IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ メディカル プラズマズ,エセ.エレ.の特許一覧

特許7335958ヒトおよび動物の患者における、血液凝固、及び潰瘍およびその他皮膚疾患治療に用いる電気医療装置
<>
  • 特許-ヒトおよび動物の患者における、血液凝固、及び潰瘍およびその他皮膚疾患治療に用いる電気医療装置 図1
  • 特許-ヒトおよび動物の患者における、血液凝固、及び潰瘍およびその他皮膚疾患治療に用いる電気医療装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】ヒトおよび動物の患者における、血液凝固、及び潰瘍およびその他皮膚疾患治療に用いる電気医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/44 20060101AFI20230823BHJP
   H05H 1/24 20060101ALI20230823BHJP
【FI】
A61N1/44
H05H1/24
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021527998
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 ES2019000049
(87)【国際公開番号】W WO2020021133
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-01
(31)【優先権主張番号】U201800455
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】523102081
【氏名又は名称】メディカル プラズマズ,エセ.エレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルタザール ペレス, オスヴァルド ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】メギア マシアス, アナ マリア
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08764701(US,B1)
【文献】特表2010-530115(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0037201(US,A1)
【文献】特表2012-531699(JP,A)
【文献】特表2008-539007(JP,A)
【文献】国際公開第2010/027013(WO,A1)
【文献】特開2017-107641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0296265(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0022522(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0012589(US,A1)
【文献】国際公開第2017/060909(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/44
H05H 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス噴射システム(2)に圧縮空気を供給する空気コンプレッサー(3)と、前記ガス噴射システム(2)に不活性ガスを供給する不活性ガスボトル(4)またはタンクと、前記圧縮空気により前記不活性ガスのガス流(17)を生成する前記ガス噴射システム(2)と、前記ガス流(17)を冷却するガス冷却システム(7)と、冷却された前記ガス流(17)を除湿すると共にガスと電力の輸送ホース(5)に除湿された前記ガス流(17)を供給するガス除湿システム(8)と、前記空気コンプレッサー(3)と前記ガス噴射システム(2)と前記ガス冷却システム(7)と前記ガス除湿システム(8)とを制御する全体のデジタルコントロールシステム(9)と、前記全体のデジタルコントロールシステム(9)に指令を送るユーザー用コントロールタッチスクリーン(10)と、前記全体のデジタルコントロールシステム(9)に制御されて前記ガスと電力の輸送ホース(5)に電力を供給する高周波発電ユニット(1)と、供給された電力及びガス流(17)を手動アプリケーター(6)に供給する前記ガスと電力の輸送ホース(5)と、供給された電力及びガス流(17)により低温非熱大気プラズマ噴射(11)を生成する前記手動アプリケーター(6)と、を備える、ヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項2】
健康な組織に損傷を与える程の量の熱エネルギーを患者に伝達せず、予め前記ガス冷却システム(7)および前記ガス除湿システム(8)によって処理されたガスから生成した低温熱大気プラズマを使用することを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項3】
記ガス冷却システム(7)によって周囲温度以下に冷却された空気または不活性ガスを使用することを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項4】
記ガス除湿システム(8)によって最大絶対湿分がコントロールされた空気または不活性ガスを使用することを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項5】
プラズマを生成するガスは、円錐形状の正極(12)の中心にある孔を流れ、プラズマが生成される領域(15)を横切り、平らな接地電極(13)の中心孔を流れることを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項6】
前記手動アプリケーター(6)内のプラズマ噴出口オリフィス(19)の前に位置して2つの異なった同心円径で軸方向に穿孔された円形ディスクが重ね合わせてなり、プラズマが通過するとき、大きな径のディスクで膨張させ、冷却させるプラズマ膨張と冷却室システムを使用することを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【請求項7】
床および外科使用時に偶発的なクロスコンタミネーションを避けるために、前記手動アプリケーター(6)の端部に殺菌を可能にする取り外し可能な金属シース(26)を使用することを特徴とする請求項1に記載のヒトおよび動物の患者における、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療に用いる電気医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術セクター(SECTOR DE LA TECNICA)は、医科学、獣医および衛生学、診断、手術、および識別:A61B18/10、並びに医科学、獣医および衛生学、器具、装置、道具、あるいは獣医方法.獣医用器具:A61D1/00である。
【背景技術】
【0002】
物理学では、プラズマは物質の第4の状態として定義される。それは、ガスにその分子または原子のかなりの部分がイオン化するに十分なエネルギーを供給することによって得られる。プラズマの例は、オーロラや嵐の中での放電から、コロナの状態にある星まで自然界には沢山ある。さらに、蛍光灯管やプラズマスクリーンなどでのプラズマのような技術例もある。熱プラズマは、熱力学的平衡状態にあり、接触するあらゆる物体に熱を伝達することができるものである。大気圧での放電によって生成される熱プラズマは、ヒトおよび動物の患者における組織の治療に広く使用されてきた。
【0003】
「電気メス」と呼ばれる装置は、このタイプのプラズマを使用し、数十年にわたって手術室で使用されてきた。しかしながら、これは、高温と組織への熱伝達によって細胞組織の死を伴う焼灼によって血液凝固させるので、患者の組織に大きなダメージを与える。この方法のネガティブな結果は、死んだ細胞が身体によって排除され、治癒プロセスの一部として健康な細胞に置き換えられなければならないので、患者の回復に要する時間が長くなることである。
【0004】
健康な組織に損傷を与えずに急速に凝固させる方法を確立する必要性から、シンペイ-ル(Ximpei Lu)〔特許文献1〕、エックハード・キンデル(Eckhard Kindel)〔特許文献2〕、グレゴリー・コネスキー(Gregory Konesky)〔特許文献3〕、グレッグ・ワトソン(Greg Watson)〔特許文献4〕などにより提唱された大気圧での非熱プラズマを使用した一連の開発となった。これらの発明はすべて、その主特性として熱力学的平衡から外れているため、他の材料を用いた非熱プラズマの低熱伝達を使用している。これらのプラズマは、「低温大気プラズマ」または頭文字をとってCAPと呼ばれている。
【0005】
さらに、これらの非熱プラズマは、患者の健康な組織に殆ど影響を与えることなく、細菌や真菌を殺す重要な特性を有している。これは、これら生物の細胞構造、特にその外膜が、哺乳類の細胞構造と異なっていることによるものである。イオンとフリーラジカルを高濃度にすることで、この選択的な効果をもたらしており、これらのプラズマを、抗生物質耐性細菌との戦いに大きな価値をもつツールにするのは、その原理の一つである。適用の第2の形態は、前述の血液凝固に加えて、皮膚疾患の治療、特に耐性菌によるコロニー形成が、潰瘍となって治癒することなく長期間残る皮膚疾患の治療において非熱プラズマの適用分野を開いた。
【0006】
ここで提案する発明は、血液凝固、潰瘍および他の皮膚疾患の治療に使用される低温大気プラズマを生成する革新的な装置である。請求の範囲に詳述した革新は、完全に独創的であり、提案する本発明によって生成したプラズマは、従来技術よりも低い温度であり、血液凝固と皮膚疾患の殺菌および治療の両方において大きな有効性を維持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願公開第2009/188626号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/187841号明細書
【文献】米国特許出願公開第2018/085155号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/181069号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明は、血液凝固、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療のための電気医療装置に関するものである。本発明への鍵は、ここに提示した請求を正当にする新規の方法でこの装置によって生成した大気圧での空気またはその他ガスの非熱低温プラズマの使用である。
【0009】
この発明は、熱力学的平衡状態から外れた大気圧でプラズマを生成する。このプラズマは患者の皮膚に熱を伝達しないが、それにも拘わらず、プラズマ中に存在するイオンと反応性のフリーラジカルが、患者の健康な組織に損傷を与えることなく、血液凝固の自然なメカニズムを加速し、かつ細菌および真菌を破壊するに十分なエネルギーを有している。
【0010】
本発明は、その用途に関して以下の特徴を有している。
a.出血のある創傷に適用すると、患者の健康な組織を損傷することなく、血液の自然凝固を非常に顕著に速める。
b.患者の潰瘍およびその他皮膚疾患の表面に適用すると、耐性菌を含む広範囲の細菌および真菌をなくする。
c.プラズマの一部であるイオン化粒子は、患者の組織にある健康な細胞を損傷することなく作用する。
d.活性媒体は、空気またはその他の部分的にイオン化したガスの大気圧でのプラズマであり、この目的のために設計された手動アプリケーターの手段で患者の組織に照射する。
e.細菌に耐性を作らない。
f.副作用がない。
g.廃棄物を作らない。
h.薬剤を使用しない。
【0011】
この装置は、高周波発電ユニット、ガス噴射システム、プラズマを生成するのに使用する空気コンプレッサー、単独または空気と混合して使用する場合の不活性ガスボトル、ガス噴射機システム、ガスと電力の輸送ホース、プラズマを生成する場所である手動アプリケーター、ガス冷却システム、ガス除湿システム、全体のデジタルコントロールシステム、及びユーザー用コントロールタッチスクリーンで構成されている。
【0012】
ここで、ガスを除湿、冷却する前処理システムを実装するのは、現行の最新技術に関し、ここに主張する革新の一部であることに注意することが重要である。空気コンプレッサーによって空気を供給ガスとして用いる場合、湿度コントロールが非常に重要である。この因子は、空気中に自然に含まれる水蒸気からのプラズマに寄与する酸素量により大きな影響があるにも拘わらず、他の発明者によって考慮されていなかった。
【0013】
ガス冷却システムに関してその効果は、それが空気であれ、不活性ガスであれ、またはガス注入システムによって行われる空気と不活性ガス両方の適切な混合物であれ、プラズマ噴射での最終温度を大きく変える。2つのガス前処理システムは、プラズマ生成の再現性、品質、安定性において非常に顕著な改善となる。これらのファクターは、人間と動物の両方の患者での、本発明の使用可能性と安全性の範囲を拡げるのに役立つ。最新技術と関連してその他重要な進歩は、手動アプリケーターの開発にある。
【0014】
このシステムは、円錐形状で先端が軸方向に穿孔された正極が、同様に軸方向に穿孔された平らな接地電極に面して形成されている。正極と接地電極の間で、高周波発生装置が供給するエネルギーで高周波放電が行われ、上記した孔を通って流れるガスのプラズマを生成する。正極は、ガスと電気の流れの循環を交流させる機能を持つ金属製流れ交流部に接続されている。このようにして、射出システムからのガスは、正極の軸方向の孔を通って流れ、速度を上げ、プラズマを生成する空洞(seno)を横切り、平らな接地電極の孔を通って排出され、外部に通じ、後で詳細に記述する出口チャネルに入る。
【0015】
この配置は、最新技術からの革新であり、請求の範囲に反映されている。他の発明者は、ガスが高速で流れる軸方向に穿孔した円錐形状中空の電極を使用せず、逆に固体電極を使用して放電し、電極の外をガスが流れている。このデザインでは、ガスがプラズマ生成中にプラズマを通過する際に、プラズマを冷却する第1段階となる利点がある。
【0016】
プラズマが平らな接地電極の孔に導入されると、出口チャンネルを通って外側に向かって流れ始める。このチャンネルには、プラズマ膨張室のシステムが備わっている。プラズマ膨張室は、2つの異なる同心円径で軸方向に穿孔された円形ディスクが交互に並んで構成されている。この構造は、手動アプリケーターの出口チャネルの径が同じでないようにする。それ故、出口チャネルは、1つを小さく、もう1つをそれより大きくした2つの径が交互にくるようにして、プラズマが、前述のチャネルを通過する際、径の大きい方のディスクで容積を大きくする。そこで、これはプラズマ膨張室と呼ばれる。
【0017】
これら膨張室は、2つの物理的効果によりプラズマを非常に顕著に冷却する。1つは急速な膨張、もう1つは同じ径のチャネルに比べて伝導面が増加することで、熱の除去に都合がよくなる。プラズマ膨張室システムは、最新技術における冷却の全く新しい第2段階とし、従来のものに比べてこの発明の性能を向上させることができる根本的な革新であり、請求の範囲の一部としている。上述したディスクのセットは、全て絶縁材料の管によって同軸中心位置に保持される。
【0018】
さらに、このシステムは、ねじ式の金属ハウジングで囲まれ、接地された手動アプリケーターの金属体に固定される。最後に、金属ケーシングに固定されたアプリケーターの端部に、取り外し可能な金属シースを取付けて、簡単に殺菌することができ、それぞれの患者に使用する際に取り換えできるようにして、臨床および外科使用時に起こり得るクロスコンタミネーションを回避している。金属ケーシングと手動アプリケーターの金属体、及び取外し可能な金属カバーは、接地して操作者と患者の電気ショックに対しての安全性を確保するのがよい。取外し可能な金属スリーブはまた、最先端の革新であり、請求の範囲の一部として主張している。
【0019】
この装置は、ヒトおよび動物患者の治療に用いることができ、臨床および外科治療中に健康な組織を損傷することなく血液凝固を著しく速めることができる。さらに、この装置は、健康な組織に損傷を与えることなく殺菌できる特性により、潰瘍およびその他皮膚疾患の治療にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここに記載した説明を補い、本発明の特性をよりよく理解するために、一連の図面を、例示的で限定しないものとして説明の不可欠な部分として添付する。以下に示す。
図1】本発明のブロック図である。構成する種々の概念部分と、それらが互いに接続される方法が理解できる。矢印は、物、エネルギー、または各ケースに固有な情報、電気、ガス、コントロール信号の流れを示している。
図2】手動アプリケーターの構造の詳細を断面図で示しており、構成する種々のパーツが見られる。システム全体は、円筒対称性である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態を、図1および図2を参照して以下に説明する。
提案する装置は、高周波発電ユニット1、ガス噴射システム2、空気コンプレッサー3、不活性ガスボトル4、ガスと電力の輸送ホース5、手動アプリケーター6、ガス冷却システム7、ガス除湿システム8、全体のデジタルコントロールシステム9、ユーザー用コントロールタッチスクリーン10、および使用するガスの低温非熱大気プラズマ噴射11を有して構成されている。
【0022】
図2は、手動アプリケーターの構造の詳細を断面図で示している。一般的に、このセットは、円筒対称で、構成する種々の部分は同軸である。このシステムは、円錐形状でその先端が軸方向に穿孔された正極12が、同様に軸方向に穿孔された平らな接地電極13に面して形成されている。正極12と平らな接地電極13の間で、高周波発電ユニット1によって接続ケーブル14により供給されたエネルギーで高周波放電が行われ、図2において点線円15で示した領域にプラズマを生成する。正極12は、ガス流17と電流18を交流させる機能を持つ金属製流体交流片16に接続されている。
【0023】
このようにして、ガスは正極12の軸方向の孔を通り、その速度を上げ、プラズマを生成する空洞を通過し、プラズマ噴出口オリフィス19を通って出る。プラズマ噴出口オリフィス19からの低温非熱大気プラズマ噴射11が、治療に使用される。
【0024】
さらに、プラズマが生成される領域15とプラズマ噴出口オリフィス19との間には、プラズマ膨張室20が設けられている。これは、軸方向に2つの異なる同心円径で穿孔されたディスクを交互に重ねている。
【0025】
この構造により、プラズマが生成される領域15がプラズマ噴出口オリフィス19と繋がる流路の径が、一定でなくなる。反対に、出口チャネルは、1つは小さく、1つは大きい2つの径を交互に有し、プラズマがこのチャネルを通過するとき、プラズマ膨張室と呼ばれ、大きな径のディスクに対応して膨張した容積となる。
【0026】
上記部材の全セットは、絶縁スペーサーチューブ21、22および23の管によって同軸中心位置に保たれる。さらに、このシステムは、金属ケーシング24で囲み、接地された手動アプリケーターの金属体25にねじ止め、固定される。
【0027】
最後に、取り外し可能な金属シース26が実装され、容易に殺菌でき、患者毎の使用に交換可能にする方法で金属ケーシング24に固定されて、臨床および外科使用時に起こり得るクロスコンタミネーションを回避するようにする。金属ケーシング24、接地された手動アプリケーターの金属体25および取り外し可能な金属シース26はいずれも、大地に接続して、電気ショックに関して操作者と患者の安全性を確保するようにするのがよい。
【0028】
ガス噴射システム2からガス流17ができると、これは、ガス冷却システム7及びガス除湿システム8によって処理され、ガスと電力の輸送ホース5に入り、手動アプリケーター6に向う。設定時間経過して、ガス内の湿度と温度の条件が適切になると、高周波発電ユニット1が作動し、手動アプリケーター6内で、軸方向に穿孔された円錐形状の正極12と軸方向に穿孔された平らな接地電極13の間の空間に対応するプラズマが生成される領域15にプラズマを生成する。このプラズマは、プラズマ膨張室20となっている2つの異なる径の同心環が交互に並ぶ構造を通って、冷却され、手動アプリケーター6のプラズマ噴出口オリフィス19に向かって送られる。
【0029】
プラズマがこの構造を通過すると、プラズマ噴出口オリフィス19を通って2度目の冷却がなされ、最終的に外に出る。手動アプリケーター6の端部でプラズマの排出が観測されてから、操作者は、治療する疾患または傷の表面に、低温非熱大気プラズマ噴射11をあてることによりこのシステムを使用することができる。
【0030】
1 高周波発電ユニット
2 ガス噴射システム
3 空気コンプレッサー
4 不活性ガスボトル
5 ガスと電力の輸送ホース
6 手動アプリケーター
7 ガス冷却システム
8 ガス除湿システム
9 全体のデジタルコントロールシステム
10 ユーザー用コントロールタッチスクリーン
11 低温非熱大気プラズマ噴射
12 正極
13 平らな接地電極
14 接続ケーブル
15 プラズマが生成される領域
16 金属製流体交流片
17 ガス流
18 電流
19 プラズマ噴出口オリフィス
20 プラズマ膨張室
21、22 絶縁スペーサーチューブ
23 絶縁チューブ
24 金属ケーシング
25 接地された手動アプリケーターの金属体
26 取り外し可能な金属シース
図1
図2