(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】カメラ保持装置、及びカメラシステム
(51)【国際特許分類】
G03B 17/56 20210101AFI20230825BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230825BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230825BHJP
G03B 17/04 20210101ALI20230825BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230825BHJP
H04N 23/40 20230101ALI20230825BHJP
【FI】
G03B17/56 H
G03B15/00 T
G03B17/02
G03B17/04
G03B17/56 A
G03B17/56 C
H04N5/222 100
H04N23/40 300
(21)【出願番号】P 2019219953
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀木 敏生
(72)【発明者】
【氏名】是澤 康平
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓介
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-054154(JP,A)
【文献】特開2004-325931(JP,A)
【文献】特開2017-156690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 17/04
H04N 5/222
H04N 23/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを保持する保持部材と、
前記保持部材を支持するフレームとを備え、
前記保持部材の前記フレームに対する位置が、前記カメラのレンズが露出する使用位置と、前記レンズが前記フレームによって覆われる非使用位置とに変更可能であ
り、
前記保持部材と前記フレームとで、片手で把持可能なグリップ部を構成し、
前記保持部材は、
前記カメラを操作するための操作部を有し、
前記操作部は、前記保持部材において前記グリップ部の外面を構成する部分に位置した、
カメラ保持装置。
【請求項2】
前記保持部材は、撮影用開口部を有し、かつ、前記カメラを前記撮影用開口部を通して
撮影可能な位置に保持し、
前記フレームは、
前記保持部材が前記使用位置に配された状態において、前記レンズを露出させる露出
用開口部を有し、
前記保持部材が前記使用位置に配された状態で、前記撮影用開口部の少なくとも一部が
前記露出用開口部と重なる位置に配される、
請求項1に記載のカメラ保持装置。
【請求項3】
前記フレームは、
枠部を有し、
前記枠部に前記露出用開口部が形成された、
請求項2に記載のカメラ保持装置。
【請求項4】
前記保持部材は、前記フレームに対して回転可能に取り付けられており、前記フレームに対して回転することで、前記使用位置に配された状態と前記非使用位置に配された状態とに切り替えられ、
前記枠部は、
前記保持部材が前記使用位置に配された状態で、前記保持部材に対向する対向面を有し、
前記対向面は、前記保持部材の回転軸とは反対側に向かって凹んだ曲面である、
請求項3に記載のカメラ保持装置。
【請求項5】
前記枠部は、
前記対向面とは反対側に臨む接触面を有し、
前記接触面は、前記対向面よりも平らな面である、
請求項4に記載のカメラ保持装置。
【請求項6】
前記フレームは、前記使用位置に配された前記保持部材及び前記非使用位置に配された前記保持部材を収容する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のカメラ保持装置。
【請求項7】
前記保持部材は、前記フレームに対して回転可能に取り付けられており、前記フレームに対して回転することで、前記使用位置に配された状態と前記非使用位置に配された状態とに切り替えられる、
請求項1~3のいずれか1項に記載のカメラ保持装置。
【請求項8】
前記フレームは、前記保持部材の回転軸と交差する一方向に長くなった筒状に形成されており、
前記保持部材は、前記使用位置及び前記非使用位置に配された状態で前記フレームの長さ方向に長くなった形状を有する、
請求項7に記載のカメラ保持装置。
【請求項9】
前記保持部材は、前記カメラに電力を供給する電池を保持する、
請求項1~8のいずれか1項に記載のカメラ保持装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のカメラ保持装置と、
前記カメラ保持装置によって保持された前記カメラとを備えた、
カメラシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラ保持装置、及びカメラシステムに関し、詳しくは、カメラを保持するカメラ保持装置、及びこれを備えたカメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、配管検査装置が開示されている。この配管検査装置は、ロッド体と、ロッド体の先端部に設けられたカメラ手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した配管検査装置にあっては、カメラ手段のレンズ部が露出しており、レンズ部が傷付いたり、汚れたりする可能性がある。
【0005】
本開示は上記事由に鑑みてなされており、カメラのレンズを適切に保護することができるカメラ保持装置及びこれを備えたカメラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るカメラ保持装置は、カメラを保持する保持部材と、前記保持部材を支持するフレームとを備える。前記保持部材の前記フレームに対する位置が、前記カメラのレンズが露出する使用位置と、前記レンズが前記フレームによって覆われる非使用位置とに変更可能である。
【0007】
本開示の一態様に係るカメラシステムは、前記カメラ保持装置と、前記カメラ保持装置によって保持されたカメラとを備える。
【発明の効果】
【0008】
前記一態様に係るカメラ保持装置及びカメラシステムにあっては、カメラのレンズを適切に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るカメラシステムであって、カメラシステムが備える保持部材が使用位置に配された状態を示した斜視図である。
【
図2】
図2は、同上のカメラシステムの一部切欠側面図である。
【
図3】
図3は、同上のカメラシステムであって、保持部材が非使用位置に配された状態を示した斜視図である。
【
図4】
図4は、同上のカメラシステムであって、保持部材が使用位置と非使用位置との間に位置した状態を示した斜視図である。
【
図5】
図5は、同上のカメラシステムであって、保持部材が使用位置と非使用位置との間に位置した状態を示した斜視図である。
【
図6】
図6は、同上のカメラシステムであって、カメラシステムが備える蓋を開いた状態を示した斜視図である。
【
図7】
図7は、同上のカメラシステムであって、
図1とは異なる位置から見た斜視図である。
【
図8】
図8は、同上のカメラシステムに支持部材を取り付けた状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態
以下、実施形態のカメラ保持装置3及びカメラシステム1について説明する。
図1及び
図2に示す本実施形態のカメラシステム1は、対象面9(
図2参照)を検査する際に用いられる。すなわち、ユーザは、カメラシステム1によって対象面9を撮影し、これにより取得した撮影データに基づいて対象面9を検査する。
【0011】
カメラシステム1による撮影の対象となる対象面9は、例えば、建物の内面、建具の表面、設置物の表面等である。建物の内面は、例えば、壁面、天井面又は床面等である。建具の表面は、例えば、ドア、ふすま、障子等の表面である。設置物の表面は、例えば、キッチンカウンター、洗面化粧台等の表面である。なお、対象面9は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。また、対象面9は、例えば、建物の外面、道路の表面、道路施設の表面、その他の物品の表面等であってもよい。また、カメラシステム1の用途は、検査に限られず、監視、記録又は趣味等であってもよい。
【0012】
カメラシステム1は、カメラ2と、カメラ保持装置3とを備えている。カメラ保持装置3は、保持部材4及びフレーム6を有している。保持部材4は、カメラ2を保持している。フレーム6は、保持部材4を支持している。
【0013】
保持部材4のフレーム6に対する位置は、
図1及び
図2に示す使用位置と、
図3に示す非使用位置とに変更可能である。保持部材4が
図1及び
図2に示す使用位置に配された状態では、カメラ2のレンズ23が、フレーム6の外側に露出する。このため、カメラ2による撮影が可能になる。保持部材4が
図3に示す非使用位置に配された状態では、レンズ23がフレーム6によって覆われる。このため、カメラ2のレンズ23が、フレーム6によって保護される。
【0014】
保持部材4は、
図1、
図3~
図5に示すように、フレーム6に対して回転可能に取り付けられている。ユーザは、保持部材4をフレーム6に対して回転させることで、保持部材4を、
図1に示す使用位置に配された状態と、
図3に示す非使用位置に配された状態とに切り替えることができる。以下、特に記載する場合を除き、保持部材4が
図1に示す使用位置に配された状態におけるカメラシステム1について説明する。
【0015】
図1~
図3に示すように、フレーム6は、使用位置に配された保持部材4及び非使用位置に配された保持部材4を収容し、保持部材4及びカメラ2を保護する。フレーム6は、直線状に長くなった形状を有している。以下、フレーム6の長さ方向と平行な一方向を前方とし、前方と直交する一方向を上方とし、かつ、前方及び上方の両者に直交する方向を左方として、カメラシステム1の各要素について説明する。なお、これら方向は説明の便宜上用いる方向にすぎず、カメラシステム1の利用時等における方向を限定するものではない。
【0016】
図4に示すように、フレーム6は、保持部材4のフレーム6に対する回転の中心となる回転軸40と交差する方向に長くなり、かつ、長さ方向(前後方向)の一端が開口し他端が閉塞した有底筒状に形成されている。フレーム6を前後方向に見た外形は、上下方向に長くなった角丸長方形状である。なお、本実施形態のフレーム6の長さ方向は、前後方向と平行であるが、前後方向に対して傾いていてもよい。
【0017】
フレーム6は、枠部60を有している。枠部60は、フレーム6の前端部である。枠部60の内側には、露出用開口部61が形成されている。露出用開口部61の外周縁は、枠部60によって規定されている。露出用開口部61は、保持部材4で保持されたカメラ2のレンズ23(
図2参照)をフレーム6の外部に露出させる。
【0018】
フレーム6は、遮蔽部62を更に有している。遮蔽部62は、枠部60から後方に離れて位置している。遮蔽部62は、有底筒状のフレーム6の底部であり、フレーム6の後端部である。前後方向に見て、遮蔽部62の外形と、枠部60の外形とは、略一致している。なお、本開示では、「略」を伴った表現が、用いられる場合がある。例えば、「略一致」とは、実質的に「一致」することを意味し、厳密に一致した状態だけでなく、僅かにずれた状態も含む。他の「略」を伴った表現についても同様である。
【0019】
遮蔽部62は、
図3に示すように、保持部材4が非使用位置に配された状態において、カメラ2のレンズ23(
図2参照)をフレーム6の外側に露出しないように遮蔽する。
【0020】
図4に示すように、フレーム6は、一対の接続部63,64を更に有している。一対の接続部63,64は、左右方向に間隔をあけて並んでいる。一対の接続部63,64は、枠部60と遮蔽部62との間に位置している。各接続部63,64は、左右方向と直交する面に沿った板状に形成されている。一対の接続部63,64は、枠部60と遮蔽部62とを接続している。一対の接続部63,64は、筒状のフレーム6の周壁部である。各接続部63,64の外面は、遮蔽部62の外面に連続している。各接続部63,64の外面は、枠部60の外周面と略面一である。
【0021】
フレーム6の内側には、使用位置及び非使用位置に配置された保持部材4を収容するための収容空間65が形成されている。収容空間65は、枠部60と遮蔽部62との間に形成された空間である。収容空間65は、一対の接続部63,64の間に位置している。収容空間65は、露出用開口部61を介してフレーム6の外側(詳しくは、フレーム6の前方領域)に開放されている。
【0022】
フレーム6には、第1開口部71及び第2開口部72が形成されている。第1開口部71は、一対の接続部63,64の上端部の間に形成された孔であり、第2開口部72は、一対の接続部63,64の下端部の間に形成された孔である。収容空間65は、第1開口部71を介してフレーム6の外側(詳しくは、フレーム6の上方領域)に開放され、第2開口部72を介してフレーム6の外側(詳しくは、フレーム6の下方領域)に開放されている。
【0023】
フレーム6は、例えば、インサート成形により形成され、コア部と、コア部を覆う被覆部とを有する。コア部は、例えば、被覆部よりも剛性の優れた金属材料から形成される。被覆部は、例えば、硬質ウレタン樹脂等、コア部よりも弾性変形しやすく耐衝撃性の優れた樹脂材料から形成される。なお、コア部及び被覆部の各々の材料は限定されない。また、フレーム6は、コア部及び被覆部を有さなくてもよく、例えば、一種類の材料だけから形成されてもよい。
【0024】
フレーム6の一対の接続部63,64の間であって枠部60と遮蔽部62との間には、保持部材4が位置している。保持部材4は、例えば、硬質ウレタン樹脂等の樹脂材料から形成される。なお、保持部材4の材料は、限定されず、硬質ウレタン樹脂以外の材料から形成されてもよいし、樹脂以外の材料から形成されてもよい。
【0025】
図1及び
図2に示すように、保持部材4は、前後方向に直線状に長くなった形状を有している。保持部材4は、筒部41を有している。筒部41は、保持部材4の外郭である。筒部41は、前後方向に長くなり、長さ方向の一端が開口し、かつ、長さ方向の他端が閉塞した有底筒状に形成されている。なお、本実施形態の筒部41の長さ方向は、前後方向(保持部材4の長さ方向)と平行であるが、前後方向に対して傾いていてもよい。
【0026】
筒部41は、フレーム6の一対の接続部63,64に対して、回転可能に取り付けられている。これにより、保持部材4は、フレーム6に対して回転可能に取り付けられている。筒部41(保持部材4)のフレーム6に対する回転の中心となる回転軸40は、左右方向と平行である。なお、保持部材4は、フレーム6に対して一方向にのみ回転可能であってもよいし、フレーム6に対して一方向及びこの一方向と逆方向の二方向に回転可能であってもよい。
【0027】
保持部材4は、
図1に示す使用位置に配された状態で、フレーム6の長さ方向に長くなり、フレーム6に収容される。保持部材4は、
図3に示す非使用位置に配された状態で、フレーム6の長さ方向に長くなり、フレーム6に収容される。このため、保持部材4が使用位置及び非使用位置に配された状態において、カメラシステム1をコンパクトにすることができる。
【0028】
図4及び
図5に示すように、保持部材4が使用位置から非使用位置まで回転する途中の状態及び保持部材4が非使用位置から使用位置まで回転する途中の状態では、保持部材4における長さ方向の両端部は、第1開口部71及び第2開口部72からそれぞれフレーム6の外側に突出する。
【0029】
図2に示すように、筒部41は、カメラ2を内蔵している。筒部41の長さ方向の一端には、カメラ2のレンズ23を保持部材4の外側に露出させる撮影用開口部42が形成されている。筒部41は、カメラ2を撮影用開口部42を通して撮影可能な位置に保持している。保持部材4が使用位置に配された状態で、撮影用開口部42の少なくとも一部は、フレーム6の露出用開口部61と重なる位置に配される。この場合、カメラ2のレンズ23は、撮影用開口部42及び露出用開口部61を介して、フレーム6の外側に露出し、カメラ2による撮影が可能になる。保持部材4が非使用位置に配された状態で、撮影用開口部42は、フレーム6の遮蔽部62によって覆われる。この場合、カメラ2のレンズ23は、遮蔽部62によって覆われて保護される。
【0030】
なお、本開示において、「撮影用開口部42の少なくとも一部が、露出用開口部61と重なる」とは、撮影用開口部42の少なくとも一部が、露出用開口部61の少なくとも一部と重なることを意味する。すなわち、保持部材4が使用位置に配された状態においては、カメラ2による撮影が可能であれば、撮影用開口部42の少なくとも一部は、露出用開口部61の全部又は一部と重なってもよい。また、撮影用開口部42は、その全部が露出用開口部61の全部又は少なくとも一部と重なっていてもよい。本実施形態の撮影用開口部42は、保持部材4が使用位置に配された状態において、その全部が露出用開口部61の全部と重なる。
【0031】
カメラ2は、撮像素子21及び光学系20を有している。撮像素子21は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等である。
【0032】
撮像素子21の撮影用開口部42側には、光学系20が位置している。光学系20は、撮像素子21に対向している。光学系20は、複数のレンズを有している。複数のレンズは、複数のレンズのうち最も物体(対象面9)に近いレンズ(前玉レンズ)23を含んでいる。レンズ23は、筒部41の長さ方向に見て、筒部41の内側に形成された空間の中央部に位置している。レンズ23を含む光学系20は、対象面9で反射した光又は対象面9から発せられた光を集めて撮像素子21に像を形成する。なお、光学系20は、レンズを一つだけ有してもよい。
【0033】
撮像素子21は、撮像素子21に結ばれた像を多数の撮像画素により電気信号に変換し、この電気信号を撮像データとして出力する。なお、撮像素子21が出力する撮像データは、静止画の画像データであるが、動画の画像データであってもよい。
【0034】
図1に示すように、筒部41は、前後方向に沿った外周面を有している。
図4から明らかなように、筒部41の外周面は、前後方向に見て、上下方向に長くなった角丸長方形状の面である。筒部41の外周面は、左右一対の側面43,44と、上下一対の露出面51,52とを有している。以下、必要に応じて、上下一対の露出面51,52のうちの上側に位置する一方の露出面51を第1露出面51といい、下側に位置する他方の露出面52を第2露出面52という。
【0035】
左右一対の側面43,44の上縁同士は、第1露出面51によって接続されている。左右一対の側面43,44の下縁同士は、第2露出面52によって接続されている。各側面43,44は、対応する接続部63,64に沿った平面である。各露出面51,52は、前後方向に見て、筒部41の上下方向における外側に向かって突出するように弧状に湾曲した曲面である。
【0036】
カメラシステム1の外面は、フレーム6の外面と保持部材4の外面とで構成される。
図1に示すように、保持部材4が使用位置に配された状態では、第1露出面51は、フレーム6の第1開口部71からフレーム6の外側に露出し、第2露出面52は、フレーム6の第2開口部72(
図4参照)からフレーム6の外側に露出する。
【0037】
図3に示すように、保持部材4が非使用位置に配された状態においては、第1露出面51は、フレーム6の第2開口部72(
図5参照)からフレーム6の外側に露出し、第2露出面52は、フレーム6の第1開口部71からフレーム6の外側に露出する。
【0038】
図1及び
図3に示すように、保持部材4が使用位置及び非使用位置のいずれに配された状態でも、第1露出面51及び第2露出面52の各々は、フレーム6の各接続部63,64の外面と略面一になる。保持部材4が使用位置及び非使用位置に配された状態では、カメラシステム1の全体形状は、ユーザが片手で把持しやすい棒状になる。すなわち、この場合、保持部材4とフレーム6とで、片手で把持可能なグリップ部31が構成される。したがって、ユーザは、カメラシステム1による撮影を容易に行うことができ、また、カメラシステム1を容易に持ち運ぶことができる。
【0039】
図2に示すように、カメラ保持装置3は、発光装置32を更に有している。発光装置32は、カメラ2の撮影対象となる対象面9に対して、光を発する。発光装置32は、保持部材4に内蔵されている。発光装置32は、光源33及び光拡散部材34を有している。光源33は、複数の発光素子330を有している。複数の発光素子330は、保持部材4によって保持されている。
【0040】
各発光素子330は、発光ダイオードである。複数の発光素子330は、保持部材4の筒部41の内周面に取り付けられている。複数の発光素子330は、筒部41の周方向に間隔をあけて並んでいる。複数の発光素子330は、筒部41の長さ方向において、撮影用開口部42とレンズ23との間に位置している。
【0041】
保持部材4は、光拡散部材34を保持している。光拡散部材34は、光源33(複数の発光素子330)から発せられた光を拡散する。光拡散部材34は、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート又はアクリル等の樹脂から形成される。光拡散部材34は、筒部41に取り付けられており、筒部41の内側における撮影用開口部42とレンズ23との間に位置している。
【0042】
光拡散部材34は、筒部41の長さ方向と直交する面に沿って広がった板状に形成されている。光拡散部材34の厚み方向の両側の面のうちの一方は、撮影用開口部42に臨んでいる。
【0043】
光拡散部材34には、筒部41の長さ方向に貫通した貫通孔340が形成されている。貫通孔340は、筒部41の長さ方向に見て、光拡散部材34の中央部に位置している。カメラ2のレンズ23は、貫通孔340を介して撮影用開口部42側に露出している。カメラ2は、貫通孔340、撮影用開口部42及び露出用開口部61を通じて対象面9を撮影する。貫通孔340の内周面は、筒部41の長さ方向においてレンズ23に近い部分ほど内側に位置するように曲がった曲面になっている。このため、カメラ2の撮影領域に光拡散部材34が入り込み難い。
【0044】
光拡散部材34の周囲には、複数の発光素子330が位置している。光拡散部材34の外周端面は、複数の発光素子330と対向している。複数の発光素子330から発せられた光は、光拡散部材34に入り、光拡散部材34で拡散し、光拡散部材34から撮影用開口部42側に出る。すなわち、複数の発光素子330が発光することで、光拡散部材34が発光する。このようにして光拡散部材34から発せられた光は、撮影用開口部42及び露出用開口部61を順に通ってフレーム6の外部に位置する対象面9に当たり、対象面9を照らす。
【0045】
なお、発光素子330は、発光ダイオードに限定されず、白熱電球、放電灯、有機エレクトロルミネッセンス等であってもよい。また、光源33が有する発光素子330の数は、限定されず、例えば、一つであってもよい。
【0046】
カメラ保持装置3は、
図6に示す電池35を更に有している。電池35は、カメラ2及び発光装置32(
図2参照)に電力を供給する。なお、電池35は、二次電池であってもよいし、一次電池であってもよい。
【0047】
電池35は、保持部材4に内蔵されている。電池35は、筒部41の内側において撮影用開口部42(
図1参照)とは反対側の端部に位置している。筒部41における撮影用開口部42とは反対側の端部には、電池挿入口45が形成されている。電池35は、電池挿入口45を通して保持部材4に出し入れされる。保持部材4は、電池挿入口45を開閉する蓋46を有している。蓋46は、筒部41における撮影用開口部42とは反対側の端部に、変位可能に取り付けられている。
【0048】
電池挿入口45が蓋46によって閉じられ、かつ、保持部材4が使用位置に配された状態では、
図1に示すように、蓋46はフレーム6の遮蔽部62によって覆われる。
図3に示すように、電池挿入口45が蓋46によって閉じられ、かつ、保持部材4が非使用位置に配された状態で、蓋46は露出用開口部61を介してフレーム6の外部に露出する。
【0049】
図6に示すように、保持部材4が非使用位置に配されている状態において、ユーザは、蓋46を開くことで、電池挿入口45から電池35を出し入れすることができる。なお、カメラシステム1は、外部から電力を供給可能であってもよく、この場合、カメラシステム1は、電池35を有さなくてもよい。
【0050】
図2に示すように、カメラ保持装置3は、複数の操作部36,37を更に有している。複数の操作部36,37は、保持部材4の外面に設けられている。ユーザは、複数の操作部36,37を操作することで、カメラ2を操作することができる。
【0051】
本実施形態のカメラ保持装置3は、複数の操作部として、電源ボタン36及びシャッタボタン37を有している。電源ボタン36は、筒部41の第2露出面52に設けられており、シャッタボタン37は、筒部41の第1露出面51に設けられている。したがって、保持部材4が使用位置に配された状態では、電源ボタン36は、第2開口部72を介してフレーム6の外部に露出し、シャッタボタン37は、第1開口部71を介してフレーム6の外部に露出する。
【0052】
各露出面51,52は、保持部材4とフレーム6とで構成されたグリップ部31の外面の一部である。すなわち、電源ボタン36及びシャッタボタン37は、保持部材4においてグリップ部31の外面を構成する部分に位置している。このため、ユーザがグリップ部31を把持した状態では、グリップ部31を把持した手の近くに、電源ボタン36及びシャッタボタン37が位置する。したがって、ユーザは、電源ボタン36及びシャッタボタン37を操作しやすい。
【0053】
ユーザは、電源ボタン36を操作することで、電池35からカメラ2及び発光装置32への電力の供給の有無を切り替えることができる。また、ユーザは、カメラ2の電源が入っている状態で、シャッタボタン37を操作することにより、カメラ2による撮影の指示を行うことができる。このようにシャッタボタン37が操作された際、発光装置32は、光源33(複数の発光素子330)が発光するように制御される。このため、発光装置32から発せられた光により対象面9を適切な光量で照らした状態で、カメラ2による撮影を行うことができる。
【0054】
カメラ保持装置3は、電源ボタン36が操作された際、及びシャッタボタン37が操作された際に、ユーザに報知する報知部を有することが好ましい。報知部は、例えば、音を発する発音装置である。なお、報知部は、発音装置に制限されない。例えば、報知部は、光を発したり、文字を表示することによって、電源ボタン36が操作されたこと及びシャッタボタン37が操作されたことをユーザに知らせてもよい。また、カメラ保持装置3は、報知部を有さなくてもよい。
【0055】
図2に示すように、フレーム6の枠部60及び保持部材4の各々は、保持部材4が使用位置に配された状態において、互いに対向する対向面66,47を有している。枠部60の対向面66は、枠部60における保持部材4側に臨む面であり、枠部60の周方向の全長にわたる環状に形成されている。保持部材4の対向面47は、筒部41における撮影用開口部42側の端面であり、筒部41の周方向の全長にわたる環状に形成されている。
【0056】
フレーム6の対向面66は、左右方向に見て、保持部材4の回転軸40を中心とする弧状に形成されており、回転軸40とは反対側に向かって凹んだ曲面になっている。保持部材4の対向面47は、左右方向に見て、保持部材4の回転軸40を中心とする弧状に形成されており、回転軸40とは反対側に向かって突出した曲面になっている。このように、フレーム6及び保持部材4の各々の対向面66,47を、回転軸40を中心とする弧状の曲面とすることで、保持部材4のフレーム6に対する回転を許容しつつ、枠部60を保持部材4に近づけて配することができる。このため、カメラシステム1の大型化を抑制することができる。なお、カメラシステム1の大型化を抑制するには、フレーム6の対向面66は、回転軸40とは反対側に凹んだ曲面であればよく、保持部材4の対向面47は、回転軸40とは反対側に突出した曲面であればよい。例えば、フレーム6及び保持部材4の各々の対向面66,47の曲率半径は、対向面66,47から回転軸40までの距離と一致していてもよいし、異なっていてもよい。また、フレーム6及び保持部材4の各々の対向面66,47の形状は、限定されない。
【0057】
フレーム6の枠部60は、対向面66とは反対側に臨む接触面67を有している。接触面67は、枠部60における保持部材4とは反対側に臨む面であり、枠部60の周方向の全長にわたる環状の面である。接触面67は、フレーム6の対向面66よりも平らな面である。なお、本開示における「フレーム6の対向面66よりも平らな面」とは、平面だけでなく、曲率半径がフレーム6の対向面66の曲率半径よりも大きい曲面も含まれる。本実施形態の接触面67は、前後方向と直交する平面である。
【0058】
ユーザは、カメラ2による撮影を、
図2に示すように、壁面等の対象面9に接触させた状態で行うことができる。この場合、フレーム6の対向面66よりも平らな接触面67を対象面9に接触させることで、対象面9に対するカメラシステム1の向きを安定させることができる。このため、本実施形態のように、カメラ2で撮影した撮影データに基づいて対象面9の検査に用いる場合には、検査精度を向上できる。また、接触面67を対象面9に接触させることで、カメラ2から対象面9までの距離を略一定にした状態で、カメラ2による撮影を行うことができる。このため、検査精度を一層向上できる。
【0059】
また、接触面67を対象面9に接触させた状態では、対象面9において撮影される部分(すなわち、露出用開口部61に対応する部分)が、フレーム6の枠部60と保持部材4の筒部41によって覆われる。このため、対象面9において撮影される部分には、発光装置32から発せられた光だけを当てることができ、この部分に当たる光の量を略一定にすることができる。すなわち、対象面9を略一定の光量で撮影することができる。このため、検査精度を一層向上できる。なお、接触面67は、フレーム6の対向面66よりも平らな面に限定されない。
【0060】
カメラ保持装置3は、保持部材4を使用位置及び非使用位置に固定し、かつ、この固定を解除するための固定機構を更に有してもよい。また、カメラ保持装置3は、ユーザが保持部材4を使用位置及び非使用位置まで動かしたときに、ユーザに対してクリック感(手応え)を付与するクリック感付与機構を有してもよい。固定機構及びクリック感付与機構は、例えば、保持部材4の一部とフレーム6の一部とを脱着可能に凹凸嵌合する機構等である。
【0061】
図7に示すように、フレーム6は、取付部68を有している。取付部68には、カメラ保持装置3を支持するための支持部材8(
図8参照)が脱着可能に取付可能である。支持部材8は、例えば、棒状の器具又は三脚等である。本実施形態の取付部68は、フレーム6の遮蔽部62の外面に形成されたねじ穴である。例えば、
図8に示すように、取付部68に支持部材8を取り付けることで、カメラ2により天井面等の高所に位置する対象面9を容易に撮影することができる。
【0062】
ユーザは、上述したカメラシステム1を用いて、例えば、以下に示すように、対象面9(
図2参照)を撮影することができる。対象面9を撮影するにあたって、ユーザは、
図2に示すように、保持部材4を使用位置に配した状態とし、かつ、カメラシステム1の電源を入れた状態とする。次にユーザは、フレーム6と保持部材4とで構成されるグリップ部31を片手で把持しながら、枠部60の接触面67を、壁面等の対象面9に接触させる。続いてユーザは、シャッタボタン37を操作する。これにより、発光装置32の光拡散部材34が発光し、この光拡散部材34によって照らされた対象面9が、カメラ2によって撮影される。
【0063】
ユーザは、カメラシステム1を使用しないとき、保持部材4を
図3に示す非使用位置に配した状態とすることで、フレーム6により保持部材4及びカメラ2を保護することができる。
【0064】
なお、本実施形態のカメラ保持装置3及びカメラシステム1は、適宜設計変更可能である。例えば、保持部材4は、保持部材4のフレーム6に対する相対的な位置が変化することで、レンズ23が露出する使用位置と、レンズ23が露出しない非使用位置とに切り替えられればよい。したがって、保持部材4は、フレーム6に対して回転可能に取り付けられなくてもよい。
【0065】
例えば、保持部材4は、フレーム6に対してスライド移動することで、使用位置と非使用位置とに切り替えられてもよい。例えば、保持部材4は、フレーム6に対して脱着可能であり、フレーム6から取り外して使用位置と非使用位置とに切り替えられてもよい。また、例えば、フレーム6又は保持部材4が変形可能な遮蔽部を有し、保持部材4のフレーム6に対する位置が変化することで、遮蔽部が保持部材4と連動して、レンズ23を覆う状態と、レンズ23を露出させる状態とに変形するように構成されてもよい。また、カメラシステム1の各要素の形状、大きさ、位置、数及び材質等は、適宜変更可能である。
【0066】
(2)態様
以上説明した実施形態から明らかなように、第1の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。カメラ保持装置(3)は、保持部材(4)及びフレーム(6)を備える。保持部材(4)は、カメラ(2)を保持する。フレーム(6)は、保持部材(4)を支持する。保持部材(4)のフレーム(6)に対する位置が、カメラ(2)のレンズ(23)が露出する使用位置と、レンズ(23)がフレーム(6)によって覆われる非使用位置とに変更可能である。
【0067】
この態様によれば、保持部材(4)を使用位置に配することで、カメラ(2)による撮影が可能な状態にすることができる。また、保持部材(4)を非使用位置に配することで、レンズ(23)をフレーム(6)によって保護した状態にすることができる。
【0068】
第2の態様のカメラ保持装置(3)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。保持部材(4)は、撮影用開口部(42)を有する。保持部材(4)は、カメラ(2)を撮影用開口部(42)を通して撮影可能な位置に保持する。フレーム(6)は、露出用開口部(61)を有する。露出用開口部(61)は、保持部材(4)が前記使用位置に配された状態において、レンズ(23)を露出させる。保持部材(4)が前記使用位置に配された状態で、撮影用開口部(42)の少なくとも一部が露出用開口部(61)と重なる位置に配される。
【0069】
この態様によれば、フレーム(6)の露出用開口部(61)に対して、保持部材(4)の撮影用開口部(42)の位置を変更することで、レンズ(23)が露出した状態と、レンズ(23)がフレーム(6)によって覆われる状態とに切り替えることができる。
【0070】
第3の態様のカメラ保持装置(3)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。フレーム(6)は、枠部(60)を有する。枠部(60)に露出用開口部(61)が形成される。
【0071】
この態様によれば、フレーム(6)が枠部(60)を有することで、フレーム(6)の強度を高めることができる。また、この枠部(60)により、保持部材(4)における撮影用開口部(42)の周囲部分を保護することができる。
【0072】
第4の態様のカメラ保持装置(3)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。保持部材(4)は、フレーム(6)に対して回転可能に取り付けられている。保持部材(4)は、フレーム(6)に対して回転することで、前記使用位置に配された状態と前記非使用位置に配された状態とに切り替えられる。枠部(60)は、対向面(66)を有する。対向面(66)は、保持部材(4)が前記使用位置に配された状態で、保持部材(4)に対向する。対向面(66)は、保持部材(4)の回転軸(40)とは反対側に向かって凹んだ曲面である。
【0073】
この態様によれば、保持部材(4)のフレーム(6)に対する回転を許容しつつ、枠部(60)を保持部材(4)に近づけて配することができる。このため、カメラ保持装置(3)の大型化を抑制することができる。
【0074】
第5の態様のカメラ保持装置(3)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。枠部(60)は、接触面(67)を有する。接触面(67)は、対向面(66)とは反対側に臨む。接触面(67)は、対向面(66)よりも平らな面である。
【0075】
この態様によれば、接触面(67)を対象面(9)に接触させた状態で、カメラ(2)による撮影を行うことができる。この場合、対象面(9)に対するカメラ保持装置(3)の向きを安定させることができる。また、カメラ(2)から対象面(9)までの距離を略一定にすることができる。したがって、例えば、カメラ(2)で撮影した撮影データに基づいて対象面(9)の検査に用いる場合には、検査精度を向上できる。
【0076】
第6の態様のカメラ保持装置(3)は、第1~第5のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様のフレーム(6)は、前記使用位置に配された保持部材(4)及び前記非使用位置に配された保持部材(4)を収容する。
【0077】
この態様によれば、使用位置に配された保持部材(4)及び非使用位置に配された保持部材(4)をフレーム(6)で保護することができ、これにより、保持部材(4)で保持されたカメラ(2)に不具合が生じることを抑制できる。
【0078】
第7の態様のカメラ保持装置(3)は、第1~第3のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。保持部材(4)は、フレーム(6)に対して回転可能に取り付けられている。保持部材(4)は、フレーム(6)に対して回転することで、前記使用位置に配された状態と前記非使用位置に配された状態とに切り替えられる。
【0079】
この態様によれば、保持部材(4)をフレーム(6)に対して回転することで、保持部材(4)が使用位置に配された状態と保持部材(4)が非使用位置に配された状態とに、容易に切り替えることができる。
【0080】
第8の態様のカメラ保持装置(3)は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。フレーム(6)は、保持部材(4)の回転軸(40)と交差する一方向に長くなった筒状に形成されている。保持部材(4)は、前記使用位置及び前記非使用位置に配された状態でフレーム(6)の長さ方向に長くなった形状を有する。
【0081】
この態様によれば、保持部材(4)が使用位置及び非使用位置に配されてフレーム(6)に収容された状態において、カメラ保持装置(3)をコンパクトにすることができる。
【0082】
第9の態様のカメラ保持装置(3)は、第1~8のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。保持部材(4)とフレーム(6)とで、片手で把持可能なグリップ部(31)を構成する。
【0083】
この態様によれば、ユーザは、カメラ保持装置(3)を容易に保持することができる。
【0084】
第10の態様のカメラ保持装置(3)は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様のカメラ保持装置(3)は、以下に示す構成を有する。保持部材(4)は、カメラ(2)を操作するための操作部(36,37)を有する。操作部(36,37)は、保持部材(4)においてグリップ部(31)の外面を構成する部分に位置する。
【0085】
この態様によれば、ユーザのグリップ部(31)を把持した手の近くに、操作部(36,37)が位置する。このため、ユーザは、操作部(36,37)を容易に操作することができる。
【0086】
第11の態様のカメラ保持装置(3)は、第1~第10のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様の保持部材(4)は、カメラ(2)に電力を供給する電池(35)を保持する。この態様によれば、保持部材(4)で保持された電池(35)の電力を用いて、カメラ(2)を利用することができる。
【0087】
第12の態様のカメラシステム(1)は、以下に示す構成を有する。カメラシステム(1)は、第1~第11のいずれか一つの態様のカメラ保持装置(3)と、カメラ保持装置(3)によって保持されたカメラ(2)とを備える。
【0088】
この態様によれば、保持部材(4)を使用位置に配することで、カメラ(2)による撮影が可能な状態にすることができる。また、保持部材(4)を非使用位置に配することで、レンズ(23)をフレーム(6)によって保護した状態にすることができる。
【0089】
第2~第11の態様に係る構成については、カメラ保持装置(3)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 カメラシステム
2 カメラ
23 レンズ
3 カメラ保持装置
31 グリップ部
35 電池
36 操作部
37 操作部
4 保持部材
40 回転軸
42 撮影用開口部
6 フレーム
60 枠部
61 露出用開口部
66 対向面
67 接触面
9 対象面