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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】オイル合着通気口アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/10 20060101AFI20230824BHJP
   B01D 69/06 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
B01D46/10 E
B01D69/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019557419
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-25
(86)【国際出願番号】 US2018031651
(87)【国際公開番号】W WO2018208819
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-30
(31)【優先権主張番号】62/503,180
(32)【優先日】2017-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(72)【発明者】
【氏名】リース, シャノン
(72)【発明者】
【氏名】ドッツァラー, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘバート, マイケル ジェイ.
【審査官】壷内 信吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/123354(WO,A1)
【文献】米国特許第06325463(US,B1)
【文献】特表2010-531731(JP,A)
【文献】米国特許第07156890(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0048228(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B01D 53/22,61/00-71/82
C01F 1/44
B60B 1/00-11/10,17/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を画定する内面を有する通気口本体であって、第1の端部及び第2の端部を画定し、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる中心軸を画定する前記通気口本体と、
前記通気口本体の前記第1の端部の近くで、前記内面から前記空洞にまたがって広がる第1の保持器であって、前記中心軸から第1の半径方向距離まで広がる第1の保持器開口を画定する前記第1の保持器と、
前記通気口本体の前記第2の端部の近くで、前記内面から前記空洞にまたがって広がる第2の保持器であって、前記中心軸から第2の半径方向距離まで広がる第2の保持器開口を画定し、前記第2の半径方向距離は、前記第1の半径方向距離を超える、前記第2の保持器と、
前記空洞内で前記第1の保持器と前記第2の保持器との間に配置された合着フィルタ媒体と、を備え、
前記通気口本体は、前記通気口本体の前記第2の端部を画定する挿入部分を有し、
前記通気口本体は、前記挿入部分から半径方向外側に広がる保持リムを画定し、
前記合着フィルタ媒体は、渦巻き構成の少なくとも1つの合着フィルタ媒体シートを含み、前記空洞、前記第1の保持器、及び前記第2の保持器と共に、累積的に空気流路を画定する、通気口アセンブリ。
【請求項2】
前記通気口本体は、前記空洞を覆って広がる第1の端部上の端部キャップ部分を有する、請求項1記載の通気口アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載の通気口アセンブリを作製する方法であって、
統合した一体構成要素を形成するように、第の端部にある挿入部分と、内面と、第の端部にある端部キャップ部分とを有する通気口本体を型成形し、前記内面は、空洞と、前記第1の端部から前記第2の端部に延びる中心軸とを画定し、前記端部キャップ部分は、前記空洞と流体連通する半径方向開口を画定することと、
前記通気口本体の前記第1の端部の近くで、前記通気口本体の前記空洞に薄膜を挿入することと、
前記薄膜を挿入した後、前記内面と摩擦嵌合を形成するように、第1の保持器を前記通気口本体の前記空洞に挿入することと、
前記第1の保持器及び薄膜を挿入した後、前記通気口本体の前記空洞に合着フィルタ媒体を挿入することと、
前記内面と摩擦嵌合を形成するように、前記空洞の前記第2の端部に第2の保持器を挿入し、前記第2の保持器の挿入は、前記合着フィルタ媒体を挿入した後であることと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、すべての国指定に対する出願人である米国企業のDonaldson Company,Inc.と、すべての国指定に対する発明者である米国民のShannon Lees、Daniel Dotzler、及びMichael J.Hebertとの名義で、2018年5月8日にPCT国際出願として出願されたものであり、2017年5月8日に出願され、その内容が、参照によりその全体を本明細書に援用される米国仮特許出願第62/503,180号の優先権を主張するものである。
【0002】
本明細書に開示した技術は、概略的には通気口アセンブリに関する。より詳細には、本明細書に開示した技術は、オイル合着通気口アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
ハブキャップ及び他のオイル充填ハブなどの様々なタイプのハウジングは、通常、ハブと外部環境との間の圧力が等しくなるのを可能にするある種の通気口を必要とする。そのようなハブは、例として、オフロード車両、トレーラトラック、及びトレーラなどの様々な車両に組み込むことができる。一部の通気口は、粉塵及び流体などの汚染物のハブへの侵入を防止するために、フィルタ媒体を内蔵する。しかし、ハブ内に存在するオイルは飛び散り、フィルタ媒体と接触することがあり、これは、フィルタ媒体がオイルで塞がれるようになった場合に、通気口の寿命を制限することがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
通気口アセンブリは、第1の端部及び第2の端部と、第1の端部から第2の端部に延びる中心軸と、空洞を画定する内面とを画定する通気口本体を有する。第1の保持器は、通気口本体の第1の端部の近くで空洞にまたがって広がり、第2の保持器は、通気口本体の第2の端部の近くで空洞にまたがって広がる。第1の保持器は、中心軸から第1の半径方向距離まで広がる第1の保持器開口を画定し、第2の保持器は、中心軸から第2の半径方向距離まで広がる第2の保持器開口を画定し、第2の半径方向距離は、第1の半径方向距離を超える。合着フィルタ媒体は、空洞内で第1の保持器と第2の保持器との間に配置される。合着フィルタ媒体、空洞、第1の保持器、及び第2の保持器は累積的に空気流路を画定する。
【0005】
一部の実施形態では、通気口本体は、通気口本体の第2の端部を画定する挿入部分を有する。一部のそのような実施形態では、通気口本体は、挿入部分から半径方向外側に広がる保持リムを画定する。それに加えて、又はそれに代えて、通気口本体は、空洞を覆って広がる第1の端部上の端部キャップ部分を有する。一部の実施形態では、端部キャップ部分は、第1の保持器開口と気体連通する半径方向開口を画定する。それに加えて、又はそれに代えて、端部キャップ部分及び通気口本体は、統合した一体構成要素を形成する。
【0006】
それに加えて、又はそれに代えて、通気口本体の内面は内側円筒面を含む。それに加えて、又はそれに代えて、第2の保持器及び通気口本体は、統合した一体構成要素である。それに加えて、又はそれに代えて、第2の保持器は、通気口本体と摩擦嵌合を形成する。それに加えて、又はそれに代えて、第1の保持器は、通気口本体と摩擦嵌合を形成する。それに加えて、又はそれに代えて、通気口アセンブリは薄膜を有し、薄膜は、合着フィルタ媒体と第1の保持器との間で空気流路にまたがって配置される。或いは、第1の保持器は、合着フィルタ媒体と薄膜との間で空洞にまたがって配置される。
【0007】
それに加えて、又はそれに代えて、第2の保持器開口は、合着媒体と気体及び液体連通する。それに加えて、又はそれに代えて、第1の保持器開口は、合着フィルタ媒体と気体連通し、第1の保持器開口は、合着フィルタ媒体と液体連通しない。それに加えて、又はそれに代えて、第1の保持器開口は、合着フィルタ媒体と気体及び液体連通する。それに加えて、又はそれに代えて、合着フィルタ媒体は、合着フィルタ媒体シートの複数の層を含む。それに加えて、又はそれに代えて、合着フィルタ媒体は、渦巻き構成の少なくとも1つの合着フィルタ媒体シートを含む。それに加えて、又はそれに代えて、薄膜と合着フィルタ媒体との間に空間領域が画定される。それに加えて、又はそれに代えて、通気口アセンブリは、ハブキャップウインドウに挿入されるように構成される。
【0008】
本明細書に開示した一部の実施形態は、通気口アセンブリを作製する方法に関する。通気口本体は、第1の端部の挿入部分と、空洞を画定する内面と、第2の端部の端部キャップ部分とを有し、統合した一体構成要素を形成するように型成形される。通気口本体は、第1の端部から第2の端部に延びる中心軸を画定し、端部キャップ部分は、空洞と流体連通する半径方向開口を画定する。第1の保持器は、内面と摩擦嵌合を形成するように通気口本体の空洞に挿入される。薄膜は、通気口本体の第1の端部の近くで通気口本体の空洞に挿入される。合着フィルタ媒体は、第1の保持器及び薄膜を挿入した後、通気口本体の空洞に挿入される。第2の保持器は、内面と摩擦嵌合を形成するように空洞の第2の端部に挿入され、第2の保持器の挿入は、合着フィルタ媒体を挿入した後である。
【0009】
一部のそのような実施形態では、一体の統合した通気口本体は、挿入部分から半径方向外側に広がる保持リムを画定する。それに加えて、又はそれに代えて、合着フィルタ媒体は、合着フィルタ媒体シートの複数の層を含む。それに加えて、又はそれに代えて、通気口本体の挿入部分は、ハブキャップウインドウによって画定される開口に挿入される。それに加えて、又はそれに代えて、薄膜は、空洞の第1の端部で通気口本体の内面に結合され、第1の保持器は、薄膜を挿入後に挿入される。或いは、薄膜は、薄膜の挿入と第1の保持器の挿入とが同時であるように第1の保持器に結合される。他の実施形態も記載される。
【0010】
最新技術の様々な実施形態の以下の詳細な説明を添付図面と共に考察する中で、最新の技術をより完全に理解及び認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書に開示した技術と一貫性のある例示的な通気口アセンブリの第1の斜視図である。
図2図1の例示的な通気口アセンブリの第2の斜視図である。
図3図1の例示的な通気口アセンブリの正面図である。
図4】例示的な実施例における図1の例示的な通気口アセンブリの断面図である。
図5図1の例示的な通気口アセンブリの分解図である。
図6】代替の媒体構成を有する別の例示的な通気口の分解図である。
図7】本明細書に開示した技術と一貫性のある別の例示的な通気口アセンブリの斜視図である。
図8図7の例示的な通気口アセンブリの断面図である。
図9図7の例示的な通気口アセンブリの分解図である。
図10】本明細書に開示した技術と一貫性のあるさらに別の例示的な通気口アセンブリの斜視図である。
図11図10の通気口アセンブリの分解図である。
図12図10の通気口アセンブリの断面図である。
図13】本明細書に開示した技術と一貫性のあるさらに別の例示的な通気口アセンブリの斜視図である。
図14図13の通気口アセンブリの分解図である。
図15図13の通気口アセンブリの断面図である。
図16】例示的な方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
最新の技術と一貫性のある通気口アセンブリは、通常、オイルを含むハウジングの開口につながって、ハウジングの内部とハウジングの外の環境との間で圧力が等しくなるのを可能にするように構成される。通気口アセンブリは通常、粉塵及び流体などの汚染物のハウジングへの侵入を防止するフィルタ媒体を内蔵する。例えば、微多孔質膜は、通気口アセンブリに組み込まれ、ハウジングへの液体の浸入を防止するように構成されたフィルタ媒体であり得る。別の例として、オイル合着媒体は、通気口アセンブリに組み込まれ、接触するオイルを合着するように構成された別のフィルタ媒体であり得る。通気口アセンブリは、遠心力を受けた場合に、流体を合着媒体から通気口アセンブリの外に送出するための流体路を画定することができる。様々な実施例では、ハウジング及び通気口アセンブリは回転するように構成され、これは、遠心効果をもたらす慣性力を発生させ、この遠心効果は、流体路を介して合着媒体内のオイルを通気アセンブリの外に排出することができる。
【0013】
図1~6
図1~5は、特定の実施形態と一貫性のある例示的な通気口アセンブリ100を示している。図1~2は斜視図であり、図3は、通気口アセンブリ100の第2の側の正面図であり、図4は、例示的な実施例での図3の通気口の断面図であり、図5は、通気口アセンブリ100の分解図である。通気口アセンブリ100は、第1の端部104及び第2の端部106を画定する通気口本体110を有する。通気口本体110は、空洞156を画定する内面150を有する。少なくとも1つの第1の保持器開口162を画定する第1の保持器160は、通気口本体110の第1の端部104の近くで、内面150から空洞156にまたがって広がっている。少なくとも1つの第2の保持器開口142を画定する第2の保持器140は、通気口本体110の第2の端部106の近くで、内面150から空洞156にまたがって広がっている。
【0014】
通気口アセンブリ100は通常、周囲環境に対してハウジング190を通気するために、ハウジング190(図4)につながるように構成されている。通気口アセンブリ100は、第1の端部104と第2の端部106との間の空気流路102を画定する。空洞156、第1の保持器開口162、及び第2の保持器開口142は、累積的に空気流路102を画定する。空気流路102は、通気口アセンブリ100が結合されるハウジング190の内部と流体連通するように構成されている。
【0015】
通気口本体110は、ハウジング190によって画定される開口192のまわりでハウジング190に封止可能に結合されるように構成される、つまり、通気口本体110及びハウジング190は、開口192のまわりにシールを形成する。通気口アセンブリ100は、様々な機構を通じてハウジング190に結合することができるが、現在の実施形態と一貫性のある例では、通気口本体110は、ハウジング190の開口192のまわりの結合面112でハウジング190に接合される。通気口本体110は、溶接、接着などによってハウジング190に接合することができる。さらに、通気口本体110の第2の端部106は、ハウジング190によって画定される開口192によって受け入れられるように構成された挿入部分120を画定する。通気口本体110は、挿入部分120から半径方向外側に広がる保持リム114を有する。結合面112は、挿入部分120のまわりの保持リム114の外側部分によって画定される。一部の実施形態では、結合面112は、挿入部分120を囲む環状面である。通気口アセンブリをハウジング190に結合する代替のさらなる構成も、他の例示的な実施形態に関連して下記に説明される。
【0016】
様々な例示的実施例では、ハウジング190は、オイルを収容するように構成される。例として、ハウジング190は、通気口アセンブリ100の挿入部分120が挿入されるように構成された開口を画定するハブキャップウインドウとすることができる。そのような実施例では、通気口本体110の第2の端部106はオイルにさらされる。オイル合着フィルタ媒体170は、空洞156内で第1の保持器160と第2の保持器140との間に配置されている。第2の保持器開口142は、合着フィルタ媒体170と気体及び液体連通する。第1の保持器開口162は、少なくとも、合着フィルタ媒体170と気体連通する。合着フィルタ媒体170は通常、オイルを合着し、最終的にオイルを通気口アセンブリ100から排出するのを可能にするように構成されている。合着フィルタ媒体170は、合着フィルタ媒体170全体にわたるオイルの吸収を妨げるように構成することもできる。一例では、そのような機能は、合着フィルタ媒体170に疎油性コーティングを施すことで得られる。
【0017】
合着フィルタ媒体170は、下記にさらに詳細に説明する様々な構成及び組成を有することができる。合着フィルタ媒体170は通常、ハウジング190とハウジング190の外の環境との間の空気交換を可能にするように構成される。したがって、合着フィルタ媒体170はまた、空気流路102を画定する。実施形態では、合着フィルタ媒体170は、それぞれが対向する流動面を画定するシート172の複数の層であり、シート172の複数の層は、空気流路102に連続して配置される。「流動面」という用語は、空気流路102を通る空気流の一般的な方向に対して垂直となるように構成されたシートの面と定義される。
【0018】
第1の保持器160及び第2の保持器140は、それぞれ通気口本体110に対する合着フィルタ媒体170の位置を維持され、空気流が流れるのを可能にするように構成されている。少なくとも第2の保持器140は、流体が第2の保持器140を流れるのを可能にするように構成されている。各第1の保持器160及び第2の保持器140は、通気口本体110に機械的に固定されるように構成されている。様々な実施形態では、各第1の保持器160及び第2の保持器140は、通気口本体110と摩擦嵌合を形成する。第1の保持器160は、通気口本体110の内面150によって画定される第1の合わせ構造152(図4に示す)に摩擦係合するように構成された第1の保持器合わせ面164(図5)を画定する。第2の保持器160は、通気口本体の内面150によって画定される第2の合わせ構造154に摩擦係合するように構成された第2の保持器合わせ面144を画定する。それに加えて、又はそれに代えて、一部の実施形態では、第1の保持器160及び第2の保持器140は、接着剤及び/又はねじなどの固定装置を用いて、通気口本体110に機械的に固定される。様々な実施形態では、第1の保持器160及び第2の保持器140は、合着フィルタ媒体170に当接する。様々な実施形態では、第1の保持器160及び第2の保持器140は、合着フィルタ媒体170に直接接触する。一部の実施形態では、合着フィルタ媒体170は、第1の保持器160と第2の保持器140との間で圧縮される。
【0019】
第1の保持器160及び第2の保持器140は、通気口本体110からのオイルの排出を可能にするように構成されている。通気口本体110は、第1の端部104から第2の端部106に延びる中心軸aを画定する。通気口本体110は、ハウジング190に取り付けられたときに、中心軸aのまわりに回転するように構成されている。例えば、ハウジング190は、ハウジング190の回転により、通気口本体110が等回転するように、通気口本体110の中心軸aのまわりに回転するように構成することができる。通気口本体110の回転により、合着フィルタ媒体170内のオイルに遠心効果を及ぼす慣性力が発生し、オイルは、通気口本体110の内面150に向かって半径方向外側に移動する。第2の保持器140の少なくとも1つの第2の保持器開口142は、第1の保持器160の第1の保持器開口162(1つ又は複数)よりも内面150に対して半径方向に接近している。言い換えると、第1の保持器開口162は、中心軸aから第1の半径方向距離Rまで広がり、第2の保持器開口142は、中心軸aから第2の半径方向距離Rまで広がり、第2の半径方向距離Rは、第1の半径方向距離Rを超える。したがって、合着フィルタ媒体170内のオイルが、通気口本体110の内面150に向かって半径方向外側に移動するときに、第2の保持器開口142は、オイルが通気口本体110から排出される通路を画定する。
【0020】
第2の保持器140は、図1、3、4、5に示す中心開口146などの1つ又は複数の付加的な開口を画定することができ、この付加的な開口は、必ずしも第1の保持器によって画定される第1の保持器開口162よりも中心軸aから長い半径方向距離まで広がらない。
【0021】
通気口アセンブリ100は通常、液体及び粉塵などの環境汚染物のハウジング190への侵入を防止するように構成されている。現在の図と一貫性のある実施形態を含む様々な実施形態では、通気口アセンブリ100は、空洞156にまたがって、したがって、空気流路102にまたがって配置された薄膜180を有する。薄膜180の周縁領域182は、薄膜が空気流路102を部分的に画定するように、通気口本体110の内面150に結合されている。様々な実施形態では、オイルと薄膜180との間の接触を防止するために、空間領域184が薄膜180と合着フィルタ媒体170との間に画定される。現在の実施形態と一貫性のある例では、第1の保持器160は、合着フィルタ媒体170と薄膜180との間に配置される。したがって、第1の保持器160は、空間領域184を部分的に画定する。さらに、現在図示している実施形態などの一部の実施形態では、通気口本体110は、薄膜180と第1の保持器160との間の空間を画定する。本明細書に開示した技術と一貫性のある薄膜が下記にさらに詳細に説明される。
【0022】
通気口本体110は通常、空洞156を覆って広がる第1の端部104上の端部キャップ部分130を有する。端部キャップ部分130は、通気口本体110の第1の端部104を通る通気を可能にしながら、水及び粉塵などの環境汚染物が直接衝突しないよう空洞156を遮蔽するように構成されている。例では、端部キャップ部分130は、環境汚染物が直接衝突しないよう薄膜180の流動面を保護するように構成されている。
【0023】
端部キャップ部分130は、通気口アセンブリ100を通る空気流路102を部分的に画定する半径方向端部キャップ開口132を画定する。半径方向端部キャップ開口132は、第1の保持器開口162と気体連通する。この例において、端部キャップ部分130と第1の保持器開口162との間の薄膜180の位置を考慮すると、半径方向端部キャップ開口132は、第1の保持器開口162と液体連通しない。様々な実施形態では、端部キャップ部分130及び通気口本体110は、統合した一体構成要素を画定する。そのような実施形態では、端部キャップ部分130及び通気口本体110は、単一構造物として型成形することができる。
【0024】
通気口本体110は様々な構成を有することができる。様々な実施形態では、通気口本体110は、統合した一体構造物であるが、一部の他の実施形態では、通気口本体は複数の構成要素を有し、したがって、統合した一体構造物ではなく、その例が下記にさらに詳細に説明される。様々な例では、通気口本体110は、中心軸aのまわりに半径対称性を有する。一部の例では、通気口本体110の内面150の一部分は、中心軸aに垂直な平面の円形断面を有する内側円筒面を画定するが、一部の他の例では、内面150は、六角形又は八角形などの多角形断面を有する面を画定する。一部の例では、挿入部分120は、外側円筒面を画定するが、一部の他の例では、挿入部分120は、外側角柱面を画定する。他の構成も当然考えられる。
【0025】
本明細書に開示した通気口本体は通常、金属、プラスチック、セラミック、ゴムなどの様々な材料並びに材料の組み合わせで構築することができる。一部の実施形態では、通気口本体は、型成形された構成要素で構築される。別の実施形態では、通気口本体は、機械加工された構成要素で構築される。
【0026】
図6は、別の例示的な通気口アセンブリ600を示している。通気口アセンブリ600は、図1~5に示した実施形態と一貫性があり、通気口本体110、薄膜180、第1の保持器160及び第2の保持器140、並びに合着フィルタ媒体670を有するが、この場合、合着フィルタ媒体670は、前に説明したものとは別の構成を有する。合着フィルタ媒体670は、渦巻き構成に巻かれた一枚の媒体である。或いは、合着フィルタ媒体670は、共に渦巻き構成に巻かれた複数枚の媒体とすることができる。代替の実施形態では、合着フィルタ媒体は、単一塊の合着フィルタ媒体などの異なる構成を有することができる。
【0027】
図7~9
図7、8及び9は、一部の例と一貫性のある別の実施形態を示している。図7は、通気口アセンブリ200の斜視図であり、図8は、通気口アセンブリ200の断面図であり、図9は、通気口アセンブリ200の分解図である。通気口アセンブリ200は、第1の端部204及び第2の端部206を画定する通気口本体210を有する。通気口本体210は、空洞256を画定する内面250を有する。通気口本体210は、第1の端部204から第2の端部206に延びる中心軸aを画定する。通気口アセンブリ200は、第1の端部204と第2の端部206との間の空気流路202を画定する。
【0028】
第1の保持器開口262を画定する第1の保持器260は、通気口本体210の第1の端部204の近くで内面250から空洞256にまたがって広がっている。第1の保持器開口262は、中心軸aから第1の半径方向距離Rまで広がっている。第2の保持器開口242を画定する第2の保持器240は、通気口本体210の第2の端部206の近くで内面250から空洞256にまたがって広がっている。第2の保持器開口242は、中心軸aから第2の半径方向距離Rまで広がり、第2の半径方向距離Rは、第1の半径方向距離Rを超える。第1の保持器260及び第2の保持器240は、図1~5に関連して上記に説明したのと同様の機能及び構成を有することができる。
【0029】
オイル合着フィルタ媒体270は、空洞256内で第1の保持器260と第2の保持器240との間に配置されている。第2の保持器開口242は、合着フィルタ媒体270と気体及び液体連通する。第1の保持器開口262は、少なくとも、合着フィルタ媒体270と気体連通する。合着フィルタ媒体270は、図1~6に関連して上記に説明したのと同様の機能及び構成を有することができる。
【0030】
通気口アセンブリ200は、空洞256にまたがって、したがって、空気流路202にまたがって配置された薄膜280を有する。薄膜280は、通気口本体210の内面250に結合されている。第1の保持器260は、合着フィルタ媒体270と薄膜280との間に配置されている。空間領域284は、合着フィルタ媒体270と薄膜280との間に画定される。上記に説明した例と同様に、第1の保持器260は、空間領域284の一部分を画定する。薄膜は、図1~5に関連して上記に説明した機能及び構成を有する。
【0031】
通気口本体210は、空洞256を覆って広がる第1の端部204上の端部キャップ部分230を有する。端部キャップ部分230は、通気口アセンブリ200を通る空気流を受け入れる半径方向端部キャップ開口232を画定する。半径方向端部キャップ開口232は、第1の保持器開口262と気体連通する。この例では、半径方向端部キャップ開口232は、第1の保持器開口262と液体連通しない。様々な実施形態では、端部キャップ部分230及び通気口本体210は、統合した一体構成要素を画定する。そのような実施形態では、端部キャップ部分230及び通気口本体210は、単一構造物として型成形することができる。端部キャップ部分230は、図1~5に関連して上記に説明したような一貫した機能及び構成を有する。
【0032】
空洞256、合着フィルタ媒体270、第1の保持器開口262、第2の保持器開口242、薄膜280、及び端部キャップ開口232は、累積的に空気流路202を画定する。空気流路202は、通気口アセンブリ200が結合されるハウジングの内部と流体連通するように構成されている。
【0033】
すでに説明した例と同様に、通気口本体210は、ハウジングに封止可能に結合されるように構成されている。通気口本体210の第2の端部206は、ハウジングによって画定される開口によって受け入れられるように構成された挿入部分220を画定する。通気口本体210は、挿入部分220から半径方向外側に広がる保持リム214を有する。結合面212は、ハウジングに結合されるように構成された保持リム214の外側部分によって画定される。結合面212は、溶接、接着、留め具(留め具に当接する、対応する封止構成要素を含む)などによって、ハウジングに結合することができる。
【0034】
上記に説明したように、一部の実施例では、ハウジングは、オイルを収容するように構成される。ハウジングは、通気口アセンブリ200の挿入部分220が挿入されるように構成された開口を画定するハブキャップとすることができる。ハウジングがオイルハブである一部のそのような実施形態では、保持リム214は、ハブ内に画定された開口のまわりでハブに結合されるように構成されたハブウインドウを画定する。そのような実施形態では、保持リム214は、ハブ内を見ることを可能にするために、少なくとも半透明とすることができる。保持リム214の結合面212は、ガスケット又は他の封止材料が結合面212と半径方向クランプとの間に配置された状態で、半径方向クランプによって受け入れられるように構成することができる。一部の他の実施形態では、結合面212は、溶接又は接着によってハブに結合することができる。或いは、封止面212は削除することができ、保持リム214は、一体の統合した構成要素としてハブに組み込むことができる。
【0035】
実施形態では、保持リム214は、通気口本体210とは別個の異なる構成要素とすることができる。そのような実施形態では、保持リム214は、通気口本体210の挿入部分210を受け入れるように構成された開口を画定することができ、挿入部分210及び保持リム214は、開口のまわりで摩擦嵌合を形成する。一部の他の実施形態では、保持リム214及び通気口本体210は、図1~5に関連して上記に説明したように、統合した一体構成要素である。保持リム214が透明である、又は半透明である実施形態では、保持リム214及び通気口本体210の残部は、2つの異なる材料で、又は通気口本体210を型成形するのに使用される部分に着色剤を含み、保持リム214を型成形するのに使用される部分に着色剤がないようにした単一の材料で型成形することができる。通気口本体210は、その他の点では、図1~5に関連して上記に説明したのと同様に構成することができる。
【0036】
図10~12
図10~12は、一部の例と一貫性のある別の実施形態を示している。図10は、通気口アセンブリ300の斜視図であり、図11は、通気口アセンブリ300の分解図であり、図12は、通気口アセンブリ300の断面図である。通気口アセンブリ300は、第1の端部304及び第2の端部306を画定する通気口本体310を有する。通気口本体310は、空洞356を画定する内面350を有する。通気口本体310は、第1の端部304から第2の端部306に延びる中心軸aを画定する。通気口アセンブリ300は、第1の端部304と第2の端部306との間の空気流路302を画定する。
【0037】
第1の保持器開口362を画定する第1の保持器360は、通気口本体310の第1の端部304の近くで内面350から空洞356にまたがって広がっている。第1の保持器開口362は、中心軸aから第1の半径方向距離Rまで広がっている。少なくとも1つの第2の保持器開口342を画定する第2の保持器340は、通気口本体310の第2の端部306の近くで内面350から空洞356にまたがって広がっている。現在の例では、第2の保持器開口342は、前の例の第2の保持器開口とは異なる形状を画定する。しかし、前の例と同様に、第2の保持器開口342は、中心軸aから第2の半径方向距離Rまで広がり、第2の半径方向距離Rは、第1の半径方向距離Rを超える。第1の保持器360及び第2の保持器340は、すでに説明した実施形態と同様に通気口本体310に結合することができる。現在の実施形態では、第1の保持器360は、以下に説明する、すでに説明した実施形態とは別の構成を有する。
【0038】
通気口アセンブリ300は、空気流路302にまたがって配置された薄膜380を有する。上記に説明した例とは異なり、薄膜380は、合着フィルタ媒体370と第1の保持器360との間に配置されている。また、薄膜380の周縁領域382は、第1の保持器開口362のまわりで第1の保持器360の薄膜受け面364に結合されている。上記に説明した例と同様に、合着フィルタ媒体370と薄膜380との間に空間領域384が画定され、第1の保持器360は、空間領域384の一部分を画定する。しかし、この場合に、空間領域384は、第1の保持器360の薄膜受け面364を囲む出っ張り部366によって画定される。第1の保持器360の出っ張り部366は、合着フィルタ媒体370に当接し、薄膜受け面364は、薄膜380の厚さを超える距離だけ出っ張り部366に対して陥凹している。薄膜は、図1~5に関連して上記に説明した機能及び構成を有する。
【0039】
オイル合着フィルタ媒体370は、空洞356内で第1の保持器360と第2の保持器340との間に配置されている。第2の保持器開口342は、合着フィルタ媒体370と気体及び液体連通する。第1の保持器開口362は、少なくとも、合着フィルタ媒体370と気体連通する。合着フィルタ媒体370は、図1~6に関連して上記に説明したのと同様の機能及び構成を有することができる。
【0040】
通気口本体310は、空洞356を覆って広がる第1の端部304上の端部キャップ部分330を有する。端部キャップ部分330は、通気口アセンブリ300を通る空気流を受け入れる端部キャップ開口332を画定する。すでに開示した実施形態と異なり、端部キャップ開口332は、中心軸aと軸方向に整列している。端部キャップ開口332は、通気を可能にしながら、水及び粉塵などの環境汚染物が直接衝突しないよう空洞356を保護するような大きさとされる。したがって、端部キャップ開口332は、薄膜380の面及び第1の保持器開口360未満の面積を有する。端部キャップ開口332は、第1の保持器開口362と気体及び液体連通する。端部キャップ部分330及び通気口本体310は、統合した一体構成要素を画定する。そのような実施形態では、端部キャップ部分330及び通気口本体310は、単一構造物として型成形することができる。一部の代替実施形態では、端部キャップ部分330は、図1~5に関連して上記に説明したのと同様の構成を有することができる。
【0041】
空洞356、合着フィルタ媒体370、第1の保持器開口362、第2の保持器開口342、薄膜380、及び端部キャップ開口332は、累積的に空気流路302を画定する。空気流路302は、通気口アセンブリ300が結合されるハウジングの内部と流体連通するように構成されている。
【0042】
すでに説明した例と同様に、通気口本体310は、ハウジングに封止可能に結合されるように構成されている。通気口本体310の第2の端部306は、通気されるハウジングによって画定される開口によって受け入れられるように構成された挿入部分320を画定する。通気口本体310は、挿入部分320から半径方向外側に広がる保持リム314を有する。すでに説明した実施形態と異なり、この場合に、結合面312は、挿入部分320によって画定される。結合面312は、ハウジングに機械的に係合するように構成されている。結合面312は、ハウジングとのスナップ式の嵌合を画定するように構成することができる。通気口本体310は、上記に説明したものなどの別の手法によって、並びに/又は溶接、接着、留め具(対応する封止構造物を含む)などによってハウジングに結合されるように構成することができる。一部の代替実施形態では、現在説明している結合面312はなくすことができ、本明細書で説明した他の結合面を現在説明している例に組み込むことができる。
【0043】
上記に説明したように、一部の実施例では、ハウジングは、オイルを収容するように構成される。ハウジングは、通気口アセンブリ300の挿入部分320が挿入されるように構成され、結合面314が係合する開口を画定するハブキャップとすることができる。ハウジングがハブキャップである一部のそのような実施例では、開口は、ハブキャップのハブキャップウインドウ内に画定することができる。
【0044】
図13~15
図13~15は、一部の例と一貫性のある別の実施形態を示している。図13は、通気口アセンブリ400の斜視図であり、図14は、通気口アセンブリ400の分解図であり、図15は、通気口アセンブリ400の断面図である。通気口アセンブリ400は、第1の端部404及び第2の端部406を画定する通気口本体410を有する。通気口本体410は、空洞456を画定する内面450を有する。通気口本体410は、第1の端部404から第2の端部406に延びる中心軸aを画定する。通気口アセンブリ400は、第1の端部404と第2の端部406との間の空気流路402を画定する。
【0045】
オイル合着フィルタ媒体470は、空洞456内で第1の保持器開口462を画定する第1の保持器460と、第2の保持器開口442を画定する第2の保持器440との間に配置されている。第2の保持器開口442は、合着フィルタ媒体470と気体及び液体連通する。第1の保持器開口462は、少なくとも、合着フィルタ媒体470と気体連通する。第1の保持器開口462はまた、合着フィルタ媒体470と液体連通する。合着フィルタ媒体470は、図1~6に関連して上記に説明したのと同様の機能及び構成を有することができる。
【0046】
第1の保持器460は、通気口本体410の第1の端部404の近くで内面450から空洞456にまたがって広がっている。第1の保持器開口462は、中心軸aから第1の半径方向距離Rまで広がっている。現在の例では、第1の保持器開口462は、前の例の第1の保持器開口とは形状が異なる複数の開口を画定する。代替例として、第1の保持器開口462は、前の図に示したような単一の中心開口とすることができる。第2の保持器440は、内面450から空洞456にまたがって広がっている。第2の保持器440は、通気口本体410の第2の端部406の近くに配置されている。第2の保持器開口442は、中心軸aと軸方向に整列する単一の開口である点で、前の例の第2の保持器開口と異なる形状を画定する。しかし、前の例と同様に、第2の保持器開口442は、中心軸aから第2の半径方向距離Rまで広がり、第2の半径方向距離Rは、第1の半径方向距離Rを超える。前の例と異なり、現在の例では、第2の保持器440は、通気口本体410と統合した一体構成要素を形成している。
【0047】
通気口アセンブリ400は、空気流路402にまたがって配置された薄膜480を有する。薄膜は通常、図1~5に関連して上記に説明した機能及び構成を有する。第1の保持器460は、合着フィルタ媒体470と薄膜480との間に配置されている。薄膜480の周縁領域482は、空洞456にまたがって通気口本体410の薄膜受け面418に結合されている。上記に説明した例と同様に、空間領域484が、合着フィルタ媒体470と薄膜480との間に画定される。第1の保持器460は、空間領域484の少なくとも一部分を画定する。特に、空間領域484は、第1の保持器460の一方の側の通気口本体410の薄膜受け面418と第1の保持器460の反対の側に画定される媒体受け面468とによって画定される。第1の保持器460の媒体受け面468は、合着フィルタ媒体470に当接している。媒体受け面468は、周囲出っ張り部466に対して陥凹し、合着フィルタ媒体470を受けるように構成されている。
【0048】
通気口本体410は、空洞456を覆って広がる第1の端部404上の端部キャップ部分430を有する。端部キャップ部分430は、通気口アセンブリ400を通る空気流を受け入れる複数の半径方向端部キャップ開口432を画定する。端部キャップ430及び端部キャップ開口432は、通気口本体410を通る通気を可能にしながら、水及び粉塵などの環境汚染物が直接衝突しないよう空洞456を遮蔽するように構成されている。端部キャップ開口432は、第1の保持器開口462と気体連通する。端部キャップ開口432は、薄膜480の位置が端部キャップ部分430と第1の保持器460との間にあるために、第1の保持器開口462と液体連通しない。前の実施形態と異なり、端部キャップ部分430及び通気口本体410は、統合した一体構成要素を画定しない。端部キャップ部分430及び通気口本体410は、別々の構造物として製造することができる。一部の実施形態では、端部キャップ部分430及び通気口本体410は、別々に型成形され、次いで、共に結合される。例えば、通気口本体410及び端部キャップ部分430は摩擦嵌合を形成することができる。一部の代替実施形態では、端部キャップ部分430は、図1~5又は図10~12に関連して上記に説明したのと同様の構成を有することができる。
【0049】
空洞456、合着フィルタ媒体470、第1の保持器開口462、第2の保持器開口442、薄膜480、及び端部キャップ開口432は、累積的に空気流路402を画定する。空気流路402は、通気口アセンブリ400が結合されるハウジングの内部と流体連通するように構成されている。
【0050】
すでに説明した例と同様に、通気口本体410は、ハウジングに封止可能に結合されるように構成され、想定されるハウジングについては前の例で説明した。通気口本体410の第2の端部406は、通気されるハウジングによって画定される開口によって受け入れられるように構成された挿入部分420を画定する。通気口本体410は、挿入部分420から半径方向外側に広がる保持リム414を有する。結合面412は、挿入部420によって画定される。結合面412は、ハウジングに機械的に係合するように構成されている。封止リング416は、通気口本体410の挿入部分420とハウジングとの間にシールを形成するように結合面のまわりに配置されている。結合面412は、ハウジングとのスナップ式の嵌合を画定するように構成することができる。通気口本体410は、上記に説明したものなどの別の手法によって、並びに/又は溶接、接着、留め具などによってハウジングに結合されるように構成することができる。一部の代替実施形態では、現在説明している結合面412はなくすことができ、本明細書で説明した他の結合面を現在説明している例に組み込むことができる。
【0051】
製造方法
図16は、本明細書に開示した技術の一部の実施形態と一貫性のある通気口アセンブリを作製する例示的な方法500を示している。通気口本体を型成形する(510)。第1の保持器/薄膜を通気口本体の空洞に挿入する(520)。合着フィルタ媒体を空洞に挿入し(530)、第2の保持器540を空洞に挿入する。
【0052】
通気口本体は通常、第1の端部の挿入部分と、内面と、第2の端部の端部キャップ部分とを有するように型成形される。挿入部分、内面、及び端部キャップ部分は通常、統合した一体構成要素を形成する。内面は、空洞を画定するように型成形され、通気口本体は、第1の端部から第2の端部に延びる中心軸を画定する。通気口本体は、端部キャップ部分が、空洞と流体連通する半径方向開口を画定するように型成形される。様々な実施形態では、通気口本体は、通気口本体の挿入部分から半径方向外側に広がる保持リムを画定するように型成形される。
【0053】
第1の保持器/薄膜を空洞に挿入する(520)。通常、第1の保持器及び薄膜は、通気口本体を貫通する空気流路の一部分をそれぞれが画定するように空洞に挿入される。一部の実施形態では、薄膜は、第1の保持器を挿入する前に、通気口本体の空洞に挿入される。そのような実施形態では、薄膜の周縁領域は、薄膜が空気流路にまたがって広がるように、空洞のまわりで通気口本体の内面に結合することができる。薄膜は、通気口本体の第1の端部で通気口本体の内面に結合することができる。第1の保持器は、薄膜を挿入した後、空洞に挿入される。そのような実施形態は、図1~9に関連して上記に開示した通気口アセンブリの構成と一貫性を有することができる。
【0054】
一部の他の実施形態では、薄膜の周縁領域は、第1の保持器によって画定される開口のまわりで第1の保持器に結合することができ、次いで、第1の保持器に結合された薄膜は、空洞に挿入することができ(520)、それにより、薄膜の挿入と第1の保持器の挿入とは同時に行われる。そのような実施形態は、図10~12に開示した通気口アセンブリの構成との一貫性を有することができる。様々な実施形態では、第1の保持器を通気口本体の空洞に挿入することで、通気口本体の内面との摩擦嵌合が形成される。薄膜及び第1の保持器は、本明細書で説明した実施形態と一貫性がある形で構成することができる。
【0055】
第1の保持器及び薄膜を通気口本体の空洞に挿入した(520)後、合着フィルタ媒体を通気口本体の空洞に挿入する(530)。様々な実施形態では、本明細書で図示及び説明した通気口アセンブリと一貫性がある形で、合着フィルタ媒体シートの複数の層を通気口本体の空洞に挿入する(530)。一部の代替実施形態では、合着媒体及び薄膜はオーバモールドすることができる。例えば、薄膜は、一部の実施形態において、第1の保持器にオーバモールドすることができる。別の例として、合着媒体は、通気口本体にオーバモールドすることができる。他の手法も可能である。
【0056】
合着フィルタ媒体を挿入後、第2の保持器を空洞の第2の端部に挿入する(540)。第2の保持器を挿入する(540)ことで、第2の保持器と通気口本体の内面との間で摩擦嵌合が形成される。第2の保持器は、本明細書で説明した実施形態と一貫性がある形で構成することができる。
【0057】
一部の実施形態では、次いで、通気口本体の挿入部分をハブキャップウインドウによって画定される開口に挿入する。一部の実施形態では、通気口本体は、ハブキャップウインドウに溶接される。一部の他の実施形態では、通気口本体の挿入部分は、ハブキャップウインドウと摩擦嵌合を形成する。一部の実施形態では、通気口本体は、接着剤又は留め具を用いてハブキャップウインドウに固着される。
【0058】
合着フィルタ媒体
本明細書に開示した技術と一貫性のある合着フィルタ媒体は、以下に説明する様々な構成を有することができる。合着フィルタ媒体は通常、オイルを合着し、通気口アセンブリからのオイルの終局的な排出を可能にするように構成されている。様々な実施形態において、合着フィルタ媒体は、ミネソタ州ミネアポリスに所在のDonaldson Company,Inc.で製造された専用フィルタ材料のSynteq XPである。合着フィルタ媒体は、通気口本体の空洞を通る空気流路を部分的に画定するように構成される。合着フィルタ媒体は通常、オイルの収着剤ではない。複数の実施形態では、合着フィルタ媒体は疎油性である。合着フィルタ媒体は、AATCC規格118-2013及びISO 14419に基づいた少なくとも約6.5の疎油性を有することができる。一例では、合着フィルタ媒体は、少なくとも約7又は7.5の疎油性を有し、特に、約8の疎油性を有することができる。
【0059】
合着フィルタ媒体は、合成フィルタ媒体の複数の層の積層体とすることができる。合着フィルタ媒体の層数は変えることができるが、一部の実施形態では、5~20、15~35、20~40、又は25~50の合着フィルタ媒体の層がある。層のかなりの部分は、フィルタ媒体の各層の各流動面が、フィルタ媒体の隣接する層の流動面と直接接触するように積み重ねることができる。様々な実施形態では、合着フィルタ媒体の各層は、通気口本体の中心軸と中心を合わされる。フィルタ媒体の各個々の層は、比較的低い粒子濾過効率と小さい圧力降下とを有することができる。一般に、合成フィルタ媒体の各層は、15%、10%、又は8%になることもある最大粒子濾過効率を有し、単一層のフィルタ媒体に関して本明細書で使用する場合に、「粒子濾過効率」とは、0.78μmの単分散ポリスチレン球形粒子を用いて20ft/分の面速度で実施し、ASTM #1215-89に従って測定した単一層のフィルタ媒体の粒子濾過効率を指す。1つの特定の実施形態では、合成フィルタ媒体の各層は、約7%の粒子濾過効率を有する。一部の実施形態では、合着フィルタ媒体の合成フィルタ媒体の各層は、ほぼ等しい粒子濾過効率を有する。各濾過層の比較的低い粒子濾過効率は、合着領域からハウジングに向かって排出する場合に、オイルに対する抵抗が小さい、比較的制限のない流路を画定することで、オイル除去に寄与することができる。
【0060】
合着フィルタ媒体は、様々なタイプの材料及び材料の組み合わせとすることができる。例えば、合着フィルタ媒体は、二成分繊維を有することができる。二成分繊維は、2つの異なるポリエステルから構築することができる。一部の実施形態では、合着フィルタ媒体は、ガラス繊維を有することができる。少なくとも1つの実施形態では、ガラス繊維はマイクロファイバである。一般に、合着フィルタ媒体にはバインダ材が実質的になく、「バインダ材」という用語は、二成分繊維又は他の繊維などの合着領域の繊維を除外したものと本明細書では定義される。合着フィルタ媒体に使用される材料、及び、特に合着フィルタ媒体についての細部が下記にさらに詳細に説明される。
【0061】
様々な実施形態では、合着フィルタ媒体の積層された層の各層のかなりの部分は、合着フィルタ媒体の隣接する層と実質的に接着されない。「積層した合着フィルタ媒体の各層のかなりの部分」とは、積層体内の合成フィルタ媒体の層の少なくとも50%、少なくとも60%、又は少なくとも80%を意味することを意図されている。「実質的に接着されない」という用語は、フィルタ媒体の層の表面積の少なくとも97%が接着されないことを意味するために使用される。一部のそのような実施形態では、合着フィルタ媒体の積層された層の各層は、合着フィルタ媒体の隣接する層に実質的に接着されない。しかし、一部の他の実施形態では、積層された合着フィルタ媒体の層の少なくとも一部分は、合着フィルタ媒体の隣接する層に接着される。1つの例示的な実施形態では、積層された合着フィルタ媒体の層の一部分は、合着フィルタ媒体の隣接する層に熱溶着される。一部の実施形態では、合着フィルタ媒体は、積層されたフィルタ媒体シートではなく、第1の保持器と第2の保持器との間に配置されたロール、マット、又は他の形態の媒体として構成することができる。フィルタ媒体の特定の構成に関係なく、一部の実施形態では、合着フィルタ媒体は、第1の保持器と第2の保持器との間で軸方向に圧縮される。それに加えて、又はそれに代えて、合着フィルタ媒体は、通気口本体の内面によって半径方向に圧縮される。
【0062】
本明細書に開示した技術と一貫性のある合着フィルタ媒体は通常、湿式媒体である。湿式媒体は、例えば、2012年3月16日に出願された米国特許出願公開第2012/0234748号明細書、又は、他の例では、2008年1月1日に登録された米国特許第7,314,497号明細書と一貫性のある形で構築することができ、これらの各特許は、参照により本明細書に援用される。湿式媒体は、湿式加工によってディスク状のシートに形成され、次いで、通気口アセンブリの通気口ハウジングに挿入される。典型的には、上記に説明したように、湿式媒体ディスクは、通気口ハウジング内で複数の層に積層され、オイルの排出を可能にする。
【0063】
薄膜材料
様々なタイプの材料が、上記に開示した実施形態と一貫性のある形で薄膜として使用するのに適する。一般に、薄膜は微多孔質材料であり、「微多孔質の」という用語は、材料が約0.001~約5.0μmの平均孔径を有する孔を画定するのを意味することを意図されている。薄膜は通常、約50%未満の固体性と約50%を超える多孔率とを有する。様々な実施形態では、薄膜は、小繊維によって相互連結される複数の節点を有する。いくつかの実施形態では、薄膜は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)薄膜である。薄膜は、他の例として、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリエーテルスルホン、及び/又はポリエチレンで構築することもできる。
【0064】
一部の例では、薄膜は、薄膜材料がスクリムなどの支持層に貼り合わされた積層体である。例えば、薄膜160は、フロリダ州Cantonmentに所在のCerex Advances Fabrics,Inc.から入手可能なものなどの不織布ナイロン支持層に貼り合わされた、ミネソタ州ミネアポリスに拠点を置くDonaldson Company,Inc.製のTetratex(商標)グレードとすることができる。一部の他の実施形態では、薄膜は自己支持材料である、つまり、薄膜は積層体ではなく、薄膜材料に限定される。一部の他の実施形態では、薄膜は、支持層が2つの薄膜材料層間に配置された積層体である。
【0065】
いくつかの実施形態では、薄膜は疎油性である。薄膜は疎油処理を施すことができる。1つの特定の実施形態では、薄膜は、AATCC規格118-1992及びISO 14419に基づく疎油性等級が6、7、又は8である。
【0066】
なお、本明細書及び添付の特許請求の範囲において、「構成される」という表現は、特定の作業を行う、又は特定の構成を採用するように構築された、又は構成されたシステム、装置、又は他の構造物について説明するものである。「構成される」という表現は、「設定される」、「設定及び構成される」、「構築及び設定される」、「構築される」、「製造及び設定される」などの他の同様の表現と区別なく使用することができる。
【0067】
本明細書の中のすべての出版物及び特許出願は、本件の技術が属する技術分野の通常の技術水準を示す。すべての出版物及び特許出願は、各個々の出版物又は特許出願が、参照により具体的に且つ個別に示された場合と同様に、参照により本明細書に援用される。
【0068】
本願は、本件の対象の改造又は変形を含むことを意図されている。当然のことながら、上記の説明は例示であり、限定ではないことを意図されている。
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