(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】新型多段式連動ロック及びそれを用いた筐体
(51)【国際特許分類】
E05B 63/14 20060101AFI20230823BHJP
A45C 13/10 20060101ALI20230823BHJP
A45C 5/03 20060101ALI20230823BHJP
E05B 65/52 20060101ALI20230823BHJP
E05C 9/12 20060101ALI20230823BHJP
E05C 9/04 20060101ALI20230823BHJP
E05C 9/24 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
E05B63/14 E
A45C13/10 N
A45C5/03
E05B65/52 Z
E05C9/12
E05C9/04
E05C9/24
(21)【出願番号】P 2022532670
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(86)【国際出願番号】 CN2020132564
(87)【国際公開番号】W WO2021109951
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】201911232244.1
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522165049
【氏名又は名称】メリット テクノロジーズ (フー ジィェン) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MERIT TECHNOLOGIES (FU JIAN) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Yongchun Biomedical Industrial Park Quanzhou, Fujian 362600, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ホウ イーシュン
(72)【発明者】
【氏名】ユー チュン
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3183127(JP,U)
【文献】特表平09-510269(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108005493(CN,A)
【文献】登録実用新案第3223139(JP,U)
【文献】特表2001-512328(JP,A)
【文献】特公昭45-023198(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 65/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
新型多段式連動ロックであって、
メインロック(10)と、前記メインロック(10)と協働する一対のメインロックフック(20)とを含み、前記メインロック(10)はメインロックハウジング(1)、制御機構(3)及び一対のメインロックシリンダ組立体(2)を含み、前記メインロックシリンダ組立体(2)及び前記制御機構(3)はいずれも前記メインロックハウジング(1)内に配置されており、一対のメインロックシリンダ組立体(2)はそれぞれ前記制御機構(3)の両側に位置しており、前記制御機構(3)は全てのメインロックシリンダ組立体(2)の開閉を同期制御することができ、前記メインロックフック(20)に、前記メインロックシリンダ組立体(2)と協働する複数の第1突出歯(201)が設けられて
おり、
前記制御機構(3)は税関ロック(37)と駆動組立体を含み、前記税関ロック(37)は前記メインロックハウジング(1)のロックカバー(12)の内側に配置され、前記駆動組立体は前記メインロックハウジング(1)内に配置されており、
前記駆動組立体は押圧部材(31)、少なくとも一つの歯車減速機(32)、並びに第1ラック(33)及び第2ラック(34)を含み、前記押圧部材(31)は前記メインロックハウジング(1)内に摺動可能に配置され、前記押圧部材(31)の押圧ボタン(311)は前記ロックカバー(12)の貫通孔(121)から突出し且つ前記貫通孔(121)と摺動可能に嵌合し、前記押圧部材(31)の上部に天板部(311)が接続され、前記天板部(311)の底部にラック部(312)が配置され、前記ラック部(312)は前記歯車減速機(32)の大歯車(321)と噛み合い、前記第1ラック(33)及び前記第2ラック(34)はいずれも前記メインロックハウジング(1)内に摺動可能に配置され、かつ前記第1ラック(33)及び前記第2ラック(34)はいずれも前記歯車減速機(32)の小歯車(322)と噛み合い、前記第1ラック(33)の端部は一つのメインロックシリンダ組立体(2)に接続され、前記第2ラック(34)の端部は他のメインロックシリンダ組立体(2)に接続されることを特徴とする新型多段式連動ロック。
【請求項2】
前記メインロックシリンダ組立体(2)は第1バックル(21)、第1歯車(22)及び第1バネ(23)を含み、前記第1歯車(22)は前記メインロックハウジング(1)内に回転可能に配置され、且つ第1歯車(22)は対応するメインロックフック(20)における複数の第1突出歯(201)と噛み合うことができ、前記第1バックル(21)は前記メインロックハウジング(1)内に回転可能に配置されており、前記第1バックル(21)の一端の前記第1歯車(22)に隣接する片側に第1ノッチ(211)が設けられ、前記第1バックル(21)の他端は前記第1ラック(33)又は前記第2ラック(34)と可動的に接続されており、前記第1バネ(23)の一端は前記第1バックル(21)の他端に接続され、前記第1バネ(23)の作用下で、前記第1ノッチ(211)は前記第1歯車(22)の歯に係合して接続することができることを特徴とする請求項
1に記載の新型多段式連動ロック。
【請求項3】
前記メインロック(10)はさらにビーズ(35)とビーズバネ(36)を含み、前記ビーズ(35)は前記メインロックハウジング(1)内に可動的に配置され、前記ビーズバネ(36)は前記ビーズ(35)と前記メインロックハウジング(1)との間に配置され、且つ前記ビーズバネ(36)は前記ビーズ(35)を前記押圧部材(31)に当接させ、前記押圧部材(31)に前記ビーズ(35)に適合する第1指示孔(314)と第2指示孔(315)が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載の新型多段式連動ロック。
【請求項4】
前記税関ロック(37)が閉じる時に、前記税関ロック(37)の押圧片(371)が押し下げられて前記押圧部材(31)の後端面(313)に当接することを特徴とする請求項
1に記載の新型多段式連動ロック。
【請求項5】
新型多段式連動ロックであって、
メインロック(10)と、前記メインロック(10)と協働する一対のメインロックフック(20)とを含み、前記メインロック(10)はメインロックハウジング(1)、制御機構(3)及び一対のメインロックシリンダ組立体(2)を含み、前記メインロックシリンダ組立体(2)及び前記制御機構(3)はいずれも前記メインロックハウジング(1)内に配置されており、一対のメインロックシリンダ組立体(2)はそれぞれ前記制御機構(3)の両側に位置しており、前記制御機構(3)は全てのメインロックシリンダ組立体(2)の開閉を同期制御することができ、前記メインロックフック(20)に、前記メインロックシリンダ組立体(2)と協働する複数の第1突出歯(201)が設けられて
おり、
複数のサイドロック(30)と、前記サイドロック(30)と一対一で対応して協働するサイドロックフック(40)とをさらに含み、前記サイドロックフック(40)に複数の第2突出歯(401)が設けられ、前記制御機構(3)は前記メインロックシリンダ組立体(2)の開閉を制御すると同時に複数のサイドロック(30)の開閉を同期制御することができることを特徴とする記載の新型多段式連動ロック。
【請求項6】
前記サイドロック(30)はサイドロックハウジング(4)と、前記サイドロックハウジング(4)内に配置されたサイドロックシリンダ組立体(5)とを含み、前記サイドロックシリンダ組立体(5)は第2バックル(51)、第2歯車(52)及び第2バネ(53)を含み、前記第2歯車(52)は前記サイドロックハウジング(4)内に回転可能に配置され、且つ前記第2歯車(52)は前記サイドロックフック(40)における複数の第2突出歯(401)と噛み合うことができ、前記第2バックル(51)は前記サイドロックハウジング(4)内に回転可能に配置されており、前記第2バックル(51)の一端の前記第2歯車(52)に隣接する片側に第2ノッチ(511)が設けられ、前記第2バックル(51)の他端はケーブル(38)を介して前記制御機構(3)に接続されており、前記第2バネ(53)は前記第2バックル(51)と前記サイドロックハウジング(4)との間に配置されており、前記第2バネ(53)の作用下で、前記第2ノッチ(511)は前記第2歯車(52)の歯に係合して接続することができることを特徴とする請求項
5に記載の新型多段式連動ロック。
【請求項7】
前記ケーブル(38)は外管スリーブ(381)とコアロープ(382)を含み、前記外管スリーブ(381)は前記コアロープ(382)に嵌設され、前記コアロープ(382)の一端は前記外管スリーブ(381)の一端から延びて前記第2バックル(51)に接続され、前記コアロープ(382)の他端は前記外管スリーブ(381)の他端から延びて前記制御機構(3)又は他の第2バックル(51)に接続されることを特徴とする請求項
5に記載の新型多段式連動ロック。
【請求項8】
上筐体、下筐体
及び新型多段式連動ロックを含み、
前記新型多段式連動ロックは、
メインロック(10)と、前記メインロック(10)と協働する一対のメインロックフック(20)とを含み、前記メインロック(10)はメインロックハウジング(1)、制御機構(3)及び一対のメインロックシリンダ組立体(2)を含み、前記メインロックシリンダ組立体(2)及び前記制御機構(3)はいずれも前記メインロックハウジング(1)内に配置されており、一対のメインロックシリンダ組立体(2)はそれぞれ前記制御機構(3)の両側に位置しており、前記制御機構(3)は全てのメインロックシリンダ組立体(2)の開閉を同期制御することができ、前記メインロックフック(20)に、前記メインロックシリンダ組立体(2)と協働する複数の第1突出歯(201)が設けられており、
前記上筐体と前記下筐体は前記新型多段式連動ロックによってロックされることを特徴とする筐体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロックに関し、特に新型多段式連動ロック及びそれを用いた筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
スーツケースは人々が外出する時に携帯する物品を収納するためのケースであり、ケース内の物品の安全を保障するために、人々は通常スーツケースにロックを取り付けるが、ケースに荷物を入れる時、普通の単段又は単段式連動ロックは大きな力で押して閉じなければならないので、非常に不便である。
【0003】
以上説明したように、容易に閉じることができる多段式連動ロックを提供することは、当業者にとって急務である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は新型多段式連動ロックを提供することであり、従来の普通の単段又は単段式連働ロックは閉じるために大きな力が必要であるという問題を解決した。
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。新型多段式連動ロックであって、メインロックと、前記メインロックと協働する一対のメインロックフックとを含む。前記メインロックはメインロックハウジング、制御機構及び一対のメインロックシリンダ組立体を含む。前記メインロックシリンダ組立体及び前記制御機構はいずれも前記メインロックハウジング内に配置されている。一対のメインロックシリンダ組立体はそれぞれ前記制御機構の両側に位置している。前記制御機構は全てのメインロックシリンダ組立体の開閉を同期制御することができる。前記メインロックフックに、複数の前記メインロックシリンダ組立体と協働する第1突出歯が設けられている。
【0006】
さらに、前記制御機構は税関ロック(TSAロック)と駆動組立体を含み、前記税関ロックは前記メインロックハウジングのロックカバーの内側に配置され、前記駆動組立体は前記メインロックハウジング内に配置されている。
【0007】
さらに、前記駆動組立体は押圧部材、少なくとも一つの歯車減速機、並びに第1ラック及び第2ラックを含み、前記押圧部材は前記メインロックハウジング内に摺動可能に配置され、前記押圧部材の押圧ボタンは前記ロックカバーの貫通孔から突出し且つ前記貫通孔と摺動可能に嵌合される。前記押圧部材の上部に天板部が接続され、前記天板部の底部にラック部が配置され、前記ラック部は前記歯車減速機の大歯車と噛み合う。前記第1ラック及び前記第2ラックはいずれも前記メインロックハウジング内に摺動可能に配置され、かつ前記第1ラック及び前記第2ラックはいずれも前記歯車減速機の小歯車と噛み合う。前記第1ラックの端部は一つのメインロックシリンダ組立体に接続され、前記第2ラックの端部は他のメインロックシリンダ組立体に接続される。
【0008】
さらに、前記メインロックシリンダ組立体は第1バックル、第1歯車及び第1バネを含む。前記第1歯車は前記メインロックハウジング内に回転可能に配置され、且つ前記第1歯車は対応するメインロックフックにおける複数の第1突出歯と噛み合うことができる。前記第1バックルは前記メインロックハウジング内に回転可能に配置されている。前記第1バックルの一端の前記第1歯車に隣接する片側に第1ノッチが設けられ、前記第1バックルの他端は前記第1ラック又は前記第2ラックと可動的に接続されている。前記第1バネの一端は前記第1バックルの他端に接続され、前記第1バネの作用下で、前記第1ノッチは前記第1歯車の歯に係合して接続することができる。
【0009】
さらに、前記メインロックはさらにビーズとビーズバネを含む。前記ビーズは前記メインロックハウジング内に可動的に配置され、前記ビーズバネは前記ビーズと前記メインロックハウジングとの間に配置され、且つ前記ビーズバネは前記ビーズを前記押圧部材に当接させる。前記押圧部材に前記ビーズに適合する第1指示孔と第2指示孔が設けられている。
【0010】
さらに、前記税関ロックが閉じる時に、前記税関ロックの押圧片が押し下げられて前記押圧部材の後端面に当接する。
【0011】
さらに、複数のサイドロックと、前記サイドロックと一対一で対応して協働するサイドロックフックを含み、前記サイドロックフックに複数の第2突出歯が設けられ、前記制御機構は前記メインロックシリンダ組立体の開閉を制御すると同時に複数のサイドロックの開閉を同期制御することができる。
【0012】
さらに、前記サイドロックはサイドロックハウジングと、前記サイドロックハウジング内に配置されたサイドロックシリンダ組立体とを含む。前記サイドロックシリンダ組立体は第2バックル、第2歯車及び第2バネを含む。前記第2歯車は前記サイドロックハウジング内に回転可能に配置され、且つ前記第2歯車は対応するサイドロックフックにおける複数の第2突出歯と噛み合うことができる。前記第2バックルは前記サイドロックハウジング内に回転可能に配置されている。前記第2バックルの一端の前記第2歯車に隣接する片側に第2ノッチが設けられ、前記第2バックルの他端はケーブルを介して前記制御機構に接続されている。前記第2バネは前記第2バックルと前記サイドロックハウジングとの間に配置されている。前記第2バネの作用下で、前記第2ノッチは前記第2歯車の歯に係合して接続することができる。
さらに、複数のサイドロックと、前記サイドロックと一対一で対応して協働するサイドロックフックを含む。前記制御機構は前記メインロックシリンダ組立体の開閉を制御すると同時に複数のサイドロックの開閉を同期制御することができる。前記サイドロックはサイドロックハウジングと、前記サイドロックハウジング内に配置されたサイドロックシリンダ組立体とを含む。前記サイドロックシリンダ組立体は第2バックルと第2バネを含む。前記第2バックルは前記サイドロックハウジング内に回転可能に配置されている。前記第2バックルの一端の前記サイドロックフックに隣接する片側に前記サイドロックフックと係合するためのクランプ用フックが配置され、前記第2バックルの他端はケーブルを介して前記制御機構に接続されている。前記第2バネは前記第2バックルと前記サイドロックハウジングとの間に配置されている。前記第2バネの作用下で、前記クランプ用フックは前記サイドロックフックに係合して接続することができる。
【0013】
さらに、前記ケーブルは外管スリーブとコアロープを含む。前記外管スリーブは前記コアロープに嵌設され、前記コアロープの一端は前記外管スリーブの一端から延びて前記第2バックルに接続され、前記コアロープの他端は前記外管スリーブの他端から延びて前記制御機構又は他の第2バックルに接続される。
【0014】
本発明の他の目的は筐体を提供することであり、上筐体、下筐体及び上記のような新型多段式連動ロックを含み、前記上筐体と前記下筐体は前記新型多段式連動ロックによってロックされる。
【0015】
上記技術的解決手段から分かるように、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0016】
本発明は多段式連動を採用し、容易に閉じることができ、押圧部材は歯車減速機を採用し、スイッチを動かす力をさらに減少させ、ユーザに気楽な体験感をもたらす。
【0017】
開閉時にバネの力で音のフィードバックが発生し、ユーザは筐体が閉じたかどうかをはっきりと知ることができる。ユーザにより良い体験感を与える。
【0018】
この構造は、筐体の大きさに応じて適切なロックの数を選択することができ、製品の締める力の要求を満たし、製品のモジュール化を実現し、生産の組み立てをより便利にし、共通性を強くし、製品の型開きを減らし、コストを下げる。
【0019】
以下は図面及び具体的な実施形態を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は単に本発明の実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、提供された図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0021】
【
図3】
図3は本発明のロック状態にある時の構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明のロック状態にある時の爆発図である。
【
図7】
図7は本発明のロック解除状態にある時の構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明のロック解除状態にある時の爆発図である。
【
図9】
図9は本発明のサイドロックを外した時の構造概略図である。
【
図10】
図10は本発明のサイドロックを外した時にロック状態にある時の構造概略図である。
【
図11】
図11は本発明のサイドロックを外した時にロック状態にある時の爆発図である。
【
図12】
図12は本発明のサイドロックを外した時のロック解除状態にある時の構造概略図である。
【
図13】
図13は本発明のサイドロックを外した時のロック解除状態にある時の爆発図である。
【
図14】
図14は本発明の実施例2におけるサイドロックとサイドロックフックの構造
概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明は特許請求の範囲によって定義されカバーされる複数の異なる形態で実施できる。
【0023】
実施例1
以下、
図1から
図13を参照して本発明をさらに説明する。
図1、
図2、
図3に示すような新型多段式連動ロックは、メインロック10と、メインロック10と協働する一対のメインロックフック20と、一対のサイドロック30と、前記サイドロック30と一対一で対応して協働する一対のサイドロックフック40とを含む。メインロック10はメインロックハウジング1、制御機構3及び一対のメインロックシリンダ組立体2を含む。メインロックハウジング1は、ロックベース11、ロックベース11に接続するように配置されたロックカバー12、並びに第1押えカバー13及び第2押えカバー14を含む。第1押えカバー13及び第2押えカバー14はそれぞれロックカバー12の両側に位置し、メインロックシリンダ組立体2及び制御機構3はいずれもメインロックハウジング1内に配置されている。一対のメインロックシリンダ組立体2はそれぞれ制御機構3の両側に位置し、そのうち一つのメインロックシリンダ組立体2は第1押えカバー13とロックベース11との間に配置され、もう一つのメインロックシリンダ組立体2は第2押えカバー14とロックベース11との間に配置されている。メインロックフック20にメインロックシリンダ組立体2と協働する複数の第1突出歯201が設けられ、サイドロックフック40に複数の第2突出歯401が設けられ、制御機構3は一対のメインロックシリンダ組立体2の開閉を同期制御すると同時に一対のサイドロック30の開閉を同期制御することができる。
【0024】
図2、
図3、
図4、
図5、
図6に示すように、制御機構3は税関ロック37と駆動組立体を含む。税関ロック37はロックカバー12の内側に配置され、駆動組立体はメインロックハウジング1内に配置されている。駆動組立体は押圧部材31と、一対の歯車減速機32と、第1ラック33と第2ラック34とを含む。押圧部材31は前記メインロックハウジング1内に摺動可能に配置され、押圧部材31の押圧ボタン311はロックカバー12の貫通孔121から突出し且つ貫通孔121と摺動可能に嵌合される。押圧部材31の上部に天板部311が接続され、天板部311の底部にラック部312が配置され、ラック部312は歯車減速機32の大歯車321と噛み合う。歯車減速機32の大歯車321をラック部312に噛合させ、歯車減速機32の小歯車322を他の歯車減速機32の大歯車321に噛合させ、他の歯車減速機32の小歯車322には、第1ラック33及び第2ラック34が噛合して接続されており、第1ラック33及び第2ラック34は共にメインロックハウジング1内に摺動可能に配置されている。第1ラック33の端部は一つのメインロックシリンダ組立体2に接続され、第2ラック34の端部は他のメインロックシリンダ組立体2に接続される。
【0025】
図2、
図3、
図5に示すように、メインロックシリンダ組立体2は第1バックル21、第1歯車22及び第1バネ23を含む。第1歯車22はロックベース11に回転可能に配置され、且つ第1歯車22は対応するメインロックフック20における複数の第1突出歯201と噛み合うことができる。第1バックル21はロックベース11に回転可能に配置されている。前記第1バックル21の一端の前記第1歯車22に隣接する片側に第1ノッチ211が設けられ、第1バックル21の他端は第1ラック33又は第2ラック34と可動的に接続されている。第1バネ23の一端は第1バックル21の他端に当接し、第1バネ23の他端は第1ラック33又は第2ラック34に当接し、第1バネ23は第1バックル21の他端を第1ラック33又は第2ラック34におけるボウル座39内に当接させ、第1バネ23の作用下で、第1ノッチ211は第1歯車22の歯に係合して接続することができる。
【0026】
図2、
図4、
図5に示すように、サイドロック30はサイドロックハウジング4と、サイドロックハウジング4内に配置されたサイドロックシリンダ組立体5を含む。サイドロックハウジング4は第1サイド押えカバー41及び第1サイド押えカバー41に接続された第2サイド押えカバー42を含み、サイドロックシリンダ組立体5は第2バックル51、第2歯車52及び第2バネ53を含む。第2歯車52は第2サイド押えカバー42に回転可能に配置され、且つ第2歯車52は対応するサイドロックフック40における複数の第2突出歯401と噛み合うことができる。第2バックル51は第2サイド押えカバー42に回転可能に配置されている。第2バックル51の一端の第2歯車52に隣接する片側に第2ノッチ511が設けられ、第2バックル51の他端はケーブル38を介して第1ラック33又は第2ラック34に接続され、第2バネ53は第2バックル51とサイドロックハウジング4との間に配置されている。第2バネ53の作用下で、第2ノッチ511は第2歯車52の歯に係合して接続することができる。
【0027】
図4、
図6、
図8に示すように、メインロック10はさらにビーズ35とビーズバネ36を含む。前記ビーズ35はメインロックハウジング1内に可動的に配置され、ビーズバネ36はビーズ35とメインロックハウジング1との間に配置され、且つビーズバネ36はビーズ35を押圧部材31に当接させる。押圧部材31にビーズ35に適合する第1指示孔314と第2指示孔315が設けられている。
【0028】
図5に示すように、ケーブル38は外管スリーブ381とコアロープ382を含む。外管スリーブ381はコアロープ382に嵌設されている。外管スリーブ381の一端は、第2サイド押えカバー42上の第2連結座421に接続され、外管スリーブ381の他端は、ロックベース11上の第1連結座111に接続されている。コアロープ382の一端は外管スリーブ381の一端から延びて第2バックル51に接続され、コアロープ382の他端は外管スリーブ381の他端から延びて第1ラック33又は第2ラック34に接続されている。
【0029】
本実施例はさらに筐体を提供し、上筐体と下筐体を含む。上筐体と下筐体は新型多段式連動ロックによってロックされ、メインロック10は下筐体の一側に配置されている。一対のサイドロック30は下筐体のメインロック10が位置する側に隣接する両側に配置されている。下筐体のメインロック10が位置する側に対向する側はヒンジによって上筐体に接続され、二つのメインロックフック20と二つのサイドロックフック40は対応して上筐体に配置されている。
【0030】
図3、
図4、
図6、
図7、
図8に示すように、押圧部材31が閉状態にあるときには、箱を閉じ、メインロックフック20とサイドロックフック40が同時に閉じ、メインロックフック20は対応する第1歯車22の回転を駆動する。第1歯車22の回転は第1バックル21に第1バネ23の力を克服させる。メインロックフック20が一段下に係合した後に第1バックル21は第1バネ23の力を受けて第1歯車22を締め付け、同時に衝突音が発生し、ユーザにメインロックフック20が締め付けられたことを知らせる。第1バックル21は第1バネ23の推力の作用を受けるため、第1バックル21の第1ストッパ面212、第2ストッパ面213は第1歯車22に当接して第1歯車22を反転できず、ケースを閉状態にさせる。メインロックフック20は対応する第1歯車22の回転を駆動すると同時に、サイドロックフック40は対応する第2歯車52の回転を駆動する。第2歯車52の回転は第2バックル51に第2バネ53の力を克服させ、サイドロックフック40が一段下に係合した後に第2バックル51は第2バネ53の力を受けて第2歯車52を締め付け、同時に衝突音が発生し、ユーザにサイドロックフック40が締め付けられたことを知らせる。第2バックル51は第2バネ53の推力の作用を受けるため、第2バックル51の第3ストッパ面512、第4ストッパ面513は第2歯車52に当接して第2歯車52を反転できず、ケースを閉状態にさせる。同時にビーズ35はビーズバネ36の力を受けて押圧部材31を押圧し、押圧部材31が勝手に動かされないようにする。ユーザがパスワードで税関ロック37を閉じるときに、税関ロック37の押圧片371が押し下げられて押圧部材31の後端面313に当接し、ロックを閉じた状態にする。箱を開く必要がある時、押圧部材31を押し、押圧部材31の第2指示孔315にビーズ35を留めさせ、ビーズバネ36の力により押圧部材31を開状態にさせ、同時にビーズ35はビーズバネ36の弾性力を受けて押圧部材31に衝突して澄んだ音を生成し、ユーザに音のフィードバックを明瞭に感じさせ、それによりスイッチの位置を知らせる。押圧部材31を押すとき、押圧部材31は一つの歯車減速機32を駆動して回転させ、さらに歯車減速機32はもう一つの歯車減速機32を介して第1ラック33と第2ラック34を駆動して回転させる。さらに第1ラック33と第2ラック34は対応する第1バックル21を駆動して回転させ、第1バックル21の第1ストップ面212、第2ストップ面213を第1歯車22から離脱させ、第1歯車22を自由に回転させ、メインロックフック20を第1歯車22から自由に離脱させることができる。同時に、第1ラック33と第2ラック34はケーブル38を引っ張り、第2バックル51の第3ストップ面512、第4ストップ面513を第2歯車52から離脱させ、第2歯車52を自由に回転させることができ、サイドロックフック40を第2歯車52から自由に離脱させることができ、箱が開く。
【0031】
また、ケースの大きさに応じて適切なサイドロック30の数を選択することができ、製品の締める力の要求を満たす。
【0032】
図9、
図10、
図11、
図12、
図13に示すように、箱が比較的小さく、締める力に対する要求が比較的小さい場合、隣のサイドロックを
外すことができ、製品モジュール化を実現し、生産組み立てをより便利にさせ、共通性が強く、製品の型開きを減少させ、コストを低減させる。
実施例2
上記内容に基づき、前記サイドロック30とサイドロックフック40はさらに図14に示すように、前記サイドロック30はサイドロックハウジング4と、前記サイドロックハウジング4内に配置されたサイドロックシリンダ組立体5とを含む。前記サイドロックシリンダ組立体5は第2バックル51と第2バネ53を含む。前記第2バックル51は前記サイドロックハウジング4内に回転可能に配置されている。前記第2バックル51の一端の前記サイドロックフック40に隣接する片側に前記サイドロックフック40と係合するためのクランプ用フック514が配置され、前記第2バックル51の他端はケーブル38を介して前記制御機構3に接続されている。前記第2バネ53は前記第2バックル51と前記サイドロックハウジング4との間に配置されている。前記第2バネ53の作用下で、前記クランプ用フック514は前記サイドロックフック40に係合して接続することができる。
【0033】
以上は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、当業者にとって本発明は様々な変更および変化が可能である。本発明の精神及び原則内において、補正、均等置換、改良等は、本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0034】
10 メインロック、20 メインロックフック、201 第1突出歯、30 サイドロック、40 サイドロックフック、401 第2突出歯、1 メインロックハウジング、11 ロックベース、111 第1連結座、12 ロックカバー、121 貫通孔、13 第1押えカバー、14 第2押えカバー、2 メインロックシリンダ組立体、21 第1バックル、211 第1ノッチ、212 第1ストッパ面、213 第2ストッパ面、22 第1歯車、23 第1バネ、3 制御機構、31 押圧部材、311 押圧ボタン、311 天板部、312 ラック部、313 後端面、314 第1指示孔、315 第2指示孔、32 歯車減速機、321 大歯車、322 小歯車、33 第1ラック、34 第2ラック、35 ビーズ、36 ビーズバネ、37 税関ロック、371 押圧片、38 ケーブル、381 外管スリーブ、382 コアロープ、39 ボウル座、4 サイドロックハウジング、41 第1サイド押えカバー、42 第2サイド押えカバー、421 第2連結座、5 サイドロックシリンダ組立体、51 第2バックル、511 第2ノッチ、512 第3ストッパ面、513 第4ストッパ面、52 第2歯車、53 第2バネ、514 クランプ用フック