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特許7335981準同期露出パラメータを決定する方法及び電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-22
(45)【発行日】2023-08-30
(54)【発明の名称】準同期露出パラメータを決定する方法及び電子装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/71 20230101AFI20230823BHJP
   G03B 7/091 20210101ALI20230823BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230823BHJP
   G03B 37/00 20210101ALI20230823BHJP
   H04N 23/695 20230101ALI20230823BHJP
【FI】
H04N23/71
G03B7/091
G03B15/00 W
G03B37/00 A
H04N23/698
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021569433
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 CN2020093293
(87)【国際公開番号】W WO2020239079
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】201910471724.7
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520159673
【氏名又は名称】影石創新科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ARASHI VISION INC.
【住所又は居所原語表記】Room 1101, 1102, 1103, 11th Floor, Building 2, Jinlitong Financial Center, 1100 Xingye Road, Haiwang Community, Xin’an Street, Bao’an District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】譚 坤
(72)【発明者】
【氏名】郭 奕濱
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-267923(JP,A)
【文献】特開2013-029995(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108377345(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/71
G03B 7/091
G03B 15/00
G03B 37/00
H04N 23/698
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
準同期露出パラメータを決定する方法であって、
各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出することと、
前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定することと、を含み、
前記各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出することは、
予め取得された制御係数、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得することを含み、
前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、
前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することは、
第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数であることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記目標露出パラメータは、前記第1レンズに応じた第1露出パラメータと、前記第1レンズの前の計算周期で算出された露出制御パラメータとの積であり、
前記目標露出パラメータの計算式は、
Es=Ep0*Ec0t-1であり、
Esは前記第1レンズに応じた目標露出パラメータ、Ep0は前記第1レンズに応じた第1露出パラメータ、Ec0t-1は前記第1レンズの前の計算周期で算出された露出制御パラメータであることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
各レンズの露出制御パラメータは下記の式で算出され、
ここで、Ec0tは前記各レンズの露出制御パラメータ、Emaxは前記第1レンズの隣り合うレンズの最大露出パラメータ、Eminは前記第1レンズの隣り合うレンズの最小露出パラメータ、Tdは前記予め設定された第1制御閾値、Tuは前記予め設定された第2制御閾値、Rdは前記第1比率、Ruは前記第2比率、Feは前記制御係数である、ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することでは、
前記第2露出パラメータの計算式は、
Ep=Ep0*Ec0tであり、
Epは前記第2露出パラメータであることを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することは、
各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得することと、
前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することと、を含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
電子装置であって、
各レンズに応じた第1露出パラメータを取得するための取得モジュールと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定するための処理モジュールと、を含み、
前記処理モジュールは、
第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、
予め取得された制御係数、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得し、
前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、
前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率であり、
前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数であることを特徴とする電子装置。
【請求項9】
前記処理モジュールは、具体的に、
各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得し、
前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項10】
計算装置であって、
送受信装置、プロセッサ、メモリを含み、
前記送受信装置、前記プロセッサ及び前記メモリは、バスにより接続され、
前記メモリは、操作コマンドを記憶し、
前記送受信装置は、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得し、
前記プロセッサは、前記操作コマンドを呼び出し、請求項1~のいずれか一項に記載の準同期露出パラメータを決定する方法のステップを実行する、ことを特徴とする計算装置。
【請求項11】
コンピュータプログラムが記憶されている読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の準同期露出パラメータを決定する方法のステップを実現し、
前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像領域に関し、特に、準同期露出パラメータを決定する方法及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存のマルチレンズのパノラマカメラの同期自動露出の技術案では、同期自動露出方法として、各レンズに応じた周囲の明るさを総合的に考慮し、中央に設定される傾向のある露出パラメータを一組算出し、全てのレンズがこの露出パラメータを用いる。
【0003】
しかしながら、光のコントラストが比較的に大きいシーンでも、全てのレンズが同一の露出パラメータを用いるのはあまり合理的ではない。例えば、窓際の場合、同期自動露出方法で得られる露出パラメータは1つの中間値であるため、窓の外側に面するレンズが露出オーバーになり得るが、屋内に面するレンズは露出不足になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、準同期露出パラメータを決定する方法及び電子装置を提供し、マルチレンズのパノラマカメラの画像効果及び合成効果をよく平衡させるほか、ユーザによってEV制限値を設定することで、ユーザが周囲及び自身のニーズに応じて露出効果を制御できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、本発明は、準同期露出パラメータを決定する方法を提供し、
各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出することと、
前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定することと、を含む。
【0006】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することは、
第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出することを含む。
【0007】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出することは、
予め取得された制御係数、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得することを含み、
前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、
前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。
【0008】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数である。
【0009】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することは、
各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得することと、
前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することと、を含む。
【0010】
第2の態様では、本発明は、電子装置を提供し、
各レンズに応じた第1露出パラメータを取得するための取得モジュールと、
各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定するための処理モジュールと、を含む。
【0011】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記処理モジュールは、具体的に、第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出する。
【0012】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記処理モジュールは、具体的に、予め取得された制御係数、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得する。前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。
【0013】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数である。
【0014】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、前記処理モジュールは、具体的に、各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得し、前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得する。
【0015】
第3の態様では、本発明は、電子装置を提供し、送受信装置、プロセッサ、メモリを含み、前記送受信装置、前記プロセッサ及び前記メモリは、バスにより接続され、
前記メモリは、操作コマンドを記憶し、
前記送受信装置は、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得し、
前記プロセッサは、前記操作コマンドを呼び出し、本発明の第1の態様及び第1の態様のいずれかの方式の前記準同期露出パラメータを決定する方法のステップを実行する。
【0016】
第4の態様では、本発明は、読み取り可能な記録媒体を提供し、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、本発明の第1の態様及び第1の態様のいずれかの方式の前記準同期露出パラメータを決定する方法のステップを実現し、前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得し、各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定する。本発明によれば、マルチレンズのパノラマカメラの画像効果及び合成効果をよく平衡させるほか、ユーザによってEV制限値を設定することで、ユーザが周囲及び自身のニーズに応じて露出効果を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係る、準同期露出パラメータを決定する方法の1つの実施例を示す図である。
図2】本発明の実施例に係る電子装置の1つの実施例を示す図である。
図3】本発明の実施例に係る電子装置の他の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の目的、技術的解決策及び有益な効果をより明確にさせるために、以下、図面及び実施例を参照して、本発明を更に詳細に説明する。ここで説明する具体的な実施例は、本発明を解釈するためにのみ使用され、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0020】
本発明に記載される技術案を説明するために、以下、具体的な実施例によって説明を行う。
【0021】
第1の実施例:
図1は、本発明の実施例に係る、準同期露出パラメータを決定する方法の1つの実施例を示す図であり、以下のことを含むことが可能である。
101:各レンズに応じた第1露出パラメータを取得する。
【0022】
本発明の実施例では、前記各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することは、各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得することと、前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得することと、を含む。
【0023】
電子装置の各レンズモジュールは、各自に応じた周囲の明るさを独立に計算して最適な露出パラメータを一組取得し、各レンズモジュールに対して、自身で算出された露出パラメータを用いて得られる露出効果が最適であるが、合成後の画像効果を考慮する必要があるため、隣り合うレンズの間の露出ばらつきが大きすぎると、合成後の画像に明確な境界線を生じることを説明されたい。
【0024】
例示的には、Epは、統計された全てのレンズの露出パラメータであり、Ep0、Ep1、・・・Epnで表される。n個のレンズがあり、n≧3である。Ep0は、現在レンズの露出パラメータであり、Ep1、Ep2は、Ep0の隣り合う2つのレンズの露出パラメータである。
【0025】
Ep1、Ep2の最大値をEmaxとし、その最小値をEminとすると、
Emax=max(Ep1,Ep2)、
Emin=min(Ep1,Ep2)である。
【0026】
102:各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出する。
【0027】
前記各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出することは、予め取得された制御係数、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得することを含んでもよい。なお、前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。また、前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数である。
【0028】
1つのメインカメラを決定して全てのレンズの露出パラメータを収集し、さらに収集された複数組の露出パラメータを他の各レンズに配信することで、各レンズが他の全てのレンズに応じた露出パラメータを把握することが理解できる。
【0029】
各レンズについて、その隣り合うレンズの露出パラメータに基づいて、現在の露出パラメータがユーザで設定されたEV制限値を満たすか否かを判断し、満たさない場合、1つの露出制御パラメータを算出し、さらに、制御パラメータにより新しい露出パラメータを一組算出して出力とする。
【0030】
全てのレンズと隣り合うレンズとの間の露出パラメータがユーザで設定されたEV制限値を満たして安定状態に入るまでに、メインカメラにより全てのレンズの露出パラメータを収集して他の各レンズに配信し、さらに各レンズと隣り合うレンズとの間の露出パラメータがユーザで設定されたEV制限値を満たすか否かを判断することを繰り返す。
【0031】
例示的には、Ecは、統計された全てのレンズの制御パラメータであり、同様に、Ec0、Ec1、・・・Ecnで表される。Ec0は現在レンズの制御パラメータであり、Ec1、Ec2はEc0の隣り合う2つのレンズの制御パラメータである。Ec0t-1は、現在レンズの前の計算周期で算出された制御パラメータであり、Ec0tは、現在レンズの現在の計算周期で算出された制御パラメータである。Esは、現在レンズに対して達成が必要な目標露出量である。
【0032】
Es=Ep0*Ec0t-1
Rd、Ruは、それぞれ、目標露出パラメータと隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率、及び目標露出パラメータと隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。
Rd=Es/Emax
Ru=Es/Emin
制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られた制御係数Feは下記の式通りである。
Td、Tuは、予め設定された制御閾値である。
【0033】
現在レンズの制御パラメータは下記の式で得られる。
【0034】
103:前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出する。
【0035】
前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出することは、第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出することを含む。
【0036】
例示的には、Epdは、現在レンズの自動露出制御システムにより算出された露出パラメータを表し、他のレンズデータを参照せずに得られる独立した露出パラメータである。現在レンズの準同期露出パラメータは、下記の式で得られる。
Ep0=Epd*Ec0
【0037】
104:各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定する。
【0038】
予め設定されたEV制限値は、1つの経験値であってもよいし、ユーザの実際のニーズに応じて決定され、柔軟に調整されてもよいことを説明する必要がある。
【0039】
ここの第2露出パラメータは、すなわち、各レンズの準同期露出パラメータであり、対応する準同期露出パラメータで撮像を行われてもよい。
【0040】
本発明の実施例では、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得し、各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定する。本発明によれば、マルチレンズのパノラマカメラの画像効果及び合成効果をよく平衡させるほか、ユーザによってEV制限値を設定することで、ユーザが周囲及び自身のニーズに応じて露出効果を制御できる。マルチレンズを準同期に自動で露出させ、露出制御パラメータを計算し、マルチレンズの露出を快速に収めて安定化させ、かつ設定されたEV制限を満たす。すなわち、各レンズが異なる露出パラメータを用いて異なる環境に対応し、さらに、ユーザで設定された1つのいEV制限値で隣り合う各レンズの露出を制御することで、隣り合うレンズの露出ばらつきが大きすぎにならない。
【0041】
第2の実施例:
図2は、本発明の実施例に係る電子装置の1つの実施例を示す図である。電子装置は、
各レンズに応じた第1露出パラメータを取得するための取得モジュール201と、
各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定するための処理モジュール202と、を含むことが可能である。
【0042】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、処理モジュール202は、具体的に、第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出する。
【0043】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、処理モジュール202は、具体的に、予め取得された制御パラメータ、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得する。なお、前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。
【0044】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数である。
【0045】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、処理モジュール202は、具体的に、各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得し、前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得する。
【0046】
第3の実施例:
図3は、本発明の実施例に係る電子装置の他の実施例を示す図であり、電子装置は、送受信装置301、プロセッサ302、メモリ303を含むことが可能である。送受信装置301、プロセッサ302及びメモリ303はバスにより接続される。
メモリ303は、操作コマンドを記憶している。
送受信装置301は、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得する。
プロセッサ302は、前記操作コマンドを呼び出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第1露出パラメータに基づいて、予め設定されたEV制限値を満たさないと決定すると、各レンズの露出制御パラメータをそれぞれ算出し、前記各レンズの露出制御パラメータ及び前記各レンズに応じた第1露出パラメータに基づいて、各レンズに応じた第2露出パラメータを算出し、各レンズ及び隣り合うレンズの第2露出パラメータに基づいて、前記予め設定されたEV制限値を満たすと決定すると、前記各レンズに応じた第2露出パラメータを前記各レンズの準同期露出パラメータとして決定する。
【0047】
オプション的に、本発明の一部の実施例では、処理モジュール302は、具体的に、第1レンズの露出制御パラメータと前記第1レンズに応じた第1露出パラメータとの積に基づいて、前記第1レンズに応じた第2露出パラメータを算出する。
【0048】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、処理モジュール302は、具体的に、予め取得された制御パラメータ、第1比率、第2比率、予め設定された第1制御閾値及び第2制御閾値に基づいて、第1レンズの露出制御パラメータを取得する。なお、前記第1比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最大露出パラメータとの比率であり、前記第2比率は、前記第1レンズに応じた目標露出パラメータと、隣り合うレンズの最小露出パラメータとの比率である。
【0049】
オプション的に、本発明の一部の実施例において、前記制御係数は、前記第1レンズの異なる周期の制御パラメータで累乗してその平方根を計算して得られる係数である。
【0050】
処理モジュール302は、具体的に、各レンズモジュールに応じた周囲の明るさを取得し、前記各レンズモジュールに応じた周囲の明るさにより、各レンズに応じた第1露出パラメータを取得する。
【0051】
上述した実施例の全てまたは一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実現されてもよい。実施例を実現するのにソフトウェアが用いられるとき、実施例は、全てまたは部分的にコンピュータプログラムプロダクトの形態で実現されてもよい。
【0052】
前記コンピュータプログラムプロダクトは1つまたは複数のコンピュータコマンドを含む。コンピュータ上に前記コンピュータプログラムコマンドがロードされて実行されたとき、本発明の実施例に係る前記手順または機能が全てまたは部分的に生成される。前記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラマブルデバイスであってもよい。前記コンピュータコマンドは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよいし、1つのコンピュータ読み取り可能な記録媒体から別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体へ送信されてよい。例えば、前記コンピュータコマンドは1つのウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバー、またはデータセンターへ有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(digital subscriber line,DSL)または無線(例えば、赤外線、電波、またはマイクロ波)方式で送信されてもよい。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータが格納可能な任意の使用可能な媒体であってよいし、1つまたは複数の使用可能な媒体を集積したサーバーやデータセンターなどのデータ記憶デバイスであってもよい。前記使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(solid-state disk,SSD)などであってもよい。
【0053】
当業者は、説明を簡便にするために、上述したシステム、デバイス、及びユニットの詳細な作動過程については、先述の方法の実施例における対応する処理を参照することができるため、ここで詳細な説明を省略する。
【0054】
本発明で提供される複数の実施例では、開示されているシステム、デバイス、及び方法が他の方式で実現されてもよいことを理解されたい。例えば、上述したデバイスの実施例は単なる例である。例えば、前記ユニットの区分は単にロジック的な機能の区分であり、実際に実現する際に別の区分方式があってもよく、例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされてもよいし、別のシステムに集積されてもよいし、一部の特徴は無視されるかまたは実施されなくてもよい。また、表示されている、または論じられている相互の連結や直接的な連結、通信接続は、一部のインタフェースにより実現されてもよい。デバイスまたはユニット間の間接的な連結や通信接続は、電子的形態、機械的形態、または他の形態で実現されてもよい。
【0055】
前記別々の部分として説明されているユニットは、物理的に別々であってもなくてもよく、ユニットとして表示されている部材は、物理的なユニットであってもなくてもよく、すなわち、1つの位置にあってもよいし、複数のネットワークユニット上で分散させられてもよい。実際のニーズに応じて、ユニットのうちの一部または全てを選択して本実施例における技術案の目的を達成してもよい。
【0056】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つのプロセシングユニットに集積されてよいし、各ユニットは、物理的に単独で存在してよいし、2つまたはそれ以上のユニットが1つのユニットに集積されてよい。上記集積されたユニットはハードウェアの形態で実現されてよいし、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されてよい。
【0057】
前記集積されたユニットはソフトウェア機能ユニットの形態で実現されて独立したプロダクトとして販売または使用される場合、1つのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されてもよい。そのような理解に基づき、本発明の技術案は本質的に、または従来技術に貢献する部分、または当該技術案の全てまたは一部は、ソフトウェアプロダクトの形態で実装されてもよい。当該コンピュータソフトウェアプロダクトは、1つの記憶媒体に格納され、本発明の各実施例の前記方法のステップの全てまたは一部を実施するよう一台のコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、またはネットワークデバイス等)に命令するための複数のコマンドを含む。上記記憶媒体は、プログラムコードを格納可能な任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(read-only memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory,RAM)、磁気ディスク、またはコンパクトディスク等を含む。
【0058】
上記をまとめると、上述した実施例は単に、本発明を限定するのではなく、本発明の技術案を説明するためのものである。上述した実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の各実施例の技術案の思想及び範囲から逸脱することなく、上述した各実施例に記載されている技術案の修正や、一部の技術的特徴に対する同等の置き換えが可能であることを理解されたい。
図1
図2
図3