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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-21
(45)【発行日】2023-08-29
(54)【発明の名称】T-LED空気含有ライト管
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230822BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20230822BHJP
   F21V 3/06 20180101ALI20230822BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230822BHJP
【FI】
F21S2/00 230
F21V3/02 400
F21V3/06 131
F21Y115:10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022540818
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 EP2020087482
(87)【国際公開番号】W WO2021136712
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】20150006.3
(32)【優先日】2020-01-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ブッケムス ペーター ヨハンネス マリヌス
(72)【発明者】
【氏名】アンセムス ヨハンネス ペトルス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァイエルス アルデゴンダ ルシア
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220136(JP,A)
【文献】特開2015-144261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 3/02
F21V 3/06
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状エンクロージャと、前記管状エンクロージャ内部に構成されている、光源光を生成するように構成されている複数の光源とを備える、光生成デバイスであって、前記光源が固体光源を含み、前記管状エンクロージャが、前記光源光の少なくとも一部に対して透過性であるエンクロージャ材料を含み、前記エンクロージャ材料が、剛性のポリマー発泡体材料を含み、前記ポリマー発泡体材料が、10~95体積%の範囲から選択される、ガス空隙を含む前記ポリマー発泡体材料の総体積に対する、前記ガス空隙の体積分率を有し、前記管状エンクロージャが、少なくとも400mmの管長さと、0.5~6mmの範囲から選択される壁厚さとを有する、光生成デバイス。
【請求項2】
前記管長さが、少なくとも1200mmであり、前記壁厚さが、少なくとも1mmであり、前記ガス空隙を含む前記ポリマー発泡体材料の前記総体積に対する、ガス空隙の前記体積分率が、30~95体積%の範囲から選択される、請求項1に記載の光生成デバイス。
【請求項3】
前記管状エンクロージャが、前記ガス空隙のサイズの勾配、及び/又は、壁厚さの変動を有する、請求項1又は2に記載の光生成デバイス。
【請求項4】
前記複数の光源が、同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されている、n1個の光源のサブセットを含み、前記管状エンクロージャが、外径D1を有し、n1個の光源の前記サブセットの、前記n1個の光源が、ピッチPを有し、D1≧1.5Pである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項5】
n1が、前記壁厚さをw1として最小LED計数値NL,M=(2.7w1+30)/mに最も近い整数値であるか、又は前記最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものである、請求項4に記載の光生成デバイス。
【請求項6】
前記壁厚さが、1mmよりも大きく、かつ6mm以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項7】
前記管状エンクロージャが外径D1を有し、前記外径D1が、少なくとも30mmかつ最大で50mmの範囲から選択される、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項8】
前記ガス空隙が、少なくとも0.02mmかつ最大で1.8mmの数平均粒径を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項9】
第1の扇形によって画定されている、前記管状エンクロージャの第1の細長部分が、第1の反射率R1を有し、第2の扇形によって画定されている、前記管状エンクロージャの第2の細長部分が、第2の反射率R2を有し、R1>R2である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項10】
前記第1の反射率R1が、少なくとも50%の範囲から選択され、前記第2の反射率が、5~40%の範囲から選択される、請求項9に記載の光生成デバイス。
【請求項11】
前記第1の細長部分内の前記ガス空隙が、最大で0.5mmかつ最小で0.02mmの数平均粒径を有し、前記第2の細長部分内の前記ガス空隙が、少なくとも0.6mmかつ最大で1.8mmの数平均粒径を有する、請求項9又は10のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項12】
前記第1の扇形が、45~315°の範囲から選択される第1の中心角θ1を有し、前記第2の扇形が、45~315°の範囲から選択される第2の中心角θ2を有し、240°≦θ1+θ2≦360°である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項13】
前記ポリマー発泡体材料が、PP、SAN、PMMA、PMMI、PC、PU、PET、PEN、又は上述のうちの1つ以上のコポリエステルを含む群から選択される、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項14】
電子構成要素を更に備え、前記電子構成要素が、前記管状エンクロージャによって包囲されている、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光生成デバイス。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光生成デバイスを備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光生成デバイスに関する。本発明はまた、そのような光生成デバイスを備える照明器具にも関する。
【背景技術】
【0002】
管状ハウジング内でのLEDの使用は、当該技術分野において既知である。例えば、米国特許出願公開第2010/321921号は、従来の蛍光灯器具内で使用するための、従来の蛍光管ライト用の交換ライトであって、管状ハウジングと、ハウジング内部に配置されている回路基板と、管状ハウジングの両端部上に配置されている一対のエンドキャップであって、各エンドキャップから少なくとも1つのピンコネクタが延出している、一対のエンドキャップと、回路基板に沿って長手方向に配置されているLEDのアレイであって、LEDの数及び間隔が、エンドキャップ間の空間を均一かつ完全に占有するようなものであり、コネクタのうちの少なくとも1つが、LEDに電気的に接続されている、LEDのアレイと、管状ハウジングの少なくとも一部分と接触している波長変換材料であって、LEDからの透過光によって励起されて可視光を生成する、波長変換材料とを備える、交換ライトを説明している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
LEDを搭載している管状光源は、当該技術分野において既知である。管状のガラス電球を、ポリマーベースの管で置き換えることが望まれていると考えられる。ポリマーベースの管は、製造がより容易な場合があり、特性は、より容易に制御され得る。更には、結果として得られる製品は、ガラスベースの管よりも軽くなり得る。しかしながら、驚くべきことに、ポリマーベースの管は、いくつかの観点では、より悪い特性を有すると考えられる。例えば、PCのT5管は、1200mm以上のサイズで作製されることができないと考えられていた。PC又はPMMAのT8管は、最大約1200mmの長さで作製されてもよい。しかしながら、1500mmの長さは、可能ではないと考えられる。更には、ビーム形状が容易には制御され得ない点もまた観察されている。
【0004】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点のうちの1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な光生成デバイスを提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様では、本発明は、(i)管状エンクロージャ(「エンクロージャ」又は「管」)と、(ii)管状エンクロージャ内部に構成されている、光源光を生成するように構成されている複数の光源とを備える、光生成デバイス(「照明デバイス」又は「デバイス」)光生成デバイスを提供する。特に、光源は固体光源を含む。更には、エンクロージャは、光源光の少なくとも一部に対して透過性であり得る、エンクロージャ材料、更により特定的にはポリマーエンクロージャ材料を含む。特に、実施形態では、エンクロージャ材料は、剛性のポリマー発泡体材料を含む。また更なる特定の実施形態では、ポリマー発泡体材料は、特許請求されている実施形態では10~95%などの、10~98体積%の範囲から選択される、ガス空隙を含むポリマー発泡体材料の総体積に対する、ガス空隙の体積分率を有する。特定の実施形態では、管状エンクロージャは、少なくとも500mmなどの、少なくとも400mmの管長さ(L1)を有する。更には、特定の実施形態では、管状エンクロージャは、0.5~6mmの範囲から選択される壁厚さ(w1)を有する。それゆえ、特に本発明は、(i)管状エンクロージャと、(ii)管状エンクロージャ内部に構成されている、光源光を生成するように構成されている複数の光源とを備える、光生成デバイスであって、光源が固体光源を含み、エンクロージャが、光源光の少なくとも一部に対して透過性であるエンクロージャ材料を含み、エンクロージャ材料がポリマー発泡体材料を含み、ポリマー発泡体材料が、10~95体積%などの、10~98体積%の範囲から選択される、ガス空隙を含むポリマー発泡体材料の総体積に対する、ガス空隙の体積分率を有し、管状エンクロージャが、少なくとも500mmなどの、少なくとも400mmの管長さ(L1)と、0.5~6mmの範囲から選択される壁厚さ(w1)とを有する、光生成デバイスを提供する。
【0006】
そのような管状デバイスの場合、低減された屈曲を有し得る、及び/又は、デバイスによって生成される光の、改善された角度分布を有し得る、比較的長い光生成デバイスを作り出すことが可能であると考えられる。本発明はまた、材料の使用の削減も可能にする。更には、そのようなデバイスは、比較的軽量であり得る。また、壁厚さ及びガス空隙の体積分率を調整することが、比較的容易であるとも考えられ、それにより、光の角度分布が改善されてもよく、及び/又は、光アウトカップリングが調整されてもよい。
【0007】
上述のように、光生成デバイスは、(i)管状エンクロージャを備える。特に、管状エンクロージャの(管状エンクロージャの長さ軸に対して垂直な)断面は、管状エンクロージャの長さにわたって本質的に一定であってもよい。それゆえ、長さにわたって、(管状エンクロージャによって画定されている)内部空洞の形状、及び管状エンクロージャの外形は、本質的に一定であってもよい。
【0008】
更には、内部空洞の断面形状と、断面外形とは、管状エンクロージャの全長にわたって本質的に同一であってもよい。このことは、それゆえ、長さに沿った管状エンクロージャの壁厚さが、本質的に一定であってもよいことを意味し得る。しかしながら、実施形態では、管状エンクロージャの壁厚さはまた、長さに沿って変化してもよい。しかしながら、特に、長さに沿った管状エンクロージャの壁厚さは、本質的に一定であってもよい。
【0009】
断面に沿った壁の壁厚さは、実施形態では一定であってもよい。このことは、外径と内径との間の距離が、360°に沿って一定となることを意味するものである。しかしながら、他の実施形態では、壁厚さは、断面に沿って変化してもよい。特に、管状エンクロージャの第1の細長部分が第1の扇形によって画定されており、管状エンクロージャの第2の細長部分が第2の扇形によって画定されている実施形態では、第1の円形区画における壁厚さは、第2の円形区画における壁厚さとは異なっている。例えば、第1の扇形は、45~315°の範囲から選択される第1の中心角(θ1)を有し、第2の扇形は、45~315°の範囲から選択される第2の中心角(θ2)を有し、240°≦θ1+θ2≦360°である。例えば、第1の円形区画における平均壁厚さは、第2の円形区画における平均壁厚さよりも、少なくとも30%大きいなどの、少なくとも20%大きいような、少なくとも10%大きいものである。あるいは、第2の円形区画における平均壁厚さは、第1の円形区画における平均壁厚さよりも、少なくとも30%大きいなどの、少なくとも20%大きいような、少なくとも10%大きいものである。このようにして、光源光の透過及び反射(以下もまた参照)が制御されてもよい。実施形態では、異なる(平均)壁厚さを有する、3つ以上のそのような細長部分が存在してもよい。以下で更に論じられるように、壁厚さは、一般に0.5~6mmの範囲から選択されることになる。典型的には、管状エンクロージャは、その全長と、断面形状とも称される全周とにわたって、発泡体材料を含むか又は発泡体材料から成る、壁を有する。更には、断面形状は、完全に閉じた外周を有しており、すなわち、円形、楕円形、正方形、矩形、又はD字形状などの、連続的な、すなわち、スリット、亀裂によって中断されていない、環形状を有する。
【0010】
実施形態では、内部空洞の断面形状は、本質的に円形である。更に他の実施形態では、内部空洞の断面形状は、楕円形であってもよい。更に他の実施形態では、内部空洞の断面形状はまた、ピーナッツ様形状又はD字形状(又は、閉じた半円形状)の形状を有するものなどの、自由形状であってもよい。更には、実施形態では、外形の断面形状は、本質的に円形である。更に他の実施形態では、外形の断面形状は、楕円形であってもよい。更に他の実施形態では、外側空洞の断面形状はまた、ピーナッツ様形状又はD字形状(又は、閉じた半円形状)の形状を有するものなどの、自由形状であってもよい。上述のように、内部空洞の断面形状、及び断面外形は、管状エンクロージャの全長にわたって本質的に同一であってもよく、特に、双方とも本質的に円形であってもよい。
【0011】
管状エンクロージャには、管状エンクロージャを閉鎖するための端部要素が設けられてもよい。一方又は双方の端部要素は、電気コネクタに対する、又は、例えば通信用ファイバのようなオプションの他の要素に対する、1つ以上のフィードスルーを含み得る。それゆえ、端部要素は、エンドクロージャを含み得る。更には、そのような端部要素は、(実施形態ではエンドクロージャに組み込まれてもよい)電気コネクタを含み得る。
【0012】
特に、管状エンクロージャは、少なくとも500mmなどの、少なくとも400mmの管長さ(L1)を有する。特定の実施形態では、管状エンクロージャは、約500~2500mmの長さ(L1)を有してもよい。特に、長さは、600~2000mmの範囲から選択されてもよい。更により特定的には、長さは、600mm、900mm、1200mm、1500mm、及び2000mmから成る群から選択されてもよい。
【0013】
本明細書で定義されている管状エンクロージャの長さは、管状エンクロージャと、エンドクロージャのような端部要素との、取り付け長さに関して使用されている。一般に、管状エンクロージャの実際の長さは更に、各側において最大約10cm短くてもよく、一般に、最大で合計約20cm短くてもよい。それゆえ、600mm、900mm、1200mm、1500mm、及び2000mmの長さ、並びに同様の長さは、管状エンクロージャが、400~600mm、700~900mm、1000~1200mm、1300~1500mm、及び1800~2000mmの範囲から選択される管状長さ(並びに、管状ランプに関して使用され得る同様の長さ表示から、各側において最大10cmを減じたもの)を有することを指す場合がある。より大きい管径に関しては、端部要素は、各側において、最大約6cm又は最大約5cmなどの、僅かにより短いものであってもよい。実用上の理由から、長さに関して共通の表示が使用されている。それゆえ、本明細書で定義されるような空隙を有する管状エンクロージャは、例えば、400~600mm、700~900mm、1000~1200mm、1300~1500mm、及び1800~2000mmの範囲から選択される管状長さを有してもよい。それゆえ、語句「管状エンクロージャは、少なくとも500mmの管長さ(L1)を有する」、及び同様の語句は、管状エンクロージャが、少なくとも300mmの長さを有し、端部要素を含めて、少なくとも500mmの長さを有することを指す場合がある。
【0014】
上述のように、エンクロージャは、光源光の少なくとも一部に対して透過性である、エンクロージャ材料を含む。それゆえ、エンクロージャ材料は、閉鎖された管状エンクロージャを提供してもよいが、エンクロージャ材料は光透過性であり得るため、すなわち、光源光に対して比較的低い吸収性を有し得るため、光は、エンクロージャ材料を介して透過されてもよい。それゆえ、管状エンクロージャはまた、「光透過性外囲器」として示されてもよい。これは、光透過性材料を使用することによって得られてもよい。光透過性材料は、PE(polyethylene;ポリエチレン)、PP(polypropylene;ポリプロピレン)、PEN(polyethylene napthalate;ポリエチレンナフタレート)、PC(polycarbonate;ポリカーボネート)、ポリウレタン(polyurethane;PU)、ポリメチルアクリレート(polymethylacrylate;PMA)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate;PMMA)(Plexiglas(登録商標)又はPerspex(登録商標))、ポリメタクリイミド(polymethacrylimide;PMI)、ポリメチルメタクリルイミド(polymethylmethacrylimide;PMMI)、スチレンアクリロニトリル樹脂(styrene acrylonitrile resin;SAN)、セルロースアセテートブチレート(cellulose acetate butyrate;CAB)、シリコーン、ポリ塩化ビニル(polyvinylchloride;PVC)、一実施形態では(PETG)(glycol modified polyethylene terephthalate;グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)を含めた、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、PDMS(polydimethylsiloxane;ポリジメチルシロキサン)、及びCOC(cyclo olefin copolymer;シクロオレフィンコポリマー)から成る群から選択されるような、透過性の有機材料から成る群から選択される1種以上の材料を含み得る。特に、光透過性材料は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリ(メチル)メタクリレート(P(M)MA)、ポリグリコリド又はポリグリコール酸(polyglycolic acid;PGA)、ポリ乳酸(polylactic acid;PLA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone;PCL)、ポリエチレンアジペート(polyethylene adipate;PEA)、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxy alkanoate;PHA)、ポリヒドロキシ酪酸(polyhydroxy butyrate;PHB)、ポリ(3-ヒドロキシブチラート-co-3-ヒドロキシバレラート)(poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyvalerate);PHBV)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate;PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のうちの1つ以上などの、芳香族ポリエステル、又はそのコポリマーを含み得る。それゆえ、光透過性材料は、特にポリマー光透過性材料である。特に、光透過性材料は、PP、SAN、PMMA、PMMI、PC、PU、PET、及びPENを含む群から選択される。更に他の実施形態では、上述の(PP、SAN、PMMA、PMMI、PC、PU、PET、及びPENなどの)うちの1つ以上の、コポリエステルが適用されてもよい。
【0015】
特に、エンクロージャ材料は、ポリマー発泡体材料を含む。それゆえ、特にエンクロージャ材料は、物理発泡プロセス又は化学発泡プロセスのいずれか(又は、オプションとして双方)を介して、発泡体へと作製されることが可能な、ポリマー材料を含む。以下もまた更に参照されたい。そのような発泡体においては、空隙が利用可能であり、空隙は、化学発泡プロセスの間に生成され得るガスで、及び/又は、(化学若しくは物理)発泡プロセスの間に周囲ガスとして利用可能であり得るガスで充填されてもよい。それゆえ、特に、空隙は空気を含んでもよい。物理発泡の場合、一般に化学発泡の場合よりも更に高い、極めて高い空隙率が得られてもよい。特定の実施形態では、ポリマー発泡体材料は、約10~95%の範囲から選択されるような、10~98体積%の範囲から選択される、例えば少なくとも約15%のような、ガス空隙を含むポリマー発泡体材料の総体積に対する、ガス空隙の体積分率を有する。以下もまた更に参照されたい。空隙は、より軽い重量を可能にするが、また、光生成デバイスの光(「デバイス光」)の角度分布を制御することも可能にする。
【0016】
更には、光生成デバイスは、光源光を生成するように構成されている複数の光源を備える。光源は、同じビンからの固体光源のように、同じタイプの光を生成するように構成されてもよい(以下もまた参照)。しかしながら、異なるスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されている、2つ以上のサブセットもまた存在してもよい(以下もまた参照)。特に、複数の光源は、管状エンクロージャ内部に構成されている。複数という用語は、少なくとも2つを指す。しかしながら、一般に、少なくとも10個などの、更に多くの光源が存在してもよい。特に、光源は固体光源を含む。
【0017】
上述のように、光源は、管状エンクロージャ内に構成されている。それゆえ、管状エンクロージャは、光源の下流に構成されている。用語「上流」及び「下流」は、光生成手段(本明細書では特に、光源)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成手段からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内の、光生成手段により近い第2の位置が「上流」であり、光ビーム内の、光生成手段からより遠く離れた第3の位置が「下流」である。
【0018】
ここで以下に、光源に関する、いくつかの一般的な態様及び実施形態が提供される。
【0019】
光生成デバイスはまた、光源も備える。光源は、光源光を生成するように構成されている。実施形態では、光源光は可視光を含む。用語「光源」はまた、1つ以上の同じ光源、又は1つ以上の異なる光源などの、「1つ以上の光源」を指す場合もある。
【0020】
上述のように、光生成デバイスは、1つ以上の光源、特に複数の光源を備える。用語「光源」とは、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリックス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリックス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。LEDという用語はまた、複数のLEDを指す場合もある。更には、用語「光源」は、実施形態ではまた、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指す場合もある。用語「COB」は特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。用語「光源」はまた、2~2000個の固体光源などの、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関する場合もある。実施形態では、光源は、LEDなどの、単一の固体光源の下流の、又は複数の固体光源の下流の(すなわち、例えば、複数のLEDによって共有されている)、1つ以上のマイクロ光学要素(マイクロレンズのアレイ)を含んでもよい。実施形態では、光源は、オンチップ光学素子を有するLEDを含み得る。実施形態では、光源は、(実施形態では、オンチップビームステアリングを提供する)(光学素子を有する、又は有さない)画素化された単一のLEDを含む。
【0021】
本明細書では、用語「光源」とは特に、「固体光源」を指す。特に、光生成デバイスは、複数の固体光源を備える。
【0022】
語句「異なる光源」又は「複数の異なる光源」、及び同様の語句は、実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択されている複数の固体光源を指してもよい。同様に、語句「同一の光源」又は「複数の同じ光源」、及び同様の語句は、実施形態では、同じビンから選択されている複数の固体光源を指す場合がある。
【0023】
用語「光源」又は「固体光源」はまた、それぞれ、光源と光学素子とを含むパッケージ、又は特に、固体光源と光学素子とを含むパッケージを指す場合もある。光学素子は、特定の実施形態ではレンズを含むが、あるいは、又は更に、他の光学素子もまた可能であり得る。実施形態では、固体光源は、トップエミッタであってもよい。あるいは、又は更に、実施形態では、固体光源は、サイドエミッタであってもよい。
【0024】
1つ以上の光源は、光源光を生成するように構成されている。特に、光源光は可視光源光を含む。特定の実施形態では、光源は、可視光源光から本質的に成る。2つ以上の光源が存在する場合、1つ以上の光源が、本質的に同じ放射線(すなわち、同じスペクトルパワー分布を有する放射線)を供給してもよい。更に他の実施形態では、複数の光源が存在する場合、異なるスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されている、2つ以上の光源が存在してもよい。更には、複数の光源が存在する場合、少なくとも1つ、特に少なくとも50%が、可視光を生成するように構成されてもよい。オプションとして、1つ以上の光源は、UV放射線又はIR放射線を生成するように構成されてもよい。
【0025】
更には、実施形態では、光源のうちの1つ以上は、UV光を生成するように構成されてもよい。そのようなUV光は、250~380nmの波長域内などの、100~380nmの波長域内の、1つ以上の波長を有してもよい。IR放射線は、IR-A(800~1400nm)内、及び/又はIR-B(1400~3000nm)内、及び/又はIR-C(3000~10000nm)内の1つ以上の波長などの、800~10.000nmの波長域内の1つ以上の波長を有してもよい。特に、IR放射線は、800~3000nmの波長域内の、1つ以上の波長を有してもよい。IR放射線は、例えば、LiFi用途に関して使用されてもよい。用語「Li-Fi」又はLiFi(「light fidelity;光忠実度」)とは、デバイス間でデータ及び位置を伝送するために光を利用する、無線通信技術を指す。PU発泡体のような発泡体はまた、UV及び/又はIR放射線に対して透過性であってもよい。透過性が過度に低い場合には、UV及び/又はIRが、発泡体材料(自体)を介して透過されることを必要とせずに、発泡体を通って伝搬することが可能な、物理的な開口部又はチャネルが作り出されてもよい。
【0026】
特に、複数の光源のうちの1つ以上、更により特定的には少なくとも50%、実施形態では本質的に全てなどが、可視光を生成するように構成されてもよい。用語「可視」、「可視光」、又は「可視発光」、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲の1つ以上の波長を有する光を指す。
【0027】
上述のように、エンクロージャは、光源光の少なくとも一部に対して透過性である、エンクロージャ材料を含む。それゆえ、光源光の一部は、エンクロージャから抜け出て、エンクロージャから離れる方向に発散する。光生成デバイスから離れる方向に発散する光は、本明細書ではまた、「デバイス光」としても示される。デバイス光は、エンクロージャから抜け出た、複数の光源の光源光の少なくとも一部を含む。
【0028】
特定の実施形態では、光生成デバイスは、(特に、少なくとも1つの動作モード又は動作のモードにおいて)白色を生成するように構成されている。本明細書における用語「白色光」は、当業者には既知である。白色光は特に、2000~20000K、特に2700~20000Kなどの、約1800~20000K、一般照明に関しては特に約2700K~6500Kの範囲の相関色温度(correlated color temperature;CCT)を有する光に関する。更に他の実施形態では、CCTは、1800~6500Kの範囲から選択される。実施形態では、バックライトの目的に関しては、相関色温度(CCT)は、特に約7000K~20000Kの範囲であってもよい。また更には、実施形態では、相関色温度(CCT)は特に、BBL(black body locus;黒体軌跡)から約15SDCM(standard deviation of color matching;等色標準偏差)以内、特にBBLから約10SDCM以内、更により特定的にはBBLから約5SDCM以内である。
【0029】
2つ以上の光源が可視光を生成するように構成されている場合、特定の実施形態では、光生成デバイス光のスペクトル分布は、制御可能であってもよい。それゆえ、2つ以上の光源は、例えば色点及び演色評価数のうちの1つ以上が制御されてもよい可視光を、生成するように構成されている。それゆえ、また更なる特定の実施形態では、光生成デバイスは、制御システムに機能的に結合されてもよく、又は制御システムを備えてもよい。
【0030】
例えば、実施形態では、光源の第1のサブセットは、第1のスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されてもよく、光源の第2のサブセットは、第1のスペクトルパワー分布とは異なる第2のスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されてもよい。より多くのサブセットもまた、利用可能であってもよい。このようにして、例えば、2つ以上の異なる相関色温度が、光源に提供されてもよい。このようにして、例えば、RGB光源が適用されてもよく、又はRGBY光源などが適用されてもよい。異なるスペクトルパワー分布を光源が有する場合、色点は、例えば、u'に関して少なくとも0.005、及び/又は、v'に関して少なくとも0.005異なっていてもよい(CIE1976UCS(uniform chromaticity scale;均等色度)図)。例えば、実施形態では、異なるビンからの固体光源が適用されてもよい。発泡体層はまた、異なる光源の光源光の、色混合をもたらしてもよい。それゆえ、発泡体層は、色混合機能及び/又は均質化機能を有してもよい。
【0031】
用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指す場合がある。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを更に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含んでもよい。要素を制御することは、「コントローラ」としてもまた示され得る、制御システムにより行われることができる。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0032】
制御システムはまた、リモートコントローラからの命令を受信して実行するように構成されてもよい。実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレットなどのような、ポータブルデバイスなどのデバイス上の、アプリを介して制御されてもよい。それゆえ、デバイスは、必ずしも照明システムに結合されてはおらず、(一時的に)照明システムに機能的に結合されてもよい。
【0033】
それゆえ、実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されてもよい。そのような実施形態では、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又は、スレーブモードにおいて制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特に対応の照明システムに関する固有コードにより、識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、(固有)コードの(光学センサ(例えば、QRコードリーダ)のユーザインタフェースによって入力された)知識に基づいて照明システムへのアクセスを有する、外部制御システムによって制御されるように構成されてもよい。照明システムはまた、Bluetooth、WIFI、LiFi、ZigBee、BLE、若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づいた、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0034】
システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」において、アクションを実行してもよい。同様に、方法においては、アクション、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」において実行されてもよい。用語「モード」はまた、「制御モード」として示される場合もある。このことは、システム、又は装置、又はデバイスがまた、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するように適合されてもよいことを排除するものではない。同様に、このことは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除し得ない。
【0035】
しかしながら、実施形態では、少なくとも制御モードを提供するように適合されている制御システムが、利用可能であってもよい。他のモードが利用可能である場合には、そのようなモードの選択は、特に、ユーザインタフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに応じてモードを実行することのような、他のオプションもまた可能であり得る。動作モードは、実施形態ではまた、単一の動作モード(すなわち、更なる調整可能性を有さない、「オン」)でのみ動作することが可能な、システム、又は装置、又はデバイスを指す場合もある。
【0036】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合がある。
【0037】
本発明は、とりわけ管状エンクロージャの壁厚さにおける、自由性を可能にする。壁厚さを増大させることによって、より高い剛性が得られてもよく、管状エンクロージャから発散する光の望ましい分布を得るために、空隙率及び空隙サイズが更により良好に制御されてもよい。上述のように、壁厚さ(w1)は、0.5~6mmの範囲から選択される。特定の実施形態では、壁厚さ(w1)は、少なくとも1mmである。良好な(シミュレーション)結果が、1mmよりも更に大きい壁厚さで得られた。それゆえ、実施形態では、壁厚さ(w1)は、1mmよりも大きく、少なくとも1.5mmのような、2mm以上などであってもよい。特に、壁厚さは、5mm以下などの、6mm以下である。より大きい壁厚さの場合、望ましい空隙体積分率は、(反射が所望されない限り、他の箇所を参照)透過に対して望ましくない影響を及ぼし得る。それゆえ、実施形態では、壁厚さは6mm以下である。
【0038】
良好な結果が、少なくとも900mmのエンクロージャ長さで得られた。特に、より大きいサイズのエンクロージャは、所望の機械的特性を有さない恐れがあると考えられ、ここで提案されている発泡体ベースのエンクロージャは、そのような特性のみならず、有用な透過性及び散乱性を有し得る。特定の実施形態では、管長さ(L1)は、少なくとも1200mmである。更により特定的には、管長さ(L1)は、少なくとも1500mmである。1200mm以上、ましてや1500mm以上のような、より大きいサイズのポリマーエンクロージャは、機械的特性の観点から、ほぼ可能ではないか、又は不可能であるとさえ考えられる。壁厚さを増大させると、曲げ挙動は不利となる。しかしながら、本発明の場合、そのような長さは、1mmを超える壁厚さもまた有することで、良好な機械的特性を伴って可能となると考えられる。
【0039】
更には、少なくとも15%、また更に少なくとも約20%などの空隙体積分率は、望ましい光学特性をもたらし得ると考えられる。特に、ガス空隙の割合(又は、空隙体積分率)である。それゆえ、特定の実施形態では、管長さ(L1)は、少なくとも1200mmであり、壁厚さ(w1)は、少なくとも1mmであり、ガス空隙を含むポリマー発泡体材料の総体積に対する、ガス空隙の体積分率は、30~95体積%の範囲から選択される。
【0040】
更には、外径を増大させることにより、光源の数は、均質性を維持しつつ削減されることができると考えられる。それゆえ、外径が増大する場合、より少ない光源が使用されてもよい。このことは、要素を節約して、実施形態ではまたエネルギーも節約し得る。ここでは、特に、特定のスペクトルパワー分布を有する光が抜け出る発光面として、光源が言及されている。種々のタイプの光源が適用される場合、外径の増大に伴うピッチの増大の可能性とは、(本質的に同じタイプ)の光源を指す場合がある。それゆえ、特定の実施形態では、複数の光源は、同じスペクトルパワー分布を有する光源光を生成するように構成されている、n1個の光源のサブセットを含み、管状エンクロージャは、外径(D1)を有し、n1個の光源のサブセットの、n1個の光源は、ピッチ(P)を有し、D1≧1.5Pである。光生成デバイスは、複数の異なるタイプの光源を備えてもよい。それゆえ、光源の2つ以上のサブセットが存在してもよく、サブセット内では、対応の光源によって生成される光源光は、本質的に同じであるが、その一方で、異なるサブセットからの、対応の光源によって生成される光源光は、相互に異なっていてもよい。そのような実施形態では、D1≧1.5Pの条件は、特定のサブセットの光源に適用されてもよい。特定の実施形態では、光生成デバイスの複数の光源は、単一のサブセットから成るものであってもよい点に留意されたい。更には、サブセット内に本質的に同一の光源が存在してもよいという事実は、そのようなサブセット内のサブセットが個別に制御されることを排除するものではない。
【0041】
特に、D1≧2.0Pである場合に、均質性が最良となり得る。特定の実施形態では、管状エンクロージャは、外径(D1)を有し、外径(D1)は、少なくとも20mm、特に少なくとも25mmなどの範囲から選択される。また更なる実施形態では、管状エンクロージャは、外径(D1)を有し、外径(D1)は、少なくとも30mmの範囲から選択される。そのような直径の場合、比較的少ない数の光源による、デバイス光の高い均質性がもたらされてもよい。また、そのような直径の場合、1200mm以上など、1500mm以上などの、比較的長い管状エンクロージャが提供されてもよい。実施形態では、外径(D1)は、最大で60mm、特に最大で50mmなどの範囲から選択される。
【0042】
更には、壁厚さに対する依存性もまた、存在すると考えられた。特に良好な結果は、n1が、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+30)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものである実施形態において得られた。ここでも同様に、特に、特定のスペクトルパワー分布を有する光が抜け出る発光面として、光源が言及されている。例えば、1.5mmの壁厚さを想定すると、2.71.5+30は、34.05である。それゆえ、n1は、34.05/mであってもよい。このことは、600mm又は900mmの長さの場合、n1が、それぞれ、20.43のLED又は30.6のLEDとなり、それぞれ、20個及び31個のLEDをもたらすことを意味するものである。光源の2つ以上のサブセットが存在し、(サブセット間で(上記もまた参照))相互に異なる光源光を生成している場合、この条件は、各サブセット内の光源に適用されてもよい。それゆえ、実施形態では、光生成デバイスは、各n個の光源の、k個のサブセットを備えてもよく、異なるサブセットの光源の光源光のスペクトルパワー分布は、相互に異なっており、それぞれの対応のnに関しては、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+30)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものであることが適用される。より特定的には、最小LED計数値NL,Mに最も近い整数値は、天井値である。それゆえ、上記の例において、このことは、それぞれ、21個及び31個のLEDをもたらすことになる。更には、更に良好な結果のためには、オフセットが、僅かにより大きくてもよい。それゆえ、特定の実施形態では、n1は、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+35)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものであり、更により特定的には、n1は、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+39)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものである。
【0043】
上述のように、管状エンクロージャは、空隙を含むポリマー材料を含む。これらの空隙はまた、気泡として示されてもよい。更には、事実上そのような空隙は、粒径を有するガス粒子と見なされることができる。それゆえ、特に管状エンクロージャは、ポリマー発泡体材料を含む。上記から導き出され得るように、ポリマー発泡体材料は特に、PP、SAN、PMMA、PMMI、PC、PU、PET、PEN(又は、上述のうちの1つ以上のコポリエステル)を含む群から選択されてもよい。
【0044】
更には、空隙の粒径は、特に平均して、実施形態では0.2mm以上のような、0.1mm以上などの、0.02mm以上である。より小さい空隙は、過剰な散乱をもたらし得る。更には、空隙の粒径は、特に平均して、最大で約1.8mmなどの、最大で約2.0mmであってもよい。より大きいサイズは、過度に少ない散乱をもたらし得、またそれゆえグレアのリスクをもたらし得る。それゆえ、特定の実施形態では、ガス空隙は、少なくとも0.02mm、特に少なくとも0.2mmかつ最大で1.8mmなどの、数平均粒径を有する。実施形態では、空隙の粒径は、特に平均して0.4mm以上である。更に他の実施形態では、空隙の粒径は、特に平均して、最大で約1.6mmであってもよい。
【0045】
上述のように、2つ(以上)の異なる区画又は部分を適用することが有用であり得る。例えば、一方の部分が、管状エンクロージャから光源光を抜け出させるために使用されてもよく、別の部分が、光を反射して戻すために使用されてもよい。このようにして、光は、優先的に、又は更に本質的に、一方の部分から抜け出ることになり、他方の部分を介して抜け出ることはない。そのような部分は、壁厚さ、空隙の体積分率、及び空隙の粒径のうちの1つ以上を制御することによって作り出されてもよい。
【0046】
それゆえ、特定の実施形態では、第1の扇形によって画定されている、管状エンクロージャの第1の細長部分は、第1の反射率R1を有し、第2の扇形によって画定されている、管状エンクロージャの第2の細長部分は、第2の反射率R2を有し、R1>R2である。ここで、用語「反射率」とは、光源光の1つ以上の波長に対する反射率を指す。光源光が、或る主波長、又は(例えばLED及びルミネッセント材料のような、異なるスペクトル寄与からの)複数の主波長を有する場合には、特に対応の波長に対して、R1及びR2によって反射率が定義されてもよい。また更なる特定の実施形態では、第1の反射率R1は、少なくとも50%の範囲から選択され、第2の反射率は、特に5~30%などの、5~40%の範囲から選択される。特定の実施形態では、第1の反射率R1は、少なくとも90%などの、少なくとも80%の範囲から選択される。更なる特定の実施形態では、第1の細長部分内のガス空隙は、最大で0.5mmの数平均粒径を有し、第2の細長部分内のガス空隙は、少なくとも0.6mmかつ最大で1.8mmの数平均粒径を有する。このようにして、そのような反射率の差異が得られてもよい。
【0047】
第1の部分と第2の部分とは、管状エンクロージャの等しい(動径)部分にわたって利用可能であってもよいが、等しくない(動径)部分もまた有してもよい。更には、例えば、上記で定義されたような2つの部分と、2つの部分の間の、勾配を有する2つの部分となどの、3つ以上の部分もまた存在してもよい。しかしながら、他の実施形態もまた可能であり得る。特定の実施形態では、第1の扇形は、45~315°の範囲から選択される第1の中心角(θ1)を有し、第2の扇形は、45~315°の範囲から選択される第2の中心角(θ2)を有し、240°≦θ1+θ2≦360°である。上述のように、θ1+θ2は必ずしも360°ではないが、しかしながら、特定の実施形態では、θ1+θ2=360°である。
【0048】
管状エンクロージャの機械的特性の観点から、エンクロージャ内に電子装置を含めることもまた可能であり得る。それゆえ、実施形態では、光生成デバイスは、電子構成要素を更に備えてもよく、電子構成要素は、エンクロージャによって包囲されている。電子構成要素は、例えば、安定器、ドライバ、制御システム、センサ、アンテナなどを含み得る。特に、電子構成要素は、光源に関するドライバ及び/又は安定器を含む。特に、電子構成要素は、エンドクロージャのうちの少なくとも一方によって含まれていてもよい。それゆえ、1つ以上の電子構成要素は、エンドクロージャのうちの1つ以上によって含まれてもよい。
【0049】
実施形態では、エンクロージャの少なくとも一部分は、化学発泡プロセスによって得ることが可能である。実施形態では、エンクロージャの少なくとも一部分は、物理発泡プロセスによって得ることが可能である。実施形態では、エンクロージャの少なくとも一部分は、化学発泡プロセスによって得ることが可能であり、エンクロージャの別の部分は、物理発泡プロセスによって得ることが可能であってもよい。それゆえ、実施形態では、エンクロージャの少なくとも一部分は、化学発泡プロセス又は物理発泡プロセスによって得ることが可能である。
【0050】
ここで以下に、いくつかの更なる実施形態が説明される。
【0051】
特に、発泡体エンクロージャは、発泡体材料を含む。更には、特に発泡体材料は、光源光の少なくとも一部に対して透過性である。それゆえ、光生成デバイスは、発泡体材料を更に備える。物理発泡体とは、高圧下で生成される発泡体を指す。発泡体はまた、周囲圧力下で作製されてもよい(しかしながら、高圧は必ずしも排除されるものではない)。本明細書では、発泡体は、低圧発泡プロセス(以下もまた参照)を介して、特に得ることが可能である(又は、特に得られている)。
【0052】
発泡体は、特に、ガスの発生を誘発する発泡剤又は膨張剤を使用しながら製造されてもよい。発泡剤により、気泡が生成され得ることによって、発泡体が作り出される。
【0053】
発泡体材料は、特に、光源光の少なくとも一部に対して透過性である。それゆえ、発泡体材料は、本質的に無色であってもよい。実施形態では、発泡体材料は、(光源光に対して)透明であってもよい。このようにして、光源光は、発泡体に入射して、発泡体を通って伝搬してもよいが、また、発泡体から再び出射してもよい。気泡の存在は、光源光の散乱をもたらす。それゆえ、このようにして、発泡体層は、散乱要素として使用されることができる。更には、発泡体層は、デバイスに強度を付与することができ、及び/又は、自己支持性であることなどの、支持体の機能を更に有し得る。また更に、このようにして、発泡体は、デバイスの縁部を本質的に提供し得るため、発泡体は、追加的な縁部要素を本質的に有さない光生成デバイスを生成することを可能にする。実施形態では、発泡体エンクロージャは、特に散乱性であってもよい。
【0054】
更には、発泡体は、光源を保護してもよい。そうした理由からもまた、発泡体層は、(機械的に)剛性である。エンクロージャの発泡体材料の剛性は、更なる支持要素の使用を不必要にさせることにより、本発明の光生成デバイスを、比較的安価なものにして、重量の更なる低減からの恩恵を受けるものにする。特定の実施形態では、発泡体層はまた、可撓性であってもよく、このことは、実施形態では、可撓性の光生成デバイスを可能にし得る。特許請求されている実施形態では、発泡体層は、(機械的に)剛性である。
【0055】
好適な発泡体材料は、ポリウレタン(PU)であってもよい。PUは、光透過性、更には光透明性とすることができる。他の好適な発泡体材料は、エチレン酢酸ビニル(ethylene-vinyl acetate;EVA)発泡体、エチレンと酢酸ビニルとのコポリマー(ポリエチレン酢酸ビニル(polyethylene-vinyl acetate;PEVA)とも称されるもの)、低密度ポリエチレン(low-density polyethylene;LDPE)発泡体、第1等級のポリエチレン(PE)、ニトリルゴム(nitrile rubber;NBR)発泡体、アクリロニトリル(acrylonitrile;ACN)とブタジエンとのコポリマー、ポリクロロプレン発泡体又はネオプレン、ポリイミド発泡体、発泡ポリプロピレン(expanded polypropylene;EPP)及びポリプロピレンペーパー(polypropylene paper;PPP)を含めたポリプロピレン(PP)発泡体、発泡ポリスチレン(expanded polystyrene;EPS)、押出ポリスチレン発泡体(extruded polystyrene foam;XPS)を含めたポリスチレン(PS)発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリ塩化ビニル(PVC)発泡体、シリコーン発泡体などから成る群から選択されてもよい。あるいは、又は更に、ポリカーボネート(PC)発泡体が適用されてもよい。本質的に、可視放射線に対して透過性であり、重合の間に発泡体として作製されることが可能な、任意のポリマー材料が使用されてもよい。
【0056】
それゆえ、発泡体材料は特に、((上述のものなどの)有機ポリマー及び/又は(例えばシロキサンポリマーのような)無機-有機ポリマーを含むような)ポリマー材料である。それゆえ、用語「発泡体材料」は、特定の実施形態ではまた、異なる発泡体材料の組み合わせを指す場合もある。用語「発泡体層」又は「発泡体材料」はまた、同一のタイプ又は異なるタイプの発泡体の、多層を指す場合もある。
【0057】
実施形態では、ポリマー材料は特に、化学硬化剤の使用に基づくものであってもよく、及び/又は、エアロゾルなどの発泡剤の使用に基づくものであってもよい。それゆえ、特定の実施形態では、発泡体材料という用語、及び同様の用語は、本明細書ではまた、「化学発泡体材料」として示されてもよい。
【0058】
特定の実施形態では、発泡体材料は、ポリウレタン発泡体のうちの1種以上を含む。PU発泡体は、UV放射線に対して比較的安定であり得、可視光に対して比較的高い透過性を有し得る。更には、上述のように、発泡体材料はまた、異なる発泡体材料の組み合わせを含んでもよい。
【0059】
透過性又は光透過性は、第1の強度を有する特定波長の光を材料に供給して、材料を透過した後に測定された、その波長の光の強度を、その特定波長で材料に供給された光の第1の強度に関連付けることによって、決定されることができる(CRC Handbook of Chemistry and Physics,69th edition,1088-1989の、E-208及びE-406もまた参照)。
【0060】
特定の実施形態では、材料は、或る波長又は波長範囲の、特に、本明細書で説明されるような放射線の供給源によって生成された放射線の波長又は波長範囲の放射線の、厚さ1mmの材料の層を介した、特に更に厚さ5mmの材料の層を介した、その放射線による垂直照射下での透過性が、少なくとも約20%、少なくとも40%などの、少なくとも60%のような、特に少なくとも80%などの、少なくとも約85%などの、更に少なくとも約90%などである場合に、透過性と見なされてもよい。
【0061】
上述のように、実施形態では、発泡体は、1つ以上の光源のうちの1つ以上を、少なくとも部分的に包囲してもよい。それゆえ、複数の光源が存在する場合、複数の光源のうちの少なくとも一部は、発泡体によって少なくとも部分的に包囲されてもよい。そのような光源は、発泡体材料と物理的に接触していてもよい。そのような光源の外表面の、少なくとも約20%などの、実施形態では少なくとも約50%のような、少なくとも一部が、発泡体材料と接触していてもよい。
【0062】
上述のように、発泡体は、気泡を含む。気泡サイズ及び気孔率は、当該技術分野において既知のように、例えば、反応時間、発泡剤又は膨張剤の濃度、発泡剤又は膨張剤のタイプ、ポリマー材料のタイプが制御されることによって、制御されてもよい。気孔率が高いほど、散乱が多くなる。気孔率は、総体積に対する気泡の体積として定義され得る。それゆえ、気孔率又は空隙体積分率は、材料内の空隙(すなわち、「空の」)空間の尺度であり、理論上は0%超~100%未満の範囲の、総体積に対する空隙の体積の割合である。
【0063】
気泡が球形ではない場合には、球相当径が、気泡サイズとして適用されてもよい。
【0064】
特定の実施形態では、気泡サイズの分布が存在してもよい。外面の近くに、比較的より多くのより小さい気泡が存在し、より光源の近くに、比較的より多くのより大きい気泡が存在する場合、有用であると考えられる。このようにして、空間光分布が改善されてもよい。それゆえ、実施形態では、数平均気泡サイズは、光源から外面までの距離が増大するにつれて減少する。
【0065】
また更なる態様では、本発明はまた、光生成デバイスを製造する方法も提供する。本方法は、(i)金型と(ii)光源光を生成するように構成されている光源とを準備するステップを含み得る。本方法は、発泡体エンクロージャを準備するために発泡体形成段階を実行するステップを更に含んでもよく、発泡体形成段階は、発泡体材料の前駆体材料を金型内に供給するステップと、発泡体材料の前駆体材料が(発泡体形成時間の間に)発泡体材料へと反応することを可能にするステップとを含み、発泡体材料は、光源光の少なくとも一部に対して透過性である。また更には、本方法は、そのように形成された発泡体エンクロージャを金型から取り外すステップを含み得る。更には、本方法は、そのように形成された発泡体エンクロージャ内に光源を配置するステップの1つを含み得る。それゆえ、本発明は特に、実施形態では、(a)(i)金型と(ii)光源光を生成するように構成されている光源とを準備するステップと、(b)発泡体エンクロージャを準備するために発泡体形成段階を実行するステップであって、発泡体形成段階が、発泡体材料の前駆体材料を金型内に供給するステップと、発泡体材料の前駆体材料が(発泡体形成時間の間に)発泡体材料へと反応することを可能にするステップとを含み、発泡体材料が、光源光の少なくとも一部に対して透過性である、発泡体形成段階を実行するステップと、そのように形成された発泡体エンクロージャを金型から取り外すステップと、(c)そのように形成された発泡体エンクロージャ内に光源を配置するステップとを含む、光生成デバイスを製造する方法を提供する。
【0066】
実施形態では、金型は特に、管状エンクロージャを成形するように構成されている。更に他の実施形態では、金型は特に、管状エンクロージャの細長部分を成形するように構成されている。同じ金型又は1つ以上の他の金型を使用することによって、1つ以上の他の細長部分が製造されてもよく、それらは、溶着などによって、管状エンクロージャへと組み立てられてもよい。
【0067】
本方法は、発泡体エンクロージャを準備するために発泡体形成段階を実行するステップを含む。発泡体形成段階は、発泡体材料の前駆体材料を金型内に供給するステップと、発泡体材料の前駆体材料が(発泡体形成時間の間に)発泡体材料へと反応することを可能にするステップとを含み得る。上述のように、発泡体材料は、光源光の少なくとも一部に対して透過性である。発泡体材料の少なくとも一部が形成された後、そのように形成された発泡体エンクロージャは、金型から取れてもよい。このことは、金型が、上述の光透過性外囲器などの、光生成デバイスに関する光透過窓として設計されている場合には、行われなくてもよい。
【0068】
特定の実施形態では、本方法は、2つ以上の異なる前駆体材料を順次に適用するステップを含み得る。そのような方法は、例えば、気泡サイズの勾配を得るために使用されてもよい。気泡サイズに勾配をもたらす代替的方法は、例えば2K成形又は3K成形によるものであってもよい。それゆえ、実施形態では、多層成形が適用されてもよい。これらの成形ステップのうちの1つはまた、非発泡材料を使用して行われることもできる。
【0069】
更には、発泡体材料は、例えば、発泡体材料の前駆体を含む層を金型内に供給して、発泡体材料の前駆体が、発泡体形成時間の間に発泡体材料へと反応することを可能にすることによって提供される。
【0070】
前駆体材料は、実施形態では、ポリマーを形成するためのモノマーを含み得る。更には、前駆体材料は、発泡剤を含み得る。しかしながら、代替的又は追加的に、発泡体を作り出すために他の方法が使用されてもよい。例えば、実施形態では、ポリウレタン(前駆体)が、第2の支持体上に吹き付けられてもよい。
【0071】
前駆体は、(それゆえ)実施形態では、ポリマー材料(すなわち、既に(本質的に)重合されているもの)を含み得る。
【0072】
語句「発泡体材料の前駆体が、発泡体形成時間の間に発泡体材料へと反応することを可能にするステップ」はまた、「発泡体材料の前駆体が、発泡体形成時間の間に発泡体材料へと発達することを可能にするステップ」も示し得る。この語句内の用語「発達する(develop)」の代わりに、用語「増大する(rise)」もまた使用されてもよい。
【0073】
実施形態では、モノマー成分が組み合わされて、高温の液体ポリウレタン又は他のポリマー発泡性材料を形成し、パイプを通ってノズルヘッド内に送り込まれる。ヘッドの下に、金型又は金型の一部などの、支持体が存在してもよい。ノズルは、高温の液体の微細な噴霧を、別のノズルから来る二酸化炭素(及び/又は、Nなどの他のガス)の強風と混合して、支持体の上に噴出する。このことにより、ポリウレタン(又は、他のポリマー発泡性材料)が膨張して、発泡体ストリップが形成される。発泡体は、ポリウレタン(又は、他のポリマー発泡性材料)内に閉じ込められた、多数の微小なガス気泡で構成されている。
【0074】
実施形態では、発泡剤、典型的には窒素ガスが、溶融ポリマーと混合され、金型内に低圧で射出されてもよい点を除いて、従来の射出成形と同様のプロセスが適用されてもよい。射出の間、金型は、高圧成形の場合のように、樹脂で完全に充填又は充満されることはない。射出の直後に、ガス/ポリマー混合物は、膨張することが可能にされ、金型を充満して、密度が低減された剛性の塑性部品を作り出す。
【0075】
実施形態では、エアロゾルベースの溶液が選択されてもよい。例えば、一成分発泡体と呼ばれる場合がある、絶縁性発泡体シーラント製品が利用可能である。二成分絶縁製品の場合、発泡体を構成する化学物質は、混合されるまで、異なるドラム又は容器内に分離されて保たれている。一成分発泡体(例えば、「缶入り発泡体」)製品は、既に部分的に混合されて部分的に反応しているものであってもよい。そのことが、この製品が広く利用可能である理由の1つであり得る。それゆえ、本明細書における発泡体材料は特に、低圧発泡プロセスを介して得ることが可能である。低圧という用語は、周囲圧力での、また特に約35バールよりも低い、10~30バール(1~3MPa)の範囲などの、又はそれよりも低い、約1~10バールの範囲などの圧力を指す場合がある。
【0076】
それゆえ、特定の実施形態では、発泡体材料、及び同様の用語は、本明細書ではまた、それぞれ、「低圧発泡体材料」として示されてもよい。
【0077】
低圧発泡技術は、当該技術分野において既知である。
【0078】
特に、光源光の少なくとも一部に対して透過性である発泡体材料をもたらす、前駆体材料が選択される(上記もまた参照)。
【0079】
反応時間は、特に、所望の発泡体材料高さ(又は、厚さ)が得られるように選択されてもよい。特定の実施形態では、特定の高さに到達した後であっても、重合反応が継続し得る点に留意されたい。
【0080】
上記で導き出され得るように、特定の実施形態では、発泡体材料の前駆体は、ポリウレタン発泡体又はPC発泡体の前駆体、あるいは、PC発泡体とPU発泡体との組み合わせの前駆体、特に(少なくとも)PU発泡体の前駆体であってもよい。しかしながら、上述のように、他の発泡体が排除されるものではない。
【0081】
物理発泡プロセスは、実施形態では、物理発泡剤を使用する、溶融物内への直接的なガス注入によって得られてもよい。この加圧ガスは、加圧されたCO及び/又はNであってもよい。特定の実施形態では、加圧ガスは、液体Nなどの、液体(CO及び/又はN)として供給されてもよい。液体ガスは、その気体状態に戻ることにより、気泡をもたらす。
【0082】
また更なる態様では、本発明はまた、(実施形態では、本明細書で説明されるような方法に従って得ることが可能な)本明細書で説明されるような光生成デバイスを備える、照明器具も提供する。また更なる実施形態では、本発明はまた、本明細書で説明されるような複数の光生成デバイスを備える、照明器具も提供する。
【0083】
光生成デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己点灯ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明、デジタル投影、又はLCDバックライトの一部であってもよく、若しくは、それらに適用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1a】いくつかの実施形態を概略的に示す。
図1b】いくつかの実施形態を概略的に示す。
図1c】いくつかの実施形態を概略的に示す。
図2a】いくつかの更なる実施形態を概略的に示す。
図2b】いくつかの更なる実施形態を概略的に示す。
図2c】いくつかの更なる実施形態を概略的に示す。
図3a】いくつかのシミュレーションを示す。
図3b】いくつかのシミュレーションを示す。
図3c】いくつかのシミュレーションを示す。
図4】照明器具の一実施形態を概略的に示す。
【0085】
概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1aは、光生成デバイス1000の一実施形態の斜視図を概略的に示し、図1bは、断面図を概略的に示す。光生成デバイス1000は、(i)管状エンクロージャ100と、(ii)管状エンクロージャ100内部に構成されている、光源光201を生成するように構成されている複数の光源200とを備える。光源200は特に、LEDなどの固体光源を含む。
【0087】
エンクロージャ100は、光源光201の少なくとも一部に対して透過性である、エンクロージャ材料300を含む。エンクロージャ材料300は、ポリマー発泡体材料310を含む。ポリマー発泡体材料310は、10~98体積%の範囲から選択される、ポリマー発泡体材料310の総体積に対するガス空隙320の体積分率を有する。実施形態では、ポリマー発泡体材料310は、PP、SAN、PMMA、PMMI、PC、PU、PET、PEN、又は、上述のうちの1つ以上のコポリエステルを含む群から選択される。エンクロージャ100の少なくとも一部分は、化学発泡プロセス又は物理発泡プロセスによって得ることが可能である。
【0088】
管状エンクロージャ100は、少なくとも500mmなどの、少なくとも400mmの管長さL1と、0.5~6mmの範囲から選択される壁厚さw1とを有する。実施形態では、管長さL1は、少なくとも1200mmである。更なる特定の実施形態では、管長さL1は、少なくとも1500mmである。特定の実施形態では、壁厚さw1は、少なくとも1mmである。特定の実施形態では、壁厚さw1は、1mmよりも大きい。参照符号D1は、エンクロージャ100の外径を指し、参照符号D2は、エンクロージャ100の内径を指す。その差が、壁厚さw1である。特定の実施形態では、管状エンクロージャ100は、外径D1を有し、外径D1は、少なくとも30mmの範囲から選択される。
【0089】
光源200は、ピッチPを有する(以下もまた更に参照)。
【0090】
参照符号350(図1bを参照)は、エンドクロージャと、例えば電子コネクタとを含み得る、端部要素を示す。そのような端部要素350は、エンクロージャ100に対して成形又は接着されてもよい。図示されていないが、1つ以上の電気ケーブル、又は他の電気コネクタが、そのような端部要素350を介して、エンクロージャに進入してもよい。また更なる特定の実施形態では、ポリマー発泡体材料310の総体積に対するガス空隙320の体積分率は、30~95体積%の範囲から選択される。ガス空隙320は、実施形態では、少なくとも0.2mmかつ最大で1.8mmの数平均粒径を有してもよい。
【0091】
図1bはまた、参照符号200'及び参照符号200''で示される、2つのタイプの光源200が利用可能である一実施形態も、極めて概略的に示している。例えば、一方のタイプの光源が、白色光を放出してもよく、他方のタイプの光源が、別の相関色温度を有する白色光、又は有色光を放出してもよい。それぞれのタイプの光源は、それ自体のピッチを有してもよい。それゆえ、実施形態では、複数の光源200は、同じスペクトルパワー分布を有する光源光201を生成するように構成されている、n1個の光源200のサブセットを含み、管状エンクロージャ100は、外径D1を有し、n1個の光源のサブセットの、n1個の光源200は、ピッチPを有し、D1≧1.5Pである。
【0092】
光源の数はまた、(固定された外径においては)壁の厚さにも依存し得る。特定の実施形態では、n1は、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+30)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものである。このことは、エンクロージャ100から抜け出る光源光の、均一な光分布をもたらし得る。光源の2つ以上のサブセットが存在してもよいため、それぞれが、それ自体の最小光源計数(LED計数など)を有してもよい。例えば、実施形態では、光生成デバイス1000は、各n個の光源200の、k個のサブセットを備えてもよく、異なるサブセットの光源200の光源光201のスペクトルパワー分布は、相互に異なっており、それぞれの対応のnに関しては、最小LED計数値NL,M=(2.7w1+30)/mに最も近い整数値であるか、又は最小LED計数値NL,Mに最も近い、この整数値よりも大きいものであることが適用される。
【0093】
光生成デバイス1000は、電子構成要素1500を更に備えてもよい。ここでは、電子構成要素1500は、エンクロージャ100によって包囲されている。電子構成要素は、光源を制御するための制御システムを含み得る。(例えば、無線)通信を介して、制御システムは、ユーザインタフェースを介して制御されてもよいが、制御システムに入力を提供する、センサ及びタイマーのうちの1つ以上のような、他のオプションもまた可能であり得る。
【0094】
図1cは、管状エンクロージャ100の、D字形状(又は、閉じた半円形状)の一実施形態を概略的に示す。
【0095】
図2a、図2bを参照すると、実施形態では、光生成デバイス1000は、第1の反射率R1を有する、第1の扇形115によって画定されている管状エンクロージャ100の第1の細長部分110と、第2の反射率R2を有する、第2の扇形125によって画定されている管状エンクロージャ100の第2の細長部分120とを含んでもよく、R1>R2である。特に、第1の反射率R1は、少なくとも50%の範囲から選択され、第2の反射率は、例えば5~30%などの、5~40%の範囲から選択される。ここでは、例として、空隙率は、第2の部分よりも第1の部分110において大きいが、あるいは、又は更に、空隙サイズが異なっていてもよく、及び/又は、空隙の数が異なっていてもよい。
【0096】
特定の実施形態では、第1の細長部分110内のガス空隙320は、最大で0.5mmの数平均粒径を有し、第2の細長部分120内のガス空隙320は、少なくとも0.6mmかつ最大で1.8mmの数平均粒径を有する。(ほぼ等しい空隙体積分率における)より小さい空隙サイズは、より高い反射をもたらし得る。
【0097】
概略的に示されているように、第1の扇形115は、45~315°の範囲から選択される第1の中心角θ1を有し、第2の扇形125は、45~315°の範囲から選択される第2の中心角θ2を有し、240°≦θ1+θ2≦360°である。
【0098】
図2cは、端部要素350の一実施形態を概略的に示す。参照符号L1は、全長を示している。全長の一部は、空隙を有するポリマーエンクロージャ100であってもよい。ポリマーエンクロージャの長さは、L1'で示される。実施形態では、L1-200mm≦L1'≦L1である。例として、電子装置1500が、端部要素350によって包囲されている(左側及び右側の、破線の要素1500を参照)。
【0099】
図3aは、T5、T8、T10、及びT12タイプのエンクロージャに関する、LED計数LC、すなわち、壁厚さw1の関数としての1メートル当たりのLEDの数を示す。LED計数は、事実上、LEDなどの光源の発光面の計数を指す場合がある点に留意されたい。約500μm未満の距離などの、約1mm未満の相互距離を有する発光面のクラスタは、依然として、単一の発光面と見なされてもよい。
【0100】
図3bは、エンクロージャの外径D1の関数としての、LED計数LCを示す。LED計数及び発光面に関する、上記のコメントを参照されたい。
【0101】
図3cは、種々の壁厚さw1、すなわち、2mm、3mm、4mm、及び5mmの壁厚さに関する、平均気泡サイズD3(mm)の関数としての反射R(%)を示す。
【0102】
図4は、上述のような光生成デバイス1000を備える、照明器具2の一実施形態を概略的に示す。参照符号301は、光生成デバイス1000によって含まれているか又は光生成デバイス1000に機能的に結合されている、制御システム300と機能的に結合されてもよい、ユーザインタフェースを示している。
【0103】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0104】
本明細書の用語「実質的に(substantially)」若しくは「本質的に(essentially)」、及び同様の用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、実質的に又は本質的にという形容詞はまた、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更により特定的には99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0105】
用語「備える(comprise)」はまた、用語「備える(comprises)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態も含む。
【0106】
用語「及び/又は」は、特に、「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連する場合もある。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0107】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0108】
本明細書では、デバイス、装置、又はシステムは、とりわけ、動作中について説明されてもよい。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法、又は動作中のデバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0109】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0110】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0111】
動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、明細書本文及び請求項の全体を通して、単語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。
【0112】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0113】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0114】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得るか、又は、本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムに機能的に結合されているか、又は、デバイス、装置、若しくはシステムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、そのようなデバイス、装置、若しくはシステムの1つ以上の制御可能要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0115】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、若しくはシステムに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0116】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4