(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】潤滑剤供給確認装置
(51)【国際特許分類】
F16N 29/00 20060101AFI20230823BHJP
F16J 15/18 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
F16N29/00 F
F16N29/00 C
F16J15/18 B
(21)【出願番号】P 2019075490
(22)【出願日】2019-04-11
【審査請求日】2021-12-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008338
【氏名又は名称】広和株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】中池 遼介
(72)【発明者】
【氏名】豊島 隆司
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-038098(JP,U)
【文献】特開2018-035832(JP,A)
【文献】特開2000-199598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16N 29/00
F16J 15/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性流動体からなる潤滑剤の流れる配管に設けられ、配管内に供給される前記潤滑剤の流れを確認する潤滑剤供給確認装置であって、
前記潤滑剤が流入する入口流路と、
前記入口流路の延びる方向と交差する方向に延びると共に、前記入口流路の端部に接続され、前記潤滑剤が排出される出口流路と、
前記入口流路と前記出口流路とが接続される部分において、前記出口流路の延びる方向に設けられたインジケータ挿入口と、
前記インジケータ挿入口に挿入されるインジケータシャフトと、前記インジケータシャフトの端部に設けられたヘッドと、を有するインジケータと、
前記入口流路に接続されるグリースニップルと、
を備え、
前記インジケータは、前記入口流路から前記出口流路に流れる前記潤滑剤の圧力によって前記インジケータ挿入口から押し上げられ、押し上げられた状態を保持し、
前記インジケータが作動していないときに、前記ヘッドと前記インジケータ挿入口との間にマージンが形成されている、
潤滑剤供給確認装置。
【請求項2】
さらに
前記出口流路に設けられ、前記出口流路から前記入口流路への前記潤滑剤の逆流を阻止する逆止弁を備え、
前記逆止弁は、
前記出口流路を閉塞する弁体と、
前記弁体に配置され、前記弁体と前記出口流路との間をシールするOリングと、
前記弁体を前記入口流路側に向かって付勢するばねと、
を有し、
前記インジケータは、前記逆止弁のクラッキング圧力に達する前に作動する
請求項1に記載の潤滑剤供給確認装置。
【請求項3】
前記インジケータは、前記入口流路側の先端に脱圧部を有し、
前記マージンがなくなるように前記インジケータが前記インジケータ挿入口に押し下げられる方向に力を加えられたとき、前記脱圧部は前記ばねの付勢力と反対方向に前記弁体を移動させることによって前記逆止弁を開いて脱圧する
請求項2に記載の潤滑剤供給確認装置。
【請求項4】
さらに
前記インジケータ挿入口の内周面に設けられた複数の溝にそれぞれ配置された複数の弾性部材を備え、
前記複数の弾性部材はそれぞれ、つぶし率が5%以上20%以下である
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の潤滑剤供給確認装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管を流れる潤滑剤の流れを確認する潤滑剤供給確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
集中潤滑装置に設けられる分配弁には、給油不能箇所を見つけるための指示棒が設けられているものがある。たとえば、特許文献1に記載の分配弁は、指示棒がメインピストンに連結されており、ピストンの往復運動に連動して指示棒が作動する。指示棒の作動を確認することにより、潤滑剤の給油不能箇所を発見することができる。
【0003】
また、特許文献2のように、指示棒の作動を電気的信号に変換して、集中潤滑装置の故障箇所を検出する方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平6-85995号公報
【文献】特開平2-120600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、分配弁に設けられた指示棒による方法では、分配弁から潤滑対象部までの配管において潤滑剤が正常に流れているかの確認が難しく、異常の発生を認識することができないという課題がある。
【0006】
また、特許文献2のように、指示棒の作動を電気的信号に変換して、故障箇所を検出する方法の場合、指示棒の作動を容易に目視確認することが難しいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の潤滑剤供給確認装置は、粘性流動体からなる潤滑剤の流れる配管に設けられ、配管内に供給される前記潤滑剤の流れを確認する潤滑剤供給確認装置であって、前記潤滑剤が流入する入口流路と、前記入口流路の延びる方向と交差する方向に延びると共に、前記入口流路の端部に接続され、前記潤滑剤が排出される出口流路と、前記入口流路と前記出口流路とが接続される部分において、前記出口流路の延びる方向に設けられたインジケータ挿入口と、前記インジケータ挿入口に挿入されるインジケータと、を備え、前記インジケータは、前記入口流路から前記出口流路に流れる前記潤滑剤の圧力によって前記インジケータ挿入口から押し上げられ、押し上げられた状態を保持する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の潤滑剤供給確認装置によると、インジケータの作動により、分配弁から潤滑対象部までの間に問題が生じた場合に異常の発生を認識することができる。また、インジケータの作動を容易に目視確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の潤滑剤供給確認装置の斜視図である。
【
図3】
図1の潤滑剤供給確認装置のインジケータが作動した状態の断面図である。
【
図4】
図1の潤滑剤供給確認装置のインジケータがリセットされた状態の断面図である。
【
図5】
図1の潤滑剤供給確認装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本発明に至った経緯)
製鉄所における連続鋳造設備用ロール軸、圧延ロール軸、または下水処理場のコンベア用軸受等に、主としてグリース等の粘性流動体からなる潤滑剤を間欠的に供給するために、集中潤滑装置が使用される。特許文献1のように、集中潤滑装置には、複数の潤滑対象部にグリース等の潤滑剤を分配するための分配弁が設けられているものがある。分配弁にはピストンが内蔵されており、ピストンの往復運動により潤滑剤が潤滑対象部に供給される。ピストンの一端には指示棒が連結され、ピストンの運動と連動して指示棒が作動する。指示棒の作動に応じて計数器が駆動され、計数器の数値により分配弁が正常に機能しているかどうかの目視確認を行うことができる。
【0011】
しかし、分配弁に設けられた指示棒は、分配弁における潤滑剤の正常な吐出を確認することはできるが、分配弁から潤滑対象部までの配管に、配管の破損等の異常が発生して潤滑対象部に潤滑剤が供給できなかったことを検出することが難しい。そのため、異常の発見が遅れて、潤滑対象部が焼付く等の不具合が発生する恐れがある。また、分配弁における不具合の箇所を特定するために、分配弁相互の計数を比較する必要があり、異常個所を容易に目視確認することが難しい。
【0012】
また、特許文献2のように、指示棒のストロークを電気的信号に変換して遠隔監視する方法もある。しかし、この場合、指示棒の作動を容易に目視で確認することは難しい。また、電気的信号を伝達するための配線設備が複雑なものとなるため、設置のコストが増大するといった問題もある。
【0013】
そこで、本発明者は、これらの課題を解決するための潤滑剤供給確認装置を検討し、以下の発明に至った。
【0014】
(実施の形態1)
[全体構成]
図1は、実施の形態1にかかる潤滑剤供給確認装置の斜視図である。
図2は、
図1の潤滑剤供給確認装置の断面図である。
図3は、
図1の潤滑剤供給確認装置のインジケータが作動した状態の断面図である。
図4は、
図1の潤滑剤供給確認装置のインジケータがリセットされた状態の断面図である。
【0015】
潤滑剤供給確認装置1は、たとえば、圧延設備のベアリング等の潤滑対象部(図示省略)までの配管に配置されるものであり、間欠的に供給される潤滑剤が、潤滑対象部に正常に供給されたかどうかを目視で確認するための装置である。潤滑剤とは粘性流動体からなるものであり、たとえばグリースまたはオイル等である。本実施の形態においては、潤滑剤として稠度番号00号~2号のグリースを使用することができる。
【0016】
潤滑剤供給確認装置1は、
図1に示すように、本体2、カバー3、およびインジケータ4を有する。また、
図2に示すように、潤滑剤供給確認装置1は、内部に、入口流路5と、出口流路6と、インジケータ挿入口7とを備える。インジケータ4は、インジケータシャフト8aとインジケータヘッド8bとにより形成されている。また、出口流路6には、逆止弁9が設けられている。さらに、入口流路5に接続されたグリースニップル10が設けられている。なお、潤滑剤供給確認装置1は、分配弁から潤滑対象部までの間に配置されていればよく、潤滑対象部に直接配置されていなくてもよい。
【0017】
入口流路5から出口流路6に流れる潤滑剤の圧力によって、インジケータ4がインジケータ挿入口7から押し上げられることにより、ユーザは潤滑剤が流れたことを目視確認することができる。なお、本体2とカバー3とは一体的に形成されていてもよい。また、グリースニップル10は必須の構成ではなく、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0018】
<入口流路>
入口流路5は、本体2の一側面から内部に向かって形成された孔であり、潤滑剤供給確認装置1内に潤滑剤が流入する流路である。入口流路5が集中潤滑装置の配管等に接続されることにより、潤滑剤が潤滑剤供給確認装置1を経由して潤滑対象部に供給される。
【0019】
<出口流路>
出口流路6は、本体2の内部に、入口流路5の延びる方向と交差する方向に延びて形成されると共に、入口流路5の端部5aに接続される孔である。出口流路6から排出された潤滑剤が、潤滑対象部に供給される。出口流路6には、出口流路6から入口流路5への潤滑剤の逆流を阻止する逆止弁9が設けられている。
【0020】
<インジケータ挿入口>
インジケータ挿入口7は、入口流路5と出口流路6とが接続される部分において、出口流路6の延びる方向に設けられている。なお、本実施の形態において、入口流路5と出口流路6とが接続される部分とは、入口流路5の端部5aである。インジケータ挿入口7は、入口流路5の端部5aから、出口流路6と反対側に形成されている。すなわち、入口流路5の端部5aから、出口流路6が
図2の下方に延びて形成され、インジケータ挿入口7が
図2の上方に延びて形成されている。また、本実施の形態では、インジケータ挿入口7は、カバー3の内部に形成された貫通孔と本体2に形成された孔が連通されて形成されている。以後、カバー3の内部に形成された貫通孔を指す場合はインジケータ挿入口7a、本体2に形成された孔を指す場合はインジケータ挿入口7bと称する。
【0021】
インジケータ挿入口7aの内周面には、2つの溝70a、70bが形成されており、溝70a、70bにはそれぞれ、弾性部材11a、11bが配置されている。
【0022】
<インジケータ>
インジケータ4は、本実施の形態において、インジケータシャフト8aと、インジケータシャフト8aの他方の先端80bに設けられたインジケータヘッド8bとにより形成されている。インジケータ4は、さらに、インジケータシャフト8aの入口流路5側の先端80aに設けられた脱圧部12を有する。インジケータ4の形状はこれに限らず、インジケータ挿入口7に挿入される棒状のものであればよい。
【0023】
<逆止弁>
逆止弁9は、出口流路6を閉塞する弁体9aと、弁体9aに配置され、弁体9aと出口流路6との間をシールするOリング13と、弁体9aを入口流路5側に向かって付勢するばね14とを有する。逆止弁9は、弁体9aがばね14の付勢力により入口流路5の方向へ押さえつけられることにより、出口流路6を閉塞し、出口流路6から入口流路5への潤滑剤の逆流を阻止する。また、弁体9aにOリング13が設けられることにより、逆止弁9からの潤滑剤の漏れを防止することができる。なお、本実施の形態において、逆止弁9のクラッキング圧力は、0.6MPaに設定されている。
【0024】
<グリースニップル>
グリースニップル10は、入口流路5に接続されるように配置される。たとえば、分配弁の故障等により潤滑剤の供給が停止した場合に、グリースニップル10にグリースガン等を接続して手動で潤滑剤を供給することができる。
【0025】
<弾性部材>
弾性部材11a、11bは、インジケータ挿入口7aの内周面に設けられた2つの溝70a、70bにそれぞれ配置されている。弾性部材11a、11bは、インジケータ4が作動した後、インジケータ4が押し上げられた状態を保持し、また、インジケータ挿入口7からの潤滑剤の漏洩、および外部からの粉塵または水の混入を防止するためのシール機能を有する。
【0026】
弾性部材11a、11bには、たとえば、ニトリルゴム(NBR)で構成されたOリングを使用することができる。また、弾性部材11a,11bは、フッ素ゴム(FKM)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム(VMQ)等の弾性を持つ材料により構成されていてもよい。また、弾性部材11a、11bはそれぞれ、つぶし率が5%以上20%以下となるよう、弾性部材11a、11bの材料および線径と溝70a、70bの寸法とが設定されるとよい。たとえば、溝70a、70bの深さを弾性部材11a、11bの80%~95%に設定することにより、弾性部材11a、11bのつぶし率を調整することができる。
【0027】
弾性部材11a、11bのつぶし率が5%以上20%以下となるよう調整されると、潤滑剤が稠度番号00号~2号のグリースである場合に、インジケータ4が逆止弁9のクラッキング圧力に達する前に作動させることができる。さらに、インジケータ4が作動して、インジケータ挿入口7から押し上げられた状態を維持することができる。このとき、インジケータ4は、逆止弁9のクラッキング圧力の約30%以上の圧力で作動する。
【0028】
インジケータ4が作動する圧力がクラッキング圧力より低い場合、弾性部材11a、11bの始動抵抗のため、インジケータが作動する前に出口流路6に潤滑剤が流れることを防止することができる。このため、インジケータ4が作動する圧力をクラッキング圧力の約30%程度とすることにより、潤滑剤が流れるときにインジケータ4を確実に作動させることができる。また、逆止弁9のクラッキング圧力を調整して、インジケータ4の作動圧力に近づけることにより、インジケータ4の作動圧力およびクラッキング圧力を含む潤滑剤供給確認装置1への作動抵抗圧力を下げることができる。また、インジケータ4の作動圧力が低いと、ポンプ圧力を下げることが可能である。本実施の形態においては、潤滑剤がグリースである場合に、クラッキング圧力0.6MPaの約30%であるおよそ0.2MPa以上の圧力によりインジケータ4が作動するよう、弾性部材11a、11bのつぶし率が調整されている。
【0029】
さらに、つぶし率が5%以上20%以下であると、弾性部材11a、11bによる潤滑剤の漏洩、および外部からの粉塵等の混入を防ぐことができる。
【0030】
<脱圧部>
脱圧部12は、インジケータシャフト8aの入口流路5側の先端80aに設けられている。本実施の形態では、脱圧部12は、インジケータ4の先端80aにボルト状の金具が配置されて形成されている。脱圧部12の形状はこれに限らず、後述するように、インジケータ4をリセットする際に逆止弁9を開くことのできるような、インジケータシャフト8aの先端80aから逆止弁9に向かって伸びる棒状の形状であればよい。なお、脱圧部12は必須の構成ではなく、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0031】
[動作]
図3および
図4を参照して、上述した構成を有する潤滑剤供給確認装置1の動作を説明する。
【0032】
(1)たとえば集中潤滑装置から供給された潤滑剤が、入口流路5から潤滑剤供給確認装置1に流入する。
【0033】
(2)流入した潤滑剤の圧力によって、
図3に示すように、インジケータ4がインジケータ挿入口7から押し上げられ、押し上げられた状態が保持される。このとき、インジケータ挿入口7aに設けられた弾性部材11a、11bのつぶし率が5%以上20%以下に設定されているため、インジケータ4は、およそ0.2MPaの圧力でインジケータ挿入口7から押し上げられる。これは、逆止弁9のクラッキング圧力(0.6MPa)の約30%である。したがって、インジケータ4は、逆止弁9のクラッキング圧力に達する前に作動する。なお、インジケータ4の作動する圧力および逆止弁9のクラッキング圧力は、潤滑剤としてグリースを使用する場合の数値であり、使用する潤滑剤の粘度等に応じてインジケータ4の作動する圧力および逆止弁9のクラッキング圧力は変更することができる。
【0034】
(3)流入した潤滑剤の圧力が、逆止弁9のクラッキング圧力である0.6MPaを超えて逆止弁9が開き、潤滑剤が出口流路6から潤滑対象部へ供給される。このとき、
図3の矢印Aのように、潤滑剤は入口流路5から流入して出口流路6から排出される。
【0035】
(4)インジケータ4が作動したことが目視で確認された後、インジケータ4は、手動で押し下げられることによりリセットされる。
図2に示すように、インジケータ4が作動していないとき、すなわち、逆止弁9が閉じていて脱圧部12が逆止弁9に接触している状態であるとき、カバー3とインジケータヘッド8bとの間にはマージンdが設けられている。インジケータ4をインジケータ挿入口7に押し戻すとき、
図4に示すように、マージンdの部分までインジケータヘッド8bを押し込むことにより、脱圧部12の先端が弁体9aに接触して逆止弁9を開く。このように、インジケータ4のリセット時に逆止弁9を開くことができるため、インジケータ4が作動して押し上げられたときに、インジケータ挿入口7に流入した潤滑剤が、入口流路5の方向に逆流するのを防止することができる。
【0036】
(5)インジケータ4が押し下げられてリセットされた後、ばね14の付勢力によって弁体9aが押し上げられ、インジケータ4は
図2の状態に戻る。
【0037】
[効果]
上述した実施の形態によれば、潤滑剤が潤滑対象部に正常に供給されると、インジケータ4がインジケータ挿入口7から押し上がり、その状態が維持される。このため、インジケータ4が押し上がった状態であることを容易に目視で確認することができる。また、潤滑剤供給確認装置1は、分配弁から潤滑対象部までの間の任意の位置に配置することができるため、インジケータ4が作動しないことにより、分配弁から潤滑対象部までの間の異常の発生を認識することができる。インジケータ4の作動後、押し上げられた状態が維持されているため、潤滑剤が正常に供給できた箇所と、潤滑剤が正常に供給できなかった箇所とを容易に判別することができる。また、インジケータ4をインジケータ挿入口7に押し下げることにより、インジケータ4を初期状態にリセットすることができる。このとき、脱圧部12により逆止弁9を開くことができ、インジケータ挿入口7から入口流路5への潤滑剤の逆流を防止することができる。
【0038】
[変形例]
図5は、
図1の潤滑剤供給確認装置の変形例を示す図である。
図5の潤滑剤供給確認装置1aは、カバー3の端面3aに設けられた溝71aに断面がU字形の弾性部材11cが設けられている。このように、断面がU字形の弾性部材11cを用いると、断面が円形の弾性部材を使用した場合に比べて、弾性部材11cとインジケータ4との接触面積が大きくなるため、よりシール性能が向上し、潤滑剤のインジケータ挿入口7からの漏洩、および潤滑剤供給確認装置1aへの外部からの粉塵および水等の混入を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の潤滑剤供給確認装置は、圧延設備のベアリング等に粘性流動体からなる潤滑剤を供給する際に使用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 潤滑剤供給確認装置
4 インジケータ
5 入口流路
6 出口流路
7 インジケータ挿入口
9 逆止弁
10 グリースニップル
11a、11b 弾性部材
12 脱圧部
13 Oリング
14 ばね