(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/26 20060101AFI20230825BHJP
F24F 1/0358 20190101ALI20230825BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F24F1/0358
(21)【出願番号】P 2019013358
(22)【出願日】2019-01-29
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】参納 彩
(72)【発明者】
【氏名】堀 達也
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-120136(JP,A)
【文献】特開2014-159024(JP,A)
【文献】特開2009-291711(JP,A)
【文献】特開2005-214533(JP,A)
【文献】特開2015-062880(JP,A)
【文献】特開2015-062882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26 -53/28
F24F 1/0083
F24F 1/02
F24F 1/0358
F24F 3/00 - 3/167
D06F 58/00 -58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気吸込口と空気吹出口を有する本体ケースと、
圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを順に連結した冷凍サイクルと、
前記空気吸込口から吸い込んだ本体ケース外の空気を、前記冷凍サイクルを通過させた後に前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す送風機と、
鉛直方向に流れる第1熱交換風路を流れる空気と水平方向に流れる第2熱交換風路を流れる空気とを熱交換する熱交換器と、
前記吸熱器の上端は、前記熱交換器の天面より上方に突出し、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の前記第1熱交換風路、前記熱交換器の天面より下方に配置された前記吸熱
器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第1の除湿経路と、
前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の天面より下方に配置された記前吸熱
器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第2の除湿経路と、を備え、
前記吸熱器と、前記熱交換器の前記第2熱交換風路と、前記放熱器と、前記送風機とは、前記本体ケースにおける前後方向に一直線上に配置され、
前記吸熱器には下方から上方へ冷媒が流れることを特徴とした除湿装置。
【請求項2】
前記空気吸込口と、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器との間の前記第2の除湿経路に、開閉装置を備えることを特徴とした請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
前記本体ケースに設けられた温度測定部と、
前記温度測定部の測定温度によって前記開閉装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記測定温度が所定の温度以上で閉じることを特徴とした請求項2に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、居住空間などに用いられる除湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の除湿装置は、吸気口と吹出口とを有する本体ケースと、この本体ケース内に設けられたヒートポンプ装置と熱交換器とを備えている。
【0003】
ヒートポンプ装置は、圧縮機、放熱器、膨張部、吸熱器により形成され、吸気口から吸気した第1の空気が熱交換器内の第1の風路を流れて第2の空気となり、第2の空気が吹出口に向かって熱交換部内の第2の風路を流れて第1の空気と第2の空気とが熱交換を行う。
【0004】
吸気口から熱交換器の第1の風路、吸熱器、熱交換器の第2の風路、放熱器を経て吹出口までの除湿風路内に送風部が備えられていた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような除湿装置では、熱交換器の第1の風路と第2の風路は同一の風路で構成されるため、風量バランスを自由にコントロールすることができない。そのため、第1の空気が第1の風路で十分に冷却されない場合があるという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、除湿性能を向上した除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明に係る除湿装置は、空気吸込口と空気吹出口を有する本体ケースと、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを順に連結した冷凍サイクルと、前記空気吸込口から吸い込んだ本体ケース外の空気を、前記冷凍サイクルを通過させた後に前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す送風機と、鉛直方向に流れる第1熱交換風路を流れる空気と水平方向に流れる第2熱交換風路を流れる空気とを熱交換する熱交換器と、前記吸熱器の上端は、前記熱交換器の天面より上方に突出し、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の前記第1熱交換風路、前記熱交換器の天面より下方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第1の除湿経路と、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の天面より下方に配置された記前吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第2の除湿経路と、を備え、前記吸熱器と、前記熱交換器の前記第2熱交換風路と、前記放熱器と、前記送風機とは、前記本体ケースにおける前後方向に一直線上に配置され、前記吸熱器には下方から上方へ冷媒が流れるものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、本発明に係る除湿装置は、空気吸込口と空気吹出口を有する本体ケースと、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを順に連結した冷凍サイクルと、前記空気吸込口から吸い込んだ本体ケース外の空気を、前記冷凍サイクルを通過させた後に前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す送風機と、鉛直方向に流れる第1熱交換風路を流れる空気と水平方向に流れる第2熱交換風路を流れる空気とを熱交換する熱交換器と、前記吸熱器の上端は、前記熱交換器の天面より上方に突出し、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の前記第1熱交換風路、前記熱交換器の天面より下方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第1の除湿経路と、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の天面より下方に配置された記前吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を順次介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第2の除湿経路と、を備え、前記吸熱器と、前記熱交換器の前記第2熱交換風路と、前記放熱器と、前記送風機とは、前記本体ケースにおける前後方向に一直線上に配置され、前記吸熱器には下方から上方へ冷媒が流れる構成にしたことにより、熱交換器の第2熱交換風路の風量が増加し、熱交換器を十分に冷却させることができるので、第1の除湿経路における第1熱交換風路での冷却が十分に行えるので、除湿性能を向上させることができる。また、熱交換器全体が冷却されるので、除湿性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る除湿装置は、空気吸込口と空気吹出口を有する本体ケースと、圧縮機と放熱器と膨張器と吸熱器とを順に連結した冷凍サイクルと、前記空気吸込口から吸い込んだ本体ケース外の空気を、前記冷凍サイクルを通過させた後に前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す送風機と、第1熱交換風路を流れる空気と第2熱交換風路を流れる空気とを熱交換する熱交換器と、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の前記第1熱交換風路、前記吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第1の除湿経路と、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記吸熱器、前記吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す第2の除湿経路と、を備えた構成を有する。これにより、熱交換器の第2熱交換風路の風量が増加し、熱交換器を十分に冷却させることができるので、第1熱交換風路の冷却が十分に行えるので、除湿性能を向上させることができる。
【0012】
また、前記吸熱器と、前記熱交換器の前記第2熱交換風路と、前記放熱器と、前記送風機とは、前記本体ケースにおける前後方向に一直線上に配置され、前記吸熱器の上端は、前記熱交換器の天面より上方に突出し、前記第2の除湿経路は、前記送風機によって前記空気吸込口から前記本体ケース内に吸い込んだ空気を、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の天面より下方に配置された前記吸熱器、前記熱交換器の前記第2熱交換風路、前記放熱器、前記送風機を介して前記空気吹出口から前記本体ケース外に吹き出す構成にしてもよい。これにより、吸熱器上部の、冷媒下流側で冷媒が気化し比較的温度が高い領域を通過した空気が、吸熱器下部の冷媒上流側を通過し、十分に冷却された後に、熱交換器の第2熱交換風路に供給されることで、熱交換器全体が冷却されるので、除湿性能を向上させることができる。
【0013】
また、前記空気吸込口と、前記熱交換器の天面より上方に配置された前記吸熱器との間の前記第2の除湿経路に、開閉装置を備える構成としてもよい。これにより、第1の除湿経路の風量および第1熱交換風路と第2熱交換風路のバランスを調整することで、熱交換器の熱交換量を調整することができ、結果として、除湿性能を向上することができる。
【0014】
また、前記本体ケースに設けられた温度測定部と、前記温度測定部の測定温度によって前記開閉装置を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記測定温度が所定の温度以上で閉じる構成としてもよい。これにより、吸熱器の吸熱量が過剰になったときに第2の除湿経路を閉じることにより、吸熱器の温度上昇を防ぎ、結果として、除湿性能を向上することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1の除湿装置の外観図であり、
図2は
図1内のA-A断面における概略を示す断面図である。
【0017】
図1、2に示すように、除湿装置の本体ケース1は箱形状で、背面には空気吸込口2を備え、天面の前面側には空気吹出口3を有している。
【0018】
本体ケース1内には、冷凍サイクルと、熱交換器4と、送風機5とを備えている。
【0019】
冷凍サイクルは、圧縮機6、放熱器7、膨張器8としてキャピラリーチューブ、吸熱器9とからなり、これらを、この順に冷媒配管10で接続して形成している。この吸熱器9で除湿対象となる空気を冷却除湿するものである。放熱器7と吸熱器9とは、対向して配置されている。放熱器7は、本体ケース1における前面側に配置され、吸熱器9は、本体ケース1における背面側に配置されている。
【0020】
図3は、熱交換器4の構成を示す概略図である。
図2、3に示すように、熱交換器4は、伝熱板A11および伝熱板B12を交互に積層することにより構成されており、それぞれの伝熱板には、積層した際に風路が構成できるようにリブ13が設けられている。そして、鉛直方向に流れる第1熱交換風路14と、水平に流れる第2熱交換風路15とを構成し、この風路間でそれぞれの伝熱板を介して熱交換を行っている。熱交換器4は、伝熱板を積層した状態で下面が傾斜した立方体となり、放熱器7と吸熱器9との間で、吸熱器9から放熱器7への風路中に設けられている。
【0021】
送風機5は、スクロール形状のケーシング部16と、このケーシング部16に固定されたモータ部17と、このモータ部17によって回転する羽根部18とから形成している。ケーシング部16は、吸込口19と吐出口20とを備えている。この吸込口19は、放熱器7に対向している。吸熱器9と、熱交換器4の第2熱交換風路15と、放熱器7と、送風機5とは、水平方向に一直線上に配置されている。すなわち、吸熱器9と、熱交換器4と、放熱器7と、吸込口19とは、一直線上に風路を有するものである。
【0022】
送風機5によって、矢印に示すように、空気吸込口2からに吸気した空気は、熱交換器4の第1熱交換風路14へ流入して、すでに吸熱器9により冷却除湿された空気と熱交換して予冷されたのち、吸熱器9における熱交換器4の底面より下方に突出した部分を通過し、その後風向を反転させ、さらに吸熱器9の残りの部分を通って冷却除湿される。なお、熱交換器4の底面より下方に突出した部分は通過せず、吸熱器9に一度のみ通過する風路もある。また、吸熱器9は、熱交換器4の底面から突出させず、吸熱器9の下端と熱交換器4の底面の上端とを同じ高さにしてもよい。
【0023】
冷却除湿された空気は熱交換器4の第2熱交換風路15に流入し空気吸込口2から吸気した空気によって加熱され、放熱器7でさらに加熱され、送風機5によって機外に送風される。上記風路が、除湿を行う除湿経路21となる。
【0024】
熱交換器4および吸熱器9の下方には、水受け手段22が設置されている。水受け手段22には、熱交換器4の第1熱交換風路14および吸熱器9に生成される結露水が滴下する。すなわち、空気吸込口2から流入した空気が熱交換器4にて予冷される段階で、第1熱交換風路14内で水分が結露して水滴となって滴下することがあるが、熱交換器4の下方に除湿経路21を兼ねた水受け手段22を配置して結露水を受ける構造となっている。
【0025】
また、本体ケース1内の水受け手段22の下部には、結露水を貯水するタンク24を備え、水受け手段22に設けた、たまった水滴をタンク24に導出するドレン孔25を通って、除湿水はタンク24に回収される。
【0026】
また、吸熱器9の熱交換器4の反対側(本体ケース1の空気吸込口2側)で、水受け手段22の上方には、吸熱器カバー23を設ける。水受け手段22と吸熱器カバー23は、除湿経路21における熱交換器4の第1熱交換風路14から吸熱器9までの風路の一部である。
【0027】
本実施形態における特徴は、第1の除湿経路21aと、第2の除湿経路21bと、を備えた構成としたことである。第1の除湿経路21aは、送風機5によって空気吸込口2から本体ケース1内に吸い込まれた空気が、熱交換器4の第1熱交換風路14、吸熱器9、熱交換器4の第2熱交換風路15、放熱器7、送風機5を介して空気吹出口3から本体ケース1外に吹き出る風路である。第2の除湿経路21bは、送風機5によって空気吸込口2から本体ケース1内に吸い込まれた空気が、吸熱器9、吸熱器9、熱交換器4の第2熱交換風路15、放熱器7、送風機5を介して空気吹出口3から本体ケース1外に吹き出る風路である。
【0028】
なお、第1の除湿経路21aと第2の除湿経路21bは、空気吸込口2までは、同一の経路であり、本体ケース1内で、それぞれの経路に分かれる。そして、第1の除湿経路21aは、熱交換器4の第1熱交換風路14を、第2の除湿経路21bは、吸熱器9を通過した後に、合流し、再び同一の経路となり、吸熱器9、熱交換器4の第2熱交換風路15、放熱器7、送風機5を介して空気吹出口3から本体ケース1外に吹き出す。
【0029】
これにより、熱交換器4の第2熱交換風路15の風量が増加し、熱交換器4を十分に冷却させることができるので、第1熱交換風路14の冷却が十分に行えるので、結果として、除湿性能を向上させることができる。
【0030】
また、吸熱器9と、熱交換器4の第2熱交換風路15と、放熱器7と、送風機5とは、本体ケース1における前後方向に一直線上に配置されている。吸熱器9の上端は、熱交換器4の天面より上方に突出している。第2の除湿経路21bは、送風機5によって空気吸込口2から本体ケース1内に吸い込んだ空気を、熱交換器4の天面より上方に配置された吸熱器9、熱交換器4の天面より下方に配置された吸熱器9、熱交換器4の第2熱交換風路15、放熱器7、送風機5を介して空気吹出口3から本体ケース1外に吹き出す構成にしてもよい。
【0031】
冷凍サイクルでは、圧縮機6で冷媒を圧縮するため、圧縮機6へ流れ込む冷媒は、吸熱器9で十分に気化させるのが一般的である。つまり、吸熱器9の冷媒下流側においては冷媒が気化しているため、冷媒上流側よりも温度が高くなる。
【0032】
本発明では、熱交換器4では、吸熱器9で冷却された空気が第2熱交換風路15を通過することによって冷やされるが、吸熱器9の冷媒下流側のみを通過した後の空気では、十分に熱交換器4を冷却することができない。
【0033】
そこで、第2の除湿経路21bにおいて、熱交換器4の天面より上方に配置された吸熱器9、熱交換器4の天面より下方に配置された吸熱器9の順に通過させることによって、吸熱器9上部の、冷媒下流側で冷媒が気化し比較的温度が高い領域を通過した空気が、吸熱器9下部の冷媒上流側を通過し、十分に冷却された後に、熱交換器の第2熱交換風路15に供給されることで、熱交換器全体が冷却される。結果として、除湿性能を向上させることができる。
【0034】
また、空気吸込口2と、熱交換器4の天面より上方に配置された吸熱器9との間の第2の除湿経路21bに、開閉装置26を備える構成としてもよい。
【0035】
図4は、開閉装置26が閉じた状態のときの
図1内のA-A断面における概略を示す断面図である。開閉装置26が閉じると、第2の除湿経路21bが閉鎖され、除湿経路21は第1の除湿経路21aのみとなる。
【0036】
図4に示すように、開閉装置26を設けることで、第1の除湿経路21aの風量および第1熱交換風路14と第2熱交換風路15のバランスを調整し、熱交換器4の熱交換量を最適化できる。結果として、熱交換器4を十分に冷却できるため、除湿性能を向上することができる。
【0037】
また、本体ケース1に設けられた温度測定部27と、温度測定部27の測定温度によって開閉装置26を制御する制御部28とを備え、制御部28は、測定温度が所定の温度以上で開閉装置26を閉じる構成としてもよい。
【0038】
本体ケース1外の温度が上昇して、空気吸込口2から本体ケース1内に流入する空気の水分量が増加すると、吸熱器9の冷媒蒸発が促進され、気化領域が増加する。すると、熱交換器4に十分に冷却されていない空気が通過することとなる。開閉装置26を閉じることによって、第2の除湿経路21bを閉鎖し、吸熱器9の風量を低下させ、吸熱器9が必要以上に温度上昇することを防ぐことができる。結果として、熱交換器4を十分に冷却できるため、除湿性能を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る除湿装置は、除湿性能の向上を可能とするものであるので、居室空間などで使用される除湿装置等として有用である。
【符号の説明】
【0040】
1 本体ケース
2 空気吸込口
3 空気吹出口
4 熱交換器
5 送風機
6 圧縮機
7 放熱器
8 膨張器
9 吸熱器
10 冷媒配管
11 伝熱板A
12 伝熱板B
13 リブ
14 第1熱交換風路
15 第2熱交換風路
16 ケーシング部
17 モータ部
18 羽根部
19 吸込口
20 吐出口
21 除湿経路
21a 第1の除湿経路
21b 第2の除湿経路
22 水受け手段
23 吸熱器カバー
24 タンク
25 ドレン孔
26 開閉装置
27 温度測定部
28 制御部