(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-04
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 17/55 20210101AFI20230825BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230825BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20230825BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20230825BHJP
H04N 23/52 20230101ALI20230825BHJP
H04N 23/53 20230101ALI20230825BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
G03B17/55
G03B17/02
H04N23/50
H04N23/51
H04N23/52
H04N23/53
H05K7/20 H
(21)【出願番号】P 2019160545
(22)【出願日】2019-09-03
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】 JP2019017174
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】和田 倫太郎
(72)【発明者】
【氏名】富永 裕二
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-033718(JP,A)
【文献】特開2009-033547(JP,A)
【文献】特開2016-134813(JP,A)
【文献】特開2006-098505(JP,A)
【文献】国際公開第2016/031369(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第108513630(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0248609(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108063382(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109068552(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0072742(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 17/55
H04N 23/50
H04N 23/51
H04N 23/52
H04N 23/53
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口と排気口とを備える筐体と、
前記筐体内に配置され、少なくともイメージセンサを含む少なくとも1つの発熱源と、
前記筐体内に配置され、前記吸気口を介して外気を取り込み、その取り込んだ外気を前記排気口に向かって吹き出すファンと、
前記筺体の後面
に操作部
および前記操作部に隣接
し、ユーザが把持する前記筺体の部分に対して前記操作部を挟んで反対側に位置する部分が隆起して形成された隆起部を備え、
前記隆起部の頂面に設けられた表示パネルを有し、
前記吸気口が、開口方向が互いに異なり隣接する第1および第2の吸気口を含み、
前記第1および第2の吸気口が、前記隆起部に設けられている、撮像装置。
【請求項2】
前記第2の吸気口が、前記隆起部の頂面に設けられ、
前記表示パネルが、前記隆起部の頂面と前記表示パネルの対向方向視で、前記第2の吸気口の全体を覆っている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示パネル
は、前記筺体に対して回動可能に設けられた表示パネルユニット
であって、
前記第2の吸気口が、前記隆起部の頂面に設けられ、
前記表示パネルユニットが、収納状態のときに前記隆起部の頂面を覆い、
収納状態の前記表示パネルユニットと前記隆起部の頂面との対向方向視で、前記収納状態の前記表示パネルユニットによって覆われる前記隆起部の頂面の部分に、前記第2の吸気口の全体が設けられている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
吸気口と排気口とを備える筐体と、
前記筐体内に配置され、少なくともイメージセンサを含む少なくとも1つの発熱源と、
前記筐体内に配置され、前記吸気口を介して外気を取り込み、その取り込んだ外気を前記排気口に向かって吹き出すファンと、
前記筺体の後面
に操作部
および前記操作部に隣接
し、ユーザが把持する前記筺体の部分に対して前記操作部を挟んで反対側に位置する部分が沈降して形成された沈降部を備え、
前記沈降部の底面に設けられた表示パネルを有し、
前記吸気口が、第1および第2の吸気口を含み、
前記第2の吸気口が、前記沈降部に設けられ、
前記第1の吸気口は、前記第2の吸気口に隣接するように前記筐体の下面に設けられている、撮像装置。
【請求項5】
前記第2の吸気口が、前記沈降部の底面に設けられ、
前記表示パネルが、前記沈降部の底面と前記表示パネルの対向方向視で、前記第2の吸気口の全体を覆っている、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記表示パネル
は、前記筺体に対して回動可能に設けられた表示パネルユニット
であって、
前記第2の吸気口が、前記沈降部の底面に設けられ、
前記表示パネルユニットが、収納状態のときに前記沈降部の底面を覆い、
収納状態の前記表示パネルユニットと前記沈降部の底面との対向方向視で、前記収納状態の前記表示パネルユニットによって覆われる前記沈降部の底面の部分に、前記第2の吸気口の全体が設けられている、請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記発熱源に対して熱的に接続され、前記排気口と前記ファンとの間に配置されたヒートシンクをさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ファンが、空気取り込み口と空気吹き出し口とを備えるファンケース、および前記ファンケース内に収容され、前記筐体の前後方向に延在する回転中心線を中心として回転する羽根車を含むシロッコファンであり、
前記排気口と前記空気吹き出し口とが互いに対向し合い、
前記ヒートシンクが、前記排気口と前記空気吹き出し口との対向方向に平行に配置された複数の放熱フィンを備える、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記排気口が、前記筐体の正面視で、前記筐体の右方に向かって開口している、請求項1から8のいずれか一項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、筐体と、筐体内に搭載されたイメージセンサなどの電子部品と、筐体内に設けられ、電子部品から発生した熱を筐体に伝達する放熱フレームとを有する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、例えば高画質の動画を撮影して処理するなど、高負荷の処理を実行可能な撮像装置が望まれている。しかし、処理の負荷が高くなればなるほど、イメージセンサなどの電子部品からより多くの熱が発生する。そのために、撮像装置は、電子部品から発生する熱を、より効率よく筐体の外部に放熱する必要がある。
【0005】
そこで、本開示は、撮像装置の放熱能力を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
吸気口と排気口とを備える筐体と、
前記筐体内に配置され、少なくともイメージセンサを含む少なくとも1つの発熱源と、
前記筐体内に配置され、前記吸気口を介して外気を取り込み、その取り込んだ外気を前記排気口に向かって吹き出すファンと、
表示パネルを含み、前記筐体に回動可能に設けられた表示パネルユニットと、を有し、
前記吸気口が、第1および第2の吸気口を含み、
収納状態の前記表示パネルユニットと前記筺体との対向方向視で、収納状態の前記表示パネルユニットによって覆われる前記筺体の部分に、前記第2の吸気口の全体が設けられている、撮像装置が提供される。
【0007】
また、本開示の別態様によれば、
吸気口と排気口とを備える筐体と、
前記筐体内に配置され、少なくともイメージセンサを含む少なくとも1つの発熱源と、
前記筐体内に配置され、前記吸気口を介して外気を取り込み、その取り込んだ外気を前記排気口に向かって吹き出すファンと、
前記筺体の後面に設けられた操作部と、を有し、
前記筺体の後面が、前記操作部に隣接する部分が隆起して形成された隆起部を備え、
前記吸気口が、異なる方向に開口する第1および第2の吸気口を含み、
前記第1および第2の吸気口において少なくとも第2の吸気口が、前記隆起部に設けられている、撮像装置が提供される。
【0008】
さらに、本開示の異なる態様によれば、
吸気口と排気口とを備える筐体と、
前記筐体内に配置され、少なくともイメージセンサを含む少なくとも1つの発熱源と、
前記筐体内に配置され、前記吸気口を介して外気を取り込み、その取り込んだ外気を前記排気口に向かって吹き出すファンと、
前記筺体の後面に設けられた操作部と、を有し、
前記筺体の後面が、前記操作部に隣接する部分が沈降して形成された沈降部を備え、
前記吸気口が、異なる方向に開口する第1および第2の吸気口を含み、
前記第1および第2の吸気口において少なくとも第2の吸気口が、前記沈降部に設けられている、撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】表示パネルユニットが収納された状態の本開示の実施の形態1に係る撮像装置の左後方斜視図
【
図2】表示パネルユニットが収納された状態の撮像装置の右後方斜視図
【
図3】表示パネルユニットが収納された状態の撮像装置の後面図
【
図4】表示パネルユニットが収納位置から回動された状態の撮像装置の左後方斜視図
【
図5】表示パネルユニットが収納位置から回動された状態の撮像装置の後面図
【
図9】本開示の実施の形態2に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【
図10】本開示の実施の形態3に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【
図11】本開示の実施の形態4に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【
図12】本開示の実施の形態5に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【
図13】本開示の実施の形態6に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【
図14】本開示の実施の形態7に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0012】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0013】
以下に、本開示の複数の実施の形態に係る映像表示装置について
図1~
図10を参照しながら説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1に係る撮像装置の左後方斜視図であって、
図2は撮像装置の右後方斜視図であって、そして、
図3は撮像装置の後面図である。なお、図に示すX-Y-Z座標系は、本開示の実施の形態の理解を容易にするためのものであって、発明を限定するものではない。X軸は撮像装置の前後方向を示し、Y軸は左右方向を示し、そしてZ軸は上下方向を示している。また、「左」、「右」に関しては、撮像装置を正面(鏡筒側)から見た場合を基準としている。
【0015】
図1~3に示すように、本実施の形態1に係る撮像装置10は、いわゆるカメラであって、筐体12を有する。
図1には、筐体12の後面12aおよび左側面12bが示されている。
図2には、筐体12の後面12aおよび右側面12cが示されている。
【0016】
図1~3に示すように、本実施の形態1の場合、筐体12の後面12aにおいて、その上部にはファインダー14が設けられ、左右方向(Y軸方向)の一方側(右側面12c側)には表示パネルユニット16が設けられ、他方側(左側面12b側)には複数の操作ボタン18a~18eからなる操作部18が設けられている。
【0017】
表示パネルユニット16は、筐体12(その後面12a)に対して回動可能に設けられている。
【0018】
図4は表示パネルユニットが収納位置から回動した状態を示す撮像装置の左後方斜視図であって、
図5は表示パネルユニットが収納位置から回動した状態を示す撮像装置の後面図である。なお、
図4および
図5は、視点が異なるだけで、撮像装置10の同一の状態、すなわち撮像装置10の後面に対して表示パネルユニット16が60度の角度で傾斜している状態を示している。また、
図1~3は、表示パネルユニットが収納位置で収納されている状態の撮像装置を示している。
【0019】
図4に示すように、本実施の形態1の場合、表示パネルユニット16は、筐体12に対して上端が回動可能に取り付けられた回動ベース20と、回動ベース20に対して回動可能に取り付けられたヒンジ22と、ヒンジ22に対して回動可能に取り付けられた表示パネル24とを備える。
【0020】
具体的には、表示パネルユニット16の回動ベース20は、その上端が、左右方向(Y軸方向)に延在する第1の回転中心線C1を中心として回動可能に筐体12に支持されている。ヒンジ22は、第1の回転中心線C1に対して直交する方向に延在する第2の回転中心線C2を中心として回動可能に回動ベース20における筐体12の右側面12c側部分に支持されている。なお、
図1および
図2に示すように、表示パネルユニット16が収納位置に位置するとき(その全体が筐体12に最も接近しているとき)、第2の回転中心線C2は、上下方向(Z軸方向)に延在する。
【0021】
表示パネル24は、例えば液晶パネルであって、例えば撮像された画像や動画を表示する。表示パネル24は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。
【0022】
表示パネルユニット16は、表示パネルユニット16のヒンジ22に、第1の回転中心線C1に対して平行な第3の回転中心線C3を中心にして回動可能に支持されている。
【0023】
図3に示すように、撮像装置10の筐体12には、ファン30が内蔵されている。
【0024】
図6は、本実施の形態1に係る撮像装置の上面視断面図である。
【0025】
図6に示すように、撮像装置10の筐体12内には、ファン30が配置されている。本実施の形態1の場合、ファン30は、空気取り込み口32aと空気吹き出し口32bとを備えるファンケース32と、ファンケース32に収容された羽根車34とを含むシロッコファンである。
【0026】
シロッコファンであるファン30は、羽根車34の回転中心線C4の延在方向に空気を取り込み、回転中心線C4に対して直交する1つの方向に空気を吹き出すように構成されている。ファン30は、羽根車34の回転中心線C4の延在方向が前後方向(X軸方向)に対して平行になるように、筐体12内に配置されている。すなわち、ファンケース32に設けられた空気取り込み口32aが前後方向に開口し、空気吹き出し口32bが左右方向(Y軸方向)に開口している。本実施の形態1の場合、空気吹き出し口32bは、筐体12の右側面12cに向いている。
【0027】
ファン30の配置位置に関して、
図4に示すように、本実施の形態1の場合、筐体12の後面12aは、操作部18に隣接する部分が隆起して形成された隆起部12dを備える。本実施の形態1の場合、操作部18と隆起部12dは、左右方向(Y軸方向)に並んで後面12aに設けられている。
【0028】
隆起部12dは、台地状であって、平面状の頂面12eを備える。
図6に示すように、このような隆起部12d内に、ファン30が配置されている。なお、
図6に示すように、この隆起部12dの頂面12eは、表示パネルユニット16が収納位置に位置するとき、その表示パネルユニット16によって覆われる。
【0029】
また、
図6に示すように、本実施の形態1の場合、ファン30は、筐体12内に画定されたファン格納空間12f内に格納されている。具体的には、筐体12内は、主空間12gと、ファン格納空間12fと、詳細は後述するヒートシンク格納空間12hとに区画されている。なお、主空間12gには、画像や動画を撮像するイメージセンサ(図示せず)などの電子部品が格納されている。
【0030】
ファン格納空間12fは、その一部が筐体12の隆起部12d内に存在するように画定されている。そのファン格納空間12fに、空気取り込み口32aを含むファン30が格納されている。ファン30の空気吹き出し口32bは、ヒートシンク格納空間12hに連通している。
【0031】
ファン30を介してファン格納空間12fに空気(外気)を吸引するために、
図4に示すように、筐体12は第1の吸気口12jおよび第2の吸気口12kを備える。本実施の形態1の場合、第1の吸気口12jおよび第2の吸気口12kは、表示パネルユニット16の外周近傍に配置されている。それらの第1の吸気口12jおよび第2の吸気口12kは、異なる方向に開口し、そのために異なる筐体12の部分に設けられている。
【0032】
具体的には、
図4および
図6に示すように、本実施の形態1の場合、第1の吸気口12jは、台地状の隆起部12dにおける操作部18側の側面12mに設けられ、筐体12の左方に向かって開口している。第2の吸気口12kは、台地状の隆起部12dの頂面12eに第1の吸気口12jに隣接するように設けられ、筐体12の後方に向かって開口している。したがって、第1の吸気口12jの開口方向と第2の吸気口12kの開口方向は、約90度異なる。
【0033】
なお、第1および第2の吸気口12j、12kには、異物侵入を抑制するためにガードフレーム12nが設けられている。
【0034】
また、
図6に示すように、第2の吸気口12kは、隆起部12dの頂面12eに設けられているために、表示パネルユニット16が収納位置に位置するとき、その全体が表示パネルユニット16によって覆われる。具体的には、収納状態の表示パネルユニット16と筺体12との対向方向視(X軸方向視)で、その状態の表示パネルユニット16によって覆われる隆起部12dの頂面12eの部分に、第2の吸気口12kの全体が設けられている。覆われた状態であっても第2の吸気口12k内に空気が進入することができるように、第2の吸気口12kの周縁部と表示パネルユニット16との間には隙間が設けられている。例えば第2の吸気口12kの周縁部である頂面12eの部分12rが他の部分に比べて窪むことにより、その隙間が形成されている。
【0035】
このように、筐体12(すなわちファン格納空間12f)内に空気を吸引するための吸気口として、複数の吸気口、好ましくは異なる方向に開口する第1および第2の吸気口12j、12kを筐体12に設ける理由については後述する。
【0036】
第1および第2の吸気口12j、12kを介して筐体12内に吸引された空気を外部に排出するために、筐体12は排気口12pを備える。
【0037】
図2に示すように、本実施の形態1の場合、排気口12pは、筐体12の右側面12cに設けられている。言い換えると、台地状の隆起部12dの側面に、排気口12pは設けられている。尚、排気口12pには、異物侵入を抑制するためにガードフレーム12qが設けられている。
【0038】
図6に示すように、排気口12pは、ヒートシンク格納空間12hに連通し、ファン30の空気吹き出し口32bに対して互いに対向するように配置されている。
【0039】
排気口12pとファン30との間には、すなわち、排気口12pとファン30の空気吹き出し口32bとの間に位置するヒートシンク格納空間12hには、放熱用ヒートシンク40が配置されている。
【0040】
図7は、本実施の形態1に係る撮像装置の側面視断面図である。
【0041】
本実施の形態1の場合、
図7に示すように、放熱用ヒートシンク40は、例えばアルミニウムなどの金属材料から作製され、取り付け部40aと、その取り付け部40aから立設する複数の放熱フィン40bとを備える。複数の放熱フィン40bそれぞれは、
図6に示すように、排気口12pとファン30の空気吹き出し口32bとの対向方向、すなわち左右方向(Y軸方向)に平行に配置されている。これにより、空気吹き出し口32bから排気口12pに向かう空気が、複数の放熱フィン40bの間を直進することができる。それにより、流路抵抗が減少し、ファン30の回転数を低く抑えることができる、すなわちファン30から発生する騒音を抑えることができる。
【0042】
図6および
図7に示すように、本実施の形態1の場合、放熱用ヒートシンク40の取り付け部40aは、主空間12gとヒートシンク格納空間12hとを隔たる隔壁42に取り付けられている。この隔壁42は、例えばアルミニウムなどの金属材料から作製されている。また、この隔壁42は、主空間12gとファン格納空間12fとを隔てている。
【0043】
隔壁42には、主空間12g内に配置され、主空間12g内の熱を吸収する吸熱用ヒートシンク44が取り付けられている。吸熱用ヒートシンク44は、例えばアルミニウムなどの金属材料から作製されている。本実施の形態1の場合、
図6に示すように、吸熱用ヒートシンク44は、回路基板50に搭載されて動画を処理する動画処理用チップ(プロセッサ)52に接触している。すなわち、吸熱用ヒートシンク44は、動画処理用チップ52に直接的に且つ熱的に接続されている。また、吸熱用ヒートシンク44は、画像や動画を撮像するイメージセンサ54や他の電子部品に対して、主空間12g内の空気を介して、間接的に且つ熱的に接続されている。なお、イメージセンサ54と吸熱用ヒートシンク44とが直接的に接続(接触)されてもよい。すなわち、高負荷処理時に高温の熱を発生する電子部品は、吸熱用ヒートシンク44に直接的に接続されている(接触している)のが好ましい。
【0044】
なお、放熱用ヒートシンク40、隔壁42、および吸熱用ヒートシンク44の少なくとも2つを一部品として構成してもよい。それにより、吸熱用ヒートシンク44から放熱用ヒートシンク40までの伝熱効率を向上させることができる。
【0045】
ここまでは、撮像装置10の放熱に関する構成について説明してきた。ここからは、放熱の方法について説明する。なお、撮像装置10の放熱に関する構成要素を示した撮像装置10の概略的な左後方斜視図である
図8も参照しながら、放熱の方法についての説明を行う。
【0046】
例えば、画像や動画の長時間撮影、高解像度の動画の圧縮処理など高負荷の処理が続くと、イメージセンサ54、動画処理用チップ52、および回路基板50などの筐体12の主空間12gに格納された電子部品が発熱する。このようにして発生した主空間12g内の熱は、一部が筐体12を介して外部に放熱されるとともに、残りが吸熱用ヒートシンク44に吸収される。
【0047】
吸熱用ヒートシンク44に吸収された熱は、隔壁42を介して、放熱用ヒートシンク40に伝達される。
【0048】
その一方、高負荷の処理が続いて主空間12g内の温度が所定の温度を超えると(例えば、筐体12内の温度を検出する温度センサ(図示せず)の検出温度が所定の温度を超えると、ファン30の羽根車34が回転する。なお、筐体12内の温度変化に基づいて羽根車34の回転速度が調節されてもよい。また、ユーザの操作によってファン30の羽根車34が回転されてもよい。さらに、動画圧縮処理など所定の高負荷処理が開始されるときに、ファン30の羽根車34が回転し始めてもよい。さらにまた、撮像装置10の起動スイッチがONにされると、ファン30の羽根車34が回転し始めてもよい。
【0049】
ファン30の羽根車34が回転すると、
図6および
図8に示すように、第1および第2の吸気口12j、12kを介して、空気(外気)が、筐体12内に吸い込まれる。それにより、
図6に示すように、第1の吸気口12jを通過する空気の流れF1と、第2の吸気口12kを通過する空気の流れF2(またはF3)が発生する。
【0050】
なお、第2の吸気口12kに関して、空気の流れF2は、表示パネルユニット16が収納位置に位置するときに発生する流れであり、空気の流れF3は、表示パネルユニット16が収納位置から回動した状態(非収納状態)であるときに発生する流れである。表示パネルユニット16が収納位置に位置する場合、その表示パネルユニット16によって第2の吸気口12kが覆われるため、その場合の空気の流れF2の流量は、空気の流れF3の流量に比べて小さい。
【0051】
第1の吸気口12jを通過した空気の流れF1と、第2の吸気口12kを通過した空気の流れF2(またはF3)は、筐体12内、すなわちファン格納空間12f内で合流する。そして、その空気は、ファン格納空間12fに格納されたファン30に取り込まれる。具体的には、空気は、ファン30のファンケース32内に、空気取り込み口32aを介して取り込まれる。
【0052】
ファン30のファンケース32に取り込まれた空気は、回転する羽根車34によって空気吹き出し口32bから排気口12pに向かって吹き出される。
【0053】
ファン30から吹き出された空気(空気の流れF4)は、放熱用ヒートシンク40の複数の放熱フィン40bの間を通過して排気口12pに向かう。複数の放熱フィン40bの間を通過する空気は、放熱フィン40bから熱を奪って保持し、排気口12pを介して筐体12の外部に到達する。
【0054】
このような、第1および第2の吸気口12j、12k、ファン30、放熱用ヒートシンク40、および排気口12pを順に通過する空気の流れをファン30が発生させることにより、筐体12内の電子部品から放熱用ヒートシンク40に伝熱された熱を強制的に外部に排出することができる。その結果、撮像装置10は、高画質な動画を撮影するなどの高負荷処理時に発生する熱を効率よく放熱することができる、すなわち高い放熱能力を備えることができる。
【0055】
また、
図8に概略的に示すように、第1および第2の吸気口12j、12kが異なる方向に開口するために、筐体12内に、より確実に且つより多くの空気を、撮像装置10の意匠性を維持した状態で吸引することができる。
【0056】
具体的に説明すると、これと異なり、一方向に開口する1つの吸引口のみで吸引する場合、十分な吸引量を確保するために、吸引口の開口サイズを大きくする必要が生じる。その結果、撮像装置10の意匠性が損なわれる可能性がある。また、開口サイズを大きくする吸引口が本実施の形態の第1の吸引口12jのように隆起部の側面に設けられている場合、開口サイズを大きくすることによって隆起部の高さが大きくなる。その高さが大きい隆起部によって撮像装置10の意匠性がさらに損なわれる可能性がある。さらに、撮像装置10を持つユーザの手(例えば右手の親指)がその1つのみの吸引口を少なくとも部分的に塞ぎ、放熱に必要な十分量の空気を筐体12内に吸引できない可能性がある。
【0057】
そこで、複数の吸気口、好ましくは異なる方向に開口する第1および第2の吸気口12j、12kを筐体12に設けることにより、ユーザの手によって吸引口が塞がれて筐体内に吸気できない可能性を低減している。また、それとともに、吸引口の開口サイズが大きいために生じる撮像装置10の意匠性の低下を抑制している。
【0058】
なお、排気口12pが右側面12cに設けられているので、筐体12の左方に向かって開口する吸気口を筐体12の左側面12bに設けることが考えられる。しかし、筐体12の左側面12bはユーザが右手で筐体12を把持する部分であるので、その左側面12bに吸気口を設けると、ユーザの右手によってその吸気口が塞がれる可能性がある。また、左側面12bに吸気口を設けると、吸気口によって吸引された空気をファン30まで案内するダクトが必要になる。しかしながら、操作部18が存在するために、具体的には複数の操作ボタン18a~18eが実装された基板などが存在するために、左側面12bからファン30までのダクトを設けるスペースを筐体12内に実質的に確保することができない。
【0059】
さらに、
図8に概略的に示すように、放熱用ヒートシンク40は、排気口12pとファン30との間に配置されている。すなわち、ファン30に対して下流側で、空気の流れは放熱用ヒートシンク40から熱を奪う。このようなファン30に対する放熱用ヒートシンク40の配置により、ファンに対して上流側で空気の流れが放熱用ヒートシンクから熱を奪う場合に比べて、熱を奪って高温状態の空気が流れる筐体12内の距離を短くすることができる。それにより、高温の空気の流れから筐体12に戻る熱量を低減することができ、放熱効率が向上する。
【0060】
本実施の形態1においては、
図8に示すように、ユーザの手によって覆われにくい、筐体12の後面12aに設けられた台地状の隆起部12dの側面12mに第1の吸気口12jが設けられている。これにより、第1の吸気口12jがユーザの手によって塞がれる可能性がより低減する。
【0061】
本実施の形態1においては、
図3および
図5に示すように、第2の吸気口12kの全体を、表示パネルユニット16によって隠すことが可能である。したがって、第2の吸気口12kを実質的に使用する必要がない場合、すなわち処理負荷が低くて筐体12内での発熱量が小さい場合、表示パネルユニット16によって第2の吸気口12kを覆い隠すことができる。その結果、第2の吸気口12kによる撮像装置10の意匠性の低下を抑制することができる。なお、処理負荷が高い場合、表示パネルユニット16を回動させて第2の吸気口12kを露出させるように、ユーザに、例えば表示パネル24にコメントを表示することによって促してもよい。
【0062】
本実施の形態1においては、排気口12pが、正面視で筐体12の右方に向かって開口している、すなわち筐体12の右側面12cに設けられている。それにより、排気口12pから排出される高温の空気が、ユーザの手に当たることが抑制される。これと異なり、排気口が筐体の左方に向かって開口している(筐体12の左側面に設けられている)場合、排気口から排出された高温の空気がユーザの右手に当たり、ユーザが不快に感じる可能性がある。
【0063】
本実施の形態1の場合、ファン30が、直進性の高い空気を吹き出すことができるシロッコファンである。また、
図6に示すように、そのファン30の空気吹き出し口32bと筐体12の排気口12pとが互いに対向している。そして、放熱用ヒートシンク40の複数の放熱フィン40bが、排気口12pと空気吹き口32bとの対向方向に平行に配置されている。これにより、流路抵抗を低く抑えつつ、ファン30から吹き出された空気の流れが放熱フィン40bを効率よく冷却することができる。その結果、ファン30の回転数を低く抑えることができ、ファン30からの騒音を低減することができる。
【0064】
以上、このような本実施の形態1によれば、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0065】
(実施の形態2)
本実施の形態2は、第1および第2の吸気口が設けられた筐体の位置が異なる点を除いて、上述の実施の形態1と実質的に同一である。したがって、異なる点を中心に、本実施の形態2について説明する。
【0066】
図9は、本開示の実施の形態2に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0067】
図9に示すように、本実施の形態2に係る撮像装置110の筐体112は、
図8に概略的に示す上述の実施の形態1に係る撮像装置10の筐体12と同様に、その後面112aの一部が隆起して形成された隆起部112dを備える。隆起部112dは、台地状であって、平面状の頂面112eを備える。その頂面112eは、上述の実施の形態1の隆起部12dの頂面12eと同様に、収納位置に位置する状態の表示パネルユニット16に覆われる。
【0068】
本実施の形態2の場合、上述の実施の形態1と異なり、第1の吸気口112jは、隆起部112dにおける筐体112の操作部18側の側面112mには設けられてはいない。その代りに、隆起部112dにおける下側側面、すなわち筐体112の下面112rに、第1の吸気口112jが設けられている。また、第2の吸気口112kが、第1の吸気口112jに隣接するように、隆起部112dの頂面112eに設けられている。第2の吸気口112kは、収納位置に位置する表示パネルユニット16に覆われる。
【0069】
第1および第2の吸気口112j、112kを介して筐体112内に吸引された空気は、空気取り込み口32aを介してファン30に取り込まれ、次に、ファン30の空気吹き出し口32bから吹き出されて放熱用ヒートシンク40を冷却する。そして、放熱用ヒートシンク40を冷却した高温の空気は、右側面112cに設けられた排気口112pを介して筐体112の外部に排出される。
【0070】
本実施の形態2も、上述の実施の形態1と同様に、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0071】
(実施の形態3)
上述の実施の形態1の場合、
図8に概略的に示すように、撮像装置10の筐体12は、その後面12aに隆起部12dを備える。その隆起部12dに、第1および第2の吸気口12j、12kが設けられている。しかしながら、本実施の形態3に係る撮像装置の筐体は隆起部を備えていない。したがって、この異なる筐体の後面を中心に、本実施の形態3について説明する。
【0072】
図10は、本開示の実施の形態3に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0073】
図10に示すように、本実施の形態3に係る撮像装置210の筐体212の後面212aは、操作部18に隣接する部分が沈降して形成された沈降部212sを備える。その沈降部212sは、平面状の底面212tを備える。この沈降部212sに表示パネルユニット16が収納され、その底面212tが収納状態の表示パネルユニット16に覆われる。
【0074】
本実施の形態3の場合、第1の吸気口212jは、筐体212の下面212rに設けられる。また、第2の吸気口212kが、第1の吸気口212jに隣接するように、沈降部212sの底面212tに設けられている。第2の吸気口212kは、収納位置に位置する表示パネルユニット16によって覆われる。
【0075】
第1および第2の吸気口212j、212kを介して筐体212内に吸引された空気は、空気取り込み口32aを介してファン30に取り込まれ、次に、ファン30の空気吹き出し口32bから吹き出されて放熱用ヒートシンク40を冷却する。そして、放熱用ヒートシンク40を冷却した高温の空気は、右側面212cに設けられた排気口212pを介して筐体212の外部に排出される。
【0076】
本実施の形態3も、上述の実施の形態1と同様に、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0077】
(実施の形態4)
上述の実施の形態1の場合、
図2および
図4に示すように、表示パネルユニット16は、回動可能に筺体12に設けられている。その結果として、表示パネルユニット16に含まれる表示パネル24が、回動可能に筺体12に設けられている。しかしながら、本実施の形態4の場合、表示パネルは回動可能に筺体に設けられていない。したがって、この異なる筐体の後面を中心に、本実施の形態4について説明する。
【0078】
図11は、本開示の実施の形態4に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0079】
図11に示すように、本実施の形態4に係る撮像装置310の筐体312は、
図8に概略的に示す上述の実施の形態1に係る撮像装置10の筐体12と同様に、その後面312aの一部が隆起して形成された隆起部312dを備える。隆起部312dは、台地状であって、平面状の頂面312eを備える。
【0080】
本実施の形態4の場合、隆起部312dにおける操作部18側の側面312mに、第1の吸気口312jが設けられている。また、隆起部312dの頂面312eに、第2の吸気口312kが設けられている。
【0081】
隆起部312dの頂面312eには、表示パネル324が設けられている。本実施の形態4の場合、表示パネル324は、回動不可能に、すなわち固定状態で隆起部312dの頂面312eに設けられている。また、表示パネル324は、隆起部312dの頂面312eに設けられた第2の吸気口312kが吸気を行えるように、頂面312eとの間に隙間を形成している。このような隙間を形成するために、表示パネル324と頂面312eとの間にスペーサ(図示せず)が設けられる。
【0082】
なお、
図11に示すように、表示パネル324と隆起部312dの頂面312eとの対向方向(X軸方向)視で、固定状態の表示パネル324によって第2の吸気口312kの全体が覆われている。そのため、その第2の吸気口312kは、撮像装置310の意匠性に関与しない。したがって、第2の吸気口312kの面積を可能な限り大きくすることができる。その結果、筺体312内への吸気効率が向上する。吸気効率をさらに向上させるために、ファン30の空気取り込み口32aに対向するように、第2の吸気口312kを設けてもよい。
【0083】
本実施の形態4も、上述の実施の形態1と同様に、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0084】
(実施の形態5)
本実施の形態5は、上述の実施の形態4の改良形態である。上述の実施の形態4と異なる点は、本実施の形態5の撮像装置の筺体が、隆起部ではなく、沈降部を備える点である。したがって、この異なる点を中心に、本実施の形態5について説明する。
【0085】
図12は、本開示の実施の形態5に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0086】
図12に示すように、本実施の形態5に係る撮像装置410の筐体412は、
図10に概略的に示す上述の実施の形態3に係る撮像装置210の筐体212と同様に、その後面412aの一部が沈降して形成された沈降部412sを備える。その沈降部412sは、平面状の底面412tを備える。
【0087】
本実施の形態5の場合、第1の吸気口412jは、筐体412の下面412rに設けられている。また、第2の吸気口412kが、沈降部412sの底面412tに設けられている。
【0088】
沈降部412sの底面412tには、表示パネル424が設けられている。本実施の形態5の場合、表示パネル424は、回動不可能に、すなわち固定状態で沈降部412sの底面412tに設けられている。また、表示パネル424は、沈降部412sの底面412tに設けられた第2の吸気口412kが吸気を行えるように、底面412tとの間に隙間を形成している。また、筺体412の後面412aと底面412tとを接続する沈降部412sの側面412uと表示パネル424との間にも隙間が形成されている。このような隙間を形成するために、表示パネル424と頂面412tとの間にスペーサ(図示せず)が設けられる。
【0089】
なお、
図12に示すように、表示パネル424と沈降部412sの底面412tとの対向方向(X軸方向)視で、固定状態の表示パネル424によって第2の吸気口412kの全体が覆われている。そのため、その第2の吸気口412kは、撮像装置410の意匠性に関与しない。したがって、第2の吸気口412kの面積を可能な限り大きくすることができる。その結果、筺体412内への吸気効率が向上する。吸気効率をさらに向上させるために、ファン30の空気取り込み口32aに対向するように、第2の吸気口412kを設けてもよい。
【0090】
本実施の形態5も、上述の実施の形態1と同様に、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0091】
(実施の形態6)
本実施の形態6は、第2の吸気口が表示パネルユニットまたは表示パネルに覆われていない点で、上述の実施の形態1~5と異なる。
【0092】
図13は、本開示の実施の形態6に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0093】
図13に示すように、本実施の形態6に係る撮像装置510の筐体512は、
図8に概略的に示す上述の実施の形態1に係る撮像装置10の筐体12と同様に、その後面512aの一部が隆起して形成された隆起部512dを備える。隆起部512dは、台地状であって、平面状の頂面512eを備える。
【0094】
本実施の形態6に係る撮像装置510において、第1および第2の吸気口512j、512kそれぞれは、隆起部512dの複数の側面512mにおいて異なる側面512mに設けられている。隆起部512dの頂面512eには、表示パネル524が固定されている。なお、本実施の形態6の場合、表示パネル524は、頂面512eとの間に隙間を形成することなく、その頂面512eに固定されている。
【0095】
このように、隆起部512dの複数の側面512mにおいて異なる側面512mに第1および第2の吸気口512j、512kそれぞれが設けられるため、これらの吸気口は異なる方向に開口する。その結果として、第1および第2の吸気口512j、512kの両方が同時に、ユーザの手によって塞がれる可能性が低減する。
【0096】
なお、隆起部の頂面ではなく沈降部の底面に表示パネルが隙間を形成することなく固定される場合、筺体の後面と沈降部の底面とを接続する該沈降部の複数の側面における異なる側面に、第1および第2の吸気口それぞれが設けられてもよい。
【0097】
本実施の形態6も、上述の実施の形態1と同様に、撮像装置の放熱能力を向上させることができる。
【0098】
(実施の形態7)
本実施の形態7は、上述の実施の形態6の改良形態である。したがって、上述の実施の形態6と異なる点を中心に、本実施の形態7について説明する。
【0099】
図14は、本開示の実施の形態7に係る撮像装置の概略的な左後方斜視図である。
【0100】
図14に示すように、本実施の形態7に係る撮像装置610の筐体612は、
図8に概略的に示す上述の実施の形態1に係る撮像装置10の筐体12と同様に、その後面612aの一部が隆起して形成された隆起部612dを備える。隆起部612dは、台地状であって、平面状の頂面612eを備える。
【0101】
本実施の形態7に係る撮像装置610において、第1の吸気口612jは、隆起部612dの側面612mに設けられている。第2の吸気口612kは、隆起部612dの頂面612eに設けられている。なお、表示パネル624は、隆起部612dの頂面612eにおいて第2の吸気口612kが設けられていない部分に、頂面612eとの間に隙間を形成することなく固定されている。
【0102】
このように、隆起部612dの側面612mに第1の吸気口612jが設けられるとともに隆起部612dの頂面612eに第2の吸気口612kが設けられるため、これらの吸気口は異なる方向に開口する。その結果として、第1および第2の吸気口612j、612kの両方が同時に、ユーザの手によって塞がれる可能性が低減する。
【0103】
なお、隆起部の頂面ではなく沈降部の底面に表示パネルが隙間を形成することなく固定される場合、沈降部の底面に第2の吸気口が設けられ、第2の吸気口が設けられていない沈降部の底面の部分に表示パネルが固定されてもよい。第1の吸気口は、筺体の後面と沈降部の底面とを接続する該沈降部の側面に設けられてもよい。
【0104】
以上、複数の実施の形態1~7を挙げて本開示に係る撮像装置を説明してきた。しかしながら、本開示は、これらの実施の形態に限定されない。
【0105】
例えば、
図1~
図8に示す実施の形態1の場合、撮像装置10の筺体12に対して回動可能に設けられた表示パネルユニット16は、収納状態であるとき、筺体12の後面12aに設けられた隆起部12dの頂面12eを覆う。それにより、表示パネルユニット16と隆起部12dの頂面12eとの対向方向視で、その頂面12eに設けられた第2の吸気口12kの全体が表示パネルユニット16に覆われている。また、
図10に示す実施の形態の場合、撮像装置210の筺体212に対して回動可能に設けられた表示パネルユニット16は、収納状態であるとき、筺体212の後面212aに設けられた沈降部212sの底面212tを覆う。それにより、表示パネルユニット16と沈降部212sの底面212tとの対向方向視で、その底面212tに設けられた第2の吸気口212kの全体が表示パネルユニット16に覆われている。
【0106】
しかしながら、表示パネルユニットによって全体が覆われる第2の吸気口が設けられる位置は、隆起部の頂面や沈降部の底面に限らない。例えば、筐体の後面に隆起部や沈降部を設けることなく、その後面に第2の吸気口を設けてもよい。この場合、筺体の後面に回動可能に設けられ、収納状態の表示パネルユニットが、収納状態の表示パネルユニットと筺体との対向方向視で、第2の吸気口の全体を覆ってもよい。なお、第1の吸気口は、収納状態の表示パネルユニットに覆われない筺体の部分に設けられる。
【0107】
以上のように、本開示における技術の例示として、複数の実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0108】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0109】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【0110】
なお、本開示のいくつかの実施の形態を挙げているが、ある実施の形態に対して別の少なくとも1つの実施の形態を全体としてまたは部分的に組み合わせて本開示に係るさらなる実施の形態とすることが可能であることは、当業者にとって明らかである。
【0111】
例えば、
図9に示す実施の形態2に係る撮像装置110の筐体112における隆起部112dの側面112mに、3つ目の吸引口として、実施の形態1に係る第1の吸気口12jを設けてもよい。それに加えて(4つ目の吸引口として)または代わって(第1の吸気口12jに代わって)、
図9に示す実施の形態2に係る撮像装置110において、筐体112の隆起部112dの上側側面(すなわち吸引口112jの反対側)に吸引口が設けられてもよい。さらに、
図9に示す実施の形態2に係る撮像装置110において、吸気口112kの代わりに、隆起部112dの側面112mに、実施の形態1に係る第1の吸気口12jを設けてもよい(この場合、筐体112は2つの吸引口を備える)。このように、必要に応じて、吸引口の数やその吸引口を設ける筐体上の部分は様々に変更可能である。すなわち、本開示の実施の形態に係る撮像装置の筐体は、異なる方向に開口する3つ以上の複数の吸気口を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
10 撮像装置
12 筐体
12j 第1の吸気口
12k 第2の吸気口
12p 排気口
16 表示パネルユニット
24 表示パネル
30 ファン
54 イメージセンサ