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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】多孔性金属錯体造粒物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 2/00 20060101AFI20230824BHJP
   B01J 20/22 20060101ALI20230824BHJP
   B01J 20/28 20060101ALI20230824BHJP
   B01J 20/32 20060101ALI20230824BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B01J2/00 B
B01J20/22 A
B01J20/28 Z
B01J20/32 Z
A61L9/01 H
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019187304
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021062322
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】391034938
【氏名又は名称】大原パラヂウム化学株式会社
(72)【発明者】
【氏名】上林祥晃
(72)【発明者】
【氏名】高松幸子
(72)【発明者】
【氏名】濱崎夏希
(72)【発明者】
【氏名】脇浩一
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0305467(US,A1)
【文献】特開2006-122803(JP,A)
【文献】特表2009-502471(JP,A)
【文献】特表2019-528200(JP,A)
【文献】特表2012-508646(JP,A)
【文献】特開平10-033981(JP,A)
【文献】特開2011-126775(JP,A)
【文献】特開2019-141758(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0169857(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0038924(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0213832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0316538(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 2/00
B01J 20/22
B01J 20/28
B01J 20/32
A61L 9/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体(A)として平均粒子径が0.1~5000μmの粒子状物を使用し、多孔性金属錯体(B)と担体(A)が、粒子状物の接着剤(C)にて点接着された造粒物(D)の製造方法。
上記接着剤(C)の平均粒子径は、多孔性金属錯体(B)よりも大きく、担体(A)を超えない平均粒子径。
【請求項2】
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【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の水分、有機溶剤、および、悪臭成分を効率的に分離・回収、もしくは、吸着・除去する多孔性金属錯体を含有する造粒物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多孔性金属錯体は、Porous Coordination Polymer または Metal-Organic Framework(PCP/MOFと省略)とも呼ばれ、金属イオンと有機配位子との配位結合を利用して人工的に合成された多孔性物質である。金属イオンが有機配位子と架橋することによって、フレームワークが構築され、このフレームワーク内の空隙が分子を取り込む空間として機能する。
【0003】
従来の多孔性物質としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭等の天然の無機的なものを挙げることができる。それぞれ、分離、吸蔵、吸着、排出といった細孔機能を有しているが、微細な細孔の制御が困難であり、細孔機能も影響を受ける。一方、多孔性金属錯体は、分子設計によって様々な多孔性構造のものを合成することができ、非常に複雑な構造のものや、高機能ないし多機能な多孔性物質を構築することができる。そのため、多孔性金属錯体は、ガス(水素、メタン、CO2等)の吸蔵、分子やイオンの選択貯蔵、異性体分離等の分離、固体触媒(酸化反応、付加反応、水素化反応等)、除放、隔離、輸送、ナノ容器、センサー等幅広い応用が期待されている。
【0004】
タバコ臭、動物臭、排泄臭等の生活臭は、家庭内や職場内、公共施設といった生活環境に溢れている。臭いによっては社会問題となることもある。高齢化に伴い排泄物の処理が問題となるが、同時に排泄臭の問題も惹起する。タバコ臭や動物臭についても、ヒトによっては耐え難いものがある。その他の生活臭にしても、生活環境において快適に過ごすためには、できれば除去することが望まれる。
【0005】
これら生活臭を除去する手段の一つとして、従来からゼオライト、シリカゲル、活性炭といった多孔性物質が用いられている。しかし、このような天然の多孔性物質では、十分な消臭効果があるとは必ずしも言い難い。
【0006】
人工の多孔性物質である多孔性金属錯体についても、それを用いて悪臭を閉じ込める方法が特許文献1に開示されている。特許文献1には、悪臭として、糞便臭や口臭、タバコの煙等が挙げられ、多孔性金属錯体が家庭用消臭剤として使用しうることが記載されている。なお、当該多孔性金属錯体が抗菌剤ないし抗ウイルス剤として使用しうることは、特許文献1には記載も示唆もされていない。
【0007】
また特許文献2では、多孔性金属錯体を使用した消臭剤や抗ウイルス剤が提案されている。しかしながら該文献では、多孔性金属錯体による消臭効果や抗ウイルス効果は記載されているものの、実際に多孔性金属錯体をその大きさのままで使用する場合、空隙を含むため軽く、大きさも数ミクロンオーダーで粉塵となりやすく、取り扱いが困難である。また、造粒物の製造方法に関する記載もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】国際公開第2007/035596号
【文献】特開2019-088499
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の通り、多孔性金属錯体を使用した消臭剤や抗ウイルス剤で効果を得ようとする場合、多孔性金属錯体の使用有無だけでは実際の取り扱いに支障が生じることが分かった。本発明では、多孔性金属錯体を使用し、取り扱いに優れた、造粒物の製造方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、下記の項目が重要である。即ち、担体(A)として平均粒子径0.1~5000μmの粒子状物を使用し、多孔性金属錯体(B)と担体(A)とが、接着剤(C)にて接着されることを特徴とする。本発明としては、例えば、下記を挙げることができる。
【0011】
[1]担体(A)として平均粒子径0.1~5000μmの粒子状物を使用し、多孔性金属錯体(B)と担体(A)が、接着剤(C)にて点接着された造粒物(D)の製造方法。
[2]担体(A)として平均粒子径0.1~5000μmの粒子状物を使用し、多孔性金属錯体(B)と担体(A)が、担体に対する固形分の配合割合が1~30重量%の接着剤(C)によって被膜接着された造粒物(D)の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明で得られる造粒物は、生活臭を瞬時に消臭でき、菌ないしウイルスを効果的に抑制することができる。加えて、良好な取り扱い性も併せ持つ。したがって、本発明での製造方法を用いると、生活臭の消臭と抗菌性・抗ウイルス性とを兼ね備え、取り扱いも良好な造粒物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の造粒物は、担体(A)と、多孔性金属錯体(B)とが接着剤(C)にて接着された造粒物(D)であって、その細孔口径が0.6~1.0nmの範囲内にある多孔性金属錯体(B)を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の造粒物は、細孔口径が0.6~1.0nmの範囲内にある多孔性金属錯体(B)を含む。係る多孔性金属錯体(B)は、金属イオンと有機配位子とが交互に配位結合されてなる。
【0015】
多孔性金属錯体(B)の細孔口径は、IUPACの定義によるマイクロポアの領域である0.6~1.0nmの範囲内であるが、0.7~0.9nmの範囲内が好ましく、0.9nmがより好ましい。当該細孔口径は、ガス/蒸気吸着量測定装置より測定される口径値であって、例えば、マイクロトラック・ベル社のBELSORP-maxにより測定することができる。当該細孔口径が0.6nmより小さくても、1.0nmより大きくても十分な瞬間消臭能は得られ難い。本発明消臭剤における多孔性金属錯体(B)(金属イオン、有機配位子)は、上記細孔口径を有すれば特に制限されない。
【0016】
多孔性金属錯体(B)を構成しうる金属イオンとしては、Mg2 +、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh+、Ir2+、Ir+、Ni2+、Ni+、Pd2+、Pd+、Pt2+、Pt+、Cu2+、Cu+、Ag+、Au+、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As+、Sb5+、Sb3+、Sb+、Bi5+、Bi3+、Bi+が挙げられる。この内、銅イオンが特に好ましい。
【0017】
多孔性金属錯体(B)を構成しうる有機配位子は、金属イオンと配位可能な複数の官能基を有する芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘテロ芳香族化合物、ヘテロ環式化合物を含み、さらに金属イオンと配位可能な1つの官能基を有する芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘテロ芳香族化合物、ヘテロ環式化合物を併用してもよい。
【0018】
有機配位子の金属イオンに配位可能な前記官能基は、1つの芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘテロ芳香族化合物、ヘテロ環式化合物に対し1~5個、好ましくは2~4個、より好ましくは2~3個含まれる。
【0019】
芳香族化合物は、5または6員の芳香族炭化水素環からなる単環または多環系の化合物を意味する。
【0020】
脂肪族化合物としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサ ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の炭素数1~12の脂肪族化合物が挙げられる。
【0021】
脂環式化合物としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが挙げられる。
【0022】
ヘテロ芳香族化合物は、N、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含む、5または6員の芳香環からなる単環または多環系の化合物を意味し、多環系の場合には少なくとも1つの環がヘテロ芳香環であればよい。
【0023】
ヘテロ環式化合物としては、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、メチルピペラジン、テトラヒドトフラン、ジオキサンが挙げられる。
【0024】
芳香族化合物、脂肪族化合物、脂環式化合物、ヘテロ芳香族化合物、ヘテロ環式化合物は、金属イオンと配位可能な官能基の他に1~5個、好ましくは1~3個、特に1~2個の置換基を有していてもよい。
【0025】
本明細書において、多孔性金属錯体(B)としては、金属イオンと有機配位子から構成され、カウンターイオンを含んでいてもよい。金属イオンをカウンターアニオンとする場合、マグネシウム、カルシウム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、銅、亜鉛、カドミウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、白金、ルテニウム、モリブデン、ジルコニウム、スカンジウム等のイオンが好ましく、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属のイオンがより好ましい。金属イオンは、単一の金属イオンを使用してもよく、2種以上の金属イオンを併用してもよい。
【0026】
多孔性金属錯体(B)を構成しうる好ましい有機配位子としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、インダン、インデン、ピレン、1,4-ジヒドロナフタレン、テトラリン、ビフェニレン、トリフェニレン、アセナフチレン、アセナフテン等の芳香環に2個、3個または4個のカルボキシル基が結合した化合物(前記リガンドは、F,Cl、Br,I等のハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アセチルアミノ基等のアシルアミノ基、シアノ基、水酸基、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、メトキシ、エトキシ等の直鎖または分岐を有する炭素数1~4のアルコキシ基、メチル、エチル、プロピル、tert ブチル、イソブチル等の直鎖または分岐を有する炭素数1~4のアルキル基、SH、トリフルオロメチル基、スルホン酸基、カルバモイル基、メチルアミノ等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ等のジアルキルアミノ基等の置換基で1,2または3置換されていてもよい)、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和2価カルボン酸、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、4,4-ビピリジル、ジアザピレン、ニコチン酸、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン等の1または2以上の環内窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子により配位可能な含窒素芳香族化合物(前記置換基により1、2または3置換されていてもよい。)等が挙げられる。配位子が中性の場合、金属イオンを中和するのに必要なカウンターカチオンを有する。このようなカウンターカチオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、メタンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、過塩素酸イオン等が挙げられる。
【0027】
本発明に係る多孔性金属錯体(B)は、シート状等の二次元細孔または複数のシートがアキシャル位に配位する二座配位子を構成要素として含む三次元細孔を有する多孔性金属錯体(B)を包含するが、例えば一次元細孔を有する多孔性金属錯体(B)を使用することができる。
【0028】
また、国際公開第2015/129685号に開示されている[Zn4(μ4 O)2(BTMB)2](BTMB=1,3,5 tris(3 carboxyphenyl)benzene)等の1,3,5-トリス(3-カルボキシフェニル)ベンゼン系の多孔性金属錯体(B)も使用することができる。
【0029】
本発明で使用しうる多孔性金属錯体(B)は、例えば以下の文献、総説(Angew.Chem.Int.Ed.2004,43,2334 2375.;Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,2 14.;Chem.Soc.Rev.,2008,37,191 214.;PNAS,2006,103,10186 10191.;Chem.Rev.,2011,111,688 764.;Nature,2003,423,705 714.)、特許文献(国際公開第2015/129685号)等に記載されているが、これらに限定されず、公知の多孔性金属錯体(B)あるいは今後製造され得る多孔性金属錯体(B)を広く使用することができる。
【0030】
担体(A)は、接着剤(C)としてガラス転移点(Tg)が70℃以下のポリマー(以下、「ポリマー」という。)と共に複合体(中間体)を形成した後、多孔性金属錯体(B)と点接着される。点接着とは、多孔性金属錯体(B)が点の状態で担体(A)へ接着されることであり、接着される担体(A)と多孔性金属錯体(B)において、担体(A)表面および多孔性金属錯体(B)表面の一部が、少なくとも接着剤(C)と接着せず露出した状態である。また被膜接着の場合、担体(A)の表面へ均一に被膜させるため希釈された接着剤(C)を付与し、希釈に使用した溶剤や水を除去させることができれば種類は特に限定されないが、最近の環境負荷を考慮すれば、有機溶剤を使用しない水溶性樹脂が好ましく、例えば水溶性アクリル樹脂が使用できる。
【0031】
接着剤(C)として使用されるポリマーとしては、上記金属イオンに配位可能な官能基を有するポリマーであれば特に制限されず、公知のポリマーあるいは公知の製造方法により製造可能なポリマーを挙げることができる。ポリマーは、ホモポリマーであってもよく、2種以上のモノマーを重合した共重合体であってもよい。ポリマーは、単一のポリマーであっても、2種以上のポリマーの併用であってもよい。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。
【0032】
ポリマーは、多孔性金属錯体(B)とさらにポリマーが有する官能基と反応しうる有機架橋剤を用いて架橋構造を形成してもよい。例えば、ポリマーが有する官能基がグリシジル基の場合、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基等を2つ以上有する有機架橋剤、ポリマーが有する官能基がチオール基の場合、ビニル基、アクリル基等の2重結合を2つ以上有する有機架橋剤、ポリマーが有する官能基が水酸基の場合、イソシアネート基、ホルミル基、無水カルボン酸残基等を2つ以上有する有機架橋剤、ポリマーが有する官能基がアミノ基の場合、イソシアネート基、ホルミル基等を2つ以上有する有機架橋剤、ポリマーが有する官能基がカルボキシル基の場合、イソシアネート基、カルボジイミド残基、オキサゾリン基、エポキシ基等を2つ以上有する有機架橋剤、ポリマーが有する官能基が無水カルボン酸残基の場合、水酸基、アミノ基等を2つ以上有する有機架橋剤等を架橋構造として挙げることができる。有機架橋剤を使用する場合、溶媒は有機架橋剤と反応しないものあるいは有機架橋剤が溶媒よりもポリマーに速く反応するような有機架橋剤と反応しにくいものを用いる。
【0033】
イソシアネート基を2つ以上有する有機架橋剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等が挙げられる。
【0034】
ポリマーを構成しうるモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィン、テトラフルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、トリフルオロエチレン、塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン、ブタジエン、イソプレン等のジエン、等が挙げられる。
【0035】
ポリマーがポリウレタンの場合には、上記の2種以上のイソシアネート基を有するモノマーと2種以上の水酸基を有するモノマーを反応させればよく、ポリエステルの場合には、2種以上のカルボン酸基を有するモノマーと2種以上の水酸基を有するモノマー、あるいはカルボン酸基と水酸基を有するモノマーを重合することで得られる。
【0036】
モノマーが炭素-炭素二重結合を有する場合、重合開始剤の使用あるいは紫外線照射等の常法に従い共重合体を得ることができる。
【0037】
ポリマーのガラス転移点(Tg)は、接着剤(C)と同様、約70℃以下、好ましくは50℃以下である。ポリマーのガラス転移点は熱分析による方法あるいはFoxの式から算出される方法で求めることができる。
【0038】
担体(A)と多孔性金属錯体(B)と接着剤(C)の配合割合は、多孔性金属錯体(B)やポリマーの種類等によって異なるが、点接着の場合は、多孔性金属錯体(B)は接着剤(C)と同率付近で、接着剤(C)の配合割合を超えない方が好ましい。例えば、担体(A)を100g使用する場合、多孔性金属錯体(B)が1~10g、接着剤(C)が1~12gである。
【0039】
当該造粒物には、さらに導電剤、滑剤を配合することができる。導電剤としては、カーボンブラック、カーボンナノファイバー、黒鉛粉末等。滑剤としては、六方晶窒化ホウ素(hBN)、黒鉛、二硫化モリブデン等が挙げられ、粒子状物であれば担体としても使用できる。
【0040】
本発明に係る多孔性金属錯体(B)は、それ自身公知の化合物であり、公知の製造方法(上記文献等に記載の製造方法)で得ることができ、また常法により上記細孔口径のものを調製することができる。多孔性金属錯体(B)とポリマーとの複合体は、例えば、国際公開第2015/012373号の記載に準じて製造することができる。
【0041】
多孔性金属錯体(B)の細孔口径は、0.6~1.0nmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.7~0.9nmの範囲内であり、特に0.9nmが好ましい。
【0042】
本発明で使用する担体(A)としては、例えば、活性炭、ゼオライト、メソポーラスシリカ、シリカ、アルミナを挙げることができる。担体(A)の平均粒子径として、例えば、0.1~5000μmの範囲内を挙げることができ、好ましくは0.5~1000μmの範囲内である。上記溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、アセトン等を挙げることができる。
【0043】
本発明では、担体(A)の表面に多孔性金属錯体(B)を点接着させる接着形態が重要である。例えば、多孔性金属錯体(B)を点接着させると、担体(A)が有する性能を維持しつつ、多孔性金属錯体(B)の性能を追加できる。この場合、担体(A)と接着剤(C)を先に点接着させた後、多孔性金属錯体(B)を加えて接着剤(C)の表面に点接着させることで得られる。また担体(A)、多孔性金属錯体(B)、接着剤(C)の3原料を同時に投入することも可能だが、この場合は担体(A)の表面だけでなく、接着剤(C)同士が接着し多孔性金属錯体(B)が内包された形態も見られるため、得られる効果としては前述よりも劣る。
【0044】
また、担体(A)の表面に先に接着剤(C)を適切に被膜させ、多孔性金属錯体(B)を接着させると、担体(A)が有する性能は多少劣化するものの、多孔性金属錯体(B)の接着量が高まる。この場合、担体(A)の性能よりも多孔性金属錯体(B)の性能を強化できるが、担体(A)の性能を少しでも発揮させるには被膜量が重要であり、被膜量は担体(A)に対する接着剤(C)の固形分の配合比率で規定できる。担体(A)の表面へ均一に被膜させるため、希釈された接着剤(C)を付与し、希釈に使用した溶剤や水を除去する。具体例では、水溶性アクリル樹脂を担体へ滴下しながら過熱して水を除去する。この場合、担体(A)の消臭性能が阻害されない様、接着剤(C)の比率は担体(A)に対し、固形分で1~30重量%である。30重量%を超えると、担体(A)が有する細孔を塞いでしまい、担体(A)が本来有する性能が発揮できない。また1重量%を下回ると、多孔性金属錯体(B)が十分に接着されず性能が得られない。
【0045】
接着剤(C)による熱接着は、接着剤(C)に熱可塑性樹脂を使用するため、ガラス転移点から軟化点までの範囲内で加熱後、ガラス転移点以下へ冷却することで接着できる。但し、接着後の脱落や、接着剤(C)同士の接着等、接着性を考慮すると、ガラス転移点よりも20~50℃高い範囲が好ましい。担体(A)、および多孔性金属錯体(B)は粒子状物であり、均一性を確保するため接着剤(C)も粒子状物が好ましく、平均粒子径は、多孔性金属錯体(B)よりも大きく、担体(A)を超えないことが好ましい。多孔性金属錯体(B)よりも小さい場合、粉塵が発生し、接着面積が小さいため多孔性金属錯体(B)の接着性が劣り、脱落しやすくなる。多孔性金属錯体(B)を大きく上回る平均粒子径だと、接着剤(C)同士が接着しやすくなり、多孔性金属錯体(B)が接着される箇所が減少する。
【0046】
粒子状物同士を接着させるため、加熱や冷却等、熱処理の間は温度斑をなくすため、撹拌が必要となる。撹拌方法は特に規定されず、市販のミキサー等を用いてよい。加熱方法も、輻射(赤外線ヒーター等)、伝熱(タッチヒーター等)、対流(熱風等)が考えられ、特に限定されない。
【0047】
本発明の造粒物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の消臭剤成分や添加剤を配合することができる。消臭剤成分としては、例えば、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、シクロデキストリンを挙げることができる。添加剤としては、例えば、界面活性剤、吸水剤、浸透剤、分散剤等を挙げることができる。これらを添加する場合も、導電剤や滑剤を添加する場合と同じく、多孔性金属錯体(B)を接着剤(C)にて担体(A)へ接着後、接着剤(C)のガラス転移点以下の温度で撹拌しながら添加する。また、これらが粒子状物であれば担体として使用してもよい。
【0048】
本発明の造粒物は、例えば、次のような生活臭を瞬間的に消臭するのに優れる。
(1)介護・看護臭、病院臭:尿臭、排泄臭
(2)一般生活臭-1:生ごみ臭、更衣室臭・ロッカー臭、フィッティングルーム臭、混雑臭(満員電車内臭)、エアコン臭、畳臭、床臭、台所臭、トイレ臭、風呂場臭、下駄箱臭、排水口臭
(3)一般生活臭-2:体臭、汗臭
(4)一般生活臭-3:タバコ臭、焼肉臭
(5)その他の生活臭:堆肥臭、動物臭、ペットの糞尿臭、自動車内部の臭い
【0049】
本発明の造粒物は、金属イオンと有機配位子とが交互に配位結合されてなる多孔性金属錯体(B)を含むことから、抗菌、抗ウイルス効果に優れる。
【0050】
本発明の造粒物が対象としうる菌、ウイルスは特に制限されないが、例えば、次のような菌、ウイルスを挙げることができる。なお、菌には、真菌も含まれる。
【0051】
<菌>
(1)グラム陰性通性嫌気性桿菌大腸菌(Esherichacoli)、シゲラ属(Shigella)、サルモネラ属(Salmonella)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、エルシニア属(Yersinia)、コレラ菌(V.cholerae)、腸炎ビブリオ(Vparahaemolyticus)、ヘモフィルス属(Haemophilus)
(2)グラム陰性好気性桿菌シュードモナス属(Pseudomonas)、レジオネラ属(Legionella)、ボルデテラ属(Bordetella)、ブルセラ属(Brucella)、野兎病菌(Francisellatularensis)
(3)グラム陰性嫌気性桿菌バクテロイデス属(Bacteroides)
(4)グラム陰性球菌ナイセリア属(Neisseria)
(5)グラム陽性球菌ブドウ球菌属(Staphylococcus)、レンサ球菌属(Streptococcus)、腸球菌属(Enterococcus)
(6)グラム陽性有芽胞桿菌バシラス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)
(7)放線菌と関連微生物群コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)
(8)マイコプラズママイコプラズマ(Mycoplasma)
(9)スピロヘータとらせん菌回帰熱ボレリア(Borreliarecurrentis)、ライム病ボレリア(B.burgdoferi)、梅毒トレポネーマ(Treponemapalidum)、カンピロバクター属(Campylobacter)、ヘリコバクター属(Helicobacter)
(10)リケッチアリケッチア(Rickettsia)
(11)クラミジアクラミジア(Clamydia)
(12)真菌クリプトコッカス症(Cryptococcosis)、カンジダ症(Candiasis)、アスペルギルス症(Aspergilosis)、ニューモシスチス・カリニ肺炎(Pneumocystiscarinii)、白癬菌(Trichophyton)、癜風菌(Tineaversicolor)
【0052】
<ウイルス>
伝染性軟属腫ウイルス、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、ロタウイルス、ヒト乳頭腫ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、ライノウイルス、風疹ウイルス、麻疹(はしか)ウイルス、インフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、RSウイルス、肝炎ウイルス、HIV
【0053】
本発明には、本発明の造粒物を含む成形品(以下、「本発明成形品」という。)が含まれる。
【0054】
本発明成形品としては、本発明の造粒物を封入加工できるものであれば特に制限されないが、例えば、繊維、繊維製品、樹脂成形品、フィルターを挙げることができる。
【実施例
【0055】
以下に実施例を掲げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0056】
担体(A)、多孔性金属錯体(B)、接着剤(C)は下記を使用した。
[担体]
品番:CW-360B(フタムラ化学(株)製)
[多孔性金属錯体1]
品番:AP002((株)Atomis製)
[多孔性金属錯体2]
品番:AP004((株)Atomis製)
[接着剤1]
PR F-920P(東京インキ(株)製)
[接着剤2]
パラゾールGH-908(大原パラヂウム化学(株)製:固形分50%)を蒸留水で固形分が33%になるように希釈したもの
【0057】
接着方法は下記のいずれかを選択して行った。
[接着方法1]
(1)1Lのガラス容器に、所定の配合で担体(A)と接着剤(C)を投入する。
(2)ガラス容器にパーフェクトシール(プロペラ回転用の孔)と温度プローブ(センサー)を取り付けたゴム栓で蓋をする。
(3)回転数170rpmで撹拌する。撹拌には羽根を使用する。
(4)撹拌しながら容器内部を50℃まで昇温し、昇温後5分間処理を行う。
(5)撹拌しながら容器内部を85℃まで昇温し、昇温後5分間処理を行う。
(6)撹拌しながら室温(30℃以下)まで冷却して中間体を得る。
(7)中間体に多孔性金属錯体(B)を入れ、操作(2)~(6)行い、造粒物を得る。
[接着方法2]
(1)1Lのステンレス容器に所定の配合で、担体を投入する。
(2)羽根で撹拌しながら200rpmで容器内部を90℃まで昇温する。
(3)撹拌しながら容器内部が50℃になった時点で接着剤2の滴下をスタートする。所定量滴下後に、90℃で2時間保ち、水分を完全に蒸発させる。
(4)室温(30℃以下)まで冷却し多孔性金属錯体(B)を投入し、均一になるまで撹拌する。
(5)撹拌しながら容器内部を90℃まで昇温し、30分間処理を行う。
(6)撹拌しながら室温まで冷却して造粒物を得る。
[接着方法3]
(1)1Lのガラス容器に、所定の配合で担体と多孔性金属錯体(B)と接着剤(C)を投入し、パーフェクトシール(プロペラ回転用の孔)と温度プローブ(センサー)を取り付けたゴム栓で蓋をする。
(2)回転数170rpmで撹拌する。撹拌には羽根を使用する。
(3)撹拌しながら容器内部を50℃まで昇温し、昇温後5分間処理を行う。
(4)撹拌しながら容器内部を85℃まで昇温し、昇温後5分間処理を行う。
(5)撹拌しながら室温(30℃以下)まで冷却して、造粒物を得る。
【0058】
試験は下記方法にて行った。
[タバコ消臭試験:検知管法]
(1)造粒物を空気清浄機(ファン:XFAN(Model:RDH1238B1:Xinruilian & Technology(Shenzhen)Co.Ltd.製)に取り付け、試験器具(完全密封27L容器、上部開閉式:幅40cm×奥行25cm×高さ27cm)に入れる。取り付ける際には、フィルター枠(幅12cm×奥行11cm×高さ2cm)に不織布を敷き、その上に消臭剤を15g散りばめ、更に上から不織布を被せる。
(2)容器内で簡易扇風機を回転させながら、タバコ(メビウスオリジナル:タール10mg、ニコチン0.8mg)を1本燃焼させる。燃焼後、2分間その状態にする。
(3)初期値として、アンモニアおよびピリジンを検知管で測定し、空気清浄機を運転させる。
(4)1時間後、扇風機を止め、再度検知管で測定する。
[タバコ消臭試験:官能試験]
(1)検知管でのタバコ消臭試験直後、シリンジで容器上部より容器内の空気を100mL採取し、20mLずつ被験者3人が臭いを判定する。その際に、被験者3人の判定値の平均を取る。
(2)評価は6段階臭気法による判定を行い、臭い強度2級以下また不快指数は-2級以上(より0(ゼロ)に近い値)を合格とした。以下基準を記載。
(臭気強度)
0 : 無臭
1 : やっと感知できるにおい(検知閾値)
2 : 何のにおいであるかわかる弱いにおい(認知閾値)
3 : 楽に感知できるにおい
4 : 強いにおい
5 : 強烈なにおい
(不快指数)
0 : 快でも不快でもない
-1 : やや不快
-2 : 不快
-3 : 非常に不快
-4 : 極端に不快
【0059】
[抗菌性試験方法:JIS L1902に準拠]
(1)試験素材作成方法
消臭剤1gを寒天2.5gと混合し、生地(綿ニット)に塗付けたものを試験素材とした。
※寒天:蒸留水1L当たり、肉エキス3g、ペプトン5g、粉寒天15gに調整。
試験菌:黄色ブドウ球菌
(2)試験方法:滅菌した試験素材に試験菌のブイヨン懸濁液を注入し、密閉容器中にて37℃×18時間培養後の生菌数を測定する。植菌後、無加工布菌数に対する抗菌活性値により、抗菌数を評価する。
(3)抗菌活性値=(Mb-Ma)-(Mc-Mo)(抗菌活性値≧2.2で合格)
Ma:標準布の試験菌液接触直後の生菌数
Mb:標準布の18時間培養後の生菌数
Mo:抗菌防臭加工布の試験菌液接種直後の生菌数
Mc:抗菌防臭加工布の18時間培養後の生菌数
(4)有効性:Mb-Mo>1.0により試験は有効
【0060】
抗ウイルス性試験方法:ISO18184にて試験を行った。
(1)試験方法:プラーク法
(2)試験対象ウイルス:インフルエンザ
(3)抗ウイルス効果:Mv≧3.0で合格
【0061】
[取り扱い性]
粉塵の発生や脱落物等の状況を作業者へヒヤリングし、基準となる比較例1との比較で判断した。
○:基準と同等以上
×:基準を下回る
【0062】
下記要領にて本発明を実施した。なお実施例1~6および比較例1~3の結果を表1に記載する。
【0063】
[実施例1]
担体(CW-360B)100gと有機接着剤1(PR F-920P)5gを採取し、接着途中で多孔性金属錯体1(AP002)5gを加えて接着方法1にて接着した。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0064】
[実施例2]
担体(CW-360B)100gと有機接着剤1(PR F-920P)5gを採取し、接着途中で多孔性金属錯体2(AP004)5gを加えて接着方法1にて接着した。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0065】
[実施例3]
担体(CW-360B)250gを採取し、接着方法2にて接着を開始し、途中で有機接着剤2(GH-908希釈液)62.5gを滴下し、多孔性金属錯体1(AP002)5gを加えた。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0066】
[実施例4]
担体(CW-360B)250gを採取し、接着方法2にて接着を開始し、途中で有機接着剤2(GH-908希釈液)62.5gを滴下し、多孔性金属錯体2(AP004)5gを加えた。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0067】
[実施例5]
担体(CW-360B)100g、有機接着剤1(PR F-920P)5g、多孔性金属錯体1(AP002)5gを加えて接着方法3にて接着した。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0068】
[実施例6]
担体(CW-360B)100g、有機接着剤1(PR F-920P)5g、多孔性金属錯体2(AP004)5gを加えて接着方法3にて接着した。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られた。取り扱い性も良好であった。
【0069】
[比較例1]
担体(CW-360B)100gを採取し、そのまま消臭剤とした。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られなかった。取り扱い性は基準であり、良好であった。
【0070】
[比較例2]
多孔性金属錯体1(AP002)5gを採取し、そのまま消臭剤とした。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験、抗菌性試験、抗ウイルス性試験を行い、いずれも効果が得られたが、粉塵が多く、取り扱い性は基準を下回った。
【0071】
[比較例3]
担体(CW-360B)250gを採取し、接着方法2にて接着を開始し、途中で有機接着剤2(GH-908希釈液)125gを滴下し、多孔性金属錯体1(AP002)5gを加えた。得られた消臭剤にてタバコ消臭試験、タバコ消臭官能試験を行い効果が得られなかったが、抗菌性試験、抗ウイルス性試験では効果が得られた。取り扱い性は良好であった。
【0072】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は多孔性金属錯体の性能を維持しながら、取り扱いの優れた造粒物を製造することで、消臭性、抗菌性および抗ウイルス性のある日用品を提供することができる。