(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-08-24
(45)【発行日】2023-09-01
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0645 20230101AFI20230825BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230825BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20230825BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q30/0601 312
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019056989
(22)【出願日】2019-03-25
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】518135467
【氏名又は名称】野田 大智
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】野田 大智
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-109196(JP,A)
【文献】特開2014-006741(JP,A)
【文献】特開2003-030691(JP,A)
【文献】特開2018-041197(JP,A)
【文献】国際公開第2015/050242(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貸車両の駐車を許可する駐車場の情報を、前記貸車両を管理する管理装置に送信し、
前記駐車場において前記貸車両が入庫又は出庫した場合、前記駐車場に関する識別情報と、前記貸車両に関する識別情報とを含む入庫通知又は出庫通知を前記管理装置から取得し、
前記入庫通知又は出庫通知に基づき、前記駐車場における車両の駐車状況を判別し、
前記駐車状況に応じて、前記駐車場への前記貸車両の駐車の可否を判定し、
判定結果を前記管理装置に通知する
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記駐車場を提供する提供者の端末装置から、前記駐車場の情報の登録を受け付け、
登録された前記駐車場の情報を前記管理装置に送信し、
前記入庫通知又は出庫通知に含まれる前記駐車場に関する識別情報を参照して、前記駐車場を提供した前記提供者に対して報酬を付与する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記提供者の端末装置から、前記貸車両の管理に関連する作業の完了通知を取得し、
前記完了通知を取得した場合、前記提供者に対して報酬を付与する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記作業は、前記貸車両を他の駐車場に移動させる作業であり、
前記提供者の端末装置から、前記貸車両に設けられた施錠装置の解錠要求を受け付け、
前記解錠要求を前記管理装置に送信して前記施錠装置を解錠させる
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
自らの車両を使用する利用者の端末装置から、前記自らの車両を前記駐車場に駐車する利用申込を受け付け、
前記利用申込に基づき、前記利用者による前記駐車場の利用状況を判別し、
前記利用状況と、前記貸車両の駐車状況とに基づき、前記駐車場における前記貸車両の駐車の可否を判定する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記入庫通知又は出庫通知は、前記貸車両を提供する事業者の識別情報を含み、
前記事業者の識別情報を参照して、前記事業者に対応する前記管理装置に前記判定結果を通知する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記管理装置を介して、前記貸車両を利用する第2利用者の端末装置から、前記第2利用者の位置情報を含む前記駐車場の情報の送信要求を受け付け、
前記第2利用者の位置情報に応じた前記駐車場の情報を、前記管理装置を介して前記第2利用者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
貸車両の駐車を許可する駐車場の情報を、前記貸車両を管理する管理装置に送信する送信部と、
前記駐車場において前記貸車両が入庫又は出庫した場合、前記駐車場に関する識別情報と、前記貸車両に関する識別情報とを含む入庫通知又は出庫通知を前記管理装置から取得する取得部と、
前記入庫通知又は出庫通知に基づき、前記駐車場における車両の駐車状況を判別する判別部と、
前記駐車状況に応じて、前記駐車場への前記貸車両の駐車の可否を判定する判定部と、
判定結果を前記管理装置に通知する通知部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レンタサイクル(Rental Cycle)、カーシェアリング(Carsharing)のように、自転車、自動車等の車両を比較的短時間で貸し出す賃貸借サービスが普及しつつある。例えば特許文献1では、レンタサイクル向けの車両管理システムであって、車両に設けられた鍵を解錠する付属装置に対し、鍵の解錠に用いられるパスコード群を発行する車両管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているような賃貸借サービスを提供するに際して、車両を停めておく駐車場の不足が問題になっている。
【0005】
一つの側面では、貸車両を駐車する駐車場を供与することができる情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面では、情報処理方法は、貸車両の駐車を許可する駐車場の情報を、前記貸車両を管理する管理装置に送信し、前記駐車場において前記貸車両が入庫又は出庫した場合、前記駐車場に関する識別情報と、前記貸車両に関する識別情報とを含む入庫通知又は出庫通知を前記管理装置から取得し、前記入庫通知又は出庫通知に基づき、前記駐車場における車両の駐車状況を判別し、前記駐車状況に応じて、前記駐車場への前記貸車両の駐車の可否を判定し、判定結果を前記管理装置に通知する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、貸車両を駐車する駐車場を供与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】駐輪場連携システムの構成例を示す模式図である。
【
図2】サーバ及び端末の構成例を示すブロック図である。
【
図3】会員DB及び駐輪場DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図5】仲介システムとレンタサイクルシステムとの連携処理に関する説明図である。
【
図6】仲介システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】駐輪場連携システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係る駐輪場連携システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態1)
図1は、駐輪場連携システムの構成例を示す模式図である。本実施の形態では車両の一例として自転車を想定し、所定のサービス事業者から利用者に貸与されるレンタサイクル(貸車両)を駐輪可能な駐輪場(駐車場)として、私有地の空きスペース等を提供する駐輪場連携システムについて説明する。駐輪場連携システムは、情報処理装置1、端末2及び3、施錠装置4、管理装置5を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信接続されている。
【0010】
本システムは、会員利用者間で行われる駐輪場PAの賃貸借を仲介する仲介システムと、レンタサイクルを利用者に貸与するレンタサイクルシステムとから構成される。
図1の例では、情報処理装置1、端末2等から仲介システムが構成される。また、管理装置5、端末3、施錠装置4等からレンタサイクルシステムが構成される。
【0011】
仲介システムは、会員制の駐輪サービスを提供するシステムであって、利用者間で行われる駐輪場PAの賃貸借を仲介し、会員利用者の自転車を、同じく会員利用者である駐輪場オーナの駐輪場PAに駐輪させる仲介サービスを提供する。なお、以下の説明では便宜上、仲介システムの利用者を「会員」と呼び、会員の中でも駐輪場PAを提供する会員(提供者)を「オーナ」と呼ぶ。
【0012】
詳細は後述するように、オーナは私有地の空きスペース等を駐輪場PAとして仲介システムに登録しておき、駐輪場PAへの自転車の駐輪を許可する。会員は仲介システムを利用して、駐輪場PAに自らの自転車を駐輪する予約申込を行い、駐輪場PAに自らの自転車を駐輪する。駐輪場PAに会員の自転車が駐車された場合、オーナには所定の報酬が支払われる。このように、仲介システムでは駐輪場PAとして活用可能な私有地等の利用促進を行い、会員間での駐輪場PAの賃貸借を仲介する。
【0013】
レンタサイクルシステムは、自治体、企業等の事業者が運営するシステムであって、複数の利用者に共用されるレンタサイクルを貸し出すレンタサイクルサービスを提供する。なお、上記の駐輪サービスの利用者と区別するため、以下の説明ではレンタサイクルサービスの利用者を「レンタル利用者」と呼ぶ。
【0014】
例えばレンタサイクルは、ポートと呼ばれる規定駐輪場PBに駐輪されており、レンタル利用者は規定駐輪場PBに駐輪されているレンタサイクルを利用することができる。詳細な図示は省略するが、レンタサイクルを停める規定駐輪場PBは複数の地点に用意されており、レンタル利用者は任意の規定駐輪場PBからレンタサイクルを借り、別の規定駐輪場PBに返却(駐輪)することができる。
【0015】
上述の如く、レンタサイクルサービスではレンタル利用者が任意の規定駐輪場PBにレンタサイクルを返却することが可能であるが、規定駐輪場PBの不足が問題となっている。すなわち、規定駐輪場PBとして使用する場所を数多く確保することが難しく、レンタル利用者から見ると駐輪可能な規定駐輪場PBが少ないため利便性が悪いという問題がある。そこで本システムでは、上記の仲介システムがレンタサイクルシステムと連携し、駐輪場オーナから提供された駐輪場PAに、レンタサイクルも駐輪可能とする。
【0016】
なお、図示は省略するが、本システムでは複数の事業者それぞれがレンタサイクルサービスを実施しているものとし、仲介システムは複数の事業者それぞれのレンタサイクルシステムと連携するものとする。すなわち、仲介システムは複数のレンタサイクルサービスに対して駐輪場PAを提供し、各サービスのレンタル利用者が同じ駐輪所PAにレンタサイクルを駐輪することができる。
【0017】
以下、本システムを構成する各ハードウェアの概要を説明する。情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では情報処理装置1がサーバ装置であるものとし、以下の説明では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、仲介システムを運営する運営者のサーバ装置であり、駐輪場PAにおける自転車の駐輪状況の管理、駐輪場PAの利用料金の決済等に関わる処理を行う。また、後述するようにサーバ1は、レンタサイクルシステムを管理する管理装置5との間で通信を行い、駐輪場PAの空き状況(駐輪状況)を同期する。
【0018】
端末2は、サーバ1が提供する駐輪サービスの会員(第1利用者)が使用する端末装置であり、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置である。以下の説明では必要に応じて、駐輪場PAに自らの自転車を駐輪する会員の端末2と、駐輪場PAを提供するオーナの端末2とをそれぞれ会員端末2a及びオーナ端末2bと呼び分ける。会員端末2a及びオーナ端末2bにはそれぞれ、会員制駐輪サービスを実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、各端末2はアプリケーションプログラムを実行することで後述の処理を行う。
【0019】
端末3は、レンタサイクルサービスの利用者(第2利用者)の端末装置であり、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の情報処理装置である。端末2と区別するため、以下の説明ではレンタル利用者の端末3をレンタル利用者端末3と呼ぶ。
【0020】
施錠装置4は、レンタサイクルに固定された付属装置であり、レンタサイクルの車輪部分に設けられた鍵の施錠及び解錠を制御する制御装置である。例えば施錠装置4は、鍵の施錠及び解錠を制御するマイクロコントローラを備えるほか、外部との通信を行うための通信モジュール、GPS(Global Positioning System)信号等の位置情報を受信する受信機などを備える。
【0021】
管理装置5は、レンタサイクルサービスを提供する事業者の装置であり、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態において管理装置5はサーバ装置であるものとし、以下の説明では管理サーバ5と読み替える。管理サーバ5は、施錠装置4から位置情報を取得してレンタサイクルの現在地を管理すると共に、レンタル利用者端末3の要求に応じて、施錠装置4に解錠命令を送信して鍵を解錠させる。
【0022】
図2は、サーバ1及び端末2の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムP1を読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための処理回路等を含み、外部と情報の送受信を行う。
【0023】
補助記憶部14は大容量メモリ、ハードディスク等であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP1、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、会員DB141及び駐輪場DB142を記憶している。会員DB141は、会員の情報を格納するデータベースである。駐輪場DB142は、駐輪場PAの情報を格納するデータベースである。
【0024】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであってもよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0025】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば可搬型記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0026】
端末2は、制御部21、主記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25、補助記憶部26を備える。
制御部21は、一又は複数のCPU、MPU等の演算処理装置を有し、補助記憶部26に記憶されたプログラムP2を読み出して実行することにより、端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部22は、RAM等の一時記憶領域であり、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部23は、通信を行うためのアンテナ、処理回路等を含み、外部と情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置であり、制御部21から与えられた画像を表示する。入力部25は、タッチパネル、メカニカルキー等の操作インターフェイスであり、操作内容を制御部21に入力する。補助記憶部26はROM(Read Only Memory)等の不揮発性記憶領域であり、制御部21が処理を実行するために必要なプログラムP2、その他のデータを記憶している。
【0027】
図3は、会員DB141及び駐輪場DB142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。会員DB141は、会員ID列、氏名列、アカウント列、予約列を含む。会員ID列は、会員を識別するための会員IDを記憶している。氏名列は、会員IDと対応付けて、会員の氏名を記憶している。アカウント列は、会員IDと対応付けて、会員のアカウント情報を記憶している。アカウント情報は、例えば会員が利用料金を支払うためのクレジットカード番号、金融口座番号等を含み得る。予約列は、会員IDと対応付けて、会員から受け付けた駐輪場PAの予約申込に関する情報を記憶している。
【0028】
駐輪場DB142は、駐輪場ID列、オーナ列、位置情報列、駐輪可能台数列、料金列、入出庫履歴列を含む。駐輪場ID列は、駐輪場PAを識別するための駐輪場IDを記憶している。オーナ列は、駐輪場IDと対応付けて、駐輪場PAを提供したオーナの会員IDを記憶している。位置情報列は、駐輪場IDと対応付けて、駐輪場PAの位置情報(例えばGPSの座標値、住所等)を記憶している。駐輪可能台数列は、駐輪場IDと対応付けて、駐輪場PAに駐輪可能な自転車の台数を記憶している。料金列は、駐輪場IDと対応付けて、オーナが設定する駐輪場PAの利用料金(報酬)、料金の支払いを受けるオーナの金融口座など、料金の支払いを受けるためにオーナが設定した情報を記憶している。
【0029】
入出庫履歴列は、駐輪場IDと対応付けて、駐輪場PAにおけるレンタサイクルの入出庫履歴を記憶している。例えば入出庫履歴列には、レンタサイクルを識別するためのレンタサイクルIDと対応付けて、当該レンタサイクルの提供元である事業者の識別情報である事業者ID、レンタサイクルを入庫した入庫時刻、入庫したレンタサイクル利用者の利用者ID、レンタサイクルを出庫した出庫時刻、出庫したレンタサイクル利用者の利用者IDなどが記憶されている。
【0030】
図4は、仲介システムに関する説明図である。
図4では、駐輪場連携システムを構成する2つのシステムのうち、仲介システムが提供する駐輪サービスの概要を図示している。まず
図4を用いて、仲介システムについて説明する。
【0031】
上述の如く、端末2(会員端末2a及びオーナ端末2b)には駐輪サービスを実現するためのアプリケーションプログラムがインストールされている。本アプリケーション上で会員端末2aは、駐輪場PAの利用に関する予約申込の入力を受け付ける。また、同じアプリケーション上でオーナ端末2bは、駐輪場PAを登録する設定入力を受け付ける。なお、会員端末2a及びオーナ端末2bで動作するアプリケーションプログラムは別々のプログラムであってもよい。
【0032】
オーナ端末2bは、駐輪場PAとして登録する私有地等に関する情報の設定入力を受け付け、サーバ1に送信する。例えばオーナ端末2bは、駐輪場PAの位置情報、駐輪場PAの立地風景を撮像した画像、駐輪場PAの利用形態等の入力を受け付ける。なお、利用形態は、駐輪を許可する車種(例えば二輪自動車も許可するか等)や、時間貸し又は月極契約の別などである。また、オーナ端末2bは、駐輪場PAの利用に伴いオーナに支払われる報酬の金額、報酬の支払いを受ける金融口座など、報酬の支払いを受けるために必要な各種情報について設定入力を受け付ける。オーナ端末2bは、入力された各種情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、オーナ端末2bから取得した情報を駐輪場DB142に格納し、駐輪場PAを登録する。
【0033】
会員端末2aは、会員による操作入力に従い、駐輪場PAに自転車を駐輪する予約申込(利用申込)を行う。例えば会員端末2aは、
図4に示すように、駐輪場DB141に登録された各駐輪場PAの位置をアイコンにより地図上に表示し、駐輪場PAを示すアイコンへの操作入力を受け付ける。なお、例えばサーバ1は、会員端末2aの位置情報、あるいは会員が任意に入力する検索クエリ(例えば駅名)等から駐輪場PAの検索を行い、検索された駐輪場PAを会員端末2aに表示させてもよいことは勿論である。
【0034】
アイコンへの操作入力を受け付けた場合、会員端末2aは不図示の表示画面に遷移し、指定された駐輪場PAの予約申込に必要な各種情報の入力を受け付ける。予約申込時に入力する情報は、例えば予約日、駐輪予定の車種、会員の電話番号、自転車の防犯登録番号、自転車の外観を撮影した画像、利用料金の支払い方法等を含む。なお、会員端末2aは上記の情報以外に、例えば駐輪する時間帯などについても事前に入力を受け付けてもよい。サーバ1は、申込を行った会員の会員IDと対応付けて、予約された駐輪場PAの駐輪場ID、予約日等の各種情報を会員DB141に格納する。
【0035】
また、会員端末2aはサーバ1との間で通信を行い、予約申込時に利用料金の事前決済を行う。具体的には、会員端末2aは、会員が選択する支払い方法に応じて、クレジットカードを用いた決済、あるいは本アプリケーション上で購入可能なポイントを用いた決済を行う。なお、決済方法はクレジットカード及びポイントに限定されず、例えば金融振込などであってもよい。
【0036】
サーバ1は、どの駐車料PAであるかに関わらず利用料金を一定額としてもよいが、本実施の形態では、オーナが設定した報酬額に応じて利用料金を設定する。例えばサーバ1は、オーナが設定した報酬額に所定の仲介手数料を加算した額を利用料金とし、決済を行う。決済が完了した場合、サーバ1は、決済が完了した旨の通知を会員端末2aに送信する。
【0037】
会員端末2aから駐輪場PAの予約申込を受け付けた場合、サーバ1は、駐輪場PAの利用に伴う報酬をオーナに付与する。すなわちサーバ1は、オーナが設定した報酬額を、オーナの金融口座宛に送金する決済処理を行う。また、サーバ1は、報酬が支払われた旨の支払い通知をオーナ端末2bに送信し、報酬額等をオーナに通知する。
【0038】
なお、上記では報酬の付与を金銭の支払いによって行っているが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば報酬の付与は上記のポイントの付与により行われてもよい。サーバ1は、駐輪場PAを提供する何らかのインセンティブをオーナに付与することができればよく、報酬は金銭に限定されない。
【0039】
以上より、仲介システムはオーナから提供された場所を駐輪場PAとして活用し、会員が自転車を駐輪可能とする。これにより、会員に自転車を駐輪しておく場所を提供すると共に、私有地の空きスペース等を駐輪場PAとして活用し、オーナに収入を与えることができる。
【0040】
なお、上記では駐輪場PAの利用申込を予約制で行っているが、本実施の形態はこれに限定されない。例えば会員は駐輪場PAへの駐輪後に利用申込を行い、利用料金は後払いで支払うようにしてもよい。このように、サーバ1は会員端末2aから駐輪場PAの利用申込を受け付けて利用状況を管理可能であればよく、申込方法は予約制に限定されない。
【0041】
図5は、仲介システムとレンタサイクルシステムとの連携処理に関する説明図である。
図5では、駐輪場PAにおける自転車の駐輪状況を管理するサーバ1が、レンタサイクルを管理する管理サーバ5と通信を行い、駐輪場PAの情報をレンタル利用者に提示して駐輪場PAにレンタサイクルを駐輪可能とする様子を図示している。
【0042】
例えば管理サーバ5は、レンタサイクルを駐輪可能な駐輪場の情報の送信要求をレンタル利用者端末3から受け付け、レンタサイクルの規定駐輪場PB(ポート)と、オーナの駐輪場PAとを含む各駐輪場の情報をレンタル利用者端末3に送信する。具体的には、管理サーバ5は、レンタル利用者の利用者IDと、レンタル利用者端末3の位置情報とを含む送信要求をレンタル利用者端末3から取得する。管理サーバ5は、当該送信要求をサーバ1に転送し、サーバ1から駐輪場PAの情報を取得する。
【0043】
管理サーバ5から送信要求を受け付けた場合、サーバ1は各データベースを参照して、現在の駐輪場PAの駐輪状況を判別する。そしてサーバ1は、各駐輪場PAの位置情報、空き状況(駐輪状況)等を含む情報を管理サーバ5に送信する。
【0044】
なお、この場合にサーバ1は、管理サーバ5を介して取得したレンタル利用者の位置情報に応じて駐輪場PAの情報を送信すると好適である。例えばサーバ1は、位置情報が示すレンタル利用者の現在地から所定範囲内に位置する駐輪場PAを駐輪場DB142から検索し、検索された駐輪場PAの位置情報、空き状況等を管理サーバ5に送信する。これにより、レンタル利用者は自らの付近に在る駐輪場PAを把握することができ、利便性を向上させることができる。
【0045】
管理サーバ5は、サーバ1から送信された駐輪場PAの情報を、規定駐輪場PBの情報と共にレンタル利用者端末3に送信する。例えばレンタル利用者端末3は、
図5に示すように地図上に各駐輪場の位置を表示すると共に、レンタル利用者による操作入力に従って、各駐車場において現在駐輪可能な自転車の台数、すなわち駐輪場の空き状況を表示する。これにより、レンタル利用者は、規定駐輪場PBだけでなく、オーナが提供する駐輪場PAにもレンタサイクルを駐輪することができる。
【0046】
一方で、レンタサイクルを駐輪場PAに駐輪する場合、会員も駐輪場PAを利用するため、ダブルブッキングが発生しないよう調整する必要がある。そこで本実施の形態では、サーバ1は管理サーバ5との間でレンタサイクルの駐輪状況を同期し、会員の自転車と駐輪場所が重複しないよう制御する。
【0047】
具体的には、サーバ1は、駐輪場PAからレンタサイクルが出庫する場合、及び駐輪場PAにレンタサイクルが入庫する場合に、管理サーバ5から出庫通知及び入庫通知を取得する。例えば管理サーバ5は、レンタサイクルに設けられた施錠装置4の解錠及び施錠をトリガとして、出庫通知及び入庫通知をサーバ1に送信する。
【0048】
施錠装置4による解錠方法は、例えばQRコード(登録商標)等の二次元コードを用いる方法、パスコードと呼ばれる暗証番号を用いる方法、専用のIC(Integrated Circuit)カードを用いる方法などが考えられる。本実施の形態では便宜的に、二次元コードを用いる形態を想定する。二次元コードを用いる場合、レンタル利用者端末3が施錠装置4に画面表示等されている二次元コードを読み取り、レンタサイクルIDを含む解錠要求を管理サーバ5に送信する。レンタル利用者端末3から解錠要求を受け付けた場合、管理サーバ5は、レンタサイクルIDに対応する施錠装置4に解錠命令を送信して、遠隔で解錠させる。管理サーバ5は、解錠命令の送信によって解錠の有無を判定し、レンタサイクルが駐輪場から出庫したものと判別する。
【0049】
なお、例えば暗証番号を用いて解錠を行う場合、レンタル利用者端末3が管理サーバ5に対して暗証番号の送信要求を行い、返信された暗証番号をレンタル利用者が不図示のテンキーボタンにより入力することで解錠させる。また、ICカードを用いる場合、施錠装置4が不図示の読取手段によって利用者ID等を読み取り、管理サーバ5に問い合わせを行って鍵を解錠する。このように、施錠装置4による解錠方法は特に限定されず、管理サーバ5が鍵の解錠を判定可能であればよい。
【0050】
レンタル利用者により鍵が施錠された場合、施錠装置4は、施錠を検知した旨を管理サーバ5に通知する。管理サーバ5は当該通知によってレンタサイクルの停車、すなわち駐輪場への入庫を判別する。
【0051】
なお、上記では鍵の解錠及び施錠によって入出庫を判別しているが、例えば管理サーバ5は、施錠装置4から発信される位置情報を駐輪場の位置情報と比較することで入出庫を判別するようにしてもよい。このように、管理サーバ5はレンタサイクルの入出庫を判別可能であればよく、その手法は特に限定されない。
【0052】
例えば管理サーバ5は、上記の入出庫時に施錠装置4から位置情報を取得し、取得した位置情報を各駐輪場の位置情報と比較して、レンタサイクルが出庫又は入庫した駐輪場が駐輪場PAであるか、又は規定駐輪場PBであるかを判定する。そして管理サーバ5は、レンタサイクルが出庫又は入庫した駐輪場が駐輪場PAである場合に、出庫通知又は入庫通知をサーバ1に送信する。
【0053】
なお、以下では駐輪場PAでの入出庫時のみ通知を行うものとして説明するが、規定駐輪場PBでの入出庫時も同様に通知を行ってもよいことは勿論である。
【0054】
出庫通知及び入庫通知はそれぞれ、レンタサイクルが出庫又は入庫する駐輪場PAの駐輪場IDと、レンタサイクルのレンタサイクルIDとを含む。なお、レンタサイクルIDに加えて、又はレンタサイクルIDに代えて、レンタサイクルを出庫又は入庫するレンタル利用者の利用者IDをレンタサイクルの識別情報として用いてもよい。また、駐輪場IDに加えて、又は駐輪場IDに代えて、駐輪場PA全体の識別情報ではなく、駐輪場PA内で自転車を駐輪する個々のラックやサイクルポートの識別情報を用いてもよい。すなわち、管理サーバ5は、レンタサイクルの出庫元又は入庫先を識別可能な駐輪場PAに関する識別情報と、レンタサイクルの個体を識別可能なレンタサイクルに関する識別情報とをサーバ1に通知可能であればよく、各識別情報は駐輪場PA自体、あるいはレンタサイクル自体の識別情報でなくともよい。
【0055】
例えば管理サーバ5は、駐輪場ID及びレンタサイクルIDのほかに、レンタル利用者の利用者ID、入出庫時刻を含む出庫通知及び入庫通知を送信する。さらに管理サーバ5は、レンタルサイクルの提供元である事業者の事業者IDを含めて出庫通知及び入庫通知を行う。これにより、サーバ1は何れの事業者のレンタルサイクルが駐輪されるかを識別可能となり、複数のレンタサイクルシステムと連携することが可能となる。
【0056】
サーバ1は、レンタサイクルの入出庫時に上記の出庫通知及び入庫通知を管理サーバ5から取得する。サーバ1は、駐輪場IDと対応付けて、レンタルサイクルID、入出庫時刻、事業者ID等の各種情報を入出庫履歴として駐輪場DB142に記憶する。また、サーバ1は、管理サーバ5から取得した出庫通知及び入庫通知をオーナ端末2bに転送し、駐輪場PAにおけるレンタサイクルの入出庫をオーナが把握可能とする。
【0057】
管理サーバ5から駐輪場PAの情報について送信要求を受け付けた場合、サーバ1は、各データベースを参照して駐輪場PAの現在の駐輪状況(空き状況)を判別する。具体的には、サーバ1は、会員DB141を参照して会員による駐輪場PAの予約状況(利用状況)を判別すると共に、駐輪場DB141を参照して、駐輪場PAにおいて現在駐輪されているレンタサイクルの駐輪状況を判別する。サーバ1は、会員による予約状況と、レンタサイクルの駐輪状況とに基づいて駐輪場PAの空き状況を判別する。例えばサーバ1は、会員による予約数と、輪場PAに現在駐輪されているレンタサイクルの台数とを合計し、駐輪場PAにおける駐輪可能台数と比較して、駐輪場PAの空き状況を判別する。サーバ1は、判別した駐輪場PAの空き状況を管理サーバ5に通知(送信)する。
【0058】
また、サーバ1は、管理サーバ5からレンタサイクルの入庫通知を取得した場合、同様に駐輪場PAにおけるレンタサイクルの空き状況を判別して、レンタサイクルを新たに駐輪可能であるか否か、駐輪の可否を判定する。すなわち、サーバ1は、入庫通知に含まれる駐輪場IDからレンタサイクルが入庫する駐輪場PAを識別して、会員DB141及び駐輪場DB142からそれぞれ、当該駐輪場PAにおける会員の予約状況と、レンタサイクルの駐輪状況とを判別する。そしてサーバ1は、会員による予約数と、レンタサイクルの駐輪台数とを合計して駐輪可能台数と比較し、入庫通知がなされたレンタサイクルが駐輪場PAに駐輪可能か否かを判定する。
【0059】
既に駐輪可能台数に達しており、駐輪不可能であると判定した場合、サーバ1は、駐輪不可能である旨を管理サーバ5に通知する。駐輪不可能である旨の通知をサーバ1から取得した場合、例えば管理サーバ5は当該通知をレンタル利用者端末3に転送し、レンタル利用者に報知する。これにより、ダブルブッキングを防止する。
【0060】
駐輪可能台数に達しておらず、駐輪可能であると判定した場合、サーバ1はレンタサイクルの駐輪を許可する。この場合、例えばサーバ1は、オーナに報酬を支払うため、管理サーバ5に対して利用料金の支払い要求を送信してもよい。利用料金の支払いは、レンタサイクルを駐輪場PAに駐輪したレンタル利用者宛に要求してもよく、レンタサイクルサービスを提供する事業者宛に要求してもよい。例えばサーバ1は、事業者宛に利用料金の支払い要求を、入庫通知に含まれる事業者IDに対応する管理サーバ5に送信する。これにより仲介システム側は、レンタサイクルシステム側から利用料金の支払いを受ける。
【0061】
駐輪場PAにレンタサイクルが入庫した場合、サーバ1は、駐輪場PAの利用に伴う報酬をオーナに付与する。すなわち、サーバ1は、事業者から支払われる利用料金のうち、仲介手数料を差し引いた報酬額をオーナの金融口座に送金する決済処理を行う。なお、レンタサイクルの入庫時の報酬額も、会員自転車の駐輪時と同様にオーナが任意に設定してもよい。サーバ1は、報酬の支払いに関する決済処理を行うと共に、報酬の支払いに関する支払い通知をオーナ端末2bに送信して報酬額等をオーナに報知する。
【0062】
以上より、オーナが会員向けに提供する駐輪場PAをレンタル利用者も利用可能となり、レンタサイクルの駐輪場所を増大させることができる。駐輪場PAのさらなる利用促進を図ることができ、オーナの収入増大を期待することができる。
【0063】
図6は、仲介システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6に基づき、会員制駐輪サービスを実現する仲介システムの処理内容について説明する。
オーナ端末2bは、会員の自転車、及びレンタサイクルの駐輪を許可する駐輪場PAの情報の設定入力を受け付け、サーバ1に送信して駐輪場DB142に登録する処理を行う(ステップS11)。ステップS11で登録する情報は、駐輪場PAの位置情報等のほか、報酬額、金融口座等のように、報酬の支払いを受けるために必要な情報を含む。サーバ1は、オーナ端末2bから送信された駐輪場PAの情報を駐輪場DB142に記憶する。
【0064】
会員端末2aは、会員による操作入力に従い、駐輪場DB142に登録されている駐輪場PAの情報をサーバ1に要求する(ステップS12)。サーバ1は、駐輪場DB142を参照して、駐輪場PAの情報を会員端末2aに送信する(ステップS13)。会員端末2aは、駐輪場PAの情報を表示する(ステップS14)。例えば会員端末2aは、駐輪場DB142に登録されている各駐輪場PAの位置を地図上に表示する。会員端末2aは、駐輪場PAの利用を予約する予約申込の入力を会員から受け付け、サーバ1に送信する(ステップS15)。例えば会員端末2aは、予約する駐輪場PA、予約日、利用料金の支払方法等について入力を受け付け、サーバ1に送信する。
【0065】
会員端末2aから予約申込を受け付けた場合、サーバ1は、予約申込に関する情報をユーザDB141に記憶する(ステップS16)。また、サーバ1は、駐輪場PAの利用料金を決済する決済処理を行う(ステップS17)。具体的には、サーバ1は、予約申込を行った会員が希望する支払方法で利用料金の決済を行い、会員が支払った利用料金から仲介手数料を差し引いた残額を報酬としてオーナに支払う(付与する)処理を行う。サーバ1は、決済処理が完了した旨の通知を会員端末2aに送信する(ステップS18)。また、サーバ1は、駐輪場PAの利用に伴う報酬の支払い通知をオーナ端末2bに送信し(ステップS19)、一連の処理を終了する。
【0066】
図7は、駐輪場連携システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7に基づき、仲介システムとレンタサイクルシステムとが連携して行う処理内容について説明する。
レンタル利用者端末3は、レンタル利用者による操作入力に従い、レンタサイクルを駐輪可能な駐輪場の情報の送信を管理サーバ5に要求する(ステップS31)。例えばレンタル利用者端末3は、レンタル利用者の利用者IDと、レンタル利用者の位置情報とを含む送信要求を管理サーバ5に送信する。レンタル利用者端末3から送信要求を受け付けた場合、管理サーバ5は、駐輪場PAの情報の送信をサーバ1に要求する(ステップS32)。例えば管理サーバ5は、レンタル利用者の位置情報を含む送信要求をサーバ1に送信する。
【0067】
管理サーバ5から送信要求を受け付けた場合、サーバ1は、レンタサイクルの駐輪を許可する駐輪場PAの情報を管理サーバ5に送信する(ステップS33)。例えばサーバ1は、会員DB141を参照して会員による各駐輪場PAの予約状況(利用状況)を判別すると共に、駐輪場DB142を参照して各駐輪場PAにおけるレンタルサイクルの駐輪状況を判別し、各駐輪場PAの空き状況を判別する。サーバ1は、各駐輪場PAの位置情報、空き状況等の情報を送信する。この場合にサーバ1は、管理サーバ5を介して取得したレンタル利用者の位置情報に応じて駐輪場PAを駐輪場DB142から検索し、検索された駐輪場PAの情報を管理サーバ5に送信する。
【0068】
管理サーバ5は、サーバ1から取得した駐輪場PAの情報と、レンタサイクルの規定駐輪場PBの情報とをレンタル利用者端末3に送信する(ステップS34)。各駐輪場の情報を取得した場合、例えばレンタル利用者端末3は、各駐輪場の位置を地図上に表示すると共に、各駐輪場の空き状況等を表示する。
【0069】
レンタル利用者端末3は、レンタル利用者による操作入力に従い、レンタサイクルに設けられた施錠装置4の解錠要求を管理サーバ5に送信する(ステップS35)。解錠要求を受け付けた場合、管理サーバ5は、解錠命令を施錠装置4に送信して解錠させる(ステップS36)。
【0070】
管理サーバ5は、施錠装置4を解錠したレンタサイクルがオーナの駐輪場PAから出庫した場合、出庫した駐輪場PAの駐輪場IDと、出庫したレンタサイクルのレンタサイクルIDとを含む出庫通知をサーバ1に送信する(ステップS37)。例えば管理サーバ5は、施錠装置4からレンタサイクルの位置情報を取得し、取得した位置情報を駐輪場PAの位置情報と比較して、レンタサイクルが駐輪場PAに駐輪していたか否かを判定する。レンタサイクルが駐輪場PAに駐輪しており、施錠装置4が解錠されて駐輪場PAから出庫したと判定した場合、管理サーバ5は、駐輪場ID及びレンタサイクルIDのほか、レンタル利用者の利用者ID、出庫時刻等を含む出庫通知をサーバ1に送信する。サーバ1は、出庫通知に含まれる各種情報を駐輪場DB142に記憶する(ステップS38)。また、サーバ1は、駐輪場IDに基づいて駐輪場PAのオーナを特定し、当該オーナのオーナ端末2bに出庫通知を送信する(ステップS39)。
【0071】
管理サーバ5は、施錠装置4からの通知に基づき、レンタサイクルが施錠されたか否かを判定する(ステップS40)。施錠されていないと判定した場合(S40:NO)、管理サーバ5は処理を待機する。施錠されたと判定した場合(S40:YES)、管理サーバ5は、施錠装置4が施錠されたレンタサイクルがオーナの駐輪場PAに入庫した場合に、入庫した駐輪場PAの駐輪場IDと、入庫したレンタサイクルのレンタサイクルIDとを含む入庫通知をサーバ1に送信する(ステップS41)。例えば管理サーバ5は、上述の入庫時と同じく施錠装置4から取得する位置情報に応じて、レンタサイクルが駐輪場PAに入庫したか否かを判定する。管理サーバ5は、駐輪場ID及びレンタサイクルIDのほか、レンタル利用者の利用者ID、入庫時刻等を含む入庫通知をサーバ1に送信する。
【0072】
管理サーバ5から入庫通知を取得した場合、サーバ1は、会員DB141及び駐輪場DB142を参照して駐輪場PAの駐輪状況(空き状況)を判別し、レンタサイクルが駐輪場PAに駐輪可能か否かを判定する(ステップS42)。具体的には、サーバ1は、会員DB141を参照して会員による駐輪場PAの予約状況(利用状況)を判別すると共に、駐輪DB142を参照してレンタサイクルの駐輪状況を判別する。サーバ1は、会員による予約状況と、レンタサイクルの駐輪状況とに基づき、レンタサイクルが新たに駐輪可能か否かを判定する。駐輪可能でないと判定した場合(S42:NO)、サーバ1は、駐輪不可能である旨を管理サーバ5に通知する(ステップS43)。例えば管理サーバ5は、当該通知をレンタル利用者端末3に転送して駐輪不可能である旨をレンタル利用者に報知する。サーバ1は、一連の処理を終了する。
【0073】
駐輪可能であると判定した場合(S42:YES)、サーバ1は、入庫通知に含まれる各種情報を駐輪場DB142に記憶する(ステップS44)。また、サーバ1は、入庫時と同様に、駐輪場PAのオーナのオーナ端末2bに入庫通知を送信する(ステップS45)。サーバ1は、駐輪場PAの利用料金の支払い要求を管理サーバ5に通知する(ステップS46)。また、サーバ1は、レンタルサイクルの駐輪に伴う報酬をオーナに付与すると共に、当該報酬に関する通知をオーナ端末2bに送信する(ステップS47)。例えばサーバ1は、レンタルサイクルシステム側から支払われる利用料金から仲介手数料を差し引いた報酬額を、駐輪場PAのオーナの金融口座に送金する決済処理を行い、送金した報酬額等をオーナ端末2bに通知する。サーバ1は、一連の処理を終了する。
【0074】
なお、上記では入庫時及び出庫時の双方で管理サーバ5からサーバ1に通知を行っているが、通知は入庫時又は出庫時のいずれかのみであってもよい。
【0075】
また、オーナ端末2bに入庫通知を送信した場合、サーバ1はオーナ端末2bから、レンタサイクルの駐輪を許可するか否か、オーナによる承認を受け付けるようにしてもよい。これにより、オーナの希望に則した駐輪場PAの貸し出しを行うことができる。
【0076】
以上より、本実施の形態1によれば、レンタサイクルを駐輪可能な駐輪場PAをレンタサイクルシステム側に供与し、駐輪場の不足を解消することができる。
【0077】
また、本実施の形態1によれば、私有地の空きスペース等を駐輪場PAとして活用し、駐輪場の不足を解消することができる。
【0078】
また、本実施の形態1によれば、会員による駐輪場の利用状況(予約状況)と照らして駐輪の可否を判定することで、レンタサイクルを停めることができる駐輪場PAを適切に案内することができる。
【0079】
また、本実施の形態1によれば、事業者IDを含む入庫通知又は出庫通知をレンタルサイクルシステム側から取得することで、複数のレンタサイクルサービスと連携することができる。
【0080】
また、本実施の形態1によれば、レンタル利用者の位置情報に応じた駐輪場PAをレンタル利用者に提示することで、より適切な駐輪場PAにレンタル利用者を案内することができる。
【0081】
(実施の形態2)
本実施の形態では、レンタサイクルの管理に関連する作業を行い、レンタサイクルサービスの運営に協力したオーナに対して報酬を付与する形態について述べる。なお、実施の形態1と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、実施の形態2の概要に関する説明図である。
図8に基づき、本実施の形態の概要について説明する。
【0082】
レンタサイクルサービスを提供するに際し、レンタサイクルの保全、管理のために、種々の作業が発生する。本実施の形態では、レンタサイクルの管理に関連する作業を、レンタサイクルが駐輪される駐輪場PAのオーナが行うよう促し、事業者の負担を軽減する。
【0083】
レンタサイクルの管理に関連する作業は、例えばレンタサイクルの配置変えである。上述の如く、レンタサイクルサービスではポートと呼ばれる規定駐輪場PBが用意されているが、例えば鉄道駅近くの規定駐輪場PBのように、特定の駐輪場に人気が集中して停められやすい傾向にある。従って、レンタル利用者がレンタサイクルを利用する場合に、規定駐輪場PBによってはレンタサイクルが駐輪されておらず、レンタサイクルを利用できない事態が生じやすい。
【0084】
上記の事態を回避するため、事業者は各規定駐輪場PBにレンタサイクルが均等に配置されるよう、定期的に配置変えを行っている。本実施の形態では当該作業の負担を軽減するため、オーナが自らの駐輪場PAから規定駐輪場PBに配置変えを行うよう支援する。
【0085】
図8では、オーナがレンタサイクルの配置変えを行う様子を図示している。配置変えを行うオーナは、まずオーナ端末2bを介してサーバ1に施錠装置4の解錠要求を行う。例えばサーバ1は、レンタサイクルのレンタサイクルIDを含む解錠要求をオーナ端末2bから受け付け、管理サーバ5に転送して解錠要求を通知する。管理サーバ5は、サーバ1から解錠要求を受け付けて、レンタサイクルIDに対応する施錠装置4に対し解錠命令を送信する。これにより施錠装置4が解錠され、オーナはレンタサイクルを移動可能となる。
【0086】
なお、上記の解錠時に、サーバ1はレンタサイクルをどの規定駐輪場PBに移動すべきかオーナに指示してもよい。例えばサーバ1は管理サーバ5と通信を行い、レンタサイクルの駐輪台数が少ない規定駐輪場PBの情報を取得し、オーナ端末2bに通知する。これにより、レンタサイクルの配置変えをより的確に行うことができる。
【0087】
規定駐輪場PBへの配置変えが完了後、オーナ端末2bは、オーナによる操作入力に基づき、配置変えが完了した旨の完了通知をサーバ1に送信する。完了通知を取得した場合、サーバ1は当該通知を管理サーバ5に転送して配置変えが完了した旨を報告する。
【0088】
なお、この場合にサーバ1は、作業の見返りとしてオーナに報酬を支払うため、作業費用の支払いを要求する支払い要求を管理サーバ5に送信し、事業者に対して費用請求を行ってもよい。これにより、オーナに支払う報酬を適切に補完することができる。
【0089】
配置変えの完了通知を取得した場合、サーバ1は、配置変えを行ったオーナに対して報酬を付与する。例えばサーバ1は、所定の報酬額をオーナの金融口座宛に送金する決済処理を行う。配置変えによる報酬額は一定額でもよく、配置変えの作業内容、例えば何れの規定駐輪場PBに移動させたかに応じて変動させてもよい。また、サーバ1は、報酬が支払われた旨の支払い通知をオーナ端末2bに送信する。
【0090】
サーバ1は上記の配置変えだけでなく、レンタサイクルの管理に関連するその他の作業についても同様に、作業を行ったオーナに対して報酬を付与するようにしてもよい。その他の作業の一例は、レンタサイクルの修理である。サーバ1は上記と同様に、オーナ端末2bから解錠要求を受け付けて管理サーバ5に解錠命令を送信させ、修理作業の完了後にオーナ端末2bから完了通知を取得する。サーバ1は、修理作業の見返りとして報酬の支払い通知をオーナ端末2bに送信し、オーナの金融口座宛に送金を行う。このように、オーナが行う作業はレンタサイクルの配置変えに限定されず、その他の作業であってもよい。
【0091】
図9は、実施の形態2に係る駐輪場連携システムが実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9に基づき、実施の形態2に係る駐輪場連携システムの処理内容について説明する。
オーナ端末2bは、オーナによる操作入力に従い、サーバ1に対してレンタサイクルの解錠要求を送信する(ステップS201)。解錠要求は、解錠対象であるレンタサイクルのレンタサイクルIDを含む。サーバ1は、オーナ端末2bから取得した解錠要求を管理サーバ5に送信する(ステップS202)。解錠要求を受け付けた場合、管理サーバ5は、レンタサイクルIDに対応する施錠装置4に対して解錠命令を送信する(ステップS203)。
【0092】
オーナ端末2bは、オーナによる操作入力に従い、レンタサイクルの管理に関連する作業の完了通知をサーバ1に送信する(ステップS204)。レンタサイクルに関連する作業は、例えばレンタサイクルを現在駐輪している駐輪場PAから規定駐輪場PB(他の駐輪場)に移動させる配置変え、レンタサイクルの修理等である。オーナ端末2bから作業の完了通知を取得した場合、サーバ1は当該通知を管理サーバ5に送信する(ステップS205)。この場合にサーバ1は、レンタサイクルを提供する事業者に対し、作業費用の支払い要求を行ってもよい。サーバ1は、作業を行ったオーナに対して報酬を付与すると共に、報酬に関する支払い通知をオーナ端末2bに送信し(ステップS206)、一連の処理を終了する。
【0093】
なお、上記では作業時に施錠装置4を解錠するものとしたが、施錠装置4の解錠は必須ではない。例えばレンタサイクルの修理は解錠せずとも可能であるため、施錠装置4を解錠せずともよい。
【0094】
また、オーナ端末2bから完了通知を受ける場合、サーバ1は、作業が適切に行われたか否か、オーナによる作業内容を検証する処理を行ってもよい。例えば配置変えの場合、サーバ1は、作業の完了通知を取得した場合に管理サーバ5にアクセスし、レンタサイクルが規定駐輪場PBに移動されたか否かを判定する。これにより、オーナが行う作業について不正行為を防止することができる。
【0095】
以上より、本実施の形態2によれば、レンタサイクルサービスを提供する事業者の負担を軽減することができる。
【0096】
また、本実施の形態2によれば、作業時に施錠装置4を解錠させることで、レンタサイクルの配置変えを適切に行うことができる。
【0097】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0098】
1 情報処理装置(サーバ)
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
P1 プログラム
2 端末
2a 会員端末
2b オーナ端末
21 制御部
22 主記憶部
23 通信部
24 表示部
25 入力部
26 補助記憶部
P2 プログラム
3 端末(レンタル利用者端末)
4 施錠装置
5 管理装置(管理サーバ)