(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】自動車の車載空調に基づく安全保護方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
G08B 21/02 20060101AFI20230824BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230824BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/04 K
G08B25/08 B
(21)【出願番号】P 2022502319
(86)(22)【出願日】2020-03-07
(86)【国際出願番号】 CN2020078333
(87)【国際公開番号】W WO2020187067
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】201910199601.2
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521425319
【氏名又は名称】上海弘遥電子研究開発有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HONGYAO ELECTRONIC LABORATORY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 1, Building 6, No.85, Mingnan Road, Songjiang District, Shanghai 201613, China.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】劉旗
(72)【発明者】
【氏名】金丹▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳▲マオ▼
(72)【発明者】
【氏名】庄連萍
【審査官】西巻 正臣
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-063668(JP,A)
【文献】特開2017-218032(JP,A)
【文献】特表2016-507792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/05-5/0538
5/24-5/398
B60H1/00-3/06
F24F11/00-11/89
110/00
120/00
130/00
140/00
G08B19/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状態を検出するステップと、
車両が走行を停止するか否かを判断するステップと、
車両が走行を停止する場合、人体検出を実行し、滞留者信号を発するステップと、
車内に人が滞留している場合に、滞留者が車内に継続している滞留時間を検出するステップと、
滞留時間が合理的な時間を超えると、車内に滞留者がいることを関連連絡者に注意喚起すると同時に、温度監視管理、時間監視管理、及び電力量の監視管理を実行するステップと、を含み、
前記温度監視管理は、
注意喚起温度帯、早期警報温度帯及び警察通報温度帯を予め設定するステップと、
車内温度を検出して取得するステップと、
車内温度が注意喚起温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、車載空調を起動するように関連連絡者に注意を喚起するステップと、
車内温度が早期警報温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、車載空調を自動的に起動し、空調をオンにしたことを関連連絡者に注意喚起するステップと、
車内温度が警察通報温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、システムが車両アラームと警察への通報を起動すると同時に、関連連絡者に知らせるステップと、を含む、
ことを特徴とする自動車の車載空調に基づく安全保護方法。
【請求項2】
さらに、
空調が正常に動作しているか否かを判断し、そうである場合、空調が正常に起動したことを関連連絡者に通知し、そうでない場合、空調の起動に異常があることを関連連絡者に通知するステップと、
車内温度が顕著に改善されるか否かを判断し、そうでない場合、空調効果が低いことを関連連絡者に注意喚起するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車載空調に基づく安全保護方法。
【請求項3】
前記時間監視管理は、
提示時間、早期警報時間及び警察通報時間を予め設定するステップと、
滞留時間が提示時間に達したか否かを判断し、そうである場合、人が車内に長時間滞留することを関連連絡者に提示するステップと、
滞留時間が早期警報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、警察通報が迫っていることを関連連絡者に通知するステップと、
滞留時間が警察通報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、車両アラームと警察への通報を起動し、関連連絡者に知らせるステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車載空調に基づく安全保護方法。
【請求項4】
前記電力量の監視管理は、
車両の残存電力量を検出して読み取るステップと、
限界電力量を予め設定し、残存電力量が限界電力量よりも低いか否かを判断するステップと、
残存電力量が限界電力量よりも低い場合、空調のオンを禁止し、電力量が不足することを関連連絡者に通知するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動車の車載空調に基づく安全保護方法。
【請求項5】
車両の走行停止状態で、車内に人がいるか否かを検出し、滞留者信号を発するための人体検出モジュールと、
車内温度を検出し、車内温度信号を発するための温度検出モジュールと、
前記温度検出モジュールと前記人体検出モジュールに信号接続され、設定されたシステム制御ロジックに基づいて情報処理を行い、各モジュールの動作を制御するための制御モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、車両の走行状態を検出し、状態信号を発するための走行検出モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、滞留者信号は人がいることの場合、計時を開始し、滞留時間信号を発するための計時モジュールと、
車内温度を調節するための車載空調と、
前記車載空調、ボディ部品、電源モジュール及び前記制御モジュールの間に電気的に接続され、制御モジュールから発された信号に応答して、前記車載空調及びボディ部品の作業を制御するための車載ネットワークモジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、空調の起動停止と温度調節を制御し、その動作状態を監視するための空調制御モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、車載ネットワークモジュールの車載SIMカードを介して公安部門に通報し、車載ネットワークモジュールを介してボディ部品を制御することで自動車のブザー及び点滅灯を実現し、車載ネットワークモジュールのクラウドサーバを介してユーザの携帯電話APPに警察通報情報を送信するための警察通報モジュールと、
システムの各回路に給電するための電源モジュールと
、
前記制御モジュール内に設置され、車載ネットワークモジュールにより電源モジュールの残存電力量を取得し、残存電力量信号を前記制御モジュールに送信する電力量監視モジュールと、を含み、
前記制御モジュールは、
車内温度が予めて設定された注意喚起温度帯内にある場合、車載空調を起動するように関連連絡者に注意を喚起し、
車内温度が予めて設定された早期警報温度帯内にある場合、車載空調を起動し、空調をオンにしたことを関連連絡者に注意喚起し、
車内温度が予めて設定された警察通報温度帯内にある場合、車両アラームと警察への通報を起動すると同時に、関連連絡者に知らせる、ことを特徴とする自動車の車載空調に基づく安全保護システム。
【請求項6】
前記車載ネットワークモジュールは、クラウドサーバにデータ接続され、前記クラウドサーバは、ユーザの携帯電話モジュールにデータ接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動車の車載空調に基づく安全保護システム。
【請求項7】
前記人体検出モジュールは、赤外線、超音波、マイクロ波、画像認識、荷重検出の単一又は複数の組み合わせ方式を含むが、これらに限定されない、
ことを特徴とする請求項5に記載の自動車の車載空調に基づく安全保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の安全保護技術分野に関し、より具体的には、新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
社会の発展に伴い、自動車は徐々に多くの家庭に購入され、人々の外出に欠かすことのできない交通手段になる。しかし、灼熱の太陽の下に駐車された乗用車は「オーブン」になることが多く、不注意によって子供が自動車の中に忘れられた場合、その結果は想像に堪えない。
【0003】
従来の自動車の安全保護方法は、システムが自動車の窓を自動的に開ける方式を採用し、換気を通じて車内温度が高くなりすぎて子供の生命安全を危険にさらすことを回避するとともに、周囲の人が助ける手段を提供する。
【0004】
従来技術の使用際には、システムが窓を自動的に開け、周囲の人が子供を救い出すことを容易にすることができるが、それとともに車内の財産が紛失しやすく、使い勝手が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に存在する上記の問題点に鑑み、残された子供の生命安全を確保するとともに車内の財産の紛失を回避する、新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護方法及びそのシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明は、以下の技術的解決手段を採用し、
新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護方法は、
車両の走行状態を検出するステップと、
車両が走行を停止するか否かを判断するステップと、
車両が走行を停止する場合、人体検出を実行し、滞留者信号を発するステップと、
車内に人が滞留している場合に、滞留者が車内に継続している滞留時間を検出するステップと、
滞留時間が合理的な時間を超えると、車内に滞留者がいることを関連連絡者に注意喚起すると同時に、温度監視管理、時間監視管理、及び電力量の監視管理を実行するステップと、を含む。
【0007】
上記技術的解決手段によれば、自動車の停止状態で、車内に滞留者がいるか否かを検出し、滞留者の滞留時間に基づいて、滞留者が閉じ込められているか否かを判断し、子供が車内に閉じ込められている場合、滞留注意喚起により、救援するように関連連絡者に通知し、また、温度監視管理を利用して車内温度を制御し、不適な車内温度により、閉じ込められている子供に被害を与えることを回避し、残られた子供の生命安全を確保するとともに、車内の財物の紛失を回避する。
【0008】
さらに、前記温度監視管理は、
注意喚起温度帯、早期警報温度帯及び警察通報温度帯を予め設定するステップと、
車内温度を検出して取得するステップと、
車内温度が注意喚起温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、車載空調を起動するように関連連絡者に注意を喚起するステップと、
車内温度が早期警報温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、車載空調を自動的に起動し、空調をオンにしたことを関連連絡者に注意喚起するステップと、
車内温度が警察通報温度帯内にあるか否かを判断し、そうである場合、"システムが車両アラームと警察への通報を起動すると同時に、関連連絡者に知らせるステップと、を含む。
【0009】
上記技術的解決手段によれば、検出した車内温度に基づいて、温度があるレベルを判断し、注意喚起レベルでは、車載空調を起動するように関連連絡者に注意を喚起し、早期警報レベルでは、システムが車載空調を自動的に起動し、車内温度を調節し、警察通報レベルでは、車両アラームと警察への通報を起動し、手伝うように周囲の人に注意を喚起すると同時に車体から警察へ通報電話を掛ける。
【0010】
さらに、
空調が正常に動作しているか否かを判断し、そうである場合、空調が正常に起動したことを関連連絡者に通知し、そうでない場合、空調の起動に異常があることを関連連絡者に通知するステップと、
車内温度が顕著に改善されるか否かを判断し、そうでない場合、空調効果が低いことを関連連絡者に注意喚起するステップと、を含む。
【0011】
上記技術的解決手段によれば、空調が正常に動作できることを確保し、空調に故障が発生する場合、関連連絡者に注意を喚起する。
【0012】
さらに、前記時間監視管理は、
提示時間、早期警報時間及び警察通報時間を予め設定するステップと、
滞留時間が提示時間に達したか否かを判断し、そうである場合、人が車内に長時間滞留することを関連連絡者に提示するステップと、
滞留時間が早期警報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、警察通報が迫っていることを関連連絡者に通知するステップと、
滞留時間が警察通報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、車両アラームと警察への通報を起動し、関連連絡者に知らせるステップと、を含む。
【0013】
上記技術的解決手段によれば、滞留者の滞留時間をレベルで分類し、早期警報時間内は人が車内に長時間滞留することのみを関連連絡者に提示し、滞留時間がさらに長くなる場合、関連連絡者に対して早期警報を行い、車体は警察通報が迫っていることを関連連絡者に注意喚起し、滞留時間が警察通報時間に達した場合、車両アラームと警察への通報を起動する。
【0014】
さらに、前記電力量の監視管理は、
車両の残存電力量を検出して読み取るステップと、
限界電力量を予め設定し、残存電力量が限界電力量よりも低いか否かを判断するステップと、
残存電力量が限界電力量よりも低い場合、空調のオンを禁止し、電力量が不足することを関連連絡者に通知するステップと、を含む。
【0015】
上記技術的解決手段によれば、車両の電力量が不足する場合、システムが正常に動作できるように、空調のオンを禁止することでシステムの電力量を節約し、システムを正常に動作させることで、メッセージの送信及び警察への通報を継続可能にする。
【0016】
新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護システムは、
車両の走行停止状態で、車内に人がいるか否かを検出し、滞留者信号を発するための人体検出モジュールと、
車内温度を検出し、車内温度信号を発するための温度検出モジュールと、
前記温度検出モジュールと前記人体検出モジュールに信号接続され、設定されたシステム制御ロジックに基づいて情報処理を行い、各モジュールの動作を制御するための制御モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、車両の走行状態を検出し、状態信号を発するための走行検出モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、滞留者信号は人がいることの場合、計時を開始し、滞留時間信号を発するための計時モジュールと、
車内温度を調節するための車載空調と、
前記車載空調、ボディ部品、電源モジュール及び前記制御モジュールの間に電気的に接続され、制御モジュールから発された信号に応答して、前記車載空調及びボディ部品の作業を制御するための車載ネットワークモジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、空調の起動停止と温度調節を制御し、その動作状態を監視するための空調制御モジュールと、
前記制御モジュール内に設置され、車載ネットワークモジュールの車載SIMカードを介して警察に通報し、車載ネットワークモジュールを介してボディ部品を制御することで自動車のブザー及び点滅灯を実現し、車載ネットワークモジュールのクラウドサーバを介してユーザの携帯電話のアプリケーションに警察通報情報を送信するための警察通報モジュールと、
システムの各回路に給電するための電源モジュールと、を含む。
【0017】
上記技術的解決手段によれば、自動車の停止状態で、車内に滞留者がいるか否かを検出し、滞留者の滞留時間に基づいて、滞留者が閉じ込められているか否かを判断し、子供が車内に閉じ込められている場合、滞留注意喚起により、救援するように関連連絡者に通知し、また、温度監視管理を利用して車内温度を制御し、不適な車内温度により、閉じ込められている子供に被害を与えることを回避し、残られた子供の生命安全を確保するとともに、車内の財物の紛失を回避する。
【0018】
さらに、前記車載ネットワークモジュールは、クラウドサーバにデータ接続され、前記クラウドサーバは、ユーザの携帯電話モジュールにデータ接続される。
【0019】
上記技術的解決手段によれば、クラウドサーバを用いてユーザの携帯電話モジュールに接続することにより、関連する車内情報を関連連絡者に送信することを容易にする。
【0020】
さらに、
前記制御モジュール内に設置され、車載ネットワークモジュールにより電源モジュールの残存電力量を取得し、残存電力量信号を前記制御モジュールに送信する電力量監視モジュールを含む。
【0021】
上記技術的解決手段によれば、監視モジュールを用いて車体の電力量を検出し、電力量が低い場合、電力量を節約して本システムが正常に動作できるように、電力量が不足し、空調をオフにすることを関連連絡者に注意喚起する。
【0022】
さらに、前記人体検出モジュールは、赤外線、超音波、マイクロ波、画像認識、荷重検出の単一又は複数の組み合わせ方式を含むが、これらに限定されない。
【0023】
上記技術的解決手段により、人体検出の精度を効果的に向上させる。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比較し、本発明の有益な効果は、以下のとおりであり、
(1)停止した車両内に子供が閉じ込められている場合、温度監視と滞留注意喚起により、車内温度を調節し、快適な生存環境を提供し、子供を救援するための時間を稼ぎ、関連連絡者が閉じ込められている子供を直ちに救援するために利便性を提供し、残された子供の生命安全を確保するとともに車内の財物の紛失も回避し、
(2)さらに、車内温度をレベル分けで処理することにより、車載空調起動の注意喚起、車載空調の自動起動、及び警察通報動作をそれぞれ採用し、実用性がより高く、
(3)さらに、車載空調の動作を検出することにより、車載空調の正常動作を確保し、空調に故障が発生するか、又は冷房/暖房効果が低い場合、関連連絡者にメッセージを送信し、車載空調の故障を関連連絡者に知らせる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明における方法の全体的な流れのブロック図である。
【
図2】本発明における温度監視管理の流れのブロック図である。
【
図3】本発明における時間監視管理の流れのブロック図である。
【
図4】本発明における電力量監視管理の流れのブロック図である。
【
図5】本発明における信号監視管理の流れのブロック図である。
【
図6】本発明におけるシステムの全体的な構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、技術的解決手段及び有益な効果をより明確にするために、以下、実施例及び図面と結び付けて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。
【0027】
図1に示すように、新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護方法は、
車両の走行状態を検出し、状態信号を発するステップと、
状態信号に応答し、車両が走行を停止するか否かを判断するステップと、
車両が走行を停止する場合、人体検出を実行し、車両の走行停止状態で車内に人が滞留しているか否かを検出し、滞留者信号を発し、検出結果を出力するステップと、
滞留者信号に応答して検出結果を取得し、車内に人が滞留している場合に、滞留者が車内に継続している滞留時間を検出し、滞留時間信号を発するステップと、
滞留時間信号を読み取り、滞留者が車内に継続している滞留時間tを取得し、滞留時間tが合理的な時間を超えると、車内に滞留者がいることを関連連絡者に注意喚起すると同時に、温度監視管理、時間監視管理、及び電力量の監視管理を実行するステップであって、ただし、合理的な時間は、利用者が車内で物を片付けて降車の準備をするために用いられ、合理的な滞留時間に属するステップと、を含む。
【0028】
ただし、滞留注意喚起は、車両の停止状態で車内に人が長時間滞留することを関連連絡者に注意喚起するために用いられ、温度監視管理は、車内温度を調節し、車内温度が高すぎるか低すぎることにより、車内に閉じ込められている子供が被害を受ける状況を回避するために用いられ、時間監視管理は、滞留者が継続して滞留する時間を監視し、子供が車内に長時間閉じ込められると警察へ通報するために用いられ、電力量の監視管理は、車両の電力量を監視し、残存電力量が限界電力量よりも低い場合、空調のオンを禁止し、システムの空調以外の部分が正常に動作するのに十分な車内の残存電力量を確保するために用いられる。
【0029】
図2に示すように、温度監視管理は、
注意喚起温度帯(Tem2~Tem3及びTem4~Tem5)、早期警報温度帯(Tem1~Tem2及びTem5~Tem6)及び警察通報温度帯(>Tem6及び<Tem1)を予め設定するステップであって、ただし、Tem1<Tem2<Tem3<Tem4<Tem5<Tem6、例えば、Tem1は0℃であり、Tem2は5℃であり、Tem3は10℃であり、Tem4は25℃であり、Tem5は30℃であり、Tem6は35℃であるステップと、
車内温度を検出して取得するステップと、
車内温度が注意喚起温度帯内にあるか否かを判断し、注意喚起温度帯は車内の不快な温度帯であり、そうである場合、車載空調を手動で起動して、車内温度を調節するように関連連絡者に注意を喚起するステップと、
車内温度が早期警報温度帯内にあるか否かを判断し、早期警報温度帯は滞留者が車内で長時間生存できない温度帯であり、そうである場合、システムが車載空調を自動的に起動し、車内温度を調節することで、子供が温度の高すぎるか低すぎる車内に閉じ込められることを効果的に回避するステップと、
車内温度が警察通報温度帯内にあるか否かを判断し、警察通報温度は車内温度が高すぎる温度帯であり、そうである場合、車両アラームと警察への通報を起動して警察に救援を求めると同時に、警察へ通報したことを関連連絡者に注意喚起するステップと、
空調が正常に起動したか否かを判断し、そうである場合、空調が起動したことを関連連絡者に通知し、そうでない場合、車載空調の車内温度調節機能がなくなったことを関連連絡者に通知するステップと、
車内温度が改善されるか否かを検出し、そうでない場合、車載空調の温度調節能力が不足することを関連連絡者に直ちに通知することで、関連連絡者が直ちに戻って救援することに利便性を提供するステップと、を含む。
【0030】
図3に示すように、時間監視管理は、
提示時間、早期警報時間及び警察通報時間を予め設定するステップであって、ただし、提示時間<早期警報時間<警察通報時間であるステップと、
滞留時間tが提示時間に達したか否かを判断し、そうである場合、人が車内に長時間滞留することを関連連絡者に通知するステップと、
滞留時間tが早期警報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、警察通報が迫っていることを関連連絡者に通知し、関連連絡者に早期警報を発して、関連連絡者が直ちに戻って警報を解除するために利便性を提供するステップと、
滞留時間tが警察通報時間に達したか否かを判断し、そうである場合、滞留者が車内に滞留得する時間が長すぎ、車両アラームと警察への通報を起動して警察に救援を求め、車両アラームと警察への通報が起動したことを関係連絡者に通知するステップと、を含む。
【0031】
図4に示すように、電力量の監視管理は、
車両の残存電力量を検出して読み取るステップと、
限界電力量を予め設定し、残存電力量が限界電力量よりも低いか否かを判断するステップと、
残存電力量が限界電力量よりも低い場合、システムが相変わらず正常に動作できるように、空調のオンを禁止することでシステムの電力量を節約し、システムが正常に動作している場合、メッセージの送信及び警察通報を継続することができるステップと、を含む。
【0032】
図1及び
図5に示すように、同時に実行する信号監視管理であって、
車体とクラウドとの周期的な通信の応答状況を判断することにより、両者間の通信が正常であるか否かを判断するステップと、
両者の通信が正常でない場合、自動車が走行を停止するか否かを判断し続け、そうである場合、クラウドは、メッセージを関連連絡者に送信し、車体ネットワーク信号が妨害されたことを知らせ、そうでない場合、車体信号灯の点滅、音声などの方式で運転者に提示するステップと、を含む信号監視管理をさらに含む。
【0033】
新エネルギー自動車の車載空調に基づく安全保護システムは、
図6に示すように、走行検出モジュールと、人体検出モジュールと、計時モジュールと、温度検出モジュールと、空調制御モジュールと、電力量の監視モジュールと、制御モジュールと、車載ネットワークモジュールと、電源モジュールと、車載空調やボディ部品などと、を含む。
【0034】
人体検出モジュールは、自動車が走行を停止した場合、車内に人がいるか否かを検出し、滞留者信号を発するために用いられ、人体検出モジュールは、カメラと人体画像認識方式を採用し、車内の適切な位置に赤外線暗視機能付きカメラを取り付けて車内の状況を全天候監視し、既存の熟成された人体画像認識アルゴリズムを用いて、一連の人体に関する属性分析により車内に人が存在するか否かを判断し、判断結果を制御モジュールに送信する。車内に人が存在する場合、カメラは、その時の車内の写真を撮り、携帯電話側のユーザが車内の状況を見るという要求がある場合、写真をユーザの携帯電話に伝送する。人体検出モジュールは、ブルートゥース(登録商標)方式で制御モジュールと情報を伝達する。
【0035】
温度検出モジュールは、車内に人が滞留していると確定した場合、車内温度の検出を開始し、車内温度信号を発するために用いられ、温度検出モジュールは、非接触式の温度センサを用いて車内の多点を見張り、ポートを介して計測して得られた温度信号を制御モジュールに送信してAD変換処理を行う。
【0036】
制御モジュールは、温度検出モジュールと人体検出モジュールに電気的に接続され、設定されたシステム制御ロジックに基づいて情報処理を行い、各モジュールの動作を制御するために用いられ、制御モジュールは、従来技術のワンチップマイコンを用い、制御モジュールと車載ネットワークモジュールとの間の情報伝達はCAN通信(制御情報の伝達)及びブルートゥース(登録商標)(画像の伝達、)により実現される。
【0037】
計時モジュールは、制御モジュール内に設置され、計時モジュールは、従来技術のタイマーを用い、滞留者信号は人がいることの場合、計時を開始し、滞留時間信号を発するために用いられる。
【0038】
走行検出モジュールは、制御モジュール内に設置され、車両の走行状態を検出し、状態信号を発するために用いられ、ここでは、従来技術であるため、車両の走行状態情報を車載ネットワークモジュールから直接取得することができる。
【0039】
車載ネットワークモジュールは、車載空調と制御モジュールとの間に電気的に接続され、制御モジュールから発された信号に応答して車載空調の作業を制御するために用いられ、ただし、車載ネットワークモジュールは、スマート車載端末であるTelematics BOX、略称T-BOXという現在人気のあるクルマのインタビュー技術のコアモジュールを用いて、バックエンドクラウドサービスシステム/携帯電話APPとの通信、及び携帯電話APPの車両情報表示と制御機能を実現することができる。車載T-BOX端末内には、1枚のSIMカードが含まれ、4Gアンテナ、GPSアンテナなどがセットにされ、ブルートゥース(登録商標)、WIFI通信がサポートされ、デュアルコア処理のOBDモジュール、デュアルコア処理のCPUアーキテクチャが備えられ、自動車バスD CAN、B CAN、P CANに関するバスデータとプライベートプロトコルを別々に収集して逆制御を行い、車両状態情報、制御コマンドなどを含むコマンドと情報との伝達を実現し、GPRSネットワークを介してデータをクラウドサーバに送信し(双方向通信)、車体情報をユーザの携帯電話に能動的にフィードバックし、事故の発生を予防するように動的に介入する。車載T-BOX端末に基づいて、車両の空調を能動/遠隔制御し、電話をかけ、携帯電話と通信するなどの機能を実現することができる。端末は信号なしのネットワーク状態にある場合、現在の情報(温度、人体検出情報、車両位置、残存電力量などを含む)を定期的に記録し、ネットワークが修復された時に最新のリアルタイム情報を補報の方式でクラウドに送信する必要がある。
【0040】
警察通報モジュールは、制御モジュール内に設置され、車載ネットワークモジュールの車載SIMカードを介して警察に通報し、通報内容は、設定された音声警察通報情報(車両位置、車両の型番及び色、車両のナンバープレートなどを含む)であり、車載ネットワークモジュールを介してボディ部品を制御することで自動車のホーン及び点滅灯を実現し、車載ネットワークモジュールのクラウドサーバを介してユーザの携帯電話APPに警察通報情報を送信するために用いられる。
【0041】
車載空調は、自動車の空調の冷房や暖房を駆動し、CAN通信ネットワークを介して車載ネットワークモジュールにデータ接続されるために用いられ、車載空調は、CANネットワークを介して制御コマンドを受信し、冷房、暖房又はオフの動作を実行し、空調動作状態を制御モジュールにリアルタイムにフィードバックする。制御モジュール内に空調制御モジュールが設置され、空調の起動停止と温度調節を制御し、その動作状態を監視するために用いられる。空調をオンにした後に車内温度変化と時間との関係を分析することにより車載空調動作の効果を判断し、効果が低い時には結果をユーザにフィードバックする。
【0042】
電源モジュールは、システムの各回路に給電するために用いられ、車載電源をシステムの給電モジュールとして用い、電源の残存電力量情報を制御モジュールにリアルタイムにフィードバックする。CAN通信ネットワークを介して車載ネットワークモジュールに接続される。
【0043】
電力量の監視モジュールは、制御モジュール内に設置され、電源モジュールの残存電力量を検出し、残存電力量状況を判断し、電源モジュールの電力量がシステムの主な機能の動作と警察通報を維持するのに十分なであることを確保するために用いられる。
【0044】
車載ネットワークモジュールは、クラウドサーバにデータ接続され、クラウドサーバは、車載T-BOX端末に基づいて、クラウド技術を用いて構築された情報サービスのバックグラウンドであり、GPRSネットワークを介して車体に接続されて携帯電話と情報のやり取りを行い、バックグラウンドでユーザデータを統合して集中管理する。ユーザによるリアルタイム情報照会、車両の遠隔制御などの機能を実現する。クラウドサーバが車載端末に接続できない場合、最後に車体から受信した情報を携帯電話に送信し、この際に車両と通信できなくなったことを携帯電話に注意喚起し、クラウドサーバがユーザの携帯電話と接続できない場合、携帯電話との通信が回復すると、最新に車体から受信した情報をユーザの携帯電話モジュールに送信する。ユーザの携帯電話APPは、ユーザの要求及び制御コマンドをクラウドサーバと4Gネットワークを介して車載ネットワークモジュールに伝達し、車載ネットワークモジュールは、CANネットワークを介して車内で要求及び制御情報を各モジュールに伝達し、車載ネットワークモジュールは、CANネットワークを介して他の通信インタフェース(ブルートゥース(登録商標))と情報をリアルタイムに取得してクラウドサーバにアップロードし、クラウドサーバは、4Gネットワークを介して情報をユーザの携帯電話のアプリケーションに送信する。
【0045】
以上に記載したように、
本発明は、使用時に、停止した車両内に子供が閉じ込められている場合、温度監視と滞留注意喚起により、車内温度を調節し、快適な生存環境を提供し、子供を救援するための時間を稼ぎ、関連連絡者が閉じ込められている子供を直ちに救援するために利便性を提供し、残された子供の生命安全を確保するとともに車内の財物の紛失も回避し、車内温度をレベル分けで処理することにより、車載空調起動の注意喚起、車載空調の自動起動、及び警察通報動作をそれぞれ採用し、実用性がより高く、車載空調の動作を検出することにより、車載空調の正常動作を確保し、空調に故障が発生するか、又は冷房/暖房効果が低い場合、関連連絡者にメッセージを送信し、車載空調の故障を関連連絡者に知らせる。
【0046】
上記は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、本発明の保護範囲は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の構想の下での技術的解決手段は、いずれも本発明の保護範囲に属する。なお、当業者であれば、本発明の原理から逸脱することなく行われたいくつかの改良及び補正も、本発明の保護範囲と見なされるべきである。