IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日新電機株式会社の特許一覧

特許7335508スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路
<>
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図1
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図2
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図3
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図4
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図5
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図6
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図7
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図8
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図9
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図10
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図11
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図12
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図13
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図14
  • 特許-スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】スイッチング電源、DC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20230823BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230823BHJP
【FI】
H02M3/28 R
H02M7/48 M
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020009341
(22)【出願日】2020-01-23
(65)【公開番号】P2021118585
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】前地 洋明
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-171174(JP,A)
【文献】特開2015-042080(JP,A)
【文献】特開2015-116001(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源と、
複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
リアクトルと、
前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備え、
抵抗と、
前記直流電源に前記抵抗を介して接続されたコンデンサと、
前記トランスの一次側端子ごとに、
アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続された第1ダイオードと、
アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続された第2ダイオードと、を有する、過電圧抑制回路を更に備えることを特徴とする、スイッチング電源。
【請求項2】
前記リアクトルは、前記トランスの一次側端子ごとに備えられていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源。
【請求項3】
前記交流電力は、単相交流電力であることを特徴とする、請求項1または2に記載のスイッチング電源。
【請求項4】
前記交流電力は、三相交流電力であることを特徴とする、請求項1または2に記載のスイッチング電源。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のスイッチング電源と、
複数のスイッチング素子を有し、前記トランスの二次側の交流電力を、直流電力に変換するアクティブブリッジ回路と、を備える、DC-DCコンバータ。
【請求項6】
直流電源と、
複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、
リアクトルと、
前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備えるスイッチング電源に適用される過電圧抑制回路であって、
抵抗と、
前記直流電源に前記抵抗を介して接続されるコンデンサと、
前記トランスの一次側端子ごとに、
アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続される第1ダイオードと、
アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続される第2ダイオードと、を備える、過電圧抑制回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスイッチング電源、それを用いたDC-DCコンバータ、及び過電圧抑制回路に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電源と、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、インバータ回路の交流出力に、一次側が接続されたトランスとを備えるスイッチング電源が知られている。特許文献1には、このようなスイッチング電源と、トランスの二次側に接続されたダイオードブリッジ回路とで構成されたDC-DCコンバータが開示されている。更に特許文献1では、トランスの端子に発生するサージ電圧を防止するために、特定の構成の過電圧抑制回路(スナバ回路:Snubber circuit)を備えることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5687373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の従来技術では、過電圧抑制回路を通じて、サージ電圧のピークを抑制する過渡的な電流が、インバータ回路のスイッチング素子(半導体素子)や直流電源に流れる。すると直流電源やインバータ回路をトランスの直近に設けることができない場合に、配線インダクタンスの影響を受けるため、そのような過渡的な電流による過電圧抑制効果が低下する怖れがある。あるいは、過渡的な電流がインバータ回路のスイッチング素子を流れるため、スイッチング素子による損失が生じる。
【0005】
本発明の一態様は、上記課題に鑑みてなされたものであり、過電圧のピークを抑制するための過渡的な電流が、過電圧抑制回路内を流れる構成としたスイッチング電源を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るスイッチング電源は、直流電源と、複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、リアクトルと、前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備え、抵抗と、前記直流電源に前記抵抗を介して接続されたコンデンサと、前記トランスの一次側端子ごとに、アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続された第1ダイオードと、アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続された第2ダイオードと、を有する、過電圧抑制回路を更に備える。
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る過電圧抑制回路は、直流電源と、複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、リアクトルと、前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備えるスイッチング電源に適用される過電圧抑制回路であって、抵抗と、前記直流電源に前記抵抗を介して接続されるコンデンサと、前記トランスの一次側端子ごとに、アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続される第1ダイオードと、アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続される第2ダイオードと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様のスイッチング電源によれば、過電圧のピークを抑制するための過渡的な電流が、過電圧抑制回路内を流れる構成としたスイッチング電源が実現できる。本発明の一態様の過電圧抑制回路によれば、過電圧のピークを抑制するための過渡的な電流が、過電圧抑制回路内を流れる構成としたスイッチング電源が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源、及び、それを用いた双方向DC-DCコンバータを示す回路図である。
図2】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源の動作を説明するための図である。点線は、トランスの一次側端子間の過電圧(Vuvが正の場合)のピークを抑制する過渡的な電流が流れる還流経路を示す。
図3】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源の動作を説明するための図である。点線は、トランスの一次側端子間の過電圧(Vuvが負の場合)のピークを抑制する過渡的な電流が流れる還流経路を示す。
図4】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源の動作を説明するための図である。点線は、トランスの一次側端子間の過電圧によりコンデンサCcに充電された電荷の放電電流の還流経路を示す。
図5】過電圧抑制回路を備えない比較例1における、無負荷条件での、トランスの一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。
図6】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源を用いたDC-DCコンバータにおける、無負荷条件での、トランスの一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。
図7】過電圧抑制回路を備えない比較例における、負荷有り条件での、トランスの一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。
図8】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源を用いたDC-DCコンバータにおける、負荷有り条件での、トランスの一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。
図9】本発明の実施形態2に係るスイッチング電源、及び、それを用いたDC-AC変換器を示す回路図である。
図10】本発明の実施形態3に係るスイッチング電源、及び、それを用いた片方向DC-DCコンバータを示す回路図である。
図11】本発明の実施形態4に係るスイッチング電源、及び、それを用いた双方向DC-DCコンバータを示す回路図である。
図12】本発明の実施形態4に係るスイッチング電源の動作を説明するための回路図である。点線は、トランス一次側のu端子-v端子間の過電圧(Vuvが正の場合)のピークを抑制する過渡的な電流が流れる還流経路を示す。
図13】本発明の実施形態4に係るスイッチング電源の動作を説明するための回路図である。点線は、トランス一次側のu端子-v端子間の過電圧(Vuvが負の場合)のピークを抑制する過渡的な電流が流れる還流経路を示す。
図14】過電圧抑制回路を備えない比較例2における、トランスの一次側端子間電圧(各相間)の波形を示す図である。
図15】本発明の実施形態1に係るスイッチング電源を用いたDC-DCコンバータにおける、トランスの一次側端子間電圧(各相間)の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下に、図1~8を用いて本発明の一実施形態が、詳細に説明される。図1は、実施形態1に係るスイッチング電源10及び、スイッチング電源10を用いたDC-DCコンバータ1を示す回路図である。
【0011】
<スイッチング電源の構成>
スイッチング電源10は、直流電源Vs、インバータ回路101、リアクトル、トランスTRと、過電圧抑制回路102とを備える。直流電源Vsは、正極端子v1と負極端子v2との間に、直流の電源電圧Viを出力する。図1のように、実施形態1の具体的な回路例において、負極端子v2は接地されている。直流電源Vsは、正極端子v1、負極端子v2を通じてインバータ回路101に直流電力を供給する。
【0012】
実施形態1において、インバータ回路101及びトランスTRは単相用である。インバータ回路101の交流出力には、リアクトルを介してトランスTRの一次側が接続される。図1のように、実施形態1の具体的な回路例において、リアクトルは、トランスTRの一次側端子(u端子、v端子)のそれぞれについて設けられている。トランスTRのu端子にはリアクトルLuが接続され、v端子にリアクトルLvが接続されている。
【0013】
しかし、必ずしもリアクトルが一次側端子のそれぞれについて設けられなくともよく、少なくとも一方の一次側端子(u端子またはv端子)に設けられていればよい。図1の回路図におけるトランスTRの一次側端子間の容量は、トランスTRの端子間の浮遊容量Cuvである。過電圧抑制回路102の構成については詳細に後述する。
【0014】
インバータ回路101は、4つのスイッチング素子が設けられたフルブリッジのインバータ回路である。各スイッチング素子は、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor field-effect transistor)やその他のFETで構成できる。あるいは各スイッチング素子は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラ型トランジスタ)、その他のトランジスタで構成されてもよい。各スイッチング素子は、図示されないゲート制御回路により制御されて、スイッチング動作が実行される。
【0015】
インバータ回路101において、入力間(直流電源Vsの正極端子v1と負極端子v2との間)には、適宜コンデンサCsが設けられる。インバータ回路101では、入力間に、スイッチング素子S1uと、スイッチング素子S2uとが直列に配置される。スイッチング素子S1uは正極端子v1に接続され、スイッチング素子S2uは負極端子v2に接続される。また入力間に、スイッチング素子S1vと、スイッチング素子S2vとが直列に配置される。スイッチング素子S1vは正極端子v1に接続され、スイッチング素子S2vは負極端子v2に接続される。
【0016】
スイッチング素子S1uとスイッチング素子S2uの接続点が、インバータ回路101の一方の出力端(u出力)であり、リアクトルLuを介してトランスTRのu端子に接続される。スイッチング素子S1vとスイッチング素子S2vの接続点が、インバータ回路101のもう一方の出力端(v出力)であり、リアクトルLvを介してトランスTRのv端子に接続される。
【0017】
スイッチング電源10の基本的な動作は、過電圧抑制回路102を備えない公知のスイッチング電源(後述する比較例1におけるスイッチング電源)と同様であり、簡単に記述する。インバータ回路101のu出力は、直流電源Vsの正極端子v1と負極端子v2とに、所定の周期で交互に接続される。v出力は、それと相補的に、正極端子v1と負極端子v2とに、交互に接続される。その結果、トランスTRの一次側端子間電圧Vuvは、所定の周期で、交互におよそ+Viまたは-Viの値をとる。
【0018】
<二次側の回路構成とDC-DCコンバータ>
DC-DCコンバータ1における、トランスTRの二次側の回路について説明する。トランスTRの二次側は、アクティブブリッジ回路211に接続される。更に、アクティブブリッジ回路211の出力が、図1の例では蓄電池BTに接続されている。蓄電池BTに並列に、更に負荷が設けられていてもよい。また蓄電池に替えて太陽電池等でもよい。
【0019】
アクティブブリッジ回路211は、インバータ回路101の入力側と出力側とが反転した構成の回路である。アクティブブリッジ回路211には4つのスイッチング素子(Q1p、Q2p、Q1q、Q2q)と、コンデンサCbとが設けられている。以上により、DC-DCコンバータ1は、双方向に電力を輸送できる双方向のDC-DCコンバータを構成する。DC-DCコンバータ1の基本的な動作は、過電圧抑制回路102を備えない公知の双方向DC-DCコンバータ(後述する比較例1)と同様である。
【0020】
一次側のインバータ回路101のスイッチング動作に対する、アクティブブリッジ回路211のスイッチング動作の位相を制御することにより、電力の輸送が制御される。なお、DC-DCコンバータ1は、双方向のDC-DCコンバータであるが、一般に行われているように、本願において、直流電源Vsに近い側を入力、蓄電池BTに近い側を出力と、便宜的に呼称する。
【0021】
<過電圧抑制回路の構成>
次に、スイッチング電源10が備える過電圧抑制回路102について詳細に説明する。過電圧抑制回路102には、2つの第1ダイオード、2つの第2ダイオードと、コンデンサCcと、コンデンサCcに接続される抵抗とが設けられている。
【0022】
コンデンサCcは、直流電源Vsに抵抗を介して接続される。図1のように、実施形態1の具体的な回路例において、抵抗は、コンデンサCcの両端子(高電位側端子c1、低電位側端子c2)のそれぞれについて設けられている。コンデンサCcの高電位側端子c1は抵抗R1を介して直流電源Vsの正極端子v1に接続され、低電位側端子c2は抵抗R2を介して負極端子v2に接続されている。
【0023】
第1ダイオードは、アノードがトランスTRの一次側端子に接続され、カソードがコンデンサCcの高電位側端子c1に接続されるダイオードである。そのうち、第1ダイオードD1uは、u端子と高電位側端子c1との間に配され、第1ダイオードD1vはv端子と高電位側端子c1との間に配される。
【0024】
第2ダイオードは、アノードがコンデンサCcの低電位側端子c2に接続され、カソードがトランスTRの一次側端子に接続されるダイオードである。そのうち、第2ダイオードD2uは、u端子と低電位側端子c2との間に配され、第2ダイオードD2vはv端子と低電位側端子c2との間に配される。
【0025】
<スイッチング電源の特徴的動作>
以下では、スイッチング電源10及びそれを適用したDC-DCコンバータ1の特徴的な動作について説明する。その前に、以下の説明において用いる比較例1のスイッチング電源及びDC-DCコンバータについて述べる。比較例1のDC-DCコンバータは、実施形態1のDC-DCコンバータ1から、過電圧抑制回路102を削除したものである。
【0026】
つまり、比較例1のDC-DCコンバータは双方向DC-DCコンバータの公知の基本構成に相当する。比較例1のスイッチング電源は、比較例1のDC-DCコンバータ中のスイッチング電源であって、実施形態1に係るスイッチング電源10から、過電圧抑制回路102を削除したものである。
【0027】
DC-DCコンバータ1、あるいは比較例1のDC-DCコンバータにおいて、スイッチング動作により一次側端子間電圧Vuvが反転する。すると、浮遊容量Cuvのチャージの反転に伴って、リアクトル(リアクトルLuやリアクトルLv)の存在により、共振して過渡的に一次側端子間電圧Vuvに電源電圧Viを超える過電圧が印加される。このような過渡的な過電圧は、振動しながら徐々に解消される。過電圧抑制回路102を備えない比較例1のDC-DCコンバータでは、過渡的な過電圧の大きさの最大値は、電源電圧Viの約2倍に達し得る。
【0028】
図5は、二次側を無負荷とした際の、比較例1のDC-DCコンバータにおける一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。試験条件は、電源電圧Vi=1000V、二次側出力電圧DC400V、スイッチング周波数20kHzである。スイッチング動作により一次側端子間電圧Vuvがおよそ-Viから、およそ+Viへと反転させられようとするときに、過渡的な過電圧が+2Vi付近まで達していることが示されている。また、スイッチング動作により一次側端子間電圧Vuvがおよそ+Viから、およそ-Viへと反転させられるときに、過渡的な過電圧は-2Vi付近まで達していることが示されている。
【0029】
次に、過電圧抑制回路102を備えたスイッチング電源10及びそれを適用したDC-DCコンバータ1の動作について、図2乃至図4を用いて説明する。過電圧抑制回路102のコンデンサCcは、抵抗R1及びR2を介して直流電源Vsに接続されている。そのため定常時(過渡的な現象が収束した状態)において、コンデンサCcは両端子間の電圧が電源電圧Viとなるようにチャージされている。そうしてコンデンサCcは、両端子間の電圧を、急激な変動に対して電源電圧Viにクランプするように機能する。
【0030】
上述の過渡的な現象が無ければ、直流電源Vsの負極端子v2を電位の基準として、トランスTRのu端子及びv端子の電位は、およそ+Viかおよそ0である。コンデンサCcの高電位側端子c1の電位は+Viであり、第1ダイオード(第1ダイオードD1u、第1ダイオードD1v)は、カソード側が高電位側端子c1に接続されているから、オン(導通)し得ない。また、コンデンサCcの低電位側端子c2の電位は0であり、第2ダイオード(第2ダイオードD2u、第2ダイオードD2v)は、アノード側が低電位側端子c2に接続されているから、オン(導通)し得ない。
【0031】
しかし、スイッチング動作により一次側端子間電圧Vuvが負から正に反転されるときに、一次側端子間電圧Vuvに過渡的に大きさが電源電圧Viを超えるような正の電圧が印加されると、第1ダイオードD1u及び第2ダイオードD2vがオンとなる。そうして、図2に点線で示される経路で、一次側端子間電圧Vuvの過電圧を抑制するように過渡的な電流が還流する。浮遊容量Cuvから、u端子側の第1ダイオードD1u、コンデンサCc(高電位側端子c1から低電位側端子c2へ)、v端子側の第2ダイオードD2vを通じ、浮遊容量Cuvに戻る経路である。
【0032】
また、スイッチング動作により一次側端子間電圧Vuvが正から負に反転されるときに、一次側端子間電圧Vuvに過渡的に大きさが電源電圧Viを超えるような負の電圧が印加されると、第1ダイオードD1v及び第2ダイオードD2uがオンとなる。そうして、図3に点線で示される経路で、一次側端子間電圧Vuvの過電圧を抑制するように過渡的な電流が還流する。浮遊容量Cuvから、v端子側の第1ダイオードD1v、コンデンサCc(高電位側端子c1から低電位側端子c2へ)、u端子側の第2ダイオードD2uを通じ、浮遊容量Cuvに戻る経路である。
【0033】
これらの還流経路は、スイッチング素子(Q1p、Q2p、Q1q、Q2q)や、直流電源Vsを経由することが無く、トランスTRと過電圧抑制回路102との中で完結している。よって、過電圧抑制回路102をトランスTRから物理的に遠くない位置に設ければ、還流経路が配線のインダクタンス成分の影響を受けることが無い。従って、特許文献1の従来技術のように、還流経路がスイッチング素子や電源を経ることにより、配線のインダクタンス成分の影響を受けて過電圧のピークを抑制する効果が減じられる怖れが少ない。また、還流経路がスイッチング素子を経ることによる、損失の発生の怖れもない。
【0034】
以上のようにして一次側端子間電圧Vuvの反転の際に過渡的に電荷が流入してコンデンサCcの両一次側端子間電圧が電源電圧Viより大きくなると、次に、コンデンサCcに充電された電荷の放電電流が、図4に点線で示される経路で還流する。コンデンサCcから、高電位側端子c1側の抵抗R1、直流電源Vs(正極端子v1から負極端子v2へ)、低電位側端子c2側の抵抗R2を通じ、コンデンサCcに戻る経路である。
【0035】
<トランスの一次側端子間電圧Vuvの波形>
図6は、無負荷とした際の、DC-DCコンバータ1における一次側端子間電圧Vuvの波形を示す図である。試験条件は図5の場合と同じである。図5の比較例1の場合と比較すると、スイッチングの際の過渡的な過電圧のピークが、過電圧抑制回路102の付加によって、大幅に抑制されていることは明らかである。
【0036】
また二次側のスイッチング動作の位相を制御することによって、一次側から二次側へと電力を供給する、負荷有り条件の場合についても比較する。図7は比較例1のDC-DCコンバータにおける一次側端子間電圧Vuvの波形であり、図8は実施形態1のDC-DCコンバータ1における一次側端子間電圧Vuvの波形である。
【0037】
これらにおける試験条件は、電源電圧Vi=1000V、二次側出力電圧DC400V、スイッチング周波数20kHz、一次側から二次側への電力供給20kWである。このように電力の移送が行われる場合においても、無負荷の場合と同様に、スイッチングの際の過渡的な過電圧のピークの大きさが抑制されていることが明らかである。
【0038】
以上、過電圧抑制回路102による過電圧の抑制効果については、トランスTRの一次側端子間電圧Vuvに関して説明がなされた。しかし、トランスTRの一次側端子(u端子及びv端子)の対地電位に関しても、同様に過電圧が抑制される。
【0039】
実施形態1によれば、スイッチングに伴う、トランスTRの一次側端子間電圧Vuvの過渡的な過電圧のピークの大きさを抑制でき、更に、その効果は、直流電源Vsやインバータ回路101の、トランスTRからの距離に影響されない。あるいは、実施形態1によれば、トランスTRの一次側端子間電圧Vuvの過渡的な過電圧のピークを抑制でき、その際に還流経路がスイッチング素子を経ることによる、損失の発生の怖れもない。
【0040】
また実施形態1によれば、一次側端子間電圧Vuvが負から正に(u端子側が高電位に)反転されるときと、正から負に(v端子側が高電位に)反転されるときのいずれについても、過渡的な大きな電圧の発生が抑制される。過電圧抑制回路102の構成では、1つのコンデンサCcによってその機能が実現されるため、従来技術と比較してコンデンサの数が少なくてよい。
【0041】
図2乃至図4を用いて説明されたように、過電圧抑制回路102が過電圧を抑制する機構は、一次側(スイッチング電源10)において完結する。そのため、上記の効果は二次側の回路によらない。従ってDC-DCコンバータ1のような双方向DC-DCコンバータに限らず、スイッチング電源10を用いる電源回路であれば、本発明の適用が可能である。
【0042】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0043】
図9は、スイッチング電源10を用いたDC-AC変換器2を示す図である。実施形態2に係るスイッチング電源10は、実施形態1と同様の構成である。DC-AC変換器2では、トランスTRの二次側において、実施形態1のアクティブブリッジ回路211が省略され、二次側端子(p端子及びq端子)が負荷RLに接続されている。
【0044】
なお図9に示されるように、トランスTRの二次側端子間には適宜にコンデンサが接続されてよい。あるいは適宜にリアクトルが負荷RLに直列に接続されてもよい。スイッチング電源10の構成が実施形態1と同様であるため、実施形態2においても実施形態1と同様の効果が奏される。
【0045】
〔実施形態3〕
図10は、スイッチング電源10を用いたDC-DCコンバータ3を示す図である。実施形態2に係るスイッチング電源10は、実施形態1と同様の構成である。DC-DCコンバータ3では、トランスTRの二次側において、実施形態1のアクティブブリッジ回路211に替えて、ダイオードブリッジ回路231を備えている。
【0046】
そのためDC-DCコンバータ3は、実施形態1とは異なり、1次側から2次側への一方向の電力の供給が可能な、片方向DC-DCコンバータである。スイッチング電源10の構成が実施形態1と同様であるため、実施形態2においても実施形態1と同様の効果が奏される。
【0047】
〔実施形態4〕
図11は、実施形態4に係るスイッチング電源14及び、スイッチング電源14を用いたDC-DCコンバータ4を示す図である。実施形態1では回路中の交流電力が単相であるのに対し、実施形態4では、三相である例が示される。
【0048】
<スイッチング電源の構成>
スイッチング電源14は、直流電源Vs、インバータ回路141、リアクトル、トランスTR3と、過電圧抑制回路142とを備える。直流電源Vsは、正極端子v1と負極端子v2との間に、直流の電源電圧Viを出力する。直流電源Vsは、正極端子v1、負極端子v2を通じてインバータ回路141に直流電力を供給する。
【0049】
実施形態4において、インバータ回路141及びトランスTR3は三相用である。インバータ回路141の交流出力には、リアクトルを介してトランスTR3の一次側が接続される。図11のように、実施形態4の具体的な回路例において、リアクトルは、トランスTR3の一次側端子(u端子、v端子、w端子)のそれぞれについて設けられている。
【0050】
トランスTR3のu端子、v端子、w端子には、それぞれリアクトルLu、リアクトルLv、リアクトルLwが接続されている。図11におけるトランスTR3の一次側端子間の各容量は、トランスTRの各端子間の浮遊容量(浮遊容量Cuv、浮遊容量Cvw、浮遊容量Cwu)である。過電圧抑制回路142の構成については詳細に後述する。
【0051】
インバータ回路141は、6つのスイッチング素子が設けられたフルブリッジのインバータ回路である。各スイッチング素子は、図示されないゲート制御回路により制御されて、それぞれのスイッチング動作が実行される。三相用であるインバータ回路141には、インバータ回路101の回路構成に加えて、更にw相用の一対の、スイッチング素子S1wとスイッチング素子S2wが設けられている。スイッチング素子S1wとスイッチング素子S2wの接続点が、インバータ回路141のw相用の出力端(w出力)であり、リアクトルLwを介してトランスTR3のw端子に接続される。
【0052】
スイッチング電源14の基本的な動作は、過電圧抑制回路142を備えないスイッチング電源(後述する比較例2におけるスイッチング電源)の場合と同様である。インバータ回路141の各相用の出力端のそれぞれは、直流電源Vsの正極端子v1と負極端子v2とに、所定の周期で交互に接続される。その際、各相におけるスイッチングのタイミングは、位相が120°づつ、異なるように制御される。その結果、トランスTRの一次側端子間電圧(一次側端子間電圧Vuv、一次側端子間電圧Vvw、一次側端子間電圧Vwu)は、およそ+Viまたは-Viまたは0の値をとる。
【0053】
<二次側の回路構成とDC-DCコンバータ>
DC-DCコンバータ4における、トランスTR3の二次側の回路について説明する。トランスTR3の二次側は、アクティブブリッジ回路241に接続され、アクティブブリッジ回路241の出力側が、蓄電池BTに接続される。蓄電池BTに並列に、更に負荷が設けられていてもよい。また蓄電池に替えて太陽電池等でもよい。
【0054】
アクティブブリッジ回路241は、インバータ回路141の入力側と出力側とが反転した構成の回路である。アクティブブリッジ回路241には6つのスイッチング素子(Q1p、Q2p、Q1q、Q2q、Q1r、Q2r)と、コンデンサCbとが設けられている。実施形態4のDC-DCコンバータ4は、トランスTR3の二次側にアクティブブリッジ回路241を備えているため、双方向DC-DCコンバータである。
【0055】
<過電圧抑制回路の構成>
三相交流電力に対応するため、過電圧抑制回路142には、過電圧抑制回路102の回路構成に加えて、更にw相用の第1ダイオードD1wと、第2ダイオードD2wが設けられている。第1ダイオードD1wは、w端子とコンデンサCcの高電位側端子c1との間に配され、第1ダイオードD1vはw端子と低電位側端子c2との間に配される。
【0056】
<スイッチング電源の特徴的動作>
以下では、スイッチング電源14及びそれを適用したDC-DCコンバータ4の特徴的な動作について説明する。その前に、以下の説明において用いる比較例2のスイッチング電源及びDC-DCコンバータについて述べる。
【0057】
比較例2のDC-DCコンバータは、実施形態4のDC-DCコンバータ4から、過電圧抑制回路142を削除したものである。よって、比較例4のスイッチング電源は、比較例4のDC-DCコンバータ中のスイッチング電源であって、実施形態4に係るスイッチング電源14から、過電圧抑制回路142を削除したものである。
【0058】
実施形態1の記載における単相の場合と同様に、比較例2の各一次側端子間電圧において、一次側端子間電圧の大きさがおよそ電源電圧Viに変化される際に、過渡的に電源電圧Viを超える大きさの過電圧が印加される。図14は、二次側を無負荷とした際の、比較例2のDC-DCコンバータにおける各一次側端子間電圧の波形を示す図である。試験条件は、電源電圧Vi=1000V、二次側出力電圧DC400V、スイッチング周波数20kHzである。比較例1の場合(図5)と同様に過渡的な過電圧のピークの大きさは、電源電圧Viの約2倍に達し得ることが示されている。
【0059】
次に、過電圧抑制回路142を備えたスイッチング電源14及びそれを適用したDC-DCコンバータ4の場合について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、u端子-v端子間に過渡的に大きさが電源電圧Viを超えるような正の電圧が印加された場合の過電圧を抑制する過渡的な電流の還流経路を示す。単相の場合(図2)と同様に、u端子-v端子間の浮遊容量Cuvから、u端子側の第1ダイオードD1u、コンデンサCc(高電位側端子c1から低電位側端子c2へ)、v端子側の第2ダイオードD2vを通じ、浮遊容量Cuvに戻る経路である。
【0060】
また、図13は、一次側端子間電圧Vuvに過渡的に大きさが電源電圧Viを超えるような負の電圧が印加された場合のサージ電流の還流経路を示す。単相の場合(図3)と同様に、浮遊容量Cuvから、v端子側の第1ダイオードD1v、コンデンサCc(高電位側端子c1から低電位側端子c2へ)、u端子側の第2ダイオードD2uを通じ、浮遊容量Cuvに戻る経路である。
【0061】
図12及び図13では、u端子-v端子間における過電圧の場合について示されたが、他の相間においても、対象とする相が入れ替わって同様にして、過電圧を抑制する過渡的な電流が還流する。また、当該過渡的な電流によりコンデンサCcに充電された電荷の放電電流が、実施形態1(図4)で説明されたのと同様の経路を経て還流する。つまり、コンデンサCcから、高電位側端子c1側の抵抗R1、直流電源Vs(正極端子v1から負極端子v2へ)、低電位側端子c2側の抵抗R2を通じ、コンデンサCcに戻る経路である。
【0062】
図15は、二次側を無負荷とした際の、DC-DCコンバータ1における各一次側端子間電圧の波形の実例を示す図である。試験条件は図14の場合と同じである。図14の比較例2の場合と比較すると、スイッチングの際の過渡的な過電圧のピークが、過電圧抑制回路142の付加によって、大幅に抑制されていることが明らかである。
【0063】
実施形態4においても実施形態1と同様の効果が奏される。また実施形態4によれば、一次側端子間電圧がスイッチングにより変化させられる際の、過渡的な大きな電圧の発生が、三相の各相間のいずれにおいても抑制される。しかも過電圧抑制回路142では、1つのコンデンサCcを用いた構成によってその機能が実現される。
【0064】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るスイッチング電源は、直流電源と、複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、リアクトルと、前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備え、抵抗と、前記直流電源に前記抵抗を介して接続されたコンデンサ(Cc)と、前記トランスの一次側端子ごとに、アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続された第1ダイオードと、アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続された第2ダイオードと、を有する、過電圧抑制回路を更に備える。
【0065】
本発明の態様2に係るスイッチング電源は、上記態様1において、前記リアクトルは、前記トランスの一次側端子ごとに備えられている構成としてもよい。本発明の態様3に係るスイッチング電源は、上記態様1または2において、前記交流電力は、単相交流電力である構成としてもよい。
【0066】
本発明の態様4に係るスイッチング電源は、上記態様1または2において、前記交流電力は、三相交流電力である構成としてもよい。本発明の態様5に係るDC-DCコンバータは、上記態様1から4のいずれかのスイッチング電源と、複数のスイッチング素子を有し、前記トランスの二次側の交流電力を、直流電力に変換するアクティブブリッジ回路とを備える。
【0067】
本発明の態様6に係る過電圧抑制回路は、直流電源と、複数のスイッチング素子を有し、前記直流電源の直流電力を交流電力に変換するインバータ回路と、リアクトルと、前記インバータ回路の交流出力に、前記リアクトルを介して一次側が接続されたトランスと、を備えるスイッチング電源に適用される過電圧抑制回路であって、抵抗と、前記直流電源に前記抵抗を介して接続されるコンデンサ(Cc)と、前記トランスの一次側端子ごとに、アノードが前記一次側端子に、カソードが前記コンデンサの高電位側端子に接続される第1ダイオードと、アノードが前記コンデンサの低電位側端子に、カソードが前記一次側端子に、接続される第2ダイオードと、を備える。
【0068】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1、3、4 DC-DCコンバータ
2 DC-AC変換器
Vs 直流電源
v1 正極端子
v2 負極端子
10、14 スイッチング電源
101、141 インバータ回路
S1u、S1v、S1w、S2u、S2v、S2w スイッチング素子
Cs コンデンサ
Lu、Lv、Lw リアクトル
TR、TR3 トランス
u、v、w 一次側端子
Cuv、Cvw、Cwu 浮遊容量
p、q、r 二次側端子
102、142 過電圧抑制回路
R1、R2 抵抗
Cc コンデンサ
c1 高電位側端子
c2 低電位側端子
D1u、D1v、D1w 第1ダイオード
D2u、D2v、D2w 第2ダイオード
211、241 アクティブブリッジ回路
231 ダイオードブリッジ回路
BT 蓄電池
RL 負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15