(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】電池ボックスの構造
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20230823BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20230823BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20230823BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/213
H01M50/271 B
(21)【出願番号】P 2019156004
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100207642
【氏名又は名称】簾内 里子
(72)【発明者】
【氏名】徳田 良彦
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-129270(JP,A)
【文献】中国実用新案第208738312(CN,U)
【文献】特開2001-291533(JP,A)
【文献】特開2001-325931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の筐体に設けられた電源収納室に装填される電池ボックスであって、
内部の上壁と下壁に電極点を有し、電池を装脱するための開口部が対向する側壁の双方に設けられた中空状の電池ボックス本体と、
前記対向する二つの開口部を閉塞する一対のカバー体とを備え、
前記中空状の
前記電池ボックス本体内部は、前記対向する二つの開口部からそれぞれ2本以上の同数の電池が並列に並んで装填され、互いに対向して収納されるよう構成され、
前記電池ボックス本体の内部には、対向し隣り合う電池の中央に立設されて四方で電池に接して電池の保持を補助する柱が形成されて
おり、
前記電池ボックス本体内部は、前記電池ボックス本体に収納された電池が、隣り合う電池同士及び対向する電池同士が接して収納されるよう構成されている、
ことを特徴とする電池ボックス。
【請求項2】
前記電池ボックス本体内部は、前記二つの開口部のうちの一方の開口部から二本、他方の開口部から二本の合計四本の電池が、それぞれ対向して配置されるように形成されている、
ことを特徴とする
請求項1に記載の電池ボックス。
【請求項3】
前記一対のカバー体は、該カバー体の下端にそれぞれ係合爪が形成されており、前記電池ボックス本体に形成された係止部に係合して、前記二つの開口部を閉塞し、前記電池ボックス
本体の内部に収納された電池を挟持するよう構成されている、
ことを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の電池ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器に備えられる電池ボックスの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、機器(具体的には測量機)の構成として、互いに異なる大きさのバッテリーが着脱可能とされたバッテリーの固定構造が公開されている。これにより、型式の異なる測量機で、専用バッテリーの大きさが異なる場合であっても、相互にバッテリーを代替が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-113236号
【文献】特開2006-221825号
【文献】特開平9-199097号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この固定構造を使用して、世界中どこでも存在して入手が容易な定型電池を用いて、測量機の電源としたいというニーズがある。定型電池を収納し、専用バッテリーに代替可能な電池ボックスであり、世界の過酷な環境の測量現場でも耐えうる丈夫な構造であること、多くの機種で使用するためにコンパクトであることが求められる。
【0005】
これに対し、特許文献2で公開されている電池ボックスのように、筐体の開口部を閉塞する蓋部を備え、該蓋部に導通部が備えられている形態であると、別体である蓋部と本体との接合部分が電気的にも構造的にも弱くなり、落としたときに壊れやすく、また蓋部をなくしてしまうと電池残量があっても全く使用できなくなる、という問題がある。
【0006】
また、特許文献3で公開されている電池ボックスのように、電池を収納するフレームがカバーに覆われる形態であると、カバーとフレームの重なる部位(特許文献3においては上面と下面)は二重構造となり、その分全体の大きさが増大するという問題がある。即ち、測量機側に大きさが異なるバッテリーを固定しうる固定構造が備えられていても、受け入れ可能な最大寸法以上のものは装着できないため、コンパクトな形状であれば、それだけ多くの機種に使用できることから、全体の大きさはできるかぎり小さい方が望ましい。
【0007】
本発明は、この問題に鑑みてなされたものであり、機器の専用バッテリーに代替しうる、電池を内部に収納する電池ボックスであり、丈夫でコンパクトな電池ボックスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明のある態様の電池ボックスにおいては、機器の筐体に設けられた電源収納室に装填される電池ボックスであって、内部の上壁と下壁に電極点を有し、電池を装脱するための開口部が対向する側壁の双方に設けられた中空状の電池ボックス本体と、前記対向する二つの開口部を閉塞する一対のカバー体とを備え、前記中空状の電池ボックス本体内部は、前記対向する二つの開口部から、それぞれ2本以上の同数の電池が並列に並んで、対向して収納されるよう構成され、前記電池ボックス本体の内部には、対向し隣り合う電池の中央に立設されて四方で電池に接して電池の保持を補助する柱が形成されているよう構成した。
【0009】
カバー体が電池ボックス本体とは別体として存在するが、導通部分は電池ボックス本体のみでカバー体は導通部分を持たないため、カバー体と電池ボックス本体とを導通させる必要がなく、構造的にも導通的にも堅強な構造となっている。全ての電池を一つの開口部から並列に並べて収納すると、幅方向に大きくなり、あるいは一つの開口部から前後または上下に重ねて収納すると、保持が難しくなる。本実施形態においては、対向する二つの開口部から同数の電池を並列して、対向するように配置するため、幅方向には半分となる。電池は全体としてマトリクス状配置となり全体的な大きさを小さくすることができる。保持の補助を最小限の柱のみとしているが、四方配置された電池全てに密接して保持するため、堅強に保持される。電池ボックス本体開口部をカバー体が閉塞するだけであり、筐体として重複部分がなく、全体の大きさをコンパクトなものとした。
【0010】
また、ある態様においては、前記電池ボックス本体内部は、前記電池ボックス本体に収納された電池が、隣り合う電池同士及び対向する電池同士が接して収納されるよう構成した。二列に並列配置された電池が密接して配置され、全体的構造が堅強であり、電池は安定して保持される構造となっている。
【0011】
また、ある態様においては、前記電池ボックス本体内部は、前記二つの開口部のうち、一方から二本、他方から二本の合計四本の電池が、それぞれ対向して配置されるように形成されているように構成した。前後に二本ずつ配置された電池が四本で、柱は一本の最小限の構成で全体をスリムにした。
【0012】
また、ある態様においては、前記一対のカバー体は、該カバー体の下端にそれぞれ係合爪が形成されており、前記電池ボックス本体に形成された係止部に係合して、前記二つの開口部を閉塞し、前記電池ボックスの内部に収納された電池を挟持するよう構成した。この態様によれば、収納された電池は前後から挟持され、強固に保持される。
【発明の効果】
【0013】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、丈夫でコンパクトな電池ボックスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る電池ボックスを装着する測量機の斜視図である。
【
図2】同測量機の電源収納室を架台側(内側)からみた斜視図である。
【
図3】電池ボックスの概要を示すための背面斜視図である。
【
図7】電池ボックスの分解背面斜視図である。本図では電池および導通部品は省略している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施形態を、図面を参照しながら説明する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0016】
(測量機)
図1は、本発明の実施の形態に係る電池ボックス1(後述)が装着される測量機11である。
【0017】
測量機11は、測距および測角可能なトータルステーションであり、装填した電源にて動作する。電源としては、本実施形態に係る電池ボックス1に限らず、専用のバッテリーも装填可能である。ただし、本発明にかかる電池ボックス1の構造は、測量機11に限定されず、電源として使用可能な他の機器に装着されてもよい。本実施形態においては、専用バッテリーに代わり電池ボックス1が測量機11に搭載される場合を例として説明する。
【0018】
測量機11は、基台部12と、架台部13とを備える。架台部13は、基台部12を介して例えば三脚(図示せず)などに設置される。基台部12は整準ネジを有し、整準ネジによる整準が行われることで、架台部13は水平に維持される。架台部13は、鉛直軸A1を中心として回転可能とされている。測距の光学部を備えた視準望遠鏡部14は、架台部13に支持されており、水平軸A2を中心として回転可能とされている。
【0019】
架台部13の側方部には、電池ボックス1や専用バッテリー等の電源を装着する電源収納室15が設けられている。電源収納室15は、開閉可能な蓋部16を備える。蓋部16は、水平軸A3を中心として回転可能とされ、突起部161を有する。
【0020】
図2は測量機11の電源収納室15を架台部13側(内側)から見た斜視図である。電源収納室15は、架台部の13のケーシング(筐体)に形成された箱状の筐体部17を備え、筐体部17に形成された電源装着口としての開口部19は蓋部16により閉塞される。
図2は、筐体部17の開口部19が蓋部16により閉塞された状態を示しており、電源収納室15の内部を説明する為、開口部19に対向する一面(筐体部17の背面)は省略している。
【0021】
図2に示すように、電源収納室15は、収納する電池ボックス1の固定構造として、バッテリー押さえ部18を備える。バッテリー押さえ部18は筐体部17に設けられ、上下方向に移動可能とされている。バッテリー押さえ部18は、上方にストッパ部181、下方に当接部182を有する。
【0022】
蓋部16の突起部161は、蓋部16が筐体部17の開口部19を閉塞した状態において、測量機11内側へ向かって伸びている。蓋部16が閉じた状態では、当接部182は突起部161に係止されて移動を抑制され、これにより電源収納室15に装着された電池ボックス1も上方向の移動が抑制される。また、ストッパ部181は装着された電池ボックス1の上面を押さえ、電池ボックス1の上方向の移動を抑制する。この固定構造については、特開2018-113236に詳しく公開されており、詳細は省略する。
【0023】
このように、測量機11では、バッテリー押さえ部18により装着された電池ボックス1の上下方向の移動を抑制して電源収納室15内に保持する。電源収納室15のこの固定構造により、電池ボックス1が専用バッテリーとは大きさの異なる場合でも装着可能となっている。さらに電源収納室に同じ固定機構を備えた測量機であれば、互いに専用バッテリーの大きさが異なる場合であっても、これに代わって電池ボックス1が電源として使用可能とともに、抜差し可能とされている。
【0024】
(電池ボックス)
図3は、測量機11に装着される電池ボックス1の背面斜視図である。
図4は
図3のカバー部と電池を省略した状態で、電池ボックス本体4のみを示した背面斜視図である。
図5は電池ボックス1の横断面図である。
図6は電池ボックス1の正面分解斜視図である。
図7は電池ボックス1の背面分解斜視図である。
図7においては導通部品と電池は省略している。
【0025】
図3~
図4に示すように、電池ボックス1は中空直方体形状であり、中空内部の上壁と下壁に電極点を有し、電池は立てられた状態で収納される。電池は、アルカリ乾電池などの一次電池に限らず、リチウムイオン充電池等の二次電池でも構わず、その種類は問わない。
【0026】
電池ボックス1は専用バッテリーの代替として、例えば本実施形態においては測量機11の電源として収容される。使用者は専用バッテリーの充電が切れたときの代替など、専用バッテリーと電池ボックス1とを選択的に測量機11に使用することができる。
【0027】
電池ボックス1の左右の両側面には、電源収納室15と係合する係合部48が形成されており、電源収納室15に設けられた突起(図示せず)に引っかかり、電池ボックス1が脱落することを防止する。また、底面にはプラス電極出力部49pとマイナス電極出力部49nが設けられており、ここから測量機11側へ電池電圧が出力される。
【0028】
電池ボックス1は、電池を収納する筐体である電池ボックス本体4と、電池ボックス本体4に設けられた前後の開口部41,42を閉塞するカバー体2,3を備える。開口部41,42は電池ボックス1の前面、背面の略全領域に形成されているため、カバー体2が電池ボックス1の前面を、カバー体3が電池ボックスの背面をほぼ形成している。電池ボックス本体4の前後の開口部41,42からは、それぞれ同形で同数(本実施形態においては2本ずつ)の電池が、長手方向を上下方向に合わせて、左右方向に並列に並んで収納され、異なる開口部から装填された同数の電池は、それぞれ互いに対向するように配置される。中空状の電池ボックス1の内部空間Sの中央には柱5が立設されている。
【0029】
図5に示すように、電池ボックス1に収納される四本の電池D1~D4は、隣り合う電池同士および対向する電池同士が少なくとも一部で接し合うようにして保持される。
【0030】
柱5はこの接し合う四本の電池D1~D4の中央に配設されている。柱5の横断面形状は四方に配置される四本全ての電池に当接するように四つの円弧部を有し、この円弧部がそれぞれ湾曲壁として電池の長手方向に接して、安定して電池D1~D4を保持する。
【0031】
電池ボックス本体4内部の側壁44~47は、それぞれ収納される電池D1~D4の側部にある電池ボックス本体4の内壁である。これらはそれぞれ電池の着脱を邪魔しないように、電池の径に合わせて湾曲して形成されており、それぞれが湾曲壁として一つずつ電池に長手方向に接して、柱5と併せて電池D1~D4を保持する。さらにカバー体2,3の内側には電池の形状に対応してリブ21,31が形成されており、これにより前後の両面から電池D1~D4を挟んで挟持する。電池D1~D4は、側壁44~47と、柱5、さらにカバー体2,3のリブ21,31に当接して堅強に保持される。
【0032】
(分解斜視図)
図6及び
図7に示すように、電池ボックス本体4は略中央で前後に2分割され、前半身である第1筐体50と、後半身である第2筐体60とが係合して成る。
【0033】
第2筐体60の左右側面の中ほどには、第1筐体50に向かって係合爪61が形成されている。第1筐体50には係合爪61の対向位置に係合受け部51が形成されており、これにより、両者は係合して一体化する。
【0034】
柱5の略中央で前後に二分割されているため、第1筐体50側には分割柱55が、第2筐体60側には分割柱65が、それぞれ形成されている。分割柱55を含めた第1筐体50の分割面に形成された複数の突起54が、分割柱65を含めた第2筐体60側に形成された複数の嵌合孔64に嵌合して第1筐体50と第2筐体60の一体化を助け、嵌合により分割柱55と分割柱65とで柱5と成る。
【0035】
電池D1~D4を収納する内部空間Sも二分割されるため、第1筐体50、第2筐体60共に内部空間Sを有する。
【0036】
カバー体2の下端の中央には係合爪22が形成されており、第1筐体50の上方からスライドして、第1筐体50の底部53の上面に形成された係止部52に係合して、正面側の開口部41を閉塞する。同様に、カバー体3の下端には係合爪32が形成されており、第2筐体60の上方からスライドして、第2筐体60の底部63の上面に形成された係止部62に係合して、背面側の開口部42を閉塞する。
【0037】
(導通部)
第1筐体50の底部53には、前後方向に伸びるスリット57が成形されている。スリット57は分割柱55下方に、分割柱55に跨って左右方向に幅広く形成されている。ここに幅広の導通片73が、分割面(第2筐体60側)から挿入されて、底部53の上面、即ち電池を収納する内部空間Sに、分割柱55を挟んで二箇所で露出して、第1筐体50の下方の電極点2点となる。第1筐体50側に収納された電池D4と電池D3は、この導通片73により電気的に直列に接続される。電気的に直列に接続されるため、収納される電池D3,D4は上下逆に収納され、導通片73の上面には、下端側がマイナス電極となる一方の電池(本実施形態では電池D3)が接する部分に、導通弾性体80(本実施形態ではコイルバネ)がかしめられて固定されている。
【0038】
第2筐体60の天井部68には、分割柱65を挟んで左右一対の平板状の係合舌66,66が、第1筐体50に向かって突出して形成されている。さらに係合舌66,66の下方には前後方向に伸びる係合溝67,67が形成されている。板状で一方に長い導通片71,72が分割面(第1筐体50側)からここへ挿入されて係合舌66,66下方へ配置される。それぞれ一部が露出して、第2筐体60の天井部68の底面、即ち電池を収納する内部空間Sに露出して、それぞれ第2筐体60の上方の電極点の2点となる。
【0039】
導通片71,72の長さは、係合溝67,67の奥行きよりも長く形成されており、挿入された導通片71,72の一方の端部は第2筐体60から第1筐体50に向かって突出する。係合舌66,66は導通片71,72の固定を補助して、導通片71,72ごと第1筐体50の天井部58に形成された係合溝56,56に係合する。第2筐体60から突出した導通片71,72は第1筐体50側に入りこみ、第1筐体50と第2筐体60にわたって配置される。導通片71,72は第1筐体の天井部58の底面、即ち電池を収納する内部空間Sに露出して、第1筐体50において上方の電極点2点ともなる。
【0040】
導通片71は、前後に対向して配置された電池D2と電池D4を電気的に直列に接続させる。同様に、導通片72は電池D1と電池D3を直列に接続させる。接続される電池D1,D3、および電池D2,D4は上下逆に収納されるため、一方の電池の上端がマイナス電極となる。本実施形態においては、電池D1と電池D4が、上端がマイナス極となる配置であるため、導通片71,72には、これに接する部分に導通弾性体80がかしめられて固定されている。
【0041】
また、第2筐体60の底部63には、分割柱65を挟んで一対のスリット69,69が形成されている。ここに、導通片71~73とは略半分の大きさで、略正方形状の金属平板である導通片74,75が挿入される。導通片74,75は一部が電池を収納する内部空間Sに露出して、第2筐体60の下方の電極点の2点となり、第2筐体60に収納される電池D1,D2の底面側の電極に接する。下端側がマイナス極となる一方の電池D2に接する導通片75の上面には導通弾性体80がかしめられて固定されている。
【0042】
導通片71~75が電池ボックス1の電極点となり、電池D1~D4は電気的に直列に接続され、導通弾性体80の付勢により電池D1~D4は立った状態で保持される。
【0043】
さらに、第2筐体60の底面には筒状のメス型端子90p,90nを挿入する一対の係合孔91,91が形成されている。ここに挿入されたメス型端子90p,90nは胴部の一部が折り曲げられて脱落を防いで固定され、それぞれ導通片74,75に接して導通し、導通片71~75により直列接続された電池D1~D4の出力部となる。
【0044】
端子90p,90nと導通片74,75とは、電線で接続されても良く、また両者を一体成形したものを使用しても良い。また導通片71~75及び端子90p,90nは複数個の一体構造品でも良い。
【0045】
電池ボックス1においては、各部品の係合も導通も、係合や嵌合によってのみ成されて一体化しており、シンプルな構成で頑丈な構造となっている。
【0046】
上記のように構成された電池ボックス1は、測量機11の電源収納室15に装着される。測量機11は互いに大きさの異なるバッテリーも装着可能としており、専用バッテリーに代わり電池ボックス1も問題なく装着される。電池ボックス1は、必要最低限の保持で堅強に電池を保持し、四本の電池を収納する電池ボックスとしては外形の一辺が小さく、全体として非常にコンパクトな形態であるため、測量機11に限らず同様の構造の電源収納室をもつ他の多くの測量機にも装着可能となっている。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について述べたが、上記の実施形態は本発明の一例であり、変形や組み合わせは当業者の知識に基づいて行うことができ、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0048】
1 電池ボックス
2,3 カバー体
4 電池ボックス本体
5 柱
11 測量機
15 電源収納室
41,42 開口部
D1~D4 電池