(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】回路遮断器
(51)【国際特許分類】
H01H 33/28 20060101AFI20230822BHJP
H01H 33/36 20060101ALI20230822BHJP
H01H 33/42 20060101ALI20230822BHJP
H01H 71/10 20060101ALI20230822BHJP
【FI】
H01H33/28 B
H01H33/36
H01H33/42 D
H01H71/10
(21)【出願番号】P 2022523376
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 KR2020004278
(87)【国際公開番号】W WO2021096002
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-04-19
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145093
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ホン-イク
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第2093780(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第2000-0015384(KR,A)
【文献】国際公開第2008/117437(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1769195(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 33/28 - 33/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接触子と可動接触子との接点が接触し合う回路遮断部と、前記固定接触子と前記可動接触子との接触を制御する、投入バネを蓄勢する蓄勢部とを含む回路遮断器であって、
前記蓄勢部は、
カムシャフトと、前記カムシャフトに備えられたメイン出力ギアと、前記メイン出力ギアを収納するメイン蓄勢ケースと、を含むメイン蓄勢部;及び、
前記カムシャフトと連動した電動蓄勢部と、前記電動蓄勢部と連動するものの、外力によって内部のかさ歯車が噛み合って入力された外力を、前記電動蓄勢部に伝達して、前記投入バネを蓄勢する手動蓄勢部とを有する補助蓄勢部;
かさ歯車は一次かさ歯車と二次かさ歯車から構成され、
前記一次かさ歯車と前記二次かさ歯車は前記手動蓄勢部が可動していない場合は離隔され、前記手動蓄勢部が可動中は噛み合う前記一次かさ歯車と前記二次かさ歯車を含む、
回路遮断器。
【請求項2】
前記電動蓄勢部は、
前記カムシャフトと連結されたカムシャフト連動溝と、
前記カムシャフト連動溝に備えられた補助出力ギアと、
前記補助出力ギアと連動した少なくとも連動ギアと、
前記連動ギアを回転させる電動機と、を含む、
請求項1に記載の回路遮断器。
【請求項3】
前記連動ギアは、
前記電動機の回転軸に連動した電動機ギアと、前記電動機ギアと連動した一次ギアと、前記一次ギアの回転軸に連動した一次上部ギアと、前記一次ギアと連動した二次ギアと、前記二次ギアと前記補助出力ギアとの間に備えられて、前記二次ギアと前記補助出力ギアに連動した三次ギアと、を含む、
請求項2に記載の回路遮断器。
【請求項4】
前記手動蓄勢部は、
前記連動ギアと連動した
前記二次かさ歯車と、
外力によって前記二次かさ歯車と噛み合う
前記一次かさ歯車と、
前記一次かさ歯車の回転軸であるシャフトと、
前記一次かさ歯車と離隔するように、前記シャフトに形成されたバネ支持部と、
前記シャフトの末端領域における前記シャフトの長さ方向の側面に突出した回転キーと、
前記一次かさ歯車と前記バネ支持部との間に位置した底板が形成されて、一側のみ開放された円筒状であるものの、位置固定されたブッシュと、
前記ブッシュの底板と前記バネ支持部との間に備えられて、前記一次かさ歯車を前記二次かさ歯車から離隔させる方向に弾性力を付与する手動蓄勢バネと、を含む、
請求項3に記載の回路遮断器。
【請求項5】
前記二次かさ歯車は、前記一次上部ギアと連動した一体型ギアの回転軸に連動している、
請求項4に記載の回路遮断器。
【請求項6】
前記外力の方向は、時計方向である、
請求項4又は請求項5に記載の回路遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路遮断器に関し、手動蓄勢ハンドルが挿入される時にのみ、一次かさ歯車と二次かさ歯車とが噛み合う回路遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、回路遮断器は、固定接触子と、前記固定接触子と接触して通電回路を閉路する投入位置と、前記固定接触子から分離されて通電回路を開路する遮断(トリップ)位置に移動可能な可動接触子とを設けて、常にこれらを接触させて電流を流す。仮に、線路上の所定の位置で、故障により過電流が発生する場合、前記回路遮断器は、前記可動接触子を前記固定接触子から速やかに分離させて、電流を切ることで、電子機器の内部回路及び部属部品を過電流から保護する。上記のような回路遮断器は、発電所や変電所などのように、高圧の強電を投入/遮断させる用途に用いられる装置であって、必要な際は、接触した前記固定接触子と可動接触子との接点を速やかに遮断/分離することのできる作動装置を備える。前記作動装置の駆動方式としては、手動操作方式と、ソレノイド操作方式と、投入バネ操作方式と、に区分することができる。ここで、前記作動装置を駆動する方式のうち、蓄勢部を介した投入バネ制御方式は、回転力によって投入バネが蓄勢し得る状態でチャージさせる。また、過電流などが発生する場合、事故を防止するために、蓄勢した投入バネを弛ませて、可動接触子を固定接触子から分離し、電流の流れを遮断する。
【0003】
しかしながら、既存の回路遮断器は、蓄勢部が、本体部内に備えられており、本体部のドアを開放した後、投入バネを手動でチャージして、再投入状態となるようにした。この場合、作業者が高電圧にさらされる問題があり、これを解決するために、本体部の外部から手動蓄勢部を介して回転力を入力して、投入バネを手動でチャージできる構造が開発されていた。
【0004】
ところが、外部から回転力を入力するためには手動蓄勢部のギア、例えば、かさ歯車が蓄勢部の内部に常に噛み合っていることになる。この場合、手動蓄勢部を使用しなくても、蓄勢部の電動機を作動時、互いに噛み合っているかさ歯車の加工及び組み立ての状態によって、瞬時に回転不可能な状態が発生し得る。また、このように、かさ歯車が回転不可能な状態になると、電動機も回転不可能となり、破損し得、回路遮断器のチャージが不可能になるのに伴い、過電流など、非正常な状況での回路遮断器の投入も不可能であるという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、手動蓄勢部が備えられても、蓄勢部の焼損及び破損を防止できる回路遮断器を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による回路遮断器は、固定接触子と可動接触子との接点が接触し合う回路遮断部と、固定接触子と可動接触子との接触を制御する、投入バネを蓄勢する蓄勢部とを含む回路遮断器であって、蓄勢部は、カムシャフトと、カムシャフトに備えられたメイン出力ギアと、メイン出力ギアを収納するメイン蓄勢ケースと、を含むメイン蓄勢部;及び、カムシャフトと連動した電動蓄勢部と、電動蓄勢部と連動するものの、外力によって内部のかさ歯車が噛み合って入力された外力を電動蓄勢部に伝達して、投入バネを蓄勢する手動蓄勢部とを有する補助蓄勢部;を含む。
【0008】
電動蓄勢部は、カムシャフトと連結されているカムシャフト連動溝と、カムシャフト連動溝に備えられた補助出力ギアと、補助出力ギアと連動した少なくとも連動ギアと、連動ギアを回転させる電動機と、を含む。
【0009】
連動ギアは、電動機の回転軸に連動した電動機ギアと、電動機ギアと連動した一次ギアと、一次ギアの回転軸に連動した一次上部ギアと、一次ギアと連動した二次ギアと、二次ギアと補助出力ギアとの間に備えられて、二次ギアと補助出力ギアに連動した三次ギアと、を含む。
【0010】
手動蓄勢部は、前記連動ギアと連動した二次かさ歯車と、外力によって二次かさ歯車と噛み合う一次かさ歯車と、一次かさ歯車の回転軸であるシャフトと、一次かさ歯車と離隔するようにシャフトに形成されたバネ支持部と、シャフトの末端領域におけるシャフトの長さ方向の側面に突出した回転キーと、一次かさ歯車とバネ支持部との間に位置した底板が形成されて、一側のみ開放された円筒状であるものの、位置固定されたブッシュと、ブッシュの底板とバネ支持部との間に備えられて、一次かさ歯車を二次かさ歯車から離隔させる方向に弾性力を付与する手動蓄勢バネと、を含む。
【0011】
二次かさ歯車は、一次上部ギアと連動した一体型ギアの回転軸に連動することができ、前記外力の方向は、時計方向であってもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明による回路遮断器は、平常は、一次かさ歯車と二次かさ歯車を分離させ、手動蓄勢時にのみ、一次かさ歯車と二次かさ歯車とが噛み合うようにして、蓄勢部の破損及び変形を防止することができる。
【0013】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明するとともに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】本発明による回路遮断器における回路遮断部の概略側面図。
【
図5】本発明による回路遮断器におけるメイン蓄勢部の斜視図。
【
図6】本発明による回路遮断器における補助蓄勢部の斜視図。
【
図7】本発明による回路遮断器における電動蓄勢部の斜視図。
【
図8】本発明による回路遮断器における電動蓄勢部の正面図。
【
図9】本発明による回路遮断器における補助蓄勢部の概略斜視図。
【
図10】本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されている補助蓄勢部の概略斜視図。
【
図11】本発明による回路遮断器における手動蓄勢部の概略分解斜視図。
【
図12】本発明による回路遮断器におけるシャフトが圧迫される前の手動蓄勢部の斜視図。
【
図13】本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されて、圧迫される前の状態である補助蓄勢部の平面図。
【
図14】本発明による回路遮断器におけるシャフトが圧迫された後の手動蓄勢部の斜視図。
【
図15】本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されて、圧迫された状態である補助蓄勢部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知の技術に対する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0016】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0017】
以下では、本発明の実施形態による回路遮断器を説明することとする。
【0018】
図1~
図3は、本発明による回路遮断器の概略斜視図である。
図1は、ドアを除去した図面であり、
図2は、ドアを示した図面、
図3は、ドアの蓋が開放されて、手動蓄勢ハンドルが挿入されている図面である。
【0019】
本発明による回路遮断器は、
図1~
図3に示されているように、本体部100と、本体部100に備えられて、固定接触子と可動接触子との接点が接触し合う回路遮断部200と、回路遮断部200を動作させる投入バネを蓄勢する蓄勢部300と、を含む。
【0020】
本体部100は、内部に回路遮断部200と蓄勢部300を収納し、少なくとも一面に開閉可能なドア110が備えられる。また、ドア110には、後述する手動蓄勢部340を駆動するための手動蓄勢ハンドル(C)が挿入できるように開閉されるドアの蓋111が備えられてもよい。もちろん、ドアの蓋111は、省略することもできる。
【0021】
図4は、本発明による回路遮断器における回路遮断部の概略側面図である。
【0022】
回路遮断部200は、本体部100内に備えられて、投入バネによって回路を遮断するか投入(通電)させる。かかる回路遮断部200は、蓄勢部300によって上下に回転運動する駆動シャフト210と、駆動シャフト210によって上下に往復運動する駆動リンク220と、駆動リンク220の上下往復運動によって上下に回転運動する接触子駆動リンク230と、固定接触子250で固定された回路遮断器の投入(通電)と遮断を制御する可動接触子240と、固定接触子250と、を含む。かかる構造により、投入バネが蓄勢した状態で、過電流又は事故電流が発生すれば、投入バネを解除(弛み)して、可動接触子240が固定接触子250から分離されるようにする。
【0023】
もちろん、本発明による器具部は、前述した構造に限定されるものではなく、投入バネによって駆動して回路を遮断できる構造であれば、どんな構成でも適用することができる。
【0024】
蓄勢部300は、投入バネを蓄勢するためのものであって、投入バネを蓄勢するメイン蓄勢部310と、電動機333又は手動操作によってメイン蓄勢部310を駆動させて、投入バネを蓄勢する補助蓄勢部320とを含む。
【0025】
図5は、本発明による回路遮断器におけるメイン蓄勢部の斜視図である。
【0026】
メイン蓄勢部310は、手動ハンドル311と、手動ハンドル311の結合したカムシャフト312と、カムシャフト312に備えられて、カムシャフト312を介して伝達された回転力をカム軸に伝達するメイン出力ギア313と、メイン出力ギア313を収納するメイン蓄勢ケース314と、を含む。かかる構造により、メイン蓄勢部310は、手動ハンドル311を一側に回転させると、手動ハンドル311と連結されたカムシャフト312も回転し、これによって、メイン出力ギア313を作動して、投入バネを手動でも蓄勢することができる。すなわち、また、メイン蓄勢部310には、手動ハンドル311のみならず、補助蓄勢部320が連結され、補助蓄勢部320の電動機333による投入バネの蓄勢だけでなく、手動ハンドル311による蓄勢及び手動蓄勢ハンドル(C)による蓄勢が可能である。
【0027】
図6は、本発明による回路遮断器における補助蓄勢部の斜視図である。
【0028】
補助蓄勢部320は、電動機333又は手動蓄勢ハンドル(C)によってカムシャフト(
図5の312)を回転して、投入バネを蓄勢させる。これのために、補助蓄勢部320は、電動蓄勢部330と手動蓄勢部340とを含む。
【0029】
図7は、本発明による回路遮断器における電動蓄勢部の斜視図であり、
図8は、本発明による回路遮断器における電動蓄勢部の正面図である。
【0030】
電動蓄勢部330は、電動機333に制御電源を供給すると、電動機333の作動によって補助出力ギア339が回転するようにする。ここで、電動機333と補助出力ギア339との間には、電動機333と補助出力ギア339との間を連動する少なくとも一つ以上の連動ギアを備えることができる。
【0031】
本実施形態は、少なくとも一つ以上の連動ギアとして、一次ギア335と、二次ギア337と、三次ギア338と、を例示する。また、これによって、本実施形態は、電動機333が回転すれば、電動機ギア334が回転し、電動機ギア334が回転するのに伴い、一次ギア335と、二次ギア337と、三次ギア338と、補助出力ギア339と、が順に連動して回転する。また、補助出力ギア339と連結されたカムシャフト連動溝332は、カムシャフト312に組み立てられて、投入バネのチャージ動作を可能にする。
【0032】
図9は、本発明による回路遮断器における補助蓄勢部の概略斜視図であり、
図10は、本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されている補助蓄勢部の概略斜視図である。
図11は、本発明による回路遮断器における手動蓄勢部の概略分解斜視図である。
【0033】
手動蓄勢部340は、外部から手動で補助出力ギア339を回転させて、投入バネが蓄勢するようにする。より詳細には、
図9及び
図10を参照すれば、手動蓄勢ハンドル(C)を一方向、例えば、時計方向に回転させると、一次かさ歯車341も時計方向に回転する。また、一次かさ歯車341と連動した二次かさ歯車347も回転するようになる。二次かさ歯車347が回転すると、二次かさ歯車347の一体型ギア348も回転して、一次上部ギア336を駆動し、これによって、二次ギア337と三次ギア338及び補助出力ギア339が回転して、メカニズムのチャージ動作を行う。
【0034】
手動蓄勢部340は、
図11に示されているように、圧迫により、二次かさ歯車347と噛み合う一次かさ歯車341と、一次かさ歯車341の回転軸であるシャフト342と、一次かさ歯車341と離隔するようにシャフト342に備えられたバネ支持部343と、シャフト342の末端領域におけるシャフト342の長さ方向の側面に突出した回転キー344と、底板が形成されて、一側のみ開放された円筒状であるものの、底板は、一次かさ歯車341とバネ支持部343との間に位置するものの、補助蓄勢ケース331に固定されたブッシュ346と、ブッシュ346の底板とバネ支持部343との間に備えられた手動蓄勢バネ345と、を含む。
【0035】
一次かさ歯車341は、二次かさ歯車347と噛み合って、二次かさ歯車347を回転させる。ここで、本発明は、手動蓄勢部340を作動しない場合は、一次かさ歯車341が二次かさ歯車347から離隔するようにして、手動蓄勢部340を作動する時にのみ、一次かさ歯車341が二次かさ歯車347と噛み合うようにする。
【0036】
シャフト342は、一次かさ歯車341の回転軸から延びた形状に備えられる。かかるシャフト342は、後述するブッシュ346を介して他側が、補助蓄勢ケース331の外部にさらされて、手動蓄勢ハンドル(C)と噛み合って回転することによって、一側に備えられた一次かさ歯車341を回転させる。
【0037】
バネ支持部343は、シャフト342に挿入されて、手動蓄勢バネ345の一側を支持する。また、バネ支持部343は、一次かさ歯車341と離隔するようにシャフト342に備えられる。本実施形態は、バネ支持部343として、オーリングを例示する。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、バネ支持部343をオーリング状にシャフト342に結合せず、シャフト342における円状に延びて突出するように、バネ支持部343を形成することもできる。また、本発明は、オーリング状のバネ支持部343に代えて回転キー344のように、シャフト342の側面に突起を突出して、手動蓄勢バネ345の一側を支持することもできる。すなわち、本発明は、手動蓄勢バネ345の一側を支持することができれば、バネ支持部343の形状及び構造には限定されない。
【0038】
回転キー344は、手動蓄勢部340の作動時、手動蓄勢ハンドル(C)と結合して、シャフト342を回転させる。すなわち、回転キー344は、シャフト342を回転させるための突起の役割を担い、シャフト342の長さ方向と交差する方向に突出するようにシャフト342の他側に備えられる。また、回転キー344は、シャフト342の他側に備えられるものの、バネ支持部343の他側、すなわち、一次かさ歯車341、バネ支持部343、回転キー344の順に、シャフト342に位置するように備えられる。
【0039】
ブッシュ346は、手動蓄勢バネ345の他側を支持し、手動蓄勢部340の作動時に挿入される手動蓄勢ハンドル(C)を支持する。これのために、ブッシュ346は、前述したように、一側に底板が形成されて、一側のみが開放された中空の円筒状であり、底板には孔が形成されて、シャフト342が貫通するようにする。また、一側の底板の内面は、手動蓄勢バネ345の他側を支持し、前述したバネ支持部343は、手動蓄勢バネ345の一側を支持するようにする。ここで、ブッシュ346は、補助蓄勢ケース331に結合して固定され、これによって、一次かさ歯車341とバネ支持部343及び回転キー344の備えられたシャフト342は、固定されたブッシュ346を貫通して往復運動することができるようになる。もちろん、バネ支持部343は、ブッシュ346を介して補助蓄勢ケース331の外部にさらされており、ブッシュ346の底面が補助蓄勢ケース331の内部に位置しているため、一次かさ歯車341とバネ支持部343及び回転キー344の備えられたシャフト342は、固定されたブッシュ346から離脱することはない。
【0040】
手動蓄勢バネ345は、固定されたブッシュ346の底板と、往復移動可能なシャフト342に備えられたバネ支持部343との間に位置する。また、これによって、バネ支持部343をブッシュ346から押し出して、バネ支持部343の備えられたシャフト342も、補助蓄勢ケース331の外部へ押し出す。よって、シャフト342の一側に備えられた一次かさ歯車341も、シャフト342とともに押し出されて、二次かさ歯車347から分離されるようにする。もちろん、手動蓄勢ハンドル(C)がブッシュ346の内部に挿入されて、シャフト342の他側及び回転キー344と結合した後、シャフト342に圧力を加えると、手動蓄勢バネ345は、圧縮される。また、手動蓄勢バネ345が圧縮されると、バネ支持部343が補助蓄勢ケース331の内部に移動され、これによって、バネ支持部343と結合したシャフト342と、シャフト342の一側に備えられた一次かさ歯車341も共に移動されて、二次かさ歯車347と噛み合う。
【0041】
図12は、本発明による回路遮断器におけるシャフトが圧迫される前の手動蓄勢部の斜視図であり、
図13は、本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されて、圧迫される前の状態である補助蓄勢部の平面図である。
【0042】
図12及び
図13を参照すれば、手動蓄勢部340が作動する前、すなわち、手動蓄勢ハンドル(C)がシャフト342を圧迫する前である場合、手動蓄勢バネ345がバネ支持部343を圧迫して、ブッシュ346とバネ支持部343との間の間隔を増加させる。ここで、ブッシュ346は、位置が固定していることから、バネ支持部343のみがブッシュ346から遠ざかるようになり、バネ支持部343と結合したシャフト342、及びシャフト342の一側に備えられた一次かさ歯車341も、バネ支持部343に沿って移動する。また、これによって、一次かさ歯車341が二次かさ歯車347から分離されて、電動蓄勢部300の作動時、一次かさ歯車341の影響無く、二次かさ歯車347が回転できる。すなわち、本発明は、手動蓄勢バネ345が圧縮されたとき、一次かさ歯車341とブッシュ346の底板までの距離は、二次かさ歯車347とブッシュ346の底板までの距離と等しくして、手動蓄勢バネの圧縮時にのみ、一次かさ歯車341と二次かさ歯車347とが噛み合うようにする。
【0043】
図14は、本発明による回路遮断器におけるシャフトが圧迫された後の手動蓄勢部の斜視図であり、
図15は、本発明による回路遮断器における手動蓄勢ハンドルが挿入されて、圧迫された状態である補助蓄勢部の平面図である。
【0044】
図14及び
図15を参照すれば、手動蓄勢部340が作動、すなわち、手動蓄勢ハンドル(C)が手動蓄勢部340に挿入されて、シャフト342を圧迫すれば、バネ支持部343が手動蓄勢ハンドル(C)に圧迫されて、手動蓄勢バネ345を圧縮させる。この場合、ブッシュ346は、位置が固定していることから、バネ支持部343のみがブッシュ346に近づけるようになり、バネ支持部343と結合したシャフト342、及びシャフト342の一側に備えられた一次かさ歯車341も、バネ支持部343に沿って移動する。これによって、一次かさ歯車341が二次かさ歯車347と噛み合うようになり、手動蓄勢ハンドル(C)の回転に伴って回転する一次かさ歯車341によって、二次かさ歯車347も回転して、投入バネを蓄勢させる。
【0045】
上述したように、本発明は、平常は、二次かさ歯車と一次かさ歯車を分離させ、手動蓄勢時にのみ、二次かさ歯車と一次かさ歯車とが噛み合うようにして、蓄勢部の破損及び変形を防止することができる。
【0046】
以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者によって様々な変形が行われることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述するうちに、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。