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特許7336814検査装置、実装装置、検査方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】検査装置、実装装置、検査方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/52 20060101AFI20230825BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20230825BHJP
   H01L 21/50 20060101ALI20230825BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20230825BHJP
【FI】
H01L21/52 F
H01L21/60 311T
H01L21/50 F
H01L21/68 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022563228
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2022005883
【審査請求日】2022-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】519294332
【氏名又は名称】株式会社新川
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
【審査官】川原 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-051700(JP,A)
【文献】特表2002-524884(JP,A)
【文献】特開2016-063230(JP,A)
【文献】国際公開第2022/014451(WO,A1)
【文献】特開2021-027171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/50
H01L 21/52
H01L 21/58
H01L 21/60
H01L 21/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップの実装前の実装区画の基準位置、前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置、および、前記半導体チップの実装後の位置を測定する測定部と、
前記測定部により測定された、前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査する検査部と、
を備える、
検査装置。
【請求項2】
前記測定部は、実装後の前記半導体チップにおける実装面とは反対側の面に露出した特徴点の位置に基づいて、前記半導体チップの実装位置を測定する、
請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記実装区画は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向において並列して配置された複数の区画の中から選択された区画であり、
前記複数の周辺区画は、前記実装区画に対して前記第1方向において隣り合う区画、及び、前記実装区画に対して前記第2方向において隣り合う区画を含む、
請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の検査装置と、
前記実装区画に対して前記半導体チップを実装する実装部と
を備え、
前記実装部は、前記検査装置により検査された前記半導体チップの相対位置の目標位置からのずれ量に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの実装位置を補正する、
実装装置。
【請求項5】
半導体チップの実装前の実装区画の基準位置を測定するステップと、
前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置を測定するステップと、
前記半導体チップの実装後の位置を測定するステップと、
前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査するステップと、
を含む、
検査方法。
【請求項6】
コンピュータに、
半導体チップの実装前の実装区画の基準位置を測定する処理と、
前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置を測定する処理と、
前記半導体チップの実装後の位置を測定する処理と、
前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査する処理と
を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置、実装装置、検査方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に対する半導体チップの実装位置を検査する技術が知られている。例えば、特許文献1に記載の技術においては、画像処理により認識した、半導体チップのアライメントマークと半導体チップの角部との位置関係に基づいて、半導体チップの実装位置が所望の範囲内にあるか否かを検査していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第06-118018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、半導体チップのエッジが必ずしも垂直とは限らないことから、半導体チップの角部を画像処理により正確に認識することが困難なことがあり、半導体チップの角部を基準として半導体チップの実装位置を的確に検査する上でなお改善の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、半導体チップの実装位置を的確に検査することができる検査装置、実装装置、検査方法、及びプログラムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様における検査装置は、半導体チップの実装前の実装区画の基準位置、前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置、および、前記半導体チップの実装後の位置を測定する測定部と、前記測定部により測定された、前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査する検査部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様における検査方法は、半導体チップの実装前の実装区画の基準位置を測定するステップと、前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置を測定するステップと、前記半導体チップの実装後の位置を測定するステップと、前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査するステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様におけるプログラムは、コンピュータに、半導体チップの実装前の実装区画の基準位置を測定する処理と、前記実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置を測定する処理と、前記半導体チップの実装後の位置を測定する処理と、前記実装区画の基準位置と前記複数の周辺区画の基準位置との距離、および、前記半導体チップの実装後における前記複数の周辺区画の基準位置と前記半導体チップの実装位置との距離に基づいて、前記実装区画に対する前記半導体チップの相対位置を検査する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、半導体チップの実装位置を的確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るボンディング装置の概略構成を示す側面図である。
図2】実装区画と周辺区画の位置関係を示す図である。
図3】半導体チップと周辺区画の位置関係を示す図である。
図4】半導体チップの実装処理の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】半導体チップの位置測定の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施形態に係るボンディング装置の構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、ボンディング装置100は、ウェハ保持部12と、ハンドリングユニット14と、ボンディングヘッド部20と、XYテーブル26と、ボンディングステージ部40と、ボンディング制御部60と、を備える。以下の説明においては、ボンディング対象面に平行な方向をXY軸方向とし、ボンディング対象面に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0013】
ボンディング装置100は、ウェハ70の半導体チップ72(「ダイ」ともいう)を基板80に実装するための実装装置の一例である。半導体チップ72の表面には、集積回路パターンが形成されている。ボンディング装置100は、半導体チップ72を基板80に位置合わせし、半導体チップ72の裏面が基板80に対向するように半導体チップ72を基板80にボンディングする。このようなボンディング装置100は、フリップチップボンダ、もしくはダイボンディング装置と呼ばれる。
【0014】
ウェハ保持部12は、ウェハ70を保持する。ウェハ70は、碁盤目状にダイシングされた複数の半導体チップ72を含む。ウェハ保持部12は、例えば、ウェハ70を真空吸着することで複数の半導体チップ72を保持する。ウェハ保持部12は、例えば、フィルム上にウェハ70を貼り付けることで複数の半導体チップ72を保持してもよい。
【0015】
ハンドリングユニット14は、例えば、ステッピングモータ15と、回転軸16と、アーム17と、ベース18と、ピックアップツール19とを備える。ステッピングモータ15は、回転軸16を回転させてベース18及びピックアップツール19を反転させる。アーム17は、一端が回転軸16に取り付けられて回転軸16からZ軸方向斜め下向きの方向に延びており、他端がベース18のZ軸方向の上面18aに取り付けられている。ベース18は、アーム17の先端にボルト等で固定されている。ベース18のZ軸方向の下面18bには、ピックアップツール19が取り付けられている。ピックアップツール19は、Z軸方向に移動可能に構成されている。
【0016】
ハンドリングユニット14は、ピックアップツール19を下方に向けた状態で、ハンドリングユニット14をウェハ保持部12の上方まで移動させる。また、ハンドリングユニット14は、ピックアップツール19によって上方から半導体チップ72を吸着する。一方、ステッピングモータ15は、回転軸16を回転させ、ベース18及びピックアップツール19を反転させることで、ベース18の下面18bをZ方向上向きとし、ピックアップツール19を上向きとする。これにより、ハンドリングユニット14は、ピックアップした半導体チップ72を反転させる。
【0017】
ボンディングヘッド部20は、ウェハ保持部12からピックアップされた半導体チップ72を吸着して基板80の位置まで搬送し、半導体チップ72を基板80にボンディングする。
【0018】
ボンディングヘッド部20には、Z軸駆動機構21を介してボンディングツール22が取り付けられている。また、ボンディングヘッド部20には、カメラ24が取り付けられている。ボンディングヘッド部20は、XYテーブル26によってX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成されている。ボンディングツール22及びカメラ24は、ボンディングヘッド部20とともにX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成されている。
【0019】
ボンディングツール22は、例えば、直方体形状又は円錐台形状に構成され、集積回路パターンが形成された半導体チップ72の表面を保持する。ボンディングツール22は、Z軸方向と平行な中心軸を有しており、Z軸駆動機構21及びXYテーブル26によって、Z軸方向、X軸方向、及びY軸方向に、それぞれ移動可能に構成されている。
【0020】
ボンディングツール22は、図示しないθ軸駆動機構及びチルト駆動機構を介してボンディングヘッド部20に取り付けられており、これらの駆動機構によってZ軸回りの回転及びチルト方向(傾斜方向)に移動可能に構成されている。
【0021】
カメラ24は、例えば、レンズ等の光学系と、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子と、を含んで構成されている。カメラ24は、例えば、鉛直方向に沿う光軸を有しており、ボンディングステージ部40の上方に位置する場合、ボンディングステージ部40の上面を撮影する。
【0022】
ボンディングステージ部40は、基板80に半導体チップ72をボンディングするためのステージである。ボンディングステージ部40は、基板80をX軸方向及びY軸方向に移動させる移動機構と、基板80を加熱する加熱機構とを有している。
【0023】
ボンディング制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部:circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めボンディング制御部60のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでボンディング制御部60のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
【0024】
ボンディング制御部60は、例えば、測定部61と、検査部62と、実装部63とを備える。
【0025】
測定部61は、カメラ24により撮影された基板80の画像データに基づいて、基板80の基準位置を測定する。測定部61は、例えば、カメラ24により撮影された基板80の画像データに対して画像認識処理を行うことで、基板80の特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、基板80の基準位置を測定する。基板80は、半導体チップ72の実装の対象となる実装区画と、実装区画の周囲に位置する周辺区画とを含む。また、実装区画及び周辺区画は、ウェハ上に形成された半導体チップ72が実装される基板であってもよい。さらに、周辺区画には、半導体チップ72が実装される前の区画と、半導体チップ72が実装された後の区画とが混在してもよい。
【0026】
また、測定部61は、カメラ24により撮影された、基板80に実装された半導体チップ72の画像データに基づいて、半導体チップ72の実装位置を測定する。測定部61は、例えば、カメラ24により撮影された半導体チップ72の画像データに対して画像認識処理を行うことで、半導体チップ72の特徴点の位置を特定し、特定した特徴点の位置に基づいて、半導体チップ72の実装位置を特定する。半導体チップ72の特徴点は、実装後の半導体チップ72における実装面とは反対側の面に露出した特徴点であり、例えば、半導体チップ72を厚み方向に貫通する電極の端部を含む。
【0027】
検査部62は、測定部61により測定された、実装区画の基準位置と複数の周辺区画の基準位置との距離を算出する。また、検査部62は、半導体チップ72の実装後における複数の周辺区画と半導体チップ72の実装位置との距離を算出する。また、検査部62は、測定部61により測定された、実装区画の基準位置と複数の周辺区画の基準位置との距離、および、半導体チップ72の実装後における複数の周辺区画の基準位置と半導体チップ72の実装位置との距離に基づいて、実装区画に対する半導体チップ72の相対位置を検査する。
【0028】
実装部63は、検査部62により検査された実装区画に対する半導体チップ72の相対位置に基づいて、実装区画に対して半導体チップ72を実装する。実装部63は、例えば、検査部62により検査された半導体チップ72の相対位置の目標位置からのずれ量に基づいて、実装区画に対する半導体チップ72の実装位置を補正する。
【0029】
本実施形態に係るボンディング装置100が実行する検査方法は、半導体チップ72の実装前の実装区画の基準位置を測定するステップ(第1ステップ)と、実装の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置を測定するステップ(第2ステップ)と、半導体チップ72の実装後の位置を測定するステップ(第3ステップ)と、実装区画の基準位置と複数の周辺区画の基準位置との距離、および、半導体チップ72の実装後における複数の周辺区画の基準位置と半導体チップ72の実装位置との距離に基づいて、実装区画に対する半導体チップ72の相対位置を検査するステップ(第4ステップ)と、を含む。
【0030】
図2は、半導体チップ72の実装前の状態の一例を示しており、上述した第1ステップ及び第2ステップを説明するための図である。図2に示す例では、複数の基板80が縦方向(第1方向)及び横方向(第2方向)に並列して配置されており、これらの基板80のうち、中央に位置する基板80が実装区画80Aとして設定され、実装区画80Aに対して縦方向の両側において隣り合う基板80が第1周辺区画80B及び第2周辺区画80Cとして設定され、実装区画80Aに対して横方向の両側において隣り合う基板80が第3周辺区画80D及び第4周辺区画80Eとして設定されている。基板80の特徴点は、例えば、基板80の位置を示すアライメントマークM1を含む。アライメントマークM1は、基板80の上面のうち、対角に位置する2つの角部の近傍に設けられている。測定部61は、例えば、基板80の2つの特徴点の位置情報に基づいて、2つの特徴点の中間位置を基板80の基準位置として測定する。
【0031】
そして、検査部62は、実装区画80Aの基準位置PAと第1周辺区画80Bの基準位置PBとの距離L1、実装区画80Aの基準位置PAと第2周辺区画80Cの基準位置PCとの距離L2、実装区画80Aの基準位置PAと第3周辺区画80Dの基準位置PDとの距離L3、および、実装区画80Aの基準位置PAと第4周辺区画80Eの基準位置PEとの距離L4をそれぞれ算出する。
【0032】
図3は、半導体チップ72の実装後の状態の一例を示しており、上述した第3ステップ及び第4ステップを説明するための図である。
【0033】
図3に示す例では、検査部62は、半導体チップ72の実装位置PXと第1周辺区画80Bの基準位置PBとの距離L1a、半導体チップ72の実装位置PXと第2周辺区画80Cの基準位置PCとの距離L2a、半導体チップ72の実装位置PXと第3周辺区画80Dの基準位置PDとの距離L3a、半導体チップ72の実装位置PXと第4周辺区画80Eの基準位置PEとの距離L4aをそれぞれ算出する。
【0034】
そして、検査部62は、例えば、半導体チップ72の実装前における実装区画80Aの基準位置PAと複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEとの距離L1,L2,L3,L4に基づいて、実装区画80Aと周辺区画80B~80Eとの相対位置を特定する。また、検査部62は、半導体チップ72の実装後における複数の周辺区画80B~80Eと半導体チップ72の実装位置PXとの距離L1a,L2a,L3a,L4aに基づいて、半導体チップ72と周辺区画80B~80Eとの相対位置を特定する。そして、検査部62は、実装区画80Aと周辺区画80B~80Eとの相対位置、および、半導体チップ72の実装後における半導体チップ72と周辺区画80B~80Eとの相対位置に基づいて、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を検査する。
【0035】
次に、本実施形態に係るボンディング装置100が実行する半導体チップ72の実装処理について説明する。
【0036】
図4に示すように、まず、ボンディング制御部60は、ボンディングヘッド部20を移動させ、ボンディングツール22をハンドリングユニット14の上方に配置させる(S10)。
【0037】
次に、ボンディング制御部60は、Z軸駆動機構21を駆動してボンディングツール22を下降させ、ボンディングツール22の先端において半導体チップ72を保持させる(S11)。
【0038】
次に、ボンディング制御部60は、Z軸駆動機構21を駆動してボンディングツール22を予め設定した高さまで上昇させた後、ボンディングヘッド部20を移動させ、カメラ24をボンディングステージ部40の上方に配置させる。そして、ボンディング制御部60は、半導体チップ72の位置測定の処理を実行する(S12)。
【0039】
図5に示すように、ボンディング制御部60は、半導体チップ72の位置測定の処理においては、まず、カメラ24により撮影された実装区画80Aの画像データに基づいて、実装区画80Aの基準位置を測定する(S20)。
【0040】
次に、ボンディング制御部60は、カメラ24により撮影された周辺区画80B~80Eの画像データに基づいて、複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEを測定する(S21)。
【0041】
次に、ボンディング制御部60は、ボンディングツール22を駆動することで、ボンディングステージ部40において、実装区画80Aに対して半導体チップ72を実装する(S22)。
【0042】
次に、ボンディング制御部60は、カメラ24により撮影された周辺区画80B~80Eの画像データに基づいて、複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEを測定する(S23)。
【0043】
次に、ボンディング制御部60は、カメラ24により撮影された半導体チップ72の画像データに基づいて、実装後の半導体チップ72の位置を測定する(S24)。
【0044】
次に、ボンディング制御部60は、先のステップS20において測定した実装区画80Aの基準位置PAと、先のステップS21において測定した複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEとの距離L1~L4と、先のステップS23において測定した複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEと、先のステップS24において測定した実装後の半導体チップ72の実装位置PXとの距離L1a~L4aとに基づいて、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を測定する(S25)。
【0045】
次に、図4に戻り、ボンディング制御部60は、先のステップS25において測定された、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置に基づいて、半導体チップ72の実装位置を補正する(S13)。
【0046】
次に、ボンディング制御部60は、ボンディングヘッド部20を移動させ、ボンディングツール22を実装区画80Aの上方に配置させる(S14)。
【0047】
次に、ボンディング制御部60は、ボンディングツール22を実装区画80Aの近傍まで下降させ、半導体チップ72を実装区画80Aに実装する(S15)。
【0048】
次に、本実施形態に係るボンディング装置100の作用効果について説明する。
【0049】
実装区画80Aに対して半導体チップ72を実装する際、半導体チップ72において実装区画80Aに対向する面にアライメントマークMAが設けられている場合には、半導体チップ72のアライメントマークMAを可視光カメラにより撮影することが困難となる。特に、実装区画80Aと半導体チップ72との間に、赤外光に対して非透過性を示す材料が介在している場合には、赤外カメラを用いた場合であっても、半導体チップ72のアライメントマークMAを撮影することが困難となる。
【0050】
この点、本実施形態に係るボンディング装置100は、実装区画80Aに対して半導体チップ72を実装する際、半導体チップ72において実装区画80Aに対向する面とは反対側の面の特徴点をカメラ24により撮影し、特徴点の位置を半導体チップ72の実装位置PXとして測定している。
【0051】
ここで、半導体チップ72を実装する前後において、実装区画80Aと周辺区画80B~80Eとの位置関係は変化しない。そのため、ボンディング装置100は、半導体チップ72の実装前における実装区画80Aの基準位置PAと周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEとの位置関係を基準として、半導体チップ72の実装位置PXと複数の周辺区画80B~80Eの基準位置PB~PEとの位置関係を参照して、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を測定することが可能となる。これにより、半導体チップ72の実装位置を的確に検査することができる。
【0052】
なお、上記実施形態は、以下のような形態にて実施することもできる。
【0053】
上記実施形態においては、複数の周辺区画80B~80Eは、実装区画80Aに対して縦方向の両側において隣り合う基板80、および、実装区画80Aに対して横方向の両側において隣り合う基板80を周辺区画80B~80Eとした。これに代えて、実装区画80Aの周囲に位置する基板80であれば、必ずしも、縦方向または横方向において隣り合う基板80でなくてもよい。また、周辺区画の数は、必ずしも4つである必要はなく、2つ以上であればよい。
【0054】
上記実施形態においては、一つの実装区画80Aに対して半導体チップ72を実装する毎に、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を検査した。これに代えて、複数の実装区画80Aに対して半導体チップ72の実装処理を行った後、これらの実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を並行して検査するようにしてもよい。
【0055】
上記実施形態においては、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置を検査する毎に、実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置に基づいて、実装区画80Aに対する半導体チップ72の実装位置を補正した。これに代えて、半導体チップ72が実装される実装区画80Aが複数である場合、一部の実装区画80Aに対する半導体チップ72の相対位置に基づく半導体チップ72の実装位置の補正条件を、他の実装区画80Aに対する半導体チップ72の実装時に適用してもよい。
【0056】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0057】
12…ウェハ保持部、14…ハンドリングユニット、15…ステッピングモータ、16…回転軸、17…アーム、18…ベース、19…ピックアップツール、20…ボンディングヘッド部、21…Z軸駆動機構、22…ボンディングツール、24…カメラ、26…XYテーブル、40…ボンディングステージ部、60…ボンディング制御部、61…測定部、62…検査部、63…実装部、70…ウェハ、72…半導体チップ、80…基板、100…ボンディング装置。
【要約】
検査装置は、半導体チップの実装前の実装区画の基準位置、実装区画の周囲に位置する複数の周辺区画の基準位置、および、半導体チップの実装後の位置を測定する測定部と、測定部により測定された、実装区画の基準位置と複数の周辺区画の基準位置との距離、および、半導体チップの実装後における複数の周辺区画の基準位置と半導体チップの実装位置との距離に基づいて、実装区画に対する半導体チップの相対位置を検査する検査部と、を備える。このような検査装置は、半導体チップの実装位置を的確に検査することができる。
図1
図2
図3
図4
図5