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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20230824BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021037141
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137594
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】三谷 晃太
(72)【発明者】
【氏名】曽我 丈
(72)【発明者】
【氏名】門傳 陽平
(72)【発明者】
【氏名】宗野 義徳
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第207267941(CN,U)
【文献】特開2019-200033(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0288452(US,A1)
【文献】特開平09-048452(JP,A)
【文献】特開2004-130734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を構成する筐体と、前記筐体内に備えられた洗濯兼脱水槽と、前記筐体の上部に配置されたトップカバーと、前記トップカバーに備えられ、前記洗濯兼脱水槽に洗濯処理液を投入するための洗濯処理液投入接続口とを備えた洗濯機であって、
前記トップカバーに備えられ、パウチで構成された洗濯処理液容器を吊るすフックを備えた洗濯処理液保持筐体と、
前記洗濯処理液容器内の洗濯処理液を放出する洗濯処理液容器接続部と前記洗濯処理液投入接続口とを接続する接続継手を備え、
前記接続継手には、洗濯処理液を封止する逆止弁と、前記洗濯処理液容器接続部の外周に形成されたねじ部と螺合する螺旋溝とを備え、
前記逆止弁は、
外郭を構成する筒状体と、前記筒状体の下方に備えられシール面を形成する弁座と、前記筒状体の内部を上下方向に移動する弁体と、前記筒状体の上方に配置され、前記弁体の移動を規制する規制部材と、一方が前記規制部材の下部と接触し、他方が前記弁体と接触し、前記弁体を下方に向かって付勢するばねとを備え、
前記弁体の外周には、前記弁座と接触し洗濯処理液の流れを阻止する弁体シール部を備え、
前記洗濯処理液投入接続口には、上方に向かって突出した突出部を備え、
前記接続継手を前記洗濯処理液投入接続口に接続した際、
前記弁体は前記突出部と接触して前記筒状体の上方に移動するように動作し、前記弁体が前記洗濯処理液容器の封止弁に形成したスリットを裂くようにしたことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
請求項1において、
前記洗濯処理液投入接続口は、第1洗濯処理液投入接続口と第2洗濯処理液投入接続口とを備え、前記接続継手は、前記第1洗濯処理液投入接続口と前記第2洗濯処理液投入接続口のそれぞれに備えられたことを特徴とする洗濯機。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1洗濯処理液投入接続口は、衣類仕上げ材の投入接続口であり、
前記第2洗濯処理液投入接続口は、洗濯洗剤の投入接続口であることを特徴とする洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タンクに収容された洗剤や柔軟剤(仕上剤)等の洗濯処理液を計量して、適量の洗濯処理液を水槽(洗濯兼脱水層)に自動で投入できる洗濯処理液投入装置を搭載した洗濯機が知られている。
【0003】
自動で投入できる洗濯処理液投入装置として、例えば特許文献1に記載の技術がある。
【0004】
特許文献1では、液体洗剤のボトルが下向きの状態で直接的に接続できるボトル接続口と、その状態でボトルを支持するボトル保持部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-67810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術においては、液体洗剤のボトルをボトル接続口に接続した後、液体洗剤を使い切る前にボトル接続口からボトルを外した場合、液体洗剤が漏れる可能性があった。
【0007】
また、ボトルへの詰め替え用の洗濯処理液として販売されているパウチのように、柔らかい容器を洗濯機に接続することについては配慮されていなかった。
【0008】
本発明の目的は、上記課題を解決し、洗濯処理液の漏れを抑制することができる洗濯機を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、パウチのような柔らかい容器を接続可能な洗濯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、外郭を構成する筐体と、前記筐体内に備えられた洗濯兼脱水槽と、前記筐体の上部に配置されたトップカバーと、前記トップカバーに備えられ、前記洗濯兼脱水槽に洗濯処理液を投入するための洗濯処理液投入接続口とを備えた洗濯機であって、前記トップカバーに備えられ、パウチで構成された洗濯処理液容器を吊るすフックを備えた洗濯処理液保持筐体と、前記洗濯処理液容器内の洗濯処理液を放出する洗濯処理液容器接続部と前記洗濯処理液投入接続口とを接続する接続継手を備え、前記接続継手には、洗濯処理液を封止する逆止弁と、前記洗濯処理液容器接続部の外周に形成されたねじ部と螺合する螺旋溝とを備え、前記逆止弁は、外郭を構成する筒状体と、前記筒状体の下方に備えられシール面を形成する弁座と、前記筒状体の内部を上下方向に移動する弁体と、前記筒状体の上方に配置され、前記弁体の移動を規制する規制部材と、一方が前記規制部材の下部と接触し、他方が前記弁体と接触し、前記弁体を下方に向かって付勢するばねとを備え、前記弁体の外周には、前記弁座と接触し洗濯処理液の流れを阻止する弁体シール部を備え、前記洗濯処理液投入接続口には、上方に向かって突出した突出部を備え、前記接続継手を前記洗濯処理液投入接続口に接続した際、前記弁体は前記突出部と接触して前記筒状体の上方に移動するように動作し、前記弁体が前記洗濯処理液容器の封止弁に形成したスリットを裂くようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、洗濯処理液の漏れを抑制することができる洗濯機を提供することができる。
【0014】
また、本発明によれば、パウチのような柔らかい容器を接続可能な洗濯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1に係る洗濯機1の外観斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係る洗濯機1の側面図である。
図3】本発明の実施例1に係るトップカバー4の正面図である。
図4図3のIV-IV線断面図である。
図5】本発明の実施例1に係る洗濯処理液容器64の正面図である。
図6図5をP1方向から見た図である。
図7】本発明の実施例1に係る接続継手70の断面図である。
図8】洗濯処理液容器接続部64bに接続した接続継手70と、第1洗濯処理液投入接続口9との関係を示す図である。
図9】接続継手70と第1洗濯処理液投入接続口9とを接続した状態を示す図である。
図10】本発明の実施例2に係る接続継手100の断面図である。
図11】接続継手100を第1洗濯処理液投入接続口9に接続した状態を示す図である。
図12】本発明の実施例3に係る洗濯処理液容器接続部64bを第1洗濯処理液投入接続口9に接続した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。
【0017】
本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。
【0018】
本発明の各実施例では、洗濯兼脱水槽の回転軸が上下方向を向いた縦型洗濯機の例で説明するが、本発明は洗濯兼脱水槽の回転軸が水平方向を向いた所謂ドラム式洗濯機にも適用可能である。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の外観斜視図である。図2は、本発明の実施例1に係る洗濯機1の側面図である。また、以下の説明においは、使用者が使用状態から見て、矢印に示すように上下方向、左右方向、前後方向とする。
【0020】
図1図2に示すように、洗濯機1は、外郭を構成し、ベース2により支持された筐体3を備える。この筐体3の上部には筐体3に支持されたトップカバー4が設けられている。このトップカバー4の上方には、衣類等を投入する衣類投入口を覆う蓋体5が設けられ、トップカバー4の上部且つ蓋体5より後方には、洗濯処理液設置部6が設けられている。洗濯処理液設置部6の後方で、且つトップカバー4の後部には、給水電磁弁7などの給水に関連する部品を内蔵している。
【0021】
また、蓋体5の前側には取手5aが設けられ、操作者が手指を添えて上方に引くと開くようになっている。
【0022】
筐体3の内部には、洗濯兼脱水槽である洗濯槽8が備えられている。洗濯槽8は、衣類が収容され、洗濯あるいは脱水を行う際の水あるいは洗濯処理液を投入できるようになっている。洗濯槽8は図示しないモータによって回転駆動される。
【0023】
洗濯処理液設置部6には、2つの洗濯処理液投入接続口(第1洗濯処理液投入接続口9、第2洗濯処理液投入接続口10)を備えている。
【0024】
また、洗濯機1は、第1洗濯処理液投入接続口9及び第2洗濯処理液投入接続口10から洗濯処理液を洗濯槽8に投入できる流路を有している。また、実施例1の洗濯機1は、洗濯槽8に洗剤処理液を投入する際、洗濯処理液を計量して、適量の洗濯処理液を洗濯槽へ投入できる機構を有している。
【0025】
次に、洗濯処理液設置部6の構成について説明する。図3は、本発明の実施例1に係るトップカバー4の正面図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。
【0026】
洗濯処理液設置部6は、洗濯処理液の容器を保持する洗濯処理液容器保持筐体61と、洗濯処理液容器保持筐体61の前側に備えられ、洗濯処理液容器を吊るす第1フック部62及び第2フック部63を備えている。洗濯処理液容器保持筐体61は、上方に向かって延び、蓋体5の表面の延長線上から上方に突出して設けられている。
【0027】
第1フック部62には洗濯処理液容器64が下げ部64aを介して吊り下げられ、同様に第2フック部63には洗濯処理液容器65が下げ部65aを介して吊り下げられている。下げ部64a及び下げ部65aは、U字状に形成されている。
【0028】
実施例1においては、洗濯処理液容器64には衣類仕上げ材(柔軟剤)が収容されており、洗濯処理液容器65には洗濯洗剤が収容されている。第1洗濯処理液投入接続口9は、衣類仕上げ材(柔軟剤)の投入接続口となり、第2洗濯処理液投入接続口10は洗濯洗剤の投入接続口となる。また、実施例1の洗濯処理液容器64及び洗濯処理液容器65は、パウチが用いられている。パウチはプラスチックフィルム等の素材で構成された柔軟性を有する包装容器である。パウチは、一般的に詰め替え用の液体洗剤、液体柔軟剤として販売されており、容器に詰め替え後、容易に潰して廃棄することができ、ごみの減量に有効である。実施例1は、パウチとして用いられる洗濯処理液容器64及び洗濯処理液容器65を直接洗濯機1に接続することを特徴としている。
【0029】
次に、洗濯処理液容器の構造及び洗濯機との接続構造について説明する。図5は、本発明の実施例1に係る洗濯処理液容器64の正面図である。
【0030】
実施例1では洗濯処理液容器64及びこれと接続する第1洗濯処理液投入接続口9について説明するが、洗濯処理液容器65及びこれと接続する第2洗濯処理液投入接続口10についても同様の構成である。
【0031】
洗濯処理液容器64の上方には、前述した下げ部64aが設けられている。下げ部64aは、洗濯処理液容器64の左右方向の中心線C1からずらした位置に設けている。図5では、下げ部64aは、中心線C1よりも左側に設けている。なお、洗濯処理液容器65の下げ部65aの場合は、中心線よりも右側に設けている。
【0032】
また、洗濯処理液容器64の底部には、洗濯処理液容器接続部64bが備えられている。洗濯処理液容器接続部64bは、洗濯処理液容器保持筐体61に洗濯処理液容器64を吊るした状態で洗濯処理液容器64内の洗濯処理液を放出する機能を有する。洗濯処理液容器接続部64bの外周には、螺旋状のねじ部64cが形成されている。ねじ部64cには、図示しないキャップが取り付けられ、洗濯処理液容器64内の洗濯処理液が漏れるのを防止している。
【0033】
洗濯処理液容器64の下部は、洗濯処理液容器接続部64bに向かって下るように傾斜した第1傾斜部64dと、第1傾斜部64dと接続され、洗濯処理液容器接続部64bに向かって下るように傾斜した第2傾斜部64eが形成されている。第2傾斜部64eは第1傾斜部64dよりも傾斜角が大きくなっている。
【0034】
洗濯処理液容器64を洗濯処理液容器保持筐体61に吊り下げた際、洗濯処理液容器64内の洗濯処理液は、第1傾斜部64d及び第2傾斜部64eにより、洗濯処理液容器接続部64bに案内される。このように構成することにより、洗濯処理液が洗濯処理液容器64内に残ってしまうことを抑制し、洗濯処理液容器64内の洗濯処理液を使い切ることができる。さらに、洗濯処理液容器接続部64bの上方に位置する洗濯処理液容器64には、透明窓64fが備えられており、この透明窓64fを通して洗濯処理液の残量を把握することができる。
【0035】
図6は、図5をP1方向から見た図である。図6において、洗濯処理液容器接続部64bには、封止弁64gが備えられており、洗濯処理液容器接続部64bを覆うキャップを外した場合であっても、洗濯処理液が漏れ出さないようになっている。封止弁64gには、封止弁64gの厚みが薄くなったスリット64hが形成されている。図6では、スリット64hを十字状に形成している。
【0036】
次に、洗濯処理液容器接続部64bに接続する接続継手70について説明する。図7は、本発明の実施例1に係る接続継手70の断面図である。
【0037】
接続継手70は、円筒状に形成されており、径大部71と、径大部71より外径が小さい径小部72を備えている。径大部71と径小部72とは貫通している。
【0038】
接続継手70の一方である径大部71の内部には、洗濯処理液容器接続部64bのねじ部64cと螺合する螺旋溝71aが形成されている。接続継手70の他方である径小部72の内部は、第1洗濯処理液投入接続口9が挿入されて接続される接続部72aとなっている。接続継手70は、第2洗濯処理液投入接続口10にも同様に接続される。
【0039】
図8は、洗濯処理液容器接続部64bに接続した接続継手70と、第1洗濯処理液投入接続口9との関係を示す図である。図9は、接続継手70と第1洗濯処理液投入接続口9とを接続した状態を示す図である。
【0040】
洗濯処理液容器接続部64bのねじ部64cには、接続継手70の螺旋溝71aが螺合され、接続されている。この状態では、洗濯処理液容器接続部64bを下方に向けた場合であっても、洗濯処理液容器接続部64bは封止弁64gによって閉塞されているので、洗濯処理液容器64内の洗濯処理液が漏れ出すことはない。また、第1洗濯処理液投入接続口9の上部には、中央部が上方に向かって突出した突出部9aが備えられている。
【0041】
洗濯処理液容器接続部64bと接続継手70を接続するにあたっては、まず洗濯処理液容器接続部64bを覆うキャップ(図示せず)を取り外し、洗濯処理液容器接続部64bに接続継手70を螺合させて接続する。
【0042】
洗濯処理液容器接続部64bに接続継手70を接続した状態において、図9に示すように、接続継手70の接続部72a内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入する。接続部72a内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入すると、第1洗濯処理液投入接続口9の突出部9aが封止弁64gに接する。さらに、第1洗濯処理液投入接続口9が押し込まれると、突出部9aの押圧力により封止弁64gのスリット64hが裂け、矢印のように封止弁64gの裂けた部分から洗濯処理液が第1洗濯処理液投入接続口9から入り込む。
【0043】
実施例1によれば、洗濯処理液容器64を吊下げる洗濯処理液設置部6と、洗濯処理液容器64と第1洗濯処理液投入接続口9とを接続する接続継手70を備えるようにしたので、洗濯処理液容器64がパウチのような柔軟性を有する容器であっても洗濯処理液容器64と第1洗濯処理液投入接続口9を接続して洗濯機1に洗濯処理液を供給することができる。また、洗濯処理液容器64には封止弁64gが備えられているので、キャップを外し、洗濯処理液容器接続部64bを下方に向けた場合であっても洗濯処理液が漏れ出すのを抑制できる。
【実施例2】
【0044】
次に、図10及び図11を用いて、実施例2について説明する。図10は、本発明の実施例2に係る接続継手100の断面図である。図11は、接続継手100を第1洗濯処理液投入接続口9に接続した状態を示す図である。
【0045】
実施例2において実施例1と異なるところは、接続継手100に逆止弁110を備えたこと点にある。
【0046】
実施例1で説明した接続継手70においては、洗濯処理液が洗濯処理液容器64に残っている状態において、第1洗濯処理液投入接続口9から接続継手70を取り外すと、洗濯処理液が漏れ出す可能性がある。そこで、実施例2では、この課題を解決するための手段について説明する。
【0047】
接続継手100は、円筒状に形成されており、径大部101と、径大部101より外径が小さい径小部102を備えている。径大部101と径小部102とは貫通している。
【0048】
径大部101の内部には、洗濯処理液容器接続部64bのねじ部64cと螺合する螺旋溝101aが形成されている。径小部102の内部は、第1洗濯処理液投入接続口9が挿入されて接続される接続部102aとなっている。
【0049】
接続部102aの内部には、液体である洗濯処理液を封止する逆止弁110が備えられている。逆止弁110は、外郭を構成する筒状体111と、筒状体111の下方に備えられシール面を形成する弁座112と、筒状体111の内部を上下方向に移動する弁体113と、筒状体111の上方に配置され、弁体113の移動を規制する規制部材114と、一方が規制部材114の下部と接触し、他方が弁体113の上部と接触し、弁体113を下方に向かって付勢するばね115を備えている。弁体113の外周には、弁座112と接触し液体の流れを阻止する弁体シール部116が備えられている。さらに、筒状体111の外周には、接続部102aと接触し、液体の流れを阻止する筒状体シール部117が備えられている。弁体シール部116、筒状体シール部117はゴム等の弾性体で構成されている。また、筒状体111内には弁体113が移動する弁体収納空間118が形成されている。
【0050】
洗濯処理液容器接続部64bと接続継手100を接続するにあたっては、実施例1と同様、まず洗濯処理液容器接続部64bを覆うキャップ(図示せず)を取り外し、洗濯処理液容器接続部64bに接続継手100を螺合させて接続する。実施例2では洗濯処理液容器64を省略している。
【0051】
洗濯処理液容器接続部64bに接続継手100を接続した状態において、図11に示すように、接続継手100の接続部102a内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入する。接続部102a内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入すると、第1洗濯処理液投入接続口9の突出部9aが弁体113の下部に接する。さらに、第1洗濯処理液投入接続口9が押し込まれると、突出部9aの押圧力により弁体113が上方に移動し、封止弁64gのスリット64hが裂け、洗濯処理液が流れ出す。流れ出した洗濯処理液は、規制部材114と弁体113との間を通過し、弁体収納空間118に流入する。弁体113は上方に移動するように動作しているので、弁体シール部116は弁座112から離れ、弁体113と弁座112の間に流路が形成される。弁体収納空間118に流入した洗濯処理液は、弁体シール部116と弁座112の間の通路を通過し、第1洗濯処理液投入接続口9へと流れ込む。
【0052】
第1洗濯処理液投入接続口9から接続継手100を取り外すと、ばね115の付勢力により弁体113が下方に付勢され、弁体113の弁体シール部116が弁座112に接触する。これにより、弁体113と弁座112の間の通路は閉塞され、洗剤処理液の移動が阻止される。
【0053】
実施例2によれば、逆止弁110を備えた接続継手100を洗濯処理液容器接続部64bに接続するようにしているので、洗濯処理液容器64内に洗濯処理液が残った状態で第1洗濯処理液投入接続口9から接続継手100を取り外した状態であっても、弁体113と弁座112の間の通路は閉塞され、残った洗濯処理液が漏れ出すことを抑制することができる。
【実施例3】
【0054】
次に、図12を用いて、実施例3について説明する。図12は、本発明の実施例3に係る洗濯処理液容器接続部64bを第1洗濯処理液投入接続口9に接続した状態を示す図である。
【0055】
実施例3において、実施例1と異なるところは、接続継手100を廃止して洗濯処理液容器接続部64bを直接、第1洗濯処理液投入接続口9に接続した点にある。
【0056】
図12において、洗濯処理液容器接続部64bの内径は、第1洗濯処理液投入接続口9が挿入できるよう、第1洗濯処理液投入接続口9の外径よりも大きく形成している。洗濯処理液容器接続部64bの内部には、液体である洗濯処理液の漏れを抑制する封止弁64gが備えられている。封止弁64gの構造については、実施例1と同様である。
【0057】
洗濯処理液容器接続部64bと第1洗濯処理液投入接続口9を接続するにあたっては、洗濯処理液容器接続部64b内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入する。洗濯処理液容器接続部64b内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入すると、第1洗濯処理液投入接続口9の突出部9aが封止弁64gに接する。さらに、第1洗濯処理液投入接続口9が押し込まれると、突出部9aの押圧力により封止弁64gのスリット64hが裂け、封止弁64gの裂けた部分から洗濯処理液が第1洗濯処理液投入接続口9から入り込む。
【0058】
実施例3によれば、洗濯処理液容器64を吊下げる洗濯処理液設置部6と、洗濯処理液容器64の洗濯処理液容器接続部64b内に洗濯処理液を封止する封止弁64gとを備え、洗濯処理液容器接続部64b内に第1洗濯処理液投入接続口9を挿入するようにしているので、洗濯処理液容器64がパウチのような柔軟性を有する容器であっても洗濯処理液を漏れ出さずに洗濯処理液容器64と第1洗濯処理液投入接続口9を接続することができる。
【0059】
また、実施例3によれば、洗濯処理液容器接続部64b内に第1洗濯処理液投入接続口9を押し込むことにより、封止弁64gのスリット64hが裂けるので、封止弁64gの裂けた部分から洗濯処理液を第1洗濯処理液投入接続口9に供給することができる。
【0060】
なお、本発明は、上述した各実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
【0061】
例えば、上述した各実施例では、洗濯機に備えた洗濯処理液投入接続口に接続継手若しくは洗濯処理液容器を接続するようにしたが、接続する部分はこれに限定されるものではなく、洗濯機の洗濯兼脱水槽に液体を投入する投入接続口であれば良い。
【符号の説明】
【0062】
1…洗濯機、2…ベース、3…筐体、4…トップカバー、5…蓋体、5a…取手、6…洗濯処理液設置部、7…給水電磁弁、8…洗濯槽、9…第1洗濯処理液投入接続口、9a…突出部、10…第2洗濯処理液投入接続口、61…洗濯処理液容器保持筐体、62…第1フック部、63…第2フック部、64…洗濯処理液容器、64a…下げ部、64b…洗濯処理液容器接続部、64c…ねじ部、64d…第1傾斜部、64e…第2傾斜部、64f…透明窓、64g…封止弁、64h…スリット、65…洗濯処理液容器、65a…下げ部、70…接続継手、71…径大部、71a…螺旋溝、72…径小部、72a…接続部、100…接続継手、101…径大部、101a…螺旋溝、102…径小部、102a…接続部、110…逆止弁、111…筒状体、112…弁座、113…弁体、114…規制部材、115…ばね、116…弁体シール部、117…筒状体シール部、118…弁体収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12