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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】信号処理装置および信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/02 20060101AFI20230824BHJP
   H04R 5/04 20060101ALI20230824BHJP
   H04R 1/10 20060101ALN20230824BHJP
【FI】
H04R3/02
H04R5/04 B
H04R1/10 104F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019215469
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2021087126
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000116068
【氏名又は名称】ローランド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】森 健太郎
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-307515(JP,A)
【文献】特開2016-123041(JP,A)
【文献】特開2010-157842(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0179768(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0288057(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00-3/02
H04R 5/04
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声信号が入出力されるプラグが挿入され、そのプラグのマイク端子が接続されるマイク接点と、前記プラグのスピーカ端子が接続されるスピーカ接点とが設けられるジャックと、
前記マイク接点からの前記音声信号を入力する入力ポートと、前記スピーカ接点へ前記音声信号を出力する出力ポートとが設けられ、前記音声信号の入出力を制御する音声処理装置とを備えた信号処理装置であって、
前記音声処理装置は、前記マイク接点から前記入力ポートに入力された前記音声信号が前記出力ポートを介して前記スピーカ接点に出力可能に構成され、
前記マイク接点への前記プラグの接続を検知するマイク検知手段と、
前記ジャックの前記スピーカ接点と前記プラグの前記スピーカ端子とが接触した場合に、前記ジャックへ前記プラグが挿入されたと検知するプラグ検知手段と、
そのプラグ検知手段によって前記プラグの挿入が検知され、かつ、前記マイク検知手段によって前記マイク接点への接続が検知されてから所定時間、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断するマイクミュート手段と、
を備えていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項2】
前記マイクミュート手段は、前記マイク接点から前記音声処理装置の前記入力ポートへの前記音声信号の入力を遮断することで、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
【請求項3】
前記マイクミュート手段は、前記音声処理装置における前記マイク接点が接続された前記入力ポートと前記出力ポートとの接続を遮断することで、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断することを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
【請求項4】
前記音声処理装置には複数の前記入力ポートが設けられ、
前記マイクミュート手段は、前記音声処理装置において前記出力ポートに接続される前記入力ポートを前記マイク接点が接続された前記入力ポートから前記マイク接点が非接続の前記入力ポートに切り替えることで、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断することを特徴とする請求項記載の信号処理装置。
【請求項5】
音声信号が入出力されるプラグが挿入され、そのプラグのマイク端子が接続されるマイク接点と、前記プラグのスピーカ端子が接続されるスピーカ接点とが設けられるジャックと、
前記マイク接点からの前記音声信号を入力する入力ポートと、前記スピーカ接点へ前記音声信号を出力する出力ポートとが設けられ、前記音声信号の入出力を制御する音声処理装置とを備えた信号処理装置であって、
前記音声処理装置は、前記マイク接点から前記入力ポートに入力された前記音声信号が前記出力ポートを介して前記スピーカ接点に出力可能に構成され、
前記マイク接点への前記プラグの接続を検知するマイク検知手段と、
前記ジャックの前記スピーカ接点と前記プラグの前記スピーカ端子とが接触した場合に、前記ジャックへ前記プラグが挿入されたと検知するプラグ検知手段と、
そのプラグ検知手段によって前記プラグの挿入が検知され、かつ、前記マイク検知手段によって前記マイク接点への接続が検知されてから所定時間、前記スピーカ接点へ出力される前記音声信号を遮断するスピーカミュート手段と、
を備えていることを特徴とする信号処理装置。
【請求項6】
音声信号が入出力されるプラグが挿入され、そのプラグのマイク端子が接続されるマイク接点と、前記プラグのスピーカ端子が接続されるスピーカ接点とが設けられるジャックと、
前記マイク接点からの前記音声信号を入力する入力ポートと、前記スピーカ接点へ前記音声信号を出力する出力ポートとが設けられ、前記音声信号の入出力を制御する音声処理装置とを備えた信号処理装置が実行する信号処理方法であって、
前記音声処理装置は、前記マイク接点から前記入力ポートに入力された前記音声信号が前記出力ポートを介して前記スピーカ接点に出力可能に構成され、
前記マイク接点への前記プラグの接続を検知するマイク検知ステップと、
前記ジャックの前記スピーカ接点と前記プラグの前記スピーカ端子とが接触した場合に、前記ジャックへ前記プラグが挿入されたと検知するプラグ検知ステップと、
そのプラグ検知ステップによって前記プラグの挿入が検知され、かつ、前記マイク検知ステップによって前記マイク接点への接続が検知されてから所定時間、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断するマイクミュートステップと、
を備えていることを特徴とする信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号処理装置および信号処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されている携帯端末1は、主に音声処理部3と、イヤホンジャック12とが設けられ、イヤホンジャック12(以下「ジャック12」と称す)に接続された4極プラグイヤホン92から入出力された音声信号が、音声処理部3によって処理される。具体的には、4極プラグイヤホン92には、4極プラグ52(以下「プラグ52」と称す),スピーカ27a,スピーカ27b及びマイク28が設けられる。プラグ52には、左音声端子L、右音声端子R、グランド端子G及びマイク端子Mが設けられ、スピーカ27aが左音声端子Lと、スピーカ27bが左音声端子Rと、マイク28がマイク端子Mとそれぞれ接続される。
【0003】
ジャック12には、端子A,端子B,端子C及び端子Dが設けられ、プラグ52をジャック12に完全に挿入した場合、端子Aがプラグ52の左音声端子Lと、端子Bがプラグ52の右音声端子Rと、端子Cがプラグ52のグランド端子Gと、端子Dがプラグ52のマイク端子Mとそれぞれ接続される。音声処理部3には、マイク音声処理部151、第1の音声出力部152及び第2の音声出力部153が設けられ、音声処理部3のマイク音声処理部151がジャック12の端子Dと、音声処理部3の第1の音声出力部152がジャック12の端子Aと、音声処理部3の第2の音声出力部153がジャック12の端子Bとそれぞれ接続される。
【0004】
4極プラグイヤホン92のマイク28から入力された音声信号が、プラグ52のマイク端子M及びジャック12の端子Dを介して、音声処理部3のマイク音声処理部151に入力され、一方で音声出力部152,153から出力された音声信号がジャック12の端子A,B及びプラグ52の音声端子L,Rを介して、スピーカ27a,27bから出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-123041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
4極プラグイヤホン92のマイク28に入力された音声を、スピーカ27a,27bから出力してその内容を確認する場合がある。そこで、音声処理部3においてマイク音声処理部151からの音声信号を、第1の音声出力部152と第2の音声出力部153とにそれぞれ出力することが考えられる。これにより、マイク28に入力された音声を即時にスピーカ27a,27bから出力できる。
【0007】
ところでジャック12へプラグ52を抜き差しする際に、ジャック12へのプラグ52の挿入が不完全だと、ジャック12の端子Bとプラグ52の左音声端子Lとが接続される一方で、ジャック12の端子Dとプラグ52のグランド端子Gとが接続されることがある。このような状態だと、第2の音声出力部153から出力された音声信号が、まずジャック12の端子Bを介してプラグ52の左音声端子Lに入力される。
【0008】
ここで、プラグ52において左音声端子Lとグランド端子Gとは、スピーカ27aに基づく抵抗RXで接続されるので、音声信号は左音声端子Lから抵抗RXに入力される。そして、音声信号は抵抗RXからグランド端子Gを介してジャック12の端子Dに入力され、更に音声処理部3のマイク音声処理部151に入力される。音声処理部3において、マイク音声処理部151と第2の音声出力部153とが接続されているので、マイク音声処理部151に入力された音声信号が再び第2の音声出力部153に入力される。
【0009】
このように、プラグ52の左音声端子Lからの音声信号がジャック12の端子Dに繰り返し入力されることで「ハウリング」が発生し、音声信号は、雑音を含んだ不正な音声信号となってしまう。かかる不正な音声信号が、プラグ52の左音声端子L、即ちスピーカ27aからも出力されるので、使用者にとって不快なノイズとなるという問題点がある。
【0010】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、プラグのジャックへの挿入が不完全である等して、ジャックのマイク接点から不正な音声信号が入力されても、不正な音声信号がプラグのスピーカ端子から出力されるのを抑制できる信号処理装置および信号処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するために本発明の信号処理装置は、音声信号が入出力されるプラグが挿入され、そのプラグのマイク端子が接続されるマイク接点と、前記プラグのスピーカ端子が接続されるスピーカ接点とが設けられるジャックと、前記マイク接点からの前記音声信号を入力する入力ポートと、前記スピーカ接点へ前記音声信号を出力する出力ポートとが設けられ、前記音声信号の入出力を制御する音声処理装置とを備えたものであり、前記音声処理装置は、前記マイク接点から前記入力ポートに入力された前記音声信号が前記出力ポートを介して前記スピーカ接点に出力可能に構成され、前記マイク接点への前記プラグの接続を検知するマイク検知手段と、前記ジャックの前記スピーカ接点と前記プラグの前記スピーカ端子とが接触した場合に、前記ジャックへ前記プラグが挿入されたと検知するプラグ検知手段と、そのプラグ検知手段によって前記プラグの挿入が検知され、かつ、前記マイク検知手段によって前記マイク接点への接続が検知されてから所定時間、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断するマイクミュート手段と、を備えている。
【0012】
また本発明の信号処理装置は、上記のマイクミュート手段に代えて、プラグ検知手段によってプラグの挿入が検知され、かつ、マイク検知手段によってマイク接点への接続が検知されてから所定時間、スピーカ接点へ出力される音声信号を遮断するスピーカミュート手段を備えている。
【0013】
本発明の信号処理方法は、音声信号が入出力されるプラグが挿入され、そのプラグのマイク端子が接続されるマイク接点と、前記プラグのスピーカ端子が接続されるスピーカ接点とが設けられるジャックと、前記マイク接点からの前記音声信号を入力する入力ポートと、前記スピーカ接点へ前記音声信号を出力する出力ポートとが設けられ、前記音声信号の入出力を制御する音声処理装置とを備えた信号処理装置が実行する方法であり、前記音声処理装置は、前記マイク接点から前記入力ポートに入力された前記音声信号が前記出力ポートを介して前記スピーカ接点に出力可能に構成され、前記マイク接点への前記プラグの接続を検知するマイク検知ステップと、前記ジャックの前記スピーカ接点と前記プラグの前記スピーカ端子とが接触した場合に、前記ジャックへ前記プラグが挿入されたと検知するプラグ検知ステップと、そのプラグ検知ステップによって前記プラグの挿入が検知され、かつ、前記マイク検知ステップによって前記マイク接点への接続が検知されてから所定時間、前記マイク接点から入力される前記音声信号を遮断するマイクミュートステップと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は、一実施形態である入出力IF及び携帯端末の外観図であり、(b)は、(a)のIb方向における入出力IFの側面図である。
図2】(a)は、入出力IF及び携帯端末の電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、付加処理テーブルを模式的に示した図である。
図3】(a)は、音声入力回路の回路図であり、(b)は、プラグを挿入した場合の音声入力回路の回路図である。
図4】(a)は、HSミュート回路の回路図であり、(b)は、音声処理装置を模式的に示した図である。
図5】(a)は、ジャックに対してプラグの挿入が不完全な場合の音声入力回路の回路図であり、(b)は、(a)のVb部の拡大図である。
図6】(a)は、入出力IFにおけるメイン処理のフローチャートであり、(b)は、入出力IFにおけるマイクミュート処理のフローチャートである。
図7】入出力IFにおける操作子処理のフローチャートである。
図8】携帯端末におけるメイン処理のフローチャートである。
図9】携帯端末におけるイベント処理のフローチャートである。
図10】(a)は、入出力IFと携帯端末のLCDとを表す図であり、(b)は、入出力IFの付加ボタンがオンの場合の入出力IFと携帯端末のLCDとを表す図であり、(c)は、使用者がLCDの付加ボタンを操作する場合の入出力IFと携帯端末のLCDとを表す図であり、(d)は、入出力IFの付加ボタンがオフされた場合の入出力IFと携帯端末のLCDとを表す図である。
図11】(a)は、第2実施形態における入出力IFの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第2実施形態における音声入力回路の回路図である。
図12】(a)は、内蔵マイクから音声信号の入力を行う場合の音声処理装置を模式的に示した図であり、(b)は、HSマイクから音声信号の入力を行う場合の音声処理装置を模式的に示した図であり、(c)は、音声信号の入力を遮断する場合の音声処理装置を模式的に示した図である。
図13】第2実施形態における入出力IFのマイクミュート処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1(a)は、一実施形態である入出力インターフェイス1(以下「入出力IF1」と略す)及び携帯端末30の外観図であり、図1(b)は、図1(a)のIb方向における入出力IF1の側面図である。
【0016】
入出力IF1は、後述の内蔵マイク2やヘッドセット50から入力された音声を携帯端末30へ送信し、携帯端末30から入出力IF1に入力された後述の配信データの音声をヘッドセット50へ出力する装置(配信補助装置、信号処理装置)である。入出力IF1は、音声を入力する内蔵マイク2と、付加ボタン3a~3fと、操作ボタン4と、付加音量つまみ5と、マイク音量つまみ6と、後述のヘッドセット50のプラグ55が挿入されるジャック7とが設けられる。
【0017】
付加ボタン3a~3fは、携帯端末30に対して、入出力IF1で入力された音声に効果音やBGM等を付加する付加処理の適用を指示する操作子である。付加ボタン3a~3fにはそれぞれ、効果音、BGM、静止画、動画、あるいは文字列(テキスト)等の付加処理が割り当てられる(図2(b)参照)。
【0018】
操作ボタン4は、付加処理以外の各種操作を指示する操作子であり、カメラ切替ボタン4a、配信開始ボタン4b、ミュートボタン4c及びエフェクトボタン4dで構成される。カメラ切替ボタン4aは、携帯端末30における画像取得の取得先を切り替える指示であるカメラ切替情報を携帯端末30に送信する操作子である。カメラ切替情報には、「内蔵カメラ31から画像取得」、「外部カメラ60から画像取得」或いは「画像取得を行わない」の3つの設定値が設けられ、カメラ切替ボタン4aを押すごとに、これらの設定値が切り替わって携帯端末30に送信される。
【0019】
配信開始ボタン4bは、インターネットNTへの配信の開始指示および終了指示を携帯端末30に送信する操作子であり、ミュートボタン4cは、内蔵マイク2やヘッドセット50から入力される音声の音量をミュートする操作子である。エフェクトボタン4dは、携帯端末30に対して入出力IF1から入力された音声に対して、ディレイやリバーブ等のエフェクト(音響効果)の付加を指示する、エフェクト指示情報を送信する操作子である。
【0020】
付加音量つまみ5は、付加ボタン3a~3fによって指示された付加処理の音量である付加音量を設定する操作子であり、マイク音量つまみ6は、内蔵マイク2や後述のヘッドセット50から入力される音声の音量を設定する操作子である。
【0021】
携帯端末30は、入出力IF1に接続され、使用者H等の画像(映像)を取得する内蔵カメラ31と、画像を出力するLCD32とを有する情報処理装置(配信装置)であり、スマートフォンが例示される。携帯端末30にはまた、内蔵カメラ31とは異なる画像を取得する外部カメラ60とインターネットNTとが、無線通信を介して接続される。
【0022】
携帯端末30は、内蔵カメラ31又は外部カメラ60から取得された画像と入出力IF1から入力された音声とに、上記した付加処理等を付加した配信データを作成する。作成された配信データを、インターネットNTに送信(配信)し、入出力IF1に出力すると共に、配信データの画像を携帯端末30のLCD32に表示する。
【0023】
ヘッドセット50は、入出力IF1に接続される音声入出力装置であり、音声を出力する左スピーカ50a及び右スピーカ50bと、音声を入力するヘッドセットマイク50c(以下「HSマイク50c」と略す)と、プラグ55とが設けられる。プラグ55は、CTIA(Cellular Telephone Industry Association)規格の端子であり、その先端から左スピーカ50aが接続される左端子55Lと、右スピーカ50bが接続される右端子55Rと、グランドGND(図3(a)参照)が接続される接地端子55Gと、HSマイク50cが接続されるマイク端子55Mとが設けられる。
【0024】
入出力IF1はまた、ヘッドセット50からHSマイク50cを省略したヘッドホン57も使用可能に構成される。ヘッドホン57が入出力IF1に接続された場合は、使用者H等の音声がHSマイク50cの代わりに入出力IF1の内蔵マイク2から入力される。
【0025】
次に図2図5を参照して、入出力IF1及び携帯端末30の電気的構成を説明する。図2(a)は、入出力IF1及び携帯端末30の電気的構成を示すブロック図である。入出力IF1は、その各部を制御する演算装置であるMCU10を有し、そのMCU10には、音声処理装置11と、内蔵ミュート回路12と、HSミュート回路13と、プラグ検知回路14と、HSマイク検知回路と、付加ボタン3a~3fと、操作ボタン4と、付加音量つまみ5と、マイク音量つまみ6と、携帯端末30(具体的には後述の通信装置38)との通信を行う通信装置16とが接続される。
【0026】
音声処理装置11は、音声信号の入出力を制御する装置である。音声処理装置11には、ヘッドセット50の左スピーカ50a、右スピーカ50b及びHSマイク50cが、プラグ55の左端子55L、右端子55R及びマイク端子55M(図1(b)参照)を介して接続され、内蔵マイク2も接続される。
【0027】
内蔵ミュート回路12は、MCU10からの指示に基づいて内蔵マイク2からの音声信号を遮断することで、内蔵マイク2をミュートする回路であり、HSミュート回路13は、MCU10からの指示に基づいてHSマイク50cからの音声信号を遮断することで、HSマイク50cをミュートする回路である。プラグ検知回路14は、入出力IF1へのプラグ55の挿入を検知する回路であり、HSマイク検知回路15は、後述のジャック7におけるマイク接点CMの接続を検知する回路である。
【0028】
これら内蔵マイク2、音声処理装置11、内蔵ミュート回路12、HSミュート回路13、プラグ検知回路14及びHSマイク検知回路15によって構成される回路が音声入力回路Siとされる。ここで図3図4を参照して、音声入力回路Siの詳細を説明する。
【0029】
図3(a)は、音声入力回路Siを示す回路図であり、図3(b)は、プラグ55を挿入した場合の音声入力回路Siを示す回路図である。図3(a)に示す通り、音声入力回路Siは、主にジャック7と、内蔵マイク2と、MCU10と、音声処理装置11と、内蔵ミュート回路12と、HSミュート回路13とで構成される。
【0030】
ジャック7には、プラグ55の左端子55Lと接続される左接点CLと、右端子55Rと接続される右接点CRと、接地端子55G及びグランドGNDに接続される接地接点CGと、マイク端子Mと接続されるマイク接点CMとが設けられる。
【0031】
音声処理装置11には、左右の音声信号が出力される出力ポートである、左出力ポートLout及び右出力ポートRoutと、音声信号が入力される入力ポートである第1入力ポートM1、第2入力ポートM2及び第3入力ポートM3とが設けられる。本実施形態では、第1入力ポートM1には、内蔵マイク2及びマイク接点CMが接続され、第2入力ポートM2及び第3入力ポートM3には、内蔵マイク2及びマイク接点CMや他の入力装置が接続されない。
【0032】
ジャック7の左接点CLには、アンプa1を介して音声処理装置11の左出力ポートLoutと接続され、右接点CRには、アンプa2を介して音声処理装置の右出力ポートRoutと接続される。これにより、音声処理装置11の左出力ポートLout及び右出力ポートRoutからの音声信号が左端子55L及び右端子55Rに出力される。
【0033】
ジャック7のマイク接点CMは、アンプa3を介して音声処理装置11の第1入力ポートM1に接続される。内蔵マイク2にはアンプa4が接続され、更にそのアンプa4がアンプa3と第1入力ポートM1との間に接続される。これにより、プラグ55のマイク端子55M及び内蔵マイク2からの音声信号が、第1入力ポートM1に入力される。
【0034】
ジャック7の右接点CRは、絶縁体Eを介して端子Dに機械的に接続される。その端子DはMCU10に接続され、端子DとMCU10との間には、抵抗R1を介してバイアス電圧B1(例えば3.3V)が接続される。また、端子D上には、グランドGNDと接続される接点C1が配置される。図3(a),図3(b)に示す通り、接点C1は、プラグ55が抜去され右接点CRがプラグ55と非接触である場合は、端子Dと接触し、プラグ55が挿入され右接点CRがプラグ55と接触した場合は、端子Dと非接触となるように構成される。
【0035】
従って、ジャック7にプラグ55が抜去された場合は、接点C1が端子Dと接触することで、バイアス電圧B1からの電圧が端子D及び接点C1を介してグランドGNDに入力され、MCU10へは「ロー」の電圧が入力される。一方でジャック7にプラグ55が挿された場合は、接点C1が端子Dと非接触となり、端子DがグランドGNDから切断されることで、バイアス電圧B1からの「ハイ」の電圧がMCU10に入力される。この際、右接点CRと、端子D及びMCU10とは、絶縁体Eによって電気的に絶縁されているので、右接点CRからの電圧がMCU10に入力されることはなく、またバイアス電圧B1からの電圧が端子Dを介して右接点CRに入力されることはない。
【0036】
そして、MCU10において、バイアス電圧B1からの電圧がハイかローかを確認することで、プラグ55の挿入がされたか否かを判断できる。このような、抵抗R1、バイアス電圧B1及び接点C1による検知回路が、図2(a)における「プラグ検知回路14」に該当する。
【0037】
マイク接点CMとアンプa3との間には、抵抗R2を介してバイアス電圧B2(例えば2.5V)が接続される。更にアンプa3と抵抗R2との接続点は、オペアンプOPを介してMCU10と接続される。HSマイク50c(図1図2(a)参照)を有し、プラグ55にマイク端子Mを有する場合は、そのマイク端子Mがジャック7のマイク接点CMと接続される。この場合は、バイアス電圧B2からの電圧が、抵抗R2とHSマイク50cのインピーダンスとによって分圧されてMCU10に入力される。
【0038】
一方でHSマイク50cを有しない場合のプラグ55では、プラグ55の接地端子55Gがマイク端子55Mと一体となり、ショート状態となっているので、接地端子55Gがジャック7の接地接点CGと接続されると共に、マイク接点CMとも接続される。従って、バイアス電圧B2からMCU10に入力される電圧は、0Vとなる。
【0039】
従って、バイアス電圧B2からMCU10に入力される電圧値が、閾値(例えば1.0V)を超えるか超えないかを判断することで、HSマイク50cを有するか/有しないか、即ちマイク接点CMへのマイク端子Mの接続/非接続を検知できる。このような、抵抗R2及びバイアス電圧B2による検知回路が、図2(a)における「HSマイク検知回路15」に該当する。
【0040】
また、内蔵マイク2とアンプa4との間には、内蔵ミュート回路12が接続され、アンプa3と第1入力ポートM1との間には、HSミュート回路13が接続される。内蔵ミュート回路12と、HSミュート回路13とは、それぞれMCU10に接続される。図4(a)を参照して、内蔵ミュート回路12およびHSミュート回路13の詳細を説明する。
【0041】
図4(a)は、HSミュート回路13の回路図である。なお、内蔵ミュート回路12とHSミュート回路13とは同一の構成なので、以下ではHSミュート回路13のみの説明とし、内蔵ミュート回路12の説明を省略する。HSミュート回路13、抵抗R3と、バイアス電圧B3(例えば3.3V)と、トランジスタT1と、トランジスタT2とで構成される。
【0042】
MCU10は抵抗R3を介して、トランジスタT1のベースに接続される。そのトランジスタT1のエミッタにはバイアス電圧B3が接続され、トランジスタT1のコレクタはトランジスタT2のベースと接続される。トランジスタT2のコレクタがジャック7のマイク接点CMと音声処理装置11の第1入力ポートM1との間(具体的には、図3(a)におけるアンプa3と第1入力ポートM1との間)に接続され、トランジスタT2のエミッタはグランドGNDと接続される。
【0043】
このように構成されたHSミュート回路13において、MCU10からトランジスタT1のベースにローの電圧を与えると、バイアス電圧B3からの電圧が、トランジスタT1のコレクタ及びエミッタを介して、トランジスタT2のベースに入力される。そうすると、マイク接点CMから入力された音声信号は、トランジスタT2のコレクタ及びエミッタを介してグランドGNDに入力される。これにより、マイク接点CMからの入力される音声信号が、第1入力ポートM1から遮断される。一方で、MCU10からトランジスタT1のベースに電圧を入力されない場合は、マイク接点CMからの音声信号が第1入力ポートM1に入力される。
【0044】
このように、HSミュート回路13はマイク接点CMから入力される音声信号のみ、遮断できるように構成されるので、HSミュート回路13によって、マイク接点CMの音声信号の第1入力ポートM1への入力と遮断とを切り替えても、内蔵マイク2等の音声処理装置11への他の入出力に影響を及ぼすことはない。同様に、内蔵ミュート回路12も内蔵マイク2から入力される音声信号のみ遮断できるように構成されるので、内蔵マイク2からの音声信号の、第1入力ポートM1への入力と遮断とを切り替えても、音声処理装置11への他の入出力に影響を及ぼすことはない。
【0045】
次に図4(b)を参照して、音声処理装置11の第1入力ポートM1と、左出力ポートLout及び右出力ポートRoutとの入出力の関係について説明する。図4(b)は、音声処理装置11を模式的に示した図である。図4(b)に示す通り、本実施形態の音声処理装置11は、第1入力ポートM1からの音声信号が、左出力ポートLout及び右出力ポートRoutから出力可能に構成される。これにより、ヘッドセット50のHSマイク50cから入力された音声を、即時に左スピーカ50a及び右スピーカ50bから出力できる。
【0046】
また図示はしないが、音声処理装置11においては、左出力ポートLout及び右出力ポートRoutは、第1入力ポートM1から入力された音声信号を出力だけでなく、他の音声信号、例えば後述する携帯端末30から受信した配信データの音声信号を、第1入力ポートM1から入力された音声信号と混合(ミキシング)して出力可能に構成される。
【0047】
このように、第1入力ポートM1からの音声信号を左出力ポートLout及び右出力ポートRoutから出力可能とした場合において、プラグ55のジャック7への挿入が不完全な場合に、ヘッドセット50の左スピーカ50a及び右スピーカ50bからノイズが出力されることがある。図5を参照して、このようなノイズ発生のメカニズムを説明する。
【0048】
図5(a)は、ジャック7に対してプラグ55の挿入が不完全な場合の音声入力回路Siの回路図であり、図5(b)は、図5(a)のVb部の拡大図である。ジャック7に対してプラグ55を抜き差ししている最中では、ジャック7にプラグ55を挿入されているにもかかわらず、プラグ55の左端子55L、右端子55R、接地端子55G及びマイク端子Mが、それぞれジャック7の左接点CL、右接点CR、接地接点CG及びマイク接点CMと完全には接続しない。
【0049】
特に図5(a)に示すように、左端子55Lが右接点CRと接続され、左端子55Lと右端子55Rとの間の絶縁体に接地接点CGが接続され、接地端子55Gがマイク接点CMに接続する場合がある。このような場合、音声処理装置11の右出力ポートRoutからの音声信号が、右接点CRから左端子55Lに入力される。
【0050】
ここで図5(b)に示す通り、プラグ55の左端子55Lと接地端子55Gとは、左スピーカ50a(図1図2(a)参照)に基づく仮想的な抵抗55VR1を介して接続される。従って、左端子55Lからの音声信号が、抵抗55VR1を介して接地端子55Gに入力され、接地端子55Gからマイク接点CMに入力され、更にマイク接点CMから第1入力ポートM1に入力される。図4(b)で上記した通り、第1入力ポートM1から入力された音声信号は右出力ポートRoutに出力され、再び右接点CR及び左端子55Lに入力される。
【0051】
このように、左端子55Lからの音声信号がマイク接点CMに繰り返し入力されることで「ハウリング」が発生し、これによって音声信号は、雑音を含んだ不正な音声信号となってしまう。かかる不正な音声信号が左端子55Lから左スピーカ50aに出力されるので、左スピーカ50aからは使用者Hにとって不快なノイズが出力される。
【0052】
そこで本実施形態では、プラグ検知回路14によってプラグ55が検知され、更にHSマイク検知回路15によってマイク接点CMの接続が検知された場合は、2秒間、HSミュート回路を動作させることで、マイク接点CMから入力される不正な音声信号を遮断し、不正な音声信号によるノイズが使用者Hに出力されるのを抑制する。
【0053】
図2(a)に戻る。上記した付加ボタン3a~3fには、それぞれLED3a1~LED3f1が設けられる。LED3a1~LED3f1は、点灯および消灯が制御可能に構成され、携帯端末30から受信した点灯指示または消灯指示に応じて、LED3a1~LED3f1の点灯および消灯が制御される。
【0054】
携帯端末30は、CPU33と、フラッシュROM34と、RAM35とを有し、これらはバスライン36を介して入出力ポート37にそれぞれ接続されている。入出力ポート37には、更に、入出力IF1の通信装置16との通信を行う通信装置38と、インターネットNT及び外部カメラ60と無線通信を行う無線通信装置39と、内蔵カメラ31と、LCD32と、タッチパネル40とが接続されている。
【0055】
CPU33は、バスライン36により接続された各部を制御する演算装置である。フラッシュROM34は、CPU10により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置であり、制御プログラム34aと、付加ボタンテーブル34bとが記憶される。CPU33によって制御プログラム34aが実行されると、図8のメイン処理が実行される。付加ボタンテーブル34bは、付加ボタン3a~3fそれぞれのオンオフ状態と、割り当てられている付加処理とが記憶されるデータテーブルである。図2(b)を参照して付加ボタンテーブル34bを説明する。
【0056】
図2(b)は、付加ボタンテーブル34bを模式的に示した図である。図4(b)に示す通り、付加ボタンテーブル34bには、付加ボタン3a~3f及び、付加ボタン3a~3fとLCD32上で対応する後述の付加ボタン32a~32f(図10参照)のそれぞれにおける、オンオフの状態と付加処理とが記憶される。
【0057】
図2(b)においては、付加ボタン3a,32aの付加処理として「BGM1」が、付加ボタン3b,32bの付加処理として「動画1」が、付加ボタン3c,32cの付加処理として「効果音1」が、付加ボタン3d,32dの付加処理として「静止画1」が、付加ボタン3e,32eの付加処理として「効果音1」とは異なる効果音である「効果音2」が、そして付加ボタン3f,32fの付加処理として「テキスト1」が、それぞれ割り当てられている。
【0058】
図2(a)に戻る。RAM35は、CPU33が制御プログラム34aの実行時に各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶するメモリであり、入出力IF1から受信した音声が記憶される入力音声メモリ35aと、上記の配信データが記憶される配信データメモリ35bと、入出力IF1から受信した上記のカメラ切替情報が記憶されるカメラモードメモリ35cと、入出力IF1から受信した上記の付加音量が記憶される付加音量メモリ35dとが設けられる。
【0059】
タッチパネル40は、使用者Hによるタッチ操作に応じて、タッチされた位置信号を、携帯端末30へ入力する入力装置であり、上記したLCD32とタッチパネル40とは、重ね合わせて設けられる。
【0060】
次に図6図10を参照して、入出力IFのMCU10で実行される処理および携帯端末30のCPU33で実行される処理を説明する。図6(a)は、入出力IF1におけるメイン処理のフローチャートである。入出力IF1のメイン処理は、入出力IF1の電源投入後に実行される処理である。入出力IF1のメイン処理はまず、マイクミュート処理(S1)を行う。図6(b)を参照して、マイクミュート処理を説明する。
【0061】
図6(b)は、入出力IF1におけるマイクミュート処理のフローチャートである。マイクミュート処理は、まず、プラグ検知回路14がプラグ55の挿入を検知しているかを確認する(S10)。S10の処理において、プラグ検知回路14がプラグ55の挿入を検知している場合は(S10:Yes)、HSマイク検知回路15が、マイク接点CMの接続を検知しているかを確認する(S11)。
【0062】
S11の処理において、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知している場合は(S11:Yes)、更にHSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後かを確認する(S12)。具体的には、前回のマイクミュート処理においてHSマイク検知回路15でマイク接点CMの接続が検知されておらず、且つ今回のマイクミュート処理においてHSマイク検知回路15でマイク接点CMの接続が検知されたか否かを確認する。
【0063】
S12の処理において、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後である場合は(S12:Yes)、音声処理装置11の音声の入力先を、内蔵マイク2からHSマイク50cに切り替えるタイミングであるので、まず内蔵ミュート回路12を動作させ、内蔵マイク2をミュートする(S13)。
【0064】
S13の処理の後、HSミュート回路13を動作させ、マイク接点CMから入力される音声信号を第1入力ポートM1から遮断し、HSマイク50cをミュートする(S14)。S14の処理の後、2秒間ウェイト処理を行い(S15)、その後、HSミュート回路13を停止させて、マイク接点CMからの第1入力ポートM1への音声信号の入力を回復させて、HSマイク50cのミュートを解除する(S16)。
【0065】
即ちHSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後(S11:Yes)においては、図5で上記した通り、プラグ55のジャック7への抜き差しにおいて、マイク接点CMがプラグ55のマイク端子55Mに接続されず、接地端子55G等の他の端子と接続されている虞がある。
【0066】
このような場合に、HSミュート回路13によって、マイク接点CMから入力される音声信号を、音声処理装置11の第1入力ポートM1から2秒間遮断することで、マイク接点CMからの不正な音声信号が右出力ポートRout及び左出力ポートLoutを介して、ヘッドセット50の左スピーカ50a及び右スピーカ50bから出力されるのを抑制できる。これにより、不正な音声信号に起因する不快なノイズが、使用者Hに出力されるのを抑制できる。
【0067】
また、マイク接点CMからの音声信号の遮断から、その遮断の解除まで時間が2秒間に設定される。従って、かかる2秒間によってジャック7へのプラグ55の抜き差しに要する時間が確保できるので、かかる抜き差し中にマイク接点CMからの不正な音声信号が入力されても、それが不快なノイズとなって使用者Hに出力されるのを十分に抑制できる。
【0068】
ここで、後述するようにS1のマイクミュート処理は繰り返し処理されるので、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後にのみ(S12:Yes)、S14~S16によるHSマイク50cのミュート及びその2秒後のミュート解除を行うことで、マイク接点CMの接続が検知されている状態で、HSマイク50cのミュート及びその解除が繰り返し実行されるのを防止できる。
【0069】
S10の処理において、プラグ検知回路14がプラグ55の挿入を検知してない場合(S10:No)、又は、S11の処理において、HSマイク検知回路15が、マイク接点CMの接続を検知していない場合は(S11:No)、プラグ55がジャック7から完全に引き抜かれる等によって、音声処理装置11の音声の入力先を、HSマイク50cから内蔵マイク2に切り替えるタイミングであるので、HSミュート回路13を動作させて、HSマイク50cをミュートし(S17)、内蔵ミュート回路12を停止させて、内蔵マイク2のミュートを解除する(S18)。
【0070】
S12の処理において、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後ではない場合は(S12:No)、S13~S16の処理をスキップする。S12,S16,S18の処理の後、マイクミュート処理(S1)を終了し、図6(a)のメイン処理に戻る。
【0071】
S1のマイクミュート処理(S1)の後、操作子処理(S2)を実行する。図7を参照して、操作子処理を説明する。
【0072】
図7は、入出力IF1における操作子処理のフローチャートである。操作子処理はまず、付加ボタン3a~3fのいずれかが押されたかを確認する(S30)。S30の処理において、付加ボタン3a~3fが押された場合は(S30:Yes)、押された付加ボタン3a~3fの押下情報を携帯端末30に送信する(S31)。S30の処理において、付加ボタン3a~3fが押されていない場合は(S30:No)、S31の処理をスキップする。
【0073】
S30,S31の処理の後、携帯端末30から付加ボタン3a~3fの点灯指示または消灯指示を受信したかを確認する(S32)。S32の処理において、付加ボタン3a~3fの点灯指示を受信した場合は(S32:「点灯指示」)、点灯指示がされた付加ボタン3a~3fのLED3a1~LED3f1を点灯させ(S33)、付加ボタン3の消灯指示を受信した場合は(S32:「消灯指示」)、消灯指示がされたLED3a1~LED3f1を消灯させる(S34)。S32の処理において、点灯指示または消灯指示を受信していない場合は(S32:「受信なし」)、S33,S34の処理をスキップする。
【0074】
S32~S34の処理の後、エフェクトボタン4dが押されたかを確認する(S35)。S35の処理において、エフェクトボタン4dが押された場合は(S35:Yes)、携帯端末30にエフェクト指示情報を送信し(S36)、エフェクトボタン4dが押されていない場合は(S35:No)、S36の処理をスキップする。
【0075】
S35,S36の処理の後、カメラ切替ボタン4aが押されたかを確認する(S37)。S37の処理において、カメラ切替ボタン4aが押された場合は(S37:Yes)、携帯端末30に上記のカメラ切替情報を送信する(S38)。かかるS38の処理で送信されるカメラ切替情報の設定値はカメラ切替ボタン4aが押されるごとに切り替わり、具体的には「内蔵カメラ31から画像取得」→「外部カメラ60から画像取得」→「画像取得を行わない」「内蔵カメラ31から画像取得」→・・・の順に繰り返し切り替わる。一方で、カメラ切替ボタン4aが押されていない場合は(S37:No)、S38の処理をスキップする。
【0076】
S37,S38の処理の後、付加音量つまみ5の音量、即ち付加音量が、前回の操作子処理の実行時から変化したかを確認する(S39)。S39の処理において、付加音量が変化した場合は(S39:Yes)、携帯端末30に付加音量を送信し(S40)、付加音量が変化していない場合は(S39:No)、S40の処理をスキップする。S39,S40の処理の後、操作子処理を終了し、図6(a)のメイン処理に戻る。
【0077】
S2の操作子処理の後、音声処理装置11に入力された音声、即ちヘッドセット50のHSマイク50c又は内蔵マイク2から入力された音声を、携帯端末30に送信する(S3)。なお、S3の処理において、音声処理装置11に入力された音声をMCU10を介さずに携帯端末30へ送信しても良い。S3の処理の後、携帯端末30から後述の配信データを受信する(S4)。
【0078】
S4の処理の後、受信した配信データの音声に、音声処理装置11で入力された音声を追加した音声を音声処理装置11から出力する(S5)。具体的には、受信した配信データから音声信号を抽出して音声処理装置11に入力し、音声処理装置11においてその音声信号と、第1入力ポートM1から入力された音声信号とを混合した音声信号を、左出力ポートLout及び右出力ポートRoutから出力する。S5の処理の後、S1以下の処理を繰り返す。
【0079】
次に図8図10を参照して、携帯端末30の処理を説明する。図8は、携帯端末30におけるメイン処理のフローチャートである。携帯端末30のメイン処理は、タッチパネル40から制御プログラム34aの実行指示があった場合に実行される。
【0080】
携帯端末30のメイン処理はまず、タッチパネル40から付加ボタンテーブル34bの付加処理の変更指示があったかを確認する(S50)。S50の処理において、付加処理の変更指示があった場合は(S50:Yes)、タッチパネル40から取得された変更後の付加処理を、付加ボタンテーブル34bの該当する付加ボタン3a~3f,32a~32fの付加処理に設定する(S51)。S50の処理において、付加処理の変更指示がなかった場合は(S50:No)、S51の処理をスキップする。
【0081】
S50,S51の処理の後、入出力IF1から音声を取得し、入力音声メモリ35a及び配信データメモリ35bに保存する(S52)。S52の処理の後、イベント処理を実行する(S53)。図9を参照して、イベント処理を説明する。
【0082】
図9は、携帯端末におけるイベント処理のフローチャートである。イベント処理はまず、入出力IF1から付加ボタン3a~3fの押下情報を受信したか、又はLCD32上の付加ボタン32a~32fがタッチパネル40で押されたかを確認する(S70)。ここで図10(a)を参照して、入出力IF1の付加ボタン3a~3fと、LCD32上の付加ボタン32a~32fとの関係を説明する。
【0083】
図10(a)は、入出力IF1と携帯端末30のLCD32とを表す図である。LCD32の下部には、付加ボタン32a~32fが表示される。付加ボタン32a~付加ボタン32fは、それぞれ上記した入出力IF1の付加ボタン3a~3fと対応している。図9のS70の処理では、入出力IF1の付加ボタン3a~3fが押されることで、図7のS31の処理で送信される押下情報を受信したか、又はLCD32上の付加ボタン32a~32fがタッチパネル40を介して押されたかを確認する。
【0084】
図9に戻る。S70の処理において、入出力IF1から付加ボタン3a~3fの押下情報を受信した場合、又はLCD32上の付加ボタン32a~32fが押された場合は(S70:Yes)、該当する付加ボタンテーブル34の付加ボタン3a~3f,32a~32fの状態を確認する(S71)。
【0085】
S71の処理において、該当する付加ボタンテーブル34の付加ボタン3a~3f,32a~32fの状態がオフの場合は(S71:「オフ」)、該当する付加ボタンテーブル34の付加ボタン3a~3f,32a~32fの状態をオンに設定する(S72)。そして、該当するLCD32上の付加ボタン32a~付加ボタン32fを選択表示し(S73)、該当する付加ボタン3a~3fの点灯指示を入出力IF1に送信する(S74)。
【0086】
一方でS71の処理において、該当する付加ボタンテーブル34の付加ボタン3a~3f,32a~32fの状態がオンの場合は(S71:「オン」)、該当する付加ボタンテーブル34の付加ボタン3a~3f,32a~32fの状態をオフに設定し(S75)、該当するLCD32上の付加ボタン32a~付加ボタン32fの選択表示を解除し(S76)、該当する付加ボタン3a~3fの消灯指示を入出力IF1に送信する(S77)。S71~S77の処理を、再び図10を参照して説明する。
【0087】
図10(b)は、入出力IF1の付加ボタン3fがオンの場合の入出力IF1と携帯端末30のLCD32とを表す図であり、図10(c)は、使用者HがLCD32の付加ボタン32fを操作する場合の入出力IF1と携帯端末30のLCD32とを表す図であり、図10(d)は、入出力IF1の付加ボタン3fがオフされた場合の入出力IF1と携帯端末30のLCD32とを表す図である。
【0088】
まず、図10(a)において、使用者Hが、付加ボタン3fに割り当てられているテキスト表示処理を施すため、入出力IF1の付加ボタン3fを押す。これにより、図9のS72の処理によって付加ボタンテーブル34の付加ボタン3f,32fの状態がオンに設定される。
【0089】
そして、S73の処理によって、付加ボタン3fに対応するLCD32上の付加ボタン32fが選択表示となる(図10(b))。LCD32上には、後述の図8のS58の処理によってテキストTが表示される。更に図9のS74の処理によって入出力IF1に付加ボタン3fの点灯指示が送信され、この点灯指示を受信した入出力IF1は、図7のS33の処理によって付加ボタン3fのLED3f1を点灯させる。付加ボタン3fのLED3f1の点灯およびLCD32上の付加ボタン32fが選択表示によって、使用者Hは、テキスト表示処理が施されていることを、入出力IF1及び携帯端末30の双方から確認できる。
【0090】
その後、使用者Hがテキスト表示処理を解除するため、LCD32上の付加ボタン32fを押す(図10(c))。これにより、図9のS75の処理によって付加ボタンテーブル34における付加ボタン3f,32fの状態がオフに設定され、S76の処理によって、付加ボタン32fの選択表示が解除され(図10(d))、更に後述の図8のS58の処理によって、LCD32上からテキストTが非表示にされる。そして、図9のS77の処理によって入出力IF1に付加ボタン3fの消灯指示が送信され、図7のS34の処理によってLED3f1を消灯させる。
【0091】
付加ボタンテーブル34によって付加ボタン3a~3f,32a~32fのオンオフ状態が一元管理されるので、付加ボタン3a~3f,32a~32fに割り当てられている付加処理のオンオフ状態と、それらに対応する付加ボタン3a~3fのLED3a1~LED3f1の点灯/消灯状態および付加ボタン32a~32fの選択表示状態とを、同期させることができる。これにより、付加ボタン3a~3fを押した場合でも、LCD32上の付加ボタン32a~32fを押した場合でも、それぞれ同等の動作をするので、入出力IF1及び携帯端末30の使い勝手を向上できる。
【0092】
図9に戻る。S70の処理において、入出力IF1から付加ボタン3a~3fの押下情報を受信していない場合、かつLCD32上の付加ボタン32a~32fが押されていない場合は(S70:No)、S71~S77の処理をスキップする。
【0093】
S70,S74,S77の処理の後、入出力IF1から、上記したエフェクト指示情報を受信したかを確認する(S78)。S78の処理において、エフェクト指示情報を受信した場合は(S78:Yes)、入力音声メモリ35aの音声に、リバーブ、ディレイ等のエフェクト(音響効果)処理を行った音声を配信データメモリ35bに追加する(S79)。一方でエフェクト指示情報を受信していない場合は(S78:No)、S79の処理をスキップする。
【0094】
S78,S79の処理の後、入出力IF1から上記したカメラ切替情報を受信したかを確認する(S80)。S80の処理において、カメラ切替情報を受信した場合は(S80:Yes)、受信したカメラ切替情報をカメラモードメモリ35cに保存する(S81)。S80の処理において、カメラ切替情報を受信していない場合は(S80:No)、S81の処理をスキップする。
【0095】
S80,S81の処理の後、入出力IF1から付加音量を受信したかを確認する(S82)。S82の処理において、付加音量を受信した場合は(S82:Yes)、受信した付加音量を付加音量メモリ35dに保存し(S83)、付加音量を受信していない場合は(S82:No)、S83の処理をスキップする。S82,S83の処理の後、イベント処理を終了し、図8のメイン処理に戻る。
【0096】
S53のイベント処理の後、カメラモードメモリ35cの値に該当するカメラから画像を取得する(S54)。具体的には、カメラモードメモリ35cに「内蔵カメラ31から画像取得」が設定されている場合は、内蔵カメラ31から画像が取得され、「外部カメラ60から画像取得」が設定されている場合は、外部カメラ60から画像が取得される。一方で「画像取得を行わない」場合は、内蔵カメラ31及び外部カメラ60からの画像に代わり、黒一色の画像、即ちブランク画像が取得される。かかるカメラモードメモリ35cの値は、入出力IF1のカメラ切替ボタン4aが押されるごとに切り替わるので、携帯端末30への複雑な操作をすることなく、容易に画像の取得先を切り換えることができる。
【0097】
S54の処理の後、S54の処理で取得された画像を配信データメモリ35bに追加する(S55)。S55の処理の後、付加ボタンテーブル34bにおいて有効な付加処理、即ち付加ボタンテーブル34bにおける付加ボタン3a~3f,32a~32fのうち、状態がオンである付加処理があるかを確認する(S56)。
【0098】
S56の処理において、有効な付加処理がある場合は(S56:Yes)、付加ボタンテーブル34bから有効な付加処理を取得し、その付加処理の音量を付加音量メモリ35dの付加音量に調節した上で、配信データメモリ35bの配信データに適用する(S57)。一方で、S56の処理において有効な付加処理がない場合は(S56:No)、S57の処理をスキップする。
【0099】
S56,S57の処理の後、配信データメモリ35bの配信データを無線通信装置39を介してインターネットNT上に配信し、入出力IF1に送信すると共に、配信データの画像をLCD32上に表示する(S58)。S58の処理の後、S50以下の処理を繰り返す。
【0100】
S58の処理によって、入出力IF1に送信された配信データの音声信号は、上記した図6(a)のS5の処理によって、HSマイク50cや内蔵マイク2から入力された音声と混合されて出力される。HSマイク50cや内蔵マイク2から入力された音声が、携帯端末30において配信データとして加工され、入出力IF1に出力されるまでには、付加処理やエフェクトを施す処理時間を要する。従って、音声が入出力IF1に入力されてから、その音声に基づく配信データの音声が入出力IF1から出力されるまでにレイテンシー(遅れ)が生じる。
【0101】
そこで、HSマイク50cや内蔵マイク2から入力された音声を、配信データの音声信号と混合して出力することで、携帯端末30で配信データに付加処理やエフェクトを施した場合でも、その時点でHSマイク50cや内蔵マイク2から入力された音声を、レイテンシーを生じさせることなくモニター出力できる。これにより、使用者Hはかかるモニター出力を聞くことで、違和感なく話したり、歌うことができる。
【0102】
これと同時に配信データの音声信号もモニター出力されるので、使用者Hはかかるモニター出力を確認することで、配信データの付加処理やエフェクトのかかり具合を随時確認できる。これらのモニター出力を同一の左スピーカ50a及び右スピーカ50bで行えるので、使用者Hの入出力IF1及び携帯端末30に対する使い勝手を向上できる。
【0103】
次に、図11図13を参照して、第2実施形態を説明する。上記した第1実施形態では、HSミュート回路13によってマイク接点CMから入力される音声信号を音声処理装置11から遮断することで、マイク接点CMからの不正な音声信号が、音声処理装置11の右出力ポートRout及び左出力ポートLoutから出力されるのを抑制した。
【0104】
これに対し第2実施形態では、内蔵マイク2とHSマイク50cとを、それぞれ音声処理装置11における別の入力ポートに接続し、音声処理装置11に対して音声を入力する入力ポートを適宜切り替えることで、マイク接点CMから入力される音声信号が、右出力ポートRout及び左出力ポートLoutから出力されるのを抑制する。第2実施形態において、上記した第1実施形態と同一の部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0105】
図11(a)は、第2実施形態における入出力IF100の電気的構成を示すブロック図であり、図11(b)は、第2実施形態における入出力IF100の音声入力回路Siの回路図である。図11(a),図11(b)に示す通り、第2実施形態の音声入力回路Siにおいては、図2(a),図3(a)の第1実施形態の音声入力回路Siから、内蔵ミュート回路12及びHSミュート回路13が省略される。そして内蔵マイク2は、アンプa4を介して音声処理装置11の第1入力ポートM1に接続され、マイク接点CMは、アンプa3を介して音声処理装置11の第2入力ポートM2に接続される。一方で第3入力ポートM3には、内蔵マイク2、マイク接点CM及び他の入力装置が非接続とされる。
【0106】
次に図12を参照して、音声処理装置11における入力ポートの切り替えを説明する。図12(a)は、内蔵マイク2から音声信号の入力を行う場合の音声処理装置11を模式的に示した図であり、図12(b)は、HSマイク50cから音声信号の入力を行う場合の音声処理装置11を模式的に示した図であり、図12(c)は、音声信号の入力を遮断する場合の音声処理装置11を模式的に示した図である。
【0107】
図12に示す通り、音声処理装置11には、音声処理装置11から音声信号を入力する入力ポートを、第1入力ポートM1、第2入力ポートM2及び第3入力ポートM3のうちの1のポートに切り替える入力切替SWが設けられる。
【0108】
入力切替SWを第1入力ポートM1に切り替えた場合は(図12(a))、音声処理装置11には内蔵マイク2から入力された音声信号が入力され、入力切替SWを第2入力ポートM2に切り替えた場合は(図12(b))、音声処理装置11にはHSマイク50cから入力された音声信号が入力され、入力切替SWを第3入力ポートM3に切り替えた場合は(図12(c))、音声信号の入力が遮断される。
【0109】
第2実施形態では、後述のマイクミュート処理において適宜入力切替SWを切り換えることで、音声処理装置11へ音声信号の入力を内蔵マイク2から行うか、HSマイク50cから行うか、或いは音声処理装置11への音声信号の入力自体を遮断するかを切り替える。
【0110】
次に、図13を参照して、第2実施形態における入出力IF100のマイクミュート処理のフローチャートである。第2実施形態におけるマイクミュート処理は、S12の処理において、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後である場合は(S12:Yes)、入力切替SWによって音声処理装置11の入力ポートを第3入力ポートM3に切り替える(S100)。これによって、音声処理装置11への音声信号の入力を遮断され、内蔵マイク2及びHSマイク50cがミュートされる。
【0111】
S100の処理の後、2秒間のウェイト処理を行い(S15)、その後、入力切替SWによって音声処理装置11の入力ポートを第2入力ポートM2に切り替える(S101)。これにより、音声処理装置11へマイク接点CMからの音声信号の入力が入力されるので、HSマイク50cのミュートのみが解除される。
【0112】
S12の処理において、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後ではない場合は(S12:No)、S100~S101の処理をスキップする。
【0113】
S11の処理において、HSマイク検知回路15が、マイク接点CMの接続を検知していない場合は(S11:No)、入力切替SWによって音声処理装置11の入力ポートを第1入力ポートM1に切り替える(S102)。これによって、内蔵マイク2のミュートのみが解除される。
【0114】
以上説明した通り、第2実施形態の入出力IF100では、即ち第2実施形態の入出力IF100では、HSマイク検知回路15がマイク接点CMの接続を検知した直後に、音声処理装置11において音声信号を入力する入力ポートを第3入力ポートM3に切り替えることで、マイク接点CMから入力される音声信号が遮断される。これにより、マイク接点CMから入力された不正な音声信号が、ヘッドセット50の左スピーカ50a及び右スピーカ50bから出力されるのを抑制できる。
【0115】
このようにマイク接点CMから入力される音声信号の遮断が、音声処理装置11内において音声信号を入力する入力ポートを切り替えるのみで実現できる。これにより、第1実施形態の内蔵ミュート回路12やHSミュート回路13等の他の回路や装置を設ける必要がないので、入出力IF100の製造コストを低減できる。
【0116】
以上、上記実施形態に基づき説明したが、種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0117】
上記実施形態では、マイク接点CMから入力される音声信号を遮断することで、不正な音声信号が右出力ポートRout及び左出力ポートLoutを介して、ヘッドセット50の左スピーカ50a及び右スピーカ50bから出力されるのを抑制した。しかし、必ずしもこれに限られず、右出力ポートRout及び左出力ポートLoutから出力される音声信号を、左接点CL及び右接点CRから遮断することで、不正な音声信号がヘッドセット50の左スピーカ50a及び右スピーカ50bから出力されるのを抑制しても良い。
【0118】
かかる場合、例えば、第1実施形態のように、右出力ポートRout及び左出力ポートLoutと左接点CL及び右接点CRとの間に、それぞれHSミュート回路13と同等の回路を設けることで、右出力ポートRout及び左出力ポートLoutから出力される音声信号を、左接点CL及び右接点CRから遮断しても良い。
【0119】
また、第2実施形態のように、音声処理装置11における出力ポートを右出力ポートRout及び左出力ポートLoutとは異なる出力ポートに切り替えることで、右出力ポートRout及び左出力ポートLoutから出力される音声信号を、左接点CL及び右接点CRから遮断しても良い。
【0120】
上記実施形態では、図8のS58の処理において、配信データメモリ35bの配信データをそのまま入出力IF1に送信した。しかし、必ずしもこれに限られず、S58の処理において、配信データメモリ35bの配信データから入力音声メモリ35aの音声を除外した配信データを、入出力IF1に送信しても良い。これにより、図6(a)の入出力IF1のS5の処理において、配信データの音声に音声処理装置11で入力された音声を混合して出力する場合に、音声処理装置11で入力された音声と同じ音声が除外されているので、音声処理装置11で入力された音声と同じ音声が二重に出力される事態を抑制できる。
【0121】
上記実施形態では、携帯端末30で作成した配信データをインターネットNTに配信したが、これに限られず、例えば、配信データを携帯端末30のフラッシュROM34やRAM35に蓄積しても良い。更にフラッシュROM34やRAM35に蓄積された配信データを編集した上で、インターネットNTに配信しても良い。
【0122】
上記実施形態では、入出力IF1,100に対して内蔵マイク2が設けられ、HSマイク50cが接続可能に構成した。しかし、必ずしもこれに限られず、入出力IF1,100から内蔵マイク2を省略して、HSマイク50cのみから音声入力する構成としても良いし、入出力IF1,100にHSマイク50cとは異なる他の音声入力装置を、接続可能に構成しても良い。
【0123】
上記実施形態では、図6(b),図13におけるS15の処理において、2秒間ウェイト処理を行った。しかし、ウェイト処理をする時間は2秒に限られるものではなく、2秒以上でも2秒以下でも良いが、1~2秒の間に設定されるのが好ましい。
【0124】
上記実施形態では、携帯端末30において、内蔵カメラ31又は外部カメラ60のいずれかから画像を取得する構成とした。しかし、これに限られず、内蔵カメラ31と外部カメラ60との両方から画像を取得し、取得された2つの画像を並べる等した画像を配信データの作成に用いても良い。
【0125】
上記実施形態では、付加ボタン3a~3fにLED3a1~3f1を設けた。しかし、これに限られるものではなく、付加ボタン3a~3fからLED3a1~3f1を省略しても良い。また、カメラ切替ボタン4a、配信開始ボタン4b、ミュートボタン4c及びエフェクトボタン4dにLEDを設け、これらのボタンの状態に応じてLEDの点灯または消灯を切り替えても良い。
【0126】
上記実施形態では、情報処理装置(配信装置)としてスマートフォンである携帯端末30を例示したが、これに限られず、タブレット端末やパーソナル・コンピュータ等の他の情報処理装置を用いても良い。
【0127】
上記実施形態では、入出力IF1,100に音声入力回路Siが設けられたが、これに限られず、例えば、音声入力回路Siを携帯電話や携帯型の電子ゲーム機等の、ヘッドセット50のプラグ55を介して音声を入力する他の装置に設けても良い。
【0128】
上記実施形態では、プラグ55としてCTIA規格の端子を例示したが、これに限られず、例えば、OMTP(Open Mobile Terminal Platform)規格の端子を用いても良いし、他の規格の端子を用いても良い。
【符号の説明】
【0129】
1,100 入出力IF(信号処理装置)
14 プラグ検知回路(プラグ検知手段)
15 HSマイク検知回路(マイク検知手段の一部)
55 プラグ
55M マイク端子
55L 左端子(スピーカ端子)
55R 右端子(スピーカ端子)
7 ジャック
CM マイク接点
CL 左接点(スピーカ接点)
CR 右接点(スピーカ接点)
11 音声処理装置
M1 第1入力ポート(入力ポート)
M2 第2入力ポート(入力ポート)
M3 第3入力ポート(入力ポート)
Lout 左出力ポート(出力ポート)
Rout 右出力ポート(出力ポート)
S1 マイクミュート処理(マイクミュート手段、マイクミュートステップ)
S11 マイク検知手段の一部、マイク検知ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13