(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-23
(45)【発行日】2023-08-31
(54)【発明の名称】フレキシブル再帰反射性シーティング
(51)【国際特許分類】
G02B 5/124 20060101AFI20230824BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20230824BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20230824BHJP
【FI】
G02B5/124
B32B7/023
E01F13/02 A
(21)【出願番号】P 2021546784
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 US2020016591
(87)【国際公開番号】W WO2020163340
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-10-01
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514100751
【氏名又は名称】エイブリィ・デニソン・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チェー-ウェン
【審査官】小西 隆
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0330360(KR,Y1)
【文献】特開平06-040145(JP,A)
【文献】特開2008-015359(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0114143(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00 - 5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面及び複数の再帰反射性要素を含む反対側の背面を有するエンボス層と、
前記エンボス層の背面と接触するフレキシブルバッキング層と、
前記エンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に連結された第1の接着剤層と、
前記フレキシブルバッキング層の反対側の第1の接着剤層に連結されたインターリーフ層と、
前記第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結された第2の接着剤層と、
を含み、
前記インターリーフ層は前記エンボス層とのCIEDE2000色差が20未満である、または
前記エンボス層は透明であり、前記インターリーフ層は前記フレキシブルバッキング層とのCIEDE2000色差が20未満である、フレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項2】
前記インターリーフ層は、着色されたフィルムを含む、請求項1に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項3】
30%~200%の範囲の引張ひずみを有する、請求項1または2に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項4】
20lbf~60lbfの範囲の破断時の力を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項5】
45ksi~275ksiの範囲のヤング率を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項6】
前記インターリーフ層は、0.2ミル~4ミルの範囲の厚さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項7】
前記エンボス層は、0.5ミル~10ミルの範囲の厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項8】
前記インターリーフ層の厚さに対する前記エンボス層の厚さの比は、0.1~20の範囲である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項9】
前記インターリーフ層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項10】
前記フレキシブルバッキング層は、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項11】
前記エンボス層は、アクリル、ポリカーボネート、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項12】
前記フレキシブルバッキング層は、前記エンボス層の背面の一部に直接付着され、前記フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素は、複数のエアギャップを規定する、請求項1~11のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項13】
前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層は、それぞれ独立して感圧接着剤を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項14】
前記エンボス層の前面に連結されたフレキシブル面層をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項15】
前記フレキシブル面層は、1ミル~35ミルの範囲の厚さを有する、請求項14に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項16】
前記エンボス層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.1~70の範囲である、請求項14又は15に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項17】
前記インターリーフ層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.2~175の範囲である、請求項14~16のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項18】
前記フレキシブル面層は、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項14~17のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項19】
前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に付着された剥離ライナーをさらに含む、請求項1~18のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項20】
前記インターリーフ層は、前記フレキシブルバッキング層とのCIEDE2000色差が10未満である、請求項1~19のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項21】
前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する、請求項1~20のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項22】
前記インターリーフ層は、前記フレキシブルバッキング層とのCIEDE2000色差が10未満であり、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する、請求項1~21のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項23】
エンボス層を熱的エンボス加工して、前記エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップと、
前記エンボス層の背面にフレキシブルバッキング層を連結するステップと、
インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、前記インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップと、
前記エンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に前記転写テープを積層するステップと、
を含み、
前記インターリーフ層は前記エンボス層とのCIEDE2000色差が20未満である、または
前記エンボス層は透明であり、前記インターリーフ層は前記フレキシブルバッキング層とのCIEDE2000色差が20未満である、フレキシブル再帰反射性シーティングを製造する方法。
【請求項24】
前記連結は、前記エンボス層の背面の一部に前記フレキシブルバッキング層を封止して、前記フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素で複数のエアギャップを規定する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記熱的エンボス加工は、前記エンボス層の背面とは反対側の前記エンボス層の前面にフレキシブル面層をさらに付着する、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層にライナー層を付着するステップをさらに含む、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前面及び複数の再帰反射性要素を含む反対側の背面を有するエンボス層と、
前記エンボス層の背面上に直接配置された金属化層と、
前記エンボス層の反対側の金属化層に連結された第1の接着剤層と、
前記金属化層の反対側の第1の接着剤層に連結され、前記エンボス層とのCIEDE2000色差が20未満であるインターリーフ層と、
前記第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結された第2の接着剤層と、
を含む、フレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項28】
前記インターリーフ層は、空洞化したフィルムを含む、請求項27に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項29】
30%~200%の範囲の引張ひずみを有する、請求項27又は28に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項30】
20lbf~60lbfの範囲の破断時の力を有する、請求項27~29のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項31】
45ksi~275ksiの範囲のヤング率を有する、請求項27~30のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項32】
前記インターリーフ層は、0.2ミル~4ミルの範囲の厚さを有する、請求項27~31のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項33】
前記エンボス層は、0.5ミル~10ミルの範囲の厚さを有する、請求項27~32のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項34】
前記インターリーフ層の厚さに対する前記エンボス層の厚さの比は、0.1~20の範囲である、請求項27~33のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項35】
前記インターリーフ層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項27~33のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項36】
前記エンボス層は、アクリル、ポリカーボネート、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項27~35のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項37】
前記再帰反射性要素が金属化される、請求項27~36のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項38】
前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層は、それぞれ独立して感圧接着剤を含む、請求項27~37のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項39】
前記エンボス層の前面に連結されたフレキシブル面層をさらに含む、請求項27~38のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項40】
前記フレキシブル面層は1ミル~35ミルの範囲の厚さを有する、請求項39に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項41】
前記エンボス層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.1~70の範囲である、請求項39又は40に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項42】
前記インターリーフ層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.25~175の範囲である、請求項39~41のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項43】
前記フレキシブル面層は、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項39~42のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項44】
前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に付着された剥離ライナーをさらに含む、請求項27~43のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項45】
前記インターリーフ層は、前記エンボス層とのCIEDE2000色差が10未満であるインターリーフの色を有する、請求項27~44のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項46】
前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する、請求項27~45のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティング。
【請求項47】
エンボス層を熱的エンボス加工して、前記エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップと、
前記エンボス層の背面に金属化層を直接連結するステップと、
インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、前記インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップと、
前記エンボス層の反対側の金属化層に前記転写テープを積層するステップと、
を含み、
前記インターリーフ層は前記エンボス層とのCIEDE2000色差が20未満である、または
前記エンボス層は透明であり、前記インターリーフ層は前記
エンボス層とのCIEDE2000色差が20未満である、フレキシブル再帰反射性シーティングを製造する方法。
【請求項48】
前記熱的エンボス加工は、前記エンボス層の背面とは反対側の前記エンボス層の前面にフレキシブル面層をさらに付着する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に剥離ライナーを付着するステップをさらに含む、請求項47又は48に記載の方法。
【請求項50】
外面を有する表面を提供するステップと、
請求項1~22及び27~46のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティングを提供するステップと、
前記表面の外面に前記フレキシブル再帰反射性シーティングの第2の層を接着するステップと、
を含む、表面にフレキシブル再帰反射性シーティングを適用する方法。
【請求項51】
前記表面は、ポリ塩化ビニル、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
外面を有する表面と、
前記表面の外面に接着された請求項1~22及び27~46のいずれか一項に記載のフレキシブル再帰反射性シーティングと、
を含む、物品。
【請求項53】
前記表面は、ポリ塩化ビニル、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む、請求項52に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月8日に出願された米国仮特許出願番号第62/802,804号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、交通安全装置のラベリングに特に有用なフレキシブル再帰反射性シーティングに関する。
【背景技術】
【0003】
カラーコーン(登録商標)(パイロン)は、安全な方法で交通を一時的に方向転換(redirect)するために、道路や歩道に配置されることの多いコーン形のマーカーである。マーカーコーンは、例えば、道路建設プロジェクトや自動車事故の際に車線を分離又は合流させるために頻繁に使用される。米国では、連邦道路管理局のMUTCD(Uniform Traffic Control Devices)マニュアルによって、コーンは、夜間の視認性を高めるために反射性の白色バンドを取り付けることが要求されている。白色の反射プラスチックで製造された白色ストリップなどの反射カラーは、コーンの上部にぴったりとスリップし、テープや接着剤でカラーコーンに恒久的又は半恒久的に付着することができる。同様の反射ストリップ、テープ、又はラベルは、一般に、トラフィックバレル及びバリアなどの他の交通安全装置にも付着され、視認性を高める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路上及び道路近くの共通した位置のために、カラーコーンは、例えば、車両と歩行者の衝突からの衝撃に非常に影響を受けやすく、コーン表面の破砕又は曲げをもたらす。カラーコーンがこのように変形すると、コーンに付着された反射カラーなどのラベルは、ラベルの完全性が損なわれる可能性のある応力を受ける。この損傷は、ラベル構造内に亀裂が生じて、亀裂のあるラベルの下のコーン表面を露出させ、ラベルの外観の均一性が損なわれ得る。亀裂の視覚的効果は、カラーコーン及びその他の道路安全装置の典型的な蛍光オレンジ色と反射ラベルの典型的な白色との著しいコントラストのために特に目立つ。これらの好ましくない効果の観点から、改善されたフレキシブル接着剤再帰反射性シーティングの必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態において、本開示は、エンボス層、フレキシブルバッキング層、第1の接着剤層、インターリーフ層(interleaf layer)、及び第2の接着剤層を含むフレキシブル再帰反射性シーティングに関する。好ましくは、シーティングは、30%~200%の範囲の引張ひずみを有する。エンボス層は、複数の再帰反射性要素を含む背面を有する。フレキシブルバッキング層は、エンボス層の背面と接触する。第1の接着剤層は、エンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に連結される。インターリーフ層は、40%超えの不透明度を有し、フレキシブルバッキング層の反対側の第1の接着剤層に連結される。好ましくは、インターリーフ層は、エンボス層の色とのCIEDE2000色差が20未満である。好ましくは、インターリーフ層は、空洞化又は着色されたフィルムを含む。第2の接着剤層は、第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結される。
【0006】
別の実施形態において、本開示は、フレキシブルバッキング層を有するフレキシブル再帰反射性シーティングを製造する方法に関する。前記方法は、エンボス層を熱的エンボス加工して、エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップを含む。前記方法は、エンボス層の背面にフレキシブルバッキング層を連結するステップをさらに含む。前記方法は、インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップをさらに含む。前記方法は、転写テープをエンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に積層するステップをさらに含む。
【0007】
別の実施形態において、本開示は、エンボス層、金属化層、第1の接着剤層、インターリーフ層、及び第2の接着剤層を含むフレキシブル再帰反射性シーティングに関する。好ましくは、シーティングは、30%~200%の範囲の引張ひずみを有する。エンボス層の背面は、複数の再帰反射性要素を含む。金属化層は、エンボス層の背面上に直接配置される。第1の接着剤層は、エンボス層の反対側の金属化層に連結される。インターリーフ層は、金属化層の反対側の第1の接着剤層に連結され、40%超えの不透明度を有し、エンボス層の色とのCIEDE2000色差が20未満である。好ましくは、インターリーフ層は、空洞化又は着色されたフィルムを含む。第2の接着剤層は、第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結される。
【0008】
別の実施形態において、本開示は、金属化層を有するフレキシブル再帰反射性シーティングを製造する方法に関する。前記方法は、エンボス層を熱的エンボス加工して、エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップを含む。前記方法は、エンボス層の背面に金属化層を直接連結するステップをさらに含む。前記方法は、インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップをさらに含む。前記方法は、転写テープをエンボス層の反対側の金属化層に積層するステップをさらに含む。
【0009】
別の実施形態において、本開示は、表面にフレキシブル再帰反射性シーティングを適用する方法に関する。前記方法は、外面を有する表面を提供するステップを含む。前記方法は、本明細書に開示するようなフレキシブル再帰反射性シーティングを提供するステップをさらに含む。前記方法は、フレキシブル再帰反射性シーティングの第2の層を表面の外面に接着するステップをさらに含む。
【0010】
別の実施形態において、本開示は、本明細書に開示するようなフレキシブル再帰反射性シーティングでラベル付けされた物品に関する。前記物品は、外面を有する表面と、前記表面の外面に接着されたフレキシブル再帰反射性シーティングとを含む。
【0011】
本開示は、添付の図面を参照し、ここで同様の番号は同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る、フレキシブル再帰反射性シーティング構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一般に、本開示は、例えば破砕や曲げを受けやすい物品の再帰反射性ラベルとして採用される場合に、ラベルの完全性及び隠蔽能力の有利な改善を提供する再帰反射性シーティングに関する。例えば、交通安全装置、例えば、カラーコーンに適用されるシーティング、例えば、コーンカラーは、装置が乱暴に取り扱われたり、踏まれたり、又はぶつかったりする場合に、剥離又は亀裂を経験しないほど、丈夫で柔軟であることが有利である。また、再帰反射性シーティングは、ラベルが1つ以上の構成層に亀裂を生じた場合にも、下部のラベル付けされた表面を隠し続けることが有利である。ラベル付けされた表面が見えることを防止するシーティングの能力は、ラベルの外観の均一性を有利に改善することができる。
【0014】
しかし、従来の再帰反射性シーティング、ラベル、又はテープがこれらの要求を満たすのは困難である。その理由の一つは、交通安全装置への適用を目的としたシーティングが、これらの装置にしっかりと接着されるようにするには、コーン、バレル、及びバリアの高度に屈曲した表面に順応できなければならないためである。そのような順応性を促進するそのようなシーティングの特性は、剛性及び靭性を促進する特性と相反するが、従来のシーティングが力による亀裂の影響を非常に受けやすくする。特に再帰反射性シーティングは、衝撃を受けたときに特に破断しやすいことが知られている構造的特徴を含み得る。例えば、エアバックされた(air backed)再帰反射性シーティングは、部分的に連結されたこれらの層が、シーティングに再帰反射性を与えるエアギャップを形成するため、互いに完全に接触していない層を含む。層の間の不完全な接触の位置は、応力下で破損しやすい弱点となり得る。
【0015】
今日、本発明者らは、本明細書に開示された組成及び幾何学的形状を有する層の特定の組み合わせが、驚くべきことに、再帰反射性シーティングに改善された性能特性を提供することを発見した。特に、特定の接着剤及びエンボス層を備えた構成に、特定のインターリーフ層を共に使用することにより、有利な引張特性を有する多層再帰反射性シーティングが製造できることを発見した。有利には、これらの改善された特性は、提供されたシーティングにさらに大きな耐亀裂性を与えることができる。さらに、本開示はまた、シーティングの異なる層の間の特定の色の組み合わせを提供する。したがって、シーティングの耐久性があり不透明な内部層、例えば、インターリーフ層は上部層の色とかなり似た色を有することができ、インターリーフ層が下部表面を隠し続け、上部層、例えばエンボス層にひび割れ又は亀裂が生じた場合、上部層と視覚的に混在させる。
【0016】
再帰反射性シーティング
一態様において、フレキシブル再帰反射性シーティングが開示される。シーティングは、その背面上に再帰反射性要素を備えたエンボス層と、フレキシブルバッキング層及び/又は再帰反射性要素と少なくとも部分的に接触する金属化層と、バッキング層又は金属化層に連結された転写テープとを有する多層構造を含む。転写テープは、一対の接着剤層の間に挟まれた少なくとも部分的に不透明なインターリーフ層を含む。第1の接着剤層は、バッキング層又は金属化層に転写テープを連結し、第2の接着剤層は、物品に接着されるシーティングの外面であり得る。
【0017】
図1は、提供されたシーティングの例示的な実施形態を示す。図に示しているのは、再帰反射性シーティング構造100である。シーティングは、エンボス層の背面にエンボス加工された再帰反射性要素102のパターンを有するエンボス層101を含む。一部の実施形態において、
図1に示すように、再帰反射性要素は、プリズム又はキューブコーナー再帰反射体である。エンボス層の前面は、例えば、シーティングの耐久性のある及び/又は印刷可能な外面を提供することができる面層103に付着される。フレキシブルバッキング層104は、バッキング層及び再帰反射性要素が共に複数のエアギャップ105を規定するように、エンボス層の背面の一部と接触する。第1の接着剤層106は、フレキシブルバッキング層に付着され、インターリーフ層107は、第1の接着剤層と第2の接着剤層108との間に配置される。また、シーティングは、第2の接着剤層に付着された剥離ライナー109を含む。
【0018】
シーティングの組成及び構造は、引張力を受けたときに、シーティングが破断、例えば、最小限の亀裂で又は亀裂なしで変形することを可能にするのに十分な引張ひずみを有するフィルムを提供するように構成することができる。このようにして、車両または歩行者の往来によって衝撃を受けたり押しつぶされたりする傾向があるカラーコーンなどの物体にシーティングを適用する場合、シーティングの完全性及び均一性が影響を受ける可能性を低減することができる。
【0019】
シーティングの引張ひずみは、例えば、30%~200%、例えば、30%~132%、47%~149%、64%~166%、81%~183%、又は98%~200%の範囲であり得る。シーティングの引張ひずみは、30%~150%、例えば、30%~102%、42%~114%、54%~126%、66%~138%、又は78%~150%の範囲であり得る。上限の観点から、シーティングの引張ひずみは、200%未満、例えば、183%未満、166%未満、149%未満、138%未満、126%未満、114%未満、102%未満、90%未満、78%未満、66%未満、54%未満、又は42%未満であり得る。下限の観点から、シーティングの引張ひずみは、30%超え、例えば、42%超え、54%超え、66%超え、78%超え、90%超え、102%超え、114%超え、126%超え、138%超え、149%超え、166%超え、又は183%超えであり得る。例えば、200%超えのより高い引張ひずみ、及び、例えば、30%未満のより低い引張ひずみも考慮される。引張ひずみは、例えば、標準プロトコルASTM D828-16e1(2016)を用いて測定することができる。
【0020】
同様に、シーティングの組成及び構造は、高い閾値未満の力又は荷重を受けたときに、シーティングが破断、例えば、亀裂を防止するのに十分な破断時の力をフィルムに提供するように構成することができる。シーティングの破断時の力は、例えば、20lbf ~60lbf、例えば、20lbf~44lbf、24lbf~48lbf、28lbf~52lbf、32lbf~56lbf、又は36lbf~60lbfの範囲であり得る。上限の観点から、シーティングの破断時の力は、60lbf未満、例えば、56lbf未満、52lbf未満、48lbf未満、44lbf未満、40lbf未満、36lbf未満、32lbf未満、28lbf未満、又は24lbf未満であり得る。下限の観点から、シーティングの破断時の力は、20lbf超え、例えば、24lbf超え、28lbf超え、32lbf超え、36lbf超え、40lbf超え、44lbf超え、48lbf超え、52lbf超え、又は56lbf超えであり得る。例えば、60lbf超えのより大きな破断時の力、及び、例えば、20lbf未満のより小さな破断時の力も考慮される。破断時の力は、例えば、標準プロトコルASTM D828-16e1(2016)を用いて測定することができる。
【0021】
また、シーティングは、長さ方向の力を受けたときに、シーティングが伸長又は圧縮に耐えることを可能にする十分なヤング率を有するフィルムを提供するように構成され得る。シーティングのヤング率は、例えば、45ksi~275ksi、例えば,45ksi~183ksi、68ksi~206ksi、91ksi~229ksi、114ksi~252ksi、又は137ksi~275ksiの範囲であり得る。上限の観点から、シーティングのヤング率は、275ksi未満、例えば、252ksi未満、229ksi未満、206ksi未満、183ksi未満、160ksi未満、137ksi未満、114ksi未満、91ksi未満、又は68ksi未満であり得る。下限に観点から、シーティングのヤング率は、45ksi超え、例えば、68ksi超え、91ksi超え、114ksi超え、137ksi超え、160ksi超え、183ksi超え、206ksi超え、229ksi超え、又は252ksi超えであり得る。例えば、275ksi超えのより大きなヤング率、及び、例えば、45ksi未満のより小さなヤング率も考慮される。ヤング率は、例えば、標準プロトコルASTM D828-16e1(2016)を用いて測定することができる。
【0022】
エンボス層
エンボス層は、有色であり得るか、又は無色であり得る。一般に、エンボス層は実質的に透明であるが、特定の態様においては、少なくとも部分的に不透明であり得る。エンボス層の材料は、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリレート、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、ウレタン、アクリル酸エステル、セルロースエステル、エチレン性不飽和亜硝酸塩、硬質エポキシアクリレート、アクリリクス等を含む非常に多様なポリマーから選択することができるが、これらに限定されるものではなく、アクリル、ポリカーボネート、及びポリウレタンポリマーが好ましい。一部の実施形態において、エンボス層はアクリルを含む。一部の実施形態において、エンボス層はポリカーボネートを含む。一部の実施形態において、エンボス層は、アクリル及びポリカーボネートの両方を含む。
【0023】
エンボス層は、例えば、0.5ミル~10ミル、例えば、0.5ミル~3ミル、0.7ミル~4.1ミル、0.9ミル~5.5ミル、1.2ミル~7.4ミル、又は1.7ミル~10ミルの範囲の厚さを有し得る。上限の観点から、エンボス層の厚さは、10ミル未満、例えば、7.4ミル未満、5.5ミル未満、4.1ミル未満、3ミル未満、2.2ミル未満、1.7ミル未満、1.2ミル未満、0.9ミル未満、又は0.7 ミル未満であり得る。下限の観点から、エンボス層の厚さは、0.5ミル超え、例えば、0.7ミル超え、0.9ミル超え、1.2ミル超え、1.7ミル超え、2.2ミル超え、3ミル超え、4.1ミル超え、5.5ミル超え、又は7.4ミル超えであり得る。例えば、10ミル超えのより大きな厚さ、及び、例えば、0.5ミル未満のより小さな厚さも考慮される。
【0024】
特定の態様において、エンボス層の再帰反射性要素は、エンボス層の背面にエンボス加工されるか、その背面上に配置されたプリズム状要素の配列又はパターンを含む。プリズム状要素は、任意の3次元形状のプリズム状要素であり得る。一部の実施形態において、プリズム状要素は、プリズム状のキューブコーナーを含む。特定の態様において、再帰反射性要素は、ビーズ、例えば、ガラス又はセラミック微小球の配列又はパターンを含む。
【0025】
バッキング層
一部の実施形態において、フレキシブルバッキング層は、エンボス層の背面の一部に直接付着され、フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素は、複数のエアギャップを規定する。これらのエアギャップは、エンボス層の屈折率とは著しく異なる屈折率を有し、再帰反射性要素と密接に接触する材料、例えば、エアを提供することによって、シーティングの再帰反射特性に少なくとも部分的に関与することができる。
【0026】
バッキング層は、有色であり得るか、又は無色であり得る。バッキング層は、実質的に透明であり得るか、又は実質的に不透明であり得る。バッキング層の材料及び構造は、柔軟性などの特性のために選択できる。フレキシブルバッキング層は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含み得る。場合によっては、フレキシブルバッキング層は、ポリカーボネート又はポリ塩化ビニルを含む。
【0027】
一部の実施形態において、シーティングは、バッキング層の代わりに、又はバッキング層に加えて、金属化層を含む。金属化層又は金属コーティングは、アルミニウム、銀、又はクロムなどの金属を含み得る。金属化層は、再帰反射性要素上に直接配置され得る。シーティングが金属化層を含む特定の態様において、シーティングは、再帰反射性要素の金属コーティングを保護する保護層として少なくとも部分的に機能するバッキング層をさらに含む。
【0028】
インターリーフ層
インターリーフ層の組成及び構造は、インターリーフ層の下部の材料及び表面の視野を遮断するのに十分に高い不透明度を層に提供するように選択することができる。このようにして、インターリーフ層は、シーティング下のラベル付けされた表面が見えないようにすることを助けることができ、シーティングの均一な外観に寄与することができる。本明細書で使用される用語「不透明度」は、黒色基材上のフィルムの反射率に対する白色基材上の同一フィルムの反射率の比を指す。インターリーフ層の不透明度は、例えば、40%~100%、例えば、40%~76%、46%~82%、52%~88%、58%~94%、又は64%~100%の範囲であり得る。上限の観点から、インターリーフ層の不透明度は、100%未満、例えば、94%未満、88%未満、82%未満、76%未満、70%未満、64%未満、58%未満、52%未満、又は46%未満であり得る。下限の観点から、インターリーフ層の不透明度は、40%超え、例えば、46%超え、52%超え、58%超え、64%超え、70%超え、76%超え、82%超え、88%超え、又は94%超えであり得る。例えば、40%未満のより小さな不透明度も考慮される。不透明度は、例えば、標準プロトコルASTM D1003-13(2013)を用いて測定することができる。本発明者らは、本明細書に開示しているように、耐久性があり十分に不透明なインターリーフ層の使用が、驚くべきことに、耐亀裂性及び起こり得る亀裂を隠蔽する能力の組み合わされた相乗作用的利点を提供することを発見した。
【0029】
また、インターリーフ層の組成及び構造は、シーティングの被覆層にほぼ一致する色を層に提供するように選択することができる。これは、例えば、被覆層に亀裂が生じると、被覆層を通してインターリーフ層が見える場合に、インターリーフ層がシーティングの均一な外観に寄与し得る。特定の態様において、インターリーフ層は白色を有する。一部の実施形態において、インターリーフ層は着色される。特定の態様において、インターリーフ層は、黄色、例えば、蛍光黄色を有する。特定の態様において、インターリーフ層は、緑色、例えば、蛍光緑色を有する。特定の態様において、インターリーフ層は黄緑色を有する。インターリーフ層と被覆層との色の差は、国際照明委員会(CIE)によって開発されたCIEDE2000(2001)などの式で表現することができる。これらの式は、0~100の値を持つ距離メトリック(ΔE*)を規定し、1未満の値は、人間の視覚で認識できない色の差を示し、100の値は、互いに正反対の色の差を示す。
【0030】
一部の実施形態において、インターリーフ層は、シーティングのエンボス層と同様の色を有する。インターリーフ層の色とエンボス層の色との間のCIEDE2000の色差は、例えば、0~20、例えば、0~12、2~14、4~16、6~18、又は8~20の範囲であり得る。上限の観点から、インターリーフの色とエンボスの色との差は、20未満、例えば、18未満、16未満、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、又は2未満であり得る。下限の観点から、インターリーフの色とエンボスの色との差は、0超え、例えば、2超え、4超え、6超え、8超え、10超え、12超え、14超え、16超え、又は18超えであり得る。例えば、20超えのより大きな色差も考慮される。
【0031】
一部の実施形態において、インターリーフ層は、シーティングのバッキング層と同様の色を有する。インターリーフ層の色とバッキング層の色との間のCIEDE2000の色差は、例えば、0~20、例えば、0~12、2~14、4~16、6~18、又は8~20の範囲であり得る。上限の観点から、インターリーフの色とバッキングの色との差は、20未満、例えば、18未満、16未満、14未満、12未満、10未満、8未満、6未満、4未満、又は2未満であり得る。下限の観点から、インターリーフの色とバッキングの色との差は、0超え、例えば、2超え、4超え、6超え、8超え、10超え、12超え、14超え、16超え、又は18超えであり得る。例えば、20超えのより大きな色差も考慮される。
【0032】
一部の実施形態において、インターリーフ層は空洞化しており、例えば、インターリーフ層は空洞化したフィルムを含む。空洞化したフィルムの空洞化剤は、1つ以上の無機及び/又は有機微粒子固体を含み得る。空洞化剤は、炭酸カルシウムなどの有機固体を含み得る。一部の実施形態において、空洞化剤は、ポリエステル又はポリカーボネートなどのポリマーを一つ以上含む。特定の態様において、空洞化剤は極性ポリマーを含む。空洞化剤は、例えば、ポリブチレン、テレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6-ナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、又はそれらの組み合わせを含み得る。空洞化剤は、プロピレンポリマーの混合物などの熱可塑性ポリマー担体中の微粒子固体濃縮物又は添加剤濃縮物の形態でフィルムに10wt%~90wt%で添加し得る。
【0033】
色特性に加えて、インターリーフ層の構造的完全性もまた、層の材料及び構造を選択する際に考慮することができる。インターリーフ層は、例えば、ポリエチレン、テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、インターリーフ層は、ポリエチレンテレフタレートを含む。一部の実施形態において、インターリーフ層は、着色されたポリエチレンテレフタレートを含む。
【0034】
インターリーフ層は、例えば、0.2ミル~4ミル、例えば、0.2ミル~1.2ミル、0.3ミル~1.6ミル、0.4ミル~2.2ミル、0.5ミル~3ミル、又は0.7ミル~4ミルの範囲の厚さを有し得る。上限の観点から、インターリーフ層の厚さは、4ミル未満、例えば、3ミル未満、2.2ミル未満、1.6ミル未満、1.2ミル未満、0.9ミル未満、0.7ミル未満、0.5ミル未満、0.4ミル未満、又は0.3 ミル未満であり得る。下限の観点から、インターリーフ層の厚さは、0.2ミル超え、例えば、0.3ミル超え、0.4ミル超え、0.5ミル超え、0.7ミル超え、0.9ミル超え、1.2ミル超え、1.6ミル超え、2.2ミル超え、又は3ミル超えであり得る。例えば、4ミル超えのより大きな厚さ、及び、例えば、0.2ミル未満のより小さな厚さも考慮される。
【0035】
インターリーフ層の厚さに対するエンボス層の厚さの比は、例えば、0.1~20の範囲、例えば、0.1~2.4、0.2~4.1、0.3~6.9、0.5~11.8、又は0.8~20の範囲であり得る。上限の観点から、インターリーフ層に対するエンボス層の厚さ比は、20未満、例えば、11.8未満、6.9未満、4.1未満、2.4未満、1.4未満、0.8未満、0.5未満、0.3未満、又は0.2未満であり得る。下限の観点から、インターリーフ層に対するエンボス層の厚さ比は、0.1超え、例えば、0.2超え、0.3超え、0.5超え、0.8超え、1.4超え、2.4超え、4.1超え、6.9超え、又は11.8超えであり得る。例えば、20超えのより高い比、及び、例えば、0.1未満のより低い比も考慮される。本発明者らは、インターリーフ層の厚さに対するエンボス層の厚さの比を、これらの範囲及び/又は限界内に維持することが、驚くべきことに、発生し得る亀裂を隠す能力の改善を提供することを発見した。インターリーフ層は、亀裂を隠すために、エンボス層に対して十分な厚さを有しなければならない。十分な厚さを有しないと、インターリーフ層に亀裂が発生するか、又は不透明な層がないために隠すことができないであろう。
【0036】
第1の接着剤層及び第2の接着剤層
第1の接着剤層の組成は、第1の接着剤層が付着されるバッキング層、金属化層、又は他の層の材料に強い接着力を提供するように選択することができる。第2の接着剤層の組成は、第2の接着剤層が付着される物品、例えば、交通装置の表面材料への強い接着力を提供するように選択することができる。また、第1の接着剤層及び第2の接着剤層の組成は、インターリーフ層の材料への強い接着力を提供するように選択することができる。特定の態様において、第2の接着剤層は、シーティングの構造に存在しない。これらの場合に、インターリーフ層はシーティングの外部層であり得、シーティングは、シーティングと物体との間の接着結合を必要としないように、物体、例えば、カラーコーンの表面の周りにしっかりと包み込むように構成され得る。
【0037】
第1の接着剤層及び第2の接着剤層は、それぞれ独立して感圧接着剤を含み得る。特定の態様において、第1の接着剤層及び第2の接着剤の一方又は両方は、エマルジョンを含む。特定の態様において、第1の接着剤層及び第2の接着剤の一方又は両方は、ホットメルト接着剤を含む。一部の実施形態において、接着剤はアクリル系ポリマーから形成され得る。また、接着剤は、ゴム系、又はモノマーと開始剤及び他の成分との放射線硬化性混合物であり得る。所望の特性を与えるために、粘着付与剤、可塑剤、及び他の添加剤が接着剤に含まれ得る。添加剤には、ワックス及び界面活性剤などの切断剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、熱吸収剤、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0038】
面層
特定の態様において、シーティングは、単一の面層を含む。シーティングはまた、異なる特性を有し、多層シーティングに異なる利点を与える異なる面層と共に積層構成で配置された2つの面層、又は2つを超える層を含み得る。シーティングのそれぞれの面層は、独立して有色であり得るか、又は無色であり得る。シーティングのそれぞれの面層は、独立して実質的に透明であり得るか、又は実質的に不透明であり得る。層の材料及び構造は、柔軟性及び印刷性などの特性に合わせて選択することができる。面層は、例えば、ポリ塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、又はそれらの組み合わせを含み得る。一部の実施形態において、面層はポリ塩化ビニルを含む。
【0039】
面層は、例えば、1ミル~35ミル、例えば、1ミル~8.4ミル、1.4ミル~12ミル、2ミル~17.2ミル、2.9ミル~24.5ミル、又は4.1ミル~35ミルの範囲の厚さを有し得る。上限の観点から、面層の厚さは、35ミル未満、例えば、24.5ミル未満、17.2ミル未満、12ミル未満、8.4ミル未満、5.9ミル未満、4.1ミル未満、2.9ミル未満、2ミル未満、又は1.4ミル未満であり得る。下限の観点から、面層の厚さは、1ミル超え、例えば、1.4ミル超え、2ミル超え、2.9ミル超え、4.1ミル超え、5.9ミル超え、8.4ミル超え、12ミル超え、17.2ミル超え、又は24.5ミル超えであり得る。例えば、35ミル超えのより大きな厚さ、及び、1ミル未満のより小さな厚さも考慮される。
【0040】
エンボス層の厚さに対する面層の厚さの比は、例えば、0.1~70、例えば0.1~5.1、0.2~9.8、0.4~18.9、0.7~36.4、又は1.4~70の範囲であり得る。上限の観点から、エンボス層に対する面層の厚さ比は、70未満、例えば、36.4未満、18.9未満、9.8未満、5.1未満、2.6未満、1.4未満、0.7未満、0.4未満、又は0.2未満であり得る。下限の観点から、エンボス層に対する面層の厚さ比は、0.1超え、例えば、0.2超え、0.4超え、0.7超え、1.4超え、2.6超え、5.1超え、9.8超え、18.9超え、又は36.4超えであり得る。例えば、70超えのより高い比、及び、例えば、0.1未満のより低い比も考慮される。
【0041】
本発明者らは、面層の厚さとインターリーフ層の厚さとの間の関係が、例えば、屋外の交通安全性の適用に特に有用な有利な特性を有するシーティングを提供する上で、重要であり得ることを発見した。重要なのは、インターリーフの厚さに対して十分な面層の厚さを維持することによって、エンボス層及び他の下部の層は、屋外での使用に関連する環境的劣化から保護される。また、インターリーフの厚さが面層の厚さに対して十分に大きくない場合、目に見える亀裂の緩和における前述の利点が顕著に実現されない。インターリーフ層の厚さに対する面層の厚さの比は、例えば、0.2~175、例えば、0.2~11.6、0.4~22.9、0.8~45.1、1.5~88.9、又は3~175の範囲であり得る。上限の観点から、インターリーフ層に対する面層の厚さ比は、175未満、例えば、88.9未満、45.1未満、22.9未満、11.6未満、5.9未満、3未満、1.5未満、0.8未満、又は0.4未満であり得る。下限の観点から、インターリーフ層に対する面層の厚さ比は、0.2超え、例えば、0.4超え、0.8超え、1.5超え、3超え、5.9超え、11.6超え、22.9超え、45.1超え、又は88.9超えであり得る。
【0042】
剥離ライナー
一部の実施形態において、剥離ライナーは、第2の接着剤層に連結される。剥離可能なライナーは、シーティングが物体又は表面に付着される準備ができるまで剥離ライナーが所定の位置に留まるように、保護カバーとして機能し得る。ライナー又は剥離ライナーがシーティングに含まれる場合、非常に多様な材料及び構成をライナーに使用することができる。多くの実施形態において、ライナーは紙又は紙系の材料である。他の多くの実施形態において、ライナーは、1つ以上のポリマー材料のポリマーフィルムである。典型的に、ライナーの少なくとも一つの面は、シリコーン又はシリコーン系の材料などの離型材でコーティングされる。理解されるように、ライナーの離型コーティングされた面は、第2の接着剤層の他の露出した面と接触して配置される。対象の表面にラベルを適用する前に、ライナーを除去してラベルの接着面を露出させる。ライナーは、単一のシーティングの形であり得る。あるいは、ライナーは、複数のセクション又はパネルの形であり得る。
【0043】
方法
また、本開示は、提供された再帰反射性シーティングを製造する方法に関する。前記方法は、エンボス層を熱的エンボス加工して、エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップを含む。熱的エンボス加工は、エンボス層をエンボス加工ツールに供給し、層を加熱してツール上のパターンがエンボス層材料に押圧されるようにし、その後層を冷却することを含み得る。特定の態様において、熱的エンボス加工は、エンボス層の背面上に再帰反射性要素を形成し、エンボス層の反対側の前面にフレキシブル面層を付着する。
【0044】
一部の実施形態において、前記方法は、エンボス層の背面にフレキシブルバッキング層を連結するステップを含む。特定の態様において、連結は、エンボス層の背面の一部にフレキシブルバッキング層を封止して、フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素で複数のエアギャップを規定することを含む。一部の実施形態において、前記方法は、エンボス層の背面に金属化層を連結するステップを含む。特定の態様において、金属化層は真空金属化が適用される。特定の態様において、金属化層は、スパッタリング又はプラズマコーティングによって適用される。
【0045】
また、前記方法は、インターリーフ層を接着剤でコーティングするステップを含む。インターリーフ層の第1の面は、第1の接着剤層でコーティングされ、インターリーフ層の第2の面は、第2の接着剤層でコーティングされる。インターリーフ層と接着剤層とが転写テープを形成し、その後シーティングのバッキング層又は金属化層に積層される。一部の実施形態において、剥離ライナーはまた、第2の接着剤層の露出面に付着される。
【0046】
実施形態
以下の実施形態が考慮される。特徴及び実施形態のすべての組み合わせが考慮される。
【0047】
実施形態1:フレキシブル再帰反射性シーティングは、前面と、複数の再帰反射性要素を含む反対側の背面とを有するエンボス層と、前記エンボス層の背面と接触するフレキシブルバッキング層と、前記エンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に連結された第1の接着剤層と、40%超えの不透明度を有し、前記フレキシブルバッキング層の反対側の第1の接着剤層に連結されたインターリーフ層と、前記第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結された第2の接着剤層と、を含む。
【0048】
実施形態2:実施形態1の実施形態において、前記エンボス層は、エンボスの色を有し、前記インターリーフ層は、前記エンボスの色とのCIEDE2000色差が20未満であるインターリーフの色を有する。
【0049】
実施形態3:実施形態1の実施形態において、前記エンボス層は透明であり、前記フレキシブルバッキング層は、バッキングの色を有し、前記インターリーフ層は、前記エンボスの色とのCIEDE2000色差が20未満であるインターリーフの色を有する。
【0050】
実施形態4:実施形態1~3のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、空洞化したフィルムを含む。
【0051】
実施形態5:実施形態1~4のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~200%の範囲の引張ひずみを有する。
【0052】
実施形態6:実施形態1~5のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、20lbf~60lbfの範囲の破断時の力を有する。
【0053】
実施形態7:実施形態1~6のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、45ksi~275ksiの範囲のヤング率を有する。
【0054】
実施形態8:実施形態1~7のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、0.2ミル~4ミルの範囲の厚さを有する。
【0055】
実施形態9:実施形態1~8のいずれかの実施形態において、前記エンボス層は、0.5ミル~10ミルの範囲の厚さを有する。
【0056】
実施形態10:実施形態1~9のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の厚さに対する前記エンボス層の厚さの比は、0.1~20の範囲である。
【0057】
実施形態11:実施形態1~10のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0058】
実施形態12:実施形態1~11のいずれかの実施形態において、前記フレキシブルバッキング層は、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択された1つ以上のポリマーを含む。
【0059】
実施形態13:実施形態1~12のいずれかの実施形態において、前記エンボス層は、アクリル、ポリカーボネート、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0060】
実施形態14:実施形態1~14のいずれかの実施形態において、前記フレキシブルバッキング層は、前記エンボス層の背面の一部に直接付着され、前記フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素は、複数のエアギャップを規定する。
【0061】
実施形態15:実施形態1~14のいずれかの実施形態において、前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層は、それぞれ独立して感圧接着剤を含む。
【0062】
実施形態16:実施形態1~15のいずれかの実施形態において、前記エンボス層の前面に連結されたフレキシブル面層をさらに含む。
【0063】
実施形態17:実施形態16の実施形態において、前記フレキシブル面層は、1ミル~35ミルの範囲の厚さを有する。
【0064】
実施形態18:実施形態16又は17の実施形態において、前記エンボス層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.1~70の範囲である。
【0065】
実施形態19:実施形態16~18のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.2~175の範囲である。
【0066】
実施形態20:実施形態16~19のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル面層は、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0067】
実施形態21:実施形態1~20のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に付着された剥離ライナーをさらに含む。
【0068】
実施形態22:実施形態1~21のいずれかの実施形態において、前記フレキシブルバッキング層は、バッキングの色を有し、前記インターリーフ層は、58%超えの不透明度及び前記バッキングの色とのCIEDE2000色差が10未満であるインターリーフの色を有する。
【0069】
実施形態23:実施形態1~22のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、58%超えの不透明度を有し、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する。
【0070】
実施形態24:実施形態1~23のいずれかの実施形態において、前記フレキシブルバッキング層は、バッキングの色を有し、前記インターリーフ層は、前記バッキングの色とのCIEDE2000色差が10未満であるインターリーフの色を有し、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する。
【0071】
実施形態25:フレキシブル再帰反射性シーティングを製造するための方法であって、前記方法は、エンボス層を熱的エンボス加工して、前記エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップと、前記エンボス層の背面にフレキシブルバッキング層を連結するステップと、インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、前記インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップと、前記エンボス層の反対側のフレキシブルバッキング層に前記転写テープを積層するステップと、を含む。
【0072】
実施形態26:実施形態25の実施形態において、前記連結は、前記エンボス層の背面の一部に前記フレキシブルバッキング層を封止して、前記フレキシブルバッキング層及び再帰反射性要素で複数のエアギャップを規定することを含む。
【0073】
実施形態27:実施形態25または26の実施形態において、前記熱的エンボス加工は、前記エンボス層の背面とは反対側の前記エンボス層の前面にフレキシブル面層をさらに付着する。
【0074】
実施形態28:実施形態25~27のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層にライナー層を付着するステップをさらに含む。
【0075】
実施形態29:フレキシブル再帰反射性シーティングは、前面及び複数の再帰反射性要素を含む反対側の背面を有し、エンボスの色を有するエンボス層と、前記エンボス層の背面上に直接配置された金属化層と、前記エンボス層の反対側の金属化層に連結された第1の接着剤層と、前記金属化層の反対側の第1の接着剤層に連結され、40%超えの不透明度及び前記エンボスの色とのCIEDE2000色差が20未満であるインターリーフの色を有するインターリーフ層と、前記第1の接着剤層の反対側のインターリーフ層に連結された第2の接着剤層と、を含む。
【0076】
実施形態30:実施形態29の実施形態において、前記インターリーフ層は、空洞化されたフィルムを含む。
【0077】
実施形態31:実施形態29または30の実施形態において、フレキシブル再帰反射性フィルムは、30%~200%の範囲の引張ひずみを有する。
【0078】
実施形態32:実施形態29~31のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル再帰反射性フィルムは、20lbf~60lbfの範囲の破断時の力を有する。
【0079】
実施形態33:実施形態29~32のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル再帰反射性フィルムは、45ksi~275ksiの範囲のヤング率を有する。
【0080】
実施形態34:実施形態29~33のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、0.2ミル~4ミルの範囲の厚さを有する。
【0081】
実施形態35:実施形態29~34の実施形態において、前記エンボス層は、0.5ミル~10ミルの範囲の厚さを有する。
【0082】
実施形態36:実施形態29~35のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の厚さに対する前記エンボス層の厚さの比は、0.1~20の範囲である。
【0083】
実施形態37:実施形態29~36のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0084】
実施形態38:実施形態29~37のいずれかの実施形態において、前記エンボス層は、アクリル、ポリカーボネート、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0085】
実施形態39:実施形態29~38のいずれかの実施形態において、前記再帰反射性要素が金属化される。
【0086】
実施形態40:実施形態29~39のいずれかの実施形態において、前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層は、それぞれ独立して感圧接着剤を含む。
【0087】
実施形態41:実施形態29~40のいずれかの実施形態において、前記エンボス層の前面に連結されたフレキシブル面層をさらに含む。
【0088】
実施形態42:実施形態41の実施形態において、前記フレキシブル面層は1ミル~35ミルの範囲の厚さを有する。
【0089】
実施形態43:実施形態41または42の実施形態において、前記エンボス層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.1~70の範囲である。
【0090】
実施形態44:実施形態41~43のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の厚さに対する前記フレキシブル面層の厚さの比は、0.25~175の範囲である。
【0091】
実施形態45:実施形態41~44のいずれかの実施形態において、前記フレキシブル面層は、アクリル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、及びポリウレタンからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0092】
実施形態46:実施形態29~45のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に付着された剥離ライナーをさらに含む。
【0093】
実施形態47:実施形態29~46のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、58%超えの不透明度及び前記エンボスの色とのCIEDE2000色差が10未満であるインターリーフの色を有する。
【0094】
実施形態48:実施形態29~47のいずれかの実施形態において、前記インターリーフ層は、58%超えの不透明度を有し、前記フレキシブル再帰反射性シーティングは、30%~150%の範囲の引張強度を有する。
【0095】
実施形態49:フレキシブル再帰反射性シーティングを製造するための方法であって、前記方法は、エンボス層を熱的エンボス加工して、前記エンボス層の背面上に複数の再帰反射性要素を形成するステップと、前記エンボス層の背面に金属化層を直接連結するステップと、インターリーフ層の第1の面を第1の接着剤層でコーティングし、前記インターリーフ層の反対側の第2の面を第2の接着剤層でコーティングして、転写テープを形成するステップと、前記エンボス層の反対側の金属化層に前記転写テープを積層するステップと、を含む。
【0096】
実施形態50:実施形態49の実施形態において、前記熱的エンボス加工は、前記エンボス層の背面とは反対側の前記エンボス層の前面にフレキシブル面層をさらに付着する。
【0097】
実施形態51:実施形態49または50の実施形態において、前記インターリーフ層の反対側の第2の接着剤層に剥離ライナーを付着するステップをさらに含む。
【0098】
実施形態52:表面にフレキシブル再帰反射性シーティングを適用するための方法であって、前記方法は、外面を有する表面を提供するステップと、実施形態1~24及び29~48のいずれかに記載の再帰反射性シーティングを提供するステップと、前記表面の外面に前記再帰反射性シーティングの第2の層を接着するステップを含む。
【0099】
実施形態53:実施形態52の実施形態において、前記表面は、ポリ塩化ビニル、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0100】
実施形態54:物品は、外面を有する表面と、前記表面の外面に接着された実施形態1~24及び29~48の実施形態のいずれかに記載の再帰反射性シーティングを含む。
【0101】
実施形態55:実施形態54の実施形態において、前記表面は、ポリ塩化ビニル、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びポリカーボネートからなる群から選択される一つ以上のポリマーを含む。
【0102】
実施例
本開示は、以下の非限定的な実施例を考慮して、よりよく理解されるであろう。
【0103】
一連の再帰反射性シーティングの構造は、表1に示すように組み立てられた。それぞれのシーティングには、ポリ塩化ビニル(PVA)面層、白色のアクリルエンボス層、及びポリ塩化ビニルのバッキング層が含まれる。実施例1及び2には、Avery Dennison(カリフォルニア州グレンデール)から商業的に入手可能なS-9700接着剤の2つの層の間に挟まれた透明なインターリーフ層が含まれる。実施例3、4及び5には、2つのS-9700接着剤層の間に白色の着色されたインターリーフ層が含まれる。2つの比較用再帰反射性シーティング構造も準備された。これらの比較例A及び比較例Bのサンプルには、実施例1~5と同様の面層、エンボス層、及びバッキング層が含まれるが、インターリーフ層は含まれない。
【0104】
それぞれのシーティング構造は、ポリ塩化ビニルのカラーコーンに上部及び下部コーンカラーの形で適用された。その後、これらのコーンは、屋内環境でカラーを踏むステップ、及びコーンを38°Fの温度で2時間保管した後、屋外環境で車で2回通過してカラーにぶつかるステップを含む試験が行われた。これらのクラッシュ試験及び異なる引張特性の試験結果は、下記表1に示される。
【0105】
【0106】
表1の結果は、本明細書に記載しているようなフレキシブル再帰反射性シーティングにインターリーフ層を含むことで、前記シーティングが、カラーコーンなどの交通安全装置との歩行者衝突をシミュレートするステップクラッシュ(step crush)試験の応力にさらに耐えることができることを示している。結果は、シーティング構造のエンボス層とインターリーフ層とのカラーのマッチングにより、前記シーティングが、車両の衝突をシミュレートするカークラッシュ(car crush)試験のより大きな力を受けて、目に見える亀裂の形成を最小化又は防止できることをさらに示す。
【0107】
本開示を詳細に説明したが、本開示の思想及び範囲内での変更は、当業者には容易に明らかになるであろう。前述の考察の観点から、前記考察された技術分野における関連知識及び参考文献は、背景技術及び詳細な説明に関連し、これらの開示はすべて、参照により本明細書に組み込まれる。また、本発明の態様及び様々な実施形態の一部、並びに以下及び/又は添付の請求範囲に挙げられる様々な特徴は、全体的又は部分的に組み合わせ得る又は相互交換され得ることが理解されるべきである。様々な実施形態の前述の説明において、別の実施形態を参照するこれらの実施形態は、当業者によって理解されるように、他の実施形態と適宜組み合わせることができる。さらに、当業者は、前述の説明が単なる例であり、本発明の限定を意図するものではないことを理解するであろう。