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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】現金取扱装置及び現金取扱方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20230824BHJP
   G07D 11/235 20190101ALI20230824BHJP
【FI】
G07D11/14
G07D11/235
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019080100
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020177505
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2022-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】安枝 徹
(72)【発明者】
【氏名】堀場 佳夫
【審査官】沖田 孝裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-204549(JP,A)
【文献】特開昭62-100891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/14
G07D 11/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対して現金を渡すための現金取扱装置であって、
前記使用者に対して現金を渡すための現金取扱口と、
前記現金取扱口の内部の前記使用者に対して奥側の範囲における物体の存否を検出する第1センサと、
前記現金取扱口の内部の前記使用者に対して手前側の範囲における物体の存否を検出する第2センサと、
前記現金取扱口に前記使用者が受け取り可能に現金が放出された後に、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を開始し、(1)前記第2センサにより物体が検出されなくなった後に、前記第1センサにより物体が検出されていたのに、その後検出されなくなったことにより、前記第1センサ及び前記第2センサにより物体が検出されなくなった場合に、前記現金取扱口に放出された前記現金を前記使用者が抜き取っていないと判断して、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を継続し、(2)前記第2センサにより物体が検出されなくなった後に、前記第1センサにより物体が検出されることなく、前記第1センサ及び前記第2センサにより物体が検出されなくなった場合に、前記現金取扱口に放出された前記現金を前記使用者が抜き取ったと判断して、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を終了する
現金取扱口制御部と、
を備え
現金取扱装置。
【請求項2】
前記現金取扱口の前記使用者側の開口部を開閉可能なシャッタを有し、
前記現金取扱口制御部は、
前記現金取扱口に前記使用者が受け取り可能に現金が放出された後に、前記シャッタを開き、前記現金取扱口に放出された前記現金を前記使用者が抜き取ったと判断した場合に、前記シャッタを閉じる
請求項に記載の現金取扱装置。
【請求項3】
使用者に対して現金を渡すための現金取扱装置による現金取扱方法であって、
前記現金取扱装置は、
前記使用者に対して現金を渡すための現金取扱口と、
前記現金取扱口の内部の前記使用者に対して奥側の範囲における物体の存否を検出する第1センサと、
前記現金取扱口の内部の前記使用者に対して手前側の範囲における物体の存否を検出する第2センサと、を有し、
前記現金取扱装置の現金取扱口制御部は、
前記現金取扱口に前記使用者が受け取り可能に現金が放出された後に、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を開始し、
前記第2センサにより物体が検出された後に、(1)前記第2センサにより物体が検出されなくなった後に、前記第1センサにより物体が検出されていたのに、その後検出されなくなったことにより、前記第1センサ及び前記第2センサにより物体が検出されなくなった場合に、前記現金取扱口に放出された前記現金を前記使用者が抜き取っていないと判断して、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を継続し、(2)前記第2センサにより物体が検出されなくなった後に、前記第1センサにより物体が検出されることなく、前記第1センサ及び前記第2センサにより物体が検出されなくなった場合に、前記現金取扱口に放出された前記現金を前記使用者が抜き取ったと判断して、前記第1センサ及び前記第2センサによる物体の存否の検出を終了する
現金取扱方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば金融機関などに設置される自動取引装置に実装され、現金を取扱う現金取扱装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関などに設置される自動取引装置は、紙幣や硬貨等の現金を入出金するために現金取扱装置を実装している。現金取扱装置には、入出金口(現金取扱口)への内部からの入出金処理を行っている最中の使用者による現金へのアクセスを防止するために入出金口にシャッタを実装しているものがある。
【0003】
このような現金取扱装置は、入金取引において、現金を入出金口から取り込んでいる最中は入出金口のシャッタを閉じたままにしており、入金後に返却する現金があれば入出金口のシャッタを開き、返却する現金が入出金口から抜き取られたことを検知したらシャッタを閉じて入金取引を完了している。また、現金取扱装置は、出金取引において、現金を入出金口に放出している最中は入出金口のシャッタを閉じたままにしており、入出金口への出金(放出)が正常に完了したら入出金口のシャッタを開き、出金した現金が使用者により入出金口から抜き取られたことを検知したらシャッタを閉じて出金取引を完了している。
【0004】
現金が入出金口から抜き取られたことを検知する手段として、入出金口内に配置された光学センサ等を用いて光学センサ等の検出範囲に遮光物がなければ入出金口内から現金が抜き取られたものと判断する方法がある。
【0005】
例えば、特許文献1には、入出金口のシャッタの開閉を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開昭62-274390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した現金取扱装置は、入出金口内の現金有無を検知するためのセンサの検知範囲に物体がないことを検知したら、入出金口から現金が抜き取られたものとして判断している。このため、例えば、現金の種類が紙幣であって、入出金口内の紙幣が小さく折れ曲がっていたり、紙幣が倒れる等したりして現金有無を検知するセンサの検知範囲から外れてしまっている場合は、入出金口内に現金があることを正確に検知することができない。この結果、入出金口内に現金があるにも関わらず、入出金口内の現金が抜き取られたものと誤検知してシャッタを閉じてしまい、現金取扱装置の使用者の手に渡るべき現金が現金取扱装置から抜き取れなくなる等の問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みなられたものであり、使用者が現金取扱口に手を挿入することなく現金を抜き取れなくなることを防止できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、一観点に係る現金取扱装置は、使用者に対して現金を渡すための現金取扱装置であって、使用者に対して現金を渡すための現金取扱口と、現金取扱口の内部の使用者に対して奥側の範囲における物体の存否を検出する第1センサと、現金取扱口の内部の使用者に対して手前側の範囲における物体の存否を検出する第2センサと、現金取扱口に使用者が受け取り可能に現金が放出された後から、第1センサ及び第2センサによる物体の存否の検出を開始し、第2センサにより物体が検出された後、少なくとも第1センサにより物体が検出されなくなった場合に、現金取扱口に放出された現金を使用者が抜き取ったと判断して、第1センサ及び第2センサによる物体の存否の検出を終了する現金取扱口制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、使用者が現金取扱口に手を挿入することなく現金を抜き取れなくなることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施例に係る現金取扱装置の機能ブロック図である。
図2】第1実施例に係る現金取扱装置における入出金口に現金を出金した後の現金抜取監視処理のフローチャートである。
図3】第1実施例における、現金取扱装置の入出金口の周囲の構成、及び第1ケースにおける、入出金口に現金を出金した後の入出金口の状態を示す図である。
図4】第1ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図5】第1ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
図6】第2ケースにおける、入出金口の現金が倒れてしまった状態を示す図である。
図7】第2ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図8】第2ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
図9】第3ケースにおける、入出金口に現金を出金した後の入出金口の状態を示す図である。
図10】第3ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図11】第3ケースにおける、使用者が入出金口内の現金の抜き取りに失敗し、現金が入出金口内に残ってしまっている状態を示す図である。
図12】第3ケースにおける、使用者が入出金口内に残った現金を完全に抜き取った後の状態を示す図である。
図13】第4ケースにおける、入出金口に出金した現金が縦に積み重なってしまった場合の入出金口の状態を示す図である。
図14】第4ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図15】第4ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
図16】第2実施例に係る現金取扱装置における現金抜取監視処理のフローチャートである。
図17】第5ケースにおける、入出金口に現金を出金した後の入出金口の状態を示す図である。
図18】第5ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図19】第5ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
図20】第6ケースにおける、入出金口に出金した現金が倒れてしまった場合の入出金口の状態を示す図である。
図21】第6ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。
図22】第6ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
いくつかの実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施例の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【実施例1】
【0013】
実施例1では、シャッタにより開閉可能な入出金口(現金取扱口の一例)を有する現金取扱装置について説明する。
【0014】
図1は、第1実施例に係る現金取扱装置の機能ブロック図である。
【0015】
現金取扱装置100は、制御部B1と、入出金口制御部B2と、シャッタ制御部B3と、シャッタ駆動モータB4と、現金抜取監視部B5と、手挿入監視部B6と、第2センサの一例としての手挿入検知センサB7と、現金有無監視部B8と、第1センサの一例としての現金有無検知センサB9と、搬送制御部B10と、搬送監視部B11と、放出検知センサB12とを備える。ここで、入出金口制御部B2及び現金抜取監視部B5が現金取扱口制御部の一例である。また、制御部B1と、入出金口制御部B2と、シャッタ制御部B3と、現金抜取監視部B5と、手挿入監視部B6と、現金有無監視部B8と、搬送制御部B10と、搬送監視部B11とは、例えば、現金取扱装置100内のプロセッサがプログラムを実行することにより構成されてもよいし、専用回路により構成されてもよい。
【0016】
制御部B1は、各構成部B2~B12を統括制御する。入出金口制御部B2は、シャッタ制御部B3と、現金抜取監視部B5とを制御する。具体的には、入出金口制御部B2は、現金抜取監視部B5による入出金口C1(図3参照)から現金が抜き取られたか否かの判定結果を受け取り、入出金口C1から現金が抜き取られたとの判定結果を受け取った場合に、シャッタ制御部B3を制御して、シャッタSH1(図3参照)により入出金口C1を閉じる制御を行う。
【0017】
シャッタ駆動モータB4は、シャッタSH1を駆動する。シャッタ制御部B3は、入出金口制御部B2による指示に従って、シャッタSH1を駆動させて、入出金口C1を開閉する。現金抜取監視部B5は、手挿入監視部B6と、現金有無監視部B8との検知結果に基づいて、入出金口C1の現金がすべて抜き取られたか否かを判定し、判定結果を入出金口制御部B2に通知する。
【0018】
手挿入検知センサB7は、入出金口C1への手の挿入を検知するためのセンサである。本実施例では、手挿入検知センサB7は、発光部と受光部とを有する光電センサであり、入出金口C1の現金取扱装置100の使用者側の開口部の近傍に配置され、入出金口C1の使用者側の開口部の近傍の範囲における、物体(通常の使用時には、使用者の手又は現金)の存否を検知する。手挿入監視部B6は、手挿入検知センサB7による検知結果により、手(厳密には、何らかの物体)が入出金口C1内に挿入されているか否かを検知し、検知結果を現金抜取監視部B5に通知する。
【0019】
現金有無検知センサB9は、入出金口C1内における現金の有無を検知するためのセンサである。本実施例では、現金有無検知センサB9は、発光部と受光部とを有する光電センサであり、入出金口C1の使用者に対して手挿入検知センサB7よりも奥側に配置され、入出金口C1内における物体(通常の使用時には、主に現金)の存否を検知する。
【0020】
現金有無監視部B8は、現金有無検知センサB9による検知結果により、入出金口C1内に現金(厳密には、何らかの物体)が存在するか否かを検知し、検知結果を現金抜取監視部B5に通知する。
【0021】
放出検知センサB12は、現金処理装置100の内部から入出金口C1への現金の放出を検知する。搬送監視部B11は、現金処理装置100の内部から入出金口C1への現金の搬送を監視する。搬送制御部B10は、搬送監視部B11の監視に従って、入出金口C1への現金の放出を制御する。
【0022】
次に、現金取扱装置100の入出金口の周囲の構成を説明する。
【0023】
図3は、第1実施例における、現金取扱装置の入出金口の周囲の構成を示す図である。
【0024】
現金取扱装置100においては、入出金口C1は、例えば、使用者側に開口する開口部を有する略直方体状の現金を受け渡すための空間を有している。本実施例では、入出金口C1は、空間の上面部分が開口部となっている。入出金口C1には、搬送制御部B10により、使用者に渡す現金G1が、現金取扱装置100の内部から入出金口C1に対して放出される。本実施例では、基本的には、現金G1は、入出金口C1の底部に放出されることとなる。
【0025】
入出金口C1の開口部は、シャッタSH1を移動させることにより、開閉可能となっている。
【0026】
入出金口C1の底部側に、現金有無検知センサB9の一例としての光電式のセンサS1が配置されている。センサS1は、検知範囲A1における物体の存否を検出する。なお、図3の紙面奥行方向に複数のセンサS1を備えるようにしてもよい。また、入出金口C1の底部からの高さが異なる複数の位置にセンサS1を備えるようにしてもよい。
【0027】
また、入出金口C1の開口部側に、手挿入検知センサB7の一例としての光電式のセンサS2が配置されている。センサS2は、センサS1と同一の構成の光電センサであってもよい。センサS2は、検知範囲A2における物体の存否を検出する。なお、図3の紙面奥行方向に複数のセンサS2を備えるようにしてもよい。
【0028】
次に、現金取扱装置100における、入出金口C1に現金を放出(出金)した後の現金抜取監視処理について説明する。
【0029】
図2は、第1実施例に係る現金取扱装置における入出金口に現金を出金した後の現金抜取監視処理のフローチャートである。
【0030】
現金抜取監視処理の前においては、制御部B1が搬送制御部B10を制御して、入出金口C1に使用者に渡す現金が放出されている。
【0031】
制御部B1は、入出金口C1に現金が放出された場合には、入出金口制御部B2に現金の抜き取りの監視の開始を指示する。入出金口制御部B2は、シャッタ制御部B3を介して、シャッタ駆動モータB4を駆動することで、シャッタSH1を開ける(ステップF1)とともに、現金抜取監視部B5を介して、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視を開始する(ステップF2)。
【0032】
次いで、現金抜取監視部B5は、手挿入ありか否かを判定する(ステップF3)。ここで、本実施例では、「手挿入あり」とは、センサS2で物体が存在すると検知されたことを示し、「手挿入なし」とは、センサS2で物体が存在しないと検知されたことを示している。
【0033】
この結果、手挿入なしの場合(ステップF3:No)には、使用者により現金の抜き取りが開始されていないことを意味しているので、現金抜取監視部B5は、ステップF3を再度実行する。
【0034】
一方、手挿入ありの場合(ステップF3:Yes)には、使用者により現金の抜き取りが開始されたと考えられるので、現金抜取監視部B5は、入出金口C1内に現金なしとなり、且つ手挿入検知なしとなったかを判定する(ステップF4)。ここで、本実施例では、「現金あり」とは、センサS1で物体が検知されたことを示し、「現金なし」とは、センサS1で物体が検知されていないことを示している。
【0035】
この結果、現金なし、且つ手挿入なしとなっていない場合(ステップF4:No)には、使用者による現金の抜き取りが完了していないことを意味しているので、現金抜取監視部B5は、ステップF4を再度実行する。
【0036】
一方、現金なし、且つ手挿入なしとなっている場合(ステップF4:Yes)には、使用者による現金の抜き取りが完了していることを意味しているので、現金抜取監視部B5は、現金の抜き取りが完了したことを入出金口制御部B2に通知し、入出金口制御部B2は、シャッタ制御部B3により、シャッタSH1を閉じさせ(ステップF5)、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視を終了し(ステップF6)、現金抜取監視処理を終了する。
【0037】
次に、第1実施例に係る現金取扱装置100における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した際に、放出された入出金口C1内の現金の姿勢に問題がないケース(第1ケース)を図3図5を参照して説明する。
【0038】
図3は、第1ケースにおける、入出金口に現金を放出した後の入出金口の状態を示す図である。図4は、第1ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図5は、第1ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【0039】
図3に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると、ステップF1により、シャッタSH1が開けられて使用者が現金G1を入出金口C1から抜き取りできる状態となる。また、ステップF2により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0040】
図3に示す状態においては、現金G1は、底面に対して正立していて姿勢に問題がなく、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1に収まっている一方、センサS2の検知範囲A2には達していない。このため、手挿入なしとなるので、ステップF3の判定結果は、Noとなり、手挿入ありとなるまで、ステップF3が繰り返し実行される。
【0041】
この後、図4に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF3での判定は、Yesとなり、ステップF4に処理が進められる。
【0042】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により手H1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF4の判定結果は、Noとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0043】
その後、図5に示すように、使用者が入出金口C1内の全ての現金G1を抜き取ると、使用者の手H1および現金G1は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口C1内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF4の判定で、Yesとなり、ステップF5に処理が進められる。
【0044】
これにより、現金抜取監視部B5が現金有無監視部B8による現金なし検知、および手挿入監視部B6による手挿入なし検知を受け取って、入出金口制御部B2に現金の抜き取りが完了したことを伝える。これにより、入出金口制御部B2がシャッタ制御部B3を介してシャッタ駆動モータB4を動かすことでシャッタSH1を閉じ(ステップF5)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF6)。
【0045】
このように、本実施例に係る現金取扱装置100では入出金口C1に放出された現金の姿勢に問題がないような一般的な第1ケースでは、適切に現金の抜き取りを検知でき、使用者による現金の抜き取りが完了した際に適切にシャッタSH1を閉じることができる。
【0046】
次に、第1実施例に係る現金取扱装置100における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した際に、放出された入出金口C1内の現金の姿勢に問題があり、現金が検知できないケース(第2ケース)を図6図8を参照して説明する。
【0047】
図6は、第2ケースにおける、入出金口の現金が倒れてしまった状態を示す図である。図7は、第2ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図8は、第2ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【0048】
図6に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると、ステップF1により、シャッタSH1が開けられて使用者が現金G1を入出金口C1から抜き取りできる状態となる。また、ステップF2により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0049】
図6に示す状態においては、現金G1は、入出金口C1内で倒れてしまっており、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1から外れてしまっているので、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視により現金なしと検知される。ここで、例えば、ステップF2の次にステップF4による判定を実行するようにした場合には、入出金口内のセンサS1で現金を検知しておらず、入出金口内のセンサS2でも手挿入を検知していないため、入出金口内の現金G1は抜き取られたものと判断されてしまい、入出金口C1のシャッタSH1が閉じられてしまい、現金G1が使用者の手に渡らないというトラブルの原因となってしまう。
【0050】
これに対して、本実施例では、ステップF2の次に、ステップF3の処理を実行する。図6に示す状態では、入出金口C1内の現金G1は入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1にかかっていないが、手挿入検知センサS2の検知範囲A2にもかかっていない。このため、手挿入なしとなるので、ステップF3の処理が繰り返し実行されることとなる。
【0051】
この後、図7に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF3での判定は、Yesとなり、ステップF4に処理が進められる。
【0052】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により手H1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF4の判定結果は、Noとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0053】
その後、図8に示すように、使用者が入出金口C1内の全ての現金G1を抜き取ると、使用者の手H1および現金G1は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF4の判定で、Yesとなり、ステップF5に処理が進められる。
【0054】
これにより、現金抜取監視部B5が現金有無監視部B8による現金なし検知、および手挿入監視部B6による手挿入なし検知を受け取って、入出金口制御部B2に現金抜き取りが完了したことを伝える。これにより、入出金口制御部B2がシャッタ制御部B3を介してシャッタ駆動モータB4を動かすことでシャッタSH1を閉じ(ステップF5)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF6)。
【0055】
第2ケースにおいては、例えば、ステップF2の後に、ステップF4を実行するようにした場合には、センサS1とセンサS2の両方が検知なしの場合に現金が抜き取られたと判断するため、図6の状態において、入金口C1内の現金G1が抜き取られたものと誤検知してしまい、シャッタSH1を開いた直後に閉じてしまい、現金G1が使用者の手に渡らず現金トラブルの原因となるが、本実施例による処理では、使用者の手挿入を監視しているため、シャッタSH1を開いた直後に閉じてしまうことを適切に防止することができる。
【0056】
次に、第1実施例に係る現金取扱装置100における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した後に、現金を抜き取る際に、放出された入出金口C1内の現金の一部が入出金口C1内に残ってしまったケース(第3ケース)を図9図12を参照して説明する。
【0057】
図9は、第3ケースにおける、入出金口に現金を出金した後の入出金口の状態を示す図である。図10は、第3ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図11は、第3ケースにおける、使用者が入出金口内の現金の抜き取りに失敗し、現金が入出金口内に残ってしまっている状態を示す図である。図12は、第3ケースにおける、使用者が入出金口内に残った現金を完全に抜き取った後の状態を示す図である。
【0058】
図9に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると、ステップF1により、シャッタSH1が開けられて使用者が現金G1を入出金口C1から抜き取りできる状態となる。また、ステップF2により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0059】
図9に示す状態においては、現金G1は、姿勢に問題がなく、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1に収まっている一方、センサS2の検知範囲A2には達していない。このため、手挿入なしとなるので、ステップF3の判定結果は、Noとなり、手挿入ありとなるまで、ステップF3の処理が繰り返される。
【0060】
この後、図10に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF3での判定は、Yesとなり、ステップF4に処理が進められる。
【0061】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により手H1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF4の判定結果は、Noとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0062】
この後、図11に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始するが、現金の抜き取りに失敗し、一部の現金G2が入出金口C1に残ってしまった状態においては、入出金口C1内のセンサS1により現金G2が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知される一方、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかっていないので手挿入監視部B6により、手挿入なしと判定されることとなり、ステップF4での判定は、Noとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0063】
その後、図12に示すように、使用者が入出金口C1内の残りの現金G2を抜き取ると、使用者の手H1及び現金G2は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口C1内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF4の判定で、Yesとなり、ステップF5に処理が進められる。
【0064】
これにより、現金抜取監視部B5が現金有無監視部B8による現金なし検知、および手挿入監視部B6による手挿入なし検知を受け取って、入出金口制御部B2に現金の抜き取りが完了したことを伝える。これにより、入出金口制御部B2がシャッタ制御部B3を介してシャッタ駆動モータB4を動かすことでシャッタSH1を閉じ(ステップF5)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF6)。
【0065】
このように、本実施例に係る現金取扱装置100では、入出金口C1内に現金を取り忘れた場合においても、シャッタSH1が閉じてしまうことを適切に防止でき、全ての現金を抜き取った場合には、適切にシャッタSH1を閉じることができる。
【0066】
次に、第1実施例に係る現金取扱装置100における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した際に、放出された入出金口C1内の現金の姿勢に問題があり、手挿入していないにも関わらず手挿入ありと誤検知されるケース(第4ケース)を図13図15を参照して説明する。
【0067】
図13は、第4ケースにおける、入出金口に出金した現金が縦に積み重なってしまった場合の入出金口の状態を示す図である。図14は、第4ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図15は、第4ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【0068】
図13に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると、ステップF1により、シャッタSH1が開けられて使用者が現金G1を入出金口から抜き取りできる状態となる。また、ステップF2により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0069】
図13に示す状態においては、現金G1は、縦に積み重なってしまっており、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1に収まっているとともに、センサS2の検知範囲A2に収まっている。このため、手挿入ありとなるので、ステップF3の判定結果は、Yesとなり、ステップF4に処理が進められる。
【0070】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により現金G1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF4の判定結果は、Noとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0071】
この後、図14に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF4での判定は、Yesとなり、ステップF4が繰り返し実行される。
【0072】
その後、図15に示すように、使用者が入出金口C1内の全ての現金G1を抜き取ると、使用者の手H1および現金G1は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF4の判定で、Yesとなり、ステップF5に処理が進められる。
【0073】
これにより、現金抜取監視部B5が現金有無監視部B8による現金なし検知、および手挿入監視部B6による手挿入なし検知を受け取って、入出金口制御部B2に現金の抜き取りが完了したことを伝える。これにより、入出金口制御部B2がシャッタ制御部B3を介してシャッタ駆動モータB4を動かすことでシャッタSH1を閉じ(ステップF5)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF6)。
【0074】
このように、本実施例に係る現金取扱装置100では、入出金口C1内の現金により、手挿入ありとの誤検知があったとしても、入出金口C1の全ての現金を抜き取った場合には、適切にシャッタSH1を閉じることができる。
【実施例2】
【0075】
次に、第2実施例に係る現金取扱装置について説明する。
【0076】
第2実施例に係る現金取扱装置は、第1実施例に係る現金取扱装置100において、シャッタSH1を有さない現金取扱装置である。第2実施例に係る現金処理装置は、図1に示す構成の中、シャッタ制御部B3及びシャッタ駆動モータB4を備えていない。
【0077】
まず、第2実施例に係る現金取扱装置における現金抜取監視処理について説明する。
【0078】
図16は、第2実施例に係る現金取扱装置における現金抜取監視処理のフローチャートである。
【0079】
制御部B1は、入出金口C1への現金の放出が完了したか否かを判定する(ステップF7)。この判定処理においては、入出金口C1に放出対象の全ての現金が放出されたことを判定する必要がある。この判定処理は、例えば入出金口C1に現金を搬送する搬送路に配置されている現金通過センサを用いて、全ての現金が入出金口C1に搬送されたことを監視する等して実現できる。
【0080】
この結果、入出金口C1への現金の放出が完了していないと判定した場合(ステップF7:No)には、制御部B1は、ステップF7の処理を再度実行する。
【0081】
一方、入出金口C1への現金の放出が完了した判定した場合(ステップF7:Yes)には、制御部B1は、入出金口C1への現金の放出が完了したことを示す出金完了通知を、所定の機能部に送信する(ステップF8)とともに、入出金口制御部B2に、監視開始を指示する。この指示を受けて、入出金口制御部B2は、現金抜取監視部B5を介して、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視を開始する(ステップF9)。
【0082】
次いで、現金抜取監視部B5は、手挿入ありか否かを判定する(ステップF10)。ここで、本実施例では、「手挿入あり」とは、センサS2で物体が存在すると検知されたことを示し、「手挿入なし」とは、センサS2で物体が存在しないと検知されたことを示している。
【0083】
この結果、手挿入なしの場合(ステップF10:No)には、使用者により現金の抜き取りが開始されていないことを意味しているので、現金抜取監視部B5は、ステップF3を再度実行する。
【0084】
一方、手挿入ありの場合(ステップF10:Yes)には、使用者により現金の抜き取りが開始されたと考えられるので、現金抜取監視部B5は、入出金口C1内に現金なしとなり、且つ手挿入検知なしとなったかを判定する(ステップF11)。ここで、本実施例では、「現金あり」とは、センサS1で物体が検知されたことを示し、「現金なし」とは、センサS1で物体が検知されていないことを示している。
【0085】
この結果、現金なし、且つ手挿入なしとなっていない場合(ステップF11:No)には、使用者による現金の抜き取りが完了していないことを意味しているので、現金抜取監視部B5は、ステップF11を再度実行する。
【0086】
一方、現金なし、且つ手挿入なしとなっている場合(ステップF11:Yes)には、使用者による現金の抜き取りが完了していることを意味しているので、現金抜取監視部B5は、現金の抜き取りが完了したことを入出金口制御部B2に通知する。入出金口制御部B2は、現金の抜き取りが終了したことを示す抜き取り完了通知を制御部B1に通知する(ステップF12)とともに、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視を終了し(ステップF13)、現金抜取監視処理を終了する。
【0087】
次に、第2実施例に係る現金取扱装置における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した際に、放出された入出金口C1内の現金の姿勢に問題がないケース(第5ケース)を図17図19を参照して説明する。
【0088】
図17は、第5ケースにおける、入出金口に現金を出金した後の入出金口の状態を示す図である。図18は、第5ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図19は、第5ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【0089】
図17に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると(ステップF7:Yes)、ステップF8により、出金完了通知を送信する。また、ステップF9により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0090】
図17に示す状態においては、現金G1は、姿勢に問題がなく、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1に収まっている一方、センサS2の検知範囲A2には達していない。このため、手挿入なしとなるので、ステップF10の判定結果は、Noとなり、手挿入ありとなるまで、ステップF10を繰り返す。
【0091】
この後、図18に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF10での判定は、Yesとなり、ステップF11に処理が進められる。
【0092】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により手H1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF11の判定結果は、Noとなり、ステップF11が繰り返し実行される。
【0093】
その後、図19に示すように、使用者が入出金口C1内の全ての現金G1を抜き取ると、使用者の手H1および現金G1は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF11の判定で、Yesとなり、ステップF12及びステップF13に処理が進められる。
【0094】
これにより、現金抜取監視部B5が入出金口制御部B2に現金の抜き取りが完了したことを伝え、入出金口制御部B2が、現金の抜き取りが完了したことを制御部B1に通知し(ステップF12)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF13)。
【0095】
このように、本実施例に係る現金取扱装置では入出金口C1に放出された現金の姿勢に問題がないような一般的な第5ケースでは、適切に現金の抜き取りを検知し、監視処理を適切に終了できる。
【0096】
次に、第2実施例に係る現金取扱装置における現金抜取監視処理について、現金を入出金口C1に放出した際に、放出された入出金口C1内の現金の姿勢に問題があり、現金が検知できないケース(第6ケース)を図20図22を参照して説明する。
【0097】
図20は、第6ケースにおける、入出金口に出金した現金が倒れてしまった場合の入出金口の状態を示す図である。図21は、第6ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取る最中の状態を示す図である。図22は、第6ケースにおける、使用者が入出金口内の現金を抜き取った後の状態を示す図である。
【0098】
図20に示すように、入出金口C1に現金G1が放出されると(ステップF7:Yes)、ステップF8により、出金完了通知を行う。また、ステップF9により、現金有無監視部B8による現金有無検知センサB9(センサS1)による監視及び手挿入監視部B6による手挿入検知センサB7(センサS2)による監視が開始される。
【0099】
図20に示す状態においては、現金G1は、入出金口C1内で倒れてしまっており、入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1から外れてしまっているので、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視により現金なしと検知される。ここで、例えば、ステップF9の次にステップF11による判定を実行するようにした場合には、入出金口内のセンサS1で現金を検知しておらず、入出金口内のセンサS2でも手挿入を検知していないため、入出金口内の現金G1は抜き取られたものと判断されてしまい、抜き取り完了通知が行われてしまう。このため、例えば、入出金口に現金が残った状態で処理が進んでしまい、入出金口C1に現金G1が残った状態で次の出金が実施されてしまう等のトラブルの原因となる。
【0100】
これに対して、本実施例では、ステップF9の次に、ステップF10の処理を実行する。図20に示す状態では、入出金口C1内の現金G1は入出金口C1内のセンサS1の検知範囲A1にかかっていないし、手挿入検知センサS2の検知範囲A2にもかかっていない。このため、手挿入なしとなるので、ステップF10の処理が繰り返し実行されることとなる。
【0101】
この後、図21に示すように、使用者が入出金口C1内の現金G1の抜き取りを開始すると、使用者の手H1は入出金口C1内のセンサS2の検知範囲A2にかかるため、手挿入監視部B6により、手挿入ありと判定されることとなり、ステップF10での判定は、Yesとなり、ステップF11に処理が進められる。
【0102】
ここで、入出金口C1内のセンサS1により現金G1が検知されているので現金有無監視部B8により現金ありと検知され、また、入出金口内のセンサS2により手H1が検知されているので手挿入監視部B6により手挿入ありと検知されているので、ステップF11の判定結果は、Noとなり、ステップF11が繰り返し実行される。
【0103】
その後、図22に示すように、使用者が入出金口C1内の全ての現金G1を抜き取ると、使用者の手H1および現金G1は、センサS1の検知範囲A1及びセンサS2の検知範囲A2から外れるため、現金抜取監視部B5は、入出金口内のセンサS1において現金なし、センサS2において手挿入なしと判定するので、ステップF11の判定で、Yesとなり、ステップF12及びF13に処理が進められる。
【0104】
これにより、現金抜取監視部B5が入出金口制御部B2に現金の抜き取りが完了したことを伝え、入出金口制御部B2が、現金の抜き取りが完了したことを制御部B1に通知し(ステップF12)、現金有無監視部B8によるセンサS1による監視及び手挿入監視部B6によるセンサS2による監視を終了する(ステップF13)。
【0105】
第6ケースにおいては、例えば、ステップF9の後に、ステップF10を実行するようにした場合には、センサS1とセンサS2の両方が検知なしの場合に現金が抜き取られたと判断するため、図21の状態において、入金口C1内の現金G1が抜き取られたものと誤検知してしまい、抜き取り完了通知が行われてしまう。このため、例えば、入出金口に現金が残った状態で処理が進んでしまい、入出金口C1に現金G1が残った状態で次の出金が実施されてしまう等のトラブルの原因となる。これに対して、本実施例に係る現金取扱装置では、ステップF10において、使用者の手挿入を監視しているため、このようなトラブルは避けられる。
【0106】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0107】
例えば、上記第1及び第2実施例では、ステップF4及びステップF11においては、センサS1及びセンサS2によって物体が検出されなかった場合に、現金なしであり、且つ手挿入がない、すなわち、現金の抜き取りが完了したと判断していたが、本発明はこれに限られず、例えば、センサS1及びセンサS2により物体が検出されなくなった場合であっても、センサS2により物体が検出されなくなった後に、センサS1により物体が検出されなくなった場合については、例えば、現金が入出金口C1から外に抜き取られずに、入出金口C1内で倒れる等してセンサS1により検出されなくなったと考えられるので、現金なしではなく、現金の抜き取りが完了していないと判断し、センサS1及びセンサS2による物体の検出を継続して判定するようにしてもよい。なお、この場合には、再度センサS2により物体が検知された後に、センサS1及びセンサS2により物体が検知されなくなった場合に、現金の抜き取りが完了したと判断してもよい。
【0108】
また、上記第2実施例では、ステップF11において、センサS1及びセンサS2により物体が検出されなかった場合に、ステップF12及びステップF13に処理を進めるようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、センサS1により物体が検出されなかった場合に、ステップF12及びステップF13に処理を進めるようにしてもよい。
【0109】
また、上記第1及び第2実施例では、現金として、紙幣を例に挙げていたが、本発明はこれに限られず、例えば、硬貨であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
100…現金取扱装置、B1…入出金口制御部、C1…入出金口、B7…手挿入検知センサ、B9…現金有無検知センサ、S1,S2…センサ、SH1…入出金口シャッタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図20
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図22