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  • 特許-モータコントロールセンタ 図1
  • 特許-モータコントロールセンタ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】モータコントロールセンタ
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
G05B19/05 L
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019018863
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020126475
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】田村 新
(72)【発明者】
【氏名】川合 達也
【審査官】大古 健一
(56)【参考文献】
【文献】特許第5948521(JP,B1)
【文献】特開平9-262729(JP,A)
【文献】特開2009-5361(JP,A)
【文献】特開2005-157747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/04 -19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブル・ロジック・コントローラが接続されており、
複数の各ユニットに設けられ、前記プログラマブル・ロジック・コントローラにより制御される複数のモータマルチリレーと、
複数の前記モータマルチリレーにそれぞれ電力を供給及び信号を送信する複数の内部電力線と、
複数の前記内部電力線に設けられた複数の入出力制御部と、
前記プログラマブル・ロジック・コントローラと複数の前記入出力制御部とに信号線を介して接続され、複数の前記モータマルチリレーのうち制御する前記モータマルチリレーを選択するための接続先選択部と、を備え、
前記入出力制御部と前記モータマルチリレーに設けられた信号入出力部は、前記内部電力線からの信号の取り出し、及び前記内部電力線への信号の出力を実施し、
前記内部電力線を用いて前記プログラマブル・ロジック・コントローラと前記モータマルチリレーとの間で信号を送受信するモータコントロールセンタ。
【請求項2】
電力を供給する主電源を備え、
前記主電源と前記内部電力線との間には前記各ユニット毎にトランスが備えられており、前記各ユニットにおいて前記内部電力線と前記モータマルチリレーとが接続されている請求項1載のモータコントロールセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、モータコントロールセンタに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のモータマルチリレーを集中して管理するモータコントロールセンタにおいては、モータマルチリレーを制御するプログラマブル・ロジック・コントローラと、モータを制御する各モータマルチリレーとを、信号の伝送ケーブルで一対一に接続することが必要となる。複数のモータコントロールセンタを備えるいわゆる盤群を考慮すれば、伝送ケーブルは膨大な規模となり、伝送ケーブルを設置するためには大きな工数が必要となる。また、伝送ケーブルはモータコントロールセンタの郡単位で設置されるものが一般的であることから、モータコントロールセンタの一部のユニットに対して伝送ケーブルを設置することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-81901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の各モータマルチリレーとプログラマブル・ロジック・コントローラとを一対一接続する伝送ケーブルを不要とするモータコントロールセンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係るモータコントロールセンタは、プログラマブル・ロジック・コントローラが接続されており、複数の各ユニットに設けられ、前記プログラマブル・ロジック・コントローラにより制御される複数のモータマルチリレーと、複数の前記モータマルチリレーにそれぞれ電力を供給及び信号を送信する複数の内部電力線と、複数の前記内部電力線に設けられた複数の入出力制御部と、前記プログラマブル・ロジック・コントローラと複数の前記入出力制御部とに信号線を介して接続され、複数の前記モータマルチリレーのうち制御する前記モータマルチリレーを選択するための接続先選択部と、を備え、前記入出力制御部と前記モータマルチリレーに設けられた信号入出力部は、前記内部電力線からの信号の取り出し、及び前記内部電力線への信号の出力を実施し、前記内部電力線を用いて前記プログラマブル・ロジック・コントローラと前記モータマルチリレーとの間で信号を送受信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るモータコントロールセンタの概略構成を示すブロック図
図2】第2実施形態に係るモータコントロールセンタの概略構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の複数の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通または関連する要素、または実質的に同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係るモータコントロールセンタ1(以下、MCCと称する)の概略構成を示す図である。MCC1は、複数のユニット2を備えており、各ユニット2には、図示しないモータを制御するモータマルチリレー4(以下、MMRと称する)及び図示しないその他の機器を備えている。MCC1には、プログラマブル・ロジック・コントローラ12(以下、PLCと称する)が接続されている。PLC12は、MMR4を制御する制御装置である。
【0009】
MCC1は備える複数のMMR4には、主電源6から電力が供給されて駆動する。主電源6から供給される電力は、変圧器であるトランス8(図中では、TRと表記する)によって電圧変換されて、1本の内部電力線14を介して複数のMMR4のそれぞれに供給されている。
【0010】
主電源6から供給される電源は例えば400Vであり、トランス8により例えば100Vに変圧されて内部電力線14に供給される。主電源6に供給される三相交流電源のR相、S相、T相のうち、例えば、T相とR相から供給される電力がトランス8によって変圧されて内部電力線14に供給される。MMR4は、内部電力線14によって供給される電力によって動作している。第1実施形態においては、主電源6と内部電力線14との間には一つのトランス8が設けられている。
【0011】
各MMR4は一つの共通の内部電力線14に接続されている。内部電力線14には一つの入出力制御部10が接続されている。各MMR4と入出力制御部10とは内部電力線14により接続される。複数の各MMR4は内部電力線7を介して1本の内部電力線14に共通に接続されている。
【0012】
各MMR4は、内部電力線7および内部電力線14を介して、主電源6から電力の供給を受けている。各MMR4とPLC12は、内部電力線7及び内部電力線14を介して接続されており、電力の供給及び各種信号の送受信を行っている。
【0013】
入出力制御部10は内部電力線14において電力に重畳して送信される制御信号、データ信号、その他の信号を抽出して取り出し、信号線16を介してPLC12に信号を送信する。また、入出力制御部10は、PLC12からMMR4に送信される制御信号、データ信号、その他の信号を内部電力線14に重畳させてMMR4に送信する。入出力制御部10は、信号線16と内部電力線14との間で、信号を入出力する信号入出力制御部として機能する。
【0014】
MMR4は信号入出力部5を備えている。各ユニット2において内部電力線14とMMR4が内部電力線7を介して接続されている。信号入出力部5は内部電力線7に接続されており、内部電力線7から電力に重畳してMMR4に送信される信号を抽出して取り出す。この信号は例えばPLC12から送信されるMMR4の制御信号である。また、内部電力線7により供給される電力によりMMR4が駆動され、図示しないモータを制御している。これによりMMR4の駆動が制御される。
【0015】
また、信号入出力部5は、MMR4からPLC12に送信される信号を電力に重畳させて内部電力線7に出力する。この信号は例えば警報出力信号である。警報出力信号は、MMR4が駆動制御する図示しないモータの過負荷や、地絡が生じた際にPLC12に送信される。
【0016】
このように、複数のMMR4とPLC12との間で、内部電力線7、内部電力線14及び信号線16、及び信号入出力部5、入出力制御部10により、電力線通信によって信号を送受信可能に構成されたコンピュータ・ネットワークが構築されている。これによりPLC12とMMR4との間で種々の信号を送受信することができる。
【0017】
第1実施形態に係るMCC1によれば、以下の効果を奏する。
MMR4とPLC12とは、内部電力線14、入出力制御部10、信号線16を介して接続されている。すなわち、MMR4とPLC12とは、自己の電力線である内部電力線14に相互に接続されており、自己の電力線を用いて信号を送受信可能に構成されている。信号入出力部5及び入出力制御部10により、内部電力線14を介して送受信される信号の取り出しにより受信される。また、信号入出力部5及び入出力制御部10により、信号を内部電力線14の電力に重畳して出力する。
【0018】
この構成によれば各MMR4とPLC12と間を直通する伝送ケーブルにより接続する必要が無くなるため、膨大な規模の伝送ケーブルを設置するための大きな工数を削減することができる。また、上記構成によれば、MCC1の一部のユニット2に設けられた任意のMMR4に対してPLC12とMMR4の間を接続することも容易となる。従って、かかる構成によれば、ユーザにとって拡張性が良好な伝送システムを有するMCC1を提供することができる。
【0019】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図2は第2実施形態に係るモータコントロールセンタ1の概略構成を示す図である。MCC1は、複数のユニット32を備えており、各ユニット32毎に、トランス36、及び、図示しないモータを制御するモータマルチリレー34を備えている。
【0020】
トランス36は主電源38に接続されており、主電源38から電力が供給されている。主電源38から供給される電力は、変圧器であるトランス8によって電圧変換されて、内部電力線37に供給される。MMR34は内部電力線41を介して内部電力線37に接続されており、これにより電極の供給を受けている。このように各ユニット32毎に設けられた各MMR4毎に主電源38に接続されるトランス36を備えており、この構成は、各MMR34を駆動させる駆動電圧が各ユニット32毎に異なる場合に対応している。
【0021】
主電源38から供給される電源は例えば例えば400Vであり、トランス36により例えば100Vに変圧されて内部電力線37に供給される。主電源38に供給される三相交流電源のR相、S相、T相のうち、例えば、T相とR相から供給される電力がトランス8によって変換されて内部電力線37に供給される。MMR4は、内部電力線41を介して内部電力線37によって供給される電力によって動作している。
【0022】
各MMR4とPLC12は、信号線16、ルータ44、信号線48、入出力制御部42、及び内部電力線37、内部電力線41を介して接続されることにより各種信号の送受信を行っている。このように、MMR4とPLC12とは、電力線通信により通信可能に構成されている。
【0023】
各MMR34には、それぞれ内部電力線37、入出力制御部42、および信号線48が接続されている。また、MMR34は、信号入出力部40を備えている。信号線16とそれぞれの信号線48との間には、ルータ44が介在している。ルータ44により、PLC12と信号の送受信を行う信号線48を選択することにより、制御するMMR34を選択している。ルータ44は接続先選択部として機能する。
【0024】
入出力制御部42は内部電力線37において電力に重畳して送信される制御信号、データ信号、その他の信号を抽出して取り出し、信号線48に送る。また、入出力制御部10は、PLC12から各MMR4に送信される制御信号、データ信号、その他の信号を内部電力線14に重畳させて出力し、各MMR4に送信する。入出力制御部10は、信号線16と内部電力線14との間で、信号を入出力する信号入出力制御部として機能する。
【0025】
MMR34は信号入出力部40を備えている。信号入出力部40は内部電力線41に接続されており、内部電力線41から電力に重畳してMMR4に送信される信号を抽出して取り出す。この信号はPLC12から送信されるMMR4の制御信号である。また、内部電力線41により供給される電力によりMMR4が駆動され、信号入出力部40が取り出した制御信号により図示しないモータを制御している。
【0026】
また、信号入出力部40は、MMR34からPLC12に送信されるデータ信号を電力に重畳させて内部電力線41に出力する。この信号は例えば警報出力信号である、警報出力信号は、MMR4が駆動制御する図示しないモータの過負荷や、地絡が生じた際にPLC12に送信される。主電源38と内部電力線37との間には各ユニット32毎にトランス36が備えられており、各ユニット32において内部電力線37とMMR34が信号入出力部40を介して信号の授受を行っている。
【0027】
上記の構成によりPLC12とMMR4との間で種々の信号を送受信することができる。このように、内部電力線7、内部電力線14及び信号線16により、複数のMMR4とPLC12との間で、電力線通信によって信号を送受信可能なコンピュータ・ネットワークが構築されている。
第2実施形態に係るMCC1によれば、第1実施形態に係るMCC1と同様の効果を奏する。
【0028】
以上のように、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1…モータコントロールセンタ、2、32…ユニット、4、34…モータマルチリレー、5、40…信号入出力部、7、14、37、41…内部電力線、6、38…主電源、8、36…トランス、10、42…入出力制御部、12…プログラマブル・ロジック・コントローラ、16、48…信号線、44…ルータ
図1
図2