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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】包装材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 3/00 20060101AFI20230823BHJP
   B26D 3/02 20060101ALI20230823BHJP
   B65D 65/02 20060101ALI20230823BHJP
   B65D 65/38 20060101ALI20230823BHJP
   B31B 70/14 20170101ALI20230823BHJP
【FI】
B26D3/00 601B
B26D3/02
B65D65/02 D
B65D65/38
B31B70/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023061209
(22)【出願日】2023-04-05
【審査請求日】2023-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502265460
【氏名又は名称】アポロ興産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100133592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100168114
【弁理士】
【氏名又は名称】山中 生太
(74)【代理人】
【識別番号】100146916
【弁理士】
【氏名又は名称】廣石 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100162259
【弁理士】
【氏名又は名称】末富 孝典
(74)【代理人】
【識別番号】100199772
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 公輔
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 清光
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-150345(JP,A)
【文献】実開昭59-64757(JP,U)
【文献】特開昭56-64964(JP,A)
【文献】特開昭63-44463(JP,A)
【文献】特開昭51-96676(JP,A)
【文献】特開平7-17557(JP,A)
【文献】特開2013-156659(JP,A)
【文献】特開2022-39752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 3/00 ー 3/02
B65D 65/02 ー 65/38
B31B 70/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体として筒状に構成されて、両端が開放された包装材であって、完全な筒状に構成された本体部と、前記本体部の両端にあって斜め上向きに開口する傾斜部とを有する包装材の製造方法において、
中空管状に成形された樹脂フィルムを押し潰して平坦な帯状にした原反を、巻き枠に巻き重ねて、渦巻状の積層体を製造する積層工程と、
前記積層工程で製造された前記積層体を前記巻き枠から取り外して、前記積層体に前記原反の面外方向に作用する圧力を加えて、前記積層体を扁平化する扁平化工程と、
前記扁平化工程を経て扁平化された前記積層体を、前記積層体の平面形において前記積層体の長軸に斜めに交差する裁断線に沿って裁断して、前記積層体を2個のブロックに裁断する裁断工程と、
を有する包装材の製造方法。
【請求項2】
前記裁断線は、その全長において、前記積層体の長軸に対して一定の角度で交差する直線である、
請求項1に記載の包装材の製造方法。
【請求項3】
前記裁断線は、その中途に屈曲点を有していて、前記積層体の長軸に対する傾きが不連続に変化する、
請求項1に記載の包装材の製造方法。
【請求項4】
前記裁断線は、少なくとも、その一部に前記積層体の長軸に対する傾きが連続して変化する曲線部を有する、
請求項1に記載の包装材の製造方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
全体として筒状に構成されて、両端が開放された包装材であって、完全な筒状に構成された本体部と、本体部の両端にあって斜め上向きに開口する傾斜部とを有する包装材が、特許文献1と特許文献2に開示されている。この包装材によれば、包装対象の物品を本体部に収容して、2つの傾斜部の先端を互いに結び合わせるだけで、物品を容易に包装することができる。また、2つの傾斜部の先端を互いに結び合わせることによって、「持ち手」が形成されるので、物品の運搬あるいは携帯が容易になる。また、この包装材は、非使用時においては、小さく折りたたむことができるので、包装材自体の保管、運搬あるいは携帯が容易である。
【0003】
また、特許文献1には、チューブ状のフィルムシートを連続的に裁断することによって上記の包装材を製造することが記載されている(明細書第4ページ、第6図)。特許文献2には、菱形をなす平面状のシートを2つ折りにして、重合する2枚のシート片を折り線に対抗する接合線で互いに接合することによって上記の包装材を製造することが記載されている(明細書第6ページ、第6図)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開昭59-64757号公報
【文献】実開昭63-62360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の製造方法によれば、フィルムシートを1回裁断する度に、1枚の包装材が切り出される。そのため、特許文献1に記載の製造方法には、包装材の製造に手間が掛かると言う問題がある。引用文献2に記載の製造方法は、事前に菱形のシートを製造するとともに、菱形のシートを一枚ずつ接合する必要があるので、そのための手間とコストが掛かると言う問題がある。また、引用文献2に記載の製造方法においては、菱形のシートを製造する際にスクラップが発生して廃棄される。そして、菱形のシートを接合した後で、接合線の外側にある部分が切り取られて廃棄される。そのため、引用文献2に記載の製造方法には、材料の無駄が多いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、全体として筒状に構成されて、両端が開放された包装材であって、完全な筒状に構成された本体部と、本体部の両端にあって斜め上向きに開口する傾斜部とを有する包装材を、手間を掛けずに製造する製造方法であって、材料の無駄が少ない製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る包装材の製造方法は、全体として筒状に構成されて、両端が開放された包装材であって、完全な筒状に構成された本体部と、本体部の両端にあって斜め上向きに開口する傾斜部とを有する包装材の製造方法において、中空管状に成形された樹脂フィルムを押し潰して平坦な帯状にした原反を、巻き枠に巻き重ねて、渦巻状の積層体を製造する積層工程と、積層工程で製造された積層体を巻き枠から取り外して、積層体に原反の面外方向に作用する圧力を加えて、積層体を扁平化する扁平化工程と、扁平化工程を経て扁平化された積層体を、積層体の平面形において積層体の長軸に斜めに交差する裁断線に沿って裁断して、積層体を2個のブロックに裁断する裁断工程と、を有する。
【0008】
裁断線は、その全長において、積層体の長軸に対して一定の角度で交差する直線であっても良い。裁断線は、その中途に屈曲点を有していて、積層体の長軸に対する傾きが不連続に変化するものであっても良い。裁断線は、少なくとも、その一部に積層体の長軸に対する傾きが連続して変化する曲線部を有するものであっても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る包装材の製造方法によれば、原反を巻き重ねて渦巻状の積層体を得て、該積層体を裁断することによって、一度に多数枚の包装材を得ることができる。そのため、手間を掛けないで、多数枚の包装材を製造することができる。また、包装材の製造過程においてスクラップが殆ど生じないので、材料の無駄を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る包装材の外形図であって、(A)は平面図であり、(B)は正面図であり、(C)は側面図である。
図2図1に記載の包装材を構成する素材である原反の形態を示す図であって、(A)はインフレーション成形機の円形ダイから押し出された直後の原反の形態を示す断面図であり、(B)はインフレーション成形機のニップロールを通過した後の原反の形態を示す断面図である。
図3図1に記載の包装材を製造する方法を説明する図であって、(A)は積層工程を示す説明図であり、(B)は扁平化工程を示す説明図であり、(C)は扁平化工程を経た積層体の形態を示す図である。
図4】(A),(B),(C)は、図1に記載の包装材を製造する方法を説明する図であって、裁断工程を時系列に沿って示す説明図である。
図5】(A)~(D)は、裁断工程を経て得られた小片の形態の変化を時系列に沿って示す説明図である。
図6】裁断工程において使用される裁断機の構成を示す説明図である。
図7】(A),(B)は、変形例に係る裁断線の形状を図4(A)に倣って示す積層体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態に係る包装材の製造方法を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面においては、同一または同等の部分に同一の符号を付している。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る包装材1、つまり本発明の実施の形態に係る包装材の製造方法によって製造される包装材1の完成品の外形図である。図1(A)は平面図であり、図1(B)は正面図であり、図1(C)は側面図である。
【0013】
(包装材)
包装材1は、円管状に成形されたポリエチレン製のフィルムを素材としていて、全体として筒状に構成されて両端が開放されている。そして、図1(A)と図1(B)に示すように、包装材1は中央部に本体部2を備えている。本体部2は、完全な円筒状の断面形を有する部位であって、素材のポリエチレン製のフィルムの原形がそのまま残る部位である。本体部2の両端において、包装材1は斜めに断ち切られていて、傾斜部3が形成されている。図1(B)に示すように、傾斜部3の上辺3aは、本体部2から離隔するに従って、包装材1の上面1aから底面1bに向かって下降している。そのため、包装材1は、傾斜部3において、斜め上向きに開口している。なお、後述するように、傾斜部3は素材のポリエチレン製のフィルムを斜めに裁断することによって形成される。
【0014】
図1(A)~(C)に示すように、本体部2の中には、包装材1の対象物である物品4が収納される。なお、物品4の出し入れは、斜め上向きに開口する傾斜部3を通して行われる。また、図1(B)に示す状態において、2枚の傾斜部3の先端を持ち上げて、互いに結び合わせれば、本体部2の両端を塞いで、物品4の脱落を防ぐことができる。また、2枚の傾斜部3の先端を互いに結び合わせれば、持ち手(図示なし)が形成されるので、物品4の運搬が容易になる。
【0015】
(原反)
以下において、包装材1を構成する素材を原反5と呼ぶことにする。前述したように、原反5はポリエチレン樹脂を原料としていて、ポリエチレン樹脂をインフレーション成形して製造される。ここで、図2を参照して、原反5の形態と製造方法を簡単に説明する。なお、図2(A)は、図示しないインフレーション成形機の円形ダイから押し出された直後の原反5の形態を示す断面図であり、図2(B)はインフレーション成形機のニップロールを通過した後の原反5の形態を示す断面図である。また、インフレーション成形機は、円筒あるいは円管状の樹脂フィルムを連続的に成形する公知の樹脂成形機であり、図示しない押出機と円形ダイとニップロールと巻取機を備えている。押出機は加熱溶融された樹脂材料に圧力を加えて円形ダイに押出す装置である。円形ダイは空気吹き出し口と円環状の吐出口を備える吐出成形用金型である。ニップロールは原反5を押圧するローラである。そして、巻取機は成形が終わった原反5を巻き取る装置である。
【0016】
図示しない押出機から押出された樹脂材料は、図示しない円形ダイが備える円環状の吐出口を通って、断面形において円環状をなす状態で連続して吐出される。また、樹脂材料が吐出されると同時に、円環状をなす樹脂材料の内部に円形ダイから空気が吹き込まれる。この時、樹脂材料は空気の圧力を受けて膨張すると同時に、空気によって冷却されて凝固する。その結果、図2(A)に示すような、円筒状の原反5が得られる。そして、円筒状に成形された原反5は、図示しないニップロールで押圧されて、図2(B)に示すような、断面形において平坦な、帯状あるいはリボン状に変形される。その後、帯状に変形された原反5は図示しない巻取機に巻き取られて、ロール状に纏められる。
【0017】
(積層工程)
図3(A)は、積層工程を説明する説明図である。前述した工程を経て製造されてロール状に纏められた原反5は、図3(A)に示すように、リール6に巻き取られた状態で、積層工程に搬入される。そして、原反5はリール6から引き出されて、巻き枠7に、複数回、巻き回される。その結果、原反5は巻き重ねられて、渦巻状の積層体8が形成される。なお、以下において、説明の便宜のために、図3(A)に現れる積層体8の左右の端部をそれぞれ、P端とQ端と呼ぶことにする。
【0018】
また、巻き枠7の構成と形状は特に限定されないが、後述する扁平化を容易にするために、図3(A)に現れる形状において、全体として扁平な物であることが望ましい。また、積層工程において使用される機械又は器具の機械的な構成は限定されない。巻き枠7が固定されていて、リール6が巻き枠7の周りを周回するものであっても良いし、リール6が固定されていて、巻き枠7がリール6の周りを周回するものであっても良い。
【0019】
(扁平化工程)
図3(B)は扁平化工程を説明する説明図である。図3(B)に示すように、積層体8は、巻き枠7から取り外された状態で、扁平化工程に搬入される。そして、扁平化工程において、積層体8は図示しない押圧手段に挟まれて、上下から押圧される。この時、押圧力は原反5の面外方向に作用する。別の言い方をすれば、押圧力は積層体8における原反5の積層方向に作用する。その結果、図3(C)に示すような、扁平な積層体8が形成される。なお、図3(C)に示すように、扁平な積層体8においては、原反5が渦巻き状に隙間なく積層されている。
【0020】
(裁断工程)
図4(A),(B),(C)は、積層体8から複数枚の包装材1を切り出す裁断工程を時系列に沿って示す説明図である。また、図4(A),(B),(C)は、積層体8を図3(C)において矢印Pで示す方向から見た矢視図である。つまり、図4(A),(B),(C)は、積層体8の平面形を示す図である。
【0021】
扁平化工程を経た積層体8、つまり図3(C)に示す状態に加工された積層体8は、裁断工程において、図4(A)に示すように裁断線9に沿って裁断され、図4(B)に示すように、ブロック8aとブロック8bに分割される。なお、裁断線9は積層体8の長軸L、つまり積層体8のP端からQ端に延びる軸線に対して斜めに交差している。なお、裁断工程において使用される裁断機の構成例については後述する。
【0022】
前述したように、積層体8は原反5を複数回巻き回して構成されている。そのため、図4(C)に示すように、ブロック8aからは、複数枚の小片10が得られる。なお、図4(C)に示す状態において、小片10は2つ折りにされた状態にある。また、図示を省略したが、ブロック8bからも、複数枚の小片10が得られる。
【0023】
前述したように、ブロック8aとブロック8bからは、2つ折りにされた小片10が得られる。すなわち、図5(A)に示すように、P端において2つ折りにされて、図において右側に斜辺Sが現れる状態にある小片10が得られる。この2つ折りにされた小片10を広げると、図5(B)に示すように、斜辺Sが小片10の左右両側に対称に現れる。つまり、図1(B)に示された包装材1と同じ形状が現れる。
【0024】
さらに、図5(B)に示した小片10を、上辺Uが平面形の中央に位置するように、畳み直すと、図5(C)に示す形態が得られる。この場合、図5(C)に示すように、小片10の左右両側において、斜辺Sは菱形を構成する。図5(C)に示す状態において、小片10の表面と裏面を離隔して、小片10が全体として円筒を構成するように変形すると図5(D)に示す形態が得られる。つまり、図1(A)に示された包装材1と同じ形状が現れる。
【0025】
なお、図3(A)に示す状態において、巻き枠7を1周する原反5の長さは、積層体8の内周側と外周側で相違する。積層体8の外周側において巻き枠7を1周する原反5の長さは、積層体8の内周側において巻き枠7を1周する原反5の長さより長くなる。そのため、積層体8の外周側から切り出された小片10の長さは積層体8の内周側から切り出された小片10の長さより若干長くなる。その結果、包装材1の長さにバラつきが生じる。しかしながら、原反5自体の膜厚が小さいので、包装材1の長さのバラつきは許容範囲に留まる。そもそも、包装材1は簡易な包装材料であって、高度の寸法精度は要求されない。
【0026】
(裁断装置)
裁断工程において、積層体8を裁断する装置は、特に限定されないが、図6に示す裁断機11を使用すれば、積層体8を能率よく裁断することができる。
【0027】
図6に示すように、裁断機11は積層体8が載置されるベッド12とベッド12に固定される門型フレーム13を備える。門型フレーム13には、2台の昇降アクチュエータ14と1台の裁断アクチュエータ15が固定されている。昇降アクチュエータ14には、昇降アクチュエータ14によって駆動されて、積層体8に対して昇降するワーク押え16が取り付けられている。そして、裁断アクチュエータ15には、裁断アクチュエータ15によって駆動されて、積層体8に対して昇降する裁断刃17が取り付けられている。
【0028】
裁断機11は、上記のように構成されているので、図示しない作業者が積層体8をベッド12の上に載置した後で、ワーク押え16を下降させて、ワーク押え16で積層体8を押さえ付けることができる。その後に裁断刃17を下降させて、積層体8を裁断することができる。そして、裁断刃17を上昇させて、その後に、ワーク押え16を上昇させれば、裁断された積層体8を裁断機11から取り出すことができる。
【0029】
(裁断線の変形例)
上記においては、図4(A)に示したように、裁断線9が、その全長において、積層体8の長軸Lに対して一定の角度で交差する直線で構成される例を示したが、裁断線9はこのような直線には限定されない。図7(A)に示すように、裁断線9は、その中途に屈曲点9aを有していて、積層体8の長軸Lに対する傾きが不連続に変化するものであっても良い。図7(B)に示すように、裁断線9は、少なくとも、その一部に積層体8の長軸Lに対する傾きが連続して変化する曲線部9bを有するものであっても良い。なお、図6に示した裁断機11において、裁断線9に合わせた裁断刃17をセットすれば、裁断線9が上記のいずれのものであっても、裁断機11の1回の操作で積層体8を裁断して、包装材1を製造することができる。
【0030】
このように、本実施の形態に係る製造方法によれば、円筒状に成形された原反5を裁断するだけで、包装材1を製造することができる。特許文献1,2に記載の方法のように、素材を接合する必要がないので、製造に手間が掛からない。また、本実施の形態に係る製造方法によれば、原反5を巻き重ねて積層体8を形成して、積層体8を裁断するので、1回の裁断で複数の包装材1を得ることができる。そのため、積層体8の大量生産が容易になる。
【0031】
しかしながら、本発明の技術的範囲は上記の実施の形態によっては限定されない。本発明は特許請求の範囲に記載された技術的思想の限りにおいて、自由に変形あるいは改良して実施することができる。
【0032】
(原反の原料)
上記において、原反5の原料としてポリエチレン樹脂を例示したが、原反5はポリエチレン樹脂を原料とするものには限定されない。原反5の原料として、各種の樹脂材料を任意に選択することができる。また、上記において、インフレーション成形を経て製造される原反5を例示したが、原反5はインフレーション成形を経て製造されるものには限定されない。原反5は中空管状に成形された樹脂成型品であれば十分であり、原反5を製造する方法あるいは装置は任意に選択できる。
【0033】
(寸法)
包装材1の寸法は、包装対象である物品4の寸法に応じて任意に選択される。包装材1の寸法が選択されれば、原反5の寸法はほぼ必然的に決定される。いずれにせよ、包装材1及び原反5の寸法は特に限定されない。
【0034】
(巻重ねの回数)
積層工程において、原反5を巻き重ねる回数は特に限定されない。原反5を巻き重ねる回数は任意に選択できる。
【符号の説明】
【0035】
1 包装材、1a 上面、1b 底面、2 本体部、3 傾斜部、3a 上辺、4 物品、5 原反、6 リール、7 巻き枠、8 積層体、8a,8b ブロック、9 裁断線、9a 屈曲点、9b 曲線部、10 小片、11 裁断機、12 ベッド、13 門型フレーム、14 昇降アクチュエータ、15 裁断アクチュエータ、16 ワーク押え、17 裁断刃



【要約】
【課題】全体として筒状に構成されて、両端が開放された包装材を、手間を掛けずに製造する製造方法であって、材料の無駄が少ない製造方法を提供する。
【解決手段】中空管状に成形された樹脂フィルムを押し潰して平坦な帯状にした原反5を、巻き枠7に巻き重ねて、渦巻状の積層体8を製造する積層工程と、積層工程で製造された積層体8を巻き枠7から取り外して、積層体8に原反5の面外方向に作用する圧力を加えて、積層体8を扁平化する扁平化工程と、扁平化工程を経て扁平化された積層体8を、積層体8の平面形において積層体8の長軸に斜めに交差する裁断線に沿って裁断して、積層体を2個のブロックに裁断する裁断工程と、を有する。
【選択図】図3



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7