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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】表示装置およびタッチパネル
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20230824BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/044 129
G06F3/041 430
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020059621
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021157689
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】安部 大智
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 薫
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-007924(JP,A)
【文献】特開2017-228162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0253473(US,A1)
【文献】特開2017-187885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駆動電極と複数の検出電極とを有するタッチパネルと、
複数の周辺配線と、
おのおのの検出電極と対応する周辺配線との間に接続された複数のスイッチ素子と、を含み、
前記タッチパネルは、前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とによりミューチュアル検出方式で検出を行い、
前記複数のスイッチ素子がオフ状態の時に前記周辺配線に、所定の電圧を印加した状態で、前記複数の駆動電極の電圧を変化させ、その後に、前記周辺配線からの検出を可能な状態とし、前記複数のスイッチ素子をオフ状態からオン状態へ切り換える、
表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とは、表示領域に配置され、
前記複数の周辺配線は、前記表示領域の外側の周辺領域に配置され、
前記複数の周辺配線と前記複数の検出電極との間に、前記複数のスイッチ素子が配置される、表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表示装置において、
前記複数の駆動電極は、第2方向に延在し、前記第2方向と異なる第1方向に配列され、
前記複数の検出電極は、前記第1方向に延在し、前記第2方向に配列され、
前記複数の周辺配線は、前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列され、
前記複数のスイッチ素子は、前記複数の周辺配線と前記複数の検出電極との間において、前記第2方向に配列されている、表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表示装置において、
前記タッチパネルの一端に配列され、前記複数の周辺配線に接続された複数の端子を含み、
前記複数の端子に制御回路が接続される、表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示装置において、
前記複数の端子は、前記第1方向に配列される、表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載の表示装置において、
前記複数の端子は、前記第2方向に配列される、表示装置。
【請求項7】
複数の駆動電極と、
複数の検出電極と、
複数の周辺配線と、
おのおのの検出電極と対応する周辺配線との間に接続されたスイッチ素子と、を含み、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とによりミューチュアル検出方式で検出を行い、
前記複数のスイッチ素子がオフ状態の時に、検出する検出電極に接続された周辺配線に、所定の電圧を印加した状態で、前記複数の駆動電極の電圧を変化させ、その後に、前記スイッチ素子をオフ状態からオン状態へ切り換える、
タッチパネル。
【請求項8】
請求項7に記載のタッチパネルにおいて、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とは、検出領域に配置され、
前記複数の周辺配線は、前記検出領域の外側の周辺領域に配置され、
前記複数の周辺配線と前記複数の検出電極との間に、複数の前記スイッチ素子が配置される、タッチパネル。
【請求項9】
請求項7に記載のタッチパネルにおいて、
前記複数の駆動電極は、第2方向に延在し、前記第2方向と異なる第1方向に配列され、
前記複数の検出電極は、前記第1方向に延在し、前記第2方向に配列され、
前記複数の周辺配線は、前記第2方向に延在し、前記第1方向に配列される、タッチパネル。
【請求項10】
請求項9に記載のタッチパネルにおいて、
基板を含み、
前記基板は、前記基板の一端に配列され、前記複数の周辺配線に接続された複数の端子を含み、
前記複数の端子に制御回路が接続される、タッチパネル。
【請求項11】
請求項10に記載のタッチパネルにおいて、
前記複数の端子は、前記第1方向に配列される、タッチパネル。
【請求項12】
請求項10に記載のタッチパネルにおいて、
前記複数の端子は、前記第2方向に配列される、タッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タッチパネルおよびタッチパネルを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などに利用される表示装置には、タッチパネルが設けられる場合がある。タッチパネルは、複数の駆動電極と、複数の検出電極と、複数の検出電極に接続された複数の引出し配線とを有する。複数の駆動電極と複数の検出電極と間の電界変化、すなわち、相互容量の変化を検出することで、タッチされた位置座標を特定する相互容量検出方式(ミューチュアル検出方式)が有る。
【0003】
タッチパネルを有する表示装置として、たとえば、特開2016-206867号公報が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-206867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の駆動配線の内の、最外端の駆動電極と複数の引出し配線(周辺配線)との間にフリンジ電界が形成される場合がある。このフリンジ電界が、指などの導体物によって遮蔽されると、タッチノイズとなり、タッチ誤検出が発生することが分かった。
【0006】
本開示の目的は、タッチ検出精度を向上することが可能な技術を提供することにある。
【0007】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち、実施形態に係る表示装置は、
複数の駆動電極と複数の検出電極とを有するタッチパネルと、
複数の周辺配線と、
おのおのの検出電極と対応する周辺配線との間に接続されたスイッチ素子と、を含み、
前記タッチパネルは、前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とによりミューチュアル検出方式で検出を行い、
前記複数のスイッチ素子がオフ状態の時に前記周辺配線に、所定の電圧を印加した状態で、前記複数の駆動電極の電圧を変化させ、その後に、前記周辺配線からの検出を可能な状態とし、前記スイッチ素子をオフ状態からオン状態へ切り換える。
【0010】
また、実施形態に係るタッチパネルは、
複数の駆動電極と、
複数の検出電極と、
複数の周辺配線と、
おのおのの検出電極と対応する周辺配線との間に接続されたスイッチ素子と、を含み、
前記複数の駆動電極と前記複数の検出電極とによりミューチュアル検出方式で検出を行い、
前記複数のスイッチ素子がオフ状態の時に、検出する検出配線に接続された周辺配線に、所定の電圧を印加した状態で、前記複数の駆動電極の電圧を変化させ、その後に、前記スイッチ素子をオフ状態からオン状態へ切り換える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る表示装置の外観を概念的に示す平面図である。
図2図2は、画素PXの基本構成及び表示パネルの等価回路を示す図である。
図3図3は、図1のA-A線に沿う表示装置の断面図を概念的に示す図である。
図4図4は、センサパネルのタッチ検出ノードを説明する図である。
図5図5は、タッチ位置検出回路の構成例を示す図である。
図6図6は、検出回路の構成を説明する回路図である。
図7図7は、比較例に係るタッチ位置検出回路の構成例を示す図である。
図8図8は、比較例に係るタッチ位置検出時における駆動方法を説明する波形図である。
図9図9は、実施形態に係るタッチ位置検出時における駆動方法を説明する波形図である。
図10図10は、センサパネルの構成例1を説明する図である。
図11図11は、センサパネルの構成例2を説明する図である。
図12図12は、実施形態に係るタッチ検出と指紋検出とが可能なセンサパネルの構成例を示す図である。
図13図13は、図12の領域Aの構成例を示す回路図である。
図14図14は、図12の領域Bの構成例を示す回路図である。
図15図15は、図12のセンサパネルの動作を説明する波形図である。
図16図16は、図15のタッチ検出モードを詳細に示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0014】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0015】
本実施形態においては、表示装置の一例として、液晶表示装置を開示する。この液晶表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、パーソナルコンピュータ、テレビ受像装置、車載装置、ゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。
【0016】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、図面を説明する際の「上」、「下」などの表現は、着目する構造体と他の構造体との相対的な位置関係を表現している。具体的には、側面から見た場合において、第1基板(アレイ基板)から第2基板(対向基板)に向かう方向を「上」と定義し、その逆の方向を「下」と定義する。
【0017】
また、「内側」及び「外側」とは、2つの部位における、表示領域を基準とした相対的な位置関係を示す。すなわち、「内側」とは、一方の部位に対し相対的に表示領域に近い側を指し、「外側」とは、一方の部位に対し相対的に表示領域から遠い側を指す。ただし、ここで言う「内側」及び「外側」の定義は、液晶表示装置を折り曲げていない状態におけるものとする。
【0018】
「表示装置」とは、表示パネルを用いて映像を表示する表示装置全般を指す。「表示パネル」とは、電気光学層を用いて映像を表示する構造体を指す。例えば、表示パネルという用語は、電気光学層を含む表示セルを指す場合もあるし、表示セルに対して他の光学部材(例えば、偏光部材、バックライト、タッチパネル等)を装着した構造体を指す場合もある。ここで、「電気光学層」には、技術的な矛盾を生じない限り、液晶層、エレクトロクロミック(EC)層、マイクロLEDなどが含まれ得る。したがって、後述する実施形態について、表示パネルとして、液晶層を含む液晶パネルを例示して説明するが、上述した他の電気光学層を含む表示パネルへの適用を排除するものではない。
【0019】
(実施の形態)
(表示装置の全体構成例)
図1は、実施形態に係る表示装置の外観を概念的に示す平面図である。表示装置DSPは、カバーガラスCGと、表示パネルPNLと、センサパネルSPNLと、フレキシブルプリント回路基板FPC1と、表示駆動ICチップDDICと、フレキシブルプリント回路基板FPC2と、センサICチップSICと、を備えている。センサパネルSPNLは、タッチパネルと言い換えることも可能である。
【0020】
表示パネルPNLは、第1基板(アレイ基板ともいう)SUB1と、第2基板(対向基板ともいう)SUB2と、後述する液晶層LCと、後述するシール材SEと、を備えている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1に対向している。第1基板SUB1は、第2基板SUB2よりも第2方向Yに延出した実装部MA1を有している。後述する図3で説明するシール材SEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。第1基板SUB1の下側には、下偏光板やバックライト装置が設けられてもよい。
【0021】
フレキシブルプリント回路基板FPC1の一端は実装部MA1に接続され、フレキシブルプリント回路基板FPC1の他端は、図示されないが、ホスト装置が搭載されるプリント回路基板に接続されている。表示駆動ICチップDDICは、この例では、実装部MA1に実装されている。表示駆動ICチップDDICは、フレキシブルプリント回路基板FPC1に実装されてもよい。表示駆動ICチップDDICは、画像を表示する表示モードにおいて画像表示に必要な信号を表示パネルPNLへ出力する。
【0022】
フレキシブルプリント回路基板FPC2の一端は、センサパネルSPNLの実装部MA2に接続されている。センサICチップSICは、この例では、フレキシブルプリント回路基板FPC2に実装されている。センサICチップSICは、センサモードにおいて、検出に必要な駆動信号をセンサパネルSPNLへ出力するとともに、検出信号をセンサパネルSPNLから受信する。
【0023】
表示パネルPNLは、画像を表示する表示部(表示領域)DAと、表示部DAを囲む額縁状の非表示部(非表示領域、周辺領域)NDAと、を備えている。表示部DAは、第1方向X及び第1方向Xと交差する第2方向Y(または、第1方向Xと異なる第2方向Y)にマトリクス状に配置された複数の画素PXを備えている。
【0024】
センサパネルSPNLは、画像を表示する表示部DAに重畳する様ように設けられたセンサ活性領域(検出領域、活性領域、以下、活性領域という)AAと、活性領域AAを囲む額縁状の非活性領域NAA(非検出領域)と、を備えている。活性領域AAは、第1方向Xに延在し、第2方向Yに配置された複数の検出電極Rxと、第2方向Yに延在し、第1方向Xに配置された複数の駆動電極Txと、を備えている。
【0025】
カバーガラスCGは、表示パネルPNLおよびセンサパネルSPNLを覆う様に、設けられている。カバーガラスCGは、一例では、透明なガラス部材などにより構成することができる。
【0026】
本実施形態の表示パネルPNLは、第1基板SUB1の背面側からの光を選択的に透過させることで画像を表示する透過表示機能を備えた透過型、第2基板SUB2の前面側からの光を選択的に反射させることで画像を表示する反射表示機能を備えた反射型、あるいは、透過表示機能及び反射表示機能を備えた半透過型のいずれであってもよい。
【0027】
表示パネルPNLは、基板主面の法線に沿った縦電界を利用する表示モード、基板主面に対して斜め方向に傾斜した傾斜電界を利用する表示モード、さらには、上記の横電界、縦電界、及び、傾斜電界を適宜組み合わせて利用する表示モードに対応したいずれの構成を備えていてもよい。
【0028】
(表示装置の回路構成例)
図2は、画素PXの基本構成及び表示パネルの等価回路を示す図である。複数の画素PXは、第1方向X及び第2方向Yにマトリクス状に配置されている。複数本の走査線G(G1、G2・・・)は、走査線駆動回路GDに電気的に接続されている。複数本の信号線S(S1、S2・・・)は、信号線駆動回路SDに電気的に接続されている。複数本の共通電極CE(CE1、CE2・・・)は、コモン電圧(Vcom)の電圧供給部CDに電気的に接続され、複数の画素PXに亘って配置されている。1つの画素PXは、1本の走査線と、1本の信号線と、1本の共通電極CEと、に電気的に接続されている。なお、走査線G及び信号線Sは、必ずしも直線的に延出していなくてもよく、それらの一部が屈曲していてもよい。例えば、信号線Sは、その一部が屈曲していたとしても、全体的に第2方向Yに延出しているものとする。
【0029】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CE、液晶層LC等を備えている。スイッチング素子SWは、例えば薄膜トランジスタ(TFT)によって構成され、走査線G及び信号線Sと電気的に接続されている。走査線Gは、第1方向Xに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。信号線Sは、第2方向Yに並んだ画素PXの各々におけるスイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEは、スイッチング素子SWと電気的に接続されている。画素電極PEの各々は、共通電極CEと対向し、画素電極PEと共通電極CEとの間に生じる電界によって液晶層LCを駆動している。保持容量CSSは、例えば、共通電極CEと同電位の電極、及び、画素電極PEと同電位の電極の間に形成される。
【0030】
(表示装置の断面構成例)
図3は、図1のA-A線に沿う表示装置の断面図を概念的に示す図である。第1基板SUB1の下には下偏光板200が貼り付けられ、第2基板SUB2の上側には上偏光板201が貼り付けられている。シール材SEは、非表示部NDAに位置し、第1基板SUB1と第2基板SUB2とを接着するとともに、液晶層LCを封止している。第1基板SUB1、第2基板SUB2、下偏光板200、上偏光板201、シール材SEおよび液晶層LCの組み合わせを、表示パネルPNLと呼ぶ。表示パネルPNLは自身では発光しないので、表示パネルPNLの背面側である下偏光板200の下に、バックライト202が配置されている。尚、自発光画素を用いる表示パネルではバックライト202は不要とされる。
【0031】
上偏光板201の上には、センサ基板SSUBの裏面が接着層203によって貼り付けられている。センサ基板SSUBの上には、第1金属配線層204によって構成された駆動電極Txが設けられ、駆動電極Txを覆う様に、第1絶縁膜205が設けられる。第1絶縁膜205の上には、第2金属配線層206によって構成された複数の検出電極Rxが設けられ、複数の検出電極Rxを覆う様に、第2絶縁膜207が設けられる。第2絶縁膜207の上には、カバーガラスCGが接着層208によって貼り付けられている。センサ基板SSUB、駆動電極Tx、第1絶縁膜205、検出電極Rxおよび第2絶縁膜207の組み合わせを、センサパネルSPNLと呼ぶ。
【0032】
第1金属配線層204および第2金属配線層206は、たとえば、ITO(Indium Tin Oxide)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)等の透明な導電材料によって構成することができる。第1絶縁膜205および第2絶縁膜207は、たとえば、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁膜によって構成することができる。なお、第2絶縁膜207は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁膜によって構成することができる。
【0033】
次に、センサパネルSPNLの構成例を説明する。
【0034】
(タッチ検出ノードの構成例)
図4は、センサパネルのタッチ検出ノードを説明する図である。この例では、センサパネルSPNLおよび活性領域AAが矩形形状の場合を代表例として説明する。図4に示す様に、センサパネルSPNLは、平面視において、矩形形状の活性領域AAを有しており、活性領域AAの内部には、第1方向Xおよび第2方向Yにマトリックス状に設けられた複数のタッチ検出ノード(領域)TNが仮想的に設けられているものとする。図4では、一例として、9個のタッチ検出ノード(領域)TN1~TN9が設けられた状態を示している。タッチ検出ノード(領域)TN1~TN9のおのおのは、この例では、矩形形状とされている。
【0035】
実際のセンサパネルSPNLでは、タッチ検出ノード(領域)は9個以上の数で構成されている。また、実際のセンサパネルSPNLでは、活性領域AAの4つの角部が、円弧状にラウンドしている構成のセンサパネルSPNLも存在している。この場合には、4つ角部に位置するタッチ検出ノードは、活性領域AAの円弧状にラウンドした各角部の形状に対応する様に、円弧状にラウンドした形状になる。本開示は、この様な4つの角部が円弧状にラウンドした活性領域AAを有するセンサパネルSPNLにも適用可能である。
【0036】
(タッチ位置検出回路の構成例)
図5は、タッチ位置検出回路の構成例を示す図である。図5は、図4に示すタッチ検出ノードTN1~TN9に、複数の駆動電極Txと複数の検出電極Rxとを設けた場合が示されている。なお、図面の複雑さを避けるため、図4で示したタッチ検出ノードTN1~TN9の参照番号は、図5には記載されていないが、図4で示したタッチ検出ノードTN1~TN9の参照番号を用いて説明する。
【0037】
タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3には、L個(本)の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、3本の検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cが設けられる。3本の検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cは、活性領域AAの外部(外側)に設けられた3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられて、活性領域AAの外部(外側)に設けられた引出し配線(周辺配線)R1に電気的に接続される。つまり、タッチ位置検出時において、3本の検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cは、オン状態の3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられ、1つの検出電極Rx1として機能することになる。
【0038】
タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6には、L個(本)の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、3本の検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cが設けられる。検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cは、活性領域AAの外部に設けられた3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられて、活性領域AAの外部(外側)に設けられた引出し配線R2に電気的に接続される。つまり、タッチ位置検出時において、3本の検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cは、オン状態の3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられ、1つの検出電極Rx2として機能することになる。
【0039】
タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9には、L個(本)の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、3本の検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cが設けられる。検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cは、活性領域AAの外部に設けられた3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられて、活性領域AAの外部(外側)に設けられた引出し配線R3に電気的に接続される。つまり、タッチ位置検出時において、3本の検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cは、オン状態の3つのスイッチ素子TRSWによって束ねられ、1つの検出電極Rx3として機能することになる。
【0040】
タッチ検出ノードTN1、TN4、TN7には、N個(本)の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx1a~Tx1iが設けられる。駆動電極Tx1a~Tx1iは、活性領域AAの外部(外側)に設けられた9つのスイッチ素子TTSWによって束ねられて、1つの駆動電極Tx1とされる。つまり、タッチ位置検出時において、9本の駆動電極Tx1a~Tx1iは、オン状態の9つのスイッチ素子TTSWによって束ねられ、1つの駆動電極Tx1として機能することになる。
【0041】
タッチ検出ノードTN2、TN5、TN8には、N個(本)の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx2a~Tx2iが設けられる。駆動電極Tx2a~Tx2iは、活性領域AAの外部(外側)に設けられた9つのスイッチTTSWによって束ねられて、1つの駆動電極Tx2とされる。つまり、タッチ位置検出時において、9本の駆動電極Tx2a~Tx2iは、オン状態の9つのスイッチ素子TTSWによって束ねられ、1つの駆動電極Tx2として機能することになる。
【0042】
タッチ検出ノードTN3、TN6、TN9には、N個(本)の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx3a~Tx3iが設けられる。駆動電極Tx3a~Tx3iは、活性領域AAの外部(外側)に設けられた9つのスイッチTTSWによって束ねられて、駆動電極Tx3とされる。つまり、タッチ位置検出時において、9本の駆動電極Tx3a~Tx3iは、オン状態の9つのスイッチ素子TTSWによって束ねられ、1つの駆動電極Tx3として機能することになる。
【0043】
駆動電極Tx1~Tx3は、センサICチップSICのタッチ位置検出用の駆動回路TPSTxDrに電気的に接続される。また、引出し配線R1、R2、R3は、タッチ位置検出用の検出回路TPSDTに電気的に接続される。
【0044】
スイッチ素子TRSW、TTSWは、センサICチップSICから出力されるスイッチ信号S11、S12によって、オン状態およびオフ状態が制御される。スイッチ素子TRSW、TTSWは、たとえは、タッチ位置検出時において、スイッチ信号S11、S12のハイレベルによってオン状態とされ、タッチ位置検出時以外において、スイッチ信号S11、S12のロウレベルによってオフ状態とされる。スイッチ素子TRSW、TTSWのおのおのは、たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)により構成することができる。スイッチ信号S11は、後述する様に、タッチ位置検出時において、ハイレベルとロウレベルとに変化する様に、センサICチップSICによりその電位レベルが制御されることになる。
【0045】
次に、タッチ位置検出時における動作を説明する。ここでは、タッチ位置検出の方式としてミューチュアル検出方式を例として説明するが、セルフ(Self)検出方式を利用することも可能である。
【0046】
駆動電極Tx1~Tx3と検出電極Rx1~Rx3は、図3に示す様に、第1絶縁膜205の膜厚による所定の間隔を置いて配置される。このため、駆動電極Tx1~Tx3と検出電極Rx1~Rx3との間には、基本的に相互容量(静電容量)が存在する。
【0047】
ミューチャル検出方式では、駆動回路TPSTxDrによって、駆動電極Tx1~Tx3が所定の周期で駆動パルスSig1により走査される。今、ユーザの指が検出電極Rx2と駆動電極Tx2の交差部(タッチ検出ノードTN5に対応する)に近接して存在するものとする。この時、駆動電極Tx2に駆動パルスSig1が供給されると検出電極Rx2にはパルス状の波形が得られ、検出電極Rx2からは、他の検出電極Rx1,Rx3から得られる検出パルスよりも振幅レベルの低い検出パルスが得られる。検出電極Rx1,Rx2,Rx3は駆動電極Tx1,Tx2、Tx3からのフリンジ電界を監視しており、指のような導電物が近接すると、このフリンジ電界を遮蔽する効果がある。フリンジ電界が遮蔽されることで、検出電極Rxの検出電位が低下する。駆動パルスSig1による電極駆動タイミングと検出パルスの出力タイミングとにより、センサパネルSPNLの活性領域AAの平面上における指の2次元上の位置を検出することができる。
【0048】
ここで、タッチ検出ノードTN1~TN9のおのおのにおける相互容量(静電容量)について説明する。図5に示す様に、タッチ検出ノードTN1~TN9のおのおのにおいて、3本の検出電極(Rxna、Rxnb、Rxnc:n=1、2、3)と9本の駆動電極(Txna~Txni:n=1、2、3)が交差している。3本の検出電極(Rxna、Rxnb、Rxnc:n=1、2、3)と9本の駆動電極(Txna~Txni:n=1、2、3)との交差部の面積が相互容量の容量値を主に規定していることになる。したがって、図5に示すタッチ検出ノードTN1~TN9のおのおのは、実質的に、同一の相互容量の容量値を有するものと見做すことができる。
【0049】
(検出回路TPSDTの構成例)
図6は、検出回路TPSDTの構成を説明する回路図である。図6には、検出回路TPSDTに含まれる複数の制御回路AFEの内の1つの制御回路AFEの構成例が示されている。複数の制御回路AFEは、複数の引出し配線Rn(n=1、2、3・・)のおのおのに接続されている。制御回路AFEは、引出し配線Rn(n=1、2、3・・)が電気的に接続される入力端子INと、増幅回路AMPと、容量素子Cと、リセットスイッチ素子RSWと、により構成される。制御回路AFEの出力信号AFEOUTはアナログデジタル変換回路ADCへ供給される。
【0050】
入力端子INは、増幅回路AMPの反転入力端子(-)に電気的に接続され、増幅回路AMPの非反転入力端子(+)には、所定の電圧とされた基準電圧Vrefが印加されるように構成されている。容量素子Cとリセットスイッチ素子RSWのおのおのは、増幅回路AMPの反転入力端子(-)と増幅回路AMPの第1出力端子との間に電気的に接続される。増幅回路AMPの第1出力端子と第2出力端子とは、アナログデジタル変換回路ADCの一対の入力端子に電気的に接続される。
【0051】
リセットスイッチ素子RSWがオフ状態とさている時、入力端子INから入力されたアナログ検出信号は、増幅回路AMPと容量素子Cとにより積分される。積分された出力信号AFEOUTはアナログデジタル変換回路ADCに入力されてサンプリングされて、デジタル信号へ変換され、変換されたデジタル信号DOUTがアナログデジタル変換回路ADCから出力される。リセットスイッチ素子RSWがオン状態とさている時、入力端子INと第1出力端子および第2出力端子は基準電圧Vrefに設定される。
【0052】
(比較例)
図7は、比較例に係るタッチ位置検出回路の構成例を示す図である。図7図5と異なる点は、図7において、スイッチ素子TRSWが3本の検出電極(Rxna、Rxnb、Rxnc:n=1、2、3)と引出し配線R1、R2、R3との間に設けられていない点と、スイッチ素子TRSWrが引出し配線R1、R2、R3と検出回路TPSDT内の各制御回路AFEの入力端子との間に設けられている点である。図7の他の構成は、図5と同じであるので、繰り返しの説明は省略する。図7の検出回路TPSDTには、図6の制御回路AFEが設けられている。
【0053】
図7において、複数の駆動配線Tx1,Tx2,Tx3の内の、最外端の駆動電極Tx1と複数の引出し配線R1、R2、R3との間にフリンジ電界が形成される場合がある。このフリンジ電界が、指などの導体物によって遮蔽されると、タッチノイズとなり、タッチ誤検出が発生することが分かった。
【0054】
(比較例に係るタッチ位置検出時における駆動方法)
図8は、比較例に係るタッチ位置検出時における駆動方法を説明する波形図である。なお、図8において、スイッチ素子TTSWは、タッチ位置検出時に、常時、オン状態を維持するものとして説明する。
【0055】
時刻t1前において、スイッチ素子TRSWrはオフ状態とされ、リセットスイッチ素子RSWはオン状態とさており、制御回路AFEの入力端子INの電位がリセット電位である基準電圧Vrefに設定される。
【0056】
時刻t1rにおいて、リセットスイッチ素子RSWがオン状態からオフ状態へ変化し、リセット状態が解除される。また、スイッチ素子TRSWrがオフ状態からオン状態とされる。
【0057】
時刻t2rにおいて、駆動配線Txnがロウレベルからハイレベルへ駆動される。これにより、検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)の電位変化が、引出し配線Rn(R1、R2、R3)を介して、制御回路AFEの入力端子INへ供給されるようになっている。
【0058】
時刻t3rにおいて、スイッチ素子TRSWrがオン状態からオフ状態とされ、リセットスイッチ素子RSWがオフ状態からオン状態へ変化し、制御回路AFEの入力端子INの電位がリセット電位である基準電圧Vrefに設定される。
【0059】
時刻t4rにおいて、リセットスイッチ素子RSWがオン状態からオフ状態へ変化し、リセット状態が解除される。また、スイッチ素子TRSWrがオフ状態からオン状態とされる。
【0060】
時刻t5rにおいて、駆動配線Txnがハイレベルからロウレベルへ駆動される。これにより、検出電極Rxnの電位変化が、引出し配線Rnを介して、制御回路AFEの入力端子INへ供給されるようになっている。
【0061】
そして、時刻t6rにおいて、時刻t3rと同様に、スイッチ素子TRSWrがオン状態からオフ状態とされ、リセットスイッチ素子RSWがオフ状態からオン状態へ変化し、制御回路AFEの入力端子INの電位がリセット電位である基準電圧Vrefに設定される。
【0062】
時刻t7r、t8r、t9rの動作は、時刻t1r、t2r、t3rと同様な動作であるので繰り返しの説明は省略する。
【0063】
つまり、リセットスイッチ素子RSWがオフ状態で、スイッチ素子TRSWrがオン状態のとき、最外端の駆動電極Tx1が変化すると、その影響が引出し配線Rnに現れて、タッチ誤検出が発生することになる。
【0064】
(実施形態に係るタッチ位置検出時における駆動方法)
図9は、実施形態に係るタッチ位置検出時における駆動方法を説明する波形図である。なお、図8と同様に、スイッチ素子TTSWは、タッチ位置検出時に、常時、オン状態を維持するものとして説明する。
【0065】
時刻t1において、駆動配線Txnがロウレベルからハイレベルへ駆動される。リセットスイッチ素子RSWはオン状態であり、スイッチ素子TRSWはオフ状態である。リセットスイッチ素子RSWのオン状態によって、引出し配線Rn(R1、R2、R3)および各制御回路AFEの入力端子INの電位はリセット電位である基準電圧Vrefに設定されている。スイッチ素子TRSWがオフ状態のときは、検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)はフローティングあるいは高抵抗にてバイアス電圧が印加されている。このため、スイッチ素子TRSWはオフ状態のときに駆動配線Txnがロウレベルからハイレベルへ駆動されると、駆動配線Txnと検出電極Rxnとの間のフリンジ電界により、検出電極Rxnもロウレベルからハイレベルに変化する。
【0066】
時刻t2において、リセットスイッチ素子RSWはオン状態からオフ状態へ変化する。スイッチ素子TRSWはオフ状態である。
【0067】
時刻t3において、スイッチ素子TRSWはオフ状態からオン状態へ変化し、制御回路AFEの積分期間が開始される。これにより、検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)の電位変化が、引出し配線Rnを介して、各制御回路AFEの入力端子INへ供給される。制御回路AFEから出力信号AFEOUTが出力される。
【0068】
時刻t4において、アナログデジタル変換回路ADCは出力信号AFEOUTをサンプリングし、サンプリングされた出力信号AFEOUTのアナログ電位はデジタル信号へ変換されることになる。
【0069】
時刻t5において、リセットスイッチ素子RSWはオフ状態からオン状態へ変化する。これにより、各制御回路AFEの入力端子INと出力端子および引出し配線Rnはリセット電位である基準電圧Vrefにされる。なお、時刻t3から時刻t5の間は、制御回路AFEの積分期間に対応している。
【0070】
時刻t6において、スイッチ素子TRSWはオン状態からオフ状態へ変化する。このとき、引出し配線Rn(R1、R2、R3)はリセット電位である基準電圧Vrefが維持されている。
【0071】
時刻t7において、駆動配線Txnがハイレベルからロウレベルへ駆動される。このときは、スイッチ素子TRSWはオフであるため、検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)もハイレベルからロウレベルへ変化する。
【0072】
時刻t8において、リセットスイッチ素子RSWはオン状態からオフ状態へ変化する。
【0073】
時刻t9において、時刻t3と同様に、スイッチ素子TRSWはオフ状態からオン状態へ変化し、制御回路AFEの積分期間が開始される。これにより、時刻t7において変化していた検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)の電位が、引出し配線Rnを介して、各制御回路AFEの入力端子INへ供給される。制御回路AFEから出力信号AFEOUTが出力される。
【0074】
時刻t10において、アナログデジタル変換回路ADCは出力信号AFEOUTをサンプリングし、サンプリングされた出力信号AFEOUTのアナログ電位はデジタル信号へ変換されることになる。
【0075】
時刻t11において、リセットスイッチ素子RSWはオフ状態からオン状態へ変化する。これにより、各制御回路AFEの入力端子INと出力端子および引出し配線Rnはリセット電位である基準電圧Vrefにされる。
【0076】
時刻t12において、スイッチ素子TRSWはオン状態からオフ状態へ変化する。このとき、引出し配線Rn(R1、R2、R3)はリセット電位である基準電圧Vrefが維持される。また、駆動配線Txnがロウレベルからハイレベルへ駆動される。
【0077】
時刻t12と時刻t13の間において、駆動配線Txnがロウレベルからハイレベルに変化すると、駆動配線Txnと出電極Rxnとの間のフリンジ電界により、検出電極Rxnもロウレベルからハイレベルに変化する。
【0078】
時刻t13において、リセットスイッチ素子RSWはオン状態からオフ状態へ変化する。
【0079】
時刻t14において、スイッチ素子TRSWはオフ状態からオン状態へ変化し、制御回路AFEの積分期間が開始される。これにより、時刻t12と時刻t13の間において、駆動配線Txnの変化に伴ってロウレベルからハイレベルに変化していた検出電極Rxn(Rx1、Rx2,Rx3)の電位が、引出し配線Rnを介して、各制御回路AFEの入力端子INへ供給される。制御回路AFEから出力信号AFEOUTが出力される。
【0080】
時刻15において、アナログデジタル変換回路ADCは出力信号AFEOUTをサンプリングし、サンプリングされた出力信号AFEOUTのアナログ電位はデジタル信号へ変換されることになる。
【0081】
時刻t16において、リセットスイッチ素子RSWはオフ状態からオン状態へ変化する。これにより、各制御回路AFEの入力端子INと出力端子および周辺配線Rnはリセット電位である基準電圧Vrefにされる。
【0082】
時刻t17において、スイッチ素子TRSWはオン状態からオフ状態へ変化し、引出し配線Rn(R1、R2、R3)はリセット電位である基準電圧Vrefに設定される。また、駆動配線Txnがハイレベルからロウレベルへ駆動される。
【0083】
つまり、図9の駆動方法は、以下の特徴を有している。
【0084】
1)制御回路AFEの積分期間に入る前まで、スイッチ素子TRSWはオフ状態にされ、引出し配線Rn(R1、R2、R3)がリセット電位である基準電圧Vrefに設定される。
【0085】
2)駆動配線Txnの駆動後に、リセットスイッチ素子RSWはオン状態からオフ状態へ変化させ、その後、リセットスイッチ素子RSWはオフ状態からオン状態へ変化させる。
【0086】
これにより、活性領域AA内に配置された検出電極Rxnと非活性領域NAAに配置された引出し配線R1、R2、R3とを接続する複数のスイッチ素子TRSWを活性領域AAの近傍に配置し、その複数のスイッチ素子TRSWがオフ状態かつ、引出し配線R1、R2、R3がリセット電位(VRef)に固定されている状態で、駆動配線Txnをトグルする。これにより、最外周の駆動配線Tx1と引出し配線R1、R2、R3とのカップリングの影響をなくすことができる。これにより、タッチ検出精度を向上することができる。
【0087】
(センサパネルSPNLの構成例)
次に、図10および図11を用いて、センサパネルSPNLの構成例を説明する。なお、図10および図11において、図面の簡素化の為、3本の検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cは検出電極Rx1、検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cは検出電極Rx2、3本の検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cは検出電極Rx3と示して説明する。同様に、9本の駆動電極Tx1a~Tx1iは駆動電極Tx1、9本の駆動電極Tx2a~Tx2iは駆動電極Tx2、9本の駆動電極Tx3a~Tx3iは駆動電極Tx3と示して説明する。引出し配線(周辺配線)R1、R2、R3は、R1、R2~Rnと示して説明する。また、スイッチ素子TRSW、TTSWも、同様に、簡素化して示して説明する。
【0088】
(センサパネルSPNLの構成例1)
図10は、センサパネルの構成例1を説明する図である。図10に示す様に、センサパネルSPNLは、センサ基板SSUBを有し、センサ基板SSUBには、活性領域AAと実装部MA2とが設けられている。検出電極Rx1~Rxn、および、駆動電極Tx1~Txnは、センサパネルSPNLの活性領域AAに配置されている。検出電極Rx1~Rxnは、第1方向Xに延在し、第1方向Xと異なる第2方向Yに配列されている。駆動電極Tx1~Txnは、第2方向Yに延在し、第1方向Xに配列されている。引出し配線R1、R2~Rnは、センサパネルSPNLの活性領域AAの外側の周辺領域に配置されている。引出し配線R1、R2~Rnは、第2方向Yに延在し、第1方向Xに配列されている。
【0089】
引出し配線R1、R2~Rnと検出電極Rx1~Rxnとの間に、複数のスイッチ素子TRSWが配置されている。複数のスイッチ素子TRSWは、引出し配線R1、R2~Rnと検出電極Rx1~Rxnとの間において、第2方向Yに配列されている。スイッチ素子TRSWは、一例では、活性領域AAの外側の周辺領域に配置されている。なお、スイッチ素子TRSWの一部は、活性領域AAの内部に配置されていても良い。
【0090】
複数のスイッチ素子TTSWが、センサパネルSPNLの活性領域AAの外側の周辺領域に配置されている。複数のスイッチ素子TTSWのおのおのは、駆動電極Tx1~Txnの対応する駆動電極の一端に接続されている。
【0091】
実装部MA2には、複数の外部接続端子EXTが第1方向Xに配列されている。複数の外部接続端子EXTは、引出し配線R1、R2~Rnに接続された複数の第1外部接続端子EXT1と、複数のスイッチ素子TTSWに接続された複数の第2外部接続端子EXT2と、を含む。複数の第1外部接続端子EXT1は、他方において、検出回路TPSDTの入力端子INに接続される。複数の第2外部接続端子EXT2は、他方において、駆動回路TPSTxDrに接続される。
【0092】
(センサパネルSPNLの構成例2)
図11は、センサパネルの構成例2を説明する図である。図11のセンサパネルSPNLの構成例が図10と異なる点は、検出電極Rx1~Rxnが第2方向Yに延在し、第2方向Yと異なる第1方向Xに配列されている点と、駆動電極Tx1~Txnが第1方向Xに延在し、第2方向Yに配列されている点である。これに伴い、引出し配線R1、R2~Rnは、第2方向Yに延在し、第1方向Xに配列されている。複数のスイッチ素子TRSWは、引出し配線R1、R2~Rnと検出電極Rx1~Rxnとの間において、第1方向Xに配列されている。実装部MA2には、複数の外部接続端子EXT(複数の第1外部接続端子EXT1,複数の第2外部接続端子TXT2)が第1方向Xに配列されている。
【0093】
したがって、図11において、複数の第1外部接続端子EXT1の配列方向(第1方向X)は、検出電極Rx1~Rxnの配列方向(第1方向X)とは同じであるが、図10においては、複数の第1外部接続端子EXT1の配列方向(第1方向X)は、検出電極Rx1~Rxnの配列方向(第2方向Y)とは異なっている。
【0094】
ここで、図11の第1方向Xと第2方向Yとを入れ替えて、検出電極Rx1~Rxnの配列方向を図10図11とにおいて同じ方向(第2方向Y)とすると、複数の第1外部接続端子EXT1の配列方向は第2方向Yであるとみなすことができる。
【0095】
(タッチ検出と指紋検出とが可能なセンサパネルの構成例)
図12は、タッチ検出と指紋検出とが可能なセンサパネルの構成例を示す図である。図13は、図12の領域Aの構成例を示す回路図である。図14は、図12の領域Bの構成例を示す回路図である。図12図13図14に示すセンサパネルSPNLは、図1に示すセンサパネルSPNLの基本的な構成例を示すものである。なお、図面の複雑さを避けるため、図4で示したタッチ検出ノードTN1~TN9の参照番号は、図12には記載されていないが、図4で示したタッチ検出ノードTN1~TN9の参照番号を用いて説明する。
【0096】
タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3には、複数の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、図5で説明した3本の検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cと、さらに、4本の検出電極Rx1d、Rx1e、Rx1f、Rx1gが設けられる。7本の検出電極Rx1a~Rx1gは、活性領域AAの外部に設けられたスイッチ回路SWC21に電気的に接続される。スイッチ回路SWC21は、また、活性領域AAの外部に設けられた7本の引出し配線R1~R7に電気的に接続される。
【0097】
タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6には、複数の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、図5で説明した3本の検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cと、さらに、4本の検出電極Rx2d、Rx2e、Rx2f、Rx2gが設けられる。7本の検出電極Rx2a~Rx2gは、活性領域AAの外部に設けられたスイッチ回路SWC22に電気的に接続される。スイッチ回路SWC22は、また、活性領域AAの外部に設けられた7本の引出し配線R1~R7に電気的に接続される。
【0098】
タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9には、複数の検出電極が第1方向Xに延在して設けられている。一例では、図5で説明した3本の検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cと、さらに、4本の検出電極Rx3d、Rx3e、Rx3f、Rx3gが設けられる。7本の検出電極Rx3a~Rx3gは、活性領域AAの外部に設けられたスイッチ回路SWC23に電気的に接続される。スイッチ回路SWC23は、また、活性領域AAの外部に設けられた7本の引出し配線R1~R7に電気的に接続される。
【0099】
タッチ検出ノードTN1、TN4、TN7には、複数の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx1a~Tx1iが設けられる。タッチ検出ノードTN2、TN5、TN8には、複数の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx2a~Tx2iが設けられる。タッチ検出ノードTN3、TN6、TN9には、複数の駆動電極が第2方向Yに延在して設けられている。一例では、9本の駆動電極Tx3a~Tx3iが設けられる。
【0100】
9本の駆動電極Tx1a~Tx1i、9本の駆動電極Tx2a~Tx2i、および、9本の駆動電極Tx3a~Tx3iは、図14で説明する様に、センサICチップSICの指紋検出用の駆動回路FPSTxDrに電気的に接続される。また、引出し配線R1~R7は、図13で説明する様に、センサICチップSICの指紋検出用の検出回路FPSDTに電気的に接続される。
【0101】
図12に示す様に、図5と比較して、検出電極の本数を多くするとこにより、指紋のような細かい凹凸を正確に検出することが可能になる。
【0102】
図13において、スイッチ回路SWC21~SWC23のおのおのには、スイッチ回路SWC21に代表として示す様に、図5で説明された3つのスイッチ素子TRSWが設けられている。スイッチ回路SWC22、SWC23の構成は、スイッチ回路SWC21の構成とほぼ同じであるが、図5で説明した様に、3つのスイッチ素子TRSWの接続先が異なる。つまり、スイッチ回路SWC21に設けられた3つのスイッチ素子TRSWは、検出電極Rx1a、Rx1b、Rx1cを束ねて引出し配線R1に電気的に接続するために設けられる。スイッチ回路SWC22に設けられた3つのスイッチ素子TRSWは、検出電極Rx2a、Rx2b、Rx2cを束ねて引出し配線R2に電気的に接続するために設けられる。スイッチ回路SWC23に設けられた3つのスイッチ素子TRSWは、検出電極Rx3a、Rx3b、Rx3cを束ねて引出し配線R3に電気的に接続するために設けられる。
【0103】
スイッチ素子TRSWのおのおのは、図5で説明されたように、タッチ位置検出時において、センサICチップSICから出力されるハイレベルのスイッチ信号S11によって、オン状態およびオフ状態が制御される。一方、スイッチ素子TRSWのおのおのは、指紋検出時において、センサICチップSICから出力されるロウレベルのスイッチ信号S11によって、オフ状態にされる。
【0104】
スイッチ回路SWC21~SWC23のおのおのは、図13のスイッチ回路SWC21に代表として示す様に、検出電極Rxna、Rxnb、Rxnc(n=1、2、3)に接続される3つのスイッチ素子DSW1と、検出電極Rxnd、Rxne、Rxnf、Rxng(n=1、2、3)に接続される4つのスイッチ素子DSWと、引出し配線R1~R7と検出電極Rx1a~Rx1gとの間に接続された7つのスイッチ素子FSWと、を有する。スイッチ素子FSW、DSW、DSW1のおのおのは、たとえば、薄膜トランジスタ(TFT)により構成することができる。
【0105】
スイッチ素子DSW1とスイッチ素子DSWとは、タッチ検出時における動作が異なっている。指紋検出時において、スイッチ素子DSW1とスイッチ素子DSWとは、同時に、オン状態またはオフ状態とされる。一方、タッチ検出時において、スイッチ素子DSW1はオフ状態とされ、スイッチ素子DSWはオン状態とされる。
【0106】
7個のスイッチ素子FSWは、7本の検出電極(Rxna~Rxng:n=1、2、3)と7本の引出し配線R1~R7との間に設けられている。7個のスイッチ素子FSWは、センサICチップSICから出力されるスイッチ信号S2nによって、オン状態およびオフ状態が制御される。7個のスイッチ素子FSWは、たとえは、スイッチ信号S2nのハイレベルによってオン状態とされ、スイッチ信号S2nのロウレベルによってオフ状態とされる。7個のスイッチ素子FSWのオン状態によって、7本の検出電極(Rxna~Rxng:n=1、2、3)と7本の引出し配線R1~R7とがそれぞれ電気的に接続される。
【0107】
スイッチ素子DSW、DSW1は、7本の検出電極(Rxna~Rxng:n=1、2、3)と配線Ldcとの間に設けられている。配線Ldcには、接地電位(0V)の様な所定の直流電位VDCが供給されている。スイッチ素子DSWは、スイッチ信号S3nによって、オン状態およびオフ状態が制御される。スイッチ素子DSWは、たとえは、スイッチ信号S3nのハイレベルによってオン状態とされ、スイッチ信号S3nのロウレベルによってオフ状態とされる。スイッチ素子DSW1は、スイッチ信号S4nによって、オン状態およびオフ状態が制御される。スイッチ素子DSW1は、たとえは、スイッチ信号S4nのハイレベルによってオン状態とされ、スイッチ信号S4nのロウレベルによってオフ状態とされる。スイッチ素子DSW、DSW1のオン状態によって、7本の検出電極(Rxna~Rxng:n=1、2、3)が直流電位VDCに設定される。
【0108】
次に、センサICチップSICから出力されるスイッチ信号S2n、S3n、S4nについて説明する。
【0109】
スイッチ信号S2n(n=1、2、3)において、スイッチ信号S21(n=1の場合に対応する)はスイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子FSWに供給され、スイッチ信号S22(n=2の場合に対応する)はスイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子FSWに供給され、スイッチ信号S22(n=3の場合に対応する)はスイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子FSWに供給される。
【0110】
タッチ検出ノードTN1~TN9におけるタッチ検出を行う場合、スイッチ回路SWC21、SWC22、SWC23の複数のスイッチ素子FSWは、ロウレベルのスイッチ信号S21、S22、S23によってオフ状態にされる。
【0111】
タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子FSWはハイレベルのスイッチ信号S21によってオン状態とされる。一方、スイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S22によってオフ状態とされ、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S23によってオフ状態とされる。
【0112】
タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子FSWはハイレベルのスイッチ信号S22によってオン状態とされる。一方、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S21によってオフ状態とされ、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S23によってオフ状態とされる。
【0113】
タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子FSWはハイレベルのスイッチ信号S22によってオン状態とされる。一方、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S21によってオフ状態とされ、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子FSWはロウレベルのスイッチ信号S23によってオフ状態とされる。
【0114】
スイッチ信号S3n(n=1、2、3)において、スイッチ信号S31(n=1の場合に対応する)はスイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子DSWに供給され、スイッチ信号S32(n=2の場合に対応する)はスイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子DSWに供給され、スイッチ信号S33(n=3の場合に対応する)はスイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子DSWに供給される。
【0115】
スイッチ信号S4n(n=1、2、3)において、スイッチ信号S41(n=1の場合に対応する)はスイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子DSW1に供給され、スイッチ信号S42(n=2の場合に対応する)はスイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子DSW1に供給され、スイッチ信号S43(n=3の場合に対応する)はスイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子DSW1に供給される。
【0116】
タッチ検出ノードTN1~TN9におけるタッチ検出を行う場合、スイッチ回路SWC21、SWC22、SWC23の複数のスイッチ素子DSWは、ハイレベルのスイッチ信号S31、S32、S33によってオン状態にされる。一方、スイッチ回路SWC21、SWC22、SWC23の複数のスイッチ素子DSW1は、ロウレベルのスイッチ信号S41、S42、S43によってオフ状態にされる。
【0117】
タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はロウレベルのスイッチ信号S31、S41によってオフ状態とされる。一方、スイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S32、S42によってオン状態とされ、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S33、S43によってオン状態とされる。
【0118】
タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はロウレベルのスイッチ信号S32、S42によってオフ状態とされる。一方、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S31、S41によってオン状態とされ、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S33、S43によってオン状態とされる。
【0119】
タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9における指紋検出を行う場合、スイッチ回路SWC23の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はロウレベルのスイッチ信号S33、S43によってオフ状態とされる。一方、スイッチ回路SWC21の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S31、S41によってオン状態とされ、スイッチ回路SWC22の複数のスイッチ素子DSW、DSW1はハイレベルのスイッチ信号S32、S42によってオン状態とされる。
【0120】
センサICチップSICには、引出し配線R1、R2、R3が電気的に接続されるタッチ位置検出用の検出回路TPSDTと、引出し配線R1~R7が電気的に接続される指紋検出用の検出回路FPSDTと、が設けられる。タッチ位置検出用の検出回路TPSDTはタッチ位置検出時に活性化され、タッチ位置の検出を行う。指紋検出用の検出回路FPSDTは指紋検出時に活性化され、指紋の検出を行う。
【0121】
図14において、スイッチ回路SWC32、SWC33は、スイッチ回路SWC31とほぼ同じ構成とされている。スイッチ回路SWC31、SWC32、SWC33には、図5で説明された複数のスイッチ素子TTSWが設けられている。スイッチ回路SWC31の複数のスイッチ素子TTSWは、駆動電極Tx1a~Tx1iを束ねて、1つの駆動電極Tx1とするために設けられる。スイッチ回路SWC32の複数のスイッチ素子TTSWは、駆動電極Tx2a~Tx2iを束ねて、1つの駆動電極Tx2とするために設けられる。スイッチ回路SWC33の複数のスイッチ素子TTSWは、駆動電極Tx3a~Tx3iを束ねて、1つの駆動電極Tx1とするために設けられる。
【0122】
スイッチ回路SWC31、SWC32、SWC33のおのおののスイッチ素子TTSWは、センサICチップSICから出力されるスイッチ信号S1によって、オン状態およびオフ状態が制御される。おのおののスイッチ素子TTSWは、タッチ位置検出時において、スイッチ信号S12のハイレベルによってオン状態とされ、指紋検出時において、スイッチ信号S12のロウレベルによってオフ状態とされる。
【0123】
センサICチップSICは、タッチ位置検出用の駆動回路TPSTxDrと、指紋検出用の駆動回路FPSTxDrとを含む。駆動電極Tx1~Tx3は、タッチ位置検出用の駆動回路TPSTxDrに電気的に接続される。駆動電極Tx1a~Tx1i、Tx2a~Tx2i、および、Tx3a~Tx3iは、指紋検出用の駆動回路FPSTxDrに電気的に接続される。また、タッチ位置検出時は指紋検出用の駆動回路FPSTxDrの出力はハイインピーダンスとなる。
【0124】
(センサパネルSPNLの動作) 次に、図15を用いて、センサパネルSPNLの動作を説明する。図15は、センサパネルSPNLの動作を説明する波形図である。センサパネルSPNLのセンサモード(Mode)は、指紋検出モードFPとタッチ検出モードTPとを有する。図15では、指紋検出モードFPにされて指紋検出が行われ、その後、タッチ検出モードTPへ移行し、タッチ検出が行われる動作を示している。
【0125】
(指紋検出モードFP)
時刻T1~時刻T4の期間は指紋検出モードFPの期間であり、時刻T4~時刻T5の期間はタッチ検出モードTPの期間である。指紋検出モードFPにおいて、最初に、タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3における指紋検出を行い、次に、タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6における指紋検出を行い、そして、タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9における指紋検出を行うものとする。実際のセンサパネルSPNLでは、活性領域AA内に、9個以上の複数のタッチ検出ノードが設けられているので、指紋検出は、活性領域AAの上側部分または下側部分の様に部分的な領域を用いて行うことができる。つまり、活性領域AAの全域において指紋検出を行うことも可能であるが、活性領域AAの全域において指紋検出を行う必要は無い。
【0126】
時刻T1~時刻T2において、タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3における指紋検出を行う。スイッチ回路SWC21において、スイッチ素子FSWはオン状態とされ、スイッチ素子DSW、DSW1、TRSWはオフ状態とされる。スイッチ回路SWC22、SWC23において、スイッチ素子FSW、TRSWはオフ状態とされ、スイッチ素子DSW、DSW1はオン状態とされる。また、スイッチ回路SWC31~SWC33のスイッチ素子TTSWはオフ状態にされる。この状態で、指紋検出用の駆動回路FPSTxDrにより、駆動電極Tx1a~Tx1i、Tx2a~Tx2i、Tx3a~Tx3iのおのおのが所定の周期で駆動パルスSig2により順次駆動(走査)される。これにより、タッチ検出ノードTN1、TN2、TN3に設けられた7本の検出電極Rx1a~Rx1gにおける検出信号DSのおのおのが引出し配線R1~R7に出力されて、検出回路FPSDTに入力される。
【0127】
時刻T2~時刻T3において、タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6における指紋検出を行う。スイッチ回路SWC22において、スイッチ素子FSWはオン状態とされ、スイッチ素子DSW、DSW1、TRSWはオフ状態とされる。スイッチ回路SWC21、SWC23において、スイッチ素子FSW、TRSWはオフ状態とされ、スイッチ素子DSW、DSW1はオン状態とされる。また、スイッチ回路SWC31~SWC33のスイッチ素子TTSWはオフ状態にされる。この状態で、指紋検出用の駆動回路FPSTxDrにより、駆動電極Tx1a~Tx1i、Tx2a~Tx2i、Tx3a~Tx3iのおのおのが所定の周期で駆動パルスSig2により順次駆動(走査)される。これにより、タッチ検出ノードTN4、TN5、TN6に設けられた7本の検出電極Rx2a~Rx2gにおける検出信号DSのおのおのが引出し配線R1~R7に出力されて、検出回路FPSDTに入力される。
【0128】
時刻T3~時刻T4において、タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9における指紋検出を行う。スイッチ回路SWC23において、スイッチ素子FSWはオン状態とされ、スイッチ素子DSW、DSW1、TRSWはオフ状態とされる。スイッチ回路SWC21、SWC22において、スイッチ素子FSW、TRSWはオフ状態とされ、スイッチ素子DSWはオン状態とされる。また、スイッチ回路SWC31~SWC33のスイッチ素子TTSWはオフ状態にされる。この状態で、指紋検出用の駆動回路FPSTxDrにより、駆動電極Tx1a~Tx1i、Tx2a~Tx2i、Tx3a~Tx3iのおのおのが所定の周期で駆動パルスSig2により順次駆動(走査)される。これにより、タッチ検出ノードTN7、TN8、TN9に設けられた7本の検出電極Rx2a~Rx2gにおける検出信号DSのおのおのが引出し配線R1~R7に出力されて、検出回路FPSDTに入力される。
【0129】
(タッチ検出モードTP) 時刻T4~時刻T5において、タッチ検出ノードTN1~TN9におけるタッチ検出を行う。スイッチ回路SWC21、SWC22、SWC23において、スイッチ素子FSW、DSW1はオフ状態にされ、スイッチ素子DSWはオン状態にされ、スイッチ素子TRSWはオン状態またはオフ状態にされる。また、スイッチ回路SWC31~SWC33のスイッチ素子TTSWはオン状態にされる。図16は、タッチ検出モードTPを詳細に示す波形図である。図16において、スイッチ素子FSW、DSW、DSW1の状態が示されているが、時刻T4~T5の間に示される時刻t1~t17の各信号(TRSW、RSW、Tnx、Rn、AFEOUT、sampling)の波形の変化は、図9の時刻t1~t17の波形の変化と同じであるので、繰り返しの説明は省略する。
【0130】
実施形態によれば、最外周の駆動配線Tx1と引出し配線R1、R2、R3とのカップリングの影響をなくすことができるので、タッチ検出精度を向上することができる。
【0131】
本発明の実施の形態として上述した表示装置およびタッチパネルを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての表示装置およびタッチパネルも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0132】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、上述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0133】
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【0134】
上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0135】
DSP:表示装置
PNL:表示パネル
SPNL:センサパネル
DA:表示領域
NDA:非表示領域(周辺領域)
AA:活性領域(検出領域)
NAA:非活性領域
SUB1:第1基板
SUB2:第2基板
SSUB:センサ基板
MA1、MA2:実装部
EXT:外部接続端子
DDIC:表示駆動ICチップ
SIC:センサICチップ
Rx1、Rx2、Rx3:検出電極
Tx1、Tx2、Tx3:駆動電極
R1、R2、R3:引出し配線(周辺配線)
TRSW、TTSW、FSW、DSW、DSW1:スイッチ素子
TPSDT:タッチ位置検出用の検出回路
TPSTxDr:タッチ位置検出用の駆動回路
AFE:制御回路
RSW:リセットスイッチ素子
SWC21,SWC22、SWC23:スイッチ回路
FPSTxDr:指紋検出用の駆動回路
FPSDT:指紋検出用の検出回路
図1
図2
図3
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図10
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図16