(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】マットレス、マットレスを有する枕、及び座布団
(51)【国際特許分類】
A47C 27/15 20060101AFI20230823BHJP
A47C 7/18 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
A47C27/15 C
A47C27/15 D
A47C7/18
(21)【出願番号】P 2022209167
(22)【出願日】2022-12-27
【審査請求日】2022-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】302045602
【氏名又は名称】株式会社レーベン
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高部 篤
【審査官】瀧本 絢奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-082755(JP,A)
【文献】特表2021-528188(JP,A)
【文献】特表2014-533550(JP,A)
【文献】実開昭63-093859(JP,U)
【文献】特表2000-512175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/18
A47C 7/74
A47C 21/04
A47C 27/00-27/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の支持部材と、第二の支持部材と、通風機構と、を有
するマットレスであって、
前記第二の支持部材に、
前記第一の支持部材が積層され、
前記第一の支持部材には、通風部が形成され、
前記第二の支持部材は、前記第一の支持部材よりも通気性が高く、
前記通風機構は、前記通風部と前記第二の支持部材
とを通気させ
、
前記マットレスの内部と外部の間の通気性を制御する通気性制御機構を備え、
前記通気性制御機構は、使用者により荷重された部分の通気性を、荷重されていない部分に比べて、向上させる
ことを特徴とするマットレス。
【請求項2】
請求項1に記載のマットレスであって、
前記通風部は、前記第一の支持部材よりも通気性を有する部材で構成されているか、貫通孔である
ことを特徴とするマットレス。
【請求項3】
請求項2に記載のマットレスであって、
カバーに覆われ
、
前記カバーは、少なくとも前記通風部の荷重面側を覆う部分が通気性を有する
ことを特徴とするマットレス。
【請求項4】
請求項
1に記載のマットレスであって、
前記通気性制御機構は、荷重の有無によって、前記通風部の貫通孔における通気性を変化させる弁を有する弁形成層である
ことを特徴とするマットレス。
【請求項5】
請求項
4に記載のマットレスであって、
前記弁は、前記弁形成層に設けられた切れ込みである
ことを特徴とするマットレス。
【請求項6】
請求項
4に記載のマットレスであって、
前記弁は、機械式弁である
ことを特徴とするマットレス。
【請求項7】
請求項
4に記載のマットレスであって、
前記第一の支持部材の上側に、前記第一の支持部材よりも通気性の高い拡散層が形成されている
ことを特徴とするマットレス。
【請求項8】
請求項1
~7のいずれか一項に記載のマットレスを有する枕、または座布団。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス、マットレスを有する枕、及び座布団に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、身体を快適に支持するマットレスが開発されてきている。
【0003】
例えば特許文献1には、表面のマットレス層に凸部を設けることで、体圧を分散する効果を狙ったマットレスが記載されている(
図1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが上記のようなマットレスでは、体圧によって凸部が倒れてしまうと、支持効果が十分に発揮されない可能性があった。また通気性を確保しづらく、快適な睡眠が得られない場合もある。
【0006】
そこで本発明は、身体を適切に支持すると共に、通気性を有し、良質かつ快適な使用が可能なマットレス及びその関連物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係るマットレスは、
【0008】
本願は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記の課題を解決する本発明の一態様に係るマットレスは、
第一の支持部材と、第二の支持部材と、通風機構と、を有し、前記第二の支持部材に、第一の支持部材が積層され、前記第一の支持部材には、通風部が形成され、前記第二の支持部材は、前記第一の支持部材よりも通気性が高く、前記通風機構は、前記通風部と前記第二の支持部材との間を通気させる。
【0009】
また、前記通風部は、前記第一の支持部材よりも通気性を有する部材で構成されているか、貫通孔であってもよい。
【0010】
カバーに覆われ、前記カバーは、少なくとも前記通風部の荷重面側を覆う部分が通気性を有していてもよい。
【0011】
前記マットレスの内部と外部の間の通気性を制御する通気性制御機構を備え、前記通気性制御機構は、使用者により荷重された部分の通気性を、荷重されていない部分に比べて、向上させてもよい。
【0012】
前記通気性制御機構は、荷重の有無によって、前記通風部の貫通孔における通気性を変化させる弁を有する弁形成層であってもよい。
【0013】
前記弁は、前記弁形成層に設けられた切れ込みであってもよい。
【0014】
前記弁は、機械式弁であってもよい。
前記第一の支持部材の上側に、前記第一の支持部材よりも通気性の高い拡散層が形成されていてもよい。
【0015】
前記通風部と、前記第二の支持部材は、導電性を有していてもよい。
【0016】
前記第二の支持層は、アースされていてもよい。
【0017】
電源を備え、前記第二の支持部材は、電源と電気的に接続されていてもよい。
【0018】
前記通風部は、互いに電位差を有する第一の電極、および、第二の電極として働いてもよい。
【0019】
前記マットレスを有する健康器具、枕、座布団も本願発明に含まれる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、身体を支持すると共に、通気性を有し、良質かつ快適な使用が可能なマットレス及びその関連物を提供することができる。
【0021】
なお、上記以外の課題、構成および効果等は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係るマットレス10の一例を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、第一実施形態に係るマットレス10の断面図である。
【
図3】
図3(a)は、第一実施形態に係るマットレス1の変形例1に係るマットレス1aの断面図、
図3(b)は、マットレス1bの断面図である。
【
図4】
図4(a)は、第二実施形態に係るマットレス2の非荷重時の断面図、
図4(b)は、第二実施形態に係るマットレス2の荷重時の断面図である。
【
図5】
図5(a)は、弁211の非荷重時の説明図、
図5(b)は、弁211の荷重時の説明図である。
【
図6】
図6(a)は、第二実施形態に係るマットレス2の変形例2に係るマットレス2aの非荷重時の説明図、
図6(b)は、変形例2に係るマットレス2aの荷重時の説明図である。
【
図7】
図7(a)は、第二実施形態に係るマットレス2の変形例3に係るマットレス2bの非荷重時の説明図、
図7(b)は、変形例3に係るマットレス2bの荷重時の説明図である。
【
図8】
図8(a)は、機械式弁231aの非荷重時の説明図、
図8(b)は、機械式弁231aの荷重時の説明図である。
【
図9】
図9(a)は、機械式弁231bの非荷重時の説明図、
図9(b)は、機械式弁231bの荷重時の説明図である。
【
図10】
図10(a)は、変形例4に係るマットレス2cの非荷重時の説明図、
図10(b)は、マットレス2cの荷重時の説明図である。
【
図11】
図11(a)は、孔の側面部分に孔を別途設けた例の説明図、
図11(b)は、孔と支柱部の間に、隙間を設けた例の説明図、
図11(c)は、六角形の孔と、楕円柱状の支柱部を設けた例の説明図である。
【
図13】
図13は、本発明の第三実施形態に係るマットレス3の斜視図である。
【
図14】
図14は、本発明の第三実施形態の変形例5に係るマットレス3aの斜視図である。
【
図15】
図15は、本発明の第三実施形態の変形例6に係るマットレス3bの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の例である各実施形態について図面を用いて説明する。
【0024】
<第一実施形態>
良質な睡眠を得るためには、睡眠環境を整えることが大切である。睡眠環境は、例えば、光、音、温度、湿度、圧力、静電気の帯電、電磁波等、様々な要素を含んでおり、これらが適した寝具を用いることは、睡眠の質にとって非常に重要である。
【0025】
中でも特に、温度と湿度は睡眠の質を大きく左右する。例えば、夏場は気温や湿度が高く、エアコン等の空調によって両方をコントロールすることが多い。しかし快適な湿度環境が得られるまで温度を下げると、冷え過ぎて身体に不調をきたしたり、冷気が気になって熟睡できなかったりする。一方で、冬場は気温や湿度が低く、暖房器具を使用する場合がある。しかしながら、エアコン等の空調を使用すると更に空気が乾燥し、呼吸器にダメージを受け易い。これを解消するために加湿器等を使用すると今度は結露が発生する可能性があり、寝具や住居にとって好ましくない。同様に、石油ストーブ等を燃焼させても結露が発生しやすいため、やはり不快感を生じる場合がある。
【0026】
本願に記載の発明は、寝床内の湿度や温度を調整し、より快適かつ良質な睡眠を得られるようにするものである。
図1は、第一実施形態に係るマットレス1の一例を示した斜視図、
図2は、マットレス1の断面図である。以下、「押圧面」とは、表面を凹ませる物体(押圧体)が押し付けられる面であるものとする。
【0027】
図示するように、マットレス1は、第一の支持部材11と、第二の支持部材12と、支柱部13と、カバー14と、通風機構15と、を有している。第一の支持部材11は、利用者が寝転んだり座ったりして押圧する側に位置する弾性部材であり、基部111と、孔112と、を有する。基部111は、ここでは例えば、マットレスやクッション等を形成する例えば方形の部材であり、一定の間隔毎に円柱状の貫通孔である孔112が形成されている。支柱部13は、孔112と略同形状(ここでは、円柱形状)の独立した部材であり、それぞれ孔112に嵌め込まれている。なお、支柱部13には、円柱中心に通風部としての貫通孔である孔131が形成されており、上面側と下面側に開口を有している。
【0028】
なお、第一の支持部材11は、例えば、合成樹脂等を利用した弾性体で形成されている。例えば、ウレタンフォームやポリエチレンフォーム等のフォーム材が挙げられる。なお、高弾性、低反発、吸音特化、および導電性などの機能性ウレタンフォームを用いても良い。また、ウレタンチップフォーム(スポンジ単剤の端材を粉砕し、接着剤で固めたもの)であってもよい。なお、基部111と複数の支柱部13は、全て同じ素材で形成されていてもよいし、硬さや弾性、通気性が互いに異なる素材で形成されていてもよい。複数の支柱部13は、必ずしも全て同じ材質や性質である必要はなく、硬さや弾性、通気性の異なる素材で形成されていてもよい。基部111と複数の支柱部13を同じ素材で形成する場合には、例えばトムソン加工による打ち抜き等により、まず原型材から支柱部13を切り出し、残り部分を基部111とすることで簡便に製造することができる。
【0029】
なお、支柱部13の大きさは、マットレス1の用途に応じて、適宜定めることができるが、例えば、直径が1.5cm~12cmであり、長さ(厚さ)は、2cm~12cm程度とすることができる。特にマットレスの場合は、直径を2cm~15cmとし、長さ(厚さ)を、3cm~25cmとするのが好ましい。
【0030】
第二の支持部材12は、マットレス1の底面側に位置し、第一の支持部材11よりも通気性の高い部材からなる。第二の支持部材12は、第一の支持部材11よりも通気性が高く、かつ硬い部材であっても良い。例えば、ゴムや樹脂を連続気泡として発泡させたウレタンフォーム等が挙げられ、さらにウレタンフォームをオープンセル構造に処理したフィルタースポンジ等を用いることができる。もちろん、その他の通気性の高い素材を使用することもでき、例えば、ヤシガラ等のファイバーやポリエチレン製の極細繊維、スプリングコイル、ワイヤー等、であってもよい。
【0031】
拡散層12aは、マットレス1の上面側に位置し、第二の支持部材12と同様に、第一の支持部材11よりも通気性の高い部材からなる。拡散層12aは、第一の支持部材11よりも通気性が高く、かつ硬い部材であっても良い。拡散層12aは、第二の支持部材12と同質の素材であっても良い。例えば、ゴムや樹脂を連続気泡として発泡させたウレタンフォーム等が挙げられ、さらにウレタンフォームをオープンセル構造に処理したフィルタースポンジ等を用いることができる。もちろん、その他の通気性の高い素材を使用することもでき、例えば、ヤシガラ等のファイバーやポリエチレン製の極細繊維、スプリングコイル、ワイヤー等、であってもよい。厚さは3mm~15mmであることが望ましい。
【0032】
このような拡散層12aは、孔131から送られる気流を受けて拡散層12a内に拡散させる。これにより、例えば孔131の開口が人体等で塞がれていた場合でも、拡散層12aの上側表面のうち、任意の場所から空気を排出することができる。
【0033】
また、孔112と支柱部13は、本実施形態では円柱形状としているが、どのような形状としてもよい。しかし角を減らすことで損壊しにくくなるため、円柱形状の他にも、楕円柱形や丸角の角形としたりすることで、破断や亀裂が生じるのを防ぐことができる。なお、支柱部13はここでは、スポンジ内部の空気の出入りをスムーズにする為や、クッション性を均一化するために別部材として設けられている。しかしながら、例えば後述の
図13等に示すように、支柱部13を設けず、第一の支持部材11に直接、通風部としての孔131を設けてもよい。
【0034】
カバー14は、通気性カバー部141と、気密性カバー部142と、を含んでいる。通気性カバー部141は、通気性のある材質で形成されており、第一の支持部材11の上側面(押圧面)をほぼ覆うものである。すなわち、少なくとも支柱部13の荷重面側を覆う部分は、通気性カバー部141となっている。通気性カバー部141は、後述の通風機構15により作り出された気流に従い、空気を通過させる。気密性カバー部142は、少なくとも通気性カバー部141より気密性の高い材質で形成されており、マットレス1における第一の支持部材11の上側面(押圧面)以外の部分(例えば、マットレス1の側面、下面)と、通風機構15の通風パイプ152を連続して覆う。このような構成により、気密性カバー部142は、通風機構15の作り出した気流を外部になるべく漏らすことなく、通気性カバー部141から通気させる。なお、これらのカバーの材質は、例えば、綿、化学繊維による不織布や織物、皮、合皮等を使用することができる。また、カバー14は、任意の位置に開口部143を設けることもできる。ここでは、排気を兼ねて通気性カバー部141付近に形成してあるものとしている。
【0035】
通風機構15は、通風機151と、通風パイプ152と、を有している。通風機151の機能を、
図1及び
図2を用いて説明する。通風機151は、接続される通風パイプ152方向への気流を生じさせ、当該パイプを介して、カバー14内へと給気する。給気された空気は、まず、より通気性の高い第二の支持部材12内を流れる。次に、第二の支持部材12と接する孔131の下側開口内に送られ、孔131内部を通って、拡散層12aにより拡散され、通気性カバー部141を介して外部へと排気される。
【0036】
なお、通風機151が空気を吸引し、気流が逆方向となる設計としてもよい。その場合は、通風機151は、カバー14内部から空気を吸気する。すると、通気性カバー部141を介して外部から空気が孔131に入り、次に、第二の支持部材12内を流れる。そして通風パイプ152を介して、通風機151から外部へと排気される。なお、通風機151の機構はどのようなものであってもよく、例えば、プロペラファンやブロワ、クロスフローファン等が挙げられる。
【0037】
また、通風機構15は、ここでは、通風パイプ152を介して通風機151の機構とつながっているが、カバー14と直接接続されても良い。さらに、第二の支持部材12の内部に通風機151の機構が設置されても良い。この際、騒音防止対策として防音装置が設けられても良い。
【0038】
以上、本発明の第一実施形態について説明した。本実施形態によれば、マットレス1は、通風機構15を設けることで、外部からマットレス内に給気すると共に気流を発生させ、寝床内の温度や湿度の適正化を図ることができる。これにより、使用者は快適な環境で、良質な睡眠を得られる。また、通風によりカビ等を防止し、寝具を衛生的に保つことができる。
【0039】
さらに、湿度センサーや温度センサーを内部に設け、これらの値によって通風機151をオン・オフさせ、湿度や温度をコントロールすることも可能である。例えば、温度や湿度が高すぎる場合に通風機151が自動的に送風を開始し、正常値に戻れば送風を終了する。
【0040】
また、上記マットレス1は、様々な変形が可能である。次に、本発明の変形例1について説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0041】
<変形例1>
図3(a)は、第一実施形態に係るマットレス1の変形例であるマットレス1aの断面図である。マットレス1aでは、第二の支持部材12の下面側に、さらに第三の支持部材16が設けられている。第三の支持部材16は、ここでは基部111と同様の素材としているが、これに限らずどのような素材でもよい。なお、底面以外にも、通風の流路を妨げないよう側面等に支持部材を設けてもよい。また、支柱部13aは、基部111とは異なる素材で形成されている。例えば、第二の支持部材12と同様に通気性の高い素材を使用することで、孔131からの排気量を緩和することができる。
【0042】
また、
図3(b)は、マットレス2bの断面図である。
図3(a)の支柱部13xは、孔131を有しておらず、また全体が基部111とは異なる素材、例えば、第二の支持部材12と同様に通気性の高い素材で形成されている。このような構成により、第二の支持部材12からの気流は、通風部として機能する支柱部13x全体を通って外部に排出される。
【0043】
このように、各種部材の素材、配置、組み合わせを自由に変更し、硬さや弾性、通気性、空気の流量や方向性を調整することで、孔からの排気量や、寝心地を自由に設計することができる。また、本発明はマットレスだけでなく、座布団、椅子、クッション、乗り物の座面、枕等、様々なものに応用できる。
【0044】
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態について説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成を有するものについては同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
図4(a)は、第二実施形態に係るマットレス2の非荷重時の断面図、
図4(b)はマットレス2の荷重時の断面図である。マットレス2は、マットレス2の内部と外部の間の通気性を制御する通気性制御機構を備える。通気性制御機構は、使用者により荷重された部分の通気性を、荷重されていない部分に比べて、向上させる機構である。
図4(a)に示すように、マットレス2は、通気性制御機構として、上面側に、弁形成層21が更に積層されている。なお、弁形成層21には、弁211が形成されており、弁211の中心Cが、孔131の略中心と重なる位置にくるよう設計されている。弁211は、荷重の有無によって、支柱部13の貫通孔における通気性を変化させることができる。
【0046】
なおここでは、拡散層12aを図示していないが、弁211の上部に設けても良い。また、弁211に適度に通気性を持たせることで、弁の役割と拡散層12aの拡散効果を兼用しても良い。
【0047】
図5(a)は、弁211の非荷重時の説明図、
図5(b)は、弁211の荷重時の説明図である。図示するように、弁211はY字型の切り込みであり、中心Cより3方向へ略120度間隔で均等に切り込み212が設けられている。
図4(a)および
図5(a)に示すように、非荷重時において弁211は閉じており、孔131からの気流が弁211から漏れ出すのを阻止している。ここで、
図4(b)及び
図5(b)に示すように、押圧体P(例えば人体)が弁形成層21の表面を押圧すると、これが撓んで切り込み212が開き、空隙Gが形成される。空隙Gは、孔131からの気流を外部に排気し、マットレス2の内部の通気を促進する。
【0048】
このように、本実施形態のマットレス2によれば、非荷重時においては送風された空気はマットレス2内を対流し、荷重時においては弁211から空気が外部に排気されるため、マットレス2内の隅々まで空気を行き渡らせてから排気することができるとともに、荷重された部分から集中的に排気させることで、人の体によって発生する湿気を効率的に乾燥させることができ、寝具全体を衛生的な状態に保つことができる。
【0049】
<変形例2>
弁211は、他の位置に設けることも可能であり、例えば孔131の下側開口部に設けてもよい。このような変形例2について説明する。
図6(a)は、変形例2に係るマットレス2aの非荷重時の説明図、
図6(b)は、変形例2に係るマットレス2aの荷重時の説明図である。図示するように、本変形例のマットレス2aには、支柱部13aの円柱底面と略同径の円周を有する、ディスク状の弁形成層22が設けられている。そして弁形成層22の中心には、弁211が形成されている。
【0050】
図6(b)に示すように、押圧体Pが支柱部13aを押圧すると、その圧力が弁形成層22に伝わり、弁形成層22の周囲が支柱部13aにより第二の支持部材12に押し付けられる。すると、弁形成層22が撓んでその中心部分(弁211周辺)が上側に跳ね上がるため、切れ込み212が開いて空隙Gが形成される。これにより、第二の支持部材12の気流は孔131へと通気される。
【0051】
このように、本変形例2のマットレス2aによれば、非荷重時においては送風された空気は第二の支持部材12内を対流し、荷重時においては弁211から空気が孔131へと通気されるため、第二の支持部材12内の隅々まで空気を行き渡らせてから排気することができ、寝具の底側まで衛生的な状態に保つことができる。
【0052】
<変形例3>
次に、弁に機械式弁を用いる、変形例3について説明する。
図7(a)は、変形例3に係るマットレス2bの非荷重時の説明図、
図7(b)は変形例3に係るマットレス2bの荷重時の説明図である。図示するように、本変形例のマットレス2bには、ディスク状の弁形成層23が設けられており、その中心には、機械式弁231が形成されている。機械式弁231は、押圧によってシャッターを開閉するための駆動部232と、弁の役割をするシャッター233と、を備えている。具体的に、
図7(b)に示すように、押圧体Pが支柱部13aを押圧すると、その圧力が駆動部232に伝わる。駆動部232は、圧力を受けるとシャッター233を開いて通風口Vを生じさせ、圧力から解放されるとシャッター233を閉じて通風口Vを塞ぐ。
【0053】
ここで、機械式弁231には例えば次のような機構を有するものを利用することができる。
図8(a)は、機械式弁231aの非荷重時の説明図、
図8(b)は、機械式弁231aの荷重時の説明図である。図示するように、機械式弁231aは、細長い金属板をリング状にした板バネである駆動部232aと、2枚の平板な羽部材であり基板236に形成された通風口Vを左右から塞いでいるシャッター233aと、を有している。なお、駆動部232aの板バネ両端は、シャッター233aの各羽部材に接続されている。また、機械式弁231aはカバー234に収容されており、ここでは図示しないが、駆動部232aの板バネの上側部分である押圧部235aは、カバー234の外に出ている。これは、支柱部13aの圧力を押圧部235aが直接受けることを可能とするものである。よって、また、押圧部235aは、支柱部13aの底面の下側に位置に存在するよう、設計されている。なお他にも例えば、カバー234の上面が柔軟に構成され、これが押圧部235aを押圧する構成であってもよい。
【0054】
図8(b)に示すように、押圧体Pが支柱部13aを押圧して、その圧力が押圧部235aに伝わると、駆動部232aは押し潰されて板バネが撓み変形し、それに伴って板バネ両端が左右に開く。その際、板バネに接続されたシャッター233aの両羽部材も左右に開き、通風口Vが開く。これにより、第二の支持部材12の気流は孔131へと通気される。なお、駆動部232aが圧力から解放されると、自動的にシャッター233aが閉じられ、通風口Vを塞ぐ。
【0055】
更に、別の機構を有する機械式弁について説明する。
図9(a)は、機械式弁231bの非荷重時の説明図、
図9(b)は、機械式弁231bの荷重時の説明図である。図示するように、機械式弁231bは、通風口Vに蓋をする円盤形状のシャッター233bと、当該シャッターを開閉するための駆動部232bと、を有している。駆動部232bは、円盤形状の押圧部235bを備えている。押圧部235bと基板236とは、それぞれ両端が、少なくとも片方に復元性のある板バネ等がヒンジ接合で取り付けられた、足部237で接続されている。押圧部235bとシャッター233bも同様に、足部237で接続されているため、押圧部235bは、二本の足部に支えられて基板236から浮いた位置に存在する。
【0056】
また、機械式弁231bもカバー234に収容されているが、押圧部235bはカバー234の外に出されている。これは、支柱部13aの圧力を押圧部235bが直接受けることでシャッター233bをスライドさせることを可能にするものである。よって、また、押圧部235bは、支柱部13aの底面の下側に位置に存在するよう、設計されている。なお他にも例えば、カバー234の上面が柔軟に構成され、これが押圧部235bを押圧する構成であってもよい。
【0057】
図9(b)に示すように、押圧体Pが支柱部13aを押圧して、その圧力が押圧部235bに伝わると、駆動部232aは全体が押し潰されて足部237が寝ることにより傾きが大きくなり、それに伴ってシャッター233bがスライドして通風口Vが開く。これにより、第二の支持部材12の気流は孔131へと通気される。なお、駆動部232bが圧力から解放されると、自動的にシャッター233bが元の位置に戻り、通風口Vを塞ぐ。
【0058】
このように、変形例3に係るマットレス2bによれば、へたり等がない機械式弁によって通風口の開閉を行うことにより、弁の機能をより長期間保持することができる。
なお、各支柱部に設けられる機械式弁は、小型モータにより通風口のシャッターを開閉する装置であってもよい。各支柱部材付近に感圧センサーを設け、所定の圧力を検知すると、小型モータが作動して、シャッターを開け、所定の圧力未満の場合は、シャッターを閉じるように構成しても良い。そうすれば、マットレスの表面の押された部分の通気性を、押されていない部分より向上させることができる。
【0059】
<変形例4>
次に、支柱部そのものが弁構造を形成する変形例4について説明する。
図10(a)は、変形例4に係るマットレス2cの非荷重時の説明図、
図10(b)は、マットレス2cの荷重時の説明図である。本変形例に係るマットレス2cは、支柱部13aに変えて支柱部13bを有する。支柱部13bは、第二の支持部材よりも弾性のある硬い素材で形成されており、円盤状の頭部132と、頭部の中心部から垂直方向に延びる棒状の胴部133と、を有する断面凸形状の部材である。胴部133の先端は、マットレス2cの表面において孔113から少し飛び出しており(数ミリ~十数ミリ程度)、ここで押圧体Pによる押圧を受ける。なお、必ずしも飛び出していなくとも良い。
【0060】
孔113は、頭部132を収容するための頭収容部114と、胴部133を収容するための胴収容部115と、を備えており、胴収容部115の径は、頭収容部114の径よりも小さい。また、頭部132の径は胴収容部115の径よりも大きい。このため、
図10(a)に示すように、非荷重時においては頭部132が、頭収容部114と胴収容部115の段差部分である頸部116に引っ掛かって栓の機能を果たし、孔113内における気体の流路は閉鎖された状態となっている。
【0061】
一方、
図10(b)に示すように、押圧体Pが支柱部13bを押圧すると、孔113の内部で支柱部13b全体が押し下げられ、第二の支持部材12に押し付けられる。すると、頭部132と頸部116の間に空隙Gが生じて栓の機能が解除され、第二の支持部材12の気流は孔113へと通気される。
【0062】
このように、本変形例に係るマットレス2cによれば、支柱部そのものが弁構造を有しているため、他の部材を必要とせず、簡便な構成とすることができる。
【0063】
ここで、支柱部や支柱部を収める孔についても、その形状は上記に限らず自由に設計が可能である。例えば、
図11(a)に示すように、孔301の側面部分に、貫通孔である孔302を別途、設けても良い。孔302は、孔301の側面と支柱部303の側面とに設けられた半円柱状の溝を組み合わせることで形成される。なお、ここでは孔301の円周において等分の位置に4箇所設ける構成としているが、どのような数、どのような配置で設けてもよい。このような貫通孔を設けることにより、孔301の側面と支柱部303の摩擦を低減し、弾性体の摩耗や破断を防ぐことができる。
【0064】
また
図11(b)に示すように、孔304と支柱部305の間に、空隙Gを設けるようにしてもよい。このような空隙Gが緩衝することで、孔304の側面と支柱部305の摩擦を低減することができる。なお、空隙Gの大きさは0.5mm~5mm、好ましくは0.5mm~3mmである。
【0065】
なお、孔や支柱部を他の形状(例えば六角などの多角形状や楕円)としてもよい。
図11(c)に、六角形の孔306と、楕円柱状の支柱部307を設けた例を示す。本例においては、孔306と支柱部307の間には、その形状の違いによる空隙が生じるため、両者の側面の摩擦を低減することができる。
【0066】
このように、様々な、形状の支柱部や孔を組み合わせることで、様々な使い心地を設計すると共に、孔や隙間の大きさによって気流を調整できる。
【0067】
また、
図12に示すように、中央の孔131を設けない構成としてもよい。また、底面側に弁形成層23を配し、支柱部303が押圧された際に、作動するようにしてもよい。
【0068】
<第三実施形態>
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
図13は、本発明の第三実施形態に係るマットレス3の斜視図である。マットレス3は、第一の支持部材11と、その底面に設けられている第二の支持部材としての導電層420と、孔404に嵌め込まれた導電性の支柱部403と、を有している。なお、ここでは支柱部403に外部へ通気するための貫通孔は設けられていないが、例えば、支柱部403に第二の支持部材と同様の通気性の高い材料を使用することで、支柱部403を通して内部の空気を排気することができる。
【0069】
支柱部403および導電層420は、通気性が高く、導電性を有する弾性材からなる。例えば、導電性を有する機能性ウレタンフォーム材などが利用できる。両者は常に接触し電気的に接続されており、また導電層420は配線406によって大地アースされている。アースは、例えば予め設けられた三口のアースコンセントや、ネジ式コンセントにアースコードを繋いで行うことができる。
【0070】
ここで、このようなマットレス3の作用について説明する。本実施形態のマットレス3によれば、利用者がマットレスに横たわって支柱部403に接触すると、帯電した静電気が支柱部403から導電層420、配線406を介してアースへと放電され、生体の電位を下げるとともに、帯電を防ぐことができる。さらに、導電層420が電磁波を吸収、反射、防御する事で電磁波の暴露量を減少させる。また、ここでは図示していないが、支柱部403の上部に、金属などの上面ピンを設けることで、押圧刺激を高めるとともに導通を強化ことができる。
【0071】
以上、本発明の第三実施形態について説明した。本実施形態によれば、マットレス3は、支柱部403に導電性を持たせてアースすることで、睡眠時に自然に身体から放電させて健康的な生活をサポートすることができる。
【0072】
<変形例5>
次に、第三実施形態の変形例5に係るマットレス3aについて説明する。
図14は、本発明の第三実施形態の変形例5に係るマットレス3aの斜視図である。マットレス3aは、電源からの電流を生体に流すことが可能なマットレスである。マットレス3aでは、各支柱部403に接する一定の範囲ごと(ここでは列ごと)に導電層420が区切られており、各区画が短絡しないよう、各区画間にはスペース407が設けられている。なお、スペース407の代わりに、絶縁体からなるスペーサーを設けても良い。各区画の導電層420は、それぞれが配線406によって電源の正極または負極に接続されている。なお、配線は必ずしもこの限りではなく、使用時に正負各電極に繋がる支柱部403が、少なくとも一つの正負極対で同時に生体に接触する構成であれば、どのようなものであってもよい。
【0073】
なお、電源供給は、支柱部403に対し個別に供給しても、複数の支柱部403からなるグループごとに供給しても良い。また、複数の支柱部403に対する電源供給の順番を、支柱部403の配置に対して円を描く順番にしたり、直線を描く順番にしたり、ランダムに変化する順番にしたり、これらの順番で電流強度を徐々に変化したりすることで、生体に与える電気刺激を回転するように変化させたり、直線状に変化させたり、ランダムに変化させたり、それらの電流強度を徐々に変化させたりして、様々な刺激を与えることができる。なお、導電層420の下にさらに導電層を設け、配線板を巡らしても良い。
【0074】
電源は例えば、電流を発生させる電池や当該電池と接続される回路、またはコンセントから電源を供給可能な回路である。なお、電池は二次電池や太陽電池であってもよい。また、配線406を一時切断するためのスイッチを設けても良い。これにより、使用時に過剰に電流が流れるのを防止できる。また、電流量を制御する電流制限ダイオードや抵抗などを設けても良い。さらに、電流制限ダイオードや抵抗などによって電流量を制御する場合、それらを設けた制御回路を接続することで、電流量を制御できる。また、安全性をより高めるために、電流制限ダイオードや抵抗などを各支柱部403(端子)間に設ける事が望ましい。
【0075】
またその波形は、パルス波や制限波であってもよい。波形は、波形の周期における立ち上がり及び立ち下がりの少なくとも一部が、緩慢に立ち上がる又は立ち下がるものであってもよい。パルス波の振幅が周期的に変動し、その振幅の変動周期が基底波の周期より大きいまたは小さくてもよい。
【0076】
また、電流に音声や音楽、およびその倍音を用いても良い。これにより、さらに生体を活性化させ、高いマッサージやリラックス効果を得ることができると考えられる。また、音声や音楽をスピーカーから出力し、同期をとって、電流としても良い。さらに、タイミングを少しずらすことで、スピーカーからの空気振動が体内に浸透する感覚を与えることもできる。さらには、例えばスピーカー音が音楽、電流を音声として同期するなどの操作を組み合わせても良い。
【0077】
このようなマットレス3aによれば、利用者がマットレス3aの上に横たわり、正極または負極と接続された支柱部403の双方が同時に皮膚に接触すると、電源の正極からの電流が、接続された区画の導電層420と支柱部403を介して生体へと流れ込む。その後、電流は負極に接続された区画の支柱部403と導電層420を介して、負極へと向かう。これにより、マットレス3aの使用時に電流が生体へと流れ、生体活動を活性化させることができる。このような電気刺激では、身体の細胞組織のイオン配列を調整したり、交感神経を刺激することによって身体の調子を整えたり、病気の治癒や予防をしたりする効果が期待できる。なお、就寝時に導電性素材からなる服を着ることで、全身に電流を受けることができる。
【0078】
<変形例6>
次に、第三実施形態の変形例6に係るマットレス3bについて説明する。マットレス3bは、電位差のある部材を利用することで、生体に微弱電流を流すことが可能なものである。
図15は、第三実施形態の変形例6に係るマットレス3bの斜視図である。図示するように、マットレス3bは、互いに異なる導電性を有する部材からなる第一の支柱部403aと、第二の支柱部403bと、を有している。両支柱部には、例えば、金属粉末を含有するフォーム材を利用できる。
【0079】
具体的に、第一の支柱部403aには、第二の支柱部403bで選択された金属よりもイオン化傾向が小さい金属、例えば、金、白金、銀または銅などが用いられ、第二の支柱部403bには、第一の支柱部403aで選択された金属よりもイオン化傾向が大きい素材、例えば、亜鉛、チタン、アルミニウム、タングステン、ステンレス、銀または銅などが用いられる。なお、導電性部材には、電位差(イオン化傾向)の違いを利用して、生体内に微弱電流を発生させることができる組合せであればどのようなものを用いてもよい。例えば、異種金属に限らず、導電性高分子、導電性酸化物などを組み合わせてもよいし、また、半導体と呼ばれるものであってもよい。なお、同素材の支柱部の先端側に金属性の電極ピンを挿し込んで固定することで、電位差を生じさせてもよい。
【0080】
さらに、第一の支柱部403aと第二の支柱部403bとは、導電層420を介して、相互に電気的に接続されている。接続方法はこれに限らず、例えば配線等で接続してもよい。また、本実施形態においては、マットレス3bの横方向に並ぶ列をひとつのグループとして同種の支柱部が配置されており、第一の支柱部403aと第二の支柱部403bとが列毎に交互に並ぶ構成である。しかしながらこれに限らず、電気的に接続された両支柱部が、同時に皮膚にあたる位置に存在すれば、どのような配置であってもよい。
【0081】
このようなマットレス3bは、第一の支柱部403aと第二の支柱部403bとが電位差を有しているため、肌に当たると両電極と肌との間で電気的閉回路を形成して生体内に微弱電流を流すことができる。具体的には、第一の支柱部403aと第二の支柱部403bとが接触した身体の一部が電池における電解質の役割を果たし、負極として機能する一方の支柱部(ここでは、第二の支柱部403bとする)から正イオンが電離し、電子が正極として機能するもう一方の支柱部(ここでは、第一の支柱部403aとする)に移動し、両支柱部間に電位差が生じる。この電位差により、生体内には微弱電流が流れる。微弱電流は、皮膚面の状況、外部環境(温度や湿度など)あるいは押圧強度などによって異なるが、例えば0.1μA~50μAであり、好ましくは0.3μA~20μAである。また、両極間に発生する電圧は、例えば100mV~3Vであり、好ましくは200mV~2.6Vである。
【0082】
このようなマットレス3bによれば、微弱電流が皮膚の表面の組織を損傷させずに皮膚の真皮層に入り、身体の細胞組織のイオン配列を整える。また、交感神経を刺激することによって身体の調子を整えたり、病気の治癒や予防したりする効果が期待できる。さらに、金属材料の抗菌・抗ウイルス作用により、皮膚を健康に保つことができる。
【0083】
以上、本発明に係るマットレスについて説明したが、これらは本発明の一例に過ぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明には、上記の各実施形態や変形例を組み合わせた形態や、さらに様々な変形例が含まれる。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0084】
1,2,3・・・マットレス、11・・・第一の支持部材、111・・・基部、112,113,131,301,302,304,306,404・・・孔、114・・・頭収容部、115・・・胴収容部、116・・・頸部、12・・・第二の支持部材、13,303,305,307,403・・・支柱部、132・・・頭部、133・・・胴部、14・・・カバー、141・・・通気性カバー部、142・・・気密性カバー部、143・・・開口部、15・・・通風機構、16・・・第三の支持部材、151・・・通風機、152・・・通風パイプ、21,22,23・・・弁形成層、211・・・弁、231・・・機械式弁、232・・・駆動部、233・・・シャッター、234・・・カバー、235a・・・押圧部、235b・・・押圧部、236・・・基板、237・・・足部、406…配線、407…スペース、420…導電層。
【要約】
【課題】身体を快適に支持することが可能なマットレスを提供する。
【解決手段】 本発明のマットレスは、第一の支持部材と、第二の支持部材と、通風機構と、を有する。前記第二の支持部材に、第一の支持部材が積層され、前記第一の支持部材には、通風部が形成されている。また、前記第二の支持部材は、前記第一の支持部材よりも通気性が高く、前記通風機構は、前記通風部と前記第二の支持部材との間を通気させる。
【選択図】
図1