(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】飲食物搬送装置の飲食物管理装置
(51)【国際特許分類】
A47G 23/08 20060101AFI20230823BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
(21)【出願番号】P 2019132564
(22)【出願日】2019-07-18
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】396011174
【氏名又は名称】くら寿司株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】庄司 吉男
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大介
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-033886(JP,A)
【文献】特開平11-076032(JP,A)
【文献】特開2006-271878(JP,A)
【文献】特開2016-123788(JP,A)
【文献】特開2002-238723(JP,A)
【文献】特開2007-014665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 23/00~23/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厨房から飲食物を飲食物収容体により循環搬送路で搬送し、客室における前記循環搬送路に沿って配置された複数の座席の顧客に前記飲食物を提供するようにした飲食物搬送装置の飲食物管理装置であって、飲食物管理装置は、前記飲食物収容体に設けるICタグと、前記搬送路を介して搬送される飲食物収容体のICタグから前記飲食物収容体に収容された飲食物の情報を読み取るための読み取り装置と、前記飲食物収容体に飲食物が収納されているか否かを検出するための飲食物検出器と、前記読み取り装置により読み取った情報及び前記飲食物検出器により検出した情報に基づいて前記搬送路を介して搬送される飲食物の情報を算出するためのコントローラが備えられ、前記読み取り装置は、少なくとも循環搬送路における厨房の出口側に設けられ、前記飲食物検出器は、前記循環搬送路における前記各座席の上流側と下流側にそれぞれ配置され、前記読み取り装置で読み取った飲食物情報と、前記上流側の飲食物検出器及び下流側の飲食物検出器の検出情報に基づいて前記上流側の飲食物検出器で検出された飲食物が下流側の
飲食物検出器で検出されたか否かの検出結果により、各座席で消費された飲食物の種類とその消費量を前記コントローラにより算出するようにし、
また各座席には、顧客の注文を入力する注文入力装置が備えられ、前記注文入力装置により注文された情報と前記読み取り装置で読み取った飲食物情報及び前記飲食物検出器の検出結果により算出された飲食物の情報に基づいて各座席の飲食料金を算出することを特徴とする飲食物搬送装置の飲食物管理装置。
【請求項2】
会計処理を行うレジ装置が備えられ、コントローラは、各座席で消費された飲食物の消費量と飲食物の種類の算出結果を注文入力装置に表示するとともに、各座席で消費された飲食物の種類と消費量を前記レジ装置に送り、レジ装置は、消費された飲食物の少なくとも金額を提示するようにしていることを特徴とする請求項1に記載の飲食物搬送装置の飲食物管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物搬送装置によって搬送される飲食物を管理するための管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転寿司店では、特開2007-14665号公報にも見られるように、厨房から飲食物を飲食物収容体により循環搬送路で搬送し、循環搬送路に沿って配置された複数の座席の顧客に前記飲食物を提供するようにしている。
ところで以上の回転寿司店における会計方法は、まず、客が飲食した飲食テーブルで、飲食後の皿を店員が皿ごとに集計し、その集計結果を用紙に記入して客に渡す。
そして客は店員から受け取った用紙をレジに持参し、店員はその用紙に記載された集計結果から合計金額を計算して客に請求し、客がその金額を支払う。
しかし、このような会計方法では、皿の集計やレジでの入力等に時間がかかるため非効率であるし、集計ミス等が発生しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、各座席で消費された飲食物の消費量とその種類を管理することの出来る飲食物搬送装置の飲食物管理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、厨房から飲食物を飲食物収容体により循環搬送路で搬送し、客室における前記循環搬送路に沿って配置された複数の座席の顧客に前記飲食物を提供するようにした飲食物搬送装置の飲食物管理装置であって、飲食物管理装置は、前記飲食物収容体に設けるICタグと、前記搬送路を介して搬送される飲食物収容体のICタグから前記飲食物収容体に収容された飲食物の情報を読み取るための読み取り装置と、前記飲食物収容体に飲食物が収納されているか否かを検出するための飲食物検出器と、前記読み取り装置により読み取った情報及び前記飲食物検出器により検出した情報に基づいて前記搬送路を介して搬送される飲食物の情報を算出するためのコントローラが備えられ、前記読み取り装置は、少なくとも循環搬送路における厨房の出口側に設けられ、前記飲食物検出器は、前記循環搬送路における前記各座席の上流側と下流側にそれぞれ配置され、前記読み取り装置で読み取った飲食物情報と、前記上流側の飲食物検出器及び下流側の飲食物検出器の検出情報に基づいて前記上流側の飲食物検出器で検出された飲食物が下流側の飲食物検出器で検出されたか否かの検出結果により、各座席で消費された飲食物の種類とその消費量を前記コントローラにより算出するようにし、また各座席には、顧客の注文を入力する注文入力装置が備えられ、前記注文入力装置により注文された情報と前記読み取り装置で読み取った飲食物情報及び前記飲食物検出器の検出結果により算出された飲食物の情報に基づいて各座席の飲食料金を算出することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の飲食物搬送装置の飲食物管理装置において、会計処理を行うレジ装置が備えられ、コントローラは、各座席で消費された飲食物の消費量と飲食物の種類の算出結果を注文入力装置に表示するとともに、各座席で消費された飲食物の種類と消費量を前記レジ装置に送り、レジ装置は、消費された飲食物の少なくとも金額を提示するようにしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、各座席で消費された飲食物の消費量並びに飲食物の種類を自動的に算出して、各座席の飲食料金を自動的に算出することが出来る。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、各座席で消費された飲食物の金額が提示され、レジ装置での料金の支払いがスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】飲食物搬送装置が備えられた店舗内を平面的に表した説明図。
【
図6】飲食物搬送装置に搭載した飲食物収容体の側面図。
【
図8】飲食物管理装置の作動を説明するための店舗内の概略説明図。
【
図9】飲食物管理装置の作動を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、寿司店舗内を平面的に表したものである。
この寿司店舗は、
図1及び
図2に示されるように、客室S2に設置する各座席Tのテーブルと、厨房Slの前面乃至各座席Tのテーブルに沿って配置した仕切ハウジング2と、仕切ハウジング2上に周回状に設けられて厨房Sl内で皿Pに盛った寿司等を各座席Tに搬送するための循環搬送路3を備えた飲食物搬送装置4が備えられている。
【0010】
仕切ハウジング2は、
図2に示すように、所定間隔開けて相対向する側壁21・22とこれら両側壁21・22の上端及び下端を結ぶ上壁23及び底壁から断面ボックス状に形成されたものであって、厨房Slの前面に沿って配設されてこの厨房S1と客室S2とを区画する第1ハウジング部2aと、第1ハウジング部2aの長手方向両端から屈曲して客室S2内に平行に延びる第2、第3、第4ハウジング部2b・2c・2dとから成り、第2、第3・第4ハウジング部2b・2c・2dにおける側壁21・22の外側方には、前記したテーブルが配置されている。
【0011】
飲食物搬送装置4を構成する循環搬送路3は、各ハウジング部2a・2b・2c・2dの上壁23に設けた凹所31と、この凹所31内をモータ駆動により循環移動する無端状のフラットチエンコンベア32が備えられているのであって、このフラットチエンコンベア32が特許請求範囲に記載の循環搬送路3を構成している。
なお容器としての皿Pは、既知のとおり、平面視円形の皿板P1とこの皿板P1の下面より下方に突出する円筒状の高台P2から構成されている。
また
図2おいて40は、飲食物搬送装置3における循環搬送路3の上方に配設された注文搬送装置であって、飲食物搬送装置4における循環搬送路3の往路部分及び復路部分の上方位置にそれぞれ配設されている。
この注文飲食物搬送装置40は、注文の飲食物を載せて搬送するベルトコンベヤから構成されている
また各座席Tには、顧客の注文を入力するタッチパネルから構成される注文入力装置TPが備えられ、入力された注文情報は厨房S1のモニターに送信されるようにしている。
注文入力装置TPにより注文された飲食物は、注文飲食物搬送装置40によって、厨房S1からそれを注文した座席Tの顧客へダイレクトに搬送するようにしている。
【0012】
また図において符号5で示す飲食物収容体は、飲食物搬送装置4の搬送路3、即ちフラットチエンコンベア32上に載せて用いるものであり、次にこの飲食物収容体5を説明する。
飲食物収容体5は、基本的には、例えば寿司が盛られた皿Pを載置するための容器載置部60を有する載置台6と、この載置台6の容器載置部60上を覆うための蓋体7と、容器載置部60上への皿Pの載置に伴い蓋体7を閉動作させるとともに容器載置部60上からの皿Pの取り出しに伴い蓋体7を開動作させるための開閉機構8から構成されている。
【0013】
載置台6は、
図4にも示されるように、容器載置部60が円筒状のべース筒61の上端に一体に形成されている。この容器載置部60は、平面視円形のプレート状に形成された載置板62から構成され、この載置板62上に皿Pが載置されるようになっている。
また載置板62の上面には、皿Pの高台P2の下端部外周が係合可能なストッパ62aが突設されている。このストッパ62aの内周面は、高台P2の外周面に沿って密接する平面視湾曲状に形成されている。
【0014】
蓋体7は、
図3にも示すように、椀状に形成された蓋本体71と、この蓋本体71の後端部から下方に延びる左右一対のアーム片72を備えている。蓋体7は、前記の容器載置部60の上面に対して開閉可能に取り付けられ、容器載置部60に載置された皿P上の飲食物(寿司F)を蓋本体71で覆うようになっている。
具体的には、枢軸73がアーム片72に一体形成されている。容器載置板62の上面後端部には、アーム片72の外側位置でアーム片72と対向する左右一対の支持片63が突設されている。この支持片63の上部には、嵌合孔が開けられており、この嵌合孔への枢軸73の嵌合により、蓋本体71が容器載置部60に対し枢軸73を支点にして上下方向に揺動可能に支持される。
また蓋本体71の外周縁には手指が通過可能な切り欠き74が設けられ、皿Pの取り出しに際しては、この切り欠き74の部分から手指を入れて皿板P1の周縁部を掴むようにしている。
【0015】
開閉機構8は、
図4及び
図5にも示すように、載置台6の容器載置部60の上面に前後方向にスライド可能に設けられた作動体81と、この作動体81を容器載置部60の前方向に向かって付勢させるための付勢手段としてのコイルスプリング82を備えている。
作動体81には、その下面に左右一対のガイド部材83とコイルスプリング82の取付片84が突設されている。このガイド部材83は容器載置部60の載置板62に開設された前後方向に延びるガイド孔62aに前後移動自由に遊挿されており、また取付片84は、載置板62に開設された前後方向に延びる長孔62bに前後移動自由に遊挿されている。コイルスプリング82は、前記した取付片84と、載置板62の下面の前部側に設けられた取り付け片62cとの間に架け渡されている。これにより、作動体81は、載置板63上においてガイド部材83を介しガイド孔(図示せず)に沿って前後方向に移動可能に構成されている。また、作動体81は、後方への移動に伴って伸びるコイルスプリング82のばね反力により前方向(
図5において右方向)に常に付勢されている。
【0016】
作動体81には、皿Pの高台P2の外周面が密接するように平面視湾曲面状の受け止め面81aが形成されている。また、作動体81の後端部両側には、上方に延びる左右一対の突片85が設けられ、これら突片85の外側面には連結軸86が突設されている。これらの連結軸86は、アーム片72の下端部に形成されたスリット状の長孔75に介装されることで、作動体81の後方(
図4において左方向)へのスライドに伴って蓋本体71が閉鎖方向に揺動するとともに作動体81の前方へのスライドに伴って蓋本体71が開放方向に揺動するようになっている。
【0017】
以上の飲食物収容体5において、皿Pが容器載置部60の載置板62上に載置されていない状態では、作動体81がスプリング82のばね反力により容器載置部60に対して前方に移動しているので、蓋本体71は
図3にも示すように開放状態に維持されている。
【0018】
以上の構成からなる飲食物収容体5の使用態様を説明する。
先ず、調理人が寿司Fを皿Pの皿板P1上に盛った後、皿板P1の周縁部を手で持って、フラットチエンコンベア32上に置かれた飲食物収容体5の載置板62上に皿Pを載せる。そして、そのPを載置板62に対して後方に向けて押し込む。すると、開閉機構8の作動体81が受け止め面81aを介して皿Pの高台47の外周面で押されて後方に移動する。これにより、作動体81の連結軸86が蓋体7の長孔75を後向きに押すので、蓋本体71が枢軸73を中心として載置板62の上面を閉じる方向に揺動する。そして、高台42の下端部前側の外周面がストッパ62aに係合するところまで皿Pが後方に移動した時点で、
図6にも示すように、高台P2の前部及び後部が容器載置部60のストッパ62aと作動体81の受け止め面81aとにより挟持される。これにより、皿板P1上の寿司Fが蓋本体71で覆われる位置で皿Pが載置台6上に保持されるとともに、蓋本体71も閉鎖位置で保持されるので不用意に開かない。
【0019】
一方、顧客は、蓋本体71の切り欠き74を介して外周縁の外方に一部突出している皿板P1の縁部分を手で持って皿Pを持ち上げると、ストッパ62aと高台P2との当接が解除されて、作動体81がスプリング82の作用により復動し、これにより、蓋本体71は開いて開放状態が維持される。
【0020】
本発明は、飲食物収容体5に収容されて飲食物搬送装置4により搬送される飲食物を管理するための飲食物管理装置であって、次にこの飲食物管理装置を説明する。
図に示す飲食物管理装置は、飲食物収容体5に設けられたRFIDと称されるICタグ9と、搬送路3を介して搬送される飲食物収容体5のICタグ9から前記飲食物収容体5に収容された飲食物の情報を読み取るための読み取り装置1と、
飲食物収容体5に飲食物が収納されているか否かを検出するための飲食物検出器10と、読み取り装置1により読み取った情報及び飲食物検出器10により検出した情報に基づいて搬送される飲食物の情報を算出するためのコンピューターから構成されたコントローラ11と、会計処理を行うレジ装置12が備えられている。
【0021】
ICタグ9は、蓋体7の上面に着脱可能に取り付けられるホルダー90に装着されている。
ホルダー90は、蓋体7の頂部に設けた貫通孔76に挿嵌可能な脚部91と、飲食物の種類名を掲載するための掲載部92が備えられ、前記脚部91を貫通孔76に挿嵌することで、蓋体7に対して取り外し可能に取り付けられる。
なお掲載部92には、ICタグ9に書き込まれた固有番号と対応する飲食物の種類が掲載される。
読み取り装置1は、厨房の出口側の循環搬送路3上と、第1、第2、第3ハウジング部2dの先端端部における循環搬送路3上と、厨房の出口側の循環搬送路3上にそれぞれ設けられている
読み取り装置1は、リーダー本体RとアンテナAから構成された既知構造のICタグリーダーが用いられ、アンテナAが循環搬送路3の上方に配置され、アンテナAを介してリーダー本体Rで、各ICタグ9の固有番号やあらかじめライターにより書き込んだ飲食物の種類などの飲食物情報を読み取るようにしている。
【0022】
飲食物検出器10は、循環搬送路3における各座席Tの上流側と下流側にそれぞれ配置されている。
飲食物検出器10は、
図2に示すように、1つの発光素子Lと上下2段に配置した2個の受光素子M1・M2から構成され、発光素子Lが循環搬送路3の搬送方向と直交する方向一方側に、また受光素子M1・M2が循環搬送路3の搬送方向と直交する方向他方側にそれぞれ配置されている。
そして、飲食物検出器10は、飲食物収容体5が飲食物検出器10を通過する時点で、発光素子Lから照射される光が載置台6で遮られて下部受光素子M2で受光されないようにするとともに、この時、飲食物収容体5から飲食物が盛られた皿Pが取り出されて蓋体7が開いていると、発光素子Lから照射される光は上部受光素子M1で受光されるのに対して、皿Pが取り出されずに蓋体7が閉じている状態では、発光素子Lから照射される光は主として皿Pで遮られて上部受光素子M1で受光されないようにしている。
【0023】
コントローラ11は、読み取り装置1で読み取った飲食物情報と、各座席Tの上流側に位置する飲食物検出器10及び下流側に位置する飲食物検出器10の検出情報に基づいて上流側に位置する飲食物検出器10で検出した飲食物が下流側に位置する飲食物検出器10で検出されたか否かの検出結果とにより、各座席Tで消費された飲食物の消費量と飲食物の種類を算出し、その算出結果を注文入力装置TPに表示するとともに、消費された飲食物の数量及び種類が清算情報として会計処理を行うレジ装置12に送られ、レジ装置12は、消費された飲食物の種類や金額を提示して、顧客からの料金受領等を行うようにしている。
【0024】
次に以上の飲食物管理装置の作用を説明する。
飲食物としての寿司を収容した飲食物収容体5が循環搬送路3により厨房S1から客室S2に順次搬送されるのであって、先ず、循環搬送路3における厨房S1の出口側に設けられた読み取り装置1により、各食物収容体に設けたICタグ9から飲食物収容体5内の皿Pに盛られた飲食物の種類や番号などの飲食物情報が読み取られて、その情報がコントローラ11の記録部に送られる。
続いて各座席Tの上流側に位置する飲食物検出器10及び下流側に位置する飲食物検出器10を通過する時点で検出器10により通過時間と飲食物が載せられた皿Pが飲食物収容体5に搭載されているか否かが検出されて、通過時間と検出結果がコントローラ11の記録部に送られる。
各座席に対応する上流側の検出器10で飲食物収容体5の皿Pが検出された後、下流側の検出器10でもその飲食物収容体の皿Pが検出されると、その飲食物収容体5に収容された皿Pは座席Tの顧客に取られていないと判断される。
各座席に対応する上流側の検出器10で飲食物収容体5の皿Pが検出された後、下流側の検出器10ではその飲食物収容体5の皿Pが検出されないと場合は、その飲食物収容体5の皿Pは座席Tの顧客に取られたと判断される。
各座席に対応する上流側の検出器10で飲食物収容体5の皿Pが検出されない場合は、その飲食物収容体5には皿Pがないと判断される。
【0025】
図8及び
図9に示す説明図に従って更に詳しく説明する。
図9において符号H-1、符号H-2、符号H-3で示す表は、コントローラ11の記録部に予め作成された管理テーブルであって、読み取り装置1で読み取られる1Cタグ9の読み取り情報に基づいて各ICタグ9に付された番号と飲食物の種類を記録する記録欄と、搬送路3における厨房S1の出口から入口側に向かって順次設置された飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・を順番に記載した記載欄と、飲食物収容体5が各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・を通過した通過時間を記録する記録欄と、各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・の検出結果を記録する記載欄が設けられている。
【0026】
かくして厨房S1から循環搬送路3に、1番(マグロ)、2番(いか)、3番(えび)の順番で飲食物収容体5を搬送した場合、読み取り装置1により、1番(マグロ)、2番(いか)、3番(えび)の順番でICタグ9の情報が読み取られて、
図9に示すように、固有番号と飲食物の種類が読み取り順に管理テーブルの表H-1、H-2、H-3に記録される。
そして、循環搬送路3に設けられた各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・を各飲食物収容体5が通過する時点で、飲食物収容体5が各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・を通過した通過時間並びに各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・の検出結果が表H-1、H-2、H-3に記録される。
【0027】
以上の記録に際して、
図9中の表Jに示すように、各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・からの検出情報は、飲食物収容体5が通過する時間が早い検出器の順番で管理され、
図9に示すように、検出器10の検出情報を、時間の早い順で 表H-1、H-2、H-3における各飲食物検出器10-a、10-b、10-c・・・・の検出結果記載欄に埋めていく。
そして、以上の記録結果に基づいて、各番号が付けられた飲食物収容体5に収容した皿P、即ち飲食物がどの座席Tで取られたかがコントローラ11で判別される。
図9に示す説明図では、「1番のマグロ」は座席T1では取られず、座席T2で取られたと判別され、「2番のいか」は座席T1で取られたと判別され、「3番のえび」は座席T1では取られていないと判別される。
【0028】
食事を終えた座席Tの顧客が注文入力装置TPの清算ボタンを押すと、コントローラ11が、注文入力装置TPにより注文された注文品の数量及び種類と、循環搬送路3で搬送される飲食物収容体5から取り出した飲食物の種類及び数量とから消費量のトータル金額及び消費した飲食物の種類が清算情報として演算処理して、その清算情報がレジ装置12に送られる。
そしてレジ装置12では、消費された飲食物の金額等が提示され、顧客により料金の支払い等が行なわれる。
【0029】
ところで、実施形態では、厨房S1の出口側の循環搬送路3上以外に、第2、第3、第4ハウジング部の基端部における循環搬送路3上及び先端端部における循環搬送路3上にもそれぞれ読み取り装置1が設けられているが、その理由は、例えば厨房S1の出口側から第1ハウジング部2bの先端部までの至る間で、飲食物収容体5から一度取り出した皿Pを、空になった別の飲食物収容体5に戻されたり、あるいは飲食物収容体5の搬送順番が入れ替えられたりした場合、その後の情報が狂うため、再度搬送路3の経路の途中で、搬送路3を流れる飲食物収容体5のICタグ9を読み取り、再読み取りの情報に基づいて、各読み取り装置1の下流側に配置されている検出器10の検出情報により皿有か皿無かを検出するようにしたのである。
【0030】
斯くして以上の飲食物管理装置では、各座席Tで消費された飲食物の消費量並びに消費された飲食物の種類を自動的に算出して、レジ装置12での料金の支払いがスムーズに行える。
以上の実施形態では、飲食物収容体5に収容する飲食物として寿司を例にして説明したが、これに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0031】
1 読み取り装置
10 飲食物検出器
11 コントローラ
12 レジ装置
3 循環搬送路
4 飲食物搬送装置
5 飲食物収容体
9 ICタグ
S1 厨房
S2 客室
P 皿
T 座席
TP 注文入力装置