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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13357 20060101AFI20230823BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20230823BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230823BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20230823BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20230823BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230823BHJP
【FI】
G02F1/13357
G02F1/1335 500
F21S2/00 481
F21V9/38
F21V9/32
F21Y115:10
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019168796
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2020046669
(43)【公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2018-0111166
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 泰 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 東 佑
(72)【発明者】
【氏名】金 ミン 修
(72)【発明者】
【氏名】孟 千 在
(72)【発明者】
【氏名】朴 根 佑
(72)【発明者】
【氏名】李 成 連
(72)【発明者】
【氏名】李 弘 範
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-045972(JP,A)
【文献】特開2018-010041(JP,A)
【文献】国際公開第2018/160304(WO,A1)
【文献】特開2015-032373(JP,A)
【文献】特開2006-120499(JP,A)
【文献】特開2014-089281(JP,A)
【文献】特開2006-286906(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0076346(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13357
G02F 1/1335
F21S 2/00
F21V 9/38
F21V 9/32
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学部材と、
前記光学部材の上側に配置されたディスプレイパネルと、
前記光学部材の下側に配置されて、第1色光を前記光学部材に提供する複数の発光ユニットと、を備え、
前記光学部材は、
厚さ方向に対向する上面及び下面を有し、前記複数の発光ユニットに平面上で重畳する支持基板と、
前記支持基板の上面上又は下面上に直接配置されて、前記第1色光から第2色光と第3色光とを生成する量子ドット層と、
第1入射角の前記第1色光に対して第1透過率を有し、前記第1入射角よりも大きい第2入射角の前記第1色光に対して前記第1透過率よりも大きい第2透過率を有するフィルタと、を含み、
前記第1入射角は0度であり、
前記複数の発光ユニットの各々は、前記光学部材の長辺方向に延長された細長い形状の回路基板及び前記回路基板上に実装された複数の発光素子を含み、
前記フィルタは、互いに離隔した複数のフィルタパターンを含み、前記フィルタパターンの各々は、前記複数の発光ユニットに含まれる前記複数の発光素子の中の対応する1つの発光素子に平面上で整列されていることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1透過率は、10%~45%であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第1入射角の第1色光に対して、前記フィルタの透過率は、反射率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第1色光は、410nm~480nmの波長を有することを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記フィルタは、
複数の第1層と、
前記複数の第1層と交互に配置された複数の第2層と、を備え、
前記複数の第1層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.8~2.0であり、
前記複数の第2層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.4~1.5であり、
前記複数の第1層の厚さは、160nm~200nmであり、
前記複数の第2層の厚さは、60nm~100nmであることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記複数の第1層の各々は、シリコンナイトライド(silicon nitride)を含み、前記複数の第2層の各々は、シリコンオキサイド(silicon oxide)を含むことを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記複数の第1層と前記複数の第2層との積層数は5~20であることを特徴とする請求項5に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記回路基板上に配置され、前記複数の発光素子に対応する複数の開口部が定義された反射シートをさらに含み、
前記反射シートは青色のカラーを有することを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項9】
前記フィルタは、前記支持基板の上面及び下面の一部の領域に重畳することを特徴とする請求項1に記載の光学部材。
【請求項10】
前記複数のフィルタパターンの各々は、前記対応する発光素子に重畳する第1部分及び前記第1部分よりも小さい面積を有して前記対応する発光素子に重畳しない第2部分を含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項11】
前記複数のフィルタパターンに隣接し、前記フィルタに重畳しない補償層をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のディスプレイ装置。
【請求項12】
前記フィルタは、
前記支持基板の上面及び下面の一部の領域に重畳し、
前記複数の発光素子に重畳しない領域に定義された開口部を含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項13】
前記開口部に充填された補償パターンをさらに含むことを特徴とする請求項12に記載のディスプレイ装置。
【請求項14】
前記支持基板の上面上又は下面上に直接配置され、ベース樹脂層及び前記ベース樹脂層に混合された散乱粒子を含む散乱層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項15】
前記散乱粒子は、TiO、SiO、ZnO、Al、BaSO、CaCO、又はZrOを含むことを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項16】
前記散乱粒子は、2以上の屈折率を有し、直径が150nm~400nmであることを特徴とする請求項14に記載のディスプレイ装置。
【請求項17】
前記支持基板の上面に接触して屈折率が1.3以下の絶縁層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項18】
前記支持基板の下面には、凹状のレンズパターンが定義されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項19】
前記支持基板の上面には、凸状の散乱パターンが定義されることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項20】
前記支持基板の上面の前記散乱パターンに接触して、平坦面を提供するパッシベーション層をさらに含むことを特徴とする請求項19に記載のディスプレイ装置。
【請求項21】
前記量子ドット層の上面及び下面の中の少なくとも一つに接触し、無機物質を有するバリア層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項22】
前記支持基板は、ガラス基板であることを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
【請求項23】
光学部材と、
前記光学部材の上側に配置されたディスプレイパネルと、
前記光学部材の下側に配置され、青色光を前記光学部材に提供する複数の発光ユニットと、
前記複数の発光ユニット、前記光学部材、及び前記ディスプレイパネルを収容する保護部材と、を備え、
前記光学部材は、
厚さ方向に対向する上面及び下面を含み、平面上で前記複数の発光ユニットに重畳するガラス基板と、
前記ガラス基板の上面又は下面上に直接配置され、前記青色光から緑色光と赤色光とを生成する量子ドット層と、
前記ガラス基板の上面又は下面上に直接配置されたフィルタを含み、
前記フィルタは、
数の第1層及び前記複数の第1層と交互に配置された複数の第2層を含み、
前記複数の第1層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.8~2.0であり、
前記複数の第2層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.4~1.5であり、
前記複数の第1層の厚さは、160nm~200nmであり、
前記複数の第2層の厚さは、60nm~100nmであることを特徴とするディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイ装置に関し、より詳しくは、表示品質が向上したディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置のような非発光型ディスプレイ装置(DD)は、バックライトユニットから提供された光を利用して映像を生成する。バックライトユニットは、光を出射する複数の発光ユニットを含む。複数の発光ユニットの各々は、複数の発光素子を含む。
【0003】
非発光型ディスプレイ装置(DD)は、発光ユニットから提供された光の特性を向上させるために光学部材を具備する。光学部材は、ディスプレイパネルの下側に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0034741号公報
【文献】米国特許出願公開第2018/0088266号明細書
【文献】韓国登録特許第10-1863277号公報
【文献】韓国公開特許第10-2017-0014755号公報
【文献】米国特許第10114247号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ホットスポット現象が除去されたディスプレイ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるディスプレイ装置は、光学部材と、前記光学部材の上側に配置されたディスプレイパネルと、前記光学部材の下側に配置されて、第1色光を前記光学部材に提供する複数の発光ユニットと、を備え、前記光学部材は、厚さ方向に対向する上面及び下面を有し、前記複数の発光ユニットに平面上で重畳する支持基板と、前記支持基板の上面上又は下面上に直接配置されて、前記第1色光から第2色光と第3色光とを生成する量子ドット層と、第1入射角の前記第1色光に対して第1透過率を有し、前記第1入射角よりも大きい第2入射角の前記第1色光に対して前記第1透過率よりも大きい第2透過率を有するフィルタと、を含み、前記第1入射角は0度であることを特徴とする。
【0007】
前記第1透過率は、10%~45%であり得る。
前記第1入射角の第1色光に対して、前記フィルタの透過率は、反射率よりも低いことがあり得る。
前記第1色光は、410nm~480nmの波長を有することが好ましい。
【0008】
前記フィルタは、複数の第1層と、前記複数の第1層と交互に配置された複数の第2層と、を備え、前記複数の第1層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.8~2.0であり、前記複数の第2層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.4~1.5であり、前記複数の第1層の厚さは、160nm~200nmであり、前記複数の第2層の厚さは、60nm~100nmであることが好ましい。
前記複数の第1層の各々は、シリコンナイトライド(silicon nitride)を含み、前記複数の第2層の各々は、シリコンオキサイド(silicon oxide)を含むことが好ましい。
前記複数の第1層と前記複数の第2層との積層数は5~20であることが好ましい。
【0009】
前記複数の発光ユニットの各々は、延長された形状の回路基板と前記回路基板上に実装された複数の発光素子とを含み得る。
前記回路基板上に配置され、前記複数の発光素子に対応する複数の開口部が定義された反射シートをさらに含み、前記反射シートは青色のカラーを有し得る。
【0010】
前記フィルタは、前記支持基板の上面及び下面の一部の領域に重畳し、互いに離隔された複数のフィルタパターンを含み、前記複数のフィルタパターンの各々は、前記複数の発光素子の中の対応する発光素子に平面上で整列され得る。
前記複数のフィルタパターンの各々は、前記対応する発光素子に重畳する第1部分及び前記第1部分よりも小さい面積を有して前記対応する発光素子に重畳しない第2部分を含み得る。
前記複数のフィルタパターンに隣接し、前記フィルタに重畳しない補償層をさらに含み得る。
前記フィルタは、前記支持基板の上面及び下面の一部の領域に重畳し、前記複数の発光素子に重畳しない領域に定義された開口部を含み得る。
前記開口部に充填された補償パターンをさらに含んでいてもよい。
【0011】
前記支持基板の上面上又は下面上に直接配置され、ベース樹脂層及び前記ベース樹脂層に混合された散乱粒子を含む散乱層をさらに含んでもよい。
前記散乱粒子は、TiO、SiO、ZnO、Al、BaSO、CaCO、又はZrOを含み得る。
前記散乱粒子は、2以上の屈折率を有し、直径が150nm~400nmであることが好ましい。
前記支持基板の上面に接触して屈折率が1.3以下の絶縁層をさらに含み得る。
前記支持基板の下面には、凹状のレンズパターンが定義され得る。
前記支持基板の上面には、凸状の散乱パターンが定義され得る。
前記支持基板の上面の前記散乱パターンに接触して、平坦面を提供するパッシベーション層をさらに含むことができる。
【0012】
前記ディスプレイ装置は、前記量子ドット層の上面及び下面の中の少なくとも一つに接触し、無機物質を有するバリア層をさらに含んでいてもよい。
前記支持基板は、ガラス基板であり得る。
【0013】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるディスプレイ装置は、光学部材と、前記光学部材の上側に配置されたディスプレイパネルと、前記光学部材の下側に配置され、青色光を光学部材に提供する複数の発光ユニットと、前記複数の発光ユニット、前記光学部材、及び前記ディスプレイパネルを収容する保護部材と、を備え、前記光学部材は、厚さ方向に対向する上面及び下面を含み、平面上で前記複数の発光ユニットに重畳するガラス基板と、前記ガラス基板の上面又は下面上に直接配置され、前記青色光から緑色光と赤色光とを生成する量子ドット層と、前記ガラス基板の上面又は下面上に直接配置されたフィルタと、を含み、前記フィルタは、複数の第1層及び前記複数の第1層と交互に配置された複数の第2層を含み、前記複数の第1層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.8~2.0であり、前記複数の第2層の屈折率は、450nmの波長の光に対して1.4~1.5であり、前記複数の第1層の厚さは、160nm~200nmであり、前記複数の第2層の厚さは、60nm~100nmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるディスプレイ装置は、光学部材が、平面上で発光ユニットに重畳する第1領域に光量が集中しないように、第1色光を第1領域の周辺領域にガイドするので、ホットスポット現象が除去される。
また、光学部材の機能層を支持するガラス基板は、熱変形が少ないため、発光素子とガラス基板との間の光学距離が短くても不良が発生しない。
さらに、直下型の発光ユニットが、量子ドット層を利用して白色光をディスプレイパネルに提供するため、ディスプレイパネルは、高輝度のイメージを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の分解斜視図である。
図2A】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。
図2B】本発明の一実施形態による発光ユニットの等価回路図である。
図2C】本発明の一実施形態による発光ユニットの断面図である。
図2D図2AのI-I’線に沿った断面図である。
図3A】本発明の一実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。
図3B】本発明の一実施形態によるフィルタに入射される光の入射角に応じた透過率を示すグラフである。
図3C】本発明の一実施形態によるフィルタに入射される光の入射角に応じた透過率を示すグラフである。
図3D】本発明の一実施形態によるフィルタに入射される光の入射角に応じた透過率を示すグラフである。
図3E】本発明の一実施形態によるフィルタに入射される光の入射角に応じた透過率を示すグラフである。
図4A】本発明の一実施形態によるフィルタの動作を説明するための断面図である。
図4B】発光素子の有効半径内で距離に応じた光の輝度を示すグラフである。
図5A】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。
図5B】第1領域内に配置されたフィルタの形状を示す平面図である。
図5C】第1領域内に配置されたフィルタの形状を示す平面図である。
図5D】第1領域内に配置されたフィルタの形状を示す平面図である。
図5E】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。
図6A】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
図6B】本発明の一実施形態による散乱層の断面図である。
図6C】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
図6D】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
図6E】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
図8】本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面において、同一の参照符号は同一の構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、比率、及び寸法は、技術的な内容の効果的な説明のために誇張されたものである。「及び/又は」は、関連する構成によって定義することができる1つ以上の組み合わせをすべて含む。
【0017】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するために使用されるが、構成要素はこれらの用語によって限定されない。これらの用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の技術範囲を逸脱せずに、第1構成要素は、第2構成要素として称され、同様に第2構成要素も第1構成要素として称される。単数の表現は、文脈上明らかに別に定義しない限り、複数の表現を含む。
【0018】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示された構成の相互関係を説明するために使用される。これらの用語は相対的な概念であり、図面に示された方向を基準に説明される。
【0019】
「含む」又は「有する」などの用語は、本明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものの存在若しくは付加の可能性を予め排除しない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の分解斜視図である。図1に示すように、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置DDは、ディスプレイパネル100、発光ユニット200、光学部材300、及び保護部材(400L、400U)を含む。
【0021】
ディスプレイパネル100は、発光ユニット200から光を受信して映像を表示する。ディスプレイパネル100は、特に限定されるものではなく、例えば、液晶ディスプレイパネル(liquid crystal display panel)、電気泳動ディスプレイパネル(electrophoretic display panel)、エレクトロウェッティングディスプレイパネル(electrowetting display panel)などのような透過型又は半透過型ディスプレイパネルを含む。
【0022】
ディスプレイパネル100は、ディスプレイ面100-ISを通してイメージを表示する。ディスプレイ面100-ISは、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2とで定義される面に平行である。ディスプレイ面100-ISの法線方向、すなわちディスプレイパネル100の厚さ方向は、第3方向軸DR3で示される。
【0023】
以下で説明する各部材やユニットの前面(又は上面)及び背面(又は下面)は、第3方向軸DR3によって区分される。しかし、本実施形態で図示される第1~第3方向軸(DR1、DR2、DR3)は例示に過ぎない。以下、第1~第3方向は、第1~第3方向軸(DR1、DR2、DR3)の各々が示す方向として定義され、同一の符号を参照する。
【0024】
本実施形態では、フラットなディスプレイパネル100を例として示したが、本発明の一実施形態において、ディスプレイパネル100は、曲面のディスプレイ面を有する曲面ディスプレイパネルであり得る。ディスプレイパネル100の形状は、特に限定されない。
【0025】
本実施形態で、ディスプレイパネル100は、液晶ディスプレイパネルとして説明される。液晶ディスプレイパネルは、第1基板110、第1基板110に対向する第2基板120、及び第1基板110と第2基板120との間に形成された液晶層(図示せず)を含む。液晶ディスプレイパネルは、ディスプレイ領域とディスプレイ領域を取り囲むエッジ領域とに区分される。ディスプレイ領域は、パネル平面上でイメージが表示される領域であり、エッジ領域は、パネル平面上でディスプレイ領域に隣接する領域であって映像が表示されない領域である。液晶ディスプレイパネルは、ディスプレイ領域に配置された複数のピクセルを含む。図1において、ペアの偏光子は図示しない。
【0026】
第1基板110及び第2基板120のいずれか1つ(以下、アレイ基板)には、信号ラインとピクセルのピクセル回路が形成される。アレイ基板は、COF(chip on film)などを通じてメイン回路基板に連結される。メイン回路基板には、ディスプレイパネル100を駆動する中央制御回路が配置される。中央制御回路は、マイクロプロセッサであり得る。COFのチップは、データ駆動回路であり得る。ゲート駆動回路は、アレイ基板に実装されるか、LTPS(low temperature poly-silicone)の形態でアレイ基板に集積され得る。
【0027】
中央制御回路は、発光ユニット200を制御する。中央制御回路は、発光ユニット200を制御する調光信号を発光ユニット200に送信する。
【0028】
発光ユニット200は、ディスプレイパネル100及び光学部材300の下側に配置される。発光ユニット200は、第1色光を生成する。第1色光は410nm~480nmの波長を有する。第1色光のピーク波長は、440nm~460nmであり得る。第1色光は、一般的な青色光である。
【0029】
発光ユニット200の各々は、点光源をなす複数の発光素子200-Lと発光素子200-Lに電気的信号を提供する回路基板200-Pとを含む。複数の発光素子200-Lの各々は、発光ダイオードで構成される。各発光ユニット200は、相異なる個数の発光素子200-Lを含む。
【0030】
特に図示しないが、ディスプレイ装置DDは、発光ユニット200を電気的に連結する回路基板をさらに含む。回路基板には、調光回路が配置され得る。このような調光回路は、中央制御回路から受信した制御信号に基づいて発光ユニット200を調光する。複数の発光素子200-Lは、同時にオン・オフされるか、又は独立的にオン・オフされる。
【0031】
光学部材300は、ディスプレイパネル100の下側に配置され、発光ユニット200の上側に配置される。光学部材300は、発光ユニット200から第1色光を受光する。光学部材300は、第1色光を一部透過させて、第1色光を第2色光及び第3色光に変換する。
【0032】
第2色光は、500nm~570nmの波長を有する。第3色光は、580nm~675nmの波長を有する。第2色光のピーク波長は、515nm~545nmを有し得る。第2色光は、一般的な緑色光である。第3色光のピーク波長は、610nm~645nmを有し得る。第3色光は、一般的な赤色光である。
【0033】
保護部材(400L、400U)は、発光ユニット200の下側に配置される第1保護部材400L及びディスプレイパネル100の上側に配置される第2保護部材400Uを含む。第1保護部材400L及び第2保護部材400Uは、互いに結合されてディスプレイパネル100、発光ユニット200、及び光学部材300を収容する。第1保護部材400L及び第2保護部材400Uは、金属又はプラスチックで構成される。保護部材(400L、400U)は、図示されていないモールド部材をさらに含み得る。
【0034】
第1保護部材400Lは、発光ユニット200を収容する。第1保護部材400Lは、底部400L-10と底部400L-10のエッジから曲げられ(bending)て延長された複数の側壁部400L-20を含む。底部400L-10は、例えば、長方形の形状であり、第1保護部材400Lは、4つの側壁部400L-20を含む。ただし、第1保護部材400Lの形状は、特に限定されない。側壁部400L-20の数は変更され、底部400L-10及び側壁部400L-20には、段差が形成される。
【0035】
発光ユニット200は、底部400L-10に実装される。発光ユニット200、具体的に回路基板200-Pは、底部400L-10を実質的に完全にカバーする。回路基板200-Pは、底部400L-10の90%以上をカバーする。
【0036】
第2保護部材400Uは、ディスプレイパネル100の上側に配置されてディスプレイパネル100のエッジ領域をカバーする。第2保護部材400Uは、映像が通過する開口部400U-OPを備える。開口部400U-OPは、ディスプレイパネル100のディスプレイ領域に対応する。
【0037】
第2保護部材400Uは、平面上で長方形のフレームであり得る。第2保護部材400Uは、4つの部分に区分される。4つの部分は、一体の形状を有するか、又は組み立てられる。4つの部分の各々は、側壁部400U-10と側壁部400U-10から曲げられた前面部400U-20とを含む。実質的に4つの部分の前面部400U-20が開口部400U-OPを定義する。一実施形態で、前面部400U-20は、省略され得る。
【0038】
図2Aは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。図2Bは、本発明の一実施形態による発光ユニットの等価回路図である。図2Cは、本発明の一実施形態による発光ユニットの断面図である。図2Dは、図2AのI-I’線に沿った断面図である。
【0039】
図2A図2Cに示すように、発光ユニット200の各々は、発光素子200-L及び回路基板200-Pを含む。図2A図2Cで、いくつかの発光ユニット200は、図示しなかった。図2Bに示すように、発光素子200-Lは、調光可能となるように、各々の信号ライン200-SLに連結される。
【0040】
図2A及び図2Bに示すように、回路基板200-Pは、第1方向DR1に延長された形状を有する。図2Cに示すように、回路基板200-Pは、少なくとも一つの絶縁層200-Iと少なくとも一つの回路層200-Sとを含む。図2Cには、2つの絶縁層200-Iと2つの回路層200-Sとが交互に積層された多層構造の回路基板200-Pを例として示す。回路層200-Sは、複数の導電パターンを含み、導電パターンは、図2Bの信号ライン200-SLを含む。
【0041】
2つの回路層200-Sのうちの最上位の回路層200-Sは、保護層200-SRによってカバーされる。保護層200-SRは、回路基板200-Pの外面を提供する。最上位の回路層200-Sは、信号ライン200-SLに連結された接続端子を含む。保護層200-SRは、接続端子を露出させる開口部200-SROを含む。
【0042】
発光素子200-Lは、発光ダイオード(LED)を含む。発光ダイオード(LED)は、第1電極ED1及び第2電極ED2を介して印加される駆動電圧に応答して光を発生する。発光ダイオード(LED)は、n型半導体層、活性層、p型半導体層が順次積層された構造を有する。
【0043】
第1電極ED1は接続端子のいずれか1つに連結され、第2電極ED2は接続端子のうちの他の1つに連結される。第1電極ED1及び第2電極ED2は、ワイヤ(WR1、WR2)により接続端子に各々連結される。発光ダイオード(LED)は、接着部材ADによって保護層200-SR上に付着される。
【0044】
発光素子200-Lは、発光ダイオード(LED)を保護する封入部材ECをさらに含む。封入部材ECは、ワイヤ(WR1、WR2)が断線したり、酸化されるのを防止する。封入部材ECは、エポキシ樹脂のような樹脂材料を含み得る。
【0045】
図2Dに示すように、光学部材300は、支持基板300-G、量子ドット層300-Q、バリア層(300-B1、300-B2)、保護層300-P、及びフィルタ300-Fを備える。以下で説明する支持基板300-G、量子ドット層300-Q、バリア層(300-B1、300-B2)、保護層300-P、及びフィルタ300-Fの積層順は一例に過ぎず、その順序は変更され得る。
【0046】
支持基板300-Gは、光学部材300の機能層を支持する。本実施形態で支持基板300-Gは、ガラス基板であり得る。ただし、これに限定されず、支持基板300-Gは、透明で耐熱性が高い合成樹脂基板に代替してもよい。
【0047】
ガラス基板300-Gの厚さは、0.3mm~2mmである。ガラス基板300-Gは、熱変形が少ないため、発光素子200-Lとガラス基板300-Gとの間の光学距離LDが短くても不良が発生しない。光学距離LDは、3mm~10mmである。
【0048】
本実施形態で、ガラス基板300-Gの上面300-US上に量子ドット層300-Qが「直接配置」される。本明細書で「A層がB層に直接配置される」とは、「A層とB層との間に接着層が配置されない」ことを意味し、A層とB層とが接触するか否かは、限定しない。本実施形態で量子ドット層300-Qは、別途に製作したシートを付着するのではなく、ガラス基板300-G上に形成したものである。
【0049】
量子ドット層300-Qは、ベース樹脂BRとベース樹脂BRに混合された(又は分散された)量子ドット(Q1、Q2)とを含む。ベース樹脂BRは、量子ドット(Q1、Q2)が分散される媒質として、一般的にバインダーと称される多様な樹脂組成物からなる。ただし、これに限定されるものではなく、本明細書では、量子ドット(Q1、Q2)を分散配置可能な媒質であれば、その名称、他の追加の機能、構成物質などに拘らず、ベース樹脂BRと称する。ベース樹脂BRは、高分子樹脂であり得る。例えば、ベース樹脂BRは、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコン系樹脂、エポキシ系樹脂などである。ベース樹脂BRは、透明樹脂であり得る。
【0050】
量子ドット(Q1、Q2)は、発光モジュール200(図1)から提供された光の波長を変換する粒子であり得る。量子ドット(Q1、Q2)は、数ナノメートルの大きさの結晶構造を有する物質で、数百から数千個程度の原子で構成され、サイズが小さいため、エネルギーバンドギャップ(band gap)が大きくなる量子閉じ込め(quantum confinement)効果を示す。量子ドット(Q1、Q2)にバンドギャップよりもエネルギーが高い波長の光が入射する場合、量子ドット(Q1、Q2)は、その光を吸収して励起状態となり、特定の波長の光を放出して基底状態に落ちる。放出された波長の光は、バンドギャップに相当する値を有する。量子ドット(Q1、Q2)は、その大きさと組成等を調節することで、量子閉じ込め効果による発光特性を調節することができる。
【0051】
量子ドット(Q1、Q2)は、II-VI族化合物、III-V族化合物、IV-VI族化合物、IV族元素、IV族化合物、及びこれらの組み合わせから選択され得る。
【0052】
II-VI族化合物は、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、MgSe、MgS、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、MgZnSe、MgZnS、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物、並びにHgZnTeS、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物から選択される。
【0053】
III-V族化合物は、GaN、GaP、GaAs、GaSb、AlN、AlP、AlAs、AlSb、InN、InP、InAs、InSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、AlNP、AlNAs、AlNSb、AlPAs、AlPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物、並びにGaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAs、InAlPSb、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物から選択される。
【0054】
IV-VI族化合物は、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される2元素化合物、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される三元素化合物、並びにSnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、及びこれらの混合物からなる群から選択される四元素化合物から選択される。
【0055】
IV族元素としては、Si、Ge、及びこれらの混合物からなる群から選択される。IV族化合物としては、SiC、SiGe、及びこれらの混合物からなる群から選択される二元素化合物である。
【0056】
このとき、二元素化合物、三元素化合物、及び四元素化合物は、均一な濃度で粒子内に存在するか、又は濃度分布が部分的に異なる状態に分けられて同じ粒子内に存在する。
【0057】
量子ドット(Q1、Q2)は、コア(core)とコアを取り囲むシェル(shell)とを含むコアシェル構造であり得る。また、1つの量子ドットが、他の量子ドットを取り囲むコアシェル構造を有することもできる。コアとシェルの界面は、シェルに存在する元素の濃度が中心に行くほど低くなる濃度勾配(gradient)を有し得る。
【0058】
量子ドット(Q1、Q2)は、ナノメートルスケールの大きさを有する粒子である。量子ドット(Q1、Q2)は、約45nm以下、好ましくは約40nm以下、さらに好ましくは約30nm以下の発光波長スペクトルの半値幅(full width of half maximum、FWHM)を有し、この範囲で色純度や色再現性を向上させる。また、このような量子ドット(Q1、Q2)を介して発光される光は、全方向に放射されるため、広視野角が向上する。
【0059】
また、量子ドット(Q1、Q2)の形状は、当分野で一般的に使用される形状のものであり、特に限定されない。より具体的には、球形、ピラミッド形、マルチアーム(multi-arm)形、立方体(cubic)のナノ粒子形、ナノチューブ形、ナノワイヤ形、ナノファイバー形、又はナノプレート粒子形などのものを使用する。
【0060】
一実施形態で、量子ドット層300-Qは、入射された光を異なる波長領域の光に変換する複数の量子ドット(Q1、Q2)を含む。複数の量子ドット(Q1、Q2)は、第1色光L-Bを第2色光に変換する第1量子ドットQ1、及び第1色光L-Bを第3色光に変換する第2量子ドットQ2を含む。量子ドット層300-Qから出射される第1色光、第2色光、及び第3色光は白色光としてディスプレイパネル100(図1参照)に提供される。
【0061】
バリア層(300-B1、300-B2)は、量子ドット層300-Qを外部の湿気から保護する。本実施形態で、量子ドット層300-Qの上面及び下面に各々配置された2つのバリア層(300-B1、300-B2)を例として示した。バリア層(300-B1、300-B2)は、無機層であり得る。バリア層(300-B1、300-B2)は、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド、シリコンオキシナイトライドを含む。一実施形態で、2つのバリア層(300-B1、300-B2)の中の少なくとも一つは、省略され得る。
【0062】
保護層300-Pは、上部バリア層300-B2に接触するように量子ドット層300-Q上に配置される。保護層300-Pは、有機層を含み得る。本発明の一実施形態で、保護層300-Pは、省略され得る。
【0063】
フィルタ300-Fは、第1色光L-Bの一部を透過させ、一部を反射する。第1色光L-Bの入射角に応じて透過率が異なる。フィルタ300-Fは、発光素子200-Lに最も隣接して発光素子200-Lと同じ面積の領域(以下、垂直領域VA)に入射される第1色光L-Bの一部を反射して垂直領域VA周辺へ第1色光L-Bをガイドする。これによって、垂直領域VAでのホットスポット現象を防止することができる。ホットスポット現象とは、発光素子200-Lに重畳しているディスプレイパネル100の一部の領域のみに光量が集中する現象である。フィルタ300-Fは、垂直領域VAだけでなく、垂直領域VAの周辺領域に入射される第1色光L-Bからの光をさらに遠くにガイドする。
【0064】
本実施形態よると、直下型の発光ユニット200が量子ドット層300-Qを用いて白色光をディスプレイパネル100(図1参照)に提供するため、高輝度のイメージが提供される。
【0065】
本実施形態において、ディスプレイ装置DDは、反射シートRSをさらに含み得る。反射シートRSは、複数の発光ユニット200上に配置され、発光素子200-Lに対応する複数の開口部RS-Oが定義される。
【0066】
反射シートRSは、青色光を反射する青色のカラーを有し得る。反射シートRSは、樹脂層及び樹脂層上に配置された青色の有機層を含み得る。有機層は、緑色光及び赤色光を吸収する。
【0067】
発光素子200-Lで生成された第1色光L-Bのうち、光学部材300で反射された光は、青色の反射シートRSにより反射され、再び光学部材300に入射する。したがって、光効率が向上する。
【0068】
光学部材300で生成された後、反射シートRSに向かう第2色光及び第3色光は反射シートRSで吸収される。発光素子200-Lを調光するに当たって、ターンオフされた発光素子200-Lに対応する領域に入射する反射光の光量が減少する。それによって、ディスプレイ装置DDは、大きなコントラスト比を有する。
【0069】
本発明の一実施形態で、図2Dに示す反射シートRSは、省略され得る。本発明の一実施形態で、図2Cを参照して説明した保護層200-SRは、青色のカラーを有し得る。このような保護層200-SRは、反射シートと同じ機能を有する。回路基板200-Pを用いた光効率の向上をより効果的に達成するために、回路基板200-Pは、底部400L-10を実質的に完全にカバーし得る。回路基板200-Pと底部400L-10との配置関係は、図1を参照して、先に説明した通りである。
【0070】
図3Aは、本発明の一実施形態によるフィルタの一部を示す断面図である。図3B図3Eは、本発明の一実施形態によるフィルタに入射される光の入射角θに応じた透過率を示すグラフである。図4Aは、本発明の一実施形態によるフィルタの動作を説明するための断面図である。図4Bは、発光素子の有効半径内で距離に応じた光の輝度を示すグラフである。図3A及び図3Bで、バリア層は省略した。
【0071】
本実施形態では、ガラス基板300-Gの上面300-US上にフィルタ300-Fが直接配置される。コーティング、印刷、又は蒸着の方法でフィルタ300-Fを形成する。
【0072】
図3Aに示すように、フィルタ300-Fは、交互に積層された複数の第1層L1及び複数の第2層L2を含む。複数の第1層L1の屈折率は、450nmの波長の光に対して、1.8~2.0であり、複数の第2層L2の屈折率は、450nmの波長の光に対して、1.4~1.5である。複数の第1層L1の厚さは、160nm~200nmであり、複数の第2層L2の厚さは、60nm~100nmである。
【0073】
複数の第1層L1及び複数の第2層L2の各々は、シリコンオキサイド、シリコンナイトライド、及びシリコンオキシナイトライドを含む。同じ物質を含んでいても薄膜の蒸着条件に応じて上記の層は、異なる屈折率を有し得る。本実施形態で、複数の第1層L1は、シリコンナイトライドを含み、複数の第2層L2は、シリコンオキサイドを含む。
【0074】
フィルタ300-Fの積層数は、5~20である。図3Aには、5つのシリコンナイトライド層と4つのシリコンオキサイド層を含む9層構造のフィルター300-Fを示す。5つのシリコンナイトライド層は、同じ厚さを有し、4つのシリコンオキサイド層は、同じ厚さを有する。シリコンナイトライド層は、180nmの厚さを有し、シリコンオキサイド層は、80nmの厚さを有する。
【0075】
フィルタ300-Fは、第1色光L-Bの入射角に応じて透過率及び反射率が異なる。フィルタ300-Fは、0度の入射角(又は第1入射角)で最も低い透過率(以下、第1透過率)を有し、最も高い反射率(以下、第1反射率)を有する。フィルタ300-Fは、第1入射角よりも大きい第2入射角の第1色光L-Bに対して、第1透過率よりも大きい透過率を有し、第1反射率よりも小さい反射率を有する。本実施形態で、第1透過率は10%~45%である。
【0076】
図3B図3Eを参照して、450nmの波長の光に対するフィルタ300-Fの透過率を説明する。図3Bに示すように、入射角θが0度の時、約30%の透過率を有し、図3Cに示すように、入射角θが20度の時、約40%の透過率を有し、図3C及び図3Dに示すように、入射角θが40度及び60度の時、約95%及び98%の透過率を有する。
【0077】
フィルタ300-Fは、入射される第1色光L-Bの入射角θが増加するにつれて透過率が増加する。入射角θが所定の角度以上であれば、実質的に同一の透過率を有する。
【0078】
透過されない光量がすべて反射されるわけではなく、一部吸収又は一部消滅されるが、透過率が低いということは、反射率が高いことを意味する。
【0079】
図4Aに示すように、発光素子200-Lから出射された第1色光L-Bの光の中で、フィルタ300-Fに垂直に入射する光(第1入射角で入射する光)は、フィルタ300-Fでほとんど反射される。反射された光は、ガラス基板300-Gの上面300-US又は反射シートRSで再反射され、有効半径ER内で垂直領域VAから離れるようにガイドされる。ガイドされた第1色光は、フィルタ300-Fに対する入射角が小さくなりながら、フィルタ300-Fを透過する。有効半径ERは、発光素子200-Lで生成された光が及ぼす領域の距離を光学部材300の上面で測定したものである。
【0080】
図4Bに示すように、フィルタ300-Fが配置されたディスプレイ装置DDの垂直領域VAの輝度I-1は、フィルタ300-Fが未配置のディスプレイ装置DDの垂直領域VAの輝度I-0よりも低い。それに応じてホットスポット現象が減少される。また、フィルタ300-Fが配置されたディスプレイ装置DDの有効半径ER1は、フィルタ300-Fが未配置のディスプレイ装置DDの有効半径ER0よりも大きい。したがって、領域に応じた輝度ばらつきが減少され得る。
【0081】
図5Aは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。図5B図5Dは、第1領域内に配置されたフィルタの形状を示す平面図である。図5Eは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す平面図である。以下では、図1図4Bを参照して説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0082】
図5Aに示すように、フィルタ300-Fは、ガラス基板300-Gの上面300-USの一部の領域のみに配置される。フィルタ300-Fは、複数のフィルタパターンFPを含む。図5Aで、複数のフィルタパターンFPが配置された上面300-USの一部の領域は、第1領域R1として示され、フィルタパターンFPが未配置の上面300-USの一部の領域は、第2領域R2として示される。
【0083】
第1領域R1は、図4A及び図4Bを参照して説明した垂直領域VAを含む。第1領域R1は、多様な形状を有する。第1領域R1の中心が垂直領域VAの中心と一致するように、フィルタパターンFPが発光素子200-Lに整列されることが好ましい。フィルタパターンFPと発光素子200-Lとは、互いに一対一に対応する。
【0084】
フィルタパターンFPを配置して垂直領域VAに発生するホットスポットを防止し、フィルタパターンFPの面積を減少させて消滅される第1色光L-Bの光量を減少させる。それによって、ディスプレイ装置の光効率が向上する。
【0085】
図5Bに示すように、フィルタパターンFPは、円形状を有し得る。図5C及び図5Dに示すように、フィルタパターンFPは、第1部分P1と第2部分P2とを含み得る。第1部分P1は、発光素子200-Lに重畳する。第2部分P2は、第1部分P1よりも小さい面積を有し、発光素子200-Lと重畳しない。
【0086】
図5Cに示すように、第1部分P1と第2部分P2とは、離隔される。図5Dに示すように、第2部分P2は、複数提供されて、第1部分P1から延長される。
【0087】
図5Eに示すように、フィルタ300-Fは、ガラス基板300-Gの上面300-USの一部の領域のみに配置され得る。フィルタ300-Fは、発光素子200-Lに重畳しない領域に第2領域R2が定義される。第2領域R2は、開口部300-FOによって形成される。図5Eに示すフィルタ300-Fの機能は、図5A図5Dを参照して説明したフィルタ300-Fの機能と同じである。
【0088】
図5A図5Dに示す第2領域R2には、補償層CLが配置され、図5Eに示す第2領域R2には、補償パターンCPが配置され得る。補償層CL及び補償パターンCPは、フィルタ300-Fと実質的に同じ屈折率を有し得る。例えば、補償層CLの屈折率は、フィルタ300-Fの屈折率の10%の範囲内であり得る。補償層CL及び補償パターンCPは、フィルタ300-Fと重畳せず、フィルタが未配置の領域を光学的に補償する。
【0089】
図6Aは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。図6Bは、本発明の一実施形態による散乱層の断面図である。図6C図6Eは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。以下では、図1図5Eを参照して説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。図6A図6Eで、バリア層(300-B1、300-B2)(図2D参照)は省略した。
【0090】
図6Aに示すように、ガラス基板300-Gの上面300-US上に散乱層300-Sが直接配置される。コーティング又は印刷の方法で散乱層300-Sを形成する。本実施形態で、散乱層300-Sは、ガラス基板300-Gの上面300-USと量子ドット層300-Qとの間に配置される。散乱層300-Sは、ガラス基板300-Gを通過した第1色光L-Bを散乱させてホットスポット現象を防止する。
【0091】
散乱層300-Sは、ベース樹脂BR及びベース樹脂BRに混合された(又は分散された)散乱粒子SPを含み得る。ベース樹脂BRは、散乱粒子SPが分散される媒質として、一般的にバインダーと称される多様な樹脂組成物からなる。
【0092】
図6Bに示すように、散乱粒子SPは、1種類以上の粒子を含む。散乱粒子SPは、2以上の屈折率を有し、150nm~400nmの直径を有し得る。散乱粒子SPは、無機粒子を含み得る。無機粒子は、TiO、SiO、ZnO、Al、BaSO、CaCO、又はZrOである。
【0093】
図6Cに示すように、散乱層300-Sは、ガラス基板300-Gの下面300-LS上に配置され得る。図6Dに示すように、フィルタ300-Fは、量子ドット層300-Qの上側に配置され得る。図6Eに示すように、量子ドット層300-Q上にフィルタ300-Fが配置され、フィルタ300-F上に散乱層300-Sが配置され得る。このとき、量子ドット層300-Qは、ガラス基板300-Gの上面300-USに接触する。保護層300-Pは省略され、散乱層300-Sは、保護層300-Pの機能を有し得る。一実施形態で、量子ドット層300-Qの上面にバリア層が配置され得る。
【0094】
図7は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。図8は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の一部を示す断面図である。以下では、図1図6Cを参照して説明した構成と同一の構成についての詳細な説明は省略する。
【0095】
図7に示すように、ディスプレイ装置DDは、合成樹脂基板300-Gの上面300-USに接触して屈折率が1.3以下の絶縁層300-Iをさらに含む。垂直領域VAに向かう光のうちの入射角が大きい第1色光L-Bは、合成樹脂基板300-Gと絶縁層300-Iとの界面で全反射される。したがって、垂直領域VAに向かう第1色光L-Bの一部は、平面上で垂直領域VAから離れるようにガイドされる。それによって、ホットスポット現象が減少する。
【0096】
図8に示すように、ガラス基板300-Gの下面300-LSには、凹状のレンズパターン300-RPが定義される。レンズパターン300-RPは、発光ユニット200から受光した第1色光L-Bを拡散させる。レンズパターン300-RPは、エッチングや、インプリント方式で形成され得る。
【0097】
図8に示すように、ガラス基板300-Gの上面300-USには、凸状の散乱パターン300-SPが定義される。散乱パターン300-SPは、不規則に配列され得る。散乱パターン300-SPは、発光ユニット200から受光した第1色光を散乱させる。散乱パターン300-SPは、エッチング方式で形成される。
【0098】
ガラス基板300-Gの上面300-USには、散乱パターン300-SPに接触し、平坦面を提供するパッシベーション層300-PAが配置される。パッシベーション層300-PAは、有機材料を含み、コーティング方法で形成される。
【0099】
以上、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら説明したが、本発明が属する技術分野における熟練した当業者又は本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の思想及び技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 ディスプレイパネル
100-IS ディスプレイ面
110 第1基板
120 第2基板
200 発光ユニット
200-I 絶縁層
200-L 発光素子
200-P 回路基板
200-S 回路層
200-SL 信号ライン
200-SR 保護層
200-SRO 開口部
300 光学部材
300-B1、300-B2 (下部、上部)バリア層
300-F フィルタ
300-FO 開口部
300-G 支持基板(ガラス基板/合成樹脂基板)
300-I 絶縁層
300-LS 下面
300-P 保護層
300-PA パッシベーション層
300-Q 量子ドット層
300-RP レンズパターン
300-S 散乱層
300-SP 散乱パターン
300-US 上面
400L (第1)保護部材
400L-10 底部
400L-20 側壁部
400U (第2)保護部材
400U-10 側壁部
400U-20 前面部
400U-OP 開口部
AD 接着部材
BR ベース樹脂
CL 補償層
CP 補償パターン
DD ディスプレイ装置
EC 封入部材
ED1、ED2 (第1、第2)電極
ER、ER1、ER0 有効半径
FP フィルタパターン
I-0、I-1 輝度
L1 第1層
L2 第2層
L-B 第1色光
LD 光学距離
Q1、Q2 (第1、第2)量子ドット
R1 第1領域
R2 第2領域
RS 反射シート
RS-O 開口部
SP 散乱粒子
VA 垂直領域
WR1、WR2 ワイヤ


図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8