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特許7336808海外投資家向け不動産情報提供システム、及び不動産情報提供方法。
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  • 特許-海外投資家向け不動産情報提供システム、及び不動産情報提供方法。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】海外投資家向け不動産情報提供システム、及び不動産情報提供方法。
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20230825BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230825BHJP
【FI】
G06Q50/16
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022126168
(22)【出願日】2022-08-08
【審査請求日】2022-11-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522316331
【氏名又は名称】一衣帯水アセット不動産販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 克彦
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-071865(JP,A)
【文献】特表2010-534378(JP,A)
【文献】特許第6286502(JP,B1)
【文献】アークライズ株式会社は外国人向け不動産ポータルサイト『Japan-Property』で外国人向け不動産賃貸・売買取引の拡大をお手伝いします。,[online],2021年07月24日,[令和5年3月31日検索], インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20210724210330/https://arc-rise.co.jp/real-estate-listings>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供方法であって、
物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される海外投資家向け不動産情報提供システムを用い、
予め備えた物件情報データベースを機械翻訳処理部が翻訳するステップ、
顧客端末装置から、閲覧を希望する顧客言語をウェブサーバ装置に送信するステップ、
ウェブサーバ装置が、顧客言語を受信し、顧客言語に翻訳された物件情報データベースから物件情報を顧客端末装置に送信するステップ、
顧客端末装置において、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、
顧客の質問又は申込の内容を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信するステップ、
不動産業者端末装置において、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信するステップ、
応答内容を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された応答内容を、顧客端末装置に送信するステップ
とを有する構成において、
該ウェブサーバ装置の変換処理部が、物件情報を該顧客言語毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換する、
ことを特徴とする海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項2】
多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供方法であって、
物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される海外投資家向け不動産情報提供システムを用い、
顧客端末装置が、物件情報の検索条件を顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、
検索条件を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された検索条件に合致する物件情報を予め備えた物件情報データベースから抽出するステップ、
抽出された物件情報を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された物件情報を顧客端末装置に送信するステップ、
顧客端末装置が、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、
顧客の質問又は申込の内容を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信するステップ、
不動産業者端末装置が、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信するステップ、
応答内容を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、
ウェブサーバ装置が、翻訳された応答内容を、顧客端末装置に送信するステップ
を有することを特徴とする海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項3】
前記ウェブサーバ装置が、機械学習に基づくAI処理部を有して、物件情報データベースに含まれる各物件情報について顧客の検索条件に合致するスコアを算出し、所定の閾値を超える物件情報を抽出する、
請求項2に記載の海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項4】
前記ウェブサーバ装置において、
前記顧客端末装置を使用する会員に係る会員情報データベースを備え、
顧客端末装置の会員認証情報送信部が、会員認証情報を送信するステップ、
ウェブサーバ装置の会員認証処理部が、会員認証情報を受信し、会員であるかの認証処理を行うステップ、
ウェブサーバ装置の特別情報送信部が、会員である場合には物件情報に係る特別な特別物件情報を追加的に送信するステップ、
顧客端末装置において、受信した特別物件情報を表示するステップ
を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載の海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項5】
前記会員情報データベースに、
顧客が物件を購入する際に設立した法人名と、その法人の出資者及び出資額にかかる情報を格納する、
請求項4に記載の海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項6】
多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供システムであって、
物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成され、
顧客端末装置には、
閲覧を希望する顧客言語をウェブサーバ装置に送信する顧客側言語送信部と、
顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側メッセージ送信部と、
物件情報及び不動産業者端末装置からの応答内容を表示する顧客側表示部と
を備え、
ウェブサーバ装置には、
顧客言語を受信し、顧客言語に翻訳された物件情報データベースから物件情報を顧客端末装置に送信するサーバ側物件情報送信部と、
翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信する業者向けメッセージ送信部と、
業者側メッセージ送信部からの応答内容を、顧客端末装置に送信する顧客向けメッセージ送信部と
を備え、
不動産業者端末装置には、
業者向けメッセージ送信部からの翻訳された顧客の質問又は申込の内容を表示する業者側表示部と、
応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信する業者側メッセージ送信部と、
を備え、
ウェブサーバ装置又は、外部に備える機械翻訳サーバ装置に機械翻訳処理部を備え、
予め備えた物件情報データベースと、
顧客の質問又は申込の内容と、
応答内容とを機械翻訳する構成において、
該ウェブサーバ装置が、物件情報を該顧客言語毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換する変換処理部を備えた、
ことを特徴とする海外投資家向け不動産情報提供システム。
【請求項7】
多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供システムであって、
物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成され、
顧客端末装置には、
物件情報の検索条件を顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側検索条件送信部と、
顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側メッセージ送信部と、
物件情報及び不動産業者端末装置からの応答内容を表示する顧客側表示部と
を備え、
ウェブサーバ装置には、
翻訳された検索条件に合致する物件情報を予め備えた物件情報データベースから抽出する物件情報抽出部と、
翻訳された物件情報を顧客端末装置に送信するサーバ側物件情報送信部と、
翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信する業者向けメッセージ送信部と、
業者側メッセージ送信部からの応答内容を、顧客端末装置に送信する顧客向けメッセージ送信部と
を備え、
不動産業者端末装置には、
業者向けメッセージ送信部からの翻訳された顧客の質問又は申込の内容を表示する業者側表示部と、
応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信する業者側メッセージ送信部と、
を備え、
ウェブサーバ装置又は、外部に備える機械翻訳サーバ装置に機械翻訳処理部を備え、
検索条件と、
物件情報と、
顧客の質問又は申込の内容と、
応答内容とを機械翻訳する構成において、
該ウェブサーバ装置が、物件情報を該顧客言語毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換する変換処理部を備えた、
ことを特徴とする海外投資家向け不動産情報提供システム。
【請求項8】
前記ウェブサーバ装置の物件情報抽出部が、機械学習に基づくAI処理部を有して、物件情報データベースに含まれる各物件情報について顧客の検索条件に合致するスコアを算出し、所定の閾値を超える物件情報を抽出する、
請求項に記載の海外投資家向け不動産情報提供方法。
【請求項9】
前記ウェブサーバ装置において、
前記顧客端末装置を使用する会員に係る会員情報データベースを備えると共に、
顧客端末装置に、会員認証情報を送信する会員認証情報送信部と、
ウェブサーバ装置に、会員認証情報を受信し、会員であるかの認証処理を行うの会員認証処理部と、
ウェブサーバ装置に、会員である場合には物件情報に係る特別な特別物件情報を追加的に送信する特別情報送信部と、
顧客端末装置に、受信した特別物件情報を表示する前記顧客側表示部と
を備えた、請求項ないしのいずれかに記載の海外投資家向け不動産情報提供システム。
【請求項10】
前記会員情報データベースに、
顧客が物件を購入する際に設立した法人名と、その法人の出資者及び出資額にかかる情報を格納する、
請求項に記載の海外投資家向け不動産情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海外投資家向け不動産情報提供システム、及び不動産情報提供方法に関し、特に国内の不動産情報を世界中の顧客に対して提供すると共に、円滑に取引を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの発展に伴い、世界の情報に簡単にアクセスすることができるようになっている。例えば、不動産情報についても、外国の不動産情報を検索すれば容易に様々な情報を得ることができる。この時に、情報収集の障害となるのは言語の問題や、各国の不動産に関する法制度の問題であり、語学力や知識を持たない一般の人にとっては、情報は閲覧できても、取引に進むことには大きなハードルが存在する。
【0003】
言語の問題については、Google(登録商標)翻訳やMicrosoft (登録商標)Translatorなど、大規模な翻訳サービスがインターネット上で提供されており、近年では実用レベルの翻訳が簡便に行えるようになってきている。
特に、不動産情報は一定の用語、様式に従って提供されることが多く、機械翻訳との親和性は高いと考えられる。
【0004】
不動産取引の法制度については、我が国においては宅地建物取引業法や民法の他、建築基準法、都市計画法、不動産登記法など様々な法律、その他に自治体ごとに定められた条例などに従って慎重に取引を行う必要があり、そのための専門家として宅地建物取引士が国家資格として定められている。宅地建物取引士は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の取引に対して、購入者等の利益の保護及び円滑な宅地又は建物の流通に資するよう、公正かつ誠実に法に定める事務(重要事項の説明等)を行うこととされている。
【0005】
本発明の別の観点として、近年では我が国の長期デフレや人口減少の影響で日本の不動産価格が諸外国に比して相対的に割安となっている状況がある。そのなかで、日本の賃貸相場は比較的安定しており、割安な売買価格に照らして収益率もトップクラスに高いと言われている。
世界の一部では潤沢な資金の運用先が探されており、このような日本の不動産投資についても注目されている。
【0006】
そこで、外国人に対して日本の不動産情報を的確かつ魅力的に提供し、同時に安心して取引を行うことのできる不動産情報提供システムが求められている。しかしながら、上述したように断片的なシステムや制度設計は行われているものの、統合的に提供するシステムは実現されていないのが現状である。
【0007】
不動産情報を提供するシステムとして特許文献1が開示されている。本文献では、物件情報記憶部と、物件情報表示処理部と、オーナーとバイヤーとの間でのメッセージ処理を実行するメッセージ情報処理部と、メッセージ情報について翻訳処理を実行する翻訳処理部と、メッセージ情報記憶部とを備えている。この中で、翻訳処理部は、メッセージ情報をあらかじめ定められた言語で翻訳し、そのメッセージ情報に面積、距離を示す情報が含まれている場合には、その言語に対応した単位に換算して、翻訳されたメッセージ情報として記憶させ、物件情報表示処理部は、物件情報の表示要求を行った者の使用する言語に基づいて、対応する言語のメッセージ情報を表示することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第6286502 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記従来技術の有する問題点に鑑みて創出されたものであり、主に海外の顧客に対して不動産情報を的確かつ魅力的に提供し、同時に安心して取引を行うことのできる海外投資家向け不動産情報提供システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記課題を解決するため、次のような海外投資家向け不動産情報提供方法を創出した。
すなわち、本発明の第1の実施態様によれば、多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供方法であって、物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される海外投資家向け不動産情報提供システムを用いる。
そして、顧客端末装置から、閲覧を希望する顧客言語をウェブサーバ装置に送信するステップ、予め備えた物件情報データベースを機械翻訳処理部が翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、顧客言語を受信し、顧客言語に翻訳された物件情報データベースから物件情報を顧客端末装置に送信するステップ、顧客端末装置において、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、顧客の質問又は申込の内容を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信するステップ、不動産業者端末装置において、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信するステップ、応答内容を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された応答内容を、顧客端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の実施態様によれば、多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供方法であって、物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される海外投資家向け不動産情報提供システムを用いる。
そして、顧客端末装置が、物件情報の検索条件を顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、検索条件を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された検索条件に合致する物件情報を予め備えた物件情報データベースから抽出するステップ、抽出された物件情報を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された物件情報を顧客端末装置に送信するステップ、顧客端末装置が、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信するステップ、顧客の質問又は申込の内容を、機械翻訳処理部が翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信するステップ、不動産業者端末装置が、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信するステップ、応答内容を、機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳するステップ、ウェブサーバ装置が、翻訳された応答内容を、顧客端末装置に送信するステップを有することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置が、機械学習に基づくAI処理部を有して、物件情報データベースに含まれる各物件情報について顧客の検索条件に合致するスコアを算出し、所定の閾値を超える物件情報を抽出することができる。。
【0013】
本発明の第4の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置において、上記の顧客端末装置を使用する会員に係る会員情報データベースを備え、顧客端末装置の会員認証情報送信部が、会員認証情報を送信するステップ、ウェブサーバ装置の会員認証処理部が、会員認証情報を受信し、会員であるかの認証処理を行うステップ、ウェブサーバ装置の特別情報送信部が、会員である場合には物件情報に係る特別な特別物件情報を追加的に送信するステップ、顧客端末装置において、受信した特別物件情報を表示するステップを有する構成でもよい。
【0014】
本発明の第5の実施態様によれば、上記の会員情報データベースに、顧客が物件を購入する際に設立した法人名と、その法人の出資者及び出資額にかかる情報を格納する構成でもよい。
【0015】
本発明の第6の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置において、変換処理部が、物件情報を上記の顧客言語毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換することもできる。
【0016】
本発明の第7の実施態様によれば、多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供システムであって、物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される。
そして、顧客端末装置には、閲覧を希望する顧客言語をウェブサーバ装置に送信する顧客側言語送信部と、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側メッセージ送信部と、物件情報及び不動産業者端末装置からの応答内容を表示する顧客側表示部とを備え、ウェブサーバ装置には、顧客言語を受信し、顧客言語に翻訳された物件情報データベースから物件情報を顧客端末装置に送信するサーバ側物件情報送信部と、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信する業者向けメッセージ送信部と、業者側メッセージ送信部からの応答内容を、顧客端末装置に送信する顧客向けメッセージ送信部とを備え、不動産業者端末装置には、業者向けメッセージ送信部からの翻訳された顧客の質問又は申込の内容を表示する業者側表示部と、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信する業者側メッセージ送信部と、を備え、ウェブサーバ装置又は、外部に備える機械翻訳サーバ装置に機械翻訳処理部を備え、予め備えた物件情報データベースと、顧客の質問又は申込の内容と、応答内容とを機械翻訳することを特徴とする。
【0017】
本発明の第8の実施態様によれば、多言語で不動産の物件情報を提供する海外投資家向け不動産情報提供システムであって、物件情報を送信するウェブサーバ装置と、インターネットで接続された顧客端末装置と、不動産業者端末装置とから構成される。
そして、顧客端末装置には、物件情報の検索条件を顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側検索条件送信部と、顧客の質問又は申込を受理し、顧客言語でウェブサーバ装置に送信する顧客側メッセージ送信部と、物件情報及び不動産業者端末装置からの応答内容を表示する顧客側表示部とを備え、ウェブサーバ装置には、翻訳された検索条件に合致する物件情報を予め備えた物件情報データベースから抽出する物件情報抽出部と、翻訳された物件情報を顧客端末装置に送信するサーバ側物件情報送信部と、翻訳された顧客の質問又は申込の内容を、不動産業者端末装置に送信する業者向けメッセージ送信部と、業者側メッセージ送信部からの応答内容を、顧客端末装置に送信する顧客向けメッセージ送信部とを備え、不動産業者端末装置には、業者向けメッセージ送信部からの翻訳された顧客の質問又は申込の内容を表示する業者側表示部と、応答内容を受理し、ウェブサーバ装置に送信する業者側メッセージ送信部と、を備え、ウェブサーバ装置又は、外部に備える機械翻訳サーバ装置に機械翻訳処理部を備え、検索条件と、物件情報と、顧客の質問又は申込の内容と、応答内容とを機械翻訳することを特徴とする。
【0018】
本発明の第9の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置の物件情報抽出部が、機械学習に基づくAI処理部を有して、物件情報データベースに含まれる各物件情報について顧客の検索条件に合致するスコアを算出し、所定の閾値を超える物件情報を抽出する構成でもよい。
【0019】
本発明の第10の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置において、上記の顧客端末装置を使用する会員に係る会員情報データベースを備えると共に、顧客端末装置に、会員認証情報を送信する会員認証情報送信部と、ウェブサーバ装置に、会員認証情報を受信し、会員であるかの認証処理を行うの会員認証処理部と、ウェブサーバ装置に、会員である場合には物件情報に係る特別な特別物件情報を追加的に送信する特別情報送信部と、顧客端末装置に、受信した特別物件情報を表示する上記の顧客側表示部とを備えた構成でもよい。
【0020】
本発明の第11の実施態様によれば、上記の会員情報データベースに、顧客が物件を購入する際に設立した法人名と、その法人の出資者及び出資額にかかる情報を格納することもできる。
【0021】
本発明の第12の実施態様によれば、上記のウェブサーバ装置において、物件情報を上記の顧客言語毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換する変換処理部を備えることもできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以上の構成を有することによって次の効果を奏する。
ウェブサーバ装置から物件情報データベースに含まれる物件情報を海外の顧客に対して、所望の言語に機械翻訳して提供することができるため、不動産情報を的確かつ魅力的に伝えることが出来る。
その際に、国内の基準に沿って準備された物件情報を、当該顧客にとって理解しやすい様式に変換することで不動産取引の安全にも寄与する。
【0023】
さらにAI処理部によって顧客が入力した検索条件から機械学習に基づく柔軟で効率的な検索を行うことができるので、顧客の要求にマッチした的確な情報提供を行うことができる。
【0024】
加えて、会員情報データベースを用いて、特定の顧客の要求に沿った物件情報を提供したり、会員のみに特別な情報を提供することもできる。
本発明は、以上のような様々な技術を組み合わせて、海外向けに特に強みを有する海外投資家向け不動産情報提供システム、及びその方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明における海外投資家向け不動産情報提供システムの全体図である。
図2】本発明に係る顧客端末装置のブロック図である。
図3】本発明に係るウェブサーバ装置のブロック図である。
図4】本発明に係る不動産業者端末装置のブロック図である。
図5】本発明の不動産情報提供方法(第1実施例)のフローチャートである。
図6】本発明の不動産情報提供方法(第2実施例)のフローチャートである。
図7】本発明の不動産情報提供方法(第3実施例)のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。本発明は以下の実施例に限定されず請求項記載の範囲で適宜実施することができる。
図1は、本発明における海外投資家向け不動産情報提供システム(1)の全体図である。図示されるように、インターネット(2)を介して、顧客端末装置(10)とウェブサーバ装置(20)、不動産業者端末装置(30)を備えると共に、後述するように選択的に機械翻訳サーバ装置(40)を用いてもよい。
【0027】
各装置は、公知のパーソナルコンピュータや専用サーバ装置を用いることができる。また顧客端末装置(10)及び不動産業者端末装置(30)はタブレット端末やスマートフォンなどで実施することもできる。
ウェブサーバ装置(20)には公知のウェブサーバ処理機能を備えている。これらの構成はいずれも周知であるので本明細書では説明を省略する。
【0028】
図2図3図4は、それぞれ顧客端末装置(10)、ウェブサーバ装置(20)、不動産業者端末装置(30)のブロック図である。
顧客端末装置(10)には、CPU(100)にプログラムによって実行処理される顧客側言語送信部(101)、顧客側メッセージ送信部(102)、顧客側検索条件送信部(103)、会員認証情報送信部(104)が設けられる。また、インターネット(2)を介して情報を送受信するためのネットワークアダプタ(11)、ユーザに対して画面表示を行うためのモニタ(12)、ユーザが情報を入力しCPU(100)が受理するためのキーボード(13)を備えている。もちろん、タッチパネルによる入力手段など、公知の構成において任意に変更可能である。
また、必ずしもすべての処理部を備える必要はなく、また2以上の処理部を1つの処理によって実現してもよいし、あるいは1つの処理部を2以上の処理部に分割して実現してもよい。
【0029】
ウェブサーバ装置(20)には、CPU(200)にプログラムによって実行処理されるウェブサーバ処理部(201)、サーバ側物件情報送信部(202)、業者向けメッセージ送信部(203)、顧客向けメッセージ送信部(204)、物件情報抽出部(205)、機械翻訳処理部(206)、変換処理部(207)、会員認証処理部(208)、特別情報送信部(209)が設けられる。
【0030】
また、物件情報を予め備えた物件情報データベース(DBと記載)(21)、顧客端末装置を使用する会員に係る会員情報DB(22)を記憶手段に格納すると共に、インターネット(2)を介して情報を送受信するためのネットワークアダプタ(23)を有する。
ウェブサーバ装置(20)においても、必ずしもすべての処理部を備える必要はなく、また2以上の処理部を1つの処理によって実現してもよいし、あるいは1つの処理部を2以上の処理部に分割して実現してもよい。
【0031】
不動産業者端末装置(30)には、CPU(300)にプログラムによって実行処理される業者側メッセージ送信部(301)が設けられる。また、インターネット(2)を介して情報を送受信するためのネットワークアダプタ(31)、ユーザに対して画面表示を行うためのモニタ(32)、ユーザが情報を入力しCPU(300)が受理するためのキーボード(33)を備えている。もちろん、タッチパネルによる入力手段など、公知の構成において任意に変更可能である。
【0032】
以上のような装置構成を参照しながら、本発明にかかる海外投資家向け不動産情報提供方法について説明する。
図5は、本発明の第1の実施例に係る不動産情報提供方法のフローチャートである。
第1の実施例では、物件情報データベース(21)について予め機械翻訳処理(S10)を行い、多言語に対応した情報を準備しておく。機械翻訳処理は、Google(登録商標)翻訳やMicrosoft (登録商標)Translatorなど既存の翻訳サービスを利用してもよいし、本ステムの一部として機械翻訳サーバを置いてもよい。いずれも図1における機械翻訳サーバ装置(40)として表示している。
【0033】
機械翻訳の具体的処理方法は公知であり、また既存のサービスを利用することができるので詳細の説明は省略するが、一般的には翻訳元言語と対訳関係にある翻訳先言語とを学習用データとして機械学習し、そこで獲得した知識を機械学習データ(41)として備える。また、辞書データ(41)も合わせて備えて、専門用語にも対応することができる。
【0034】
本発明は、不動産情報に特化したシステムであることから、特に不動産及び取引に係る専門用語を辞書として格納することが好ましい。さらに、完全に対訳関係にある用語に限らず、例えば和暦のデータを西暦に変換したり、面積表示として「坪」の表示を平方メートル、あるいは平方フィートの表示に計算処理して翻訳することもできる。
従って、一般的な機械翻訳を超えて、不動産取引上、読み手が理解しやすい表記方法に変換することも本発明では機械翻訳処理に含めることが好ましい。
【0035】
機械翻訳処理は、外部の機械翻訳サーバ装置(40)を用いずに、ウェブサーバ装置(20)の機械翻訳処理部(206)で行うこともできる。この場合、外部アクセスが不要であるためクローズドなシステムを構築して、情報の漏洩を防いだり、外部の翻訳サービスの利用に伴うコストを抑制することができる。
以下の説明において機械翻訳処理は外部の機械翻訳サーバ装置(40)と送受信して行うもの、機械翻訳処理部(206)で行うもののいずれも、ウェブサーバ装置上の機械翻訳処理として取り扱う。
【0036】
顧客端末装置(10)の顧客側言語送信部(101)において、ユーザが選択した言語がウェブサーバ装置(20)に送信(S11)される。ユーザは毎回言語を選択してもよいが、一般的にはユーザの使用するOS(Operating System)の選択言語や、一度登録した選択言語を送信すればよい。
【0037】
物件情報DBの翻訳ステップ(S10)は予め行うものとしているが、翻訳速度によっては、顧客言語送信ステップ(S11)で言語の選択を受け付けてから、当該言語に翻訳(S12)してもよい。例えば英語や中国語など利用者の多い言語では予め翻訳しておき、利用の少ない言語は都度翻訳するようにしてもよい。
【0038】
物件情報は、ウェブサーバ装置(20)から顧客端末装置(10)に送信される。(S13)
物件情報は、ウェブサーバ処理部(201)において閲覧可能に提供される。ウェブサーバを用いた情報の提供方法は公知であり、ユーザが顧客端末装置から適宜選択したものを自由に閲覧できるようにしてもよい。サーバ側物件情報送信部(202)は、全て又は選択された一部の物件情報を顧客端末装置(10)に送信する。
【0039】
物件情報には、物件所在地の他、例えば土地、新築戸建、中古戸建、新築区分マンション、中古区分マンション、事業用物件など物件の種類、所有権又は借地権など権利の種類、自己使用又は収益用など目的と共に、金額、面積、築年・経過年数、物件のアピールポイント、制限事項などが格納されている。
また、太陽光発電所等再生可能エネルギーの物件におけるFIT固定金額買取制度の単価、年数などの情報を含めることもできる。
また、本発明の物件情報には不動産信託受益権など、流動化、証券化された財産権も対象とすることができる。
【0040】
これらの事項は情報を発信する国の法規制に従った事項でもよい。例えば、宅地建物取引業法に規定される重要事項の全て又は一部を含んでいてもよい。
【0041】
本発明の特徴として、顧客が受け取った物件情報について、顧客の質問又は申込を送りたい場合、これらのメッセージをキーボード等から受理(S14)し、顧客側メッセージ送信部(102)がウェブサーバ装置(20)に送信(S15)する。
【0042】
受信したウェブサーバ装置(20)では、顧客メッセージの機械翻訳処理(S16)を行った上で、業者向けメッセージ送信部(203)が、翻訳済み顧客メッセージを不動産業者端末装置(30)に送信(S17)する。不動産業者端末装置(30)はユーザである不動産業者の担当者に対して翻訳された顧客メッセージを表示する。
【0043】
顧客メッセージは顧客の使いやすい言語で入力すればよく、顧客の国における表記方法に従って送信することができる。本発明においてはウェブサーバ装置(20)における機械翻訳処理(S16)によって、単純な翻訳だけでなく、国毎の実情に応じた変換を行うことにより、正確にメッセージを伝達することができる。
【0044】
担当者は、顧客メッセージに対して、質問に対する回答や、申込に応じた案内などの応答内容をキーボード(33)等から入力する。不動産業者端末装置(30)が応答内容を受理(S18)した後、業者側メッセージ送信部(301)が送信する。(S19)
【0045】
この時も応答内容は担当者が普段使い慣れている表記方法や専門用語を利用して入力すればよい。応答内容翻訳処理(S20)において、顧客言語(国)に応じた翻訳が行われ、顧客向けメッセージ送信部(204)から翻訳済応答内容として送信(S21)される。
【0046】
顧客端末装置(10)では担当者からの応答内容が表示(S22)される。本発明の最短の処理手順は以上の通りであるが、不動産取引では質問、回答、取引の案内などが繰り返して送受信されることが一般的であり、そのたびに機械翻訳処理を介在させて必要な連絡を進めることができる。
まとめると、本発明の不動産情報提供システムでは、物件情報を顧客の言語に合わせて提供すると共に、引き続き一貫したシステム上で取引に向けた連絡を行うことができるものである。
【0047】
図6は、本発明の不動産情報提供方法(第2実施例)のフローチャートである。
第1実施例と同様の処理については同一の符号で表示しており、説明を省略する。第2実施例では、顧客端末装置(10)の顧客側検索条件送信部(103)から最初に検索条件を送信(S30)する点で第1実施例と異なる。
【0048】
検索条件は、物件情報に含まれる様々な情報をキーワードとして定義するだけでなく、顧客が希望する支払方法や、物件の所在国の法規制と顧客の国籍との関係など、取引条件・取引制限に係る情報を別に備えておき、そのマッチングにより検索を行うことができる。これは、不動産取引では高額な資金移動が必要となったり、例えば中国の物件は外国人の取得規制があるなど、様々な取引条件が伴うことから、この取引条件に合致するものを検索できることで、使用性が大きく向上するためである。
【0049】
ウェブサーバ装置(20)では受信した検索条件を機械翻訳(S31)し、物件情報抽出部(205)が物件情報データベース(21)から抽出処理(S32)を行う。検索処理は一般的なキーワードのマッチングによって抽出することができるが、近年多用されているAIに基づく抽出を行ってもよい。
【0050】
すなわち、物件情報抽出部(205)に機械学習に基づくAI処理部を有して、物件情報データベース(21)に含まれる各物件情報について顧客の検索条件に合致するスコアを算出し、所定の閾値を超える物件情報を抽出することができる。具体的な処理方法は公知の抽出方法を任意に使用する。
AI処理部によって顧客が入力した検索条件から機械学習に基づく柔軟で効率的な検索を行うことができる。
【0051】
物件情報が抽出(S32)された後、当該物件情報は機械翻訳(S33)され、翻訳済み物件情報として送信(S13)される。この後の処理は実施例1と同様である。
【0052】
本発明の付加的な実施例として、ウェブサーバ装置(20)に変換処理部(207)を備え、物件情報を顧客言語(国)毎に定められた所定の物件概要書の様式に変換することもできる。
すなわち、例えば日本の法律に準拠して用意された重要事項説明書に記載された事項を顧客の国における法律に準拠した物件概要書に変換することができる。
【0053】
このために、本システムには各国の不動産取引において法定された説明事項を格納し、日本の重要事項説明書から転記又は書式を変換すればよい事項については変換処理(S34)を行うことができる。
一方、不足している事項については、上記顧客メッセージ送信(S15)ないし翻訳済み応答内容送信(S21)の各ステップと同様の処理手順で、不動産業者端末に照会して担当者が手作業で応答するようにすることができる。
【0054】
これにより、不動産業者の担当者は、各国における法制度を習熟していなくても、顧客に適切な情報提供を行うことができ、取引の安全を図ることができる。
【0055】
図7は、本発明の不動産情報提供方法(第3実施例)のフローチャートである。
第3実施例では、ウェブサーバ装置(20)に顧客端末装置(10)を使用する会員に係る会員情報データベース(22)を備える。
【0056】
まず、顧客端末装置(10)の会員認証情報送信部(104)が、会員認証情報を送信する。(S40)
このとき、ユーザが会員IDとパスワードなどを入力してもよいし、顧客端末装置(10)のアプリケーションソフト上に会員情報を記録しておいて自動的に送信されるようにしてもよい。あるいは、アプリケーションソフトからウェブサーバ装置(20)へのアクセス自体を会員認証情報の送信と見なしてもよい。
【0057】
ウェブサーバ装置(20)の会員認証処理部(208)では上記会員IDとパスワードが会員情報データベース(22)と一致するか否か、あるいは所定のアプリケーションソフトからのアクセスか否かなど、会員認証処理(S41)を行う。
そして会員認証がOK(S42)であれば、会員に対して物件情報に係る特別な特別物件情報を物件情報データベース(21)から抽出(S43)する。
【0058】
物件情報は、売主のプライバシーの保護や、取引の秘密を守るために、詳細な情報を制限して公開することがしばしば行われている。一方、顧客からすれば簡便に様々な情報を閲覧したい需要があるため、第3実施例のように会員認証を行い、認証された会員には特別物件情報を提供することが有利である。特別物件情報としては、物件の詳細な所在地や、金額、細かな取引条件など秘匿したい任意の情報を含めることができる。
【0059】
会員認証の方法としては、上記の会員IDとパスワードによるものの他、公知の顔認証技術、指紋認証技術など、生体認証技術を組み合わせて用いることもできる。
【0060】
特別物件情報は、翻訳が必要なものと不要なものが含まれる場合があるが、翻訳が必要な場合には、機械翻訳処理(S44)を行ってから、特別情報送信部(209)によって送信(S45)し、顧客端末装置(10)で表示(S46)することができる。
【0061】
さらに本発明の海外投資家向け不動産情報提供方法を利用して、外国人でも物件を購入しやすい仕組みを提供することができる。
そのために、会員情報データベース(21)に、顧客が物件を購入する際に設立した法人名と、その法人の出資者及び出資額にかかる情報を格納する。本システムを利用して外国人(もちろん内国人でもよい)が不動産を購入する際に、物件を購入する名義は合同会社などの法人とし、その法人自体を取引の対象とすることができる。
【0062】
そして、物件を第三者に売却する際には、不動産自体ではなく、法人の代表社員や取締役、株主の地位を移転することにより、煩雑な登記手続や、不動産の取得制限などを回避することができる。
本システムを使用することで、会員とその関係する法人とがシステム上で参照可能であり、また物件情報データベース(21)の実質的な所有者である顧客と、物件と紐付けられた法人とを管理することができる。
【0063】
さらに、法人の代表社員や取締役、株主に不動産業者が一部参加することにより、顧客が海外から手続を行う手間を省力化することができ、不動産取引の促進に寄与する。
【符号の説明】
【0064】
1 海外投資家向け不動産情報提供システム
2 インターネット
10 顧客端末装置
20 ウェブサーバ装置
21 物件情報データベース
22 会員情報データベース
30 不動産業者端末装置
40 機械翻訳サーバ装置
【要約】      (修正有)
【課題】主に海外の顧客に対して不動産情報を的確、かつ、魅力的に提供し、同時に安心して取引を行う海外投資家向け不動産情報提供システム及び不動産情報提供方法を提供する。
【解決手段】方法は、顧客端末装置が、閲覧を希望する顧客言語をウェブサーバ装置に送信し、ウェブサーバ装置が、予め備えた物件情報データベースを機械翻訳処理部が翻訳して顧客言語に翻訳された物件情報データベースから物件情報を顧客端末装置に送信し、顧客端末装置が、顧客の質問又は申込を受理し顧客言語でウェブサーバ装置に送信し、ウェブサーバ装置が、顧客の質問又は申込の内容を翻訳して翻訳された顧客の質問又は申込の内容を不動産業者端末装置に送信し、不動産業者端末装置が、応答内容を受理しウェブサーバ装置に送信しウェブサーバ装置が応答内容を機械翻訳処理部が顧客言語に翻訳して翻訳された応答内容を顧客端末装置に送信する。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7