(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 304
G06F3/12 326
G06F3/12 378
G06F3/12 354
G06F3/12 372
(21)【出願番号】P 2021020942
(22)【出願日】2021-02-12
【審査請求日】2023-05-18
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515268722
【氏名又は名称】株式会社OpenFactory
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】堀江 賢司
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-041146(JP,A)
【文献】特開2020-170275(JP,A)
【文献】特開2006-256246(JP,A)
【文献】特開2010-094839(JP,A)
【文献】特開2006-100942(JP,A)
【文献】特開2015-032926(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0353760(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 5/00- 5/52
B41J 21/00-21/18
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
受付部と、設定部とを備え、
前記受付部は、印刷データと、印刷機器の識別データとを受け付けるように構成され、
前記印刷データは、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報とを含み、
前記識別データは、前記印刷機器の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記設定部は、前記印刷データと、前記印刷機器の前記識別データと、予め設定された第1参照情報とに基づいて、前記印刷機器
の設定に関する設定情報を含む設定ファイルを生成または選択するように構成さ
れ、
前記第1参照情報は、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報と、印刷機器の設定に関する設定情報と、印刷機器の識別データと、が対応付けられた情報である、
もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
第1出力部をさらに備え、
前記第1出力部は、前記対象情報と、前記設定ファイルとを前記印刷機器に送信するように構成される、
もの。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記設定部は、前記設定ファイルを前記印刷機器に反映させるように構成される、
もの。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記対象情報は、前記印刷対象の色に関する情報を含み、
前記設定ファイルは、前記印刷対象の色を前記被印刷物上で表現するためのインクの情報を含む、
もの。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理装置において、
前記被印刷物情報は、前記被印刷物の色に関する情報を含む、
もの。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の情報処理装置において、
前記インクの情報は、少なくとも1つのインクの色と、その分量とに関する情報を含む、
もの。
【請求項7】
請求項4~請求項6の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記設定ファイルは、色合いの調整に関する情報を含む、
もの。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記被印刷物情報は、前記被印刷物の素材に関する情報を含む、
もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記被印刷物は、衣料品である、
もの。
【請求項10】
請求項1~請求項9の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記被印刷物は、大判生地である、
もの。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記印刷データは、前記被印刷物に前記印刷対象が印刷されて完成される商品の価格に関する情報を含む、
もの。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記対象情報は、前記印刷対象の模様に関する情報を含む、
もの。
【請求項13】
請求項1~請求項12の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記第1参照情報は、AIによる機械学習により生成または更新される、
もの。
【請求項14】
請求項1~請求項13の何れか1つに記載の情報処理装置において、
特定部をさらに備え、
前記受付部は、納品先データを受け付けるように構成され、
前記納品先データは、前記被印刷物に前記印刷対象が印刷されて完成される商品の納品先の住所に関する情報を含み、
前記特定部は、前記被印刷物情報と、前記納品先データと、予め設定された第2参照情報とに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定するように構成され、
前記第2参照情報は、印刷工場名と、印刷工場が取り扱う被印刷物の種類と、前記印刷工場の所在地と、前記印刷工場が有する印刷機器の前記識別データとが対応付けられた情報であり、
前記設定部は、前記印刷工場が有する前記印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択するように構成される、
もの。
【請求項15】
請求項14に記載の情報処理装置において、
第2出力部をさらに備え、
前記第2出力部は、特定した前記印刷工場に、前記商品の作製依頼を発注する発注情報を送信するように構成され、
前記受付部は、前記印刷工場から、前記発注情報に対応する受注情報を受け付けるように構成され、
前記設定部は、前記受付部
が前記受注情報を受け付けた場合に、その送信元である前記印刷工場が有する前記印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択するように構成される、
もの。
【請求項16】
請求項15に記載の情報処理装置において、
前記発注情報は、光学的に読み取り可能なコードを含み、
前記受注情報は、前記印刷工場において前記コードが読み取られることによって生成される、
もの。
【請求項17】
請求項14~請求項16の何れか1つに記載の情報処理装置において、
前記受付部は、各印刷工場から、受注状況の情報をさらに受け付けるように構成され、
前記特定部は、前記各印刷工場の前記受注状況にさらに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定するように構成される、
もの。
【請求項18】
情報処理方法であって、
受付ステップと、設定ステップとを備え、
前記受付ステップでは、印刷データと、印刷機器の識別データとを受け付け、
前記印刷データは、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報とを含み、
前記識別データは、前記印刷機器の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含み、
前記設定ステップでは、前記印刷データと、前記印刷機器の前記識別データと、予め設定された第1参照情報とに基づいて、前記印刷機器
の設定に関する設定情報を含む設定ファイルを生成または選択
し、
前記第1参照情報は、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報と、印刷機器の設定に関する設定情報と、印刷機器の識別データと、が対応付けられた情報である、
方法。
【請求項19】
プログラムであって、
コンピュータを請求項1~請求項17の何れか1つに記載の情報処理装置として機能させるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して受注から印刷まで行うことができるオンデマンド印刷システムが開発されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オンデマンド印刷サービスの利用者の拡大や、被印刷物の種類の多様化により、異なる印刷機器を有する複数の印刷工場で印刷を行う必要性が生じており、各印刷工場での印刷機器の設定作業を効率化することが望まれている。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、オンデマンド印刷サービスの利用者からの注文内容に応じた適切な印刷設定を、各印刷工場が有する印刷機器に対して施すことを可能とし、各印刷工場での印刷機器の設定作業を省力化することができる技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、受付部と、設定部とを備える。受付部は、印刷データと、印刷機器の識別データとを受け付けるように構成される。印刷データは、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報とを含む。識別データは、印刷機器の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含む。設定部は、印刷データと、印刷機器の識別データと、予め設定された第1参照情報とに基づいて、印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択するように構成される。
【0007】
本開示によれば、オンデマンド印刷サービスの利用者からの注文内容に応じた適切な印刷設定を、各印刷工場が有する印刷機器に対して施すことを可能とし、各印刷工場での印刷機器の設定作業を省力化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
【
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】印刷機器4のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】印刷対象PTと、被印刷物PMとの関係を示す概要図である。
【
図6】受付部331が受け付ける印刷データ5の一例である。
【
図7】記憶部32に予め記憶された第1参照情報6の一例である。
【
図8】記憶部32に予め記憶された第2参照情報7の一例である。
【
図9】商品の作製依頼を印刷工場に発注する発注情報8の一例である。
【
図10】情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、第1の実施形態(以下、本実施形態と称する)のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1は、発注元端末2と、情報処理装置3と、印刷機器4とを備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素について、さらに説明する。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、情報処理装置3単体であっても、システムの一例となる。
【0015】
1.2 発注元端末2
発注元端末2は、不図示の通信部と、記憶部と、制御部とを備え、ネットワークを介して情報処理装置3と通信可能に構成されている。発注元端末2と、情報処理装置3とは、必要に応じて様々な情報のやりとりをするように実施してもよい。通信部、記憶部および制御部の説明は、情報処理装置3における通信部31、記憶部32および制御部33と略同様のため、省略する。
【0016】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを備え、これらの構成要素が、情報処理装置3の内部において、通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素について、さらに説明する。
【0017】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、通信部31は、これら複数の通信手段の集合として実施されることがより好ましい。すなわち、情報処理装置3は、通信部31を介して、発注元端末2および印刷機器4とネットワークを介して、種々の情報を通信する。
【0018】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施され得る。また、記憶部32は、これらの組み合わせであってもよい。特に、記憶部32は、第1参照情報6、第2参照情報7、または、これらを生成するためのプログラム等を記憶する。記憶部32は、これ以外にも、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0019】
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。各機能部については、次節において、更に詳述する。なお、制御部33は、単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施されてもよい。また、制御部33は、複数の制御部の組み合わせであってもよい。
【0020】
1.4 印刷機器4
図3は、印刷機器4のハードウェア構成を示すブロック図である。印刷機器4は、通信部41と、記憶部42と、プリンター制御部43と、印刷部44と、移動部45とを備え、ネットワークを介して情報処理装置3と通信可能に構成されている。印刷機器4は、プリンター制御部43によって印刷部および移動部45を制御し、被印刷物PMに印刷対象PTを印刷するように構成されている。各構成要素について、さらに説明する。
【0021】
通信部41は、通信インタフェースであり、情報処理装置3と、ネットワークを介して必要に応じて様々な情報のやりとりをするように構成される。記憶部42は、ストレージデバイスまたはメモリであり、印刷機器4の動作に関する種々のプログラムを記憶するように構成される。また、記憶部42は、後述する設定ファイルCFを記憶してもよい。プリンター制御部43は、記憶部42に記憶された種々のプログラムを読み出して、印刷機器4に関連する全体動作の処理・制御を行う。特に、プリンター制御部43は、移動部45を記憶部42に記憶されたプログラムを読み出して、所望に移動させる。
【0022】
印刷部44は、ヘッドユニット441と、インク供給部442とを備える。移動部45は、プリンター制御部43の制御の下に、被印刷物PMとヘッドユニット441とを相対移動させる。ヘッドユニット441は、印刷用のインクをインク滴として吐出する複数のノズル(不図示)を有する印刷ヘッドを備える。印刷ヘッドが、被印刷物PMに対して相対移動しながらプリンター制御部43の制御の下に、被印刷物PMにインク滴を吐出することによって、印刷対象PTが印刷される。被印刷物PMと印刷対象PTとの関係については、
図5を用いて後に詳述する。
【0023】
インク供給部442は、不図示の、インクタンクと、インクタンクから印刷ヘッドにインクを供給するインク供給路とを備える。インクには、CMYK色空間に基づく画像を形成するインクとして、例えば、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKの印刷色のインクの他、ホワイトW、レッド、グリーン、オレンジ、グレー、ライトシアン、ライトマゼンタ、ダークイエロー、ライトブラック等のインク、蛍光パープル、蛍光ブルー、蛍光グリーン、蛍光ローズ、蛍光ピンク、蛍光イエロー、蛍光オレンジ、蛍光レッド等の蛍光インク、シルバー、ゴールド等の特殊インク等を用いる。
【0024】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、情報処理装置3に係る種々の機能は、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行され得る。
【0025】
図4は、情報処理装置3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例である情報処理装置3は、受付部331と、特定部332と、設定部333と、出力部334とを備える。
【0026】
受付部331は、種々の情報を受け付けるように構成される。例えば、受付部331は、印刷データ5(
図6参照)、識別データPI、納品先データ、受注情報等を受け付けてもよい。詳細については、後述する。
【0027】
特定部332は、発注先ODとなる印刷工場を特定するように構成される。詳細については、後述する。
【0028】
設定部333は、印刷機器4に対する設定ファイルCFを生成または選択するように構成される。詳細については、後述する。
【0029】
出力部334は、種々の情報を送信するように構成される。第1出力部の一例である出力部334は、印刷機器4に種々の情報を送信するように構成される。第2出力部の一例である出力部334は、特定部332が特定した印刷工場に、種々の情報を送信するように構成される。詳細については、後述する。
【0030】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0031】
また、本節で参照する各図は、以下の通りである。
図5は、印刷対象PTと、被印刷物PMとの関係を示す概要図である。
図6は、受付部331が受け付ける印刷データ5の一例である。
図7は、記憶部32に予め記憶された第1参照情報6の一例である。
図8は、記憶部32に予め記憶された第2参照情報7の一例である。
図9は、商品の作製依頼を印刷工場に発注する発注情報8の一例である。
図10は、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れの一例を示すタイミングチャートである。
【0032】
ここで、発注元とは、オンデマンド印刷サービスを消費者に提供する事業者である。発注先とは、印刷機器4を有する印刷工場である。印刷対象PTとは、印刷により表現する対象である。被印刷物PMとは、印刷を施す物品である。
【0033】
なお、被印刷物PMには、印刷を施すことができるあらゆる物品が含まれる。例えば、被印刷物PMとして、Tシャツ、パーカー、スウェット、ジャケット、アノラック、ブラウス、シャツ、セーター、靴下、ハンカチ、スカーフ、バンダナ、手ぬぐい、マフラー、ベイビーロンパース、ベイビービブ、キャップ、ハット、マスク等の衣料品、サンダル等の履物、トートバッグ、エコバッグ(登録商標)、ショルダーバッグ、サッコッシュ、巾着、ウエストポーチ等の鞄、財布等の革小物、レインコート、ビニール傘等の雨具、カーテン、ブランケット、タオル、ポスター、アクリルブロック等のインテリア用品、スマホケース、モバイルバッテリー等の携帯電話グッズ、マウス、マウスパッド、イヤホン、スピーカー、USBメモリ、ハブ、ドッキングステーション等のPCアクセサリー、マグカップ、タンブラー、グラス、湯呑、ドリンクカバー等のキッチン雑貨、ステッカー、ノート、クリアファイル、シャープペンシル、ボールペン、マーカー、鉛筆、ポーチ、ブックスタンド、ペーパーウェイト等の文具、バッチ、キーホルダー、うちわ、扇子、マスクケース等の雑貨が挙げられる。これらの中でも、特に、被印刷物PMは、衣料品であることが好ましい。このような態様によれば、オンデマンド印刷サービスの主力アイテムである衣料品に印刷を施す際に、印刷機器4の設定作業を省力化することができる。また、被印刷物PMは、大判生地であることも好ましい。このような態様によれば、衣料品の材料となり得る大判生地に印刷を施す際に、印刷機器4の設定作業を省力化することができる。
【0034】
以下では、
図10のタイミングチャートに沿って、情報処理システム1によって実行される情報処理の流れを説明するものとする。まず、発注元は、オンデマンド印刷サービスの利用者から注文を受け付けると、発注元端末2を用いて、印刷データ5(
図6)と不図示の納品先データとを情報処理装置3に送信する(ステップS001)。
【0035】
ここで、印刷データ5は、印刷対象PTに関する対象情報51と、被印刷物PMに関する被印刷物情報52とを含む。
図6に示される印刷データ5は、好ましい印刷データ5の一例であり、例えば、対象情報51と、被印刷物情報52と、商品の価格53と、印刷オプション54とを含む。
【0036】
図6の対象情報51は、印刷対象PTの画像データのリンク51aと、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品のイメージ51bとを含む。
図6の被印刷物情報52は、被印刷物PMの種類52a、色52b、サイズ52cおよび素材52dの情報を含む。
図6における商品の価格53は、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品の販売価格を示す。
図6の印刷オプション54は、濃色生地への印刷の際に必要となる白引き等の追加の印刷設定を指定する情報を示す。
【0037】
納品先データは、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品の納品先の住所に関する情報を含む。住所に関する情報とは、納品先を特定可能な完全な住所であってもよく、郵便番号、都道府県、市区町村といった納品先が属する地域を示す情報であってもよい。なお、納品先データは、印刷データ5とひとまとまりのデータとして、発注元端末2から情報処理装置3へ送信されてもよい。
【0038】
印刷データ5と納品先データとがネットワークを介して情報処理装置3に送信されると、受付部331は、印刷データ5と納品先データとを受け付ける。すなわち、印刷データ5と納品先データとがネットワークおよび通信部31を介して情報処理装置3に送信され、情報処理装置3における記憶部32に一時的に記憶される。
【0039】
受付部331が印刷データ5と納品先データとを受け付けた後、特定部332は、被印刷物情報52と、納品先データと、予め設定された第2参照情報7(
図8)とに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定する(ステップS002)。
【0040】
予め設定された第2参照情報7とは、情報処理装置3における記憶部32に予め記憶されている情報である。また、
図8に示されているように、第2参照情報7は、印刷工場名71と、印刷工場が取り扱う被印刷物PMの種類73と、印刷工場の所在地72と、印刷工場が有する印刷機器4の識別データPIとが対応付けられた情報である。所在地72は、印刷工場を特定可能な完全な住所であってもよく、郵便番号、都道府県、市区町村といった印刷工場が属する地域を示す情報であってもよい。ここで、識別データPIとは、印刷機器4に印刷設定を施すために必要となる印刷機器4の情報であって、印刷機器4の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含む。
【0041】
このような態様において、特定部332は、第2参照情報7に基づいて印刷工場を特定するため、注文された被印刷物PMと同じ種類の被印刷物PMを取り扱っている印刷工場のうち、納品先に地理的に近い印刷工場に対し、印刷設定を行うことができる。
【0042】
特定部332が少なくとも1つの印刷工場を特定した後、出力部334は、特定した印刷工場に、商品の作製依頼を発注する発注情報8(
図9)を送信する。具体的には、情報処理装置3における制御部33は、
図9に示される発注情報8を、印刷工場が有する印刷機器4または不図示の情報端末に、通信部31およびネットワークを介して送信する(ステップS003)。ここで、発注情報8は、ワープロソフト等で生成された形式でもよいし、pdfファイルでもよいが、好ましくは、発注情報8を視認可能な態様でブラウザ上に表示させた画面である。ここでは、発注情報8が画面であるものとしてさらに説明をする。
【0043】
図9に示される発注情報8は、好ましい発注情報8の一例であり、例えば、対象情報81と、被印刷物情報82と、商品の価格83と、印刷オプション84と、納品先情報85と、発注先ODと、バーコードTCとを含む。
図9の対象情報81は、印刷対象PTの画像データのリンク81aと、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品のイメージ81bとを含む。
図9の被印刷物情報82は、被印刷物PMの種類82a、色82b、サイズ82cおよび素材82dの情報を含む。
【0044】
ここで、対象情報81と、被印刷物情報82と、商品の価格83と、印刷オプション84とは、
図6に示される印刷データ5の対象情報51と、被印刷物情報52と、商品の価格53と、印刷オプション54と同様のため、説明を省略する。納品先情報85は、納品先データから抽出された、商品の納品先の住所に関する情報である。発注先ODは、発注先が特定部332により特定された印刷工場であることを示す、当該印刷工場の名称等を含む情報である。バーコードTCは、光学的に読み取り可能なコードの一例である。
【0045】
このように、発注情報8は、光学的に読み取り可能なコードを含むことが好ましい。なお、光学的に読み取り可能なコードは、
図9に示されるバーコードTCに限られず、QRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよい。
【0046】
発注情報8を受信した印刷工場は、受注する場合、発注情報8に対応する受注情報を情報処理装置3に送信する(ステップS004)。なお、発注情報8が光学的に読み取り可能なコードを含む場合、受注情報は、印刷工場においてコードが読み取られることによって生成される。例えば、
図9に示されるように、発注情報8がバーコードTCを含む場合、バーコードリーダをバーコードTCにかざすことにより、バーコードTCが読み取られる。このような態様によれば、光学的に読み取り可能なコードを介することにより、受発注業務を効率化することができる。
【0047】
受注情報が印刷工場からネットワークを介して情報処理装置3に送信されると、受付部331は、発注情報8に対応する受注情報を受け付ける。すなわち、受注情報がネットワークおよび通信部31を介して情報処理装置3に送信され、情報処理装置3における記憶部32に一時的に記憶される。
【0048】
受付部331が受注情報を受け付けた後、設定部333は、その送信元である印刷工場が有する印刷機器4に対する設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、設定部333は、印刷データ5と、印刷機器4の識別データPIと、予め設定された第1参照情報6(
図7)とに基づいて、印刷機器4に対する設定ファイルCFを生成または選択する(ステップS005)。設定ファイルCFを選択する場合は、過去に生成された設定ファイルCFを記憶部32に記憶させておき、この中から適切なものが選択されるとよい。なお、受付部331は、印刷工場から受注情報を受け付けることによって、印刷工場が有する印刷機器4の識別データPIを受け付ける。このような態様によれば、特定された印刷工場からの受注を確認した上で、印刷設定を行うことができる。
【0049】
ここで、予め設定された第1参照情報6とは、情報処理装置3における記憶部32に予め記憶されている情報である。また、
図7に示されているように、第1参照情報6は、被印刷物情報61と、対象情報62と、印刷機器4の設定に関する設定情報63と、印刷機器4の識別データPIとが対応付けられた情報である。
【0050】
好ましくは、印刷機器4に予め印刷設定のカスタム向けに準備されたSDK(Software Development Kit)がある場合、設定ファイルCFは、SDKに使用可能なファイルであるとよい。
【0051】
設定部333が設定ファイルCFを生成または選択した後、出力部334は、対象情報51と、設定ファイルCFとを印刷機器4に送信する。すなわち、対象情報51と設定ファイルCFとを、通信部31およびネットワークを介して印刷機器4に送信する(ステップS006)。このような態様によれば、印刷機器4の設定に必要な情報を含む、印刷に必要な情報全てを印刷機器4に直接送信することにより、各印刷工場での印刷機器4の設定作業をさらに省力化することができる。
【0052】
設定ファイルCFがネットワークを介して印刷機器4に送信された後、印刷工場において、設定ファイルCFを印刷機器4に反映させる(ステップS007)。これにより、被対象物への印刷対象PTの印刷が実行可能になる。
【0053】
なお、情報処理装置3における設定部333が設定ファイルCFを印刷機器4に反映させることが好ましい。具体的には、印刷機器4を有する印刷工場のローカルエリアネットワーク内で、印刷機器4に関するホットフォルダ(不図示)を構築することで、設定ファイルCFの送信と反映を1つのプロセスとして実施することができる。すなわち、情報処理装置3からホットフォルダへ設定ファイルCFを転送することで、各印刷工場での印刷機器4の設定作業を自動化することができる。
【0054】
以上をまとめると、本実施形態の情報処理方法は、受付ステップと、生成ステップとを備える。受付ステップでは、印刷データ5と、印刷機器4の識別データPIとを受け付ける。印刷データ5は、印刷対象PTに関する対象情報51と、被印刷物PMに関する被印刷物情報52とを含む。識別データPIは、印刷機器4の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含む。設定ステップでは、印刷データ5と、印刷機器4の識別データPIと、予め設定された第1参照情報6とに基づいて、印刷機器4に対する設定ファイルCFを生成または選択する。
【0055】
本実施形態によれば、オンデマンド印刷サービスの利用者からの注文内容に応じた適切な印刷設定を、各印刷工場が有する印刷機器4に対して施すことを可能とし、各印刷工場での印刷機器4の設定作業を省力化することができる。
【0056】
続いて、設定部333が生成または選択する設定ファイルCFの具体例について以下詳述する。
【0057】
図6に示されているように、印刷データ5に含まれる対象情報51は、印刷対象PTの色に関する情報を含むことが好ましい。これに対応して、
図7に示されているように、第1参照情報6において、対象情報62は、印刷対象PTの色に関する情報を含むことが好ましい。同様に、
図9に示されているように、発注情報8に含まれる対象情報81は、印刷対象PTの色に関する情報を含むことが好ましい。
【0058】
このような態様において、設定部333が生成または選択する設定ファイルCFは、印刷対象PTの色を被印刷物PM上で表現するためのインクの情報を含む。このような態様によれば、各印刷工場での印刷機器4のインクに関する設定作業を省力化することができる。ここで、インクの情報は、少なくとも1つのインクの色と、その分量とに関する情報を含むことが好ましい。このような態様によれば、適切なインク量の設定が可能になる。
【0059】
さらに、設定ファイルCFは、色合いの調整に関する情報を含むことが好ましい。ここで、色合いとは、彩度、明るさ、コントラスト、カラーバランス、濃度等である。さらに好ましくは、印刷対象PTの色がRGBカラーである場合、設定ファイルCFは、RGBカラーをCMYKカラーに変換して得られるインクの色に関する情報を含むことが好ましい。このような態様によれば、
図7に示されているように、デジタルカメラで撮影された画像データや、Office系ソフトで作成された画像データ等のRGBデータで注文を受け付け、対象情報62がRGBカラーで表現された場合であっても、CMYKカラーで印刷対象PTの色合いをより忠実に再現することができる。
【0060】
図6に示されているように、印刷データ5に含まれる被印刷物情報52は、色52bの情報を含むことが好ましい。これに対応して、
図7に示されているように、第1参照情報6において、被印刷物情報61は、被印刷物PMの色に関する情報を含むことが好ましい。同様に、
図9に示されているように、発注情報8に含まれる被印刷物情報82は、色82bの情報を含むことが好ましい。
【0061】
例えば、
図6、
図7および
図9に示されているように、被印刷物PMとして、色がブラックのTシャツが注文され、印刷対象PTに白色の部分が含まれる場合、設定部333は、ホワイトWのインク量を多めに設定する設定ファイルCFを生成または選択する。また、被印刷物PMとして、色がブラックのTシャツが注文され、印刷対象PTに黒色の部分が含まれる場合、設定部333は、ブラックKのインクを使用せず、黒色の部分をTシャツの地色で表現するように設定する設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、このような態様によれば、地色の影響を加味した適切なインク設定が可能になる。
【0062】
図6に示されているように、印刷データ5に含まれる被印刷物情報52は、素材52dの情報を含むことが好ましい。これに対応して、
図7には示されていないが、第1参照情報6において、被印刷物情報61は、被印刷物PMの素材に関する情報を含むことが好ましい。同様に、
図9に示されているように、発注情報8に含まれる被印刷物情報82は、素材82dの情報を含むことが好ましい。
【0063】
例えば、
図6および
図9では、被印刷物PMは、素材が綿100%のTシャツであり、被印刷物PMの素材は、混用率で表されている。このように、被印刷物PMの素材は、被印刷物PMを構成する素材名と、被印刷物PM全体に対するその割合で表現されていてもよい。あるいは、被印刷物PMの素材に関する情報は、主たる素材名のみでもよい。
【0064】
例えば、図示されていないが、被印刷物PMの素材が、ポリエステル等のインクをはじきやすい性質を有する化学繊維から主に構成される場合、設定部333は、このような化学繊維に適したインクを設定する設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、このような態様によれば、被印刷物PMの素材に応じた適切な印刷設定が可能になる。
【0065】
さらに、素材の情報として、素材の厚みに関する情報が含まれていることが、好ましい。例えば、図示されていないが、被印刷物PMがトレーナーであり、分厚い生地でできている場合、設定部333は、このような分厚い生地に印刷を施すのに適した印刷設定を可能にする設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、このような態様によれば、被印刷物PMの素材の厚みに応じた適切な印刷設定が可能になる。
【0066】
図6に示されているように、印刷データ5は、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品の価格53に関する情報を含むことが好ましい。これに対応して、
図7には示されていないが、第1参照情報6は、被印刷物PMに印刷対象PTが印刷されて完成される商品の価格に関する情報を含むことが好ましい。同様に、
図9に示されているように、発注情報8は、商品の価格83を含むことが好ましい。
【0067】
例えば、
図6および
図9では、商品の販売価格が、税抜で3000円となっている。この3000円という価格が、オンデマンド印刷サービス市場の相場と比べて低い場合、設定部333は、インク量を少なめに設定する設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、このような態様によれば、商品の販売による売上と、印刷にかかるコストとのバランスを保つことができるように、印刷設定を調節することができる。
【0068】
図6に示されているように、印刷データ5に含まれる対象情報51は、印刷対象PTの模様に関する情報を含むことが好ましい。これに対応して、
図7には示されていないが、第1参照情報6において、対象情報62は、印刷対象PTの模様に関する情報を含むことが好ましい。同様に、
図9に示されているように、発注情報8に含まれる対象情報81は、印刷対象PTの模様に関する情報を含むことが好ましい。
【0069】
例えば、図示されていないが、印刷対象PTの模様が、非常に細い線からなる模様である場合、設定部333は、インクの液滴量を少なめに設定する設定ファイルCFを生成または選択する。すなわち、このような態様によれば、印刷対象PTの模様に応じた適切な印刷設定が可能になる。
【0070】
4.その他
情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0071】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、コンピュータを情報処理装置3として機能させる。
【0072】
本実施形態では、第1参照情報6および第2参照情報7がルックアップテーブル等のデータベースであるものとし、それに含まれる詳細な項目を説明したが、あくまでも一例でありこの限りではない。さらに、参照情報は、そもそもルックアップテーブル等のデータベースに限定されず、複数の情報を数学的に関係づけた数理モデルでもよいし、さらに好ましくは、複数の情報の相関性を予め機械学習させた学習済みモデルであってもよい。すなわち、第1参照情報6および第2参照情報7は、AIによる機械学習により生成または更新されてもよい。
【0073】
受付部331は、各印刷工場から、受注状況の情報をさらに受け付けるように構成されてもよい。本態様において、特定部332は、各印刷工場の受注状況にさらに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定するように構成される。このような態様によれば、受注量が受注許容量を超えている、または受注許容量に近くなっている印刷工場を発注先の候補から除外し、受注量に余裕がある印刷工場の中で適当な印刷工場を特定することができる。
【0074】
発注情報8を有体物として発送して、当該有体物にRFID等の電子タグを取り付けても良い。
【0075】
ステップS004におけるコードまたは電子タグの読み取りを契機として、ステップS005~S007が一括で行われてもよい。
【0076】
発注情報8に含まれるコードまたは電子タグが読み取られることにより、発注情報8を含む視覚情報が生成され、印刷工場が有する印刷機器4または情報端末に表示されてもよい。本態様では、この視覚情報に含まれる、受注を可能にするオブジェクト、例えばボタン等の押下や、URLのクリック等により、設定ファイルCFが印刷機器4または情報端末に送信されるか、または設定ファイルCFが印刷機器4に反映される。また、ボタン等の押下により、情報処理装置3には受注情報が送信される。
【0077】
ステップS004におけるコードまたは電子タグの読み取りに代えて、発注情報8に付されたボタン等のオブジェクトの押下を契機として、ステップS005~S007が行われてもよい。または、発注情報8に記載されたURLのクリックを契機として、ステップS005~S007が行われてもよい。
【0078】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、第1出力部をさらに備え、前記第1出力部は、前記対象情報と、前記設定ファイルとを前記印刷機器に送信するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記設定部は、前記設定ファイルを前記印刷機器に反映させるように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記対象情報は、前記印刷対象の色に関する情報を含み、前記設定ファイルは、前記印刷対象の色を前記被印刷物上で表現するためのインクの情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記被印刷物情報は、前記被印刷物の色に関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記インクの情報は、少なくとも1つのインクの色と、その分量とに関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記設定ファイルは、色合いの調整に関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記被印刷物情報は、前記被印刷物の素材に関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記被印刷物は、衣料品である、もの。
前記情報処理装置において、前記被印刷物は、大判生地である、もの。
前記情報処理装置において、前記印刷データは、前記被印刷物に前記印刷対象が印刷されて完成される商品の価格に関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記対象情報は、前記印刷対象の模様に関する情報を含む、もの。
前記情報処理装置において、前記第1参照情報は、AIによる機械学習により生成または更新される、もの。
前記情報処理装置において、特定部をさらに備え、前記受付部は、納品先データを受け付けるように構成され、前記納品先データは、前記被印刷物に前記印刷対象が印刷されて完成される商品の納品先の住所に関する情報を含み、前記特定部は、前記被印刷物情報と、前記納品先データと、予め設定された第2参照情報とに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定するように構成され、前記第2参照情報は、印刷工場名と、印刷工場が取り扱う被印刷物の種類と、前記印刷工場の所在地と、前記印刷工場が有する印刷機器の前記識別データとが対応付けられた情報であり、前記設定部は、前記印刷工場が有する前記印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、第2出力部をさらに備え、前記第2出力部は、特定した前記印刷工場に、前記商品の作製依頼を発注する発注情報を送信するように構成され、前記受付部は、前記印刷工場から、前記発注情報に対応する受注情報を受け付けるように構成され、前記設定部は、前記受付部が前記前記受注情報を受け付けた場合に、その送信元である前記印刷工場が有する前記印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択するように構成される、もの。
前記情報処理装置において、前記発注情報は、光学的に読み取り可能なコードを含み、前記受注情報は、前記印刷工場において前記コードが読み取られることによって生成される、もの。
前記情報処理装置において、前記受付部は、各印刷工場から、受注状況の情報をさらに受け付けるように構成され、前記特定部は、前記各印刷工場の前記受注状況にさらに基づいて、少なくとも1つの印刷工場を特定するように構成される、もの。
情報処理方法であって、受付ステップと、設定ステップとを備え、前記受付ステップでは、印刷データと、印刷機器の識別データとを受け付け、前記印刷データは、印刷対象に関する対象情報と、被印刷物に関する被印刷物情報とを含み、前記識別データは、前記印刷機器の機種名、型番およびモデル名のうち少なくとも1つの情報を含み、前記設定ステップでは、前記印刷データと、前記印刷機器の前記識別データと、予め設定された第1参照情報とに基づいて、前記印刷機器に対する設定ファイルを生成または選択する、方法。
プログラムであって、コンピュータを前記情報処理装置として機能させるもの。
もちろん、この限りではない。
【0079】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0080】
1 :情報処理システム
2 :発注元端末
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :特定部
333 :設定部
334 :出力部
4 :印刷機器
41 :通信部
42 :記憶部
43 :プリンター制御部
44 :印刷部
441 :ヘッドユニット
442 :インク供給部
45 :移動部
5 :印刷データ
51 :対象情報
51a :リンク
51b :イメージ
52 :被印刷物情報
52a :種類
52b :色
52c :サイズ
52d :素材
53 :価格
54 :印刷オプション
6 :第1参照情報
61 :被印刷物情報
62 :対象情報
63 :設定情報
7 :第2参照情報
71 :印刷工場名
72 :所在地
73 :種類
8 :発注情報
81 :対象情報
81a :リンク
81b :イメージ
82 :被印刷物情報
82a :種類
82b :色
82c :サイズ
82d :素材
83 :価格
84 :印刷オプション
85 :納品先情報
CF :設定ファイル
OD :発注先
PI :識別データ
PM :被印刷物
PT :印刷対象
TC :バーコード