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  • 特許-撮影装置,及び鼻紋照合システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】撮影装置,及び鼻紋照合システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20230824BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230824BHJP
   A01K 11/00 20060101ALI20230824BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230824BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20230824BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230824BHJP
   G06V 10/70 20220101ALI20230824BHJP
【FI】
H04N23/63 330
H04N23/60 500
A01K11/00 E
G03B15/00 Q
G03B17/18
G03B15/00 U
G06T7/00 300
G06V10/70
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022165175
(22)【出願日】2022-10-14
【審査請求日】2023-02-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521499608
【氏名又は名称】株式会社S’more
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】韓 慶燕
(72)【発明者】
【氏名】澤嶋 さつき
【審査官】大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115035570(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112101070(CN,A)
【文献】特開2019-113959(JP,A)
【文献】特開2013-065110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
H04N 23/60
A01K 11/00
G03B 15/00
G03B 17/18
G06T 7/00
G06V 10/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と,
前記撮像部による撮影画像を表示する表示部と,
前記表示部に表示される枠を制御するための枠制御部と,を含む撮影装置であって,
前記枠制御部は,
前記枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように前記表示部に表示される枠を制御し,
前記被写体の輪郭は,非人動物の鼻の輪郭である,
撮影装置であって,
前記非人動物は,イヌであり,
前記被写体の犬種に関する情報を受け取る犬種情報入力部と,
複数の犬種に関する情報と,前記複数の犬種のそれぞれの顔に関する情報と,を記憶する犬種別情報記憶部をさらに有し,
前記犬種情報入力部が受け取った前記被写体の犬種に関する情報と,前記犬種別情報記憶部とを用いて,前記被写体の犬種に応じた形状となるように、前記表示部に表示される枠の形状を制御する,
撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影装置であって,
前記枠制御部は,
前記非人動物の鼻部分を認識できた後に,前記枠が前記表示部に表示されるように制御する,
撮影装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮影装置を用いた鼻紋照合システムであって,
照合対象となる複数の非人動物の識別情報と,前記複数の非人動物の鼻紋に関する情報とを記憶する鼻紋データベースと,
前記撮像部が撮影した前記被写体の画像と前記鼻紋データベースを用いて,前記撮像部により撮影された前記被写体を照合する照合部とを含む,
鼻紋照合システムであって,
前記非人動物はイヌであり,
前記被写体の犬種に関する情報を受け取る犬種情報入力部と,
複数の犬種に関する情報と,前記複数の犬種のそれぞれの顔に関する情報と,を記憶する犬種別情報記憶部をさらに有し,
前記犬種情報入力部が受け取った前記被写体の犬種に関する情報と,前記犬種別情報記憶部とを用いて,前記被写体の鼻が前記撮影画像のうち所定の範囲に位置するように,前記表示部に表示される枠を制御する,鼻紋照合システム
【請求項4】
請求項3に記載の鼻紋照合システムであって,
前記撮像部が撮影した前記被写体の画像に基づいて,前記被写体の姿勢又は前記被写体の顔の向きを解析する被写体状況解析部をさらに有し,
前記枠制御部は,
前記被写体状況解析部が解析した前記被写体の姿勢又は前記被写体の顔の向きに基づいて,前記被写体の顔の輪郭を示す枠を制御するか,被写体が正しい姿勢又は顔の向きとなるような指令を表示部に表示する,
鼻紋照合システム。
【請求項5】
コンピュータに,
撮像部による撮影画像を表示部に表示させる表示工程と,
前記表示部に表示される枠を制御するための工程であって,前記枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように前記表示部に表示される枠を制御する枠制御工程であって,前記被写体の輪郭は,非人動物の鼻の輪郭である工程,と,
を実行させるためのプログラムであって,
前記非人動物は,イヌであり,
前記プログラムは、前記コンピュータに前記被写体の犬種に関する情報を受け取る工程をさらに実行させ、
前記表示部に表示される枠を制御するための工程は、
(1)複数の犬種に関する情報と,前記複数の犬種のそれぞれの顔に関する情報と,を記憶する犬種別情報記憶部と,(2)前記被写体の犬種に関する情報と,を用いて,前記被写体の犬種に応じた形状となるように、前記表示部に表示される枠の形状を制御する工程である,
プログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,撮影装置,及び鼻紋照合システムに関する。より詳しく説明すると,この発明は,照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすい状態で撮影できる撮影装置や,その撮影装置を用いた鼻紋照合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-57724号公報には,カメラの撮影画面中央にフォーカスマークを表示する例が記載されている。特開2012-13486号公報には,被写体を選択するためのフォーカスマークをカメラの撮影画面に表示する例が記載されている。このようにフォーカスマークを用いて撮影対象を選択し,ピントを合わせることは知られている。
【0003】
これらの撮影装置は,撮影対象を選択できるものの,撮影対象部位の大きさや向きを一定にできないなど,照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすいように撮影することは難しい。
【0004】
特許第6567638号公報には鼻紋照合システムが記載されている。特許第6795243号公報には鼻紋照合装置が記載されている。
【0005】
これらの鼻紋照合システムは,照合システムに記憶されている鼻紋の特徴点と照合用に撮影した動物(犬)の鼻部分の向きや大きさが一致していなければ,照合の精度が下がるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2003-57724号公報
【文献】特開2012-13486号公報
【文献】特許第6567638号公報
【文献】特許第6795243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は,照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすい状態で撮影できる撮影装置を提供することを目的とする。
また,この発明は,そのような撮影装置を用いた鼻紋照合システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は,基本的には,被写体(照合システムに用いられる対象)の輪郭を示す枠を表示部に表示することで,照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすいように撮影できるという知見に基づく。
【0009】
この発明の撮影装置1は,撮像部3と,表示部5と,枠制御部7と,を含む。表示部5は,撮影部3による撮影画像を表示するための要素である。枠制御部7は,表示部5に表示される枠を制御するための要素である。具体的に説明すると,枠制御部7は,枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように表示部5に表示される枠を制御する。
【0010】
被写体の輪郭の例は,被写体の顔又は鼻の輪郭である。被写体は,人であってもよいし,人以外の動物(非人動物)であってもよい。
【0011】
この発明の鼻紋照合システム11は,撮影装置1を用いた鼻紋照合システムである。鼻紋照合システム11は,鼻紋データベース13と照合部15とを有する。被写体は,非人動物(例えばイヌ)であることが好ましい。
鼻紋データベース13は,照合対象となる複数の非人動物の識別情報と,複数の非人動物の鼻紋に関する情報とを記憶するための要素である。
照合部15は,撮影部3が撮影した被写体の画像と鼻紋データベースを用いて,撮影部3により撮影された被写体を照合するための要素である。
【0012】
鼻紋照合システム11は,犬種情報入力部21と,犬種別情報記憶部23とをさらに有してもよい。
犬種情報入力部21は,被写体の犬種に関する情報を受け取るための要素である。
犬種別情報記憶部23は,複数の犬種に関する情報と,複数の犬種のそれぞれの顔に関する情報と,を記憶するための要素である。
この場合,枠制御部7は,犬種情報入力部21が受け取った被写体の犬種に関する情報と,犬種別情報記憶部23とを用いて,被写体の鼻が撮影画像のうち所定の範囲に位置するように,表示部5に表示される枠を制御する。
【0013】
鼻紋照合システム11は,被写体状況解析部25をさらに有してもよい。
被写体状況解析部25は,撮影部3が撮影した被写体の画像に基づいて,被写体の姿勢又は被写体の顔の向きを解析するための要素である。
この場合,枠制御部7は,被写体状況解析部25が解析した被写体の姿勢又は被写体の顔の向きに基づいて,被写体の顔の輪郭を示す枠を制御するか,被写体が正しい姿勢又は顔の向きとなるような指令を表示部に表示する。
【0014】
この発明のプログラムは,コンピュータに,
撮影部3による撮影画像を表示部5に表示させる表示工程と,
表示部5に表示される枠を制御するための工程であって,枠は,被写体の輪郭を示す枠となるように表示部5に表示される枠を制御する枠制御工程と,
を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば,照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすい状態で撮影できる撮影装置を提供できる。また,この発明によれば,そのような撮影装置を用いた鼻紋照合システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は,撮影装置の例を説明するためのブロック図である。
図2図2は,表示部に枠が表示された例を示す。図2(a)は犬を普通に撮影し,注意文が表示された例を示す。図2(b)は,鼻紋用画像を撮影する状況となり,枠が表示されるとともに,撮影許可が表示された様子を示す。
図3図3は,鼻紋照合システムの例を説明するためのブロック図である。
図4図4は,鼻紋照合例を説明するためのフローチャートである。
図5図5は,端末に表示された撮影用画面の例である。
図6図6は,鼻紋登録時の例を示す図面に代わる写真である
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下,図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は,以下に説明する形態に限定されるものではなく,以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜修正したものも含む。
図1は,撮影装置の例を説明するためのブロック図である。図1に示されるように,この発明の撮影装置1は,撮像部3と,表示部5と,枠制御部7と,を含む。図1に示されるように,この撮影装置1は,表示部5に表示される文字やアイコンを制御するための表示情報制御部をさらに有してもよい。
【0018】
撮影装置1
撮影装置1は,カメラやビデオなどの画像や映像を撮影できるものであればよい。撮影装置1は,好ましくはデジタル画像やデジタル情報を撮影できるデジタル撮影装置である。撮影装置1の例は,デジタルカメラ,携帯電話,スマートフォン,ポータブルビデオ,携帯パソコン及び携帯端末である。撮影装置1は,これらの要素以外に通常の撮影装置が有する要素を適宜含んでよい。また,撮影装置1は,コンピュータやプロセッサを有してもよい。
【0019】
コンピュータ及びプロセッサは,入力部,出力部,制御部,演算部及び記憶部を有しており,各要素は,バスなどによって接続され,情報の授受を行うことができるようにされている。例えば,記憶部には,プログラムが記憶されていてもよいし,各種情報が記憶されていてもよい。入力部から所定の情報が入力された場合,制御部は,記憶部に記憶されるプログラムを読み出す。そして,制御部は,適宜記憶部に記憶された情報を読み出し,演算部へ伝える。また,制御部は,適宜入力された情報を演算部へ伝える。演算部は,受け取った各種情報を用いて演算処理を行い,記憶部に記憶する。制御部は,記憶部に記憶された演算結果を読み出して,出力部から出力する。このようにして,各種処理や各工程が実行される。この各種処理を実行するものが,各部や各手段である。コンピュータは,プロセッサを有し,プロセッサが各種機能や各種工程を実現するものであってもよい。
【0020】
撮像部3
撮影画像を得るための要素である。撮像部3の例は,携帯端末に内蔵されたカメラ及びビデオカメラである。つまり,撮影画像は,写真でもよいし,動画であってもよい。
【0021】
表示部5
表示部5は,撮影部3による撮影画像を表示するための要素である。表示部5の例は,カメラのファインダーである。表示部5は,撮影装置によって対象物を撮影する前に,撮影者の目で構図を決めたり,ピントを合わせたりするのに使用する表示窓を意味する。この表示窓には,撮影指示をした場合に得られる画像や映像が表示される。撮影装置内には,公知の光学系が設置されている。このため,表示部5に表示される画像や映像が,適切なものとなるように任意の光学的処理がなされてもよい。表示部は,液晶であってもよいし,有機ELパネルであってもよいし,タッチパネル式のパネルであってもよい。
【0022】
枠制御部7は,表示部5に表示される枠を制御するための要素である。具体的に説明すると,枠制御部7は,枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように表示部5に表示される枠を制御する。被写体の輪郭は,被写体の一部の輪郭であってもよく,具体的な輪郭の例は,被写体の顔の輪郭又は被写体の鼻の輪郭である。輪郭の位置は,表示部の表示領域(画面)において固定されていてもよいし,表示領域における被写体の位置(輪郭を示す部位の位置や大きさ)に応じて,位置又は大きさのいずれか又は両方が変動するものであってもよい。被写体の輪郭を示す枠となるように表示部5に表示される枠を制御するものの例は,被写体の鼻が鼻紋認証に適切なものとなるように,表示部5に表示される鼻の輪郭を示す枠を制御するものである。記憶部は,枠の形状,色及び大きさに関する情報を記憶しており,枠制御部7は,記憶部から枠の形状,色及び大きさに関する情報を読み出して,表示部に表示される枠5を制御してもよい。
【0023】
図2は,表示部に枠が表示された例を示す。図2(a)は犬を普通に撮影し,注意文が表示された例を示す。図2(b)は,鼻紋用画像を撮影する状況となり,枠が表示されるとともに,撮影許可が表示された様子を示す。被写体は,人であってもよいし,人以外の動物(非人動物)であってもよい。輪郭は,個人差や個体差があるため,対象の輪郭と完全に一致している必要はない。輪郭は,対象となる被写体がおよそ輪郭を目印にして撮影されることを誘導できればよい。特に対象がイヌの場合,撮影者は,顔全体や体全体を撮影しがちである。そのような場合,鼻紋認証を行うための情報を得にくいという問題がある。このため,犬の鼻の輪郭を表示することで,撮影画像としては,犬の顔が分からなくなっても,照合には好ましい撮影画像や撮影映像を得ることができる。
【0024】
この撮影装置は,アプリケーションを起動した後に,被写体の有無に寄らず枠9が表示部に表示されるようにしてもよいし,被写体の鼻部分を認識できた後に,枠9が表示部に表示されるようにしてもよい。さらに,後述するように犬種を把握できた後に,犬種に応じた枠9が表示部に表示されるようにしてもよい。また,この撮影装置は,犬の状況を分析し,鼻紋認証に十分か否か判断する演算を演算部に行わせ,対応する注意文8(状況表示文)を表示部に表示してもよい。注意文の例は,「もっと近づけて!」,「カメラを左に回して」,「鼻が枠一杯になるように」,「鼻くっきり」,「撮影して!」,及び「目は,ぼやけてもOK」といったものである。撮影装置は,鼻紋認証に十分か否か判断する演算を演算部に行わせ,鼻紋認証に十分でない場合は,対応した指示を表示部に表示し,鼻紋認証に十分である場合はその旨を表示部に表示するようにしてもよい。
【0025】
図2(b)の例では,枠が表示画面の幅の1/4程度であった。この枠9内に鼻が大きく入るようにされることが望ましい一方,あまりに大きいと撮像部と被写体が近くなりすぎる。このため,表示部5の表示画面の幅をwとし,枠9の幅をwとすると,0.1w≦w≦wが好ましく,0.2w≦w≦wが好ましく,0.3w≦w≦0.95wが好ましく,0.3w≦w≦0.9wが好ましく,0.35w≦w≦0.8wが好ましく,0.5w≦w≦0.95wでもよい。枠の形状は,矩形,角をとった矩形や,多角形,楕円,円などであってもよく,犬種ごとの鼻の形に応じたものであってもよい。枠の高さ(枠の最も下端から最も上端までの高さの差)をhとすると,枠の高さは,対象となる犬種などによって適宜調整すればよく,0.4w≦h≦wが好ましい。
【0026】
鼻紋照合に用いられる鼻紋の画像や映像を適切に撮影することは難しい。照合用の画像は,鼻が正面を向いた状態で,鼻紋が分かるように明るくくっきりとしており,画面上鼻が大きく撮影されることが重要である。そのように撮影するために,犬の鼻の輪郭をファインダーに表示したり,犬の顔の輪郭を表示する。犬の顔の輪郭は,犬が可愛く撮影されるための輪郭ではなく,鼻紋の照合をしやすい画像や映像を撮影できるように誘導するための輪郭である。犬の目や,耳,体などはぼやけてしまっても構わない。
【0027】
撮影装置1は,後述する,鼻紋照合用の鼻紋データベース13に記憶される鼻紋画像や鼻紋情報を得るために用いることができる。また,撮影装置1は,鼻紋照合システム11を用いて,撮影した犬を照合するために用いることもできる。
【0028】
鼻紋照合システム11
鼻紋照合システム11は,携帯端末が撮影した対象物(例えば迷い犬)の画像や映像に基いて,データベースと照合し,その対象物(例えば迷い犬)に関する情報(例えば持ち主に関する情報)を得るためのシステムである。
この発明の鼻紋照合システム11は,例えば上記した撮影装置1を含んだシステムであってもよいし,上記した撮影装置1から撮影データを受け取って鼻紋照合を行うシステムであってもよい。さらにこの鼻紋照合システム11は,撮影装置1に対して情報を出力し,撮影装置1の制御を行うことができるものであってもよい。つまり,この発明の鼻紋照合システム11は,撮影装置1を用いた鼻紋照合システムである。システムは,例えば,各端末とインターネットなどのネットワークにより情報の授受を行える態様で接続されていてもよい。
【0029】
図3は,鼻紋照合システムの例を説明するためのブロック図である。図3に示されるように,鼻紋照合システム11は,鼻紋データベース13と照合部15とを有する。被写体は,非人動物(例えばイヌ)であることが好ましい。
【0030】
鼻紋照合に必要な情報やアルゴリズムは,例えば,特許第6567638号公報や特許第6795243号公報に記載される通り公知である。この鼻紋照合システム11は,公知のアルゴリズムや要素を適宜用いて鼻紋照合を行えばよい。
【0031】
以下,犬を例にして説明する。犬を他の動物に読み替えることで,犬以外の動物にもこの発明を適用できる。
鼻紋データベース13は,照合対象となる複数の非人動物(犬)の識別情報と,複数の非人動物(犬)の鼻紋に関する情報とを記憶するための要素である。鼻紋に関する情報は,鼻紋照合に用いられるアルゴリズムに応じて適宜調整すればよい。例えば,鼻紋画像同士を比較する場合は,鼻紋画像を記憶しておけばよい。また,鼻紋画像は,2値化データであってもよいし,グレイスケールデータであってもよい。鼻紋に関する情報は,特徴点に関する情報であってもよい。特徴点に関する情報の例は,鼻紋に含まれる1又は複数の分岐点の形と位置に関する情報である。鼻紋データベース13には,犬の持ち主に関する情報(氏名,連絡先,メールアドレスなど)が記憶されてもよい。
【0032】
照合部15は,撮影部3が撮影した被写体の画像に基づく情報と鼻紋データベースから読み出した情報を用いて,撮影部3により撮影された被写体を照合するための要素である。撮影部3が撮影した被写体の画像から抽出される情報を用いて,照合を行ってもよい。以下,鼻紋照合の例を説明する。図3は,鼻紋照合例を説明するためのフローチャートである。図中Sはステップ(工程)を意味する。
【0033】
事前登録工程(S101)
この例では,犬αの飼い主Aが,犬αについて,撮影装置1を用いて事前に犬αの鼻紋を撮影し,鼻紋データベース13に飼い主Aの連絡先のほか,犬αの鼻紋照合に必要な情報を記録してある。そして,飼い主Aは,犬αがいなくなったため,このシステムに関するアプリケーションを起動し,システムに犬αがいなくなったことを入力する。すると,飼い主Aの端末から,システムに犬αがいなくなったことに関する情報が,送信され,システムに,犬αがいなくなったという情報が入力される。すると,鼻紋データベース13に,犬αと関連して,迷い犬情報が記憶される。
【0034】
鼻紋撮影工程(S102)
あるユーザAが,迷い犬αを発見する。このユーザAは,この迷い犬αの挙動から,ナ良い犬ではないかと考える。そこで,ユーザAは,迷い犬αを撮影し,撮影した迷い犬αの画像をシステムに送信する。すると,システムには,迷い犬αの画像が入力される。システムは,その迷い犬αの画像から,鼻紋情報を抽出してもよい。
【0035】
このユーザAが,この鼻紋照合システム11に関するアプリケーションを携帯端末(例えばスマートフォン)にダウンロード等していた場合,ユーザAは,そのアプリケーションを起動する。すると,スマートフォンの記憶部からアプリケーションが読み出され,スマートフォンの表示画面に,撮影用の枠が表示される。ユーザAは,この枠に基づいて,迷い犬αの鼻部分を撮影する。撮影画像(又は映像)は,スマートフォンの記憶部に記憶される。そのアプリケーションに関するプログラムは,撮影画像(又は映像)が,鼻紋認証に十分か否か判断する演算を演算部に行わせ,その結果を表示部に出力する。ユーザAが迷い犬αの鼻部分の撮影を必要があれば繰り返して,アプリケーションに関するプログラムは,撮影画像(又は映像)が,鼻紋認証に十分であると判断した場合,ユーザAのスマートフォンから必要な情報がシステムサーバへとインターネットを介して出力される。ユーザAのスマートフォンから出力された情報は,システムサーバへ入力される。必要な情報は,鼻紋照合のアルゴリズムによって異なっていてもよい。必要な情報には,迷い犬αの撮影場所の情報の他,鼻紋照合に必要な情報(例えば鼻紋画像,及び特徴点に関する情報のいずれか又は両方)を含んでいてもよい。
【0036】
鼻紋照合工程(S103)
鼻紋データベース13は,照合対象となる複数の非人動物(犬)の識別情報と,複数の非人動物(犬)の鼻紋に関する情報とを記憶している。ここではこれらをまとめて識別情報とよぶ。システムは,鼻紋データベース13から,照合に必要な識別情報を読み出し,鼻紋照合を行う。鼻紋照合のためのアルゴリズムは公知である。まずは,犬種を絞り,その後に,特定の犬の鼻紋を照合してもよい。この場合,システムに入力された鼻紋照合に必要な情報を用いて,犬種を求め,そのうえで, 鼻紋データベース13に含まれる特定の犬種についても照合に必要な情報を読み出して,マッチングを行ってもよい。マッチングは,機械学習による画像認証を行ってもよいし,特徴点に関する情報を用いたマッチングを行ってもよい。撮影装置1から,鼻紋照合に必要な鼻紋に関する情報である鼻紋情報が,照合部15に入力されてもよい。また,撮影装置1から出力された鼻紋を含む画像に基づいて,照合部が鼻紋情報を求める演算を行い,鼻紋情報を得てもよい。照合部15は,識別情報と鼻紋情報とを用いて,マッチングを行えばよい。
【0037】
照合結果出力工程(S104)
鼻紋照合工程(S103)で,鼻紋データベース13に登録された犬とヒットしなかった場合,鼻紋照合システム11は,対象となる犬がいなかった旨の照合結果を,ユーザAの携帯端末(例えばスマートフォン)に出力する。ユーザAのスマートフォンは,照合結果を受取り,表示部にその照合結果を表示する。すると,ユーザAは,迷い犬αが,鼻紋照合システム11に登録された犬ではないと諦めるか,再度撮影を行って,迷い犬αの特定を行う。
【0038】
一方,鼻紋照合工程(S103)で,鼻紋データベース13に登録された犬とヒットした場合,鼻紋照合システム11は,対象となる犬がいた旨の照合結果を,ユーザAの携帯端末(例えばスマートフォン)に出力する。この場合,1又は複数(例えば9~15匹まで)の犬の候補(の写真など)がユーザAのスマートフォンに表示されてもよい。そのうえで,ユーザAが正しい犬を選択するようにしてもよい。鼻紋照合システム11は,鼻紋データベース13に記憶された迷い犬α(鼻紋照合システム11における犬a)に関する情報のうち開示してもよいとして記憶されている情報をユーザAのスマートフォンに出力してもよい。例えば,その情報に,犬aの全体写真が含まれている場合,ユーザAは表示された犬aと迷い犬αとが同じであるかそうでないか確認できる。
【0039】
この場合,ユーザAのスマートフォン(表示端末)の表示部には,例えば「迷い犬発見!」といった撮影した犬が迷い犬であった旨の通知がなされてもよい。システムが,ユーザAにより情報が送られた犬が,迷い犬αであることを把握した後,迷い犬を発見した旨の表示情報を,ユーザAの端末に出力する。すると,その情報を受けたユーザAの端末は,その表示部に上記の表示文を表示する。この際,システムは,迷い犬発見に関するポイントを記憶部に記憶しておき,ユーザAの端末にポイントを送信してもよい。すると,ユーザAの端末には,迷い犬を発見したことに関するポイントが加算されて,記憶されることとなる。
【0040】
鼻紋データベース13は,犬aの飼い主に関する情報を記憶している。この犬aの飼い主Aに関する情報には,飼い主AのアプリケーションのIDなどの通信情報を含んでもよい。すると,鼻紋照合システム11は,通信情報を用いて,飼い主Aの携帯端末(例えばスマートフォン)に対して,必要な情報を出力する。必要な情報の例は,迷い犬αの撮影場所の情報である。飼い主A(ユーザB)が,鼻紋照合システム11に関するアプリケーションを起動する。すると,アプリケーションに関して,犬aが撮影された日時及び場所に関する情報が送信されている。このため,ユーザBは,犬aが撮影された日時及び場所に関する情報を得ることができることとなる。
【0041】
撮影装置1又は鼻紋照合システム11は,犬種情報入力部21と,犬種別情報記憶部23とをさらに有してもよい。
犬種情報入力部21は,被写体の犬種に関する情報を受け取るための要素である。被写体の犬種の例は,トイプードル,チワワ,ロングコートチワワ,柴犬,タイニープードル,フレンチブルドッグ,ミニチュアダックスフンド,豆柴,ポメラニアン,ミニチュアシュナウザー,ティーカッププードル,シーズー,パグ,カニンヘンダックスフンド,ヨークシャーテリア,スムースコートチワワ,コーギー,ボストンテリア,秋田犬,ゴールデンレトリバー,パピヨン,マルチーズ,スタンダードプードル,ラブラドールレトリバー,ミニチュアピンシャー,ペキニーズ,ブルドッグ,ビーグル,ボーダーコリー,ビションフリーゼ及び犬種不明である。これらは,プルタブ形式になっており,ユーザが選択することにより犬種に関する情報が,システムに入力されるようになっていてもよい。例えば,ユーザがアプリケーションを起動し,犬種に関する情報を入力するモードとなったとき,スマートフォンの記憶部から,上記の犬種に関する情報を選択させるための情報が読み出され,ユーザのスマートフォンに表示される。ユーザがいずれかの犬種を選択すると,選択された犬種に関する情報は,スマートフォンに適宜記憶される。そして,選択された犬種に関する情報は,ユーザのスマートフォンからシステム11へ出力される。システム11は,選択された犬種に関する情報をユーザに関する情報とともに記憶部に記憶する。このようにして,鼻紋データベース13にユーザに関する情報とともに,飼い犬の犬種に関する情報が記憶される。
【0042】
犬種別情報記憶部23は,複数の犬種に関する情報と,複数の犬種のそれぞれの顔(又は鼻)に関する情報と,を記憶するための要素である。複数の犬種のそれぞれの顔に関する情報の例は,適切な鼻を含む画像を撮影するための表示部に表示する複数の犬種のそれぞれの枠に関する情報である。犬種が不明の場合は,一般的な表示枠を表示部に表示させればよい。一方,犬種によって,鼻の形や,顔に占める鼻の位置が異なっている。このため,犬の種類に応じて,適切な鼻用の輪郭や,顔用の輪郭を表示部に表示させることが好ましい。犬種によっては,鼻の枠が略三角形であったり,略楕円であったり,略円形であったりしてよい。顔の輪郭を示す枠は,犬の顔がしっかりと撮影される枠ではなく,鼻紋照合に適した顔の位置となるようにされた枠であることが好ましい。
【0043】
犬種別情報記憶部23は,犬種に応じた顔及び鼻のいずれか又は両方の色に関する情報を記憶しているものが好ましい。
【0044】
この場合,枠制御部7は,犬種情報入力部21が受け取った被写体の犬種に関する情報と,犬種別情報記憶部23とを用いて,被写体の鼻が撮影画像のうち所定の範囲に位置するように,表示部5に表示される枠を制御する。枠制御部7は,犬種情報入力部21が受け取った被写体の犬種に関する情報を用いて,犬種別情報記憶部23から入力された犬種に対応した顔に関する情報(表示枠に関する情報)を読み出し,表示部に読み出された枠を表示する。すると,被写体の鼻が撮影画像のうち所定の範囲に位置するように(所定の向きとなるように)枠が表示される。すると,その枠を用いて撮影された画像または映像は,鼻紋認証に好ましく用いることができるものとなる。また,犬種別情報記憶部23は,犬種に応じた鼻の色に関する情報を記憶している場合,枠が犬の顔や鼻の色に対応したものとなるような演算を行い,そのような色の枠を表示部が表示できるようにするものが好ましい。例えば,顔や鼻が黒い犬の場合,枠が黒いと見分けがつかない。このような場合,例えば,枠制御部7は,明度の高い色(例えば白や黄色)を記憶部から読み出して,枠の色として明度の高い色を出力する。すると,表示部には,枠として明度の高い色が表示されるので,ユーザは,犬の鼻が枠内に来るように調整できる。反対に犬の顔や鼻が白い場合は,枠の色を白ではない色となるように制御することが好ましい。
【0045】
撮影装置1又は鼻紋照合システム11は,被写体状況解析部25をさらに有してもよい。
被写体状況解析部25は,撮影部3が撮影した被写体の画像に基づいて,被写体の姿勢又は被写体の顔の向きを解析するための要素である。撮影部3が被写体を撮影する。すると,撮影装置1の記憶部に撮影画像が適宜記憶される。撮影装置1の制御部は,記憶部に記憶された撮影画像を読み出すとともに,撮影画像を鼻紋照合システム11に出力する。撮影画像を受け取った,鼻紋照合システム11は,撮影画像を鼻紋照合システム11に入力し,適宜記憶部に記憶する。鼻紋照合システム11は,記憶部からプログラムを読み出すとともに,記憶部から撮影画像を読み出す。そして,鼻紋照合システム11は,読み出した画像を解析し,被写体の姿勢及び被写体の顔の向きのいずれか又は両方を解析する。解析された被写体の姿勢の例は,鼻が画面の右上に存在する(鼻のおおよその位置を特定した)姿勢である,画面より近い,画面より遠い,鼻が撮影されていない姿勢である,鼻がぼやける姿勢であるといったものである。例えば,システムは,被写体の画像から,鼻の領域を分析する。そのうえで,枠9の領域に比べ,鼻の領域の面積が一定値以下の場合,被写体が撮影部から遠いと判断する。すると,システムは,記憶部から「もっと近づいて!」という被写体にもっと近づかせるための注意文を読み出し,撮影装置の表示部に表示させる。すると,枠が,被写体の鼻の輪郭を示す枠となるように制御できることとなる。
【0046】
また,解析された被写体の顔の向きの例は,正しい撮影位置より顔の向きが上向き,下向き,右向き,及び左向きといったものである。たとえば,システムは,被写体の鼻部分を認識する。そして,システムは,鼻部分の中心線を把握する。鼻部分のうち,中心線の右側の領域の面積をSnrとし,鼻部分のうち,中心線の左側の領域の面積をSnlとする。この場合,SnrとSnlとの比率によって,鼻が鼻紋認証を行うことができる方向であるかを解析してもよい。システムが,鼻紋画像に基づいてSnrとSnlとを求める演算を行うとともに,SnrとSnlとの比率を求める。システムは,SnrとSnlとの比率に関する閾値を記憶しており,その閾値を読み出すとともに,SnrとSnlとの比率と閾値とを比較し,SnrとSnlとの比率がその閾値以下(又は閾値未満)の場合は,鼻の向きが正しい(鼻紋認証に十分である)と判断する。一方,SnrとSnlとの比率がその閾値を超える(又は閾値以上)の場合は,SnrとSnlのうち大きい方が小さくなるように,撮影部を制御するように,注意文8を表示部5に表示すればよい。注意文の例は,「鼻の右側が大きく写るように!」「カメラをちょっと右に向けて!」などである。SnrとSnlのうち大きい方を分母にした場合の閾値の例は,0.95以上1以下でもよいし,0.9以上1以下でもよいし,0.85以上1以下でもよいし,0.8以上1以下でもよいし,0.75以上1以下でもよいし,0.7以上1以下でもよい。このようにすると,枠が,鼻紋認証に適切な被写体の鼻の輪郭を示す枠となるように制御できることとなる。
【0047】
この場合,枠制御部7は,被写体状況解析部25が解析した被写体の姿勢又は被写体の顔の向きに基づいて,被写体の顔の輪郭を示す枠を制御するか,被写体が正しい姿勢又は顔の向きとなるような指令を表示部に表示する。例えば,被写体状況解析部25が被写体の鼻が表示画面のある領域(例えば右上部分)に存在すると判断した場合,枠をその花が存在する領域に表示するようにしてもよい。また,被写体の姿勢が画面より遠い場合は,画面に近づくように注意を表示部に表示するようにすればよい。さらに,例えば,被写体が正しい撮影位置に比べて顔の向きが下を向いているときは,もっと上を向くように指示を出してもよいし,上を向いた時の鼻の形状となるような枠を表示部に表示してもよい。このように,被写体の現状を把握したうえで,照合しやすいような鼻部分の画像や映像を撮影できるように,枠を表示部に表示したり,注意文を表示することが好ましい。これらは,状況に応じて,表示部に表示する枠や注意文を記憶部に記憶しておき,被写体状況解析部25が解析した被写体の姿勢又は被写体の顔の向きに基づいて,記憶部から枠の情報や注意文に関する情報を読み出し,読み出した枠の情報や注意文に関する情報に基づいて,表示部に適切な表示を行えばよい。
【0048】
この発明のプログラムは,コンピュータに,上記したいずれかの方法を実行させるためのものである。例えば,このプログラムは,コンピュータに,撮影部3による撮影画像を表示部5に表示させる表示工程と,表示部5に表示される枠を制御するための工程であって,枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように表示部5に表示される枠を制御する枠制御工程と,を実行させるためのプログラムである。このプログラムは,上記した撮影装置や鼻紋照合システム11を実装するための各種プログラムであってもよい。また,このプログラムは,非一時的記録媒体(例えば,CD-ROM)に記憶されてもよい。
【実施例
【0049】
迷い犬を検出するための鼻紋照合システムを作成した。このシステムは,携帯端末にアプリケーションをダウンロードすることで,各端末とサーバとで情報のやり取りを行うことができるようにされる。各端末とサーバとはインターネットなどのネットワークを通じて情報の授受ができるようにされている。
【0050】
図5は,端末に表示された撮影用画面の例である。この例では,5秒以内の動画を携帯端末で撮影し,撮影した動画をサーバに送信する。すると,サーバは,動画が鼻紋認証に十分であるか否か判定し,その結果を携帯端末に出力する。携帯端末のアプリケーションは,撮影された画像や動画が,鼻紋認証に十分であるか否か判定し,注意文を携帯端末の表示部に表示してもよい。
【0051】
図6は,鼻紋登録時の例を示す図面に代わる写真である。この例では,犬の表情などはぼやけてしまい,犬の写真又は動画としては適切ではない。一方,この例では,表示部に枠が表示されているので(さらに適宜注意文で最適な撮影ができるように指示されたため),鼻紋照合に最適な映像を撮影できている。通常のユーザであれば,このような犬の表情が不鮮明な写真や動画を積極的に撮影できない。しかし,この撮影装置やシステムを利用することで,鼻紋照合に適切な画像を撮影できることとなった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
この発明は,情報通信産業において利用されうる。
【符号の説明】
【0053】
1 撮影装置
3 撮像部
5 表示部
7 枠制御部
8 注意文(状況表示文)
9 枠
11 鼻紋照合システム
13 鼻紋データベース
15 照合部
21 犬種情報入力部
23 犬種別情報記憶部
25 被写体状況解析部

【要約】      (修正有)
【課題】照合システムに用いられる対象の部位を照合しやすい状態で撮影できる撮影装置,鼻紋照合システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】撮像部と,撮影部による撮影画像を表示する表示部と,表示部に表示される枠を制御するための枠制御部と,を含む撮影装置であって,枠制御部は,枠が,被写体の輪郭を示す枠となるように表示部に表示される枠を制御する撮影装置や,撮影装置を用いた鼻紋照合システムであって,被写体は,非人動物であり,照合対象となる複数の非人動物の識別情報と,複数の非人動物の鼻紋に関する情報とを記憶する鼻紋データベースと,撮影部が撮影した被写体の画像と鼻紋データベースを用いて,撮影部により撮影された被写体を照合する照合部と,を含む。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6