(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】微少粉塵・ヒューム捕集装置および汚染空気回収機構
(51)【国際特許分類】
B01D 46/02 20060101AFI20230824BHJP
B01D 39/20 20060101ALI20230824BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20230824BHJP
B01D 50/00 20220101ALI20230824BHJP
G21F 9/02 20060101ALI20230824BHJP
G21F 9/28 20060101ALN20230824BHJP
【FI】
B01D46/02 Z
B01D39/20 C
B01D53/04 110
B01D50/00 501C
B01D50/00 501J
B01D50/00 501E
G21F9/02 551A
G21F9/02 551C
G21F9/28 501A
(21)【出願番号】P 2018091852
(22)【出願日】2018-05-11
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000153100
【氏名又は名称】株式会社日本環境調査研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100108442
【氏名又は名称】小林 義孝
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 博光
(72)【発明者】
【氏名】移川 隆行
(72)【発明者】
【氏名】木梨 秀二
(72)【発明者】
【氏名】榑林 高志
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-061700(JP,A)
【文献】特開平09-152498(JP,A)
【文献】特開2014-144421(JP,A)
【文献】特開平09-281296(JP,A)
【文献】特開2002-189099(JP,A)
【文献】特開平09-108535(JP,A)
【文献】特開平09-052023(JP,A)
【文献】特開平09-173742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B01D 39/00-41/04
B01D 53/02-53/12
B01D 49/00-51/10
A61L 9/00-9/22
F24F 1/007,1/0059-1/008,1/02,1/032-1/0355
F24F 7/00-7/007
F24F 7/04-7/06
F24F 3/00-3/167
G21F 9/00-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染空気が流入する流入口と、前記汚染空気に含まれる粉塵を捕集する捕集機構と、前記捕集機構によって塵埃が除去された清浄空気を給気する給気口とを備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置において、
前記微少粉塵・ヒューム捕集装置が、前記流入口に連結されて前記汚染空気を回収する汚染空気回収機構を含み、
前記捕集機構が、前記微少粉塵・ヒューム捕集装置における汚染空気の通流経路の上流側に設置されたプレフィルタと、前記プレフィルタの下流側の通流経路に設置された活性炭フィルタと、前記活性炭フィルタの下流側の通流経路に設置されたHEPAフィルタとから形成され
、
前記汚染空気回収機構が、前記流入口につながる回収ホースと、前記回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、
前記回収ダクトが、トーラス形に成形され、中空の空気流路と、前記空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、前記内周壁に囲繞されて所定の処理面域が露出する所定面積の作業スペースと、前記内周壁につながる円環状の頂壁と、前記内周壁につながる円環状の底壁と、前記頂底壁につながる円環状の外周壁と、前記外周壁に開口して前記回収ホースを連結する空気流出口とを有することを特徴とする微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項2】
前記プレフィルタが、上下方向へ長い袋状に成形され、上下方向へ延びていて前記汚染空気が通流する内部空間と、前記活性炭フィルタに向かって開口する上方開口とを有し、前記捕集機構では、前記汚染空気が前記プレフィルタの外側から該プレフィルタを通流して内部空間に進入しつつ、前記内部空間を通って前記上方開口から前記活性炭フィルタに向かって流出する請求項1に記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項3】
前記微少粉塵・ヒューム捕集装置が、前記汚染空気の流動中に前記プレフィルタの外周面に付着して該プレフィルタの外周面にプリコート濾過層を形成するプリコート剤と、前記プレフィルタの上流側の通流経路に設置されたサイクロンセパレータとを含む請求項1または請求項2に記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項4】
前記回収ダクトでは、前記頂壁の面積を変更することで、前記作業スペースの面積を変更可能であり、前記回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項1ないし請求項3
いずれかに記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項5】
前記回収ダクトが、前記内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、前記回収ダクトでは、前記シャッターによって前記空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに該回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項
1ないし請求項4
いずれかに記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項6】
前記空気流入開口が、前記内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、前記回収ダクトでは、前記シャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、該シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、前記各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに前記回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項
5に記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項7】
前記微少粉塵・ヒューム捕集装置が、前記作業スペースに露出する前記処理面域にレーザー光を照射して該処理面域の表面を除染するレーザー照射装置を含み、前記作業スペースに露出する前記処理面域に前記レーザー照射装置からレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射によって前記処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する請求項1ないし請求項
6いずれかに記載の微少粉塵・ヒューム捕集装置。
【請求項8】
所定の処理面域から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する微少粉塵・ヒューム捕集装置の汚染空気の流入口に連結される汚染空気回収機構において、
前記汚染空気回収機構が、前記微少粉塵・ヒューム捕集装置の汚染空気の流入口に連結される回収ホースと、前記回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、
前記回収ダクトが、
トーラス形に成形され、中空の空気流路と、前記空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、前記内周壁に囲繞されて前記処理面域が露出する所定面積の作業スペースと
、前記内周壁につながる円環状の頂壁と、前記内周壁につながる円環状の底壁と、前記頂底壁につながる円環状の外周壁と、前記外周壁に開口して前記回収ホースを連結する空気流出口とを有することを特徴とする汚染空気回収機構。
【請求項9】
前記汚染空気回収機構では、前記回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、前記作業スペースの面積を変更可能であり、前記回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項
8に記載の汚染空気回収機構。
【請求項10】
前記回収ダクトが、前記内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、前記汚染空気回収機構では、前記回収ダクトのシャッターによって前記空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに該回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項
8または請求項
9に記載の汚染空気回収機構。
【請求項11】
前記空気流入開口が、前記内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、前記汚染空気回収機構では、前記回収ダクトのシャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、該シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、前記各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに前記回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である請求項
10に記載の汚染空気回収機構。
【請求項12】
前記汚染空気回収機構が、前記作業スペースに露出する前記処理面域にレーザー光を照射して該処理面域の表面を除染するレーザー照射装置を含み、前記レーザー照射装置から前記作業スペースに露出する前記処理面域にレーザー光を照射し、前記レーザー光の照射によって処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する請求項
8ないし請求項
11いずれかに記載の汚染空気回収機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塵埃が除去された清浄空気を作る微少粉塵・ヒューム捕集装置に関するとともに、汚染空気を回収する汚染空気回収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
前処理室と、前処理室の下流側に配置された後処理室と、後処理室の下流側に配置された空気吸引装置とを備え、前処理室が、空気吸引装置による吸引作用により外部からヒューム含有空気を導入する吸引ダクトと、上部にヘッドスペースを有し、吸引したヒューム含有空気が下方へ向けて通過する球状吸着体を充填した球体層が配置された球体収容部とを有し、後処理室が、後処理室の下部に配置され、球体収容部を通過した吸引空気の上方への作用力を受けるプリコート剤と、プリコート剤の上方に配置され、上方へ舞い上げられたプリコート剤が付着することでコート層を形成させるフィルタとを有するヒューム捕集機が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献1に開示のヒューム捕集機は、その下流に配置された空気吸引装置の吸引作用により吸引ダクトから外部のヒューム含有空気が球体収容部に吸引され、ヒューム含有空気が球体層を構成する多数の球状吸着体の間隙を通って球体層を通過する際、空気中に含まれるヒュームが吸着されるとともに、球体層全体の空気抵抗が少なくなるように個々の球状吸着体が上下左右に微小な運動を行うため圧力損失の安定化を図ることができ、これにより下流に配置されたフィルタの寿命を長時間維持することができる。しかし、前記特許文献1に開示のヒューム捕集機は、微細な塵埃やガス状の汚染物質を除去することができず、それらを除去した清浄空気を作ることができない。
【0005】
なお、放射性物質によって汚染された地域の除染にレーザーが利用される場合がある。レーザーによる除染では、レーザー照射装置から処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の被除染箇所)にレーザー光を照射し、処理面域の表面を削り取る。処理面域の表面を削り取る際に、所定の大きさの塵埃が発生するのみならず、溶融した汚染物が蒸気となった後に冷えて微細なナノメートルサイズの塵埃(粒子)に変わり、それら塵埃が四方に飛散するとともに、ガスが発生し、そのガスが四方に飛散する。ナノメートルサイズの塵埃(粒子)を含む塵埃やガスが放射性物質に汚染されていれば、それら塵埃やガスが四方に飛散することは放射性物質の汚染を拡大することにもなりかねない。さらに、放射性物質に 汚染された塵埃やガスを吸引することで、内部被ばくが生じる可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、微細な塵埃や微粉炭のみならず、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去することができ、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる微少粉塵・ヒューム捕集装置および汚染空気回収機構を提供することにある。本発明の他の目的は、放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭のみならず、放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を捕集することができ、放射性物質の汚染拡大を防ぐことができるとともに、内部被ばくを防ぐことができる微少粉塵・ヒューム捕集装置および汚染空気回収機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、汚染空気が流入する流入口と、汚染空気に含まれる粉塵を捕集する捕集機構と、捕集機構によって塵埃が除去された清浄空気を給気する給気口とを備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置である。
【0008】
前記第1の前提における本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の特徴は、微少粉塵・ヒューム捕集装置が、流入口に連結されて汚染空気を回収する汚染空気回収機構を含み、捕集機構が、微少粉塵・ヒューム捕集装置における汚染空気の通流経路の上流側に設置されたプレフィルタと、プレフィルタの下流側の通流経路に設置された活性炭フィルタと、活性炭フィルタの下流側の通流経路に設置されたHEPAフィルタとから形成され、汚染空気回収機構が、流入口につながる回収ホースと、回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、回収ダクトが、トーラス形に成形され、中空の空気流路と、空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、内周壁に囲繞されて所定の処理面域が露出する所定面積の作業スペースと、内周壁につながる円環状の頂壁と、内周壁につながる円環状の底壁と、頂底壁につながる円環状の外周壁と、外周壁に開口して回収ホースを連結する空気流出口とを有することにある。
【0009】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の一例としては、プレフィルタが、上下方向へ長い袋状に成形され、上下方向へ延びていて汚染空気が通流する内部空間と、活性炭フィルタに向かって開口する上方開口とを有し、捕集機構では、汚染空気がプレフィルタの外側からプレフィルタを通流して内部空間に進入しつつ、内部空間を通って上方開口から活性炭フィルタに向かって流出する。
【0010】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の他の一例としては、微少粉塵・ヒューム捕集装置が、汚染空気の流動中にプレフィルタの外周面に付着してプレフィルタの外周面にプリコート濾過層を形成するプリコート剤と、プレフィルタの上流側の通流経路に設置されたサイクロンセパレータとを含む。
【0011】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の他の一例として、回収ダクトでは、頂壁の面積を変更することで、作業スペースの面積を変更可能であり、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0012】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の他の一例としては、回収ダクトが、内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、回収ダクトでは、シャッターによって空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0013】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の他の一例としては、空気流入開口が、内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、回収ダクトでは、シャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0014】
本発明の微少粉塵・ヒューム捕集装置の他の一例としては、微少粉塵・ヒューム捕集装置が、処理面域にレーザー光を照射して処理面域の表面を除染するレーザー照射装置を含み、作業スペースに露出する処理面域にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、レーザー光の照射によって処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する。
【0015】
前記課題を解決するための本発明の第2の前提は、所定の処理面域から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する微少粉塵・ヒューム捕集装置の汚染空気の流入口に連結される汚染空気回収機構である。
【0016】
前記第2の前提における本発明の汚染空気回収機構の特徴は、汚染空気回収機構が、微少粉塵・ヒューム捕集装置の汚染空気の流入口に連結される回収ホースと、回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、回収ダクトが、トーラス形に成形され、中空の空気流路と、空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、内周壁に囲繞されて処理面域が露出する所定面積の作業スペースと、内周壁につながる円環状の頂壁と、内周壁につながる円環状の底壁と、頂底壁につながる円環状の外周壁と、外周壁に開口して前記回収ホースを連結する空気流出口とを有することにある。
【0017】
本発明の汚染空気回収機構の一例として、汚染空気回収機構では、回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、作業スペースの面積を変更可能であり、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0018】
本発明の汚染空気回収機構の他の一例としては、回収ダクトが、内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、汚染空気回収機構では、回収ダクトのシャッターによって空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0019】
本発明の汚染空気回収機構の他の一例としては、空気流入開口が、内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、汚染空気回収機構では、回収ダクトのシャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である。
【0020】
本発明の汚染空気回収機構の他の一例としては、汚染空気回収機構が、作業スペースに露出する処理面域にレーザー光を照射して作業スペースの表面を除染するレーザー照射装置を含み、レーザー照射装置から作業スペースに露出する処理面域にレーザー光を照射し、レーザー光の照射によって処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る微少粉塵・ヒューム捕集装置によれば、捕集機構が汚染空気の通流経路の上流側に設置されたプレフィルタとプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタと活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタとから形成されているから、汚染空気に含まれる所定の大きさの塵埃をプレフィルタで捕集し、汚染空気に含まれるナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタで捕集するとともに、活性炭フィルタを通過した汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタで捕集することができ、汚染空気に微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が含まれていたとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集することができ、汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【0022】
プレフィルタが、上下方向へ長い袋状に成形され、上下方向へ延びていて汚染空気が通流する内部空間と、活性炭フィルタに向かって開口する上方開口とを有し、汚染空気がプレフィルタの外側からプレフィルタを通流して内部空間に進入しつつ、内部空間を通って上方開口から活性炭フィルタに向かって流出する微少粉塵・ヒューム捕集装置は、汚染空気が袋状に成形されたプレフィルタの外側からプレフィルタを通流することで、汚染空気に含まれる所定の大きさの塵埃がプレフィルタに確実に捕集されるから、汚染空気から所定の大きさの塵埃を除去することができるとともに、プレフィルタの後流側に設置された活性炭フィルタやHEPAフィルタが大きいサイズの塵埃によって目詰まりを起こすことはなく、活性炭フィルタやHEPAフィルタの寿命を延ばすことができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、活性炭フィルタやHEPAフィルタが大きいサイズの塵埃によって目詰まりを起こすことがないから、汚染空気に含まれるナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタに捕集させることができるとともに、活性炭フィルタを通過した汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタに捕集させることができ、汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【0023】
汚染空気の流動中にプレフィルタの外周面に付着してプレフィルタの外周面にプリコート濾過層を形成するプリコート剤と、プレフィルタの上流側の通流経路に設置されたサイクロンセパレータとを含む微少粉塵・ヒューム捕集装置は、プリコート剤によってプレフィルタの外周面にプリコート濾過層を形成することで、プリコート濾過層によってプレフィルタよりも空隙の小さな空隙を形成し、そのプリコート濾過層によって汚染空気に含まれる小さな粒径の塵埃を捕集することができ、汚染空気から小さな粒径の塵埃を除去することができるとともに、プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタの目詰まりを防止してそれらフィルタの寿命を延ばすことができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、サイクロンセパレータによって汚染空気に混在する塵埃(粒子)を汚染空気から分離することで、サイクロンセパレータによって塵埃(粒子)を事前に捕集することができ、プリコート濾過層やプレフィルタ、活性炭フィルタ、HEPAフィルタの目詰まりを防止してそれらフィルタの寿命を延ばすことができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、活性炭フィルタやHEPAフィルタが大きいサイズの塵埃によって目詰まりを起こすことがないから、汚染空気に含まれるナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタに捕集させることができるとともに、活性炭フィルタを通過した汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタに捕集させることができ、汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【0024】
微少粉塵・ヒューム捕集装置の流入口に連結されて汚染空気を回収する汚染空気回収機構を含み、汚染空気回収機構が、流入口につながる回収ホースと、回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、回収ダクトが、中空の空気流路と、空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、内周壁に囲繞されて所定の処理面域が露出する所定面積の作業スペースとを有する微少粉塵・ヒューム捕集装置は、回収ダクトの内周壁に囲繞された作業スペースに露出する処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)から微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、汚染空気回収機構によって回収された汚染空気に含まれるナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質がプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタに捕集され、活性炭フィルタを通過した汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタに捕集されるから、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集することができ、汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【0025】
回収ダクトが、トーラス形に成形され、内周壁につながる円環状の頂壁と、内周壁につながる円環状の底壁と、頂底壁につながる円環状の外周壁と、外周壁に開口して回収ホースを連結する空気流出口とを有し、回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、作業スペースの面積を変更可能であり、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である微少粉塵・ヒューム捕集装置は、トーラス形(ドーナツ型)に成形された回収ダクトの内外周壁と頂底壁とによって作業スペースが囲繞されるから、回収ダクトの内周壁に囲繞された作業スペースに露出する処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)から微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速をプレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタの捕集性能にあわせて調節することができ、プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタに微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0026】
回収ダクトが内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、シャッターによって空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である微少粉塵・ヒューム捕集装置は、回収ダクトのシャッターによって空気流入開口の開口面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速をプレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタの捕集性能にあわせて調節することができ、プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタに微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0027】
空気流入開口が内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、シャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である微少粉塵・ヒューム捕集装置は、回収ダクトの各空気流入開口において上下方向へスライドするシャッターによって空気流入開口の開口面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速をプレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタの捕集性能にあわせて調節することができ、プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタに微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0028】
作業スペースに露出する処理面域にレーザー光を照射して処理面域の表面を除染するレーザー照射装置を含み、作業スペースに露出する処理面域にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、レーザー光の照射によって処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する微少粉塵・ヒューム捕集装置は、処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)の表面にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、処理面域の表面を削り取る際にナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、汚染空気に含まれる所定の大きさの塵埃をプレフィルタで捕集し、汚染空気に含まれるナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をプレフィルタの下流側に設置された活性炭フィルタで捕集するとともに、活性炭フィルタを通過した汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタの下流側に設置されたHEPAフィルタで捕集することができ、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集することができ、汚染空気に含まれる微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、レーザー照射装置を利用してレーザー除染を行う場合、レーザー除染によって発生した放射性物質を含む所定の大きさの塵埃がプレフィルタに捕集され、レーザー除染によって発生した放射性物質を含むナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が活性炭フィルタに捕集されるとともに、放射性物質を含む微細な塵埃や微粉炭がHEPAフィルタに捕集されるから、放射性物質を含む微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができるのみならず、レーザー除染において処理面域を確実に除染することができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、レーザー除染において放射性物質の汚染拡大を防ぐことができ、レーザー除染における内部被ばくを防ぐことができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、回収ダクトの内周壁に囲繞された作業スペースに露出する処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)の表面にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、処理面域の表面を削り取る際にナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタに微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0029】
本発明に係る汚染空気回収機構によれば、微少粉塵・ヒューム捕集装置の汚染空気の流入口に連結される回収ホースと、回収ホースの先端部に連結された回収ダクトとから形成され、回収ダクトが、中空の空気流路と、空気流路につながる空気流入開口が作られた内周壁と、内周壁に囲繞されて処理面域が露出する所定面積の作業スペースとを有するから、回収ダクトの内周壁に囲繞された作業スペースに露出する処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)から微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。汚染空気回収機構は、作業スペースに露出する処理面域に発生した微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を飛散させることなく微少粉塵・ヒューム捕集装置に流入させることができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置を利用して微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【0030】
回収ダクトが、トーラス形に成形され、内周壁につながる円環状の頂壁と、内周壁につながる円環状の底壁と、頂底壁につながる円環状の外周壁と、外周壁に開口して回収ホースを連結する空気流出口とを有し、回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、作業スペースの面積を変更可能であり、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である汚染空気回収機構は、トーラス形(ドーナツ型)に成形された回収ダクトの内外周壁と頂底壁とによって作業スペースが囲繞されるから、回収ダクトの内周壁に囲繞された作業スペースに露出する処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)から微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。汚染空気回収機構は、回収ダクトの頂壁の面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速を微少粉塵・ヒューム捕集装置(プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタ)の捕集性能にあわせて調節することができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置に微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0031】
回収ダクトが内周壁に作られた空気流入開口を開閉可能なシャッターを含み、回収ダクトのシャッターによって空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である汚染空気回収機構は、シャッターによって空気流入開口の開口面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速を微少粉塵・ヒューム捕集装置(プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタ)の捕集性能にあわせて調節することができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置に微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0032】
空気流入開口が内周壁の周り方向へ所定寸法離間して作られ、回収ダクトのシャッターが各空気流入開口に上下方向へスライド可能に設置され、シャッターが各空気流入開口において上下方向へスライドすることで、各空気流入開口の開口面積を変更可能であるとともに回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整可能である汚染空気回収機構は、回収ダクトの各空気流入開口において上下方向へスライドするシャッターによって空気流入開口の開口面積を変更することで、回収ダクトの空気流路に流入する汚染空気の風速を調整することができるから、汚染空気回収機構によって回収される汚染空気の風速を微少粉塵・ヒューム捕集装置(プレフィルタや活性炭フィルタ、HEPAフィルタ)の捕集性能にあわせて調節することができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置に微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に捕集させることができる。
【0033】
作業スペースに露出する処理面域にレーザー光を照射して処理面域の表面を除染するレーザー照射装置を含み、レーザー照射装置から作業スペースに露出する処理面域にレーザー光を照射し、レーザー光の照射によって処理面域の表面から発生した汚染空気に含まれる微細な塵埃およびガスを捕集する汚染空気回収機構は、処理面域(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域)の表面にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、処理面域の表面を削り取る際にナノメートルサイズの塵埃(粒子)、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。汚染空気回収機構は、作業スペースに露出する処理面域に発生した微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を飛散させることなく微少粉塵・ヒューム捕集装置に流入させることができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置を利用して微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。汚染空気回収機構は、レーザー照射装置を利用してレーザー除染を行う場合、レーザー除染によって発生した放射性物質を含む微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が回収ダクトにブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース内において放射性物質を含む微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができ、レーザー除染において処理面域を確実に除染することができる。汚染空気回収機構は、レーザー除染において放射性物質の汚染拡大を防ぐことができ、レーザー除染における内部被ばくを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】一例として示す微少粉塵・ヒューム捕集装置の部分破断斜視図。
【
図2】微少粉塵・ヒューム捕集装置のフィルタ構成の一例を示す斜視図。
【
図4】活性炭フィルタおよびHEPAフィルタの一例を示す部分破断斜視図。
【
図11】回収ダクトの空気流入開口の開閉の一例を説明する部分拡大正面図。
【
図12】回収ダクトの空気流入開口の開閉の一例を説明する部分拡大側面図。
【
図14】微少粉塵・ヒューム捕集装置を利用した除染の一例を説明する斜視図。
【
図16】回収ダクトにおける汚染空気の回収の一例を示す図。
【
図17】プレフィルタ、活性炭フィルタ、HEPAフィルタおける汚染空気の流動を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
一例として示す微少粉塵・ヒューム捕集装置10の部分破断斜視図である
図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る微少粉塵・ヒューム捕集装置および汚染空気回収機構の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、
図2は、微少粉塵・ヒューム捕集装置10のフィルタ構成の一例を示す斜視図であり、
図3は、プレフィルタ41の一例を示す斜視図である。
図4は、活性炭フィルタ42およびHEPAフィルタ43の一例を示す部分破断斜視図である。
図1では、レーザー照射装置51の図示を省略し、第1筐体17および第2筐体18を二点鎖線で示す。
図1では、上下方向を矢印A、横方向を矢印Bで示し、前後方向を矢印Cで示す。
【0036】
微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)および汚染空気回収機構16は、レーザー光を利用し、放射性物質によって汚染された地域の除染に使用される。なお、本発明に係る微少粉塵・ヒューム捕集装置は、レーザー光を利用したレーザー除染に利用される他、レーザー光を利用したレーザー切断やレーザーマーキング、レーザー光を利用した塗装剥がし、レーザー光を利用した錆落としに利用される。また、電動工具による切断および粉砕、ガス溶断機やプラズマ切断等の熱溶断等に利用される。微少粉塵・ヒューム捕集装置は、レーザー光を利用したレーザー切断、レーザーマーキング、レーザー光を利用した塗装剥がし、レーザー光を利用した錆落としの際に発生する塵埃や微粉炭、ガス状の汚染物質を捕集し、電動工具による切断および粉砕、熱溶断の際に発生する塵埃や微粉炭、ガス状の汚染物質を捕集する。微少粉塵・ヒューム捕集装置10は、装置筐体11、サイクロンセパレータ12、プリコート剤13、捕集機構14、送風ファン15、汚染空気回収機構16(
図5参照)を備えている。装置筐体14は、第1筐体17および第2筐体18から形成されている。なお、筐体が1つであってもよい。装置筐体11では、第1筐体17と第2筐体18とが分離可能かつ連結可能である。
【0037】
第1筐体17は、上下方向へ長い正面壁19および背面壁20と、横方向へ延びる頂面壁21および底面壁22と、それら壁19~22の間に位置して上下方向へ延びる両側面壁23とを有する六面体であり、それら壁19~23に囲繞された第1内部スペース24を有する。第1筐体17には、正面壁19の上方に空気流入口25(流入口)が形成され、背面壁20の下方に空気流出口(図示せず)が形成されている。
【0038】
第1筐体17の下方には、横方向へ長い第1バケット26が収納されている。第1バケット26は、第1筐体17に対して横方向へ引き出し可能である。第1バケット26には、サイクロンセパレータ12によって捕集された塵埃(粒子)が収容される。第1筐体17の底壁22には、第1筐体17を移動させるためのキャスター27が取り付けられている。第1筐体17の第1内部スペース24には、空気流入口25と空気流出口との間に延びていて空気(汚染空気)が通流する第1通流経路28(空気流路)が形成されている。
【0039】
第2筐体18は、上下方向へ延びる正面壁29および背面壁30と、横方向へ延びる頂面壁31および底面壁32と、それら壁29~32の間に位置して上下方向へ延びる両側面壁33とを有する六面体であり、それら壁29~33に囲繞された第2内部スペース34を有する。第2筐体18の第2内部スペース34には、横方向へ延びる仕切壁35が取り付けられている。第2筐体18には、第1筐体17の空気流出口に対向する空気流入口(図示せず)が正面壁29の下方に形成され、空気給気口36(給気口)が頂面壁31の中央に形成されている。仕切壁35には、横方向と前後方向とへ並ぶ開口37(貫通孔)が穿孔されている。
【0040】
第2筐体18の下方には、横方向へ長い第2バケット38が収納されている。第2バケット38は、第2筐体18に対して横方向へ引き出し可能である。第2バケット38には、後記するプリコート濾過層40やプレフィルタ41によって捕集された塵埃(粒子)が収容される。第2筐体18の第2内部スペース34には、空気流入口と空気給気口36との間に延びていて空気(汚染空気および清浄空気)が通流する第2通流経路39(空気流路)が形成されている。
【0041】
装置筐体11では、第1筐体17と第2筐体18とが連結されたときに、第1筐体17の背面壁20に穿孔された空気流出口と第2筐体18の正面壁29に穿孔された空気流入口とが気密に連結され、第1通流経路28と第2通流経路39とが一連につながり、第1筐体17の上方から下方へ延びるとともに第2筐体18の下方から上方へ延びる通流経路(空気流路)が画成される。
【0042】
サイクロンセパレータ12は、上下方向へ起立した状態で第1筐体17の第1内部スペース24(プレフィルタ41の上流側の通流経路)に設置され、第1通流経路28を画成する。サイクロンセパレータ12の空気流入口は、第1筐体17の正面壁19に穿孔された給気流入口25に気密につながっている。サイクロンセパレータ12の空気流出口は、第1筐体17の背面壁20に穿孔された空気流出口に気密につながっている。サイクロンセパレータ12は、その遠心力で空気(汚染空気)に含まれる塵埃を空気から分離し、分離した塵埃をその周壁に集める。塵埃は、サイクロンセパレータ12の周壁近傍で回転しつつ下方へ沈殿し、リジェクト部から排出され、第1バケット26に収容される。
【0043】
プリコート剤13は、第2筐体18に設置された第2バケット38(サイクロンセパレータ12の下流側であってプレフィルタ41の上流側の通流経路)に収容されている。プリコート剤13は、レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10の稼働中に空気の流動によって第2バケット38から上方へ向かって第2通流経路39(第2内部スペース34)に飛散し、後記するプレフィルタ41の外周面(底壁部44の外面および周壁部45の外面)に付着してプレフィルタ41の外周面にプリコート濾過層40を形成する。プリコート濾過層40は、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃をプレフィルタ41の前に汚染空気から捕集し、放射性物質に汚染された塵埃を汚染空気から除去する。なお、レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10では、プリコート剤13を省くこともできる。
【0044】
捕集機構14は、第2筐体18の第2内部スペース34に配置され、第2通流経路39に設置されている。捕集機構14は、プレフィルタ41と、活性炭フィルタ42と、HEPAフィルタ43とから形成されている。捕集機構14では、第2通流経路39の上流側(空気流入口の側)から下流側(空気流出口の側)に向かってプレフィルタ41→活性炭フィルタ42→HEPAフィルタ43の順で並んでいる。
【0045】
プレフィルタ41(粗塵フィルタ、中性能フィルタ)は、第2筐体18の第2通流経路39の上流側に配置され、3つのそれが第2筐体18の第2内部スペース34に前後方向へ等間隔離間して並んだ状態で設置されている。プレフィルタ41は、ポリエステル繊維やレーヨン繊維、モダアクリル繊維から作られた所定厚み(10~20mm)の合成繊維不織布であり、空気(汚染空気)に含まれる粗大な塵埃(粒子)を捕集する。それらプレフィルタ41は、上下方向へ長い袋状に成形され、第2筐体18の頂面壁31の側から底面壁32の側に向かって垂下した状態で第2筐体18の仕切壁35に取り付けられている。
【0046】
それらプレフィルタ41は、所定厚みの底壁部44と、底壁部44の周縁から上方へ延びる所定厚みの周壁部45と、底壁部44および周壁部45に囲繞されて上下方向へ延びる内部空間46と、活性炭フィルタ42に向かって(第2筐体18の頂面壁31に向かって)開口する上方開口47とを有する。内部空間46は、プレフィルタ41(底壁部44および周壁部45)を通流した空気が通る第2通流経路39を画成している。
【0047】
それらプレフィルタ41は、上方開口47を囲繞する周壁部45の上方周縁が仕切壁35に穿孔された開口37の周縁部に着脱可能かつ気密に取り付けられている。それらプレフィルタ41は、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃を汚染空気から捕集し、放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃を汚染空気から除去する。プリコート濾過層40やそれらプレフィルタ41に捕集された塵埃は、それらプレフィルタ41から落下して第2バケット38に収容される。
【0048】
活性炭フィルタ42は、プレフィルタ41(仕切板35)の上方開口47の直上に位置し、プレフィルタ41の下流側であってHEPAフィルタ43の上流側における第2筐体18の第2通流経路39に設置されている。活性炭フィルタ42は、
図4に示すように、所定厚み(10~30mm)および所定面積を有する四角形に成型されている。活性炭フィルタ42はフィルタ取付用アルミフレーム48に着脱可能に取り付けられ、フィルタ取付用アルミフレーム48が第2筐体18の仕切板35の直上の第2内部スペース34に着脱可能に取り付けられることで、活性炭フィルタ42が第2筐体18の仕切板35の直上の第2内部スペース34に着脱可能に設置される。
【0049】
活性炭フィルタ42は、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や放射性物質に汚染されたガスを汚染空気から吸着捕集し、放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質を汚染空気から除去する。
図4では、1つの活性炭フィルタ42が第2筐体18の第2内部スペース34に設置されているが、上下方向へ重なり合う2つ以上の活性炭フィルタ42が第2筐体18の第2内部スペース34に設置されていてもよい。
【0050】
活性炭フィルタ42には、高賦活の活性炭粒子を不織布に挟み込んだ活性炭シートをプリーツ形状に成形した所定面積および所定厚みのプリーツ形状活性炭フィルタ42、活性炭原料を漉き込んだ有機繊維シートをコルゲートハニカム状に成形した所定面積および所定厚みのコルゲートハニカム状活性炭フィルタ42、活性炭を有機バインダーに混練して押出成形で格子状のハニカム構造に成形した所定面積および所定厚みのハニカムカーボン活性炭フィルタ42を使用することができる。なお、活性炭フィルタ42には、比表面積が大きく圧力損失を抑えることができるプリーツ形状活性炭フィルタ42を使用することが好ましい。
【0051】
HEPAフィルタ43は、活性炭フィルタ42の直上に位置し、活性炭フィルタ42の下流側における第2筐体18の第2通流経路34に設置されている。HEPAフィルタ43はフィルタ取付用アルミフレーム48に着脱可能に取り付けられ、フィルタ取付用アルミフレーム47が活性炭フィルタ42の直上の第2内部スペース34に着脱可能に取り付けられることで、HEPAフィルタ43が活性炭フィルタ42の直上の第2内部スペース34に着脱可能に設置される。
【0052】
HEPAフィルタ43は、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)を汚染空気から捕集し、放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)を汚染空気から除去する。
図4では、1つのHEPAフィルタ43が第2筐体18の第2内部スペース34に設置されているが、上下方向へ重なり合う2つ以上のHEPAフィルタ43が第2内部スペース34に設置されていてもよい。
【0053】
HEPAフィルタ43は、その濾材としてガラス繊維(グラスファイバー)が使用されている。HEPAフィルタ43には、四角形のプリーツ形状に成形された所定厚み(10~30mm)および所定面積のプリーツ形状HEPAフィルタ43が使用されている。送風ファン15は、HEPAフィルタ43と第2筐体18の空気給気口36との間の第2内部スペース34に設置されている。送風ファン15は、空気(汚染空気)を第1筐体17の空気流入口25から第1通流経路28に強制的に流入させ、空気(汚染空気)を第2筐体18の空気流入口から第2通流経路39に強制的に流入させるとともに第2筐体18の空気給気口36から外気に強制的に給気する。
【0054】
図5は、一例として示す汚染空気回収機構16の斜視図であり、
図6は、回収ダクト50の上面図である。
図7は、回収ダクト50の側面図であり、
図8は、
図6のA-A線矢視断面図である。
図9は、
図6のB-B線矢視断面図であり、
図10は、
図7のC-C線矢視断面図である。
図5では、回収ホース49を部分的に示し、
図6~
図8,
図10では、回収ホース49、シャッター64、シャッター収容部65の図示を省略している。
【0055】
汚染空気回収機構16(汚染空気回収ユニット)は、回収ホース49、回収ダクト50、レーザー照射装置51(
図14,15参照)から形成されている。なお、本発明に係る汚染空気回収機構16(汚染空気回収ユニット)は、レーザー光を利用したレーザー除染に利用される他、レーザー光を利用したレーザー切断やレーザーマーキング、レーザー光を利用した塗装剥がし、レーザー光を利用した錆落としに利用される。また、電動工具による切断および粉砕、ガス溶断機やプラズマ切断等の熱溶断等に利用される。汚染空気回収機構16は、レーザー光を利用したレーザー切断、レーザーマーキング、レーザー光を利用した塗装剥がし、レーザー光を利用した錆落としの際に発生する塵埃や微粉炭、ガス状の汚染物質を回収し、電動工具による切断および粉砕、熱溶断の際に発生する塵埃や微粉炭、ガス状の汚染物質を回収する。回収ホース49は、一方向へ長い長尺ホースであり、可撓性を有する。回収ホース49には、ゴムホース、樹脂ホース、シリコンホース等を使用することができる。回収ホース49は、第1筐体17の給気流入口25に着脱可能に連結される第1連結端部52(後端部)と、後記する回収ダクト50の空気流出筒部60(空気流出口)に着脱可能に連結される第2連結端部53(先端部)と、それら端部52,53の間に延びる中間部54とを有する。
【0056】
回収ダクト50は、トーラス形(ドーナツ型)に成形され、トーラス形(ドーナツ型)に延びる中空の空気流路55を有する。回収ダクト50は、円環状(ドーナツ型)の内周壁56と、内周壁56につながる円環状(ドーナツ型)の頂壁57と、内周壁56につながって頂壁57と並行して延びる円環状(ドーナツ型)の底壁58と、頂底壁57,58につながって内周壁56と並行して延びる円環状(ドーナツ型)の外周壁59と、外周壁59に開口する空気流出筒部60(空気流出口)とを有する。内外周壁56,59や頂底壁57,58、空気流出筒部60は、金属または合成樹脂から作られている。空気流出筒部60は、外周壁59から径方向外方へ延びている。空気流出筒部60には、回収ホース49の第2連結端部53が着脱可能に連結される。
【0057】
内周壁56には、中空の空気流路55につながる複数の空気流入開口61が作られている。それら空気流入開口61は、内周壁56の上半分に開口し、内周壁56の周り方向へ延びている。それら空気流入開口61は、内周壁56の周り方向へ等間隔離間(所定寸法離間)して並んでいる。頂壁57は、その内周縁が内周壁56の上端縁に気密に固定されている。底壁58は、その内周縁が内周壁56の下端縁に気密に固定されている。外周壁59は、その上端縁が頂壁57の外周縁に気密に固定され、その下端縁が底壁58の外周縁に気密に固定されている。
【0058】
回収ダクト50には、内周壁56に囲繞された所定面積の円形の作業スペース62(レーザー照射スペース)が画成されている。作業スペース62には、レーザー光の照射対象(除染対象)となる円形の処理面域63(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域(被除染箇所))が露出する。なお、回収ダクト50(内周壁56)の直径を変更することで、作業スペース62(レーザー照射スペース)の面積を変更可能であり、作業スペース62に露出する処理面域63の露出面積を変更可能である。また、回収ダクト50が所定面積の作業スペース62を有する四角形や楕円形に成形されていてもよい。レーザー照射装置51は、回収ダクト50の内周壁56に囲繞された作業スペース62に露出する処理面域63にレーザー光を照射し、処理面域63の表面をレーザー光によって削り取り、処理面域63の表面を削り取って処理面域63を除染する。
【0059】
図11は、回収ダクト50の空気流入開口61の開閉の一例を説明する部分拡大正面図であり、
図12は、回収ダクト50の空気流入開口61の開閉の一例を説明する部分拡大側面図である。回収ダクト50の内周壁56には、各空気流入開口61を開閉するシャッター64と、それらシャッター64を収容するシャッター収容部65とが設置されている。
【0060】
それらシャッター64は、金属または合成樹脂から作られた板材であり、内周壁56の内側であって各空気流入開口61に位置して周り方向へ延びている。それらシャッター64の両側部66には、固定ネジ67を挿入する挿入開口68が穿孔されている。挿入開口68は、シャッター64の両側部66において上下方向へ延びている。
【0061】
それらシャッター収容部65は、金属または合成樹脂から作られ、内周壁56の内側に取り付けられている。それらシャッター収容部65は、各空気流入開口61の下方に位置して周り方向へ延びている。それらシャッター収容部65は、空気流入開口61の下方の内周壁56に固定されて内周壁56から径方向内方へ延びる固定部分69と、固定部分69の先端から上方へ延びる延出部分70とを有する。
【0062】
延出部分70は、回収ダクト50の内周壁56と並行して周り方向へ延びている。回収ダクト50の内周壁56とシャッター収容部65の延出部分70との間には、シャッター64が進入するシャッター収容空間71が画成されている。延出部分70の両側には、固定ネジ67を挿入する挿入孔72が穿孔され、内周壁56には固定ネジ67を螺着する螺着孔が形成されている。
【0063】
それらシャッター64は、シャッター収容空間71において上下方向へスライドする。シャッター64の全てがシャッター収容部65のシャッター収容空間71に収容された場合、空気流入開口61が全開となり、シャッター64の下部(挿入開口68の下部)がシャッター収容部65のシャッター収容空間71の上部に位置した場合、空気流入開口61が全閉となるように、シャッター64の上下方向の寸法とシャッター収容部65(延出部分70)のシャッター収容空間71の上下方向の寸法とが調節されている。
【0064】
それらシャッター64をシャッター収容部65(シャッター収容空間71)において上下方向へスライドさせつつ、シャッター64をシャッター収容部65(シャッター収容空間71)の所定の位置で停止させ、シャッター64の挿入開口68と延出部分70の挿入孔72とに挿入された固定ネジ67を内周壁56に螺着することで、シャッター64をシャッター収容空間71(空気流入開口61)の所定の位置で固定することができる。
【0065】
それらシャッター64は、各空気流入開口61において上下方向へスライドすることで、それら空気流入開口61を開閉可能であり、全開と全閉との間でそれら空気流入開口61の開口面積を変更可能(調節可能)である。回収ダクト50では、それらシャッター64によって各空気流入開口61の開口面積を変更することで、回収ダクト50の空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)を調整可能である。シャッター64によって空気流入開口61の開口面積を小さくすることで、空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)が小さくなり、シャッター64によって空気流入開口61の開口面積を大きく開放することで、空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)が大きくなる。
【0066】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、各空気流入開口61において上下方向へスライドするそれらシャッター64によって空気流入開口61の開口面積を変更することで、回収ダクト50の空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)を調整することができるから、汚染空気回収機構16によって回収される汚染空気の風速(風量)をプレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能にあわせて調節することができ、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能を最大限に利用することができる。
【0067】
図13は、他の一例として示す回収ダクト50の上面図である。この回収ダクト50は、その頂壁57の面積が
図4に示す回収ダクト50のそれよりも大きく、回収ダクト50の内周壁56に囲繞された作業スペース62(レーザー照射スペース)の面積が
図5の回収ダクト50のそれよりも小さい。汚染空気回収機構16では、回収ダクト50の頂壁57の面積を変更することで、作業スペース62の面積を変更可能であるとともに作業スペース62に露出する処理面域63の露出面積を変更可能であり、回収ダクト50の空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)を調整可能である。
【0068】
回収ダクト50の頂壁57の面積を大きくすることで、作業スペース62の面積(処理面域63の露出面積)が小さくなり、空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)が小さくなる。回収ダクト50の頂壁57の面積を小さくすることで、作業スペース62の面積(処理面域63の露出面積)が大きくなり、空気流入開口61から空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)が大きくなる。
【0069】
汚染空気回収機構16を備えたレーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10(微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、回収ダクト50の頂壁57の面積を変更することで、回収ダクト50の空気流路55に流入する汚染空気の風速(風量)を調整することができるから、汚染空気回収機構16によって回収される汚染空気の風速(風量)をプレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能にあわせて調節することができ、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能を最大限に利用することができる。
【0070】
図14は、レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10を利用した除染の一例を説明する斜視図であり、
図15は、
図14の上面図である。
図16は、回収ダクト50における汚染空気の回収の一例を示す図であり、
図17は、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43おける汚染空気の流動を説明する図である。
図14~
図17に基づいて処理面域63の除染の手順の一例を説明すると、以下のとおりである。
【0071】
なお、レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10では、シャッター64によって空気流入開口61の開口面積が調節されているとともに回収ダクト50の頂壁57の面積が調節され、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能にあわせて汚染空気回収機構16によって回収される汚染空気の風速(風量)が調節されており、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10)の捕集性能を最大限利用することができるようになっている。
【0072】
回収ホース49の第1連結端部52(後端部)を第1筐体17の給気流入口25に連結し、回収ホース49の第2連結端部53(先端部)を回収ダクト50の空気流出筒部60(空気流出口)に連結し、汚染空気回収機構16を第1筐体17(
図1参照)に連結する。次に、回収ダクト50を処理面域63(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域63)に載置する。回収ダクト50を処理面域63に載置すると、回収ダクト50(内周壁56)に囲繞された作業スペース62(レーザー照射スペース)に除染対象の円形の処理面域63が露出する。
【0073】
レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10のスイッチをONにして送風ファン15を起動する。送風ファン15が起動すると、送風ファン15によって空気が回収ダクト50の内周壁56の空気流入開口61から空気流路55に流入し、空気が回収ダクト50から回収ホース49を通って第1筐体17の空気流入口25から第1通流経路28に流入するとともに、第2筐体18の第2通流経路39に流入し、空気が第2通流経路39を通って第2筐体17の空気給気口36から外気に給気される。
【0074】
空気が第2筐体18の第2通流経路39(第2内部スペース34)に流入すると、プリコート剤13が第2バケット38から上方へ向かって第2通流経路39(第2内部スペース34)に飛散し(舞い上がり)、プリコート剤13がプレフィルタ41の外周面(底壁部44の外面および周壁部45の外面)に付着してプレフィルタ41の外周面にプリコート濾過層40が形成される。
【0075】
回収ダクト50を処理面域63に載置した後、レーザー照射装置51のスイッチをONにし、レーザー照射装置51の先端を作業スペース62(レーザー照射スペース)に向け、
図14,15に示すように、レーザー照射レバーをONにしてレーザー照射装置51から処理面域63(作業スペース62)にレーザー光を照射する。処理面域63にレーザー光を照射すると、レーザー光によって処理面域63の表面が削り取られる。処理面域63(作業スペース62)では、レーザー光によって処理面域63の表面が削り取られることによって、放射性物質に汚染された処理面域63の汚染表面が除去され、処理面域63が除染される。
【0076】
レーザー光によって処理面域63の汚染表面を削り取ると、放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃が発生するとともに、溶融した汚染物が蒸気となった後に冷えて微細なナノメートルサイズの塵埃(粒子)に変わり、放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃を含んだ多数の塵埃が発生する。さらに、放射性物質に汚染されたガスが発生する。
【0077】
放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)を含む塵埃や放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質が処理面域63(作業スペース62)において飛散するが、回収ダクト50の内周壁56に形成された空気流入開口61から回収ダクト50の空気流路55に空気が吸引されており、
図16に矢印L1で示すように、処理面域63(作業スペース62)において飛散した塵埃やガス状の汚染物質が内周壁56の空気流入開口61から回収ダクト50の空気流路55に吸引され、塵埃やガス状の汚染物質の全てが空気流入開口61から空気流路55に流入する。
【0078】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、トーラス形(ドーナツ型)に成形された回収ダクト50の内外周壁56,59と頂底壁56,57とによって処理面域63が囲繞されるから、作業スペース62(レーザー照射スペース)に露出する処理面域63(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域63)にレーザー光を照射し、処理面域63の表面を削り取る際に、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、ナノメートルサイズの塵埃(粒子)および超微細な粉塵を含む塵埃やガス状の汚染物質がトーラス形の回収ダクト50にブロックされて四方に飛散することはなく、それら塵埃やガス状の汚染物質の全てを回収ダクト50の空気流入開口61から空気流路55に流入させることができ、汚染空気回収機構16によってそれら塵埃やガス状の汚染物質の全てを回収することができる。
【0079】
放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃や放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や超微細な粉塵、放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質を含む汚染空気は、回収ダクト50の空気流路55を通流して空気流出筒部60から回収ホース49に流入し、回収ホース49を通流して第1筐体17の空気流入口25(流入口)から第1筐体17の第1内部スペース24に流入するとともに、第1筐体17の第1内部スペース24に設置されたサイクロンセパレータ12(第1通流経路28)に流入する。
【0080】
サイクロンセパレータ12では、その遠心力で汚染空気に混在する塵埃を汚染空気から分離する。サイクロンセパレータ12によって分離された塵埃は、リジェクト部から排出されて第1バケット26に収容される。第1バケット26を第1筐体17から引き出し、第1バケット26に収容された塵埃を第1バケット26から廃棄する。サイクロンセパレータ12の空気流出口から流出した汚染空気は、第1筐体17の空気流出口から第2筐体18の空気流入口に流入し、第2筐体18の第2内部スペース34(第2通流経路39)に流入する。
【0081】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、サイクロンセパレータ12によって汚染空気に混在する塵埃(粒子)を汚染空気から分離することで、サイクロンセパレータ12によって塵埃(粒子)を事前に捕集することができ、プリコート濾過層40やプレフィルタ41、活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43の目詰まりを防止してそれらフィルタ41~43の寿命を延ばすことができる。
【0082】
第2筐体18の第2内部スペース34(第2通流経路39)に流入した汚染空気は、
図17に矢印L1で示すように、それらプレフィルタ41の外周面(底壁部44の外面および周壁部45の外面)からプレフィルタ41の底壁部44および周壁部45を通流し、それらプレフィルタ41の内部空間46に流入する。
【0083】
それらプレフィルタ41の外周面(底壁部44の外面および周壁部45の外面)にはプリコート剤13が付着して所定厚みのプリコート濾過層40が形成されており、汚染空気がプリコート濾過層40を通流する過程において汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された塵埃がプリコート濾過層40に捕集され、放射性物質に汚染された塵埃がプリコート濾過層40によって汚染空気から除去される。さらに、汚染空気がそれらプレフィルタ41の底壁部44および周壁部45を通流する過程において汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃がそれらプレフィルタ41に捕集され、放射性物質に汚染された大きいサイズの塵埃がプレフィルタ41によって汚染空気から除去される。
【0084】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、プリコート剤13によってそれらプレフィルタ41の外周面(底壁部44の外面および周壁部45の外面)にプリコート濾過層40を形成することで、プリコート濾過層40によってプレフィルタ41よりも空隙の小さな空隙を形成し、そのプリコート濾過層40によって小さな粒径の塵埃を捕集することができ、汚染空気から放射性物質に汚染された小さな粒径の塵埃を除去することができる。
【0085】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、プレフィルタ41や活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43の目詰まりを防止してそれらフィルタ41~43の寿命を延ばすことができ、プリコート濾過層40を通過した塵埃をプレフィルタ41に捕集させることができるとともに、プレフィルタ41を通過した微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を活性炭フィルタ42やHEPAフィルタ43に捕集させることができる。
【0086】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、汚染空気が袋状に成形されたそれらプレフィルタ41の外側からプレフィルタ41の底壁部44および周壁部45を通流することで、汚染空気に含まれる所定の大きさの塵埃がプレフィルタ41に確実に捕集されるから、汚染空気から放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃を除去することができるとともに、プレフィルタ41の後流側に設置された活性炭フィルタ42やHEPAフィルタ43が大きいサイズの塵埃によって目詰まりを起こすことはなく、活性炭フィルタ42やHEPAフィルタ43の寿命を延ばすことができ、プレフィルタ41を通過した微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を活性炭フィルタ42やHEPAフィルタ43に捕集させることができる。
【0087】
それらプレフィルタ41の底壁部44および周壁部45を通流した汚染空気は、プレフィルタ41の内部空間46に流入した後、それらプレフィルタ41の上方開口47から流出する。それらプレフィルタ41の上方開口47から流出した汚染空気は、プレフィルタ41の上方(プレフィルタ41の上流側)に設置された活性炭フィルタ42に流入し、活性炭フィルタ42の下面から上面に向かって活性炭フィルタ42を通流する。
【0088】
活性炭フィルタ42では、汚染空気が活性炭フィルタ42を通流する過程において、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や放射性物質に汚染された超微細な粉塵、放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質が活性炭の細孔(直径10~200Å)に吸着捕集され、放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃(粒子)や放射性物質に汚染された超微細な粉塵、放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質が汚染空気から除去される。活性炭フィルタ42では、放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭が捕集されない。放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭は、活性炭フィルタ42を透過する。
【0089】
活性炭フィルタ42を通流した汚染空気は、活性炭フィルタ42の上方(活性炭フィルタ42の上流側)に設置されたHEPAフィルタ43に流入し、HEPAフィルタ43の下面から上面に向かってHEPAフィルタを通流する。HEPAフィルタ43では、汚染空気がHEPAプレフィルタ43を通流する過程において、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭がHEPAフィルタ43に捕集され、放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭がHEPAフィルタ43によって汚染空気から除去される。汚染空気がプリコート濾過層40やプレフィルタ41、活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43を通流することで、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された塵埃や放射性物質に汚染されたガス状の汚染物質が除去された清浄空気が作られる。
【0090】
プリコート濾過層40、プレフィルタ41、活性炭フィルタ42、HEPAフィルタ43を通流して作られた清浄空気は、第2筐体18の空気給気口36(給気口)からレーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置10の外部(外気)へ給気される。プリコート濾過層40やプレフィルタ41に捕集された塵埃は、第2バケット38に収容される。第2バケット38を第2筐体18から引き出し、第2バケット38に収容された塵埃を第2バケット38から廃棄する。
【0091】
汚染空気回収機構16を備えた微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、捕集機構14が汚染空気の通流経路(第2通流経路39)の上流側に設置されたプレフィルタ41とプレフィルタ41の下流側に設置された活性炭フィルタ42と活性炭フィルタ42の下流側に設置されたHEPAフィルタ43とを備え、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された所定の大きさの塵埃をプレフィルタ41で捕集し、汚染空気に含まれる放射性物質に汚染されたナノメートルサイズの塵埃や超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をプレフィルタ41の下流側に設置された活性炭フィルタ42で捕集するとともに、活性炭フィルタ42を通過した汚染空気に含まれる放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭を活性炭フィルタ42の下流側に設置されたHEPAフィルタ43で捕集するから、処理面域63(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域63)の表面にレーザー照射装置からレーザー光を照射し、処理面域の表面を削り取る際に放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質をそれらフィルタ41~43によって確実に捕集することができ、レーザー除染において処理面域63を確実に除染することができるとともに、放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)は、レーザー除染において放射性物質の汚染拡大を防ぐことができ、レーザー除染における内部被ばくを防ぐことができる。
【0092】
微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)に使用する汚染空気回収機構16(汚染空気回収ユニット)は、トーラス形(ドーナツ型)に成形された回収ダクト50の内外周壁56,59と頂底壁57,58とによって作業スペース63が囲繞されるから、作業スペース62(レーザー照射スペース)に露出する処理面域63(各種材料や金属製品、塗装箇所、樹脂成型物等の処理面域63)にレーザー光を照射し、処理面域63の表面を削り取る際に放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質が発生したとしても、微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質がトーラス形の回収ダクト50にブロックされて四方に飛散することはなく、作業スペース62内において微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を確実に回収することができる。汚染空気回収機構16は、レーザー除染において処理面域63を確実に除染することができるとともに、レーザー除染において放射性物質の汚染拡大を防ぐことができ、レーザー除染における内部被ばくを防ぐことができる。
【0093】
微少粉塵・ヒューム捕集装置10(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)に使用する汚染空気回収機構16は、レーザー除染において発生した微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を飛散させることなく微少粉塵・ヒューム捕集装置10に流入させることができ、微少粉塵・ヒューム捕集装置10を利用して放射性物質に汚染された微細な塵埃や微粉炭、ナノメートルサイズの塵埃、超微細な粉塵、ガス状の汚染物質を除去した清浄空気を作ることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 微少粉塵・ヒューム捕集装置(レーザー除染用微少粉塵・ヒューム捕集装置)
11 装置筐体
12 サイクロンセパレータ
13 プリコート剤
14 捕集機構
15 送風ファン
16 汚染空気回収機構(汚染空気回収機構ユニット)
17 第1筐体
18 第2筐体
19 正面壁
20 背面壁
21 頂面壁
22 底面壁
23 両側面壁
24 第1内部スペース
25 空気流入口
26 第1バケット
27 キャスター
28 第1通流経路(空気流路)
29 正面壁
30 背面壁
31 頂面壁
32 底面壁
33 両側面壁
34 第2内部スペース
35 仕切壁
36 空気給気口(給気口)
37 開口(貫通孔)
38 第2バケット
39 第2通流経路(空気流路)
40 プリコート濾過層
41 プレフィルタ
42 活性炭フィルタ
43 HEPAフィルタ
44 底壁部
45 周壁部
46 内部空間
47 上方開口
48 フィルタ取付用アルミフレーム
49 回収ホース
50 回収ダクト
51 レーザー照射装置
52 第1連結端部
53 第2連結端部
54 中間部
55 空気流路
56 内周壁
57 頂壁
58 底壁
59 外周壁
60 空気流出筒部(空気流出口)
61 空気流入開口
62 作業スペース(レーザー照射スペース)
63 処理面域
64 シャッター
65 シャッター収容部
66 両側部
67 固定ネジ
68 挿入開口
69 固定部分
70 延出部分
71 シャッター収容空間
72 挿入孔