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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】換気システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/08 20060101AFI20230825BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
F24F7/08 101J
F24F7/08 101M
F24F7/007 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019095334
(22)【出願日】2019-05-21
(65)【公開番号】P2020134121
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-03-16
(31)【優先権主張番号】P 2019026206
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】服部 慎也
(72)【発明者】
【氏名】清本 訓央
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康浩
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-161487(JP,A)
【文献】特開2016-017701(JP,A)
【文献】特開2015-143580(JP,A)
【文献】特開2008-309381(JP,A)
【文献】特開2002-168503(JP,A)
【文献】国際公開第2019/026256(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/181442(WO,A1)
【文献】特開平11-125450(JP,A)
【文献】特開2005-147563(JP,A)
【文献】国際公開第2009/091310(WO,A2)
【文献】国際公開第2015/146018(WO,A1)
【文献】特開2016-153701(JP,A)
【文献】特開2010-242997(JP,A)
【文献】特開2018-159476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/08
F24F 7/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給気送風部と、排気送風部と、熱交換器と、を備えた第1の換気装置と、
浴室の空気を排気する第2の換気装置と、
前記第1の換気装置の室内側吹出口から吹き出される空気の温度を検知する室内側給気温度センサと、
前記第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の温度を検知する室内側排気温度センサと、
前記第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の湿度を検知する室内側排気湿度センサと、
前記第1の換気装置の運転を制御する制御部と、
を備え、
前記給気送風部は、給気用モータと、給気用ファンを含み、
前記排気送風部は、排気用モータと、排気用ファンを含み、
前記熱交換器は、室内へ給気される空気と室外へ排気される空気の間で熱交換を行い、
前記第2の換気装置が排気運転を行う場合、前記第1の換気装置は、前記排気用モータの回転数を減少させつつ排気運転を継続し、
前記制御部は、前記室内側排気温度センサ及び前記室内側排気湿度センサの検知結果から算出された室内の露点温度が、前記室内側給気温度センサの検知した給気温度以上である場合、前記排気用モータの回転数を、前記第2の換気装置が運転開始する前の回転数未満の範囲で増加させる換気システム。
【請求項2】
記制御部は、前記第1の換気装置における熱交換が不要と判断した場合に前記排気用モータの回転数を減少させる請求項1に記載の換気システム。
【請求項3】
前記第2の換気装置により吸い込まれた前記浴室の空気は、前記第1の換気装置に流入し、
前記熱交換器は、流入した前記浴室の空気から熱を回収する顕熱交換素子である請求項1または2に記載の換気システム。
【請求項4】
調理器の上方に設けられ、排気を行う第3の換気装置を備え、
前記第3の換気装置が排気運転を行う場合、前記第1の換気装置は、前記排気用モータの回転数を減少させる請求項1~のいずれか1項に記載の換気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の換気システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の換気システムとして、建物のトイレまたは浴室に設置され、室内空気を継続的に排気することで常時換気が実行可能な換気装置と、建物の天井裏空間に本体が設置され、室内空気と室外空気との間で熱交換を行い、室内への給気と室外への排気を同時に行う熱交換形換気装置とを備えたものが知られている。
【0003】
さらに、熱交換形換気装置は、室内への給気を行う給気送風機と室外への排気を行う排気送風機の駆動用モータを個別に備え、継続的に常時換気が実行可能であり、気温と湿度の任意に設定された条件に基づいて、排気送風機の駆動用モータを停止するものが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-195008号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の換気システムにおいては、たとえば熱交換をあまり必要としない温度と湿度の条件において、熱交換形換気装置の排気送風機の駆動用モータを停止することで、換気システムの消費電力を軽減する。しかし、熱交換形換気装置の排気送風機を停止すると、熱交換器運転が行われなくなり、室外空気の温度と湿度がそのまま室内に流入するため、使用者が不快に感じる可能性を有するという課題があった。
【0006】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、消費電力を軽減しつつ、室内に快適な空気を供給する換気システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そして、この目的を達成するために、本発明の一態様に係る換気システムは、給気送風部と、排気送風部と、熱交換器と、を備えた第1の換気装置と、浴室の空気を排気する第2の換気装置と、前記第1の換気装置の室内側吹出口から吹き出される空気の温度を検知する室内側給気温度センサと、前記第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の温度を検知する室内側排気温度センサと、前記第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の湿度を検知する室内側排気湿度センサと、前記第1の換気装置の運転を制御する制御部と、を備え、前記給気送風部は、給気用モータと、給気用ファンを含み、前記排気送風部は、排気用モータと、排気用ファンを含み、前記熱交換器は、室内へ給気される空気と室外へ排気される空気の間で熱交換を行い、前記第2の換気装置が排気運転を行う場合、前記第1の換気装置は、前記排気用モータの回転数を減少させつつ排気運転を継続し、前記制御部は、前記室内側排気温度センサ及び前記室内側排気湿度センサの検知結果から算出された室内の露点温度が、前記室内側給気温度センサの検知した給気温度以上である場合、前記排気用モータの回転数を、前記第2の換気装置が運転開始する前の回転数未満の範囲で増加させる換気システムであり、これにより、所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、消費電力を軽減しつつ、室内に快適な空気を供給する換気システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換形換気装置の斜視図
図2】同熱交換形換気装置の断面図
図3】同熱交換形換気装置の構成を示すブロック図
図4】同浴室換気乾燥機の断面図
図5】同浴室換気乾燥機の構成を示すブロック図
図6】本発明の実施の形態1に係る換気システムを備える住宅の模式図
図7】同システムの制御方法を示すフローチャート
図8】同システムの制御方法を示すフローチャート
図9】同システムの制御方法を示すフローチャート
図10】本発明の実施の形態2に係る換気システムを備える住宅の模式図
図11】本発明の実施の形態3に係るレンジフードの断面図
図12】本発明の実施の形態3に係る換気システムの構成を示すブロック図(第3の制御部の信号を第1の制御部が受信する場合)
図13】同換気システムの制御方法を示すフローチャート
図14】同換気システムの制御方法を示すフローチャート
図15】同換気システムの制御方法を示すフローチャート
図16】本発明の実施の形態4に係る換気システムの構成を示すブロック図(第1の制御部の信号を第3の制御部が受信する場合)
図17】同換気システムの制御方法を示すフローチャート
図18】同換気システムの構成を示すブロック図(第4の制御部が、第1の制御部および第3の制御部と双方向に信号を受信する場合)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一態様に係る換気システムは、給気送風部と、排気送風部と、熱交換器と、を備えた第1の換気装置と、浴室の空気を排気する第2の換気装置と、を備え、給気送風部は、給気用モータと、給気用ファンを含み、排気送風部は、排気用モータと、排気用ファンを含み、熱交換器は、室内へ給気される空気と室外へ排気される空気の間で熱交換を行い、第2の換気装置が排気運転を行う場合、第1の換気装置は、排気用モータの回転数を減少させつつ排気運転を継続する。
【0011】
このような構成によれば、第2の換気装置による排気運転を継続し、排気される空気と吸い込まれる外気との間で少量の熱交換を行う。これにより、少量の熱交換された外気が室内に供給されるので、室内に快適な空気を供給することができる。また、排気用モータの回転数を減少させることで、換気システムの消費電力を軽減することができる。
【0012】
また、第1の換気装置の運転を制御する制御部を備え、制御部は、第1の換気装置における熱交換が不要と判断した場合に排気用モータの回転数を減少させるという構成にしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、排気用モータの回転数の制御を容易に実現可能とすることができる。
【0014】
また、第1の換気装置の室内側吹出口から吹き出される空気の温度を検知する室内側給気温度センサと、第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の温度を検知する室内側排気温度センサと、第1の換気装置の室内空気吸込口から吸い込まれる空気の湿度を検知する室内側排気湿度センサと、を備え、排気用モータの回転数は、室内側給気温度センサの検知温度、室内側排気温度センサの検知温度および室内側排気湿度センサの検知湿度に基づいて設定されるという構成にしてもよい。
【0015】
このような構成によれば、室内に供給される屋外空気と、室内空気との温度差により結露が発生することを抑制することができる。
【0016】
また、第2の換気装置により吸い込まれた浴室の空気は、第1の換気装置に流入し、熱交換器は、流入した浴室の空気から熱を回収する顕熱交換素子であるという構成にしてもよい。
【0017】
このような構成によれば、熱交換器において浴室の熱を回収することで、より快適な空気を室内に供給することができる。
【0018】
また、調理器の上方に設けられ、排気を行う第3の換気装置を備え、第3の換気装置が排気運転を行う場合、第1の換気装置は、排気用モータの回転数を減少させるという構成にしてもよい。
【0019】
このような構成によれば、換気システムの消費電力をさらに軽減するとともに、室内が負圧になることを抑制することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
まず、図1および図2を用いて熱交換形換気装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る熱交換形換気装置の斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る熱交換形換気装置の断面図である。
【0022】
図1に示すように、熱交換形換気装置1は、箱形の本体を有する。本体の例えば側面には、外気吸込口2、室内空気排気口3(室内側吸込口)、および外気給気口4(室内側吹出口)が設けられている。本体の例えば下面には、室内空気吸込口5が設けられている。本体は、居室の天井裏等に設置される。
【0023】
外気給気口4は、外気吸込口2または室内空気排気口3が設けられた側面に対向した側面に設けられる。
【0024】
外気吸込口2、室内空気排気口3、外気給気口4には、それぞれダクトが接続できる形状となっている。外気吸込口2と室内空気排気口3に接続したダクトは建物外壁面まで引き回して建物外の屋外空気と連通する。外気給気口4に接続したダクトは居室の天井面または壁面と連通されて室内空気と連通する。室内空気吸込口5は、居室に露出する面に設けられ、居室と連通する。
【0025】
図2に示すように、熱交換形換気装置1の内部には、熱交換素子6、第1の制御部13と、排気送風部17および給気送風部18が設けられている。
【0026】
給気送風部18は、給気用ファン9と、給気用モータ11と、を有する。給気用ファン9は、給気用モータ11により回転する。給気用モータ11とは例えばDCモータ等である。
【0027】
排気送風部17は、排気用ファン10と、排気用モータ12と、を有する。排気用ファン10は、排気用モータ12により回転する。排気用モータ12とは例えばDCモータ等である。
【0028】
排気送風部17および給気送風部18は、第1の制御部13によって動作が制御される。具体的には、第1の制御部13は、給気用モータ11と排気用モータ12の回転数を制御する。
【0029】
熱交換形換気装置1は、給気風路7および排気風路8を有する。
【0030】
給気風路7において、熱交換形換気装置1に取り込まれた屋外空気は、熱交換素子6を通過し排気される空気との間で熱交換が行われる。その後、屋外空気は、給気用ファン9に吸い込まれて、室内側吹出口から室内に供給される。すなわち、給気風路7は、新鮮な屋外の空気(給気空気)を外気吸込口2から吸い込み、熱交換形換気装置1の内部の熱交換素子6を通って外気給気口4から室内に供給する経路である。
【0031】
排気風路8において排気される空気は、室内空気吸込口5から本体内部に吸い込まれ、熱交換素子6を通過し、給気される空気との間で熱交換を行い、排気用ファン10に吸い込まれる。排気用ファン10に吸い込まれた空気は、室内空気排気口3から屋外に排出される。すなわち、排気風路8は、汚染された室内の空気(排気空気)を室内空気吸込口5から吸い込み、熱交換素子6を通って室内空気排気口3から室外に排気する経路である。
【0032】
熱交換素子6は、排気される空気の熱量を給気される空気に供給する、または、給気される空気の熱量を排気される空気の熱量に供給する、熱回収の機能を有している。熱交換素子6は、給気風路7と排気風路8とが交差する位置に配設される。
【0033】
なお、熱交換形換気装置1は、バイパス排気風路(図示せず)を備えていてもよい。熱交排気風路とバイパス排気風路との切り替え、すなわち熱交換素子を通る排気風路と通らない排気風路との切り替えは、ダンパ(図示せず)により行われてもよい。
【0034】
また、熱交換形換気装置1は、室内側給気温度センサ14と、室内側排気温度センサ15と、室内側排気湿度センサ16と、を備える。
【0035】
室内側給気温度センサ14は、給気風路7に設けられ、熱交換形換気装置1の外気給気口4から吹き出される空気(SA)の温度を検知する。室内側排気温度センサ15は、排気風路8に設けられ、熱交換形換気装置1の室内空気吸込口5から吸い込まれる空気(RA)の温度を検知する。室内側排気湿度センサ16は、排気風路8に設けられ、熱交換形換気装置1の室内空気吸込口5から吸い込まれる空気(RA)の湿度を検知する。
【0036】
なお、室内側排気温度センサ15と室内側排気湿度センサ16は、別体ではなく一体の温湿度センサであってもよい。また、室内側排気温度センサ15と室内側排気湿度センサ16は、後述する第1の操作部19に設けられてもよい。
【0037】
また、第1の制御部13は、熱交換形換気装置1の内部ではなく外部に設けられてもよい。
【0038】
次に、図3を用いて、熱交換形換気装置の構成を説明する。図3は、熱交換形換気装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
熱交換形換気装置1は、第1の制御部13と、第1の操作部19と、を備える。
【0040】
第1の制御部13は、給気送風部18および排気送風部17を制御する。具体的には、第1の制御部13は、給気用モータ11の回転数および排気用モータ12の回転数を制御する。これにより、第1の制御部13は、熱交換形換気装置1の給気風量および排気風量を制御する。
【0041】
第1の操作部19は、例えば居室に設けられ、給気送風部18と排気送風部17の少なくとも一つの運転を第1の制御部13へ指示する。また、第1の制御部13には、室内側給気温度センサ14からの温度情報、室内側排気温度センサ15からの温度情報および室内側排気湿度センサ16からの湿度情報が入力される。
【0042】
次に、図4を用いて本発明の換気システムに係る浴室換気乾燥機について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る浴室換気乾燥機の断面図である。
【0043】
浴室換気乾燥機20は、浴室の天井裏に設置されている。浴室換気乾燥機20は、循環用ファン25と、循環用モータ24と、浴室外吹出口23と、浴室空気吸込口21と、浴室内吹出口22を有する。
【0044】
浴室空気吸込口21から浴室外吹出口23へ浴室内の空気が送風される換気風路28が形成される。浴室換気乾燥機20に浴室換気運転が指示されると、循環用ファン25が作動し、浴室空気吸込口21から浴室の空気を吸い込む。浴室換気乾燥機20の内部に吸い込まれた浴室の空気は、浴室外吹出口23を通過して屋外に排気される。
【0045】
浴室空気吸込口21から浴室外吹出口23へ浴室内の空気が送風される循環風路27が形成される。浴室換気乾燥機20に浴室循環運転が指示されると、循環用ファン25が作動し、浴室空気吸込口21から浴室の空気を吸い込む。浴室換気乾燥機20の内部に吸い込まれた浴室の空気は、浴室内吹出口22を通過して浴室内に吹き出される。
【0046】
なお、循環風路27と換気風路28との切り替えは、風路変更手段26により行われる。風路変更手段26は、例えばステッピングモータと風路変更板とを備える。
【0047】
第2の制御部29は、例えば浴室換気乾燥機20の本体上面に設けられ、循環用ファン25と風路変更手段26の少なくとも一つの運転を制御する。
【0048】
次に、図5を用いて、浴室換気乾燥機の構成を説明する。図5は、浴室換気乾燥機の構成を示すブロック図である。
【0049】
浴室換気乾燥機20は、第2の制御部29と、第2の操作部30と、を備える。第2の制御部29は、循環用モータ24の運転あるいは風路変更手段26の動作を制御する。また、第2の制御部29は、第1の制御部13と電気的に接続される。第2の操作部30は、例えば脱衣室に設けられ、循環用ファン25と風路変更手段26の少なくとも一つの運転を第2の制御部29へ指示する。
【0050】
なお、浴室換気乾燥機20は、暖房機能あるいは加湿機能を有するものであってもよい。
【0051】
次に、図6を用いて本実施の形態に係る換気システムについて説明する。図6は、換気システムを備える住宅の模式図である。
【0052】
本実施の形態に係る換気システム100は、熱交換形換気装置1と、浴室換気乾燥機20と、を備えて構成される。
【0053】
熱交換形換気装置1と浴室換気乾燥機20は、例えばリレー(図示せず)を介して接続されている。
【0054】
熱交換形換気装置1は、給気側ダクト50を介して屋外と連通する。給気側ダクト50は、外気吸込口2と接続される。また、熱交換形換気装置1は、排気側ダクト51を介して屋外と連通する。排気側ダクト51は、室内空気排気口3と接続される。
【0055】
浴室換気乾燥機20は、浴室排気ダクト52を介して屋外と連通する。浴室排気ダクト52は、浴室外吹出口23と接続される。
【0056】
次に、図7を用いて本発明に係る換気システムの制御方法について説明する。図7は、本発明に係る換気システムの運転を示すフローチャートである。
【0057】
まず、図7に示す風量について、各定数の数値例を記載しておく。所定風量A:110m/h、第1風量A:80m/hである。つまり、「所定風量A>第1風量A」の関係を満たす値である。
【0058】
図7に示すように、浴室換気乾燥機20の排気運転が開始されると(S01)、第1の制御部13は、排気風量(EA風量)が所定風量Aから第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S02)。このとき、給気風量(SA風量)は減少させず、所定風量Aのままとする(S02)。すなわち、排気送風部17による排気風量を減少させた状態で、熱交換気運転を行う。熱交排気運転を少量で継続することで、熱交換形換気装置1において熱交換が行われ、熱交換された空気が室内に供給され続ける。
【0059】
そして、排気用モータ12の回転数を減少させた状態での熱交排気運転中に、浴室換気乾燥機20の排気運転が停止すると(S03)、第1の制御部13は、排気風量が第1風量Aから所定風量Aとなるように排気用モータ12の回転数を増加させる(S04)。これにより、減少させていた排気風量を増加させ、給気風量に近づけることで、効率よく熱交換を行うことができる状態とする。
【0060】
なお、排気用モータ12の回転数は、浴室換気乾燥機20による排気風量を考慮して設定されてもよい。また、浴室換気乾燥機20の排気運転が開始されたときに熱交換形換気装置1が運転していなかった場合に、熱交換形換気装置1の運転を開始するという構成であってもよい。このとき、排気送風部17による排気量は給気送風部18による給気量より小さいことが好ましい。熱交換気運転を行うことで、室内に熱交換後の空気を給気するとともに室内が負圧になることを抑制することができる。
【0061】
次に、検知された温度および湿度から排気用モータ12の回転数を設定する場合について図8を用いて説明する。図8は、本発明に係る換気システムの運転を示すフローチャートである。
【0062】
ここで、室内空気が凝結する温度を露点温度Tdとし、室内側給気温度センサ14により検知される給気空気(SA)の温度を給気温度(SA温度)Tとする。また、図8に示す風量について、定数の数値例は、第2風量A:90m/hである。つまり、「所定風量A>第2風量A>第1風量A」の関係を満たす値である。
【0063】
浴室換気乾燥機20の排気運転が開始されると(S10)、排気風量が所定風量Aから第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S11)。このとき、給気風量は減少させず、所定風量Aのままとする(S11)。
【0064】
そして、室内側排気温度センサ15および室内側排気湿度センサ16の検知結果から、露点温度Tdを算出する(S12)。また、室内側給気温度センサ14によって、給気温度Tを検知する(S12)。そして、給気温度Tと露点温度Tdを比較する(S13)。
【0065】
給気温度T≦露点温度Tdである場合(S13でYes)、給気温度T>露点温度Tdとするため、排気風量が第1風量Aから第2風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を増やす(S15)。その後、浴室換気乾燥機20での排気運転が停止すると(S16)、第1の制御部13は、排気風量が第2風量Aから所定風量Aとなるように排気用モータ12の回転数を増加させる(S17)。
【0066】
所定風量Aの給気風量に対して第1風量Aに減少させていた排気風量を第2風量Aまで増加させることで、熱交換効率を上昇させる。これにより、室内に給気される空気の温度が上昇する。その結果、室内空気と給気される空気との温度差で結露が発生することを抑制することができる。
【0067】
一方、給気温度Tと露点温度Tdを比較した結果、給気温度T>露点温度Tdである場合には(S13でNo)、排気風量は第1風量Aのまますなわち排気用モータ12の回転数を所定風量Aから減少させたまま運転を継続する(S14)。このとき、給気風量は所定風量Aのままである。その後、浴室換気乾燥機20での排気運転が停止すると(S16)、第1の制御部13は、排気風量が第1風量Aから所定風量Aとなるように排気用モータ12の回転数を増加させる(S17)。
【0068】
なお、一定時間後の給気空気の温度を給気温度T、給気温度Tとし、一定時間ごとに露点温度Tdとの比較を行い、排気用モータ12の回転数を制御する構成であってもよい。
【0069】
また、春あるいは秋などの中間期もしくは夏期の夜間のような場合に、熱交換が不要であると第1の制御部13が判断した場合には、熱交換形換気装置1の排気量をさらに減少させる構成としてもよい。
【0070】
熱交換が不要である場合の制御方法について図9を用いて説明する。図9に示す風量について、各定数の数値例は、第3風量A:120m/h、第4風量A:70m/hである。つまり、「第3風量A>所定風量A>第2風量A>第1風量A>第4風量A」の関係を満たす値である。
【0071】
浴室排気運転が開始されると(S30)、排気風量が所定風量Aから第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S31)。このとき、給気風量は減少させず、所定風量Aのままとする(S31)。
【0072】
そして、第1の制御部13は熱交換が必要かどうかを判定する(S32)。熱交換が必要であると判断した場合には(S32でYes)、給気用モータ11の回転数および排気用モータ12の回転数を維持する(S34)。熱交換が必要でないと判断した場合には(S32でNo)、排気風量が第1風量Aから第4風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数をさらに減少させる(S33)。このとき、給気風量が所定風量Aから第3風量Aとなるよう給気用モータ11の回転数を増加させてもよい(S33)。
【0073】
なお、熱交換が必要かどうかは、「屋内外の空気の温度差が所定値以下であるか」、「屋内外の空気の温度が所定の範囲内にあるか」等の指標を用いて、第1の制御部13により判定される。
【0074】
熱交換の要否に関わらず、浴室排気運転が停止すると(S35)、給気風量および排気風量が所定風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数と給気用モータ11の回転数を設定する(S36)。
【0075】
この構成によれば、熱交換が必要な場合には、熱交換形換気装置1の排気送風部17の運転をより小さくすることで消費電力を軽減することができる。また、熱交換が不要な場合には、熱交換形換気装置1の排気量を減少させつつ、給気量を増やす。これにより、室内をプラス圧にし、埃等の侵入を抑制することができる。そして室内の空気を清浄な状態に保つことができる。
【0076】
なお、熱交換が不要であると第1の制御部13が判断した場合に、熱交換形換気装置1において熱交換素子6を通過しないバイパス排気風路へ切り替える構成としてもよい。これにより、不要な熱交換を行わなくなるので、快適な空気を室内に供給することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係る換気システム100は、熱交換形換気装置1とレンジフード40(第3の換気装置)が連動する構成であってもよい。図6に示すように、レンジフード40は、調理器41の上方に設けられ、排気を行う。レンジフード40により吸い込まれた空気は、レンジフード排気ダクト53を介して屋外に排気される。
【0078】
ここで、レンジフード40による排気風量と浴室換気乾燥機20による排気風量とを比較すると、レンジフード40による排気風量の方が大きい。そこで、レンジフード40で排気運転を行う場合は、熱交換形換気装置1の排気風量を第4風量Aよりさらに小さい排気風量とする、という構成としてもよい。これにより、熱交換形換気装置1での排気運転をより小さくするので、消費電力をさらに軽減することができる。
【0079】
さらに、レンジフード40による排気運転が行われている場合に、熱交換形換気装置1の給気風量を第3風量Aよりさらに大きい給気風量とするよう給気用モータ11の回転数を増加させる構成であってもよい。これにより、給気風量を増加させることで、室内が負圧になることを抑制することができる。
【0080】
また、熱交換形換気装置1に接続される排気側ダクト51に、トイレに設置される換気装置(トイレ用換気扇42)のトイレ排気ダクト64が合流する構成であってもよい(図6参照)。この構成によれば、トイレ用換気扇42により吸い込まれた空気は、排気側ダクト51を通過して屋外へ排気される。このような構成とすることで、トイレ用換気扇42と熱交換形換気装置1の排気用のダクトおよび排気口を共用とすることができる。これにより、施工性が向上する。
【0081】
さらに、熱交換形換気装置1は、HEMS(Home Energy Management System)と連動し、他の機器と連動する構成であってもよい。たとえば天井埋め込み型空気清浄機等とも連携してもよい。
【0082】
また、熱交換形換気装置1は、VOC(Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物))等を検知して各送風部(排気送風部17、給気送風部18)の風量を設定してもよい。
【0083】
なお、本実施の形態においては、熱交換形換気装置1および浴室換気乾燥機20のそれぞれが制御部を有する構成としたが、換気システム100全体で1つの制御部を有する構成としてもよい。
【0084】
(実施の形態2)
実施の形態1と同じ構成の箇所は同じ符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0085】
図10は、本発明に係る換気システム100の他の接続態様を示す模式図である。図10に示すように、実施の形態2に係る換気システム100aでは、熱交換形換気装置1と浴室換気乾燥機20とは接続ダクト54を介して連通している。つまり、浴室換気乾燥機20に吸い込まれた浴室空気が熱交換形換気装置1に流入するよう浴室外吹出口23と外気吸込口2を連通させている。このとき、熱交換素子6を顕熱交換素子とすることが好ましい。これにより、浴室の高温多湿な空気を利用して、室内により快適な空気を提供することができる。
【0086】
(実施の形態3)
熱交換形換気装置1とレンジフード40とから構成される換気システムの機器連動について、第1の制御部が第3の制御部の信号を受信する場合を実施の形態3として詳細を説明する。
【0087】
実施の形態1または2と同じ構成の個所は同じ符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0088】
図11を用いて本発明の換気システムに係るレンジフード40(第3の換気装置)について説明する。
【0089】
レンジフード40は、調理器上方に設置されている。レンジフード40は調理器上方空気吸込口55と、室外空気吹出口56と、排気用モータ57と、排気用ファン58と、第3の制御部60を有する。
【0090】
調理器上方空気吸込口55から室外空気吹出口56へ調理器上方の空気が送風される換気風路59が形成される。
【0091】
次に図12を用いて、熱交換形換気装置1とレンジフード40とからなる換気システムの構成について、ブロック図を用いて説明する。図12は、第3の制御部60の信号を第1の制御部13が受け取る場合のブロック図である。
【0092】
レンジフード40は、第3の制御部60と、第3の操作部61と、を備える。第3の制御部60は、例えばレンジフード40の本体右側上面に設けられ、排気用モータ57の運転を制御する。また、第3の制御部60は、第1の制御部13と電気的に接続される。第3の操作部61は、例えば調理場に設けられ、排気用モータ57の運転を第3の制御部60へ指示する。レンジフード40に換気運転が指示されると、排気用ファン58が作動し、調理器上方空気吸込口55から調理器上方の空気を吸い込む。レンジフード40の内部に吸い込まれた調理器上方の空気は、室外空気吹出口56を通過して屋外に排気される。
【0093】
次に、図13を用いて本発明に係る実施の形態3の換気システムの制御方法について説明する。図13は、本発明に係る実施の形態3の換気システムの運転を示すフローチャートである。
【0094】
図13に示すように、レンジフード40の排気運転が開始されると(S37)、第1の制御部13は、排気風量(EA風量)が第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S38)。このとき、給気風量(SA風量)は減少させず、所定風量Aのままとする(S38)。すなわち、排気送風部17による排気風量を減少させた状態で、熱交換気運転を行う。熱交排気運転を少量で継続することで、熱交換形換気装置1において熱交換が行われ、熱交換された空気が室内に供給される。
【0095】
そして、排気用モータ12の回転数を減少させた状態での熱交排気運転中に、レンジフード40の排気運転が停止すると(S39)、第1の制御部13は、排気風量が所定風量Aとなるように排気用モータ12の回転数を増加させる(S40)。これにより、減少させていた排気風量を増加させ、給気風量に近づけることで、熱交換形換気装置1の熱交換効率が向上する。
【0096】
なお、排気用モータ12の回転数は、レンジフード40による排気風量を考慮して設定されてもよい。また、レンジフード40の排気運転が開始されたときに熱交換形換気装置1が運転していなかった場合に、熱交換形換気装置1の運転を開始するという構成であってもよい。このとき、排気送風部17による排気量は給気送風部による給気量より小さいことが好ましい。熱交換気運転を行うことで、室内に熱交換後の空気を給気するとともに室内が負圧になることを抑制することができる。
【0097】
次に、本発明に係る実施の形態3の換気システムが、検知された温度および湿度から排気用モータ12の回転数を設定した運転を行う場合について図14のフローチャートを用いて説明する。
【0098】
ここで、室内空気が凝結する温度を露点温度Tdとし、室内側給気温度センサ14により検知される給気空気(SA)の温度を給気温度(SA温度)Tとする。また、図17に示す風量について、定数の数値例は、第2風量A:90m/hである。つまり、「所定風量A>第2風量A>第1風量A」の関係を満たす値である。
【0099】
レンジフード40の排気運転が開始されると(S45)、排気風量が第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S46)。このとき、給気風量は減少させず、所定風量Aのままとする(S46)。
【0100】
そして、室内側排気温度センサ15および室内側排気湿度センサ16の検知結果から、露点温度Tdを算出する(S47)。また、室内側給気温度センサ14によって、給気温度Tを検知する(S47)。そして、給気温度Tと露点温度Tdを比較する(S48)。
【0101】
給気温度T≦露点温度Tdである場合(S48でYes)、給気温度T>露点温度Tdとするため、排気風量が第2風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を増やす(S50)。所定風量Aの給気風量に対して第1風量Aまで減少させていた排気風量を増加させることで、熱交換効率を上昇させる。これにより、室内に給気される空気の温度が上昇する。その結果、室内空気と給気される空気との温度差で結露が発生することを抑制することができる。
【0102】
一方、給気温度Tと露点温度Tdを比較した結果、給気温度T>露点温度Tdである場合には(S48でNo)、排気風量は第1風量Aのまますなわち排気用モータ12の回転数を減少させたまま運転を継続する(S49)。
【0103】
その後、レンジフード40での排気運転が停止すると(S51)、第1の制御部13は、排気風量が所定風量Aとなるように排気用モータ12の回転数を増加させる(S52)。
【0104】
なお、一定時間後の給気空気の温度を給気温度Tとし(nは2以上の整数)、一定時間ごとに露点温度Tdとの比較を行い、排気用モータ12の回転数を制御する構成であってもよい。
【0105】
また、春あるいは秋などの中間期もしくは夏期の夜間のような場合に、熱交換が不要であると第1の制御部13が判断した場合には、熱交換形換気装置1の排気量をさらに減少させる構成としてもよい。
【0106】
熱交換が不要である場合の制御方法について図15を用いて説明する。図15に示す風量について、各定数の数値例は、第3風量A:120m/h、第4風量A:70m/hである。つまり、「第3風量A>所定風量A>第2風量A>第1風量A>第4風量A」の関係を満たす値である。また、あらかじめ定められた所定温度をTとする。
【0107】
レンジフード40の運転が開始されると(S53)、排気風量が第1風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数を減少させる(S54)。このとき、給気風量は減少させず、所定風量Aのままとする(S54)。
【0108】
そして、第1の制御部13は、所定温度Tと給気温度Tを比較し、熱交換が必要かどうかを判定する。
【0109】
「所定温度T≦給気温度T」の場合は熱交換が不要であると判断する(S55でNo)。これは夏季などで室温よりも外気温度が高い場合、熱交換による室温の上昇から冷房費の増大を招く可能性がある等の理由からである。熱交換が必要でないと判断した場合には、排気風量が第4風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数をさらに減少させる(S56)。このとき、給気風量が第3風量Aとなるよう給気用モータ11の回転数を増加させる(S56)。
【0110】
一方、熱交換が必要であると判断した場合には(S55でYes)、給気用モータ11の回転数および排気用モータ12の回転数を維持する(S57)。
【0111】
その後、レンジフード40の運転が停止すると(S58)、給気風量および排気風量が所定風量Aとなるよう排気用モータ12の回転数と給気用モータ11の回転数を設定する(S59)。
【0112】
この構成によれば、熱交換形換気装置1の排気送風部17の運転をより小さくすることで消費電力を軽減することができる。また、熱交換形換気装置1の排気量を減少させつつ、給気量を増やす。これにより、室内をプラス圧にし、埃等の侵入を抑制することができる。そして室内の空気を清浄な状態に保つことができる。
【0113】
なお、熱交換が不要であると第1の制御部13が判断した場合に、熱交換形換気装置1において熱交換素子6を通過しないバイパス排気風路(図示せず)へ切り替える構成としてもよい。これにより、不要な熱交換を行わなくなるので、快適な空気を室内に供給することができる。
【0114】
なお、熱交換素子6を通る排気風路8と、バイパス排気風路との切り替えは、ダンパ(図示せず)により行われてもよい。
【0115】
(実施の形態4)
熱交換形換気装置1とレンジフード40とから構成される換気システムの機器連動について、第1の制御部が第3の制御部に制御信号を送信する場合を実施の形態4として詳細に説明する。
実施の形態1~3と同じ構成の箇所は同じ符号を付与し、詳細な説明は省略する。
【0116】
図16は、第1の制御部が第3の制御部に制御信号を送信するブロック図である。
【0117】
また、図17を用いて熱交換形換気装置1が運転時に排熱が必要である場合の制御方法について説明する。図17は、本発明に係る換気システムの運転を示すフローチャートである。
また、あらかじめ定められた所定温度をTとする。所定温度Tは、室内側排気温度センサ15により検知される。
【0118】
図17に示すように、熱交換形換気装置1の運転が開始されると(S41)、第1の制御部13は、所定温度Tと熱交換形換気装置1の室内空気吸込口5から吸い込まれる空気(RA)温度Tとを比較し、排熱が必要かどうかを判定する。「RA温度T≧所定温度T」の場合は排熱が必要と判断する。(S42でYes)。排熱が必要と判断した場合には、換気量の多いレンジフードの運転を開始させ(S43)、排気用モータ12の回転数を減少させる(S44)。
【0119】
排熱が必要でないと判断した場合には(S42でNo)、給気用モータ11の回転数および排気用モータ12の回転数を維持する。
【0120】
この構成によれば、夏季などで室温が高く、冷房費の増大を招く可能性がある場合、冷房負荷を軽減させることができる。
【0121】
なお、図18に示すように、第4の制御部62を有する統合制御部63を設け、第4の制御部62を介して熱交換形換気装置1とレンジフード40を連動させてもよい。統合制御部63は、例えばリビングに設けられる。
【0122】
このとき、第1の制御部と第4の制御部、第3の制御部と第4の制御部は電気的に接続されている。
【0123】
この構成によれば、熱交換形換気装置1と複数の換気装置を連動させたい場合に、第4の制御部62を介することで第1の制御部13に複数のリレーが密集することを防ぐことで、第1の制御部の電気的な配線が複雑化することを抑制するだけでなく、第1の制御部の寸法が大きくなることを抑制し、省スペース化が実現できる。
【0124】
以上、本発明に係る換気システムについて、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明にかかる換気システムは、外気と室内空気の熱交換を目的とするダクト式の熱交換気システム、ダクト式の空気調和装置などの用途としても有効である。
【符号の説明】
【0126】
1 熱交換形換気装置
2 外気吸込口
3 室内空気排気口
4 外気給気口
5 室内空気吸込口
6 熱交換素子
7 給気風路
8 排気風路
9 給気用ファン
10 排気用ファン
11 給気用モータ
12 排気用モータ
13 第1の制御部
14 室内側給気温度センサ
15 室内側排気温度センサ
16 室内側排気湿度センサ
17 排気送風部
18 給気送風部
19 第1の操作部
20 浴室換気乾燥機
21 浴室空気吸込口
22 浴室内吹出口
23 浴室外吹出口
24 循環用モータ
25 循環用ファン
26 風路変更手段
27 循環風路
28 換気風路
29 第2の制御部
30 第2の操作部
40 レンジフード
41 調理器
42 トイレ用換気扇
50 給気側ダクト
51 排気側ダクト
52 浴室排気ダクト
53 レンジフード排気ダクト
54 接続ダクト
55 調理器上方空気吸込口
56 室外空気吹出口
57 排気用モータ
58 排気用ファン
59 換気風路
60 第3の制御部
61 第3の操作部
62 第4の制御部
63 統合制御部
64 トイレ排気ダクト
100 換気システム
100a 換気システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18