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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】環境試験用治具及びその取付台パーツ
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20230823BHJP
【FI】
G01R31/26 H
G01R31/26 J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018166148
(22)【出願日】2018-09-05
(65)【公開番号】P2020038161
(43)【公開日】2020-03-12
【審査請求日】2021-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108797
【氏名又は名称】エスペック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】門脇 亜希子
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-285916(JP,A)
【文献】特開2008-253694(JP,A)
【文献】特開2008-154632(JP,A)
【文献】実開昭60-72667(JP,U)
【文献】実開昭59-50370(JP,U)
【文献】特開2004-77167(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0116064(US,A1)
【文献】特開2009-79905(JP,A)
【文献】「小型環境試験器 SH・SU」,エスペック株式会社,2014年11月01日,http://web.archive.org/web/20141030190422/http://www.espec.co.jp/inquiry/pdf/shsu.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26-31/3193
G01R 31/50-31/74
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、
前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、
を備え、
前記取付台パーツは、
弾性変形可能な材料からなり、弾性力により前記少なくとも1本のワイヤを挟持するように構成され、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、
前記基部に片持ち支持され、互いに間隔を空けて配置された一対の板と、を含み、
前記一対の板は、弾性力により前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを挟持するように構成されている、環境試験用治具。
【請求項2】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、
前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、
を備え、
前記取付台パーツは、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、
前記ワイヤの外周面に沿って延びる形状を有し、前記少なくとも1本のワイヤに係止される係止爪と、
前記係止爪を前記基部に対して支持する支持部と、を含む、環境試験用治具。
【請求項3】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、
前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、
を備え、
前記取付台パーツは、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、
前記基部に取り付けられると共に互いに間隔を空けて配置され且つ前記少なくとも1本のワイヤを挟持可能な上面板及び下面板と、を含み、
前記上面板の下面及び前記下面板の上面の少なくとも一方に、周方向の高低差が形成され、
前記上面板及び前記下面板の少なくとも一方は、前記基部を中心として回転可能である、環境試験用治具。
【請求項4】
前記被取付パーツは、前記試料を支持するために用いられる試料用パーツ、前記試料に通電する配線を支持するために用いられる配線用パーツ及び前記試料に通電する電極パーツのうち少なくとも1つのパーツである、請求項1から3のいずれか1項に記載の環境試験用治具。
【請求項5】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、
前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、
を備え、
前記被取付パーツは、前記試料に通電する電極パーツであり、
前記取付台パーツの下面には通電端子が取り付けられ、当該通電端子と前記電極パーツが電気的に接続可能である、環境試験用治具。
【請求項6】
前記取付台パーツは、前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを、その配列方向の両側から挟持するように構成されている、請求項2、4、5のいずれか1項に記載の環境試験用治具。
【請求項7】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツであって、
弾性変形可能な材料からなり、弾性力により前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記基部に片持ち支持され、互いに間隔を空けて配置された一対の板と、を含み、
前記一対の板は、弾性力により前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを挟持するように構成されて、試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成された、環境試験用治具の取付台パーツ。
【請求項8】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツであって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、
前記ワイヤの外周面に沿って延びる形状を有し、前記少なくとも1本のワイヤに係止される係止爪と、
前記係止爪を前記基部に対して支持する支持部と、を含み、
試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成された、環境試験用治具の取付台パーツ。
【請求項9】
試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツであって、
前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、
試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成され、
前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、
前記基部に取り付けられると共に互いに間隔を空けて配置され且つ前記少なくとも1本のワイヤを挟持可能な上面板及び下面板と、を含み、
前記上面板の下面及び前記下面板の上面の少なくとも一方に、周方向の高低差が形成され、
前記上面板及び前記下面板の少なくとも一方は、前記基部を中心として回転可能である、環境試験用治具の取付台パーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境試験用治具及びその取付台パーツに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、環境試験装置内において試料を固定するために用いられる治具が知られている。特許文献1に記載された環境試験用治具は、平板状の治具基材と、当該治具基材に形成された穴に挿入された線状の挟持体と、を備えるものである。この環境試験用治具によれば、試料である半導体装置の配線基板の周面を複数の挟持体によって挟持することにより、試料を設置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-101848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された環境試験用治具では、試料のサイズや形状が変わると、その都度、挟持体同士の間隔や位置を調整する必要がある。このため、環境試験装置内に設置する試料のサイズや形状が変わる場合において、柔軟に対応することができないという課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々なサイズや形状の試料等を環境試験装置内において簡単に設置することが可能な環境試験用治具及びその取付台パーツを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る環境試験用治具は、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具である。この環境試験用治具は、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、を備え、前記取付台パーツは、弾性変形可能な材料からなり、弾性力により前記少なくとも1本のワイヤを挟持するように構成され、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記基部に片持ち支持され、互いに間隔を空けて配置された一対の板と、を含み、前記一対の板は、弾性力により前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを挟持するように構成されている。
【0007】
この環境試験用治具によれば、試料固定部材を構成するワイヤを挟持することにより、取付台パーツをワイヤに簡単に取り付けることができる。そして、当該取付台パーツに被取付パーツを取り付け、当該被取付パーツにより試料、配線、電極等の試験に用いられる物品を支持することができる。この環境試験用治具によれば、試料等の物品のサイズや形状が変わる場合や、支持する対象の物品の種類が変わる場合でも、それに応じて取付台パーツの位置や間隔を調整するだけで容易に物品を支持可能であり、様々なサイズや形状の試料等を環境試験装置内において簡単に設置することができる。しかも、一方の板をワイヤに押さえ付けることにより、基部を支点として当該一方の板を湾曲させ、取付台パーツを2本のワイヤ間に嵌め込むことができる。この状態で、一対の板の弾性力によってワイヤを挟持することにより、取付台パーツをワイヤに対して簡単且つ確実に固定することができる。
【0008】
なお、ここでいう「挟持」とは、1本のワイヤをその両側から挟み込む場合に限られる意味ではなく、複数本のワイヤをその配列方向の両側から挟み込む場合も含まれることを意味する。
本発明の他局面に係る環境試験用治具は、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、を備え、前記取付台パーツは、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記ワイヤの外周面に沿って延びる形状を有し、前記少なくとも1本のワイヤに係止される係止爪と、前記係止爪を前記基部に対して支持する支持部と、を含む。したがって、係止爪により取付台パーツをワイヤに対して簡単且つ確実に取り付けることができる。
本発明の他局面に係る環境試験用治具は、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、を備え、前記取付台パーツは、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記基部に取り付けられると共に互いに間隔を空けて配置され且つ前記少なくとも1本のワイヤを挟持可能な上面板及び下面板と、を含み、前記上面板の下面及び前記下面板の上面の少なくとも一方に、周方向の高低差が形成され、前記上面板及び前記下面板の少なくとも一方は、前記基部を中心として回転可能である。したがって、取付台パーツを2本のワイヤ間に嵌め込んだ後、一対の板の間隔を小さくすることにより、ワイヤを簡単に挟持することができる。
【0009】
上記環境試験用治具の前記被取付パーツは、前記試料を支持するために用いられる試料用パーツ前記試料に通電する配線を支持するために用いられる配線用パーツ及び前記試料に通電する電極パーツのうち少なくとも1つのパーツであってもよい。
【0010】
この構成によれば、試料用パーツ、配線用パーツを適宜付け替えることにより、試料、配線及び電極のうち任意のものを試料固定部材に固定することができる。
本発明の他局面に係る環境試験用治具は、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具であって、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成された取付台パーツと、前記取付台パーツに取り付けられ、試験を支援するために用いられる被取付パーツと、を備え、前記被取付パーツは、前記試料に通電する電極パーツであり、前記取付台パーツの下面には通電端子が取り付けられ、当該通電端子と前記電極パーツが電気的に接続可能である。
【0017】
上記環境試験用治具において、前記取付台パーツは、前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを、その配列方向の両側から挟持するように構成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、複数のワイヤを1本ずつ挟持する構成に比べて、取付台パーツの形状をより簡易化することができる
【0023】
本発明の他局面に係る環境試験用治具の取付台パーツは、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツである。この取付台パーツは、弾性変形可能な材料からなり、弾性力により前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記基部に片持ち支持され、互いに間隔を空けて配置された一対の板と、を含み、前記一対の板は、弾性力により前記複数のワイヤのうち2本のワイヤを挟持するように構成されて、試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成されている。
【0024】
この取付台パーツによれば、試料固定部材を構成するワイヤを挟持することにより、ワイヤに簡単に取り付けることができる。そして、当該取付台パーツに被取付パーツを取り付け、当該被取付パーツにより試料、配線、電極等の試験に関する物品を支持することができる。この構成によれば、試料等のサイズや形状が変わる場合や、取り付ける物品の種類が変わる場合でも、それに応じて取付台パーツの位置や間隔を調整するだけで容易に物品を支持可能であり、様々なサイズや形状の試料等を環境試験装置内において簡単に設置することができる。しかも、基部を支点として一方の板を湾曲させることにより、取付台パーツを2本のワイヤ間に嵌め込むことができる。この状態で、一対の板の弾性力によって2本のワイヤを挟持することにより、取付台パーツをワイヤに対して簡単且つ確実に固定することができる。
本発明の他局面に係る環境試験用治具の取付台パーツは、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツであって、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記ワイヤの外周面に沿って延びる形状を有し、前記少なくとも1本のワイヤに係止される係止爪と、前記係止爪を前記基部に対して支持する支持部と、を含み、試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成されている。
本発明の他局面に係る環境試験用治具の取付台パーツは、試験槽を有し、前記試験槽内に試料を設置するために用いられると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料固定部材を備え得る環境試験装置において用いられる治具の取付台パーツであって、前記複数のワイヤのうち少なくとも1本のワイヤを挟持することにより、前記少なくとも1本のワイヤに取付可能な形状に形成され、試験を支援するために用いられる被取付パーツを取付可能な形状に形成され、前記被取付パーツが差し込まれる差込口が設けられた基部と、前記基部に取り付けられると共に、互いに間隔を空けて配置され且つ前記少なくとも1本のワイヤを挟持可能な上面板及び下面板と、を含み、前記上面板の下面及び前記下面板の上面の少なくとも一方に、周方向の高低差が形成され、前記上面板及び前記下面板の少なくとも一方は、前記基部を中心として回転可能である。
【発明の効果】
【0025】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、様々なサイズや形状の試料等を環境試験装置内において簡単に設置することが可能な環境試験用治具及びその取付台パーツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】試験槽の構成を模式的に示す図である。
図2】棚板の構成を模式的に示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係る環境試験用治具の取付台パーツの構成を模式的に示す平面図である。
図4図3中の線分IV-IVに沿った取付台パーツの断面を模式的に示す図である。
図5】本発明の実施形態1に係る環境試験用治具の試料用パーツの構成を模式的に示す正面図である。
図6】試料用パーツの構成を模式的に示す平面図である。
図7】取付台パーツを棚板に設置する様子を模式的に示す斜視図である。
図8】取付台パーツに試料用パーツを取り付ける様子を模式的に示す斜視図である。
図9】試料用パーツを取付台パーツの差込口に差し込む様子を模式的に示す図である。
図10】試料を棚板に設置する様子を模式的に示す斜視図である。
図11】本発明の実施形態2に係る環境試験用治具の取付台パーツの構成を模式的に示す平面図である。
図12図11中の線分XII-XIIに沿った取付台パーツの断面を模式的に示す図である。
図13】本発明の実施形態2に係る環境試験用治具の試料用パーツの構成を模式的に示す正面図である。
図14】試料用パーツの構成を模式的に示す平面図である。
図15】本発明の実施形態3に係る環境試験用治具の構成を説明するための模式図である。
図16】本発明の実施形態4に係る環境試験用治具の構成を説明するための模式図である。
図17】本発明の実施形態5に係る環境試験用治具の構成を説明するための模式図である。
図18】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための平面図である。
図19】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための平面図である。
図20】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための平面図である。
図21】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための平面図である。
図22】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図23】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図24】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図25】本発明の実施形態6に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図26】本発明の実施形態7に係る環境試験用治具の構成を説明するための平面図である。
図27】本発明の実施形態7に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図28】本発明の実施形態7の変形例に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図29】本発明の実施形態7の変形例に係る環境試験用治具の構成を説明するための側面図である。
図30】本発明の実施形態8に係る環境試験用治具の取付台ケースの構成を示す模式図である。
図31】取付台ケースが試験槽に固定された状態を示す模式図である。
図32】本発明の実施形態8に係る環境試験用治具の試料用パーツケースの構成を示す模式図である。
図33】試料用パーツケースが試験槽に固定された状態を示す模式図である。
図34】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図35】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図36】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図37】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図38】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図39】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図40】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図41】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図42】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図43】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図44】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図45】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図46】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図47】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
図48】本発明のその他実施形態を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る環境試験用治具を詳細に説明する。
【0028】
(実施形態1)
まず、本発明の実施形態1に係る環境試験用治具100の構成を説明する。環境試験用治具100は、試験槽1(図1)と、試験槽1内で試料を固定するために用いられる棚板2(試料固定部材、図1図2)と、を備えた環境試験装置において用いられる治具である。図1に示すように、試験槽1は、試料が収容される空間1Aを有し、当該空間1A内の温度及び湿度を制御可能な恒温恒湿槽、当該空間1A内の温度を制御可能な恒温槽、各種温度試験装置、各種温湿度試験装置、又はその他の試料収容空間を有する試験装置である。
【0029】
図2に示すように、棚板2は、矩形枠状のフレーム3と、フレーム3の内側において互いに間隔を空けて配置された複数の横ワイヤ4と、フレーム3の内側において横ワイヤ4と直交するように配置された縦ワイヤ5と、を有する。横ワイヤ4は、フレーム3の短手方向(図2中の横方向)に平行であり、且つフレーム3の長手方向(図2中の縦方向)において等間隔で配置されている。横ワイヤ4及び縦ワイヤ5は、例えばSUS製の丸いワイヤであり、フレーム3に対して溶接されている。なお、棚板2としては、試験槽1のサイズに合わせて様々なサイズのものを用いることができる。
【0030】
環境試験用治具100は、取付台パーツ10と、取付台パーツ10に取り付けられる試料用パーツ20(被取付パーツ)と、を備えている。図3及び図4は、それぞれ取付台パーツ10の平面図及び断面図である。図5及び図6は、それぞれ試料用パーツ20の正面図及び平面図である。
【0031】
取付台パーツ10は、複数の横ワイヤ4のうち少なくとも1本の横ワイヤ4を挟持することにより、横ワイヤ4に取付可能な形状に形成されている。具体的には、取付台パーツ10は、隣接する2本の横ワイヤ4を挟持することにより、当該2本の横ワイヤ4に取付可能な形状に形成されている。図3及び図4に示すように、取付台パーツ10は、基部14と、基部14に片持ち支持され、互いに間隔を空けて配置された一対の板11(上面板12、下面板13)と、を有する。なお、取付台パーツ10としては、種々のサイズのものを用いることができる。
【0032】
基部14は、中空状の角筒部(四角筒部)であり、試料用パーツ20が差し込まれる差込口16が設けられている。図4に示すように、基部14は、下面板13から上面板12の表面よりも上側まで延びている。
【0033】
上面板12及び下面板13は、それぞれ平面視四角形状(正方形状)を有し、下面板13が上面板12よりも小さくなっている。図4に示すように、上面板12及び下面板13は、隣接する2本の横ワイヤ4の間隔よりも大きい幅を有する。
【0034】
なお、上面板12及び下面板13の形状は、平面視四角形状に限定されず、例えば平面視円形状、平面視三角形状、又は平面視五角形状などの任意の形状であってもよい。また下面板13は、上面板12と同じ大きさであってもよいし、上面板12よりも大きくなっていてもよい。
【0035】
取付台パーツ10は、弾性変形可能な材料(例えば樹脂)からなり、隣接する2本の横ワイヤ4を弾性力により挟持するように構成されている。具体的には、図4に示すように、一対の板11(上面板12及び下面板13)は、2本の横ワイヤ4を弾性力により上下方向に挟持するように構成されている。
【0036】
また取付台パーツ10は、電気的な絶縁材料からなるため、試料を電気的な絶縁状態にすることを要する試験において有効に用いることができる。また取付台パーツ10の材料は、耐熱性及び耐寒性にも優れるものである。
【0037】
取付台パーツ10は、上面板12の角部に設けられた突起部15をさらに有する。突起部15は、図4に示すように上面板12の表面から上向きに突出しており、上面板12の四隅にそれぞれ設けられている。なお、突起部15は、本発明の環境試験用治具において必須の構成要素ではなく、省略されてもよい。
【0038】
試料用パーツ20は、試験を支援するために用いられる被取付パーツの1つであり、具体的には試料を支持するために用いられる部材である。図5及び図6に示すように、試料用パーツ20は、三角柱状の棒部材であり、その1つの側面が、試料を所定の姿勢で立て掛けるための立掛け部20Aとなっている。
【0039】
試料用パーツ20は、取付台パーツ10と同様に、電気的な絶縁材料により構成されている。また試料用パーツ20の高さは、試料のサイズや形状に応じて適宜選択される。
【0040】
次に、環境試験用治具100の使用方法の一例について、図7図10を参照して説明する。
【0041】
まず、図7に示すように、複数の取付台パーツ10のそれぞれを、棚板2における所望の位置に取り付ける。具体的には、取付台パーツ10の下面板13(図4)を、隣接する2本の横ワイヤ4に対して上側から押さえ付ける。これにより、下面板13が下向きに凸となるように湾曲し、取付台パーツ10が隣接する2本の横ワイヤ4の間に嵌め込まれる。この状態で、図4に示すように、上面板12と下面板13とによって横ワイヤ4を挟持することにより、取付台パーツ10を棚板2に固定することができる。
【0042】
この時、取付台パーツ10の取付位置や取付個数は、試料のサイズや形状に応じて適宜選択される。本実施形態では、1つの試料に対して2つの取付台パーツ10を準備し、当該2つの取付台パーツ10を試料の幅に合わせて互いに離間した状態で取り付ける。
【0043】
次に、図8に示すように、棚板2に取り付けられた取付台パーツ10に、試料用パーツ20をそれぞれ取り付ける。具体的には、図9に示すように、試料用パーツ20の下端部を、取付台パーツ10の差込口16に対して上方から差し込む。この時、試料の向きを考慮して、試料用パーツ20を差し込む向き(立掛け部20Aの向き)を調整する。
【0044】
次に、図10に示すように、試料S1(例えば基板)を棚板2上に設置する。具体的には、試料S1の下端部を取付台パーツ10の上面板12(図3)の表面に載置すると共に、試料S1の上端部を試料用パーツ20の立掛け部20Aに立て掛ける。この時、試料S1の下端部が突起部15(図3図4)に係止されることにより、試料S1の位置ずれが防止される。
【0045】
以上のような手順で試料S1を棚板2上に設置した後、当該棚板2を試験槽1(図1)内に配置する。そして、試験槽1を所定の設定温度及び設定湿度等の条件で運転し、試料S1に対する環境試験を開始する。
【0046】
以上の通り、本実施形態に係る環境試験用治具100によれば、棚板2の横ワイヤ4を挟持することにより、取付台パーツ10を棚板2に簡単に取り付けることができる(図7)。そして、取付台パーツ10に試料用パーツ20を取り付け(図8)、試料用パーツ20により試料S1を支持することができる(図10)。この環境試験用治具100によれば、試料S1のサイズや形状が変わる場合であっても、それに応じて取付台パーツ10の位置や間隔を変えるだけで容易に対応することが可能であり、様々なサイズや形状の試料S1を環境試験装置内において簡単に設置することができる。
【0047】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る環境試験用治具100Aを、図11図14を参照して説明する。実施形態2に係る環境試験用治具100Aは、基本的に実施形態1と同様の構成を備えるものであるが、試料用パーツ21の形状及び取付台パーツ10Aの差込口16Aの形状が実施形態1と異なっている。以下、実施形態1と異なる点についてのみ説明する。
【0048】
図11及び図12に示すように、実施形態2における取付台パーツ10Aの基部14Aは、上下方向に延びる中空状の円筒部である。このため、差込口16Aは、平面視円形状を有している(図11)。図13及び図14に示すように、実施形態2における試料用パーツ21は、半円柱状の棒部材であり、その平坦な側面が立掛け部21Aとなっている。また試料用パーツ21の下端部には挿入突起部21Bが設けられており(図13)、一方で取付台パーツ10Aの差込口16A内には挿入突起部21Bが挿入される挿入孔16AAが形成されている(図11図12)。
【0049】
実施形態1に係る環境試験用治具100では、試料用パーツ20を差し込む向きが4方向に限られるのに対し、実施形態2に係る環境試験用治具100Aでは、試料用パーツ21を差し込む向きをより細かく調整することができる。これにより、試験槽1内における空調風の向きを考慮して、試料S1の向きをより細かく調整することができる。しかも、挿入突起部21Bを挿入孔16AAに挿入することにより、立掛け部21Aの向きを確実に固定することができる。これにより、試料の向きを揃えることができる。
【0050】
なお、挿入突起部21Bを挿入孔16AAに挿入することにより両パーツを固定する場合に限定されず、例えば両パーツに磁石を配置し、その磁力により立掛け部21Aの向きを保持するように構成されてもよい。また立掛け部21Aが平坦面ではなくてもよく、この場合でも、複数の試料用パーツ21を用いることにより試料を設置する際の向きを規定することができる。
【0051】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る環境試験用治具100Bを、図15を参照して説明する。実施形態3に係る環境試験用治具100Bは、基本的に実施形態2と同様の構成を備えるものであるが、試料用パーツ21に代えて配線用パーツ22を備えている点で実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
【0052】
実施形態3に係る環境試験用治具100Bは、取付台パーツ10A及び、試料用パーツ21に代えて又は試料用パーツ21に加えて、試料に通電する配線W1を支持するために用いられる配線用パーツ22(被取付パーツ)を備えている。図15に示すように、配線用パーツ22は、取付台パーツ10Aの差込口16Aに下端部が挿入された支持棒24と、支持棒24の上端部に取り付けられたリング状の配線固定端子23と、により構成されている。支持棒24及び配線固定端子23は、互いに別体であるがこれに限定されず、一体で構成されていてもよい。試料用パーツ21及び配線用パーツ22は、取付台パーツ10Aに対して選択的に取り付け可能である。
【0053】
なお、支持棒24として、試料用パーツ21(又は試料用パーツ20)が用いられてもよいがこれに限定されず、例えば円柱状の別部材が用いられてもよい。
【0054】
試料用パーツ21に代えて、配線用パーツ22(支持棒24)を差込口16Aに差し込み、配線固定端子23のリング孔に配線W1を通すことにより、配線W1を棚板2に固定することができる。これにより、試験槽1内における空調風の流れにより配線W1が動くのを防止することができる。また、本実施形態では配線W1を棚板2に固定することにより、配線W1の重みにより試料が倒れるという事態が生じるおそれを抑制することができる。このように、実施形態3に係る環境試験用治具100Bは、試料の設置だけでなく、配線W1を棚板2に固定する際の治具としても利用することができる。
【0055】
また配線固定端子23は突起部を有し、当該突起部を支持棒24の上端部に形成された孔に挿入可能となっていてもよい。当該突起部は平面視円形状を有し、配線固定端子23を回転させることによりその向きを自在に調整することができる。なお、当該突起部の形状は、平面視円形状には限定されず、他の形状であってもよい。また突起部を孔に挿入する構成にも限定されず、例えば配線固定端子23及び支持棒24に磁石を配置し、その磁力により両部材が固定されてもよい。なお、支持棒24に試料が立て掛けられてもよい。また取付台パーツにおける差込口の形状は、図3に示した四角形状であってもよい。
【0056】
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る環境試験用治具100Cを、図16を参照して説明する。実施形態4に係る環境試験用治具100Cは、基本的に実施形態2と同様の構成を備えるものであるが、試料用パーツ21に代えて電極パーツ25を備えている点、又は、試料用パーツ21に加えて電極パーツ25をさらに備えている点で実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
【0057】
図16に示すように、実施形態4に係る環境試験用治具100Cは、取付台パーツ10A及び、試料に通電する電極パーツ25(被取付パーツ)を備えている。電極パーツ25は、例えば金属などの導電性材料からなる棒部材であり、下端部が取付台パーツ10Aの差込口16Aに差し込まれている。試料用パーツ21及び電極パーツ25は、取付台パーツ10Aに対して選択的に取り付け可能である。
【0058】
なお、試料用パーツ21の内部が導電性材料で構成されていてもよく、その場合は、試料用パーツと電極パーツとを1つの部材で兼用することができる。したがって、試料用パーツ21及び電極パーツ25が取付台パーツ10Aに対して選択的に取り付け可能である場合に限定されない。
【0059】
取付台パーツ10Aの下面には、外部電源(図示しない)に接続された通電端子30が取り付けられ、当該通電端子30と電極パーツ25とが電気的に接続される。より具体的には、外部電源(図示しない)から延びる配線がコネクタ部30Aを介して通電端子30に接続されており、電極パーツ25に給電可能となっている。これにより、外部電源から電極パーツ25を介して試料に通電することができる。このように、実施形態4に係る環境試験用治具100Cは、電極を棚板2に固定する際の治具としても利用することができる。
【0060】
なお、図16では、試料S1が電極パーツ25に立て掛けられている状態を示しているが、試料S1が電極パーツ25に立て掛けられなくてもよい。また取付台パーツの差込口の形状は、図3に示した四角形状であってもよい。なお、電極パーツは、棒形状のものに限定されず、端子台形状のものでもよい。例えば、バナナソケット、ねじ端子、各種コネクタであってもよい。また、電極部は単数でも複数でもよい。
【0061】
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る環境試験用治具100Dを、図17を参照して説明する。実施形態5に係る環境試験用治具100Dは、基本的に実施形態2と同様の構成を備えるものであるが、試料用パーツの構成において実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
【0062】
図17に示すように、実施形態5における取付台パーツ10Aは、実施形態2と異なり、横ワイヤ4に対して下側から押さえ付けることにより、隣接する2本の横ワイヤ4の間に嵌め込まれている。このため、差込口16Aは、実施形態2と反対向き(下向き)に開口した状態となる。
【0063】
実施形態5における試料用パーツ26は、棚板2の下側に試料を設置するための部材であり、図17に示すように、試料を吊り下げ可能なように先端が上向きに折り返されたフック状の部材である。このように、実施形態5に係る環境試験用治具100Dは、棚板2の下側に試料を吊り下げる際の治具として利用することができる。なお、本実施形態において、取付台パーツの差込口の形状は、図3に示した四角形状であってもよい。また試料用パーツ26は、取付台パーツ10Aの差込口16Aに嵌合させる時の弾性力により保持されてもよいし、差込口16Aにねじ込むことによる摩擦力で保持されてもよいし、磁力により保持されてもよい。
【0064】
また本実施形態において、取付台パーツ10Aの下面板13側に開口する差込口16Aが設けられていてもよい。この場合、実施形態2と同様に取付台パーツ10Aを横ワイヤ4の上側から嵌め込み、取付台パーツ10Aの下側から試料用パーツ26を差し込むことができる。さらに、取付台パーツ10Aには、上側及び下側の両方に開口する差込口が設けられていてもよい。この場合、取付台パーツ10Aを横ワイヤ4の上側及び下側のどちらから嵌め込んだ場合でも、吊り下げ用の試料用パーツ26を取り付けることができる。
【0065】
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6に係る環境試験用治具100Eを、図18図25を参照して説明する。実施形態6に係る環境試験用治具100Eは、基本的に実施形態2と同様の構成を備えるものであるが、取付台パーツ10Eの構成において実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
【0066】
図18及び図22に示すように、取付台パーツ10Eは、試料用パーツが差し込まれる差込口19Aが設けられた基部19と、基部19に取り付けられた一対の板18(上面板16、下面板17)と、を有する。基部19は、中空状の円筒部であり、下面板17から上面板16の表面よりも上側まで延びている。
【0067】
上面板16と下面板17は、上下方向に互いに間隔を空けて配置されている。図18に示すように、上面板16は、平面視円形状を有し、その直径が隣接する2本の横ワイヤ4の間隔よりも大きくなっている。一方、下面板17は、平面視矩形状を有し、幅が横ワイヤ4の間隔よりも小さく、長さが横ワイヤ4の間隔よりも大きくなっている。
【0068】
上面板16の下面16A(下面板17側を向く面)及び下面板17の上面17A(上面板16側を向く面)の少なくとも一方に、周方向の高低差が形成されている。例えば、上面板16の下面16Aに周方向の高低差が形成されている。具体的には、図18中で斜線を付した高領域R1では、斜線を付さない低領域R2(周方向において高領域R1に隣接する領域)に比べて、上面板16の下面16Aが下面板17側に張り出しており、上面板16と下面板17との間隔が小さくなっている。
【0069】
また上面板16及び下面板17は、基部19を中心として回転可能となっている。上面板16を回転させることにより、周方向の任意の点において高領域R1と低領域R2が交互に通過するため、上面板16と下面板17との間隔を小さくし、又は大きくすることができる。
【0070】
図18図21は、取付台パーツ10Eを横ワイヤ4に取り付ける手順を順に示しており、図22図25は、図18図21の各々に対応する側面図である。
【0071】
まず、図18に示すように、下面板17の長手方向が横ワイヤ4に平行な状態とする。そして、図22に示すように、下面板17及び基部19を隣接する2本の横ワイヤ4の間に挿入し、上面板16の下面16Aを隣接する2本の横ワイヤ4の上に載せる。この状態では、図18に示すように、低領域R2が横ワイヤ4の上に位置している。このため、上面板16と下面板17との間隔が横ワイヤ4の径よりも大きく、横ワイヤ4は挟持されていない。
【0072】
次に、図18図21において順に示すように、上面板16及び下面板17を時計回りに回転させる。これにより、図22図25に示すように、上面板16と下面板17との間隔が次第に狭まり、回転終了時には、上面板16の下面16Aが横ワイヤ4の上部に接触すると共に下面板17の上面17Aが横ワイヤ4の下部に接触する。これにより、弾性力を用いることなく、上面板16と下面板17とにより、横ワイヤ4を上下方向に挟持することができる。なお、上面板16及び下面板17は、図18図21中において時計回りに回転可能である場合に限定されず、同図中において反時計回りに回転可能であってもよい。この場合、高領域R1における高低差の向き(図18における斜線領域中の矢印の向き)が逆になる。
【0073】
なお、上面板16が回転せず、下面板17のみを回転させることにより、横ワイヤ4を上下方向に挟持可能な構成となっていてもよい。また下面板17が回転せず、上面板16のみを回転させることにより、横ワイヤ4を上下方向に挟持可能な構成となっていてもよい。なお、上面板16と下面板17とは一体で回転してもよいし、別々に回転することにより横ワイヤ4を挟持するように構成されていてもよい。
【0074】
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7に係る環境試験用治具100Fを、図26及び図27を参照して説明する。実施形態7に係る環境試験用治具100Fは、基本的に実施形態2と同様の構成を備えるものであるが、取付台パーツ10Fの構成において実施形態2と異なっている。以下、実施形態2と異なる点についてのみ説明する。
【0075】
図26及び図27に示すように、取付台パーツ10Fは、試料用パーツが差し込まれる差込口41Aが設けられた基部41と、横ワイヤ4の外周面に沿って延びる形状を有すると共に横ワイヤ4に係止される一対の係止爪42と、当該一対の係止爪42を基部41に対して支持する支持部43と、を有する。取付台パーツ10Fは、弾性変形可能な材料(例えば樹脂)からなるものである。
【0076】
基部41は、中空状の円筒部であり、上下方向に延びている。図26に示すように、支持部43は、平面視四角形状(正方形状)を有する板であり、その幅が隣接する2本の横ワイヤ4の間隔よりも大きくなっている。
【0077】
一対の係止爪42は、支持部43の幅方向両側にそれぞれ設けられており、支持部43の下面から下方に向かって円弧状に延びている。図27に示すように、各係止爪42は、横ワイヤ4の外周面に沿って延びる円弧形状を有すると共に互いに対向する一対の係止片44を有し、弾性力により2本の横ワイヤ4を挟持するように構成されている。具体的には、係止爪42を横ワイヤ4に対して上方から押し付けることにより、一対の係止片44同士が押し広げられ、この時に生じる弾性力により横ワイヤ4を挟持することができる。
【0078】
なお、係止爪は、図27に示す形状のものに限定されず、例えば図28に示すように、支持部43の幅方向両端部から、下方且つ内方に向かって円弧状(曲線状)に延びる係止爪42Aが採用されてもよい。この場合、一対の係止爪42Aの弾性力により、複数の横ワイヤ4のうち2本の横ワイヤ4を、その配列方向の両側から挟持することができる。なお、この係止爪42Aは、図28に示すような円弧状のものに限定されず、例えば支持部43の幅方向両端部において、支持部43の下面から当該支持部43に対して垂直に延びていてもよい。
【0079】
なお、係止爪42は、樹脂からなる場合に限定されず、例えば金属を曲げ加工したものでもよい。この場合でも、弾性力により横ワイヤ4を挟持することができる。
【0080】
また本実施形態のように横ワイヤ4の上方から係止爪42を係止させる場合に限定されず、例えば横ワイヤ4に対して横方向から係止爪を係止させてもよい。具体的には、図29に示すように係止爪42Bを横向きに開口する形状とし、取付台パーツを横ワイヤ4間に嵌め込んだ後に横方向にスライドさせることにより、係止爪42Bを横ワイヤ4に係止させてもよい。この場合、係止爪42Bの弾性力により横ワイヤ4を挟持してもよいし、係止爪42Bから横ワイヤ4に弾性力が加わらなくてもよい。なお、弾性力が加わらない場合は、支持部43の下面に微小突起(図29)を設け、横ワイヤ4から係止爪42Bが外れるのを防止するのが望ましい。
【0081】
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8に係る環境試験用治具の各パーツを収容するケースについて、図30図33を参照して説明する。図30は、取付台パーツ10等を収納する取付台ケース120の構成を示しており、図31は、当該取付台ケース120が試験槽1の外面1Bに固定された状態を示している。以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」及び「前後方向」は、図30及び図31に示す方向に準じるものとする。
【0082】
取付台ケース120は、直方体形状の収納ケースであり、上部、前部及び右側部をそれぞれ開放可能に構成されている。図30は、取付台ケース120の上部、前部及び右側部がそれぞれ開放された展開状態を示している。取付台パーツ10は、取付台ケース120の長手方向に重なった状態で収納される。
【0083】
図30に示すように、取付台ケース120は、底面部106と後面部107と左側面部108とを一体化したケース本体103と、後面部107の上縁に接続された上面部101と、上面部101の前縁に接続された前面部102と、後面部107の右縁に接続された右側面部104と、を有する。前面部102には、複数の磁石102Aが設けられ、これらをケース本体103の前部に設けられた磁石103Bに合わせることにより、取付台ケース120を閉じることができる(図31)。
【0084】
後面部107には、取付台ケース120を試験槽1に固定するための複数の磁石103A(固定部材)が設けられている。図31に示すように、磁石103Aを試験槽1の外面1Bに付けることにより、取付台ケース120は、後面部107が外面1Bに接触した状態で試験槽1に固定される。
【0085】
また図31中の二点鎖線で示すように、取付台ケース120を試験槽1に固定した状態でケースを開く場合には、磁石102Aを試験槽1の外面1Bに付けることができる。これにより、取付台ケース120が開いた状態が維持されるため、取付台パーツ10を出し入れし易くなる。
【0086】
図32は、試料用パーツ21等を収納する試料用パーツケース110の構成を示しており、図33は、当該試料用パーツケース110が試験槽1の外面1Bに固定された状態を示している。以下の説明において、「上下方向」、「左右方向」及び「前後方向」は、図32及び図33に示す方向に準じるものとする。
【0087】
試料用パーツケース110は、取付台ケース120と同様に直方体形状の収納ケースであり、上部及び前部の一部がそれぞれ開放可能に構成されている。図32は、試料用パーツケース110の上部及び前部の一部がそれぞれ開放された展開状態を示している。
【0088】
図32に示すように、試料用パーツケース110は、底面部116と後面部117と左側面部118と右側面部114とを一体化したケース本体113と、後面部117の上縁に接続された上面部111と、上面部111の前縁に接続された前面部112と、を有する。前面部112には、複数の磁石112Aが設けられ、これらをケース本体113の前部に設けられた磁石113Bに合わせることにより、試料用パーツケース110を閉じることができる(図33)。
【0089】
後面部117には、試料用パーツケース110を試験槽1に固定するための複数の磁石113A(固定部材)が設けられている。図33に示すように、磁石113Aを試験槽1の外面1Bに付けることにより、試料用パーツケース110は、後面部117が外面1Bに接触した状態で試験槽1に固定される。
【0090】
また図33中の二点鎖線で示すように、試料用パーツケース110を試験槽1に固定した状態でケースを開く場合には、磁石112Aを試験槽1の外面1Bに付けることができる。これにより、試料用パーツケース110が開いた状態が維持されるため、試料用パーツ21を出し入れし易くなる。
【0091】
(その他実施形態)
最後に、本発明のその他実施形態について説明する。
【0092】
試料固定部材は、棚板2に限定されるものではなく、例えば棚板2上に配置されると共に互いに間隔を空けて配置された複数のワイヤを有する試料カゴであってもよい。そして、取付台パーツを試料カゴのワイヤを挟持するように取り付けてもよい。
【0093】
また試料固定部材は、図34に示すような網目状の棚板であってもよい。この場合、図35に示すように、上面板12に4本のワイヤ6が接触し、且つ1~4本のワイヤ6が挟持されてもよい。また図36に示すように、上面板12に2本のワイヤ6が接触し、且つ1~2本のワイヤ6が挟持されてもよい。また図37に示すように、上面板12に3本のワイヤ6が接触し、且つ1~3本のワイヤ6が挟持されてもよい。
【0094】
1つの取付台パーツに1つの差込口が設けられる場合に限られず、1つの取付台パーツに複数の差込口が設けられてもよい。
【0095】
取付台パーツ上において、複数本の試料用パーツを長さ方向に重ねて接続することにより、様々な高さの立て掛け棒を作製してもよい。
【0096】
配線用パーツや電極パーツを収納するためのケースがさらに設けられてもよい。
【0097】
取付台パーツにより挟持されるワイヤの本数は、1本でもよいし、3本以上でもよい。具体的には、図38に示すように、隣接する2本の横ワイヤ4のうち一方の横ワイヤ4のみを上面板12と下面板13とにより挟持し、他方の横ワイヤ4に上面板12を載せる構成としてもよい。また図39に示すように、隣接する2本の横ワイヤ4のうち一方の横ワイヤ4のみを係止爪42により挟持し、他方の横ワイヤ4に支持部43を載せる構成としてもよい。また図40に示すように、隣接する3本の横ワイヤ4のうち真ん中の横ワイヤ4のみを係止爪42により挟持し、残り2本の横ワイヤ4に支持部43を載せる構成としてもよい。
【0098】
また2本のワイヤを挟持する場合において、以下の変形例が挙げられる。図41に示すように、支持部43の下面に3つの係止爪42が設けられ、当該3つの係止爪42のうち幅方向両端側の2つの係止爪42により横ワイヤ4を挟持してもよい。つまり、設けられた全ての係止爪42が横ワイヤ4を挟持する場合には限定されない。また図42に示すように、隣接する3本の横ワイヤ4のうち真ん中の横ワイヤ4を除いた2本の横ワイヤ4を係止爪42により挟持するように構成してもよい。つまり、取付台パーツは、隣接しない複数の横ワイヤ4を挟持してもよい。
【0099】
また取付台パーツは、異なる間隔で配置されたワイヤを挟持可能なように構成されていてもよい。つまり、取付台パーツは、ワイヤ間隔の規定値が異なる別種類の棚板や、一枚の棚板においてワイヤ間隔が均等でない場合でも、対応可能に構成されていてもよい。
【0100】
具体的には、図43に示すように、基部14から図中右方に延びる上面板12及び下面板13が、基部14から図中左方に延びる上面板12及び下面板13より長くてもよい。また図44に示すように、図中右側の係止爪42Bが図中左側の係止爪42Bよりも横方向に長くてもよい。また図45に示すように、支持部43は、横方向に開口する側面視コの字形状の第1部分43Aと、当該第1部分43Aの溝内を横方向にスライド可能な第2部分43Bと、を含み、第1部分43A及び第2部分43Bの各々の下面に係止爪42が設けられていてもよい。この場合、ワイヤ間隔に応じて係止爪42同士の間の距離を調整することができる。また図46に示すように、取付台パーツは、隣接する2本の横ワイヤ4のうち一方の横ワイヤ4の側部に接触する固定部43Cと、当該固定部43Cに対してバネなどの弾性部材43Eにより接続された可動部43Dと、を有していてもよい。
【0101】
また取付台パーツは、異なる太さのワイヤを挟持可能なように構成されていてもよい。具体的には、図47に示すように、下面板13を上面板12に向かって移動させることにより両板の間隔を横ワイヤ4の太さに応じて調整し、横ワイヤ4が上下に挟持された状態でネジなどの締結部材90により上面板12と下面板13とを互いに締結するように構成されてもよい。また図48に示すように、取付台パーツは、水平板91と、当該水平板91の下面に取り付けられた側面視L字形状の一対の挟持片92と、当該挟持片92に対して回動自在に取り付けられたクランプ93と、を有するものであってもよい。この構成によれば、挟持片92とクランプ93とにより横ワイヤ4を挟持し、その状態でネジなどの締結部材94により挟持片92とクランプ93とを互いに固定することができる。
【0102】
取付台パーツは、上述したように平面視正方形状のものに限定されず、例えば平面視円形状、平面視長方形状などの任意の形状のものを採用することができる。また取付台パーツは、図4に示すように隣接する横ワイヤ4の中間点を基準に左右対称なものに限定されず、左右非対称なものでもよい。また上面板12及び下面板13の形状が互いに異なっていてもよい(例えば、上面板12が正方形状であり、下面板13が長方形状)。
【0103】
取付台パーツの取付方向と、被取付パーツの取付方向が、異なる方向であってもよい。例えば、取付台パーツが下方から取り付けられるものであって、当該取付台パーツの上方に被取付パーツが取り付けられる等の構成であってもよい。
【0104】
また取付台パーツは、上面板12と下面板13との間隔が横ワイヤ4の外径よりも大きく、取付台パーツを試料固定部材に取り付けた際に、横ワイヤ4と下面板13との間に隙間が形成されるようなものでもよい。この場合、ネジ等により上面板12と下面板13とを締め付ける構成とするのが望ましい。
【0105】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと解されるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0106】
1 試験槽
2 棚板(試料固定部材)
4 横ワイヤ
10,10A,10E,10F 取付台パーツ
11,18 一対の板
12,16 上面板
13,17 下面板
14,14A,19,41 基部
20,21,26 試料用パーツ(被取付パーツ)
22 配線用パーツ(被取付パーツ)
25 電極パーツ(被取付パーツ)
42 係止爪
43 支持部
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F 環境試験用治具
103A 磁石(固定部材)
110 試料用パーツケース
113A 磁石(固定部材)
120 取付台ケース
S1 試料
W1 配線
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