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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】バス情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G09D 1/00 20060101AFI20230823BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20230823BHJP
   G08G 1/127 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
G09D1/00 A
G06Q50/30
G08G1/127 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021080311
(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公開番号】P2022174483
(43)【公開日】2022-11-24
【審査請求日】2023-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513044555
【氏名又は名称】国際興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】塩路 久人
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-086513(JP,A)
【文献】特開2015-056081(JP,A)
【文献】特開2013-152516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09D 1/00
G06Q 50/30
G08G 1/127
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報サーバと、前記情報サーバに通信可能なように接続され、バス停に配置されるバス停端末とを備えるバス情報管理システムであって、
前記情報サーバは、
(1)当日の曜日に対応する時刻表を、前記当日の曜日以外に対応する時刻表より視認し易い態様の表示画面を時刻表表示画面として生成し、(2)予約制バスの予約のための表示画面を予約表示画面として生成し、(3)前記バス停端末に表示された前記予約表示画面を介して入力された利用者の識別情報、目的地及び乗車人数に基づき前記予約制バスの予約を受け付ける制御部、
を備え、
前記バス停端末は、
(1)前記情報サーバから送信された前記時刻表表示画面を表示し、(2)前記情報サーバから送信された前記予約表示画面を表示し、(3)前記予約表示画面を介して前記利用者の識別情報、前記目的地及び前記乗車人数の入力を受け付ける表示部、
を備えたバス情報管理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記時刻表の表示部分において、当日に対応する曜日の時刻表を大きく示し、当日に対応する曜日以外の時刻表を小さく示す表示画面を生成する、
請求項1に記載のバス情報管理システム。
【請求項3】
記制御部は、前記バス停に向かうバスの状況情報の表示画面を状況情報表示画面として生成し、
前記表示部は、前記時刻表表示画面及び前記予約表示画面とともに、前記状況情報表示画面を表示する、
請求項1又は2に記載のバス情報管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記バス停に応じた広告用の表示画面を広告用表示画面として生成し、
前記表示部は、前記時刻表表示画面、前記予約表示画面、及び前記状況情報表示画面とともに、前記広告用表示画面を表示する、
請求項3に記載のバス情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バス情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路線バス、デマンドバス等のバス停(「停留所」とも呼ばれる)には、掲示板が設けられている。掲示板には、バスの時刻表や路線図等を示す紙の掲示物が掲示されていることが一般的である。
【0003】
一方で、動的に変化しうる、バスの運行状況に合わせて動的に変更されるバスの通過予定時刻等の情報を提供する情報表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示の技術は、バス停に、発信器からの無線信号を受信する受信器と、バスの通過予定時刻等を表示する表示器と、この表示器を受信器の出力を基に制御する制御器とを設け、受信器が車両コードを含む無線信号を受信した場合には表示器の表示を点滅させ、バスの接近情報をバス利用者に知らせるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-003495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、バスの利用者に有用な情報をバス停端末、バス端末、又は利用者端末に提供することができるバス情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るバス情報管理システム1は、情報サーバと、情報サーバに通信可能なように接続され、バス停に配置されるバス停端末とを備える。情報サーバは、当日の曜日に対応する時刻表を、当日の曜日以外に対応する時刻表より視認し易い態様の表示画面を生成する制御部を備える。バス停端末は、情報サーバから送信された表示画面を表示する表示部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るバス情報管理システムによれば、バスの利用者に有用な情報をバス停端末、バス端末、又は利用者端末に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係るバス情報管理システムの一構成例を示す概略図。
図2】実施形態に係るバス情報管理システムにおいて、表示部の表示例を示す図。
図3】実施形態に係るバス情報管理システムにおいて、表示部の表示例を示す図。
図4】実施形態に係るバス情報管理システムにおいて、表示部の表示例を示す図。
図5】実施形態に係るバス情報管理システムにおいて、利用バスの予約内容の変更、再予約方法を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係るバス情報管理システムの一構成例を示す概略図である。
【0011】
図1は、実施形態に係るバス情報管理システム1を示す。バス情報管理システム1は、情報サーバ10と、バス停端末20と、バス端末30と、利用者端末40とを備える。バス停端末20は、所定のバス停ごとに配置され、バス乗車前の利用者が操作可能な端末である。バス端末30は、所定のバス車内に配置され、バスの乗車中の利用者及び運転手が操作可能な端末である。利用者端末40は、利用者が携帯するタブレット、スマートフォン等であり、利用者が操作可能な端末である。情報サーバ10と、バス停端末20と、バス端末30と、利用者端末40とは、ネットワークNを介してそれぞれ通信可能に接続される。
【0012】
情報サーバ10は、制御部11と、通信部12と、データベース13とを備える。
【0013】
制御部11は、処理部と記憶部とを備える。処理部は、所定のプログラムを実行する専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)等のプロセッサの他、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び、プログラマブル論理デバイス等を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)等の回路が挙げられる。
【0014】
また、処理部は、単一のプロセッサによって構成されてもよいし、複数の独立したプロセッサの組み合わせによって構成されてもよい。後者の場合、複数のプロセッサにそれぞれ対応する複数の記憶部が設けられるとともに、各プロセッサにより実行されるプログラムが当該プロセッサに対応する記憶回路に記憶される構成でもよい。別の例としては、1個の記憶部が複数のプロセッサの各機能に対応するプログラムを一括的に記憶する構成でもよい。
【0015】
記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等によって構成される。記憶部は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアを脱着自在な回路として構成されてもよい。記憶部は、処理部において実行される各種プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)、プログラムの実行に必要な文字情報、及び画像データを記憶する。また、記憶部には、OSを制御するための各種コマンドや、タッチパネルからの入力を支援するGUI(Graphical User Interface)のプログラムを記憶する。
【0016】
通信部12は、ネットワークの形態に応じた種々の情報通信用プロトコルを実装する。通信部12は、この各種プロトコルに従って、情報サーバ10を、外部装置に接続する。この接続には、電子ネットワークを介した電気的な接続等を適用することができる。ここで、電子ネットワークとは、電気通信技術を利用した情報通信網全般を意味し、無線/有線の病院基幹のLAN(Local Area Network)やインターネット網の他、電話通信回線網、光ファイバ通信ネットワーク、ケーブル通信ネットワーク及び衛星通信ネットワーク等を含む。
【0017】
データベース13は、例えば運行情報DB、映像DB、及び地図情報DBである。運行情報DBは、バス(路線バス、デマンドバス等)が運行するバス路線の運行に関する情報を管理するデータベースであり、例えばバス路線の経路情報(経路変更情報)、時刻表、各バス停の乗車予約情報、並びにバス及び現在運行中の他のバスの各バス停への到着予定時刻(遅延情報を含む)、乗車率、及び降車予約情報等を保持する。また、運行情報DBには、バス路線の過去の運行履歴(例えば各区間の乗車率、各バス停での乗降客数、到着・出発・通過時刻等の履歴)が時間帯及び区間(又はバス停)別に記録されている。地図情報DBは、ネットワークNを介して表示部24,34,44に地図を表示するための地図情報を管理するデータベースである。
【0018】
バス停端末20は、制御部21と、通信部22と、入力部23と、表示部24とを備える。バス停端末20を構成する数々のハードウェアは、その駆動電力を、バス停本体に取り付けられる太陽電池によって賄われる構成となっていてもよい。これにより、例えばダイヤ改正のタイミングでバス停の紙の掲示物を人手によって一斉に貼り替える必要がなくなるので、作業者に業務負荷を軽減することができる。
【0019】
制御部21は、情報サーバ10の制御部11と同等の構成を備える。また、通信部22は、情報サーバ10の通信部12と同等の構成を備える。
【0020】
入力部23は、利用者によって操作が可能な入力デバイスと、入力デバイスからの信号を入力する入力回路とを含む。入力デバイスは、操作面に触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力デバイス、及び音声入力デバイス等によって実現される。利用者により入力デバイスが操作されると、入力回路はその操作に応じた信号を生成して制御部21に出力する。
【0021】
表示部24は、例えば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。表示部24は、制御部21の制御に従って各種情報を表示する。
【0022】
バス端末30は、制御部31と、通信部32と、入力部33と、表示部34とを備える。バス端末30は、各バスに搭載されるものである。ここで言う「バス」とは、一定の道筋を、定められた時刻表に従って運行する路線バス(高速バスを含む)の他、利用者の要求に対応して運行するデマンドバス等の予約制バスを含むものとする。
【0023】
制御部31は、情報サーバ10の制御部11と同等の構成を備える。通信部32は、情報サーバ10の通信部12と同等の構成を備える。入力部33は、バス停端末20の入力部23と同等の構成を備える。表示部34は、バス停端末20の表示部24と同等の構成を備える。
【0024】
利用者端末40は、制御部41と、通信部42と、入力部43と、表示部44とを備える。
【0025】
制御部41は、情報サーバ10の制御部11と同等の構成を備える。通信部42は、情報サーバ10の通信部12と同等の構成を備える。入力部43は、バス停端末20の入力部23と同等の構成を備える。表示部44は、バス停端末20の表示部24と同等の構成を備える。
【0026】
続いて、バス情報管理システム1の機能について説明する。制御部11,21,31,41の各処理部は、記憶部に記憶されたコンピュータプログラムを実行することで、後述する機能を行う。
【0027】
(バス停端末20に時刻表を表示する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、各バス停における時刻表の表示画面(第1の表示画面)を生成し、ネットワークNを介して、当該表示画面を各バス停のバス停端末20に送信する。当該表示画面は、当日の曜日に対応する時刻表を、当日の曜日以外に対応する時刻表より視認し易い態様である。バス停端末20の制御部21は、情報サーバ10から送信された表示画面を受信し、当該表示画面を表示部24に表示する。
【0028】
第1に、情報サーバ10の制御部11は、バス停端末20の表示部24に表示される時刻表の表示部分を制御する。制御部11は、時刻表の表示部分において、当日(今日)に対応する曜日の時刻表を大きく示し、当日に対応する曜日以外の時刻表を小さく示す表示画面を生成する。例えば、制御部11は、当日が平日である場合、当日に対応する「平日」の時刻表(即ち、平日ダイヤ)を大きく示し、「平日」以外、つまり、土曜・日祝の時刻表(休日ダイヤ)の時刻表を小さく示す表示画面を生成する。
【0029】
図2は、表示部24の表示例を示す図である。
【0030】
図2に示すように、表示部24は、時刻表の表示部分Rを含む。表示部分Rは、該当日に対応する曜日の時刻表を大きく表示し、該当日に対応する曜日以外の時刻表を小さく表示する。図2に示す例では、該当日が火曜日、即ち平日であるので、表示部分Rは、該当日に対応する「平日」の時刻表C1を大きく表示し、「平日」以外、つまり、土曜・日祝の時刻表の時刻表C2を小さく表示する。
【0031】
第2に、情報サーバ10の制御部11は、バス停端末20の表示部24に表示されるバス時刻表において、時刻の別画面表示を行う。例えば、表示部24は、現在時刻の直近の部分は、時刻表部分を大きくするのではなく、「本日のXX時からYY時のバス」というように「別画面で大きく」表示する。
【0032】
第3に、情報サーバ10の制御部11は、バス停端末20の表示部24に表示されるバス時刻表において、時刻表示を明確化する。例えば、表示部24の、現在の時刻の「前後1時間部分の時刻表の数字の背景色を変える」ことにより、視認性を高める。例えば、平日の背面は緑、土曜の場合は水色、日祝の場合は朱色にする。
【0033】
第4に、情報サーバ10の制御部11は、バス停端末20の表示部24に表示されるバス時刻表において、現在時刻を明確化する。例えば、表示部24は、現在時刻をポップアップ画面のようにして、時刻表部分に直近の時刻の近い位置に表示する。
【0034】
第5に、表示部24は、動的に時刻表を表示する。例えば、表示部24は、当日の運休便については、運休であることを明示する。従来、紙媒体のバス停の時刻表では、「△印・・・休校日運休」のように表示する例があるが、本時刻表では当日のカレンダーから情報を取得し、当日は運休であることを明示する。
【0035】
第6に、表示部24は、ダイヤ改正時に2世代の時刻を表示する。また、ダイヤ改正時については、表示部24は、現行時刻表及び新ダイヤの時刻表を併記もしくは別画面にて両方表示する。表示部24は、ダイヤ改正前非の最終バス運行後にデータを自動に書き換え、新ダイヤのみ表示する。
【0036】
なお、表示部24は、時刻表の表示画面の他に、クーポン等を識別する識別子(例えば、1次元バーコード、2次元バーコード等)を表示することもできる。表示部24が識別子を表示し、それを利用者が携帯するスマートフォン等の入力部43(例えば、カメラ)で読み取ることで、当該バス停からの利用者であることを特定し、割引等のサービスを展開することができる。
【0037】
(バス停端末20にバスの状況情報を表示する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、各バス停に向かうバスの状況情報の表示画面(第2の表示画面)を生成し、ネットワークNを介して、当該表示画面を各バス停のバス停端末20に送信する。バス停端末20の制御部21は、情報サーバ10から送信された表示画面を受信し、当該表示画面を表示部24に表示する。
【0038】
第1に、表示部24は、バスの状況情報として、バスの接近情報を表示する。例えば、時刻表とは別に、各社で導入しているバスロケーションシステム(Bus Location System)のデータを表示する。バスロケーションシステムとは、無線通信やGPS等を利用してバスの位置情報を収集することにより、バスの定時運行の調整等に役立てるシステムを意味する。
【0039】
図3は、表示部24の表示例を示す図である。
【0040】
図3に示すように、表示部24は、時刻表の表示部分Rの他に、バスの接近情報の表示部分Sを含む。表示部分Sは、バスロケーションシステムを利用した各バス停に応じたバスの接近情報を表示する。
【0041】
第2に、表示部24は、バスの状況情報として、バスの車内混雑状況を表示する。表示部24は、バス車内の人員カウンタ又は運賃箱、ICリーダの情報から現在のバス車内の混雑度を割り出し、到着するバスの車内混雑度を表示する。また、空いているバスに利用者を誘導することにより、定時性の確保を行う。
【0042】
第3に、表示部24は、バスの状況情報として、現在の運行状況を表示する。表示部24は、バスロケーション情報から、当該バス停から主要バス停までの所要時間情報を配信する。
【0043】
(バス停端末20に広告を表示する機能、利用者に提供する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、各バス停に応じた広告用の表示画面(第3の表示画面)を生成し、ネットワークNを介して、当該表示画面を各バス停のバス停端末20に送信する。バス停端末20の制御部21は、情報サーバ10から送信された表示画面を受信し、当該表示画面を表示部24に表示する。
【0044】
表示部24は、広告用の表示画面として広告を表示する。広告は、静止画表示でも、動画表示でもよい。また、表示部24が、広告表示部分内に表示されるクーポン等を識別する識別子を表示し、それを利用者が携帯するスマートフォン等の入力部43(カメラ等)で読み取ることで、利用者に情報配信サイトへの誘導や、クーポン等を提供することもできる。
【0045】
図4は、表示部24の表示例を示す図である。
【0046】
図4に示すように、表示部24は、時刻表の表示部分R、バスの接近情報の表示部分Sの他に、広告の表示部分Tを含む。また、広告の表示部分Tは、識別子、例えば2次元バーコードDを表示してもよい。
【0047】
(バス停端末20でデマンドバス等の予約制バスを予約する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、デマンドバス等の予約制バスの予約のための表示画面(第4の表示画面)を生成し、ネットワークNを介して、当該表示画面を各バス停のバス停端末20に送信する。また、制御部11は、利用者による入力部23への入力に応じて予約制バスの予約を受け付ける。
【0048】
表示部24は、液晶画面・電子ペーパー等の画面上に、地図、路線図等を表示し、利用者の目的地、利用者の乗車人員、予約ID等を入力させる仕組みを備える。これにより、デマンドバスの予約をバス停で完結させることができる。
【0049】
(バス停端末20で運賃を決済する機能、利用者を特定する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、バス停に居る利用者の認証を行う。
【0050】
第1に、制御部11は、顔認証システムを利用して、バス停に居る利用者の認証を行う。例えば、バス停にカメラ(図示省略)を設置して画像データを情報サーバ10に送信することで、制御部11は、顔認証システムによりバス停に居る利用者を特定して認識する。これにより、デマンドバスの利用者本人の特定を行うことができる。また、利用者本人の特定を、運賃決済にも利用することができる。この顔認証システムにより、利用者数のカウントにも利用することができる。
【0051】
第2に、制御部11は、RF-ID、3次元バーコード等を利用して利用者の認証を行う。例えば、バス停に読み込み機を設置することにより、RF-IDや3次元バーコード等で利用者を特定することができる。これにより、予約制バスの利用者本人の特定を行う。また、利用者本人の特定を、運賃決済にも利用することができる。
【0052】
(バス端末30の利用者に関する情報を利用する機能)
バス情報管理システム1のバス停端末20が、上述した「バス停における運賃決済及び利用者特定」で認識された利用者の情報を、ネットワークNを介して情報サーバ10に送信することで、情報サーバ10の制御部11は、複数の利用者の情報を収集する。さらに、情報サーバ10の制御部11が、利用者の情報を運行中のバスのバス端末30に配信することで、バス端末30は、利用者を特定するための情報や運賃決済情報等を利用することができる。
【0053】
(バス停端末20でのICカードリーダにより残高を確認する機能)
バス停の液晶表示部分ではない筐体の一部分にICカードリーダを取り付け、バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、ICカードリーダから読み取られた情報に基づいて、現在のカード残高の確認を可能にする。
【0054】
(気象情報、道路混雑状況等を取得する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、各バス停が配置される地域における現在の気温、湿度、風力、降水量の気象情報や、ビーコン等による各バス停周辺の道路混雑状況の情報を取得し、各バス停のバス停端末20に送信する。バス停端末20の制御部21は、バス停周辺の道路混雑状況の情報を表示部24に表示することができる。
【0055】
(音声により一斉配信する機能)
運行状況等の音声を車庫や配車センター等からバス停端末20や、バス端末30や、利用者端末40に一斉配信する。制御部21,31,41は、バス停周辺の道路混雑状況の情報を各端末のスピーカ(図示省略)から音声出力することができる。
【0056】
(バスの通過情報を配信する機能)
RF-IDやビーコン、ETC2.0等のセンサを設置し、センサによるバス通過状況等をバス停端末20や、利用者端末40に配信する。制御部21,41は、バス通過状況等を表示部24,44に表示することができる。
【0057】
(カメラによりバス停利用者数を自動カウントする機能)
バス情報管理システム1のバス停端末20の制御部21は、各バス停端末に設けられるカメラによりバス停での待合利用者を撮影して画像データを収集し、ネットワークNを介して情報サーバ10に当該画像を送信する。情報サーバ10の制御部11は、バス停端末20から送信された当該画像データに基づいて、人数カウント機能でおおよその待合人数を算出する。そして、制御部11は、一定の人数を超えた時点で、ネットワークNを介して該当するバス停のバス停端末20に送信する。バス停端末20の制御部21は、表示部24又はスピーカ(図示両略)から警告を出力する。これにより、警告が出力されたバス停からの利用(乗車)を抑制することができるので、突発的な利用者数の増大等に対応することができる。
【0058】
(予約内容を変更する機能、再予約する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、当該利用者が利用(乗車)中のバスを特定する。そして、制御部11は、特定されたバスの情報を基に、今後に利用する交通機関の乗換情報(乗換えバス停、乗換時間等)を最適化して経路を再検索し、予約内容を変更し、又は、再予約を行う。
【0059】
図5は、利用バスの予約内容の変更、再予約方法を説明するための図である。
【0060】
情報サーバ10の制御部11は、利用中の路線バス「A-03」を特定する(図5の最上段)。利用中の路線バス「A-03」の特定は、利用者がスマートフォンのウェブやアプリサービス、PC等のウェブサイト等を利用して入力される情報に基づいて行われる。利用中の路線バス「A-03」の特定は、当該利用者が携帯するスマートフォン等の端末の移動記録等に基づいて行われてもよい。又は、利用中の路線バス「A-03」の特定は、利用中の路線バスの車両IDの入力に基づいて行われてもよい。又は、利用中の路線バス「A-03」の特定は、利用中の路線バス車内等に設置された2次元バーコードや、光IDの読み込みや、社内放送の音声の録音情報に基づいて行われてもよい。又は、利用中の路線バス「A-03」の特定は、利用中の路線バス車内等に設置されたカメラを用いた顔認証による乗車記録に基づいて行われてもよい。
【0061】
次に、制御部11は、当該利用者が利用中の路線バス「A-03」の運行状況を認識する。この認識には、バスロケーションシステム等と連携したり、GTFS-RT等の公開されている交通機関の運行情報等と連携したりすることができる。例えば、制御部11は、当該利用者が利用中の路線バス「A-03」の運行状況を、「10分遅れ」、即ち、「路線バスの終点の到着予定時刻10分遅れ」と判断する(図5の上から2段目)。この場合は、路線バスの終点への到着予定時刻「14:50」が、路線バス終点を出発地とするデマンドバスの出発予定時刻「14:45」に間に合わないことになる。
【0062】
そこで、制御部11は、利用者に、運行状況に応じた交通サービスを提供する。制御部11は、路線バスの遅延、運休、路線バスの経路中の事故等による不通情報に基づいて、交替交通機関を利用者端末40に提供する。また、制御部11は、不通情報に基づいて、交通機関やその他サービスの予約内容を変更する。例えば、制御部11は、予約済のデマンドバスの予約情報である出発時刻を、路線バスの終点への到着予定時刻「14:50」に合わせて「15:00」に変更する(図5の上から3段目)。また、制御部11は、不通情報に基づいて、元の予約をキャンセルし、交通機関やその他サービスの再予約を行う。例えば、制御部11は、デマンドバスの予約情報である出発地を、路線バスの終点と設定するとともに、デマンドバスの予約情報である出発時刻を、路線バスの終点への到着予定時刻「14:50」に合わせて設定し、新たな経路にて予約を行う(図5の最下段)。
【0063】
なお、制御部11は、利用中の路線バスが特定されることに加え、バスロケーションシステムによるリアルタイムの位置情報を把握することもできる。その場合、制御部11は、目的地までどのバス停で乗継可能であるかについて自動で判定し、最適なデマンドバスの予約の他、映画、美容室、病院等の予約や予約変更をも可能にする。
【0064】
なお、バス車内に設置されたカメラを用いた顔認証システムを見守りサービスに活用することもできる。バスでは全ての定期券がIC化されていないことや、均一区間で降車時だけタッチする路線などもあり、こうした見守りサービスに適していない状況が多く発生する。そこで、制御部11は、バス車内のカメラから送られた画像に基づいて顔認証で対象者の「乗車」、「降車」を判定し、その情報をリアルタイムで利用者に配信する。例えば、利用者である保護者は、対象者である子供のバスへの正確な乗車、降車の情報を把握することができる。
【0065】
(緊急対応機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、緊急事態発生時等における無線サービス(業務用無線、鉄道無線、MCA無線、IP無線等)の輻輳時に、代替機能としてバス端末30にメッセージ送信を行う。
【0066】
無線とは双方向通話ではなく、回線を占用し、一対一、及び一対複数、複数間を占用しながら通話する機能を指す。災害発生時等においては、一度に無線通話希望が輻輳し、通話中状態となることから使用できない状態となるからである。本機能は、無線通信できない状況を補完すべく、メッセージ送信機能を別途用意し、無線従事者等に状況を配信するものとする。
【0067】
(デマンドバス車内の運行状況を表示する機能)
バス情報管理システム1のバス停端末20の入力部23及び表示部24は、タッチパネルタイプの液晶表示機型であってもよい。例えば、路線バスのバス停であり、かつ、デマンドバスのバス停にこのタッチパネルタイプの液晶表示機型が採用される。これにより、デマンドバスのバス停に、路線バスのバスロケーションシステムに対応させ、リアルタイムで路線バスの運行状況を表示することができる。
【0068】
また、タッチパネルタイプの液晶表示機型によれば、タッチパネルに触れることで、利用者は、容易にデマンドバスの予約を行うことができる。具体的には、タッチパネル部分に表示された路線図に触れることで、利用者は、目的地や利用者の乗車人数、利用者のID番号等を入力し、デマンドバスの予約を行うことができる。従来は、デマンドバス用のオペレータによる電話予約、Web予約等が用いられていたが、タッチパネルタイプの液晶表示機型の採用により、利用者の利便性が向上し、また、オペレータも不要となる。
【0069】
(デマンドバス専用のデジタルタコメータ、運転日報を作成する機能)
バス情報管理システム1の情報サーバ10の制御部11は、デマンドバスの配車履歴を取得して記録する。そして、制御部11は、記録された配車履歴を集計することで、デマンドバスの乗務員用の運転日報を作成する。従来は、タクシーでは、料金メータとデジタルタコメータとを連携し、乗車時刻、乗車地、降車地、人数等に関する情報を自動集計し、車庫に到着後に入金処理したデータとマッチングさせ、運転日報が作成されていた。デマンドバスでは、情報サーバ10側で乗車時刻、乗車地、降車地、人数等に関する情報を保有しているので、これらの情報と車両についているデジタルタコメータとを連携して運転日報を自動作成する。
【0070】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、バスの利用者に有用な情報をバス停端末、バス端末、又は利用者端末に提供することができる。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
1…バス情報管理システム、10…情報サーバ、11…制御部、20…バス停端末、21…制御部、23…入力部、24…表示部、30…バス端末、31…制御部、33…入力部、34…表示部、40…利用者端末、41…制御部、43…入力部、44…表示部
図1
図2
図3
図4
図5