(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】噴射の閉ループ流体速度制御のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/26 20060101AFI20230823BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20230823BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230823BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D3/00 D
(21)【出願番号】P 2020523786
(86)(22)【出願日】2018-10-26
(86)【国際出願番号】 US2018057619
(87)【国際公開番号】W WO2019084348
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-22
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ハートマイアー グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ルイス アラン
(72)【発明者】
【氏名】スヒニン ユーリ
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-535287(JP,A)
【文献】特表2009-511244(JP,A)
【文献】特開2004-290799(JP,A)
【文献】特表2005-501691(JP,A)
【文献】特開2004-344883(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0259560(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00-7/26
B05C 1/00-21/00
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘性流体を分配するための分配装置を較正する方法であって、前記分配装置は、弁を有するノズルを有し、コントローラによって操作され、前記方法は、
前記弁を開閉して、動作パラメータの第1の値に従って、前記ノズルから第1のボリュームの粘性流体を分配して、当該第1のボリュームの粘性流体を第1の基材に塗布する工程であって、前記動作パラメータの前記第1の値は、前記第1のボリュームの射出速度に影響を及ぼす、工程と、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの特性を測定する工程と、
前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの特性を測定する工程と、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性を第1の範囲と比較して、前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性が前記第1の範囲外であるか否かを判定する工程と、
前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性を第2の範囲と比較して、前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性が前記第2の範囲外であるか否かを判定する工程と、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性が前記第1の範囲外であるという判定と、前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性が前記第2の範囲外であるという判定と、に応答して、(a)前記動作パラメータの前記第1の値を第2の値に調整して、(b)前記動作パラメータの前記第2の値に従って前記分配装置から第2のボリュームの粘性流体を分配して、前記第1の基材及び第2の基材のうちの少なくとも1つに前記第2のボリュームの粘性流体を塗布する工程であって、前記ノズルからの前記第2のボリュームの粘性流体の射出速度が、前記ノズルからの前記第1のボリュームの粘性流体の前記射出速度とは異なる、工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性を測定する工程は、センサを使用して実施され、
前記第1のボリュームの前記特性は、形状、方向性、及び、前記第1のボリュームに関連する粘性流体の1または複数のサテライトの存在、の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のボリュームの前記特性は、速度、幅、直径、長さ、形状、及び方向性のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分配装置は、弁座に係合して前記第1のボリュームを分配するように構成された可動要素を含んでおり、
前記動作パラメータは、弁座に係合して前記第1のボリュームを分配するように構成されている可動要素、前記可動要素に動作可能に接続されているばね、及び、前記可動要素の移動を引き起こすように構成されているアクチュエータ、のうちの少なくとも1つに関連している
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記弁の開閉は、前記ノズルの移動中に生じ、
前記粘性流体ボリュームは、不連続である
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性を測定する工程は、センサを使用して実施され、
前記センサは、前記第1のボリュームの画像を捕捉するように構成されたカメラを有する
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のボリュームの粘性流体の前記特性を測定する工程は、
光源をストロボ発光させて、前記第1のボリュームの2つ以上の時間オフセット画像を捕捉する工程を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のボリュームの前記特性は、速度である
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性を測定する工程は、センサを使用して実施され、
前記センサは、2つの角度から画像を捕捉するように構成された少なくとも1つのカメラを有する
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のボリュームの前記特性は、前記第1のボリュームに関連する粘性流体の1または複数のサテライトの存在を含む
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のボリュームの前記特性は、1または複数のサテライトと前記第1のボリュームとの相対的な位置、サテライトの数量、前記1または複数のサテライトのうちの1つのサテライトの寸法的特徴、及び、前記1または複数のサテライトのうちの1つのサテライトの形状、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性を測定する工程は、センサを使用して実施され、
前記センサは、前記第1のボリュームの鉛直上方に、かつ前記第1のボリュームの鉛直軸から水平にオフセットして、位置付けられる
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記センサの視野の中心軸が、前記第1の基材に塗布される前記第1のボリュームの鉛直軸に対して角度をなしている
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記センサの視野の中心軸が、前記第1の基材に塗布される前記第1のボリュームの鉛直軸に対して平行である
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の基材に塗布される前記第1のボリュームは、前記第1の基材上の第1の位置に位置し、
前記第1の基材に塗布される前記第2のボリュームは、前記第1の基材上の第2の位置に位置する
ことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
分配システムであって、
分配装置によって分配される粘性流体ボリュームの特性を測定するように配置されるセンサと、
コントローラと、
を備え、
前記センサは、前記粘性流体ボリュームの1または複数の画像を捕捉するように構成されたカメラを有し、
前記コントローラは、1または複数の信号を生成して、
前記分配装置の弁を開閉して、動作パラメータの第1の値に従って、前記分配装置から第1のボリュームの粘性流体を分配し、
当該第1のボリュームの粘性流体を第1の基材に塗布し、
(a)光源をストロボ発光させて前記カメラを使用して前記第1のボリュームの2つ以上の時間オフセット画像を捕捉するための1または複数の信号を生成することによって、及び/または、(b)前記カメラを使用して2つの角度から画像を捕捉するための1または複数の信号を生成することによって、前記センサを使用して前記
第1の基材に塗布された前記第1のボリューム
の特性に関する情報を生成し、
前記センサを使用して前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの特性に関する情報を生成し、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性に関する前記情報を
第1の範囲と比較して、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性が前記
第1の範囲外であるか否かを判定し、
前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性に関する前記情報を第2の範囲と比較して、前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性が前記第2の範囲外であるか否かを判定し、
前記第1の基材に塗布された前記第1のボリュームの前記特性が前記
第1の範囲外であるという判定
と、前記第1の基材に塗布される前の前記第1のボリュームの前記特性が前記第2の範囲外であるという判定と、に応答して、(a)前記動作パラメータの前記第1の値を第2の値に調整し、(b)前記動作パラメータの前記第2の値に従って、前記分配装置から第2のボリュームの粘性流体を分配
して、前記第1の基材及び第2の基材のうちの少なくとも1つに前記第2のボリュームの粘性流体を塗布する
ように構成されており、
前記動作パラメータの前記第1の値は、前記第1のボリュームの射出速度に影響を及ぼし、
前記分配装置からの前記第2のボリュームの粘性流体の射出速度が、前記分配装置からの前記第1のボリュームの粘性流体の射出速度とは異なる
ことを特徴とする分配システム。
【請求項17】
顧客製品を含む生産領域と、
前記センサを備えるサービス領域と、
を更に備え、
前記コントローラは、第2の1または複数の信号を生成して、
前記分配装置を前記生産領域に移動して、前記顧客製品上に粘性流体のボリュームを分配する工程、及び
前記分配装置を前記サービス領域に移動して、前記センサを使用して前記第1のボリュームの前記特性に関する情報を生成する工程、
を行うように更に構成されている
ことを特徴とする請求項16に記載の分配システム。
【請求項18】
前記センサは、前記第1のボリュームの画像を捕捉するように構成されたカメラを有する
ことを特徴とする請求項16に記載の分配システム。
【請求項19】
前記第1のボリュームの前記特性は、速度である
ことを特徴とする請求項16に記載の分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、その開示が当該参照により本明細書に組み込まれる、2017年10月27日に出願された米国特許仮出願第62/578,253号の優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して流体材料の噴射に関し、具体的には、噴射弁、噴射システム、及び、調整可能な動作パラメータを使用した改善された噴射方法、に関する。
【背景技術】
【0003】
噴射弁は、電子パッケージアセンブリ、並びに他のプロセスで使用されて、粘性材料又は流体材料の微小ドット又は液滴、流れ又は不連続ボリュームを基材上に噴射する。アンダーフィル材、封入材、表面実装用接着剤、はんだペースト、導電接着剤、及びはんだマスク材、フラックス、及び熱化合物に関するものなど、流体材料を噴射する噴射弁には、多くの用途が存在する。
【0004】
「噴射弁」又は「噴射装置」は、噴射装置から材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを噴出、すなわち「噴射」して基材に付着させる装置であり、液滴、流れ、又は不連続ボリュームは、基材と接触する前に、噴射装置のノズルから離れ得る。したがって、このタイプの噴射装置では、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームが、噴射装置と基材との間に「空中」に分配され、噴射装置と基材との間の距離の少なくとも一部において、噴射装置又は基材のいずれにも接触しない。
【0005】
噴射装置とはまた、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームがノズル及び基材と同時に接触するように、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを噴出する装置を指し得る。流体の運動量は、ノズルから基材に流体を移送する主要因子であり得て、また、ノズルから材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを分離させる主要機構であり得る。この場合、材料は、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームの基材への付着に依存せずに基材に送達されて、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを噴射装置のノズルから引き離す。
【0006】
それにもかかわらず、噴射装置又は類似の装置を含む分配装置は、1または複数の態様において、性能の劣化又は不適合な性能に悩まされ得る。かかる1つの性能の態様は、当該装置によって分配される流体ボリュームの様々な寸法及び方向の特性に関連している。例えば、流体ボリュームは、望ましくない形状になり得る、又は、変則的な方向に移動し得る。他の例では、分配装置は、長期間にわたってアイドル状態であり得て、サービス開始前に較正を必要とする。
【0007】
流体ボリュームの望ましくない特性のかかる較正及び/又は補正を行うのに必要な活動は、時間がかかり、人間の多大な介入を必要とし得る。本開示では、これら及び他の欠点に対処する。
【発明の概要】
【0008】
一態様では、方法は、第1のボリュームの粘性流体の射出速度に影響を及ぼす動作パラメータの第1の値に従って、分配装置のノズルから第1のボリュームを分配する工程を含み得る。第1のボリュームの特性が、センサを使用して測定され得る。第1のボリュームの特性はある値の範囲と比較されて、第1のボリュームの特性が範囲外であるか否かを判定し得る。動作パラメータの値は、第1のボリュームの特性が範囲外であると判定することに応答して、第2の値に調整され得る。第2のボリュームの粘性流体が、動作パラメータの第2の値に従って分配され得る。第2のボリュームの射出速度は、第1のボリュームとは異なり得る。
【0009】
別の態様では、分配システムは、センサと、コントローラと、を備え得る。センサは、分配装置によって分配される粘性流体のボリュームの特性を測定するように配置され得る。コントローラは、1または複数の信号を生成するように構成され得る。当該1または複数の信号は、分配装置の弁を開閉させて、分配装置から第1のボリュームの粘性流体を分配し得る。分配は、動作パラメータの第1の値に従って実行され得る。動作パラメータの値は、第1のボリュームの射出速度に影響を及ぼし得る。前記1または複数の信号は、センサを使用して、第1のボリュームの特性に関する情報を生成させ得る。前記1または複数の信号は、第1のボリュームの特性に関する情報をある範囲と比較させて、第1のボリュームの特性が範囲外であるか否かを判定し得る。前記1または複数の信号は、第1のボリュームの特性が範囲外であるという判定に応答して、動作パラメータの値を第2の値に調整させ得る。前記1または複数の信号は、更に、動作パラメータの第2の値に従って、分配装置に第2のボリュームの粘性流体を分配させ得る。第2のボリュームの射出速度は、第1のボリュームの射出速度とは異なり得る。
【0010】
別の態様では、方法は、第1のボリュームの粘性流体の射出速度に影響を及ぼす動作パラメータの第1の値に従って、分配装置のノズルから第1の基材に第1のボリュームを塗布する工程を含み得る。第1の基材に塗布される第1のボリュームの特性が、センサを使用して測定され得る。第1の基材に塗布される第1のボリュームの特性は、ある値の範囲と比較されて、第1の基材に塗布される第1のボリュームの特性が範囲外であるか否かを判定し得る。動作パラメータの値は、第1の基材に塗布される第1のボリュームの特性が範囲外であると判定することに応答して、第2の値に調整され得る。第2のボリュームの粘性流体が、動作パラメータの第2の値に従って、第1の基材及び第2の基材のうちの少なくとも1つに塗布され得る。第2のボリュームの射出速度は、第1のボリュームとは異なり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、本明細書に組み込まれかつ本明細書の一部を構成するが、実施形態を示し、以下の説明と共に、当該方法及びシステムの原理を説明するのに役立つ。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【
図2】
図2は、
図1Aの分配システムの例示のサービスステーションを示す。
【0016】
【
図3】
図3は、
図2のサービスステーションの例示の速度較正ステーションの側面図を示す。
【0017】
【
図4】
図4は、光センサアセンブリによって捕捉(キャプチャ)された流体のボリュームの例示の画像を示す。
【0018】
【
図5】
図5は、
図2のサービスステーションの例示の速度較正ステーションの上面図を示す。
【0019】
【
図6】
図6は、
図2のサービスステーションの例示の速度較正ステーションの側面図を示す。
【0020】
【
図7】
図7は、例示の方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示のシステム及び方法は、噴射の閉ループ流体速度制御に関する。一実施形態では、開示される閉ループプロセスは、分配される粘性流体のボリュームの、望ましくない又は不適切な特性を補正するために使用され得る。粘性流体のボリュームのいくつかの例示の特性は、当該ボリュームの幅、長さ、形状、速度、及び方向性を含み得る。プロセスは、分配装置の様々な動作パラメータに対する1または複数の調整を活用して、流体ボリュームが当該分配装置から射出する速度に影響を及ぼす。流体ボリュームの速度は、次に、閉ループプロセスの特定の実施例の対象となる流体ボリュームの特性を変化させ得る。
【0022】
したがって、流体ボリュームの特性は、速度に影響を及ぼす動作パラメータに従って実行される、分配装置からの流体ボリュームの分配時に、適切に位置付けられたセンサ(例えば、カメラ)によって測定され得る。流体ボリュームの特性が、目標値である又はそれに十分に近い値である場合、分配装置はその後、サービスに戻され得る。そうではない場合、動作パラメータが調整され得て、別の流体ボリュームが分配され得るが、今回は、調整された動作パラメータを使用する。流体ボリュームは、新たに調整された動作パラメータによる新たな射出速度で、分配装置から射出し得る。当該流体ボリュームの特性は再び測定され得て、これは、好ましくは、目標値である又はそれに近い値である。そうではない場合、プロセスは、流体ボリュームの特性が目標値に近づくまで、繰り返され得る。
【0023】
図1Aは、キャビネット12と、分配アセンブリ14と、を含む例示の分配システム10を示す。分配アセンブリ14は、制御されたボリュームの流体又は粘性材料を、キャビネット12の生産領域26に位置付けられている基材18(例えば、回路基板又は他の顧客製品)上に選択的に分配するための、弁を有する分配ノズル16を含み得る。分配ノズル16は、分配アセンブリ14の静止中に、連続流又は不連続な一連の流体ボリュームを分配することを含む分配動作(すなわち、分配アセンブリ14の弁の開閉)を実行し得る。追加的に又は代替的に、分配ノズル16は、分配アセンブリ14の移動中に、連続流又は不連続な一連の流体ボリュームを分配することを含む分配動作(すなわち、分配アセンブリ14の弁の開閉)を実行し得る。
【0024】
分配アセンブリ14はまた、カメラ20と、高さセンサ21と、を含み得る。分配ノズル16は、ニードルディスペンサ、スプレーディスペンサ、噴射ディスペンサ、又は、流体材料リザーバ23から基材18上に接着剤、エポキシ、若しくはんだペーストなどの流体若しくは粘性材料を分配するのに好適な任意の他の装置、であってよい。分配アセンブリ14は、キャビネット12の生産領域26及びサービスステーション28(すなわち、サービス領域)の上方に分配アセンブリ14を選択的に位置付けるように構成されているポジショナ25に連結され得る。ポジショナ25は、生産領域26及び/又はサービスステーション28の上方の水平面内で分配アセンブリ14を移動させ、生産領域26及び/又はサービスステーション28の表面に対して分配アセンブリ14及び/又は分配ノズル16の高さを調整するように構成されている、独立して制御可能なx軸駆動部及びy軸駆動部を含む、3軸ポジショナであり得る。ポジショナ25は、それによって、分配アセンブリ14に、3本の実質的に垂直である運動軸を提供し得る。図示の実施形態では、分配アセンブリ14は、z軸駆動部34によってx-yポジショナに連結されているものとして示されているが、当業者であれば、他の機構を使用して分配アセンブリ14を位置付けることができることを理解するであろう。
【0025】
分配システム10、特には分配アセンブリ14は、1または複数の動作パラメータに従って動作し得て、動作パラメータの一部は、分配ノズル16から分配される流体ボリュームの速度に著しい影響を及ぼし得る。したがって、これらの動作パラメータの値に対する調整は、分配ノズル16からの後続の流体ボリュームの速度において対応する変化を引き起こし得る。本明細書でより詳細に説明されるように、これらの速度の変化は、分配された流体ボリュームの他の特性、例えば流体ボリュームの形状、幅、長さ、及び方向性、に影響を及ぼし得る。流体速度に著しい影響を及ぼし得る動作パラメータは、ニードル、弁ステム、又は弁座に係合するように構成されている他の可動要素、の速度及び/又はストローク長さを含み得る。他の例は、作動タイミング、アクチュエータのストローク長さ、及び/又は他の属性など、作動プロファイルに関連し得る。
【0026】
分配システム10はまた、コントローラ36を含み得て、これは、キャビネット12に据え付けられたコンピュータであっても、リモートであってもよい。コントローラ36は、分配アセンブリ14の動作を調整する、分配ノズル16を作動させる、及び/又は、サービスステーション28の構成要素を作動させるなど、分配システム10の全体的な制御を提供するように構成され得る。コントローラ36は、プロセッサと、メモリと、入出力(I/O)インターフェースと、を含み得る。プロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、中央処理ユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブル論理デバイス、状態マシン、論理回路、アナログ回路、デジタル回路、又は、メモリに記憶されている動作命令に基づいて信号(アナログ又はデジタル)を操作する任意の他のデバイス、から選択される1または複数のデバイスを含み得る。メモリは、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(static random access memory、SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random access memory、DRAM)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリ、又は、デジタル情報を記憶することができる任意の他のデバイス、を含むがこれらに限定されない、単一のメモリデバイス又は複数のメモリデバイスであり得る。メモリはまた、ハードドライブ、光学ドライブ、テープドライブ、不揮発性ソリッドステートデバイス、又はデジタル情報を記憶することができる任意の他のデバイスなどの大容量記憶装置(図示せず)を含み得る。プロセッサは、メモリ内に存在するオペレーティングシステムの制御下で動作し得る。オペレーティングシステムは、コンピュータプログラムコードが1または複数のコンピュータソフトウェアアプリケーションとして具現化されるように、コントローラ36のリソースを管理し得る。
【0027】
ユーザーインターフェース38及び/又は制御パネル40は、コントローラ36に通信可能に接続され得て、システムオペレータがコントローラ36と相互作用することを許容し得る。ユーザーインターフェース38は、ビデオモニタ、英数字ディスプレイ、タッチスクリーン、スピーカ、並びにシステムオペレータに情報を提供することができる任意の他の好適な音声及び/又は視覚インジケータを含み得る。制御パネル40は、英数字キーボード、ポインティングデバイス、キーパッド、押しボタン、制御ノブ、マイクロフォンなど、オペレータからのコマンド又は入力を受け入れることができる1または複数の入力デバイスを含み得る。このようにして、ユーザーインターフェース38及び/又は制御パネル40は、例えば、セットアップ中、較正中、検査中、及び/又は洗浄中に、システム機能を手動で始動できるようにし得る。
【0028】
図1Bは、
図1Aの分配アセンブリ14を実現し得る、例示の分配アセンブリ200を示す。分配アセンブリ200は、流体接続インターフェース220と、弁要素214と、圧電駆動モジュール216と、圧電駆動モジュール216に連結された可動ニードルないし駆動ピン236と、圧電駆動モジュール216を収容する外側カバー(図示せず)と、を有する流体モジュール212を含む。分配アセンブリ200は、ある量の流体材料を基材上に断続的に噴出する噴射ディスペンサとして動作し得て、当該量の流体材料の噴射時に基材に対して移動され得る。分配アセンブリ200は、一連の噴射された量の流体材料が、離間した材料ドットの線として基材上に堆積されるように動作され得る。分配アセンブリ200によって標的化された基材は、様々な表面実装型電子部品を支持し得て、それは微量の流体材料を迅速に正確な配置に非接触噴射させて、基材上の標的位置に流体材料を堆積させる必要性を伴う。
【0029】
流体モジュール212は、ノズル228と、モジュール本体230と、流体接続インターフェース220と連通する流体チャンバ238と、を含む。モジュール本体230の第1区画すなわち第1部分は、流体入口242と、流体チャンバ238と流体連通するよう流体入口242に連結する通路247と、を含む。流体導管(図示せず)が、流体源(例えば、加圧流体源)から流体入口242まで延在して、流体モジュール212を流体源の内部に収容された流体材料と流体連通させており、圧力下で流体源から流体接続インターフェース220に流体材料を供給するようになっている。この実施形態では、流体導管は、典型的には、流体供給源の出口を流体接続インターフェース220と直接接続する管の長さであり、介在する構造物は存在しない。一実施形態では、流体接続インターフェース220は、ルアー継手を含む。
【0030】
モジュール本体230の第2部分245が、ノズル228を支持するように構成されている。センタリング部品246が、ノズル228内の流体出口248を、モジュール本体230の第2部分245を通って延在する通路250と整列させている。弁座252が、流体入口242と流体出口248との間に配置されている。弁座252は、流体出口248と流体連通する開口部256を有する。センタリング部品246は、ノズル228内の流体出口248、モジュール本体230の第2部分245内の通路250、及び、弁座252内の開口部256、を同心状に整列させた状態に維持する。
【0031】
分配アセンブリ200は、可動要素260の壁262の形態の受座を更に含む。可動要素260に外周接触する付勢要素268が、可動要素260に軸方向ばね力を加えるように構成されている。
【0032】
封止リング264が、インサート263と可動要素260の外側との間に封止係合をもたらしている。封止リングすなわちOリング264の下方にある可動要素260の部分は、流体チャンバ238の境界の一部を画定している。可動要素260は、弁要素214を有する。弁要素214は、可動要素260の壁262と弁座252との間の位置において、流体チャンバ238内に位置する。
【0033】
駆動ピン236は、流体モジュール本体230の第3部分232内のボア266を通って突出する。駆動ピン236の先端部234は、可動要素260の壁262に隣接し、弁要素214の壁262の反対側に位置する。弁要素214が流体チャンバ238に収容された流体材料に露出している間、駆動ピン236を収容するボア266は、駆動ピン236が流体材料によって湿潤されないように、流体チャンバ238内の流体材料から分離されている。結果として、モジュール式噴射装置210の構成は、駆動ピン236の駆動すなわち作動機構(例えば、圧電駆動モジュール216)を流体チャンバ238内の流体材料から分離しつつ駆動ピン236の電動運動を可能にする従来の流体シールを省くことができる。
【0034】
駆動ピン236は、弁要素214と間接的に連結され、圧電駆動モジュール216又は他の駆動モジュールの構成要素として動作する。駆動ピン236及び弁要素214は一緒に協働して、モジュール式噴射装置210からの噴射によって流体材料を分配する。駆動ピン236を移動して、弁要素214を弁座252に接触させると、駆動ピン236の先端部234は、可動要素260の壁262を打つことによってハンマーの動作と同様に動作して、その力及び運動量を壁262に伝達し、これにより、弁要素214を弁座252に急速に打ち付け、噴射装置から材料の液滴、流れ、又は不連続ボリューム、を噴射させる。具体的には、駆動ピン236と直接接続されていない弁要素214は、作動された駆動ピン236の先端部234によって可動要素260の壁262に付与されるインパルスによって弁座252と接触するように移動されるように構成されている。結果として、駆動ピン236が作動され、ある量の流体材料が流体チャンバ238から噴射され、先端部234を含むがこれに限定されない噴射ピン236のいずれの部分も噴射された流体材料によって湿潤されない。駆動ピン236と壁262との間の接触が除去されると、付勢要素268によって印加される軸方向ばね力は、駆動ピン236の長手方向軸と整列する方向に弁座252から離れるように弁要素214及び可動要素260を移動させるように作用する。駆動ピン236及び弁要素214の各往復サイクルは、流体材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを噴射させる。このサイクルが繰り返されると、必要に応じて、流体材料の連続液滴が噴射される。
【0035】
弁座252に面する弁要素214の表面は、開口部254を取り囲む弁座252の表面の形状と一致する曲率を有し得る。形状整合の結果、噴射中に弁要素214が弁座252と接触関係を有するとき、流体シールが一時的に形成される。弁要素214の動作中に流体シールが確立することにより、弁座252を通過する流体チャンバ238からの流体材料の流れが停止される。
【0036】
図1Cは、圧電駆動モジュール216の詳細図を示す。圧電駆動モジュール216は、流体モジュール212の弁要素214を作動させるために使用される。圧電駆動モジュール216は、コントローラ(例えば、
図1Aのコントローラ36)からの制御信号に従って動作する。本実施形態では、圧電駆動モジュール216は、圧電スタック292a及び292bと、プランジャ293と、非対称屈曲部294と、を含む。当該屈曲部294は、アクチュエータ本体274の一体部分であり、当該屈曲部294をプランジャ293に接続する連結要素297を含む。ばね296が、ばね力をプランジャ293及び圧電スタック292a、292bに印加して、それらを圧縮状態に保つ。
【0037】
プランジャ293は、圧電スタック292を非対称屈曲部294と接続する機械的インターフェースとして機能する。ばね296は、アセンブリ内で圧縮されて、当該ばね296によって生成されたばね力が圧電スタック292に一定の負荷を印加し、圧電スタック292を予圧する。金属からなり得る非対称屈曲部294は、駆動ピン236の先端部234と反対側の駆動ピン236の端部と物理的に固定されるアーム295を有する。非対称屈曲部294は、圧電スタック292の比較的小さい変位を、当該圧電スタック292の変位よりも著しく大きい駆動ピン236の有用な変位に変換する機械的増幅器として機能する。
【0038】
圧電駆動モジュール216の圧電スタック292は、当該技術分野において従来のように導電体の層と交互になる圧電セラミックの層からなる積層体である。ばね296からのばね力は、圧電スタック292の積層を圧縮の定常状態に維持する。圧電スタック292内の導体は、駆動回路と電気的に接続されている。当該駆動回路は、当該技術分野における既知の方法で、パルス幅変調、周波数変調、又はこれらの組み合わせを用いて、電流制限出力信号を供給する。駆動回路298から電力が定期的に供給されると、圧電スタック292内の圧電セラミック層の寸法を変化させる電界が確立される。
【0039】
非対称屈曲部294によって機械的に増幅される圧電スタック292が経験する寸法変化により、駆動ピン236は、その長手方向軸に平行な方向に直線的に移動させられる。圧電スタック292の圧電セラミック層が膨張すると、ばね296は、当該膨張力によって圧縮され、非対称屈曲部294は、固定された枢動軸線を中心に枢動して、駆動ピン236の先端部234を上方向に可動要素260の壁262から離れるように移動させる。これは、付勢要素268が、弁座252から離れるように弁要素214を移動させることを許容する。作動力が除去され、圧電スタック292の圧電セラミック層が収縮できるようになると、ばね296は伸展し、非対称屈曲部294は枢動して駆動ピン236を下方に移動させ、その結果、先端部234が移動して壁262と接触し、弁要素214を弁座252に接触させ、材料の液滴、流れ、又は不連続ボリュームを噴射させる。したがって、非通電状態では、圧電スタックアセンブリは、弁を通常の閉鎖位置に維持する。通常動作では、非対称屈曲部294は、スタック292a、292bが通電及び通電解除される際に固定枢動軸を中心に反対方向に断続的に揺動して、駆動ピン236の先端部234を移動可能要素260の壁262と接触及び接触解除して、高速で材料の液滴を噴射する。
【0040】
図2は、他の機能の中でも、分配ノズル16から分配される流体のボリュームの特性を測定するように構成されている、例示のサービスステーション28を示す。図示のように、サービスステーション28は、位置較正ステーション50、タッチセンサステーション52、パージステーション、計量ステーション56、及び速度較正ステーション58のうちの1または複数を支持するプラットフォームを含み得る。
【0041】
位置較正ステーション50は、分配ノズル16のx/y位置を較正するように構成され得る。例えば、位置較正ステーション50は、コントローラ36に対して信号を生成するカメラ20及び/又は高さセンサ21によって捕捉され得る固定基準点を提供し得る。コントローラ36は、次いで、当該信号に基づいて、カメラ及び/又は高さセンサ21のx/y位置を較正し得る。
【0042】
タッチセンサステーション52は、分配ノズルのz位置を較正するように構成され得る。例えば、タッチセンサステーション52の感圧領域によって最初に接触が感知されるまで、分配ノズル16はタッチセンサステーション52に向かって下げられ得る。分配ノズル16による最初の接触に基づいて、タッチセンサステーション52によって信号が生成され、コントローラ36に送信される。次いで、コントローラ36は、分配ノズル16のz位置を較正し得る。
【0043】
パージステーション54は、分配ノズル16から廃棄材料を除去するように構成され得る。例えば、パージステーション54は、負圧を発生させて、分配ノズルの表面から流体若しくは粘性材料及び/又は洗浄材料を吸引するように構成された真空源を含む。吸引された材料は、プラットフォーム48の下方に位置付けられたリザーバ(図示せず)に入れられ得る。
【0044】
計量ステーション56は、分配システム10の材料を較正するように構成され得る。例えば、計量ステーション56は、ディスペンサから1または複数の液滴を受け取って計量するように構成されたスケールを含み得る。次いで、スケールは、コントローラ36に送信される重量を示す信号を生成し得る。材料の重量に基づいて、コントローラ36は、分配ノズル16によって堆積される材料を較正し得る。
【0045】
速度較正ステーション58は、各流体ボリュームが分配ノズル16から分配される際に、1または複数の流体ボリュームの試料の特性を測定するように構成され得る。例示の流体ボリューム特性は、速度、幅、直径、長さ、形状、又は方向性を含み得る。速度較正ステーション58は、撮像アセンブリ62と、容器(レセプタクル)64と、を含み得る。撮像アセンブリ62は、流体ボリュームが分配ノズル16と容器64との間の空中にある間に、流体ボリュームの1または複数の画像をし得る。いくつかの態様では、撮像アセンブリ62は、流体ボリュームが(
図4に示すように)まだ分配ノズルと接触している間に、流体ボリュームの1または複数の画像を捕捉し得る。
図2に示す実施形態では、撮像アセンブリ62は、光源66と、当該光源66に対向して整列されている光センサアセンブリ68と、を含む。光源66は、分配された流体ボリュームの空中移動経路にわたって、光線を断続的にストロボ発光又は照射し得る。光源66は、光線が、分配された流体ボリュームの空中移動経路に対して垂直であるように位置付けられ得る。光センサアセンブリ68は、それが光源66からの光線を通過する際に、流体ボリュームの画像又は他の表現を捕捉するように、光源66に対して位置付けられ得る。本実施形態の撮像アセンブリ62は、光源及び光センサアセンブリの対に関して記載されているが、撮像アセンブリ62はそのように限定されるものではなく、他のタイプの装置を使用して流体ボリュームの特性を測定又は決定し得る。また、流体ボリューム特性は、撮像装置又は撮像技術自体を使用して測定又は決定される必要はない。
【0046】
他の実施形態では、撮像アセンブリ62は、光源66及び光センサアセンブリ68の複数の対を含み得る。例えば、撮像アセンブリ62は、第1の対の光線が第2の対の光線に対して垂直である配置で、第1の対と、第2の対と、を含み得る。このタイプの撮像アセンブリ62の形態の一例を
図5に示す。
【0047】
撮像アセンブリ62は、1または複数の傾斜ミラーを更に含み得て、これは、サービスステーション28内での撮像アセンブリ62及び容器64の配置における設計自由度を許容し得る。光源66、光センサアセンブリ68、又はその両方は、光源66からの光線を方向転換させる1または複数のミラーのおかげで、サービスステーション28内に鉛直に位置付けられ得る。例えば、撮像アセンブリ62は、光源66に関連する第1のミラー70と、光センサアセンブリ68に関連する第2のミラー72と、を含み得る。第1のミラー70は、光源66からの光線が分配された流体ボリュームの移動経路を通して反射されるように、光源66に対して位置付けられ得る。第2のミラー72は、光センサアセンブリ68に光線を反射するように位置付けられ得る。
【0048】
上述のように、速度較正ステーション58は、容器64を更に含み得る。容器64は、流体ボリュームが撮像アセンブリ62からの光線を通過した後に当該流体ボリュームを捕捉して保持するように構成され得る。速度較正ステーション58で分配される流体ボリュームは廃棄物とみなされ、したがって、容器64は、取り外し可能であり、容易にアクセスできるように位置付けられ得る、ということが企図される。
【0049】
撮像アセンブリ62は、流体ボリュームの1または複数の画像(又は他の表現)を捕捉し得る。1または複数の画像は、コントローラ36に送信され得る。次いで、コントローラ36は、画像を解析し、流体ボリュームの関連特性の値を決定し得る。いくつかの態様では、複数の流体ボリュームの試料の特性値は、当該試料の当該複数の流体ボリュームの総特性値又は平均特性値であり得る。標準偏差が、当該試料の当該複数の流体ボリュームの特性値に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、画像は、代わりに撮像アセンブリ62によって分析され得て、特性値を決定してよく、それらの値はコントローラ36に送信され得る。
【0050】
動作中、速度較正ステーション58に関して、分配システム10は、生産モード又はサービスモードで選択的に動作し得る。生産モードでは、分配アセンブリ14は、生産領域26上に、基材18に近接して(例えば、直上に)位置付けられ得る。この位置で、分配アセンブリ14は、基材18の表面上に流体を分配し得る。分配アセンブリ14は、連続基材18の表面上に流体を更に分配し得る。
【0051】
サービスモードでは、生産モードの分配動作が中断され、分配アセンブリ14は、特にサービスステーション28及び速度較正ステーション58に近接して位置付けられる。サービスモードは、例えば、分配システム10の何らかの不十分な動作態様の検出に応答して、又は手動オペレータの入力に応答して、予め設定された間隔で開始され得る。サービスモードでは、閉ループ速度較正プロセス又はその一部が実行され得る。閉ループ速度較正プロセス又はその一部が完了した後、分配システム10は、再び生産モードになって、分配アセンブリ14を基材18上に位置付けて、基材18を処理し得る。
【0052】
図3は、例示の速度較正ステーション358の少なくとも一部の側面図を示す。速度較正ステーション358は、撮像アセンブリ362と、対応する容器364と、分配ノズル316を有する分配アセンブリ314と、を含む。速度較正ステーション358、撮像アセンブリ362、容器364、分配アセンブリ314、及び分配ノズル316は、いくつかの態様において、
図1Aの速度較正ステーション58、撮像アセンブリ62、容器64、分配アセンブリ14、及び分配ノズル16にそれぞれ類似し得る。
【0053】
速度較正ステーション358は、光源366と、光センサアセンブリ368と、を含む撮像アセンブリ362を含む。光センサアセンブリ368は、カメラを有し得る。発光ダイオード(LED)380が、光源366によって照射される光線378を生成し得る。光センサアセンブリ368及び光源366は、分配アセンブリ314の分配ノズル316から分配される流体ボリューム374の空中移動経路について対向整列状態で配置される。光センサアセンブリ368は、分配時に、流体ボリューム374の1または複数の画像を捕捉し得る。いくつかの態様では、光センサアセンブリ368は、流体ボリューム374の2以上の表現を含む合成画像を捕捉し得る。
【0054】
光線378は、光源366からの断続的な一連の光またはストロボ光を含み得る。断続的な光線、すなわちストロボ光線は、光センサアセンブリ368が、光線378の通過時に、流体ボリューム374の複数の表現を捕捉することを許容し得る。ストロボ光線は、弁の開放及び/又は閉鎖と同期するように、時間調整され得る。弁に開/閉信号が送られる時間と、流体ボリューム374が弁を出る時間及び/又は弁から出るのを終える時間と、の間には、それぞれ反復可能な遅延が存在し得る。一例では、ストロボ光線は、弁に送信される開信号及び/又は閉信号によってトリガされ得る。開/閉信号に応答して開始し得る、調整可能な遅延変数が導入され得る。当該調整可能な遅延が満了する時、光線378はストロボ発光され得る。この方法により、とりわけ、光線378は、流体ボリューム374の対象基材への移動中に、流体ボリューム374を通過し得る。
【0055】
流体ボリューム374の複数の表現は、流体ボリューム374の経路が当該複数の表現上にプロットされ得るため、流体ボリューム374の方向性を決定する際にシステムを支援し得る。流体ボリューム374の複数の表現は、流体ボリューム374が光線378を通過する際に、システムが、流体ボリューム374の形状、幅、及び長さの成長ないし変化を分析することを更に許容し得る。連続的なストロボ光の時間間隔が既知である場合、流体ボリューム374の速度は、流体ボリューム374の複数の表現を使用して決定され得る。あるいは、光線378は、光源366からの光の連続照射を表し得る。この場合、高速ビデオ捕捉システムが、連続的な光ストリームの通過時に、流体ボリューム374の画像を捕捉する用途を見出し得る。
【0056】
光源366及び光センサアセンブリ368は、それぞれ、較正ステーション内で鉛直に配向されてよく、矢印382によって示される分配された流体ボリューム374の移動方向に概ね平行であり得る。すなわち、光源366及び光センサアセンブリ368の本体は、鉛直に配向されている。更に、光線378は光源366から照射されるため、光線378は鉛直(すなわち、空中の流体ボリューム374の方向と平行)に配向される。光線378はまた、光センサアセンブリ368への入射時に、鉛直(すなわち、空中の流体ボリューム374の移動方向と平行)に配向される。光源366及び光センサアセンブリ368の鉛直配向により、キャビネット12内に光源366及び光センサアセンブリ368を容易に収容し得る。
【0057】
光源366及び光センサアセンブリ368の鉛直方向配向を容易にするために、第1の傾斜ミラー370が、光源366からの光線378を水平方向に反射する。第2の傾斜ミラー372が、光線378が流体ボリューム374を少なくとも部分的に通過した後に、光センサアセンブリ368に対して鉛直方向に水平光線378を反射する。
【0058】
例示の速度較正ステーション358では、光源366、光センサアセンブリ368、並びに第1及び第2のミラー370、372は、速度較正ステーション358の上面376(及び/又は
図1Aのキャビネット12の上面)の下方に位置付けられる。したがって、光源366と光センサアセンブリ368との間に照射される光線378もまた、表面376の下方にある。いくつかの態様では、分配アセンブリ314は、分配ノズル316が少なくとも部分的に表面376の水平面より下方に延在するように制御され得る。これらの構成要素が表面376の下方に位置付けられるかかる構成は、速度較正ステーション358の平滑なプロファイルを提示し得て、また、打ち付けや突き当てから光源366及び光センサアセンブリ368の正確な整列状態を保護し得る。
【0059】
速度較正ステーション358は、光源366及び光センサアセンブリ368が鉛直配向にあるように描かれているが、光源366及び光センサアセンブリ368のうちの1または複数が水平に配向されてもよいことが企図される。光源366及び/又は光センサアセンブリ368のこの水平配向により、第1及び第2のミラー370、372のうちの1または複数が不要になり得る。キャビネット12内の鉛直深さが制限される場合、水平配置が好ましい場合がある。
【0060】
図4は、流体ボリューム474が分配ノズルから分配される時、光センサアセンブリによって捕捉される当該流体ボリューム474の画像400を示す。具体的には、画像400は、連続的な複数時点における流体ボリューム474の第1の表現(描写)474a、第2の表現474b、及び第3の表現474cを示す。かかる画像は、例えば
図3に示すもの等の撮像アセンブリによって捕捉され得る。表現474a~cのそれぞれは、光源からの連続的なストロボ光線に対応し得る。ストロボ発光中、流体ボリューム474は、当該光の一部を吸収又は減衰させ、その残り部分が、カメラなどの光センサアセンブリによって感知される。したがって、光線中の流体ボリューム474の存在は、画像400に見られる影のような表現474a~cを生じさせる。表現474aのより暗い領域は、これらの領域内の流体のより高い密度、又は表現474a~cの重複、のいくつかの組み合わせによって生じ得る。
【0061】
画像400は、表現474a~cに対応する各時点における流体ボリューム474の幅、長さ、及び/又は二次元形状など1または複数の特性を決定するために分析され得る。いくつかの態様では、表現474a~cの各々の特性値は、ここで見られるように、流体ボリューム474の特性が分配プロセスの段階にわたって変化し得るため、平均され得て、あるいは、別の方法で集計され得る。
【0062】
更に、画像400などの多表現画像は、流体ボリュームの方向性を決定する際に特に有用であることを示し得る。各表現に示される流体ボリュームの位置が認識され得て、これらの位置点を使用して方向ベクトルがプロットされ得る。画像400において、矢印402によって示される近似方向ベクトルは、連続表現474a~cにわたる流体ボリューム474の位置に基づいて決定される。
【0063】
図5は、2つのカメラを有する例示の速度較正ステーション558の上面図を示す。速度較正ステーション558は、撮像アセンブリ562と、容器564と、を含み、これらはそれぞれ、
図2及び
図3の撮像アセンブリ62、362及び容器64、364にいくつかの点で類似している。撮像アセンブリ562及び容器564は、速度較正ステーション558の表面576の下方に位置付けられている。いくつかの態様では、撮像アセンブリ562(又はその一部)及び/又は容器564は、速度較正ステーション558の表面576の上方に位置付けられ得る。
【0064】
撮像アセンブリ562は、2対の対応する光源及び光センサアセンブリで構成されている。すなわち、撮像アセンブリ562は、対向して整列されている第1の光源566a及び第1の光センサアセンブリ568aを含む。撮像アセンブリ562は、対向して整列されている第2の光源566b及び第2の光センサアセンブリ568bを更に含む。第1の対の第1の光源566a及び第1の光センサアセンブリ568a並びに第2の対の第2の光源566b及び第2の光センサアセンブリ568bは、互いに90度に配向される。換言すれば、第1の光源566aから第1の光センサアセンブリ568aに照射される第1の光線578a及び第2の光源566bから第2の光センサアセンブリ568bに照射される第2の光線578bは、互いに対して垂直である。更に、第1の光線578a及び第2の光線578bによって形成される2つの軸は、流体ボリューム(図示せず)の移動方向に対して垂直である。いくつかの態様では、第1の対の第1の光源566a及び第1の光センサアセンブリ568a並びに第2の対の第2の光源566b及び第2の光センサアセンブリ568bは、90度以外の相対角度(図示せず)に位置付けられ得る。他の態様では、撮像アセンブリ562は、1個又は0個の光源(図示せず)を備え得る。撮像アセンブリ562が単一の光源を備える場合、当該単一の光源は、第1の光センサアセンブリ568a又は第2の光センサアセンブリ568bのうちの1つの反対側に整列され得る。任意選択的に、当該単一の光源は、第1の光センサアセンブリ568a及び第2の光センサアセンブリ568bのいずれとも整列されなく得る。
【0065】
流体ボリューム(図示せず)は、当該流体ボリュームが第1の光線578aと第2の光線578bとの交点を通過するように分配ノズル(図示せず)から分配される。速度較正ステーション558は、各光源及び光センサアセンブリの上方に位置付けられた傾斜ミラーを含み、それらの間に照射されたそれぞれの光線を反射する。第1の光源566aからの第1の光線578aは、第1のミラー570aによって反射されて、流体ボリュームの空中移動経路を通過する。その後、第1の光線578aは、流体ボリュームの空中移動経路を通過した後に、第2のミラー572aによって第1の光センサアセンブリ568aに反射される。第2の光源566bからの第2の光線578bは、第1のミラー570bによって反射されて、流体ボリュームの空中移動経路を通過する。次いで、第2の光線578bが流体ボリュームの空中移動経路を通過した後、第2の光線578bは、第2のミラー572bによって第2の光センサアセンブリ568bに反射される。
【0066】
第1及び第2の光線578a、578bは、ストロボ的に、又は連続的に、同時照射され得る。更に他の態様では、第1の光線278aのストロボ発光のタイミング及び第2の光線278bのストロボ発光のタイミングは、互いにオフセットされ得る。
【0067】
流体ボリュームの画像を捕捉するための2対の光源及び光センサアセンブリの形態は、
図3に示す形態に追加の利益をもたらし得る。具体的には、
図5に示す形態により、流体ボリュームは、2つの異なる視点すなわち軸からの画像で捕捉され得て、これにより、流体ボリュームの三次元分析又は表現(描写)が可能になり得る。いくつかの態様では、三次元モデルが、異なる視点からの画像に基づいて構築され得る。
図5のデュアル形態は、特に、流体ボリュームの形状及び方向性の決定を改善し得る。例えば、流体ボリュームの形状は、第3の寸法的特徴を含み得る。デュアル形態は、流体ボリュームの長さ及び幅のみを含む形状ではなく、形状表現の第3の深さ特徴を可能にし得る。同様に、流体ボリュームの方向性は、単一の光センサアセンブリを有する形態で提供される単一軸ではなく、2つの軸上で決定され得る。
【0068】
いくつかの態様では、
図5に示すデュアル形態の利点は、相対的な垂直配向又は他の角度を含んで、異なる角度から1または複数の画像を捕捉する光学素子を有する単一の光センサアセンブリを使用することによって実現され得る。1または複数の画像を捕捉するように構成された光学素子を有するこの光センサアセンブリは、単一の光源又は複数の光源と共に使用され得る。例えば、光源が、ある組の光学素子の反対側に位置付けられ得て、第2の光源が、別の組の光学素子の反対側に位置付けられ得る。別の実施例では、2つ以上のミラーが組み込まれ、それぞれの画像を単一の光センサアセンブリにそれぞれ投影するように配置され得る。2つ以上の画像は、「分割スクリーン」様式で光センサアセンブリによって捕捉され得る。かかる技術により、画像センサアセンブリが、複数の異なる方向からの2つの画像を捕捉し得る。
【0069】
図6は、代替の実施形態による例示の速度較正ステーション658の側面図を示す。速度較正ステーション658は、流体ボリューム674を試料基材688に塗布するように構成された分配ノズル616を有する分配アセンブリ614を含み得る。試料基材688に塗布される流体ボリューム674は、流体堆積物675(又は他の箇所では塗布された流体試料など)と称され得る。流体ボリューム674の空中移動経路は、矢印682によって示され、空中の流体ボリューム674が、仮想表現のいくつかの進行例にわたって示されている。光センサアセンブリ668(例えば、カメラ)が、流体堆積物675の画像を捕捉し得る。流体堆積物675の画像が分析され得て、当該流体堆積物675の1または複数の特性が決定され得る。次に、当該流体堆積物675の1または複数の特性が使用され得て、分配装置及び本明細書に開示される他の技術の動作パラメータを調整し得る。
【0070】
いくつかの態様では、分配アセンブリ614、流体ボリューム674、及び光センサアセンブリ668は、
図3の分配アセンブリ314、流体ボリューム374、及び撮像アセンブリ362(例えば、光センサアセンブリ368)にそれぞれ類似し得る。
【0071】
図6に示す実施形態では、試料基材688は、速度較正ステーション658の表面676上又はその付近に配置されている。試料基材688は、移動して、一連の流体堆積物が連続的に試料基材688に塗布され得るように、構成され得る。試料基材688は、必ずしも連続移動ではないが、コンベヤーベルトの移動と類似の態様で移動するように構成され得る。図示の例では、試料基材688は、矢印で示すように、右から左に移動する。瞬間流体堆積物675の左側に示される流体堆積物は、瞬間流体堆積物675に先立って試料基材688に塗布されたものである。
【0072】
試料基材688は、断続的に、所定の距離だけ、移動し得る。断続的な各移動は、試料基材688への流体堆積物の塗布の後に生じ得る(又は継続し得る)。これにより、試料基材688の移動後、分配ノズル616は、試料基材688の新たな領域に流体堆積物を塗布するための相対位置にあり得る。試料基材688の移動及び流体堆積物の対応する塗布は、オペレータによって、又は自動プロセスによって、開始され得る。例えば、分配システムは、分配ノズル616又は他の構成要素が許容範囲外で動作していると判定し得る。別の例として、試料基材688の移動及び/又は流体堆積物の対応する塗布は、所定の時間間隔で開始され得る。一例では、分配アセンブリ614は、追加的に又は代替的に、試料基材688との関連で移動し、それによってそれらの相対位置を調整し得る。
【0073】
一例では、試料基材688は、紙製品又は可撓性プラスチックなどの可撓性材料で作製され得る。可撓性材料は、供給源(図示せず)によって右から左に供給され得る。供給源は、ロール供給部又は試料基材688の他の貯蔵ユニットを含み得る。その上に流体堆積物を有する試料基材688は、
図6の例においては左に移動し得て、例えば廃棄容器へと進み得る。
【0074】
別の例では、試料基材688は、生産領域26(
図1A)及び/又は生産モードで使用される基材に幾つかの点で類似し得る。例えば、製造基材がプリント回路基板である場合、試料基材688は、必ずしも同一の部品形態ではなくても、類似のプリント回路基板であり得る。別の例として、試料基材688は、全く部品を有さないプリント回路基板であってもよい。試料基材688は、例えば、オペレータによって位置付けられ得る。
【0075】
様々な形態及び/又は組成のいずれにおいても、試料基材688又は
図6に関連する他の試料基材は、分配システム、具体的には分配アセンブリ614及び/又はその分配ノズル616の較正に主に使用される基材を指し得る。較正は、流体が分配ノズル616から射出する速度、及び、当該速度に関連する他の機能、に関し得る。例えば、較正のための試料基材688の使用は、生産領域26(
図1A)ではなく、サービスステーション28内で実施され得る。したがって、試料基材688は、生産モードではなく、サービスモードで使用され得る。
【0076】
カメラなどの光センサアセンブリ668は、試料基材688の上方に位置付けられ得て、流体堆積物675の画像又は他の表現を捕捉し得る。例えば、光センサアセンブリ668は、
図1Aのカメラ20及び分配アセンブリ14と同様に、分配アセンブリ614の一部に連結され得て、それと共に移動し得て、及び/又は、その一部を備え得る。光センサアセンブリ668は、試料基材688の少なくとも一部の上方に位置付けられ得る。場合によって、光センサアセンブリ668及び/又は光センサアセンブリ668の視野の中心軸は、矢印682として示される流体ボリューム674の空中移動経路に対して、角度をなし得る。かかる配置を
図6に示す。したがって、光センサアセンブリ668は、流体堆積物675の真上に位置付けられる必要はない。更に他の例では、光センサアセンブリ668は、試料基材688の真上にないように配置され得る。光センサアセンブリ668の位置は、当該光センサアセンブリ668の角度及び/又は当該光センサアセンブリ668の視野に依存し得る。
【0077】
光センサアセンブリ668が向いている方向、及び/又は、光センサアセンブリ668の視野の中心の方向は、矢印694で示されている。矢印694の方向(すなわち、光センサアセンブリ668の方向)は、矢印682(すなわち、空中移動経路の方向)から10度以下の角度で角度的にオフセットされ得る。別の例では、矢印694と矢印682との間の角度的なオフセットは、25度以下であり得る。別の例では、矢印694と矢印682との間の角度的なオフセットは、45度以下であり得る。
【0078】
一例では、光センサアセンブリ668は、流体堆積物675に対して角度をなさなく得る。すなわち、光センサアセンブリ668及び/又は矢印694は、矢印682に平行な方向を指し示し得る。この場合、光センサアセンブリ668の視野は、流体堆積物675の画像を捕捉するのに十分な幅であり得る。例えば、光センサアセンブリ668は、分配アセンブリ614の構成要素に連結され得て、それと共に移動し得て、及び/又は、それを備え得る。
【0079】
別の例では、光センサアセンブリ668は、流体ボリューム674の空中移動経路に直交する方向(すなわち、矢印682)を指し示すように位置付けられ得る。この形態における光センサアセンブリ668の視野は、それから流体堆積物675の1または複数の特性が決定され得る流体堆積物675の画像を捕捉するのに、十分広く得る。この例では、光センサアセンブリ668は、流体堆積物675の画像及び空中移動中の流体ボリューム674の画像の両方を潜在的に捕捉し得る。したがって、流体堆積物675の1または複数の特性及び空中移動中の流体ボリューム674の1または複数の特性の両方が、本明細書に記載の較正技術において使用され得る。例えば、分配装置のある動作パラメータの値は、流体堆積物675の1または複数の特性及び流体ボリューム674の1または複数の特性の両方に基づいて、調整され得る。類似の効果が、試料基材688上の流体堆積物675の画像を捕捉する光センサアセンブリ668及び空中移動中の流体ボリューム674の画像を捕捉する撮像アセンブリ(例えば、それぞれ、
図2、
図3、又は
図5の撮像アセンブリ62、362、又は562)の両方と共に、速度較正ステーション658を構成することによって達成され得る。例えば、撮像アセンブリ62、362、又は562は、流体ボリュームが基材及び/又は速度較正ステーションの表面の下方にある間ではなく、流体ボリュームが基材及び/又は速度較正ステーションの表面の上方にある間に、光線が空中移動中の流体ボリュームを通過するように、修正され得る。
【0080】
流体堆積物675の画像が分析され得て、流体堆積物675の1または複数の特性を決定し得る。分析は、例えば、コントローラ(例えば、
図1Aのコントローラ36)によって実行され得る。
【0081】
例示の特性は、流体堆積物675の寸法的特徴を説明し得る。例えば、流体堆積物375の特性は、流体堆積物675の第1の寸法を含み得て、当該第1の寸法は、試料基材688の平坦面に平行である(例えば、流体堆積物675の幅)。別の特性は、試料基材688の平坦面に平行である流体堆積物675の第2の寸法(例えば、流体堆積物675の長さ)を含み得る。第1の寸法及び第2の寸法は、互いに直交し得る。第1及び第2の寸法は、合わせて流体堆積物675の幅及び長さを示し得る。別の例示の特性は、流体堆積物675の第3の寸法を含み得て、当該第3の寸法は、試料基材688の平坦面に直交し得る。第3の寸法は、試料基材688の平坦面に関連する流体堆積物675の高さを示し得る。流体堆積物675の高さはまた、塗布された流体の範囲を示し得る。当該高さは、試料基材688から最も離れた流体堆積物675の地点によって測定され得る。流体堆積物675のボリューム特性を決定するために、様々な寸法も使用され得る。
【0082】
流体堆積物675の例示の特性は、流体堆積物675の形状を含み得る。例示の形状は、円形、楕円形、又は細長い形状を含み得る。流体堆積物675の形状(及びその判定)は、いくつかの態様において、流体ボリューム674の形状(及びその判定)に類似し得る。流体堆積物675の形状は、流体堆積物675の幅及び長さの相対的比率及び角度、並びに流体堆積物675の外周を画定する輪郭又は他の特徴、を指し得る。形状は、円形、楕円形、又は細長い形状など、1または複数の所定の形状又は特性に従って分類され得る。流体堆積物675について幅、長さ、及び高さなどの十分な情報が入手可能である場合、形状は、三次元形状として画定され得る。
【0083】
流体堆積物675の形状は、空中移動中の流体ボリューム674の様々な特性、例えば流体ボリューム674の方向性又は形状など、を示し得る。例えば、流体堆積物675の細長い形状は、流体ボリューム674の類似形状を示し得る。例示の流体堆積物675の細長い形状はまた、当該流体堆積物675の細長い寸法に対応する、空中移動中の流体ボリューム674の方向性を示し得る。
【0084】
流体ボリューム674が試料基材688に衝突する時、この衝突に起因して、少量の空中液滴690(口語的に「跳ね」と呼ばれることもある)が形成され得る。空中液滴690は、流体堆積物675の外周付近に落ちて、試料基材688上に1または複数のサテライト692を形成し得る。かかる空中液滴690及び結果として生じるサテライト692は、概ね望ましくないものとみなされる。厳密には流体堆積物675と連続していないが、空中液滴690及び付随体692は、文脈で明確に示されていない限り、流体堆積物675の一部とみなされ得る。
【0085】
空中液滴690及び/又はサテライト692は、とりわけ、試料基材688への衝突時の流体ボリューム674の過剰な速度によって生じ得る。したがって、流体堆積物675の特性は、空中液滴690及び/又はサテライト692の数量を含み得る。流体堆積物675の特性はまた、流体堆積物675の主要部分自体と同じ態様で規定され決定され得る、空中液滴690及び/又はサテライト692のサイズ(例えば、1または複数の寸法)及び/又は形状を含み得る。流体堆積物675の特性はまた、流体堆積物675の主要部分に対する空中液滴690及び/又はサテライト692の相対分布を含み得る。相対分布は、主要流体堆積物675からの空中液滴690及び/又はサテライト692の距離(例えば、最大距離、総距離、及び/又は最小距離)を含み得る。相対分布はまた、流体堆積物675に対する空中液滴690及び/又はサテライト692の方向性を含み得る。空中液滴690及び/又はサテライト692の方向性は、空中移動中の流体ボリューム674の方向性を示し得る。例えば、空中液滴690及びサテライト692のすべて又は大部分が流体堆積物675の片側に位置する場合、これは、空中移動中の流体ボリューム674の対応する方向性を示し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、基材上の流体堆積物の特性が、空中移動中の流体ボリュームの特性に加えて使用され得る。他の実施形態では、基材上の流体堆積物の特性が、空中移動中の流体ボリュームの特性の代わりに使用され得る。この点に関して、空中移動中の流体ボリュームの様々な態様及び使用は、別途に明記又は文脈によって明確に示されない限り、基材上の流体堆積物に等しく適用可能である。
【0087】
代替の実施形態では、光センサアセンブリ669(仮想表現で示す)が、試料基材688及び/又は表面676の下方に位置付けられ得て、下方から流体堆積物675の画像を捕捉し得る。この実施形態では、試料基材688は、流体堆積物675の態様が捕捉され得るように、透明又は半透明の材料で作製され得る。試料基材688間の表面676は省略され得て、したがって表面676内に穴又は開口部を形成する。又は、表面676のこの部分は透明であり得る。その他の点では、光センサアセンブリ669及びその動作は、少なくとも一部の態様において、光センサアセンブリ668に類似であり得る。
【0088】
図7は、流体ボリュームの特性の測定を実行して分配システム(例えば、
図1Aの分配システム10)の速度に影響を与える動作パラメータを調整することを繰り返すことによって、流体ボリュームの特性の好ましい値(又はその範囲)を達成する、閉ループ較正プロセスの方法700のフロー図を示す。方法700は、少なくとも部分的に、コントローラ(例えば、コントローラ36)によって実行され得る。
【0089】
工程702において、粘性流体を分配するための分配装置(例えば、
図1Aの分配システム10及び/又は分配アセンブリ14)を較正する方法700が開始される。分配装置は、弁を有するノズル(例えば、分配ノズル16)を有し得て、コントローラによって操作され得る。
【0090】
工程704において、分配装置は、分配システムのノズルから第1のボリュームの粘性流体を分配し得る。分配装置は、ノズルの弁を開閉することによって、当該第1のボリュームの流体を分配し得る。第1のボリュームの流体は、ノズルからの当該第1のボリュームの流体の射出速度に影響を及ぼす1または複数の動作パラメータの第1の値に従って分配され得る。当該動作パラメータは、分配アセンブリ、分配ノズル、及び/又は分配システム(又はその他の構成要素)の動作パラメータであり得る。
【0091】
上述のように、前記動作パラメータは、分配ノズルからの分配時に、流体のボリュームの速度に著しい影響を及ぼし得る。速度に影響を及ぼす動作パラメータの一例は、弁座に係合してあるボリュームの流体を分配するように構成された可動要素(例えば、ニードル、弁ステムなど)に関連し得る。
図1Bの可動要素260及び弁座252は、前述の可動要素及び弁座の例を提供する。可動要素に関連する例示の動作パラメータは、弁座に係合するときの可動要素の速度、可動要素の往復運動サイクル時間、可動要素のストローク長さ、及び/又は、弁座に係合するときの可動要素の衝撃力、を含み得る。別の例示の動作パラメータは、可動要素に動作可能に接続され及び/又はアクチュエータに動作可能に接続されているばね又は他の付勢要素に関連し得て、例えば、ばねの圧縮若しくは引張強度、及び/又は、ばねの移動(量)などである。
図1Bの付勢要素268及び
図1Cのばねは、例を提供する。更に別の例示の動作パラメータは、可動要素の運動又は往復運動を引き起こすように構成された、
図1B及び
図1Cの圧電駆動モジュール216などのアクチュエータに関連し得る。したがって、かかる動作パラメータは、作動タイミング、往復運動サイクルタイミング、及び/又は、アクチュエータのストローク長さを含み得る。アクチュエータに関連する他の動作パラメータは、可動要素を弁座に向かって又は弁座から離れる方向に直接的に又は間接的に移動させるアクチュエータ構成要素の速度、及び、アクチュエータによって可動要素に直接的に又は間接的に伝達される力、を含み得る。
【0092】
流体ボリュームの分配、並びに方法700の他の部分は、キャビネットのサービス領域内の速度較正ステーション(例えば、それぞれ
図1Aのキャビネット12内の速度較正ステーション58)で実行され得る。分配装置がサービス領域内に位置するとき、分配装置は、サービスモードで動作しているとみなされ得る。速度較正ステーションにおいて流体ボリュームが分配される場合、流体ボリュームは、後に廃棄するために容器(例えば、
図2の容器64)によって受容され得る。
【0093】
別の例では、流体ボリュームは、試料基材(例えば、
図6の試料基材688)に塗布され得る。試料基材、及び塗布された試料流体ボリューム(例えば、
図6の流体堆積物675)は、具体的には、光センサアセンブリ(例えば、
図1Aのカメラ20及び/又は
図6の光センサアセンブリ668)を考慮して位置付けられ得る。例えば、光センサアセンブリは、塗布された試料の真上に、又は上方でオフセットされて、位置付けられ得る。塗布された試料の上方に位置付けられる光センサアセンブリは、あらゆるオフセットに対応するように、塗布された試料に向かって角度をなし得る。光センサアセンブリが塗布された試料の真上の位置からオフセットされている別の例では、塗布された試料は、光センサアセンブリの視野内にあり得る。
【0094】
別の例として、塗布された試料の画像を捕捉するための光センサアセンブリは、塗布された試料と略水平に位置付けられ得る。この場合、塗布された試料を捕捉するための水平光アセンブリは、流体ボリュームの空中移動中にその画像を捕捉するための撮像アセンブリに加えられ得る。空中移動中の流体ボリュームの画像を捕捉するための撮像アセンブリは、基材の上方に位置付けられ、その場合、以下の容器は省略され得る。更に別の実施例では、塗布された流体試料の画像は、空中移動中の流体ボリュームの画像を捕捉するために使用されるものと同一の撮像アセンブリによって捕捉され得る。かかる構成では、この撮像アセンブリはまた、基材の上方に位置付けられ得る。
【0095】
他の態様では、方法700の分配動作及び/又は他の工程は、分配装置が生産領域内に位置付けられて、顧客製品を対象とする分配動作を実行する生産モードで実行され得る。したがって、方法700の動作の少なくとも一部は、分配装置が顧客製品に流体ボリュームを堆積させている間に、その場で実行され得る。生産モードは、流体ボリュームの速度及び/又は他の特性のリアルタイム調整を許容し得る。
【0096】
工程706において、分配ノズルから分配される流体ボリュームの特性が、センサによって測定され得る。当該センサは、少なくとも部分的に、光センサアセンブリ及び/又は光源を有する撮像アセンブリ(例えば、それぞれ、
図3の撮像アセンブリ362、光センサアセンブリ368、及び光源366)によって実現され得る。カメラは、例えば、光センサアセンブリとして機能し得る。光センサアセンブリは、例えば、
図3及び
図5に示すように、光源と対であり得る。
【0097】
追加的に又は代替的に、流体ボリュームの特性は、基材への塗布後の流体ボリューム(例えば、
図6の流体堆積物675、及び/又は、工程704に関連して上述された塗布された流体試料)の特性を含み得る。
【0098】
流体ボリュームの特性は、流体ボリュームの幅、長さ、形状、方向性、及び/又は速度を含み得る。流体ボリュームの特性は、空中液滴及び/又はサテライト(例えば、
図6の空中液滴690及びサテライト)の存在、並びにその属性、を更に含み得る。ストロボ光線が使用される場合など、流体ボリュームの複数の画像又は他の表現が捕捉され得る態様では、当該複数の画像又は他の表現のそれぞれに対して特性値が決定され得る。これらの複数の特性値は、平均化されるか、又は別の方法で集計されて、流体ボリュームの複合特性値を決定し得る。複数の特性値はまた、その標準偏差を決定するために使用され得る。同様に、「流体ボリューム」が複数の連続する流体ボリュームの試料を含む態様では、特性は、試料の流体ボリュームのそれぞれに対して測定され得て、対応する複数の特性値は、標準偏差を決定するために平均化、集計、又は使用され得る。
【0099】
流体ボリュームの幅とは、流体ボリュームの移動方向に対して垂直である流体ボリュームの寸法など、流体ボリュームの略水平寸法を指し得る。センサが複数の視点から流体ボリュームを撮像又は測定するように構成されている態様では、各視点から測定される幅は異なり得る。例えば、楕円形の水平断面を有する流体ボリュームは、どの視点で測定されるかに応じて、異なる幅値をもたらし得る。異なる視点に対する複数の幅測定値は、二次元の幅測定を容易にし得て、これにより、流体ボリュームの三次元表現を総じて容易にし得る。
【0100】
空中移動中の流体ボリュームの長さとは、流体ボリュームの移動方向に平行である寸法など、流体ボリュームの略鉛直寸法を指し得る。
【0101】
流体ボリュームの形状とは、流体ボリュームの幅及び長さの相対的比率及び角度、並びに流体ボリュームの外周を画定する輪郭又は他の特徴を指し得る。形状は、涙型、楕円形、長円形、及び/又は円形など、1または複数の所定の形状又は特性に従って分類され得る。流体ボリュームが単一の視点から撮像又は測定される態様では、流体ボリュームの形状は、二次元形状として表現され得る。具体的には、二次元形状は、光センサアセンブリによって受光される光の方向に対して垂直である平面内の流体ボリュームの水平幅及び鉛直長さとして表され得る。流体ボリュームが複数の視点から撮像又は測定される態様では、流体ボリュームの形状は、三次元モデル又は他の表現など三次元形状として表現され得る。
【0102】
流体ボリュームの方向性とは、分配ノズルを離れるとき、分配ノズルと顧客製品との間での空中移動中、及び/又は、流体ボリュームが基材に衝突した後、のいずれかにおいて、流体ボリュームの移動方向を指し得る。基材への衝突後の流体ボリュームの方向性とは、塗布された流体ボリュームの主要本体からの跳ね及び/又はサテライトの相対分布を指し得る。流体ボリュームの方向性は、分配ノズルから顧客製品の対応する点に向かう鉛直軸(すなわち、流体ボリュームの実際の発散方向性が不在の場合の流体ボリュームの仮想移動方向)からオフセットされた角度数として表され得る。追加的に又は代替的に、流体ボリュームの方向性は、前述した鉛直軸、すなわち仮想移動方向、に対して垂直である水平軸に沿って測定され得る。流体ボリュームが2つ以上の視点から撮像又は測定される態様では、方向性は、前述した鉛直軸、すなわち仮想移動方向に対して垂直である2つ以上の軸に沿って測定され得る。
図4は、分配ノズルと顧客製品との間の鉛直軸から外れた、矢印402によって示される方向性を有する例示の流体ボリュームを示す。
【0103】
いくつかの態様では、流体ボリュームの2つ以上の特性が、単一の特性の代わりに測定され得る。例えば、流体ボリュームの幅及び長さの両方が測定され得る。2つ以上の特性は、空中移動中の流体ボリュームの1または複数の特性と、基材への塗布後の流体ボリュームの1または複数の特性と、を含み得る。例えば、2つ以上の特性は、空中移動中の流体ボリュームの幅と、基材への塗布後の流体ボリュームの幅と、を含み得る。
【0104】
2つ以上の特性は、単一の複合特性の基礎を形成してよく、この特性は次に、方法700において「流体ボリュームの特性」として使用され得る。複合特性は、一例として、流体ボリュームの寸法の比例特性を含み得る。長さ対幅比が、流体ボリュームの幅特性及び長さ特性に基づいて決定され得る。流体ボリュームの最大直径(例えば、流体ボリュームの二次元水平断面から決定される直径)及び流体ボリュームの最大長さ(例えば、流体ボリュームの二次元垂直断面から決定される長さ)が使用されて、流体ボリュームの最大長さ対最大直径比を決定し得る。対称特性が、複合特性の別の例を表し得る。対称特性は、異なる視点から得られた2つ以上の幅特性に基づいて決定され得る。異なる視点は、例えば、水平方向に90度オフセットされ得る。対称特性は、流体ボリュームの方向性特性に更に基づき得る。流体ボリュームの方向性を流体ボリュームの細長い中心軸と同一とみなすことによって、流体ボリュームの相対幅を使用して、流体ボリュームがその細長い中心軸に関して対称であるか否かを決定し得る。
【0105】
工程708では、流体ボリュームの特性の測定値が、当該特性のある値又は値の範囲と比較され得る。この値又は値の範囲は、当該特性の好ましい値又は値の範囲であり得る。例えば、分配動作の特定の実施例では、1mm~2mmの幅値を有する流体ボリュームを必要とし得る。例示の流体ボリュームに対して測定された1.5mmの幅特性が、1mm~2mmの値の範囲と比較され得る。
【0106】
流体ボリュームの形状など、数値として特性値を容易に表すことができない場合、値の範囲は、形状に関する1または複数の形状及び/又は属性として表現され得る。例えば、形状特性の値の範囲は、値「涙型;楕円形」を含み得る。瞬間流体ボリュームの特性値が、涙型及び卵形のうちの1または複数(又は特定の実施例によってはその両方)として分類される場合、瞬間流体ボリュームの特性値は、値範囲内に収まるとみなされ得る。
【0107】
工程710において、分配された流体ボリュームの特性値が値の範囲内か否かに関しての工程708の比較に基づいて、判定が行われ得る。分配された流体ボリュームの特性値が値の範囲外(「いいえ」)の場合、方法は工程712に進み得る。そうでなければ(「はい」)、方法は、方法700が終了する工程714に進み得る。更に、分配された流体ボリュームの特性値が値の範囲内である場合、視覚インジケータ又は音声インジケータなどのインジケータが提供され得る。インジケータはオペレータによって知覚され得て、分配アセンブリを生産モードに戻すようにオペレータを促す。
【0108】
工程712において、工程704で第1の流体ボリュームの分配時に従った動作パラメータの第1の値は、動作パラメータの第2の値へと調整され得る。動作パラメータは、分配アセンブリ、分配ノズル、又は分配システム(又はその構成要素)に関連し得ることが想起されるであろう。動作パラメータは、分配ノズルからの射出時の流体ボリュームの速度に著しい影響を及ぼし得ることが更に想起されるであろう。動作パラメータの調整は、後続の流体ボリュームの速度を、以前に分配された流体ボリュームの速度と比較して、増減させ得る。
【0109】
動作パラメータの値の調整は、流体ボリュームの特性値が特性値の範囲内にあるか否かの判定に加えて、工程708における分配流体ボリュームの特性値と特性値の範囲との比較に基づき得る。例えば、動作パラメータの調整は、流体ボリュームの特性値が値の範囲より大きいか又はそれ未満であるかに基づき得る。
【0110】
更に、動作パラメータの調整は、流体ボリュームの特性値と値の範囲の最も近い値との差に基づき得る。すなわち、調整は、流体ボリュームの特性値を値の範囲内にするために必要な定量値に基づき得る。
【0111】
加えて、調整は、動作パラメータと流体ボリュームの射出速度との関係(例えば、比例関係)に基づき得る。換言すれば、動作パラメータが変化する程度が、流体ボリューム速度の比例変化を引き起こす。動作パラメータに対する調整は、この比例関係に基づき得る。
【0112】
更に、動作パラメータに対する調整は、流体ボリューム速度と流体ボリュームの特性値との間の比例関係に基づき得る。例えば、所望の特性値又は特性値に対する所望の定量的変化が、流体ボリューム速度の変化を決定するための基礎を形成し得る。次いで、決定された流体ボリューム速度の変化は、動作パラメータの調整を決定するための基礎を形成し得る。
【0113】
動作パラメータの第1の値の調整に続いて、方法700の一部が、方法700の当該一部の第2の繰り返しの工程704において再開され得る。工程704の第2の繰り返しは、工程712の実行によって生じた動作パラメータの調整された第1の値を使用して実行され得る。工程704の第2の繰り返しでは、分配装置が、分配システムのノズルから第2のボリュームの粘性流体を分配し得る。分配装置は、当該分配装置のノズルの弁を開閉することによって、第2のボリュームの流体を分配し得る。第2のボリュームの流体は、1または複数の動作パラメータの第2の値に従って分配され得る。
【0114】
第2の繰り返しは、工程706~710を経て、必要に応じて工程712に進んでよい。工程704~710の更なる繰り返し、及び必要に応じて工程712は、流体ボリュームの特性の値が値の範囲内になるまで実行され得る。
【0115】
工程710において、流体ボリュームの特性の値が当該特性の値の範囲内にある場合、方法700は、工程714に進んでよい。工程714において、方法700は終了する。任意選択的に、方法700は再開され得るが、代わりに、分配装置から分配される流体ボリュームの異なる特性を対象とし得る。方法700の終了後、分配装置は、生産モードに戻され、キャビネットの生産領域内に再配置され得る。生産モードで、生産領域内に正しく位置付けられると、分配装置は、基材など顧客製品への流体ボリュームの分配を続行し得る。好ましくは、流体ボリュームは、方法700が対象とした特性の所望の値を有する。
【0116】
本明細書に開示した様々な測定及び対応するプロセス(及び任意の関連データ)は、後に分析するために記憶され得る。例えば、プロセス改善又は製品追跡可能性を得るために、かかるデータに対して統計分析を行っ得る。
【0117】
開示した方法及びシステムの処理は、ソフトウェア構成要素によって実行され得る。開示したシステム及び方法は、1台以上のコンピュータ又は他のデバイスによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストで記述され得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象的なデータタイプを実現する、コンピュータコード、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。開示した方法はまた、通信ネットワークを介して繋がっているリモートの処理用デバイスによりタスクが実行される、グリッドベースの分散コンピューティング環境において実行され得る。分散コンピューティング環境においては、プログラムモジュールは、ローカルの、及びリモートの、メモリストーレッジデバイスを含むコンピュータストーレッジ媒体に置かれ得る。
【0118】
すべての開示した方法は、コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ可読命令によって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータによりアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。制限する意図ではなく例示として、コンピュータ可読媒体は、「コンピュータ記憶媒体」及び「通信媒体」を含み得る。「コンピュータ記憶媒体」は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータなど情報の記憶のための任意の方法又は技術で実現される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な及び取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体の例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)若しくは他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶若しくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用可能でありかつコンピュータによってアクセス可能な任意の他の媒体、が含まれるが、これらに限定されない。
【0119】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その文脈について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を包含する。数値の範囲は、「約」をつけたある特定の値から、及び/又は、「約」をつけた他の特定の値に至るものとして表現される場合がある。そのようにして1つの範囲が表現されると、他の実施形態においては、当該ある特定の値から、及び/又は、当該他の特定の値に至る範囲が含まれる。同様に、ある値が「約」を前につけて、近似的値によって示される場合、当該ある特定の値は他の実施形態においても有効であると理解されねばならない。更に、そのような範囲のそれぞれの端点は、他の端点との関連において、及び他の端点とは独立して、有効であると理解されねばならない。
【0120】
特にそうでないと明示的に述べない限り、本明細書において記載されているいかなる方法も、その複数の工程をある特定の順序で実行することを必要とするものとして理解することを全く意図されていない。したがって、方法の請求項が実際に、その複数の工程が従うべき順序を指定していない場合、又は複数の工程が特定の順序に制限されるということが具体的に請求項又は説明において記述されていない場合、いかなる点においても、ある順序が暗示されているということを意図するものではない。
【0121】
本出願の範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な修正及び変更がなされ得ることが、当業者には明らかであろう。明細書及びそこに開示される実践を考慮すれば、他の実施形態が当業者には明らかであろう。