAGGACACCGCCGTG
TACTATTGCGCCTCCCCCTACCTGAGCTACTTCGACGTGT
GGGGCCAGGGCACACTCGTGACCGTGTCATCT
【1127】
配列番号199(PD1L62)
GAGATCGTGATGACCCAGAGCCCTGCCACCCTGTCCGTG
TCTCCAGGCGAAAGAGCCACCCTGAGCTGCAGAGCCAGCC
AGAGCCTGAGCGACTACCTGCACTGGTATCAGCAGAAGCC
CGGCCAGGCCCCCAGACTGCTGATCAAGTCTGCCAGCCAG
TCCATCAGCGGCATCCCCGCCAGATTTTCTGGCAGCGGCT
CCGGCACCGAGTTCACCCTGACAATCAGCAGCCTGCAGAG
CGAGGACTTCGCCGTGTACTACTGCCAGAACGGCCACAGC
TTCCCTTACACCTTCGGCCAGGGCACCAAGCTGGAAATCA
AG
【1128】
配列番号200(PD1H163)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAA
CCGGGCAGCAGCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCG
GCACCTTCAAGTCCTATGTGATTCATTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCCAGGGCCTGGAATGGATGGGCGGTATTATCCCA
ATTTTTGGCACCGCCAATTATGCGCAGAAATTTCAGGGCC
GCGTGACCATTACCGCTGATGAAAGCACCAGCACCGCGTA
TATGGAACTGAGCAGCCTGCGCAGCGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGCGCGGTTATGTGCGGGCTACGGGCATGT
TGGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAG
【1129】
配列番号201(PD1L185)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGCGACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTAGCAATTATCTGGCGTGGTATCAGCAGAAACC
GGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATCTACGACGCCAGCAAT
CGCGCGACCGGCATTCCGGCGCGCTTTAGCGGCTCCGGTA
GCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGGAACC
GGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAACGTGCATAT
TGGCCGCTGACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTA
AA
【1130】
配列番号202(PD1H164)
CAGGTGCAGCTGGTGCAGAGCGGCGCGGAAGTGAAAAAA
CCGGGCAGCAGCGTGAAAGTGAGCTGCAAAGCGAGCGGCG
GCACCTTCAGCGATTATGTGATTTCCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCCAGGGCCTGGAATGGATGGGCGGTATTATCCCG
ATTTACGGGACCGCTAACTATGCGCAGAAATTTCAGGGCC
GCGTGACCATTACCGCTGATGAAAGCACCAGCACCGCGTA
TATGGAACTGAGCAGCCTGCGCAGCGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGCGCGGTACCCTCGACCGGACCGGGCATT
TGGACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAG
【1131】
配列番号203(PD1L86)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGCGACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTCTCCTCCTACCTTGCGTGGTATCAGCAGAAACC
GGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATCCACGACGCCTCTACG
CGTGCGACCGGCATTCCGGCGCGCTTTAGCGGCTCCGGTA
GCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGGAACC
GGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAACGTAATTAT
TGGCCGCTCACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTA
AA
【1132】
配列番号204(TM3H24)
GAAGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGCGGCCTGGTGCAG
CCGGGCGGCAGCCTGCGCCTGAGCTGCGCGGCAAGCGGCT
TTACCTTTAGCAGCTATGCGATGAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCAAAGGCCTGGAATGGGTGAGCGCGATTAGCGGC
AGCGGCGGCAGCACCTATTATGCGGATAGCGTGAAAGGCC
GCTTTACCATTAGCCGCGATAACAGCAAAAACACCCTGTA
TCTGCAGATGAACAGCCTGCGCGCGGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGAAATCCCCGTACGCGCCCTTGGACTATT
GGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGC
【1133】
配列番号205(TM3L33)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGCGACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTTAGCTGCCGTGCAAGTC
AGAGTGTGAACGACTACCTGGCGTGGTATCAGCAGAAACC
GGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTATGATGCGAGCAAC
CGCGCGACCGGCATTCCGGCGCGCTTTAGCGGCAGCGGCA
GCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCAGCCTGGAACC
GGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGGGTGGTCAC
GCGCCGATCACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAATTA
AA
【1134】
配列番号206(TM3H162)
GAAGTGCAGCTGGTGCAGTCTGGCGCCGAAGTGAAGAAG
CCTGGCGAGAGCCTGAAGATCAGCTGCAAGGGCAGCGGCT
ACAGCTTCACCAGCTACTGGATGCAGTGGGTGCGCCAGAT
GCCTGGCAAGGGCCTGGAATGGATGGGCGCCATCTATCCC
GGCGACGGCGACATCAGATACACCCAGAACTTCAAGGGCC
AAGTGACCATCAGCGCCGACAAGAGCATCAGCACCGCCTA
CCTGCAGTGGTCCAGCCTGAAGGCCAGCGACACCGCCATG
TACTACTGTGCCAGATGGGAGAAGTCCACCACCGTGGTGC
AGCGGAACTACTTCGACTACTGGGGCCAGGGCACCACAGT
GACCGTGTCTAGT
【1135】
配列番号207(TM3L85)
GACATCCAGATGACCCAGAGCCCCAGCAGCCTGTCTGCC
AGCGTGGGCGACAGAGTGACCATCACATGCAAGGCCAGCG
AGAACGTGGGCACCTTCGTGTCCTGGTATCAGCAGAAGCC
CGGCAAGGCCCCCAAGCTGCTGATCTACGGCGCCAGCAAC
AGATACACCGGCGTGCCCAGCAGATTCAGCGGCTCTGGCA
GCGGCACCGACTTCACCCTGACCATCTCTAGCCTGCAGCC
CGAGGACTTCGCCACCTACTACTGCGGCCAGAGCTACAGC
TACCCCACCTTTGGCCAGGGCACCAAGCTGGAAATCAAG
【1136】
配列番号208(TM3H21)
GAAGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGCGGCCTGGTGCAG
CCGGGCGGCAGCCTGCGCCTGAGCTGCGCGGCGAGCGGCT
TTACCTTTAGCAACTATTGGATGAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCAAAGGCCTGGAATGGGTGAGCGCGATTAGCGGC
AGCGGCGGCAGCACCTATTATGCGGATAGCGTGAAAGGCC
GCTTTACCATTAGCCGCGATAACAGCAAAAACACCCTGTA
TCTGCAGATGAACAGCCTGCGCGCGGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGAAAGATCATTGGGATCCCAATTTTTTGG
ACTATTGGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGC
【1137】
配列番号209(PH9L1)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTGAGCAGCAGCTATCTGGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTATGGCGCGAGC
AGCCGCGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GCAGCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTATGGC
AGCAGCCCGCTGACCTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TTAAA
【1138】
配列番号210(TM3H65)
GAAGTGCAGCTGCTGGAAAGCGGCGGCGGCCTGGTGCAG
CCGGGCGGCAGCCTGCGCCTGAGCTGCGCGGCGAGCGGCT
TTACCTTTAGCGACTATTGGATGAGCTGGGTGCGCCAGGC
GCCGGGCAAAGGCCTGGAATGGGTGAGCGTGATCAAGTAT
AGCGGTGGCTCCAAATATTATGCGGATAGCGTGAAAGGCC
GCTTTACCATTAGCCGCGATAACAGCAAAAACACCCTGTA
TCTGCAGATGAACAGCCTGCGCGCGGAAGATACCGCGGTG
TATTATTGCGCGAAAGAGCTGGAGGGGGTGTTCGACTATT
GGGGCCAGGGCACCCTGGTGACCGTGAGCAGC
【1139】
配列番号211(TM3L12)
GAAATTGTGCTGACCCAGAGCCCGGGCACCCTGAGCCTG
AGCCCGGGCGAACGCGCGACCCTGAGCTGCCGCGCGAGCC
AGAGCGTTAGCAATAGCACTCTGGCGTGGTATCAGCAGAA
ACCGGGCCAGGCGCCGCGCCTGCTGATTTATACTGCGAGC
AGCCGCGCGACCGGCATTCCGGATCGCTTTAGCGGCAGCG
GCAGCGGCACCGATTTTACCCTGACCATTAGCCGCCTGGA
ACCGGAAGATTTTGCGGTGTATTATTGCCAGCAGTCTTAC
ACATCTCCGTGGACTTTTGGCCAGGGCACCAAAGTGGAAA
TTAAA
【1140】
本発明の抗体のVH若しくはVL又はそれらの抗原結合断片、又は、本発明の抗体の重
鎖及び軽鎖をコードするポリヌクレオチド配列は、意図される宿主細胞におけるヌクレオ
チド配列の発現を可能にする、プロモーター又はエンハンサーなどの1つ又は2つ以上の
制御因子に操作可能に連結され得る。ポリヌクレオチドはcDNAであってよい。
【1141】
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクターも提供する。そのようなベク
ターは、プラスミドベクター、ウイルスベクター、バキュロウイルス発現ベクター、トラ
ンスポゾンベースのベクター、又は任意の手段によって所与の生物又は遺伝子的バックグ
ラウンドに本発明の合成ポリヌクレオチドを導入するのに適した任意の他のベクターであ
ってよい。例えば、任意に定常領域に連結される本発明の抗体の軽鎖及び/又は重鎖可変
領域をコードするポリヌクレオチドは、発現ベクターに挿入される。軽鎖及び/又は重鎖
は、同じ又は異なる発現ベクターにクローン化され得る。免疫グロブリン鎖をコードする
DNAセグメントは、免疫グロブリンポリペプチドの発現を確実にする発現ベクター(複
数可)内の制御配列に操作可能に連結されてよい。そのような制御配列は、シグナル配列
、プロモーター(例えば、天然に会合する又は異種プロモーター)、エンハンサー因子、
及び転写終結配列を含み、抗体を発現するように選択された宿主細胞と適合性があるよう
に選択される。ベクターを適切な宿主内に組み込んだなら、組み込んだポリヌクレオチド
がコードしているタンパク質を高レベルで発現させるのに適した条件下で宿主を維持する
【1142】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号196及び197のポリヌクレオチド
を含む。
【1143】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号198及び199のポリヌクレオチド
を含む。
【1144】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号200及び201のポリヌクレオチド
を含む。
【1145】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号202及び203のポリヌクレオチド
を含む。
【1146】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号204及び205のポリヌクレオチド
を含む。
【1147】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号206及び207のポリヌクレオチド
を含む。
【1148】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号208及び209のポリヌクレオチド
を含む。
【1149】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号210及び211のポリヌクレオチド
を含む。
【1150】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号253及び254のポリヌクレオチド
を含む。
【1151】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号255及び256のポリヌクレオチド
を含む。
【1152】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号257及び258のポリヌクレオチド
を含む。
【1153】
いくつかの実施形態では、ベクターは、配列番号259及び260のポリヌクレオチド
を含む。
【1154】
好適な発現ベクターは、典型的には、エピソームとして、又は宿主染色体DNAの不可
欠な部分として、宿主生物において複製可能である。通常、発現ベクターは、所望のDN
A配列で形質転換されたこれらの細胞の検出を可能にするため、アンピシリン耐性、ヒグ
ロマイシン耐性、テトラサイクリン耐性、カナマイシン耐性、又はネオマイシン耐性など
の選択マーカーを含む。
【1155】
好適なプロモーター及びエンハンサー因子は、当該技術分野において既知である。真核
細胞における発現について、例示的なプロモーターとしては、軽鎖及び/又は重鎖免疫グ
ロブリン遺伝子プロモーター及びエンハンサー因子、サイトメガロウイルス最初期プロモ
ーター(cytomegalovirus immediate early promoter)、単純ヘルペスウイルスチミジン
キナーゼプロモーター、SV40初期及び後期プロモーター、レトロウイルス由来の長鎖
末端反復配列に存在するプロモーター、マウスメタロチオネイン-Iプロモーター、並び
に様々な既知の組織特異的プロモーターが挙げられる。適切なベクター及びプロモーター
の選択は、当業者の技量の範囲内である。
【1156】
使用し得る代表的なベクターは以下のとおりである。細菌系:pBs、phagesc
ript、PsiX174、pBluescript SK、pBs KS、pNH8a
、pNH16a、pNH18a、pNH46a(Stratagene,La Joll
a,Calif.,USA);pTrc99A、pKK223-3、pKK233-3、
pDR540、及びpRIT5(Pharmacia,Uppsala,Sweden)
。真核細胞系:pWLneo、pSV2cat、pOG44、PXR1、pSG(Str
atagene)pSVK3、pBPV、pMSG、及びpSVL(Pharmacia
)、pEE6.4(Lonza)及びpEE12.4(Lonza)。
【1157】
本発明はまた、本発明の1つ以上のベクターを含む宿主細胞も提供する。「宿主細胞」
は、ベクターが導入された細胞を指す。当然のことながら、用語「宿主細胞」は、対象と
する特定の細胞だけでなく、そのような細胞の子孫並びに対象とする特定の細胞から作製
された安定な細胞株をも指すものと理解される。変異又は環境による影響のいずれかによ
り、後の世代において特定の修飾が生じる可能性があるため、そのような後代は親細胞と
同一ではない可能性があるが、本明細書で使用される用語「宿主細胞」の範囲内には依然
として含まれる。そのような宿主細胞は、真核細胞、原核細胞、植物細胞、又は古細菌(
archeal)細胞であってよい。原核宿主細胞の例は、大腸菌、バチルス・ズブチルス(Bac
illus subtilis)などの桿菌、及びサルモネラ(Salmonella)、セラチア(Serratia)、
並びに様々なシュードモナス(Pseudomonas)種などの他の腸内細菌科のものである。酵
母などの他の微生物も発現に有用である。好適な酵母宿主細胞の例は、サッカロミセス(
例えば、S.セレビジアエ)及びピチアである。例示的な真核細胞は、哺乳動物、昆虫、
鳥類、又は他の動物由来のものであってもよい。哺乳類真核細胞としては、不死化細胞株
(例えばハイブリドーマ)又は骨髄腫細胞株(例えばSP2/0(American T
ype Culture Collection(ATCC)、Manassas、VA
、CRL-1581)、NS0(European Collection of Ce
ll Cultures(ECACC)、Salisbury,Wiltshire,U
K、ECACC No.85110503)、FO(ATCCCRL-1646)及びA
g653(ATCCCRL-1580)マウス細胞株)が挙げられる。例示的なヒト骨髄
腫細胞株は、U266(ATTC CRL-TIB-196)である。他の有用な細胞系
としては、CHOK1SV(Lonza Biologics(Walkersvill
e,MD))、Potelligent(登録商標)CHOK2SV(Lonza)、C
HO-K1(ATCC CRL-61)、又はDG44などの、チャイニーズハムスター
の卵巣(CHO)細胞に由来するものが挙げられる。
【1158】
本発明は、抗体が発現される条件下で本発明の宿主細胞を培養することと、かかる宿主
細胞より産生された抗体を回収することと、を含む、本発明の抗体の産生方法も提供する
。抗体を製造して精製する方法は当該技術分野において周知である。合成されたら(化学
的又は組換えのいずれか)、全抗体、それらの二量体、個々の軽鎖及び/若しくは重鎖、
又はVH及び/若しくはVLなどの他の抗体断片を、硫酸アンモニウム沈殿、親和性カラ
ム、カラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)精製、ゲル電
気泳動など(一般に、Scopes,Protein Purification(Sp
ringer-Verlag,N.Y.,(1982)を参照)などの標準的な手順によ
り精製することができる。対象とする抗体は、実質的に純粋なものであってよく、例えば
、細胞残屑、対象抗体以外の巨大分子などの混入物を含まず、例えば、純度が少なくとも
約80%~85%、純度が少なくとも約85%~90%、純度が少なくとも約90%~9
5%、又は純度が少なくとも約98%~99%以上であり得る。
【1159】
本発明のポリヌクレオチド配列を、標準的な分子生物学的手法を用いベクターに組み込
むこともできる。宿主細胞の形質転換、培養、抗体発現、及び精製は、周知の方法を用い
て行われる。本発明の別の実施形態は、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニ
スト抗体の産生方法であり、これは、
抗体のVHをコードしている第1のポリヌクレオチドと、抗体のVLをコードしている
第2のポリヌクレオチドと、を発現ベクターに組み込むことと、
宿主細胞を発現ベクターで形質転換させることと、
VL及びVHが発現し、抗体を形成する条件下で、培養培地中で宿主細胞を培養するこ
とと、
宿主細胞又は培養培地からかかる抗体を回収することと、を含む。
【1160】
本明細書に記載される本発明の別の実施形態は、本発明のTIM-3に特異的に結合す
るアンタゴニスト抗体の産生方法であり、これは、
抗体のVHをコードしている第1のポリヌクレオチドと、抗体のVLをコードしている
第2のポリヌクレオチドと、を発現ベクターに組み込むことと、
宿主細胞を発現ベクターで形質転換させることと、
VL及びVHが発現し、抗体を形成する条件下で、培養培地中で宿主細胞を培養するこ
とと、
宿主細胞又は培養培地からかかる抗体を回収することと、を含む。
【1161】
以下に列挙される付番された実施形態のうちの1つ1つのいくつかの実施形態において
、本明細書に記載される本発明の特定のVH又はVL配列をコードするポリヌクレオチド
を、標準的な分子生物学的手法を用いベクターに組み込むことができる。宿主細胞の形質
転換、培養、抗体発現、及び精製は、周知の方法を用いて行われる。
【1162】
医薬組成物/投与
本発明は、本発明の抗体と、医薬的に許容可能な担体と、を含む、医薬組成物を提供す
る。治療用途では、本発明の抗体は、医薬的に許容可能な担体中に、有効量の抗体を活性
成分として含有する医薬組成物として調製することができる。「担体」は、本発明の抗体
と一緒に投与される希釈剤、補助剤、ビヒクル、又は溶媒を指す。そのようなビヒクルは
、落花生油、大豆油、鉱物油、ゴマ油などの、石油、動物、植物、又は合成物起源のもの
を含む、水及び油などの液体であってよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グ
リシンを用いてもよい。これらの溶液は滅菌され、一般には粒子状物質を含まない。これ
らは、通常の周知の滅菌法(例えば、濾過)によって滅菌することができる。この組成物
は、生理学的条件に近づけるために必要とされる医薬的に許容可能な補助物質、例えばp
H調整剤及び緩衝剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤及び着色剤などを含むことができる。か
かる製剤処方中の本発明の抗体の濃度は可変であり、約0.5重量%未満、通常は少なく
とも約1重量%から最大で15又は20重量%までであってよく、また、選択される特定
の投与方法にしたがって、主として必要とされる用量、液体の体積、粘度などに基づいて
選択され得る。好適なビヒクル及び製剤(他のヒトタンパク質、例えばヒト血清アルブミ
ンを含む)は、例えば、Remington:The Science and Pra
ctice of Pharmacy,21st Edition,Troy,D.B.
ed.,Lipincott Williams and Wilkins,Phila
delphia,PA 2006,Part 5,Pharmaceutical Ma
nufacturing pp 691~1092に記載され、特にpp.958~98
9を参照されたい。
【1163】
本発明の抗体の治療的使用における投与方法は、錠剤、カプセル剤、液剤、粉剤、ゲル
、粒子として、注射器、埋め込み式装置、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプ
に入れられた製剤を用いた、非経口投与、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、又は
皮下、肺;経粘膜投与(経口、鼻腔内、膣内、直腸);又は当該技術分野において周知の
、当業者が理解する他の手段など、抗体を宿主に送達する任意の好適な経路であってよい
。部位特異的投与は、例えば、腫瘍内、関節内、気管支内、腹内、関節包内、軟骨内、洞
内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜
内、腹腔内、胸膜内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊髄内、滑液嚢内、胸
郭内、子宮内、血管内、膀胱内、病巣内、膣内、直腸、口腔内、舌下、鼻腔内、又は経皮
送達によって達成され得る。
【1164】
本発明の抗体を、例えば、静脈内(i.v.)注入又はボーラス注射により非経口的に
、筋肉内又は皮下又は腹腔内になど任意の適当な経路によって対象に投与することができ
る。静脈内注入は、例えば、15、30、60、90、120、180、若しくは240
分にわたって、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、若しくは12時
間にわたって実施されてもよい。
【1165】
対象に投与される用量は、治療される疾患を緩和するか又は少なくとも部分的に停止す
るのに十分(「治療的有効量」)であり、時には、0.005mg~約100mg/kg
、例えば、約0.05mg~約30mg/kg、又は約5mg~約25mg/kg、又は
約4mg/kg、約8mg/kg、約16mg/kg若しくは約24mg/kg、又は例
えば約1、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10mg/kgであってもよいが、
更により高い量、例えば約15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
4、25、30、40、50、60、70、80、90若しくは100mg/kgであっ
てもよい。
【1166】
例えば、50、100、200、500、若しくは1000mgの固定単位用量を与え
ても、又は患者の表面積に基づいて例えば、500、400、300、250、200、
若しくは100mg/mの用量で与えてもよい。通常、1~8回の用量(例えば、1、
2、3、4、5、6、7、又は8回)が患者を治療するために投与されるが、9、10、
11、12、13、14、15、16、17、18、19、20回、又はそれよりも多い
用量を投与することが可能である。
【1167】
本発明の抗体の投与は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、1週間、2週間、3週
間、1ヶ月、5週間、6週間、7週間、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月後に、
又はそれ以上後に繰り返すことができる。治療過程を繰り返すことも可能であり、長期に
わたる投与も同様に可能である。繰り返し投与は、同一用量であるか、又は異なる用量で
あってよい。例えば、本発明の抗体は、8mg/kg又は16mg/kgで1週間間隔で
8週間にわたり投与され、8mg/kg又は16mg/kgで2週間毎に更に16週間の
投与が続き、その後、4週間毎に8mg/kg又は16mg/kgの静脈内注入による投
与を続けて行うことができる。
【1168】
例えば、本発明の抗体は、単回投与、若しくは、24、12、8、6、4、若しくは2
時間毎の分割投与を用いて、又はこれらの併用を用いて、約0.1~100mg/kgの
量の1日用量として、例えば、1日当たり0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2
、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40
、45、50、60、70、80、90、又は100mg/kgで、治療開始後、1、2
、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31
、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40日目のうちの少なくとも
1日に、あるいは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、1
4、15、16、17、18、19、又は20週目のうちの少なくとも1週に、あるいは
これらの組み合わせで提供されてもよい。
【1169】
本発明の抗体はまた、癌の進行リスクを低下させ、癌の進行におけるイベントの発生の
開始を遅延させ、かつ/又は癌が緩解した際の再発リスクを低下させるために、予防的に
投与されてもよい。
【1170】
本発明の抗体を、保管のために凍結乾燥し、使用前に好適な担体に溶解させてもよい。
この技法は、通常のタンパク調製物に関して有効であることが示されており、周知の凍結
乾燥法及び再構成法を用いることができる。
【1171】
方法及び使用
本発明の抗体は、in vitro及びin vivoの診断的、並びに、治療的及び
予防的用途を有する。例えば、本発明の抗体を、in vitro若しくはex viv
oで培養中の細胞に投与でき、又は、癌及び感染症などの様々な疾患を治療、予防、及び
/若しくは診断するために対象に投与できる。
【1172】
本発明は、本発明の抗体を、免疫応答の改善に十分な期間にわたって対象に投与するこ
とを含む、対象における免疫応答の改善方法を提供する。
【1173】
いくつかの実施形態では、免疫応答は増強され、刺激され、又は上方制御される。
【1174】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、対象はヒト患者である。
【1175】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、対象は、免疫応答の増強を必要とする
ヒト患者である。
【1176】
いくつかの実施形態では、対象は免疫不全状態である。
【1177】
いくつかの実施形態では、対象は、免疫不全状態になる恐れがある。免疫不全状態の対
象は、化学療法又は放射線療法を受けていてよい、又は、受けたことがあってよい。
【1178】
いくつかの実施形態では、対象は、感染の結果免疫不全状態である、又は免疫不全状態
になる恐れがある。
【1179】
本発明の抗体は、T細胞介在性免疫応答を増強することによって治療し得る、疾患を有
する対象の治療に好適である。
【1180】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される本発明の方法で使用されるPD-1に
特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、PD1B114、PD1B149、PD1B1
60、PD1B162、PD1B164、PD1B11、PD1B183、PD1B18
4、PD1B185、PD1B187、PD1B71、PD1B177、PD1B70、
PD1B175、PD1B194、PD1B195、PD1B196、PD1B197、
PD1B198、PD1B199、PD1B200、PD1B201、PD1B243、
PD1B244、PD1B131又はPD1B132である。これらの抗体のVH及びV
Lアミノ酸配列を、表2に示す。
【1181】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される本発明の方法で使用されるTIM-3
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、TM3B103、TM3B105、TM3B
109、TM3B108、TM3B113、TM3B189、TM3B190、TM3B
193、TM3B195、TM3B196又はTM3B291である。これらの抗体のV
H及びVLアミノ酸配列を、表3に示す。
【1182】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される二重特異性PD-1/TIM-3
抗体は、PTBB14、PTBB15、PTBB16、PTBB17、PTBB24、P
TBB30、PTBB27、PTBB28、PTBB18、PTBB20又はPTBB2
1である。これらの抗体のHC1、LC1、HC2及びLC2アミノ酸配列を、表41及
び表42に示す。
【1183】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号41のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1184】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号41のVHと、配列番号50のVLと、を含む。
【1185】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号42のVHと、配列番号51のVLと、を含む。
【1186】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号42のVHと、配列番号52のVLと、を含む。
【1187】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号42のVHと、配列番号53のVLと、を含む。
【1188】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1189】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号54のVLと、を含む。
【1190】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号50のVLと、を含む。
【1191】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号55のVLと、を含む。
【1192】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号56のVLと、を含む。
【1193】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号43のVHと、配列番号57のVLと、を含む。
【1194】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号44のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1195】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号45のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1196】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号46のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1197】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号47のVHと、配列番号49のVLと、を含む。
【1198】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号48のVHと、配列番号53のVLと、を含む。
【1199】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号48のVHと、配列番号52のVLと、を含む。
【1200】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号48のVHと、配列番号56のVLと、を含む。
【1201】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号47のVHと、配列番号58のVLと、を含む。
【1202】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号47のVHと、配列番号59のVLと、を含む。
【1203】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号45のVHと、配列番号60のVLと、を含む。
【1204】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号45のVHと、配列番号61のVLと、を含む。
【1205】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるPD-1に特異的に結合するアン
タゴニスト抗体は、配列番号45のVHと、配列番号62のVLと、を含む。
【1206】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号145のVHと、配列番号155のVLと、を含む。
【1207】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号146のVHと、配列番号156のVLと、を含む。
【1208】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号148のVHと、配列番号157のVLと、を含む。
【1209】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号147のVHと、配列番号155のVLと、を含む。
【1210】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号149のVHと、配列番号158のVLと、を含む。
【1211】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号150のVHと、配列番号159のVLと、を含む。
【1212】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号151のVHと、配列番号160のVLと、を含む。
【1213】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号152のVHと、配列番号161のVLと、を含む。
【1214】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号153のVHと、配列番号162のVLと、を含む。
【1215】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号154のVHと、配列番号163のVLと、を含む。
【1216】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用されるTIM-3に特異的に結合するア
ンタゴニスト抗体は、配列番号172のVHと、配列番号173のVLと、を含む。
【1217】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される、PD-1に特異的に結合する第
1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性PD-
1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、第1ドメイン中の配列番号48のVH及び配列番
号56のVLと、第2ドメイン中の配列番号153のVH及び配列番号162のVLと、
を含む。
【1218】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される、PD-1に特異的に結合する第
1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性PD-
1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、第1ドメイン中の配列番号48のVH及び配列番
号56のVLと、第2ドメイン中の配列番号146のVH及び配列番号156のVLと、
を含む。
【1219】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される、PD-1に特異的に結合する第
1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性PD-
1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、第1ドメイン中の配列番号64のVH及び配列番
号65のVLと、第2ドメイン中の配列番号153のVH及び配列番号162のVLと、
を含む。
【1220】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される、PD-1に特異的に結合する第
1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性PD-
1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、第1ドメイン中の配列番号64のVH及び配列番
号65のVLと、第2ドメイン中の配列番号146のVH及び配列番号156のVLと、
を含む。
【1221】
いくつかの実施形態では、本発明の方法で使用される、PD-1に特異的に結合する第
1ドメインと、TIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、二重特異性PD-
1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、第1ドメイン中の配列番号48のVH及び配列番
号56のVLと、第2ドメイン中の配列番号172のVH及び配列番号173のVLと、
を含む。
【1222】

PD-1の阻害により、対象における癌性細胞への免疫応答を増強できる。PD-1、
PD-L1のリガンドは、様々なヒト癌において大量に発現している(Dong et
al.,(2002)Nat Med 8:787~9)。PD-1とPD-L1との間
の相互作用により、腫瘍浸潤リンパ球の減少、T細胞受容体介在性増殖の低下、及び/又
は癌性細胞による免疫回避をもたらすことができる(Dong et al.,(200
3)J Mol Med 81:281~7;Blank et al.,(2005)
Cancer Immunol Immunother 54:307~314;Kon
ishi et al.,(2004)Clin Cancer Res 10:509
4~100)。免疫抑制は、PD-1のPD-L1に対する局所的相互作用を阻害するこ
とによって回復でき、この効果は、PD-1の第2のPD-1リガンドであるPD-L2
に対する相互作用が同様に阻害されると付加される(Iwai et al.,(200
2)PorcNatl Acad Sci 99:12293~7;Brown et
al.,(2003)J Immunol 170:1257~66)。このように、P
D-1の阻害によって、免疫応答の増強がもたらされ得る。
【1223】
TIM-3は、活性化Tヘルパー1(Th1)CD4及びIFN-γを分泌する細胞
傷害性CD8 T細胞上に発現する、共阻害性タンパク質である。癌及びウイルス性消
耗の前臨床モデルで示されるように、TIM-3は、PD-1+の消耗したT細胞上に共
発現する。これらの経路を共阻害することによって、いくつかのモデル、並びに、転移性
黒色腫患者及びHIV又はHCV患者由来のヒトPBMCにおいて、エフェクターT細胞
機能(例えば、IFN-γ分泌、増殖)を回復できる。TIM-3は、Foxp3+制御
性T細胞でも豊富であり、TIM-3、LAG3及びCTLA4を共発現しているTre
gは、エフェクターT細胞(Teff)の高性能の抑制因子であることが示されている(
Galuton et al.,(2014)Eur J Immunol 44(9)
:2703~11)。TIM-3発現は、NSCLCの予後不良と関連している(Zhu
ang et al.,(2012)Am J Clin Pathol 137(6)
:978~85)。卵巣、大腸直腸、子宮頸部及び肝細胞の癌患者の腫瘍組織由来のリン
パ球は、TIM-3 CD4 T細胞の割合が比較的高く、細胞は、ILF-γの産生
能が低下している(Yan et al.,(2013)PLoS One 8(3):
e58006)。
【1224】
本発明はまた、治療有効量の本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
を、腫瘍細胞の成長阻害に十分な期間にわたって対象に投与することを含む、対象におけ
る腫瘍細胞の成長阻害方法も提供する。
【1225】
本発明はまた、治療有効量の本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を、腫瘍細胞の成長阻害に十分な期間にわたって対象に投与することを含む、対象にお
ける腫瘍細胞の成長阻害方法も提供する。
【1226】
本発明はまた、治療有効量の本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体を、腫瘍細胞の成長阻害に十分な期間にわたって対象に投与することを含む、対象に
おける腫瘍細胞の成長阻害方法も提供する。
【1227】
本発明はまた、治療有効量の本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
を、癌の治療に十分な期間にわたって治療を必要とする対象に投与することによる、癌の
治療方法も提供する。
【1228】
本発明はまた、治療有効量の本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を、癌の治療に十分な期間にわたって治療を必要とする対象に投与することによる、癌
の治療方法も提供する。
【1229】
本発明はまた、治療有効量の本発明の二重特異性PD-1/TIM-3抗体を、癌の治
療に十分な期間にわたって治療を必要とする対象に投与することによる、癌の治療方法も
提供する。
【1230】
使用し得る代表的な抗体は、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、TIM
-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、及び二重特異性PD-1/TIM-3アン
タゴニスト抗体である、本明細書に記載されるVH及びVLアミノ酸配列並びに特徴を有
するPD1B114、PD1B149、PD1B160、PD1B162、PD1B16
4、PD1B11、PD1B183、PD1B184、PD1B185、PD1B187
、PD1B71、PD1B177、PD1B70、PD1B175、PD1B194、P
D1B195、PD1B196、PD1B197、PD1B198、PD1B199、P
D1B200、PD1B201、TM3B103、TM3B105、TM3B109、T
M3B108、TM3B113、TM3B189、TM3B190、TM3B193、T
M3B195、TM3B196、TM3B291、PTBB14、PTBB15、PTB
B16、PTBB17、PTBB24、PTBB30、PTBB27、PTBB28、P
TBB18、PTBB20及びPTBB21である。
【1231】
癌は、過剰増殖状態又は疾患、固形腫瘍、血液悪性疾患、軟組織腫瘍、又は転移巣であ
ってよい。
【1232】
「癌」は、病理組織学的種類又は侵襲性ステージに関係なく、全ての種類の癌性増殖若
しくは癌化プロセス、転移性組織若しくは悪性形質転換細胞、組織、又は器官を包含する
ことを意味する。癌の例として、固形腫瘍、血液悪性疾患、軟組織腫瘍、及び転移巣が挙
げられる。代表的な固形腫瘍として、悪性疾患、例えば、肉腫、並びに、様々な臓器系の
癌腫(腺癌及び扁平上皮癌を含む)、例えば、肝臓、肺、乳房、リンパ系、消化器(例え
ば、結腸)、泌尿生殖器(例えば、腎臓、尿路上皮細胞)、前立腺及び咽頭を侵すものが
挙げられる。腺癌として、悪性腫瘍、例えば、大部分の結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝癌
、肺の非小細胞癌、小腸の癌、及び食道の悪性疾患が挙げられる。扁平上皮細胞癌として
、例えば、肺、食道、皮膚、頭頸部領域、口腔、肛門、及び子宮頸部内の悪性疾患が挙げ
られる。
【1233】
いくつかの実施形態では、癌は黒色腫である。
【1234】
上記癌の転移巣も、本明細書に記載される本発明の方法及び抗体を用いて治療され、又
は予防され得る。
【1235】
その成長が本発明の抗体を用いて阻害又は低下され得る代表的な癌として、免疫療法に
応答し得る癌が挙げられる。かかる代表的な癌として、黒色腫、腎臓癌、前立腺癌、乳癌
、結腸癌、消化器癌、胃癌、食道癌、肺癌、転移性悪性黒色腫、明細胞癌、ホルモン抵抗
性前立腺腺癌、非小細胞肺癌、又は、頭頸部の癌が挙げられる。不応性又は再発性悪性疾
患は、本明細書に記載される本発明の抗体を用いて治療できる。
【1236】
本発明の抗体で治療され得る代表的なその他癌は、肛門癌、基底細胞癌、胆道癌、膀胱
癌、骨癌、脳及びCNS癌、ファロピウス管の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、皮膚又は
眼球内悪性黒色腫、胃食道癌、精巣癌、卵巣癌、膵臓癌、直腸癌、子宮癌、原発CNSリ
ンパ腫;中枢神経系(CNS)の新生物、子宮頸癌、絨毛癌、直腸癌、結合組織癌、消化
器系の癌、子宮内膜癌、眼癌;上皮内新生物、腎臓癌、喉頭癌、肝癌;小細胞肺癌、神経
芽細胞腫、口腔癌(例えば、口唇、舌、口、及び咽頭)、上咽頭癌、網膜芽細胞腫、横紋
筋肉腫、呼吸器の癌、肉腫、甲状腺癌、泌尿器系の癌、肝細胞癌、肛門部の癌、ファロピ
ウス管の癌腫、膣の癌腫、外陰部の癌腫、小腸の癌、内分泌系の癌、副甲状腺の癌、副腎
の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、陰茎の癌、小児の固形腫瘍、腫瘍血管新生、脊髄軸腫瘍
、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、メルケル細胞癌、類表皮癌、扁平上皮癌、ア
スベストなどで誘発されるものを含む環境誘発性癌、並びに、その他癌腫及び肉腫、及び
当該癌の組み合わせである。
【1237】
本発明の抗体で治療され得る代表的な血液悪性疾患として、白血病、リンパ腫及び骨髄
腫、例えば、前駆B細胞リンパ性白血病/リンパ腫及びB細胞非ホジキンリンパ腫、急性
前骨髄性白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)
/小リンパ性リンパ腫(SLL)、B細胞急性リンパ性白血病、B細胞前リンパ性白血病
、リンパ形質細胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL
)(低悪性度、中悪性度、及び高悪性度FLを含む)、皮膚濾胞中心リンパ腫、辺縁帯B
細胞リンパ腫(MALT型、節及び脾型)、ヘアリーセル白血病、びまん性大細胞型B細
胞リンパ腫(DLBCL)、バーキットリンパ腫(BL)、形質細胞腫、多発性骨髄腫(
MM)、形質細胞性白血病、移植後リンパ増殖性疾患、ワルデンシュトレーム型マクログ
ロブリン血症、形質細胞障害、未分化大細胞リンパ腫(ALCL)、T細胞急性リンパ性
白血病、原発性全身性アミロイドーシス(例えば、軽鎖アミロイドーシス)、前リンパ性
/骨髄性白血病、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、大顆粒リ
ンパ球性(LGL)白血病、NK細胞白血病及びホジキンリンパ腫が挙げられる。
【1238】
「形質細胞障害」は、クローン性形質細胞によって特徴付けられる疾患を指し、多発性
骨髄腫、軽鎖アミロイドーシス、及びワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症を含
む。軽鎖アミロイドーシス及びワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症は、多発性
骨髄腫とは無関係に発症し得る。これらはまた、多発性骨髄腫と同時に存在し、多発性骨
髄腫の進行より前又はそれより後のいずれかに進行し得る。
【1239】
例示的なB細胞非ホジキンリンパ腫は、リンパ腫様肉芽腫症、原発性滲出性リンパ腫、
血管内大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、重鎖病(γ、μ、及びα
病を含む)、免疫抑制剤による療法によって誘発されるリンパ腫、例えばシクロスポリン
誘発性リンパ腫及びメトトレキサート誘発性リンパ腫である。
【1240】
PD-L1を発現する転移性癌などの癌を有する患者は、本発明の抗体で治療できる。
癌は、黒色腫、腎細胞癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCLC
、結腸直腸癌、去勢抵抗性前立腺癌、卵巣癌、胃部癌、腺癌(ACA)、扁平上皮癌(S
CC)、肝細胞癌(HCC)、膵癌、頭頸部の扁平上皮癌、食道、胃腸管及び乳房の癌腫
であってよい。
【1241】
TIM-3を発現する癌を有する患者は、本発明の抗体で治療できる。TIM-3発現
癌として、子宮頸癌、肺癌、NSCLC、急性骨髄性白血病(AML)、びまん性大細胞
型B細胞リンパ腫(DLBCL)、黒色腫、腎臓癌、腎細胞癌(RCC)、腎明細胞癌、
腎乳頭状細胞癌、転移性腎細胞癌、扁平上皮癌、食道扁平上皮癌、上咽頭癌、結腸直腸癌
、乳癌(例えば、エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、又はHer2/neuの
うち、1つ、2つ、又は全てを発現していない乳癌、例えば、トリプルネガティブ乳癌)
、中皮腫、肝細胞癌、及び卵巣癌が挙げられる。TIM-3発現癌は転移性癌であってよ
い。
【1242】
いくつかの実施形態では、対象は、固形癌を有する。
【1243】
いくつかの実施形態では、対象は、血液悪性疾患を有する。
【1244】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は黒色腫である。
【1245】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は肺癌である。
【1246】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【1247】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)である。
【1248】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は非扁平上皮NSCLCである。
【1249】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は肺腺癌である。
【1250】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は腎細胞癌(RCC)である。
【1251】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は中皮腫である。
【1252】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は上咽頭癌(NPC)である。
【1253】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は結腸直腸癌である。
【1254】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は前立腺癌である。
【1255】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は去勢抵抗性前立腺癌である。
【1256】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は胃癌である。
【1257】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は卵巣癌である。
【1258】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は胃部癌である。
【1259】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は肝癌である。
【1260】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は膵臓癌である。
【1261】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は甲状腺癌である。
【1262】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は頭頸部の扁平上皮癌である。
【1263】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は食道又は胃腸管の癌腫である。
【1264】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は乳癌である。
【1265】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は卵管癌である。
【1266】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は脳癌である。
【1267】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は尿道癌である。
【1268】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は尿生殖器癌である。
【1269】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は子宮内膜症である。
【1270】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は子宮頸癌である。
【1271】
いくつかの実施形態では、固形腫瘍は癌の転移巣である。
【1272】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は、リンパ腫、骨髄腫又は白血病である。
【1273】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患はB細胞リンパ腫である。
【1274】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患はバーキットリンパ腫である。
【1275】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患はホジキンリンパ腫である。
【1276】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は非ホジキンリンパ腫である。
【1277】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は骨髄異形成症候群である。
【1278】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は急性骨髄性白血病(AML)である。
【1279】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は慢性骨髄性白血病(CML)である。
【1280】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は慢性骨髄単球性白血病(CMML)である。
【1281】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は多発性骨髄腫(MM)である。
【1282】
いくつかの実施形態では、血液悪性疾患は形質細胞腫である。
【1283】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1を発現する腫瘍を有する。
【1284】
いくつかの実施形態では、対象は、腫瘍組織中に腫瘍浸潤Tリンパ球(TIL)を有す
る。
【1285】
いくつかの実施形態では、対象は、腫瘍組織中にPD-1TIM-3 TILを有
する。
【1286】
いくつかの実施形態では、対象は、腫瘍組織中のPD-1TIM-3腫瘍浸潤Tリ
ンパ球(TIL)数が増加している。
【1287】
「数の増加」は、対照と比較したとき、対象中での統計学的に有意な増加を指す。例え
ば、「数の増加」は、PD-1抗体又は他の治療剤での治療前及び治療後の、対象(例え
ば患者)におけるTIL数の統計学的に有意な増加を指す。
【1288】
いくつかの実施形態では、対象は、インターフェロン-γ(IFN-γ)の発現又は活
性が増加している。
【1289】
いくつかの実施形態では、対象は、抗PD-1抗体で治療されたことがある。
【1290】
いくつかの実施形態では、対象は、抗PD-1抗体での治療に不応性である。
【1291】
いくつかの実施形態では、対象は、抗PD-1抗体での治療後に再発した腫瘍を有する
【1292】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号230のVHと配列番号231のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))で
治療されたことがある。
【1293】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号232のVHと配列番号233のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))で治療された
ことがある。
【1294】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号230のVHと配列番号231のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))で
の治療に不応性である。
【1295】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号232のVHと配列番号233のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))での治療に不
応性である。
【1296】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号230のVHと配列番号231のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ))で
の治療後に再発した腫瘍を有する。
【1297】
いくつかの実施形態では、対象は、配列番号232のVHと配列番号233のVLとを
含む抗PD-1抗体(例えば、OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ))での治療後に
再発した腫瘍を有する。
【1298】
配列番号230
QVQLVQSGVEVKKPGASVKVSCKASGYTFTNYYMYWVRQ
APGQGLEWMGG
INPSNGGTNFNEKFKNRVTLTTDSSTTTAYMELKSLQFD
DTAVYYCARRDYRFDMGFDYWGQGTTVTVSS
【1299】
配列番号231
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASKGVSTSGYSYLHW
YQQKPGQAPRLLIYLASYLESGVPARFSGSGSGTDFTLTI
SSLEPEDFAVYYCQHSRDLPLTFGGGTKVEIK
【1300】
配列番号232
QVQLVESGGGVVQPGRSLRLDCKASGITFSNSGMHWVRQ
APGKGLEWVAVIWYDGSKRYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
FLQMNSLRAEDTAVYYCATNDDYWGQGTLVTVSS
【1301】
配列番号233
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQSSNWPRTFGQGTKVEIK
【1302】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体で治療されたことがあるか、治療さ
れている。
【1303】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体での治療に不応性である。
【1304】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体での治療後に再発した腫瘍を有する
【1305】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体デュルバルマブ(MEDI-473
6)での治療に不応性であるか、治療後に再発している。デュルバルマブは、配列番号2
34のVHと配列番号235のVLとを含む。
【1306】
配列番号234
EVQLVESGGG LVQPGGSLRLSCAASGFTFSRYWMSWVR
QAPGKGLEWVAN IKQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKN
SLYLQMNSLRAEDTAVYYCAREG GWFGELAFDYWGQGTL
VTVSS
【1307】
配列番号235
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQRVSSSYLAWYQQ
K PGQAPRLLIY
DASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRLEPEDFAVYYC
QQYGSLPWTFG
QGTKVEIK
【1308】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体アテゾリズマブでの治療に不応性で
あるか、治療後に再発している。
【1309】
アテゾリズマブは、配列番号236のVHと配列番号237のVLとを含む。
【1310】
配列番号236
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSDSWIHWVRQ
APGKGLEWVAW
ISPYGGSTYYADSVKGRFTISADTSKNTAYLQMNSLRAE
DTAVYYCARRH
WPGGFDYWGQGTLVTVSS
【1311】
配列番号237
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQDVSTAVAWYQQK
PGKAPKLLIYS
ASFLYSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFATYYCQ
QYLYHPATFGQ
GTKVEIK
【1312】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体アベルマブでの治療に不応性である
か、治療後に再発している。
【1313】
アベルマブは、配列番号238のVHと配列番号239のVLとを含む。
【1314】
配列番号238
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYIMMWVRQ
APGKGLEWVSS
IYPSGGITFYADTVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAE
DTAVYYCARIK
LGTVTTVDYWGQGTLVTVSS
【1315】
配列番号239
QSALTQPASVSGSPGQSITISCTGTSSDVGGYNYVSWYQ
QHPGKAPKLMI
YDVSNRPSGVSNRFSGSKSGNTASLTISGLQAEDEADYY
CSSYTSSSTRV
FGTGTKVTVL
【1316】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L1抗体MDX-1105での治療に不応性
であるか、治療後に再発している。
【1317】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L2抗体で治療されたことがあるか、治療さ
れている。
【1318】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、対象は、PD-L2抗体での治療に不
応性である。
【1319】
いくつかの実施形態では、対象は、PD-L2抗体での治療後に再発した腫瘍を有する
【1320】
様々な定性的及び/又は定量的方法が、疾患の再発又は難治性を決定するために使用さ
れ得る。再発又は抵抗性に関連し得る症状は、例えば、患者の健康状態の低下若しくはプ
ラトー状態、固形腫瘍に関連する様々な症状の復元若しくは悪化、及び/又は1つの場所
から他の臓器、組織若しくは細胞への体内の癌性細胞の拡がりである。
【1321】
本明細書では、抗PD-1抗体治療後に腫瘍から単離されたCD8 T細胞中で、T
IM-3発現が上昇していることがわかった。したがって、抗PD-1抗体療法を受けた
ことがある若しくは現在受けている、抗PD-1抗体治療に不応性である、又は抗PD-
1抗体治療後若しくは治療中に再発した対象に、TIM-3に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体又は本明細書に記載される二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体を治療的に投与すると、患者の臨床成績を改善する可能性がある。
【1322】
本発明はまた、治療有効量の本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は、
抗PD-1抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1323】
いくつかの実施形態では、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、配列
番号146のVHと配列番号156のVLとを含む。
【1324】
本発明はまた、治療有効量の、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含む
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を対象に投与することを含む、対象に
おける癌の治療方法も提供し、このとき対象は、配列番号230のVHと配列番号231
のVLとを含む、抗PD-1抗体KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ)で
治療されているか、治療されたことがある。
【1325】
本発明はまた、治療有効量の、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含む
TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を対象に投与することを含む、対象に
おける癌の治療方法も提供し、このとき対象は、配列番号232のVHと配列番号233
のVLとを含む、抗PD-1抗体OPDIVO(登録商標)(ニボルマブ)で治療されて
いるか、治療されたことがある。
【1326】
本発明はまた、治療有効量の本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は、
抗PD-L1抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1327】
本発明はまた、治療有効量の本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は、
抗PD-L2抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1328】
本発明はまた、治療有効量の本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は
、抗PD-1抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1329】
本発明はまた、治療有効量の本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は
、抗PD-L1抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1330】
本発明はまた、治療有効量の本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト
抗体を対象に投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供し、このとき対象は
、抗PD-L2抗体で治療されているか、治療されたことがある。
【1331】
本発明はまた、治療有効量の、配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含むPD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって対象に
投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供する。
【1332】
本発明はまた、治療有効量の、配列番号64のVHと配列番号65のVLとを含むPD
-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって対象に
投与することを含む、対象における癌の治療方法も提供する。
【1333】
本明細書に記載される本発明のPD-1、TIM-3又は二重特異性PD-1/TIM
-3抗体のうちいずれかが、本発明の方法で使用されてよい。
【1334】
「治療する」又は「治療」は、その目的が、望ましくない生理学的変化又は疾患の進行
を遅らせる(減らす)、例えば、腫瘍又は腫瘍細胞が発生し、又は伝播するのを遅らせる
ことであったり、あるいは、治療の間に有益な又は望ましい臨床成績を提供することであ
ったりする、治療的処置を指す。有益な若しくは所望の臨床成績としては、検出可能であ
ろうと又は検出不可能であろうと、症状の緩和、疾患の程度の軽減、安定した(すなわち
、悪化しない)疾患状態、疾患の進行の遅延又は鈍化、転移の欠落、疾患状態の改善又は
緩和、及び寛解(部分的であろうと又は全体的であろうと)が挙げられる。「治療」はま
た、対象が治療を受けていない場合に予想される生存期間と比較して、生存期間を延長さ
せることを意味し得る。治療を必要とする対象としては、望まれない生理的変化又は疾患
を既に有している対象、並びに生理的変化又は疾患を有しやすい傾向がある対象が含まれ
る。
【1335】
「治療的有効量」とは、所望の治療結果を得るために必要な用量及び期間で有効な量を
指す。治療有効量の本発明の抗体は、個体の病態、年齢、性別、及び体重、並びに個体に
おける所望の応答を引き出す本発明の抗体の能力などの要因に従って変動し得る。有効な
治療薬又は治療薬の組み合わせを示す指標の例としては、例えば、患者の健康状態の改善
、腫瘍量の減少、腫瘍の増殖の停止若しくは鈍化、及び/又は体内の他の場所への癌細胞
の転移の不在が挙げられる。
【1336】
癌治療のための併用療法
本発明の抗体は、第2の治療薬と併用して投与されてよい。
【1337】
本発明の抗体は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの追加の治療薬と併用して投
与されてよい。
【1338】
本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、TIM-3に特異的に結合
するアンタゴニスト抗体又は二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体のうち
いずれかが、第2の治療薬と併用して使用されてよい。
【1339】
本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、TIM-3に特異的に結合
するアンタゴニスト抗体又は二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体のうち
いずれかが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つの追加の治療薬と併用して使用され
てよい。
【1340】
「~と併用して」は、本発明の抗体及び少なくとも1つの第2の治療薬を、それぞれ単
独の薬剤として同時に、又はそれぞれ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与すること
を指す。一般に、各薬剤は、その薬剤に対して定められた用量及び/又は予定で投与され
る。
【1341】
いくつかの実施形態では、第2の治療薬は、癌免疫サイクルに関与する分子、例えば、
癌細胞抗原の放出に作用する刺激経路又は阻害経路、癌抗原提示、T細胞初回刺激及び活
性化、腫瘍へのT細胞の輸送、腫瘍内へのT細胞の浸潤、T細胞による癌細胞の認識、及
び癌細胞の殺滅に関与する分子の活性を調節する。癌免疫サイクルは、Chen and
Mellman(2013)Immunity 39:1~10に記載されている。い
くつかの実施形態では、第2の治療薬は、T制御性細胞(Treg)の活性、腫瘍に発現
した共刺激性若しくは共抑制性リガンド、ナチュラルキラー(NK)細胞上の活性化若し
くは抑制性受容体、又は腫瘍微小環境中の免疫抑制性因子の制御に関与する分子の活性を
調節する。併用癌免疫療法は、Manoney et al.,(2015)Natur
e Reviews 14:561~584に記載されている。
【1342】
第2の治療薬は、典型的には、周知のように、刺激分子の活性を増強し、阻害分子の活
性を抑制する。したがって、「調節する」は、薬剤自体が特定の分子のアゴニスト又はア
ンタゴニストであるかどうかに関わらず、第2の治療薬による免疫応答の増強を指す。
【1343】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、T細胞阻害分子の阻害剤と併用して投与さ
れる。
【1344】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、T細胞阻害分子であるPD-1、PD-L
1、PD-L2、VISTA、BTNL2、B7-H3、B7-H4、HVEM、HHL
A2、CTLA-4、LAG-3、TIM-3、BTLA、CD160、CEACAM-
1、LAIR1、TGFβ、IL-10、シグレックファミリータンパク質、KIR、C
D96、TIGIT、NKG2A、CD112、CD47、SIRPA又はCD244の
阻害剤と併用して投与される。
【1345】
いくつかの実施形態では、KIRは、KIR2DL1、KIR2DL2又はKIR2D
L3である。
【1346】
阻害分子の阻害は、DNA、RNA又はタンパク質レベルでの阻害によって行われ得る
。いくつかの実施形態では、阻害性核酸(例えば、dsRNA、siRNA又はshRN
A)を用いて、阻害分子の発現を阻害する。
【1347】
いくつかの実施形態では、阻害分子の阻害剤は、阻害分子の可溶性リガンドである。
【1348】
いくつかの実施形態では、阻害分子の阻害剤は、阻害分子に特異的に結合するアンタゴ
ニスト抗体である。
【1349】
いくつかの実施形態では、阻害分子の阻害剤は、CTLA-4-Fc又はTIM-3-
Fc融合タンパク質である。
【1350】
いくつかの実施形態では、阻害分子の阻害剤は、PD-1、PD-L1、PD-L2、
VISTA、BTNL2、B7-H3、B7-H4、HVEM、HHLA2、CTLA-
4、LAG-3、TIM-3、BTLA、CD160、CEACAM-1、LAIR1、
TGFβ、IL-10、シグレックファミリータンパク質、KIR、CD96、TIGI
T、NKG2A、CD112、CD47、SIRPA又はCD244に結合する抗体又は
抗体断片である。
【1351】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗PD-1抗体は、本明細書、並びに、米国特許
第5,897,862号及び同第7,488,802号、並びに、国際公開第2004/
004771号、同第2004/056875号、同第2006/121168号、同第
2008/156712号、同第2010/029435号、同第2010/03695
9号、同第2011/110604号、同第2012/145493号、同第2014/
194302号、同第2014/206107号、同第2015/036394号、同第
2015/035606号、同第2015/085847号、同第2015/11290
0号、及び同第2015/112805号に記載されるものである。代表的な抗PD1抗
体として、KEYTRUDA(登録商標)(ペンブロリズマブ)及びOPDIVO(登録
商標)(ニボルマブ)が挙げられる。
【1352】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、可溶性PD-1リガンドと併用して投与さ
れる。
【1353】
いくつかの実施形態では、可溶性PD-1リガンドは、Fcに融合した可溶性PD-L
1又は可溶性PD-L2である。
【1354】
いくつかの実施形態では、可溶性PD-1リガンドは、AMP-224である。
【1355】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合断片と
併用して投与される。
【1356】
本発明の方法で使用され得る代表的なPD-L1抗体は、抗体MDPL3280A(G
enentech/Roche)及びその他米国特許第7,943,743号及び米国特
許出願公開第20120039906号に開示されるヒトモノクローナル抗体である。他
の抗PD-L1結合剤として、YW243.55.S70(重鎖及び軽鎖可変領域が、国
際公開第2010/077634号の配列番号20及び21に示される)及びMDX-1
105(BMS-936559とも呼ばれる、例えば、国際公開第2007/00587
4号に開示される抗PD-L1結合剤)が挙げられる。使用され得る抗PD-L1抗体の
デュルバルマブ、アテゾリズマブ(atezolimumab)及びアベルマブのVH及びVL配列は
、本明細書に開示される。
【1357】
本発明の方法で使用され得る代表的なPD-L2抗体は、米国特許第8,080,63
6号、同第8,188,238号、米国特許出願公開第20110271358号及び国
際公開第2012145493号に記載されるものである。
【1358】
本発明の方法で使用され得る代表的なB7-H4抗体は、米国特許第7,888,47
7号、同第8,609,816号、同第7,931,896号、欧州特許第181705
5号、米国特許出願公開第20140037551号及び同第2014029486号、
及び国際公開第2014/100483号、及び同第2014/159835号に記載さ
れるものである。
【1359】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ(MDX-
010、CAS番号477202-00-9)及びトレメリムマブ(IgG2モノクロー
ナル抗体、Pfizerから入手可能、チシリムマブ、CP-675,206として既知
)である。
【1360】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗LAG-3抗体は、例えば、国際公開第200
8/132601号、及び同第2010/019570号に記載されるものである。
【1361】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗CEACAM-1抗体は、米国特許第8,59
8,322号、並びに、米国特許出願公開第2004/0047858号、同第2014
0271618号、及び同第20120100158号に記載されるものである。いかな
る特定の理論にも束縛されるものではないが、CEACAM-1は、TIM-3のリガン
ド及びパートナーであると説明されている(例えば、国際公開第2014/022332
号参照)。抗TIM-3及び抗CEACAM-1抗体併用のin vivoでの相乗効果
が、異種移植片癌モデルで検出されている(例えば、国際公開第2014/022332
号参照)。腫瘍は、CEACAM-1を用いて、免疫システムを阻害できる。したがって
、抗CEACAM-1抗体を、本明細書に記載される本発明の抗体と併用して使用できる
【1362】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗LAIR1抗体は、米国特許第6,479,6
38号及び国際公開第2010/078580号に記載されるものである。
【1363】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗CD96抗体は、国際公開第2015/024
060号に記載されるものである。
【1364】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗TIM-3抗体は、本明細書、並びに、国際公
開第2011/155607号、同第2013/006490号、及び同第2015/1
17002号に記載されるものである。
【1365】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗TIGIT抗体は、米国特許出願公開第201
40056890号及び同第20150216970号に記載されるものである。代表的
な抗TIGIT抗体は、RG-6058(MTIG-7192A)である。
【1366】
本明細書では、癌動物モデルにおける抗TIM-3抗体治療後に腫瘍から単離されたC
D8 T細胞中で、TIGIT発現が上昇していることがわかった。したがって、抗T
IM-3抗体療法を受けたことがある若しくは現在受けている、抗TIM-3抗体治療に
不応性である、又は抗TIM-3抗体治療後若しくは治療中に再発した対象に、TIGI
Tに特異的に結合するアンタゴニスト抗体を治療的に投与すると、患者の臨床成績を改善
する可能性がある。
【1367】
本発明はまた、治療有効量のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体及びT
IGITに特異的に結合するアンタゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって治
療を必要とする対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。
【1368】
いくつかの実施形態では、TIGITに特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、TI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体の投与後に投与される。
【1369】
いくつかの実施形態では、TIGITに特異的に結合するアンタゴニスト抗体及びTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、それぞれ単独の薬剤として同時に、又
はそれぞれ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与される。
【1370】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗BTLA抗体は、米国特許第8,546,54
1号、同第7,479,544号、同第8,188,232号、同第8,247,537
号、同第8,563,694号及び国際公開第2014184360号に記載されるもの
である。
【1371】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗HVEM抗体は、米国特許出願公開第2011
0280866号に記載されるものである。
【1372】
本発明の方法で使用され得る代表的なCD47抗体は、米国特許第8,101,719
号に記載されるものである。
【1373】
本発明の方法で使用され得る代表的なCD244抗体として、米国特許第5,688,
690号に記載されるものが挙げられる。
【1374】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗TIM-3抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1375】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗PD-L1抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1376】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗PD-L2抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1377】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗VISTA抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1378】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗BTNL2抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1379】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗B7-H3抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1380】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗B7-H4抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1381】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗HVEM抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1382】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗HLA2抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1383】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CTLA-4抗体又はその抗原結合断片と
併用して投与される。
【1384】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗LAG-3抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1385】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗TIM-3抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1386】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗BTLA抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1387】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD160抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1388】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CEACAM-1抗体又はその抗原結合断
片と併用して投与される。
【1389】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗LAIR1抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1390】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗抗TGFβ抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1391】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗IL-10抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1392】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗TIGIT抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1393】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗KIR抗体又はその抗原結合断片と併用し
て投与される。
【1394】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗NKG2A抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1395】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD112抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1396】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD47抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1397】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗SIRPA抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1398】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD244抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1399】
免疫阻害分子は、T細胞の機能を調節又は相乗的に調節して、腫瘍免疫逃避を促進でき
る。したがって、2種以上の阻害分子の阻害剤との併用療法は、単独療法のみと比較して
、改善された治療法を患者に提供できる。
【1400】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、活性化分子の活性剤と併用して投与される
【1401】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、活性化分子であるCD86、CD80、C
D28、ICOS、ICOSリガンド、TMIGD2、CD40、GITRリガンド、4
-1BBリガンド、OX40リガンド、CD70、CD40L、TNFRSF25、LI
GHT、GITR、OX-40、CD27、CD137、NKG2D、CD48、CD2
26又はMICAの活性剤と併用して投与される。
【1402】
活性化分子の活性化は、例えば、活性化分子、ペプチド又はアゴニスト抗体の可溶性リ
ガンド又はリガンド誘導体を用いて行われ得る。
【1403】
いくつかの実施形態では、活性化分子の活性剤は、T細胞活性化分子の可溶性リガンド
である。
【1404】
いくつかの実施形態では、活性化分子の活性剤は、活性化分子に特異的に結合するアゴ
ニスト抗体である。
【1405】
本発明の方法で使用され得る代表的な抗CD40抗体として、それぞれ米国特許第7,
288,251号(抗体21.4.1)及び米国特許第8,303,955号に記載され
るCP-870,893及びヒト化S2C6、並びに、国際公開第2001/05660
3号、同第2001/083755号、同第2013/034904号、及び同第201
4/070934号に記載される抗CD40抗体が挙げられる。
【1406】
代表的なGITRアゴニストとして、例えば、GITR融合タンパク質及び抗GITR
抗体(例えば、二価抗GITR抗体)、例えば、米国特許第6,111,090号、欧州
特許第090505(B1)号、米国特許第8,586,023号、国際公開第2010
/003118号、及び同第2011/090754号に記載されるGITR融合タンパ
ク質、又は、米国特許第7,025,962号、同第7,812,135号、同第8,3
88,967号、同第8,591,886号、及び同第7,618,632号、欧州特許
第1947183号及び同第1866339号、又は国際公開第2011/028683
号、同第2013/039954号、同第2005/007190号、同第2007/1
33822号、同第2005/055808号、同第1999/40196号、同第20
01/03720号、同第1999/20758号、同第2006/083289号、同
第2005/115451号、及び同第2011/051726号に記載される抗GIT
R抗体が挙げられる。
【1407】
本明細書では、癌動物モデルにおける抗PD-1抗体治療後に腫瘍から単離されたCD
T細胞中で、GITR発現が上昇していることがわかった。抗PD-1治療によっ
てTILでのGITR発現が回復したことは、抗GITR抗体と抗PD-1抗体との併用
療法が患者の臨床成績を改善できることを支持している。
【1408】
本発明はまた、治療有効量のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体及びGI
TRに特異的に結合するアゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって治療を必要
とする対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。
【1409】
いくつかの実施形態では、GITRに特異的に結合するアゴニスト抗体は、PD-1に
特異的に結合するアンタゴニスト抗体の投与後に投与される。
【1410】
いくつかの実施形態では、GITRに特異的に結合するアゴニスト抗体及びPD-1に
特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、それぞれ単独の薬剤として同時に、又はそれぞ
れ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与される。
【1411】
本発明の方法で使用され得る代表的なOX40抗体として、米国特許第8,133,9
83号、同第7,960,515号、米国特許出願公開第20130280275号、並
びに国際公開第2013028231号及び同第2014148895号に記載されるも
のが挙げられる。
【1412】
本発明の方法で使用され得る代表的なOX40抗体は、配列番号309のVHと配列番
号310のVLとを含む抗体である。
【1413】
本発明の方法で使用され得る別の代表的なOX40抗体は、配列番号311のVHと配
列番号312のVLとを含む抗体である。
【1414】
本明細書では、癌動物モデルにおける抗PD-1抗体治療後に腫瘍から単離されたCD
T細胞中で、OX40発現が上昇していることがわかった。抗PD-1治療によっ
てTILでのOX40発現が回復したことは、抗OX40抗体と抗PD-1抗体との併用
療法が患者の臨床成績を改善できることを支持している。
【1415】
本発明はまた、治療有効量のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体及びOX
40に特異的に結合するアゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって治療を必要
とする対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。
【1416】
いくつかの実施形態では、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体は、PD-1に
特異的に結合するアンタゴニスト抗体の投与後に投与される。
【1417】
いくつかの実施形態では、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体及びPD-1に
特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、それぞれ単独の薬剤として同時に、又はそれぞ
れ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与される。
【1418】
本発明の方法で使用され得る代表的なCD70抗体として、米国特許出願公開第201
30336976号に記載されるものが挙げられる。
【1419】
本発明の方法で使用され得る代表的なTNFRSF25抗体として、米国特許第7,7
08,996号に記載されるものが挙げられる。
【1420】
本発明の方法で使用され得る代表的なCD27抗体として、米国特許出願公開第201
30336976号に記載されるものが挙げられる。
【1421】
本発明の方法で使用され得る代表的なCD137抗体として、米国特許第6,974,
863号、同第6,303,121号、同第7,138,500号、同第7,288,6
38号、同第8,716,452号、同第8,821,867号、及び米国特許出願公開
第20130149301号に記載されるものが挙げられる。
【1422】
本明細書では、癌動物モデルにおける抗PD-1抗体治療後に腫瘍から単離されたCD
T細胞中で、CD137発現が上昇していることがわかった。抗PD-1治療によ
ってTILでのCD137発現が回復したことは、抗CD137抗体と抗PD-1抗体と
の併用療法が患者の臨床成績を改善できることを支持している。
【1423】
本発明はまた、治療有効量のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体及びCD
137に特異的に結合するアゴニスト抗体を、癌の治療に十分な期間にわたって治療を必
要とする対象に投与することを含む、癌の治療方法も提供する。
【1424】
いくつかの実施形態では、CD137に特異的に結合するアゴニスト抗体は、PD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体の投与後に投与される。
【1425】
いくつかの実施形態では、CD137に特異的に結合するアゴニスト抗体及びPD-1
に特異的に結合するアンタゴニスト抗体は、それぞれ単独の薬剤として同時に、又はそれ
ぞれ単独の薬剤として任意の順番で順次に投与される。
【1426】
本発明の方法で使用され得る代表的なNKG2D抗体として、米国特許出願公開第20
110150870号に記載されるものが挙げられる。
【1427】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD86抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1428】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD80抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1429】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD28抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1430】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗ICOS抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1431】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗ICOSリガンド抗体又はその抗原結合断
片と併用して投与される。
【1432】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗TMIGD2抗体又はその抗原結合断片と
併用して投与される。
【1433】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD40抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1434】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗GITRリガンド抗体又はその抗原結合断
片と併用して投与される。
【1435】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗4-1BBリガンド抗体又はその抗原結合
断片と併用して投与される。
【1436】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗OX40リガンド抗体又はその抗原結合断
片と併用して投与される。
【1437】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD70抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1438】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD40L抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1439】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗TNFRSF25抗体又はその抗原結合断
片と併用して投与される。
【1440】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗LIGHT抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1441】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗GITR抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1442】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗OX40抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1443】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD27抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1444】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD137抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1445】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗NKG2D抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1446】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD48抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1447】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗CD226抗体又はその抗原結合断片と併
用して投与される。
【1448】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、抗MICA抗体又はその抗原結合断片と併用
して投与される。
【1449】
本明細書に列挙される抗体の組み合わせは、例えば別々の抗体として別々に、又は、例
えば二重特異性若しくは三重特異性抗体分子として結合させて投与することができる。
【1450】
本明細書に記載される組み合わせの有効性は、当該技術分野において既知の動物モデル
において試験できる。
【1451】
本明細書に記載される本発明の抗体は、ワクチンと併用して投与されてよい。
【1452】
代表的なワクチンは、免疫原性剤、例えば、癌性細胞、精製腫瘍抗原(組み換えタンパ
ク質、抗原エピトープ、ペプチド及び炭水化物分子を含む)、遺伝子療法によって患者に
送達された腫瘍抗原、細胞、及び、免疫刺激サイトカインをコードする遺伝子をトランス
フェクトされた細胞である。使用し得る代表的なワクチンとして、黒色腫抗原のペプチド
、例えば、gp100、MAGE抗原、Trp-2、MART1及び/若しくはチロシナ
ーゼのペプチド、又は、サイトカインGM-CSFを発現するようトランスフェクトされ
た腫瘍細胞、DNA系ワクチン、RNA系ワクチン、及びウイルス形質導入系ワクチン、
前立腺抗原のペプチド、又は、肺癌抗原のペプチドが挙げられる。癌ワクチンは、予防剤
又は治療剤で有り得る。
【1453】
腫瘍に対するワクチン接種について多くの実験戦略が考案されている(Rosenbe
rg,S.,2000,Development of Cancer Vaccine
s,ASCO Educational Book Spring:60~62;Log
othetis,C.,2000,ASCO Educational Book Sp
ring:300~302;Khayat,D.2000,ASCO Educatio
nal Book Spring:414~428;Foon,K.2000,ASCO
Educational Book Spring:730~738参照;更に、Re
stifo,N.and Sznol,M.,Cancer Vaccines,Ch.
61,pp.3023~3043 in DeVita,V.et al.(eds.)
,1997,Cancer:Principles and Practice of
Oncology.Fifth Edition参照)。これらの戦略のうちの1つでは
、ワクチンは自家又は同種腫瘍細胞を用いて調製される。これらの細胞性ワクチンは、腫
瘍細胞がGM-CSFを発現するように形質導入されるとき、最も効果的であることが示
されている。GM-CSFは、腫瘍ワクチン接種での抗原提示の強力な活性剤であること
が示されている(Dranoff et al.,(1993)Proc Natl A
cad Sci U.S.A.90:3539~43)。
【1454】
本明細書に記載される本発明の抗体は、腫瘍内又は腫瘍上で発現した組み換えタンパク
質及び/又はペプチドに対する免疫応答を起こすため、腫瘍内又は腫瘍上で発現したこれ
らのタンパク質のうちの1つ又はこれらの集合と併用して投与されてよい。これらのタン
パク質は、通常は免疫システムによって自己抗原として見なされるため、寛容性を示す。
腫瘍抗原は、タンパク質テロメラーゼを含んでもよく、これは、染色体のテロメア合成に
必要であり、85%を超えるヒト癌と、限られた数の体細胞組織のみで発現している(K
im et al.,(1994)Science 266:2011~2013)。腫
瘍抗原は、タンパク質配列を変える、若しくは、2つの無関係の配列間(例えば、フィラ
デルフィア染色体中のbcr-abl)で融合タンパク質をもたらす体細胞突然変異の結
果、癌細胞中若しくはがん細胞上で発現する「ネオ抗原」、又は、B細胞腫瘍由来のイデ
ィオタイプであってもよい。腫瘍抗原は、前立腺特異的抗原(PSA)、メソセリン、前
立腺特異的膜抗原(PSMA)、滑膜肉腫X2(SSX2)、NKX3.1、前立腺酸性
ホスファターゼ(PAP)の抗原エピトープ、又は、上皮増殖因子受容体若しくはEGF
R変異体特有のペプチド、例えば、腫瘍細胞上に過剰発現した周知のEGFRvIIIで
あってよい。
【1455】
その他腫瘍ワクチンとして、ヒト癌に関連するウイルス、例えば、ヒトパピローマウイ
ルス(HPV)、肝炎ウイルス(HBV及びHCV)、及びカポジ肉腫ヘルペスウイルス
(KHSV)、及びエプスタイン-バーウイルス(EBV)由来のタンパク質を挙げてよ
い。本明細書に記載される本発明の抗体と併用して使用され得る腫瘍特異的抗原の別の形
態は、腫瘍組織自体から単離された精製熱ショックタンパク質(HSP)である。HSP
は、腫瘍細胞由来のタンパク質の断片を含み、腫瘍免疫を誘発するため、抗原提示細胞へ
の送達に非常に効率的である(Suot and Srivastava(1995)S
cience 269:1585~1588;Tamura et al.,(1997
)Science 278:117~120)。
【1456】
樹状細胞(DC)は、抗原特異的応答を刺激するのに使用できる強力な抗原提示細胞で
ある。DCは、ex vivoで産生され、様々なタンパク質及びペプチド抗原、並びに
腫瘍細胞抽出物を有し得る(Nestle et al.,(1998)Nature
Medicine 4:328~332)。DCは、遺伝学的方法で形質導入され、これ
らの腫瘍抗原を発現することもできる。DCはまた、免疫化目的で、腫瘍細胞に直接融合
されている(Kugler et al.,(2000)Nature Medicin
e 6:332~336)。ワクチン接種の方法として、DC接種は、本明細書に記載さ
れる本発明の抗体と効果的に組み合わせられ、より強力な抗腫瘍応答を活性化できる。
【1457】
いくつかの実施形態では、ワクチンは、ポリペプチド若しくはその断片、又は、腫瘍細
胞上で発現するポリペプチド若しくはそれらの断片をコードするDNA若しくはRNAで
ある。
【1458】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、P
SMAである。
【1459】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、メ
ソセリンである。
【1460】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、E
GFR又はEGFRvIIIなどのEGFR変異体である。
【1461】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、P
APである。
【1462】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、滑
膜肉腫X2(SSX2)である。
【1463】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド又はそれらの断片は、N
KX3.1である。
【1464】
いくつかの実施形態では、腫瘍細胞は、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSC
LC)、非扁平上皮NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、卵巣癌、
胃部癌、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌、食道又は胃腸管の癌腫又は乳癌
細胞である。
【1465】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、腎細胞癌(RCC)ワクチンと併用して投
与される。
【1466】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、肺癌ワクチンと併用して投与される。
【1467】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、前立腺癌ワクチンと併用して投与される。
【1468】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、肺癌ワクチンと併用して投与される。
【1469】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、EGFR若しくはEGFRvIIIのペプチ
ド断片、又は、EGFR若しくはEGFRvIIIのペプチド断片をコードするベクター
を含む腫瘍ワクチンと併用して投与される。
【1470】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、メソセリンのペプチド断片、又は、メソセリ
ンのペプチド断片をコードするベクターを含む腫瘍ワクチンと併用して投与される。
【1471】
いくつかの実施形態では、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、又は本発明の二重特異性P
D-1/TIM-3アンタゴニスト抗体は、前立腺特異的抗原のペプチド断片、又は、前
立腺特異的抗原のペプチド断片をコードするベクターを含む腫瘍ワクチンと併用して投与
される。
【1472】
本発明の方法で使用され得る好適なベクターは周知であり、レンチウイルスベクター、
アデノウイルスベクター、最小限核酸ベクター(MNAV)、ワクシニアウイルス、鶏痘
ウイルス(flow pox virus)、アルファウイルス由来VRP、サッカロマイセス・セルビ
シエ、MVA、リステリア菌、pVAX系プラスミドが挙げられ、例えば、Pol et
al.,(2014)Oncoimmunology 1(3):e28185を参照
されたい。
【1473】
本発明の抗体は、癌の標準治療と併用して投与されてよい。
【1474】
本明細書に記載される本発明の抗体は、標準的な癌の化学療法レジメンと併用して投与
されてよい。これらの場合、投与される化学療法薬の用量の減少が可能であり得る(Mo
kyr et al.,(1998)Cancer Research 58:5301
~5304)。
【1475】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、他の抗体分子、化学療法、別の抗癌療法(
例えば、標的化抗癌療法、又は腫瘍溶解性薬)、細胞毒性剤、サイトカイン、外科的及び
/又は放射線治療のうち、1つ又は2つ以上と併用して投与されてよい。
【1476】
本発明の抗体と併用して投与され得る代表的な細胞毒性剤として、微小管阻害剤、トポ
イソメラーゼ阻害剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、アルキル化剤、アントラサイクリン
、ビンカアルカロイド、挿入剤、シグナル伝達経路の干渉能がある薬剤、アポトーシスを
促進する薬剤、プロテアソーム(proteosome)阻害剤、及び放射線(例えば、局所又は全
身照射)が挙げられる。
【1477】
標準治療薬として、アナストロゾール(Arimidex(登録商標))、ビカルタミ
ド(Casodex(登録商標))、硫酸ブレオマイシン(Blenoxane(登録商
標))、ブスルファン(Myleran(登録商標))、ブスルファン注(Busulf
ex(登録商標))、カペシタビン(Xeloda(登録商標))、N4-ペントキシカ
ルボニル-5-デオキシ-5-フルオロシチジン、カルボプラチン(Paraplati
n(登録商標))、カルムスチン(BiCNU(登録商標))、クロラムブシル(Leu
keran(登録商標))、シスプラチン(Platinol(登録商標))、クラドリ
ビン(Leustatin(登録商標))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録
商標)又はNeosar(登録商標))、シタラビン、シトシンアラビノシド(Cyto
sar-U(登録商標))、シタラビンリポソーム注(DepoCyt(登録商標))、
ダカルバジン(DTIC-Dome(登録商標))、ダクチノマイシン(Actinom
ycin D、Cosmegan)、塩酸ダウノルビシン(Cerubidine(登録
商標))、クエン酸ダウノルビシンリポソーム注(DaunoXome(登録商標))、
デキサメタゾン、ドセタキセル(Taxotere(登録商標))、塩酸ドキソルビシン
(Adriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エトポシド(Vep
esid(登録商標))、リン酸フルダラビン(Fludara(登録商標))、5-フ
ルオロウラシル(Adrucil(登録商標)、Efudex(登録商標))、フルタミ
ド(Eulexin(登録商標))、テザシチビン(tezacitibine)、ゲムシタビン(ジ
フルオロデオキシシチジン)、ヒドロキシ尿素(Hydrea(登録商標))、イダルビ
シン(Idamycin(登録商標))、イホスファミド(IFEX(登録商標))、イ
リノテカン(Camptosar(登録商標))、L-アスパラギナーゼ(ELSPAR
(登録商標))、ロイコボリンカルシウム、メルファラン(Alkeran(登録商標)
)、6-メルカプトプリン(Purinethol(登録商標))、メトトレキサート(
Folex(登録商標))、ミトキサントロン(Novantrone(登録商標))、
パクリタキセル(Taxol(登録商標))、phoenix(Yttrium90/M
X-DTPA)、ペントスタチン、ポリフェプロザン20カルムスチンインプラント(G
liadel(登録商標))、クエン酸タモキシフェン(Nolvadex(登録商標)
)、テニポシド(Vumon(登録商標))、6-チオグアニン、チオテパ、チラパザミ
ン(Tirazone(登録商標))、注射用塩酸トポテカン(Hycamptin(登
録商標))、ビンブラスチン(Velban(登録商標))、ビンクリスチン(Onco
vin(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、イブルチニ
ブ、イデラリシブ、及びブレンツキシマブベドチンが挙げられる。
【1478】
代表的なアルキル化剤として、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、ス
ルホン酸アルキル、ニトロソ尿素及びトリアゼン:ウラシルマスタード(Aminour
acil Mustard(登録商標)、Chlorethaminacil(登録商標
)、Demethyldopan(登録商標)、Desmethyldopan(登録商
標)、Haemanthamine(登録商標)、Nordopan(登録商標)、Ur
acil Nitrogen Mustard(登録商標)、Uracillost(登
録商標)、Uracilmostaza(登録商標)、Uramustin(登録商標)
、Uramustine(登録商標))、クロルメチン(Mustargen(登録商標
))、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)、Neosar(登録商標)、
Clafen(登録商標)、Endoxan(登録商標)、Procytox(登録商標
)、Revimmune(商標))、イホスファミド(Mitoxana(登録商標))
、メルファラン(Alkeran(登録商標))、クロラムブシル(Leukeran(
登録商標))、ピポブロマン(Amedel(登録商標)、Vercyte(登録商標)
)、トリエチレンメラミン(Hemel(登録商標)、Hexalen(登録商標)、H
exastat(登録商標))、トリエチレンチオホスホラミン、テモゾロミド(Tem
odar(登録商標))、チオテパ(Thioplex(登録商標))、ブスルファン(
Busilvex(登録商標)、Myleran(登録商標))、カルムスチン(BiC
NU(登録商標))、ロムスチン(CeeNU(登録商標))及びストレプトゾシン(Z
anosar(登録商標))が挙げられる。追加の代表的なアルキル化剤として、オキサ
リプラチン(Eloxatin(登録商標))、テモゾロミド(Temodar(登録商
標)及びTemodal(登録商標))、ダクチノマイシン(アクチノマイシン-Dとし
ても知られる、Cosmegen(登録商標))、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミ
ン(HMM)としても知られる、Hexalen(登録商標))、ベンダムスチン(Tr
eanda(登録商標))、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標))、ロ
ムスチン(CCNUとしても知られる、CeeNU(登録商標))、シスプラチン(CD
DPとしても知られる、Platinol(登録商標)及びPlatinol(登録商標
)-AQ)、クロラムブシル(Leukeran(登録商標))、プレドニムスチン、プ
ロカルバジン(Matulane(登録商標))、及びチオテパ(チオホスホアミド、T
ESPA及びTSPAとしても知られる、Thioplex(登録商標))が挙げられる
【1479】
代表的なアントラサイクリンとして、例えば、ドキソルビシン(Adriamycin
(登録商標)及びRubex(登録商標));ブレオマイシン(Lenoxane(登録
商標))、ダウノルビシン(塩酸ダウノルビシン、ダウノマイシン、及び塩酸ルビドマイ
シン、Cerubidine(登録商標))、リポソーム化ダウノルビシン(クエン酸ダ
ウノルビシンリポソーム、DaunoXome(登録商標))、ミトキサントロン(DH
AD、Novantrone(登録商標))、エピルビシン(Ellence(商標))
、イダルビシン(Idamycin(登録商標)、Idamycin PFS(登録商標
))、マイトマイシンC(Mutamycin(登録商標))、ゲルダナマイシン、ハー
ビマイシン、ラビドマイシン、及びデスアセチルラビドマイシンが挙げられる。
【1480】
本発明の抗体と併用して使用され得る代表的なビンカアルカロイドとして、酒石酸ビノ
レルビン(Navelbine(登録商標))、ビンクリスチン(Oncovin(登録
商標))、及びビンデシン(Eldisine(登録商標))、ビンブラスチン(硫酸ビ
ンブラスチン、ビンカロイコブラスチン及びVLBとしても知られる、Alkaban-
AQ(登録商標)及びVelban(登録商標))及びビノレルビン(Navelbin
e(登録商標))が挙げられる。
【1481】
本発明の抗体と併用して使用され得る代表的なプロテアソーム阻害剤は、ボルテゾミブ
(Velcade(登録商標));カーフィルゾミブ(Kyprolis(登録商標))
、イキサゾミブ(Ninlaro(登録商標))、マリゾミブ(NPI-0052)及び
デランゾミブ(CEP-18770)である。
【1482】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、受容体
チロシンキナーゼ(RTK)阻害剤)と併用して投与される。代表的なチロシンキナーゼ
阻害剤として、上皮増殖因子(EGF)経路阻害剤(例えば、上皮増殖因子受容体(EG
FR)阻害剤)、血管内皮増殖因子(VEGF)経路阻害剤(例えば、血管内皮増殖因子
受容体(VEGFR)阻害剤(例えば、VEGFR-1阻害剤、VEGFR-2阻害剤、
VEGFR-3阻害剤)、血小板由来増殖因子(PDGF)経路阻害剤(例えば、血小板
由来増殖因子受容体(PDGFR)阻害剤(例えば、PDGFR-β阻害剤)、RAF-
1阻害剤、KIT阻害剤及びRET阻害剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、第2
の治療薬は、アキシチニブ(AG013736)、ボスチニブ(SKI-606)、セジ
ラニブ(RECENTIN(商標)、AZD2171)、ダサチニブ(SPRYCEL(
登録商標)、BMS-354825)、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標))、
ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))、イマチニブ(Gleevec(登録商標)
、CGP57148B、STI-571)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、T
YVERB(登録商標))、レスタウルチニブ(CEP-701)、ネラチニブ(HKI
-272)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、セマクサニブ(セマキシニブ
、SU5416)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、SU11248)、トセラ
ニブ(PALLADIA(登録商標))、バンデタニブ(ZACTIMA(登録商標)、
ZD6474)、バタラニブ(PTK787、PTK/ZK)、トラスツズマブ(HER
CEPTIN(登録商標))、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標))、リツキシ
マブ(RITUXAN(登録商標))、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標))、
パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標))、ラニビズマブ(Lucentis(登
録商標))、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標))、ソラフェニブ(NEXAVA
R(登録商標))、アレムツズマブ(CAMPATH(登録商標))、ゲムツズマブオゾ
ガマイシン(MYLOTARG(登録商標))、ENMD-2076、PCI-3276
5、AC220、乳酸ドビチニブ(TKI258、CHIR-258)、BIBW 29
92(TOVOK(商標))、SGX523、PF-04217903、PF-0234
1066、PF-299804、BMS-777607、ABT-869、MP470、
BIBF 1120(VARGATEF(登録商標))、AP24534、JNJ-26
483327、MGCD265、DCC-2036、BMS-690154、CEP-1
1981、チボザニブ(AV-951)、OSI-930、MM-121、XL-184
、XL-647、XL228、AEE788、AG-490、AST-6、BMS-59
9626、CUDC-101、PD153035、ペリチニブ(EKB-569)、バン
デタニブ(zactima)、WZ3146、WZ4002、WZ8040、ABT-8
69(リニファニブ)、AEE788、AP24534(ポナチニブ)、AV-951(
チボザニブ)、アキシチニブ、BAY 73-4506(レゴラフェニブ)、ブリバニブ
アラニネート(BMS-582664)、ブリバニブ(BMS-540215)、セジラ
ニブ(AZD2171)、CHIR-258(ドビチニブ)、CP 673451、CY
C116、E7080、Ki8751、マシチニブ(AB1010)、MGCD-265
、モテサニブ二リン酸塩(AMG-706)、MP-470、OSI-930、塩酸パゾ
パニブ、PD173074、トシル酸ソラフェニブ(Bay 43-9006)、SU
5402、TSU-68(SU6668)、バタラニブ、XL880(GSK13630
89、EXEL-2880)である。選択されるチロシンキナーゼ阻害剤は、スニチニブ
、エルロチニブ、ゲフィチニブ、又はソラフェニブから選ばれる。いくつかの実施形態で
は、EGFR阻害剤は、配列番号249、250、251及び252の重鎖及び軽鎖を含
む、二重特異性EGFRc-Met抗体(EM-1mAb)である(米国特許出願公開第
2014/0141000号)。
【1483】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、ベバシズマブ(Avastin(登録商標
))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、ブリバニブアラニネート(BMS-
582664、(S)-((R)-1-(4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-イン
ドール-5-イルオキシ)-5-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン
-6-イルオキシ)プロパン-2-イル)2-アミノプロパノエート)などの血管内皮増
殖因子(VEGF)受容体阻害剤、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標));パゾ
パニブ(Votrient(登録商標))、リンゴ酸スニチニブ(Sutent(登録商
標))、セジラニブ(AZD2171、CAS 288383-20-1)、varga
tef(BIBF1120、CAS 928326-83-4)、フォレチニブ(GSK
1363089)、テラチニブ(BAY57-9352、CAS 332012-40-
5)、アパチニブ(YN968D1、CAS 811803-05-1)、イマチニブ(
Gleevec(登録商標))、ポナチニブ(AP24534、CAS 943319-
70-8)、チボザニブ(AV951、CAS 475108-18-0)、レゴラフェ
ニブ(BAY73-4506、CAS 755037-03-7)、バタラニブ二塩酸塩
(PTK787、CAS 212141-51-0)、ブリバニブ(BMS-54021
5、CAS 649735-46-6)、バンデタニブ(Caprelsa(登録商標)
又はAZD6474)、モテサニブ二リン酸塩(AMG 706、CAS 857876
-30-3、N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル
)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキサミド、国際公開
第02/066470号に記載)、ドビチニブ二乳酸(TKI258、CAS 8524
33-84-2)、リニファニブ(linfanib)(ABT869、CAS 796967-
16-3);カボザンチニブ(XL184、CAS 849217-68-1)、レスタ
ウルチニブ(CAS 111358-88-4);N-[5-[[[5-(1,1-ジメ
チルエチル)-2-オキサゾリル]メチル]チオ]-2-チアゾリル]-4-ピペリジン
カルボキサミド(BMS38703、CAS 345627-80-7);(3R,4R
)-4-アミノ-1-((4-((3-メトキシフェニル)アミノ)ピロロ[2,1-f
][1,2,4]トリアジン-5-イル)メチル)ピペリジン-3-オール(BMS69
0514);N-(3,4-ジクロロ-2-フルオロフェニル)-6-メトキシ-7-[
[(3aα,5β,6aα)-オクタヒドロ-2-メチルシクロペンタ[c]ピロール-
5-イル]メトキシ]-4-キナゾリンアミン(XL647、CAS 781613-2
3-8);4-メチル-3-[[1-メチル-6-(3-ピリジニル)-1H-ピラゾロ
[3,4-d]ピリミジン-4-イル]アミノ]-N-[3-(トリフルオロメチル)フ
ェニル]-ベンズアミド(BHG712、CAS 940310-85-0);及びアフ
リベルセプト(Eylea(登録商標))と併用して投与される。
【1484】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、PI3K阻害剤と併用して投与される。一
実施形態では、PI3K阻害剤は、PI3Kのδ及びγアイソフォームの阻害剤である。
使用され得る代表的なPI3K阻害剤は、例えば、国際公開第2010/036380号
、同第2010/006086号、同第09/114870号、同第05/113556
号、GSK 2126458、GDC-0980、GDC-0941、Sanofi X
L147、XL756、XL147、PF-46915032、BKM 120、CAL
-101、CAL 263、SF1126、PX-886、及び二重PI3K阻害剤(例
えば、Novartis BEZ235)に記載されている。
【1485】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、mTOR阻害剤、例えば、ラパマイシン、
テムシロリムス(TORISEL(登録商標))、AZD8055、BEZ235、BG
T226、XL765、PF-4691502、GDC0980、SF1126、OSI
-027、GSK1059615、KU-0063794、WYE-354、Palom
id 529(P529)、PF-04691502、又はPKI-587.リダフォロ
リムス(以前はデフェロリムスとして知られる、(1R,2R,4S)-4-[(2R)
-2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24
E,26E,28Z,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-19,30
-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,1
4,20-ペンタオキソ-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.
04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プ
ロピル]-2-メトキシシクロヘキシルジメチルホスフィナート、AP23573及びM
K8669としても知られる、国際公開第03/064383号に記載);エベロリムス
(Afinitor(登録商標)又はRAD001);ラパマイシン(AY22989、
Sirolimus(登録商標));セマピモド(CAS 164301-51-3);
エムシロリムス、(5-{2,4-ビス[(3S)-3-メチルモルホリン-4-イル]
ピリド[2,3-d]ピリミジン-7-イル}-2-メトキシフェニル)メタノール(A
ZD8055);2-アミノ-8-[トランス-4-(2-ヒドロキシエトキシ)シクロ
ヘキシル]-6-(6-メトキシ-3-ピリジニル)-4-メチル-ピリド[2,3-d
]ピリミジン-7(8H)-オン(PF04691502、CAS 1013101-3
6-4);及び、N2-[1,4-ジオキソ-4-[[4-(4-オキソ-8-フェニル
-4H-1-ベンゾピラン-2-イル)モルホリニウム-4-イル]メトキシ]ブチル]
-L-アルギニルグリシル-L-α-アスパルチル-セリン-(配列番号237)、分子
内塩(SF1126、CAS 936487-67-1)、及びXL765のうち1つ又
は2つ以上から選択される1つ又は2つ以上のmTOR阻害剤と併用して投与される。
【1486】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、BRAF阻害剤、例えば、GSK2118
436、RG7204、PLX4032、GDC-0879、PLX4720、及びトシ
ル酸ソラフェニブ(Bay 43-9006)と併用して投与される。
【1487】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、MEK阻害剤と併用して投与される。
【1488】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、JAK2阻害剤、例えば、CEP-701
、INCB18424、CP-690550(タソシチニブ)と併用して投与される。
【1489】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、
例えば、TAXOL(登録商標)、タンパク質結合パクリタキセル(例えば、ABRAX
ANE(登録商標))と併用して投与される。代表的なパクリタキセル製剤として、ナノ
粒子アルブミン結合パクリタキセル(ABRAXANE、販売Abraxis Bios
cience)、ドコサヘキサエン酸結合パクリタキセル(DHA-パクリタキセル、T
axoprexin、販売Protarga)、ポリグルタミン酸結合パクリタキセル(
PG-パクリタキセル、paclitaxel poliglumex、CT-2103
、XYOTAX、販売Cell Therapeutic)、腫瘍活性化プロドラッグ(
TAP)、ANG105(3分子のパクリタキセルに結合したAngiopep-2、販
売ImmunoGen)、パクリタキセル-EC-1(erbB2認識ペプチドEC-1
に結合したパクリタキセル;Li et al.,Biopolymers(2007)
87:225~230参照)、及びグルコース結合型パクリタキセル(例えば、2’-パ
クリタキセルメチル2-グルコピラノシルスクシナート、Liuet al.,(200
7)Bioorganic & Medicinal Chemistry Lette
rs 17:617~620参照)が挙げられる。
【1490】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、細胞免疫療法(例えば、Provenge
(例えば、Sipuleucel))と併用して、及び任意追加的にシクロホスファミド
と併用して投与される。
【1491】
膵臓癌の治療のため本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬として、化学
療法剤、例えば、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤(例えば、パクリタキセル製剤
、例えば、TAXOL、アルブミン-安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤(例えば、AB
RAXANE)又はリポソーム化パクリタキセル製剤);ゲムシタビン(例えば、ゲムシ
タビン単独又はAXP107-11と併用);その他化学療法剤、例えば、オキサリプラ
チン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ルビテカン、塩酸エピルビシン、NC-6
004、シスプラチン、ドセタキセル(例えば、TAXOTERE)、マイトマイシンC
、イホスファミド;インターフェロン;チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害
剤(例えば、エルロチニブ、パニツムマブ、セツキシマブ、ニモツズマブ);HER2/
neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ);二重キナーゼ阻害剤(例えば、ボスチ
ニブ、サラカチニブ、ラパチニブ、バンデタニブ);多種キナーゼ阻害剤(例えば、ソラ
フェニブ、スニチニブ、XL184、パゾパニブ);VEGF阻害剤(例えば、ベバシズ
マブ、AV-951、ブリバニブ);放射免疫療法(例えば、XR303);癌ワクチン
(例えば、GVAX、サバイビンペプチド);COX-2阻害剤(例えば、セレコキシブ
);IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG 479、MK-0646);mTOR阻
害剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス)、IL-6阻害剤(例えば、CNTO
328);サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、P276-00、UCN-01)
;エネルギー代謝を変化させる(AEMD)化合物(例えば、CPI-613);HDA
C阻害剤(例えば、ボリノスタット);TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例
えば、コナツムマブ);MEK阻害剤(例えば、AS703026、セルメチニブ、GS
K1120212);Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えば、RO5126766
)、Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、MK0752)、モノクローナル抗体-抗
体融合タンパク質(例えば、L19IL2)、クルクミン;HSP90阻害剤(例えば、
タネスピマイシン、STA-9090)、rIL-2;デニロイキンジフチトクス;トポ
イソメラーゼ1阻害剤(例えば、イリノテカン、PEP02);スタチン(例えば、シム
バスタチン)、第VIIa因子阻害剤(例えば、PCI-27483)、AKT阻害剤(
例えば、RX-0201)、低酸素活性化プロドラッグ(例えば、TH-302)、塩酸
メトホルミン、γ-セクレターゼ阻害剤(例えば、R04929097)、リボヌクレオ
チドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、免疫毒素(例えば、HuC242-DM
4)、PARP阻害剤(例えば、KU-0059436、ベリパリブ)、CTLA-4阻
害剤(例えば、CP-675,206、イピリムマブ)、AdV-tk療法、プロテアソ
ーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ(Velcade)、NPI-0052)、チアゾリ
ジンジオン(例えば、ピオグリタゾン)、NPC-1C;オーロラキナーゼ阻害剤(例え
ば、R763/AS703569)、CTGF阻害剤(例えば、FG-3019)、si
G12D LODER及び放射線療法(例えば、トモセラピー、定位放射、陽子線療法)
、手術、及びこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、パクリタキセル又
はパクリタキセル製剤とゲムシタビンの組み合わせが、本発明の抗体と使用できる。
【1492】
小細胞肺癌(SCLC)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬
として、SCLCの治療に対して承認されている薬剤、例えば、メトトレキサート(Fo
lex(登録商標)、Mexate(登録商標))、エベロリムス(Afinitor(
登録商標))、塩酸ドキソルビシン、リン酸エトポシド(Etopophos(登録商標
))、塩酸トポテカン(Hycamtin(登録商標))、塩酸メクロレタミン(Mus
targen(登録商標))、塩酸トポテカンが挙げられる。使用され得る他の治療薬は
、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、イリノテカン、ゲムシタビン、リ
ポソーム化SN-38、ベンダムスチン、テモゾロミド、ベロテカン、NK012、FR
901228、フラボピリドール)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤
(例えば、エルロチニブ、ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ)、多種キナーゼ
阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ
、バンデタニブ)、癌ワクチン(例えば、GVAX);Bcl-2阻害剤(例えば、オブ
リメルセンナトリウム、ABT-263)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミ
ブ(Velcade)、NPI-0052)、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤;
ドセタキセル、IGF-1受容体阻害剤(例えば、AMG 479)、HGF/SF阻害
剤(例えば、AMG 102、MK-0646)、クロロキン、オーロラキナーゼ阻害剤
(例えば、MLN8237)、放射免疫療法(例えば、TF2)、HSP90阻害剤(例
えば、タネスピマイシン、STA-9090)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス
)、Ep-CAM/CD3-二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK-2阻害剤(
例えば、CX-4945)、HDAC阻害剤(例えば、ベリノスタット)、SMOアンタ
ゴニスト(例えば、BMS 833923)、ペプチド癌ワクチン、及び放射線療法(例
えば、強度変調照射法(IMRT)、小分割照射法、低酸素誘導照射法)、手術、及びこ
れらの組み合わせである。
【1493】
非小細胞肺癌の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬として、N
SCLCの治療に対して承認されている薬剤、例えば、メトトレキサート(Folex(
登録商標)、Mexate(登録商標))、パクリタキセル(Abraxane(登録商
標))、アファチニブ(Gilotrif(登録商標))、エベロリムス(Afinit
or(登録商標))、アレクチニブ(Alecensa(登録商標))、ペメトレキセド
二ナトリウム(Alimta(登録商標))、ベバシズマブ(Avastin(登録商標
))、カルボプラチン、セリチニブ(Zykadia(登録商標))、クリゾチニブ(X
alkori(登録商標))、ラムシルマブ(Cyramza(登録商標))、ドセタキ
セル、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(
登録商標))、アファチニブジマレイン酸塩(Gilotrif(登録商標))、塩酸ゲ
ムシタビン(Gmezar(登録商標))、ペンブロリズマブ(Keytruda(登録
商標))、塩酸メクロレタミン(Mustargen(登録商標))、酒石酸ビノレルビ
ン(Navelbine(登録商標))、ネシツムマブ(Portrazza(登録商標
))、ニボルマブ(Opdivo(登録商標))、オシメルチニブ、パクリタキセル(T
axol(登録商標))、カルボプラチン、ペメトレキセド二ナトリウム、ラムシルマブ
(Cyramza(登録商標))、オシメルチニブ(Tagrisso(登録商標))が
挙げられる。使用され得る他の治療薬は、ビノレルビン、シスプラチン、ドセタキセル、
ペメトレキセド二ナトリウム、エトポシド、ゲムシタビン、カルボプラチン、リポソーム
化SN-38、TLK286、テモゾロミド、トポテカン、ペメトレキセド二ナトリウム
、アザシチジン、イリノテカン、テガフール-ギメラシル-オテラシルカリウム、サパシ
タビン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ、
ゲフィチニブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ネシツムマブ、PF-00299804、
ニモツズマブ、RO5083945)、MET阻害剤(例えば、PF-02341066
、ARQ 197)、PI3Kキナーゼ阻害剤(例えば、XL147、GDC-0941
)、Raf/MEK二重キナーゼ阻害剤(例えば、RO5126766)、PI3K/m
TOR二重キナーゼ阻害剤(例えば、XL765)、SRC阻害剤(例えば、ダサチニブ
)、二重阻害剤(例えば、BIBW 2992、GSK1363089、ZD6474、
AZD0530、AG-013736、ラパチニブ、MEHD7945A、リニファニブ
)、多種キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ、スニチニブ、パゾパニブ、AMG 7
06、XL184、MGCD265、BMS-690514、R935788)、VEG
F阻害剤(例えば、endostar、エンドスタチン、ベバシズマブ、セジラニブ、B
IBF 1120、アキシチニブ、チボザニブ、AZD2171)、癌ワクチン(例えば
、BLP25リポソームワクチン、GVAX、組み換えDNA及びL523Sタンパク質
を発現しているアデノウイルス)、Bcl-2阻害剤(例えば、オブリメルセンナトリウ
ム)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、NPI-00
52、MLN9708)、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、ドセタキセル、IG
F-1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ、MK-0646、OSI 906、CP
-751,871、BIIB022)、ヒドロキシクロロキン、HSP90阻害剤(例え
ば、タネスピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害
剤(例えば、エベロリムス、テムシロリムス、リダフォロリムス)、Ep-CAM/CD
3-二重特異性抗体(例えば、MT110)、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945
)、HDAC阻害剤(例えば、MS 275、LBH589、ボリノスタット、バルプロ
酸、FR901228)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、レチノイド
(例えば、ベキサロテン、トレチノイン)、抗体-薬剤複合体(例えば、SGN-15)
、ビスホスホネート(例えば、ゾレドロン酸)、癌ワクチン(例えば、ベラゲンプマツセ
ル-L)、低分子量ヘパリン(LMWH)(例えば、チンザパリン、エノキサパリン)、
GSK1572932A、メラトニン、タラクトフェリン、ジメスナ、トポイソメラーゼ
阻害剤(例えば、アムルビシン、エトポシド、カレニテシン)、ネルフィナビル、シレン
ジタイド、ErbB3阻害剤(例えば、MM-121、U3-1287)、サバイビン阻
害剤(例えば、YM155、LY2181308)、エリブリンメシル酸塩、COX-2
阻害剤(例えば、セレコキシブ)、ペグフィルグラスチム、Polo様キナーゼ1阻害剤
(例えば、BI 6727)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例えば、C
S-1008)、CNGRCペプチド(配列番号225)-TNFα複合体、ジクロロ酢
酸(DCA)、HGF阻害剤(例えば、SCH 900105)、SAR240550、
PPAR-γアゴニスト(例えば、CS-7017)、γ-セクレターゼ阻害剤(例えば
、RO4929097)、エピジェネティック療法(例えば、5-アザシチジン)、ニト
ログリセリン、MEK阻害剤(例えば、AZD6244)、サイクリン依存性キナーゼ阻
害剤(例えば、UCN-01)、コレステロール-Fus1、抗チューブリン剤(例えば
、E7389)、ファルネシル-OH-トランスフェラーゼ阻害剤(例えば、ロナファー
ニブ)、免疫毒素(例えば、BB-10901、SS1(dsFv)PE38)、フォン
ダパリヌクス、血管障害剤(例えば、AVE8062)、PD-L1阻害剤(例えば、M
DX-1105、MDX-1106)、β-グルカン、NGR-hTNF、EMD 52
1873、MEK阻害剤(例えば、GSK1120212)、エポチロンアナログ(例え
ば、イクサベピロン)、キネシンモーター阻害剤(例えば、4SC-205)、テロメア
標的剤(例えば、KML-001)、P70経路阻害剤(例えば、LY2584702)
、AKT阻害剤(例えば、MK-2206)、血管新生阻害剤(例えば、レナリドミド)
、Notchシグナル伝達阻害剤(例えば、OMP-21M18)、米国特許出願公開第
2014/0141000A1に記載されるEGFR/c-Met二重特異性抗体EM-
1、放射線療法、手術、及びこれらの組み合わせである。
【1494】
卵巣癌の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬として、卵巣癌の
治療に対して承認されている薬剤、例えば、メルファラン(Alkeran(登録商標)
)、ベバシズマブ(Avastin(登録商標))、カルボプラチン、シクロホスファミ
ド(Clafen(登録商標)、Cytoxan(登録商標))、シスプラチン、塩酸ド
キソルビシン、塩酸ゲムシタビン(Gemzar(登録商標))、塩酸トポテカン(Hy
camtin(登録商標))、オラパリブ(Lynparza(登録商標))、カルボプ
ラチン、シスプラチン、パクリタキセル(Taxol(登録商標))、チオテパ及び塩酸
トポテカンが挙げられる。使用され得る他の治療薬は、イホスファミド、オラパリブ、オ
キサリプラチン、ペメトレキセド二ナトリウム、SJG-136、エトポシド、デシタビ
ン;免疫療法(例えば、APC8024、オレゴボマブ、OPT-821)、チロシンキ
ナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(例えば、エルロチニブ)、二重阻害剤(例えば
、E7080)、多種キナーゼ阻害剤(例えば、AZD0530、JI-101、ソラフ
ェニブ、スニチニブ、パゾパニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ、BIBF
1120、セジラニブ、AZD2171)、PDGFR阻害剤(例えば、IMC-3G
3)、パクリタキセル、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、カレニテシン、イリノテカン
)、HDAC阻害剤(例えば、バルプロ酸、ボリノスタット)、葉酸受容体阻害剤(例え
ば、ファーレツズマブ)、アンジオポエチン阻害剤(例えば、AMG 386)、エポチ
ロンアナログ(例えば、イクサベピロン)、プロテアソーム阻害剤(例えば、カーフィル
ゾミブ)、IGF-1受容体阻害剤(例えば、OSI 906、AMG 479)、PA
RP阻害剤(例えば、ベリパリブ、AG014699、イニパリブ、MK-4827)、
オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8237、ENMD-2076)、血管新生阻
害剤(例えば、レナリドミド)、DHFR阻害剤(例えば、プララトレキサート)、放射
免疫治療薬(例えば、Hu3S193)、スタチン(例えば、ロバスタチン)、トポイソ
メラーゼ1阻害剤(例えば、NKTR-102)、癌ワクチン(例えば、p53合成長ペ
プチドワクチン、自家OC-DCワクチン)、mTOR阻害剤(例えば、テムシロリムス
、エベロリムス)、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ)、ET-A受容体アン
タゴニスト(例えば、ZD4054)、TRAIL受容体2(TR-2)アゴニスト(例
えば、CS-1008)、HGF/SF阻害剤(例えば、AMG 102)、EGEN-
001、Polo様キナーゼ1阻害剤(例えば、BI 6727)、γ-セクレターゼ阻
害剤(例えば、RO4929097)、Wee-1阻害剤(例えば、MK-1775)、
抗チューブリン剤(例えば、ビノレルビン、E7389)、免疫毒素(例えば、デニロイ
キンジフチトクス)、SB-485232、血管障害剤(例えば、AVE8062)、イ
ンテグリン阻害剤(例えば、EMD 525797)、キネシンモーター阻害剤(例えば
、4SC-205)、レブラミド、HER2阻害剤(例えば、MGAH22)、ErrB
3阻害剤(例えば、MM-121)、放射線療法、及びこれらの組み合わせである。
【1495】
骨髄腫の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬として、化学療法
又は他の抗癌剤(例えば、サリドマイドアナログ、例えば、レナリドミド)、HSCT(
Cook,(2008)J Manag Care Pharm.14(7 Suppl
):19~25)、抗TIM-3抗体(Hallett et al,.(2011)J
of American Society for Blood and Marro
w Transplantation 17(8):1133~145)、腫瘍抗原を瞬
間適用した樹状細胞、腫瘍細胞及び樹状細胞の融合体(例えば、電気融合体)、又は悪性
形質細胞によって産生される免疫グロブリンイディオタイプによるワクチン接種(rev
iewed in Yi(2009)Cancer J 15(6):502~10)の
うちの1つ又は2つ以上が挙げられる。
【1496】
腎臓癌、例えば、腎細胞癌(RCC)又は転移性RCCの治療に本発明の抗体と併用し
て使用され得る代表的な治療薬として、RCCの治療に対して承認されている薬剤、例え
ば、エベロリムス(Afinitor(登録商標))、アルデスロイキン、ベバシズマブ
(Avastin(登録商標))、アキシチニブ(Inlyta(登録商標))、カボザ
ンチニブ-S-リンゴ酸塩(Cabometyx(登録商標))、アルデスロイキン(P
roleukin(登録商標))、レンバチニブメシル酸塩(Lenvima(登録商標
))、トシル酸ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、ニボルマブ(Opdiv
o(登録商標))、塩酸パゾパニブ、トシル酸ソラフェニブ、スニチニブ(Sutent
(登録商標))、テムシロリムス(Torisel(登録商標))及び塩酸パゾパニブ(
Votrient(登録商標))が挙げられる。使用され得る他の薬剤は、標的化剤(例
えば、VEGFに対するモノクローナル抗体、例えば、ベバシズマブなどのVEGF阻害
剤、ソラフェニブ、アキシチニブ及びパゾパニブなどのVEGFチロシンキナーゼ阻害剤
である。
【1497】
慢性骨髄性白血病(AML)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治
療薬として、化学療法剤(例えば、シタラビン、ヒドロキシ尿素、クロファラビン、メル
ファラン、チオテパ、フルダラビン、ブスルファン、エトポシド、コーディセピン、ペン
トスタチン、カペシタビン、アザシチジン、シクロホスファミド、クラドリビン、トポテ
カン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ
、ニロチニブ)、二重阻害剤(例えば、ダサチニブ、ボスチニブ)、多種キナーゼ阻害剤
(例えば、DCC-2036、ポナチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、RGB-286
638)、インターフェロンα、ステロイド、アポトーシス剤(例えば、オマセタキシン
・メペサクシネート)、免疫療法(例えば、同種CD4+メモリーTh1様T細胞/微粒
子結合抗CD3/抗CD28、自家サイトカイン誘導キラー細胞(CIK)、AHN-1
2)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、HSP90阻害剤(例えば、タネス
ピマイシン、STA-9090、AUY922、XL888)、mTOR阻害剤(例えば
、エベロリムス)、SMOアンタゴニスト(例えば、BMS 833923)、リボヌク
レオチドレダクターゼ阻害剤(例えば、3-AP)、JAK-2阻害剤(例えば、INC
B018424)、ヒドロキシクロロキン、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、サ
イクリン依存性キナーゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、HDAC阻害剤(例えば、ベ
リノスタット、ボリノスタット、JNJ-26481585)、PARP阻害剤(例えば
、ベリパリブ)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO5045337)、オーロラB
キナーゼ阻害剤(例えば、TAK-901)、放射免疫療法(例えば、アクチニウム-2
25-標識化抗CD33抗体HuM 195)、ヘッジホッグ阻害剤(例えば、PF-0
4449913)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、KB004、癌
ワクチン(例えば、AG858)、骨髄移植、幹細胞移植、放射線療法、及びこれらの組
み合わせが挙げられる。
【1498】
慢性リンパ性白血病(CLL)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な
治療薬として、化学療法剤(例えば、フルダラビン、シクロホスファミド、ドキソルビシ
ン、ビンクリスチン、クロラムブシル、ベンダムスチン、クロラムブシル、ブスルファン
、ゲムシタビン、メルファラン、ペントスタチン、ミトキサントロン、5-アザシチジン
、ペメトレキセドジナトリウム)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤(
例えば、エルロチニブ)、BTK阻害剤(例えば、PCI-32765(イブルチニブ)
、多種キナーゼ阻害剤(例えば、MGCD265、RGB-286638)、CD-20
標的剤(例えば、リツキシマブ、オファツムマブ、RO5072759、LFB-R60
3)、CD52標的剤(例えば、アレムツズマブ)、プレドニゾロン、ダルベポエチンα
、レナリドミド、Bcl-2阻害剤(例えば、ABT-263)、免疫療法(例えば、同
種CD4メモリーTh1様T細胞/微粒子結合抗CD3/抗CD28、自家サイトカイ
ン誘導キラー細胞(CIK)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、バルプロ酸、
LBH589、JNJ-26481585、AR-42)、XIAP阻害剤(例えば、A
EG35156)、CD-74標的剤(例えば、ミラツズマブ)、mTOR阻害剤(例え
ば、エベロリムス)、AT-101、免疫毒素(例えば、CAT-8015、抗Tac(
Fv)-PE38(LMB-2))、CD37標的剤(例えば、TRU-016)、放射
免疫療法(例えば、131-トシツモマブ)、ヒドロキシクロロキン、ペリフォシン、S
RC阻害剤(例えば、ダサチニブ)、サリドマイド、PI3Kδ阻害剤(例えば、CAL
-101)、レチノイド(例えば、フェンレチニド)、MDM2アンタゴニスト(例えば
、RO5045337)、プレリキサホル、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、MLN8
237、TAK-901)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、CD-1
9標的剤(例えば、MEDI-551、MOR208)、MEK阻害剤(例えば、ABT
-348)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、低酸素-活性化プロ
ドラッグ(例えば、TH-302)、パクリタキセル又はパクリタキセル製剤、HSP9
0阻害剤、AKT阻害剤(例えば、MK2206)、HMG-CoA阻害剤(例えば、シ
ムバスタチン)、GNKG186、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれらの組
み合わせが挙げられる。
【1499】
急性リンパ性白血病(ALL)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な
治療薬として、化学療法剤(例えば、プレドニゾロン、デキサメタゾン、ビンクリスチン
、アスパラギナーゼ、ダウノルビシン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、
チオグアニン、メルカプトプリン、クロファラビン、リポソーム化アナマイシン、ブスル
ファン、エトポシド、カペシタビン、デシタビン、アザシチジン、トポテカン、テモゾロ
ミド)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ
、ニロチニブ)、ON 01910 Na、多種キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニブ
)、CD-20標的剤(例えば、リツキシマブ)、CD52標的剤(例えば、アレムツズ
マブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、mTOR阻害剤(例えば、エ
ベロリムス、ラパマイシン)、JAK-2阻害剤(例えば、INCB018424)、H
ER2/neu受容体阻害剤(例えば、トラスツズマブ)、プロテアソーム阻害剤(例え
ば、ボルテゾミブ)、メトトレキサート、アスパラギナーゼ、CD-22標的剤(例えば
、エプラツズマブ、イノツズマブ)、免疫療法(例えば、自家サイトカイン誘導キラー細
胞(CIK)、AHN-12)、ブリナツモマブ、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(例
えば、UCN-01)、CD45標的剤(例えば、BC8)、MDM2アンタゴニスト(
例えば、RO5045337)、免疫毒素(例えば、CAT-8015、DT2219A
RL)、HDAC阻害剤(例えば、JNJ-26481585)、JVRS-100、パ
クリタキセル又はパクリタキセル製剤、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121
)、PARP阻害剤(例えば、ベリパリブ)、EZN-2285、放射線療法、ステロイ
ド、骨髄移植、幹細胞移植、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【1500】
急性骨髄性白血病(AML)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治
療薬として、化学療法剤(例えば、シタラビン、ダウノルビシン、イダルビシン、クロフ
ァラビン、デシタビン、ボサロキシン、アザシチジン、クロファラビン、リバビリン、C
PX-351、トレオスルファン、エラシタラビン、アザシチジン)、チロシンキナーゼ
阻害剤(例えば、BCR/ABL阻害剤(例えば、イマチニブ、ニロチニブ)、ON 0
1910.Na、多種キナーゼ阻害剤(例えば、ミドスタウリン、SU 11248、キ
ザルチニブ、ソラフィニブ)、免疫毒素(例えば、ゲムツズマブオゾガマイシン)、DT
388IL3融合タンパク質、HDAC阻害剤(例えば、ボリノスタット、LBH589
)、プレリキサホル、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、SRC阻害剤(例えば
、ダサチニブ)、HSP90阻害剤(例えば、STA-9090)、レチノイド(例えば
、ベキサロテン、オーロラキナーゼ阻害剤(例えば、BI 811283)、JAK-2
阻害剤(例えば、INCB018424)、Polo様キナーゼ阻害剤(例えば、BI
6727)、セネルセン、CD45標的剤(例えば、BC8)、サイクリン依存性キナー
ゼ阻害剤(例えば、UCN-01)、MDM2アンタゴニスト(例えば、RO50453
37)、mTOR阻害剤(例えば、エベロリムス)、LY573636-ナトリウム、Z
Rx-101、MLN4924、レナリドミド、免疫療法(例えば、AHN-12)、ヒ
スタミン二塩酸塩、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれらの組み合わせが挙げ
られる。
【1501】
多発性骨髄腫(MM)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬と
して、化学療法剤(例えば、メルファラン、アミホスチン、シクロホスファミド、ドキソ
ルビシン、クロファラビン、ベンダムスチン、フルダラビン、アドリアマイシン、SyB
L-0501)、サリドマイド、レナリドミド、デキサメタゾン、プレドニゾン、ポマ
リドミド、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、カーフィルゾミブ、MLN9
708)、癌ワクチン(例えば、GVAX)、CD-40標的剤(例えば、SGN-40
、CHIR-12.12)、ペリフォシン、ゾレドロン酸、免疫療法(例えば、MAGE
-A3、NY-ESO-1、HuMax-CD38)、HDAC阻害剤(例えば、ボリノ
スタット、LBH589、AR-42)、アプリジン、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤
(例えば、PD-0332991、ディナシクリブ)、三酸化ヒ素、CB3304、HS
P90阻害剤(例えば、KW-2478)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR
阻害剤(例えば、セツキシマブ)、多種キナーゼ阻害剤(例えば、AT9283)、VE
GF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、プレリキサホル、MEK阻害剤(例えば、AZD
6244)、IPH2101、アトルバスタチン、免疫毒素(例えば、BB-10901
)、NPI-0052、放射免疫療法(例えば、イットリウムY90イブリツモマブ・チ
ウキセタン)、STAT3阻害剤(例えば、OPB-31121)、MLN4924、オ
ーロラキナーゼ阻害剤(例えば、ENMD-2076)、IMGN901、ACE-04
1、CK-2阻害剤(例えば、CX-4945)、抗CD38抗体(例えば、DARZA
LEX(登録商標)(ダラツムマブ)、放射線療法、骨髄移植、幹細胞移植、及びこれら
の組み合わせが挙げられる。
【1502】
前立腺癌の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な治療薬は、前立腺癌の
治療に対して承認されている薬剤、例えば、酢酸アビラテロン(Zytiga(登録商標
))、ビカルタミド(Casodex(登録商標))、カバジタキセル(Jevtana
(登録商標))、結合型エストロゲン(Premarin(登録商標))、エストラジオ
ール(Estrace(登録商標))、エストラジオール吉草酸塩(Delestrog
en(登録商標))、エステル化エストロゲン(Menest(登録商標))、デガレリ
クス(Firmagon(登録商標))、ドセタキセル(Taxotere(登録商標)
)、エンザルタミド(Xtandi(登録商標))、フルタミド、ゴセレリン酢酸塩(Z
oladex(登録商標))、カバジタキセル(Jevtana(登録商標))、リュー
プロリド酢酸塩(Lupron(登録商標))、塩酸ミトキサントロン、ニルタミド(N
ilandron(登録商標))シプロイセルT(Provenge(登録商標))及び
二塩化ラジウム223(Xofigo(登録商標))である。使用され得る他の薬剤とし
て、化学療法剤(例えば、カルボプラチン、フルダラビン)、ホルモン療法(例えば、酢
酸シプロテロン、ケトコナゾール、アミノグルテチミド、アバレリックス、デガレリクス
、リュープロリド、トリプトレリン、ブセレリン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、
二重キナーゼ阻害剤(例えば、ラパタニブ)、多種キナーゼ阻害剤(例えば、ソラフェニ
ブ、スニチニブ)、VEGF阻害剤(例えば、ベバシズマブ)、TAK-700、癌ワク
チン(例えば、BPX-101、PEP223)、レナリドミド、TOK-001、IG
F-1受容体阻害剤(例えば、シクスツムマブ)、TRC105、オーロラAキナーゼ阻
害剤(例えば、MLN8237)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、O
GX-011、放射免疫療法(例えば、HuJ591-GS)、HDAC阻害剤(例えば
、バルプロ酸、SB939、LBH589)、ヒドロキシクロロキン、mTOR阻害剤(
例えば、エベロリムス)、乳酸ドビチニブ、ジインドリルメタン、エファビレンツ、OG
X-427、ゲニステイン、IMC-3G3、バフェチニブ、CP-675,206、放
射線療法、手術、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【1503】
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)の治療に本発明の抗体と併用して使用され得る代表的
な治療薬として、メトトレキサート(Folex(登録商標)、Mexate(登録商標
))、ブレオマイシン(Blenoxane(登録商標))、ドセタキセル(Taxot
ere(登録商標))、erbitux(Cetuximab(登録商標))、ヒドロキ
シ尿素(Hydrea(登録商標))又はペンブロリズマブ(Keytruda(登録商
標))が挙げられる。
【1504】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、TLRアゴニストと併用して投与される。
【1505】
いくつかの実施形態では、TLR3アゴニストは、TLR4アゴニストである。
【1506】
いくつかの実施形態では、TLR3アゴニストは、TLR7/8アゴニストである。
【1507】
代表的なTLRアゴニストは、TLR-1/2アゴニストのPam3Cys;TLR-
2アゴニストのCFA;TLR-2アゴニストのMALP2;TLR-2アゴニストのP
am2Cys;TLR-2アゴニストのFSL-1;TLR-2アゴニストのHib-O
MPC;TLR-3アゴニストのポリリボイノシン:ポリリボシチジル酸(ポリI:C)
;TLR-3アゴニストのポリアデノシン-ポリウリジル酸(ポリAU);TLR-3ア
ゴニストのポリ-L-リジン及びカルボキシメチルセルロースで安定活かされたポリイノ
シン-ポリシチジル酸(Hiltonol(登録商標));TLR-4アゴニストのモノ
ホスホリルリピドA(MPL);TLR-4アゴニストのLPS;TLR-5アゴニスト
の細菌フラゲリン;多くのヒト癌細胞においてMUCIムチンと関連する炭水化物で、T
LR-4アゴニストのシアリル-Tn(STn);TLR-7アゴニストのイミキモド;
TLR-7/8アゴニストのレシキモド;TLR-7/8アゴニストのロキソリビン;及
び、TLR-9アゴニストの非メチル化CpGジヌクレオチド(CpG-ODN)である
【1508】
代表的なTLR4アゴニストは、TLR4に特異的に結合するアゴニスト抗体である。
【1509】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、CSF-1Rに結合
する抗体と併用して投与される。
【1510】
CSF-1Rに結合する代表的な抗体は、国際公開第2013132044号に記載さ
れるものである。
【1511】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、LXRβアゴニスト
と併用して投与される。
【1512】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、DR4アゴニストと
併用して投与される。
【1513】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、DR5アゴニストと
併用して投与される。
【1514】
好適なDR4及びDR5アゴニストは、例えば、国際公開第2014159562号に
記載されている。
【1515】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗ガレクチン1抗体
と併用して投与される。
【1516】
本発明の抗体と併用して使用され得る代表的な抗ガレクチン1抗体は、国際公開第20
15013389号に記載されるものである。
【1517】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、BTK阻害剤と併用
して投与される。
【1518】
いくつかの実施形態では、BTK阻害剤はIMBRUVICA(登録商標)(イブルチ
ニブ)である。
【1519】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗HER2抗体と併
用して投与される。
【1520】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、抗CD20抗体と併
用して投与される。
【1521】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、骨髄移植、フルダラビンなどの化学療法剤
を用いるT細胞除去療法、体外照射療法(XRT)、シクロホスファミド、及び/又は、
OKT3又はCAMPATHなどの抗体と共に(例えば、前、同時、又は後に)投与され
る。いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、CD20と反応する剤、例えば、Rit
uxanなどのB細胞除去療法後に投与されてよい。例えば、一実施形態では、対象は、
高用量化学療法後の末梢血幹細胞移植による標準的な治療を受けることができる。特定の
実施形態では、移植後に、対象は本発明の抗体を投与される。
【1522】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、手術前又は後に投与
される。
【1523】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、本発明の抗体は、放射線療法と併用し
て投与される。
【1524】
放射線療法は、体外照射療法、体内照射療法、組織内照射、定位放射線手術、全身放射
線療法、放射線療法及び永久又は一時的組織内近接照射療法などの様々な方法を用いて施
され得る。体外照射療法は、放射線野が設計される三次元原体照射療法、局所放射療法(
例えば、予め選択した標的又は器官に向けられる放射線)、又は集束放射療法を含む。集
束放射療法は、定位放射線手術、分割定位放射線手術、又は強度変調放射線療法から選択
されてよい。集束放射療法は、放射線源として、粒子線(陽子線)、コバルト-60(光
子)直線加速器(x線)を有してよい(例えば、国際公開第2012/177624号参
照)。「近接照射療法」は、腫瘍又は他の増殖性組織疾患部位において、又はその近傍で
、体内に挿入される空間的に制限された放射性物質によって送達される放射線療法を指し
、放射性同位体(例えば、At-211、I-131、I-125、Y-90、Re-1
86、Re-188、Sm-153、Bi-212、P-32、及びLuの放射性同位体
)への曝露を含む。細胞コンディショニング用に使用される好適な放射線源として、固体
及び液体の両方が挙げられる。放射線源は、固体源としてI-125、I-131、Yb
-169、Ir-192、固体源としてI-125などの放射性核種、又は、光子、β粒
子、γ線、若しくは他の治療用放射線を放射する他の放射性核種であってよい。放射性物
質は、放射性核種の任意の溶液、例えば、I-125若しくはI-131の溶液から作ら
れた流体であってもよく、又は、放射性流体は、Au-198、Y-90などの固体放射
性核種の小粒子を含む好適な流体のスラリーを用いて作製できる。放射性核種は、ゲル又
は放射性微粒子内にまとめられてもよい。
【1525】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体は、黒色腫の治療にダカルバジンと併用して投
与される。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、PD-1及び/又はTI
M-3阻害剤と化学療法剤の併用は、多くの化学療法用化合物の細胞傷害作用の結果であ
る細胞死によって促進されると考えられ、抗原提示経路における腫瘍抗原のレベル上昇を
もたらし得る。細胞死によってPD-1及び/又はTIM-3阻害と相乗効果をもたらし
得る他の併用療法は、放射線、手術、及びホルモン欠乏である。これらの手順のそれぞれ
は、宿主中で腫瘍抗原の源を作り出す。血管新生阻害剤も、PD-1及び/又はTIM-
3阻害剤と組み合わせてよい。血管新生の阻害は、宿主抗原提示経路に腫瘍抗原を供給し
得る腫瘍細胞死をもたらす。
【1526】
本発明の単一特異性PD-1及び/又はTIM-3抗体も、二重特異性抗体と併用して
使用され得る。二重特異性抗体を用いて、2つの別々の抗原を標的にできる。例えば抗F
c受容体/抗腫瘍抗原(例えば、Her-2/neu)二重特異性抗体は、腫瘍部位のマ
クロファージを標的にするために使用されている。二重特異性ターゲティングにより、腫
瘍特異的応答をより効率よく活性化できる。これらの応答のT細胞アームは、PD-1及
び/又はTIM-3阻害剤の使用によって増強し得る。あるいは、腫瘍抗原と樹状細胞特
異的細胞表面マーカーに結合する二重特異性抗体を使用することによって、抗原をDCに
直接送達できる。
【1527】
本発明の抗体は、第2の薬剤、例えば、細胞傷害性薬、放射性同位体、又はタンパク質
、例えば、タンパク毒素若しくはウイルスタンパク質に対して、未結合又は結合した形態
で使用できる。抗体分子を用いて、様々な治療薬、例えば、細胞傷害性部分、例えば、治
療剤、放射性同位体、植物、真菌、若しくは細菌由来の分子、生体タンパク質(例えば、
タンパク毒素)又は粒子(例えば、組み換えウイルス粒子、例えばウイルスコートタンパ
ク質を介して)、又はこれらの混合物を送達できる。
【1528】
感染症
本発明はまた、本発明の抗体を対象の治療に十分な期間にわたって用いる、特定の毒素
又は病原体に曝露された対象の治療方法も提供する。
【1529】
本発明はまた、治療有効量の本発明の抗体を、感染症の治療に十分な期間にわたって、
治療を必要とする対象に投与することを含む、感染症を有する対象の治療方法も提供する
【1530】
本発明はまた、治療有効量の本発明の抗体を、ウイルス感染の治療に十分な期間にわた
って、治療を必要とする対象に投与することを含む、ウイルス感染を有する対象の治療方
法も提供する。
【1531】
本発明はまた、治療有効量の本発明の抗体を、細菌感染の治療に十分な期間にわたって
、治療を必要とする対象に投与することを含む、細菌感染を有する対象の治療方法も提供
する。
【1532】
本発明はまた、治療有効量の本発明の抗体を、真菌感染の治療に十分な期間にわたって
、治療を必要とする対象に投与することを含む、真菌感染を有する対象の治療方法も提供
する。
【1533】
感染(例えば、急性及び/又は慢性)の治療において、本発明の抗体の投与は、感染に
対する自然宿主免疫防御の刺激に加え、又はその代わりに、従来治療と組み合わせること
ができる。感染に対する自然宿主免疫防御として、炎症、発熱、抗体媒介性宿主防御、リ
ンホカイン分泌及び細胞傷害性T細胞(特にウイルス感染中)などのT-リンパ球介在性
宿主防御、補体媒介性溶解及びオプソニン作用(貪食作用の促進)、並びに貪食作用が挙
げられる。本発明の抗体の機能障害性T細胞の再活性化能は、慢性感染、特に完全な回復
のために細胞介在性免疫が重要であるものの治療に有用であろう。
【1534】
上記腫瘍への応用と同様に、本発明の抗体を単独で、又は、ワクチンと併用して補助剤
として使用し、病原体、毒素、及び自己抗原に対する免疫応答を刺激できる。この治療方
針が有用であり得る病原体の例として、現在有効なワクチンがない病原体、又は、従来の
ワクチンが決して完全に効果的ではない病原体が挙げられる。これらには、HIV、肝炎
(A、B、及びC)、インフルエンザ、ヘルペス、ジアルジア、マラリア、リーシュマニ
ア、黄色ブドウ球菌及び緑膿菌が含まれる。PD-1及び/又はTIM-3阻害剤は、感
染の間にわたって変更された抗原を提示する、HIVなどの病原体によって確立される感
染に対して有用であり得る。これらの新しいエピトープは、本発明の抗体の投与時におい
て異物と見なされるため、PD-1又はTIM-3による負のシグナルによって弱められ
ない、強いT細胞応答を引き起こす。
【1535】
ウイルス
ウイルスにより引き起こされる感染には、本発明の抗体を、ウイルス感染の治療に対す
る標準的治療と組み合わせてよい。かかる標準的治療はウイルスの種類によって変わるが
、ほとんど全ての場合において、そのウイルスに特異的な抗体(例えば、IgA、IgG
)を含むヒト血清の投与が有効であり得る。
【1536】
本発明の抗体で治療可能な感染を引き起こす代表的な病原性ウイルスとして、HIV、
肝炎(A、B、又はC)、ヘルペスウイルス(例えば、VZV、HSV-1、HAV-6
、HSV-II、及びCMV、エプスタインバーウイルス)、アデノウイルス、インフル
エンザウイルス、フラビウイルス、エコーウイルス、ライノウイルス、コクサッキーウイ
ルス、コロナウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ムンプスウイルス、ロタウイルス、麻疹
ウイルス、風疹ウイルス、パルボウイルス、ワクシニアウイルス、HTLVウイルス、デ
ングウイルス、パピローマウイルス、軟属腫ウイルス、ポリオウイルス、狂犬病ウイルス
、JCウイルス及びアルボウイルス脳炎ウイルスが挙げられる。
【1537】
いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、インフルエンザウイルス感染である。イン
フルエンザ感染は、発熱、咳、筋肉痛、頭痛及び倦怠感を起こす可能性があり、季節的流
行で起こることが多い。インフルエンザは、脳炎、心筋心膜炎、グッドパスチャー症候群
、及びライ症候群などの多くの感染後障害にも関連している。インフルエンザ感染はまた
、正常な肺の抗細菌防御を抑制し、インフルエンザから回復している患者は、細菌性肺炎
を発症するリスクが上昇する。インフルエンザウイルスの表面タンパク質は、突然変異及
び組み換えの結果起こる、顕著な抗原変異を示す。したがって、細胞溶解性Tリンパ球は
、感染後にウイルスを排除するための宿主の主な手段である。インフルエンザは、3つの
主な種類、A、B及びCに分類される。インフルエンザAは、ヒト及び多くの他の動物(
例えば、ブタ、ウマ、トリ及びアシカ)の両方に感染するという点が珍しく、汎発性イン
フルエンザの主な原因である。細胞は、2種類の異なるインフルエンザA株に感染でき、
複製中、2種類の親ウイルスの混合物のセグメント化されたRNAゲノムが、ハイブリッ
ド複製物を作りだし、新たな流行株の原因となる。インフルエンザBは、動物中で複製し
ないため遺伝的変異が少なく、インフルエンザCは、1種類のみの血清型を有する。
【1538】
最も標準的な治療法は、感染による症状の緩和であり、その間に、実際には宿主の免疫
応答が疾患を治す。しかしながら、特定の株(例えば、インフルエンザA)は、より重度
の症状や死亡の原因となり得る。インフルエンザAは、ウイルス複製を阻害する環状アミ
ン阻害剤である、アマンタジン及びリマンタジンの投与により、治療的及び予防的共に治
療できる。しかしながら、有害反応の発生率が比較的高く、抗ウイルススペクトルが狭く
(インフルエンザAのみ)、かつ、ウイルスに耐性をもたらす傾向があることから、これ
らの薬剤の臨床的有用性は限定される。主要なインフルエンザ表面タンパク質である、ヘ
マグルチニン及びノイラミニダーゼに対する血清IgG抗体の投与は、肺の感染を予防で
きるが、上気道及び気管の感染の予防には粘膜IgAが必要である。インフルエンザに対
する現在最も効果的な治療は、ホルマリン又はβ-プロピオラクトンで不活性化したウイ
ルスの投与による、ワクチン接種である。
【1539】
いくつかの実施形態では、感染は、肝炎感染、例えば、B型又はC型肝炎感染である。
【1540】
B型肝炎ウイルス(HB-V)は、最も感染性のある既知の血液由来病原体である。急
性及び慢性肝炎、並びに肝細胞癌、更には、生涯にわたる慢性感染の主な原因である。感
染後、ウイルスは、肝細胞中で複製し、続いて表面抗原であるHBsAgの放出も行う。
血清中の過剰レベルのHBsAgの検出は、B型肝炎感染の診断の標準的方法として使用
される。急性感染は治癒できるが、慢性的持続感染を発症する可能性がある。慢性HBV
に対する現在の治療として、α-インターフェロンが挙げられ、これは、肝細胞の表面上
のクラスIヒト白血球抗原(HLA)の発現を増加させることによって、細胞傷害性Tリ
ンパ球による認識を促進する。更に、ヌクレオシドアナログであるガンシクロビル、ファ
ムシクロビル及びラミブジンも、臨床試験において、HBV感染の治療にある程度の有効
性を示している。HBVに対する更なる治療として、ペグ化α-インターフェロン、アデ
ホビル(adenfovir)、エンテカビル及びテルビブジンが挙げられる。受身免疫は、抗H
BsAg血清抗体の非経口投与により与えられ得るが、不活性化又は組み換えHBsAg
によるワクチン接種も、感染に対する抵抗力を与える。治療的利点のため、本発明の抗体
をB型肝炎感染の標準的治療と併用することができる。
【1541】
C型肝炎ウイルス(HC-V)感染は、肝硬変(cirrosis)の原因となる慢性型肝炎を
引き起こす場合がある。症状はB型肝炎による感染に類似しているが、HB-Vとはっき
り異なり、感染された宿主は、10~20年間無症候性の場合がある。本発明の抗体を、
単独療法として、又はC型肝炎感染の標準的治療と併用して投与できる。例えば、本発明
の抗体を、Sovaldi(ソホスブビル)、Olysio(シメプレビル)+リバビリ
ン又はペグ化インターフェロンのうち、1つ又は2つ以上と併用することができる。In
civek(テラプレビル)又はVictrelis(ボセプレビル)+リバビリン及び
ペグ化インターフェロンを含むレジメンも承認されているが、副作用の増加と治療期間の
延長と関連している。
【1542】
HC-V感染の従来治療として、α-インターフェロン及びリバビリンの組み合わせの
投与が挙げられる。HC-V感染の治療として可能性があると期待されるのは、プロテア
ーゼ阻害剤であるテラプレビル(VX-960)である。更なる治療として、バビツキシ
マブ(B2-糖タンパク質I依存的にアニオン性リン脂質ホスファチジルセリンに結合す
る抗体、Peregrine Pharmaceuticals)、抗HPVウイルスコ
ートタンパク質E2抗体(例えば、ATL 6865-Ab68+Ab65、XTL P
harmaceuticals)及びCivacir(登録商標)(ポリクローナル抗H
CVヒト免疫グロブリン)が挙げられる。治療的利点のため、本発明の抗体をC型肝炎感
染に対するこれらの治療のうち1つ又は2つ以上と併用することができる。特にC型肝炎
感染を治療するため、本発明の抗体と併用して使用され得るプロテアーゼ、ポリメラーゼ
及びNS5A阻害剤として、米国特許出願公開第2013/0045202号に記載され
るものが挙げられる。
【1543】
別の実施形態では、感染は麻疹ウイルスである。9~11日間の潜伏後、麻疹ウイルス
に感染した宿主は、発熱、咳、鼻感冒及び結膜炎を発症する。1~2日間以内に、紅斑、
斑状丘疹状皮疹が生じ、全身に素早く広がる。感染により細胞性免疫も抑制されるため、
宿主は、中耳炎、肺炎及び麻疹後脳脊髄炎などの細菌重感染を発症する危険性がより高い
。急性感染は、特に栄養状態が悪い青少年において、顕著な罹患率及び死亡率と関連する
【1544】
麻疹の治療として、プールしたヒトIgGの受動投与が挙げられ、これにより、曝露後
1週間までに投与された場合でも、非免疫対象において感染を予防できる。しかしながら
、事前の弱毒化生ウイルスによる免疫化が最も効果的な治療であり、免役されたもののう
ち95%を超えて疾患を予防する。このウイルスの血清型は1つであるため、1回免疫化
又は感染すると、典型的には、後続の感染からの生涯にわたって防御される。
【1545】
感染した宿主のうちごく一部において、麻疹は、中枢神経系の持続感染による慢性進行
性神経障害である、SSPEに進展する場合がある。SSPEは、ビリオン集合及び出芽
を妨げる異常による、麻疹ウイルスのクローン変異体に起因する。これらの患者では、ウ
イルス排除を促進するため、本発明の抗体によるT細胞の再活性化が望ましい。
【1546】
別の実施形態では、感染はHIVである。HIVは、T-リンパ球、単球-マクロファ
ージ、濾胞性樹状細胞及びランゲルハンス細胞などのCD4細胞を攻撃し、CD4
ルパー/インデューサー細胞が枯渇する。その結果、宿主に、細胞介在性免疫の著しい異
常が獲得される。HIVによる感染は、固体の少なくとも50%においてAIDSを引き
起こし、性的接触、感染した血液又は血液製剤の投与、感染した精液による人工授精、血
液を含む針やシリンジへの曝露、出産中の感染した母から乳児への感染によって感染する
【1547】
HIVに感染した宿主は、無症候性の場合か、又は、単核球症に似た急性疾患(発熱、
頭痛、咽頭痛、倦怠感及び発疹)を発症する場合がある。症状は、持続発熱、寝汗、体重
減少、原因不明の下痢、湿疹、乾癬、脂漏性皮膚炎、眼部帯状疱疹、口腔カンジダ症及び
口腔毛状白板症などの、進行性免疫機能不全に進行する場合がある。寄生体の宿主による
日和見感染は、その感染によりAIDSを発症する患者において一般的である。
【1548】
HIVの治療として、ヌクレオシドアナログ、ジドブジン(AST)などの抗ウイルス
療法単独、又は、ジダノシン又はザルシタビン、ジデオキシイノシン、ジデオキシシチジ
ン、ラミブジン、スタブジン;逆転写阻害剤、例えばデラビルジン、ネビラピン、ロビリ
ド、及び、プロテアーゼ阻害剤、例えばサキナビル、リトナビル、インジナビル及びネル
フィナビルとのと併用のいずれかが挙げられる。HIVの治療として、EDURANT(
登録商標)(リルピビリン)が挙げられる。治療的利点のため、本発明の抗体をHIV感
染の標準的治療と併用することができる。
【1549】
別の実施形態では、感染はサイトメガロウイルス(CMV)感染である。CMV感染は
、多くの場合、持続的潜伏かつ再発性の感染に関係する。CMVは、単球及び顆粒球-単
球前駆細胞中に感染し、潜伏したまま留まる。CMVの臨床症状として、単核球症様症状
(すなわち、発熱、腺肥大、倦怠感)、及び、抗生物質に対するアレルギー性皮疹の発症
傾向が挙げられる。ウイルスは、直接接触により伝搬する。ウイルスは、尿、唾液、精液
に含まれ、他の体液中には少ない。感染は、感染した母から胎児又は新生児に、並びに、
輸血及び臓器移植によっても起こり得る。CMV感染は、非特異性分裂促進因子及び特異
的CMV抗原に対する幼若化応答の障害、並びに、細胞傷害能の減少を特徴とする、全般
的な細胞性免疫障害を引き起こす。
【1550】
CMV感染の治療として、抗ウイルス剤であるガンシクロビル、ホスカルネット及びシ
ドフォビル(cidovir)が挙げられるが、これらの薬剤は、典型的には、免疫不全状態患
者にのみ処方される。治療的利点のため、本明細書に記載される本発明の抗体をサイトメ
ガロウイルス感染の標準的治療と併用することができる。
【1551】
別の実施形態では、感染はエプスタイン-バーウイルス(EBV)感染である。EBV
は、持続的潜伏感染を確立でき、主にB細胞を攻撃する。EBVによる感染は、伝染性単
核球症の病態をもたらし、これは、発熱、多くは滲出液を伴う咽頭痛、全身性リンパ節腫
脹及び脾腫を含む。肝炎も見つかり、黄疸を発症する場合がある。
【1552】
EBV感染の典型的治療は症状の緩和であるが、EBVは、バーキットリンパ腫や上咽
頭癌などの特定の癌の発症と関連している。したがって、合併症が生じる前にウイルス感
染を排除することが大きな利益となる。治療的利点のため、本発明の抗体をエプスタイン
-バーウイルス感染の標準的治療と併用することができる。
【1553】
別の実施形態では、感染は、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染である。HSVは、
感染した宿主との直接接触により感染する。接触感染は無症候性の場合があるが、典型的
には、感染性粒子を含む疱疹をもたらす。この疾患は、ウイルスが後に発症するため神経
節に潜伏感染すると、病変が現れたり消えたりする、疾患の活動期間のサイクルとして現
れる。病変は、顔、生殖器、目、及び/又は手に生じ得る。一部の例では、感染が脳炎の
原因となる場合もある。
【1554】
ヘルペス感染の治療は、主に症状の発生を解消することを目的とし、全身性抗ウイルス
剤、例えば、アシクロビル(例えば、Zovirax(登録商標))、バラシクロビル、
ファムシクロビル、ペンシクロビル、及び塗り薬、例えばドコサノール(Abreva(
登録商標))、トロマンタジン及びzilactinが挙げられる。ヘルペスの潜伏感染
の排除は、大きな臨床的利益となろう。治療的利点のため、本発明の抗体をヘルペスウイ
ルス感染の標準的治療と併用することができる。
【1555】
別の実施形態では、感染はヒトT-リンパ球向性ウイルス(HTLV-1、HTLV-
2)である。HTLVは、性的接触、授乳、又は汚染血液への曝露によって感染する。ウ
イルスは、Th1細胞を活性化し、その結果、過剰増殖とTh1関連サイトカイン(例え
ば、IFN-γ及びTNF-α)の過剰産生を起こす。このことが、次に、Th2リンパ
球の抑制、及びTh2サイトカイン(例えば、IL-4、IL-5、IL-10及びIL
-13)産生の低下につながり、感染した宿主の、その排除にTh2依存的応答を必要と
する、侵入する有機体に対する適切な免疫応答を備える能力(例えば、寄生虫感染、粘膜
性及び液性抗体の産生)を低下させる原因となる。
【1556】
HTLV感染は、気管支拡張症、皮膚炎、並びに、多微生物性敗血症による死亡に至る
、スタフィロコッカス種及びストロンギロイデス種の重感染をもたらす日和見感染につな
がる。HTLV感染はまた、成人T細胞性白血病/リンパ腫、及び、HAM/TSPとし
て知られる進行性脱髄性上位運動ニューロン疾患に直結する場合もある。HTLV潜伏感
染の排除は、大きな臨床的利益となろう。治療的利点のため、本発明の抗体をHTLV感
染の標準的治療と併用することができる。
【1557】
別の実施形態では、感染はヒトパピローマウイルス(HPV)である。HPVは、主に
ケラチノサイトに作用し、皮膚と生殖器の2つの形態で起こる。感染は、直接接触及び/
又は性的行為によって起こると考えられる。皮膚及び生殖器両方のHPV感染は、疣贅、
及び、潜伏感染と時には再発性感染の原因となる場合があり、症状を制御し、疣贅の出現
を防ぐ宿主免疫によって制御されるが、宿主は他のものに対する感染力を有したままであ
る。
【1558】
HPVによる感染により、子宮頸部、肛門、外陰部、陰茎及び中咽頭癌などの特定の癌
に至る場合もある。HPV感染に対する既知の治療法はないが、現在の治療は、イミキモ
ドの経皮適応であり、これにより、影響された領域を攻撃するための免疫システムを刺激
する。HPV潜伏感染の排除は、大きな臨床的利益となろう。治療的利点のため、本発明
の抗体をHPV感染の標準的治療と併用することができる。
【1559】
細菌感染
本発明の抗体で治療され得る感染を引き起こす病原菌のいくつかの例として、梅毒、ク
ラミジア、リケッチア菌、マイコバクテリア、スタフィロコッカス、ストレプトコッカス
、肺炎球菌(pneumonococci)、髄膜炎菌及び淋菌(conococci)、クレブシエラ、プロテ
ウス、セラチア、シュードモナス、レジオネラ、ジフテリア、サルモネラ、バシラス、コ
レラ、テタヌス、ボツリヌス、炭疽菌、ペスト、レプトスピラ、及びライム病菌が挙げら
れる。本発明の抗体を、上記感染に対する既存の治療法と併用して使用できる。例えば、
梅毒の治療として、ペニシリン(例えば、ペニシリンG.)、テトラサイクリン、ドキシ
サイクリン、セフトリアキソン及びアジスロマイシンが挙げられる。
【1560】
ボレリア・ブルグドルフェリによって起こるライム病は、ダニ咬傷によってヒトに感染
する。この疾患は、初期は局所的な発疹として、後に、倦怠感、発熱、頭痛、頚硬直及び
関節痛などのインフルエンザ様症状として現れる。後の症状発現には、移動性及び多発性
関節炎、脳神経麻痺及び神経根症、心筋炎及び不整脈を伴う神経及び心臓障害を含み得る
。ライム病の一部の症例は持続的になり、第3期梅毒に類似する不可逆的損傷の原因とな
る。ライム病の既存療法は、主に抗生物質の投与を含む。抗生物質耐性株は、ヒドロキシ
クロロキン又はメトトレキサートで治療できる。神経障害性疼痛を有する抗生物質治療不
応性患者は、ガバペンチンで治療できる。ミノサイクリンは、神経性又は多の炎症性症状
発現を伴う遅発性/慢性ライム病に有用な場合がある。
【1561】
ボレリア症の他の形態、例えば、B.recurentis、B.hermsii、B
.turicatae、B.parikeri、B.hispanica、B.dutt
onii and B.persica、並びに、レプトスピラ(例えば、L.inte
rrogans)に起因するものは、典型的には、血中力価が肝内閉塞を起こす濃度に達
した場合を除いて自然に消滅する。
【1562】
真菌及び寄生生物
本発明の抗体で治療され得る感染を引き起こす病原性真菌のいくつかの例として、カン
ジダ(albicans、krusei、glabrata、tropicalisなど
)、クリプトコックス・ネオフォルマンス、アスペルギルス(fumigatus、ni
gerなど)、属ケカビ目(mucor、absidia、rhizophus)、スポ
ロトリックス・シェンキイ、ブラストミセス・デルマチチジス、パラコクシディオイデス
・ブラジリエンシス、コクシディオイデス・イミチス及びヒストプラズマ・カプスラーツ
ムが挙げられる。
【1563】
本明細書に記載される本発明の抗体で治療可能な感染を引き起こす病原性寄生生物のい
くつかの例として、赤痢アメーバ、大腸バランチジウム、フォーラーネグレリア、アカン
トアメーバ種、ランブル鞭毛虫、クリプトスポリジウム種、ニューモシスチス・カリニ、
マラリア病原虫、ネズミバベシア、トリパノソーマ・ブルセイ、トリパノソーマ・クルー
ジ、ドノバンリーシュマニア、トクソプラズマ・ゴンディイ、及びネズミ絨毛線虫が挙げ
られる。
【1564】
診断的利用及びキット
キット
本発明はまた、本発明のPD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含むキット
も提供する。
【1565】
本発明はまた、本発明のTIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含むキッ
トも提供する。
【1566】
本発明はまた、PD-1に特異的に結合する第1ドメインとTIM-3に特異的に結合
する第2ドメインとを含む、本発明の二重特異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗
体を含むキットも提供する。
【1567】
キットは、治療的用途で、及び診断用キットとして使用してよい。
【1568】
キットを使用して、生体サンプル中のPD-1、TIM-3、又はPD-1及びTIM
-3の存在を検出できる。
【1569】
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載される本発明の抗体と、抗体を検
出するための試薬と、を含む。キットは、使用説明書;他の試薬、例えば、標識、治療薬
、又は、抗体を標識若しくは治療薬にキレート化、ないしは別の方法で連結するのに有用
な薬剤、又は、放射線防護組成物;投与用に抗体を調製するためのデバイス又はその他材
料;医薬的に許容可能な担体;並びに、対象に投与するためのデバイス又はその他材料な
どの、1つ又は2つ以上の他の構成要素を含んでよい。
【1570】
いくつかの実施形態では、キットは、容器中の本発明の抗体と、キットの使用説明書と
、を含む。
【1571】
いくつかの実施形態では、キット中の抗体は標識化されている。
【1572】
いくつかの実施形態では、キットは、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体
を含み、この抗体は、
配列番号41のVHと、配列番号49のVL、
配列番号41のVHと、配列番号50のVL、
配列番号42のVHと、配列番号51のVL、
配列番号42のVHと、配列番号52のVL、
配列番号42のVHと、配列番号53のVL、
配列番号43のVHと、配列番号49のVL、
配列番号43のVHと、配列番号54のVL、
配列番号43のVHと、配列番号50のVL、
配列番号43のVHと、配列番号55のVL、
配列番号43のVHと、配列番号56のVL、
配列番号43のVHと、配列番号57のVL、
配列番号44のVHと、配列番号49のVL、
配列番号45のVHと、配列番号49のVL、
配列番号46のVHと、配列番号49のVL、
配列番号47のVHと、配列番号49のVL、
配列番号48のVHと、配列番号53のVL、
配列番号48のVHと、配列番号52のVL、
配列番号48のVHと、配列番号56のVL、
配列番号47のVHと、配列番号58のVL、
配列番号47のVHと、配列番号59のVL、
配列番号45のVHと、配列番号60のVL、
配列番号45のVHと、配列番号61のVL、
配列番号45のVHと、配列番号62のVL、
配列番号63のVHと、配列番号65のVL、又は
配列番号64のVHと、配列番号65のVL、を含む。
【1573】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含
む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1574】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号64のVHと配列番号65のVLとを含
む、PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1575】
いくつかの実施形態では、キットは、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗
体を含み、この抗体は、
配列番号145のVHと、配列番号155のVL、
配列番号146のVHと、配列番号156のVL、
配列番号148のVHと、配列番号157のVL、
配列番号147のVHと、配列番号155のVL、
配列番号149のVHと、配列番号158のVL、
配列番号150のVHと、配列番号159のVL、
配列番号151のVHと、配列番号160のVL、
配列番号152のVHと、配列番号161のVL、
配列番号153のVHと、配列番号162のVL、
配列番号154のVHと、配列番号163のVL、又は
配列番号172のVHと、配列番号173のVL、を含む。
【1576】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号146のVHと配列番号156のVLと
を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1577】
いくつかの実施形態では、キットは、配列番号172のVHと配列番号173のVLと
を含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体を含む。
【1578】
いくつかの実施形態では、キットは、HC1、LC1、HC2及びLC2を含む二重特
異性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体を含み、このHC1、LC1、HC2及び
LC2は、
それぞれ、配列番号186、188、190及び193、
それぞれ、配列番号186、188、191及び194、
それぞれ、配列番号187、189、190及び193、
それぞれ、配列番号187、189、191及び194、
それぞれ、配列番号186、188、192及び195、
それぞれ、配列番号186、188、248及び194、
それぞれ、配列番号241、188、244及び195、
それぞれ、配列番号241、188、245及び194、
それぞれ、配列番号242、189、246及び194、
それぞれ、配列番号243、188、246及び194、又は
それぞれ、配列番号243、188、247及び195である。
【1579】
PD-1、TIM-3又はPD-1及びTIM-3の検出方法
本発明はまた、サンプルを入手することと、サンプルを本発明のPD-1に特異的に結
合するアンタゴニスト抗体と接触させることと、サンプル中のPD-1に結合した抗体を
検出することと、を含む、サンプル中のPD-1を検出する方法も提供する。
【1580】
本発明はまた、サンプルを入手することと、サンプルを本発明のTIM-3に特異的に
結合するアンタゴニスト抗体と接触させることと、サンプル中のTIM-3に結合した抗
体を検出することと、を含む、サンプル中のTIM-3を検出する方法も提供する。
【1581】
本発明はまた、サンプルを入手することと、サンプルを、PD-1に特異的に結合する
第1ドメインとTIM-3に特異的に結合する第2ドメインとを含む、本発明の二重特異
性PD-1/TIM-3アンタゴニスト抗体と接触させることと、サンプル中のPD-1
及びTIM-3に結合した抗体を検出することと、を含む、サンプル中のPD-1及びT
IM-3を検出する方法も提供する。
【1582】
いくつかの実施形態では、サンプルは、尿、血液、血清、血漿、唾液、腹水、循環細胞
、循環腫瘍細胞、組織会合していない細胞(すなわち、遊離細胞)、組織(例えば、外科
手術的に切除された腫瘍組織、微小針吸引を含む生検)、組織学的調製物などから得るこ
とができる。
【1583】
PD-1、TIM-3又はPD-1及びTIM-3に結合した本発明の抗体は、既知の
方法を用いて検出できる。代表的な方法として、蛍光若しくは化学発光標識、又は放射線
標識を用いる抗体の直接標識化、又は、本発明の抗体への、ビオチン、酵素若しくはエピ
トープタグなどの容易に検出可能な部分の付加が挙げられる。代表的な標識及び部分は、
ルテニウム、111In-DOTA、111In-ジエチレントリアミン五酢酸(DTP
A)、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、及びβ-ガラクトシダー
ゼ、ポリヒスチジン(HISタグ)、アクリジン染料、シアニン染料、フルオロン染料、
オキサジン染料、フェナントリジン染料、ローダミン染料、Alexafluor(登録
商標)染料である。
【1584】
本発明の抗体を様々なアッセイ中で用いて、サンプル中のPD-1、TIM-3又はP
D-1及びTIM-3を検出できる。代表的なアッセイは、ウェスタンブロット分析、ラ
ジオイムノアッセイ、表面プラズモン共鳴、免疫沈澱法、平衡透析法、免疫拡散法、電気
化学発光(ECL)免疫アッセイ、免疫組織化学法、蛍光発色細胞選別(FACS)又は
ELISAアッセイである。
【1585】
本発明の更なる実施形態:PD-1に特異的に結合する抗体
以下に、本明細書の他の箇所の開示に従う、本発明の更なる実施形態を列挙する。本明
細書に開示される本発明に関連するものとして上述された本発明の実施形態の特徴は、こ
れらの番号付けされた更なる実施形態のうちの1つ1つにもまた関係する。
【1586】
1)それぞれ配列番号82、83及び84、又は、それぞれ配列番号82、83及び8
5の重鎖相補性決定領域(HCDR)1(HCDR1)、2(HCDR2)及び3(HC
DR3)アミノ酸配列を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
2)それぞれ配列番号86、87及び88の軽鎖相補性決定領域(LCDR)1(LC
DR1)、2(LCDR2)及び3(LCDR3)アミノ酸配列を含む、実施形態1に記
載の抗体。
3)抗体が、次の特性:
a)抗原特異的CD4又はCD8 T細胞の活性化を用量依存的に増強し、この
とき活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CM
Vアッセイ)を用いて測定される、
b)ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K)で結合し、このときK
は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
c)ヒトPD-1に約1nM未満のKで結合し、このときKは、ProteOn
XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
d)カニクイザルPD-1に約100nM未満のKで結合し、このときKは、P
roteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、又は、
e)カニクイザルPD-1に約1nM未満のKで結合し、
このときKは、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される
、のうちの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つを有する、実施形態1又は2に記載の抗体。
4)配列番号41、42、43、44、45、46、47又は48のアミノ酸配列を有
する重鎖可変領域(VH)内に含まれるHCDR1、HCDR2及びHCDR3を含み、
HCDRが、Chothia、Kabat、又はIMGTによって決定される、実施形態
1~3のいずれか1つに記載の抗体。
5)配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、
60、61又は62のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域(VL)内に含まれるLCDR
1、LCDR2及びLCDR3を含み、LCDRが、Chothia、Kabat、又は
IMGTによって決定される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の抗体。
6)
a)配列番号10、11又は12のHCDR1と、
b)配列番号13、14又は15のHCDR2と、
c)配列番号16、17、18又は19のHCDR3と、を含む、実施形態1~5の
いずれか1つに記載の抗体。
7)
a)配列番号20、21、22、23、24又は25のLCDR1と、
b)配列番号26、27、28、29又は30のLCDR2と、
c)配列番号31、32、33、34、35、36、37、38、39、又は40の
LCDR3と、を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗体。
8)抗体が、VH1-69(配列番号170)由来の重鎖フレームワークと、IGKV
3-11(配列番号171)由来の軽鎖フレームワークと、を含む、実施形態1~7のい
ずれか1つに記載の抗体。
9)
a)それぞれ、配列番号10、13及び16、
b)それぞれ、配列番号10、14及び16、
c)それぞれ、配列番号10、13及び17、
d)それぞれ、配列番号10、13及び18、
e)それぞれ、配列番号11、15及び18、
f)それぞれ、配列番号10、13及び19、
g)それぞれ、配列番号12、13及び19、
h)それぞれ、配列番号10、13及び16、又は
i)それぞれ、配列番号10、14及び17のHCDR1、HCDR2及びHCDR
3を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の抗体。
10)
a)それぞれ、配列番号20、26及び31、
b)それぞれ、配列番号21、26及び32、
c)それぞれ、配列番号22、27及び33、
d)それぞれ、配列番号22、26及び34、
e)それぞれ、配列番号23、28及び35、
f)それぞれ、配列番号20、26及び36、
g)それぞれ、配列番号21、27及び37、
h)それぞれ、配列番号23、26及び32、
i)それぞれ、配列番号22、26及び32、
j)それぞれ、配列番号24、26及び38、
k)それぞれ、配列番号20、29及び39、
l)それぞれ、配列番号20、30及び32、
m)それぞれ、配列番号25、26及び40、
n)それぞれ、配列番号24、26及び32、又は
o)それぞれ、配列番号69、70及び71のLCDR1、LCDR2及びLCDR
3を含む、実施形態1~9のいずれか1つに記載の抗体。
11)それぞれ配列番号10、13、16、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
12)それぞれ配列番号10、13、16、21、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
13)それぞれ配列番号10、14、16、22、27及び33のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
14)それぞれ配列番号10、14、16、22、26及び34のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
15)それぞれ配列番号10、14、16、23、28及び35のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
16)それぞれ配列番号10、13、17、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
17)それぞれ配列番号10、13、17、20、26及び36のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
18)それぞれ配列番号10、13、17、21、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
19)それぞれ配列番号10、13、17、21、27及び37のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
20)それぞれ配列番号10、13、17、23、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
21)それぞれ配列番号10、13、17、22、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
22)それぞれ配列番号10、13、18、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
23)それぞれ配列番号11、15、18、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
24)それぞれ配列番号10、13、19、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
25)それぞれ配列番号12、13、19、20、26及び31のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
26)それぞれ配列番号10、14、17、23、28及び35のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
27)それぞれ配列番号10、14、17、22、26及び34のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
28)それぞれ配列番号10、14、17、23、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
29)それぞれ配列番号12、13、19、24、26及び38のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
30)それぞれ配列番号12、13、19、20、29及び39のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
31)それぞれ配列番号11、15、18、20、30及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
32)それぞれ配列番号11、15、18、25、26及び40のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
33)それぞれ配列番号11、15、18、24、26及び32のHCDR1、HCD
R2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む、実施形態1~10の
いずれか1つに記載の抗体。
34)配列番号41、42、43、44、45、46、47又は48の重鎖可変領域(
VH)を含み、VHが、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
1、12、13、14、又は15個の保存的アミノ酸置換を有する、実施形態1~33の
いずれか1つに記載の抗体。
35)配列番号49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59
、60、61又は62の軽鎖可変領域(VL)を含み、VLが、任意追加的に、1、2、
3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個の保存的アミ
ノ酸置換を有する、実施形態1~34のいずれか1つに記載の抗体。
36)配列番号41のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
37)配列番号41のVHと配列番号50のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
38)配列番号42のVHと配列番号51のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
39)配列番号42のVHと配列番号52のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
40)配列番号42のVHと配列番号53のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
41)配列番号43のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
42)配列番号43のVHと配列番号54のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
43)配列番号43のVHと配列番号50のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
44)配列番号43のVHと配列番号55のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
45)配列番号43のVHと配列番号56のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
46)配列番号43のVHと配列番号57のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
47)配列番号44のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
48)配列番号45のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
49)配列番号46のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
50)配列番号47のVHと配列番号49のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
51)配列番号48のVHと配列番号53のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
52)配列番号48のVHと配列番号52のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
53)配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
54)配列番号47のVHと配列番号58のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
55)配列番号47のVHと配列番号59のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
56)配列番号45のVHと配列番号60のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
57)配列番号45のVHと配列番号61のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
58)配列番号45のVHと配列番号62のVLとを含み、VH、VL又はVH及びV
Lの両方が、任意追加的に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
13、14、又は15個のアミノ酸置換を含む、実施形態1~35のいずれか1つに記載
の抗体。
59)それぞれ配列番号66、67、68、69、70及び71の、HCDR1、HC
DR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3のアミノ酸配列を含む、P
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
60)抗体が、配列番号63のVH及び配列番号65のVL、又は、配列番号64のV
H及び配列番号65のVLを含む、実施形態59に記載の抗体。
61)抗体が、ヒト又はヒト化である、実施形態1~60のいずれか1つに記載の抗体

62)抗体が、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4アイソタイプである、実施
形態1~61のいずれか1つに記載の抗体。
63)抗体Fc中に、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を含む、
実施形態1~62のいずれか1つに記載の抗体。
64)1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換の結果、抗体の半減期が
延長する、実施形態1~63のいずれか1つに記載の抗体。
65)M252Y、S254T及びT256E置換を含み、残基付番がEUインデック
スに準拠する、実施形態1~64のいずれか1つに記載の抗体。
66)1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換の結果、活性化Fcγ受
容体(FcγR)に対する抗体の結合を低下させる、実施形態1~65のいずれか1つに
記載の抗体。
67)活性化FcγRが、FcγRI、FcγRIIa、FcγRIIIa、又はFc
γRIIIbである、実施形態1~66のいずれか1つに記載の抗体。
68)
a)L234A、L235A、G237A、P238S、H268A、A330S及
びP331S置換、
b)V234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S及
びP331S置換、
c)F234A、L235A、G237A、P238S及びQ268A置換、
d)L234A、L235A又はL234A及びL235A置換、
e)F234A、L235A又はF234A及びL235A置換、又は
f)V234A置換を含み、残基付番がEUインデックスに準拠する、実施形態1~
67のいずれか1つに記載の抗体。
69)S228P置換を含み、残基付番がEUインデックスに準拠する、実施形態1~
68のいずれか1つに記載の抗体。
70)抗体が二重特異性である、実施形態1~69のいずれか1つに記載の抗体。
71)抗体が、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、CEACAM-1
、CEACAM-5、OX-40、GITR、CD27、VISTA又はCTLA-4に
特異的に結合する、実施形態70に記載の抗体。
72)治療薬又は造影剤に結合させた実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体又
はその抗原結合部分を含む免疫複合体。
73)実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体又は実施形態72に記載の免疫複
合体と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
74)実施形態34に記載の抗体VH、実施形態35に記載の抗体VL、又は、実施形
態34若しくは35に記載の抗体VH及び抗体VLをコードする、ポリヌクレオチド。
75)実施形態60に記載の抗体VH、抗体VL、又は、抗体VH及び抗体VLをコー
ドする、ポリヌクレオチド。
76)実施形態74又は75に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
77)実施形態76に記載のベクターを含む、宿主細胞。
78)実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体の産生方法であって、抗体が発現
される条件下で実施形態77に記載の宿主細胞を培養することと、宿主細胞より産生され
た抗体を回収することと、を含む、方法。
79)癌の治療に使用するための、実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体、実
施形態72に記載の免疫複合体、又は実施形態73に記載の医薬組成物。
80)癌が、固形腫瘍又は血液悪性疾患である、実施形態79に記載の使用のための抗
体、免疫複合体又は医薬組成物。
81)固形腫瘍が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮
NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌、卵巣癌、胃部癌、肝癌
、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌
、尿道癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌、又は、癌の転移巣である、実施形態80
に記載の使用のための抗体、免疫複合体又は医薬組成物。
82)血液悪性疾患が、リンパ腫、骨髄腫又は白血病である、実施形態80に記載の使
用のための抗体、免疫複合体又は医薬組成物。
83)対象における免疫応答の増強に使用するための、実施形態1~71のいずれか1
つに記載の抗体、実施形態72に記載の免疫複合体、又は実施形態73に記載の医薬組成
物。
84)対象が、癌又はウイルス感染を有する、実施形態83に記載の使用のための抗体
、免疫複合体又は医薬組成物。
85)第2の治療薬と併用する、実施形態70~84のいずれか1つに記載の使用のた
めの、実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体、実施形態72に記載の免疫複合体
、又は実施形態73に記載の医薬組成物。
86)第2の治療薬が、固形腫瘍又は血液悪性疾患の標準治療薬(standard of care d
rug)である、実施形態85に記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記
載の抗体。
87)第2の治療薬が、T細胞活性化分子のアゴニストである、実施形態85又は86
に記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
88)T細胞活性化分子が、CD86、CD80、CD28、ICOS、ICOSリガ
ンド、TMIGD2、CD40、TL1A、GITRリガンド、4-1BBリガンド、O
X40リガンド、CD70、CD40L、TNFRSF25、LIGHT、GITR、O
X-40、CD27、CD137、NKG2D、CD48、CD226又はMICAであ
る、実施形態85~87のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれ
か1つに記載の抗体。
89)アゴニストが、T細胞活性化分子に特異的に結合する抗体である、実施形態85
~88のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗
体。
90)第2の治療薬が、T細胞阻害分子の阻害剤である、実施形態85又は86に記載
の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
91)T細胞阻害分子が、PD-1、PD-L1、PD-L2、VISTA、BTNL
2、B7-H3、B7-H4、HVEM、HHLA2、CTLA-4、LAG-3、TI
M-3、BTLA、CD160、CEACAM-1、LAIR1、TGFβ、IL-10
、シグレックファミリー、KIR、CD96、TIGIT、NKG2A、CD112、C
D47、SIRPA又はCD244である、実施形態85、86又は90のいずれか1つ
に記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
92)阻害剤又はT細胞阻害分子が、T細胞阻害分子に特異的に結合する抗体である、
実施形態85、86、90又は91のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~7
1のいずれか1つに記載の抗体。
93)抗体が、TIM-3に特異的に結合し、TIM-3のガレクチン-9への結合を
阻害する、実施形態85、86又は90~92のいずれか1つに記載の使用のための実施
形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
94)T細胞阻害分子に特異的に結合する抗体が、
a)それぞれ、配列番号145及び155、
b)それぞれ、配列番号146及び156、
c)それぞれ、配列番号148及び157、
d)それぞれ、配列番号147及び155、
e)それぞれ、配列番号149及び158、
f)それぞれ、配列番号150及び159、
g)それぞれ、配列番号151及び160、
h)それぞれ、配列番号152及び161、
i)それぞれ、配列番号153及び162、又は
j)それぞれ、配列番号154及び163のVH及びVLを含む、実施形態85、8
6又は90~93のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つ
に記載の抗体。
95)第2の治療薬が、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態85に記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
96)第2の治療薬がワクチンである、実施形態85に記載の使用のための実施形態1
~71のいずれか1つに記載の抗体。
97)ワクチンが、腫瘍細胞上で発現するポリペプチド若しくはその断片、又は、ポリ
ペプチド若しくはその断片をコードするDNA若しくはRNAである、実施形態85又は
96に記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
98)腫瘍細胞が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮
NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、卵巣癌、胃部癌、肝癌、膵臓
癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌、食道若しくは胃腸管の癌腫、又は乳癌細胞である、
実施形態85、96又は97のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のい
ずれか1つに記載の抗体。
99)ポリペプチドが、PSMA、メソセリン、EGFR又はEGFRvIIIである
、実施形態85又は96~98のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71の
いずれか1つに記載の抗体。
100)第2の治療薬が、同時に、順次、又は別々に投与される、実施形態85~99
のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
101)対象が、放射線療法で治療される、又は治療されている、実施形態79~10
0のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
102)患者が、手術を受けた、又は受ける予定である、実施形態79~101のいず
れか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つに記載の抗体。
103)単離された抗体が、配列番号41のVHと配列番号49のVLとを含む、実施
形態79~102のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つ
に記載の抗体。
104)単離された抗体が、それぞれ配列番号10、14、17、23、26及び32
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、実施形態79~102のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれ
か1つに記載の抗体。
105)単離された抗体が、それぞれ配列番号66、67、68、69、70及び71
のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む
、実施形態79~102のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれ
か1つに記載の抗体。
106)単離された抗体が、配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含む、実施
形態79~102のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つ
に記載の抗体。
107)単離された抗体が、配列番号64のVHと配列番号65のVLとを含む、実施
形態79~102のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~71のいずれか1つ
に記載の抗体。
108)それぞれ配列番号10、14及び17のHCDR1、HCDR2及びHCDR
3を含むVHをコードする、ポリヌクレオチド。
109)それぞれ配列番号23、26及び32のLCDR1、LCDR2及びLCDR
3を含むVLをコードする、ポリヌクレオチド。
110)それぞれ配列番号10、14及び17のHCDR1、HCDR2及びHCDR
3を含むVHと、それぞれ配列番号23、26及び32のLCDR1、LCDR2及びL
CDR3を含むVLと、をコードする、ポリヌクレオチド。
111)配列番号48のアミノ酸配列を含むVHをコードする、ポリヌクレオチド。
112)配列番号56のアミノ酸配列を含むVLをコードする、ポリヌクレオチド。
113)配列番号48のアミノ酸配列を含むVHと、配列番号56のアミノ酸配列を含
むVLと、をコードする、ポリヌクレオチド。
114)実施形態108に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
115)実施形態109に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
116)実施形態110に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
117)実施形態111に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
118)実施形態112に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
119)実施形態113に記載のポリヌクレオチドベクターを含む、ベクター。
120)実施形態114に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
121)実施形態115に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
122)実施形態116に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
123)実施形態117に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
124)実施形態118に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
125)実施形態119に記載のベクターによるベクターを含む、宿主細胞。
126)配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含む抗体の産生方法であって、
抗体が発現される条件下で実施形態125に記載の宿主細胞を培養することと、宿主細胞
より産生された抗体を回収することと、を含む、方法。
127)治療薬又は造影剤に結合させた、配列番号48のVHと配列番号56のVLと
を含む抗体又は抗体の抗原結合部分を含む、免疫複合体。
128)配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含む抗体と、医薬的に許容され
る担体と、を含む、医薬組成物。
129)癌の治療で使用するための、それぞれ配列番号10、14、17、23、26
及び32の、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCD
R3を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
130)抗体が、配列番号48のVHと配列番号56のVLとを含む、実施形態129
に記載の使用のための、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
131)癌が固形腫瘍である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
132)固形腫瘍が黒色腫である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
133)固形腫瘍が肺癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD
-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
134)固形腫瘍が扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)である、実施形態129又は
130に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体

135)固形腫瘍が非扁平上皮NSCLCである、実施形態129又は130に記載の
使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
136)固形腫瘍が結腸直腸癌である、実施形態129又は130に記載の使用のため
のPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
137)固形腫瘍が前立腺癌である、実施形態129又は130に記載の使用のための
PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
138)固形腫瘍が去勢抵抗性前立腺癌である、実施形態129又は130に記載の使
用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
139)固形腫瘍が胃癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD
-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
140)固形腫瘍が卵巣癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
141)固形腫瘍が胃部癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
142)固形腫瘍が肝癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD
-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
143)固形腫瘍が膵臓癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
144)固形腫瘍が甲状腺癌である、実施形態129又は130に記載の使用のための
PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
145)固形腫瘍が頭頸部の扁平上皮癌である、実施形態129又は130に記載の使
用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
146)固形腫瘍が食道又は胃腸管の癌腫である、実施形態129又は130に記載の
使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
147)固形腫瘍が乳癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD
-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
148)固形腫瘍が卵管癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
149)固形腫瘍が脳癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのPD
-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
150)固形腫瘍が尿道癌である、実施形態129又は130に記載の使用のためのP
D-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
151)固形腫瘍が尿生殖器癌である、実施形態129又は130に記載の使用のため
のPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
152)固形腫瘍が子宮内膜症である、実施形態129又は130に記載の使用のため
のPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
153)固形腫瘍が子宮頸癌である、実施形態129又は130に記載の使用のための
PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
154)固形腫瘍が癌の転移巣である、実施形態129又は130に記載の使用のため
のPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
155)第2の治療薬と併用する、実施形態131に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
156)第2の治療薬と併用する、実施形態132に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
157)第2の治療薬と併用する、実施形態133に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
158)第2の治療薬と併用する、実施形態134に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
159)第2の治療薬と併用する、実施形態135に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
160)第2の治療薬と併用する、実施形態135に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
161)第2の治療薬と併用する、実施形態137に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
162)第2の治療薬と併用する、実施形態138に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
163)第2の治療薬と併用する、実施形態139に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
164)第2の治療薬と併用する、実施形態140に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
165)第2の治療薬と併用する、実施形態141に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
166)第2の治療薬と併用する、実施形態142に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
167)第2の治療薬と併用する、実施形態143に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
168)第2の治療薬と併用する、実施形態144に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
169)第2の治療薬と併用する、実施形態145に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
170)第2の治療薬と併用する、実施形態146に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
171)第2の治療薬と併用する、実施形態147に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
172)第2の治療薬と併用する、実施形態148に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
173)第2の治療薬と併用する、実施形態149に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
174)第2の治療薬と併用する、実施形態150に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
175)第2の治療薬と併用する、実施形態151に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
176)第2の治療薬と併用する、実施形態152に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
177)第2の治療薬と併用する、実施形態153に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
178)第2の治療薬と併用する、実施形態154に記載の使用のためのPD-1に特
異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
179)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態155に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
180)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態156に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
181)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態157に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
182)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態158に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
183)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態159に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
184)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態160に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
185)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態161に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
186)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態162に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
187)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態163に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
188)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態164に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
189)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態165に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
190)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態166に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
191)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態167に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
192)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態168に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
193)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態169に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
194)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態170に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
195)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態171に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
196)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態172に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
197)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態173に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
198)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態174に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
199)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態175に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
200)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態176に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
201)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態177に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
202)第2の治療薬が、配列番号146のVHと配列番号156のVLとを含むTI
M-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体である、実施形態178に記載の使用のた
めのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
203)第2の治療薬がワクチンである、実施形態155に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
204)第2の治療薬がワクチンである、実施形態156に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
205)第2の治療薬がワクチンである、実施形態157に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
206)第2の治療薬がワクチンである、実施形態158に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
207)第2の治療薬がワクチンである、実施形態159に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
208)第2の治療薬がワクチンである、実施形態160に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
209)第2の治療薬がワクチンである、実施形態161に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
210)第2の治療薬がワクチンである、実施形態162に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
211)第2の治療薬がワクチンである、実施形態163に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
212)第2の治療薬がワクチンである、実施形態164に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
213)第2の治療薬がワクチンである、実施形態165に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
214)第2の治療薬がワクチンである、実施形態166に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
215)第2の治療薬がワクチンである、実施形態167に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
216)第2の治療薬がワクチンである、実施形態168に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
217)第2の治療薬がワクチンである、実施形態169に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
218)第2の治療薬がワクチンである、実施形態170に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
219)第2の治療薬がワクチンである、実施形態171に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
220)第2の治療薬がワクチンである、実施形態172に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
221)第2の治療薬がワクチンである、実施形態173に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
222)第2の治療薬がワクチンである、実施形態174に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
223)第2の治療薬がワクチンである、実施形態175に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
224)第2の治療薬がワクチンである、実施形態176に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
225)第2の治療薬がワクチンである、実施形態177に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
226)第2の治療薬がワクチンである、実施形態178に記載の使用のためのPD-
1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体。
227)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態155に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
228)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態156に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
229)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態157に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
230)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態158に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
231)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態159に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
232)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態160に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
233)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態161に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
234)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態162に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
235)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態163に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
236)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態164に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
237)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態165に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
238)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態166に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
239)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態167に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
240)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態168に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
241)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態169に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
242)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態170に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
243)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態171に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
244)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態172に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
245)第2の治療薬が線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤である、実施形
態173に記載の使用のためのPD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗
体。
【1587】
次に、本発明を以下の特定の非限定的な実施例を参照して説明する。
【実施例
【1588】
実施例1.一般法
精製ヒト混合リンパ球反応(MLR)
精製ヒト混合リンパ球反応(MLRアッセイ)を用いて、試験抗体をCD4 T細胞
及び樹状細胞の共培養物に添加することによって誘導される、サイトカイン産生の変化を
測定した。
【1589】
末梢血単核球(PBMC)を、Ficollによる勾配を用いて、leukopak(
Biological Specialty Corporation)から単離した。
次に、CD4 T細胞を、Miltenyi AutoMACS及びCD4 T細胞
単離ビーズを製造元による説明書に従って用いて、PBMCからネガティブセレクション
によって新たに単離した、又は、市販の凍結CD4 T細胞(Hemacare Co
rporation)を購入した。1人の樹状細胞ドナー(Hemacare Corp
oration)を使用した。単離又は解凍後、CD4 T細胞及び樹状細胞を洗浄し
、アッセイ用培地(RMPI1640培地、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/スト
レプトマイシン、1×非必須アミノ酸、及び1×ピルビン酸ナトリウム添加-Invit
rogen)に再懸濁した。精製ヒトCD4 T細胞を、1×10個/mLに希釈し
、100,000個/100μL/ウェルで播種した。樹状細胞を、0.1×10個/
mLに希釈し、5,000個/50μL/U底プレートのウェルで播種した。試験抗体又
は対照抗体をアッセイ用培地中4×濃度で調製し、50μLの抗体が150μLの細胞に
添加されると1×になるようにした。
【1590】
試験又は対照抗体の10段階希釈液を、最終濃度30、10、3.33、1.11、0
.37、0.12、0.04、0.01、0.0046及び00015nMでウェルに加
えた。CD4 T細胞+樹状細胞、及び樹状細胞のみを対照として加え、基準のサイト
カイン分泌を測定した。細胞を、37℃、5% COで5日間維持した。5日目、10
0μLの組織培養上清を培養プレートから除去し、V底プレートに移した。上清を、少な
くとも一晩、-80℃にて凍結した。Meso Scale Discovery(MS
D)Th1/Th2ヒトサイトカイン10-plexプレートを製造元による手順に従っ
て用いて、組織培養上清中の累積サイトカイン産生を測定した。簡潔に言えば、MSDプ
レートを、1%ブロッカーBを用いて、一晩4℃にてブロッキングした。翌日、ブロッカ
ーを除き、プレートをBiotek 406プレート洗浄液を用いて洗浄した。8点の標
準曲線を調製し、二つ組でプレートに加えた。解凍した組織培養上清を25μL/ウェル
で加え、プレートに封をして、1.5時間激しく振盪した。標準液又は上清を除かずに、
25μLの検出抗体を各ウェルに加えた。プレートに封をして、1.5時間激しく振盪し
た。プレートを洗浄してリードバッファーを加え、Meso Scale Discov
eryプレートリーダーを用いてプレートを読み取った。
【1591】
サイトカイン濃度をMSDソフトウェアによって計算した。未知のサンプル中のサイト
カイン濃度は、未知サンプルの出力シグナルを、標準曲線中の出力シグナル及び既知のサ
イトカイン濃度と比較することによって計算する。計算した濃度を、可視化のためにSp
otfire TIBCOソフトウェアにアップロードした。データの目視検査後、閾値
3.5でMAD-中央値異常値法を用いて、ログ変換データ上で異常値を同定し、除外し
た。半数効果濃度のロバスト解析(Robust EC50)を、各抗体の各サイトカイ
ンについて行った。
【1592】
CMVアッセイ
サイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて、試験抗体を
、CMV全抗原(PD-1抗体用)又は65kdのリンタンパク質(pp65)全体にオ
ーバーラップする138種の15マーペプチドのプール(TIM-3 mAb及びPD1
/TIM-3二重特異性mAb用)を有する末梢血単核球(PBMC)の培養物に添加す
ることによって誘導される、サイトカイン産生の変化を測定した。
【1593】
解凍後、PBMC(Astarte Biologics及びHemcare Cor
poration)を洗浄し、アッセイ用培地(RMPI1640培地、10%ウシ胎児
血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン、1×非必須アミノ酸、及び1×ピルビン酸
ナトリウム添加-Invitrogen)に再懸濁した。PBMCを1.5×10個/
mLに希釈し、150,000個/100μL/ウェルで播種した。CMV抗原(Ast
arte Biologics)をアッセイ用培地中4×濃度である0.4μg/mLに
調製し、50μLの抗体が100μLの細胞と50μLの抗体に添加されると0.1μg
/mLになるようにした。抗体をアッセイ用培地中4×濃度で調製し、50μLの抗体が
細胞とペプチドに添加されると1×になるようにした。
【1594】
150~0.001nMの最終濃度に段階希釈した試験抗体を、ウェルに加えた。細胞
+CMV抗原又はpp65プール、細胞のみ、及び最終濃度50又は30nMに調製した
アイソタイプ対照を対照として加え、基準のサイトカイン分泌を測定した。細胞を、37
℃、5% COで6日間維持した。MSD分析には、6日目、100μLの組織培養上
清を培養プレートから除去し、V底プレートに移した。上清を、少なくとも一晩、-80
℃にて凍結した。Meso Scale Discovery(MSD)Th1/Th2
ヒトサイトカイン10-plexプレートを製造元による手順に従って用いて、組織培養
上清中の累積サイトカイン産生を測定した。簡潔に言えば、MSDプレートを、1%ブロ
ッカーBを用いて、一晩4℃にてブロッキングした。翌日、ブロッカーを除き、プレート
をBiotek 406プレート洗浄液を用いて洗浄した。8点の標準曲線を調製し、二
つ組でプレートに加えた。解凍した組織培養上清を25μL/ウェルで加え、プレートに
封をして、1.5時間激しく振盪した。標準液又は上清を除かずに、25μLの検出抗体
を各ウェルに加えた。プレートに封をして、1.5時間激しく振盪した。プレートを洗浄
してリードバッファーを加え、Meso Scale Discoveryプレートリー
ダーを用いてプレートを読み取った。
【1595】
サイトカイン濃度をMSDソフトウェアによって計算した。未知のサンプル中のサイト
カイン濃度は、未知サンプルの出力シグナルを、標準曲線中の出力シグナル及び既知のサ
イトカイン濃度と比較することによって計算する。計算した濃度を、可視化のためにSp
otfire TIBCOソフトウェアにアップロードした。データの目視検査後、閾値
3.5でMAD-中央値異常値法を用いて、ログ変換データ上で異常値を同定し、除外し
た。半数効果濃度のロバスト解析(Robust EC50)を、各抗体の各サイトカイ
ンについて行った。
【1596】
TIM-3抗体及びPD1/TIM-3二重特異性抗体については、6日目に上清をM
SD分析用に回収した後、細胞をPBSで1回洗浄し、続いて、Live/Deadの区
別と、CD3、CD4、CD8、CD137、PD-1及びTIM-3の細胞表面マーカ
ーについて染色した。LSR Fortessa(BD)でフローサイトメトリーを行っ
た。Flow Joソフトウェアを用いてデータを解析した。生存CMV-処理CD8+
CD4+細胞でのCD137+細胞を、Fluorescence Minus One
(FMO)法に基づいて同定した。
【1597】
連続処理実験では、pp65ペプチドプールによって6日間刺激し、CMVリコールア
ッセイを上記のように行った。6日目、上清を除去し、抗TIM-3抗体の存在下で細胞
をpp65プールで再刺激した。24時間後、上清を除去し、MSDによって、上記のよ
うにIFN-γレベルを測定した。
【1598】
PD-1リガンド阻害アッセイ
リガンド阻害アッセイのデザインは、MSD(Mescoscale Discove
ry)に基づくものとした。MSDプレートを、リガンド(cynoPDL1-ECD、
huPDL1-ECD又はhuPDL2-ECD)で直接コーティングし、一晩4℃でイ
ンキュベートした。翌日、コーティング溶液を除去し、プレートをブロッキングした。固
定濃度のビオチン化PD-1(huPD1-ECD)を、抗体、又は、陰性対照としての
アイソタイプ対照抗体と共に予備インキュベートした。試験する抗体パネルに応じて、濃
度設定しながら、又は固定濃度で、抗体の試験を行った。MSDプレートを洗浄し、ビオ
チン化PD-1/抗体混合物をリガンドでコーティングしたMSDプレートに加えた。プ
レートを洗浄し、リガンドに結合したビオチン化PD-1をルテニウム標識したストレプ
トアビジンによって検出した。抗体によるPD-1結合の阻害により、MSDアッセイに
おいてシグナル低下をもたらした。阻害剤非存在下における最大ビオチン化PD-1結合
を測定し、データを最大ビオチン化PD-1シグナルの割合に対して正規化するのに用い
る場合もあった。1つの濃度においてリガンド結合阻害に対して陽性であったmAbを、
様々なPD-1リガンドの阻害に対する用量反応についても試験した。
【1599】
ジャーカット細胞の結合
ジャーカット細胞を、20ng/mLのPHAで一晩刺激し、回収し、洗浄し、生存率
を確認した。続いて、細胞を、様々な濃度の試験抗体と共に6~10℃で45~60分間
インキュベートし、洗浄し、FITCで標識したヤギ抗ヒトIgGと共に6~10℃で4
5~60分間インキュベートした。細胞を洗浄し、BD Cytofixで固定し、一晩
冷蔵して、MACSQuantフローサイトメーターで分析した。各抗体濃度でのPD-
1陽性細胞の割合を、抗体のログ濃度に対してプロットし、PrismによってEC50
値を得た。
【1600】
親和性の測定
PD-1mAb
huPD1-ECD及びcynoPD-1-ECDに対する結合親和性について、抗P
D-1mAbの試験を行った。表面プラズモン共鳴(SPR)を用いる親和性測定を、P
roteOn XPR36システムを使用して行った。アミンカップリング化学反応につ
いての製造元の使用説明書を用い、抗IgG Fcの混合物を、GLCチップの加工アル
ギン酸ポリマー層表面にカップリングさせて、バイオセンサー表面を調製した。試験mA
bを捕捉し、PBS系バッファー中25℃での分析物(huPD1-ECD又はcyno
PD1-ECD)との相互作用をモニタリングした。収集したデータを処理し、ラングミ
ュア1:1結合モデルにフィットさせた。各mAbの結果を、kon(オン速度)、k
ff(オフ速度)及びK(平衡解離定数)の形式で報告した。
【1601】
TIM-3リガンド阻害アッセイ
96ウェルのWhite Maxisorpプレート(Nunc)のウェル当たり、P
BS中1μg/mLの組み換えヒトFc-TIM-3キメラ(R&D Systems-
カタログ#:2365-TM-05)を結合させることによって、TIM-3/ガレクチ
ン-9競合ELISAを行った。プレートを洗浄し、StartingBlock T2
0(Pierce)でブロッキングして、10μg/mL濃度の阻害剤をウェルに加えた
。洗浄せずに、7.5μg/mLのガレクチン-9をウェルに加え、30分間インキュベ
ートした。続いて、0.5μg/mLの抗ガレクチン-9-ビオチン抗体ポリクローナル
抗体(R&D Systems)を加え、30分間インキュベートした。プレートを洗浄
し、ニュートラアビジン-HRP-複合体(Pierce)を加え、プレートを更に45
分間インキュベートした。プレートを洗浄し、POD化学発光基質(Roche)をプレ
ートを読み取る直前に加え、ルミノメーターで発光度を読み取った。
【1602】
試験に使用する抗原の生成
標準的方法を用いて、クローニング、発現、及び抗原の精製を行った。様々なタンパク
質断片を、ヘキサヒスチジンタグ又はFc融合タンパク質として発現させた。使用したタ
ンパク質のタグ配列を含まないアミノ酸配列を、配列番号1~9、138及び89に示す
【1603】
完全長ヒトPD1(huPD1);配列番号1
PGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNT
SESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQ
LPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLR
AELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTLVVGVVGGLLG
SLVLLVWVLAVICSRAARGTIGARRTGQPLKEDPSAVPVF
SVDYGELDFQWREKTPEPPVPCVPEQTEYATIVFPSGMGT
SSPARRGSADGPRSAQPLRPEDGHCSWPL
【1604】
ヒトPD1の細胞外ドメイン(huPD1-ECD);配列番号2
PGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNT
SESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQ
LPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLR
AELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQTL
【1605】
Macaca fascicularis(カニクイザル、本明細書ではcynoと称
する)PD1(cPD1);配列番号3)
PGWFLESPDRPWNAPTFSPALLLVTEGDNATFTCSFSNA
SESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTR
LPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLR
AELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQALVVGVVGGLLG
SLVLLVWVLAVICSRAAQGTIEARRTGQPLKEDPSAVPVF
SVDYGELDFQWREKTPEPPAPCVPEQTEYATIVFPSGLGT
SSPARRGSADGPRSPRPLRPEDGHCSWPL
【1606】
cynoPD1の細胞外ドメイン(cPD1-ECD);配列番号4
PGWFLESPDRPWNAPTFSPALLLVTEGDNATFTCSFSNA
SESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTR
LPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLR
AELRVTERRAEVPTAHPSPSPRPAGQFQAL
【1607】
完全長ヒトPD-L1(huPD-L1);配列番号5
FTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLAALIVYW
EMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSYRQRARLLKDQLSLGNA
ALQITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNKI
NQRILVVDPVTSEHELTCQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLSG
KTTTTNSKREEKLFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRRLDPE
ENHTAELVIPELPLAHPPNER
【1608】
ヒトPD-L1の細胞外ドメイン(huPDL1-ECD)配列番号6
FTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLAALIVYW
EMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSYRQRARLLKDQLSLGNA
ALQITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNKI
NQRILVVDPVTSEHELTCQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLSG
KTTTTNSKREEKLFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRRLDPE
ENHTAELVIPELPLAHPPNERT
【1609】
カニクイザルPD-L1の細胞外ドメイン(cynoPDL1-ECD)配列番号7
AFTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLTSLIVY
WEMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSNYRQRAQLLKDQLSLGN
AALRITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNK
INQRILVVDPVTSEHELTCQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLS
GKTTTTNSKREEKLLNVTSTLRINTTANEIFYCIFRRLDP
EENHTAELVIPELPLALPPNERT
【1610】
ヒトPD-L2(huPDL2-ECD)の細胞外ドメイン配列番号8
LFTVTVPKELYIIEHGSNVTLECNFDTGSHVNLGAITAS
LQKVENDTSPHRERATLLEEQLPLGKASFHIPQVQVRDEG
QYQCIIIYGVAWDYKYLTLKVKASYRKINTHILKVPETDE
VELTCQATGYPLAEVSWPNVSVPANTSHSRTPEGLYQVTS
VLRLKPPPGRNFSCVFWNTHVRELTLASIDLQSQMEPRTH
PT
【1611】
マウスPD1の細胞外ドメイン(musPD1-ECD)配列番号9
LEVPNGPWRSLTFYPAWLTVSEGANATFTCSLSNWSEDL
MLNWNRLSPSNQTEKQAAFCNGLSQPVQDARFQIIQLPNR
HDFHMNILDTRRNDSGIYLCGAISLHPKAKIEESPGAELV
VTERILETSTRYPSPSPKPEGRFQ
【1612】
完全長ヒトTIM-3、配列番号138
SEVEYRAEVGQNAYLPCFYTPAAPGNLVPVCWGKGACPV
FECGNVVLRTDERDVNYWTSRYWLNGDFRKGDVSLTIENV
TLADSGIYCCRIQIPGIMNDEKFNLKLVIKPAKVTPAPTR
QRDFTAAFPRMLTTRGHGPAETQTLGSLPDINLTQISTLA
NELRDSRLANDLRDSGATIRIGIYIGAGICAGLALALIFG
ALIFKWYSHSKEKIQNLSLISLANLPPSGLANAVAEGIRS
EENIYTIEENVYEVEEPNEYYCYVSSRQQPSQPLGCRFAM
【1613】
ヒトTIM-3の細胞外ドメイン(huTIM-3-ECD)配列番号89
SEVEYRAEVGQNAYLPCFYTPAAPGNLVPVCWGKGACPV
FECGNVVLRTDERDVNYWTSRYWLNGDFRKGDVSLTIENV
TLADSGIYCCRIQIPGIMNDEKFNLKLVIKPAKVTPAPTR
QRDFTAAFPRMLTTRGHGPAETQTLGSLPDINLTQISTLA
NELRDSRLANDLRDSGATIR
【1614】
実施例2.ファージディスプレイライブラリからのヒト抗PD-1抗体の選択
PD-1に結合するFabを、de novopIXファージディスプレイライブラリ
から選択した(Shi et al.,J Mol Biol 397:385~96,
2010、国際公開第2009/085462号及び米国特許出願公開第2010/00
21477号に記載されるように)。簡潔に言えば、ライブラリは、ヒトスキャフォール
ドを多様化することによって作製されたものであり、生殖細胞系列VH遺伝子であるIG
HV1-6901、IGHV3-2301及びIGHV5-5101をH3ループ
を介してヒトIGHJ-4ミニ遺伝子で組み替え、そしてヒト生殖細胞系列VLκ遺伝子
であるO12(IGKV1-3901)、L6(IGKV3-1101)、A27(
IGKV3-2001)及びB3(IGKV4-101)をIGKJ-1ミニ遺伝子
で組み替えることで、完全なVH及びVLドメインを構築した。多様化に際し、重鎖及び
軽鎖可変領域内の、タンパク質抗原及びペプチド抗原と高頻度に接していると確認された
位置に相当するH1、H2、L1、L2及びL3ループ周辺の位置を選択した。選択した
位置での配列多様性は、それぞれのIGHV又はIGLV遺伝子のIGHV又はIGLV
生殖系列遺伝子ファミリーのそれぞれの位置で見られる残基に制限した。長さがアミノ酸
7~14個分の単鎖~中鎖型の合成ループを用いることで、H3ループにおいて多様性が
発生した。H3でのアミノ酸分布は、ヒト抗体において観察されるアミノ酸の変動を模倣
するよう設計された。ライブラリ設計の詳細は、Shi et al.,(2010)J
Mol Biol 397:385~96に記載されている。ライブラリを生成するた
めに利用した足場は、これらの由来するヒトVH及びVL生殖系列遺伝子に準じて命名し
た。3つの重鎖ライブラリを、4個の生殖細胞系列軽鎖と組み合わせる、又は多様化軽鎖
ライブラリと組み合わせることで12とおりの固有の組み合わせのVH:VLを作製した
。これらのライブラリをライブラリのバージョンに基づいて後に更に組み合わせ、PD-
1に対するパニング実験用の追加のライブラリを作製した。
【1615】
ライブラリを、huPD1-ECD、cynoPD1-ECD、musPD1-ECD
、huPD1-Fc及び/又はmusPD1-Fcについてパニングした。組み換えタン
パク質をビオチン化し(bt)、ストレプトアビジン磁気ビーズ(Dynal)で捕捉し
た後、100nM又は10nMの最終濃度でde novo pIX Fabライブラリ
に曝露した。非特異的ファージをPBS-Tweenで洗い流し、MC1061F’大腸
菌細胞の感染によって結合したファージを回収した。これらの細胞から一晩でファージを
増幅し、パニングを合計3又は4回繰り返した。最終回のバイオパニング後、2種類のE
LISA形式にて、モノクローナルFabをhuPD1-ECD、huPD1-Fc、m
usPD1-Fc及び/又はcynoPD1-Fcへの結合に対してスクリーニングした
。形式1では、Fabを、抗Fd抗体によってELISAプレート上に捕捉し、様々な型
のbtPD1を捕捉されたFab加え、続いてストレプトアビジン:HRPでbt-PD
1を検出した。形式2では、様々な型のbtPD1を、ストレプトアビジンによってEL
ISAプレート上に捕捉し、分泌されたFabを捕捉された抗原に加え、続いてヤギ抗F
ab’2HRPでFabを検出した。タンパク質への結合を示したクローンを、重鎖及び
軽鎖可変領域において配列決定した。
【1616】
続いて、ヒトPD-1又はマウスPD-1由来のFab選択物を、哺乳類細胞上清中に
分泌されたcynoPD1-Fcへの交差反応性について試験した。Fabを、抗Fd抗
体によってELISAプレート上に捕捉し、cynoPD1-Fc上清を捕捉されたFa
bに加え、続いてヤギ抗ヒトFc:HRPでcynoPD1-Fcを検出した。cyno
PD1-Fcへの結合特性に基づき、選択した抗体を特徴付けのため更に選択した。
【1617】
選択したFabを、特徴付けのため更に選択し、IgG2シグマ/κとしてクリーニン
グした。IgG2シグマは、エフェクター機能が欠失しており、野生型IgG2と比較し
てV234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S及びP3
31S置換を有する。IgG2シグマは、米国特許第8,961,967号に記載されて
いる。抗体を、カニクイザルPD-L1へのヒトPD-1結合阻害能、ヒト及びカニクイ
ザルPD-1タンパク質への親和性、及び細胞が内因的に発現しているヒトPD-1(ジ
ャーカット細胞)への結合能について評価した。続いて、抗体を、huPD1へのヒトP
D-L1及びヒトPD-L2結合阻害能について評価した。
【1618】
結果に基づき、いくつかの抗体を親和性成熟のために選択した。親和性成熟のために選
択した選択抗体の特徴を表7に示す。
【1619】
【表7】
【1620】
実施例3.ヒト抗PD-1抗体の親和性成熟
抗体PD1B70、PD1B71及びPD1B114(PD1B11近縁のホモログ)
を、選択したVL位置及びHCDR1及びHCDR2において多様性を有するファージデ
ィスプレイライブラリを用いて、Fab型に親和性成熟させた。各Fabにおける親和性
成熟ライブラリの設計を表8に示す。残基付番は、表8中のPD1B114のVHの配列
番号41に従う。
【1621】
【表8】
【1622】
ライブラリを構築し、ファージを作製した。続いて、VH及びVLファージライブラリ
を、huPD1-ECD及びcynoPD1-ECDビオチン化組み換えタンパク質に対
するファージパニングに用いた。ファージパニング後、可溶性Fabを、ヒト及びcyn
o両方のPD-1への結合についてスクリーニングした。選択したFabをIgG2シグ
マアイソタイプとしてクローニングし、ジャーカット細胞の結合、並びに1μg/mL及
び10μg/mLの濃度でのカニクイザルPD-L1リガンド阻害について特徴付けを行
った。
【1623】
表9は、親及び親和性成熟した抗体の特徴付け結果を示す。
【1624】
【表9】
【1625】
親和性成熟した抗体を、huPD1-ECD及びcynoPD1-ECDへの結合につ
いてのProteOn SPR解析を用いる、上記親和性実験で評価した。mAbのcy
noPD-1への結合特性を表10に、ヒトPD-1への結合特性を表11に示す。ヒト
及びcynoタンパク質について生成された3回以上の繰り返し値について、STDEV
を計算した。3回未満の繰り返し値を計算した場合は、RANGEを示した。RANGE
は、繰り返し試験の低値及び高値と定義する。値がRANGE又はSTDEVを示してい
ない表10又は表11中のサンプルは、1回のみ実験が実施された。最も高く親和性成熟
した変異体は、親mAbと比較して親和性が、~4~20倍上昇し、ヒト及びcynoP
D-1に対する一桁nM範囲の親和性を有していた。
【1626】
【表10】
【1627】
【表11】
【1628】
実施例4.組み合わせ変異体PD-1mAbの産生
親和性結果の分析後、組み合わせ配列を検討した。
【1629】
PD1B11及びPD1B114は非常に類似した配列を有している。PD1B11は
、およそ、PD1B114と比較して、ヒトPD-1に対して3倍高い親和性と、cyn
oPD-1に対して2倍高い親和性を有していたため、この様々なCDRの組み合わせを
有する抗体を作製した。PD1B11のHCDR3を、部位特異的突然変異誘発を用いて
PD1B164及びPD1B162(PD1B114の親和性成熟変異体)に挿入し、一
方、PD1B164(PD1B114親和性成熟変異体)のHCDR2を、PD1B18
7(PD1B11の親和性成熟変異体)に挿入した。得られた重鎖を親軽鎖と対にし、新
たな抗体である、それぞれPD1B194、PD1B195及びPD1B196を得た。
【1630】
PD1B175及びPD1B177は、この抗体が親和性成熟中に多様化VLライブラ
リを用いて作製されたにも関わらず、両方とも親軽鎖を含んでいた。抗体の親和性を高め
る試みで、PD1B175の重鎖をPD1L185又はPD1L187の親和性成熟軽鎖
と対にし、PD1B177重鎖をPD1L86、PD1L168又はPD1L190の親
和性成熟軽鎖と対にして、抗体PD1B197、PD1B198、PD1B199、PD
1B200及びPD1B201を得た。抗体のVH及びVL対を、実施例5中の表20に
示す。
【1631】
これらの抗体のHCDR、LCDR、VH及びVL配列を、実施例5中の表14、15
、16、17、18、19、21及び22に示す。抗体をIgG2シグマ/κmAbとし
てクローニングし、親和性測定のためHEK293 expi細胞中に一過性に発現させ
た。
【1632】
得られた抗体の親和性を上記のように決定した。表12は、組み合わせmAb変異体の
cynoPD-1に対する親和性の測定値を示し、表13は、ヒトPD-1に対する親和
性を示す。ヒト及びcynoタンパク質について生成された3回以上の繰り返し値につい
て、STDEVを計算した。3回未満の繰り返し値を計算した場合は、RANGEを示す
。RANGEは、繰り返し試験の低値及び高値と定義する。RANGE又はSTDEVが
ないサンプルは、1回のみ実験が実施された。
【1633】
【表12】
【1634】
【表13】
【1635】
実施例5.ファージディスプレイライブラリ由来抗PD1抗体の構造の特徴付け
様々な方策を用いる抗体の作製を通して、標準的な手法を使用して、抗体のcDNA配
列及びアミノ酸翻訳を得た。ポリペプチド配列決定後、発現のスケールアップのため、可
変領域又は完全長抗体をコードしている一部の抗体のcDNAを、標準的な方法を用いて
コドン最適化した。
【1636】
表14は、選択したPD-1抗体のHCDR1配列を示す。
【1637】
表15は、選択したPD-1抗体のHCDR2配列を示す。
【1638】
表16は、選択したPD-1抗体のHCDR3配列を示す。
【1639】
表17は、選択したPD-1抗体のLCDR1配列を示す。
【1640】
表18は、選択したPD-1抗体のLCDR2配列を示す。
【1641】
表19は、選択したPD-1抗体のLCDR3配列を示す。
【1642】
表20は、選択したPD-1抗体のVH及びVL対を示す。
【1643】
表21は、選択したPD-1抗体のVH配列を示す。
【1644】
表22は、選択したPD-1抗体のVL配列を示す。
【1645】
【表14】
【1646】
【表15】
【1647】
【表16】
【1648】
【表17】
【1649】
【表18】
【1650】
【表19】
【1651】
【表20】
【1652】
【表21】
【1653】
【表22】
【1654】
全ての抗PD-1抗体が、VH1-69(配列番号170)及びIGKV3-11(L
6)(配列番号171)フレームワークを有することが確認された。
【1655】
配列番号170
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQG RVTITADESTST
AYMELSSLRSEDTAVYYCAR
【1656】
配列番号171
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRSNWP
【1657】
実施例6.マウスにおけるPD-1抗体の作製及び特徴付け
BALB/cをhuPD1-ECDで腹腔内で免疫化し、特異的IgG力価を評価した
。十分な力価を得た後、膵細胞を単離してFO細胞と融合した。得られたハイブリドーマ
を96ウェルプレートに播種して10日間培養した。抗原特異的クローンを、huPD1
-ECDへの結合に対する標準的な捕捉ELISAで同定した。ヒトPD-1特異的ハイ
ブリドーマを、ヒト及びcynoPD-1への親和性、ジャーカット細胞への結合、並び
にcynoPD-L1阻害に対して更に試験した。結果に基づき、フレームワーク適合を
用いたヒト化のためクローンPD1B28を選択した。
【1658】
フレームワーク適合は、米国特許出願公開第2009/0118127号及びFran
sson et al.,(2010)J Mol Biol 398:214~231
に本質的に記載されるように実施した。簡潔に言えば、重鎖配列及び軽鎖配列を、IMG
TデータベースにおけるBLASTサーチ(Kaas,et al.,(2004)Nu
cl Acids Res 32,D208-D210;Lefranc et al.
,(2005)Nucl Acid Res 33,D593-D597)を用いて、ヒ
ト生殖細胞系列配列(2007年10月1日現在では「01」アレルのみ)と比較した。
この一連のヒト生殖細胞系列遺伝子から、重複する遺伝子(アミノ酸レベルで100%同
一)と、対になっていないシステイン残基を含むものと、を除去した。フレームワーク及
びCDR領域の両者において残りの最もマッチングしたヒト生殖細胞系列遺伝子を受容体
ヒトフレームワークとして選択した。いくつかのVL及びVH生殖細胞系列フレームワー
クを、全体の配列相同性及びCDR長並びにCDR類似性に基づいて選択した。FR-4
を、IGHJ/IGJK生殖細胞系列遺伝子の配列類似性に基づいて選択した。続いて、
PD1B28のCDRを、VのHCDR1に相当する領域を除き、選択したアクセプタ
ーヒトフレームワーク内に導入してHFA変異体を産生させた。この領域では、CDRと
HVとの組み合わせ又はより短いHCDR2(Kabat-7とも称され、米国特許出願
公開第2009/0118127号参照)が非ヒト抗体からヒトFR内に導入された。と
いうのも、残りのHCDR2残基が、既知の構造の抗原抗体複合体において接触してない
ことが分かったためである(Almagro,(2004)J Mol Recogni
t.17:132)。ヒト化抗体の特定の残基位置に、逆突然変異を導入した。PD1B
131の逆突然変異:VH:V37I_Q39L_W47S_R98S、VL:Y49K
。PD1B132:VH W47S_R98S、VL:Y49K(残基付番はChoth
iaに準拠)。選択した抗体を、IgG2シグマ/κとして発現させた。得られた抗体を
、細胞(ジャーカット細胞)上に発現させた組み換えPD-1及びPD-1への結語、並
びに、リガンド阻害(cynoPD-L1及びヒトPD-L1)について特徴付けた。選
択したヒト化抗体の特徴を表23に示す。作製した抗体のVH及びVL配列を、それぞれ
表24及び表25に示す。
【1659】
【表23】
【1660】
【表24】
【1661】
【表25】
【1662】
PD1B131及びPD1B132のCDR配列を以下に示す。
HCDR1(配列番号66)
RYDMS
【1663】
HCDR2(配列番号67)
YISGGGANTYYLDNVKG
【1664】
HCDR3(配列番号68)
PYLSYFDV
【1665】
LCDR1(配列番号69)
RASQSLSDYLH
【1666】
LCDR2(配列番号70)
SASQSIS
【1667】
LCDR3(配列番号71)
QNGHSFPYT
【1668】
実施例7.アイソタイプのスイッチングが抗PD-1抗体の特性に及ぼす効果
抗体PD1B196及びPD1B199(IgG2シグマ/κアイソタイプのもの)の
可変領域を、IgG4 S228Pアイソタイプとしてクローニングし、抗体PD1B1
32(IgG2のもの)の可変領域をIgG2シグマアイソタイプ内にクローニングして
、機能性及び進化性の違いの可能性について評価した。
【1669】
抗体を、PD1B244(IgG4 S228P上PD1B196VH/VL)、PD
1B245(IgG4 S228P上PD1B199VH/VL)、及びPD1B243
(IgG2シグマ上PD1B132VH/VL)と名付けた。
【1670】
アイソタイプスイッチングによる、抗体特性への一貫した影響はなかったが、抗体の一
部では、CMVアッセイにおいてEC50値の何らかの変化が見られた。
【1671】
以下に例示するのは、様々な抗体の重鎖及び軽鎖アミノ酸配列である。表26は、選択
した抗体のVH、VL、重鎖及び軽鎖配列番号のまとめを示す。
【1672】
【表26】
【1673】
配列番号72 PD1B244のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSL
GTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLG
GPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNG
KEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQE
EMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
VLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHY
TQKSLSLSLGK
【1674】
配列番号73 PD1B244のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1675】
配列番号74 PD1B243のHC
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFAFSRYDMSWVRQ
APGKGLESVAYISGGGANTYYLDNVKGRFTISRDNAKNSL
YLQMNSLRAEDTAVYYCASPYLSYFDVWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYT
CNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGV
EVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQ
VSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLS
LSLGK
【1676】
配列番号75 PD1B243のLC
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSLSDYLHWYQQK
PGQAPRLLIKSASQSISGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQ
SEDFAVYYCQNGHSFPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1677】
配列番号76 PD1B245のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSDYVISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIYGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARGTLDRTGHLDYWGQGTLVTVS
SASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTV
SWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTK
TYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPS
VFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYV
DGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEY
KCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMT
KNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLD
SDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQK
SLSLSLGK
【1678】
配列番号77 PD1B245のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIHDASTRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1679】
配列番号212 PD1B114のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGNLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1680】
配列番号213 PD1B114のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRSNWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1681】
配列番号214 PD1B149のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGNLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1682】
配列番号215 PD1B149のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRNYLAWYQQK
PGQAPRLLIHDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1683】
配列番号216 PD1B160のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGNLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1684】
配列番号217 PD1B160のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVDSYLAWYQQK
PGQAPRLLIKDASDRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRGNWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1685】
配列番号218 PD1B162のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGNLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1686】
配列番号219 PD1B162のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVDSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQREYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1687】
配列番号220 PD1B164のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGNLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1688】
配列番号221 PD1B164のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASYRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRDYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1689】
配列番号222 PD1B183のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1690】
配列番号223 PD1B183のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIKDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRGYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1691】
配列番号224 PD1B184のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1692】
配列番号225 PD1B184のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRNYLAWYQQK
PGQAPRLLIHDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1693】
配列番号226 PD1B185のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1694】
配列番号227 PD1B185のLC
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRNYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASDRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRWNWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1695】
配列番号228 PD1B192のHC
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFGTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1696】
配列番号229 LC又はPD1B192
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVDSYLAWYQQK
PGQAPRLLIHDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1697】
実施例8.細胞系アッセイでのPD-1抗体の特徴付け
実施例1に記載の手順を用いて、選択した抗体をMLR及びCMVアッセイで特徴付け
た。MLR及びCMVアッセイでのEC50値(IFN-γ誘導に対する)を、表27に
示す。多くの場合、抗PD-1抗体は、MLR及びCMVアッセイの両方において、IF
N-γレベルの用量依存的増加を示した。
【1698】
【表27】
【1699】
2つのアッセイでは、IFN-γに加え、更なるサイトカインの分泌レベルもPD-1
阻害によって影響された。CMV刺激では、抗PD-1抗体は、TNF-α及びIL-4
を用量依存的に誘導し、一方MLRアッセイでは、TNF-α及びIL-2レベルを増加
させた。
【1700】
実施例9.ファージディスプレイライブラリを用いるヒト抗TIM-3抗体の作製
実施例2に記載のde novo pIX Fabライブラリを、組み換えヒトTIM
-3-Fc融合タンパク質(R&D Systems、#2365-TM;完全長TIM
-3の残基Ser22-Arg200)(huTIM-3-Fc)の細胞外ドメインに対
してパニングした。
【1701】
組み換えタンパク質をビオチン化し(bt)、ストレプトアビジン磁気ビーズ(Dyn
al)で捕捉した後、100nMの最終濃度でde novo pIX Fabライブラ
リに曝露した。非特異的ファージをPBS-Tweenで洗い流し、MC1061F’大
腸菌細胞の感染によって結合したファージを回収した。これらの細胞から一晩でファージ
を増幅し、パニングを合計3回繰り返した。最終回のバイオパニング後、モノクローナル
FabをストレプトアビジンによってELISAプレート上に捕捉されたビオチン化ヒト
TIM-3-Fcの結合に対してスクリーニングし、分泌されたFabを捕捉された抗原
に加え、その後、ヤギ抗ヒトカッパ:HRPでFabを検出した。選択した抗体を、以下
に示すように様々なIgGアイソタイプで発現させてクローニングし、更に特徴付けを行
った。
【1702】
実施例10.マウスにおける抗TIM-3抗体の作製
Balb/cマウスを、組み換えヒトTIM-3-Fc融合タンパク質(R&D Sy
stems、カタログ#2365-TM)で、18日間にわたって免疫化した。脾臓を回
収し、B細胞を濃縮した集団をFOマウス骨髄腫細胞と融合して、mAbを分泌するハイ
ブリドーマを作製した。ハイブリドーマの上清を、ELISAによって、TIM-3-F
cタンパク質及び無関係のヒトIgG1 Fcへの結合についてスクリーニングした。続
いて、TIM-3特異的上清を、TIM-3発現THP-1細胞への結合能についてアッ
セイした。
【1703】
選択したmAbのHC及びLC v遺伝子を、標準的な分子生物学手法(RT-PCR
後に、プラスミド発現ベクターへのPCR断片のライゲーション)を用いて、TIM-3
陽性ハイブリドーマからクローニングした。mAbが組み換え的に発現し、ELISAを
繰り返してTIM-3特異的結合を確認した。ヒトフレームワーク適合化されるマウス抗
体配列の分子モデルを、MOE(CCG,Montreal)を用いて構築し、目視で検
査した。抗原結合に影響を与え得る問題の可能性がある位置、VL/VHパッキング、及
び/又はドメイン安定性に影響し得るコア残基を同定した。問題の位置が同定された場合
、VL及びVHの両方について、マウスフレームワーク配列に対して、逆突然変異を伴っ
て、又は伴わずに、複数のヒトフレームワークを提案した。設計した配列を、重鎖及び軽
鎖プラスミド内にクローニングし、Expi293F細胞内で発現させた。培養上清中の
発現した抗体を定量し、組み換えヒトTIM-3をトランスフェクトしたHEK293細
胞への結合について評価した。
【1704】
実施例11.抗TIM-3抗体のアイソタイプ
抗体の特徴付け中に、単離された抗TIM-3抗体のVH及びVLを、任意追加的に様
々なFc置換を有する様々な重鎖アイソタイプと、κ軽鎖を有するアロタイプにクローニ
ングし、抗体の機能性又は進化性に対する、アイソタイプスイッチング(生じた場合)の
影響を評価した。使用した様々なアイソタイプを表28に示す。
【1705】
【表28】
【1706】
作製した抗体中で使用した様々なアロタイプを表29に示す。抗体の一部は、キメラア
ロタイプを有していた。抗体TM3B105及びTM3B403は、例えば、定常領域中
、位置189において、1つのアミノ酸置換により異なっている。TM3B105の重鎖
及び軽鎖、それぞれ配列番号240及び79;TM3B403の重鎖及び軽鎖、それぞれ
配列番号78及び79。2種類の抗体は、同じ特徴を有すると期待される。
【1707】
【表29】
【1708】
一般に、IgG2シグマFcを有する抗TIM-3抗体は、huIgG4Fcを有する
抗TIM-3抗体よりもCMVアッセイにおける活性が高かった。加えて、huIgG2
Fcを有する抗体は、IgG2シグマとIgG4との間の中間の機能性を示した。アロタ
イプは、抗体活性に影響しなかった。
【1709】
実施例12.抗TIM-3抗体の構造の特徴付け
様々な方策を用いる抗体の作製を通して、標準的な手法を使用して、抗体のcDNA配
列及びアミノ酸翻訳を得た。ポリペプチド配列決定後、発現のスケールアップのため、可
変領域又は完全長抗体をコードしている一部の抗体のcDNAを、標準的な方法を用いて
コドン最適化した。抗体TM3B103、TM3B105、M3B108、TM3B10
9及びTM3B113は、ファージディスプレイライブラリから単離された。抗体TM3
B189、TM3B190、TM3B193、TM3B195及びTM3B196は、免
疫化マウスによって作製した。
【1710】
表30は、選択した抗TIM-3抗体のHCDR1配列を示す。
【1711】
表31は、選択した抗TIM-3抗体のHCDR2配列を示す。
【1712】
表32は、選択した抗TIM-3抗体のHCDR3配列を示す。
【1713】
表33は、選択した抗TIM-3抗体のLCDR1配列を示す。
【1714】
表34は、選択した抗TIM-3抗体のLCDR2配列を示す。
【1715】
表35は、選択した抗TIM-3抗体のLCDR3配列を示す。
【1716】
表36は、選択した抗TIM-3抗体のVH配列を示す。
【1717】
表37は、選択した抗TIM-3抗体のVL配列を示す。
【1718】
表38は、選択した抗TIM-3抗体のフレームワークを示す。
【1719】
【表30】
【1720】
【表31】
【1721】
【表32】
【1722】
【表33】
【1723】
【表34】
【1724】
【表35】
【1725】
【表36】
【1726】
【表37】
【1727】
【表38】
【1728】
IGHV3-23配列番号174
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKG RFTISRDNSKNT
LYLQMNSLRAEDTAVYYCAK
【1729】
IGHV1-02配列番号175
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTGYYMHWVRQ
APGQGLEWMGRINPNSGGTNYAQKFQG RVTSTRDTSIST
AYMELSRLRSDDTVVYYCAR
【1730】
IGHV4-30配列番号176
QVQLQESGPGLVKPSQTLSLTCTVSGGSISSGDYYWSWI
RQPPGKGLEWIGYIYYSGSTYYNPSLKSRVTISVDTSKNQ
FSLKLSSVTAADTAVYYCAR
【1731】
IGHV1-03配列番号177
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYAMHWVRQ
APGQRLEWMGWINAGNGNTKYSQKFQGRVTITRDTSASTA
YMELSSLRSEDTAVYYCAR
【1732】
IGHV2-26配列番号178
QVTLKESGPVLVKPTETLTLTCTVSGFSLSNARMGVSWI
RQPPGKALEWLAHIFSNDEKSYSTSLKSRLTISKDTSKSQ
VVLTMTNMDPVDTATYYCARI
【1733】
IGHV5-51配列番号179
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQ
MPGKGLEWMGIIYPGDSDTRYSPSFQGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCAR
【1734】
IGKV3-20配列番号180
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQ
KPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRL
EPEDFAVYYCQQYGSSP
【1735】
IGKV3-11配列番号171
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVSSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRSNWP
【1736】
IGKV4-1配列番号181
EIVLTQSPGTLSLSPGERATLSCRASQSVSSSYLAWYQQ
KPGQAPRLLIYGASSRATGIPDRFSGSGSGTDFTLTISRL
EPEDFAVYYCQQYGSSP
【1737】
IGKV1-39配列番号182
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSISSYLNWYQQK
PGKAPKLLIYAASSLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQ
PEDFATYYCQQSYSTPI
【1738】
GKV1-33配列番号183
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCQASQDISNYLNWYQQK
PGKAPKLLIYDASNLETGVPSRFSGSGSGTDFTFTISSLQ
PEDIATYYCQQYDNLP
【1739】
実施例13.抗TIM-3抗体の特徴付け
選択した抗体を、ヒト又はcyno細胞への結合、及び、リガンドであるガレクチン9
結合の阻害能について特徴付けた。表39は、これらのアッセイにおける選択した抗体の
特徴を示す。細胞結合データは、μg/mL単位で発現した、示されるTIM-3組み換
えタンパク質をトランスフェクトした細胞への抗体結合のEC50計算値を表す。ガレク
チン-9阻害は、示される抗体で見られる、ヒトTIM-3へのガレクチン-9結合の阻
害の最大レベルを表す。試験抗体は、IgG2シグマアイソタイプとして試験した。
【1740】
MSDプレート上に組み換えhuTIM-3-Fcタンパク質をコーティングすること
によって、エピトープマッピングアッセイを行った。プレートをブロッキングして洗浄し
た後、濃度を上げた未標識の抗TIM-3mABと共にインキュベートした、MSD-タ
グ-標識化抗TIM-3mAbの混合物を加えた。穏やかに振盪しながら室温でインキュ
ベートした後、プレートを洗浄し、SECTOR Imager 6000で分析した。
ヒトTIM-3への結合について互いに競合した抗体を、類似のエピトープに結合すると
見なした。>75%の結合が阻害された場合、陽性阻害と記した。部分阻害は、40~7
5%阻害とした。<40%阻害は、陰性と表示した。
【1741】
【表39】
【1742】
実施例14.抗TIM-3抗体を特徴付けるための機能性in vitroアッセイの
開発
PD-1などの抑制性受容体の機能評価は、同種樹状細胞、又は、破傷風トキソイド若
しくはCMVなどの特異的抗原によって刺激された、正常ドナー由来のT細胞を用いて実
施できる。この場合、抗体治療によるT細胞機能の変化は、上清のサイトカインレベル又
はT細胞活性化のマーカーを測定することにより検出できる。この種のアッセイでは、抗
TIM-3抗体の効果は非常に変わりやすく、T細胞の大半の活性化又は機能性の状態の
全体的な変化は小さい(非抗原特異的)。一方、これらのアッセイにおいて1種類のT細
胞亜集団/クローンを観察するテトラマー法の使用は、これらのT細胞クローンの発生頻
度が低く、不均一な機能特性であることから、抗TIM-3抗体の機能的効果の検出に必
要な解決策を提供しない。加えて、この方法は、各ドナーにおいて、CMV特異的T細胞
によって認識されるエピトープを予め同定しておく必要がある。
【1743】
最近、CD137が、活性化抗原特異的T細胞の代替マーカーと述べられている(Wo
lf et al.,(2007)Blood 110(1):201~210;Kli
nger et al.,(2013)PLoS One 8(9):e74231)。
我々のアッセイでは、CD137を使用することで、CMV抗原刺激に応答して増殖する
抗原特異的CD8及びCD4 T細胞の同定を可能にし、抗TIM-3抗体の機能的
効果の検出を可能にした。CD137発現に加え、MSDによるサイトカイン分泌もこれ
らのアッセイ中に評価した。
【1744】
選択した抗TIM-3抗体の活性を、CMV pp65で刺激したPBMC中で試験し
た。これらのアッセイでは、CD8及びCD4 T細胞両方においてCD137発現
が増加したころからわかるように、抗TIM-3抗体は、T細胞の活性化を増強した。加
えて、このアッセイにおいて、選択した抗TIM-3抗体はまた、IFN-γ及びTNF
-αの分泌も増加させた。
【1745】
表40は、CD137の細胞表面発現の増加を選択したTIM-3抗体についてCD8
+又はCD4+細胞で評価した、CMVアッセイの結果を示す。表は、両側T検定(不等
分散)を用いて得られたp値を示す。
【1746】
【表40】
【1747】
実施例15.二重特異性PD-1/TIM-3抗体の作製
選択した単一特異性PD-1及びTIM-3抗体を、IgG1/κ、IgG2/κ又は
IgG4/κとして発現させた。置換を、単一特異性抗体中の位置405及び409(E
U付番)において行い、後のin vitroアーム交換及び二重特異性抗体の形成を促
進した。IgG1及びIgG2抗PD-1及び抗TIM-3抗体を遺伝子操作し、それぞ
れF405L及びK409R置換を有して、アーム交換及び二重特異性抗体の作製を促進
した。IgG4では、409WTの位置はRであるため、IgG4抗PD-1抗体を遺伝
子操作せず、IgG4抗TIM-3抗体を遺伝子操作して、F405L及びR409K置
換を有するようにした。位置405及び409置換に加え、IgG4mAbを遺伝子操作
してS228P置換を有するようにし、IgG2抗体を任意追加的に遺伝子操作して、I
gG2シグマ置換(V234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A
330S及びP331S)を含めた。
【1748】
単一特異性抗体を発現させ、プロテインAカラム(HiTrap MabSelect
SuReカラム)を用いる標準的な方法を使用して精製した。溶出後、プールを、D-
PBS、pH7.2内へ透析した。
【1749】
二重特異性PD-1/TIM-3抗体を、国際公開第2011/131746号に記載
されるように、in vitroでのFabアーム交換において、単一特異性PD-1m
Abと単一特異性TIM-3mAbとを組み合わせることにより作製した。簡潔に言えば
、PBS(pH7~7.4)中の約1~20mg/mLのモル比1:1の各抗体と、75
mM 2-メルカプトエタノールアミン(2-MEA)とを互いに混合し、25~37℃
において2~6時間インキュベートし、続けて、透析、透析ろ過、タンジェント流ろ過に
より、2-MEAを除去し、かつ/又は、標準的な方法を使用して、細胞ろ過をスピンし
た。
【1750】
疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いるin vitroでのFab-アーム交換
後、二重特異性抗体を更に精製し、標準的な方法を用いて、親PD-1及びTIM-3抗
体の残存を最小限にした。
【1751】
選択した単一特異性抗PD-1抗体及び抗TIM-3抗体を、in vitroでのF
abアーム交換においてマトリクス中で合わせて、二重特異性抗体を作製した。表41、
表42及び表43は、作製した二重特異性抗体及びそれらのアイソタイプのVH、VL、
HC及びLC配列を示す。G2抗体アロタイプは、G2m(n)/(n-)又はG2m(
n-)とした。
【1752】
一部の実験では、PD-1又はTIM-3のいずれかに対して一価であり、第2のアー
ムのgp120への結合が不活性である、対照抗体を用いた。gp120結合アームは、
配列番号184のVHと配列番号185のVLを有していた。表44は、作製した対照抗
体を示す。
【1753】
配列番号184 gp120に結合するmAbのVH
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCQASGYRFSNFVIHWVRQ
APGQRFEWMGWINPYNGNKEFSAKFQDRVTFTADTSANTA
YMELRSLRSADTAVYYCARVGPYSWDDSPQDNYYMDVWGK
GTTVIVSS
【1754】
配列番号185 gp120に結合するmAbのVL
EIVLTQSPGTLSLSPGERATFSCRSSHSIRSRRVAWYQH
KPGQAPRLVIHGVSNRASGISDRFSGSGSGTDFTLTITRV
EPEDFALYYCQVYGASSYTFGQGTKLERK
【1755】
【表41】
【1756】
【表42】
【1757】
【表43】
【1758】
配列番号186
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAA
SSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFLLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1759】
配列番号187
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFAFSRYDMSWVRQ
APGKGLESVAYISGGGANTYYLDNVKGRFTISRDNAKNSL
YLQMNSLRAEDTAVYYCASPYLSYFDVWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FLLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【1760】
配列番号188
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVRSYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQRNYWPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1761】
配列番号189
EIVMTQSPATLSVSPGERATLSCRASQSLSDYLHWYQQK
PGQAPRLLIKSASQSISGIPARFSGSGSGTEFTLTISSLQ
SEDFAVYYCQNGHSFPYTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1762】
配列番号190
EVQLQQSGAELARPGASVKLSCKASGYTFTSYWMQWVKQ
RPGQGLEWIGAIYPGDGDIRYTQNFKGKATLTADKSSSTA
YMQLSSLASEDSAVYYCARWEKSTTVVQRNYFDYWGQGTT
LTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPE
PVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSN
FGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAA
ASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNG
KEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSRE
EMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
MLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHY
TQKSLSLSPGK
【1763】
配列番号191
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【1764】
配列番号192
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWMQWVRQ
MPGKGLEWMGAIYPGDGDIRYTQNFKGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARWEKSTTVVQRNYFDYWGQGTT
VTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPE
PVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVTSSN
FGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAA
ASSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNG
KEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSRE
EMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
MLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHY
TQKSLSLSPGK
【1765】
配列番号193
DVQMIQSPKSMSMSVGERVTLSCKASENVGTFVSWYQQK
PDQSPKLLIYGASNRYTGVPDRFTGSGSATDFTLTISSVQ
AEDLADYHCGQSYSYPTFGSGTKLEMKRTVAAPSVFIFPP
SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQG
LSSPVTKSFNRGEC
【1766】
配列番号194
EIVLTQSPATLSLSPGERATLSCRASQSVNDYLAWYQQK
PGQAPRLLIYDASNRATGIPARFSGSGSGTDFTLTISSLE
PEDFAVYYCQQGGHAPITFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFP
PSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQ
GLSSPVTKSFNRGEC
【1767】
配列番号195
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCKASENVGTFVSWYQQK
PGKAPKLLIYGASNRYTGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQ
PEDFATYYCGQSYSYPTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPP
SDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQ
ESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQG
LSSPVTKSFNRGEC
【1768】
配列番号241
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNF
GTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAG
PSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNW
YVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGK
EYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREE
MTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPM
LDSDGSFLLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYT
QKSLSLSPGK
【1769】
配列番号242
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFAFSRYDMSWVRQ
APGKGLESVAYISGGGANTYYLDNVKGRFTISRDNAKNSL
YLQMNSLRAEDTAVYYCASPYLSYFDVWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYT
CNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGV
EVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQ
VSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLS
LSLGK
【1770】
配列番号243
QVQLVQSGAEVKKPGSSVKVSCKASGGTFSSYAISWVRQ
APGQGLEWMGGIIPIFDTANYAQKFQGRVTITADESTSTA
YMELSSLRSEDTAVYYCARPGLAAAYDTGSLDYWGQGTLV
TVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEP
VTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSL
GTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLG
GPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNG
KEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQE
EMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
VLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHY
TQKSLSLSLGK
【1771】
配列番号244
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWMQWVRQ
MPGKGLEWMGAIYPGDGDIRYTQNFKGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARWEKSTTVVQRNYFDYWGQGTT
VTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPE
PVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSN
FGTQTYTCNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVA
GPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFN
WYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNG
KEYKCKVSNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSRE
EMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPP
MLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHY
TQKSLSLSPGK
【1772】
配列番号245
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPVAGPSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVVHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPAPIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【1773】
配列番号246
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYT
CNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFL
FPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGV
EVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQ
VSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDG
SFLLYSKLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLS
LSLGK
【1774】
配列番号247
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWMQWVRQ
MPGKGLEWMGAIYPGDGDIRYTQNFKGQVTISADKSISTA
YLQWSSLKASDTAMYYCARWEKSTTVVQRNYFDYWGQGTT
VTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPE
PVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSS
LGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFL
GGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQF
NWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLN
GKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQ
EEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTP
PVLDSDGSFLLYSKLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNH
YTQKSLSLSLGK
【1775】
配列番号248
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYAMSWVRQ
APGKGLEWVSAISGSGGSTYYADSVKGRFTISRDNSKNTL
YLQMNSLRAEDTAVYYCAKSPYAPLDYWGQGTLVTVSSAS
TKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWN
SGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSNFGTQTYT
CNVDHKPSNTKVDKTVERKCCVECPPCPAPPAAASSVFLF
PPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSAEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTFRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKV
SNKGLPSSIEKTISKTKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQV
SLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPMLDSDGS
FFLYSRLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSL
SPGK
【1776】
【表44】
【1777】
実施例16.二重特異性PD-1/TIM-3抗体の特徴付け
作製した二重特異性アンタゴニスト抗体を、抗原特異的T細胞応答の増強能についてC
MVアッセイで試験した。機能性は、実施例14に記載されるように、CD4及びCD
T細胞両方でのCD137発現を評価することによって、かつ、培養上清中のIFN
-γ及びTNF-αレベルによって測定した。表45及び表46には、異なる読み出し値
について、このアッセイでの二重特異性PD-1/TIM-3抗体の活性をまとめる。こ
の表に示されるように、選択した二重特異性分子は、CD4及びCD8 T細胞上の
CD137発現、及び、分泌されたIFN-γ及びTNF-αのレベルの有意な上昇につ
ながった。全体的には、huIgG2シグマFcを有するPD-1/TIM-3二重特異
性が最も強い活性を有しており、huIgG2、huIgG4を有する分子が続いた。
【1778】
【表45】
【1779】
【表46】
【1780】
実施例17.抗PD1抗体は、腫瘍におけるTIM-3発現を上方制御する
腫瘍におけるTIM-3発現中の抗PD-1抗体処置の影響を、CT26又はMC38
結腸癌マウスモデルで評価した。
【1781】
Balb/cマウスに、1×10個のCT26結腸癌腫瘍を皮下移植した。腫瘍細胞
移植7日後、腫瘍を測定し、マウスを腫瘍サイズによって無作為化した。PBS又は10
mg/kgの抗マウスPD-1抗体(クローンRMP1-14、BioXCell)での
処置を、腫瘍細胞移植後7日目に始め、残りの試験期間中、2週間毎に継続した。TIM
-3のT細胞発現を分析するため、22日目に腫瘍を摘出し、GentleMACS(M
iltenyi)を用いて分離した。Live/DeadとCD3、CD4、CD8及び
TIM-3用マーカーを用いて、フローサイトメトリーのために染色を実施した。LSR
Fortessa(BD)でフローサイトメトリーを行った。Flow Joソフトウ
ェアを用いてデータを解析した。
【1782】
野生型C57Bl/6雌性マウスに、PBS中に懸濁した5×10個のMC-38結
腸癌細胞を皮下移植した。腫瘍を測定し、マウスを腫瘍サイズ(50~100mm)に
よって無作為化した。PBS又は10mg/kgの抗マウスPD-1抗体(クローンRM
P1-14、BioXCell)での処置を、無作為化後に始め、残りの試験期間中、2
週間毎に継続した。腫瘍に浸潤しているT細胞の特性を確認するため、移植12、15、
19、又は22日後に腫瘍を摘出し、GentleMACS(Miltenyi)を用い
て分離した。
【1783】
Live/DeadとCD45、Thy1、CD3、CD4、CD8、TIM-3、C
D137、OX40、GITR、TIGIT用マーカーを用いて、フローサイトメトリー
のために染色を実施した。LSR Fortessa(BD)でフローサイトメトリーデ
ータを収集した。FloJoソフトウェア(v9.9.4)を用いてデータを分析し、G
raphPad Prismで可視化した。統計値はGraphPad Prismで生
成させた。
【1784】
22日目にCT26腫瘍から単離されたCD8+ T細胞でのTIM-3発現の分析に
より、PBS対照と比較して、PD-1処理サンプル中でTIM-3発現が上昇している
ことが明らかとなった。図1Aは、2つの処理群におけるTIM-3発現の平均蛍光強度
を示す。
【1785】
TIM-3発現は、PBS対照と比較したとき、抗PD-1mAb処理サンプルのMC
-38腫瘍中でも増加していた。図1Bは、CD8 TIL集団におけるTIM-3発
現の幾何平均蛍光強度を示す。図1Cは、TIM-3 CD8細胞の総CD8
ILに対する相対発生頻度の割合(%)を示す。
【1786】
これらのデータは、TIM-3が抗PD-1処理に応答して上方制御されることを示し
、PD-1処理対象中でTIM-3を標的化する論理的根拠を支持する。
【1787】
CD137、OX40及びGITR発現についても、抗マウスPD-1抗体で処理した
マウスから単離された、CD8+T細胞が浸潤しているMC38腫瘍で分析した。これら
の結果は、TNFファミリー共刺激性受容体であるCD137、OX40及びGITR発
現の頻度及びレベル(gMFI)の両方が、PD-1阻害後に上昇したことを示した。図
2A及び図2Bは、それぞれ、CD8 TIL上のCD137発現のgMFI及び相対発
生頻度を示す。図3A及び図3Bは、それぞれ、CD8 TIL上のOX40発現のgM
FI及び相対発生頻度を示し、図4A及び図4Bは、それぞれ、CD8 TIL上のGI
TRのgMFI及び相対発現を示す。
【1788】
これらのデータは、PD-1処理対象中でCD137、OX40及び/又はGITRを
標的化する論理的根拠を支持する。
【1789】
実施例18.PD-1阻害後の抗TIM-3抗体の活性
CMVアッセイにおいて、抗PD-1抗体阻害後の抗TIM-3抗体の活性についても
試験した。これらの実験では、1例の正常ドナー(CMV-血清陽性)由来のPBMCを
、pp65ペプチドプール及び抗PD-1抗体と共に5日間インキュベートした。5日目
、上清を回収し、抗TIM-3又は抗PD-1抗体いずれかの存在下で細胞をpp65ペ
プチドプールで再刺激した。上清中のIFN-γレベルを24時間後に測定した。抗PD
-1阻害5日後の抗TIM-3抗体による処理の結果、IFN-γレベルが顕著に増加し
た。この効果は、継続抗PD-1処理と比較して有意であった(p=0.0183)。実
験では、抗TIM-3抗体TM3B403及び抗PD-1抗体PD1B244を使用した
図5は、CMVアッセイでのIFN-γレベルの上昇を示し、ここでは、PBMCを、
5日間の抗PD-1PD1B244処理後に、抗TIM-3抗体TM3B105で処理し
た。値は、各条件で使用した6回の生体サンプル複製物の平均を表す。
【1790】
実施例19.抗TIM-3抗体のエピトープマッピング
水素/重水素交換質量分析(HDX-MS)を行い、TMB403及びTMB291の
結合エピトープを同定した。実験では、TM3B403及びTM3B291のVH及びV
Lを、C末端にヘキサヒスチジンタグを有するIgG1 Fabとしてクローニングした
。懸濁振盪フラスコ中のHEK293 Expi細胞に一過的にトランスフェクトして、
Fabを作製した。R&D Systemsの、マウス骨髄腫細胞株(NS0由来)で産
生させたTIM-3 IgG1 Fcキメラ、Ser22-Arg200(アクセッショ
ン#Q8TDQ0)(カタログ#2365-TM)を用いた。
【1791】
H/D交換には、Fab摂動を分析するのに使用される手順は、以前に記載されている
もの(Hamuro et al.,Biomolecular Techniques
14:171~182,2003;Horn et al.,Biochemistr
y 45:8488~8498、2006)に類似しており、一部変更していた。簡潔に
言えば、脱グリコシル化ヒトTIM-3/Fc融合タンパク質又は脱グリコシル化ヒトT
IM-3-Fc+Fab混合物を、酸化重水素標識化バッファーと、0℃にて最大2時間
の様々な時間インキュベートした。塩酸グアニジンの添加により重水素交換をクエンチし
、クエンチしたサンプルをオンカラムペプシン消化及びLC-MS分析に供した。質量ス
ペクトルをMSのみモードで記録した。重水素取り込みの計算には、あるペプチドの質量
スペクトルを抽出イオンクロマトグラムピーク全体に組み合わせ、加重平均m/zを計算
した。天然ペプチド(0分間)の質量から加重平均質量への質量の増加は、重水素取り込
みレベルに相当する。タンパク質の約98.4%を特定のペプチドにマッピングすること
ができた。
【1792】
特定されたペプチドにおける重水素レベルを、LC-MSでの質量シフトからモニタし
た。ペプチドについて、交換時間にわたって重水素レベル及び/又は傾きの顕著な差を示
す選択した重水素蓄積曲線をプロットした。脱グリコシル化ヒトTim-3/Fc融合タ
ンパク質は、配列32WGKGACPVFECGNVVL47(配列番号261)でのT
M3B403への結合、及び、配列90RIQIPGIMNDEKF102(配列番号2
62)でのTM3B291への結合によって、重水素取り込みが顕著に低下することを示
した。したがって、Fabへの結合によって重水素取り込みが顕著に低下するこれらの領
域は、mAbの主なエピトープであると考えられる。
【1793】
50DERDVNY56(配列番号263)のセグメントは、TM3B403又はTM
3B291への結合によって、重水素交換の適度な低下を示した。この領域も、両抗体の
エピトープの可能性があると考えられ得る。
【1794】
TM3B403又はTM3B291の主な結合エピトープは異なる。しかしながら、H
DXマッピングの結果に基づき、類似する適度な保護領域である、50DERDVNY
(配列番号263)を共有している可能性がある。この領域が両Fab分子に共通の結
合エピトープ領域に寄与することを評価するため、競合ELISAを実施した。組み換え
ヒトTim-3/Fcタンパク質をプレート上に直接コーティングし、その後ブロッキン
グして洗浄した。ルテニウム(Ru)標識化TM3B291のFabの混合物を、様々な
濃度の未標識のTM3B105又はTM3B291と共に予めインキュベートした。プレ
ートをインキュベートし、洗浄し、MSD Read Buffer Tを各ウェルに分
注した後、SECTOR Imager 6000(Meso Scale Disco
very(Gaithersburg,MD))で読み取った。
【1795】
競合分析により、TM3B403がTM3B291と、TIM-3への結合について競
合することが示された。この結果は、適度に保護される領域、DERDVNY(配列番号
263)が、両抗体のエピトープの一部であるか、又は、エピトープがごく接近している
ため、抗体が互いの結合を立体的に阻害することを示し得る。
【1796】
実施例20.TIM-3阻害剤は、CD8 TILでのTIGIT発現を増加する
腫瘍におけるTIGITの発現に対する抗TIM-3抗体処置の影響を、CT26及び
MC38結腸癌マウスモデルで評価した。この実験は、10mg/mLの抗TIM-3抗
体RMT3-23(Bioxcell)を用いたこと以外は、実施例17に記載するよう
に実施した。
【1797】
CD8+ TILでのTIGIT発現(図19A図20A)及びTIGIT+TIL
の相対発生頻度(図19B図20B)は、CT26(図19A図19B)及びMC3
8(図20A図20B)腫瘍モデルの両方でTIM-3阻害後に上昇した。
【1798】
実施例21.TIM-3発現は、黒色腫患者PBMCにおいて、ex vivo PD
-1阻害後に増加する
治療未経験の黒色腫患者由来のPBMCを、抗PD-1又は抗TIM-3機能阻害抗体
の存在下で、黒色腫抗原ペプチドプール(NY-ESO、gp100、MART-1)で
刺激した。TIM-3の発現を、6日目にペプチドで再刺激した細胞において評価した。
結果は、対照又はTIM-3処理PBMCと比較して、抗PD-1処理サンプルにおいて
、TIM-3+ CD8+ T細胞の発生頻度が顕著に上昇することを示した(図21
【1799】
0日目、治療未経験の黒色腫患者由来の凍結PBMCを37℃の水浴中で急速に溶解し
た。細胞を溶解し、洗浄して、完全RPMI培地(RPMI+10% FBS+1%ピル
ビン酸ナトリウム+1% NEAA+1% pen/strep)中で数えた。細胞を、
抗PD-1又は抗TIM-3機能阻害抗体(それぞれPD1B244及びTM3B403
)及び1μg/mLの黒色腫抗原ペプチドプール(NY-ESO、gp100、MART
-1)の存在下及び非存在下で6日間37Cにて、96ウェルのU底プレートのウェル当
たり200,000個でプレーティングした。6日目に細胞をペプチドプールで再刺激し
、PD-1及びTIM-3の発現、並びに、T細胞の活性化及び増殖マーカーについてフ
ローサイトメトリーで分析した。
【1800】
実施例22.抗TIM-3抗体は、IL-2で刺激したPBMC中の活性化NK細胞の発生頻度を増加する。
活性化NK細胞の発生頻度に対する抗TIM-3抗体TM3B403の影響を、IL-2(20U)でヒトPBMCを刺激したアッセイで判定した。CD69及びCD25、NK細胞の活性化マーカーの発生頻度を、ある範囲のmAb濃度で処理した48時間後に、フローサイトメトリーによって評価した。活性化をCD69陽性細胞の割合(図22A)又はCD25陽性細胞の割合(図22B)で評価するとき、TM3B403は、活性化NK細胞の発生頻度を増加させた。

本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
それぞれ配列番号82、83及び84の重鎖相補性決定領域1(HCDR1)、HCDR2及びHCDR3と、それぞれ配列番号86、87及び88の軽鎖相補性決定領域1(LCDR1)、LCDR2及びLCDR3と、を含む、PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分。
[2]
前記抗体が、次の特性:
a)抗原特異的CD4 又はCD8 T細胞の活性化を用量依存的に増強し、このとき前記活性化は、実施例1に記載されるサイトメガロウイルス抗原リコールアッセイ(CMVアッセイ)を用いて測定される、
b)ヒトPD-1に約100nM未満の平衡解離定数(K )で結合し、このとき前記K は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
c)ヒトPD-1に約1nM未満のK で結合し、このとき前記K は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
d)配列番号3のカニクイザルPD-1に約100nM未満のK で結合し、このとき前記K は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、又は
e)配列番号3のカニクイザルPD-1に約1nM未満のK で結合し、このとき前記K は、ProteOn XPR36システムを用いて+25℃で測定される、
のうちの1つ、2つ、3つ、4つ又は5つを有する、上記[1]に記載の抗体又はその抗原結合部分。
[3]
配列番号が、
a)それぞれ、10、13、16、20、26及び31、
b)それぞれ、10、13、16、21、26及び32、
c)それぞれ、10、14、16、22、27及び33、
d)それぞれ、10、14、16、22、26及び34、
e)それぞれ、10、14、16、23、28及び35、
f)それぞれ、10、13、17、20、26及び31、
g)それぞれ、10、13、17、20、26及び36、
h)それぞれ、10、13、17、21、26及び32、
i)それぞれ、10、13、17、21、27及び37、
j)それぞれ、10、13、17、23、26及び32、
k)それぞれ、10、14、17、23、28及び35、
l)それぞれ、10、14、17、22、26及び34、又は
m)それぞれ、10、14、17、23、26及び32の、前記HCDR1、前記HCDR2、前記HCDR3、前記LCDR1、前記LCDR2及び前記LCDR3を含む、上記[1]又は[2]に記載の抗体又はその抗原結合部分。
[4]
a)配列番号41、42、43又は48の重鎖可変領域(VH)、
b)配列番号49、50、51、52、53、54、55又は56の軽鎖可変領域(VL)、又は
c)配列番号41、42、43又は48の前記VH及び配列番号49、50、51、52、53、54、55又は56の前記VL、を含む、上記[1]~[3]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[5]
a)配列番号41の前記VH及び配列番号49の前記VL、
b)配列番号41の前記VH及び配列番号50の前記VL、
c)配列番号42の前記VH及び配列番号51の前記VL、
d)配列番号42の前記VH及び配列番号52の前記VL、
e)配列番号42の前記VH及び配列番号53の前記VL、
f)配列番号43の前記VH及び配列番号49の前記VL、
g)配列番号43の前記VH及び配列番号54の前記VL、
h)配列番号43の前記VH及び配列番号50の前記VL、
i)配列番号43の前記VH及び配列番号55の前記VL、
j)配列番号43の前記VH及び配列番号56の前記VL、
k)配列番号48の前記VH及び配列番号53の前記VL、
l)配列番号48の前記VH及び配列番号52の前記VL、又は
m)配列番号48の前記VH及び配列番号56の前記VL、を含む、上記[1]~[4]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[6]
前記抗体がヒト又はヒト化である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[7]
前記抗体が、
a)Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を任意選択的に(optionally)含む、IgG1アイソタイプ、
b)前記Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を任意選択的に含む、IgG2アイソタイプ、
c)前記Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を任意選択的に含む、IgG3アイソタイプ、
d)前記Fc領域内に1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の置換を任意選択的に含む、IgG4アイソタイプ、
e)L234A、L235A、G237A、P238S、H268A、A330S及びP331S置換を含む、IgG1アイソタイプ、
f)V234A、G237A、P238S、H268A、V309L、A330S及びP331S置換を含む、IgG2アイソタイプ、
g)F234A、L235A、G237A、P238S及びQ268A置換を含む、IgG4アイソタイプ、
h)L234A、L235A又はL234A及びL235A置換を含む、IgG1アイソタイプ、
i)F234A、L235A又はF234A及びL235A置換を含む、IgG4アイソタイプ、
j)V234A置換を含む、IgG2アイソタイプ、
k)S228P置換を含む、IgG4アイソタイプ、又は
l)S228P、F234A及びL235A置換を含む、IgG4アイソタイプであり、残基付番がEUインデックスに準拠する、上記[1]~[6]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[8]
a)それぞれ配列番号10、14、17、23、26及び32の前記HCDR1、前記HCDR2、前記HCDR3、前記LCDR1、前記LCDR2及び前記LCDR3、
b)配列番号48の前記VH及び配列番号56の前記VL、及び/又は、
c)配列番号72の重鎖(HC)及び配列番号73の軽鎖(LC)を含む、上記[1]~[7]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[9]
前記抗体が、任意選択的に、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、LAG-3(配列番号293)、TIM-3(配列番号138)、CEACAM-1(配列番号296)、CEACAM-5(配列番号307)、OX-40(配列番号279)、GITR(配列番号271)、CD27(配列番号280)、VISTA(配列番号286)、CD137(配列番号281)、TIGIT(配列番号301)又はCTLA-4(配列番号292)に結合する二重特異性抗体である、上記[1]~[8]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分。
[10]
上記[1]~[9]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
[11]
a)配列番号41、42、43又は48の前記VHをコードする、
b)配列番号49、50、51、52、53、54、55又は56の前記VLをコードする、
c)配列番号41、42、43又は48の前記VH及び配列番号49、50、51、52、53、54、55又は56の前記VLをコードする、又は
d)配列番号196又は197の前記ポリヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
[12]
上記[11]に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
[13]
上記[12]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[14]
PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分の産生方法であって、前記その抗原結合部分の抗体が発現される条件下で上記[13]に記載の宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞によって産生された前記抗体又はその抗原結合部分を回収することと、を含む、方法。
[15]
PD-1に特異的に結合する単離されたアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分であって、
a)それぞれ配列番号66、67、68、69、70及び71の前記HCDR1、前記HCDR2、前記HCDR3、前記LCDR1、前記LCDR2及び前記LCDR3、
b)配列番号64の前記VH及び配列番号65の前記VL、及び/又は、
c)配列番号74の前記HC及び配列番号75の前記LCを含む、抗体又はその抗原結合部分。
[16]
上記[15]に記載の抗体又はその抗原結合部分と、医薬的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
[17]
a)配列番号64の前記VHをコードする、
b)配列番号65の前記VLをコードする、
c)配列番号64の前記VH及び配列番号65の前記VLをコードする、又は
d)配列番号198又は199の前記ポリヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
[18]
上記[17]に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
[19]
上記[18]に記載のベクターを含む、宿主細胞。
[20]
PD-1に特異的に結合するアンタゴニスト抗体又はその抗原結合部分の産生方法であって、前記抗体又はその抗原結合部分が発現される条件下で上記[19]に記載の宿主細胞を培養することと、前記宿主細胞によって産生された前記抗体又はその抗原結合部分を回収することと、を含む、方法。
[21]
対象における癌の治療方法であって、治療有効量の上記[1]~[9]のいずれかに記載の単離された抗体若しくはその抗原結合部分、又は、上記[10]に記載の医薬組成物を、前記癌の治療に十分な期間にわたって、治療を必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
[22]
対象における癌の治療方法であって、治療有効量の上記[15]に記載の単離された抗体若しくはその抗原結合部分、又は、上記[16]に記載の医薬組成物を、前記癌の治療に十分な期間にわたって、治療を必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
[23]
前記癌が、固形腫瘍又は血液悪性疾患である、上記[21]又は[22]に記載の方法。
[24]
前記固形腫瘍が、黒色腫、肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCLC、結腸直腸癌、前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌、胃癌 、卵巣癌、胃部癌 、肝癌、膵臓癌、甲状腺癌、頭頸部の扁平上皮癌、食道又は胃腸管の癌腫、乳癌、卵管癌、脳癌、尿道癌、尿生殖器癌、子宮内膜症、子宮頸癌 、又は、前記癌の転移巣である、上記[21]~[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
前記血液悪性疾患が、リンパ腫、骨髄腫又は白血病である、上記[21]~[23]のいずれかに記載の方法。
[26]
対象における免疫応答の増強方法であって、治療有効量の上記[1]~[9]若しくは[15]のいずれかに記載の抗体若しくはその抗原結合部分、又は、上記[10]若しくは[16]に記載の医薬組成物を、前記免疫応答の増強に十分な期間にわたって、増強を必要とする前記対象に投与することを含む、方法。
[27]
前記対象が、癌又はウイルス感染を有する、上記[26]に記載の方法。
[28]
前記抗体又はその抗原結合部分が、第2の治療薬と併用して投与される、上記[21]~[27]のいずれかに記載の方法。
[29]
前記第2の治療薬が、
a)前記固形腫瘍又は前記血液悪性疾患を治療するための標準治療薬 、
b)T細胞活性化分子のアゴニスト、
c)CD86(配列番号264)、CD80(配列番号265)、CD28(配列番号266)、ICOS(配列番号267)、ICOSリガンド(配列番号268)、TMIGD2(配列番号269)、CD40(配列番号270)、GITR(配列番号271)、4-1BBリガンド(配列番号271)、OX40リガンド(配列番号272)、CD70(配列番号274)、CD40L(配列番号275)、TNFRSF25(配列番号264)、LIGHT(配列番号277)、GITRリガンド(配列番号278)、OX-40(配列番号279)、CD27(配列番号280)、CD137(配列番号281)、NKG2D(配列番号282)、CD48(配列番号283)、CD226(配列番号284)、又はMICA(配列番号285)のアゴニスト、
d)T細胞阻害性分子の阻害剤、
e)PD-1(配列番号1)、PD-L1(配列番号5)、PD-L2(配列番号8)、VISTA(配列番号286)、BTNL2(配列番号287)、B7-H3(配列番号288)、B7-H4(配列番号289)、HVEM(配列番号290)、HHLA2(配列番号291)、CTLA-4(配列番号292)、LAG-3(配列番号293)、TIM-3(配列番号138)、BTLA(配列番号294)、CD160(配列番号295)、CEACAM-1(配列番号296)、LAIR1(配列番号297)、TGFβ(配列番号298)、IL-10(配列番号299)、CD96(配列番号300)、TIGIT(配列番号301)、NKG2A(配列番号302)、CD112(配列番号303)、CD47(配列番号304)、SIRPA(配列番号305)又はCD244(配列番号306)の阻害剤、
f)TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
g)
i)それぞれ、配列番号145及び155、
ii)それぞれ、配列番号146及び156、
iii)それぞれ、配列番号148及び157、
iv)それぞれ、配列番号147及び155、
v)それぞれ、配列番号149及び158、
vi)それぞれ、配列番号150及び159、
vii)それぞれ、配列番号151及び160、
viii)それぞれ、配列番号152及び161、
ix)それぞれ、配列番号153及び162、
x)それぞれ、配列番号154及び163、又は
xi)それぞれ、配列番号172及び173、の前記VH及び前記VLを含む、TIM-3に特異的に結合するアンタゴニスト抗体、
h)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害剤、
i)ワクチン、
j)GITRに特異的に結合するアゴニスト抗体、
k)OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
l)それぞれ配列番号309及び310の前記VH及び前記VLを含む、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
m)それぞれ配列番号311及び312の前記VH及び前記VLを含む、OX40に特異的に結合するアゴニスト抗体、
n)CD137に特異的に結合するアゴニスト抗体、
o)放射線療法、又は
p)手術
である、上記[21]~[28]のいずれかに記載の方法。
[30]
前記抗体又はその抗原結合部分及び前記第2の治療薬が、同時に、順次、又は別々に投与される、上記[21]~[29]のいずれかに記載の方法。
[31]
上記[1]~[9]又は[15]のいずれかに記載の抗体又はその抗原結合部分に結合する、抗イディオタイプ抗体。
[32]
上記[1]~[9]又は[15]のいずれかに記載の抗体を含む、キット。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
【配列表】
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