(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】リーク電流検出回路及びフラックスゲートドライバ
(51)【国際特許分類】
G01R 31/52 20200101AFI20230824BHJP
【FI】
G01R31/52
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021126538
(22)【出願日】2021-08-02
【審査請求日】2021-08-02
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】521340241
【氏名又は名称】愛盛科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】張 剛碩
(72)【発明者】
【氏名】陸 奕成
【審査官】小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/166984(WO,A1)
【文献】特開2014-235086(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112198456(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104655919(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/50-31/74
G01R 19/00-19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側コイルと第2の側コイルとを備えたフラックスゲートデバイスに適したリーク電流検出回路であって、
インバータ回路からパルス幅変調信号を受信し、前記パルス幅変調信号を第1のクロック信号でサンプリングして前記第1のクロック信号のパルス数を計算することによってカウント信号を生成し、前記カウント信号に基づき前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを検出し、前記カウント信号を出力するように構成され、前記インバータ回路が前記第1の側コイルの誘導電流を受け取り、前記誘導電流に基づき前記パルス幅変調信号を生成する、デューティサイクル検出回路と、
前記デューティサイクル検出回路に結合され、セルフテスト期間において、前記カウント信号のパルス数からオフセット信号を減算することにより前記カウント信号のパルス数を補償するように構成された、補償回路と、
前記補償回路に結合され、前記カウント信号に
ローパスフィルタリングを行うことにより前記カウント信号の平均値を取得し、前記平均値を複数のしきい値と比較して、複数の制御信号をそれぞれ生成するように構成された、制御信号生成回路と、
を備え、
前記複数の制御信号が、前記フラックスゲートデバイスの生成したリーク電流のリーク電流状態を示すように構成された、
リーク電流検出回路。
【請求項2】
前記補償回路が、
前記デューティサイクル検出回路に結合され、前記セルフテスト期間前の初期期間内において、前記パルス幅変調信号に対応する前記カウント信号の平均パルス数に従って前記オフセット信号を生成し、前記セルフテスト期間の前記オフセット信号に従って前記カウント信号の前記パルス数を調整するように構成された、オフセット補正回路と、
前記オフセット補正回路に結合され、前記カウント信号のノイズを除去するように構成された、フィルタと、
を備える、請求項1に記載のリーク電流検出回路。
【請求項3】
前記補償回路が、
前記フィルタに結合され、温度センサを介して周囲温度を受け取り、前記周囲温度に従って前記カウント信号の前記パルス数に加減演算を行うことにより、前記カウント信号の前記パルス数を調整するように構成された、温度補償回路、
をさらに備える、請求項2に記載のリーク電流検出回路。
【請求項4】
前記制御信号生成回路が、
前記補償回路に結合され、前記カウント信号に絶対値演算を行うことによって、非負の第1の信号を生成する第1の絶対値計算回路と、
前記第1の絶対値計算回路に結合され、前記第1の信号にローパスフィルタリングを行って前記第1の信号の平均値を取得する第1の平均化フィルタと、
前記第1の平均化フィルタに結合され、第1のしきい値に従って第1の制御信号を生成するように構成された、第1の比較回路と、
を備える、請求項1に記載のリーク電流検出回路。
【請求項5】
前記制御信号生成回路が、
前記補償回路に結合され、前記カウント信号にローパスフィルタリングを行うことによって前記カウント信号の平均値を取得する第2の平均化フィルタと、
前記第2の平均化フィルタに結合され、前記カウント信号の平均値に絶対値演算を行うことによって非負の第2の信号を生成する第2の絶対値計算回路と、
前記第2の絶対値計算回路に結合され、第2のしきい値に従って第2の制御信号を生成するように構成された、第2の比較回路と、
をさらに備える、請求項4に記載のリーク電流検出回路。
【請求項6】
前記デューティサイクル検出回路に結合された異常状態検出器であって、
前記フラックスゲートデバイスのクロック源が生成した第2パルス信号が異常であるかどうかを検出して、異常発振信号を生成するように構成された、発振検出回路と、
前記デューティサイクル検出回路に結合され、前記カウント信号に従って前記フラックスゲートデバイスの出力信号の異常の有無を判定して、異常周波数信号を生成する周波数検出回路と、
前記第1の絶対値計算回路に結合され、前記第1の信号に従って前記フラックスゲートデバイスの過電流状態を検出して、異常電流信号を生成するように構成された、過電流検出回路と、
前記発振検出回路、前記周波数検出回路、及び前記過電流検出回路に結合され、前記異常発振信号、前記異常周波数信号、及び前記異常電流信号に従って第
3の制御信号を生成し、前記第
3の制御信号が前記フラックスゲートデバイスの異常状態を示すように構成された、ロジック回路と、
を備える、異常状態検出器、
をさらに備える、請求項4に記載のリーク電流検出回路。
【請求項7】
第1の側コイルと第2の側コイルとを備えたフラックスゲートデバイスに結合され、前記第1の側コイルの誘導電流を受け取り、前記誘導電流に従ってパルス幅変調信号を生成するように構成された、インバータ回路と、
前記インバータ回路に結合され、前記パルス幅変調信号を受信して複数の制御信号を生成するように構成された、リーク電流検出回路であって、
前記パルス幅変調信号を第1のクロック信号でサンプリングすることによってサンプリング結果を取得して前記第1のクロック信号のパルス数を計算することでカウント信号を生成し、前記カウント信号に従って前記パルス幅変調信号のデューティサイクルを検出し、前記カウント信号を出力するように構成され、前記インバータ回路が前記第1の側コイルの誘導電流を受け取り、前記誘導電流に従って前記パルス幅変調信号を生成する、デューティサイクル検出回路、
前記デューティサイクル検出回路に結合され、セルフテスト期間
において、前記カウント信号のパルス数からオフセット信号を減算することによって、前記カウント信号
のパルス数を補償するように構成された、補償回路、及び
前記補償回路に結合され、前記カウント信号に
ローパスフィルタリングを行うことによって、前記カウント信号の平均値を取得し、前記平均値を複数のしきい値と比較して、前記複数の制御信号をそれぞれ生成するように構成された、制御信号生成回路であって、前記複数の制御信号が前記フラックスゲートデバイスの生成したリーク電流のリーク電流状態を示すように構成された、制御信号生成回路
を備える、リーク電流検出回路と、
を備える、フラックスゲートドライバ。
【請求項8】
前記インバータ回路が、
前記フラックスゲートデバイスの前記第1の側コイルに結合され、前記誘導電流の極性を切り替えるように構成された、チョッパスイッチ回路と、
動作電力を受け取るための電源端子、及び、抵抗器に結合された負荷端子を有するHブリッジ回路であって、前記パルス幅変調信号に基づいて前記誘導電流に従ってランプ信号を生成する、Hブリッジ回路と、
前記ランプ信号に従って前記パルス幅変調信号を生成するように構成された、パルス幅変調信号発生器と、
を備える、請求項7に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項9】
前記Hブリッジ回路が、
第1のトランジスタ及び第2のトランジスタであって、前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタの第1の端子が前記動作電力を一緒に受け取る、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタと、
第3のトランジスタであって、その第1の端子及び前記第1のトランジスタの第2の端子が前記チョッパスイッチ回路の第1の端子に一緒に結合され、前記第1のトランジスタ及び前記第3のトランジスタの制御端子が前記パルス幅変調信号を一緒に受信する、第3のトランジスタと、
第4のトランジスタであって、当該第4のトランジスタの第1の端子及び前記第2のトランジスタの第2の端子が前記チョッパスイッチ回路の第2の端子に一緒に結合され、前記第2のトランジスタ及び前記第4のトランジスタの制御端子が
、前記パルス幅変調信号とは逆の論理レベルである動作信号であって前記パルス幅変調信号発生器から提供される前記動作信号を一緒に受信し、前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタの第2の端子が前記負荷端子に一緒に結合されている、第4のトランジスタと、
を備え、
前記抵抗器が、前記第4のトランジスタの前記第2の端子と接地端子との間に結合されている、
請求項8に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項10】
前記パルス幅変調信号発生器が、
比較器であって、当該比較器の第1の端子が前記ランプ信号を受信し、前記比較器の第2の端子が基準電圧信号を受信する、比較器と、
前記比較器に結合されたT型フリップフロップと、
第1のインバータであって、前記T型フリップフロップが前記比較器の出力端と前記第1のインバータとの間に結合され、前記T型フリップフロップが前記比較器の出力に従って前記T型フリップフロップの出力端の論理電位を切り替える、第1のインバータと、
前記第1のインバータに結合された第2のインバータと、
を備える、請求項8に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項11】
前記フラックスゲートデバイスの前記第2の側コイルに結合され、セルフテスト電流を生成して、前記フラックスゲートデバイスが前記セルフテスト電流に従って前記第1の側コイルに前記誘導電流を生成することを可能に構成された、セルフテスト電流生成回路、
をさらに備える、請求項7に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項12】
前記セルフテスト電流生成回路が、第1のセルフテスト期間に直流信号を生成し、第2のセルフテスト期間に交流信号を生成することができ、前記第1のセルフテスト期間が前記セルフテスト電流生成回路が前記直流信号を生成するときの前記セルフテスト期間であり、前記第2のセルフテスト期間が前記セルフテスト電流生成回路が前記交流信号を生成するときの前記セルフテスト期間である、請求項11に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項13】
前記リーク電流検出回路に結合され、前記複数の制御信号に従って複数のエラープロンプト信号を生成するように構成された、エラープロンプト信号出力回路、
をさらに備える、請求項7に記載のフラックスゲートドライバ。
【請求項14】
前記リーク電流検出回路に結合され、前記補償回路が補償した後の前記カウント信号をデジタルフォーマットからアナログフォーマットに変換するように構成された、信号フォーマット変換回路、
をさらに備える、請求項7に記載のフラックスゲートドライバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リーク電流検出回路及びフラックスゲートドライバに関し、詳細には、フラックスゲートデバイスに適したリーク電流検出回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の性能及び耐久性を向上させるためには、直列及び並列に接続された複数の高電圧バッテリを使用して電気自動車を駆動しなければならない。しかしながら、電気自動車の運転中又は充電中に、道路、天候、又は車両の状態により電気自動車のリーク電流が発生する可能性があり、リーク電流は、運転者及び周囲の環境に侮れない危険をもたらす。したがって、リーク電流検出器に対する需要が高まっており、この分野への関心は当業者にとって依然として高いままである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
電気自動車の運転中又は充電中に、道路、天候、又は車両の状態により電気自動車のリーク電流が発生する可能性があり、リーク電流は、運転者及び周囲の環境に侮れない危険をもたらす。したがって、この問題に対処するには、リーク電流検出器が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、パルス幅変調信号に従ってフラックスゲートデバイスのリーク電流状態を検出することができるリーク電流検出回路を提供する。
【0005】
本発明の一実施形態では、リーク電流検出回路は、フラックスゲートデバイスに適している。リーク電流検出回路は、デューティサイクル検出回路、補償回路、及び制御信号生成回路を含む。デューティサイクル検出回路は、インバータ回路からパルス幅変調信号を受信し、クロック信号でパルス幅変調信号をサンプリングすることによってパルス幅変調信号のデューティサイクルを検出し、カウント信号を出力する。補償回路は、デューティサイクル検出回路に結合され、セルフテスト期間のオフセット信号に従ってカウント信号のパルス数を調整する。制御信号生成回路は、補償回路に結合され、カウント信号の平均値を計算し、その平均値を複数のしきい値と比較して、複数の制御信号をそれぞれ生成する。制御信号は、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すように構成されている。
【0006】
本発明の一実施形態では、フラックスゲートドライバは、インバータ回路及びリーク電流検出回路を含む。インバータ回路は、フラックスゲートデバイスの第1の側に結合され、第1の側の誘導電流に従ってパルス幅変調信号を生成する。リーク電流検出回路は、インバータ回路に結合され、パルス幅変調信号を受信して複数の制御信号を生成する。リーク電流検出回路は、デューティサイクル検出回路、補償回路、及び制御信号生成回路を含む。デューティサイクル検出回路は、パルス幅変調信号をクロック信号でサンプリングすることによって、パルス幅変調信号のデューティサイクルを検出し、カウント信号を出力する。補償回路は、デューティサイクル検出回路に結合され、セルフテスト期間のオフセット信号に従ってカウント信号のパルス数を調整する。制御信号生成回路は、補償回路に結合され、カウント信号の平均値を計算し、その平均値を複数のしきい値と比較して、複数の制御信号をそれぞれ生成する。制御信号は、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すように構成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づいて、本発明によって提案されるリーク電流検出回路は、フラックスゲートデバイスを有する任意の機器(電気自動車など)に適するようにできる。リーク電流検出回路は、パルス幅変調信号のデューティサイクルを計算し、インバータ回路によって生成されたパルス幅変調信号に従ってカウント信号を出力し、次いで、カウント信号の平均値に従って制御信号を生成して、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示す。このようにして、機器の使用中の安全性を高めることができる。
【0008】
上記したことをより理解しやすくするために、図面を伴ういくつかの実施形態を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態によるフラックスゲートドライバの概略図である。
【0010】
【
図2】本発明の一実施形態によるリーク電流検出回路の概略図である。
【0011】
【
図3】本発明の別の実施形態によるリーク電流検出回路の概略図である。
【0012】
【
図4】本発明の一実施形態によるインバータ回路の概略図である。
【0013】
【
図5】本発明の一実施形態によるインバータ回路の動作波形図である。
【0014】
【
図6】本発明の一実施形態によるパルス幅変調信号の動作波形図である。
【0015】
【
図7】本発明の一実施形態によるセルフテスト期間の動作波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態によるリーク電流検出回路の概略図である。
図1に示す実施形態では、インバータ回路101は、フラックスゲートデバイスの出力信号に従ってパルス幅変調信号PWMを生成することができ、リーク電流検出回路100は、パルス幅変調信号PWMに従って制御信号CS1~CSnを生成して、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すことができる。本実施形態では、リーク電流検出回路100は、デューティサイクル検出回路110、補償回路120、及び制御信号生成回路130を含む。デューティサイクル検出回路110は、インバータ回路101に結合されてもよく、パルス幅変調信号PWMをクロック信号CKでサンプリングすることによって、パルス幅変調信号PWMのデューティサイクルを検出し、カウント信号DTを出力する。クロック信号CKの周波数は、パルス幅変調信号PWMの周波数よりも大きい。一部の実施形態では、補償回路120は、デューティサイクル検出回路110に結合され、セルフテスト期間のオフセット信号OFに従って、カウント信号DTのパルス数を調整することができる。一部の実施形態では、制御信号生成回路130は、補償回路120に結合され、補償回路120によって調整されたカウント信号DTの平均値を計算することができ、この平均値をしきい値TH1~THnと比較して、制御信号CS1~CSnを生成し、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すことができる。
【0017】
一部の実施形態では、インバータ回路101は、ブリッジインバータ回路、又は他のインバータ回路、あるいはそれらの組合せを使用することができる。デューティサイクル検出回路110は、サンプリング回路と演算回路との組合せを使用して実施されてもよい。補償回路120は、フィルタとセンサと算術回路との組合せを使用して実施されてもよい。制御信号生成回路130は、絶対値計算回路と平均化フィルタと比較回路との組合せを使用して実施されてもよい。
【0018】
本実施形態では、インバータ回路101は、フラックスゲートデバイスの出力信号に従って、周期的な方形波によって表されるパルス幅変調信号PWMを生成することができることに注意する必要がある。一般に、インバータ回路101は、フラックスゲートデバイスにリーク電流がない場合は、デューティサイクル(高/低電位比)が50%/50%のパルス幅変調信号PWMを出力することができる。対照的に、フラックスゲートデバイスは、フラックスゲートデバイスにリーク電流が発生したときは、インバータ回路101によって出力されるパルス幅変調信号PWMのデューティサイクルを変化させる磁場を生成する。一部の実施形態では、リーク電流の電流値が大きいほど、パルス幅変調信号PWMのデューティサイクルの変化値が大きくなり、これは線形関係として提示される。このようにして、本発明のリーク電流検出回路100は、パルス幅変調信号PWMのデューティサイクルを検出し、制御信号CS1~CSnを生成して、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すことができる。
【0019】
図2を参照すると、
図2は、本発明の別の実施形態によるリーク電流検出回路の概略図である。
図2に示す実施形態では、リーク電流検出回路200は、インバータ回路201に結合され、制御信号CS1~CS3及び調整されたカウント信号DT’を生成することができる。制御信号CS1、CS2、及びCS3は、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態及び異常状態を示すようにそれぞれ構成されている。一部の実施形態では、リーク電流検出回路200は、エラー信号出力回路203及び/又は信号フォーマット変換回路204に結合され、制御信号CS1~CS3に従ってプロンプト信号ALA1~ALA3及び/又はアナログ出力信号ASを出力して、ヒント、解釈、又は他のアプリケーションを提供することができる。本実施形態では、リーク電流検出回路200は、デューティサイクル検出回路210、補償回路220、制御信号生成回路230、及び異常状態検出器240を含む。デューティサイクル検出回路210は、パルス幅変調信号PWMを受信し、パルス幅変調信号PWMをクロック信号CKでサンプリングすることによってパルス幅変調信号PWMのデューティサイクルを検出し、次いでカウント信号DTを出力するように構成されている。
【0020】
本実施形態では、補償回路220は、カウント信号DTを受信し、調整されたパルス数を有するカウント信号DT’を生成することができる。一部の実施形態では、補償回路220は、オフセット値補正回路221、フィルタ222、及び温度補償回路223のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、オフセット補正回路221は、デューティサイクル検出回路210に結合され、カウント信号DTを受信することができ、セルフテスト期間のオフセット信号OFに従ってカウント信号DTのパルス数を調整することができる。一部の実施形態では、オフセット値補正回路221は、動的オフセット相関(DOC)回路であってもよい。オフセット信号OFは、例えば、ユーザによって予め設定又は入力されていてもよく、あるいはフラックスゲートデバイスの電源が投入(パワーオン)された後の初期期間のパルス幅変調信号PWMに従って動的に設定されてもよい。
【0021】
一部の実施形態では、フィルタ222は、オフセット補正回路221に結合され、カウント信号DTのノイズを除去することができる。温度補償回路223は、フィルタ222に結合され、リーク電流検出回路200の周囲(又は内部)に配置された温度センサ224を介して周囲温度TEを受け取ることができ、次いで、周囲温度TEに従ってカウント信号DTのパルス数を調整(加算演算及び減算演算などを)して、カウント信号DT’を生成する。
【0022】
本実施形態では、制御信号生成回路230は、補償回路220に結合され、調整されたカウント信号DT’を受信し、制御信号CS1及びCS2を生成することができる。一部の実施形態では、制御信号生成回路230は、絶対値計算回路231、平均化フィルタ232、及び比較回路233のみを含んでもよい。絶対値計算回路231は、カウント信号DT’に対して絶対値演算を行って、非負の第1の信号S1を生成することができる。平均化フィルタ232は、絶対値計算回路231に結合されてもよく、第1の信号S1のローパスフィルタリングを行って、第1の信号S1の平均値を取得する。例えば、入力信号が正の値と負の値を有する交流(AC)信号である場合、AC信号の負の値は、絶対値計算回路231を介して正の値に変換されてもよく、次いで、平均化フィルタ232を介して直流(DC)のような平均値信号が出力される。比較回路233は、平均化フィルタ232に結合されてもよく、しきい値TH1を第1の信号S1の平均値と比較した後、制御信号CS1を生成することができる。例えば、入力信号がしきい値TH1以上の場合は、論理ハイ電位が出力されてもよく、その逆の場合も同様である。
【0023】
一部の実施形態では、制御信号生成回路230は、平均化フィルタ234、絶対値計算回路235、及び比較回路236をさらに含むことができる。平均化フィルタ234は、カウント信号DT’のローパスフィルタリングを行って、カウント信号DT’の平均値を取得することができる。絶対値計算回路235は、平均化フィルタ234に結合され、平均値の絶対値を取得することができる。例えば、入力信号が直流(DC)信号である場合、最初に平均化フィルタ234を介して平均値が出力されてもよく、次いで、絶対値計算回路235を介して絶対値が取得される。比較回路236は、絶対値計算回路235に結合されてもよく、しきい値TH2及び非負の入力信号の平均値に従って制御信号CS2を生成する。しきい値TH1及びTH2は、ユーザによって予め設定又は入力されてもよい。一部の実施形態では、しきい値TH1は、30ミリアンペア(mA)に設定されてもよく、しきい値TH2は、6ミリアンペア(mA)に設定されてもよい。
【0024】
一部の実施形態では、異常状態検出器240は、デューティサイクル検出回路210及び/又は制御信号生成回路230に結合されてもよく、制御信号CS3を生成する。一部の実施形態では、異常状態検出器240は、発振検出回路241、周波数検出回路242、及び過電流検出回路243のうちの少なくとも1つを含むことができる。一部の実施形態では、ロジック回路LGがさらに含まれてもよい。発振検出回路241、周波数検出回路242、及び過電流検出回路243は、異なる条件のしきい値でユーザによって予め設定又は入力されて、異常状態を判定することができる。本実施形態では、発振検出回路241は、フラックスゲートデバイスのクロック源に結合され、フラックスゲートデバイスが異常な発振を有するかどうかを検出することができる。例えば、発振検出回路241が、クロック源に出力周波数がないこと、又は周波数が予め設定されたしきい値よりも低いことを検出した場合、これは、フラックスゲートデバイスが良好に接続されていないか、又は回路が良好にはんだ付けされておらず、その結果、発振していない、又は発振が一時停止しているなどの異常状態になっていることを意味することができる。このとき、発振検出回路241は、異常発振信号を生成することができる。
【0025】
一部の実施形態では、周波数検出回路242は、デューティサイクル検出回路210に結合されてもよく、カウント信号DTに従って、フラックスゲートデバイスが周波数異常を有するかどうかを判定することができる。例えば、周波数検出回路242が、フラックスゲートデバイスの出力周波数が予め設定されたしきい値よりも高い(又は低い)と判定した場合、異常な周波数信号が生成されている可能性がある。一部の実施形態では、過電流検出回路243は、制御信号生成回路230に結合され、フラックスゲートデバイスの過電流状態を検出することができる。例えば、過電流検出回路243は、制御信号生成回路230内の絶対値計算回路231に結合され、絶対値計算を実行した後の調整されたパルス数及び第1の信号S1を受信することができる。過電流検出回路243は、第1の信号S1の電流が予め設定されたしきい値よりも大きいと判定した場合に、異常電流信号を生成することができる。本実施形態では、ロジック回路LGは、発振検出回路241、周波数検出回路242、及び過電流検出回路243の出力端子に結合されてもよく、異常発振信号、異常周波数信号、及び異常電流信号に従って制御信号CS3を生成することができる。例えば、ロジック回路LGは、ORゲート回路、NORゲート回路、又は他のロジックゲート回路、あるいはそれらの組合せであってもよい。
【0026】
一部の実施形態では、リーク電流検出回路200は、エラー信号出力回路203に結合されていてもよい。エラー信号出力回路203は、制御信号CS1~CS3のいずれかに従って、対応するプロンプト信号ALA1~ALA3を生成して、フラックスゲートデバイスにリーク電流又は異常状態が発生したときに警告を発することができる。例えば、エラー信号出力回路203は、複数のバッファ回路(プルアップ回路、プルダウン回路、又はそれらの組合せなど)であってもよい。エラー信号出力回路203は、音及び/又は光プロンプト信号を生成するためのブザー、発光ダイオード、又は他の警告回路をさらに含むことができる。
【0027】
一部の実施形態では、リーク電流検出回路200は、信号フォーマット変換回路204に結合されていてもよい。信号フォーマット変換回路204は、補償回路220によって調整されたカウント信号DT’をデジタルフォーマットからアナログフォーマットに変換し、他の後続の処理における解釈又は演算のためにアナログ電圧信号ASを出力することができる。他の実施形態では、エラー信号出力回路203及び/又は信号フォーマット変換回路204はまた、リーク電流検出回路200内に配置されていてもよく、本実施形態によって限定されない。
【0028】
図3を参照すると、
図3は、本発明の一実施形態によるフラックスゲートドライバの概略図を示す。
図3に示す実施形態では、フラックスゲートデバイスFGは、2組のコイル、すなわち、第1の側SID1及び第2の側SID2を有する。フラックスゲートドライバ300は、第1の側SID1の誘導電流ISを受け取るように、フラックスゲートデバイスFGの第1の側SID1に結合されることができる入力端子EC1及びEC2を有する。一部の実施形態では、フラックスゲートドライバ300はまた、第2の側SID2にセルフテスト電流ITを出力して、フラックスゲートデバイスFGが第2の側SID2のセルフテスト電流ITに従って第1の側SID1に誘導電流ISを生成することを可能にするように、フラックスゲートデバイスFGの第2の側SID2に結合されることができる出力端子ST1及びST2を有することができる。本実施形態では、フラックスゲートドライバ300は、インバータ回路301、リーク電流検出回路302、エラー信号出力回路303、信号フォーマット変換回路304、電圧レギュレータ305、発振器306、セルフテスト電流生成回路307、及び基準電圧発生器308を含む。
図3に示すリーク電流検出回路302、エラー信号出力回路303、信号フォーマット変換回路304の実施態様については、
図2に示すリーク電流検出回路200、エラー信号出力回路203、信号フォーマット変換回路204の関連する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0029】
本実施形態では、インバータ回路301は、誘導電流ISを受信し、パルス幅変調信号を生成することができる。リーク電流検出回路302は、パルス幅変調信号に従って複数の制御信号を生成することができる。一部の実施形態では、エラー信号出力回路303及び/又は信号フォーマット変換回路304は、リーク電流検出回路302によって出力される複数の制御信号に従って、プロンプト信号ALA及び/又はアナログ出力信号ASをそれぞれ生成して、フラックスゲートデバイスFGのリーク電流及び/又は異常状態を示すことができる。一部の実施形態では、電圧レギュレータ305は、フラックスゲートドライバ300内の任意の電圧信号に対して安定化を実行するように構成されていてもよい。例えば、電圧レギュレータ305は、低ドロップアウトレギュレータ(LDO)であってもよい。一部の実施形態では、発振器306は、リーク電流検出回路302がリーク電流状態を判定するためのクロック信号を生成するように構成されていてもよい。
【0030】
一部の実施形態では、セルフテスト電流生成回路307は、フラックスゲートドライバ300の出力端子ST1及びST2を介してフラックスゲートデバイスFGの第2の側SID2に出力されるセルフテスト電流ITを生成するように構成されてもよい。一部の実施形態では、セルフテスト電流生成回路307は、第1のセルフテスト期間にDC信号を生成し、第2のセルフテスト期間にAC信号を生成することができる。第1のセルフテスト期間及び第2のセルフテスト期間の開始時間、時間長、実施順序、又は期間間隔は、本実施形態によって限定されない。例えば、セルフテストは、フラックスゲートデバイスFGの電源が投入された後の期間(又は一定期間若しくは任意の他の設定された期間の後)に実行されてもよく、第1のセルフテスト期間が最初に実行され、その後に第2のセルフテスト期間が続いてもよく、その逆でもよい。第1のセルフテスト期間及び第2のセルフテスト期間は、連続的又は非連続的に実行されてもよい。一部の実施形態では、基準電圧発生器308は、基準電圧VOUTを生成及び出力するように構成されてもよい。
【0031】
図4及び
図5を参照すると、
図4は、本発明の一実施形態によるインバータ回路の概略図であり、
図5は、本発明の一実施形態によるインバータ回路の動作波形図である。
図4に示す実施形態では、インバータ回路401は、入力端子EC1及びEC2を介してフラックスゲートデバイスFGの第1の側SID1の出力信号を受信し、デューティサイクル検出回路400へのパルス幅変調信号PWMを生成することができる。本実施形態では、インバータ回路401は、チョッパスイッチ回路410、Hブリッジ回路420、及びパルス幅変調信号発生器430を含む。チョッパスイッチ回路410は、フラックスゲートデバイスFGとHブリッジ回路420との間に結合され、入力信号の極性を切り替えるように構成されていてもよい。Hブリッジ回路420は、複数のスイッチ回路及びパルス幅変調信号PWMを使用して、異なる導電経路PH1とPH2とを切り替え、フラックスゲートデバイスFGの出力信号に従ってランプ信号VRを生成することができる。パルス幅変調信号発生器430は、Hブリッジ回路420に結合されてもよく、ランプ信号VRに従ってパルス幅変調信号PWMを生成する。詳細には、Hブリッジ回路420は、トランジスタM0~M3、抵抗器Rs、及びスイッチSWを含み、電源端子、接地端子、及び負荷端子を有し、動作電源VDD及び接地電源GNDをそれぞれ受け取り、ランプ信号VRを出力する。トランジスタM0~M3、抵抗器Rs、及びスイッチSWの実際の素子数は、本実施形態によって限定されない。一部の実施形態では、抵抗器Rsは、Hブリッジ回路420の負荷端子と接地端子との間に結合されている。一部の実施形態では、リーク電流検出の感度を調整するように、抵抗器RsとHブリッジ回路420の接地端子との間にスイッチSWがあってもよい。本実施形態では、トランジスタM0及びM1の第1の端子は、電源端子に一緒に結合されている。トランジスタM0及びM1の第2の端子は、チョッパスイッチ回路410の2つの出力端子にそれぞれ結合されている。トランジスタM2の第1の端子は、トランジスタM0の第2の端子に結合されている。トランジスタM3の第1の端子は、トランジスタM1の第2の端子に結合されている。トランジスタM2及びM3の第2の端子は、負荷端子に一緒に結合されている。トランジスタM0及びM2の制御端子は、パルス幅変調信号PWMを一緒に受信する。トランジスタM1及びM3の制御端子は、動作信号PWMBを一緒に受信する。本実施形態では、トランジスタM0及びM1の導電型はP型であり、トランジスタM2及びM3の導電型はN型であり、これにより、トランジスタM0及びM3の導通状態を、トランジスタM1及びM2の導通状態と逆にすることができる。他の実施形態では、他の型の組合せを使用することもでき、本実施形態によって限定されない。
【0032】
本実施形態では、パルス幅変調信号発生器430は、比較器OP、スイッチ回路DFF、及びインバータN1、N2を含むことができる。比較器OP、スイッチ回路DFF、及びインバータN1、N2は、Hブリッジ回路420の出力端子に順次結合され、ランプ信号VR及び基準電圧信号VREFを受信することができる。本実施形態では、比較器OPは、ランプ信号VRと基準電圧信号VREFとの間の電圧差を比較を通して求めることができる。基準電圧信号VREFは、ユーザによって予め設定又は入力されていてもよい。本実施形態では、スイッチ回路DFFは、比較器OPの出力に従って出力信号を生成することができる。インバータN1及びN2は、スイッチ回路DFFの出力信号に対して一次反転処理及び二次反転処理をそれぞれ実行して、動作信号PWMB及びパルス幅変調信号PWMを逆の論理レベルで出力することができる。このようにして、Hブリッジ回路420は、動作信号PWMB及びパルス幅変調信号PWMに従って、トランジスタM0~M3のオンオフ状態を交互に切り替えて、Hブリッジ回路420の導電経路PH1とPH2とを切り替えることができる。例えば、本実施形態では、パルス幅変調信号PWMが論理ロー電位で、動作信号PWMBが論理ハイ電位のとき、トランジスタM0、M3がオンし(トランジスタM1、M2がオフし)、導電経路PH1が、Hブリッジ回路420の電源端子と、トランジスタM0、M3と、負荷端子との間に形成されてもよい。対照的に、パルス幅変調信号PWMが論理ハイ電位で、動作信号PWMBが論理ロー電位のとき、トランジスタM1、M2がオンし(トランジスタM0、M3がオフし)、導電経路PH2が、Hブリッジ回路420の電源端子と、トランジスタM1、M2と、負荷端子との間に形成されてもよい。
【0033】
上記の動作の波形図については、
図5を参照されたい。説明の便宜上、スイッチ回路DFFの初期出力は論理ロー電位であると仮定されている。このとき、パルス幅変調信号PWMは、論理ロー電位、動作信号PWMBは、論理ハイ電位である。デバイスFGの出力信号は、最初に、導電経路PH1を介してHブリッジ回路420の負荷端子を充電することができ、それにより、負荷端子上のランプ信号VRの電圧値が、初期の低電圧値(例えば、接地電源GNDよりも大きく、基準電圧信号VREFよりも小さいが、本実施形態ではこれに限定されない)から徐々に増加する。ランプ信号VRの電圧値が基準電圧信号VREFの電圧値と等しくなると、スイッチ回路DFFは、比較器OPの出力の変化に従って、出力信号を論理ロー電位から論理ハイ電位に変化させることができる。すると、動作信号PWMBとパルス幅変調信号PWMの論理電位が反転し、ランプ信号VRが充電状態から放電状態に変化する。このとき、Hブリッジ回路420の導電経路は、導電経路PH1から導電経路PH2に変化し、逆電流が生成されて、Hブリッジ回路420の負荷端子を再充電する。このようにして、ランプ信号VRが何度も繰り返し形成される。
【0034】
本実施形態では、チョッパスイッチ回路410は、パルス幅変調信号PWMの完全なサイクル(すなわち、論理レベルが2回切り替わる)が出力された後に、(クロック信号CPCKによって示されるように)フラックスゲートデバイスFGの出力信号の極性を切り替えることができる。デューティサイクル検出回路400は、パルス幅変調信号PWMをクロック信号CKでサンプリングすることによって、パルス幅変調信号PWMのパルス数を計算することができる。異なるデューティサイクルTp及びTnにおけるサンプリング結果が、それぞれパルス数DTp+DOF及び-DTn+DOFであると仮定すると、パルス数DTp及び-DTnに対応するパルス幅変調信号PWMは、互いに反転しており、オフセット数DOFは、インバータ回路401の回路ノイズ(温度ドリフトなど)に起因するパルス数オフセットを表し、同相である。このようにして、デューティサイクル検出回路400は、回路ノイズに起因するパルスオフセット数DOFを除去し、異なるデューティサイクルTp及びTnにおけるパルス幅変調信号PWMのパルス数を減算して、デューティサイクルのパルス数DTp及びDTnを算出することができる((DTp+Doffset)-(-DTn+Doffset)=DTp+DTn)。
【0035】
図6を参照すると、
図6は、本発明の一実施形態によるパルス幅変調信号の動作波形図を示す。
図6に示す実施形態では、フラックスゲートデバイスの電圧端子の電圧値VD5Aは、フラックスゲートデバイスの電源が投入された後、徐々に増加する。電源投入時にリーク電流が出力されず、一定期間電源が投入された後にインバータ回路がパルス幅変調信号PWMを出力し始めると仮定すると、本発明のリーク電流検出回路は、パルス幅変調信号PWMのデューティサイクル数AVG及び平均パルス数を測定して、オフセット信号OFを生成することができる。例えば、本実施形態では、セルフテスト期間を開始するために、セルフテストパルス信号TESTの一例を使用している。リーク電流検出回路は、セルフテスト期間の前の初期期間のパルス幅変調信号PWMのデューティサイクル数AVGを16と測定し、平均パルス数を10と算出してもよく、その場合、リーク電流検出回路は、オフセット信号OFを10に設定することができる。一部の実施形態では、リーク電流検出回路は、セルフテスト期間のオフセット信号OFに従ってカウント信号のパルス数を調整し、セルフテスト期間が終了した後にオフセット信号OFをゼロにリセットすることができる。
【0036】
図7は、本発明の一実施形態によるセルフテスト期間の動作波形の概略図である。
図7に示す実施形態では、セルフテストパルス信号TESTの例でセルフテスト期間が開始された後、セルフテスト電流生成回路は、フラックスゲートデバイスへのセルフテスト電流ITを生成して、リーク電流の検出を実行することができる。例えば、DC信号ITdは、セルフテスト期間t1に生成されてもよく、AC信号ITaは、セルフテスト期間t2に生成されてもよい。セルフテスト期間(t1+t2)において、フラックスゲートデバイスにリーク電流がある場合、リーク電流検出回路は、制御信号CS1及びCS2を出力することができる。例えば、本実施形態では、時間間隔t3及びt4の後にプルアップ(又はプルダウン)信号を出力して、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すことができる。
【0037】
要約すると、本発明で提案されたリーク電流検出回路及びフラックスゲートドライバは、フラックスゲートデバイスの出力信号に従ってインバータ回路によって生成されたパルス幅変調信号を受信することができ、パルス幅変調信号のデューティサイクルを検出して複数の制御信号を生成し、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示す。このようにして、機器の使用中の安全性を高めることができる。
【0038】
本発明は、上述した実施形態を参照して説明されてきたが、本発明を限定することは意図されていない。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に変更及び修正を加えることができることは明らかである。したがって、本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義され、別段の定めがない限り、すべての用語はそれらの最も広い合理的な意味で意味される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明のリーク電流検出回路及びフラックスゲートドライバは、フラックスゲートデバイスを有する任意の機器(電気自動車など)に適しており、フラックスゲートデバイスのリーク電流状態を示すことができる。このようにして、道路、天候、車両の状態に関係なく、機器の使用中の安全性を高めることができ、リーク電流がドライバ及び周囲の環境に危険を及ぼすことを防止する。
【符号の説明】
【0040】
100,200,302:リーク電流検出回路
101,201,301,401:インバータ回路
110,210,400:デューティサイクル検出回路
120,220:補償回路
130,230:制御信号発生回路
203,303:エラー信号出力回路
204,304:信号フォーマット変換回路
221:オフセット値補正回路
222:フィルタ
223:温度補償回路
224:温度センサ
231,235:絶対値計算回路
232,234:平均化フィルタ
233,236:比較回路
240:異常状態検出器
241:発振検出回路
242:周波数検出回路
243:過電流検出回路
300:フラックスゲートドライバ
305:電圧レギュレータ
306:発振器
307:セルフテスト電流生成回路
308:基準電圧発生器
410:チョッパスイッチ回路
420:Hブリッジ回路
430:パルス幅変調信号発生器
ALA,ALA1~ALA3:プロンプト信号
AS:アナログ出力信号
AVG:デューティサイクル数
CK,CPCK:クロック信号
CS1~CSn:制御信号
DFF:スイッチ回路
DT,DT’:カウント信号
DTp,DTn,DOF:パルス数
EC1,EC2:入力端子
FG:フラックスゲートデバイス
GND:接地電源
VD5A:電圧
VDD:動作電源
VREF:基準電圧信号
VRs:ランプ信号
VOUT:基準電圧
IS:誘導電流
IT:セルフテスト電流
ITa:AC信号
ITd:DC信号
LG:ロジック回路
N1,N2:インバータ
M0~M3:トランジスタ
OF:オフセット信号
OP:比較器
PH1,PH2:導電経路
PWM:パルス幅変調信号
PWMB:動作信号
Rs:抵抗器
SID1,SID2:側
ST1,ST2:出力端子
SW:スイッチ
t1~t4,Tp,Tn:時間
TE:周囲温度
TEST:セルフテストパルス信号
TH1~THn:しきい値