(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】ワームのジグヘッド取付構造
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20230825BHJP
【FI】
A01K85/00 B
A01K85/00 C
(21)【出願番号】P 2019221673
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】P 2018230388
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】518437095
【氏名又は名称】中川 達美
(72)【発明者】
【氏名】中川 達美
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-28561(JP,A)
【文献】特開2018-46778(JP,A)
【文献】特開2012-44972(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項8】
該固定部は、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成するとともに、該固定部の平面部の中程かつ固定穴の周囲の厚みを薄肉とした凹部を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載のワームのジグヘッド取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトルアーフィッシングで使用するワームに関し、特にワームに釣り針やジグヘッドを取り付けるための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ソフトルアーフィッシングで使用されるワームにジグヘッドを装着したジグヘッドリグと呼ばれる仕掛けがよく知られている。ワームは、柔軟性を有するPVC(ポリ塩化ビニール)やエラストマーから形成されており、ウェイト(錘)とフック(釣り針)が一体となったジグヘッドを装着してジグヘッドリグとして使用される。例えば、特開平2000-60362号公報(特許文献1)のワーム抜止の
図1及び
図7、そして本発明の
図38の従来の一般的なジグヘッドリグを示す図である。ジグヘッドリグは、
図38に示されるように、芋虫状のワーム(11)の先端の中心からジグヘッド(3)のフック(3b)の先端部(3b-1)をワーム(11)の中心軸に沿って刺し込み、ワーム(11)の側面からフック(3b)の先端部(3b-1)を突出させ、フック(3b)の湾曲部(3b-2)によって抜け落ちないように装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでPVCで形成されたワームは、安価であることやフックを刺しやすいといった利点があるため一般的に使用されている。しかしながら、フックの刺し直し、投げたときの遠心力、魚がついばむ、水中の障害物に引っかかるなどによって、とても千切れやすいものであるが、安価であるため使い捨てで使用されているのが実状である。水中に使い捨てられたワームは、生分解しないため環境負荷という観点からしても望ましいものではない。
【0005】
また、エラストマーで形成されたワームは、千切れないという利点がある反面、素材の特性から極めてフックが刺しづらく、ワームの中心軸に沿って真直ぐ突き刺すことができずに偏って装着してしまうことが多く、適切に装着しづらいという欠点がある。
【0006】
図40は、前述したワームの課題を示した図である。
図40(A)は、ワームの先端中心からフックの先端をワームの中心軸に沿って真直ぐ刺せずに、偏って装着された状態を示した図である。フックをワームの中心軸に沿って真直ぐ装着するには相当のコツや慣れを要するもので、繰り返し装着のやり直しをすることによる損傷や、薄肉になるように偏ってフックが装着された場合は、後述するワームの千切れにつながる要因にもなる。
【0007】
図40(B)は、ジグヘッドがワームから抜ける方向にずれた状態を示した図である。ジグヘッドリグを使用するソフトルアーフィッシングでは、投げたジグヘッドリグをリールで巻き取って引き寄せながら魚からのバイトを誘うが、その際、投げたときの遠心力、魚がついばむ、水中の障害物に引っかかるなどによって、ワームがジグヘッドから抜けようとする作用が生じて自ずとずれてしまう。その結果、バイトチャンス(魚がジグヘッドリグをかじるチャンス)を取り逃がしてしまうということになる。
【0008】
図40(C)は、ワーム自体の千切れやすさを示した図である。特にPVCで形成されたワームは千切れやすい。ワームは、
図38に示されるように、ワーム(11)の側面からフック(3b)の先端部(3b-1)を突出させてフック(3b)の湾曲部(3b-2)によって抜け落ちないように装着されているが、
図40(B)で説明したとおり、投げたときの遠心力、魚がついばむ、水中の障害物に引っかかるなどによるワームがジグヘッドから抜けようとする作用によって、ワームのフック(3b)の湾曲部(3b-2)が接する部分に負担が生じ、この部分からワームが千切れることになる。
【0009】
図40(D)は、天地があるデザインのワームにフックが傾いて装着された状態を示した図である。
図40(D)の上図は、ワームがセンターに正しく装着された状態、下図は、ワームが傾いて装着された状態である。このように、天地があるデザインのワームの天地を明確に定めて装着することは相当のコツや慣れを要し、装着技術の熟練度によって本来の思惑どおりに装着することは極めて難しい。また、ワームが傾いて装着されている場合、ラインを引っ張って魚を誘う際に、ワームが真直ぐ引かれずに斜めに移動したり、くるくると回転したりしてしまうといった現象が生じ、明らかに釣果に悪影響が認められるものである。さらに、ラインを引っ張るテンションを抜いてフリーで沈下させる際も、同様の現象が生じ、特にフリーで沈下させる際に生じるワームのスパイラル回転は、釣果において致命的な影響が認められる。
【0010】
なお、特許文献1のワーム抜止の
図1及び
図7は、フックの直線部分にワームの抜止が備えられたものであるが、抜止があることによって、ワームへのフックの装着がより難儀になり、ましてや前述の
図40に示した諸課題が解消されるものでもない。
【0011】
そこで本発明は、前記課題を解消し、ワームにジグヘッドを正確かつ容易に装着が可能であること、付け替えや再利用が容易であること、ジグヘッドとワームのずれを防止できること、ジグヘッドからワームの抜けを防止できること、千切れるなど損傷を防止できること、安定した釣果を得られること、環境負荷の低減などの優れた効果を実現したワームのジグヘッド取付構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題は本発明の請求項1によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成されてワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックを、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸に突き刺すとともに、ジグヘッドのウェイトに装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着することで解決される。
【0013】
上記課題は本発明の請求項2によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成されてワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの内部の前側立壁にかけて突き刺して貫通させ、フックの先端をスリットの開孔から出すとともに、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着することで解決される。
【0014】
上記課題は本発明の請求項3によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成されるとともに、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの内部の前側立壁にかけてフックを通すことができる径のフック通し孔を開孔してワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの前側立壁にかけて開孔したフック通し孔にワーム本体の先端部から通してフックの先端をスリットの開孔から出すとともに、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着することで解決される。
【0015】
上記課題は本発明の請求項4によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有するスリットを形成してワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、スリットの天井からワーム本体の平面側に突き出るように突き刺すとともに、スリットの内部にフックの直線部を収容し、ジグヘッドのウェイトに装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着することで解決される。
【0016】
上記課題は本発明の請求項5によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端部からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有するスリットを形成するとともに、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成され、底面側と平面側の両方のスリットは、内部で連続した同一の空間を形成され、平面側の有底のスリットの底部分が抜止部として作用することで解決される。
【0017】
上記課題は本発明の請求項6によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端部からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有する底面側のスリットを形成するとともに、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔され、底面側と平面側の両方のスリットの内部で連続した同一の空間が形成され、平面側の有底のスリットの底部分が抜止部として作用し、さらに、平面側の有底のスリットの底部分に、底面側に向かって平面側に形成された有底のスリットの長手方向と直行する方向の幅よりも狭いスリットが貫通開孔して形成されていることで解決される。
【0018】
上記課題は本発明の請求項7によれば、該固定部は、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成したことで解決される。
【0019】
上記課題は本発明の請求項8によれば、該固定部は、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成するとともに、該固定部の平面部の中程固定穴の周囲の厚みを薄肉とした凹部を形成したことで解決される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の請求項1によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成されてワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックを、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸に突き刺すとともに、ジグヘッドのウェイトに装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着するようにしたので、ワーム本体は、ジグヘッドのラインアイの下のくびれに固定部の固定穴を伸縮性を利用して引っ掛けて固定していることで、ウェイトがワーム本体の先端部に押し付け固定されることになり、より確実にワーム本体にジグヘッドを装着することができるようになる。また、ワーム本体とフックとの突き刺し固定と、固定穴とラインアイとの固定とで、ワーム本体に装着されたジグヘッドが回転(フックの直線部を軸とする回転)することなく天地を有するジグヘッドであっても確実な装着をすることができる。
【0021】
本発明の請求項2によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成されてワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの内部の前側立壁にかけて突き刺して貫通させ、フックの先端をスリットの開孔から出すとともに、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着するようにしたので、請求項1の効果に加えてスリットによってワーム本体にフックを正確に位置決め固定することができ、初心者や熟練者にかかわらず誰でも正確かつ容易にワーム本体にジグヘッドを装着することができる。
【0022】
本発明の請求項3によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成されるとともに、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの内部の前側立壁にかけてフックを通すことができる径のフック通し孔を開孔してワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、ワーム本体の先端部のほぼ中心軸から有底のスリットの前側立壁にかけて開孔したフック通し孔にワーム本体の先端部から通してフックの先端をスリットの開孔から出すとともに、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着するようにしたので、ワーム本体は、ジグヘッドのラインアイの下のくびれに固定部の固定穴を伸縮性を利用して引っ掛けて固定していることで、ウェイトがワーム本体の先端部に押し付け固定されることになり、より確実にワーム本体にジグヘッドを装着することができるようになる。また、ワーム本体のフック通し孔にフックを通しての固定と、固定穴とラインアイとの固定とで、ワーム本体に装着されたジグヘッドが回転(フックの直線部を軸とする回転)することなく天地を有するジグヘッドであっても正確かつ容易にワームに傷つけることなく装着をすることができる。
【0023】
本発明の請求項4によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有するスリットを形成してワーム本体を構成し、ジグヘッドのウェイトまたはウェイト相当部分に装着されたフックの先端部を、スリットの天井からワーム本体の平面側に突き出るように突き刺すとともに、スリットの内部にフックの直線部を収容し、ジグヘッドのウェイトに装着されたラインアイ下方のくびれに、ワーム本体に形成された固定部に開孔した固定穴を引っ掛けて、ワーム本体にジグヘッドを装着するようにしたので、前記した効果に加えて、スリットにフックの直線部と湾曲部の一部がスリットの間に挟まれて保持されることで、ワーム本体にジグヘッドを正確かつ容易に装着をすることができる。
【0024】
本発明の請求項5によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端部からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有するスリットを形成するとともに、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔形成され、底面側と平面側の両方のスリットは、内部で連続した同一の空間を形成され、平面側の有底のスリットの底部分が抜止部として作用するようにしたので、前記した効果に加えて、フックの直線部から湾曲部にかけての部分が抜止部に係止されることによって、フックの下方へのずれが抑止され、ワーム本体からずれたり外れたりすることなく確実に保持して装着することが可能となる。
【0025】
本発明の請求項6によれば、ソフトルアーフィッシングで用いられるウェイトまたはウェイト相当部分と、ラインを結ぶためのラインアイと、釣り針であるフックとからなるジグヘッドを装着して、ジグヘッドリグとして使用されるワームであって、ワーム本体は、弾性及び伸縮性を有する樹脂素材からなり、ワーム本体の先端部に固定穴を開孔した固定部が形成され、ワーム本体の底面側にワーム本体の先端部からワーム本体の長手方向に沿って、天井を有する底面側のスリットを形成するとともに、ワーム本体の平面側にワーム本体の長手方向に沿って、有底のスリットが開孔され、底面側と平面側の両方のスリットの内部で連続した同一の空間が形成され、平面側の有底のスリットの底部分が抜止部として作用し、さらに、平面側の有底のスリットの底部分に、底面側に向かって平面側に形成された有底のスリットの長手方向と直行する方向の幅よりも狭いスリットが貫通開孔して形成されているので、この底面方向に貫通開孔させた部分からフックを通してジグヘッドを装着することも可能となり、さらなる装着の容易性と確実な装着を実現させたものである。
【0026】
本発明の請求項7によれば、該固定部は、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成したので、投げたジグヘッドリグをリールなどで巻き取るときに、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成した固定部で水の抵抗を受けやすくなり、巻き取るスピードを手もとで敏感に感じやすくなるため、ワーム本体のスピードを手もとで敏感に感じながら、水中での動きを細かくコントロールすることができるようになる。また、ラインのテンションを抜いて沈下させたときに、沈下スピードを下げることもでき、その結果、バイトチャンスが増加するなど釣果に好影響を与えることが可能となった。
【0027】
本発明の請求項8によれば、該固定部は、平面視面積をワーム本体の先端部の幅よりも拡張して大きく形成するとともに、該固定部の平面部の中程かつ固定穴の周囲の厚みを薄肉とした凹部を形成したので、凹部によって固定穴の周囲がより柔軟になることと、固定部と凹部との境目が指掛けとなることで、固定穴をより容易に拡げやすくなり、ジグヘッドのフックやウェイトを押し込む際の装着容易性を格段に向上させた。
【0028】
以上説明した本発明のワームのジグヘッド取付構造の効果を、あらためて以下にまとめる。
(a)ワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着する際、ジグヘッド(3)にラインが予め装着されている状態であっても容易に装着や交換ができる。
(b)ワーム本体(1)に天地があるデザインや、その他様々なデザインやサイズのワームであっても、正確かつ容易に装着ができる。
(c)固定穴(2a)でラインアイ(3c)を引っ張るように固定することで、ウェイト(3a)とワームの先端部(1a)と確実に固定されるとともに、ワーム本体に突き刺したりフック通し孔(1e)やスリット(1d)でフック(3b)を保持するので、ずれたり外れたりせず確実な装着ができる。
(d)初心者、熟練者にかかわらず、誰でも正確かつ容易に装着ができる。
(e)正確かつ容易に確実な装着ができるので、装着のやり直しがなくなりワームに無駄に損傷を与えず、千切れを防止できる。
(f)千切れないので水中に使い捨てになることがなくなり環境負荷の低減を実現した。
(g)安定した釣果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図5】
図3にジグヘッドを装着した状態を示す図である。
【
図6】第1実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【
図7】第1実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【
図8】第1実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【
図9】第1実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【
図16】第3実施例のワーム本体の左側面図である。
【
図17】第3実施例のワーム本体の右側面図である。
【
図18】
図13のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図である。
【
図20】第3実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【
図24】
図21のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図である。
【
図29】
図26のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図である。
【
図34】第6実施例のワーム本体の左側面図である。
【
図35】第6実施例のワーム本体の右側面図である。
【
図36】
図31のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図である。
【
図37】第6実施例の固定穴を拡げた状態を示した図である。
【
図38】従来の一般的なジグヘッドリグを示した図である。
【発明を実施させるための形態】
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の第1実施例を、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施例のワーム本体の平面図、
図2は、第1実施例のワーム本体の正面図、
図3は、
図1のA-A線断面図、
図4は、ジグヘッドを示す図、
図5は、
図3にジグヘッドを装着した状態を示す図、
図6乃至
図9は、第1実施例のワーム本体にジグヘッドを装着する手順を示す図である。
【0031】
まず、ワーム本体(1)の詳細な説明をする前に、本発明の第1実施例のワーム本体(1)に装着するジグヘッド(3)の構成について
図4のジグヘッド(3)を用いて説明をする。なお、ジグヘッドには様々なサイズや形状があるが、以下の説明で示す各図においては、
図4に示す極めて一般的な形状のジグヘッドを用いて図示する。ジグヘッド(3)は、
図4に示されるように、錘としてのウェイト(3a)、釣り針としてのフック(3b)、釣り糸であるライン(4)を結びつける環状のラインアイ(3c)から構成される。また、ウェイト(3a)から突設したフック(3b)は、直線部(3b-3)、湾曲部(3b-2)、先端部(3b-1)と連続して一連に形成される。このように構成されたジグヘッド(3)をワーム本体(1)に装着することで、ジグヘッドリグと呼ばれる仕掛けとなる。なお、
図4においてジグヘッド(3)のウェイト(3a)はボール状で示したが、
図39(A)に示されるように、ウェイトの代わりにフック(3b)の直線部を延設して曲げ部を形成してその先端にラインアイ(3c)が形成されたもの、
図39(B)に示されるように、フック(3b)の直線部を延設してその先端にラインアイ(3c)を形成し、その下に円盤状のウェイト(3a)を備えたもの、その他円錐状、角錐状ものなど様々な形状で形成されたものでも良い。何れにしてもラインアイ(3c)の下部にウェイト、またはそれに代わる部分があれば本発明のワーム本体(1)に装着することができる。
【0032】
次に、本発明の第1実施例のワーム本体(1)について説明をする。
図1乃至
図3に示されるようにワーム本体(1)は、ワーム本体(1)の先端部(1a)に固定部(2)が形成されるとともに、固定部(2)には、固定穴(2a)がワーム本体(1)の平面から底面方向に開孔して形成されている。また、ワーム本体(1)の平面部には長手方向に沿ってスリット(1d)が開孔形成されてワーム本体(1)の全体が構成される。
【0033】
また、ワーム本体(1)は、優れた弾性及び伸縮性を有するエラストマーから形成されており、従来のワーム素材として一般的に使用されているPVCと比較すると、伸縮性が高く引き裂き強度にも優れるといった特性がある。これによって従来の課題、特に
図40(C)の説明で述べた千切れやすさが解消され、本発明のワーム本体(1)を形成する素材として好適に選択されるものである。なお、ワーム本体(1)を形成する素材は、優れた柔軟性と耐久性があり千切れることのない素材であれば特にエラストマーに限定することなく用いることができる。もちろんPVCであっても将来的に改良されて、優れた柔軟性と耐久性があり千切れることのない特性を有するようになればPVCを素材として用いることも吝かではない。
【0034】
また、エラストマーという素材は、フック(3b)を思ったとおりに真直ぐに刺すことが難しいという特性があるが、本実施例では、ワーム本体(1)の先端部(1a)のほぼ中心からフック(3b)の先端部(3b-1)を突き刺して、ワーム本体(1)の長手方向に沿って開孔形成されたスリット(1d)の前側立壁(1d-1)から先端部(3b-1)を突き出してフック(3b)を装着するので、フック(3b)の直線部(3b-3)のごく短い区間だけを突き刺せばよく、フック(3b)を思ったとおりに真直ぐに刺しづらい特性のエラストマーであっても容易に装着することができる。
【0035】
以上説明したように構成された第1実施例のワーム本体(1)に、ジグヘッド(3)を装着する手順について
図5乃至
図9を参照して詳細に説明する。
図5は、
図3のA-A線断面図にジグヘッド(3)を装着した状態を示す図、
図6乃至
図9は、第1実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着する手順を示した図で順を追って説明する。なお、何れの図もジグヘッド(3)にライン(4)が予め装着されていることを前提として示している。
【0036】
(手順1:
図6参照)
ワーム本体(1)の先端部(1a)のほぼ中心に、固定部(2)がフック(3b)の下方になるようにして、フック(3b)の先端部(3b-1)を突き刺す。
(手順2:
図7参照)
フック(3b)の先端部(3b-1)がワーム本体(1)の長手方向に沿って開孔形成されたスリット(1d)の前側立壁(1d-1)から突き出し、スリット(1d)の上方開放部から先端部(3b-1)と湾曲部(3b-2)を露出させてフック(3b)を装着する。
(手順3:
図8参照)
固定部(2)を引っ張り、固定穴(2a)をウェイト(3a)の下方からくぐらせる。
(手順4:
図9参照)
ウェイト(3a)の下方から上方にくぐらせた固定穴(2a)をジグヘッド(3)のラインアイ(3c)の下のくびれに伸縮性を利用して引っ掛けて固定して装着完了となる。
【0037】
以上のようにして、ジグヘッド(3)が装着された第1実施例のワーム本体(1)は、ジグヘッド(3)のラインアイ(3c)の下に固定部(2)の固定穴(2a)を伸縮性を利用して引っ掛けて固定していることで、ウェイト(3a)もワーム本体(1)の先端部(1a)に押し付け固定されることになり、より確実にワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着することができるようになる。また、ワーム本体(1)とフック(3b)との突き刺し固定と、固定穴(2a)とラインアイ(3c)との固定とで、ワーム本体(1)に装着されたジグヘッド(3)が回転(フック(3b)の直線部(3b-3)を軸とする回転)することなく天地を有するジグヘッド(3)であっても確実な装着をすることができる。
【実施例2】
【0038】
以下、本発明の第2実施例を、図面を参照して説明する。
図10は、第2実施例のワーム本体の平面図、
図11は、
図10のA-A線断面図、
図12は、
図11にジグヘッドを装着した状態を示す図である。
【0039】
次に、本発明の第2実施例のワーム本体(1)について説明をする。
図10乃至
図12に示されるようにワーム本体(1)は、ワーム本体(1)の先端部(1a)に固定部(2)が備えられるとともに、固定部(2)には固定穴(2a)がワーム本体(1)の平面から底面方向に開孔して形成されている。また、ワーム本体(1)の平面部には長手方向に沿ってスリット(1d)が開孔形成されるとともに、ワーム本体(1)の先端部(1a)からスリット(1d)内に貫通するようにフック通し穴(1e)が開孔形成されてワーム本体(1)の全体が構成される。なお、本実施例においてワーム本体(1)は、第1実施例と同様に、優れた弾性及び伸縮性を有するエラストマーから形成されているので、材料についての説明は省略する。
【0040】
本発明の第2実施例のワーム本体(1)は、第1実施例のワーム本体(1)の構成に、フック通し穴(1e)を加えたことを特徴としている。実施例1では、ワーム本体(1)の先端部(1a)のほぼ中心からフック(3b)の先端部(3b-1)を突き刺して、ワーム本体(1)の長手方向に沿って開孔形成されたスリット(1d)の前側立壁(1d-1)から先端部(3b-1)を突き出してフック(3b)を装着したが、新たに形成されたワーム本体(1)の先端部(1a)からスリット(1d)内に貫通開孔したフック通し穴(1e)にフック(3b)の先端部(3b-1)を通し入れるだけでワーム本体(1)を傷つけずに容易に装着することができる。
【0041】
以上説明したように構成された第2実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着する手順については、実施例1のワーム本体(1)にフック(3b)を刺して装着するか第2実施例のワーム本体(1)にフック(3b)を通して装着するかの相違だけで基本的に同一であるので
図6乃至
図9を用いて説明をする。
【0042】
(手順1:
図6参照)
ワーム本体(1)の先端部(1a)のほぼ中心に開孔したフック通し穴(1e)に、固定部(2)がフック(3b)の下方になるようにして、フック(3b)の先端部(3b-1)を通し入れる。
(手順2:
図7参照)
フック(3b)の先端部(3b-1)をワーム本体(1)の長手方向に沿って開孔形成されたスリット(1d)の前側立壁(1d-1)に開孔したフック通し穴(1e)から出し、スリット(1d)の上方開放部から先端部(3b-1)と湾曲部(3b-2)を露出させてフック(3b)を装着する。
(手順3:
図8参照)
固定部(2)を引っ張り、固定穴(2a)をウェイト(3a)の下方からくぐらせる。
(手順4:
図9参照)
ウェイト(3a)の下方から上方にくぐらせた固定穴(2a)をジグヘッド(3)のラインアイ(3c)の下のくびれに伸縮性を利用して引っ掛けて固定して装着完了となる。
【0043】
以上のようにして、ジグヘッド(3)が装着された第2実施例のワーム本体(1)は、ジグヘッド(3)のラインアイ(3c)の下のくびれに伸縮性を利用して引っ掛けて固定していることで、ウェイト(3a)もワーム本体(1)の先端部(1a)に押し付け固定されることになり、より確実にワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着することができるようになる。また、ワーム本体(1)とフック(3b)との固定と、固定穴(2a)とラインアイ(3c)との固定とで、ワーム本体(1)に装着されたジグヘッド(3)が回転(フック(3b)の直線部(3b-3)を軸とする回転)することなく天地を有するジグヘッド(3)であっても確実な装着をすることができる。さらに、ワーム本体(1)にフック(3b)をフック通し穴(1e)に通すだけで固定することができるので、初心者や熟練者にかかわらず誰でも容易にワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着することができる。
【実施例3】
【0044】
以下、本発明の第3実施例を、図面を参照して説明する。
図13は、第3実施例のワーム本体の平面図、
図14は、第3実施例のワーム本体の正面図、
図15は、第3実施例のワーム本体の底面図、
図16は、第3実施例のワーム本体の左側面図、
図17は、第3実施例のワーム本体の右側面図、
図18は
図13のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図、
図19は、
図18のB-B線拡大断面図である。
【0045】
次に、本発明の第3実施例のワーム本体(1)について説明をする。
図13乃至
図19に示されるようにワーム本体(1)は、ワーム本体(1)の先端部(1a)に、平面(上面)部分から長手方向に水平に延設した舌片として固定部(2)が備えられるとともに、固定部(2)には固定穴(2a)がワーム本体(1)の平面から底面方向に開孔して形成されている。また、
図14及び
図15に示されるように底面側には先端部(1a)からテール部(1b)方向に向かってスリット(1d)が形成されてワーム本体(1)の全体が構成される。なお、本実施例においてワーム本体(1)は、第1実施例及び第2実施例と同様に、優れた弾性及び伸縮性を有するエラストマーから形成されているので、素材についての説明は省略する。
【0046】
第3実施例のワーム本体(1)は、ワームの長手方向、すなわち
図38に示されるように中心軸方向にフックを真直ぐに刺すことなく、固定部(2)に開口された固定穴(2a)と底面側に形成されたスリット(1d)によってジグヘッド(3)のウェイト(3a)、フック(3b)、ラインアイ(3c)が位置決めされて装着されるので、フック(3b)を思ったとおりに真直ぐに刺しづらい特性のエラストマーであっても容易に装着することができる。
【0047】
固定穴(2a)は、ワーム本体(1)の平面(上面)部分の先端から長手方向に水平に延設した舌片として形成された固定部(2a)のほぼ中央部分に、平面から底面方向、すなわち上下方向に開孔して形成される。なお、固定穴(2a)は、図示では長孔で形成されているが、ラインアイ(3c)部分が固定穴(2)の上方に突出し、ウェイト(3a)が上方に抜け出ることがなければ、固定部(2)のサイズや形状を含めてそのサイズや形状を限定するものではない。また、固定部(2)は、図示においてワーム本体(1)の平面(上面)部分の先端から長手方向に水平に延設した舌片として形成されているが、必ずしもワーム本体(1)の平面(上面)部分の先端から水平に延設形成する必要はなく、図示しないがワーム本体(1)の平面(上面)部分よりも少し下がった位置や、ワーム本体(1)の先端の上下方向の中程の位置から延設形成されていてもよく、延設形成される方向も水平ではなく上向きや下向きなど角度を付けて延設形成されていても良い。
【0048】
スリット(1d)は、
図14及び
図15に示されるように、底面側には先端部(1a)からテール部(1b)方向に向かってスリット(1d)が形成されている。また、スリット(1d)は、ジグヘッド(3)のフック(3b)をワーム本体(1)の適切な位置に安定的に案内及び保持するための溝であって、主にフック(3b)の直線部(3b-3)を両側から挟み込んで保持するために形成されている。なお、スリット(1d)の幅は、フック(3b)を無理なく両側から挟み込んで保持することができれば良く、長さ、幅、深さなどを限定するものではない。
【0049】
以上説明したように構成されたワーム本体(1)に、ジグヘッド(3)を装着する方法について
図20を参照して詳細に説明する。
図20は、第3実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着する手順を示した図で、
図20(A)から
図20(E)まで順を追って説明する。なお、何れの図もジグヘッド(3)にライン(4)が予め装着されていることを前提として示している。
【0050】
(手順1:
図20(A)(B)参照)
固定部(2)の固定穴(2a)を拡げて、ジグヘッド(3)のフック(3b)からウェイト(3a)にかけての部分を矢印の方向に押し込み、固定穴(2a)をラインアイ(3c)の下のくびれに伸縮性を利用して引っ掛けて固定する。
(手順2:
図20(C)参照)
テール部(1b)を持ち上げ、スリット(1d)にフック(3b)を押し込む。
(手順3:
図20(D)参照)
スリット(1b)のテール部(1b)側にフック(3b)の先端部(3b-1)をワーム本体(1)の平面側に向かって突き刺して突出させる。
(手順4:
図8(E)参照)
持ち上げたテール部(1b)をもとに戻して整え装着完了となる。
【0051】
以上のようにして、第3実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)が装着されて、ジグヘッドリグとして使用することができるようになる。ジグヘッド(3)が装着されたワーム本体(1)は、ジグヘッド(3)のラインアイ(3c)の下のくびれに固定部(2)と固定穴(2a)の伸縮性を利用して引っ掛けて固定していることで、ウェイト(3a)もワーム本体(1)の先端部(1a)に押し付け固定されることになり、より確実にワーム本体(1)にジグヘッド(3)を装着することができるようになる。また、ワーム本体(1)とフック(3b)との固定と、固定穴(2a)とラインアイ(3c)との固定とで、ワーム本体(1)に装着されたジグヘッド(3)が回転(フック(3b)の直線部(3b-3)を軸とする回転)することなく天地を有するジグヘッド(3)であっても確実な装着をすることができる。このとき
図39に示されるようなジグヘッド(3)でも同様にして固定することができる。そして、スリット(1d)には、フック(3b)の直線部(3b-3)と湾曲部(3b-2)の一部がスリット(1d)の間に挟まれて保持されるとともに、スリット(1d)の天井部分から先端部(3b-1)を突き刺してワーム本体(1)の平面(上面)部分に突出させてワーム本体(1)にジグヘッド(3)が装着される。
【0052】
また、本発明においては、ジグヘッド(3)にライン(4)が予め装着された状態であっても、ワーム本体(1)にジグヘッド(3)を容易に装着可能としたものであるが、ジグヘッド(3)にライン(4)が予め装着されていない場合は、固定穴(2)を拡げてジグヘッド(3)を押し込むのではなく、固定穴(2)の底面側からラインアイ(3c)を単に差し入れるとともに、スリット(1d)の奥にフック(3b)を突き刺して装着すれば良いことは言うまでもない。
【実施例4】
【0053】
以下、本発明の第4実施例を、図面を参照して説明する。
図21は、第4実施例のワーム本体の平面図、
図22は、第4実施例のワーム本体の正面図、
図23は、第4実施例のワーム本体の底面図、
図24は、
図21のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図、
図25は、
図24のB-B線拡大断面図である。なお、第4実施例の構成において第1実施例と共通する内容については省略して説明をする。
【0054】
第4実施例においては、第3実施例に形成されたスリット(1d)の態様を変化させたものである。第4実施例におけるにスリット(1d)は、
図22及び
図23に示されるように底面側に先端部(1a)からテール部(1b)方向に向かって底面側の天井を有するスリット(1d)が形成されるとともに、
図21乃び
図22に示されるようにワーム本体(1)の平面側に長手方向に沿って平面側の有底のスリット(1d)が開孔形成され、底面側と平面側の両方のスリット(1d)は、内部で連続した同一の空間を形成する。そして平面側の有底のスリット(1d)の下方は、自ずと抜止部(1f)となって形成されフック(3b)の抜け止めとして作用する。
【0055】
図24に示されるように、ワーム本体(1)に装着されたジグヘッド(3)のフック(3b)は、ワーム本体(1)の底面側と平面側の両方のスリット(1d)で形成された連続した空間に安定的に案内及び保持されることによって、ワーム本体(1)にフック(3b)を突き刺すことなく装着することができる。また、装着されたフック(3b)は、スリット(1d)に直線部(3b-3)が挟み込まれて保持され、
図24及び
図25に示されるように、直線部(3b-3)から湾曲部(3b-2)にかけての部分が抜止部(1f)に係止されることによって、フック(3b)の下方へのずれが抑止され、ワーム本体(1)からずれたり外れたりすることなく確実に保持して装着することが可能となる。
【0056】
以上のようにして、第4実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)が装着されて、ジグヘッドリグとして使用することができるようになる。第4実施例においては、第3実施例のようにワーム本体(1)にフック(3b)の先端部(3b-1)を突き刺して装着することがないため、ワーム本体(1)に与える損傷を無くすことができたものである。
【実施例5】
【0057】
以下、本発明の第5実施例を、図面を参照して説明する。
図26は、第5実施例のワーム本体の平面図、
図27は、第5実施例のワーム本体の正面図、
図28は、第5実施例のワーム本体の底面図、
図29は、
図26のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図、
図30は、
図29のB-B線拡大断面図である。なお、第5実施例の構成において第3実施例及び第4実施例と共通する内容については省略して説明をする。
【0058】
第5実施例においては、第4実施例で形成されたワーム本体(1)の平面部に長手方向に沿って平面側に形成された有底のスリット(1d)の底の部分にスリット(1d)の幅よりも狭いスリットを底面方向に貫通開孔させて抜止部(1e)を形成したことを特徴とする。ワーム本体(1)は、弾性及び伸縮性を有するエラストマーから形成されており、
図26乃至
図30に示されるように、ワーム本体(1)の平面(上面)部分の先端部(1a)から長手方向に水平に延設した舌片として形成された固定部(2)が形成されるとともに、固定部(2)の中央部分には、固定穴(2a)を平面から底面方向に貫通開口して形成する。また、
図26乃至
図30に示されるように、ワーム本体(1)の底面側には、先端部(1a)からテール部(1b)方向に向かって底面側の天井を有するスリット(1d)が形成されるとともに、ワーム本体(1)の平面部に長手方向に沿って平面側に形成された有底のスリット(1d)が形成され、底面側と平面側の両方のスリット(1d)は、内部で連続した同一の空間を形成する。そして平面側の有底のスリット(1d)の底部分は、自ずと抜止部(1f)となり、フック(3b)の抜け止めとして作用する。また、平面側に形成された有底のスリット(1d)の底部分に、さらに底面側に向かって平面側に形成された有底のスリット(1d)の長手方向と直行する方向の幅よりも狭いスリット(1d)が貫通開孔して形成され、第5実施例のワーム本体(1)が構成される。
【0059】
図29に示されるように、ワーム本体(1)に装着されたジグヘッド(3)のフック(3b)は、ワーム本体(1)の底面側と平面側の両方のスリット(1d)で形成された連続した空間に安定的に案内及び保持されることによって、ワーム本体(1)にフック(3b)を突き刺すことなく装着することができる。また、装着されたフック(3b)は、スリット(1d)に直線部(3b-3)が挟み込まれて保持され、
図29及び
図30に示されるように、直線部(3b-3)から湾曲部(3b-2)にかけての部分が抜止部(1f)に係止されることによって、フック(3b)の下方へのずれが抑止され、ワーム本体(1)からずれたり外れたりすることなく確実に保持して装着することが可能となる。また、ワーム本体(1)の平面部に長手方向に沿って平面側に形成された有底のスリット(1d)の底の部分は、さらにスリット(1d)の幅よりも狭いスリットを底面方向に貫通開孔しているので、こ貫通開孔した部分にフック(3b)を通すことができ、さらなる装着の容易性と確実な装着を実現させたものである。
【0060】
以上のようにして、第5実施例のワーム本体(1)にジグヘッド(3)が装着されて、ジグヘッドリグとして使用することができるようになる。第5実施例においては、第3実施例のようにワーム本体(1)にフック(3b)の先端部(3b-1)を突き刺して装着することがないため、ワーム本体(1)に与える損傷を無くすことができたものである。
【実施例6】
【0061】
以下、本発明の第6実施例を、図面を参照して説明する。
図31は、第6実施例のワーム本体の平面図、
図32は、第6実施例のワーム本体の正面図、
図33は、第6実施例のワーム本体の底面図、
図34は、第4実施例のワーム本体の左側面図、
図35は、第6実施例のワーム本体の右側面図、
図36は、
図31のA-A線断面図にジグヘッドを装着した状態を示した図、
図37は、第6実施例の固定穴を拡げた状態を示した図である。なお、第6実施例の構成において第3実施例乃至第5実施例と共通する内容については省略して説明をする。
【0062】
第6実施例においては、第3実施例乃至第5実施例の構成に加えて、ワーム本体(1)の固定部(2)の平面視面積をワーム本体(1)の先端部(1a)の幅よりも大きく拡張して形成したことを特徴とする。ワーム本体(1)は、第3実施例乃至第5実施例と同様に、弾性及び伸縮性を有するエラストマーから形成されており、
図31乃至
図36に示されるように、ワーム本体(1)の平面(上面)部分の先端から長手方向に水平に延設した舌片として形成された固定部(2)が形成されるとともに、固定部(2)は、平面視面積をワーム本体(1)の先端部(1a)の幅よりも大きく拡張して形成した。また、固定部(2)の中央部分には、固定穴(2)を平面から底面方向に貫通開口して形成し、底面側には、先端部(1a)の後方からテール部(1b)方向に向かってスリット(1d)が形成されて構成される。
【0063】
図31乃至
図33に示されるように、ワーム本体(1)の先端部(1a)の幅よりも大きく平面視面積を拡張された固定部(2)は、投げたジグヘッドリグをリールなどで巻き取るときに、固定部(2)で水の抵抗を受けやすくなり、巻き取るスピードを手もとで敏感に感じやすくなるといった効果を得ることができる。そのため、ワーム本体(1)のスピードを手もとで敏感に感じながら、水中での動きを細かくコントロールすることができるようになる。また、ライン(4)のテンションを抜いて沈下させたときに、沈下スピードを下げることもできるようになる。その結果、バイトチャンスが増加するなど釣果に好影響を与えることが可能となった。
【実施例7】
【0064】
以下、本発明の第7実施例を、図面を参照して説明する。第7実施例は、第6実施例の応用であるので図面は第6実施例の
図31乃至
図36に加えて
図37の第6実施例の固定穴を拡げた状態を示した図を用いて説明をする。
【0065】
第7実施例においては、第4実施例のワーム本体(1)の固定部(2)の平面視面積をワーム本体(1)の先端部(1a)の幅よりも大きく拡張して形成したことに追加して、固定部(2)平面部の中程で、かつ固定穴(2a)の周囲に、凹部(2b)を形成して構成したことを特徴としている。
【0066】
図31乃至
図33に示されるように、ワーム本体(1)の固定部(2)の平面視面積をワーム本体(1)の先端部(1a)の幅よりも大きく拡張して形成するとともに、固定部(2)平面部の中程で、かつ固定穴(2a)の周囲に形成した凹部(2b)は、固定穴(2a)の周囲の肉厚が薄肉となるように形成されている。これによって、
図37に示されるように、凹部(2b)によって固定穴(2a)周囲がより柔軟になることと、固定部(2)と凹部(2b)との境目が指掛けとなることで、固定穴(2a)をより容易に拡げやすくなり、ジグヘッド(3)のフック(3b)やウェイト(3a)を押し込む際の装着容易性を格段に向上させた。なお、凹部(2b)は図示においては凹面として示しているが、単に1段落として凹ませた平面の凹部(2b)であっても差し支えない。
【符号の説明】
【0067】
1 ワーム本体
1a 先端部
1b テール部
1c フックガイド
1d スリット
1d-1 前側立壁
1e フック通し穴
1f 抜止部
2 固定部
2a 固定穴
2b 凹部
3 ジグヘッド
3a ウェイト
3b フック
3b-1 先端部
3b-2 湾曲部
3b-3 直線部
3c ラインアイ
4 ライン
11 ワーム