(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230823BHJP
【FI】
G06Q30/0601 330
(21)【出願番号】P 2020149315
(22)【出願日】2020-09-04
【審査請求日】2021-06-25
(73)【特許権者】
【識別番号】513163649
【氏名又は名称】株式会社ハイスピードボーイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】西本 仁
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-126379(JP,A)
【文献】特開2003-122978(JP,A)
【文献】特開2020-060912(JP,A)
【文献】国際公開第2015/140947(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部を介して電子商取引における出品者からの新たな商品の出品要求を受信し、
出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、前記新たな商品を、前記出品者に関連付けられた利用者の取引対象に設定する、制御部とを備え、
前記制御部は、所定の条件が満たされている場合に、前記利用者からの商品の取引要求を待たずに、前記利用者の取引対象とされた前記新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させる、サーバ。
【請求項2】
前記関連付け情報は、出品者と、前記出品者との商品の取引を希望する利用者との関連付け情報を含む、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記関連付け情報は、前記出品者及び前記利用者の少なくとも一方によりソーシャル・ネットワーク・サービスに投稿された情報に基づいて設定される、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記利用者には取引上限量が関連付けられており、
前記制御部は、前記利用者の取引上限量を超えない範囲で、前記利用者の取引対象とされた前記新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させる、請求項1に記載のサーバ。
【請求項5】
前記制御部は、前記出品者に関連付けられた利用者の数を、前記通信部を介して、前記出品者が利用する端末装置に送信する、請求項1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記制御部は、前記利用者の取引対象とされた前記新たな商品に関する情報を、前記通信部を介して、前記利用者が利用する端末装置に送信する、請求項1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
通信部を介して電子商取引における出品者からの新たな商品の出品要求を受信することと、
出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、前記新たな商品を、前記出品者に関連付けられた利用者の取引対象に設定することと、
所定の条件が満たされている場合に、前記利用者からの商品の取引要求を待たずに、前記利用者の取引対象とされた前記新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることと、
を含む動作をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等を介して商品の取引を電子的に行う、電子商取引(EC:Electronic Commerce)に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、システムとユーザとの対話を通じてユーザの嗜好に合った商品を提案する商品情報提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、電子商取引の利便性の更なる向上が求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、電子商取引の利便性を向上させる、サーバ及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るサーバは、
通信部と、
前記通信部を介して電子商取引における出品者からの新たな商品の出品要求を受信し、
出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、前記新たな商品を、前記出品者に関連付けられた利用者の取引対象に設定する、制御部とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
通信部を介して電子商取引における出品者からの新たな商品の出品要求を受信することと、
出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、前記新たな商品を、前記出品者に関連付けられた利用者の取引対象に設定することと、
を含む動作をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一実施形態に係るサーバ及びプログラムによれば、電子商取引の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す情報処理システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示す情報処理システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
(情報処理システムの構成)
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。
図1は、情報処理システム1の概略構成を示す図である。情報処理システム1は、サーバ10と、端末装置20とを含む。
図1では、それぞれ1つのサーバ10と、2つの端末装置20とが示されている。しかしながら、情報処理システム1は、任意の数のサーバ10及び端末装置20を含んでいてもよい。
【0013】
サーバ10は、1つ以上のコンピュータで構成されている。本実施形態では、サーバ10は、1つのコンピュータで構成されているものとして説明する。しかしながら、サーバ10は、クラウドコンピューティングシステム等、複数のコンピュータによって構成されていてもよい。
【0014】
本実施形態では、サーバ10は、出品者及び利用者が商品の取引を電子的に行う電子商取引サービスを提供する。電子商取引は、例えば、ある出品者が出品した商品を利用者が購入する、オンラインショッピングである。しかしながら、電子商取引は、オンラインショッピングに限られず、商品のオークション又はレンタルなど、任意の取引を含んでもよい。また、商品は、物品であってもよく、或いは不動産、サービス、権利、又は情報等であってもよい。
【0015】
さらに、サーバ10は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を提供してもよい。本実施形態では、一例として、SNSは、インスタントメッセージの送受信によるチャットサービスであるものとして説明する。しかしながら、SNSには、チャットサービスに限られず、サービスの利用者が、任意の方法でメッセージ又は画像等の情報を投稿し、サービスの他の利用者と共有するサービスが含まれていてもよい。
【0016】
端末装置20は、例えば携帯電話、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。本開示では、コンピュータは、情報処理装置ともいう。本実施形態では、端末装置20には、例えば、電子商取引の出品者U1が利用する端末装置20Aと、電子商取引の利用者U2が利用する端末装置20Bとが含まれる。以下、端末装置20A及び20Bを特に区別しない場合、単に、端末装置20と総称する。
【0017】
ネットワーク30は、サーバ10及び端末装置20が相互に通信可能な、任意の通信網である。例えば、本実施形態におけるネットワーク30は、インターネットである。
【0018】
情報処理システム1において、出品者U1は、端末装置20Aから電子商取引における新たな商品の出品要求をサーバ10に送信する。サーバ10は、出品者U1からの新たな商品の出品要求を受信すると、出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、出品者U1の新たな商品を、出品者U1に関連付けられた利用者U2の取引対象に設定する。このように、情報処理システム1では、出品者U1が新たな商品を出品した際に、利用者U2が端末装置20Bを操作しなくても、自動的に、その商品を利用者U2の取引対象に設定することができる。これによって、例えば利用者U2がアーティストである出品者U1のファンクラブの会員、或いはファッションブランドである出品者U1の愛好家であって、出品者U1からの新たな商品の購入を希望する場合に、サーバ10は、利用者U2が出品者U1と商品の取引をするための操作の負担を軽減させることができる。また、サーバ10は、利用者U2の操作の負担を軽減させることで、出品者U1と利用者U2の商品の取引の機会を逸するおそれを未然に防ぐことができる。したがって、サーバ10は、電子商取引の利便性を向上させることができる。
【0019】
次に、情報処理システム1のサーバ10及び端末装置20について、詳細に説明する。
【0020】
(サーバの構成)
図2を参照して、本実施形態に係るサーバ10の構成を説明する。
図2は、サーバ10の構成を示すブロック図である。
図2にブロック図で示されるように、サーバ10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。通信部11、記憶部12、及び制御部13は、有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0021】
通信部11は、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、サーバ10は、通信部11を介してネットワーク30に接続される。これによって、サーバ10は、端末装置20と通信することができる。
【0022】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12は、サーバ10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部12に記憶された情報の少なくとも一部は、例えば通信部11を介して接続された外部の記憶装置に記憶されてもよい。記憶部12は、例えば、電子商取引における出品者と利用者との関連付け情報などを記憶する。
【0023】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部13は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部13は、上述した通信部11及び記憶部12等の構成要素の機能を含む、サーバ10の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0024】
サーバ10の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、サーバ10の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、サーバ10の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをサーバ10として機能させるためのプログラムである。
【0025】
プログラムは、コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(digital versatile disc)又はCD-ROM(compact disc read only memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することにより行われる。或いは、プログラムを所定のサーバのストレージに格納しておき、所定のサーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させることができる。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0026】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又は所定のサーバから転送されたプログラムを、一旦、メモリに格納する。そして、コンピュータは、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータに所定のサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。所定のサーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(application service provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0027】
(端末装置の構成)
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置20の構成を説明する。
図3は、端末装置20の構成を示すブロック図である。
図3にブロック図で示されるように、端末装置20は、通信部21と、表示部22と、入力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。通信部21、表示部22、入力部23、記憶部24、及び制御部25は、有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0028】
通信部21は、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(4th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、端末装置20は、通信部21を介してネットワーク30に接続される。これによって、端末装置20は、サーバ10と通信することができる。
【0029】
表示部22は、画像又はテキスト等で情報を表示する。表示部22は、例えばディスプレイ等の表示装置を含む。
【0030】
入力部23は、入力操作を受け付ける。入力部23は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、物理キー、又はマイク等の入力装置を含む。
【0031】
記憶部24は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部24は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部24は、端末装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部24に記憶された情報の少なくとも一部は、例えば通信部11を介して通信可能に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよい。
【0032】
制御部25は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部25は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部25は、上述した通信部21、表示部22、入力部23、及び記憶部24等の構成要素の機能を含む、端末装置20の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0033】
端末装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、端末装置20の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを端末装置20として機能させるためのプログラムである。
【0034】
(情報処理システムの動作)
図4及び
図5を参照して、情報処理システム1の動作の一例を説明する。
図4は、情報処理システム1の第1の動作を示すフローチャートである。
図5は、情報処理システム1の第2の動作を示すフローチャートである。本動作の説明において、サーバ10は、電子商取引サービスとしてオンラインショッピングサービスを提供すると共に、ソーシャル・ネットワーク・サービスとしてチャットサービスを提供しているものとする。また、本動作の説明において、出品者U1及び利用者U2が電子商取引サービスを利用するものとして説明するが、電子商取引の出品者及び利用者は、出品者U1及び利用者U2に限られない。
【0035】
はじめに、
図4を参照して、サーバ10が、SNSにおける出品者U1及び利用者U2の少なくとも一方が投稿した情報に基づいて、出品者U1と利用者U2との関連付け情報を設定する動作を説明する。
【0036】
ステップS101において、出品者U1が使用する端末装置20Aの制御部25は、出品者U1によりSNSへ投稿される情報を生成する。具体的には、制御部25は、入力部23を介して入力されたテキスト又は画像を含むインスタントメッセージを生成する。例えば、インスタントメッセージは、「新しい商品を出品します。」とのテキストである。制御部25は、通信部21を介して、生成したインスタントメッセージを、サーバ10へ送信する。制御部25は、送信したインスタントメッセージを、表示部22に出品者U1と利用者U2とのチャットの内容として表示してもよい。
【0037】
ステップS102において、サーバ10の制御部13は、受信したインスタントメッセージを処理する。具体的には、制御部13は、通信部11を介して、ステップS101で端末装置20Aにより送信されたインスタントメッセージを受信する。制御部13は、受信したインスタントメッセージを、出品者U1と利用者U2との間で送受信された1つ以上のインスタントメッセージとして記憶部12に記憶する。制御部13は、通信部11を介して、受信したインスタントメッセージを、利用者U2の端末装置20Bへ送信する。
【0038】
ステップS103において、端末装置20Bの制御部25は、受信したインスタントメッセージを表示する。具体的には、制御部25は、通信部21を介して、ステップS102で送信されたインスタントメッセージを受信する。制御部25は、受信したインスタントメッセージに含まれる「新しい商品を出品します。」とのテキストを、表示部22に出品者U1と利用者U2とのチャットの内容として表示する。
【0039】
ステップS104において、利用者U2が使用する端末装置20Bの制御部25は、利用者U2によりSNSへ投稿される情報を生成する。具体的には、制御部25は、入力部23を介して入力されたテキスト又は画像を含むインスタントメッセージを生成する。例えば、インスタントメッセージは、「新しい商品が出品されたら全て購入します。」とのテキストである。制御部25は、通信部21を介して、生成したインスタントメッセージを、サーバ10へ送信する。制御部25は、送信したインスタントメッセージを、表示部22に出品者U1と利用者U2とのチャットの内容として表示してもよい。
【0040】
ステップS105において、サーバ10の制御部13は、受信したインスタントメッセージを処理する。具体的には、制御部13は、通信部11を介して、ステップS104で端末装置20Bにより送信されたインスタントメッセージを受信する。制御部13は、受信したインスタントメッセージを、出品者U1と利用者U2との間で送受信された1つ以上のインスタントメッセージとして記憶部12に記憶する。制御部13は、通信部11を介して、受信したインスタントメッセージを、出品者U1の端末装置20Aへ送信する。
【0041】
ステップS106において、端末装置20Aの制御部25は、受信したインスタントメッセージを表示する。具体的には、制御部25は、通信部21を介して、ステップS105で送信されたインスタントメッセージを受信する。制御部25は、受信したインスタントメッセージに含まれる「新しい商品が出品されたら全て購入します。」とのテキストを、表示部22に出品者U1と利用者U2とのチャットの内容として表示する。
【0042】
ステップS107において、サーバ10の制御部13は、出品者と利用者との関連付け情報を設定する。関連付け情報は、例えば、出品者と、その出品者との商品の取引を希望する利用者との関連付け情報であってもよい。サーバ10の制御部13は、出品者及び利用者の少なくとも一方によりソーシャル・ネットワーク・サービスに投稿された情報に基づいて、出品者と利用者との関連付け情報を設定する。
【0043】
具体的には、サーバ10の制御部13は、出品者U1及び利用者U2の少なくとも一方により投稿された情報に基づいて、利用者U2が出品者U1との商品の取引を希望しているか否かを判定する。例えば、制御部13は、自然言語処理により、出品者U1と利用者U2との間で送受信された1つ以上のインスタントメッセージを解析して、利用者U2が出品者U1との商品の取引を希望することを示す情報が含まれているか否かを判定する。例えば、制御部13は、利用者U2から出品者U1へ送信された「新しい商品が出品されたら全て購入します。」というインスタントメッセージに基づいて、利用者U2が出品者U1との商品の取引を希望していると判定する。かかる場合、制御部13は、出品者U1と利用者U2とを関連付けを行い、出品者と利用者との関連付け情報として記憶部12に記憶する。しかしながら、SNSにおける出品者及び利用者の少なくとも一方により投稿された情報には、上述した例に限られず、ブログのお気に入り登録、投稿へ付与された「いいね」など、任意の情報が含まれてもよい。
【0044】
さらに、ステップS107において、サーバ10の制御部13は、通信部11を介して、出品者U1に関連付けられた利用者の情報を、出品者U1の端末装置20Aへ送信する。例えば、出品者U1に関連付けられた利用者の情報には、出品者U1に関連付けられた利用者の数が含まれる。これによって、出品者U1は、電子商取引への商品の出品に先駆けて、出品する商品の量又は価格等を判断することができる。
【0045】
次に、
図5を参照して、サーバ10が、電子商取引における出品者U1が出品した商品を、出品者U1に関連付けられた利用者U2の取引対象に設定する動作を説明する。本動作の説明において、サーバ10は、出品者U1と利用者U2との関連付けを含む出品者と利用者との関連付け情報を、予め記憶部12に記憶しているものとする。
【0046】
ステップS201において、出品者U1が使用する端末装置20Aの制御部25は、電子商取引における出品者U1からの新たな商品の出品要求を生成する。具体的には、制御部25は、入力部23を介して入力された商品名、価格、数量、出品者U1の情報、取引方法、並びに、商品を説明するテキスト又は画像等を含む、商品の出品要求を生成する。例えば、商品の出品要求は、商品A、B及びCの出品要求であってもよい。制御部25は、通信部21を介して、生成した商品の出品要求を、サーバ10へ送信する。
【0047】
ステップS202において、サーバ10の制御部13は、受信した商品の出品要求を処理する。具体的には、制御部13は、通信部11を介して、ステップS201で端末装置20Aにより送信された出品者U1からの新たな商品の出品要求を受信する。制御部13は、受信した出品者U1からの新たな商品の出品要求を記憶部12に記憶する。制御部13は、出品要求に含まれる商品A、B及びCを電子商取引の対象として、利用者が取引可能にする。例えば、制御部13は、オンラインショッピングサイトにおいて、商品A、B及びCを購入可能な商品として表示してもよい。
【0048】
ステップS203において、サーバ10の制御部13は、出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、出品者U1からの新たな商品を、出品者U1に関連付けられた利用者U2の取引対象に設定する。具体的には、制御部13は、出品者と利用者との関連付け情報に出品者U1と利用者U2との関連付けが含まれているため、利用者U2が、出品者U1に関連付けられた利用者であると判定する。制御部13は、出品者U1からの新たな商品である商品A、B及びCを、利用者U2の取引対象として記憶部12に記憶する。本実施形態では、利用者の取引対象の商品とは、商品の取引が成立しておらず、その利用者の最終的な承諾を得られた場合に取引処理が行われる商品である。商品の取引処理を行われることで、その商品の取引が成立する。制御部13は、通信部11を介して、利用者U2の取引対象に設定された商品A、B及びCに関する情報を、利用者U2の端末装置20Bへ送信する。
【0049】
ステップS204において、端末装置20Bの制御部25は、受信した利用者U2の取引対象に設定された商品に関する情報を表示する。具体的には、制御部25は、通信部21を介して、ステップS203で送信された利用者U2の取引対象に設定された商品A、B及びCに関する情報を受信する。制御部25は、商品A、B及びCに関する情報を、表示部22に表示する。例えば、制御部25は、オンラインショッピングサイトにおける利用者U2の買い物カゴに商品A、B及びCを入れた状態で「購入」ボタンと共に表示してもよい。
【0050】
ステップS205において、利用者U2が使用する端末装置20Bの制御部25は、商品の取引要求を生成する。具体的には、制御部25は、利用者U2の取引対象に設定された商品の取引要求を生成する。例えば、利用者U2は、商品A、B及びCが買い物カゴに入れられた状態で「購入」ボタンを押下してもよい。これにより、制御部25は、利用者U2の最終的な承諾を得られたと判定して、商品A、B及びCの取引要求を生成する。制御部25は、通信部21を介して、生成した商品A、B及びCの取引要求を、サーバ10へ送信する。或いは、利用者U2は、買い物カゴに入れられた商品のうち一部を取引の対象外とする操作を行ってもよい。例えば、利用者U2が商品Aを対象外とする操作を行った場合、制御部25は、商品B及びCの取引要求を生成し、通信部21を介してサーバ10へ送信する。
【0051】
ステップS206において、サーバ10の制御部13は、利用者U2の取引対象とされた出品者U1からの新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させる。
【0052】
例えば、サーバ10の制御部13は、利用者U2からの商品の取引要求に基づいて、利用者U2の取引対象に設定された商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることができる。具体的には、制御部13は、通信部11を介して、ステップS205で端末装置20Bにより送信された利用者U2からの商品の取引要求を受信する。制御部13は、受信した利用者U2からの商品の取引要求を記憶部12に記憶する。その後、制御部13は、利用者U2からの取引要求で指定された商品の取引処理を実行し、商品の取引を成立させる。
【0053】
或いは、サーバ10の制御部13は、所定の条件が満たされている場合に、利用者U2からの商品の取引要求を待たずに、利用者U2の取引対象に設定された商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることができる。例えば、所定の条件は、取引を成立させる商品が利用者U2に予め関連付けられた取引上限量を超えないことであってもよい。取引上限量は、例えば、商品の合計金額の上限である。しかしながら、取引上限量は、商品の合計数量、合計重量、或いは、個々の商品の金額、数量、重量の上限とされてもよい。かかる場合、制御部13は、利用者U2の取引対象とされた出品者U1からの新たな商品のうち、例えば商品の金額の昇順又は降順に、利用者U2の取引上限量を超えない範囲で取引処理の対象とする商品を選択する。これにより、制御部13は、利用者U2の取引上限量を超えない範囲で、利用者U2の取引対象とされた出品者U1からの新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることができる。制御部13は、出品者U1により新たな商品が出品された場合に、利用者U2による端末装置20Bの操作を要求することなく、利用者U2の取引上限量を超えない範囲で商品の取引処理を実行することができる。ただし、所定の条件は、上述した例に限られない。例えば、所定の条件は、取引を成立させる商品が利用者U2の取引対象に設定されていることであってもよい。かかる場合、制御部13は、出品者U1からの商品が出品された場合に、利用者U2による端末装置20Bの操作を要求することなく、出品者U1から出品された商品の全ての取引処理を実行することができる。制御部13は、通信部11を介して、取引が成立した商品の情報を、出品者U1の端末装置20A及び利用者U2の端末装置20Bへ送信する。これにより、端末装置20A及び端末装置20Bは、それぞれ出品者U1及び利用者U2に対して、取引が成立した商品の情報を通知することができる。
【0054】
情報処理システム1において、上述したステップS201からステップS206の処理は、繰り返し実行されてもよい。これにより、出品者U1と利用者U2とが関連付けられている場合に、サーバ10の制御部13は、出品者U1からの新たな商品の出品要求を受信するたびに、その商品を利用者U2の取引対象に設定することができる。
【0055】
以上述べたように、本実施形態に係るサーバ10は、通信部11と、通信部11を介して電子商取引における出品者U1からの新たな商品の出品要求を受信し、出品者と利用者との関連付け情報に基づいて、新たな商品を、出品者U1に関連付けられた利用者U2の取引対象に設定する、制御部13とを備える。かかる構成によれば、サーバ10は、出品者U1が新たな商品を出品した際に、利用者U2からの操作を待たずに、自動的に、その商品を利用者U2の取引対象に設定することができる。これによって、例えば利用者U2がアーティストである出品者U1のファンクラブの会員、或いはファッションブランドである出品者U1の愛好家であって、出品者U1からの新たな商品の購入を希望する場合に、サーバ10は、利用者U2が出品者U1と商品の取引をするための操作の負担を軽減させることができる。また、サーバ10は、利用者U2の操作の負担を軽減させることで、出品者U1と利用者U2の商品の取引の機会を逸するおそれを未然に防ぐことができる。したがって、サーバ10は、電子商取引の利便性を向上させることができる。
【0056】
本実施形態に係るサーバ10では、関連付け情報は、出品者と、当該出品者との商品の取引を希望する利用者との関連付け情報を含んでもよい。かかる構成を有することによって、サーバ10は、利用者U2が、出品者U1の新たな商品が出品されたことに気付かずに、商品の取引機会を逃すことを未然に防ぐことができる。
【0057】
本実施形態に係るサーバ10では、関連付け情報は、出品者及び利用者の少なくとも一方によりソーシャル・ネットワーク・サービスに投稿された情報に基づいて設定されてもよい。かかる構成を有することによって、サーバ10は、出品者又は利用者に関連付け情報の登録のための操作を要求しなくとも、ソーシャル・ネットワーク・サービスに投稿された情報に基づいて、出品者と利用者との関連付けを設定することができる。
【0058】
本実施形態に係るサーバ10では、制御部13は、所定の条件が満たされている場合に、利用者U2からの商品の取引要求を待たずに、利用者U2の取引対象とされた新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることができる。かかる構成を有することによって、サーバ10は、電子商取引において商品の取引を成立させるための利用者U2の操作の負担を更に軽減させることができる。
【0059】
本実施形態に係るサーバ10では、利用者U2には取引上限量が関連付けられており、制御部13は、利用者U2の取引上限量を超えない範囲で、利用者U2の取引対象とされた新たな商品のうち少なくとも一部の取引を成立させることができる。かかる構成を有することによって、サーバ10は、電子商取引において過度の商品の取引を成立させて、利用者U2に対して負担をかけることを未然に防ぐことができる。
【0060】
本実施形態に係るサーバ10では、制御部13は、出品者U1に関連付けられた利用者U2の数を、通信部11を介して、出品者U1が利用する端末装置20Aに送信することができる。かかる構成によれば、サーバ10は、出品者U1に対して、出品者U1が電子商取引に出品する商品の量又は価格等を判断するために有益な情報を提供することができる。これによって、サーバ10は、電子商取引の出品者U1の利便性を更に向上させることができる。
【0061】
本実施形態に係るサーバ10では、制御部13は、利用者U2の取引対象とされた新たな商品に関する情報を、通信部11を介して、利用者U2が利用する端末装置20Bに送信することができる。かかる構成によれば、利用者U2に対して、利用者U2が電子商取引における商品の取引の最終的な承認を行う機会を提供することができる。これによって、サーバ10は、電子商取引の利用者U2の利便性を更に向上させることができる。
【0062】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0063】
例えば、スマートフォン等の汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係るサーバ10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係るサーバ10の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、コンピュータのメモリに格納し、コンピュータのプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。
【0064】
また、例えば、上述した実施形態では、サーバ10の通信部11が、ネットワーク30に接続する通信モジュールを含むものとして説明した。しかしながら、通信部11は、可搬型記録媒体に接続するための通信モジュール、或いは、入力装置に接続するための通信モジュールを含んでもよい。これにより、サーバ10は、可搬型記録媒体に記憶された情報又は入力装置により入力された情報を、端末装置20からの情報として受信してもよい。
【0065】
また、例えば、上述した実施形態では、サーバ10は、電子商取引サービスを提供すると共に、ソーシャル・ネットワーク・サービスを提供しているものとして説明した。しかしながら、サーバ10は、ソーシャル・ネットワーク・サービスを提供していなくてもよい。
【0066】
また、例えば、上述した実施形態では、出品者と利用者との関連付け情報は、出品者及び利用者の少なくとも一方によりソーシャル・ネットワーク・サービスに投稿された情報に基づいて、サーバ10により設定されるものとして説明した。しかしながら、出品者と利用者との関連付け情報は、利用者が出品者と商品を取引した回数、システム管理者による入力など、任意の情報に基づいて設定されてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 情報処理システム
10 サーバ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20(20A、20B) 端末装置
21 通信部
22 表示部
23 入力部
24 記憶部
25 制御部
30 ネットワーク