(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0226 20230101AFI20230822BHJP
【FI】
G06Q30/0226
(21)【出願番号】P 2022149722
(22)【出願日】2022-09-21
【審査請求日】2022-09-21
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 祥行
(72)【発明者】
【氏名】井上 拓也
(72)【発明者】
【氏名】柤野 太希
(72)【発明者】
【氏名】奥田 航
(72)【発明者】
【氏名】千葉 由規
(72)【発明者】
【氏名】佃 真吾
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 博貴
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 寛子
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/045844(WO,A1)
【文献】特開2010-225090(JP,A)
【文献】特開2021-006981(JP,A)
【文献】特開2007-041704(JP,A)
【文献】特開2022-057772(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、
前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部と、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信部と
を有し、
前記配信先条件記憶部は、
前記第1の条件として、前記候補ユーザが決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルが、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の方向を向いているかを記憶し、
前記特定部は、
前記候補ユーザが直近で決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルに基づいて、前記第1の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、
前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部と、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定部と、
前記判定部により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定部と、
前記特定部により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信部と
を有し、
前記配信先条件記憶部は、
前記第2の条件として、複数の前記候補ユーザが連続して決済を行った各店舗の店舗ジャンルのうち店舗ジャンル間に一定の相関性があると判断された店舗ジャンルの組合せを記憶し、
前記特定部は、
前記候補ユーザにより直前に決済が行われた店舗の店舗ジャンルと、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の店舗ジャンルとに基づいて、前記第2の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部とを有するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信工程と
を含み、
前記配信先条件記憶部には、
前記第1の条件として、前記候補ユーザが決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルが、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の方向を向いているかが記憶され、
前記特定工程は、
前記候補ユーザが直近で決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルに基づいて、前記第1の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部とを有するコンピュータに、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信手順と
を実行させ、
前記配信先条件記憶部には、
前記第1の条件として、前記候補ユーザが決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルが、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の方向を向いているかが記憶され、
前記特定手順は、
前記候補ユーザが直近で決済を行った複数の加盟店の位置から算出される前記候補ユーザの移動ベクトルに基づいて、前記第1の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項5】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部とを有するコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信工程と
を含み、
前記配信先条件記憶部には、
前記第2の条件として、複数の前記候補ユーザが連続して決済を行った各店舗の店舗ジャンルのうち店舗ジャンル間に一定の相関性があると判断された店舗ジャンルの組合せが記憶され、
前記特定工程は、
前記候補ユーザにより直前に決済が行われた店舗の店舗ジャンルと、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の店舗ジャンルとに基づいて、前記第2の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店により予め設定されるクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する配信条件記憶部と、前記加盟店により予め設定される前記クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件として前記配信先となり得る候補ユーザの位置情報に基づく第1の条件と、前記候補ユーザの決済履歴に基づく第2の条件とを記憶する配信先条件記憶部とを有するコンピュータに、
前記加盟店からの配信要求に応じて、前記配信条件が満たされているか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記配信条件が満たされていると判定された場合、前記候補ユーザの中から前記配信先条件に合致するユーザを前記対象ユーザとして特定する特定手順と、
前記特定手順により特定された前記対象ユーザに対して、前記クーポンを配信する配信手順と
を実行させ、
前記配信先条件記憶部には、
前記第2の条件として、複数の前記候補ユーザが連続して決済を行った各店舗の店舗ジャンルのうち店舗ジャンル間に一定の相関性があると判断された店舗ジャンルの組合せが記憶され、
前記特定手順は、
前記候補ユーザにより直前に決済が行われた店舗の店舗ジャンルと、前記クーポンの配信要求の送信元である前記加盟店の店舗ジャンルとに基づいて、前記第2の条件に合致する前記対象ユーザを特定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子決済サービスの利用促進などを目的として、たとえば、所定の条件を満たす利用者に対して、所定の利益を還元するためのクーポン配信を行う技術が知られている。また、クーポンの発行に関連して、企業間を横断してサービスクーポンの発行、取得、利用を行うことができるとともに、企業店舗と顧客それぞれの趣向に即したきめ細やかなサービスクーポンの発行を行う技術なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許5416404号公報
【文献】特開2009-163533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、クーポンの配信を通じて、クーポン提供元の要求に応じたタイミングでの集客を支援する上で改善の余地がある。たとえば、従来の技術は、顧客個人毎の趣向にあった効果的な来店を支援するものに過ぎず、クーポン提供元の利用者の要求に応じたタイミングでの集客を支援するものではない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、クーポン提供元の要求に応じたタイミングでの集客を支援することができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、配信条件記憶部と、配信先条件記憶部と、判定部と、特定部と、配信部とを有する。配信条件記憶部は、クーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する。配信先条件記憶部は、クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件を記憶する。判定部は、取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店からの配信要求に応じて、配信条件が満たされているか否かを判定する。特定部は、判定部により配信条件が満たされていると判定された場合、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを対象ユーザとして特定する。配信部は、特定部により特定された対象ユーザに対して、クーポンを配信する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、クーポン提供元の要求に応じたタイミングでの集客を支援することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る配信条件の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る配信先条件の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る決済サーバの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る加盟店情報記憶部に記憶される加盟店に関する情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るクーポン情報記憶部に記憶されるクーポンに関する情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る配信条件記憶部に記憶される配信条件の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る配信先条件記憶部に記憶される配信先条件の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る決済サーバにより実行される情報処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.実施形態〕
(1-1.システム構成)
以下、実施形態に係る情報処理について説明する。
図1に、実施形態に係る情報処理の概要を示す。なお、以下では、本願に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100によって、実施形態に係る情報処理が実現される例を説明する。まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSYSは、加盟店端末10と、ユーザ端末20と、決済サーバ100とを含む。加盟店端末10、ユーザ端末20、及び決済サーバ100は、ネットワークN(たとえば、
図4参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、たとえば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システムSYSには、複数の加盟店端末10や、複数のユーザ端末20が含まれていてもよい。
【0012】
図1に示す加盟店端末10は、2次元コードなどの所定のコード情報を用いた決済方法を提供する電子決済サービスを導入する加盟店のユーザU1により使用される情報処理端末である。
図1に示す加盟店端末10は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、PDA(Personal Digital Assistant)などにより実現される。
【0013】
また、加盟店端末10は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどの表示デバイスを備え、決済サーバ100から送信される各種情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、加盟店端末10が備える表示デバイスはタッチスクリーンディスプレイであってもよい。この場合、加盟店端末10は、ユーザU1から指やスタイラスなどにより、タッチスクリーンディスプレイが有する画面内に表示された画像などのコンテンツに対する各種の操作をユーザU1から受付けて、各種の操作に応じた処理を実行する。
【0014】
また、加盟店端末10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。
【0015】
なお、加盟店端末10は、所定の情報処理を実現する制御情報を決済サーバ100から受け取った場合には、制御情報に従って情報処理を実現する。ここで、制御情報は、たとえばJavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語、Java(登録商標)などのプログラミング言語、HTML(HyperText Markup Language)などのマークアップ言語などにより記述される。なお、決済サーバ100から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0016】
また、加盟店端末10は、ウェブブラウザより電子決済サービスに関する所定のウェブサイトにアクセスし、電子決済サービスに関する各種処理を実現することもできる。たとえば、ユーザU1は、加盟店端末10において起動させたウェブブラウザにより所定のウェブサイトにアクセスし、クーポンに関する情報を入稿したり、クーポンの配信条件や配信先条件を設定したり、クーポンの配信要求を決済サーバ100に送信したりできる。なお、クーポンの配信条件や配信先条件については後述する。
【0017】
また、加盟店端末10には、電子決済サービスに関する処理を実行する決済サーバ100と連携して電子決済サービスに関する各種処理を実現するための加盟店用のアプリケーションプログラム(以下、適宜「店舗アプリ」と称する。)が予めインストールされていてもよい。店舗アプリは、電子決済サービスに関する各種処理を実行するための機能を含んでいてもよい。
【0018】
図1に示すユーザ端末20は、上述の電子決済サービスを用いて、商品やサービスなどの取引対象の決済を行うユーザU2により使用される情報処理端末である。
図1に示すユーザ端末20は、たとえば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、PDAなどにより実現される。
【0019】
また、ユーザ端末20は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイなどの表示デバイスを備え、決済サーバ100から送信される各種情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、ユーザ端末20が備える表示デバイスはタッチスクリーンディスプレイであってもよい。この場合、ユーザ端末20は、ユーザU2から指やスタイラスなどにより、タッチスクリーンディスプレイが有する画面内に表示された画像などのコンテンツに対する各種の操作をユーザU2から受付けて、各種の操作に応じた処理を実行する。
【0020】
また、ユーザ端末20は、LTE、4G(第4世代移動通信システム)、5G(第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を介してネットワークNに接続するための通信ユニットを有する。
【0021】
また、ユーザ端末20には、電子決済サービスに関する処理を実行する決済サーバ100と連携して電子決済サービスに関する各種処理を実現するためのサービス利用者用のアプリケーションプログラム(以下、適宜「ユーザアプリ」と称する。)が予めインストールされていてもよい。ユーザアプリは、たとえば、電子決済サービスに関する各種処理を実行するための機能を含んでいてもよい。なお、ユーザ端末20は、ウェブブラウザより所定のウェブサイトにアクセスし、電子決済サービスに関する各種処理を実現することもできる。
【0022】
図1に示す決済サーバ100は、実施形態に係る情報処理を実行する情報処理装置であり、典型的にはサーバ装置であるが、メインフレームやワークステーションなどにより実現されてもよい。決済サーバ100がサーバ装置で実現される場合、単独のサーバにより実現されてもよいし、複数のサーバ装置及び複数のストレージ装置が協働して動作するクラウドシステムなどにより実現されてもよい。
【0023】
また、決済サーバ100は、ユーザU1が使用する加盟店端末10や、ユーザU2が使用するユーザ端末20に対して制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、たとえば、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)などのスタイルシート言語により記述される。なお、決済サーバ100から配信されるアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0024】
また、決済サーバ100は、たとえば、加盟店端末10やユーザ端末20から送信されたHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストに応じて、かかるHTTPリクエストにおいて要求されたHTML(HyperText Markup Language)ファイルや、画像データや、画像データをウェブページや、ユーザアプリ上に表示させる制御を実行するための制御情報などを含むコンテンツを加盟店端末10やユーザ端末20に送信する情報処理装置として機能してもよい。なお、この場合の制御情報を含むコンテンツは、たとえば、Flash(登録商標、以下同様)や、Silverlight(登録商標)などのRIA(Rich Internet Application)用のコンテンツにより実現可能であり、画像表示プログラムとして動作する。
【0025】
また、決済サーバ100の管理者は、決済サーバ100を通じて、上述の電子決済サービスを提供するプラットフォームサービスを運営する。決済サーバ100は、たとえば、ユーザ端末20で動作するユーザアプリなどと連携して、電子決済サービスに関する情報処理を実行する。
【0026】
また、決済サーバ100は、所定のウェブサイトを通じて、電子決済サービスのサービス利用者に対して配信するクーポンに関する情報の入稿などを各加盟店から受け付ける。ユーザU1は、自身が利用する加盟店端末10を用いて所定のウェブサイトにアクセスし、クーポンに関する情報(テキストデータや画像データなど)の入稿、及びクーポンの配信条件や配信先条件を設定する。また、決済サーバ100は、各加盟店から入稿されたクーポンに関する情報、及びクーポンの配信条件や配信先条件をデータベースに登録し、加盟店ごとに管理する。
【0027】
(1-2.ユーザ端末20を用いたコード決済について)
ここで、ユーザ端末20を用いたコード決済(電子決済)の一例について説明する。以下の説明では、店舗SHに配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗SHを識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、加盟店である店舗SHから商品や役務(サービス)などの取引対象の提供を受けるユーザU2がユーザ端末20を用いた決済を行う例について説明する。なお、以下に説明するコード決済の一例は、任意のサービス利用者が任意のユーザ端末20を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報を示す2次元コードは、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号などであってもよい。また、2次元コードは、紙などの媒体に印字された印刷物により物理的に構成される例に限られず、任意の端末に表示される画像情報により構成されていてもよい。また、店舗識別情報は、加盟店のブランドを識別するために個別に付与される加盟店IDと、店舗SHそのものを識別するために付与される店舗IDとが含まれていてもよい。
【0028】
たとえば、ユーザU2が店舗SHにて各種の商品やサービスといった取引対象の購入や利用に伴う決済を行う場合、ユーザU2は、ユーザ端末20に予めインストールされたユーザアプリを起動する。そして、ユーザU2は、ユーザアプリを介して、店舗SHに設置された2次元コードを撮影する。このような場合、ユーザ端末20は、取引対象の価格を入力するための画面を表示し、ユーザU2あるいは店舗SHの店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、ユーザ端末20は、ユーザU2を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(もしくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗SHを示す情報(たとえば、店舗ID))と、決済額とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0029】
決済サーバ100は、ユーザ端末20から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザU2の口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)から、店舗識別情報が示す店舗SHの口座(ユーザアカウントに紐づくウォレット)へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。このとき、決済サーバ100は、決済額に相当する分の電子マネーから店舗SHに課金する所定の手数料を差し引いてから、店舗SHの口座へ移行させてもよい。そして、決済サーバ100は、取引が完了した旨の通知をユーザ端末20へと送信する。このような場合、ユーザ端末20は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザU2に通知する。あるいは、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すユーザU2の口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗SHの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗SHが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、ユーザU2の口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザU2に通知してもよい。
【0030】
なお、ユーザ端末20を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、ユーザ端末20を用いた決済は、店舗SHに設置された決済用の端末装置(以下、「店舗端末」と称する。)を用いたものであってもよい。具体的には、まず、ユーザ端末20は、ユーザU2を識別するための利用者識別情報を示すコード情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗端末は、ユーザ端末20に表示されたコード情報から利用者識別情報を読み取り、読み取った利用者識別情報(もしくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、ユーザU2を示す情報(たとえば、利用者ID))と、決済額と、店舗SHを識別する情報とを含む取引情報を決済サーバ100へと送信する。
【0031】
決済サーバ100は、店舗端末から取引情報を受け付けると、利用者識別情報が示すユーザU2の口座から、店舗SHの口座へと、決済額に相当する分の電子マネーを移行させる。そして、決済サーバ100は、店舗端末あるいはユーザ端末20に対し、取引が完了した旨の通知を送信する。店舗端末あるいはユーザ端末20は、取引が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる取引が完了した旨をユーザU2に通知する。また、決済サーバ100は、利用者識別情報が示すユーザU2の口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出して店舗SHの売り上げ情報として管理し、所定のタイミングで売上に相当する額の現金を店舗SHが保有する銀行口座に振り込んでもよい。この場合、決済サーバ100は、ユーザU2の口座から決済額に相当する分の電子マネーを引き出したタイミングで、電子マネーによる取引が完了した旨を店員あるいはユーザU2に通知してもよい。
【0032】
また、ユーザ端末20を用いた決済は、ユーザU2が予め電子マネーをチャージした口座から店舗SHの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザU2が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、たとえば、ユーザ端末20は、店舗SHの口座に対して決済金額が示す額の電子マネーを移行させるとともに、ユーザU2のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額が示す額を請求してもよい。
【0033】
また、ユーザ端末20を用いた決済は、ユーザU2の口座から店舗SHの口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、たとえば、ユーザU2の口座から他のサービス利用者の口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、サービス利用者間での送金)であってもよい。たとえば、送金元のユーザU2が利用するユーザ端末20は、送金先のユーザであるサービス利用者を識別する利用者識別情報(たとえば、送金先のサービス利用者が利用するユーザ端末20に表示される利用者識別情報)を読み取り、ユーザU2から送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、ユーザU2を識別する利用者識別情報とを示す情報を決済サーバ100へと送信する。このような場合、決済サーバ100は、ユーザU2の口座から、送金先のサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、ユーザ端末20または送金先のサービス利用者が利用するユーザ端末20に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0034】
なお、ユーザ端末20を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。たとえば、ユーザ端末20を用いた送金は、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や、送金先のユーザであるサービス利用者を示す情報(たとえば、利用者ID)をユーザ端末20に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、ユーザ端末20は、送金先のサービス利用者の電話番号または利用者IDと、送金金額との入力をユーザU2から受け付け、入力された電話番号または利用者ID(送金先識別情報)と、送金金額と、ユーザU2を識別する利用者識別情報(送金元識別情報)とを決済サーバ100へと送信する。そして、決済サーバ100は、ユーザU2の口座から、送信された電話番号または利用者IDに紐づけられたサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0035】
ここで、送金先のユーザであるサービス利用者の電話番号や利用者IDは、当該ユーザに関する情報と紐付けてユーザアプリに予め登録されていてもよい。この場合、ユーザ端末20は、ユーザアプリに登録されたユーザ(送金先)の指定と、当該ユーザへの送金金額の入力とをユーザU2から受け付け、指定されたユーザに紐付けられた電話番号または利用者IDと、送金金額と、ユーザU2を識別する利用者識別情報とを決済サーバ100へと送信する。
【0036】
また、たとえば、ユーザ端末20を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先のユーザであるサービス利用者に提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、ユーザ端末20は、ユーザU2から送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先のユーザであるサービス利用者が利用するユーザ端末20にリンク情報を提供する。そして、送金先のユーザであるサービス利用者がリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、決済サーバ100は、ユーザU2の口座から、送金先のユーザであるサービス利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。上述してきたように、決済サーバ100は、サービス利用者に電子決済サービスを提供する同一のプラットフォーム上で、電子マネーを用いた決済、及び電子マネーの送金に関する情報処理を実行できる。
【0037】
なお、上述した電子決済サービスに対応する各種処理を実現する決済手段などは、商品の購入や役務(サービス)の提供に対する対価の提供(債務の精算)のためのものや、複数のユーザが有する口座間の送金のためのものに限定されるものではない。たとえば、上述した決済手段などは、ユーザU2などのサービス利用者や加盟店である店舗SHなどといった電子マネーの所有者と紐づく任意の所有者の口座間における電子マネーの送受信を制御するサービスであればよい。すなわち、実施形態に係る決済手段などは、電子マネーのやり取りを実現するための各種制御(電子マネーを介した各種の口座間送金制御のみならず、電子マネー口座と銀行口座間のやり取りに関する制御や、分割、ボーナス払いに伴う処理といった各種債権処理、その他電子マネーを含む財産のやり取りに関する各種制御)を実行する取引手段や取引サービスであれば、任意の態様で提供されるものであってもよい。また、このような取引手段や取引サービスが実現する各種の制御には、決済に関する制御と送金に関する制御の両方が含まれていてもよく、いずれか一方のみが含まれていてもよい。すなわち、「取引」とは、電子マネーに関する「決済」のみならず、電子マネーの「送金」やその他各種の処理をも含む概念である。すなわち、決済サーバ100は、任意の所有者間における電子マネーのやり取りを制御する取引手段を実現する情報処理装置であってもよい。
【0038】
(1-3.実施形態の概要について)
続いて、
図1を用いて、実施形態に情報処理の概要について説明する。以下の説明において、加盟店がユーザU2に提供するクーポンには、電子決済サービスの利用者であるサービス利用者の全てに配信されるクーポン(以下、「通常クーポン」と称する。)と、加盟店からの要求に応じて特定のサービス利用者にのみ配信されるクーポン(以下、「オンデマンドクーポン」)とが含まれる。実施形態に係る決済サーバ100は、オンデマンドクーポンの配信を通じて、加盟店の要求に応じたタイミングでの集客を支援する。
【0039】
なお、以下の説明において、加盟店端末10とユーザU1とを同一視できる場合がある。すなわち、加盟店端末10をユーザU1と言い換えることができる。また、以下の説明において、ユーザ端末20とユーザU2とを同一視できる場合がある。すなわち、ユーザ端末20をユーザU2と言い換えることができる。
【0040】
図1に示すように、加盟店端末10は、ユーザU1の操作に応じて、オンデマンドクーポンの配信要求を決済サーバ100に送信する(ステップS01)。
【0041】
決済サーバ100は、加盟店端末10からオンデマンドクーポンの配信要求を受信すると、配信要求の送信元である加盟店に対応する配信条件を参照して、配信条件が満たされているか否かを判定する(ステップS02)。
【0042】
図2を用いて、実施形態に係る配信条件の一例について説明する。
図2は、実施形態に係る配信条件の一例を示す図である。配信条件は、オンデマンドクーポンの配信契機を示す条件であり、各加盟店により任意に設定される。配信条件は、加盟店の売上の低迷を予測するための条件や、在庫過多などの状況を特定するための条件ともいえる。たとえば、
図2に示すように、配信条件は、気象データに基づく条件1-1(「第1の条件」の一例)、加盟店の売上情報(POS(Point Of Sales)データ)に基づく条件1-2(「第2の条件」の一例)、及び加盟店が提供する取引対象の在庫情報に基づく条件1-3(「第3の条件」の一例)のうちの少なくともいずれか1つを含む。
【0043】
図2に示す条件1-1は、加盟店の周辺の天候に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項である。
図2には、条件1-1として、配信要求受付日における加盟店の周辺の天気が「雨」である例が示されている。つまり、条件1-1は、悪天候により客足が遠のき、売上が低迷する状況を予測する条件の一例である。
【0044】
図2に示す条件1-2は、加盟店の過去の売上実績(POSデータ)に基づく売上予想に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項である。
図2には、条件1-2として、配信要求受付日と同一の過去の日付または曜日(たとえば、8月1日や月曜日など)における加盟店の過去の売上実績が前日比で10%減である例が示されている。つまり、条件1-2は、過去の売上の傾向から売上が低迷する状況を予測する条件の一例である。
【0045】
図2に示す条件1-3は、加盟店が備蓄する取引対象の在庫数に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項である。
図2には、条件1-3として、配信要求受付日時点での加盟店における在庫数が閾値以上である例が示されている。つまり、条件1-3は、在庫過多の状況を特定するための条件の一例である。なお、条件1-3における在庫数は、取引対象が商品である場合に適用される条件である。
【0046】
決済サーバ100は、
図2に示す配信条件に含まれる条件1-1、条件1-2、及び条件1-3のうちの少なくともいずれか1つが満たされる場合、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。
【0047】
たとえば、決済サーバ100は、配信条件のうち、条件1-1、条件1-2、及び条件1-3のうちのいずれかの条件が満たされる場合、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。たとえば、決済サーバ100は、配信要求受付日における加盟店の周辺の天気が「雨」と予想され、条件1-1が満たされている場合、条件1-2および条件1-3が満たされていなくても、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。また、たとえば、決済サーバ100は、配信要求受付日における加盟店の過去の売上実績が前日比で10%減であり、条件1-2が満たされている場合、条件1-1および条件1-3が満たされていなくても、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。また、たとえば、決済サーバ100は、配信要求受付日時点での加盟店における在庫数が閾値以上であり、条件1-3が満たされている場合、条件1-1および条件1-2が満たされていなくても、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。
【0048】
また、たとえば、決済サーバ100は、配信条件のうち、条件1-1、条件1-2、及び条件1-3の全ての条件が満たされる場合、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。配信要求受付日における加盟店の周辺の天気が「雨」と予想され、配信要求受付日における加盟店の過去の売上実績が前日比で10%減であり、かつ、配信要求受付日時点での加盟店における在庫数が閾値以上である場合、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。
【0049】
また、決済サーバ100は、条件1-3が満たされているか否かの判定を行う場合、判定対象とする在庫数として加盟店が提供する全商品の在庫数の平均値を用いてもよいし、各商品の在庫数を用いてもよい。また、決済サーバ100は、判定対象とする在庫数として、商品ごとの在庫数を用いる場合、商品の在庫数の各々について条件1-3が満たされているか否かを判定し、条件1-3を満足する商品が一定数以上ある場合、オンデマンドクーポンの配信を決定してもよい。
【0050】
また、決済サーバ100は、配信条件が満たされていると判定した場合、配信要求の送信元である加盟店に対応する配信条件を参照して、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを、オンデマンドクーポンの配信先とする対象ユーザとして特定する(ステップS03)。
【0051】
たとえば、決済サーバ100は、サービス利用者に関するユーザ情報を参照して、配信先となり得る候補ユーザを選定する。そして、決済サーバ100は、選定した候補ユーザの中から、配信先条件に合致するユーザを抽出し、抽出したユーザを対象ユーザとして特定する。
【0052】
図3を用いて、実施形態に係る配信先条件の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る配信先条件の一例を示す図である。配信先条件は、対象ユーザを決定するための条件であり、各加盟店により任意に設定される。配信先条件は、加盟店への来店が期待できるサービス利用者を特定するための条件ともいえる。たとえば、配信先条件は、配信先となり得る候補ユーザに紐付く情報であって、時系列で変化する情報に基づく条件であってもよい。
【0053】
具体的には、
図3に示すように、配信先条件は、候補ユーザの位置情報に基づく条件である条件2-1と、候補ユーザの決済履歴に基づく条件である条件2-2とを含む。
【0054】
図3に示す条件2-1は、候補ユーザと加盟店との位置関係に基づいてオンデマンドクーポンの配信先として決定するか否かを規定した事項である。
図3には、条件2-1として、候補ユーザの現在位置が該当店舗(オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店)から一定距離範囲内であるという事項が示されている。
【0055】
図3に示す条件2-2は、候補ユーザによる決済の内容に基づいてオンデマンドクーポンの配信先として決定するか否かを規定した事項である。
図3には、条件2-2として、候補ユーザにより直前に決済が行われた他の店舗の店舗ジャンルと、該当店舗(オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店)の店舗ジャンルとの間に相関性があるという事項が示されている。店舗ジャンルは、店舗の業種を示す情報であり、決済サーバ100の管理者により予め規定される。また、候補ユーザの位置情報は、ユーザ端末20で測定されたGPS情報を取得してもよいし、ユーザの直近の決済履歴に基づいて、決済した店舗の位置情報から取得してもよい。また、ユーザの現在位置が該当店舗から一定距離範囲内との条件のほかに、ユーザの移動ベクトルが該当店舗の方向に向いているかを条件としてもよい。たとえば、ユーザが直近今決済した複数の店舗を抽出した場合に、時系列で該当店舗の方向にユーザが移動していると判断した場合に、条件2-1を満たすと判断しても良い。
【0056】
また、決済サーバ100は、各サービス利用者の決済履歴に基づいて、サービス利用者が決済を行った店舗の店舗ジャンルと、その直前に決済を行った店舗の店舗ジャンルとの間に存在するパターンの検出を試みる。たとえば、決済サーバ100は、サービス利用者が店舗ジャンルXの店舗で決済を行った場合、その直前に店舗ジャンルYの店舗で決済を行っているサービス利用者が一定数存在する場合、有意なパターンとして検出し、店舗ジャンルXと店舗ジャンルYとの間には相関性があると判断する。そして、決済サーバ100は、検出した各パターンを構成する店舗ジャンル間には相関性があるものとして、店舗ジャンルの組合せにより条件2-2を設定する。
【0057】
決済サーバ100は、候補ユーザの中から、配信先条件に含まれる条件2-1および条件2-2に合致するユーザを対象ユーザとして特定する。すなわち、決済サーバ100は、候補ユーザの中から、現在位置が該当店舗から一定距離範囲内にあり、かつ、候補ユーザにより直前に決済が行われた他の店舗の店舗ジャンルと、該当店舗の店舗ジャンルとの間に相関性があるユーザを対象ユーザとして特定する。
【0058】
対象ユーザの特定後、決済サーバ100は、特定した対象ユーザに対して、オンデマンドクーポンを配信する(ステップS04)。たとえば、決済サーバ100は、配信要求の送信元である加盟店から入稿されたクーポン情報の中からオンデマンドクーポンを取得し、取得したオンデマンドクーポンを対象ユーザ(たとえば、ユーザU02)に配信する。
【0059】
また、決済サーバ100は、対象ユーザに対してオンデマンドクーポンを配信する代わりに、クーポンに関連する関連情報を配信してもよい。たとえば、決済サーバ100は、オンデマンドクーポンを獲得可能であることを示すプッシュ通知を対象ユーザに配信してもよい。
【0060】
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ100は、加盟店からオンデマンドクーポンの配信要求を受信した後、加盟店により予め設定される配信条件が満たされることを条件として、配信先条件に合致する対象ユーザに対してピンポイントでオンデマンドクーポンを配信する。このようなことから、実施形態に係る決済サーバ100は、オンデマンドクーポンの配信を通じて、加盟店の要求に応じたタイミングでの集客を支援できる。
【0061】
〔2.決済サーバの構成〕
次に、実施形態に係る決済サーバ100の構成について説明する。
図4に、実施形態に係る決済サーバ100の構成例を示す。
図4に示すように、決済サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0062】
(通信部110について)
通信部110は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、加盟店端末10やユーザ端末20などとの間で情報の送受信を行う。
【0063】
(記憶部120について)
記憶部120は、たとえば、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
図4に示すように、記憶部120は、ユーザ情報記憶部121と、加盟店情報記憶部122と、クーポン情報記憶部123と、配信条件記憶部124と、配信先条件記憶部125とを有する。なお、
図4に示す例に限られず、記憶部120は、上述し記憶部以外に、他の情報を記憶する記憶部を有していていもよい。
【0064】
(ユーザ情報記憶部121について)
ユーザ情報記憶部121は、電子決済サービスのサービス利用者に関する情報を記憶する。
図5に、実施形態に係るユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報の一例を示す。
図5に示すように、ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報は、「利用者ID」の項目や、「属性情報」の項目や、「決済履歴」の項目や、「クーポン情報」の項目などといった複数の項目を有しており、これらの項目は相互に対応付けられている。
【0065】
「利用者ID」の項目には、電子決済サービスを利用する各サービス利用者の各々を特定するために、各サービス利用者に対して個別に割り振られている識別情報が記憶される。
【0066】
「属性情報」の項目には、サービス利用者の属性を示す属性情報が記憶される。属性情報は、サービス利用者の性別や、年齢や、電話番号や、住所や、家族構成などのデモグラフィック属性についての情報や、サービス利用者の興味嗜好や、ライフスタイルなどのサイコグラフィック属性についての情報を含んでいてもよい。また、「属性情報」の項目には、サービス利用者の位置を示す位置情報が記憶される。
【0067】
「決済履歴」の項目には、電子決済サービスを利用して行われたサービス利用者の決済履歴を示す情報が記憶される。決済履歴は、サービス利用者が決済を行った加盟店(店舗)を特定するための識別情報を含む。
【0068】
「クーポン情報」の項目には、サービス利用者により獲得されたクーポンのうち、電子決済サービスの決済時に利用されたクーポンの内容を示す情報などが記憶される。
【0069】
(加盟店情報記憶部122について)
加盟店情報記憶部122は、電子決済サービスの加盟店に関する情報を記憶する。
図6に、実施形態に係る加盟店情報記憶部122に記憶される加盟店に関する情報の一例を示す。
【0070】
図6に示すように、加盟店情報記憶部122に記憶される加盟店に関する情報は、「加盟店ID」の項目や、「所在地情報」の項目や、「店舗ジャンル情報」の項目や、「類似ジャンル情報」の項目などといった複数の項目を有している。加盟店に関する情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0071】
「加盟店ID」の項目には、電子決済サービスを導入する各加盟店(店舗)の各々を特定するために、加盟店(店舗)ごとに個別に割り振られている識別情報が記憶される。「所在地情報」の項目には、加盟店(店舗)の所在地を示す情報が記憶される。「店舗ジャンル」の項目には、加盟店(店舗)の業種に応じて予め規定される店舗ジャンルを示す情報が記憶される。「相関ジャンル情報」の項目には、「店舗ジャンル」の項目に記憶されている店舗ジャンルと相関性を有する店舗ジャンルを示す情報が記憶される。なお、相関性とは、サービス利用者が決済を行った店舗の店舗ジャンルと、その直前に決済を行った店舗の店舗ジャンルとの間にパターンが存在することを意味する。
【0072】
(クーポン情報記憶部123について)
クーポン情報記憶部123は、電子決済サービスの加盟店により入稿されたクーポンに関する情報を記憶する。
図7に、実施形態に係るクーポン情報記憶部123に記憶されるクーポンに関する情報の一例を示す。
【0073】
図7に示すように、クーポン情報記憶部123に記憶されるクーポンに関する情報は、「加盟店ID」の項目や、「クーポンID」の項目や、「クーポンカテゴリ」の項目や、「クーポン内容」の項目などといった複数の項目を有している。クーポンに関する情報が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0074】
「加盟店ID」の項目には、電子決済サービスを導入する各加盟店(店舗)の各々を特定するために、加盟店(店舗)ごとに個別に割り振られている識別情報が記憶される。
【0075】
「クーポンID」の項目には、各加盟店を運営する事業者(たとえば、
図1に示すユーザU1)がクーポンに関する情報の設定を行った際、事業者により設定された各クーポンの各々を特定するために、クーポンごとに固有に割り振られる識別情報を記憶する。
【0076】
「クーポンカテゴリ」の項目には、各加盟店を運営する事業者により設定されたクーポンが属するカテゴリを示す情報が記憶される。クーポンが属するカテゴリには、加盟店からの要求とは無関係に配信されるクーポンが属する「通常」と、加盟店からの要求に応じて配信されるクーポンが「オンデマンド」とが含まれる。「クーポン内容」の項目には、各加盟店を運営する事業者により設定されたクーポンの具体的な内容を示す情報が記憶される。
【0077】
(配信条件記憶部124について)
配信条件記憶部124は、オンデマンドクーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する。たとえば、配信条件記憶部124は、配信条件として、気象データに基づく第1の条件、加盟店の売上情報に基づく第2の条件、及び加盟店が提供する取引対象の在庫情報に基づく第3の条件のうちの少なくともいずれか1つを記憶する。
図8に、実施形態に係る配信条件記憶部124に記憶される配信条件の一例を示す。
【0078】
図8に示すように、配信条件記憶部124に記憶される配信条件には、「加盟店ID」の項目や、「条件1-1(気象データ)」の項目や、「条件1-2(POSデータ)」の項目や、「条件1-3(在庫データ)」の項目といった複数の項目を有している。配信条件が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0079】
「加盟店ID」の項目には、電子決済サービスを導入する各加盟店(店舗)の各々を特定するために、加盟店(店舗)ごとに個別に割り振られている識別情報が記憶される。
【0080】
「条件1-1(気象データ)」の項目には、加盟店の周辺の天候に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項が記憶される。「条件1-2(POSデータ)」の項目には、加盟店の過去の売上実績(POSデータ)に基づく売上予想に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項が記憶される。「条件1-3(在庫データ)」の項目には、加盟店が備蓄する取引対象の在庫数に基づいてオンデマンドクーポンの配信を実行するか否かを規定した事項が記憶される。
【0081】
図8に例示する配信条件は、加盟店により予め規定されてもよいし、決済サーバ100の管理者により予め規定されてもよい。
【0082】
(配信先条件記憶部125について)
配信先条件記憶部125は、オンデマンドの配信先とする対象ユーザを決定するための条件を記憶する。たとえば、配信先条件記憶部125は、配信先条件として、オンデマンドクーポンの配信先となり得る候補ユーザに紐付く情報であって、時系列で変化する情報に基づく条件を記憶する。
図9に、実施形態に係る配信先条件記憶部125に記憶される配信先条件の一例を示す。
【0083】
図9に示すように、配信先条件記憶部125に記憶される配信先条件は、「加盟店ID」の項目や、「条件2-1(ユーザの位置情報に基づく条件)」の項目や、「条件2-2(ユーザの決済履歴に基づく条件)」の項目といった複数の項目を有している。配信先条件が有するこれらの項目は、相互に対応付けられている。
【0084】
「加盟店ID」の項目には、電子決済サービスを導入する各加盟店(店舗)の各々を特定するために、加盟店(店舗)ごとに個別に割り振られている識別情報が記憶される。
【0085】
「条件2-1(候補ユーザの位置情報に基づく条件)」の項目には、候補ユーザに紐付く時系列で変化する情報のうち位置情報に基づく条件が有効であるか否かを示す情報が記憶される。
図9では、「条件2-2(候補ユーザの決済履歴に基づく条件)」の項目には、候補ユーザに紐付く時系列で変化する情報のうち決済履歴に基づく条件が有効であるか否かを示す情報が記憶される。
【0086】
図9に例示する配信先条件は、加盟店により予め規定されてもよいし、決済サーバ100の管理者により予め規定されてもよい。配信先条件が決済サーバ100の管理者により予め規定される場合、加盟店は、決済サーバ100の管理者により予め規定される条件の中から、配信先条件として設定を希望する条件を任意に選択する。配信先条件が有する各条件のうち、加盟店により選択された条件に対して「有効」が記憶され、加盟店により選択されなかった条件に対して「無効」が記憶される。配信先条件には、
図9に示す条件2-1および条件2-2とは異なる他の条件が含まれていてもよい。
【0087】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、決済サーバ100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現され得る。制御部130は、
図4に示すように、判定部131と、特定部132と、配信部133とを有し、これらの各部により、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0088】
(判定部131について)
判定部131は、取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店からの配信要求に応じて、オンデマンドクーポンの配信契機を示す配信条件が満たされているか否かを判定する。たとえば、判定部131は、通信部110を通じて、加盟店からオンデマンドクーポンのクーポン配信要求を受信すると、配信条件記憶部124に記憶されている配信条件のうち、オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店に対応する配信条件を参照する。そして、判定部131は、気象データに基づく条件1-1、加盟店の売上情報に基づく条件1-2、及び加盟店が提供する取引対象の在庫情報に基づく条件1-3のうちの少なくともいずれか1つが満たされるか否かを判定する。
【0089】
(特定部132について)
特定部132は、判定部131により配信条件を満足すると判定された場合、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを対象ユーザとして特定する。たとえば、特定部132は、ユーザ情報記憶部121に記憶されているユーザ情報を参照して、配信先となり得る候補ユーザを選定する。また、特定部132は、配信先条件記憶部125に記憶されている配信先条件のうち、オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店に対応する配信条件を参照する。そして、特定部132は、選定した候補ユーザの中から、配信先条件に合致するユーザを抽出し、抽出したユーザを対象ユーザとして特定する。また、特定部132は、判定部131により、上述した条件1-1、条件1-2、及び条件1-3の全てが満たされていると判定された場合、対象ユーザを特定してもよい。
【0090】
(配信部133について)
配信部133は、特定部132により特定された対象ユーザに対し、通信部110を通じて、オンデマンドクーポンを配信する。
【0091】
〔3.処理手順例〕
以下、実施形態に係る決済サーバ100における処理手順の一例を説明する。
図10に、実施形態に係る決済サーバ100により実行される情報処理手順の一例を示す。
図10に示す処理手順は、決済サーバ100が有する制御部130により実行される。制御部130は、決済サーバ100の稼働中、
図10に示す処理手順を繰り返し実行する。
【0092】
図10に示すように、判定部131は、通信部110を通じて、加盟店からオンデマンドクーポンのクーポン配信要求を受信すると(ステップS101)、オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店に対応する配信条件を参照して、配信条件が満たされているか否かを判定する(ステップS102)。
【0093】
また、特定部132は、判定部131により配信条件が満たされていると判定された場合(ステップS102;Yes)、オンデマンドクーポンの配信要求の送信元である加盟店に対応する配信先条件を参照して、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを対象ユーザとして特定する(ステップS103)。
【0094】
また、配信部133は、特定部132により特定された対象ユーザに対し、通信部110を通じて、オンデマンドクーポンを配信し(ステップS104)、
図10に示す処理手順を終了する。
【0095】
上述のステップS102において、判定部131は、配信条件が満たされていないと判定し場合(ステップS102;No)、
図10に示す処理手順を終了する。
【0096】
〔4.変形例〕
(4-1.クーポン配信の提案について)
上述の実施形態において、決済サーバ100は、加盟店の売上情報に基づいて、加盟店の過去の売上の傾向から、将来の売上が低迷する可能性が高いか否かを予測し、売上が低迷する可能性が高いと判定した場合、加盟店に対してクーポンの配信を提案してもよい。たとえば、決済サーバ100の配信部133は、加盟店の売上情報に基づいて、所定のタイミングで加盟店の明日の売上高を予測する。そして、配信部133は、明日の予測売上高と前日の売上高と比較し、予測売上高が前日の売上高を下回っている場合(たとえば、所定値以上下回っている場合)、通信部110を通じて、加盟店端末10に対してクーポンの配信を提案する旨の情報を送信してもよい。
【0097】
(4-2.配信するクーポンについて)
上述の実施形態において、決済サーバ100は、ある加盟店がオフラインで運営するオフライン店舗(実店舗)で取引対象を購入した実績があるサービス利用者に対して、この加盟店がオンラインで運営するオンライン店舗で利用可能なクーポンを配信してもよい。たとえば、特定部132は、候補ユーザのうち、ある加盟店Aが運営するオンライン店舗で取引対象を購入した実績のある候補ユーザを対象ユーザとして特定する。そして、配信部132は、特定部132により特定された対象ユーザに対して、この加盟店Aが運営するオフライン店舗で利用可能なクーポンを配信する。これとは反対に、決済サーバ100は、ある加盟店がオンラインで運営するオンライン店舗で取引対象を購入した実績があるサービス利用者に対して、この加盟店がオフラインで運営するオフライン店舗(実店舗)で利用可能なクーポンを配信してもよい。これにより、決済サーバ100は、加盟店がそれぞれ運営するオンライン店舗とオフライン店舗との間で相互送客を図ることができる。
【0098】
また、決済サーバ100は、サービス利用者の閲覧履歴に基づいて、同様の処理を実行してもよい。すなわち、決済サーバ100は、ある加盟店のオフライン店舗の情報を閲覧した実績があるサービス利用者に対して、この加盟店のオンライン店舗で利用可能なクーポンを配信してもよい。これとは反対に、決済サーバ100は、ある加盟店のオンライン店舗の情報を閲覧した実績があるサービス利用者に対して、この加盟店のオフライン店舗で利用可能なクーポンを配信してもよい。
【0099】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決済サーバ100は、配信条件記憶部124と、配信先条件記憶部125と、判定部131と、特定部132と、配信部133とを有する。配信条件記憶部124は、クーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する。配信先条件記憶部125は、クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件を記憶する。判定部131は、取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店からの配信要求に応じて、配信条件が満たされているか否かを判定する。特定部132は、判定部131により配信条件が満たされていると判定された場合、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを対象ユーザとして特定する。配信部133は、特定部132により特定された対象ユーザに対して、クーポンを配信する。
【0100】
また、配信条件記憶部124は、配信条件として、気象データに基づく第1の条件、加盟店の売上情報に基づく第2の条件、及び取引対象の在庫情報に基づく第3の条件のうちの少なくともいずれか1つを記憶する。判定部131は、第1の条件、第2の条件、及び第3の条件のうちの少なくともいずれか1つが満たされるか否かを判定する。
【0101】
また、特定部132は、判定部131により、第1の条件、第2の条件、及び第3の条件の全てが満たされていると判定された場合、対象ユーザを特定する。
【0102】
また、配信先条件記憶部125は、配信先条件として、候補ユーザに紐付く情報であって、時系列で変化する情報に基づく条件を記憶する。
【0103】
また、配信先条件記憶部125は、候補ユーザに紐付く位置情報または決済履歴に基づく条件を記憶する。
【0104】
また、配信先条件記憶部125は、決済履歴に基づく候補ユーザの行動パターンに基づく条件を記憶する。
【0105】
また、配信部133は、クーポンに関連する関連情報を配信する。
【0106】
また、配信部133は、加盟店の売上情報に基づいて、加盟店の売上高を予測し、予測結果に基づいて、加盟店に対してクーポンの配信を提案する旨の情報を送信する。
【0107】
また、特定部132は、候補ユーザのうち、加盟店が運営するオンライン店舗で取引対象を購入した実績のある候補ユーザを対象ユーザとして特定する。また、配信部133は、対象ユーザに対して、同一の加盟店が運営するオフライン店舗で利用可能なクーポンを配信する。
【0108】
このようにして、実施形態に係る決済サーバ100は、クーポン提供元の要求に応じたタイミングでの集客を支援できる。たとえば、決済サーバ100は、悪天候により客足が遠のく可能性があったり、売上の低迷が予測されたり、在庫が過多の状態であったりというような加盟店の状況に応じて、来店が期待できる特定のユーザに対するクーポン配信を実行することにより、加盟店の集客を支援できる。
【0109】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る決済サーバ100、第1の変形例に係る決済サーバ200、及び第2の変形例に係る決済サーバ300は、たとえば、
図11に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図11は、実施形態に係る決済サーバの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0110】
コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0111】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラムなどに基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAMなど、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0112】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、たとえば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナなどといった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、たとえば、USBなどにより実現される。
【0113】
なお、入力装置1020は、たとえば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどから情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリなどの外付け記憶媒体であってもよい。
【0114】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0115】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。たとえば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0116】
たとえば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置の一例である決済サーバ100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)を実行することにより、制御部130と同様の機能を実現する。すなわち、演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラム(たとえば、情報処理プログラム)との協働により、実施形態に係る決済サーバ100による処理を実現する。
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0117】
また、上述の実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。たとえば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0118】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。たとえば、実施形態に係る決済サーバ100の制御部130が有する判定部131及び特定部132は、機能的に統合されていてもよい。
【0119】
また、上述した決済サーバ100は、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。たとえば、決済サーバ100により実行される情報処理のうち、実施形態に係る情報処理を実現するための機能を他のサーバ装置で実行されるように、情報処理システムSYSの構成を変更してもよい。
【0120】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。たとえば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0121】
10 加盟店端末
20 ユーザ端末
100 決済サーバ
110 通信部
120 記憶部
121 ユーザ情報記憶部
122 加盟店情報記憶部
123 クーポン情報記憶部
124 配信条件記憶部
125 配信先条件記憶部
130 制御部
131 判定部
132 特定部
133 配信部
【要約】
【課題】クーポン提供元の要求に応じたタイミングでの集客を支援すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、配信条件記憶部と、配信先条件記憶部と、判定部と、特定部と、配信部とを有する。配信条件記憶部は、クーポンの配信契機を示す配信条件を記憶する。配信先条件記憶部は、クーポンの配信先とする対象ユーザを決定するための配信先条件を記憶する。判定部は、取引対象の決済方法として電子決済サービスを導入する加盟店からの配信要求に応じて、配信条件が満たされているか否かを判定する。特定部は、判定部により配信条件が満たされていると判定された場合、配信先となり得る候補ユーザの中から配信先条件に合致するユーザを対象ユーザとして特定する。配信部は、特定部により特定された対象ユーザに対して、クーポンを配信する。
【選択図】
図4