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  • 特許-竪樋固定具および竪樋設置構造 図1
  • 特許-竪樋固定具および竪樋設置構造 図2
  • 特許-竪樋固定具および竪樋設置構造 図3
  • 特許-竪樋固定具および竪樋設置構造 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】竪樋固定具および竪樋設置構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/08 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
E04D13/08 311J
E04D13/08 311D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019127238
(22)【出願日】2019-07-08
(65)【公開番号】P2021011768
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西本 舞
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-145560(JP,A)
【文献】特開2016-168681(JP,A)
【文献】特開2015-067989(JP,A)
【文献】特開2017-160617(JP,A)
【文献】特開2014-173353(JP,A)
【文献】特開2017-122363(JP,A)
【文献】特開2000-034810(JP,A)
【文献】米国特許第05607124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/00- 3/40
13/00-15/07
E04F 13/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪樋を建物の外壁に沿って取り付ける竪樋固定具であって、
前記竪樋を把持する保持部と、
前記保持部を支持する連結部と、
前記連結部と前記外壁との間隔に対応するスペーサとを構え、
前記連結部には連結凸部もしくは連結凹部を備え、前記スペーサには前記連結部の前記連結凸部または前記連結凹部に適用した位置に嵌入可能とするスペーサ凹部またはスペーサ凸部を有し、
前記連結部及び前記スペーサには固定具を貫通させて前記外壁に前記連結部と前記スペーサを一体に固定する貫通孔が形成されており、
前記スペーサは、前記連結部と前記外壁との距離に対応して、複数個を連結するよう構成され、連結するための嵌入可能な前記スペーサ凸部もしくは前記スペーサ凹部を有しており、
前記連結凸部もしくは前記スペーサ凸部には2つの角柱状凸部と1つのテーパー状凸部を備えており、前記連結凹部もしくは前記スペーサ凹部は前記角柱状凸部および前記テーパー状凸部に適合しており、前記スペーサの取付け及び取り外しが可能となる、
竪樋固定具。
【請求項2】
請求項1に記載の前記竪樋固定具と前記固定具によって、前記竪樋を取り付けてなる竪樋設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪樋を建物の外壁に固定する竪樋固定具および竪樋設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、竪樋を建物などの外壁に支持固定するために竪樋固定具が使用されている。竪樋の長さ方向に所定の間隔をあけて設置される複数の竪樋固定具を使用しているが、外壁に段差があり、竪樋固定具の設置個所の外壁と竪樋との間隔が異なる場合は、間隔に対応するように数種類の竪樋固定具を使用している。
【0003】
この問題を解決するための竪樋固定具として、外壁と竪樋との間隔を調整可能な竪樋固定具が特許文献1に開示されている。竪樋に取付けリブを設け、取付けリブと外壁の間隔の調整を2種のスペーサと取付け部の螺入量により調整できるようにしており、スペーサの連結は係止による嵌合にて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6333565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の竪樋固定具では、取付け部材と竪樋に取り付けられる支持部材と、スペーサ及び他のスペーサとは係止めのみによる連結のため、外壁への取付け強度が不足するという問題が生じることがあった。
【0006】
そこで本発明は、外壁への取付け強度を向上することを目的とした雨樋固定具と雨樋設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の竪樋固定具は、竪樋を建物の外壁に沿って取り付ける竪樋固定具であって、前記竪樋を把持する保持部と、前記保持部を支持する連結部と、前記連結部と前記外壁との間隔に対応するスペーサとを構え、前記連結部には連結凸部もしくは連結凹部を備え、前記スペーサには前記連結部の前記連結凸部または前記連結凹部に適用した位置に嵌入可能とするスペーサ凹部またはスペーサ凸部を有し、前記連結部及び前記スペーサには、ネジやクギ等の固定具を貫通させて外壁に前記連結部と前記スペーサを一体に固定する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の竪樋設置構造は、前記竪樋固定具と前記固定具によって、前記竪樋を取り付けてなる竪樋設置構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の竪樋固定具及び竪樋設置構造によれば、連結部とスペーサとを固定具を用いて外壁に一体に固定することが可能となり、外壁への取付け強度を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態として示した竪樋固定具に竪樋を取り付けられた状態を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態として示した竪樋固定具の把持部、連結部、スペーサの分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態として示した竪樋固定具のスペーサの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態として示した竪樋固定具の貫通孔に固定具を挿入した際の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態の一例を、図を用いて詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態による竪樋固定具1は、建物の外壁3に沿って配置し、一定の間隔を空けて竪樋2を鉛直方向に取り付けを行い、竪樋2を外壁3に固定するものである。
【0013】
図2に示すように竪樋固定具1は、竪樋2を把持する保持部4と保持部4を支持する連結部5を構え、連結部5と外壁3との距離に合わせて連結可能とするスペーサ6を備えている。なお、竪樋固定具1はスペーサ6を備えているが、連結部5と外壁3との距離によっては、スペーサ6がなくても連結部5を外壁3に直接固定することが可能である。本実施形態はスペーサ6を用いた場合を例として説明する。
【0014】
図2に示すように、スペーサ6は、スペーサ取付け表面6aを図1に示す外壁3もしくは、他のスペーサ6に当接させるスペーサ取付け表面6aとし、スペーサ取付け表面6aの反対の他端面をスペーサ取付け裏面6bとする。スペーサ取付け表面6aには、他のスペーサ6と連結するためスペーサ凹部6cを備えている。また、スペーサ取付け裏面6b側に、図2に示す連結部5と連結させるスペーサ凸部6dが形成されている。
【0015】
連結部5には、スペーサ取付け裏面6bと当接する連結部取付け面5aを有し、連結部取付け面5aにスペーサ凸部6dが連結されるよう連結凹部5cを備えている。
【0016】
また、竪樋固定具1を外壁3に固定するための貫通孔として、連結部5の連結部取付け面5aの中央に連結部貫通孔5e、及びスペーサ取付け表面6aの中央にはスペーサ貫通孔6eを備えており、連結部貫通孔5eとスペーサ貫通孔6eは連通する形態となっている。
【0017】
図3に示すように、スペーサ6のスペーサ凸部6dは、2つの角柱状凸部6fと1つのテーパー状凸部6gを備えており、連結部5の連結凹部5cはスペーサ凸部6dに適合するよう形成されており、スペーサ6のスペーサ凹部6cは他のスペーサ6のスペーサ凸部6dに適合するよう形成されている。なお、スペーサ6のスペーサ凸部6dと連結部5の連結凹部5cの連結及びスペーサ6のスペーサ凹部6cと他のスペーサ6のスペーサ凸部6dの連結は圧入による嵌合である。
【0018】
以上の構成の下に、竪樋固定具1は、連結部5がスペーサ6に連結され、スペーサ6が外壁3に設置される構成になっている。外壁3との距離によっては、スペーサ6を更に複数個用意し、複数のスペーサ6を連結することで外壁3との距離の調整が可能である。この構成によれば複数のスペーサを容易に追加でき、外壁3との距離に対応した竪樋固定具1の提供が可能となる。
【0019】
このようにして、竪樋2の外壁3への設置は竪樋2の外壁3からの出寸法に対応して可能となる。
【0020】
上記実施形態は、連結部5の連結部取付け面5aに連結凹部5cを備え、スペーサ6のスペーサ取付け裏面6bにはスペーサ凸部6dを備えているが、連結部5の連結部取付け面5aに連結凸部を備え、スペーサ6のスペーサ取付け裏面6bにはスペーサ凹部を備えた構成とすることも可能である。
【0021】
竪樋固定具1を用いて竪樋2を固定する竪樋設置構造とその設置方法について説明する。
【0022】
まず、図2に示すように連結部5の連結凹部5c部にスペーサ6のスペーサ凸部6dを押し込む。竪樋2の出寸法によりスペーサ6をさらに加えて連結することが可能であり、連結部5にスペーサ6を取付けると同様に、スペーサ6のスペーサ凹部6cに他のスペーサ6のスペーサ凸部6dを取り付ける。この場合、スペーサ6のスペーサ凹部6cは、連結部5の連結凹部5cと同一の形状となるように形成されている。加えて、竪樋2の外壁3からの寸法により、さらにスペーサ6を加えて連結することが可能である。連結について、連結凹部5cとスペーサ凸部6dは圧入のみの嵌合、スペーサ凹部6cとスペーサ凸部6dは圧入のみの嵌合のため、取り付け取り外しが容易に可能となる。
【0023】
図4に示すように、竪樋固定具1を外壁3に固定するための貫通孔として、連結部5の連結部貫通孔5eおよびスペーサ6のスペーサ貫通孔6eを利用する。連通する連結部貫通孔5eおよびスペーサ貫通孔6eに棒状のネジやクギなどの固定具7を挿通させ、螺入もしくは打ち込みを行い、外壁3に固定する。
【0024】
このような竪樋設置構造とすることにより、固定具7を用いて連結部5とスペーサ6と、を一体に外壁3に固定することが可能となり、竪樋固定具1の外壁3への取付け強度が向上するという効果が得られる。
【0025】
この際、固定具7により棒軸方向に圧入されることにより、スペーサ6の連結は固定されるが、固定具7での固定を開放するとスペーサ6は嵌合状態から解放され、取り外し可能な状態となり、設置作業の効率を向上させることができるという効果が得られる。
【0026】
このような構成とした場合、スペーサ6と他のスペーサ6とを共通化することが可能となり、竪樋固定具1を構成する部品点数を抑えることが可能となる効果が得られる。
【0027】
なお、矩形の竪樋2の形状に合わせて保持部4は矩形として一例を挙げたが、円形の竪樋の場合は保持部の形状は円形となる。
【0028】
なお、竪樋固定具1はポリ塩化ビニル,ポリカーボネート、ABSなどの樹脂を用いて成形される。
【符号の説明】
【0029】
1 竪樋固定具
2 竪樋
3 外壁
4 保持部
5 連結部
5a 連結部取付け面
5c 連結凹部
5e 連結部貫通孔
6 スペーサ
6a スペーサ取付け表面
6b スペーサ取付け裏面
6c スペーサ凹部
6d スペーサ凸部
6e スペーサ貫通孔
6f 角柱状凸部
6g テーパー状凸部
7 固定具
図1
図2
図3
図4