(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 9/02 20060101AFI20230823BHJP
B66B 7/02 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
B66B9/02 Z
B66B7/02 J
(21)【出願番号】P 2021162598
(22)【出願日】2021-10-01
【審査請求日】2021-10-01
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-24
【早期審理対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大脇 裕之
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】尾崎 和寛
【審判官】内田 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-48670(JP,A)
【文献】特開平7-2466(JP,A)
【文献】特開平6-127868(JP,A)
【文献】特表2018-536369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/06
B66B 9/02
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごと、
前記かごを上下方向に移動させるリニアモータと、を備え、
前記リニアモータは、前記かごに接続される磁石を有するモータ可動体と、前記磁石に上下方向の電磁力を付与するコイルを有するモータ固定体と、を備える、エレベータであって、
前記モータ固定体と別体であって、上下方向に沿って延びるガイドレールと、
前記磁石に対する位置が固定され、前記ガイドレールにガイドされる磁石ガイドと、
前記モータ固定体及び前記ガイドレールとそれぞれ別体であって、前記モータ固定体及び前記ガイドレールに対してそれぞれ固定されるレール固定部と、をさらに備え、
前記レール固定部は、前記コイルを位置決めするために、前記モータ固定体に当たるコイル位置決め部と、前記ガイドレールを位置決めするために、前記ガイドレールに当たるレール位置決め部と、を備える、エレベータ。
【請求項2】
前記レール固定部は、連接される第1面及び第2面によって凹みを形成する第1段差と、連接される第3面及び第4面によって凹みを形成する第2段差と、を備え、
前記コイル位置決め部は、
前記第1面及び前記第2面によって構成され、
前記レール位置決め部は、
前記第3面及び前記第4面によって構成され
、
前記モータ固定体の角は、前記第1面及び前記第2面にそれぞれ当たり、
前記ガイドレールの角は、前記第3面及び前記第4面にそれぞれ当たる、請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記コイルは、上下方向及び第1横方向に沿って配置され、
前記磁石は、第1横方向と直交する第2横方向で前記コイルと対面するように配置され、
前記コイル位置決め部は、第2横方向で前記モータ固定体と当たり、
前記レール位置決め部は、第2横方向で前記ガイドレールと当たる、請求項1又は2に記載のエレベータ。
【請求項4】
かごと、
前記かごを上下方向に移動させるリニアモータと、を備え、
前記リニアモータは、前記かごに接続される磁石を有するモータ可動体と、前記磁石に上下方向の電磁力を付与するコイルを有するモータ固定体と、を備える、エレベータであって、
上下方向に沿って延びるガイドレールと、
前記磁石に対する位置が固定され、前記ガイドレールにガイドされる磁石ガイドと、
前記モータ固定体及び前記ガイドレールに対してそれぞれ固定されるレール固定部と、をさらに備え、
前記レール固定部は、前記コイルを位置決めするために、前記モータ固定体に当たるコイル位置決め部と、前記ガイドレールを位置決めするために、前記ガイドレールに当たるレール位置決め部と、を備え、
前記コイルは、上下方向及び第1横方向に沿って配置され、
前記磁石は、第1横方向と直交する第2横方向で前記コイルと対面するように配置され、
前記コイル位置決め部は、第2横方向で前記モータ固定体と当たり、
前記レール位置決め部は、第2横方向で前記ガイドレールと当たり、
前記モータ固定体は、前記ガイドレールと、第2横方向で離れて配置され、
前記コイル位置決め部は、前記モータ固定体の第2横方向の端部のうち、前記ガイドレールに近い側の端部と当たり、
前記レール位置決め部は、前記ガイドレールの第2横方向の端部のうち、前記モータ固定体に近い側の端部と当たる、エレベータ。
【請求項5】
かごと、
前記かごを上下方向に移動させるリニアモータと、を備え、
前記リニアモータは、前記かごに接続される磁石を有するモータ可動体と、前記磁石に上下方向の電磁力を付与するコイルを有するモータ固定体と、を備える、エレベータであって、
上下方向に沿って延びるガイドレールと、
前記磁石に対する位置が固定され、前記ガイドレールにガイドされる磁石ガイドと、
前記モータ固定体及び前記ガイドレールに対してそれぞれ固定されるレール固定部と、をさらに備え、
前記コイルは、上下方向及び第1横方向に沿って配置され、
前記磁石は、第1横方向と直交する第2横方向で前記コイルと対面するように配置され、
前記ガイドレールは、第1ガイドレールと、前記第1ガイドレールと第1横方向で離れる第2ガイドレールと、を含み、
前記磁石ガイドは、前記第1ガイドレールにガイドされる第1磁石ガイドと、前記第2ガイドレールにガイドされる第2磁石ガイドと、を含み、
前記レール固定部は、前記モータ固定体及び前記第1ガイドレールに対してそれぞれ固定される第1レール固定部と、前記モータ固定体及び前記第2ガイドレールに対してそれぞれ固定される第2レール固定部と、を含む、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、かごと、かごに接続される磁石と、磁石に上下方向の電磁力を付与するコイルと、上下方向に沿って延びるガイドレールと、磁石に接続され、ガイドレールにガイドされる磁石ガイドとを備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係るエレベータにおいて、例えば、磁石ガイドであるローラの位置が、磁石に対して可変である場合には、磁石とコイルとの距離が変化する。これにより、例えば、磁石に所望の電磁力を付与できない虞がある。
【0004】
また、特許文献1に係るエレベータにおいて、例えば、磁石ガイドであるローラの位置が、かごに対して固定されている場合には、ガイドレールに対するコイルの位置が水平方向で変化すると、磁石とコイルとの距離が変化してしまう。これにより、例えば、磁石に所望の電磁力を付与できない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、課題は、磁石とコイルとの距離が変化することを抑制することができるエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
エレベータは、かごと、前記かごを上下方向に移動させるリニアモータと、を備え、前記リニアモータは、前記かごに接続される磁石を有するモータ可動体と、前記磁石に上下方向の電磁力を付与するコイルを有するモータ固定体と、を備える、エレベータであって、上下方向に沿って延びるガイドレールと、前記磁石に対する位置が固定され、前記ガイドレールにガイドされる磁石ガイドと、前記モータ固定体及び前記ガイドレールに対してそれぞれ固定されるレール固定部と、をさらに備える。
【0008】
また、エレベータにおいては、前記レール固定部は、前記コイルを位置決めするために、前記モータ固定体に当たるコイル位置決め部と、前記ガイドレールを位置決めするために、前記ガイドレールに当たるレール位置決め部と、を備える、という構成でもよい。
【0009】
また、エレベータにおいては、前記コイルは、上下方向及び第1横方向に沿って配置され、前記磁石は、第1横方向と直交する第2横方向で前記コイルと対面するように配置され、前記コイル位置決め部は、第2横方向で前記モータ固定体と当たり、前記レール位置決め部は、第2横方向で前記ガイドレールと当たる、という構成でもよい。
【0010】
また、エレベータにおいては、前記コイル位置決め部は、前記モータ固定体の第2横方向の端部のうち、前記ガイドレールに近い側の端部と当たり、前記レール位置決め部は、前記ガイドレールの第2横方向の端部のうち、前記モータ固定体に近い側の端部と当たる、という構成でもよい。
【0011】
また、エレベータにおいては、前記コイルは、上下方向及び第1横方向に沿って配置され、前記磁石は、第1横方向と直交する第2横方向で前記コイルと対面するように配置され、前記ガイドレールは、第1ガイドレールと、前記第1ガイドレールと第1横方向で離れる第2ガイドレールと、を含み、前記磁石ガイドは、前記第1ガイドレールにガイドされる第1磁石ガイドと、前記第2ガイドレールにガイドされる第2磁石ガイドと、を含み、前記レール固定部は、前記モータ固定体及び前記第1ガイドレールに対してそれぞれ固定される第1レール固定部と、前記モータ固定体及び前記第2ガイドレールに対してそれぞれ固定される第2レール固定部と、を含む、という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るエレベータの要部斜視図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係るエレベータの要部平面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係るエレベータ可動体の斜視図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係るエレベータ可動体の正面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係るエレベータ固定体の要部斜視図である。
【
図6】
図6は、同実施形態に係るエレベータ固定体の要部平面図である。
【
図7】
図7は、同実施形態に係るモータ可動体及びガイド体の斜視図である。
【
図8】
図8は、同実施形態に係るモータ可動体及びガイド体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、エレベータにおける一実施形態について、
図1~
図14を参照しながら説明する。なお、各図(
図1~
図14も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0014】
図1及び
図2に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2と、かご2を上下方向D3に移動させるリニアモータ3と、かご2及びリニアモータ3に接続されるガイド機構4と、かご2及びリニアモータ3を制御する制御装置5とを備えていてもよい。
【0015】
このように、エレベータ1は、リニアモータ駆動のエレベータ1であり、例えば、かご2に接続されるロープ等を備えていない。なお、特に限定されないが、エレベータ1においては、例えば、本実施形態のように、リニアモータ3及びガイド機構4は、かご2を横方向D2で挟むように、それぞれ一対備えられていてもよい。
【0016】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。なお、例えば、かご2に対して人が乗り降りする方向は、第1横方向D1としてもよい。
【0017】
図1~
図4に示すように、リニアモータ3は、例えば、本実施形態のように、昇降路に固定されるモータ固定体6と、モータ固定体6に対して上下方向D3に可動なモータ可動体7とを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、リニアモータ3においては、例えば、本実施形態のように、モータ可動体7は、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよい。
【0018】
ガイド機構4は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3に延びて昇降路に固定されるガイドレール8,9と、ガイドレール8,9にガイドされ、かご2及びモータ可動体7に接続されるガイド体10とを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、モータ可動体7と同様に、ガイド機構4においては、例えば、本実施形態のように、ガイド体10,10は、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよい。
【0019】
なお、エレベータ1は、昇降路に固定されるエレベータ固定体1aと、エレベータ固定体1aに対して上下方向D3に可動なエレベータ可動体1bとを備えている。本実施形態においては、モータ固定体6及びガイドレール8,9は、エレベータ固定体1aを構成し、かご2、モータ可動体7及びガイド体10は、エレベータ可動体1bを構成している。
【0020】
図5~
図9に示すように、モータ可動体7は、例えば、本実施形態のように、磁石11,12と、弾性変形しないように剛性を有し、磁石11,12を支持する磁石支持部13とを備えていてもよい。モータ固定体6は、例えば、本実施形態のように、磁石11,12に上下方向D3の電磁力を付与するコイル14と、コイル14を支持するコイル支持部15とを備えていてもよい。
【0021】
コイル14は、例えば、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置されている。それに対して、磁石11,12は、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置され、第2横方向D2でコイル14と対面するように配置されていてもよい。これにより、上下方向D3の電磁力を磁石11,12に付与することができる。
【0022】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、コイル14は、第1横方向D1に延びるコイル片14aを複数備えており、複数のコイル片14aは、上下方向D3に沿って並列されている、という構成でもよい。これにより、コイル14は、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置されている。
【0023】
また、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、磁石11,12は、第1横方向D1に延びる磁石片11a,12aを複数備えており、複数の磁石片11a,12aは、上下方向D3に沿って並列されている、という構成でもよい。これにより、磁石11,12は、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置されている。
【0024】
コイル支持部15は、例えば、コイル14の第1横方向D1のそれぞれの端部を支持していてもよい。なお、モータ固定体6は、例えば、コイル支持部15の内部にコイル14内の電流を制御するインバータ(図示していない)を備えていてもよい。そして、制御装置5(
図1)がインバータを介してコイル14内の電流の大きさ及び方向を制御することによって、コイル14が磁石11,12に付与する電磁力の大きさ及び方向が制御されてもよい。
【0025】
また、特に限定されないが、磁石11,12は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2に並べられる第1磁石11及び第2磁石12を備え、第1磁石11及び第2磁石12は、第2横方向D2でコイル14を挟むように、配置されることが好ましい。これにより、電磁力がコイル14に対して第2横方向D2の両側に付与されるため、コイル14から磁石11,12へ効率的に電磁力を付与することができる。
【0026】
ガイド体10は、例えば、本実施形態のように、ガイドレール8,9にガイドされる磁石ガイド16,17と、磁石ガイド16,17を固定するガイド本体部18とを備えていてもよい。これにより、磁石11,12に対する磁石ガイド16,17の位置は、固定されている。したがって、磁石ガイド16,17がガイドレール8,9にガイドされることによって、磁石11,12とコイル14との距離が変化することを抑制することができる。
【0027】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、ガイドレール8,9は、第1横方向D1で離れる第1ガイドレール8と第2ガイドレール9とを備え、磁石ガイド16,17は、第1ガイドレール8にガイドされる第1磁石ガイド16と、第2ガイドレール9にガイドされる第2磁石ガイド17とを備えていることが好ましい。
【0028】
これにより、第1ガイドレール8及び第1磁石ガイド16と、第2ガイドレール9及び第2磁石ガイド17とは、それぞれ第1横方向D1で離れているため、例えば、モータ可動体7が上下方向D3を軸にして揺動することを抑制することができる。なお、特に限定されないが、ガイド体10においては、例えば、本実施形態のように、第1磁石ガイド16は、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよく、また、第2磁石ガイド17は、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよい。
【0029】
そして、特に限定されないが、第1磁石ガイド16及び第2磁石ガイド17は、第2横方向D2において、かご2と磁石11,12との間に配置されていることが好ましい。また、特に限定されないが、第1磁石ガイド16及び第2磁石ガイド17は、第2横方向D2において、かご2とコイル14との間に配置されていることが好ましい。
【0030】
これにより、磁石ガイド16,17及びガイドレール8,9をかご2寄りに配置することができる。したがって、例えば、かご2側から磁石ガイド16,17を点検することができるため、磁石ガイド16,17を容易に点検することができる。
【0031】
また、例えば、かご2の両側のリニアモータ3,3間で動作のズレが生じた場合に、かご2の両側のモータ可動体7,7(即ち、磁石11,12,11,12)の上下方向D3の位置に差異が生じる。それに対して、磁石11,12が、磁石ガイド16,17よりも、第2横方向D2の外側に配置されているため、かご2の傾きを小さくすることができる。これにより、例えば、かご室21内の人の乗り心地が悪くなることを抑制することができる。
【0032】
図5及び
図6に示すように、エレベータ固定体1aは、例えば、本実施形態のように、モータ固定体6及びガイドレール8,9に対してそれぞれ固定されるレール固定部19を備えていてもよい。なお、特に限定されないが、レール固定部19は、例えば、ボルト及びナット等によって、モータ固定体6及びガイドレール8,9に対してそれぞれ固定されていてもよい。
【0033】
また、レール固定部19は、例えば、本実施形態のように、モータ固定体6及び第1ガイドレール8に対してそれぞれ固定される第1レール固定部19と、モータ固定体6及び第2ガイドレール9に対してそれぞれ固定される第2レール固定部19とを備えていてもよい。そして、第1及び第2レール固定部19は、例えば、上下方向D3に並ぶように、それぞれ複数備えられていてもよい。
【0034】
また、例えば、ガイドレール8,9が、固定手段によって昇降路に固定され、モータ固定体6が、レール固定部19によってガイドレール8,9に固定されることによって、モータ固定体6は、昇降路に固定されていてもよい。これにより、ガイドレール8,9に対してコイル14を所望の位置に配置することができる。したがって、上下方向D3に亘って、ガイドレール8,9に対するコイル14の位置を一定にすることができる。
【0035】
そして、レール固定部19は、例えば、本実施形態のように、ガイドレール8,9を位置決めするために、ガイドレール8,9に第2横方向D2で当たるレール位置決め部19aを備えていてもよい。また、レール固定部19は、例えば、本実施形態のように、コイル14を位置決めするために、モータ固定体6に第2横方向D2で当たるコイル位置決め部19bを備えていてもよい。
【0036】
これにより、第2横方向D2において、ガイドレール8,9に対してコイル14を所望の位置に配置することができる。したがって、上下方向D3に亘って、ガイドレール8,9に対するコイル14の第2横方向D2の位置を確実に一定にすることができる。なお、特に限定されないが、各位置決め部19a,19bは、例えば、本実施形態のように、段差によって構成されていてもよく、また、例えば、レール固定部19の第2横方向D2の端面によって構成されていてもよい。
【0037】
また、レール位置決め部19aは、例えば、本実施形態のように、ガイドレール8,9の第2横方向D2の端部8b,8c,9b,9cのうち、モータ固定体6に近い側の端部8b,9bと当たっていてもよい。また、コイル位置決め部19bは、例えば、本実施形態のように、モータ固定体6(具体的には、コイル支持部15)の第2横方向D2の端部6a,6bのうち、ガイドレール8,9に近い側の端部6aと当たっていてもよい。これにより、レール固定部19の第2横方向D2の寸法を小さくすることができる。
【0038】
図7~
図9に示すように、例えば、本実施形態のように、磁石ガイド16,17は、一対の第1ローラ16a,16a,17a,17aと一つの第2ローラ16b,17bとを備え、ガイドレール8,9は、ローラ16a,16b,17a,17bをガイドするレール板8a,9aを備えていてもよい。
【0039】
そして、レール板8a,9aは、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置され、一対の第1ローラ16a,16a,17a,17aは、第2横方向D2に並べられ、第2横方向D2でレール板8a,9aを挟んでレール板8a,9aに接していてもよい。これにより、磁石11,12がコイル14に対して第2横方向D2へ変位することを抑制することができる
【0040】
また、第1磁石ガイド16の第2ローラ16bと、第2磁石ガイド17の第2ローラ17bとは、各レール板8a,9aの第1横方向D1の端部に接してもよい。これにより、ガイド体10がガイドレール8,9に対して第1横方向D1へ変位することを抑制することができるため、磁石11,12がコイル14に対して第1横方向D1へ変位することを抑制することができる
【0041】
ガイド本体部18は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1のそれぞれの端部に第1磁石ガイド16及び第2磁石ガイド17を固定するガイド固定部20,20を備えていてもよい。例えば、ガイド固定部20は、ローラ16a,16b,17a,17bを支持するローラ支持部20a,20aと、第1横方向D1に延び、第1横方向D1のそれぞれの端部にローラ支持部20a,20aを固定するガイド固定枠20bとを備えていてもよい。
【0042】
そして、ローラ支持部20aは、ローラ16a,16b,17a,17bの回転軸の位置を固定して、ローラ16a,16b,17a,17bを回転可能に支持し、ガイド固定部20は、モータ可動体7と固定されており、且つ、弾性変形しないように剛性を有している。これにより、磁石11,12に対するローラ16a,16b,17a,17bの回転軸の位置、即ち、磁石11,12に対する磁石ガイド16,17の位置は、不変であり、固定されている。
【0043】
なお、特に限定されないが、ガイド固定部20の第1横方向D1の寸法W1は、かご2の第1横方向D1の寸法W2(
図2参照)よりも、小さいことが好ましい。これにより、ガイド固定部20の長さを短くすることができる。
【0044】
したがって、例えば、ガイド固定部20の重量を軽くすることができたり、また、例えば、昇降路内の上下方向D3視における、ガイド固定部20の占有面積を小さくすることができたりする。また、例えば、かご2の扉(図示していない)が第2横方向D2に移動するとき、扉がガイド固定部20に当たることを抑制することができる。
【0045】
図10に示すように、かご2は、例えば、本実施形態のように、人が乗るかご室21と、かご室21に接続されるかご枠22と、かご室21とかご枠22とを接続する第1接続部(「かご接続部」ともいう)23とを備えていてもよい。かご枠22は、例えば、本実施形態のように、縦枠22a,22aと、横枠22b,22bと、下方の横枠22bの上部に固定され、かご室21を支持する矩形状の支持枠22cとを備えていてもよい。
【0046】
第1接続部23は、例えば、かご室21と支持枠22cとを接続していてもよい。具体的には、例えば、第1接続部23の上部は、かご室21の下部に連結(直接に接続)され、第1接続部23の下部は、支持枠22cの上部に連結される、という構成でもよい。これにより、第1接続部23は、かご室21とかご枠22とを上下方向D3で接続し、かご枠22は、かご室21を下方から支持している。
【0047】
第1接続部23は、例えば、かご室21がかご枠22に対して横方向D1,D2に可動となるように、かご室21とかご枠22とを接続してもよい。具体的には、第1接続部23は、横方向D1,D2及び上下方向D3へそれぞれ弾性変形可能な弾性体であってもよい。これにより、第1接続部23によって、かご枠22の振動がかご室21に伝達されることを抑制することができる。
【0048】
特に限定されないが、第1接続部23は、例えば、ゴム(例えば、積層ゴム)とすることができ、また、横方向D1,D2の弾性率が上下方向D3の弾性率よりも小さい弾性体であることが好ましい。なお、第1接続部23がかご室21内の荷重によって上下方向D3に弾性変形するため、かご2は、第1接続部23の上下方向D3の弾性変形量に基づいてかご室21内の荷重を検出する荷重検出部(図示していない)を備えていてもよい。
【0049】
ところで、
図10~
図14に示すように、モータ可動体7と磁石ガイド16,17とが、弾性変形をしないように剛性を有するガイド本体部18に固定されているため、磁石11,12に対する磁石ガイド16,17のローラ16a,16b,17a,17bの位置が不変で固定されている。これにより、ローラ16a,16b,17a,17bの振動は、ガイド本体部18にそのまま伝達されることになる。
【0050】
そこで、エレベータ可動体1bは、例えば、本実施形態のように、かご室21を含む第1構造体1cと磁石ガイド16,17を含む第2構造体1dとを接続する第2接続部(「可動体接続部」ともいう)24を備えていることが好ましい。即ち、エレベータ可動体1bは、第1構造体1cと、第2構造体1dと、第2接続部24とを備えていることが好ましい。
【0051】
なお、
図11~
図13は、上方側のモータ可動体7、ガイド体10及び磁石ガイド16,17を示しており、
図14は、下方側のモータ可動体7、ガイド体10及び磁石ガイド16,17を示している。また、
図11~
図14において、かご2は、横枠22bのみを図示している。
【0052】
第2接続部24は、例えば、第1構造体1cが第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動となるように、第1構造体1cと第2構造体1dとを接続することが好ましい。これにより、第2接続部24によって、磁石ガイド16,17のローラ16a,16b,17a,17bの振動がかご2のかご室21に伝達されることを抑制することができる。
【0053】
例えば、本実施形態のように、第2接続部24は、かご2がガイド体10に対して横方向D1,D2に可動となるように、かご2とガイド体10とを接続してもよい。具体的には、第2接続部24の上部は、かご枠22の横枠22bの下部に連結され、第2接続部24の下部は、ガイド本体部18の接続枠25の上部に連結される、という構成でもよい。これにより、第2接続部24は、かご2のかご枠22とガイド体10のガイド本体部18とを上下方向D3で接続し、ガイド体10は、かご2を下方から支持している。
【0054】
したがって、本実施形態においては、第1構造体1cは、かご2で構成され、第2構造体1dは、モータ可動体7、ガイド体10及び磁石ガイド16,17で構成されている。これにより、かご枠22が第1構造体1cに含まれているため、第2構造体1dの重量を小さくすることができる。したがって、磁石ガイド16,17が振動した際に、第2構造体1dに作用する慣性力が大きくなることを抑制することができる。
【0055】
第2接続部24は、例えば、横方向D1,D2及び上下方向D3へそれぞれ弾性変形可能な弾性体であってもよい。特に限定されないが、第2接続部24は、例えば、ゴム(例えば、積層ゴム)とすることができ、また、横方向D1,D2の弾性率が上下方向D3の弾性率よりも小さい弾性体であることが好ましい。
【0056】
なお、第1接続部23がかご室21を支持していることに対して、第2接続部24は、かご2の全体を支持している。したがって、特に限定されないが、第2接続部24の横方向D1,D2の弾性率は、第1接続部23の横方向D1,D2の弾性率よりも、大きいことが好ましい。これにより、かご枠22を含む第1構造体1cがガイド体10を含む第2構造体1dに対して横方向D1,D2へ変位し過ぎることを抑制することができる。
【0057】
また、第1構造体1cが第2接続部24によって第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動であることに対して、エレベータ可動体1bは、例えば、本実施形態のように、第1構造体1cが第2構造体1dに対して横方向D1,D2へ振動することを抑制する振動抑制部26を備えていることが好ましい。
【0058】
振動抑制部26は、例えば、第1構造体1cのかご枠22と第2構造体1dのガイド体10とを接続していてもよい。そして、振動抑制部26は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3へ延びるかごレール27と、かごレール27にガイドされるかごガイド28と、かごガイド28を支持するガイド支持部29と、弾性を有する弾性部30とを備えていてもよい。
【0059】
かごレール27は、例えば、第2構造体1dのガイド体10に接続されていてもよい。例えば、本実施形態においては、かごレール27は、ガイド体10のガイド本体部18(
図11~
図13においては、ガイド固定枠20b、
図14においては、接続枠25)に対して不動に固定されている。
【0060】
かごガイド28は、例えば、複数のローラ28a,28bを備えていてもよい。そして、例えば、ガイド支持部29は、かご枠22の横枠22bに不動に固定され、且つ、ガイド支持部29は、かご枠22にローラ28a,28bの回転軸の位置がかご枠22に対して横方向D1,D2に可動となるように、ローラ28a,28bを回転可能に接続していてもよい。
【0061】
弾性部30は、例えば、ローラ28a,28bがかご枠22に対して横方向D1,D2へ変位することに伴って、横方向D1,D2へ弾性変形してもよい。なお、特に限定されないが、弾性部30は、例えば、横方向D1,D2に弾性変形可能な弦巻バネとしてもよい。
【0062】
また、特に限定されないが、かごガイド28の複数のローラ28a,28bは、例えば、かご枠22に対して第1横方向D1に可動な第3ローラ28a,28aと、かご枠22に対して第2横方向D2に可動な第4ローラ28bとを備えていてもよい。これにより、第3ローラ28a,28aを介して、かごレール27に弾性部30の第1横方向D1の弾性復元力が加えられ、第4ローラ28bを介して、かごレール27に弾性部30の第2横方向D2の弾性復元力が加えられる。
【0063】
したがって、弾性部30がローラ28a,28bにかごレール27へ向けて弾性復元力を加えているため、ローラ28a,28bの変位を戻す弾性復元力が、ローラ28a,28bに加えられる。その結果、第1構造体1cが第2構造体1dに対して横方向D1,D2へ振動することを抑制することができる。
【0064】
また、例えば、第2接続部24が上下方向D3に弾性変形し、かご枠22がガイド体10に対して上下方向D3に変位した場合に、かごガイド28のローラ28a,28bは、かごレール27にガイドされる。これにより、第1構造体1cが第2構造体1dに対して上下方向D3に変位した場合に、第1構造体1cが第2構造体1dに対して横方向D1,D2に変位することを抑制することができる。
【0065】
以上より、本実施形態のように、エレベータ1は、かご2と、前記かご2を上下方向D3に移動させるリニアモータ3と、を備え、前記リニアモータ3は、前記かご2に接続される磁石11,12を有するモータ可動体7と、前記磁石11,12に上下方向D3の電磁力を付与するコイル14を有するモータ固定体6と、を備える、エレベータ1であって、上下方向D3に沿って延びるガイドレール8,9と、前記磁石11,12に対する位置が固定され、前記ガイドレール8,9にガイドされる磁石ガイド16,17と、前記モータ固定体6及び前記ガイドレール8,9に対してそれぞれ固定されるレール固定部19と、をさらに備える、という構成が好ましい。
【0066】
斯かる構成によれば、レール固定部19が、モータ固定体6及びガイドレール8,9にそれぞれ固定されているため、ガイドレール8,9に対してコイル14を所望の位置に配置することができる。これにより、ガイドレール8,9に対するコイル14の位置を一定にすることができる。
【0067】
しかも、磁石11,12に対する磁石ガイド16,17の位置は、固定されている。したがって、磁石ガイド16,17がガイドレール8,9にガイドされることによって、磁石11,12とコイル14との距離が変化することを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記レール固定部19は、前記コイル14を位置決めするために、前記モータ固定体6に当たるコイル位置決め部19bと、前記ガイドレール8,9を位置決めするために、前記ガイドレール8,9に当たるレール位置決め部19aと、を備える、という構成が好ましい。
【0069】
斯かる構成によれば、コイル位置決め部19bがモータ固定体6に当たることによって、コイル14は、位置決めされ、レール位置決め部19aがガイドレール8,9に当たることによって、ガイドレール8,9は、位置決めされる。これにより、ガイドレール8,9に対するコイル14の位置を確実に一定にすることができる。
【0070】
また、本実施形態のように、エレベータにおいては、前記コイル14は、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置され、前記磁石11,12は、第1横方向D1と直交する第2横方向D2で前記コイル14と対面するように配置され、前記コイル位置決め部19bは、第2横方向D2で前記モータ固定体6と当たり、前記レール位置決め部19aは、第2横方向D2で前記ガイドレール8,9と当たる、という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、磁石11,12が第2横方向D2でコイル14と対面することに対して、コイル位置決め部19bは、第2横方向D2でモータ固定体6と当たり、レール位置決め部19aは、第2横方向D2でガイドレール8,9と当たっている。これにより、ガイドレール8,9に対するコイル14の第2横方向D2の位置を確実に一定にすることができるため、磁石11,12とコイル14との第2横方向D2の距離が変化することを抑制することができる。
【0072】
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記コイル位置決め部19bは、前記モータ固定体6の第2横方向D2の端部6a,6bのうち、前記ガイドレール8,9に近い側の端部6aと当たり、前記レール位置決め部19aは、前記ガイドレール8,9の第2横方向D2の端部8b,8c,9b,9cのうち、前記モータ固定体6に近い側の端部8b,9bと当たる、という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、コイル位置決め部19bは、モータ固定体6のガイドレール8,9に近い側の端部6aと当たり、レール位置決め部19aは、ガイドレール8,9のモータ固定体6に近い側の端部8b,9bと当たっている。これにより、レール固定部19の第2横方向D2の寸法を小さくすることができる。
【0074】
また、本実施形態のように、エレベータ1においては、前記コイル14は、上下方向D3及び第1横方向D1に沿って配置され、前記磁石11,12は、第1横方向D1と直交する第2横方向D2で前記コイル14と対面するように配置され、前記ガイドレール8,9は、第1ガイドレール8と、前記第1ガイドレール8と第1横方向D1で離れる第2ガイドレール9と、を含み、前記磁石ガイド16,17は、前記第1ガイドレール8にガイドされる第1磁石ガイド16と、前記第2ガイドレール9にガイドされる第2磁石ガイド17と、を含み、前記レール固定部19は、前記モータ固定体6及び前記第1ガイドレール8に対してそれぞれ固定される第1レール固定部19と、前記モータ固定体6及び前記第2ガイドレール9に対してそれぞれ固定される第2レール固定部19と、を含む、という構成が好ましい。
【0075】
斯かる構成によれば、第1レール固定部19が、モータ固定体6及び第1ガイドレール8にそれぞれ固定され、第2レール固定部19が、モータ固定体6及び第2ガイドレール9にそれぞれ固定されているため、第1及び第2ガイドレール8,9に対してコイル14を所望の位置に配置することができる。これにより、第1及び第2ガイドレール8,9に対するコイル14の位置を一定にすることができる。
【0076】
しかも、第1ガイドレール8と第2ガイドレール9とは、第1横方向D1で離れており、磁石11,12に対する第1及び第2磁石ガイド16,17の位置は、それぞれ固定されている。これにより、磁石ガイド16,17がガイドレール8,9にガイドされることによって、磁石11,12とコイル14との距離が変化することを抑制することができる。
【0077】
なお、エレベータ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0078】
(1)上記実施形態に係るエレベータ1においては、接続部24は、かご2とガイド体10とを接続し、第1構造体1cは、かご2で構成され、第2構造体1dは、モータ可動体7、ガイド体10及び磁石ガイド16,17で構成されている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0079】
例えば、接続部23は、かご室21とかご枠22とを接続し、第1構造体1cは、かご室21で構成され、第2構造体1dは、かご枠22、モータ可動体7、ガイド体10及び磁石ガイド16,17で構成されている、という構成でもよい。即ち、上記実施形態に係るエレベータ1に対して、例えば、第2接続部24を削除し、かご枠22とガイド体10とが連結して固定される、という構成でもよい。
【0080】
(2)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、振動抑制部26は、かごレール27、かごガイド28及び弾性部30を備えており、第1構造体1cと第2構造体1dとを接続している、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0081】
(2-1)例えば、振動抑制部26は、第1構造体1cに固定される第1係合体と、第2構造体1dに固定される第2係合体とを備え、第2係合体は、第1構造体1cが所定距離だけ第2構造体1dに対して横方向D1,D2に変位した場合に、第1係合体と横方向D1,D2で係合する(例えば、当て止めする)という構成でもよい。即ち、振動抑制部26は、第1構造体1cと第2構造体1dとを接続していなくてもよい(離れていてもよい)。
【0082】
(2-2)例えば、振動抑制部26は、横方向D1,D2に弾性変形可能な弾性部材(例えば、弦巻バネ)を備え、弾性部材は、横方向D1,D2において第1構造体1cと第2構造体1dとの間に配置され、弾性部材の各端部は、第1構造体1cと第2構造体1dとにそれぞれ固定されている、という構成でもよい。これにより、第1構造体1cの変位が戻るように、第1構造体1cに弾性部材の弾性復元力が加えられる。
【0083】
(2-3)なお、例えば、エレベータ1は、かご室21の振動を検出する振動検出部と、振動検出部の検出に基づいて、第1構造体1cを第2構造体1dに対して横方向D1,D2に移動させる移動機構(例えば、アクチュエータ)とを備えている、という構成でもよい。これにより、かご室21の振動に対応して、第1構造体1cが第2構造体1dに対して移動するため、かご室21の振動を抑制することができる。
【0084】
(3)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、かごガイド28は、第1構造体1cに接続され、かごレール27は、第2構造体1dに接続され、かごガイド28は、第1構造体1cに対して横方向D1,D2に可動に接続され、弾性部30は、かごガイド28の変位を戻すようにかごガイド28に弾性復元力を加える、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0085】
例えば、かごガイド28は、第1構造体1cに接続され、かごレール27は、第2構造体1dに接続され、かごレール27は、第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動に接続され、弾性部30は、かごレール27の変位を戻すようにかごレール27に弾性復元力を加える、という構成でもよい。
【0086】
また、例えば、かごレール27は、第1構造体1cに接続され、かごガイド28は、第2構造体1dに接続され、かごガイド28は、第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動に接続され、弾性部30は、かごガイド28の変位を戻すようにかごガイド28に弾性復元力を加える、という構成でもよい。
【0087】
また、例えば、かごレール27は、第1構造体1cに接続され、かごガイド28は、第2構造体1dに接続され、かごレール27は、第1構造体1cに対して横方向D1,D2に可動に接続され、弾性部30は、かごレール27の変位を戻すようにかごレール27に弾性復元力を加える、という構成でもよい。
【0088】
(4)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、磁石ガイド16,17は、ローラ16a,16b,17a,17bを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、磁石ガイド16,17は、ガイドレール8,9上をスライドするスライド部材を備えている、という構成でもよい。
【0089】
(5)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、かごガイド28は、ローラ28a,28bを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、かごガイド28は、かごレール27上をスライドするスライド部材を備えている、という構成でもよい。
【0090】
(6)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、接続部24は、横方向D1,D2及び上下方向D3へそれぞれ弾性変形可能な弾性体であり、かご室21を含む第1構造体1cは、磁石ガイド16,17を含む第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動となる、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
【0091】
例えば、接続部24は、第1構造体1cに転動可能に接続される球体であって、第2構造体1dの上を転動する、所謂、球体のキャスターである、という構成でもよい。これにより、かご室21を含む第1構造体1cを、磁石ガイド16,17を含む第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動することができる。
【0092】
また、例えば、接続部24は、第2構造体1d上で第1横方向D1にスライド可能な第1スライド材と、第1スライド材上で第2横方向D2にスライド可能で、第1構造体1cに固定される第2スライド材とを備える、という構成でもよい。これにより、かご室21を含む第1構造体1cを、磁石ガイド16,17を含む第2構造体1dに対して横方向D1,D2に可動することができる。
【0093】
(7)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、ガイド機構4は、ガイドレール8,9を二つ備えている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、ガイド機構4は、ガイドレール8,9を一つ備えている、という構成でもよく、また、例えば、ガイドレール8,9を三つ以上備えている、という構成でもよい。
【0094】
(8)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、第1磁石ガイド16及び第2磁石ガイド17は、第2横方向D2において、かご2と磁石11,12との間に配置されている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。
例えば、磁石11,12は、第2横方向D2において、第1及び第2磁石ガイド16,17とかご2との間に配置されている、という構成でもよい。
【0095】
(9)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、かご室21は、第1接続部23を介して、かご枠22に接続されている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、かご室21は、かご枠22と連結(直接に接続)されている、という構成でもよい。
【0096】
(10)また、上記実施形態に係るエレベータ1においては、かご2は、第2接続部24を介して、ガイド体10に接続されている、という構成である。しかしながら、エレベータ1は、斯かる構成に限られない。例えば、かご2は、ガイド体10と連結(直接に接続)されている、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…エレベータ、1a…エレベータ固定体、1b…エレベータ可動体、1c…第1構造体、1d…第2構造体、2…かご、3…リニアモータ、4…ガイド機構、5…制御装置、6…モータ固定体、6a…端部、6b…端部、7…モータ可動体、8…第1ガイドレール、8a…レール板、8b…端部、8c…端部、9…第2ガイドレール、9a…レール板、9b…端部、9c…端部、10…ガイド体、11…第1磁石、11a…磁石片、12…第2磁石、12a…磁石片、13…磁石支持部、14…コイル、14a…コイル片、15…コイル支持部、16…第1磁石ガイド、16a…第1ローラ、16b…第2ローラ、17…第2磁石ガイド、17a…第1ローラ、17b…第2ローラ、18…ガイド本体部、19…レール固定部、19a…レール位置決め部、19b…コイル位置決め部、20…ガイド固定部、20a…ローラ支持部、20b…ガイド固定枠、21…かご室、22…かご枠、22a…縦枠、22b…横枠、22c…支持枠、23…第1接続部、24…第2接続部、25…接続枠、26…振動抑制部、27…かごレール、28…かごガイド、28a…第3ローラ、28b…第4ローラ、29…ガイド支持部、30…弾性部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向