(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】スキャナ装置
(51)【国際特許分類】
G01C 15/00 20060101AFI20230823BHJP
G01C 5/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
G01C15/00 103A
G01C5/00 M
(21)【出願番号】P 2019194667
(22)【出願日】2019-10-25
【審査請求日】2022-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000220343
【氏名又は名称】株式会社トプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110004060
【氏名又は名称】弁理士法人あお葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100187182
【氏名又は名称】川野 由希
(72)【発明者】
【氏名】安富 敏
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0139395(US,A1)
【文献】特開2019-128196(JP,A)
【文献】特開2015-034726(JP,A)
【文献】特開2013-221831(JP,A)
【文献】特開平10-293029(JP,A)
【文献】特開2003-021514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レベルユニットと
、スキャナユニットとを備えるスキャナ装置であって、
前記電子レベルユニットは、
望遠鏡と、前記望遠鏡を格納するレベル筐体と
を備え、前記望遠鏡で視準した電子レベル用標尺の画像を取得して、視準位置における
前記標尺
の高さおよび前記標尺までの距離を測定可能であり、
前記スキャナユニットは、測距光を発し、測定対象物からの反射光を受光して測距を行う測距部と、前記測距光を鉛直方向に回転照射する回動ミラーと、該回動ミラーを回転駆動する鉛直回転駆動部と、前記電子レベルユニットおよび前記スキャナユニットを一体的に水平方向に回転駆動する水平回転駆動部と、前記測距光の方向角を検出する水平角検出器および鉛直角検出器とを備え、
前記スキャナユニットは、前記測距光を鉛直方向の地面に照射して器械高を取得可能であり、
前記回動ミラーの回転軸が、前記電子レベルユニットの望遠鏡の視準光軸と平行になるように配置されていることを特徴とするスキャナ装置。
【請求項2】
前記スキャナユニットが、前記電子レベルユニットの前記望遠鏡の上部に、
前記スキャナユニットの器械中心と、前記電子レベルユニットの器械中心とが水平方向に一致するように配置され、
前記レベル筐体の上面および下面に、前記スキャナユニットの前記測距光を透過する窓を備え、
前記レベル筐体内の前記望遠鏡周辺に、複数の偏向ミラーを備え、
前記スキャナユニットから鉛直下向きに出射された前記測距光を、前記複数の偏向ミラーにより前記望遠鏡を回避するように反射させて、前記下面側の窓から鉛直下向きに照射可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ装置。
【請求項3】
前記電子レベルユニットは、第1の端部に対物レンズを、第2の端部に接眼レンズを備え、
前記スキャナユニットは、第1の端部または
第2の端部の何れか一方に
片持ち状に配置されていることを特徴とする請求項
1に記載のスキャナ装置。
【請求項4】
前記スキャナユニットは、前記電子レベルユニットの下部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のスキャナ装置。
【請求項5】
前記レベル筐体は、前記測距光の回転照射面を含む部分に幅細部を備え、
前記複数の偏向ミラーが、前記スキャナユニットから鉛直下向きに出射された前記測距光を、前記幅細部および前記望遠鏡を回避するように反射させて、前記下面側の窓から鉛直下向きに照射可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のスキャナ装置。
【請求項6】
前記スキャナユニットは、前記電子レベルユニットの上部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のスキャナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ装置に関し、より詳細には、電子レベルを備えるスキャナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定対象物の点群データを取得するスキャナ装置と、測定対象物の測距および測角を行うトータルステーションとを一体化した測量装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の測量装置は、複数地点からスキャナ装置で点群データを取得した場合に、各点の点群データを合体させるための器械点の座標値および方向角を、測定するのに有利である。
【0003】
一方、測量装置として、所定のバーコードが刻印された標尺を用いて、高さ測定、距離測定を行う電子レベルが知られている(例えば特許文献2)。
【0004】
しかしながら、スキャナ装置と電子レベルとを一体化した測量装置は提案されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-128196号公報
【文献】特開2015-034726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、電子レベルを一体化したスキャナ装置を構成すれば、所定の標尺と組み合わせることで、ある程度の精度で器械点の測量を行うことができると考え鋭意検討したところ、以下のような課題を発見した。
【0007】
特許文献1等の測量装置では、スキャナの鉛直方向の回転軸は、トータルステーションの望遠鏡の視準方向と直交するように構成されている。
【0008】
しかし、電子レベルは、レベルとしての基本的機能のために、望遠鏡の視準光軸の方向が長手方向となる形状であることが好ましい。このため、特許文献1の測量装置と同様にして、電子レベルの上部に配置しようとすると、電子レベルの筐体がスキャン範囲に干渉して、点群データに映り込む、所謂「ケラレ」と言われるスキャン光の無効範囲が大きくなり、点群データを取得可能な有効照射範囲が小さくなるという問題があった。
【0009】
本発明は、係る事情を鑑みてなされたものであり、有効照射範囲を減少させずに、電子レベルを複合化したスキャナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様に係るスキャナ装置は、電子レベルユニットとスキャナユニットとを備えるスキャナ装置であって、前記電子レベルユニットは、レベル筐体に格納された望遠鏡で視準した電子レベル用標尺の画像を取得して、視準位置における標尺高さおよび前記標尺までの距離を測定可能であり、前記スキャナユニットは、測距光を発し、測定対象物からの反射光を受光して測距を行う測距部と、前記測距光を鉛直方向に回転照射する回動ミラーと、該回動ミラーを回転駆動する鉛直回転駆動部と、前記電子レベルユニットおよび前記スキャナユニットを一体的に水平方向に回転駆動する水平回転駆動部と、前記測距光の方向角を検出する水平角検出器および鉛直角検出器とを備え、前記スキャナユニットは、前記測距光を鉛直方向の地面に照射して器械高を取得可能であり、前記回動ミラーの回転軸が、前記電子レベルユニットの望遠鏡の視準光軸と平行になるように配置されていることを特徴とする。
【0011】
また、上記態様において、前記スキャナユニットが、前記電子レベルユニットの前記望遠鏡の上部に、前記スキャナユニットの器械中心と、前記電子レベルユニットの器械中心とが水平方向に一致するように配置され、前記レベル筐体の上面および下面には、前記スキャナの測距光を透過する窓を備え、前記レベル筐体内には、複数の偏向ミラーを備え、前記スキャナユニットから鉛直下向き出射された測距光を、該複数の偏向ミラーにより前記望遠鏡を回避するように反射させて、前記下面側の窓から鉛直下向きに照射可能に構成されていてもよい。
【0012】
また、上記態様において、前記スキャナユニットは、前記電子レベルユニットの対物レンズ側端部または接眼レンズ側端部の何れか一方に配置されていてもよい。
【0013】
また、上記態様において、前記スキャナユニットは、前記電子レベルユニットの下部に配置されていてもよい。
【0014】
なお、本明細書において、標尺高さ(または標尺の高さ)とは、標尺の視準位置の示す高さであり、電子レベルによる読取り高さを意味する。
【発明の効果】
【0015】
上記態様によれば、有効照射範囲を減少させずに、電子レベルを複合化したスキャナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るスキャナ装置の外観構成を示す図である。
【
図2】同スキャナ装置の軸V-Vを含む平面に沿う縦断面図である。
【
図3】同スキャナ装置の軸V-Vに直交する平面に沿う縦断面図である。
【
図4】スキャナユニットの配置方向による有効照射範囲の違いを説明する図である。
【
図5】(A)は第1の実施の形態の変形例に係るスキャナ装置の、電子レベルユニットの軸V-Vを含む平面に沿う縦断面図、(B)は同電子レベルユニットの(A)のVB-VB線に沿う断面図、(C)は同VC-VC線に沿う断面図である。
【
図6】(A)は本発明の第2の実施の形態に係るスキャナ装置の正面図、(B)は同スキャナ装置の平面図である。
【
図7】同スキャナ装置のスキャナユニットの軸V-Vを含む平面に沿う縦断面図である。
【
図8】(A)は第2の実施の形態の変形例に係るスキャナ装置の正面図、(B)は同スキャナ装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、各実施の形態において、同一の作用機能を有する部材には同一の名称を付し、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0018】
(実施の形態に係るスキャナ装置を用いた測量に用いる標尺)
まず、実施の形態の説明において、共通に用いる標尺LSについて説明する。標尺LSは、
図1に示すように、所謂電子レベル用のバーコード標尺である。標尺LSは、アルミニウム製やカーボンファイバー製の真直な基体に、縦方向に所定の間隔で配置され、標尺の下端部からの長さ(高さ)を示すバーコードパターン2が印刷や刻印等により表示されている。また、標尺LSは、円形水準器等の水準器3を備え、標尺スタンド4等により、鉛直に自立するように設置される。標尺スタンド4を用いず、作業者により鉛直に保持されていてもよい。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係るスキャナ装置Sの測定状態を示す外観概略図、
図2は、電子レベルユニット8の器械中心O
1を通る鉛直面に沿う断面図、
図3は、電子レベルユニット8の器械中心O
1を
通り、図2の鉛直面と直交する鉛直面に沿う断面図である。なお、
図2および
図3は、測距光の照射方向が、鉛直下向きである状態を示す。また、
図2および
図3では、説明の便宜のため、一部の構成およびハッチングを適宜省略して表している。
【0020】
(スキャナ装置の構成)
スキャナ装置Sは、外観上、設置点に三脚5を用いて取り付けられた整準ユニット6、水平回転ユニット7、水平回転ユニット7に設けられた電子レベルユニット8、および電子レベルユニット8の上部に設けられたスキャナユニット9を備える。整準ユニット6は、整準ネジおよび気泡管を備える所謂整準装置である。
【0021】
水平回転ユニット7は、整準ユニット6に取り付けられる基盤部11と、電子レベルユニット8およびスキャナユニット9を一体的に水平回転する水平回転部12とを備える。
【0022】
水平回転部12は、中空の筒形部材であり、鉛直に伸びる軸H-Hに沿って延在する水平回転軸14を備える。水平回転軸14は、基盤部11の水平軸受13により回転自在に支持されている。水平回転部12には、ネジ止め等の適宜の手段により電子レベルユニット8が固定支持されている。電子レベルユニット8とスキャナユニット9は水平回転軸14の回転に伴って一体に水平回転するようになっている。
【0023】
水平回転部12は、水平駆動モータを備える水平回転駆動部15および水平回転軸14の回転角を検出する水平角検出器16(例えば、ロータリエンコーダ)を備える。水平回転駆動部15は、水平回転軸14を軸H-H周りに回転する。水平角検出器16は、基盤部11に対する水平回転軸14、すなわち電子レベルユニット8およびスキャナユニット9の回転角を検出する。水平角検出器16の検出結果は、制御演算部40に入力される。
【0024】
電子レベルユニット8は、レベル筐体20内に、視準光学系21およびラインセンサ22を備える。視準光学系21は、望遠鏡の鏡筒8aに格納されており、対物レンズ部21a、光軸を自動保障するコンペンセータ21b、ビームスプリッタ21c、および接眼レンズ部21dを備える。ビームスプリッタ21cは、視準光学系21に入射する光を分割し、視準する標尺LSの光の像をラインセンサ22に受光させる。
【0025】
ラインセンサ22は、例えばCMOS、CCD等の撮像素子である。ラインセンサ22は、受光信号を、後述する制御演算部40に出力する。
【0026】
スキャナユニット9は、ネジ止め等適宜の手段により、レベル筐体20に固定されている。スキャナユニット9の器械中心O2と、電子レベルユニット8の器械中心O1とは、水平方向に一致しており、軸V-V上に配置されている。また、鉛直方向での位置関係は既知とされている。また、電子レベルユニット8の視準光軸Aと、スキャナユニット9の回動ミラー35の鉛直方向の回転軸(すなわち軸V-V)とは、平行になっている。
【0027】
スキャナユニット9は、スキャナ筐体30と、水平方向に伸びる軸V-Vに沿って延在する鉛直回転軸31と、軸受32と、鉛直回転モータを含む鉛直回転駆動部33と、例えばロータリエンコーダである鉛直角検出器34と、回動ミラー35と、測距部36と、記憶部37等と、制御演算部40とを備える。スキャナ筐体30の中央部には、凹部30aが形成されている。
【0028】
鉛直回転軸31は、中空の筒状部材であり、凹部30aの両側に配置された軸受32を介して、スキャナ筐体30に回転自在に支持されている。鉛直回転軸31の内部には、回動ミラー35が、鉛直回転軸31の軸心(すなわち、軸V-V)に対して、45°傾いた状態で設けられている。また、鉛直回転軸31の、回動ミラー35の反射面35aに45°の傾きで対向する位置には、開口31aが設けられている。
【0029】
鉛直回転軸31は、凹部30a内において、開口31aから露出する回動ミラー35を保護するための箱状の投光カバー30bを備える。投光カバー30bは、鉛直回転軸31と一体に回転する。投光カバー30bの、回動ミラー35の反射面35aと対応する位置には、円形の窓30b1が開口している。窓30b1は、測距光を透過する透光性の樹脂板30b2で閉塞されている。
【0030】
鉛直回転駆動部33は鉛直回転軸31を軸V-V周りに回転駆動する。鉛直角検出器34は、スキャナ筐体30に対する鉛直回転軸31の回転角、すなわち、回動ミラー35の回転角(鉛直角)を検出する。
【0031】
また、回動ミラー35は、軸心が、電子レベルユニット8の器械中心O1を通る鉛直軸(軸H-H)上に配置されている。
【0032】
測距部36は、発光素子を備える測距光送光部36a、送光光学系36b、ビームスプリッタ36c、受光光学系36dおよび受光素子を備える測距光受光部36eを備える。
【0033】
発光素子から、レーザパルス光として射出された測距光は、送光光学系36b、ビームスプリッタ36cを介して回動ミラー35に向けて射出される。ビームスプリッタ36cから射出される測距光の光軸は、回動ミラー35の軸心と合致している。測距光は回動ミラー35により直角に偏向される。回動ミラー35が軸V-V周りに回転することで、測距光は、軸V-Vと直交する平面内の測定対象物に回転照射され、該平面内を走査する。
【0034】
測定対象物で反射された測距光は、回動ミラー35で偏向され、ビームスプリッタ36c、受光光学系36dを経て測距光受光部36eで受光される。
【0035】
測距光受光部36eは、入射した受光信号を制御演算部40に出力するように構成されている。制御演算部40では、受光信号に基づいて、測距光の反射点までの距離を演算する。
【0036】
なお、上記スキャナユニット9の構成は一例であり、例えば、特開2014-178274号公報等に開示されているような公知のものを適用することもできる。
【0037】
制御演算部40は、演算処理を行うCPUと、画像メモリと、補助記憶部としてのROM(Read・Only・Memory)およびRAM(Randam・Access・Memory)等を備えるマイクロコンピュータである。
【0038】
制御演算部40は、水平回転駆動部15、水平角検出器16、ラインセンサ22、鉛直回転駆動部33、鉛直角検出器34、測距部36、および後述する記憶部37、データ記憶部38、表示部39、操作部41とデータ入出力可能に接続されて、各部を制御し、各部により取得されるデータを演算処理する。
【0039】
制御演算部40は、電子レベルユニット8を制御して、視準する標尺LSの画像を取得する。具体的には、操作部41の撮像スイッチがONにされると、ラインセンサ22に蓄積されている画素データを逐次読み出して、画像メモリに記憶する。
【0040】
制御演算部40は、ラインセンサ22からの信号すなわち、標尺LSの画像データから、視準光軸A上のコードパターンを抽出し、予め記憶部37に記憶された基準コード(高さの値に対応するコードパターン)と照合して、標尺LS上の電子レベルユニット8の視準位置の高さを算出する。
【0041】
制御演算部40は、電子レベルユニット8で取得され画像メモリに記憶された標尺LSの画像データから、視準光軸Aの上側スタジア線に相当するコードパターンと、視準光軸Aの下側スタジア線に相当するコードパターンと抽出し、予め記憶部37に記憶された基準コードと照合して、それぞれに相当する距離の測定値を求める。
【0042】
制御演算部40は、上側スタジア線に相当する上側高さ測定値と、下側スタジア線に相当する下側高さ測定値との差により、上下スタジア線間の長さを求める。求められた長さに、スタジア定数を乗じて電子レベルユニット8の器械中心O
1から標尺LSまでの水平距離D(
図1)を算出する。
【0043】
制御演算部40は、上記標尺LSの高さおよび標尺LSまでの距離の測定に際し、水平角検出器16の検出結果に基づいて、電子レベルユニット8の視準する方向の水平方向角を算出する。
【0044】
また、制御演算部40は、水平角検出器16の検出結果に基づいて、水平回転駆動部15を駆動制御するともに、鉛直角検出器34の検出結果に基づいて、鉛直回転駆動部33を駆動制御して、測距光を水平方向および鉛直方向の全周(フルドームスキャン)あるいは予め定められた範囲で走査して、各点における測距光の照射点の距離を測定する。また、水平角検出器16および鉛直角検出器34から、各照射点における測距光の照射方向の水平角および鉛直角を取得する。この結果、点群データを取得する。
【0045】
制御演算部40は、発光素子の発光タイミングと、受光素子の受光タイミングの時間差(パルス光の往復時間)に基づき、測距光の1パルス光ごとに測距を実行する(Time of Flight)。なお、測距方法として、連続光または断続光を照射し、射出光と反射光の位相差により測距を行っても良い。
【0046】
なお、測距部36は、内部参照光学系(図示せず)を備え、測距光受光部36eには、測距光の一部が内部参照光として入射するようになっている。反射測距光および内部参照光の受光タイミングの時間差により測距を行うことで高精度の測距が可能となっている。
【0047】
記憶部37は、例えばハードディスクドライブである。記憶部37には、上記制御および演算を実行するためのプログラムやデータが格納されている。
【0048】
データ記憶部38は、例えばSDカードであり、スキャナ装置Sで取得される種々の測定データおよび演算により算出されるデータを記憶する。
【0049】
表示部39と操作部41は、スキャナ装置Sのユーザインタフェースである。図示の例では、レベル筐体20の外面に設けられている。表示部39は、例えば、液晶ディスプレイである。操作部41は、たとえばキーボタン等である。表示部39および操作部41は、作業者が、これらを介して、スキャナ装置Sの動作に関する指令および設定、測定結果の確認、装置の調整等が行えるように構成されている。
【0050】
なお、本実施の形態では、制御演算部40、記憶部37、データ記憶部38、表示部39および操作部41が、電子レベルユニット8とスキャナユニット9に共通して使用される。一方で、これらを電子レベルユニット8と、スキャナユニット9で個別に使用されるように構成してもよい。この場合には、電子レベルユニット8と、スキャナユニット9の制御演算部40は、データの入出力が可能に構成される。
【0051】
以上が、スキャナ装置Sの基本的な構成であるが、以下、スキャナ装置Sの、器械高を測定するための構成について説明する。
【0052】
図2,3に示す通り、スキャナ筐体30の凹部30a底部の上面および下面の、スキャナユニット9が鉛直下向きを視準するときに視準する位置、すなわち、軸H-H上には、円形の窓30c1,30d1がそれぞれ開口している。窓30c1,30d1は、測距光を透過する透光性の樹脂板30c2,30d2で閉塞されている。
【0053】
また、レベル筐体20の上面および下面のスキャナユニット9が鉛直下向きを視準するときに視準する位置、すなわち、軸H-H上には、円形の窓20a1および20b1がそれぞれ開口している。窓20a1および20b1は、スキャナの測距光を透過する透光性の樹脂板20a2,20b2で閉塞されている。
【0054】
窓30c1,30d1および窓20a1および20b1の大きさや形状は、測距光のビームを遮蔽しない限り特に限定されない。
【0055】
また、
図3に示すように、レベル筐体20内の、軸H-Hを通り、視準光軸A(および軸V-V)と直交する平面上には、4つの偏向ミラー23a,23b,23c,23dが、鏡筒8aを回避するように配置されている。
【0056】
水平回転ユニット7の水平回転軸14は、中空の筒形状を有する。また、整準ユニット6および三脚5の台座5aの、軸H-H上には、それぞれ、貫通孔6a,6bおよび5bが設けられている。
【0057】
図3に示すように、スキャナユニット9が鉛直下向きを視準した状態で、測距部36から測距光が出射されると、測距光Lは回動ミラー35で反射され、投光カバー30bの樹脂板30b2、スキャナ筐体30の樹脂板30c2,30d2およびレベル筐体20の上側の樹脂板20a2を順次透過して、レベル筐体20内に入射して、偏向ミラー23a,23b,23cで順次反射される。そして、偏向ミラー23dにより反射されて鉛直下向きに導かれる。鉛直下向きに向かう測距光Lは、下側の樹脂板20b2および水平回転軸14の内部、貫通孔6a,6b,5bを介して地面に照射される。
【0058】
次に、地面から反射された反射測距光は、同じ光路を逆向きに進行して回動ミラー35に入射する。これにより、通常の測距と同様に、地面までの距離が、光路の軸H-Hからのズレを含むようにして測定可能となっている。
【0059】
制御演算部40は、操作部41から器械高測定のスイッチをONとされると、スキャナユニット9を、鉛直下向きに視準させ、地面までの測距を行う。偏向ミラー23a,23b,23c,23dにより、ずらされる光路長の長さは予め測定により求められ、補正値として記憶部37に記憶されている。制御演算部40は、上記測定結果より得られる測距値を、記憶された軸H-Hからずらされる光路長を補正値として補正することにより、スキャナ装置Sの器械高を算出する。
【0060】
なお、図示の例では、偏向ミラー23a,23dを軸H-H軸を含む測距光の照射平面上に配置している。また、偏向ミラー23a,23bは軸H-Hに対して45°傾けて平行に配置し、偏向ミラー23c,23dは軸H-Hに対して-45°傾けて平行に配置している。そして、偏向ミラー23a,23bと偏向ミラー23d,23cとを、鏡筒8aを介して対向するように配置することにより、鉛直下向きに入射する測距光Lを90°ずつ偏向して、測距光Lの光路が鏡筒8aを避けて鉛直下向きに導かれるように配置している。
【0061】
しかし、偏向ミラーの配置角および数は、これに限定されず、レベル筐体20内に鉛直下向きに入射する測距光Lを、鏡筒8aを避けて、レベル筐体20の底面から鉛直下向きに導ける限り、適宜設定することができる。
【0062】
(有効照射範囲の検討)
図4は、(A)本実施の形態に係るスキャナ装置Sと、(B)比較例として、スキャナユニットの鉛直方向の回転軸と電子レベルユニット8の視準光軸Aとが直交するように、スキャナユニット9および電子レベルユニット8を配置したと仮定したスキャナ装置S900の、測距光の有効照射範囲を示す図である。
【0063】
ここで、スキャナ装置S900は、電子レベルユニット8とスキャナユニット9との配置を除き、スキャナ装置Sと同じ構成を有するものとする。
【0064】
図4(A),(B)は、それぞれのスキャナ装置S,S900を回動ミラー35の回転軸方向から見た図である。すなわち、
図4(A)では、回動ミラー35の鉛直回転の軸V-Vと、電子レベルユニット8の視準光軸Aは、平行に、紙面を正面視した前後方向に延在する。一方、
図4(B)では、回動ミラー35の鉛直回転軸の軸V-Vは、紙面を正面視した前後方向に延在するのに対して、電子レベルユニット8の視準光軸Aは紙面の左右方向に延在している。
【0065】
また、
図4(A),(B)は、測距光を360°走査した場合の、有効照射範囲EIR(EIR
SとEIR
S900)と、レベル筐体が、測距光と干渉して有効なデータの取得ができない無効範囲(UR
SとUR
S900)とを示す。
【0066】
図4(A),(B)から明らかに、スキャナ装置Sでは、スキャナ装置S
900に比較して、測距光Lの鉛直回転照射する平面に干渉する、レベル筐体20の長さが短くなっており、有効照射範囲EIR
Sが大きく、無効範囲UR
Sが小さくなっていることがわかる。
【0067】
このように、本実施の形態に係るスキャナ装置Sでは、回動ミラー35の回転軸を、電子レベルユニット8の望遠鏡の視準光軸Aと平行になるように配置した。この配置は、測距光の照射平面が、電子レベルユニット8の長手方向と直交する配置となる。このため、従来のスキャナ付きトータルステーションに倣ってスキャナの回動ミラーの回転軸が、電子レベルの望遠鏡の視準光軸と直交するように配置した場合と比較して、照射範囲にレベル筐体20の干渉する範囲が小さくなり、有効照射範囲EIRを大きく確保し、有効なデータの取得ができない無効範囲URを小さくすることができる。
【0068】
(スキャナ装置Sを用いた測量方法)
上記の通り構成されたスキャナ装置Sは、以下の通り測量用いることができる。
図1において、P1を既知点とし、P2を未知の新点とする。また、図示しないが、既知の後視点を準備しておく。
【0069】
まず、既知点P1(x1,y1,z1)にスキャナ装置Sを設置し整準を行う。次に、既知の後視点に標尺LSを鉛直に設置し、電子レベルユニット8により、標尺LSを視準し、少なくとも標尺LS(後視点)の視準方向の水平角を測定する。これにより、スキャナ装置Sの方向角を求めることができる。
【0070】
次に、新点P2(x2,y2,z2)に標尺LSを鉛直に設置する。次に、電子レベルユニット8により、標尺LSを視準し、標尺高さLH,P1-P2間の水平距離D、および標尺LS(点P2)の視準方向の水平角を測定する。次に、スキャナユニット9により、スキャナ装置Sの器械高IHを測定する。
【0071】
点P1の座標(x1,y1,z1)は既知で有ることから、点P2のz座標z2は
z2=z1+IH-LH
求められる。また、点P2のx,y座標x2,y2は、点P1の座標、P1-P2間の水平距離D、および水平角より、求めることができる。
【0072】
このように、スキャナ装置Sは、スキャナ装置Sを中心とした座標系における、未知点の測量を行うことができる。
【0073】
また、スキャナ装置Sを用いて、後方交会法、後視点・器械点法と組み合わせることで、スキャナ付きトータルステーションと同様に、絶対座標系における、点群データを合体させるための器械点の測量をすすめることができる。
【0074】
同様の測量を、スキャナ付きトータルステーションやスキャナのみを用いて行う場合には、プリズムを整準台付き三脚の上に設置した上で整準し、作業者が、メジャー等により、プリズムの高さを測定しなければならなかった。また、器械高を測定する場合にも、作業者がメジャー等で測定しなければならず、作業が煩雑であった。
【0075】
本形態に係るスキャナ装置Sによれば、器械点の測量の際、作業者は、水準器を確認しながら、標尺LSを鉛直に設置するだけで良い。また、作業者は、高さに関する測定を一切意識することなく器械点の測量を行うことができ、作業が簡易になり、作業時間も低減できる。
【0076】
また、従来のスキャナ装置や、スキャナ付きトータルステーションを用いた器械点の測量では、測量装置の設置点から、後視点や次の器械点に設置したプリズム等を視準して測量を行った後、連続して該設置点における点群データの観測を開始する。その際、スキャナとトータルステーションは同じ方向を視準しているため、プリズムの整準台や、プリズムを片付けようとする作業者等が、点群データ取得時に映り込み、ノイズとなる場合がある。
【0077】
本実施の形態に係るスキャナ装置Sによれば、スキャナユニット9の回動ミラー35の回転軸V-Vを、電子レベルユニット8の望遠鏡の視準光軸Aと平行になるように配置したので、スキャナの視準方向と電子レベルの視準方向は、常に90°オフセットされる。したがって、次の器械点の測量が終わって、一連の作業で、同じ設置点でのスキャナユニットによる点群データの観測を開始しても、直ちに、標尺自体や作業者が点群データに映り込むことがない。作業者や標尺は、その場所がスキャナユニットのスキャン範囲に入るまでの間に、退避することができる。これにより、点群データ観測時のノイズを低減することができる。
【0078】
(第1の実施の形態の変形例)
図5(A)は、第1の実施の形態の変形例に係るスキャナ装置SAの電子レベルユニット8Aの、軸V-Vを含む平面に沿う縦断面図、
図5(B)は、
図5(A)のVB-VB線に沿う断面図、
図5(C)は、
図5(A)のVC-VC線に沿う断面図である。図中、レベル筐体20A、鏡筒8a、偏向ミラー23Aa~23Afを除く構成部材については省略する。
【0079】
スキャナ装置SAは、レベル筐体20Aの形状および、器械高を測定するための偏向ミラー23Aa~23Afの数および配置を除き、スキャナ装置Sと同じ構成を備える。
【0080】
レベル筐体20Aは、測距光の回転照射面を含む中央部付近に、幅細部20bを備える。幅細部20bでは、レベル筐体20Aの視準光軸に直交する方向の幅が、鏡筒8aに相当する幅に狭まっている。
【0081】
また、レベル筐体20A内には、6枚の偏向ミラー23Aa~23Afが、樹脂板20a2を介して入射した鉛直下向きの測距光を、順次反射して、樹脂板20b2から鉛直下向きに射出するように配置されている。
【0082】
具体的には、第1の偏向ミラー23Aaは鏡筒8aの上部の軸H-H上に配置されている。第2の偏向ミラー23Abは、第1の偏向ミラー23Aaから水平に対物レンズ側に所定距離オフセットされている。第3の偏向ミラー23Acは、第2の偏向ミラー23Abから水平に鏡筒8aを回避するようにオフセットされている。
【0083】
第4の偏向ミラー23Adは、第3の偏向ミラー23Acから鉛直下方向に、鏡筒8aを回避するようにオフセットされている。第5の偏向ミラー23Aeは、第4の偏向ミラー23Adから、水平方向に、視準光軸Aの水平位置と合致するようにオフセットされている。第6の偏向ミラー23Afは、第5の偏向ミラー23Aeから、水平方向に、軸H-H上までオフセットされている。
【0084】
また、偏向ミラー23Aa~23Afは、それぞれ入射した光を90°偏向して、次のミラーに送るようになっており、この結果、
図5(C)に示すように、樹脂板20a2を介して入射した鉛直下向きの測距光Lが、順次反射されて、樹脂板20b2から鉛直下向きに射出される。
【0085】
上記のようにスキャナ装置SAでは、スキャナ装置Sと同様にして、補正値を予め記憶部37に記憶させることにより、スキャナユニット9が器械高を測定可能に構成されている。また、スキャナ装置SAでは、測距光が回転照射される位置に、視準光軸Aと直交する方向に幅細にした、幅細部20bを設け、その幅を、レベルとしての機能を達成するための最低限である、鏡筒8aの直径に相当する幅としたので、レベル筐体20Aの幅を最小とすることができ、無効範囲URをさらに減少させ、有効照射範囲EIRを増大することができる。
【0086】
(第2の実施の形態)
図6(A)は、第2の実施の形態に係るスキャナ装置S100の正面図であり、
図6(B)は、スキャナ装置S100の平面図である。また、
図7は、スキャナ装置S100のスキャナユニット109の、軸V-Vを含む面に沿う縦断面図である。
【0087】
スキャナ装置S100は、スキャナ装置Sと同様に、整準ユニット6、水平回転ユニット7、水平回転ユニット7に設けられた電子レベルユニット108、およびスキャナユニット109を備える。
【0088】
電子レベルユニット108は、電子レベルユニット8と概略同様の構成を有するが、器械高を測定するためにレベル筐体20Aに設けられた窓20a1,20b1および偏向ミラー23a~23dを備えない。
【0089】
スキャナユニット109は、
図7に示すように、スキャナユニット9と概略同様の構成部材を備える。しかし、スキャナユニット9の鉛直回転軸31および投光カバー30bが、凹部30aの両側で軸受32に回転自在に支持されているのに対して、スキャナユニット109では、鉛直回転軸131および投光カバー130bが、軸受132に片持ちで回転自在に支持されている。
【0090】
また、スキャナユニット109では、スキャナ筐体130に、鉛直回転駆動部33およ
び鉛直角検出器34と測距部36とが配置されている。
【0091】
鉛直回転軸131内部には、回動ミラー135が、軸心が軸V-Vと合致するように軸V-Vに対して-45°傾けて固定されている。
【0092】
ビームスプリッタ36cから射出される測距光の光軸は、回動ミラー135の軸心と合致しており、測距光は回動ミラー135が鉛直回転軸131と一体に軸V-Vに周りに回転することで、測距光は、軸V-Vと直交する平面内の測定対象物に回転照射され、該平面内を走査する。
【0093】
スキャナユニット109は、ネジ止め等適宜の手段により、対物レンズ側端部の上部に、スキャナユニット109の測距光の照射平面が、対物レンズ部21aよりも外側になるように、レベル筐体120に固定されている。電子レベルユニット108の視準光軸Aと、スキャナユニット109の回動ミラー135の鉛直方向の回転軸(軸V-V)とは、平行になっている。スキャナユニット109の器械中心O102は軸V-V上に配置され、電子レベルユニット108の器械中心O101は電子レベルユニット108の視準光軸A上に配置され、軸V-Vと視準光軸Aは、水平方向に一致する。スキャナユニット109の器械中心O102と電子レベルユニット108の器械中心O101との鉛直方向および水平方向の位置関係は、予め既知とされ、記憶部37に記憶されている。
【0094】
スキャナ装置S100では、スキャナユニット109が、測距光を走査する際に、測距光に干渉する、筐体などが存在しないので、無効範囲URが存在せず、測距光の鉛直方向の有効照射範囲EIRが全周(360°)となる。
【0095】
また、スキャナ装置S100では、スキャナユニット109が鉛直下向きを視準した場合に、その地面方向を遮蔽する部材が存在しない。従って、第1の実施の形態のように、電子レベル筐体およびその内部に測距光を鉛直下向きに導くための特別な部材を備える必要がなく、構成が単純になる。なお、器械高は、測定値と、スキャナユニット109の器械中心O102と電子レベルユニット108の器械中心O101との鉛直方向の位置関係に基づいて演算される。
【0096】
スキャナ装置S100では、器械高として測定される距離は、スキャナユニット109の器械中心O102、からスキャナ装置S100の設置点までの距離ではない。スキャナユニット109の器械中心O102の真下の地面までの距離となり、必ずしも正確な器械高といえないが、室内など、平坦な地面上に設けられた器械点に設置する場合には、特に問題とならない。
【0097】
このように、スキャナユニット109を、電子レベルユニット108の対物レンズ側端部の上部に取り付けた場合でも、電子レベルユニット108の視準光軸Aと、スキャナユニット109の回動ミラー135の鉛直方向の回転軸(すなわち軸V-V)とを、平行になるように取り付けることで、無効範囲URをなくし有効照射範囲EIRを増大することができる。また、スキャナ装置S100は、スキャナ装置Sと同様の効果を奏することができる。
【0098】
なお、上記の例では、スキャナユニット109を対物レンズ側端部の上部に配置したが、接眼レンズ側端部の上部に配置してもよい。また、対物レンズ側端部と接眼レンズ側端部の両方の上部に配置してもよい。
【0099】
(第2の実施の形態の変形例)
図8(A)は、第2の実施の形態の変形例に係るスキャナ装置S100Aの正面図であり、
図8(B)は、同スキャナ装置S100Aの平面図である。
【0100】
スキャナ装置S100Aは、スキャナ装置S100のスキャナユニット109を、対物レンズ側端部の下部に取り付けたものである。スキャナ装置S100Aでも同様に、スキャナユニット109の測距光の照射平面が、対物レンズ部21aよりも外側になるように、レベル筐体120に固定されている。
【0101】
また、電子レベルユニット108の視準光軸Aと、スキャナユニット109の回動ミラー135の鉛直方向の回転軸(すなわち軸V-V)とは、平行になっている。スキャナユニット109の器械中心O102は軸V-V上に配置されている。このように構成することで、スキャナ装置Sやスキャナ装置S100と同じ効果を奏することができる。
【0102】
さらに、本変形例では、スキャナユニット109を、レベル筐体120の下部に取り付けたので、スキャナ装置全体の高さ方向の寸法が小さくなり、装置を小型化することができるというさらなる効果を奏する。
【0103】
以上、本発明の好ましい実施の形態について述べたが、上記の実施の形態は本発明の一例であり、これらを当業者の知識に基づいて組み合わせることが可能であり、そのような形態も本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0104】
S,SA,S100,S100A スキャナ装置
8,8A,108 電子レベルユニット
9,109 スキャナユニット
15 水平回転駆動部
16 水平角検出器
20,20A,120 レベル筐体
20a1,20b1 窓
23a,23b,23c,23d,23Aa,23Ab,23Ac,23Ad,23Ae,23Af 偏向ミラー
33 鉛直回転駆動部
34 鉛直角検出器
35,135 回動ミラー
36 測距部
LS 標尺